【実施例1】
【0028】
図1は、本発明の一態様である実施例1に係るバッテリ充電システム1000の構成の一例を示す図である。
【0029】
図1に示すように、バッテリ充電システム1000は、バッテリBと、負荷Rと、スイッチ回路SWと、ランプLと、単相交流発電機Gと、バッテリ充電装置100と、を備える。
【0030】
単相交流発電機Gは、一端が第1の入力端子TA1に接続され且つ他端が第2の入力端子TA2に接続されたコイルを有する。
【0031】
この単相交流発電機Gは、バッテリBを充電するとともにランプLを点灯するための交流電圧を発生し、出力端子からこの交流電圧を供給するようになっている。
【0032】
この単相交流発電機Gは、例えば、バイクのエンジンに直結駆動されるオルタネータである。
【0033】
バッテリBは、+端子(正側)と−端子(負側)を有し、これらの端子を介して充放電可能になっている。なお、このバッテリBの負側は、接地に接続され、バッテリBの正側がバッテリ充電装置100のバッテリ端子TBに接続されている。
【0034】
このバッテリBは、例えば、バイクのバッテリである。
【0035】
負荷Rは、接地とバッテリ端子TBとの間で、バッテリBと並列に接続されるようになっている。この負荷Rは、例えば、バイクにおいて電源を必要とする機器等の車両負荷である。
【0036】
ランプLは、一端が接地に接続され且つ他端がバッテリ充電装置100のランプ端子TLに接続されている。このランプLは、例えば、バイクのヘッドライト、テールランプ等のランプである。
【0037】
スイッチ回路SWは、接地とバッテリ端子TBとの間で、ランプLと直列に接続されている。
【0038】
例えば、ユーザによりこのスイッチ回路SWのオン/オフが制御されることにより、ランプLの点灯/消灯が制御されることとなる。
【0039】
また、バッテリ充電装置100は、単相交流発電機Gの出力端子から出力される交流電流を整流し、単相交流発電機GによるバッテリBの充電およびランプLへの電源供給を制御するようになっている。
【0040】
ここで、バッテリ充電装置100は、
図1に示すように、第1の入力端子TA1と、第2の入力端子TA2と、接地端子TEと、バッテリ端子TBと、整流回路Xと、制御回路CONと、を備える。
第1の入力端子TA1は、単相交流発電機Gの(コイルの)一端が接続されるようになっている。
【0041】
第2の入力端子TA2は、単相交流発電機Gの(コイルの)他端が接続されるようになっている。
【0042】
バッテリ端子TBは、バッテリBの一端が接続されるようになっている。
【0043】
接地端子TEは、接地に接続されるようになっている。
【0044】
整流回路Xは、第1および第2の入力端子TA1、TA2に入力された単相交流発電機Gの出力電圧を整流してバッテリ端子TBに出力するようになっている。
【0045】
制御回路CONは、整流回路Xを制御するようになっている。
【0046】
この制御回路CONは、単相交流発電機Gの回転数が予め設定された規定回転数P未満である場合には、単相交流発電機Gの出力電圧を整流回路Xにより全波整流するように制御するようになっている。
【0047】
一方、制御回路CONは、単相交流発電機Gの回転数が規定回転数P以上である場合には、単相交流発電機Gの出力電圧を整流回路Xにより半波整流するように制御するようになっている。
【0048】
ここで、規定回転数Pは、単相交流発電機Gの出力電圧を整流回路Xにより半波整流する場合において整流回路Xがバッテリ端子TBに出力する第1の充電電流と、単相交流発電機Gの出力電圧を整流回路Xにより全波整流する場合において整流回路Xがバッテリ端子TBに出力する第2の充電電流と、が等しくなる単相交流発電機Gの回転数である。
【0049】
整流回路Xは、例えば、第1の整流素子S1と、第2の整流素子S2と、第3の整流素子S3と、第4の整流素子S4と、を有する。
【0050】
第1の整流素子S1は、第1の入力端子TA1にアノードが接続され、バッテリ端子TBにカソードが接続されている。
【0051】
第2の整流素子S2は、接地端子TEにアノードが接続され、第1の入力端子TA1にカソードが接続されている。
【0052】
第3の整流素子S3は、第2の入力端子TA2にアノードが接続され、バッテリ端子TBにカソードが接続されている。
【0053】
第4の整流素子S4は、接地端子TEにアノードが接続され、第2の入力端子TA2にカソードが接続されている。
【0054】
なお、本実施例では、第1の整流素子S1および第3の整流素子S3は、ダイオードであり、第2の整流素子S2および第4の整流素子S4は、サイリスタである。
【0055】
この制御回路CONは、単相交流発電機Gの回転数が予め設定された規定回転数P未満である場合には、第1から第4の整流素子S4に電流が流れる状態に制御する。
【0056】
すなわち、制御回路CONは、回転数が規定回転数P未満である場合には、第2および第4の整流素子S2、S4である2つのサイリスタをオンする。
【0057】
これにより、単相交流発電機Gの出力電圧が整流回路Xにより全波整流される。
【0058】
一方、制御回路CONは、単相交流発電機Gの回転数が規定回転数P以上である場合には、第2の整流素子S2と第3の整流素子S3に電流が流れる状態に制御し、且つ、第1の整流素子S1と第4の整流素子S4の少なくとも何れか一方を電流が流れない状態に制御する。
【0059】
すなわち、制御回路CONは、回転数が規定回転数P以上である場合には、第2の整流素子S2であるサイリスタをオンし、且つ第4の整流素子S4であるサイリスタをオフする。
【0060】
これにより、単相交流発電機Gの出力電圧が整流回路Xにより半波整流される。
【0061】
ここで、制御回路CONは、例えば、
図1に示すように、電圧検出回路Yと、回転数検出回路Zと、を有する。
【0062】
回転数検出回路Zは、単相交流発電機Gの回転数を検出し、検出した回転数に応じて、第1から第4の整流素子S1〜S4の少なくとも1つの動作を制御するようになっている。
【0063】
この回転数検出回路Zは、例えば、第1の入力端子TA1または第2の入力端子TA2の信号の周波数に基づいて、単相交流発電機Gの回転数を検出するようになっている。
【0064】
ここで、例えば、回転数検出回路Zは、単相交流発電機Gの回転数が規定回転数P未満である場合には、第1から第4の整流素子S4に電流が流れる状態に制御する。
【0065】
一方、回転数検出回路Zは、単相交流発電機Gの回転数が規定回転数P以上である場合には、第2の整流素子S2と第3の整流素子S3に電流が流れる状態に制御し、且つ、第1の整流素子S1と第4の整流素子S4の少なくとも何れか一方を電流が流れない状態に制御する。
【0066】
また、電圧検出回路Yは、バッテリBのバッテリ電圧を検出するようになっている。例えば、電圧検出回路Yは、バッテリ端子TBと接地端子TEとの間の電位差に基づいて、バッテリBのバッテリ電圧を検出する。
【0067】
この電圧検出回路Yは、検出したバッテリ電圧が予め設定された目標電圧未満の場合には、少なくとも第2の整流素子S2または第4の整流素子S4の何れか一方に電流が流れる状態に制御するようになっている。
【0068】
すなわち、この場合、電圧検出回路Yは、第2または第4の整流素子(サイリスタ)S2、S4の少なくとも何れか一方をオンする。
【0069】
これにより、バッテリBに充電電流が供給されて充電される。
【0070】
一方、電圧検出回路Yは、検出したバッテリ電圧が目標電圧以上の場合には、第1から第4の整流素子S1〜S4に電流が流れない状態に制御する。
【0071】
すなわち、この場合、電圧検出回路Yは、第2および第4の整流素子(サイリスタ)S2、S4をオフする。
【0072】
これにより、バッテリBの充電が停止する。
【0073】
次に、以上のような構成を有するバッテリ充電システム1000におけるバッテリ充電装置100によるバッテリ充電方法の一例について、説明する。
【0074】
ここで、
図2は、
図1に示すバッテリ充電装置100の充電電流特性の一例を示す図である。
【0075】
図2に示すように、規定回転数Pは、単相交流発電機Gの出力電圧を整流回路Xにより半波整流する場合において整流回路Xがバッテリ端子TBに出力する第1の充電電流I1と、単相交流発電機Gの出力電圧を整流回路Xにより全波整流する場合において整流回路Xがバッテリ端子TBに出力する第2の充電電流I2と、が等しくなる単相交流発電機Gの回転数(6000r/min)である。
【0076】
図2に示すように、例えば、単相交流発電機Gの回転数が予め設定された規定回転数P未満である場合、全波整流による第2の充電電流I2は、半波整流による第1の充電電流I1よりも、大きい。
【0077】
そこで、既述のように、制御回路CONは、単相交流発電機Gの回転数が予め設定された規定回転数P未満である場合には、単相交流発電機Gの出力電圧を整流回路Xにより全波整流するように制御する。
【0078】
一方、相交流発電機Gの回転数が予め設定された規定回転数P以上である場合、全波整流による第2の充電電流I2は、半波整流による第1の充電電流I1よりも、小さい。
【0079】
そこで、既述のように、制御回路CONは、単相交流発電機Gの回転数が規定回転数P以上である場合には、単相交流発電機Gの出力電圧を整流回路Xにより半波整流するように制御する。
【0080】
この制御回路CONによる半波整流と全波整流と切換により、単相交流発電機Gの回転数が低回転から高回転に変動する場合に、より大きな充電電流を得ることができる。
以上のように、本発明の一態様に係るバッテリ充電装置では、単相交流発電機Gによるバッテリの充電を制御する。
【0081】
そして、このバッテリ充電装置は、単相交流発電機Gのコイルの一端が接続される第1の入力端子TA1と、コイルの他端が接続される第2の入力端子TA2と、バッテリBの一端が接続されるバッテリ端子TBと、接地が接続される接地端子と、第1および第2の入力端子TA2に入力された単相交流発電機Gの出力電圧を整流してバッテリ端子TBに出力する整流回路Xと、整流回路Xを制御する制御回路CONと、を備える。
【0082】
そして、制御回路CONは、単相交流発電機Gの回転数が予め設定された規定回転数P未満である場合には、単相交流発電機Gの出力電圧を整流回路Xにより全波整流するように制御し、一方、回転数が規定回転数P以上である場合には、単相交流発電機Gの出力電圧を整流回路Xにより半波整流するように制御する。
【0083】
特に、上記規定回転数Pは、単相交流発電機Gの出力電圧を整流回路Xにより半波整流する場合において整流回路Xがバッテリ端子TBに出力する第1の充電電流と、単相交流発電機Gの出力電圧を整流回路Xにより全波整流する場合において整流回路Xがバッテリ端子TBに出力する第2の充電電流と、が等しくなる単相交流発電機Gの回転数である。
【0084】
したがって、既述のように、本発明に係るバッテリ充電装置は、単相交流発電機Gの回転数が高回転になった場合に、より大きな充電電流を得ることができる。
【0085】
すなわち、単相交流発電機Gによるバッテリ充電の制御性の向上を図ることができる。
【0086】
なお、実施例では、第1および第3の整流素子S1、S3は、ダイオードであり、第2および第4の整流素子S4は、サイリスタである場合について説明した。
【0087】
この場合、例えば、既述のように、制御回路CONは、回転数が規定回転数P未満である場合には、第2および第4の整流素子S2、S4である2つのサイリスタをオンし、一方、回転数が規定回転数P以上である場合には、第2の整流素子S2であるサイリスタをオンし、且つ第4の整流素子S4であるサイリスタをオフした。
【0088】
しかし、第1および第3の整流素子S1、S3は、サイリスタであり、第2および第4の整流素子S2、S4は、ダイオードであってもよい。
【0089】
この場合、例えば、制御回路CONは、回転数が規定回転数P未満である場合には、第1および第3の整流素子S1、S3である2つのサイリスタをオンし、一方、回転数が規定回転数P以上である場合には、第1の整流素子S1であるサイリスタをオフし、且つ第3の整流素子S3であるサイリスタをオンするようにしてもよい。
【0090】
これにより、実施例と同様に、単相交流発電機Gの回転数が高回転になった場合に、より大きな充電電流を得ることができる。
【0091】
すなわち、実施例と同様に、単相交流発電機Gによるバッテリ充電の制御性の向上を図ることができる。
【0092】
また、第1から第4の整流素子S1〜S4は、サイリスタであってもよい。
【0093】
この場合、制御回路CONは、回転数が規定回転数P未満である場合には、第1から第4の整流素子S1〜S4である4つのサイリスタをオンし、一方、回転数が規定回転数P以上である場合には、第2および第3の整流素子S2、S3である2つのサイリスタをオンし、且つ第1および第4の整流素子S1、S4である2つのサイリスタの何れか一方をオフするようにしてもよい。
【0094】
これにより、実施例と同様に、単相交流発電機Gの回転数が高回転になった場合に、より大きな充電電流を得ることができる。
【0095】
すなわち、実施例と同様に、単相交流発電機Gによるバッテリ充電の制御性の向上を図ることができる。
【0096】
実施例は例示であり、発明の範囲はそれらに限定されない。