(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073174
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】回転圧入装置と回転圧入方法
(51)【国際特許分類】
E02D 7/22 20060101AFI20170123BHJP
E21B 7/20 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
E02D7/22
E21B7/20
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-78994(P2013-78994)
(22)【出願日】2013年4月4日
(65)【公開番号】特開2014-201964(P2014-201964A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2015年10月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】306022513
【氏名又は名称】新日鉄住金エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100105463
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100129861
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 滝治
(72)【発明者】
【氏名】丸山 栄
(72)【発明者】
【氏名】和田 昌敏
(72)【発明者】
【氏名】中澤 公博
(72)【発明者】
【氏名】澤石 正道
【審査官】
苗村 康造
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−144728(JP,A)
【文献】
実開昭53−049305(JP,U)
【文献】
特開2009−024389(JP,A)
【文献】
特開2007−211412(JP,A)
【文献】
実開昭52−133003(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 7/00〜 13/10
E21B 1/00〜 49/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼管と、鋼管の内側で鋼管に対して相対的に進退自在に配設されて先端にオーガーを備えた芯棒を、回転させるモータと、
鋼管および芯棒が延伸する延伸方向に延びている少なくとも2本の単管パイプからなるリーダーと、
2本のリーダーのそれぞれを地盤に支持する単管パイプからなる支持脚と、から構成され、
前記モータは2本のリーダーに沿って移動自在であり、モータによる回転とリーダーに沿った移動によって鋼管と芯棒が回転しながら前進するようになっており、オーガーにて地盤を穿孔して地盤を乱し、鋼管を地盤に推進させて鋼管を地盤内に設置する回転圧入装置。
【請求項2】
鋼管と芯棒それぞれに固有の2つのモータを備え、
芯棒用のモータよりも鋼管用のモータが鋼管設置地盤側に配設されており、
鋼管用のモータは中抜き部を備え、この中抜き部を芯棒が貫通して配設されている請求項1に記載の回転圧入装置。
【請求項3】
1つのモータに鋼管と芯棒がそれぞれ回転自在に装着されている請求項1に記載の回転圧入装置。
【請求項4】
現地にて少なくとも2本の単管パイプからなるリーダーと2本のリーダーのそれぞれを地盤に支持する単管パイプからなる支持脚を組み付け、2本のリーダーに沿って移動自在にモータをそれぞれのリーダーに取り付け、先端にオーガーを備えた芯棒を鋼管の内側に挿入し、さらにオーガーを鋼管の先端から突出させた姿勢で該鋼管と該芯棒をモータに取付けて地盤内への鋼管の回転圧入準備を完了する第1のステップ、
芯棒を先行して回転させながらモータをリーダーに沿って前進させてオーガーにて地盤を乱しながら地盤内にオーガーを固定する第2のステップ、
鋼管を回転させながらモータをリーダーに沿って前進させて鋼管を地盤内に推進させて設置する第3のステップからなる回転圧入方法。
【請求項5】
鋼管と芯棒それぞれに固有の2つのモータを備え、
芯棒用のモータよりも鋼管用のモータが鋼管設置地盤側に配設されており、
鋼管用のモータは中抜き部を備え、この中抜き部を芯棒が貫通して配設されている請求項4に記載の回転圧入方法。
【請求項6】
1つのモータに鋼管と芯棒がそれぞれ回転自在に装着されている請求項4に記載の回転圧入方法。
【請求項7】
現地にて少なくとも2本の単管パイプからなるリーダーと2本のリーダーのそれぞれを地盤に支持する単管パイプからなる支持脚を組み付け、2本のリーダーに沿って移動自在に2つのモータを該リーダーに取り付け、鋼管の内側に先端にオーガーを備えた芯棒を挿入した姿勢で該鋼管と該芯棒をそれぞれに固有のモータに取付け、この際に、芯棒用のモータよりも鋼管用のモータが鋼管設置地盤側に配設されており、鋼管用のモータは中抜き部を備え、この中抜き部を芯棒が貫通して配設されていて、地盤内への鋼管の回転圧入準備を完了する第1のステップ、
芯棒と鋼管を同時に、かつ相互に逆方向に回転させながら2つのモータを同時にリーダーに沿って前進させてオーガーによる地盤の乱しと鋼管の地盤内への推進を同時におこない、地盤内に鋼管を設置する第2のステップからなる回転圧入方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤に鋼管を回転圧入する際に適用される回転圧入装置と回転圧入方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、記録的な豪雨等の影響で鉄道盛土や高速道路盛土などでは斜面崩落が頻繁に発生しており、盛土の早期復旧対策が全国各地でおこなわれている。
【0003】
このような鉄道盛土等の復旧工事では、施工機械や資機材の現場搬入が困難な場合が多く、特に比較的大型の施工機械の搬入が困難なことから、このような施工機械搬入のための道路や路線ヤードをまず確保した後に施工機械の搬入が実施され、実際の復旧工事が始まることになる。そのため、復旧工事の準備作業に時間を要するために復旧作業が早期に完了できないといった問題や、準備作業に起因して全体工事費が嵩むといった問題が生じている。
【0004】
たとえば、特許文献1には削孔機(ロータリーパーカッション)を用いて二重管削孔方式にて削孔をおこない、造成孔に鉄筋を挿入し、グラウトを注入して地盤改良体を施工する技術が開示されている。
【0005】
ここで開示される削孔機のように、一定規模の施工機械が現場復旧工事等の工事で用いられるのが特許文献1の記載からも明らかである。なお、このような削孔機は、回転装置と移動装置が一体となっており、小型のものでも7ton程度の重量を有している。
【0006】
そこで、このような施工機械をそのまま現地に搬入しない方策として、施工機械を部品レベルに分解したものを現場搬入し、現地で部品を組み付けて施工機械を使用可能にする方策が挙げられる。
【0007】
しかしながら、ロータリーパーカッションのような施工機械を現地にて部品の組み付けにて製作するには多大な時間を要することから、構成が簡素化され、現地にて組み付けが容易な施工機械を開発することは、特に狭隘な現場にて作業をおこなう際に適用される施工機械としては重要な要素である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2012−149514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、狭隘な場所でも装置構成部材の搬入や組み付けが容易であり、装置構成も極めてシンプルな回転圧入装置と、この回転圧入装置を用いて、狭隘な場所でも迅速に補強杭等を地盤内に回転圧入することのできる回転圧入方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成すべく、本発明による回転圧入装置は、鋼管と、鋼管の内側で鋼管に対して相対的に進退自在に配設されて先端にオーガーを備えた芯棒を、回転させるモータと、鋼管および芯棒が延伸する延伸方向に延びている少なくとも2本のリーダーと、2本のリーダーのそれぞれを地盤に支持する支持脚と、から構成され、前記モータは2本のリーダーに沿って移動自在であり、モータによる回転とリーダーに沿った移動によって鋼管と芯棒が回転しながら前進するようになっており、オーガーにて地盤を穿孔して地盤を乱し、鋼管を地盤に推進させて鋼管を地盤内に設置するものである。
【0011】
本発明の回転圧入装置の基本構成は、支持脚に支持されたリーダーが2本あり、これに1基もしくは2基のモータがリーダーに対して移動自在に取り付けられているものである。
【0012】
このようにシンプルな装置構成ゆえに、現地にて支持脚、リーダー、モータをそれぞれ単独で搬入し、容易に組み付けて回転圧入装置を完成させることができる。ここで、モータをたとえば支持台に固定し、支持台の左右端を2つのベアリング機構等に固定し、平面視で左右に配設された2つのリーダーに対して左右のベアリング機構を取り付けることで、リーダーに沿ったモータの移動を可能とできる。
【0013】
芯棒が先端にオーガーを具備することから、オーガーが地盤内に推進することによってこれを回転駆動するモータもオーガーの推進に引きずられて自動的にリーダーに沿って移動することができる。また、鋼管も同様に地盤内に推進することでこれを回転駆動するモータが鋼管の推進に引きずられて自動的にリーダーに沿って移動する。なお、鋼管には筒状の管部材の外周に螺旋羽根が取り付けられたものを適用してもよい。
【0014】
ここで、回転圧入装置の作動態様を説明する。
【0015】
まず、オーガーにて地盤を穿孔して地盤を乱すとともに、オーガーは地盤内に固定される。この状態においては、地盤内にオーガーが固定され、このオーガーが先端に取り付けられた芯棒はモータに回転自在に係合しており、モータは移動自在に2本のリーダーに固定されており、2本のリーダーは支持脚を介して地盤もしくは地盤上の基礎に固定されている。したがって、回転圧入装置は結局、オーガーが固定された地盤と支持脚が固定された地盤にてその全体が固定されることになる。
【0016】
このように回転圧入装置が地盤に固定された状態で、オーガーにて乱された地盤内にモータ駆動にて鋼管を回転圧入していくことにより、補強用の鋼管が地盤内に設置される。この鋼管の回転圧入に当たり、回転駆動しながら移動するモータを支持しているリーダーは支持脚を介して地盤に強固に固定されている。そのため、鋼管の回転圧入の際にリーダーや支持脚へ作用する反力の全てがこれらリーダーや支持脚に作用することはない。すなわち、先行施工されて地盤内に固定されているオーガーと地盤内に固定されている支持脚を介して、鋼管の回転圧入の際に装置に作用する反力の一部を地盤に負担させることができるため、低減された反力のみが回転圧入装置に作用することになる。したがって、リーダーや支持脚の剛性を過度に高くする必要はないし、多くの支持脚にてリーダーを支持する必要もなくなる。
【0017】
そのため、たとえば、前記リーダーと前記支持脚がともに、一般に足場を組み立てる際に適用される単管パイプから構成することも可能となる。
【0018】
ここで、回転圧入装置のより詳細な実施の形態を2つ挙げる。
【0019】
その一つは、回転圧入装置が鋼管と芯棒それぞれに固有の2つのモータを備え、芯棒用のモータよりも鋼管用のモータが鋼管設置地盤側に配設されており、鋼管用のモータは中抜き部を備え、この中抜き部を芯棒が貫通して配設されているものである。
【0020】
この形態では、芯棒回転用のモータを用いて記述するように芯棒を回転駆動してオーガーを先行して地盤内に固定し、次いで鋼管回転用のモータを用いて鋼管を回転駆動して地盤内に設置する方法が適用できる。そして、その他にも、双方のモータを同期して逆回転させることにより、芯棒およびオーガーの回転方向と鋼管の回転方向を逆に回転させながら鋼管の回転圧入を実行してもよい。この動作形態では、2つのモータからリーダーや支持脚に作用する押し込み反力や引抜き反力がそれぞれ逆方向であることから双方の反力が相殺され、リーダーや支持脚に作用する反力を小さくすることができる。
【0021】
このようにリーダーや支持脚に作用する反力を小さくできるとともにオーガーによる地盤の乱しと鋼管の回転圧入を同時に実行することで施工効率を向上させることができる。
【0022】
一方、回転圧入装置の他の形態は、1つのモータに鋼管と芯棒がそれぞれ回転自在に装着されているものである。
【0023】
一つのモータに2種の回転機構を装備しておき、内側の回転機構でオーガーを備えた芯棒を回転させ、外側の回転機構で鋼管を回転させるものである。
【0024】
モータが一基でよいことから、装置構成を一層簡素化でき、作業性も一層向上する。
【0025】
なお、オーガーは芯棒の先端に取り外し自在に装備しておくことで、オーガーを地盤内に固定して鋼管の回転圧入を実施した後、オーガーから芯棒を取り外し、この取り外された芯棒を別途の鋼管の回転圧入の際の芯棒に転用することができる。
【0026】
また、本発明は回転圧入方法にも及ぶものであり、この方法は、現地にて少なくとも2本のリーダーと2本のリーダーのそれぞれを地盤に支持する支持脚を組み付け、2本のリーダーに沿って移動自在にモータをそれぞれのリーダーに取り付け、先端にオーガーを備えた芯棒を鋼管の内側に挿入し、さらにオーガーを鋼管の先端から突出させた姿勢で該鋼管と該芯棒をモータに取付けて地盤内への鋼管の回転圧入準備を完了する第1のステップ、芯棒を先行して回転させながらモータをリーダーに沿って前進させてオーガーにて地盤を乱しながら地盤内にオーガーを固定する第2のステップ、鋼管を回転させながらモータをリーダーに沿って前進させて鋼管を地盤内に推進させて設置する第3のステップからなるものである。
【0027】
この回転圧入方法によれば、装置構成が簡素であること、構成部材の種類も数も少なくてよいことから、狭隘な場所へも人力で容易に構成部材を搬入し、素早く組み付けて地盤内への鋼管圧入作業を迅速に実行することができる。
【0028】
なお、この回転圧入方法でも、適用される装置が鋼管と芯棒それぞれに固有の2つのモータを備え、芯棒用のモータよりも鋼管用のモータが鋼管設置地盤側に配設されており、鋼管用のモータは中抜き部を備え、この中抜き部を芯棒が貫通して配設されているものを適用することができる。
【0029】
また、1つのモータに鋼管と芯棒がそれぞれ回転自在に装着されているものを適用してもよい。
【0030】
さらに、本発明による回転圧入方法の他の実施の形態は、現地にて少なくとも2本のリーダーと2本のリーダーのそれぞれを地盤に支持する支持脚を組み付け、2本のリーダーに沿って移動自在に2つのモータを該リーダーに取り付け、鋼管の内側に先端にオーガーを備えた芯棒を挿入した姿勢で該鋼管と該芯棒をそれぞれに固有のモータに取付け、この際に、芯棒用のモータよりも鋼管用のモータが鋼管設置地盤側に配設されており、鋼管用のモータは中抜き部を備え、この中抜き部を芯棒が貫通して配設されていて、地盤内への鋼管の回転圧入準備を完了する第1のステップ、芯棒と鋼管を同時に、かつ相互に逆方向に回転させながら2つのモータを同時にリーダーに沿って前進させてオーガーによる地盤の乱しと鋼管の地盤内への推進を同時におこない、地盤内に鋼管を設置する第2のステップからなるものである。
【0031】
本実施の形態の方法によれば、オーガーによる地盤の乱しと鋼管の回転圧入を同時に実行することで施工効率をより一層向上させることができる。
【発明の効果】
【0032】
以上の説明から理解できるように、本発明の回転圧入装置と回転圧入方法によれば、簡素な構成部材にて容易かつ迅速に装置の組み付けをおこなうことができ、モータ駆動時に構成部材に作用する反力を低減できることで構成部材の規模も小型化かつ軽量化することができる。そのため、装置コストも安価であり、狭隘な場所での作業も容易かつ迅速に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の回転圧入装置の実施の形態1の平面図である。
【
図2】
図1のII矢視図であって、回転圧入装置の実施の形態1の側面図である。
【
図3】
図1のIII-III矢視図であって、鋼管を回転させるモータの縦断面図である。
【
図4】(a)、(b)、(c)の順に回転圧入装置の作動態様を示すとともに、本発明の回転圧入方法の実施の形態1のフロー図である。
【
図5】支持脚に作用する反力を説明した図であって、(a)は鋼管を回転させた際の回転圧入装置の平面図であり、(b)は(a)のb矢視図であり、(c)は(a)のc−c矢視図である。
【
図6】本発明の回転圧入装置の実施の形態2の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照して本発明の回転圧入装置の実施の形態とこの回転圧入装置を使用してなる回転圧入方法の実施の形態を説明する。
【0035】
(回転圧入装置と回転圧入方法の実施の形態1)
図1は本発明の回転圧入装置の実施の形態1の平面図であり、
図2は
図1のII矢視図であって回転圧入装置の実施の形態1の側面図であり、
図3は
図1のIII-III矢視図であって鋼管を回転させるモータの縦断面図である。
【0036】
図示する回転圧入装置10は、地盤Gに打ち込まれた2本一組の単管からなる支持脚5A,5Bと、各支持脚5A,5Bにて地盤Gに対して水平に支持された相互に平行な単管からなる2本のリーダー4A,4Bと、それぞれのリーダー4A,4Bが挿入される2つ一組のリニアブッシュ2を二組と、各組のリニアブッシュ2に架け渡された支持台の上に固定された2種のモータ1,3とから大略構成されている。なお、相互に平行な2本のリーダー4A,4Bは、地盤への鋼管圧入の際の角度に応じて地表面に対して平行に配設されたり、所定の角度をもって配設されることになる。
【0037】
各組の支持脚5A、5Bは、地盤からの引抜き抵抗を増強させるべく、単管の周囲に螺旋羽根が取り付けられているのがよく、2つの支持脚5A,5Aや支持脚5B,5Bはいずれも、
図2で示すようにブレス材(単管)で相互に固定されている。なお、支持脚5A,5Bやブレス材、リーダー4A,4Bは不図示のクランプにて相互に緊結される。
【0038】
このように、回転圧入装置10を構成する架構は、足場用の単管を相互に組み付けて構成でき、狭隘な現場への人力搬送も容易におこなうことができる。
【0039】
リーダー4A,4Bに対し、鋼管SPやオーガーAを地盤に圧入する前方側に鋼管圧入用のモータ3が配設され、その後方に先端にオーガーAを装着した鋼製の芯棒圧入用のモータ1が配設される。
【0040】
ここで、オーガーAにはその周囲に螺旋羽根が装備されており、鋼管SPも、その周囲に螺旋羽根が取り付けられたスパイラル鋼管となっている。
【0041】
前方に位置するモータ3は
図3で示すように縦断面図においてその一部に中抜き部3aを有しており、この中抜き部3aはモータ3の長手方向に延びて貫通しており、この中抜き部3aに後方から延設する芯棒Kが遊嵌してモータ3を貫通してその前方に延設する。
【0042】
なお、図示を省略するが、2本のリーダー4A,4Bの先端に鋼管等から構成された先端振れ止め部材が配設されていて、この先端振れ止め部材の中空にオーガー付きの芯棒やその周囲の鋼管が貫通し、これらが地盤内に回転圧入される際の振れ止めが実行されるように構成されていてもよい。
【0043】
オーガーAと芯棒Kは相互に着脱自在な継手で固定され、地盤G内で固定されたオーガーAから芯棒Kを脱着し、芯棒Kのみを抜き取り自在となっている。
【0044】
単管からなる支持脚5A,5Bやリーダー4A,4B,リニアブッシュ2、モータ1,3がいずれも人力にて搬送可能な重量であり、したがって、たとえば狭隘な現場にこれらの資材を人力で搬入し、短時間にて
図1,2で示す回転圧入装置10を組み付けることが可能である。
【0045】
次に、
図4を参照して回転圧入装置10の作動態様を説明しながら、この回転圧入装置10を使用してなる回転圧入方法を説明する。なお、
図4a,b,cはその順で回転圧入方法の施工フローとなっている。
【0046】
まず、
図4aで示すように、作業現場に回転圧入装置10を構成する資材を搬入し、相互に組み付けて回転圧入装置10を構成する。
【0047】
ここで、先端にオーガーAを備えた芯棒Kが鋼管SPの内側に挿入され、さらにオーガーAを鋼管SPの先端から突出させた姿勢で鋼管SPと芯棒Kをそれぞれモータ3,1に取付けて地盤G内への鋼管SPの回転圧入準備を完了する(第1のステップ)。
【0048】
次に、
図4aで示すようにモータ1を駆動し、芯棒Kを先行して回転させながらモータ1をリーダー4A,4Bに沿って前進させ、オーガーAを地盤内に前進させて(X1方向)地盤Gを乱しながら、地盤G内にオーガーAを固定する(第2のステップ)。
【0049】
次に、
図4bで示すようにモータ3を駆動し、鋼管SPを回転させながらモータ3をリーダー4A,4Bに沿って前進させ、鋼管SPを地盤G内に推進させて(X2方向)設置する(第3のステップ)。
【0050】
地盤G内にオーガーAが固定され、鋼管SPが設置されたら、鋼管SPとオーガーAの固定を解除し、モータ1をリーダー4A,4Bに沿って後退させて(X3方向)芯棒Kを取り除く。
【0051】
このように地盤G内にオーガーAと鋼管SPのみを設置して地盤補強や地盤改良を実施し、芯棒Kを取り除くことで、この芯棒Kを別の場所の鋼管SPの設置施工に転用することができる。
【0052】
また、図示する施工方法によれば、使用する回転圧入装置10が簡易な構成であって資材搬入から組み付けまでが容易であり、狭隘な場所でも装置の組み付けが可能であることから、比較的大型のロータリーパーカッション等の施工機械の搬入が困難な場所での鋼管圧入作業を極めて迅速かつ効率的に実施することができる。
【0053】
次に、
図4bで示す第3のステップにおける、モータ3駆動時に回転圧入装置10の構成部材に作用する反力について、
図5を参照して説明する。ここで、
図5は支持脚に作用する反力を説明した図であって、
図5aは鋼管を回転させた際の回転圧入装置の平面図であり、
図5bは
図5aのb矢視図であり、
図5cは
図5aのc−c矢視図である。
【0054】
図4bの段階では、既にオーガーAが地盤G内で固定されている。一方、このオーガーAに固定された芯棒Kを介し、芯棒Kを回転駆動するモータ1を介し、モータ1がリニアブッシュ2を介して固定されているリーダー4A,4Bを介し、さらにリーダー4A,4Bが固定されている支持脚5A,5Bを介して別位置の地盤Gにも固定されている。すなわち、回転圧入装置10は、
図4bの段階でオーガーAと支持脚5A,5Bにて地盤Gに強固に固定されている。したがって、回転圧入装置10に何等かの外力が作用した場合には、装置10が地盤Gで固定されていることから、作用外力の一部は地盤Gに負担させることが可能となる。
【0055】
図5で示すように、モータ3を駆動して鋼管SPを回転させた際には(Y1方向)、左右の支持脚の一方に押し込み力Z1が作用し、他方には引抜き力Z2が作用する。上記するようにこれらの作用力の一部は地盤Gに負担させることができるため、モータ3の駆動の際に回転圧入装置10の構成部材が負担する作用力(反力)は、地盤Gによってその一部が負担されることがない場合に比して格段に低減する。
【0056】
この作用により、支持脚5A,5Bやリーダー4A,4Bを一般に使用される足場用の単管などから構成することが可能となる。
【0057】
(回転圧入装置と回転圧入方法の実施の形態2)
図6は本発明の回転圧入装置の実施の形態2の平面図である。
【0058】
図示する回転圧入装置10Aは、1つのモータ6に鋼管SPと芯棒Kがそれぞれ回転自在に装着されている装置である。
【0059】
すなわち、モータ6の前面には中央の回転軸とその周囲にある環状の回転軸があり、中央の回転軸には芯棒Kが装着され、環状の回転軸には鋼管SPが装着される。
【0060】
図示する回転圧入装置10Aを使用する場合には、芯棒Kと鋼管SPを逆方向に同時に回転させることにより、リーダー4A,4Bや支持脚5A,5Bに作用する反力を相互に相殺させることができ、リーダー等に実際に作用する反力を低減することができる。このことに加えて、オーガーAによる地盤の乱しと鋼管SPの回転圧入を同時に実行できるため、より一層効率的な地盤への鋼管設置施工を実現することができる。
【0061】
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0062】
1…モータ(芯棒圧入用のモータ)、2…リニアブッシュ、3…モータ(鋼管圧入用のモータ)、4A,4B…リーダー、5A,5B…支持脚、6…モータ(芯棒と鋼管を回転させるモータ)、10,10A…回転圧入装置、K…芯棒、SP…鋼管(スパイラル鋼管)A…オーガー、G…地盤