特許第6073233号(P6073233)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6073233物質を吸収し物質の漏れを防止するスポンジを有する化粧品塗布器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073233
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】物質を吸収し物質の漏れを防止するスポンジを有する化粧品塗布器
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20170123BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
   A45D34/04 530
   B29C45/14
   A45D34/04 535C
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-537258(P2013-537258)
(86)(22)【出願日】2011年11月3日
(65)【公表番号】特表2014-503230(P2014-503230A)
(43)【公表日】2014年2月13日
(86)【国際出願番号】IL2011000858
(87)【国際公開番号】WO2012059923
(87)【国際公開日】20120510
【審査請求日】2014年10月24日
(31)【優先権主張番号】61/410,374
(32)【優先日】2010年11月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513105133
【氏名又は名称】シノイア テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】ジヴ ゲヴァ
(72)【発明者】
【氏名】アイェレット モーファー
(72)【発明者】
【氏名】オフェル レイゼロヴィッチ
【審査官】 青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−268536(JP,A)
【文献】 特表2008−525076(JP,A)
【文献】 特表2009−539529(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0055787(US,A1)
【文献】 特表2003−525779(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/04
B29C 45/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物質を使用するために医療機器に接続される化粧品塗布器であって、
伸縮性ポリマーの3次元薄膜構造の伸縮性連続気泡を有し、所定のトリートメントのために必要な所定量の物質を吸収し、薄膜表面により覆われたスポンジと、
前記スポンジの底面全体を覆うように設けられた剛性プラスチック基部と、
前記剛性プラスチック基部と一体化され、前記医療機器から送信されたトリートメントに関する情報を記憶する無線周波数識別(RFID)タグと、
を備え、前記スポンジは前記物質を注入可能である共に前記物質の自然な放出又は吸収を防止することを可能にする所定の厚みを有し、前記物質は、前記スポンジに圧力を加えた時に、前記スポンジから絞りだされることを特徴とする化粧品塗布器。
【請求項2】
前記スポンジの前記薄膜表面は平坦であることを特徴とする請求項1の化粧品塗布器。
【請求項3】
前記スポンジは、機能性トリートメント部品の挿入を可能とするために空洞を有することを特徴とする請求項1の化粧品塗布器。
【請求項4】
前記RFIDタグは、前記スポンジと前記剛性プラスチック基部に一体化されていることを特徴とする請求項1の化粧品塗布器。
【請求項5】
前記RFIDタグは、前記剛性プラスチック基部に接合されることを特徴とする請求項1の化粧品塗布器。
【請求項6】
前記スポンジは、前記剛性プラスチック基部と一体化されることを特徴とする請求項1の化粧品塗布器。
【請求項7】
前記スポンジの異なる箇所に粘性レベルの異なる物質が注入されており、前記スポンジの異なる箇所を押すことによって粘性レベルの異なる物質が出るようになっていることを特徴とする請求項1の化粧品塗布器。
【請求項8】
化粧品トリートメントに関する情報が前記化粧品塗布器に一体化されている前記RFIDタグに記憶され、前記化粧品トリートメントに関する情報は、(i)トリートメントの種類、(ii)前記物質の有効期限、(iii)処置期間のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1の化粧品塗布器。
【請求項9】
記憶される前記情報は、暗号化コードと、異なる装置提供者の医療機器に関するコードと、有効期限または製造日のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項の化粧品塗布器。
【請求項10】
前記RFIDタグは、前記トリートメント処理の期間に更新された情報を保持することを特徴とする請求項の化粧品塗布器。
【請求項11】
前記更新された情報は、前記RFIDチップによって計算されることを特徴とする請求項10の化粧品塗布器。
【請求項12】
前記更新された情報は、前記塗布器と関係する医療機器から受信されることを特徴とする請求項10の化粧品塗布器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧品塗布器に関する。更に詳しくは、本発明は医療機器に取り付けられる化粧品塗布器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術で公知の美容上目的の大部分のスポンジは、特別な特徴も価値も有しない普通のスポンジである。これらの普通のスポンジはユーザに有益な情報を提供することはない。ユーザにとって有益な情報とは、例えば、あるトリートメントにおいて、またはこのトリートメント中に、提案された物質の使用量に関する情報であるかもしれない。更に、従来技術で公知の大部分のスポンジは、過大量の物質を絞りだすこともあるので不経済でもある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、物質を吸収し物質の漏れを防止する化粧品塗布器を提供する。化粧品塗布器は、伸縮性ポリマーの3次元薄膜構造の伸縮性連続気泡を有するスポンジと、剛性プラスチック基部と、剛性プラスチック基部と一体化された無線周波数識別(RFID)タグを備えている。スポンジは物質の吸収を可能にする所定の密度を有し、スポンジは、物質の自然な放出を防止するために所定の厚みを有している薄膜表面を備え、物質は、スポンジに圧力を加えた時にのみスポンジから絞りだされる。
【0004】
本発明の幾つかの実施形態によれば、薄膜表面は平坦である。本発明の幾つかの実施形態によれば、スポンジは、トリートメント機能部品の挿入を可能とするために空洞を有している。
【0005】
本発明の幾つかの実施形態によれば、スポンジの所定の密度は、5ccから7ccの範囲の油と水に対する吸収能力と同じである。本発明の幾つかの実施形態によれば、RFIDタグは、スポンジと剛性プラスチック基部のオーバモールド成形の間に一体化される。
【0006】
本発明の幾つかの実施形態によれば、RFIDタグは、フリップチップボンディング技術を使用して最初に剛性プラスチック基部に接合される。本発明の幾つかの実施形態によれば、スポンジは、剛性プラスチック基部と組み合わせてダブルオーバモールド成形される。
【0007】
本発明の幾つかの実施形態によれば、接合されたRFIDタグと、剛性プラスチック基部は、熱可塑性エラストマが所定の温度で金型内に射出され、その結果、剛性プラスチック基部に接合された3次元構造を有し、RFIDタグを内包するスポンジを備えた化粧材塗布器を産出するオーバモールド成形プロセスで一体化される。
【0008】
本発明の幾つかの実施形態によれば、物質の粘性レベルは、スポンジの異なる箇所を押すことによって調整される。本発明の幾つかの実施形態によれば、化粧品トリートメントに関する情報が化粧品塗布器に一体化されているRFIDタグに記憶されている。本発明の幾つかの実施形態によれば、記憶される情報は、(i)トリートメントの種類、(ii)物質の有効期限、(iii)化粧品トリートメントの長さのうちの少なくとも1つである。
【0009】
本発明の幾つかの実施形態によれば、記憶される情報は、暗号化コードと、異なる装置提供者の医療機器に関するコードと、有効期限または製造日のうちの少なくとも1つである。本発明の幾つかの実施形態によれば、RFIDタグは、トリートメント処理の期間に更新された情報を保持する。
【0010】
本発明の幾つかの実施形態によれば、更新された情報は、RFIDチップによって計算される。本発明の幾つかの実施形態によれば、更新された情報は、塗布器と関係する医療機器から受信される。本発明の幾つかの実施形態によれば、塗布器は、医療機器に接続されるように設計される。
【0011】
本発明は、化粧品塗布器を製造する方法であって、無線周波数識別(RFID)タグを剛性プラスチック基部に接合するステップと、接合されたRFIDと剛性プラスチック基部を、ダブルオーバモールド成形処理を通じて一体化するステップと、熱可塑性エラストマを金型内部に所定の温度で射出して、剛性プラスチック基部に接合された3次元構造を有し、RFIDタグを内包するスポンジを備えた化粧品塗布器を産出するステップと、を含む方法を提供する。本発明によれば、接合ステージは、フリップチップボンディング技術を使用して処理される。
【0012】
本発明の実施形態は、物質を吸収し物質の漏れを防止する化粧品塗布器の一部分としてスポンジを備えた化粧品塗布器を提供する。スポンジに吸収された物質は、スポンジに圧力を掛けた時にのみ、スポンジから絞りだされる。スポンジは、剛性プラスチック基部に取り付けられた伸縮性ポリマーの3次元薄膜構造の連続気泡と、剛性プラスチック基部に一体化された無線周波数識別(RFID)タグを有することが可能である。さらに、スポンジは剛性プラスチック基部を組み合わせてダブルオーバモールド成形される。スポンジは物質の吸収を可能にする所定の密度を有していても良い。さらに、スポンジは、物質が自然に放出されるのを防止するために所定の厚みを有する薄膜表面を有しても良い。加えて、本発明の実施形態は、(i)平坦であり、(ii)部品の挿入を可能とする空洞を有する少なくとも1つの形状の薄膜表面を有するスポンジを備えた化粧品塗布器を提供する。
【0013】
本発明の幾つかの実施形態によれば、モールド処理の後のスポンジ材料の密度は、40から250Kg/mである。所定の密度は、5ccから7ccの範囲の油と水に対する吸収能力と同じであっても良い。
【0014】
RFIDタグは、スポンジと基部のオーバモールド成形の間に一体化され、フリップチップボンディング技術を使用して、最初に剛性プラスチック基部に接合される。接合されたRFIDタグと、剛性プラスチック基部は、熱可塑性エラストマが所定の温度で金型内に射出され、剛性プラスチック基部に接合された3次元構造を有し、RFIDタグを内包するスポンジを備えた化粧材塗布器を産出するためのオーバモールド成形プロセスで一体化される。RFIDタグは、各々のスポンジのための化粧品トリートメントに関する情報を記憶することが出来る。
【0015】
本発明の実施形態は、スポンジから出てくる物質の粘性レベルの制御を可能とするスポンジを有する化粧品塗布器を提供する。粘性レベルの制御は、スポンジの異なる箇所を押すことによって達成される。さらに、スポンジは角質除去のために0.160グラムから0.180グラムの間の範囲のピーリングパウダ量を可能とする材料で作られる。
【0016】
加えて、本発明の実施形態は、化粧品塗布器を製造する方法を提供する。本方法は、(i)フリップチップボンディング技術を使用して、無線周波数識別(RFID)タグを剛性プラスチック基部に接合するステップと、(ii)ダブルオーバモールド成形処理で、接合されたRFIDと剛性プラスチック基部を一体化するステップと、(iii)熱可塑性エラストマを金型内部に所定温度で射出することのステップと、を含む。
【0017】
本発明のこれらの態様と、付加的な態様、および/またはその他の態様、および/または効果について次に掲げる詳細な記述において説明し、また、その詳細な記述からおそらく推測可能であり/または本発明を実施することによって分かるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明は、以下の添付の図面と共に本発明の幾つかの実施形態に関する詳細な説明によってより容易に理解されるだろう。
図1】本発明の幾つかの実施形態による、平坦な薄膜表面を有するスポンジを備えた化粧品塗布器の断面図である。
図2】本発明の幾つかの実施形態による、部品の挿入を可能にする空洞を有するスポンジを備える化粧品塗布器の断面図である。
図3A】本発明の幾つかの実施形態による平坦な薄膜表面を有するスポンジを備える化粧品塗布器の等角図である。
図3B】本発明の幾つかの実施形態による、化粧品塗布器の上面図である。
図3C】本発明の幾つかの実施形態による、部品の挿入を可能にする空洞を有するスポンジを備える化粧品塗布器の等角図である。
図3D】本発明の幾つかの実施形態による、部品の挿入を可能にする空洞を有するスポンジを備える化粧品塗布器の底面の等角図である。
図4A】本発明の幾つかの実施形態による、医療機器に接続された化粧品塗布器と、化粧品塗布器に接続される取り外されたカプセルの等角図である。
図4B】本発明の幾つかの実施形態による、医療機器に接続された化粧品塗布器と、化粧品塗布器に接続されるカプセルの等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その応用面に於いて、以下の記述で説明されるか又は図面による図示説明された部品の構造と配置の詳細に限定されないことを理解して欲しい。本発明はその他の幾つかの実施形態に応用可能であるか又は様々な方法で実行又は実施されることに適している。また、この明細書で使用される表現や用語は、説明の目的のためであって、それに限定されると考えるべきではないことを理解して欲しい。
【0020】
本発明の実施形態は、「賢い」スポンジを有した化粧品塗布器を提供する。「賢い」スポンジは、化粧品塗布器の剛性プラスチック基部と一体にされたRFIDタグを使用して、化粧品トリートメントに関する情報を記憶することが出来る。化粧品塗布器は、快適に使用するように、医療機器と接続させることが可能である。「賢い」スポンジは、部品の挿入を可能にして、物質を塗布する以上の使用範囲を拡大するために空洞を有することが可能である。例えば、物質を使用して、あるいは物質を使用しないでマッサージをすることなどである。
【0021】
化粧品トリートメントに関する情報は、化粧品塗布器に一体にされたRF1Dタグに記憶される。記憶される情報には、(i)トリートメントの種類、(ii)物質の有効期限、(iii)化粧品トリートメントの長さ、のうちの少なくとも1つが含まれる。電子タグは、電子化粧品装置と共に塗布器を操作するための情報を含むことが可能である。
【0022】
RFIDタグに記憶された情報は、塗布器の不許可使用を防止するための暗号情報、異なる装置提供者の差別化を図るための異なる装置提供者の医療機器に関するコード、有効期限または製造日を含むことが可能である。
【0023】
本発明の幾つかの実施形態によれば、RFIDタグは、塗布器に取り付けられた医療機器から受信されたトリートメント中の情報またはRFIDによって任意に受信されたトリートメント中の情報を記憶することが可能で、その様な情報は、処置、期間、物質の使用法、処置プロセスに関係するパラメータを含むことが可能である。本発明の幾つかの実施形態によれば、RFIDタグの中のチップは、カプセルの有効期限後に作動するようにプログラムしておくことが可能である。
【0024】
図1は、本発明の幾つかの実施形態による、医療機器に接続された、平坦な薄膜表面を有するスポンジを有する化粧品塗布器の断面図である。本発明のある態様によれば、化粧品塗布器100は、伸縮性ポリマーの3次元薄膜構造の連続気泡を有することが可能なスポンジ130と、剛性プラスチック基部170と一体にされた無線周波数識別(RFID)タグ190を備えている。
【0025】
本発明の別の態様によれば、化粧品塗布器100のスポンジ130は、物質110を吸収することを可能にする所定の密度を有することが可能である。例えば、その物質とは、クリームローションやパウダなどである。本発明のある幾つかの実施形態によれば、モールド成形処理後のスポンジ材料の密度は、40乃至250Kg/mである。所定の密度は、5ccから7ccの範囲の油と水に対する吸収能力と同じであっても良い。
【0026】
本発明の更に別の態様によれば、スポンジ130は、カプセル基部から物質が自然に放出されるのを防止するための所定の厚みを有する薄膜表面120を有することが可能である。物質は、スポンジ130に圧力が加えられた時にのみ、スポンジ130から絞り出すことが出来る。本発明の別の態様によれば、スポンジ130は、剛性プラスチック基部170と組み合わせてダブルオーバモールド成形される。
【0027】
限定されない実施例に於いて、ユーザ(図示せず)は、様々な目的のためにスポンジ130を有する化粧品塗布器100を使いたいと思うかもしれない。その目的は、(1)3週間継続して目尻の皺防止トリートメントを一日おきの夜に行うこと、(2)7週間クリームの量を変えて毎朝、油による皮膚のトリートメントを実行する、(3)毎朝、フェイスパウダを塗布すること、(4)週末の間、毎夕フェイスパウダを塗布することなどである。
【0028】
本発明のある態様によれば、ユーザは各々の目的のために異なるスポンジ130を使うことが可能である。ユーザは3週間の目尻の皺防止トリートメントの間、毎夜、スポンジ130を化粧品塗布器100に接続することが可能である。スポンジ130は、トリートメントの数や各々のトリートメントの継続時間などの情報を一体化されたRFIDタグ190を記憶することが出来る。ユーザは、例えば、あるトリートメントが確実に一日おきに行われるようにするためや各々のトリートメントに必要な継続時間を知るための情報を活用することが可能である。目尻の皺防止クリームはカプセル基部180に貯蔵することが可能である。目尻の皺防止クリームは、泡層150を通してカプセル基部180から絞りだされることが可能である。スポンジ130はクリームやその他の物質の過剰量の使用を防止するために所定の厚みを有する伸縮性ポリマーの3次元薄膜構造の連続気泡を有することが可能である。
【0029】
本発明の幾つかの実施形態によれば、スポンジは薄膜層で蔽われた発泡ウレタンで作られる。発泡材は化粧材や治療的物質を包含することが可能である。本発明の幾つかの実施形態によると、ローション物質がスポンジの内部に注入され、パウダ物質がスポンジに吸収される。トリートメントの必要性によっては、ローションやパウダの組成が物質の粘性を変化させることが可能である。物質の粘性に影響を与えるために、パウダ物質を注入する代わりにスポンジ表面に薄くひき延ばしても良い。
【0030】
更に、ユーザは、7週間、次第にクリームの量を増やしていって毎朝、オイルによる皮膚のトリートメントを行いたと思うかもしれない。その目的のために、ユーザはその目的に合った特別なクリームを有する専用のスポンジ130を使用することが可能である。クリームはスポンジ130のカプセル基部180に入れることが可能である。更に、RFIDタグ190に記憶される情報はユーザに各々のトリートメントのためのクリームの必要量に関する情報やクリームの使用期限に関する情報を与えることが可能である。
【0031】
毎朝、フェイスパウダを塗るために、第3のスポンジを使用しても良い。カプセル基板180にフェイスパウダを有するスポンジ130と、夕方の風貌に適合したフェイスパウダを有する第4のスポンジ130。週末の間、朝の時間に使われるスポンジから放出されるフェイスパウダの量は夕方に放出される量と異なるのかもしれない。フェイスパウダの適切な量がRFIDタグ190に記憶されている。
【0032】
本発明の更に別の態様によれば、RFIDタグ190は、スポンジ130と剛性プラスチック基部170のダブルオーバモールド成形で一体化されても良い。さらに、RFIDタグ190は、フリップチップボンディング技術を使用して、最初に剛性プラスチック基部170に接合される。次のステップで、接合されたRFIDタグ190と熱可塑性エラストマは、熱可塑性エラストマが金型内部に所定の温度で射出され、剛性プラスチック基部170に接合された3次元構造を有し、RFIDタグ190を内包するスポンジ130を備えた化粧材塗布器100を産出するためのオーバモールド成形プロセスで一体化される。
【0033】
限定されない実施例に於いて、顔髭のあるユーザは、毛深い部分により早い速度のクリームを塗布し、毛の少ない部分には粘性が中レベルから低レベルのクリームを塗布したいと思うかもしれない。本発明の更に別の態様によれば、カプセル基部180から出てくるクリームの粘性レベルを制御するために、ユーザはスポンジ130の異なる箇所を押すことが出来る。スポンジ130の各々の箇所から、粘性の異なるレベルのクリームが出るようにしても良い。
【0034】
図2は、本発明の幾つかの実施形態による、部品の挿入を可能にする空洞を備えるスポンジを有する化粧品塗布器の断面図である。本発明のある態様によれば、スポンジ250の空洞225は様々なトリートメントのために使用される必須部品を挿入するために使用可能である。部品は発行ダイオード(LED)であっても、または特定のトリートメントのための専用部品であってもよい。医療機器(図示せず)に接続された化粧品塗布器200は、クリーム、ローション、又はパウダなどの付加的物質と共に、またはそれらを伴わないで使用可能である。
【0035】
図3は、本発明の幾つかの実施形態による平坦な薄膜表面を有するスポンジを備える化粧品塗布器の等角図である。本発明のある態様によれば、化粧品塗布器300Aは、平坦な薄膜表面310を有することが可能である。物質を有するカプセル(図示せず)は、化粧品塗布器320の底部に取り付けることが可能であり、化粧品塗布器300Aが医療機器(図示せず)に接続されている時、物質を放出することが出来る。
【0036】
図3Bは、本発明の幾つかの実施形態による化粧品塗布器の上面図である。本発明のある態様によれば、物質を有するカプセルに取り付けて、医療機器(図示せず)に接続するために、化粧品塗布器300Bの底部に複数の把持部、例えば、把持部330を備えていてもよい。中央線340は、図1の化粧品塗布器100の断面線である。
【0037】
図3Cは、本発明の幾つかの実施形態による、部品の挿入を可能にする空洞を有するスポンジを備える化粧品塗布器の等角図である。本発明のある態様によれば、化粧品塗布器300Cは空洞部350を有しても良い。空洞350は、物質を浸すのに役立たせるため又は物質を用いないトリートメントを施すために医療機器(図示せず)に接続する時に治療部品の挿入を可能としても良い。
【0038】
図3Dは本発明の幾つかの実施形態による、部品の挿入を可能にする空洞を有するスポンジを備える化粧品塗布器の底面の等角図である。本発明の態様によれば、空洞350は部品の挿入を可能としてもよい。グリッパ330は物質を保持しているカプセルが化粧品塗布器330Dに接続されることを可能とする。
【0039】
図4Aは、本発明の幾つかの実施形態による、医療機器に接続された化粧品塗布器と、化粧品塗布器に接続される取り外されたカプセルの等角図である。本発明のある態様によれば、化粧品塗布器440Aは、医療機器410に接続出来る部品440の挿入を可能にするために空洞450を有するように設計される。化粧品塗布器のスポンジは、空洞450を有することが可能で、スポンジに底面部で接続されるカプセル430を有することが可能である。
【0040】
図4Bは、本発明の幾つかの実施形態による、医療機器に接続された化粧品塗布器と、化粧品塗布器に接続されたカプセルの等角図である。本発明のある態様によれば、化粧品塗布器400Bは、部品の挿入を可能にするために、空洞450を有する薄膜表面420を備えることが可能である。化粧品塗布器400Bは、医療機器410に接続することが可能である。
【0041】
上記の説明の中で、実施形態は、本発明の実施の1例である。「1実施形態」、「ある実施形態」または「いくつかの実施形態」の様々な外観は、必ずしも同一の実施形態を言及している訳ではない。単一の実施形態の内容で、本発明の様々な特徴について記述することが可能であるが、これら特徴は別々に提供することも出来るし、ある適当な組み合わせにおいて提供することも出来る。逆に、別々の実施形態の内容で本発明を記述することが可能であるが、本発明はまた単一の実施形態で実施することが出来る。さらに、本発明は様々な方法で実施または実行することが出来、本発明は上記の記述で概要を述べた実施形態とは別の幾つかの実施形態において実施することが可能であるということを理解されたい。
【0042】
本発明はそれらの図面またはそれに対応する記述に限定される訳ではない。例えば、流れは各々の図示したボックスや状態を通過する必要はないし、また図示され記述されたのと全く同じ順番で通過する必要もない。他に規定がなければ、この明細書に使われた技術的用語や科学的用語の意味は、通常、本発明が帰属する技術に関する普通の技能の1つによるものと理解すべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B