(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電力系統に接続された一次巻線を備える固定子と二次巻線を備える回転子とを有する二次励磁発電機と、前記回転子を駆動するエンジンと、交流側が前記電力系統に接続された第1電力変換機と、交流側が前記二次巻線に接続された第2電力変換機と、前記第1電力変換機の直流側と前記第2電力変換機の直流側とを接続する直流部に接続された蓄電装置と、前記一次巻線と電力負荷との接続を断続自在な切換部と、運転を制御する運転制御部とを備え、
前記運転制御部は、目標回転速度にて前記エンジンを駆動させ、前記電力系統からの電力供給を受けずに、前記蓄電装置からの電力供給により、前記電力負荷に目標周波数の出力電力を供給する自立運転を実行可能であり、
その自立運転では、エンジン回転速度を前記目標回転速度よりも高回転速度の第1回転速度に制御する高回転速度制御を行い、エンジン回転速度が前記第1回転速度に達した後、エンジン回転速度を前記第1回転速度に維持するようにエンジン回転速度を制御した状態で前記切換部により前記一次巻線と前記電力負荷とを接続する接続制御を行い、次に、その接続制御を行った後もエンジン回転速度を前記第1回転速度に維持するようにエンジン回転速度を制御する回転速度維持制御を行い、エンジン回転速度が前記第1回転速度に達した後、エンジン回転速度を前記目標回転速度に制御する目標回転速度制御を行うように構成されている発電システム。
前記運転制御部は、前記接続制御開始後のエンジン回転速度の変動が静定したとする静定条件が満たされると、前記回転速度維持制御を終了して前記目標回転速度制御に移行するように構成されている請求項1に記載の発電システム。
前記運転制御部は、前記一次巻線からの出力が目標出力に達するまで、前記目標回転速度制御には移行せずに、前記接続制御と前記回転速度維持制御を繰り返し行い、前記一次巻線からの出力が前記目標出力に達すると、前記目標回転速度制御に移行するように構成されている請求項1又は2に記載の発電システム。
電力系統に接続された一次巻線を備える固定子と二次巻線を備える回転子とを有する二次励磁発電機と、前記回転子を駆動するエンジンと、交流側が前記電力系統に接続された第1電力変換機と、交流側が前記二次巻線に接続された第2電力変換機と、前記第1電力変換機の直流側と前記第2電力変換機の直流側とを接続する直流部に接続された蓄電装置と、前記一次巻線と電力負荷との接続を断続自在な切換部とを備えた発電システムにおいて、
目標回転速度にて前記エンジンを駆動させ、前記電力系統からの電力供給を受けずに、前記蓄電装置からの電力供給により、前記電力負荷に目標周波数の出力電力を供給する自立運転を実行可能であり、
その自立運転では、エンジン回転速度を前記目標回転速度よりも高回転速度の第1回転速度に制御する高回転速度制御を行い、エンジン回転速度が前記第1回転速度に達した後、エンジン回転速度を前記第1回転速度に維持するようにエンジン回転速度を制御した状態で前記切換部により前記一次巻線と前記電力負荷とを接続する接続制御を行い、次に、その接続制御を行った後もエンジン回転速度を前記第1回転速度に維持するようにエンジン回転速度を制御する回転速度維持制御を行い、エンジン回転速度が前記第1回転速度に達した後、エンジン回転速度を前記目標回転速度に制御する目標回転速度制御を行う発電システムの運転方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載のシステムでは、自立運転において、一次巻線を電力負荷に接続する際に、目標回転速度よりも高回転速度の無負荷時回転速度にエンジンの回転速度を制御した上で、一次巻線を電力負荷に接続している。これにより、電力負荷接続時のエンジン回転速度の大幅な低下を抑制し、出力電力の周波数が変動するのを抑制している。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載のシステムでは、一次巻線を電力負荷に接続した直後に、無負荷時回転速度よりも低回転速度の目標回転速度及びその近辺の回転速度にエンジンの回転速度を制御するようにしている。このように、電力負荷接続直後に、エンジンの回転速度を低下させると、電力負荷の接続によって低下したエンジンの回転速度が更に低下して、その回転速度の低下分に応じてトルクが増大することになるので、エンジンに大きな負担がかかることになる。
【0007】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、電力系統から電力の供給を受けずに、電力負荷に対して電力を供給自在とする自立運転を行うに当たり、エンジンにかかる負担の軽減を図りながら、電力負荷への電力供給を行うことができる発電システム、及び、その発電システムの運転方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明に係る発電システムの特徴構成は、電力系統に接続された一次巻線を備える固定子と二次巻線を備える回転子とを有する二次励磁発電機と、前記回転子を駆動するエンジンと、交流側が前記電力系統に接続された第1電力変換機と、交流側が前記二次巻線に接続された第2電力変換機と、前記第1電力変換機の直流側と前記第2電力変換機の直流側とを接続する直流部に接続された蓄電装置と、前記一次巻線と電力負荷との接続を断続自在な切換部と、運転を制御する運転制御部とを備え、
前記運転制御部は、目標回転速度にて前記エンジンを駆動させ、前記電力系統からの電力供給を受けずに、前記蓄電装置からの電力供給により、前記電力負荷に目標周波数の出力電力を供給する自立運転を実行可能であり、
その自立運転では、エンジン回転速度を前記目標回転速度よりも高回転速度の第1回転速度に制御する高回転速度制御を行い、
エンジン回転速度が前記第1回転速度に達した後、エンジン回転速度を前記第1回転速度に維持するようにエンジン回転速度を制御した状態で前記切換部により前記一次巻線と前記電力負荷とを接続する接続制御を行い、次に、その接続制御を行った後もエンジン回転速度を前記第1回転速度に維持するようにエンジン回転速度を制御する回転速度維持制御を行い、
エンジン回転速度が前記第1回転速度に達した後、エンジン回転速度を前記目標回転速度に制御する目標回転速度制御を行うように構成されている点にある。
【0009】
本特徴構成によれば、接続制御では、エンジン回転速度が第1回転速度に維持された状態で一次巻線と電力負荷との接続が行われ、その後、回転速度維持制御を行われる。このように、電力負荷の接続時も、その接続の以降においても、エンジン回転速度が第1回転速度に維持されるので、電力負荷の接続によってエンジン回転速度が低下しても、そのエンジン回転速度の低下量を抑えることができ、その接続以降に更にエンジン回転速度が低下するのを防止することができる。これにより、エンジン回転速度の低下に伴うトルクの増大を抑制することができ、自立運転を行うに当たり、エンジンにかかる負担の軽減を図りながら、電力負荷への電力供給を行うことができる。
【0010】
本発明に係る発電システムの更なる特徴構成は、前記運転制御部は、前記接続制御開始後のエンジン回転速度の変動が静定したとする静定条件が満たされると、前記回転速度維持制御を終了して前記目標回転速度制御に移行するように構成されている点にある。
【0011】
上述のように、接続制御を行った後、エンジン回転速度が安定する前に、回転速度維持制御を終了して目標回転速度制御に移行すると、エンジン回転速度が低下し、その低下に伴ってトルクが上昇し、ノッキングが生じ易くなる。そこで、本特徴構成では、エンジン回転速度が安定した状態で、回転速度維持制御を終了して目標回転速度制御に移行するために、接続制御開始後のエンジン回転速度の変動が静定したとする静定条件が満たされていることを、回転速度維持制御から目標回転速度制御への移行条件としている。これにより、適切なタイミングにて回転速度維持制御から目標回転速度制御への移行を行い、ノッキングの発生を抑制して、電力負荷への目標周波数の出力電力の供給をスムーズに行うことができる。
【0012】
本発明に係る発電システムの更なる特徴構成は、前記運転制御部は、前記一次巻線からの出力が目標出力に達するまで、前記目標回転速度制御には移行せずに、前記接続制御と前記回転速度維持制御を繰り返し行い、前記一次巻線からの出力が前記目標出力に達すると、前記目標回転速度制御に移行するように構成されている点にある。
【0013】
本特徴構成によれば、一次巻線からの出力が目標出力に達するまで、接続制御と回転速度維持制御を繰り返し行うので、繰り返し行う接続制御の夫々にてトルクの上昇を抑制しながら、一次巻線からの出力を目標出力まで段階的に上げることができる。これにより、自立運転にて定格出力(例えば、100%出力)する場合でも、エンジンにかかる負担を軽減しながら、定格出力まで出力を上げることができ、自立運転での効率の向上を図りながら、接続できる電力負荷の負荷量を大きくできる。
【0014】
本発明に係る発電システムの運転方法は、電力系統に接続された一次巻線を備える固定子と二次巻線を備える回転子とを有する二次励磁発電機と、前記回転子を駆動するエンジンと、交流側が前記電力系統に接続された第1電力変換機と、交流側が前記二次巻線に接続された第2電力変換機と、前記第1電力変換機の直流側と前記第2電力変換機の直流側とを接続する直流部に接続された蓄電装置と、前記一次巻線と電力負荷との接続を断続自在な切換部とを備えた発電システムにおいて、
目標回転速度にて前記エンジンを駆動させ、前記電力系統からの電力供給を受けずに、前記蓄電装置からの電力供給により、前記電力負荷に目標周波数の出力電力を供給する自立運転を実行可能であり、
その自立運転では、エンジン回転速度を前記目標回転速度よりも高回転速度の第1回転速度に制御する高回転速度制御を行い、
エンジン回転速度が前記第1回転速度に達した後、エンジン回転速度を前記第1回転速度に維持するようにエンジン回転速度を制御した状態で前記切換部により前記一次巻線と前記電力負荷とを接続する接続制御を行い、次に、その接続制御を行った後もエンジン回転速度を前記第1回転速度に維持するようにエンジン回転速度を制御する回転速度維持制御を行い、
エンジン回転速度が前記第1回転速度に達した後、エンジン回転速度を前記目標回転速度に制御する目標回転速度制御を行う目標回転速度制御を行う点にある。
【0015】
上述の本発明に係る発電システムと同様に、電力負荷の接続時も、その電力負荷接続の以降においても、エンジン回転速度が第1回転速度に維持されるので、電力負荷の接続によってエンジン回転速度が低下しても、そのエンジン回転速度の低下量を抑えることができ、その接続以降に更にエンジン回転速度が低下するのを防止することができる。これにより、エンジン回転速度の低下に伴うトルクの増大を抑制することができ、自立運転を行うに当たり、エンジンにかかる負担の軽減を図りながら、電力負荷への電力供給を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る発電システムの実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示すように、発電システム100は、混合気Mを燃焼室1aにて燃焼させて回転動力を出力するエンジン1と、エンジン1の軸動力により電力負荷61へ供給される電力を発電する発電機構部101と、エンジン1の作動を制御するエンジン制御部102aと発電機構部101の作動を制御する発電機構制御部102bとを有する運転制御部102とを備えている。
【0018】
(エンジン)
エンジン1は、通常の4サイクル式のエンジンとして構成されている。エンジン1の燃焼室1aには、混合気Mを吸引する吸気路3、及び、エンジン1から排出される排ガスEが通流する排気路4が接続されている。吸気路3には、ミキサ8を介して、天然ガス系都市ガス13A等の燃料ガスGを供給する燃料供給路9が接続されている。吸気路3の端部からエアークリーナ(図示せず)を通じて吸気される燃焼用空気Aは、ミキサ8において燃料供給路9から供給される燃料ガスGと混合されて、混合気Mが形成される。その混合気Mは、吸気路3において、過給機(図示せず)を通過して燃焼室1aに吸気される。燃焼室1aに吸気された混合気Mは、ピストン(図示せず)の上昇により圧縮された状態で点火プラグ(図示省略)にて点火されて燃焼・膨張することで、ピストンを押し下げて出力軸1bが回転し、回転動力が出力される。燃焼により発生した排ガスEは、燃焼室1aから排気路4に押し出され、過給機を回転させた後に、外部に排出される。また、このエンジン1には、出力軸1bの回転速度、すなわちエンジン1の回転速度を検出する回転速度センサ1cが設けられており、回転速度センサ1cの検出情報は運転制御部102のエンジン制御部102aに入力させるように構成されている。
【0019】
吸気路3には、燃焼室1aに吸気される混合気Mの吸気量を調整可能なスロットルバルブ6が設けられている。燃料供給路9には、ミキサ8への燃料ガスGの供給量を調整可能な燃料供給弁10が設けられている。制御装置70のエンジン制御部102aは、燃料供給弁10の開度を回転速度センサ1cの検出結果に基づいてフィードバック制御する形態で、エンジン1の出力を制御して、エンジン1の回転速度を制御目標となる設定回転速度に設定する出力制御を実行する。
【0020】
この出力制御では、エンジン1の回転速度が設定回転速度に対して低下傾向にある場合には、燃料ガスGの供給量を増加させるために、燃料供給弁10の開度が拡大し、その後スロットルバルブ6の開度を拡大して、空気比の調整を行う。これにより出力を増加させる。逆に、エンジン1の回転速度が設定回転速度に対して上昇傾向にある場合には、燃料ガスGの供給量を減少させるために、燃料供給弁10の開度が縮小し、その後スロットルバルブ6の開度を縮小して、空気比の調整を行う。これにより出力を減少させる。このような出力制御により、エンジン1の出力が調整されて、エンジン1の回転速度が設定回転速度に制御される。
【0021】
エンジン制御部102aは、燃料供給弁10の開度に基づいて、スロットルバルブ6の開度を制御している。すなわち、燃料供給弁10の開度が拡大しミキサ8を通流する燃料ガスGの流量が増加する場合には、スロットルバルブ6の開度が拡大されて、ミキサ8への燃焼用空気Aの供給量が燃料ガスGの流量増加に合わせて増加される。逆に、燃料供給弁10の開度が縮小しミキサ8を通流する燃料ガスGの流量が減少する場合には、スロットルバルブ6の開度が縮小されて、ミキサ8への燃焼用空気Aの供給量が燃料ガスGの流量減少に合わせて減少される。また、エンジン制御部102aは、エンジン1に供給される混合気Mの空気比を所定の空気比に調整するように、スロットルバルブ6の開度を制御している。ここで、空気比とは、燃料の燃焼に必要な理論的な空気量と実際に供給する空気量の比(実際の空気量/理論空気量)である。また、空気比については、例えば、排気路4に備えた酸素センサ等のセンサ類からの検出情報に基づいて空気比を求める、あるいは、燃料供給弁10の開度と給気マニホールドの給気圧力とから空気比を求めることができる。
【0022】
(発電機構部)
発電機構部101は、エンジン1の軸動力により電力系統60や電力負荷61へ供給される電力を発電するものである。発電機構部101は、電力系統60や電力負荷61に接続された一次巻線(図示せず)を備える固定子2b(ステータ)と、二次巻線(図示せず)を備えエンジン1の回転動力で回転する回転子2a(ロータ)とを有する二次励磁発電機2と、二次巻線に励磁電流を印加する電力変換機としての第1電力変換機31及び第2電力変換機32とを備えている。
【0023】
固定子2bの一次巻線は電力系統(商用電力系統)60に接続されており、第1電力変換機31の交流側が電力系統60に接続され、第2電力変換機32の交流側が回転子2aの二次巻線に接続され、第1電力変換機31の直流側と第2電力変換機32の直流側とを接続する直流部33とを備える。二次励磁発電機2は、電力系統60と同じ周波数(例えば、50[Hz]や60[Hz])の電力(三相の交流電力)を発電し、当該電力を、電力を消費する電力負荷61や電力系統60に供給することが可能に構成されている。尚、電力負荷61としては、例えば、冷暖房設備が備える室内機や室外機、或いは電灯等がある。
【0024】
二次励磁発電機2の固定子2bが備える一次巻線は、第1スイッチ41及び第2スイッチ42を介して電力系統60に接続されている。また、固定子2bが備える一次巻線は、第1スイッチ41及び第3スイッチ43を介して電力負荷61にも接続されている。回転子2aが備える二次巻線は、フィルタ回路30、第2電力変換機32、直流部33、第1電力変換機31、フィルタ回路30、変圧器44、及び、第2スイッチ42を介して電力系統60に接続されている。また、回転子2aが備える二次巻線は、フィルタ回路30、第2電力変換機32、直流部33、第1電力変換機31、フィルタ回路30、変圧器44、及び第3スイッチ43を介して電力負荷61にも接続されている。
【0025】
以下の説明では、固定子2bが備える一次巻線側を「二次励磁発電機の一次側」と呼び、回転子2aが備える二次巻線側を「二次励磁発電機の二次側」と呼ぶ場合がある。よって、二次励磁発電機2の一次側に発生する電力(電圧、電流)の周波数が、電力負荷61や電力系統60に供給される電力の周波数となる。
【0026】
エンジン1の出力軸1bは、二次励磁発電機2の回転子2aに機械的に連結されており、当該回転子2aを駆動(回転駆動)する。エンジン1の出力軸1bは、本例では、回転子2aと一体回転するように連結(直結)されており、回転子2aはエンジン回転速度と同じ回転速度で回転する。尚、エンジン1の出力軸1bと回転子2aとの間に、減速機や増速機を設ける構成とすることもできる。
【0027】
第1電力変換機31は、交流側(
図1における右側)が第1スイッチ41を介して二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)に接続されているとともに、第2スイッチ42を介して電力系統60に接続されており、さらに第3スイッチ43を介して電力負荷61に接続されている。また、第1電力変換機31は、直流側(
図1における左側)が直流部33に接続されている。第2電力変換機32は、交流側(
図1における左側)が二次励磁発電機2の回転子2a(二次巻線)に接続されている。また、第2電力変換機32は、直流側(
図1における右側)が直流部33に接続されている。そして、これらの第1電力変換機31及び第2電力変換機32のそれぞれは、直流側の直流電力を交流電力に変換(逆変換)して交流側に供給するインバータとしての機能と、交流側の交流電力を直流電力に変換(順変換)して直流側に供給するコンバータとしての機能と、の双方を果たすことが可能に構成されている。
【0028】
このような第1電力変換機31や第2電力変換機32は、複数(例えば6個)のスイッチング素子を備えて構成される。スイッチング素子としては、MOSFET(metal oxide semiconductor field effect transistor)やIGBT(insulated gate bipolar transistor)等の種々の構造のパワートランジスタを採用することができる。そして、第1電力変換機31や第2電力変換機32にはPWM(pulse width modulation:パルス幅変調)信号が入力され、当該PWM信号に基づきスイッチング素子がスイッチング動作(オンオフ動作)を行う。尚、第1電力変換機31や第2電力変換機32を作動させるためのPWM信号は、発電機構制御部102bにより生成される。
【0029】
第1電力変換機31の交流側及び第2電力変換機32の交流側の双方には、インダクタンスとコンデンサとからなるフィルタ回路30が設けられている。このフィルタ回路30は、スイッチング素子のスイッチングにより発生した高周波成分を除去するフィルタであり、このフィルタ回路30により、第1電力変換機31や第2電力変換機32からの出力電圧波形が正弦波状に変換される。
【0030】
また、第1電力変換機31の交流側に設けられたフィルタ回路30より二次励磁発電機2側(電力系統60側)には、変圧器44が設けられている。以下の説明では、「変圧器の一次側」は、変圧器44の第1電力変換機31側を指し、「変圧器の二次側」は、変圧器44の二次励磁発電機2側を指す。
【0031】
直流部33は、第1電力変換機31の直流側と第2電力変換機32の直流側とを接続する部分である。直流部33にはキャパシタ34が備えられていると共に、蓄電装置62が接続されている。蓄電装置62は、発電機構部101の起動時に必要となる電力を供給自在となっている。また、蓄電装置62を利用して、電力負荷61や電力系統60に供給される電力の変動を抑えることも可能である。蓄電装置62は、例えば、蓄電池や電気二重層キャパシタ等で構成され、直流部33に対して電力を供給して放電すること、及び、直流部33から電力の供給を受けて充電することが可能に構成される。尚、蓄電装置62と直流部33との間にスイッチを介在させることもできる。
【0032】
第1スイッチ41は、二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)と第1電力変換機31とを選択的に接続する。第2スイッチ42は、電力系統60と第1電力変換機31とを選択的に接続する。第1スイッチ41は、第2スイッチ42と協働して、二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)と電力系統60とを選択的に接続すると共に、第3スイッチ43と協働して、二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)と電力負荷61とを選択的に接続する。また、第2スイッチ42は、第3スイッチ43と協働して、電力系統60と電力負荷61とを選択的に接続する。
【0033】
第1スイッチ41、第2スイッチ42、及び第3スイッチ43のそれぞれは、発電機構制御部102bが生成する開閉信号に基づき開閉制御される。これらのスイッチは、例えば、電磁石の動作によって開閉する電磁接触型のスイッチ等とすることができる。
【0034】
発電機構部101は、発電電力の周波数(電圧、電流の周波数)に関して自由度の高いシステムとなっている。発電機構部101の発電電力の周波数(二次励磁発電機2の一次側に誘起される一次側電圧の周波数)をf1とし、回転子2aの回転周波数をf0とし、回転子2aの二次巻線を励磁するために当該二次巻線に供給される交流電流(励磁電流)の周波数をf2とすると、「f1=f0+f2」となる。ここで、回転子2aの回転周波数f0は、回転子2aの回転速度(回転数)をm[rpm]とし、二次励磁発電機2の磁極数をnとして、「f0=m×n/120」から求まる。
【0035】
具体的には、回転子2aの回転速度が1100[rpm]であり、二次励磁発電機2の磁極数が「6」の場合には、回転子2aの回転周波数f0は55[Hz]となる。よって、この場合に、第2電力変換機32を制御して二次巻線に周波数が5[Hz]の励磁電流を供給すれば(f2=5[Hz])、周波数が60[Hz]の交流電力を得ることができる。逆に、第2電力変換機32を制御して二次巻線から周波数が5[Hz]の励磁電流を取り出せば(f2=−5[Hz])、周波数が50[Hz]の交流電力を得ることができる。尚、回転子2aの回転速度(即ちエンジン回転速度)は、同期回転速度以外の任意の回転速度を選択することができる。尚、同期回転速度は、電力系統60の周波数が60[Hz]であり、二次励磁発電機2の磁極数が「6」である場合には、1200[rpm]となる。
【0036】
回転子2aの回転速度(即ちエンジン回転速度)が同一であっても、回転子2aの二次巻線に供給する励磁電流の周波数f2及び向きを変えることで発電電力の周波数f1を変化させることができる。即ち、発電機構制御部102bは、二次巻線に印加する励磁電流の周波数及び向きを制御して、一次巻線の出力電力(即ち、発電電力)の周波数を電力系統60に同期させる同期制御を実行するように構成されている。尚、第2電力変換機32と回転子2aの二次巻線との間の励磁電流の向きは、第2電力変換機32から二次巻線へ励磁電流を供給するときの供給方向Xと、二次巻線から第2電力変換機32へ励磁電流を取り出すときの取出方向Yとの間で切り替えられる。よって、エンジン1の回転速度が変動したとしても、第2電力変換機32を制御して、電力系統60の周波数に対する回転子2aの回転速度の不足分(又は過剰分)に相当する周波数の励磁電流を二次励磁発電機2の二次巻線に供給する(又は二次巻線から取り出す)ことで、第1電力変換機31から電力系統60の周波数と同じ周波数の発電電力が取り出されることになる。
【0037】
発電システム100は、運転制御部102によりその運転が制御され、第1〜第3スイッチ41〜43にて二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)と電力負荷61や電力系統60とを接続し、目標回転速度(例えば、1200[rpm])にてエンジン1を駆動させ、電力系統60や電力負荷61に目標周波数の出力電力を供給する出力電力供給運転を行うようにしている。この出力電力供給運転では、運転制御部102におけるエンジン制御部102aが、制御目標となる設定回転速度を目標回転速度(例えば、1200[rpm])とし、その目標回転速度にてエンジン1を駆動させるように出力制御を行い、運転制御部102における発電機構制御部102bが、二次巻線に印加する励磁電流の周波数及び向きを制御して、発電電力の周波数を目標周波数(例えば、50[Hz]や60[Hz])に同期させる同期制御を行うようにしている。このような出力制御及び同期制御を行うことで、発電電力を電力系統60や電力負荷61の周波数と同じ周波数としており、この状態で、発電機構制御部102bが、第2、第3スイッチ42、43を閉制御することで、二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)と電力系統60や電力負荷61とを接続し、目標周波数(電力系統60や電力負荷61の周波数と同じ周波数)の発電電力を電力系統60や電力負荷61に供給するようにしている。
【0038】
この発電システム100では、非常用電源としても用いることができるように、目標回転速度(例えば、1200[rpm])にてエンジン1を駆動させ、電力系統60から電力の供給を受けずに、電力負荷61に対して電力を供給自在とする自立運転を行うように構成されている。
【0039】
以下、自立運転について説明する。
運転制御部102は、
図2に示すように、まず、エンジン回転速度を目標回転速度(例えば、1200[rpm])よりも高回転速度の第1回転速度(例えば、1500[rpm])に制御する高回転速度制御を行う(ステップ#1)。この高回転速度制御では、エンジン制御部102aが、制御目標となる設定回転速度を第1回転速度(例えば、1500[rpm])とし、エンジン回転速度を第1回転速度(例えば、1500[rpm])に制御してエンジン1を駆動するように出力制御を行う。また、発電機構制御部102bが、二次巻線に印加する励磁電流の周波数及び向きを制御して、発電電力の周波数を目標周波数(例えば、50[Hz]や60[Hz])に同期させる同期制御を行う。この高回転速度制御では、発電機構制御部102bが、第2、第3スイッチ42、43を開制御しており、二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)と電力系統60や電力負荷61とは接続されておらず、無負荷状態となっている。
【0040】
次に、運転制御部102は、エンジン回転速度を第1回転速度に維持するようにエンジン回転速度を制御した状態で第3スイッチ43(切換部に相当する)により二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)と電力負荷61とを接続する接続制御を行う(ステップ#2)。この接続制御では、エンジン制御部102aが、高回転速度制御と同様に、エンジン回転速度を第1回転速度(例えば、1500[rpm])に制御してエンジン1を駆動するように出力制御を行う。また、発電機構制御部102bが、接続する電力負荷61の負荷量が設定負荷量となるように、第3スイッチ43を閉制御して二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)と電力負荷61とを接続している。即ち、発電機構制御部102bが、発電機構部101からの出力が目標出力となるように、第3スイッチ43を閉制御して二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)と電力負荷61とを接続している。
【0041】
次に、運転制御部102は、上述の接続制御を行った後もエンジン回転速度を第1回転速度に維持するようにエンジン回転速度を制御する回転速度維持制御を行う(ステップ#3)。この回転速度維持制御では、高回転速度制御と同様に、エンジン制御部102aが、エンジン回転速度を第1回転速度(例えば、1500[rpm])に制御してエンジン1を駆動するように出力制御を行う。また、発電機構制御部102bが、二次巻線に印加する励磁電流の周波数及び向きを制御して、発電電力の周波数を目標周波数(例えば、50[Hz]や60[Hz])に同期させる同期制御を行う。
【0042】
次に、運転制御部102は、エンジン回転速度を目標回転速度に制御する目標回転速度制御を行う(ステップ#4)。この目標回転速度制御では、エンジン制御部102aが、制御目標となる設定回転速度を目標回転速度とし、エンジン回転速度を目標回転速度(例えば、1200[rpm])に制御してエンジン1を駆動するように出力制御を行う。また、発電機構制御部102bが、二次巻線に印加する励磁電流の周波数及び向きを制御して、発電電力の周波数を目標周波数(例えば、50[Hz]や60[Hz])に同期させる同期制御を行う。
【0043】
以下、
図3に基づいて、上述の自立運転の各制御を行うことで、発電機構部101からの出力(出力電力)、エンジン1におけるエンジン回転速度、エンジン1におけるトルクがどのように変化するかについて説明する。
図3(a)は、出力(発電出力)P1を示すものであり、
図3(b)は、本実施形態でのエンジン回転速度を示すものであり、
図3(c)は、トルクT1を示すものであり、
図3(d)は、比較例でのエンジン回転速度を示すものである。
【0044】
更に、比較例については、
図3において、エンジン回転速度だけでなく、出力、及び、トルクの変化も示している。この比較例は、接続制御において、二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)と電力負荷61とを接続した直後に、エンジン回転速度を目標回転速度(例えば、1200[rpm])に制御するようにしている。この比較例における出力P2については、
図3(a)において点線にて示しており、エンジン回転速度については、
図3(d)に示しており、トルクT2については、
図3(c)において点線にて示している。
【0045】
図3では、接続制御における目標出力を全体の60%としており、二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)に接続する電力負荷61の設定負荷量を、全体の電力負荷61の60%としている。目標回転速度を1200〔rpm〕とし、第1回転速度を1500〔rpm〕としている。
図3(b)及び
図3(d)において、実際のエンジン回転速度N1を実線にて示しており、制御目標の設定回転速度となるエンジ回転速度(目標回転速度である1200〔rpm〕又は第1回転速度である1500〔rpm〕)N2を点線にて示している。
【0046】
比較例では、
図3(d)に示すように、二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)を電力負荷61に接続することで、エンジン回転速度が低下し、その接続直後にエンジン回転速度を目標回転速度(例えば、1200[rpm])に制御しているので、更にエンジン回転速度が低下している。これにより、比較例では、
図3(c)の点線T2に示すように、このエンジン回転速度の低下によってトルクが増大しており、そのトルクが増大した状態が長く続き、エンジン1に大きな負担がかかることになる。また、
図3(a)の点線P2で示すように、出力が目標出力である60%に到達するまでの時間が長くなっており、電力負荷を投入するのに要する時間が長くなっている。
【0047】
それに対して、本実施形態では、
図3(b)の実線N1で示すように、接続制御において、二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)を電力負荷61に接続することで、一旦、エンジン回転速度が低下するものの、接続制御、及び、その後の回転速度維持制御によって、エンジン回転速度は第1回転速度である1500〔rpm〕に制御されていることから、エンジン回転速度の低下量は小さく抑えられている。そして、時間経過に伴ってエンジン回転速度が上昇して、エンジン回転速度は第1回転速度である1500〔rpm〕に維持されている。
図3(c)の実線T1で示すように、トルクについても、エンジン回転速度の低下によって増加するものの、比較例である点線T2と比べて、その増加量を小さく抑えることができ、その増加量を小さく抑えた状態を維持することで、エンジン1に大きな負担がかかるのを防止できる。また、
図3(a)の実線P1で示すように、比較例である点線P2と比べて、出力が目標出力である60%に到達するまでの時間が短くなっており、電力負荷61を投入するのに要する時間の短縮化を図ることができる。
【0048】
ここで、
図4に基づいて、回転速度維持制御から目標回転速度制御への移行をどのようなタイミングにて行うかについて説明する。
図4(a)は、出力の変化を示したものであり、
図4(b)は、エンジン回転速度の変化を示したものであり、
図4(c)は、エンジン1に供給される混合気Mの空気比の変化を示したものである。また、
図4では、エンジン回転速度を目標回転速度である1200〔rpm〕に制御した状況下において、二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)を電力負荷61に接続し、その接続後もエンジン回転速度を目標回転速度である1200〔rpm〕に制御した場合を示している。
【0049】
図4(b)に示すように、二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)を電力負荷61に接続した際に(
図4中、T1の接続開始時点から)、エンジン回転速度が低下することから、エンジン制御部102aが、エンジン回転速度を上昇させるために、燃料供給弁10の開度を制御して燃料ガスGの供給量を増加させ、その後スロットルバルブ6の開度を制御して、空気比の調整を行う。これにより、
図4(c)に示すように、空気比が急激に低下する。そして、空気比が接続開始時点(T1)の空気比の近辺で静定するのに要する静定時間は、
図4(b)及び(c)に示すように、エンジン回転速度が接続開始時点(T1)のエンジン回転速度の近辺で静定するのに要する静定時間とほぼ同じ時間となっている。
【0050】
そこで、本実施形態では、運転制御部102が、接続制御開始後のエンジン回転速度の変動が静定したとする静定条件が満たされると、回転速度維持制御を終了して目標回転速度制御に移行するように構成されている。静定条件については、例えば、接続制御開始時点のエンジン回転速度を基準とする静定範囲(例えば、接続制御開始時点のエンジン回転速度±20〔rpm〕)を設定しておき、接続制御開始後のエンジン回転速度が静定範囲内に入ることで、あるいは、その静定範囲内である状態が設定時間継続することで、静定条件が満たされたと判別することができる。また、例えば、接続制御開始後のエンジン回転速度の変動が静定するまでに要する静定時間を実験等により設定しておき、接続制御開始からその設定した静定時間が経過することにより、静定条件が満たされたと判別することもできる。
【0051】
このように、運転制御部102は、接続制御開始後のエンジン回転速度の変動が静定したとする静定条件が満たされることで、回転速度維持制御を終了して目標回転速度制御に移行しているが、例えば、接続制御開始後のエンジン1の空気比が静定したとする空気比用の静定条件が満たされることにより、回転速度維持制御を終了して目標回転速度制御に移行することもできる。このときの空気比用の静定条件についても、上述の静定条件と同様に、例えば、接続制御開始時点の空気比を基準とする静定範囲を設定しておき、接続制御開始後の空気比が静定範囲内に入ることで、あるいは、その静定範囲内である状態が設定時間継続すると、空気比用の静定条件が満たされたと判別することができる。また、例えば、接続制御開始後の空気比の変動が静定するまでに要する静定時間を実験等により設定しておき、接続制御開始からその設定した静定時間が経過することにより、空気比用の静定条件が満たされたと判別することもできる。
【0052】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、接続制御と回転速度維持制御を1回行うことで、目標回転速度制御に移行している。この第2実施形態では、
図5に示すように、運転制御部102は、二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)からの出力が自立運転における目標出力に達するまで、目標回転速度制御には移行せずに、接続制御と回転速度維持制御を繰り返し行い、二次励磁発電機2の固定子2b(一次巻線)からの出力が自立運転における目標出力に達すると、目標回転速度制御に移行するようにしている。
【0053】
図5では、自立運転における目標出力を100%出力の定格出力としている。そこで、運転制御部102は、まず、接続制御における目標出力を60%として1回目の接続制御を行い、接続制御における目標出力を100%として2回目の接続制御を行い、出力を段階的に上げるようにしている。
図5(a)は、出力(発電出力)を示すものであり、
図5(b)は、エンジン回転速度を示すものであり、
図5(c)は、トルクを示すものである。
図5(b)において、実際のエンジン回転速度N1を実線にて示しており、制御目標の設定回転速度となるエンジ回転速度(目標回転速度である1200〔rpm〕又は第1回転速度である1500〔rpm〕)N2を点線にて示している。
【0054】
運転制御部102は、まず、高回転速度制御を行い、次に、1回目の接続制御を行った後、1回目の回転速度維持制御を行っている。そして、運転制御部102は、次に、2回目の接続制御を行った後、2回目の回転速度維持制御を行い、最後に、目標回転速度制御を行うようにしている。このとき、1回目の回転速度制御を終了して2回目の接続制御に移行するタイミングについては、上記第1実施形態の如く、接続制御開始後のエンジン回転速度の変動が静定したとする静定条件が満たされると、1回目の回転速度制御を終了して2回目の接続制御に移行することができる。
【0055】
このように、自立運転にて定格出力(例えば、100%出力)する場合に、定格出力まで出力を段階的に上げながら、エンジン1にかかる負担を軽減することができ、自立運転での効率の向上を図りながら、接続できる電力負荷61の負荷量を大きくすることができる。
【0056】
また、本実施形態では、2回目の接続制御における目標出力を100%として、最終的には定格出力運転を行うようにしているが、2回目の接続制御における目標出力を100%よりも低い値に設定することもできる。さらに、接続制御及び回転速度維持制御について、2回ずつ行うようにしているが、例えば、目標出力を30%として1回目の接続制御を行い、目標出力を60%として2回目の接続制御を行い、目標出力を100%として3回目の接続制御を行うことができ、接続制御及び回転速度維持制御を行う回数についても、適宜変更することができ、複数回であればよい。