特許第6073225号(P6073225)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073225
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】折畳みバッグ
(51)【国際特許分類】
   A45C 7/00 20060101AFI20170123BHJP
【FI】
   A45C7/00 G
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-528227(P2013-528227)
(86)(22)【出願日】2011年8月31日
(65)【公表番号】特表2013-539401(P2013-539401A)
(43)【公表日】2013年10月24日
(86)【国際出願番号】US2011049845
(87)【国際公開番号】WO2012033683
(87)【国際公開日】20120315
【審査請求日】2014年8月19日
(31)【優先権主張番号】12/877,798
(32)【優先日】2010年9月8日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507012283
【氏名又は名称】トゥミ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュ ブラー
(72)【発明者】
【氏名】ポール シクルナ
【審査官】 青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−010817(JP,A)
【文献】 米国特許第02038952(US,A)
【文献】 実開昭48−076019(JP,U)
【文献】 仏国特許出願公開第02767037(FR,A1)
【文献】 米国特許第06640856(US,B1)
【文献】 米国特許第01719455(US,A)
【文献】 米国特許第01604658(US,A)
【文献】 実開昭49−139212(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折畳み可能なバッグであって、
折曲げ自在の材料により構成され、一対の側部、及び該一対の側部に架け渡された底部に沿って相互に連結されて、前記底部の反対側に開口を形成する第1及び第2の互いに対向する本体パネルを有した、品物を入れるコンパートメントと、
前記第1または第2の本体パネルの少なくとも一方に連結されたパッチと、
前記第1の本体パネルに連結され、前記開口に近接した位置に配置され、拡げられた形態において前記パッチから横方向に延伸している、と共に第1の留め具部材を有した、少なくとも1つのストラップと、
前記第1の本体パネルの底部に近接した位置に配設され、前記第1の留め具部材に解放可能に連結された第2の留め具部材とを備え、
前記コンパートメントの前記側部及び底部は、該コンパートメントを畳み込むために、畳み込まれた時に前記少なくとも1つのストラップが前記コンパートメントの側部の境界線を越えて外方に延びるように折畳むことができ、前記第1の留め具部材が第2の留め具部材に連結されると前記コンパートメントは畳み込まれた形態に実質的に維持される、折畳みバッグ。
【請求項2】
第1のストラップが、畳み込まれた形態時の前記コンパートメントの第1の境界線を越えて外方に延設され、第2のストラップが、畳み込まれた形態時の前記コンパートメントの第2の境界線を越えて外方に延設された、請求項1に記載の折畳みバッグ。
【請求項3】
前記第1及び第2の留め具部材はスナップである、請求項1に記載の折畳みバッグ。
【請求項4】
前記コンパートメントの開口に近接した位置に、バッグを運ぶための手提げがさらに取付けられている、請求項1に記載の折畳みバッグ。
【請求項5】
前記開口は、コンパートメントが畳み込まれた形態時に、少なくとも一部が開いた状態である、請求項1に記載の折畳みバッグ。
【請求項6】
前記第1及び第2の本体パネルは、前記開口に近接した位置に配設された、開いているコンパートメントを閉じる閉鎖装置を有している、請求項1に記載の折畳みバッグ。
【請求項7】
前記パッチは、前記第1の本体パネルの前記開口に近接した位置に配設された外部ポーチであり、前記少なくとも1つのストラップは該外部ポーチの側方に隣接した位置に配設されている、請求項1に記載の折畳みバッグ。
【請求項8】
前記第1の本体パネルの第1の側部は、前記第2の本体パネルの第1の側部と縫い合わされ、前記第1の本体パネルの第2の側部は、前記第2の本体パネルの第2の側部と縫い合わされている、請求項1に記載の折畳みバッグ。
【請求項9】
前記少なくとも1つのストラップは、少なくとも一部がエラストマ材料で形成されている、請求項1に記載の折畳みバッグ。
【請求項10】
折畳みバッグが拡げられた時に、前記少なくとも1つのストラップは、少なくとも部分的に、前記パッチとパネルの上またはそれらの間のハウジング内に保持される、請求項1に記載の折畳みバッグ。
【請求項11】
折畳み可能なバッグであって、
折曲げ自在の材料により構成され、一対の側部、及び該一対の側部に架け渡された底部に沿って相互に連結されて、前記底部の反対側に開口を形成する第1及び第2の相対する本体パネルを有した、品物を入れるコンパートメントと、
パネルに連結された開閉自在のフラップ部材と、
第1及び第2の端部を有し、これらの第1及び第2の端部が前記フラップ部材に連結されて保持ループを形成するストラップとを備え、
前記コンパートメントの前記側部及び底部は、該コンパートメントを畳み込むために、該側部が保持ループの内側に配置されると前記コンパートメントは畳み込まれた形態に実質的に維持されるように折畳むことができ、
前記開口は、コンパートメントが畳み込まれた形態時に、少なくとも一部が開いた状態である、
折畳みバッグ。
【請求項12】
前記第1及び第2の本体パネルは、前記開口に近接した位置に配設された、開いたコンパートメントを閉じる閉鎖装置を有している、請求項11に記載の折畳みバッグ。
【請求項13】
前記フラップ部材は、前記第1の本体パネルの前記開口に近接した位置に配設されていて、第1の本体パネルに配設された留め具部材に係合する少なくとも1つの留め具部材を有している、請求項11に記載の折畳みバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は畳み込むことが可能なバックに関するものである。特に、バックの中身にアクセス可能としながら、畳み込んだ状態で保持可能な折畳みバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
物品を収容して運んだり搬送したりする畳み込むことが可能なバッグとしては種々の構造及び方式のものが知られている。この畳み込むことが可能という特徴は、個人が旅行しているときに、旅行先においてさらなる、あるいは異なるタイプのバッグが必要になる場合や、全旅行期間にわたっては必要ないが、行きまたは帰りの行程に追加のバッグが必要になる場合、特に有用である。
【0003】
しかしながら、畳み込むことができるバッグの個人による持ち運びや保管はいくぶん不便であることが多い。例えば、畳み込むことが可能なバッグは、畳み込まれた形態が維持されるように設計されることは一般的ではない。したがって、特に折畳みバッグが収容されている手荷物が、旅行中によくあるように手荒い扱いを受けた時、バックが展開する傾向にある。そのため、例えば特許文献1に記載されているように、いくつかの先行技術の設計は畳み込まれた形状を維持するための閉鎖手段を含んでいる。
【0004】
ところが、従来の畳み込むことが可能なバッグは、畳み込んだ形態に折畳まれた時には収納することのみを目的とした形状となるため、バッグの中身は折畳まれる前に取り除かれる。さらに、畳み込まれた形態である時は、バッグの内部にアクセスすることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6640856号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、中身や内部へのアクセスを許すと同時に、バッグが畳み込まれた形態を維持する様々な閉止の仕組みを備えた、畳み込むことが可能なバッグを実現するための効率的で経済的なシステムと方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的及び利点は、以下の説明から明らかであり、また開示される実施の形態から知ることができる。特に、本発明のさらなる利点は、記載された説明及び特許請求の範囲、並びに添付の図面に具体的に示された方法及びシステムによって実現され、達成される。
【0008】
これらの利点及びその他の利点を達成するために、以下に具体的かつ広範に記載されているように、本発明はバッグ、及びバッグを第1の拡げられた形態から第2の畳み込まれた形態までの変形または畳み込む方法を含む。
この折畳み可能なバッグは、折曲げ自在の材料により構成され、一対の側部、及び該一対の側部に架け渡された底部に沿って相互に連結されて、前記底部の反対側に開口を形成する第1及び第2の互いに対向する本体パネルを有した、品物を入れるコンパートメントを備えている。ある実施形態では、少なくとも1つのストラップが前記第1の本体パネルに連結されていて、該少なくとも1つのストラップは、前記開口に近接した位置に配設されていると共に第1の留め具部材を有している。さらに、前記第1の本体パネルの底部に近接した位置に第2の留め具部材が配設されていて、前記第1及び第2の留め具部材は解放可能に連結されている。前記コンパートメントの前記側部及び底部は、該コンパートメントを畳み込むために、畳み込まれた時に前記少なくとも1つのストラップが前記コンパートメントの境界線を越えて外方に延びるように折畳むことができ、前記第1の留め具部材が第2の留め具部材に連結されると前記コンパートメントは畳み込まれた形態に実質的に維持される。
【0009】
この実施形態では、第1のストラップは、畳み込まれた形態時の前記コンパートメントの第1の境界線を越えて外方に延び、第2のストラップは、畳み込まれた形態時の前記コンパートメントの第2の境界線を越えて外方に延びる。さらに、前記第1及び第2の留め具部材はスナップであり、バッグは前記コンパートメントの開口に近接した位置に、バッグを持ち運ぶための手提げを有している。本発明の一つの形態によれば、前記開口は、コンパートメントが畳み込まれた形態時に、ほぼ開いた状態とされ、また、前記第1及び第2の本体パネルは、例えばジッパー等の閉鎖装置が、開いたコンパートメントを閉じるために前記開口に近接した位置に配設されている。
【0010】
前記第1の本体パネルの第1の側部は、前記第2の本体パネルの第1の側部と縫い合わされ、前記第1の本体パネルの第2の側部は、前記第2の本体パネルの第2の側部と縫い合わされている。あるいは、前記コンパートメントは、前記底部を形成する折り目を備えた第1及び第2の本体パネルのための一片の織物であることを含む。さらに、前記第1の本体パネルは、前記開口に近接した位置に配設された外部ポーチを備えていてもよい。この場合、前記少なくとも1つのストラップは該外部ポーチの側方に隣接した位置に配設されている。
【0011】
別の実施形態において、前記折畳み可能なバッグは、折曲げ自在の材料により構成され、一対の側部、及び該一対の側部に架け渡された底部に沿って相互に連結されて、前記底部の反対側に開口を形成する第1及び第2の互いに対向する本体パネルを有した、品物を入れるコンパートメントを備えている。本体パネルに連結された開閉自在のフラップ部材と、第1及び第2の端部を有し、これらの第1及び第2の端部が前記開閉可能なフラップ部材に連結されて保持ループを形成するストラップとを備えている。さらに、前記第1の本体パネルの底部に近接した位置に第2の留め具部材が配設されていて、前記第1及び第2の留め具部材は解放可能に連結されている。前記コンパートメントの前記側部及び底部は、該コンパートメントを畳み込むために、該側部が保持ループの内側に配置されると前記コンパートメントは畳み込まれた形態に実質的に維持されるように折畳むことができる。
【0012】
使用中において、前記コンパートメントを畳み込んだ形態の時、前記開口は十分に開いた状態が維持される。さらに、前記第1及び第2の本体パネルは、開いたコンパートメントを閉じるために前記開口に近接した位置に配置された、例えばジッパー等の閉鎖装置を有している。前記開閉可能なフラップ部材は、前記第1の本体パネルの前記開口に近接した位置に配設されていて、第1の本体パネルに配設された留め具部材に係合する少なくとも1つの留め具部材を有している。
【0013】
別の実施形態においては、前記折畳み可能なバッグは品物を入れるコンパートメントを備えている。この折畳み可能なバッグは、折曲げ自在の材料により構成され、一対の側部、及び該一対の側部に架け渡された底部に沿って相互に連結されて、前記底部の反対側に開口を形成する第1及び第2の互いに対向する本体パネルを備えている。さらに、第1の端部及び第2の端部を有し、これら第1及び第2の端部がコンパートメントの底部に近接した位置に連結されて保持ループを形成するストラップが設けられている。少なくとも1つの手提げが、前記バッグを運ぶために前記コンパートメントの開口に近接した位置に連結されていて、前記コンパートメントの前記側部及び底部は、該コンパートメントを畳み込むために、前記保持ループに前記少なくとも1つの手提げを通すと前記コンパートメントが畳み込まれた形態が実質的に維持されるように折畳むことができる。
【0014】
使用中において、前記コンパートメントを畳み込んだ形態の時、前記開口は十分に開いた状態が維持される。さらに、前記第1及び第2の本体パネルは、開いたコンパートメントを閉じるために前記開口に近接した位置に配置された、例えばジッパー等の閉鎖装置を有している。また、前記ストラップは、コンパートメントの底部に配設されている。
【0015】
前記の一般的な記述も以下の詳細な記述も例示的なものであり、特許が請求される本発明についてのさらに詳しい説明を意図したものであることは言うまでもない。
【0016】
添付の図面は、本明細書に組み込まれてその一部を成すものであるが、本発明の方法とシステムについて図示して理解を深めるために含められたものである。説明と合わせて、図面は本発明の原理を説明することに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の維持用のストラップを備えた折畳みバッグの典型的な実施形態の、拡げられた状態を模式的に示す正面図である。
図2図2は、図1の折畳みバッグを畳み込んだ状態を模式的に示す正面図である。
図3図3は、図1の折畳みバッグを畳み込んだ状態を模式的に示す背面図である。
図4図4A〜Dは、図1の折畳みバックの様々な折畳み段階を模式的に示す図である。
図5図5A〜Eは、別の典型的な実施形態の折畳みバッグの様々な折畳み段階を模式的に示す図である。
図6図6A〜Dは、さらに別の典型的な実施形態の折畳みバッグの様々な折畳み段階を模式的に示す図である。
図7図7は、収納自在のストラップがバッグの一部に収納された状態を模式的に示す図である。
図8図8は、図7の収納自在のストラップとハウジングの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の典型的な実施形態について、その一例を添付図面で示して詳しく説明する。本発明のバッグの構成及び対応するステップが、システムの詳細な説明と併せて記述される。
【0019】
ここに提示された方法及びシステムは、畳み込んだ形態にバッグを折畳むために用いることができる。特に、本発明は、バッグが畳み込まれた形態に維持されている間、バッグの中身にアクセスするのに適している。本発明に係る典型的な実施形態が図1図4Dで示され、符号100が付されているが、この実施の形態は説明と図示のためであって限定されるものではない。
【0020】
図1に示すように、前記システムは、一般に、品物(図示せず)を収納するコンパートメント12を有する折畳みバッグ100を含んでいる。
特定の実施形態においては、必ずしも必要ではないが、前記コンパートメント12は、実質的に一片の素材により構成される。あるいは、前記コンパートメント12は、例えば、縫い合わせ、接着、溶着等によって共に連結される、分離した複数の素材の部品により構成してもよい。
【0021】
前記コンパートメント12は、一対の側部15に沿って相互に連結された、第1の本体パネル14及び互いに対向する第2の本体パネル16と、前記一対の側部15に架け渡された底部18と、該底部と反対側に形成された開口20とを有している。この開口は、コンパートメントの中身へのアクセスを提供するため、例えば2つの側部の間の別々の位置で、または開口の全長にわたって、開かれているか、あるいは他の方法で非閉鎖とすることができる。さらに、必ずしも必要ではないが、前記開口20は閉鎖自在とすることができる。ある特定の実施形態としては、コンパートメント12の閉鎖装置は、ジッパー22である。磁石、スナップ、フック、ループファスナー等に限定されないが、その他の閉鎖装置が含まれる。
【0022】
図1図3に示すように、前記第1の本体パネル14及び第2の本体パネル16の前記側部15は、相互に直接的に連結されたものとすることができる。あるいは、図4Aに示すように、第1の本体パネル14及び第2の本体パネル16がサイドパネル13を通して互いに接続されるように、2枚の本体パネル間にマチ等のさらなるサイドパネルを配設することができる。前記コンパートメント12は、革、織物、ナイロン製織物、折畳み可能な強度のある素材によって構成されるが、多数の外観や季節的な選択に適した、様々な素材も使用される。任意に、メーカーや卸売業者がバックに顕著に表示されるように、ロゴや商標のような証印を含んだ外部パッチ17を、少なくとも1つの本体パネル14,16に結合させることができる。さらに、前記外部パッチ17は、前記開口20とは異なる閉鎖手段を備え、バッグの収容量を増大させ、また中身への容易なアクセスを提供する外部ポーチまたはポケットとして形成することができる。
【0023】
図1図4Dに示すように、一対のストラップ30は、コンパートメントの開口20に近接した位置の第1の本体パネル14に連結されている。前記ストラップ30は、固定長としてもよく、前記パッチ17から概略横方向に延びている。あるいは、前記ストラップ30は、延伸可能に、例えばエラストマ材料で形成することができ、下記でさらに詳細に述べられているように、前記ストラップを前進させてコンパートメント12の側部を越えて延ばし、また前記外部パッチ17及び本体パネル14の上、またはそれらの間のハウジング内に収納させるようにすることができる。
【0024】
上記のハウジング40の典型的な実施形態は図7及び図8に示されており、前記バッグが拡げられた形態の時、すなわち、前記ストラップ30がバッグを折畳まれた形態に維持するために係合されていない時、該ストラップはハウジング40内に収納される。このハウジング40は、ストラップ30全体を受け入れ、またはストラップ30全体の長さを越えて延設されるように、あるいは、使用者が容易に掴んでストラップ30を収納位置から復帰させることができるように、前記ストラップ30の一部が前記ハウジングを越えて露出されたままとなるように構成することができる。前記ストラップ30のこのような収納自在の特徴は、前記バッグが拡げられた形態であるとき、該ストラップ30を前記ハウジング内に収納することができ、したがって、損傷、望まれない垂れ下がりが生じたりまたは使用者の邪魔になったりするなどがないという点で有利である。
【0025】
留め具部材の第1のセット32は、ストラップ30上における端部の近くに設けられている。同様に、留め具部材の第2のセット34は、前記本体パネル14上の、底部に近接した位置に設けられている。前記バッグが畳み込まれた形態の時、前記留め具部材の第1のセット32は、前記留め具部材の第2のセット34と係合するために配置及び準備される。そのようなものとして、前記留め具部材の第1のセットは雌型部材として形成することができ、前記留め具部材の第2のセット34は雄型部材として形成することができる。
その上、前記バッグが図1のような拡げられた形態である時、留め具部材の第3のセット(図示せず)を、前記本体パネル14上における前記留め具部材の第1のセット32と一致する位置に設けることができる。この留め具部材の第3のセットは、前記バッグが拡げられた形態で使用される間、前記ストラップ30を所定の位置に確実に留めさせて維持させ、これにより、損傷あるいはストラップが使用者の邪魔になることを防止する。図示された前記留め具部材はスナップであるが、例えばフックやループファスナー、磁石等の、代わりまたはさらなる留め具部材を使用することができる。
【0026】
本発明においては、もし要求されるならば、前記バッグ100は該バッグの収容量が最大になる拡げられた形態から、開いている(すなわち、上述したように、部分的にまたは完全に)前記開口を通してバッグの中身へのアクセスを許すと同時に、外形を縮小して、畳み込まれた形態に変形することができる。図1図4Dに図示される典型的な実施形態において、使用者は、まず、もし設けられていれば、留め具部材の第3のセット(図示せず)から留め具部材の第1のセット32を分離することができる。使用者は、側部15(もし存在するならば、同様にマチまたはサイドパネル13も)を、本体パネル16に重なるように後方に折畳むことができ、そして、それは例えば図4B中に示す折り目19のように、前記バッグの境界線の端部を形成する。その後、使用者は、本体パネル16に重なるように底部18を上方に折畳み、例えば図4C中に示す折り目21のように、前記バッグの下部の境界線の端部を形成することができる。この折畳む動きは、前記バック100の留め具部材の第1のセット32とは互いに対向する面に配置されている前記留め具部材の第2のセット34を再度適合せるかまたは再配置させる。前記ストラップはそのとき、境界線の端部、すなわち折り目19のまわりをくるみ、留め具部材の第1のセット32が着脱自在の部品によって留め具部材の第2のセット34と提携されるように配置される。
【0027】
図4Dに示すように、留め具部材32,34の係合は前記バッグを畳み込まれた形態に確実に維持する。本発明の一つの実施形態によれば、たとえ境界線の端部、すなわち折り目19,21によって形成されるコンパートメントの収容力が低下した状態であっても、前記開口20は開いたまま(すなわち、上述したように部分的にあるいは完全に)であり、この構成によりコンパートメント12の内部へのアクセスを許す。使用者が収容量が減少したコンパートメント内に、例えば携帯電話、車のキー等の物品を保管することを可能とすることにより、前記バッグの機能を増やしており、これは有利な点である。換言すると、前記バッグの畳み込める特徴は、上述したように、前記バッグのサイズを縮小して収納を容易にすることができ、さらに様々な量の荷物に対応するために必要に応じて拡げまたは畳み込むことができる、大きさを変更可能なバックとして用いることを可能としている。
【0028】
本発明の別の形態おいて、折畳みバッグの他の典型的な実施形態として、図5A〜Eのものが提供される。図5Aに示すように、システムは一般的に、品物(図示せず)を収容するためのコンパートメント212を備えた、畳み込めるバッグ200を有している。図1図4Dの実施形態に関して上述したように、コンパートメント212は、実質的に一片の素材により構成してもよく、または、例えば、縫い合わせ、接着、溶着等によって共に連結される、分離した複数の素材の部品により構成してもよい。
【0029】
前記コンパートメント212は、一対の側部215に沿って相互に連結された、第1の本体パネル214及び互いに対向する第2の本体パネル216と、前記一対の側部215に架け渡された底部218と、該底部と反対側に形成された開口220とを有している。
さらに、必ずしも必要ではないが、前記開口220は閉鎖可能とされていてもよい。ある特定の実施形態としては、コンパートメント212の閉鎖装置は、ジッパー222である。磁石、スナップ、フック、ループファスナー等に限定されないが、その他の閉鎖装置が含まれる。
【0030】
前記第1の本体パネル214及び第2の本体パネル216の前記側部215は、相互に直接的に連結されたものとすることができる。あるいは、図5Aに示すように、前記第1の本体パネル214及び第2の本体パネル216が前記サイドパネル213を通して互いに接続されるように、2枚の本体パネル間にマチ等のさらなるサイドパネルを配設してもよい。前記コンパートメント212は、革、織物、ナイロン製織物、折畳み可能な強度のある素材によって形成されるが、種々の外観や季節的な選択に応じた、様々な素材が使用される。
【0031】
本発明の別の実施形態においては、開閉自在のフラップ217は、前記本体パネル214,216の一方に連結されていて、メーカーあるいは卸売業者をバッグに顕著に表示することができるように、例えばロゴや商標等の証印を含んでいる。さらに、前記開閉自在のフラップ217は、その内部の中身にアクセス容易に設けられて、前記バッグの収容量を増やしてもよく、また前記開口220とは別の閉鎖手段を備えた外部ポーチまたはポケットを形成してもよい。
【0032】
図5B〜Eに示すように、前記開閉自在のフラップ217は、コンパートメント212の開口220に近接した位置に配置されている。ストラップ230は、前記開閉自在のフラップ217の下側、すなわち前記本体パネル214に隣接した表面において該フラップ217に連結されている。前記ストラップは、前記フラップ217に連結されて保持ループを形成する、第1及び第2の端部235,237を備えている。前記ストラップ230は、革のような比較的硬い、非弾性材料で形成することができる。あるいは、前記ストラップ230は、例えばエラストマ材料で形成する等して、延伸可能としてもよい。
【0033】
留め具部材の第1のセット232は、前記開閉自在のフラップ217の下側の、底部に近接した位置に備え付けられている。同様に、留め具部材の第2のセット234は、前記本体パネル214に設けられていて、該本体パネルの中央に近接した位置に配設されている。前記バッグが拡がった形態と畳み込まれた形態とのいずれの時でも、前記留め具部材の第1のセット232は留め具部材の第2のセット234と係合するために配置及び準備される。そのようなものとして、前記留め具部材の第1のセットは雌型部材として形成することができ、前記留め具部材の第2のセットは雄型部材として形成することができる。
図示される前記留め具部材はスナップであるが、例えばフックやループファスナー、磁石等の、代わりまたはさらなる留め具部材を使用することができる。
【0034】
本発明においては、もし要求されるならば、前記バッグ200は該バッグの収容量が最大になる拡げられた形態から、前記開口を通してバッグの中身へのアクセスを許すと同時に、外形を縮小して、畳み込まれた形態に変形することができる。図5A〜Eに図示される典型的な実施形態において、使用者は、図5Bに示すように、ストラップ230を露出させるために、前記開閉自在のフラップを開くまたは上方に回転させるようにして、留め具部材の第2のセット234から留め具部材の第1のセット232をまず分離することができる。使用者は、側部215(もし存在するならば、同様にマチまたはサイドパネル213も)を本体パネル216の後方に重なるように折畳むことができ、そして、それは例えば図5C中に示す折り目219のように、前記バッグの境界線の端部を形成する。その後、使用者は、本体パネル216に重なるように底部218を上方に折畳み、例えば図5D中に示す折り目221のように、前記バッグの下部の境界線の端部を形成することができる。図5Eに示すように、前記ストラップ230は、そのとき、前記本体パネル214,216、側部215、及び境界線の端部すなわち折り目219のような縮小された外形のコンパートメントのまわりを、前記ストラップの周囲部によって形成された保持ループ内に保持されるようにループで囲むか、またはくるむ。前記開閉自在のフラップ217は、留め具部材232,234の係合を回復するために、このステップの間、下に回転する。
【0035】
図5Eに示すように、留め具部材232,234の係合は前記バッグが畳み込まれた形態に確実に維持する。つまり、前記ストラップ230は、該ストラップ230の前記保持ループが偶然コンパートメント212から落下または外れて下方へ移動することを防ぐ。
上述したように、開口220は開いたまま(すなわち、上述したように部分的にまたは完全に)であり、この構成によりコンパートメント212の内部へのアクセスを許しているため、図1図4Dに図示される典型的な実施形態に関して同じ利点が生じる。
【0036】
本発明の別の形態おいて、折畳みバッグの他の典型的な実施形態としては、図6Aのものが提供される。図6Aに示すように、前記システムは一般的に、品物(図示せず)を収容するためのコンパートメント312、及び2つの手提げ350a,350bを備えた、畳み込めるバッグ300を有している。図1図4Dの実施形態に関して上述したように、コンパートメント312は、実質的に一片の素材により構成してもよく、または、例えば、縫い合わせ、接着、溶着等によって共に連結される、分離した複数の素材の部品から形成してもよい。
【0037】
前記コンパートメント312は、一対の側部315に沿って相互に連結された、第1の本体パネル314及び互いに対向する第2の本体パネル316と、前記一対の側部に架け渡された底部318と、該底部と反対側に形成された開口320とを有している。さらに、必ずしも必要ではないが、前記開口320は閉鎖自在であってもよい。ある特定の実施形態では、コンパートメント312の閉鎖装置は、ジッパー322である。磁石、スナップ、フック、ループファスナー等に限定されないが、その他の閉鎖装置が含まれる。
【0038】
前記第1の本体パネル314及び第2の本体パネル316の前記側部315は、相互に直接的に連結されたものとすることができる。あるいは、図6Aに示すように、前記第1の本体パネル314及び第2の本体パネル316が前記サイドパネル313を通して互いに接続されるように、2枚の本体パネル間にマチ等のさらなるサイドパネルを配設することができる。前記コンパートメント312は、革、織物、ナイロン製織物、折畳み可能な強い素材によって形成されるが、多数の外観や季節的な選択に適した、様々な素材も使用される。
【0039】
図6A〜Dに示すように、ストラップ330は、コンパートメントにおける底部318に近接する位置に連結されて保持ループを形成する端部332,334を備えている。
前記ストラップ330は固定長としてもよく、またあるいは、前記ストラップ330は、延伸可能に、例えばエラストマ材料により形成することができ、該ストラップを前進させて底部318からより遠くの距離に延ばし、また前記コンパートメントに収納させるようにすることができる。これは、図7及び図8に関して上述したように、前記バッグが拡げられた形態であるとき、前記ストラップ330は1つまたは複数のハウジング内に収納することができ、したがって、損傷、望まれないまたは使用者の邪魔になったりすることがないという点で有利である。
【0040】
本発明の実施形態では、もし要求されるならば、前記バッグは該バッグの収容量が最大になる拡げられた形態から、前記開口を通してバッグの中身へのアクセスを許すと同時に、外形を縮小して、畳み込まれた形態に変形することができる。図6A〜Dに図示される典型的な実施形態において、使用者は、側部315(もし存在するならば、同様にマチまたはサイドパネル313も)を、本体パネル316の後方に重なるように折畳むことができ、そして、それは例えば図6B中に示す折り目319のように、前記バッグの境界線の端部を形成する。その後、使用者は、本体パネル316に重なるように底部318を上方に折畳み、例えば図6C中に示す折り目321のように、前記バッグの下部の境界線の端部を形成することができる。下記に記載されているように、前記手提げ350A及び/または350Bは、そのときストラップ330の保持ループに通される。
【0041】
図6Dに示すように、保持ループの中に手提げ350Aのポジションは、前記バッグが畳み込まれた形態を確実に維持する。つまり、手提げ350Aが前記本体パネルにしっかりと連結されているため、本体パネルの上に与えられている前記手提げ350Aに対する動きの制限はストラップ330によってもたらされる。したがって、前記バッグは、使用者が、ストラップ330に設けられた保持ループ330から手提げ350Aを故意に取外すまでは、畳み込まれた形態に保持される。上述したように、前記開口320は開いたまま(すなわち、上述したように部分的にまたは完全に)であり、この構成によりコンパートメント312の内部へのアクセスを許しているため、図1図4Dに図示される典型的な実施形態に関して同じ利点が生じる。あるいは、前記手提げ350Bは、前記手提げ350Aについてここで説明されているのと同様に、該手提げ350Aに代えてまたは追加して使用することができる。
【0042】
ここで開示されるそれぞれの典型的な実施形態において、1つまたは複数の手提げ50は、前記バッグ100を持ち運ぶために、前記コンパートメント12における上端の開口20に近接した位置に取り付けられている。また、前記手提げの長さは、要望に応じて異なるものとすることができる。例えば、前記バッグが、ハンドバッグに対してショルダーバッグのように使用される時には、より長い手提げ長さが用いられる。また、前記コンパートメントのサイズは手提げの長さに影響を与えることがある。同様に、手提げの幅および厚さについては、要望に応じて異なることがある。
【0043】
ここに提示される方法及び構造は、バックパック、ブリーフケース、スーツケース、トートバック、ポケットブック等、様々な種類のサイズや形のバッグに使用される。さらに、ここで明らかにされた様々な構成要素、例えば本体パネル、パッチ、ストラップ、手提げ等は、縫い合わせ、接着、溶接、または当技術分野における公知の適当な手段により連結することができる。
【0044】
本明細書において、本発明を特定の典型的な実施形態に関して説明したが、当業者は、開示された発明に対して、その特許請求の範囲から逸脱しない範囲で様々な変更や改良を加えることができることが認識されるであろう。さらに、本発明のある実施形態の個々の特徴が、この説明または図面によって示された1つの実施形態及び示されていない他の実施形態が議論されるかもしれないが、ある実施形態の個々の特徴に、別の実施形態の1つまたは複数の特徴または複数の実施形態の特徴が結合されるかもしれないことは明らかである。
【0045】
下記で特許請求されている特定の実施形態に加えて、本発明は、上記で開示され下記で特許請求された従属する特徴に関して、他の実施形態が有しているその他の可能な組合せにも向けられる。そのように、上記で開示され従属する請求項に存在する個々の特徴は、本発明の範囲内で別の方法で互いに組み合わせることができ、本発明が他の可能な組合せを有する実施形態にも明確に向けられることが認識されるであろう。すなわち、本発明における特定の実施形態についての前述の説明は、説明及び図示を目的として提示されたものである。それは、本発明がそれらの開示された実施形態に網羅あるいは限定されることを目的としない。
【0046】
開示された方法及びシステムは、本発明の精神と範囲から逸脱することなく様々な変更及び変形が可能であることは当業者にとっては明らかであろう。すなわち、本発明は、添付された請求範囲とその同等物の範囲内にある変更と変形とを含むものである。
図1
図2
図3
図4A-4D】
図5A-5E】
図6A-6D】
図7
図8