特許第6073126号(P6073126)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6073126バッテリ充電装置、および、バッテリ充電方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073126
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】バッテリ充電装置、および、バッテリ充電方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/14 20060101AFI20170123BHJP
【FI】
   H02J7/14 P
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-288098(P2012-288098)
(22)【出願日】2012年12月28日
(65)【公開番号】特開2014-131415(P2014-131415A)
(43)【公開日】2014年7月10日
【審査請求日】2015年6月12日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(72)【発明者】
【氏名】高嶋 豊隆
【審査官】 坂本 聡生
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭58−066537(JP,A)
【文献】 特開2005−147016(JP,A)
【文献】 特開2010−035371(JP,A)
【文献】 実開昭60−025344(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00− 7/36
H01M 10/42−10/48
H02P 9/00− 9/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単相交流発電機によるバッテリの充電を制御するバッテリ充電装置であって、
前記単相交流発電機の一端が接続される第1の入力端子と、
前記単相交流発電機の他端が接続される第2の入力端子と、
前記バッテリの一端が接続されるバッテリ端子と、
接地が接続される接地端子と、
前記第1および第2の入力端子に入力された前記単相交流発電機の出力電圧を整流して前記バッテリ端子に出力する整流回路と、
前記整流回路を制御する制御回路と、を備え、
前記制御回路は、
前記単相交流発電機の回転数が予め設定された規定回転数未満である場合には、前記単相交流発電機の出力電圧を前記整流回路により全波整流するように制御し、
一方、前記回転数が前記規定回転数以上である場合には、前記単相交流発電機の出力電圧を前記整流回路により半波整流するように制御し、
前記規定回転数は、
前記単相交流発電機の出力電圧を前記整流回路により半波整流する場合において前記整流回路が前記バッテリ端子に出力する第1の充電電流と、前記単相交流発電機の出力電圧を前記整流回路により全波整流する場合において前記整流回路が前記バッテリ端子に出力する第2の充電電流と、が等しくなる前記単相交流発電機の回転数であり、
前記整流回路は、
前記第1の入力端子にアノードが接続され、前記バッテリ端子にカソードが接続されたダイオードである第1の整流素子と、
前記接地端子にアノードが接続され、前記第1の入力端子にカソードが接続されたサイリスタである第2の整流素子と、
前記第2の入力端子にアノードが接続され、前記バッテリ端子にカソードが接続されたダイオードである第3の整流素子と、
前記接地端子にアノードが接続され、前記第2の入力端子にカソードが接続されたサイリスタである第4の整流素子と、を有し、
前記制御回路は、
前記単相交流発電機の回転数が予め設定された規定回転数未満である場合には、前記第1から第4の整流素子に電流が流れる状態に制御し、
一方、前記回転数が前記規定回転数以上である場合には、前記第2の整流素子と前記第3の整流素子に電流が流れる状態に制御し、且つ、前記第1の整流素子と前記第4の整流素子の少なくとも何れか一方を電流が流れない状態に制御し、
前記制御回路は、
前記バッテリのバッテリ電圧を検出する電圧検出回路をさらに有し、
前記電圧検出回路は、
検出した前記バッテリ電圧が予め設定された目標電圧未満の場合には、少なくとも前記第2の整流素子または前記第4の整流素子の何れか一方に電流が流れる状態に制御し、
一方、検出した前記バッテリ電圧が前記目標電圧以上の場合には、前記第1から第4の整流素子に電流が流れない状態に制御する
ことを特徴とするバッテリ充電装置。
【請求項2】
前記制御回路は、
前記単相交流発電機の回転数を検出し、検出した前記回転数に応じて、前記第1から第4の整流素子の少なくとも1つの動作を制御する回転数検出回路を有し、
前記回転数検出回路は、
前記回転数が前記規定回転数未満である場合には、前記第1から第4の整流素子に電流が流れる状態に制御し、
一方、前記回転数が前記規定回転数以上である場合には、前記第2の整流素子と前記第3の整流素子に電流が流れる状態に制御し、且つ、前記第1の整流素子と前記第4の整流素子の少なくとも何れか一方を電流が流れない状態に制御する
ことを特徴とする請求項に記載のバッテリ充電装置。
【請求項3】
前記バッテリ端子と前記接地との間にスイッチ回路とランプとが直列に接続されることを特徴とする請求項1に記載のバッテリ充電装置。
【請求項4】
単相交流発電機によるバッテリの充電を制御するバッテリ充電装置であって、前記単相交流発電機の一端が接続される第1の入力端子と、前記単相交流発電機の他端が接続される第2の入力端子と、前記バッテリの一端が接続されるバッテリ端子と、接地が接続される接地端子と、前記第1および第2の入力端子に入力された前記単相交流発電機の出力電圧を整流して前記バッテリ端子に出力する整流回路と、前記整流回路を制御する制御回路と、を備えたバッテリ充電装置によるバッテリ充電方法であって、
前記単相交流発電機の回転数が予め設定された規定回転数未満である場合には、前記単相交流発電機の出力電圧を前記整流回路により全波整流するように制御し、
一方、前記回転数が前記規定回転数以上である場合には、前記単相交流発電機の出力電圧を前記整流回路により半波整流するように制御し、
前記規定回転数は、
前記単相交流発電機の出力電圧を前記整流回路により半波整流する場合において前記整流回路が前記バッテリ端子に出力する第1の充電電流と、前記単相交流発電機の出力電圧を前記整流回路により全波整流する場合において前記整流回路が前記バッテリ端子に出力する第2の充電電流と、が等しくなる前記単相交流発電機の回転数であり、
前記整流回路は、
前記第1の入力端子にアノードが接続され、前記バッテリ端子にカソードが接続されたダイオードである第1の整流素子と、
前記接地端子にアノードが接続され、前記第1の入力端子にカソードが接続されたサイリスタである第2の整流素子と、
前記第2の入力端子にアノードが接続され、前記バッテリ端子にカソードが接続されたダイオードである第3の整流素子と、
前記接地端子にアノードが接続され、前記第2の入力端子にカソードが接続されたサイリスタである第4の整流素子と、を有し、
前記制御回路は、
前記単相交流発電機の回転数が予め設定された規定回転数未満である場合には、前記第1から第4の整流素子に電流が流れる状態に制御し、
一方、前記回転数が前記規定回転数以上である場合には、前記第2の整流素子と前記第3の整流素子に電流が流れる状態に制御し、且つ、前記第1の整流素子と前記第4の整流素子の少なくとも何れか一方を電流が流れない状態に制御し、
前記制御回路は、
前記バッテリのバッテリ電圧を検出する電圧検出回路をさらに有し、
前記電圧検出回路は、
検出した前記バッテリ電圧が予め設定された目標電圧未満の場合には、少なくとも前記第2の整流素子または前記第4の整流素子の何れか一方に電流が流れる状態に制御し、
一方、検出した前記バッテリ電圧が前記目標電圧以上の場合には、前記第1から第4の整流素子に電流が流れない状態に制御する
ことを特徴とするバッテリ充電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリ充電装置、および、バッテリ充電方法に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、三相交流発電機の出力電圧を整流回路により整流してバッテリに供給して充電するバッテリ充電装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この従来のバッテリ充電装置は、バッテリ電圧を検出し、目標値に充電を制御する。
【0004】
また、他の従来技術として、バッテリ充電システム1000Aの単相交流発電機GによるバッテリBの充電を制御するバッテリ充電装置100Aがある(図3)。
【0005】
このバッテリ充電装置100Aは、単相交流発電機Gの出力電圧を、ダイオードS1、S3、およびサイリスタS2、S4からなる整流回路Xにより全波整流し(図4)、この全波整流した電流をバッテリBに供給することにより、バッテリBを充電する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−141143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記単相交流発電機Gに適用されるバッテリ充電装置100A(図3)は、単相交流発電機Gの回転数に関係無く、単相交流発電機Gの出力電圧を、整流回路Xにより全波整流する(図4)。
【0008】
そして、単相交流発電機Gは、例えば、バイクのエンジンに直結駆動されるオルタネータに適用される場合がある。このような用途の場合、単相交流発電機Gの回転数が低回転から高回転まで大きく変動する。
【0009】
例えば、単相交流発電機Gの回転数が低回転から中回転(例えば、6000r/min)までは、単相交流発電機Gの回転数が増加すると、整流回路Xがバッテリ端子に出力する充電電流が大きく増加する(図4)。
【0010】
しかし、単相交流発電機Gの回転数が高回転になっても、充電電流があまり増加しない(図4)。
【0011】
このように、上記従来のバッテリ充電装置100Aでは、単相交流発電機Gの回転数が高回転(例えば、10000r/min)であっても、中回転と同等の充電電流しか得ることができない問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様に係る実施例に従ったバッテリ充電装置は、
単相交流発電機によるバッテリの充電を制御するバッテリ充電装置であって、
前記単相交流発電機の一端が接続される第1の入力端子と、
前記コイルの他端が接続される第2の入力端子と、
前記単相交流発電機の一端が接続されるバッテリ端子と、
接地が接続される接地端子と、
前記第1および第2の入力端子に入力された前記単相交流発電機の出力電圧を整流して前記バッテリ端子に出力する整流回路と、
前記整流回路を制御する制御回路と、を備え、
前記制御回路は、
前記単相交流発電機の回転数が予め設定された規定回転数未満である場合には、前記単相交流発電機の出力電圧を前記整流回路により全波整流するように制御し、
一方、前記回転数が前記規定回転数以上である場合には、前記単相交流発電機の出力電圧を前記整流回路により半波整流するように制御する
ことを特徴とする。
【0013】
前記バッテリ充電装置において、
前記規定回転数は、
前記単相交流発電機の出力電圧を前記整流回路により半波整流する場合において前記整流回路が前記バッテリ端子に出力する第1の充電電流と、前記単相交流発電機の出力電圧を前記整流回路により全波整流する場合において前記整流回路が前記バッテリ端子に出力する第2の充電電流と、が等しくなる前記単相交流発電機の回転数であるようにしてもよい。
【0014】
前記バッテリ充電装置において、
前記整流回路は、
前記第1の入力端子にアノードが接続され、前記バッテリ端子にカソードが接続された第1の整流素子と、
前記接地端子にアノードが接続され、前記第1の入力端子にカソードが接続された第2の整流素子と、
前記第2の入力端子にアノードが接続され、前記バッテリ端子にカソードが接続された第3の整流素子と、
前記接地端子にアノードが接続され、前記第2の入力端子にカソードが接続された第4の整流素子と、を有し、
前記制御回路は、
前記単相交流発電機の回転数が予め設定された規定回転数未満である場合には、前記第1から第4の整流素子に電流が流れる状態に制御し、
一方、前記回転数が前記規定回転数以上である場合には、前記第2の整流素子と前記第3の整流素子に電流が流れる状態に制御し、且つ、前記第1の整流素子と前記第4の整流素子の少なくとも何れか一方を電流が流れない状態に制御するようにしてもよい。
【0015】
前記バッテリ充電装置において、
前記制御回路は、
前記単相交流発電機の回転数を検出し、検出した前記回転数に応じて、前記第1から第4の整流素子の少なくとも1つの動作を制御する回転数検出回路を有し、
前記回転数検出回路は、
前記回転数が前記規定回転数未満である場合には、前記第1から第4の整流素子に電流が流れる状態に制御し、
一方、前記回転数が前記規定回転数以上である場合には、前記第2の整流素子と前記第3の整流素子に電流が流れる状態に制御し、且つ、前記第1の整流素子と前記第4の整流素子の少なくとも何れか一方を電流が流れない状態に制御するようにしてもよい。
【0016】
前記バッテリ充電装置において、
前記制御回路は、
前記バッテリのバッテリ電圧を検出する電圧検出回路をさらに有し、
前記電圧検出回路は、
検出した前記バッテリ電圧が予め設定された目標電圧未満の場合には、少なくとも前記第2の整流素子または前記第4の整流素子の何れか一方に電流が流れる状態に制御し、
一方、検出した前記バッテリ電圧が前記目標電圧以上の場合には、前記第1から第4の整流素子に電流が流れない状態に制御するようにしてもよい。
【0017】
前記バッテリ充電装置において、
前記第1および第3の整流素子は、ダイオードであり、前記第2および第4の整流素子は、サイリスタであるようにしてもよい。
【0018】
前記バッテリ充電装置において、
前記バッテリ端子と前記接地との間にスイッチ回路とランプとが直列に接続されるようにしてもよい。
【0019】
本発明の一態様に係る実施例に従ったバッテリ充電方法は、
単相交流発電機によるバッテリの充電を制御するバッテリ充電装置であって、前記単相交流発電機の一端が接続される第1の入力端子と、前記単相交流発電機の他端が接続される第2の入力端子と、前記バッテリの一端が接続されるバッテリ端子と、接地が接続される接地端子と、前記第1および第2の入力端子に入力された前記単相交流発電機の出力電圧を整流して前記バッテリ端子に出力する整流回路と、前記整流回路を制御する制御回路と、を備えたバッテリ充電装置によるバッテリ充電方法であって、
前記単相交流発電機の回転数が予め設定された規定回転数未満である場合には、前記単相交流発電機の出力電圧を前記整流回路により全波整流するように制御し、
一方、前記回転数が前記規定回転数以上である場合には、前記単相交流発電機の出力電圧を前記整流回路により半波整流するように制御する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一態様に係るバッテリ充電装置では、単相交流発電機によるバッテリの充電を制御する。
【0021】
そして、このバッテリ充電装置は、単相交流発電機のコイルの一端が接続される第1の入力端子と、コイルの他端が接続される第2の入力端子と、該バッテリの一端が接続されるバッテリ端子と、接地が接続される接地端子と、第1および第2の入力端子に入力された単相交流発電機の出力電圧を整流してバッテリ端子に出力する整流回路と、整流回路を制御する制御回路と、を備える。
【0022】
そして、制御回路は、単相交流発電機の回転数が予め設定された規定回転数未満である場合には、単相交流発電機の出力電圧を整流回路により全波整流するように制御し、一方、回転数が規定回転数以上である場合には、単相交流発電機の出力電圧を整流回路により半波整流するように制御する。
【0023】
特に、上記規定回転数は、単相交流発電機の出力電圧を整流回路により半波整流する場合において整流回路がバッテリ端子に出力する第1の充電電流と、単相交流発電機の出力電圧を整流回路により全波整流する場合において整流回路がバッテリ端子に出力する第2の充電電流と、が等しくなる単相交流発電機の回転数である。
【0024】
したがって、本発明に係るバッテリ充電装置は、単相交流発電機の回転数が高回転になった場合に、より大きな充電電流を得ることができる。
【0025】
すなわち、単相交流発電機によるバッテリ充電の制御性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明の一態様である実施例1に係るバッテリ充電システム1000の構成の一例を示す図である。
図2図2は、図1に示すバッテリ充電装置100の充電電流特性の一例を示す図である。
図3図3は、従来のバッテリ充電システム1000Aの構成の一例を示す図である。
図4図4は、図3に示すバッテリ充電装置100Aの充電電流特性の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る各実施例について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0028】
図1は、本発明の一態様である実施例1に係るバッテリ充電システム1000の構成の一例を示す図である。
【0029】
図1に示すように、バッテリ充電システム1000は、バッテリBと、負荷Rと、スイッチ回路SWと、ランプLと、単相交流発電機Gと、バッテリ充電装置100と、を備える。
【0030】
単相交流発電機Gは、一端が第1の入力端子TA1に接続され且つ他端が第2の入力端子TA2に接続されたコイルを有する。
【0031】
この単相交流発電機Gは、バッテリBを充電するとともにランプLを点灯するための交流電圧を発生し、出力端子からこの交流電圧を供給するようになっている。
【0032】
この単相交流発電機Gは、例えば、バイクのエンジンに直結駆動されるオルタネータである。
【0033】
バッテリBは、+端子(正側)と−端子(負側)を有し、これらの端子を介して充放電可能になっている。なお、このバッテリBの負側は、接地に接続され、バッテリBの正側がバッテリ充電装置100のバッテリ端子TBに接続されている。
【0034】
このバッテリBは、例えば、バイクのバッテリである。
【0035】
負荷Rは、接地とバッテリ端子TBとの間で、バッテリBと並列に接続されるようになっている。この負荷Rは、例えば、バイクにおいて電源を必要とする機器等の車両負荷である。
【0036】
ランプLは、一端が接地に接続され且つ他端がバッテリ充電装置100のランプ端子TLに接続されている。このランプLは、例えば、バイクのヘッドライト、テールランプ等のランプである。
【0037】
スイッチ回路SWは、接地とバッテリ端子TBとの間で、ランプLと直列に接続されている。
【0038】
例えば、ユーザによりこのスイッチ回路SWのオン/オフが制御されることにより、ランプLの点灯/消灯が制御されることとなる。
【0039】
また、バッテリ充電装置100は、単相交流発電機Gの出力端子から出力される交流電流を整流し、単相交流発電機GによるバッテリBの充電およびランプLへの電源供給を制御するようになっている。
【0040】
ここで、バッテリ充電装置100は、図1に示すように、第1の入力端子TA1と、第2の入力端子TA2と、接地端子TEと、バッテリ端子TBと、整流回路Xと、制御回路CONと、を備える。
第1の入力端子TA1は、単相交流発電機Gの(コイルの)一端が接続されるようになっている。
【0041】
第2の入力端子TA2は、単相交流発電機Gの(コイルの)他端が接続されるようになっている。
【0042】
バッテリ端子TBは、バッテリBの一端が接続されるようになっている。
【0043】
接地端子TEは、接地に接続されるようになっている。
【0044】
整流回路Xは、第1および第2の入力端子TA1、TA2に入力された単相交流発電機Gの出力電圧を整流してバッテリ端子TBに出力するようになっている。
【0045】
制御回路CONは、整流回路Xを制御するようになっている。
【0046】
この制御回路CONは、単相交流発電機Gの回転数が予め設定された規定回転数P未満である場合には、単相交流発電機Gの出力電圧を整流回路Xにより全波整流するように制御するようになっている。
【0047】
一方、制御回路CONは、単相交流発電機Gの回転数が規定回転数P以上である場合には、単相交流発電機Gの出力電圧を整流回路Xにより半波整流するように制御するようになっている。
【0048】
ここで、規定回転数Pは、単相交流発電機Gの出力電圧を整流回路Xにより半波整流する場合において整流回路Xがバッテリ端子TBに出力する第1の充電電流と、単相交流発電機Gの出力電圧を整流回路Xにより全波整流する場合において整流回路Xがバッテリ端子TBに出力する第2の充電電流と、が等しくなる単相交流発電機Gの回転数である。
【0049】
整流回路Xは、例えば、第1の整流素子S1と、第2の整流素子S2と、第3の整流素子S3と、第4の整流素子S4と、を有する。
【0050】
第1の整流素子S1は、第1の入力端子TA1にアノードが接続され、バッテリ端子TBにカソードが接続されている。
【0051】
第2の整流素子S2は、接地端子TEにアノードが接続され、第1の入力端子TA1にカソードが接続されている。
【0052】
第3の整流素子S3は、第2の入力端子TA2にアノードが接続され、バッテリ端子TBにカソードが接続されている。
【0053】
第4の整流素子S4は、接地端子TEにアノードが接続され、第2の入力端子TA2にカソードが接続されている。
【0054】
なお、本実施例では、第1の整流素子S1および第3の整流素子S3は、ダイオードであり、第2の整流素子S2および第4の整流素子S4は、サイリスタである。
【0055】
この制御回路CONは、単相交流発電機Gの回転数が予め設定された規定回転数P未満である場合には、第1から第4の整流素子S4に電流が流れる状態に制御する。
【0056】
すなわち、制御回路CONは、回転数が規定回転数P未満である場合には、第2および第4の整流素子S2、S4である2つのサイリスタをオンする。
【0057】
これにより、単相交流発電機Gの出力電圧が整流回路Xにより全波整流される。
【0058】
一方、制御回路CONは、単相交流発電機Gの回転数が規定回転数P以上である場合には、第2の整流素子S2と第3の整流素子S3に電流が流れる状態に制御し、且つ、第1の整流素子S1と第4の整流素子S4の少なくとも何れか一方を電流が流れない状態に制御する。
【0059】
すなわち、制御回路CONは、回転数が規定回転数P以上である場合には、第2の整流素子S2であるサイリスタをオンし、且つ第4の整流素子S4であるサイリスタをオフする。
【0060】
これにより、単相交流発電機Gの出力電圧が整流回路Xにより半波整流される。
【0061】
ここで、制御回路CONは、例えば、図1に示すように、電圧検出回路Yと、回転数検出回路Zと、を有する。
【0062】
回転数検出回路Zは、単相交流発電機Gの回転数を検出し、検出した回転数に応じて、第1から第4の整流素子S1〜S4の少なくとも1つの動作を制御するようになっている。
【0063】
この回転数検出回路Zは、例えば、第1の入力端子TA1または第2の入力端子TA2の信号の周波数に基づいて、単相交流発電機Gの回転数を検出するようになっている。
【0064】
ここで、例えば、回転数検出回路Zは、単相交流発電機Gの回転数が規定回転数P未満である場合には、第1から第4の整流素子S4に電流が流れる状態に制御する。
【0065】
一方、回転数検出回路Zは、単相交流発電機Gの回転数が規定回転数P以上である場合には、第2の整流素子S2と第3の整流素子S3に電流が流れる状態に制御し、且つ、第1の整流素子S1と第4の整流素子S4の少なくとも何れか一方を電流が流れない状態に制御する。
【0066】
また、電圧検出回路Yは、バッテリBのバッテリ電圧を検出するようになっている。例えば、電圧検出回路Yは、バッテリ端子TBと接地端子TEとの間の電位差に基づいて、バッテリBのバッテリ電圧を検出する。
【0067】
この電圧検出回路Yは、検出したバッテリ電圧が予め設定された目標電圧未満の場合には、少なくとも第2の整流素子S2または第4の整流素子S4の何れか一方に電流が流れる状態に制御するようになっている。
【0068】
すなわち、この場合、電圧検出回路Yは、第2または第4の整流素子(サイリスタ)S2、S4の少なくとも何れか一方をオンする。
【0069】
これにより、バッテリBに充電電流が供給されて充電される。
【0070】
一方、電圧検出回路Yは、検出したバッテリ電圧が目標電圧以上の場合には、第1から第4の整流素子S1〜S4に電流が流れない状態に制御する。
【0071】
すなわち、この場合、電圧検出回路Yは、第2および第4の整流素子(サイリスタ)S2、S4をオフする。
【0072】
これにより、バッテリBの充電が停止する。
【0073】
次に、以上のような構成を有するバッテリ充電システム1000におけるバッテリ充電装置100によるバッテリ充電方法の一例について、説明する。
【0074】
ここで、図2は、図1に示すバッテリ充電装置100の充電電流特性の一例を示す図である。
【0075】
図2に示すように、規定回転数Pは、単相交流発電機Gの出力電圧を整流回路Xにより半波整流する場合において整流回路Xがバッテリ端子TBに出力する第1の充電電流I1と、単相交流発電機Gの出力電圧を整流回路Xにより全波整流する場合において整流回路Xがバッテリ端子TBに出力する第2の充電電流I2と、が等しくなる単相交流発電機Gの回転数(6000r/min)である。
【0076】
図2に示すように、例えば、単相交流発電機Gの回転数が予め設定された規定回転数P未満である場合、全波整流による第2の充電電流I2は、半波整流による第1の充電電流I1よりも、大きい。
【0077】
そこで、既述のように、制御回路CONは、単相交流発電機Gの回転数が予め設定された規定回転数P未満である場合には、単相交流発電機Gの出力電圧を整流回路Xにより全波整流するように制御する。
【0078】
一方、相交流発電機Gの回転数が予め設定された規定回転数P以上である場合、全波整流による第2の充電電流I2は、半波整流による第1の充電電流I1よりも、小さい。
【0079】
そこで、既述のように、制御回路CONは、単相交流発電機Gの回転数が規定回転数P以上である場合には、単相交流発電機Gの出力電圧を整流回路Xにより半波整流するように制御する。
【0080】
この制御回路CONによる半波整流と全波整流と切換により、単相交流発電機Gの回転数が低回転から高回転に変動する場合に、より大きな充電電流を得ることができる。
以上のように、本発明の一態様に係るバッテリ充電装置では、単相交流発電機Gによるバッテリの充電を制御する。
【0081】
そして、このバッテリ充電装置は、単相交流発電機Gのコイルの一端が接続される第1の入力端子TA1と、コイルの他端が接続される第2の入力端子TA2と、バッテリBの一端が接続されるバッテリ端子TBと、接地が接続される接地端子と、第1および第2の入力端子TA2に入力された単相交流発電機Gの出力電圧を整流してバッテリ端子TBに出力する整流回路Xと、整流回路Xを制御する制御回路CONと、を備える。
【0082】
そして、制御回路CONは、単相交流発電機Gの回転数が予め設定された規定回転数P未満である場合には、単相交流発電機Gの出力電圧を整流回路Xにより全波整流するように制御し、一方、回転数が規定回転数P以上である場合には、単相交流発電機Gの出力電圧を整流回路Xにより半波整流するように制御する。
【0083】
特に、上記規定回転数Pは、単相交流発電機Gの出力電圧を整流回路Xにより半波整流する場合において整流回路Xがバッテリ端子TBに出力する第1の充電電流と、単相交流発電機Gの出力電圧を整流回路Xにより全波整流する場合において整流回路Xがバッテリ端子TBに出力する第2の充電電流と、が等しくなる単相交流発電機Gの回転数である。
【0084】
したがって、既述のように、本発明に係るバッテリ充電装置は、単相交流発電機Gの回転数が高回転になった場合に、より大きな充電電流を得ることができる。
【0085】
すなわち、単相交流発電機Gによるバッテリ充電の制御性の向上を図ることができる。
【0086】
なお、実施例では、第1および第3の整流素子S1、S3は、ダイオードであり、第2および第4の整流素子S4は、サイリスタである場合について説明した。
【0087】
この場合、例えば、既述のように、制御回路CONは、回転数が規定回転数P未満である場合には、第2および第4の整流素子S2、S4である2つのサイリスタをオンし、一方、回転数が規定回転数P以上である場合には、第2の整流素子S2であるサイリスタをオンし、且つ第4の整流素子S4であるサイリスタをオフした。
【0088】
しかし、第1および第3の整流素子S1、S3は、サイリスタであり、第2および第4の整流素子S2、S4は、ダイオードであってもよい。
【0089】
この場合、例えば、制御回路CONは、回転数が規定回転数P未満である場合には、第1および第3の整流素子S1、S3である2つのサイリスタをオンし、一方、回転数が規定回転数P以上である場合には、第1の整流素子S1であるサイリスタをオフし、且つ第3の整流素子S3であるサイリスタをオンするようにしてもよい。
【0090】
これにより、実施例と同様に、単相交流発電機Gの回転数が高回転になった場合に、より大きな充電電流を得ることができる。
【0091】
すなわち、実施例と同様に、単相交流発電機Gによるバッテリ充電の制御性の向上を図ることができる。
【0092】
また、第1から第4の整流素子S1〜S4は、サイリスタであってもよい。
【0093】
この場合、制御回路CONは、回転数が規定回転数P未満である場合には、第1から第4の整流素子S1〜S4である4つのサイリスタをオンし、一方、回転数が規定回転数P以上である場合には、第2および第3の整流素子S2、S3である2つのサイリスタをオンし、且つ第1および第4の整流素子S1、S4である2つのサイリスタの何れか一方をオフするようにしてもよい。
【0094】
これにより、実施例と同様に、単相交流発電機Gの回転数が高回転になった場合に、より大きな充電電流を得ることができる。
【0095】
すなわち、実施例と同様に、単相交流発電機Gによるバッテリ充電の制御性の向上を図ることができる。
【0096】
実施例は例示であり、発明の範囲はそれらに限定されない。
【符号の説明】
【0097】
100、100A バッテリ充電装置
1000、1000A バッテリ充電システム
B バッテリ
R 負荷
SW スイッチ回路
L ランプ
G 単相交流発電機
TA1 第1の入力端子
TA2 第2の入力端子
TE 接地端子
TB バッテリ端子
S1 第1の整流素子
S2 第2の整流素子
S3 第3の整流素子
S4 第4の整流素子
CON 制御回路
X 整流回路
Y 電圧検出回路
Z 回転数検出回路
P 規定回転数
I1 第1の充電電流
I2 第2の充電電流
図1
図2
図3
図4