特許第6073106号(P6073106)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073106
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】熱交換パネル
(51)【国際特許分類】
   F24D 3/16 20060101AFI20170123BHJP
【FI】
   F24D3/16 A
   F24D3/16 C
【請求項の数】5
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-238643(P2012-238643)
(22)【出願日】2012年10月30日
(65)【公開番号】特開2014-88983(P2014-88983A)
(43)【公開日】2014年5月15日
【審査請求日】2015年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】593131666
【氏名又は名称】東京フォーミング株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000183071
【氏名又は名称】住商メタレックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165423
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 雅久
(72)【発明者】
【氏名】大谷 忠好
(72)【発明者】
【氏名】長久 裕史
【審査官】 渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−100413(JP,U)
【文献】 特開平07−225028(JP,A)
【文献】 特開2008−157562(JP,A)
【文献】 特開昭51−124022(JP,A)
【文献】 特開2012−176542(JP,A)
【文献】 実開昭58−038746(JP,U)
【文献】 特開2013−257068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の基材と、前記基材の表面に形成され延在方向に曲げ部を有し伝熱管が配設される配管溝と、少なくとも前記基材の前記表面に貼付される均熱部材と、を有する熱交換パネルにおいて、
前記曲げ部に、前記均熱部材と接続される伝熱部材設けられ、
前記伝熱部材は、前記配管溝の内部に挿入される挿入部と、前記挿入部に連続して形成され前記基材の前記表面に接して前記均熱部材に接続される平板部と、を有し、
前記伝熱部材には、少なくとも各々一部分の連結部を残して複数の分離部が形成され、
前記分離部は、前記平板部から前記挿入部に達して前記平板部を分離すると共に前記挿入部を分離することを特とする熱交換パネル。
【請求項2】
前記連結部は、前記挿入部の横断面中央に形成されることを特徴とする請求項に記載の熱交換パネル。
【請求項3】
前記連結部は、粘着部を有するテープから構成されることを特徴とする請求項1または請求項に記載の熱交換パネル。
【請求項4】
前記テープは、前記挿入部の凹面に貼付されることを特徴とする請求項に記載の熱交換パネル。
【請求項5】
前記配管溝に配設される伝熱管と、を有し、
前記伝熱部材は、前記配管溝と前記伝熱管との間に配置され、少なくとも一部分が前記伝熱管と接することを特徴とする請求項1から請求項の何れか1項に記載の熱交換パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床暖房や輻射冷暖房等に用いられる熱交換パネルに関し、特に、熱媒体を流通させる伝熱管を板状基材に配設する熱交換パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の熱交換パネルとして、図12(A)及び(B)に示す温水循環方式の床暖房装置に用いられる床暖房パネル100が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
図12(A)は、床暖房パネル100の断面図であり、同(B)は、平面図である。図12(A)に示すように、床暖房パネル100は、直線状に延在するパイプ溝102が形成された板状の基材101と、パイプ溝102にはめ込まれる伝熱部材103と、更にその上に貼付される均熱板104と、パイプ105と、を備えている。伝熱部材103は、パイプ105を保持すると共に、パイプ105からの熱を伝導するものであり、両端に平板部を有し、中央に凹部を有する逆Ω(オメガ)状の形状を成している。このように、伝熱部材103を設けることにより、パイプ105からの熱を床上へと効率的に伝達することができる。
【0004】
床暖房パネル100を床面に設置する際には、図12(B)の如く、直線状のパイプ溝102が形成された基材101と、曲げ形状を有するパイプ溝107が形成された基材106と、を組み合わせて配置し、その後、パイプ105を配設している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−52778号公報(第6−9頁、第2、8図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図12(A)及び(B)に示す従来技術のように、配管溝(パイプ溝107)に伝熱部材(103)を配置する方法では、曲げ形状を有する伝熱部材の加工が困難であったので、伝熱管の曲げ部分には伝熱部材を設けることができないという問題点があった。
【0007】
即ち、伝熱部材としてプレス成形品を使用する場合には、曲がり部分の各部の形状に対応させるために多種類の伝熱部材が必要となり、その加工には各々の形状に対応した金型を必要とするので、製造設備費用が増大し、製造コストが高くなる。また、伝熱部材として曲げ加工が容易な金属箔等を用いて、該金属箔を配管溝に接着する方法では、曲がり形状を有する配管溝に合わせて金属箔を切断して接着する作業が非常に困難であり、組立て製造のコストが高くなってしまう。
【0008】
そのため、従来の製品では、伝熱管が直線状に延在する部分にのみ伝熱部材を設け、伝熱管の曲がり部分には伝熱部材を設けていなかった。例えば、具体的には、図12(B)に一点鎖線円で示すX部分には、伝熱部材を設けていない。その結果、伝熱管の曲がり部分における熱伝達性能が低く、当該部分のパネル表面温度が低くなり、床暖房パネル全体としての表面温度差が大きなものとなっていた。
【0009】
特に、1つの部屋に複数の床暖房パネルを組み合わせて使用する場合には、上述の伝熱管の曲げ部における伝熱性能の低下が快適性の面でも重要な問題となる。即ち、複数の床暖房パネルを組み合わせて設置する場合には、部屋の中央部分に各床暖房パネルの周囲縁部分が配置される場合がある。各床暖房パネルの周囲縁部分には伝熱管の曲げ部分が配置されることがあるので、複数の床暖房パネルを組み合わせると、部屋の周囲部分のみならず中央部分にも、伝熱管の曲げ部分が配置されてしまう。前述の通り、伝熱管の曲げ部分には、伝熱部材を配置できないので、パネルの表面温度が他の部分に比べて低くなってしまう。このように、部屋の中央部分において、パネル表面温度の低い部分が存在すると、暖房の快適性が損なわれてしまう。
【0010】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、部品の加工やパネルの組立てが容易で、伝熱管の曲がり部分における伝熱性能が高く、パネル全体として均一的且つ高効率に加熱または冷却を行うことが可能な熱交換パネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の熱交換パネルは、平板状の基材と、前記基材の表面に形成され延在方向に曲げ部を有し伝熱管が配設される配管溝と、少なくとも前記基材の前記表面に貼付される均熱部材と、を有する熱交換パネルにおいて、前記曲げ部に、前記均熱部材と接続される伝熱部材設けられ、前記伝熱部材は、前記配管溝の内部に挿入される挿入部と、前記挿入部に連続して形成され前記基材の前記表面に接して前記均熱部材に接続される平板部と、を有し、前記伝熱部材には、少なくとも各々一部分の連結部を残して複数の分離部が形成され、前記分離部は、前記平板部から前記挿入部に達して前記平板部を分離すると共に前記挿入部を分離することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の熱交換パネルによれば、配管溝の曲げ部に、均熱部材と接続される伝熱部材を設けたので、前記曲げ部における伝熱管の熱伝達を促進することができる。その結果、伝熱管の曲がり部分においても直線部分と同等の伝熱性能を確保できるので、パネル表面の温度差を小さくでき、均一的且つ高効率な加熱または冷却が可能となる。
【0013】
また、前記伝熱部材は、少なくとも各々一部分の連結部を残して複数の分離部が形成されているので、前記配管溝の曲げ形状に合わせて容易に曲げることができ、前記配管溝に容易にはめ込むことができる。そのため、熱交換パネルの組立作業効率を向上させることができる。
【0014】
また更に、本発明の熱交換パネルによれば、前記伝熱部材は、異なる曲げ形状部分の各々に対応して容易に曲げることができるので、部品の共通化を図ることができ、多種類の金型を必要とせずに部品の加工を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る熱交換パネルの概略構成を説明する平面図である。
図2】本発明の実施形態に係る熱交換パネルの断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る熱交換パネルの要部を説明する(A)平面図、(B)断面図である。
図4】本発明の実施形態に係る伝熱部材を示す(A)平面図、(B)断面図、(C)連結部の断面図である。
図5】本発明の他の実施形態に係る伝熱部材を示す(A)平面図、(B)断面図、(C)連結部の断面図である。
図6】本発明の他の実施形態に係る伝熱部材を示す(A)平面図、(B)断面図、(C)連結部の断面図である。
図7】本発明の他の実施形態に係る伝熱部材を示す(A)平面図、(B)断面図、(C)連結部の断面図である。
図8】本発明の他の実施形態に係る伝熱部材を示す(A)平面図、(B)断面図、(C)連結部の断面図である。
図9】本発明の他の実施形態に係る伝熱部材を示す(A)平面図、(B)断面図、(C)連結部の断面図である。
図10】本発明の他の実施形態に係る熱交換パネルの断面図である。
図11】本発明の実施形態に係る伝熱部材の製造方法を説明する(A)平面図、(B)断面図である。
図12】従来技術の床暖房パネルの例を示す(A)断面図、(B)平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に係る熱交換パネルを図面に基づき詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る熱交換パネル1の概略構造を模式的に示した平面図である。
【0018】
熱交換パネル1は、住宅の床に敷設される床暖房用のパネルである。図1に示すように、熱交換パネル1は、床仕上げ材11(いわゆるフローリング材)の下に敷設されるものであり、矩形平板状の基材2の上面に所定のパターンで伝熱管3を配設し、その上を覆うように均熱部材7を接着して構成されている。
【0019】
基材2は、発泡ポリスチレン等の発泡合成樹脂からなり、伝熱管3を保持すると共に、伝熱管3から床下方向への熱伝導を防止する断熱材として機能する。また、基材2は複数枚の矩形板状体から構成されており、基材2の各板状体の間には、木製の小根太6が所定のピッチ(例えば、303mm)で互いに平行に配置されている。
【0020】
基材2の上面には、伝熱管3をはめ込むための配管溝8が所定の配置パターンで形成されている。配管溝8は、所定のピッチ(例えば、75.75mm)で平行に配置され直線状に延在する部分と、Uターン部分等の延在方向に湾曲する曲げ部8aと、を有する。
【0021】
配管溝8の直線状部分には、伝熱管3の熱を均熱部材7へと伝える伝熱部材4が設けられている。伝熱部材4は、直線状に延在する形状である。また、配管溝8の曲げ部8aには、後述する伝熱部材5が配置されている。
【0022】
伝熱管3は、熱交換パネル1の加熱源であり、管内に熱媒体である温水を流通させるものである。ここで、伝熱管3には、図示しない配管を介して、温水を供給する図示しない熱源機が接続されている。温水の熱源機としては、例えば、燃焼式の給湯器やヒートポンプ式の給湯機等が挙げられる。
【0023】
前述の通り、伝熱管3は、所定のパターンで形成された配管溝8に配設されており、直線状に延在する部分と、湾曲する部分(配管溝8の曲げ部8aに対応)と、を有し、連続した流路を形成している。また、伝熱管3は、複数本(例えば、4本)設けられており、図示しないヘッダによって分岐された温水が各々の伝熱管3の管内を並行して流れるよう構成されている。尚、図1に示す伝熱管3の配置形状は、模式的にその一例を示したものである。実際の製品においては、伝熱管3の配置形状は、熱交換パネル1の折り畳みや温度分布等を考慮して設計されるものであり、種々のパターンを採用し得る。
【0024】
図2は、熱交換パネル1の概略構造を説明するための部分拡大断面図であり、配管溝8(及び伝熱管3)の延在方向に対する横断面を示している。
【0025】
図2に示すように、熱交換パネル1は、住宅等の床下地材12の上に敷設される。そして、前述の通り、熱交換パネル1の上面には、床仕上げ材11が敷設される。ここで、小根太6は、熱交換パネル1を固定するためのものである。小根太6は、ビス等(図示せず)を用いて床下地材12に固定され、小根太6に床仕上げ材11が固定される。
【0026】
基材2の上面に形成された配管溝8の横断面は、図2の如く、略U字形状を成している。尚、配管溝8の横断面形状は、これに限定されるものではなく、例えば、四角形状の凹溝や、入口部分の幅を狭くした形状等でも良い。そして、配管溝8には、伝熱部材4(または後述する伝熱部材5)がはめ込まれる。
【0027】
伝熱部材4は、伝熱管3からの熱を伝導して均熱部材7へと伝えるものであり、例えば、アルミニウム等の良熱伝導性の金属から成形された部品である。そして、伝熱部材4は、伝熱管3の外面に接触し、均熱部材7に接続されている。これによって、伝熱管3からの熱伝達が促進され、熱交換パネル1の熱通過率を向上させることができる。
【0028】
伝熱部材4がはめ込まれた配管溝8には、伝熱部材4の上に、伝熱管3が配備される。伝熱管3は、前述の通り、温水を流通させるものであり、熱交換パネル1の放熱源となるものである。尚、伝熱管3のサイズは、例えば、内径が4〜13mm程度である。また、伝熱管3の材質は、例えば、架橋ポリエチレン等の合成樹脂である。合成樹脂管は、可撓性を有するので、配管作業が容易である。また、合成樹脂管は、配管の組み付けが完了して配管と一体となったパネルを折り畳んで輸送する場合に特に適している。尚、伝熱管3として、銅管やアルミニウム管等の金属管を用いても構わない。金属管は、熱伝導率が高いので、熱伝達性能の面で有利である。
【0029】
伝熱管3がはめ込まれた配管溝8の上には、基材2の上面全体を覆うように、均熱部材7が貼付されている。均熱部材7は、伝熱管3からの熱を伝導して、熱交換パネルの表面を均一的に加熱するためのものであり、例えば、アルミニウム等の金属箔である。また、均熱部材7は、基材2を構成する複数枚の板状体や小根太6を連結するための接続部材としての機能も果たす。
【0030】
均熱部材7は、予め一方の面に接着剤が塗布されている矩形状シート材であり、その厚みは、例えば、0.04mmである。前記矩形状のシート材を複数枚並べて張り合わせることにより、熱交換パネル1の上面全体を覆っている。このように、複数枚のシート材を用いることにより、熱交換パネル1の組立てを容易に行うことができる。尚、均熱部材7は、前述の通り、非常に薄いので、隣接するシート材同士で重なり部分があっても製品の寸法上の問題はない。また、複数枚のシート材を用いて均熱部材7を構成する方法に代えて、均熱部材7を1枚のシート材から構成し、その1枚のシート材で熱交換パネル1の上面全体を覆うこととしても良い。
【0031】
次に、図3(A)及び(B)を参照して、伝熱管3が湾曲して配置される曲げ部8aの周辺の構造について詳細に説明する。図3(A)は、配管溝8の曲げ部8a周辺の概略構造を示す平面図であり、同(B)は、A−A線における断面を示す部分拡大断面図である。
【0032】
図3(A)及び(B)に示すように、伝熱管3の湾曲部分、即ち配管溝8の曲げ部8aには、伝熱部材5が設けられる。伝熱部材5は、前述の伝熱部材4と同様に、伝熱管3からの熱を伝導して均熱部材7へと伝えるものである。
【0033】
図3(B)に示すように、配管溝8の横断面形状は、曲げ部8aにおいても前述の直線部と同一の形状であり、略U字形状を成している。そして、配管溝8の曲げ部8aには、伝熱部材5がはめ込まれる。また、伝熱部材5の上には伝熱管3がはめ込まれ、更にその上に均熱部材7が接着される。
【0034】
伝熱部材5は、例えば、アルミニウム板等の熱伝導率の高い金属材料板をプレス成形することにより製造される部品であり、後述する横断面形状を有し、その厚みは、例えば、0.1mmである。
【0035】
また、伝熱部材5は、配管溝8の形状に対応した横断面略U字形状を成す挿入部5aを有している。更に具体的には、横断面形状において、挿入部5aの底付近は、伝熱管3の外表面に対応する半円形状を成し、挿入部5aの側面は、伝熱管3の半径に略等しい長さを有する直線部分で表される。そして、挿入部5aが、前述の通り、配管溝8に挿入され、挿入部5aの上面側、即ち横断面半円形状を成す部分の凹面は、そこに挿入される伝熱管3の外表面と接する。
【0036】
ここで、伝熱部材5の挿入部5aの外幅寸法を、配管溝8の幅寸法よりもやや大きく設定し、基材2との間に適度な締め代を設けることも可能である。また、挿入部5aの内幅寸法を伝熱管3の直径よりもやや小さく設定し、伝熱管3との間に適度な締め代を設けても良い。これにより、伝熱部材5や伝熱管3の外れを防止できるので、組立て作業効率を向上させることができる。また、伝熱部材5と伝熱管3との密着性が高まるので、熱伝達性能も向上する。
【0037】
また、挿入部5aの両側端縁部には、挿入部5aに連続して形成された平板部5bを有している。平板部5bは、その下面、即ち挿入部5a側の面、が基材2に接触し、上面が均熱部材7と接着される。
【0038】
このように、伝熱部材5は、伝熱管3の外表面の少なくとも一部分に接触し、均熱部材7に接続されているので、伝熱管3からの熱が伝熱部材5を伝導して均熱部材7へと流れる。具体的には、伝熱部材5は、伝熱管3の下部の表面に接触し、伝熱管3の下部表面からの熱を伝導して熱交換パネル1の上面側にある均熱部材7へと伝える。これにより、曲げ部8aにおいても、直線部と同様に、伝熱管3からの熱伝達を促進することができるので、熱交換パネル1の表面を均一に加熱することが可能となり、且つ熱交換パネル1の熱通過率を更に向上させることができる。
【0039】
また、図3(A)に示すように、伝熱部材5には、分離部5d及び5eが形成されている。これにより、伝熱部材5を直線状に延在する部品として成形し、配管溝8に装着する際に、配管溝8の曲げ形状に合わせて容易に曲げることができる。詳細については、後述する。
【0040】
ここで、図3(B)に示すように、配管溝8の曲げ部8aにおいて、曲げの中心方向側となる面を内側面8b、曲げの半径方向に外側となる面を外側面8cとする(以下、適宜、配管溝8の中心(伝熱管3の中心軸)から見て、内側面8b側を「内側8b」、外側面8c側を「外側8c」という。)。
【0041】
次に、図4(A)ないし(C)を参照して、伝熱部材5について詳細に説明する。図4(A)は、伝熱部材5の概略構造を示す平面図、同(B)は、B−B線における断面を示す部分拡大断面図、同(C)は、C−C線、即ち分離部5d、5e部分、における連結部5cの断面を示す部分拡大断面図である。
【0042】
伝熱部材5は、図4(B)に示す横断面形状、即ち略U字形状を成す挿入部5aと、挿入部5aの両端に連続して形成された平板部5bと、を有し、同図の紙面垂直方向に直線状に短く延在する複数の小片5fを有する。そして、複数の小片5fは、図4(A)及び(C)に示す如く、連結部5cによって連結されており、伝熱部材5全体としては、図4(B)の紙面垂直方向に直線状に延在する形態を成す。即ち、伝熱部材5は、連結部5cでつながった一体の部品となっている。
【0043】
連結部5cは、一面に粘着剤が塗布された(粘着部を有する)アルミニウム製の金属テープから構成される。アルミニウム等の金属テープは、熱伝導率が高いので、伝熱性能の面で好ましい。そして、一本のつながった金属テープで小片5fを各々接着して連結することにより、伝熱部材5を構成している。
【0044】
ここで、粘着剤(粘着部)とは、硬化を伴わない高粘度の液体状接合剤のみに限定されるものではなく、反応系や溶液系等の硬化を伴う各種接着剤も含むものである。即ち、金属テープと小片5fとの接合を容易に行えるものであれば良く、例えば、ホットメルト接着剤等でも良い。
【0045】
また、連結部5cの厚み、即ち金属テープの厚みは、例えば、0.04mmである。尚、前述の金属テープに代えて、連結部5cを構成する連結用テープ部材として、合成樹脂製や布製等、その他の種類の粘着テープ部材を用いても良い。
【0046】
そして、図4(A)及び(C)に示すように、金属テープで連結された伝熱部材5には、各々の小片5fの間の領域として、内側8bから分離部5dが、外側8cから分離部5eが、各々形成される。
【0047】
このように、伝熱部材5には、分離部5d、5eが形成されているので、図4(A)に示すように、配管溝8(図1等参照)の曲げ形状に対応させて、容易に曲げることができる。具体的には、曲げの内側8bとなる分離部5dは、幅が狭まり、平板部5bが重なり、曲げの外側8cとなる分離部5eは、その幅が広がる。ここで、前述の通り、伝熱部材5の厚みは、0.1mm程度と、基材2等の厚みに比べて非常に薄いので、内側8bにおける平板部5bの重なりは、製品の寸法上問題とならない。
【0048】
前述の通り、分離部5d、5eは、各小片5fの間の領域であるので、各小片5fの離間距離を調整することにより、分離部5d、5eの幅を調整することができる。例えば、分離部5d、5eの幅は、2〜3.5mm程度が好ましい。これにより、曲げの内側8bにおける平板部5bの重なりを少なくして曲げ加工を容易に行うことができる。また、曲げの外側8cとなる平板部5bの面積を十分に確保できるので、熱伝達の面からも好適である。尚、前述の通り、平板部5bの重なりは製品の寸法上問題とならないので、各小片5fを各々の辺が接する程度に近接して配置し、分離部5d、5eの幅を、更に狭めるよう構成しても構わない。
【0049】
また、分離部5d、5eは、所定の配置間隔を置いて、伝熱部材5の延在方向に複数形成されている。ここで、前記配置間隔とは、分離部5d、5eと隣接する分離部5d、5eとの間の距離であり、小片5fの延在方向長さによって決まる。前記所定の配置間隔は、例えば、5〜20mm程度であり、小片5fの長さを5〜20mm程度にすれば良い。本実施形態では、小片5fの延在方向長さ、即ち分離部5d、deの配置間隔、を15mmとしている。これにより、伝熱部材5を配管溝8へ装着する作業を容易に行うことができ、且つ効率の良い伝熱を行うことができる。
【0050】
尚、前述した分離部5d、5eの幅や配置間隔は、必ずしも均等である必要はない。例えば、異なる長さの小片5fを組み合わせて、または離間距離を変えて連結することにより、分離部5d、5eの配置間隔や幅を所定のパターンで変化させることもできる。
【0051】
具体的には、伝熱部材5を、配管溝8の曲げ部8a(図1等参照)から直線部まで連続して使用することとし、曲げ部8aに挿入される部分では、分離部5d、5eの幅を広くし、配置間隔を狭くする。他方、直線部に挿入される部分では、分離部5d、5eの幅を狭くし、配置間隔を広くする。このような形態を採用することにより、伝熱部材5の取り扱いが容易になり、組み立て作業効率を更に向上させることができる。
【0052】
また、図4(C)に示す如く、本実施形態では、連結部5cは、挿入部5aの横断面略中央に設けられる。即ち、連結部5cを、横断面略U字形状を成す挿入部5aの底付近の横断面半円形状の曲面の中心付近に形成している。そのため、内側8b及び外側8cの分離部5d、5eは、両側の平板部5bを全て分離し、挿入部5aの中央の底付近に達するように形成されている。
【0053】
このように、連結部5cを挿入部5aの横断面中央付近に設けることにより、伝熱部材5を左右両方向に曲げることが可能となる。これにより、熱交換パネル1の組み立て作業効率を高めることができる。
【0054】
また、連結部5cとなる金属テープは、挿入部5aの凹面に貼付される。即ち、金属テープは、挿入部5aの横断面半円形状を成す底付近の半径方向内側の面(図4(C)において紙面上側の面)に貼付される。これにより、金属テープの貼り付け作業を効率良く行うことができる。
【0055】
また、伝熱部材5は、直線状の形態を成す共通の部品として加工でき、加工後に様々な曲げ形状に合わせて容易に曲げることができる。そのため、種々の曲げ形状に対応させた多くの金型等を必要とせず、直線状の共通の部品として、その加工を容易に行うことができる。加工方法については、後述する。
【0056】
尚、連結部5cは、各小片5fの少なくとも一部分が連結されていれば良いので、連結部5cを、上述の例とは異なるその他の部分に設けることとしても構わない。
【0057】
また、挿入部5aの伝熱管3(図1等参照)が挿入される側の側面に、伝熱管3の外れを防止するための凸形状を形成しても良い。また更に、挿入部5aの入口部分の幅を伝熱管3の幅よりもやや狭く形成しても良い。これらにより、挿入した伝熱管3が外れてしまうことを防止できるので、熱交換パネル1の組立てが更に容易になる。
【0058】
次に、本発明の実施形態の変形例として、第2ないし第7の実施形態に係る伝熱部材25、35、45、55、65及び熱交換パネル71について、図5ないし図10に基づき詳細に説明する。尚、図5ないし図10において、既に説明した第1の実施形態に係る熱交換パネル1と同一若しくは同様の作用、効果を奏する構成要素については、同一の符号にして、その説明を省略し、第1の実施形態との相違点についてのみ詳細に説明する。
【0059】
図5(A)は、本発明の第2の実施形態に係る伝熱部材25の概略構造を示す平面図、同(B)は、D−D線における断面を示す部分拡大断面図、同(C)は、E−E線、即ち分離部5d、5e部分、における断面を示す部分拡大断面図である。
【0060】
本実施形態に係る伝熱部材25では、連結部25cを、プレス成形等により、挿入部5aや平板部5bと同一の材料から一体に成形している。この点が前述の第1の実施形態に係る伝熱部材5(図4参照)との相違点である。
【0061】
具体的には、図5(A)に示すように、伝熱部材25は、図5(B)に示す横断面形状を有し、同図の紙面垂直方向に直線状に延在する部品として、プレス加工等によって加工成形される。
【0062】
そして、図5(A)及び(C)に示すように、プレス加工等により加工された伝熱部材5には、内側8bから分離部5dとなる切り込み(以下、適宜「切り込み5d」という)が、外側8cから分離部5eとなる切り込み(以下、適宜「切り込み5e」という)が、各々形成される。切り込み5d、5eは、所定の配置間隔(例えば、5〜20mm程度)で、伝熱部材25の延在方向に複数形成されている。
【0063】
図5(C)に示すように、切り込み5d、5eは、少なくとも一部分の連結部25cを残して形成されている。これにより、切り込み5d、5eが形成された後も、伝熱部材25は、切り込み部5d、5eによってバラバラに切断されることなく、連結部25cでつながった一体の部品となっている。
【0064】
このように、本実施形態に係る伝熱部材25は、プレス成形等によって、材料から部品完成まで、直線状の一体の部品として加工できる。そのため、連結部5c(図4参照)に金属テープを用い、該金属テープで複数の小片5f(図4参照)を連結する第1の実施形態に係る伝熱部材5に比べると、加工の自動化が容易で、更に効率良く高速に加工を行うことができる。尚、加工方法については、後述する。
【0065】
図6(A)は、第3の実施形態に係る伝熱部材35の概略構造を示す平面図、同(B)は、F−F線における断面を示す部分拡大断面図、同(C)は、G−G線、即ち切り込み5d、5e部分、における断面を示す部分拡大断面図である。
【0066】
図6(C)に示すように、本実施形態に係る伝熱部材35では、連結部35cを、挿入部5a部分であって、曲げの内側8bとなる側面部に設けている。この点が、前述の第1及び第2の実施形態との相違点である。尚、本実施形態では、第2の実施形態と同様に、連結部35cを、プレス加工等によって、挿入部5aや平板部5bと同一の材料から一体に成形している。
【0067】
伝熱部材35では、連結部35cを、横断面略U字形状を成す挿入部5aの底付近の横断面半円形状の曲面部分ではなく、側面の平面部分に設けている。即ち、内側8bの切り込み5dは、内側8bの平板部5bを略全て切断するように形成され、外側8cの切り込み5eは、挿入部5aの内側8bまで達するように形成されている。
【0068】
このように、曲げの内側8bとなる挿入部5aの側面に連結部35cを残すことにより、伝熱部材35は、曲げ方向、即ち図6(C)における紙面横方向且つ同図(A)に示す曲げ方向、に容易に曲がるようになる。他方、配管溝8への挿入方向、即ち図6(C)における紙面縦方向、については、伝熱部材35の剛性を高く確保でき、曲がり難くすることができる。また、伝熱部材35が切り込み5d、5e部分で切断されてしまうという不具合も防止できる。その結果、伝熱部材35の取り扱いが容易になり、配管溝8へのはめ込み作業を容易に行うことができるので、熱交換パネル1の組立て作業効率を高めることができる。
【0069】
図7(A)は、本発明の第4の実施形態に係る伝熱部材45の概略構造を示す平面図、同(B)は、H−H線における断面を示す部分拡大断面図、同(C)は、I−I線、即ち切り込み45d、5e部分、における断面を示す部分拡大断面図である。
【0070】
本実施形態に係る伝熱部材45では、基本構成を前述の第3の実施形態と同様とし、曲げの内側8bとなる切り込み45dを外側8cの切り込み5eよりも、幅広く形成している。この点が前述の第3の実施形態に係る伝熱部材35(図6参照)との相違点である。
【0071】
具体的には、図7(A)に示すように、切り込み45dは、切り込み5eよりも幅の広い開口部を有し略V字形状に形成されている。これにより、伝熱部材45を曲げた際に、曲げの内側8bとなる平板部5bが各々隣接する平板部5bと重なることを防止できる。
これにより、伝熱部材の曲げ加工を更に容易に行うことができるようになり、熱交換パネル1の組立て作業効率を更に向上させることができる。
【0072】
また、切り込み45dの形状を、略V字形状にしているので、平板部5bの重なりを防止しつつ、平板部5bの面積を広く確保できる。これにより、伝熱部材45の伝熱性能の低下を抑えることができる。尚、切り込み45dの形状は、V字形状に限定されるものではなく、少なくとも平板部5bが重ならないように形成されていれば、曲げ時の作業性を高めることができる。
【0073】
また、第1及び第2の実施形態のように、連結部5c(図4参照)を挿入部5aの横断面中央付近に設け、外側8cとなる切り込み5eについても同様に略V字形状に形成しても良い。これにより、両側に曲げることを可能とした構成において、平板部5bの重なりを防止し、両側への曲げ加工を容易にして、作業効率を高めることができる。
【0074】
図8(A)は、本発明の第5の実施形態に係る伝熱部材55の概略構造を示す平面図、同(B)は、J−J線における断面を示す部分拡大断面図、同(C)は、K−K線、即ち切り込み5e部分、における断面を示す部分拡大断面図である。
【0075】
図8(A)ないし(C)に示すように、本実施形態に係る伝熱部材55では、基本構成を前述の第3の実施形態と同様とし、曲げの内側8bとなる側縁部に平板部5bを設けていない。この点が前述の第3の実施形態に係る伝熱部材35(図6参照)との相違点である。
【0076】
即ち、図8(B)に示すように、伝熱部材55は、横断面略U字形状の挿入部5aと、伝熱部材55を曲げた際に曲げの外側8cとなる挿入部5aの縁部に連続して形成された平板部5bと、を有している。そして、図8(C)に示すように、外側8cから挿入部5aの内側8bとなる側面まで達する切り込み5eを形成し、挿入部5aの内側8bとなる側面に連結部35cを残している。
【0077】
このような構成により、伝熱部材55では、曲げ加工を更に容易に行うことができるようになり、熱交換パネル1の組立て作業性を更に高めることができる。また、伝熱部材55の材料費を削減することができる。
【0078】
尚、伝熱管3(図1等参照)を配置した際に、曲げ部8a(図1等参照)の外側8c付近は、隣接する伝熱管3との距離が長く、熱交換パネル1の表面温度が低くなり易い領域である。本実施形態に係る伝熱部材55は、曲げの外側8cにのみ平板部5bを設けているので、そのことによって、熱交換パネル1の表面温度を均一化する効果が得られる。
【0079】
図9(A)は、本発明の第6の実施形態に係る伝熱部材65の概略構造を示す平面図、同(B)は、L−L線における断面を示す部分拡大断面図、同(C)は、M−M線、即ち切り込み5d、5e部分、における断面を示す部分拡大断面図である。
【0080】
本実施形態に係る伝熱部材65では、第1の実施形態と同様に、連結部65cを連結用のテープ部材から構成し、第3ないし第5の実施形態と同様に連結部65cを挿入部5aの側面に形成している。
【0081】
具体的には、図9(B)及び(C)に示すように、所定の横断面形状に成形され、短く切断された伝熱部材65の小片5fを、一面に粘着剤が塗布されたアルミニウム製の金属テープで各々接着して連結することにより、伝熱部材65を構成している。即ち、図9(C)に示すように、本実施形態では、前記の連結用の金属テープが連結部65cになる。尚、連結部65cの厚みは、例えば、0.04mmである。また、連結部65cは、前述の第3ないし第5の実施形態と同様に、曲げの内側8bとなる挿入部5aの側面に設けられる。
【0082】
このような構成によっても、連結部65cで連結されて一体となった伝熱部材65は、連結部65cを残して複数の分離部5d、5eが形成された形態となり、前述の第1ないし第5の実施形態と同様に、容易に曲げることができる。
【0083】
図10は、本発明の第7の実施形態に係る熱交換パネル71の概略構造を示す部分拡大断面図である。
【0084】
本実施形態に係る熱交換パネル71では、均熱部材77を伝熱管3の上に被せていない。この点が前述の第1の実施形態に係る熱交換パネル1(図1等参照)との相違点である。
【0085】
即ち、図10に示すように、均熱部材77は、伝熱部材5の平板部5bに接着され、更に、縁部が折り曲げられ、伝熱部材5の挿入部5aに接着されている。また、本実施形態では、伝熱管3を配管溝8に配置する前に、均熱部材77を基材2及び伝熱部材5の上面に接着している。これにより、均熱部材77を貼付した後の熱交換パネル71は、配管溝8の上部が開口した状態となる。
【0086】
均熱部材77は、周縁部が配管溝8の位置に合うように接着される。また、他の方法として、配管溝8部分を覆うように均熱部材77を貼付した後、均熱部材77の配管溝8に対応する部分を切断しても良い。また、均熱部材77の配管溝8に対応する部分に予めミシン目を形成しておいても良い。
【0087】
尚、均熱部材77を、伝熱部材5の挿入部5aに接触させることにより、伝熱管3からの放熱を促進させることができるが、均熱部材77を、挿入部5aに接続せずに、平板部5bのみに接着する構成を採用することも可能である。
【0088】
以上説明の構成を採用することにより、伝熱管3が組み付けられていない熱交換パネル71を予め工場で組立て、伝熱管3の配置のみを建築現場で行うことができるようになる。これにより、現場配管施工方式の床暖房用パネルについても、現場での作業負担を増加させずに、伝熱管3の曲がり部分の熱伝達を促進して、パネル表面温度の均一化を図ることができる。尚、もちろん、基材2に伝熱部材5をはめ込む作業を含む全ての組立て作業を現場で行うことも可能である。
【0089】
また、伝熱管3が配設された後の熱交換パネル71の最上面に、更に均熱部材77のようなアルミニウム等の金属箔を貼付して、伝熱管3の上部を覆うことも可能である。そうすることにより、熱交換パネル71の伝熱性能を更に向上させることができる。
【0090】
次に、伝熱部材5の製造方法について詳細に説明する。先ず、図11(A)及び(B)を参照して、第1の製造方法の例を説明する。図11(A)は、本発明の第1の実施形態に係る伝熱部材5の製造方法を模式的に示す平面図であり、同(B)は、N−N線に沿った断面を示す断面図である。
【0091】
先ず、加工材料として、例えば、幅約15mm、厚み約0.1mmの略帯状に成形されたアルミニウムの圧延材料(材料Z)を使用する。略帯状を成す材料Zは、コイル状に巻かれて供給される、いわゆるフープ材である。
【0092】
第1の工程(S0)では、図11(A)に示すように、アルミニウム圧延材料である材料Zを、ベース型81(ダイ)の上面に所定の間隔で配置する。ここで、各材料Z間の離間距離が、完成後の伝熱部材5の分離部5d、5eの幅寸法となる。また、材料Zの幅寸法が完成後の伝熱部材5の小片5fの長さ寸法、即ち分離部5d、5eの配置間隔となる。尚、前述の通り、分離部5d、5eの幅や配置間隔は、必ずしも均等にする必要はなく、目的に応じて所定のパターンで形成して良い。
【0093】
図11(B)に示すように、ベース型81には、断面略U字形状の型溝81aが所定の間隔(ピッチ)で複数形成されている。所定のピッチは、完成後の伝熱部材5の幅寸法と略等しい寸法である。そして、同図(A)に示すように、直線状の材料Zは、型溝81aの延在方向に対して垂直方向に延在するよう配置される。尚、ベース型81の上面に配置された材料Zを、例えば、紙面右側端部で、粘着テープ等を用いて仮固定しても良い。これにより、プレス加工時の材料Zのずれを防止できる。
【0094】
第2の工程(S01)では、同図(B)に示す如く、プレス型82(パンチ)を材料Zの上からベース型81の型溝81aに向かって押し当て、断面略U字形状を成す挿入部5aを成形する(曲げ工程)。ここで、挿入部5aとなる断面略U字形状の凹みは、直線状に延在する材料Zの長手方向(延在方向)に対して垂直方向に延在するよう形成される。
【0095】
また、挿入部5aの成形は、材料Zに対し紙面右側から順番に行われる。これにより、挿入部5aを加工する際、型溝81aの内部に材料Zの紙面左側部分を引き込むことが許容されるので、材料割れ等の加工上の不具合を防止できる。
【0096】
第3の工程(S02)では、前述の曲げ工程S01で成形された挿入部5aの凹面に連結部5cを構成するアルミニウム製の金属テープを貼り付ける(連結工程)。これにより、所定の配置間隔で配列された材料Zが、金属テープによって連結される。尚、前述の通り、金属テープは、挿入部5aの凹面、即ち上面であって、横断面中央付近に貼付される。そのため、金属テープの貼り付け作業を効率良く行うことができる。
【0097】
第4の工程(S03)では、カッタ83によって、連結された材料Zを切断する(切断工程)。これにより、材料Zから小片5fが切り出され、伝熱部材5が完成する。尚、材料の切断方法は、直線状の切断工具を用いたプレスせん断加工であるが、切断工具として、回転円盤式のカッタ等を用いても構わない。
【0098】
そして、第5の工程(S04)では、完成した伝熱部材5をベース型81から取り出す(取り出し工程)。
【0099】
このように、伝熱部材5は、略帯状を成すアルミニウムの圧延材料から容易に加工することができる。また、前述の通り、完成した伝熱部材5は、配管溝8(図1等参照)の様々な曲げ形状に対応して容易に曲げることができるので、異なる曲げ形状に対応した多種類の曲げ金型を必要とせずに、直線状の曲げ金型のみで良い。そのため、部品加工のための製造設備費用を削減できる。
【0100】
尚、矢示Yの如く、材料Zをベース型81と共に紙面左から右方向に移動させ、上記の各工程S01からS04までを連続して行うようにしても良い。そうすることにより、効率的に伝熱部材5を生産することができる。また、上記の各工程S01からS04について、各々の工程が全て完了してから、次の工程に移るようにしても構わない。即ち、曲げ加工S01で全ての挿入部5aの加工が完了してから、次の連結工程S02に進み、全ての連結が完了した後、次の切断工程S03に進み、切断を行うこととしても良い。
【0101】
また、前述の曲げ工程S01と連結工程S02との順番を入れ替えて加工を行うことも可能である。即ち、第1の工程(S0)によってベース型81の上面に所定の間隔で配置された材料Zを、先ず、連結部5cを構成するアルミニウム製の金属テープで連結しても良い(連結工程S02)。そして、その後に、プレス型82を材料Zの上からベース型81の型溝81aに向かって押し当て、断面略U字形状を成す挿入部5aを成形する(曲げ工程S01)。これにより、金属テープを平面状の材料Zに対して貼り付けることになるので、連結工程S02のテープ貼り付け作業を容易に行うことができる。尚、連結部5cとなる金属テープの貼り付け位置は、曲げ工程S01の後に連結部5cが挿入部5aの略中央になるように、曲げ加工による変形を考慮して決定される。
【0102】
次に、図5(A)ないし(C)に示す伝熱部材25の形態を参照して、製造方法の他の例として、第2の製造方法の例を説明する。第2の製造方法は、第2ないし第5の実施形態のように、連結部25c、35c(図6等参照)を挿入部5aや平板部5bと同一の材料で一体的に加工する方法の例である。
【0103】
先ず、加工材料として、例えば、幅約40mm、厚み約0.1mmの略帯状に成形されたアルミニウム圧延材料のフープ材を使用する。
【0104】
第1の工程では、前記アルミニウム圧延材料のフープ材を連続的にせん断機に供給し、略帯状を成す材料の側縁部分から内側へと向かう切り込み5d、5eを形成する(切り込み工程)。切り込み5d、5eの加工方法は、パンチとダイを用いたプレスせん断加工であり、いわゆる押し切り加工である。この際、複数の切り込み5d、5eを同時に加工することにより、生産性を高めることができる。尚、切断工具として、回転円盤式のカッタ等を用いても構わない。
【0105】
次に、第2の工程として、切り込み5d、5eが形成された被加工材料を、切断機へと供給し、所定の長さに切断する(切断工程)。材料の切断方法は、前述の切り込み工程と同様に、プレスせん断加工である。所定の長さとは、各々の曲げ部8a(図1等参照)の延在する長さに対応した長さである。尚、切り込み工程と切断工程とを共通の加工機械で行ってももちろん良い。
【0106】
第3の工程では、所定の長さに切断された被加工材料を、曲げ機へと供給し、図5(B)に示すような所定の横断面形状に曲げ成形する(曲げ工程)。曲げ成形は、所定の横断面形状で直線状に延在する金型(パンチとダイ)を用いたプレス曲げ加工によって行われる。前記直線状の金型は、異なる長さの伝熱部材25に対して、共通して使用できるものである。この工程によって、所定の横断面形状で直線状に延在する伝熱部材25が完成する。
【0107】
このように、伝熱部材25は、略帯状を成すアルミニウムの圧延材料から容易に加工することができる。また、前述の通り、完成後の伝熱部材25は、配管溝8(図1等参照)の様々な曲げ形状に対応して容易に曲げることができるので、異なる曲げ形状に対応した多種類の曲げ金型を必要とせずに、直線状の曲げ金型のみで良い。そのため、部品加工のための製造設備費用を削減できる。
【0108】
次に、伝熱部材25の製造方法の他の例として、第3の製造方法の例を説明する。第3の製造方法も、第2ないし第5の実施形態のように、連結部25c、35c(図6等参照)を挿入部5aや平板部5bと同一の材料で一体的に加工する方法の例である。
【0109】
第3の製造方法の例においても、前述の第1及び第2の製造方法の例と同じく、加工材料として、略帯状に圧延されたアルミニウムのフープ材を用いている。材料の幅は、第2の製造方法の例と同様に、約40mmである。
【0110】
第1の工程では、略帯状を成す材料を、連続的にロールフォーミング機へと供給し、図5(B)に示すような所定の横断面形状に成形する(ロールフォーミング工程)。ロールフォーミング機は、原材料から完成品まで多段階に成形するように各々形状の異なる複数の金型ローラを備えており、前記金型ローラは、材料送り方向に順番に配置されている。ロールフォーミング機に供給された略帯状の材料は、前記複数の金型ローラ部を通過することによって徐々に変形し、連続的に最終形状まで成形される。
【0111】
第2の工程では、所定の横断面形状の成形された被加工材料を連続的にせん断機に供給し、図5(A)に示すように、平板部5bの側縁部分から内側へと向かう切り込み5d、5eを形成する(切り込み工程)。切り込み5d、5eの加工方法は、第2の製造方法の例と同様である。
【0112】
次に、第3の工程として、切り込み5d、5eが形成された被加工材料を、切断機へと供給し、所定の長さに切断する(切断工程)。尚、1つの機械で切り込み工程と切断工程との双方を行うこととしてももちろん構わない。以上の工程により、伝熱部材25が完成する。
【0113】
このように、ロールフォーミング加工を用いた第2の製造方法の例によれば、最終工程までの全ての加工を連続的に行うことができるので、部品の生産性を更に高めることができる。
【0114】
以上、本発明の実施形態として床暖房用パネルを例として説明したが、本発明の熱交換パネルは、床暖房用途に限定されるものではなく、熱媒体を流通させる伝熱管を備えたパネル状熱交換器として、その他の用途にも利用できるものである。
【0115】
また、伝熱管3の内部を流れる熱媒体として、温水を例と説明したが、熱媒体としては、温水、冷水、ブライン等の顕熱を利用する熱媒体の他、相変化に伴う潜熱を利用する冷媒等、その他の熱媒体を用いることも可能である。その場合であっても、本発明の熱交換パネルによれば、伝熱管の曲がり部分における熱伝達を促進して、均一的且つ高効率な加熱または冷却を行うことができるようになる。
【0116】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0117】
1、71 床暖房パネル
2 基材
3 伝熱管
4 伝熱部材(直線部用)
5、25、35、45、55、65 伝熱部材(曲げ部用)
5a 挿入部
5b 平板部
5c、25c、35c、65c 連結部
5d、45d 分離部(切り込み)
5e 分離部(切り込み)
5f 小片
6 小根太
7、77 均熱部材
8 配管溝
8a 曲げ部
8b 内側面
8c 外側面
11 床仕上げ材
12 床下地材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12