(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。
【0011】
図1は、一実施形態によるショベルの側面図である。
図1に示すショベルはハイブリッド型ショベルであるが、本発明はハイブリッド型ショベルに限られず、電気負荷の駆動用電源として蓄電器を備えているものであれば、どのような型のショベルにも適用することができる。
【0012】
図1に示すように、ショベルの下部走行体1には、旋回機構2を介して上部旋回体3が搭載されている。上部旋回体3には、ブーム4、アーム5、及びバケット6と、これらを油圧駆動するためのブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9が設けられる。また、上部旋回体3には、キャビン10及び動力源が搭載される。
【0013】
図2は、
図1に示すショベルの駆動系の構成を示すブロック図である。
図2では、機械的動力系を二重線、高圧油圧ラインを太い実線、パイロットラインを破線、エンジン及び電気駆動・制御系を一点鎖線でそれぞれ示す。
【0014】
機械式駆動部としてのエンジン11及びアシスト駆動部としての電動発電機12は、ともに変速機13の入力軸に接続されている。変速機13の出力軸には、メインポンプ14及びパイロットポンプ15が接続されている。メインポンプ14には、高圧油圧ライン16を介してコントロールバルブ17が接続されている。
【0015】
コントロールバルブ17は、油圧系の制御を行う制御装置である。コントロールバルブ17には、下部走行体1用の油圧モータ1A(
左用)
、1B(
右用)、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9が高圧油圧ラインを介して接続される。
【0016】
電動発電機12には、インバータ18を介して、蓄電用のキャパシタ又はバッテリである蓄電器を含む蓄電装置120が接続されている。本実施形態では蓄電装置120は蓄電器として電気二重層キャパシタ(Electric Double Layer Capacitor(EDLC))等のキャパシタを含むものとする。また、蓄電装置120には、インバータ20を介して旋回用電動機21が接続されている。また、上述では蓄電器としてキャパシタを例として示したが、キャパシタの代わりに、リチウムイオン電池(Lithium Ion Battery(LIB))等の充電可能な二次電池、又は、電力の授受が可能なその他の形態の電源を蓄電器として用いてもよい。
【0017】
旋回用電動機21の回転軸21Aには、レゾルバ22、メカニカルブレーキ23、及び旋回
変速機24が接続される。また、パイロットポンプ15には、パイロットライン25を介して操作装置26が接続される。
【0018】
操作装置26には、油圧ライン27及び28を介して、コントロールバルブ17及びレバー操作検出部としての圧力センサ29がそれぞれ接続される。この圧力センサ29には、電気系の駆動制御を行うコントローラ30が接続されている。
【0019】
インバータ18は、上述の如く電動発電機12と蓄電装置120との間に設けられ、コントローラ30からの指令に基づき、電動発電機12の運転制御を行う。これにより、インバータ18は、電動発電機12が力行運転をする際には、必要な電力を蓄電装置120から電動発電機12に供給できる。また、電動発電機12が回生運転をする際には、電動発電機12により発電された電力を蓄電装置120の蓄電器に蓄電できる。
【0020】
蓄電装置120は、インバータ18とインバータ20との間に配設されている。これにより、電動発電機12と旋回用電動機21の少なくともどちらか一方が力行運転を行っている際には、蓄電装置120は、力行運転に必要な電力を供給できる。また、蓄電装置120は、少なくともどちらか一方が回生運転を行っている際には、回生運転によって発生した回生電力を電気エネルギとして蓄積できる。
【0021】
インバータ20は、上述の如く旋回用電動機21と蓄電装置120との間に設けられ、コントローラ30からの指令に基づき、旋回用電動機21の運転制御を行う。これにより、インバータ20は、旋回用電動機21が力行運転をする際には、必要な電力を蓄電装置120から旋回用電動機21に供給できる。また、旋回用電動機21が回生運転をする際には、旋回用電動機21により発電された電力を蓄電装置120の蓄電器に蓄電できる。
【0022】
なお、蓄電装置120の蓄電器の充放電制御は、蓄電器の充電状態、電動発電機12の運転状態(力行運転又は回生運転)、旋回用電動機21の運転状態(力行運転又は回生運転)に基づき、コントローラ30によって行われる。
【0023】
また、インバータ20には、電流センサと電圧センサが配置される。
【0024】
コントローラ30は、ハイブリッド式ショベルの駆動制御を行う主制御部としての制御装置である。コントローラ30は、CPU(Central Processing Unit)及び内部メモリを含む演算処理装置で構成され、CPUが内部メモリに格納された駆動制御用のプログラムを実行することにより実現される装置である。
【0025】
コントローラ30は、圧力センサ29から供給される信号を速度指令に変換し、旋回用電動機21の駆動制御を行う。圧力センサ29から供給される信号は
、旋回機構2を旋回させるために操作装置26を操作した場合の操作量を表す信号に相当する。
【0026】
コントローラ30は、電動発電機12の運転制御(電動(アシスト)運転又は発電運転の切り替え)を行うとともに、蓄電
装置120の昇降圧コンバータ
100(図3)を駆動制御することにより
蓄電器の充放電制御を行う。コントローラ30は、
蓄電器の充電状態、電動発電機12の運転状態(電動(アシスト)運転又は発電運転)、及び旋回用電動機21の運転状態(力行運転又は回生運転)に基づいて、蓄電
装置120の昇降圧コンバータ
100の昇圧動作と降圧動作の切替制御を行い、これにより
蓄電器の充放電制御を行う。また、コントローラ30は、後述のように
蓄電器に充電する量(充電電流又は充電電力)の制御も行なう。
【0027】
コントローラ30は、エンジン11との間に設けられた通信回路を介して、エンジン11の冷却水の水温、エンジン11の燃料噴射量の指令値、及び排ガスフィルタ(DPF再生装置)の使用状態を送信又は受信する。また、コントローラ30は、燃料タンク11aとの間に設けられた通信回路を介して、燃料タンク11aに配置された燃料計で測定された残量値を受信する。また、コントローラ30は、後述する設定入力部(表示モニタ42)との間に設けられた通信回路を介して、運転者により設定入力部から入力されたショベルの設定状態に関する情報を受信する。
【0028】
図3は、蓄電装置120の回路図である。蓄電装置120は、蓄電器としてのキャパシタ19と、昇降圧コンバータ100とDCバス110とを含む。DCバス110は、キャパシタ19、電動発電機12、及び旋回用電動機21の間での電力の授受を制御する。キャパシタ19には、キャパシタ電圧値を検出するためのキャパシタ電圧検出部112と、キャパシタ電流値を検出するためのキャパシタ電流検出部113が設けられている。キャパシタ電圧検出部112とキャパシタ電流検出部113によって検出されるキャパシタ電圧値とキャパシタ電流値は、コントローラ30に供給される。
【0029】
昇降圧コンバータ100は、電動発電機12及び旋回用電動機21の運転状態に応じて、DCバス電圧値を一定の範囲内に収まるように昇圧動作と降圧動作を切り替える制御を行う。DCバス110は、インバータ18及び20と昇降圧コンバータ100との間に配設されており、キャパシタ19、電動発電機12、及び旋回用電動機21の間での電力の授受を行う。
【0030】
昇降圧コンバータ100の昇圧動作と降圧動作の切替制御は、DCバス電圧検出部111によって検出されるDCバス電圧値、キャパシタ電圧検出部112によって検出されるキャパシタ電圧値、及びキャパシタ電流検出部113によって検出されるキャパシタ電流値に基づいて行われる。
【0031】
以上のような構成において、アシストモータである電動発電機12が発電した電力は、インバータ18を介して蓄電装置120のDCバス110に供給され、昇降圧コンバータ100を介してキャパシタ19に供給される。旋回用電動機21が回生運転して生成した回生電力は、インバータ20を介して蓄電
装置120のDCバス110に供給され、昇降圧コンバータ100を介してキャパシタ19に供給される。
【0032】
昇降圧コンバータ100は、リアクトル101、昇圧用IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)102A、降圧用IGBT102B、キャパシタ19を接続するための電源接続端子104、及び、インバータ18、20を接続するための出力端子106を備える。昇降圧コンバータ100の出力端子106とインバータ18、20との間は、DCバス110によって接続される。
【0033】
リアクトル101の一端は昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bの中間点に接続され、他端は電源接続端子104
の一方に接続される。リアクトル101は、昇圧用IGBT102Aのオン/オフに伴って生じる誘導起電力をDCバス110に供給するために設けられている。
【0034】
昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bは、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)をゲート部に組み込んだバイポーラトランジスタで構成され、大電力の高速スイッチングが可能な半導体素子(スイッチング素子)である。昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bは、コントローラ30により、ゲート端子にPWM電圧が印加されることによって駆動される。昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bには、整流素子であるダイオード102a及び102bが並列接続される。
【0035】
キャパシタ19は、昇降圧コンバータ100を介してDCバス110との間で電力の授受が行えるように、充放電可能な蓄電器であればよい。なお、
図3には、蓄電器としてキャパシタ19を示すが、キャパシタ19の代わりに、リチウムイオン電池等の充放電可能な二次電池、又は、電力の授受が可能なその他の形態の電源を用いてもよい。
【0036】
電源接続端子104は、キャパシタ19が接続可能な端子であればよく、出力端子106は、インバータ18、20が接続可能な端子であればよい。一対の電源接続端子104の間には、キャパシタ電圧を検出するキャパシタ電圧検出部112が接続される。一対の出力端子106の間には、DCバス電圧を検出するDCバス電圧検出部111が接続される。
【0037】
キャパシタ電圧検出部112は、キャパシタ19の電圧値Vcapを検出する。DCバス電圧検出部111は、DCバス110の電圧値Vdcを検出する。平滑用のコンデンサ107は、出力端子106の正極端子と負極端子との間に挿入され、DCバス電圧を平滑化するための蓄電素子である。この平滑用のコンデンサ107によって、DCバス110の電圧は予め定められた電圧に維持されている。
【0038】
キャパシタ電流検出部113は、キャパシタ19の正極端子(P端子)側においてキャパシタ19に流れる電流の値を検出する検出手段である。すなわち、キャパシタ電流検出部113は、キャパシタ19の正極端子に流れる電
流I1
の値を検出する。
【0039】
昇降圧コンバータ100において、DCバス110を昇圧する際には、昇圧用IGBT102Aのゲート端子にPWM電圧が印加され、降圧用IGBT102Bに並列に接続されたダイオード102bを介して、昇圧用IGBT102Aのオン/オフに伴ってリアクトル101に発生する誘導起電力がDCバス110に供給される。これにより、DCバス110が昇圧される。
【0040】
DCバス110を降圧する際には、降圧用IGBT102Bのゲート端子にPWM電圧が印加され、インバータ18、20を介して供給される回生電力がDCバス110から降圧用IGBT102Bを通ってキャパシタ19に供給される。これにより、DCバス110に蓄積された電力がキャパシタ19に充電され、DCバス110が降圧される。
【0041】
本実施形態では、キャパシタ19の正極端子を昇降圧コンバータ100の電源接続端子104
の一方に接続する電源ライン114に、当該電源ライン114を遮断することのできる遮断器としてリレー130−1が設けられる。リレー130−1は、電源ライン114へのキャパシタ電圧検出部112の接続点115とキャパシタ19の正極端子との間に配置されている。リレー130−1はコントローラ30からの信号により作動し、キャパシタ19からの電源ライン114を遮断することで、キャパシタ19を昇降圧コンバータ100から切り離すことができる。
【0042】
また、キャパシタ19の負極端子を昇降圧コンバータ100の電源接続端子104
の他方に接続する電源ライン117に、当該電源ライン117を遮断することのできる遮断器としてリレー130−2が設けられる。リレー130−2は、電源ライン117へのキャパシタ電圧検出部112の接続点118とキャパシタ19の負極端子との間に配置されている。リレー130−2はコントローラ30からの信号により作動し、キャパシタ19からの電源ライン117を遮断することで、キャパシタ19を昇降圧コンバータ100から切り離すことができる。なお、リレー130−1とリレー130−2を一つのリレーとして正極端子側の電源ライン114と負極端子側の電源ライン117の両方を同時に遮断してキャパシタ19を切り離すこととしてもよい。
【0043】
なお、実際には、コントローラ30と昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bとの間には、昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bを駆動するPWM信号を生成する駆動部が存在するが、
図3では省略する。このような駆動部は、電子回路又は演算処理装置のいずれでも実現することができる。
【0044】
図4はキャビン10の室内を示す側面図である。
図5は表示モニタ
42が設けられたキャビン10の平面図である。
【0045】
キャビン10の室内には、運転席40が設けられ、運転席40の近傍に表示モニタ42が配置されている。運転席40に着座した運転者は、操作レバー26A,26B
(図2)を操作しながら、表示モニタ42を目視することで、ショベルの各部の状況を把握することができる。表示モニタ42には後述のように表示制御部
70(図2)により各種情報(コンテンツ)が表示される。
【0046】
表示モニタ42を取り付けるための取り付け部50は、設置台52と、設置台52に支持された搭載部54とを含む。設置台52は、運転席40が設けられたキャビン10のフレーム10aに取り付けられて固定される。搭載部54は、バネや柔らかなゴムなどの弾性体を含む制振機
構を介して設置台
52に支持されており、キャビン10の振動や衝撃が設置台52を介して搭載部54に直接伝わらないようになっている。すなわち、搭載部54は制振機
構を介して設置台52に支持されており、搭載部54に固定された表示モニタ42に伝わるキャビン10の振動や衝撃が抑制されている。
【0047】
なお、一般的に、運転席40に着座した運転者からみて右側にブーム4が配置されており、運転者はブーム4の先端に取り付けられたアーム5やバケット6を視認しながらショベルを運転することが多い。キャビン10の前方右側のフレーム10aは運転者の視界の妨げとなる部分であるが、本実施形態では、この部分を利用して表示モニタ42の取り付け部50を設けている。これにより、もともと視界の妨げとなっていた部分に表示モニタ42が配置されるので、表示モニタ42自体が運転者の視界を妨げることは無い。フレーム10aの幅にもよるが、表示モニタ42全体がフレーム10aの幅に入るように、表示モニタ42の大きさを決定することが好ましい。
【0048】
なお、本実施形態では、表示モニタ42としてLCDタッチパネル等の表示装置を用いているが、表示装置として携帯端末(多機能型携帯情報端末)を用いてもよい。
【0049】
次に、本実施形態による表示装置について説明する。
図2を参照するに、本実施形態による表示装置80はコントローラ30に含まれる表示制御部70とキャビン10内に設置された表示モニタ42とを含む。表示制御部70は、コントローラ30のCPUが内部メモリに格納される表示制御用のプログラムを実行することにより実現される機能要素である。
【0050】
コントローラ30の表示制御部70は、
図2に示すように、表示データ生成部72と表示データ送信部74とを含む。
【0051】
表示データ生成部72は、コントローラ30に送られてくる各種センサ(検出器)からの検出値や蓄積された情報(データ)に基づいて、表示モニタ42に表示される表示データを作成する。該検出値や該蓄積された情報には、上述したコントローラ30がエンジン11との間に設けられた通信回路を介して送信又は受信する、エンジン11の冷却水の水温、エンジン11の燃料噴射量の指令値、及び排ガスフィルタ(DPF再生装置)等が含まれる。表示データ生成部72は、作成した表示データをコントローラ30の内部メモリ38に格納する。表示データ送信部74は、内部メモリ38に格納されている表示データを読み出し、適宜、表示モニタ42に送信する。
【0052】
表示データを受け取った表示モニタ42は、表示データに基づいて画面表示を行なう。運転者は、表示モニタ42の画面を見ることで、ショベルの状態等を含む各種情報を取得することができる。
【0053】
また、本実施形態において、表示モニタ42は、設定入力部としての機能も有する。上述のとおり、表示モニタ42として、LCDタッチパネル等を用いており、後述するショベルの設定状態に関する情報、例えば、作業モード等は、運転者が表示モニタ42から入力することができる。
【0054】
なお、本実施形態では、表示モニタ42が設定入力部を兼ねるが、例えば、表示モニタ42としてタッチパネルを用いない場合等においては、表示モニタ42とは別に設定入力部を設けてもよい。また、設定入力部を兼ねるタッチパネルと別に設けた設定入力部とを組み合わせて、設定する内容に応じて、複数の設定入力部を使い分ける等してもよい。
【0055】
次に、本実施形態による表示装置が表示モニタ42上に表示する情報(コンテンツ)について説明する。
図6は、平均燃費を示す複数のグラフが表示された表示モニタ
42の画面を示す図である。
【0056】
図6に示す長方形の表示画面200において、左辺に沿った領域201には、エンジン11の水温が段階的に表示される。また、右辺に沿った領域202には、燃料タンク
11aに貯蔵されている燃料の残量が段階的に表示される。エンジン
11の水温及び燃料残量は、運転者が常に確認すべき情報であり、ショベルの運転状態に関する情報に相当する。
【0057】
なお、領域201に表示されるエンジン11の水温は、コントローラ30が上述した通信回路を介してエンジン11から取得した情報である。また、領域202に表示される燃料の残量は、コントローラ30が上述した通信回路を介して燃料タンク11aの燃料計から取得した情報である。
【0058】
表示画面200の上辺に沿った領域において、左端の領域203には、現在ショベルに設定されている作業モードが表示される。作業モードは、運転者により設定入力部(表示モニタ42)から入力される。作業モードはショベルの出力を限定するためのモードであり、例えば、オートモード「A」と、ヘビーモード「H」と、スーパーパワーモード「SP」のいずれかが設定される。オートモード「A」は省力化モードであり、エンジンの燃料消費を抑えるように運転するモードである。ヘビーモード「H」は、重作業もできるようにエンジンの出力を高めるモードである。スーパーパワーモード「SP」は
ヘビーモードよりさらにエンジンの出力を高めて一時的に大きな作業力を発揮するためのモードである。
図6に示す例では、「A」が表示されており、運転者は省力化モードが設定されていることを認識することができる。
【0059】
作業モードを示す領域203の右隣の領域204には、可変容量ポンプを用いた走行
用の油圧モータ
1A、1Bの設定モードとして、走行モードが表示される。走行モードには、低速モードと高速モードがある。低速モードは「亀」を象ったマーク(簡略図)で表示され、高速モードは「兎」を象ったマーク(簡略図)で表示される。
図6に示す例では、「兎」を象ったマーク(簡略図)が表示されており、運転者は高速モードが設定されていることを認識することができる。
【0060】
走行モードを示す領域204の右隣の領域205には、エンジン
11の停止・運転状態
が表示
されている。
図6に示す例では、「STOP」が表示されており、エンジン
11が停止中であることが表示されている。
【0061】
表示画面200の上辺に沿った領域において、右端の領域206には、現在の時刻が表示される。
図6に示す例では、現在の時刻が9時25分であることが表示されている。
【0062】
時刻表示領域206の左隣の領域207には、現在装着されているアタッチメントが表示される。ショベルに装着されるアタッチメントは、バケット、削岩機、グラップル、リフティングマグネットなど様々なアタッチメントを含んでいる。領域207には、これらのアタッチメントを象ったマーク(簡略図)及びアタッチメントに対応する番号が表示される。
図6に示す例では、削岩機を象ったマーク(簡略図)が表示され、且つ削岩機の出力の大きさを示す数字として3が表示されている。
【0063】
なお、領域205と領域207の間の領域には、他の情報を表示することができる。他の情報として、例えば、ショベルの製造会社の社名等を表示することとしてもよい。また、上述した領域203,204,205及び207に表示される情報は、設定入力部(表示モニタ42)から入力され、コントローラ30が上述した通信回路を介して取得した情報である。
【0064】
領域204及び領域205の下側の領域208には、排ガスフィルタの使用時間が表示される。また、領域208の上方には、捕集物の除去処理を自動で行なうか手動で行なうかの設定が表示される。
【0065】
なお、領域
208に表示される排ガスフィルタの使用時間等は、コントローラ30が上述した通信回路を介してエンジン11から取得した情報である。
【0066】
領域208の右隣の領域209には、アーム
5の先端に加わっている荷重が数値で表示される。
図6に示す例では、領域
209には「実荷重=0.4ton」と表示されており、アーム
5の先端に加わっている荷重が0.4トンであることがわかる。
【0067】
なお、領域209に表示されるアーム
5の先端に加わっている荷重は、コントローラ30が油圧センサ(不図示)から取得した情報である。
【0068】
以上説明した領域201〜209に表示される情報は、ショベルの運転状態、設定状態等を示すものである。すなわち、領域201,202,208,209に表示される情報は、ショベルの運転状態に関する情報であり、領域203,204,205,207に表示される情報は、ショベルの設定状態に関する情報である。当該ショベルの運転状態、設定状態に関する情報は、表示画面200中で標準的に表示される情報である。
【0069】
本実施形態では、以上の表示情報の他に、領域210において付加的な情報が表示される。本実施形態では、
図6に示すように、領域210には、エンジン11の平均燃費を示す複数のグラフ(本実施形態では二つのグラフ)が表示される。二つのグラフは画面上で上下に並んで表示される。上側のグラフは、過去12時間において、一時間毎に平均した燃費を示す棒グラフである。下側のグラフは、過去7日間において、一日毎に平均した燃費を示す棒グラフである。すなわち、上側のグラフと下側のグラフは両方とも平均燃費を示すグラフであるが、時間軸が異なっており、上側のグラフの時間軸の間隔は過去12時間であり一時間毎の平均燃費が示されるのに対し、下側のグラフの時間軸の間隔は過去7日間であり一日毎の平均燃費が示される。
【0070】
なお、平均燃費は、コントローラ30からエンジン11へ送信される燃料噴射量の指令値に基づいて求められる。
【0071】
図6に示す例では、過去12時間の平均燃費を示す棒グラフにおいて、一時間毎の平均燃費が画面の縦方向に延在するバー(画面の上に向かって延びるバー)で示される。したがって、過去12時間の平均燃費を示すグラフには、平均燃費を示す12本のバーが表示される。そのうち、直近の一時間の平均燃費を示すバーは、他のバーとは異なる表示となっている。具体的には、直近の一時間の平均燃費を示すバーの輝度を他のバーの輝度より高くしたり、直近の一時間の平均燃費を示すバーを他のバーの色とは異なる色で表示したりする。これにより、直近の一時間の平均燃費を視認しやすくしている。
【0072】
直近の一時間の平均燃費を示すバーの横には、燃費を表す数字が表示される。
図6に示す例では、0,10,20という所定の数字が表示されており、例えば平均燃費を示すバーが0から始まり、10と20の丁度中間まで延びていたら、そのバーが示す平均燃費は15(L/Hr)であることを容易に視認することができる。平均燃費の値を表す所定の数字(0,10,20)が表示された位置には、12本のバーの幅方向(画面の横方向)に延在する目安線が表示される。平均燃費の数値10(L/Hr)の位置を示す目安線は12本のバーを横切るように延在しており、数値表示から離れているバーの示す平均燃費を容易に視認できるようになっている。
【0073】
また、直近の一時間の平均燃費を示すバーの下方に「現在」と表示され、当該バーが直近の一時間の平均燃費(すなわち、現在の平均燃費)であることを容易に視認することができる。同様に、5時間から6時間前までの平均燃費を示すバーの下方に「6時間前」と表示され、11時間から12時間前までの平均燃費を示すバーの下方に「12時間前」と表示される。
【0074】
また、
図6に示す例では、過去12時間の平均燃費を示す棒グラフの下方に表示された過去7日間の平均燃費を示す棒グラフにおいて、一日毎の平均燃費が画面の縦方向に延在するバー(画面の上に向かって延びるバー)で示される。したがって、過去7日間の平均燃費を示すグラフには、平均燃費を示す7本のバーが表示される。そのうち、直近の一日の平均燃費を示すバーは、他のバーとは異なる表示となっている。具体的には、直近の一日の平均燃費を示すバーの輝度を他のバーの輝度より高くしたり、直近の一日の平均燃費を示すバーを他のバーの色とは異なる色で表示したりする。これにより、直近の一日の平均燃費を視認しやすくしている。
【0075】
直近の一日の平均燃費を示すバーの横には、燃費を表す数値が表示される。数値の表示及び目安線の表示は、上述の過去12時間における平均燃費を示す棒グラフでの表示と同様である。
【0076】
また、現在から一日前までの一日間の平均燃費を示すバーの下方に「現在」と表示され、当該バーが直近の一日の平均燃費(すなわち、現在の平均燃費に相当)であることを容易に視認することができる。同様に、3日前から4日前までの一日の平均燃費を示すバーの下方に「4日間前」と表示され、6日前から7日前までの一日の平均燃費を示すバーの下方に「7日間前」と表示される。
【0077】
なお、
図6に示す表示例では、「4日間前」の平均燃費を示す部分には、バーが表示されていない。これは、「4日間前」はショベルが稼働しなかったことを示している。例えば、「4日間前」は日曜であり休日のためショベルによる作業が無かった場合に、このように平均燃費を示すバーは表示されないこととなる。
【0078】
本実施形態では、上述のような平均燃費の表示に加え、ショベルの運転作業モードに関する情報が表示される。すなわち、上述の平均燃費を示すバーに対応する時間帯で設定されていた作業モードも平均燃費のグラフ中に表示される。
【0079】
ここで、ショベルの運転作業モード(単に、作業モードとも称する)は、複数の作業モードを含んでいる。本実施形態では、ショベルの運転作業モードとして、スーパーパワーモード(SPモード)、ヘビーモード(Hモード)、オートモード(Aモード)のうちのいずれかを設定可能とする。ショベルの運転者は、使用すべき作業モードを選択してショベルの操作部を介して設定する。
【0080】
SPモードは、一時的に大きな負荷にも対応できるようにエンジン
11の出力を高めに設定して作業を行なう作業モードである。SPモードが設定されると、エンジン
11の回転数は例えば1800rpmというように通常より高めに設定される。また、メインポンプ
14の出力も高出力となるように設定される。
【0081】
Hモードは、通常の作業を行なうときに設定する作業モードである。Hモードが設定されると、エンジン
11の回転数は例えば1700rpmというように、SPモード時の回転数より低い値に設定される。
【0082】
Aモードは、エコモードとも称され、通常設定されるHモードよりは出力を抑えて消費エネルギ(エンジン
11の燃料消費量)を低減する作業モードである。Aモードが設定されると、エンジン
11の回転数は例えば1600rpmというように、Hモード時の回転数より低い値に設定される。
【0083】
運転者は、ショベルでの作業を行なうときに、作業の内容に基づいて、どの作業モードで行なうかを決定し、決定した作業モードを設定する。通常の作業であれば、運転者はHモードを選択して設定する。通常より重たい作業であり大きなパワーが必要な作業であれば、運転者はSPモードを選択して設定する。あるいは、燃料消費量を抑えて作業をしたい場合は、運転者はAモードを選択して設定する。
【0084】
図6に示す表示画面200では、平均燃費が示されている時間に対応する作業モード、すなわち、平均燃費が示されている時間にどの作業モードが設定されていたかを容易に視認できるように表示がなされている。すなわち、複数の作業モードの各々に対して所定の色を割り当てておき、平均燃費を示すグラフ表示の各バーに、作業モードに割り当てられた色を付ける。これにより、平均燃費を示すグラフのバーの色を見ることで、そのバーに対応する時間(例えば、6時間前とか3日前)において、どのような作業モードが設定されていたかを容易に知ることができる。
【0085】
より具体的に説明すると、本実施形態では、複数の作業モードのうちのSPモードに赤色が割り当てられ、Hモードに黄色が割り当てられ、Aモードに青色が割り当てられている。そして、例えば、
図6において、6時間前の平均燃費のバーに対応する時間に設定されていた作業モードがSPモードであったとすると、6時間前の平均燃費のバーが、SPモードに割り当てられた赤色で表示される。同様に、
2日前の平均燃費のバーに対応する時間に設定されていた作業モードがSPモードであったとすると、
2日前の平均燃費のバーが、SPモードに割り当てられた赤色で表示される。
【0086】
一方、例えば、
図6において、
2時間前の平均燃費のバーに対応する時間に設定されていた作業モードがAモードであったとすると、
2時間前の平均燃費のバーが、Aモードに割り当てられた青色で表示される。
図6に示す例では、日単位で平均化した平均燃費を示すグラフ(下側のグラフ)には、青色で表示されたバーは無く、Aモードに設定されていた時間は無い。
【0087】
平均化する単位時間(
図6に示す例では、一時間、及び一日間)が長くなると、設定されていた作業モードが単位時間内に他のモードに切り替えられることがある。このような場合には、当該単位時間内に支配的である作業モードに割り当てられた色を選択して平均燃費のバー表示を行なう。「支配的である」とは、その作業モードに設定されていた時間が他の作業モードに設定されていた時間より長いということである。
【0088】
例えば、6時間前の単位時間(1時間(60分))の間で、45分間だけSPモードに設定され、残りの15分間はHモードに設定されていたとすると、SPモードに設定されていた時間のほうが、
Hモードに設定されていた時間より長い。そこで、この場合は、SPモードが支配的な作業モードであるとみなされ、6時間前の平均燃費を示すバーは、SPモードに割り当てられた赤色で表示される。
【0089】
単位時間が長くなると、単位時間内にSPモード、Hモード、Aモードの全てが設定されることもあり得る。このような場合でも、最も長い時間だけ設定されていた作業モードが支配的な作業モードとみなされ、当該作業モードに割り当てられた色でバー表示が行なわれる。
【0090】
以上のように、平均燃費を示すグラフのバーに色を付けて、そのときに設定されていた作業モードを表示することで、例えば運転者は平均燃費の良かったときの作業モードを思い出すこととなり、現在設定されている作業モードを見直すきっかけとなる。すなわち、平均燃費を示すグラフに作業モードに関する情報を表示することで、燃費のよくなる作業モードに設定することを運転者に促すことができる。
【0091】
また、
図6に示す表示例では、過去12時間分の平均燃費を示すグラフと、過去7日間分の平均燃費を示すグラフが、一つの画面に同時に表示される。このため、ショベルの運転者は、現在の自分のレバー操作による作業での燃費が、過去の作業での燃費より良いか悪いかを12時間前から7日前にまで遡って確認することができる。そして、例えば、現在の作業が5日前の作業と同じような作業であった場合、運転者は、5日前の燃費と現在の燃費を比較し、現在の作業でのレバー操作を
5日前の作業でのレバー操作に近づくように調整することができる。例えば、現在の作業での燃費が5日前の燃費より悪かった場合には、5日前のレバー操作を思い出してそれに近づけることにより、現在の作業での燃費を向上させることができる。
【0092】
図6に示す表示例では、時間軸の異なる平均燃費のグラフを2つ表示しているが、表示領域に余裕があれば、時間軸の異なる3つ以上のグラフを表示することとしてもよい。すなわち、本明細書は、時間軸の異なる複数の平均燃費のグラフを一つの表示画面に同時に表示することを開示している。
【0093】
図6では平均燃費をグラフ表示しているが、平均燃費の代わりに平均実運転燃費のグラフを表示してもよい。
図7は時間軸の異なる二つの平均実運転燃費のグラフを
図6に示す例と同様に表示した表示モニタ
42の画面を示す図である。
すなわち、
図7に示す例では、
図6に示す平均燃費のグラフが、平均実運転燃費のグラフに置き換えられたものであり、他の表示内容は
図6に示す表示内容と同じである。
【0094】
図7に示す平均実運転燃費のグラフにおいても、
図6に示す例と同様に、平均実運転燃費を示すバーに対して作業モードに関する情報が付加されている。すなわち、平均実運転燃費を示すバーは、その時間に支配的であった作業モードに割り振られた色が付けられて表示されている。
【0095】
平均実運転燃費とは、ショベルが稼働中、すなわち、ショベルのエンジン
11が運転中の時間のみに基づいてエンジン
11の燃費を平均化したものである。
図6に示す平均燃費は、ショベルが稼働していないとき、すなわちエンジン
11の停止中の時間も含む時間で燃費を平均化しているので、エンジン
11の停止中の時間が変動すると平均燃費も変動してしまう。そこで、
図7に示す例では、ショベルのエンジン
11が運転中の時間のみに基づいてエンジン
11の燃費を平均化した平均実運転燃費をグラフ表示することで、このような平均燃費の変動が取り除かれ、より精度のよい平均燃費の表示が成されている。
【0096】
また、
図6に示す平均燃費の代わりに平均実操作燃費のグラフを表示してもよい。
図8は時間軸の異なる二つの平均実操作燃費のグラフを
図6に示す例と同様に表示した表示モニタ
42の画面を示す図である。すなわち、
図8に示す例では、
図6に示す平均燃費のグラフが、平均実操作燃費のグラフに置き換えられたものであり、他の表示内容は
図6に示す表示内容と同じである。
【0097】
図8に示す平均実
操作燃費のグラフにおいても、
図6に示す例と同様に、平均実
操作燃費を示すバーに対して作業モードに関する情報が付加されている。すなわち、平均実
操作燃費を示すバーは、その時間に支配的であった作業モードに割り振られた色が付けられて表示されている。
【0098】
平均実操作燃費とは、ショベルが作業中、すなわち、運転者がレバー操作を行なっている時間のみに基づいてエンジン
11の燃費を平均化したものである。
図7に示す平均実運転燃費は、作業が行なわれずにエンジン
11がアイドリング回転している間の時間も含む時間で燃費を平均化しているので、エンジン
11のアイドリング中の時間が変動すると平均燃費も変動してしまう。そこで、
図8に示す例では、ショベルのレバー操作が行なわれている時間のみに基づいてエンジン
11の燃費を平均化した平均実操作燃費をグラフ表示することで、このような平均実運転燃費の変動が取り除かれ、より精度のよい平均燃費の表示が成されている。
【0099】
図9は、平均燃費を示す二つのグラフの他に、旋回用電動機21の物理量を示すグラフが同時に示された表示モニタ
42の画面を示す図である。
【0100】
図9に示す画面表示は、表示画面200の領域210に、
図6に示す平均燃費のグラフと、旋回用電動機21の出力のグラフと、キャパシタ19の蓄電率のグラフとを同時に表示したものである。
【0101】
なお、旋回用電動機21の出力は、インバータ20の電流センサから検出された電流値、または、電流センサ、電
圧センサの双方から検出された電流値、電圧値に基づいて求められる。また、キャパシタ19の蓄電率は、キャパシタ電圧検出部112で検出された電圧値に基づいて求められる。
【0102】
上述の旋回用電動機21の出力のグラフ表示によれば、運転者は、現在行なっている旋回操作により、どの程度の電力を消費している
か、あるいはどの程度の電力を発電しているかを視覚的に即座に認識することができる。これにより、例えば、運転者は自分の旋回操作が省エネルギの観点から適切な操作であるかといったことを確認することができ、省エネルギの観点から適切な旋回レバー操作を学習することができる。また、キャパシタ19の蓄電率をグラフ表示することで、運転者は、基本情報を確認しながら、ほぼ同時にキャパシタ19の蓄電率を確認することができ、表示装置80の利便性が向上している。また、キャパシタ19の蓄電率を確認するために表示画面を切り替える必要はなく、操作レバーを操作しながら蓄電率を確認することができる。
【0103】
また、旋回用電動機21の出力表示と並んで同じ画面にキャパシタ19の蓄電率を表示することにより、例えば、運転者は、蓄電率が小さいときには積極的に発電できるような旋回レバー操作を行なうように心がけることもできる。あるいは、自分の旋回操作を続けた場合に蓄電率がどのように変化するのかといったことを、一つの表示画面を見ながら確認することができ、表示装置80の利便性が向上する。
【0104】
以上のように、一つの画面に、平均燃費を示すグラフと、
旋回用電動機21の出力を示すグラフと、キャパシタ19の蓄電率
を示すグラフとを同時に表示することで、ショベルの運転者は操作レバーから手を離して画面の切り替え操作を行なうことなく、これらの情報を即座に取得することができ、表示装置80の利便性が向上している。