【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、液体エーロゾル形成基体を加熱するエーロゾル生成システムが提供され、システムは、エーロゾル形成チャンバと、エーロゾル生成システムからの液体エーロゾル凝縮物の漏れを防止又は低減するように構成された漏れ防止手段とを備える。
【0006】
エーロゾル生成システムは、液体エーロゾル形成基体を蒸発させて蒸気を形成するように構成され、蒸気は、エーロゾル形成チャンバ内で凝縮してエーロゾルを形成する。従って、エーロゾル形成チャンバは、単純にエーロゾルの生成を助けるか又は促進する。エーロゾル生成システムは、液体エーロゾル形成基体を含むこと、又は液体エーロゾル形成基体を受け取るように構成することができる。当業者には知られているように、エーロゾルは、空気のような気体内の固体粒子の懸濁液又液滴である。
【0007】
本発明の利点は、エーロゾル生成システムからの液体エーロゾル凝縮物の漏れが防止されるか又は少なくとも実質的に低減される点にある。温度の変化、例えば急激な温度の低下に起因して、凝縮した液体(液体凝縮物)が生じる場合がある。追加的に又は代替的に、液体凝縮物は、エーロゾル生成システムの空気流が低下する空洞、溝、隅部、又は他の部分に堆積する場合がある。凝縮率は、エーロゾル形成基体の蒸気圧、蒸気と形成基体のハウジング又は壁との間の温度勾配、並びに例えば空気流や乱流などの他の要因の影響を受ける。液体エーロゾル凝縮物の漏れを最小にすること又は好ましくは防止することは、液体エーロゾル形成基体の浪費を防ぐために重要である。また、液体がエーロゾル生成システムから漏れると、これは、ユーザに不都合を引き起こす。例えば、エーロゾル生成システムが湿った状態又は粘り着く状態となる。
【0008】
液体エーロゾル形成基体は、好ましくは、エーロゾル生成システムでの使用に適した物理的特性、例えば沸点及び蒸気圧を有する。沸点が高すぎると液体は蒸発できず、沸点が低すぎると液体は容易に蒸発し過ぎる。液体は、好ましくは、加熱時に液体から放出される揮発性タバコフレーバ成分を包含するタバコ含有材料を備える。代替的に又は追加的に、液体は、非タバコ材料を含むことができる。液体は水、溶剤、エタノール、植物性抽出物、ニコチン溶液、並びに自然又は人工のフレーバを含むことができる。好ましくは、液体は、エーロゾル形成体をさらに含む。エーロゾル形成体の適切な例は、グリセリン及びプロピレングリコールである。
【0009】
本発明の第1の態様では、漏れ防止手段は、エーロゾル形成チャンバの壁に少なくとも1つの空洞を備え、空洞は、液体エーロゾル形成基体から形成された液体凝縮物を集めるようになっている。
【0010】
エーロゾル形成チャンバの壁に少なくとも1つの空洞を設けると、液体の凝縮液滴を集めることができる。好ましくは、少なくとも1つの空洞は、そうでなければエーロゾル生成システムから漏れる可能性がある凝縮液体の液滴の流れ経路を遮断する。従って、凝縮液体のエーロゾル生成システムからの漏れは、防止又は少なくとも低減される。少なくとも1つの空洞は、任意の適切な大きさ及び形状とすることができ、エーロゾル形成チャンバ内の任意の適切な位置に配置することができる。好ましくは、少なくとも1つの空洞は、エーロゾル生成システムの出口端部に隣接する。エーロゾル生成システムが、液体貯蔵部又は毛細管芯又は液体貯蔵部、又は毛細管芯の両方を含む場合、少なくとも1つの空洞は、凝縮液滴を液体貯蔵部又は毛細管芯へ戻す帰還路を備えることができる。
【0011】
本発明の第1の態様では、少なくとも1つの空洞は、毛細管材料を備えることができる。少なくとも1つの空洞に毛細管材料を設けると、自由液体が最小になる。これは、凝縮液体がエーロゾル生成システムから漏れる可能性を低下させる。毛細管材料は、集めた液体を保持できる任意の適切な材料又は材料の組み合わせから成ることができる。特に好ましい1つの材料又は複数の材料は、液体エーロゾル形成基体の物理的特性に依存する。毛細管材料の例は、スポンジ材料又は発泡材料、繊維又は焼結粉体の形態のセラミックベース又はグラファイトベースの材料、発泡金属又はプラスチック材料、ファイバ材料であり、ファイバ材料は、例えばセルロースアセテート、ポリエステル、又はボンドポリオレフィン、ポリエチレン、テルリン又はポリプロピレンファイバ、ナイロンファイバ、又はセラミックのような、紡績又は押出しファイバである。最も好ましくは、毛細管材料は、空洞を実質的に満たして自由液体を最小にする。
【0012】
エーロゾル生成システムが、液体貯蔵部又は毛細管芯、又は液体貯蔵部及び毛細管芯の両方を含む場合、毛細管材料は、凝縮液滴を液体貯蔵部又は毛細管芯へ戻す帰還路を提供することができる。毛細管材料は、毛細管芯と接触することができる。少なくとも1つの空洞内の毛細管材料と毛細管芯とは、同じ材料又は異なる材料から成ることができる。
【0013】
本発明の第2の態様では、漏れ防止手段は、液体エーロゾル形成基体から形成された液体凝縮物の液滴を集める少なくとも1つのフック部材を備える。
【0014】
フック部材を設けると、エーロゾル形成基体の凝縮液滴を集めることが可能となる。好ましくは、少なくとも1つのフック部材は、凝縮液体の液滴に関する流れ経路を遮断する。従って、エーロゾル生成システムからの液体凝縮の漏れが防止される。少なくとも1つのフック部材は、任意の適切な大きさ及び形状とすることができ、任意の適切な位置に配置することができる。例えば、フック部材は、エーロゾル形成チャンバの壁上に位置決めすることができる。
【0015】
本発明の第2の態様では、少なくとも1つのフック部材は、収集した液体凝縮物の液滴を再利用する再利用通路を備えることができる。再利用通路は、フック部材の傾斜部を備えることができる。エーロゾル生成システムが、液体貯蔵部又は毛細管芯、又は液体貯蔵部及び毛細管芯の両方を含む場合、再利用通路は、凝縮液滴を液体貯蔵部又は毛細管芯へ戻す。凝縮物液滴の捕捉及び移送は、エーロゾル生成システムの内壁、例えばエーロゾル形成チャンバの内壁の表面特性(例えば、表面プロフィール、表面粗さであるが、これに限定されない)又は材料(例えば、疎水性材料又は親水性材料であるが、これに限定されない)によって強化することができる。
【0016】
本発明の第2の態様では、少なくとも1つのフック部材は、毛細管材料を含む。毛細管材料は、フック部材の収集表面上の一部又は全部に設けることができる。少なくとも1つのフック部材上に毛細管材料を設けると、自由液体が最小になる。これは、凝縮液体がエーロゾル生成システムから漏れる可能性を低減させる。毛細管材料は、集めた液体を保持できる任意の適切な材料又は材料の組み合わせから成ることができる。特に好ましい1つの材料又は複数の材料は、液体エーロゾル形成基体の物理的特性に依存する。適切な材料の例は、スポンジ材料又は発泡材料、繊維又は焼結粉体の形態のセラミックベース又はグラファイトベースの材料、発泡金属又はプラスチック材料、ファイバ材料であり、ファイバ材料は、例えばセルロースアセテート、ポリエステル、又はボンドポリオレフィン、ポリエチレン、テルリン又はポリプロピレンファイバ、ナイロンファイバ又はセラミックのような紡績又は押出しファイバである。
【0017】
フック部材が再利用通路を含む場合、好ましくは、再利用通路は毛細管材料を含む。これは凝縮液滴の再利用を改善する。エーロゾル生成システムが、液体貯蔵部又は毛細管芯、又は液体貯蔵部及び毛細管芯の両方を含む場合、毛細管材料は、凝縮液滴を液体貯蔵部又は毛細管芯へ戻すことができる。毛細管材料は、毛細管芯と接触することができる。少なくとも1つのフック部材上の毛細管材料と毛細管芯とは、同じ材料又は異なる材料から成ることができる。
【0018】
本発明の第3の態様では、漏れ防止手段は、エーロゾル形成チャンバ内の空気流を遮断して液体エーロゾル形成基体から形成された液体の液滴を集める衝突部材を備える。
【0019】
空気流を遮断する衝突部材を設けると、液体エーロゾル形成基体の液滴を集めることが可能となる。これは、空気流が遮断されると、一部の液滴を空気流で運ぶことができず、衝突部材へ衝突するからである。集まった液滴は、どちらかといえば大きな液滴である。集まった液滴は、エーロゾル生成システムから漏れ出すことはできない。従って、エーロゾル生成システムからの液体凝縮物の漏れが防止される。衝突部材は、任意の適切な大きさ及び形状とすることができ、蒸気形成の下流側の任意の位置に配置することができる。
【0020】
本発明の第3の態様では、衝突部材は、毛細管材料を含むことができる。毛細管材料は、好ましくは、衝突部材の上流側表面の一部又は全部に設けることができる。毛細管材料は、衝突部材の他の表面上に設けることができる。衝突部材の収集表面上に毛細管材料を設けると、自由液体が最小になる。これは、液体凝縮物がエーロゾル生成システムから漏れる可能性を低減させる。毛細管材料は、集めた液体を保持できる任意の適切な材料又は材料の組み合わせから成ることができる。特に好ましい1つの材料又は複数の材料は、液体エーロゾル形成基体の物理的特性に依存する。適切な材料の例は、スポンジ材料又は発泡材料、繊維又は焼結粉体の形態のセラミックベース又はグラファイトベースの材料、発泡金属又はプラスチック材料、ファイバ材料であり、ファイバ材料は、例えばセルロースアセテート、ポリエステル、又はボンドポリオレフィン、ポリエチレン、テルリン又はポリプロピレンファイバ、ナイロンファイバ又はセラミックのような、紡績又は押出しファイバである。
【0021】
エーロゾル生成システムが、液体貯蔵部又は毛細管芯、又は液体貯蔵部及び毛細管芯の両方を含む場合、衝突部材上の毛細管材料は、液滴を液体貯蔵部又は毛細管芯へ戻す。衝突部材上の毛細管材料は、毛細管芯と接触することができる。衝突部材上の毛細管材料と毛細管芯とは、同じ材料又は異なる材料から成ることができる。
【0022】
本発明の第4の態様では、漏れ防止手段は、エーロゾル生成システムを使用しない場合にエーロゾル形成チャンバを実質的に密封する閉鎖部材を備える。
【0023】
エーロゾル生成システムを使用しない場合にエーロゾル形成チャンバを実質的に密封する閉鎖部材を設けると、エーロゾル生成システムを使用しない場合に、何らかの凝縮液滴がエーロゾル生成システムから漏れ出すのを
実質的に防止する。閉鎖部材は、エーロゾル形成チャンバの出口を実質的に密封することだけが必要であることを理解されたい。閉鎖部材が閉鎖位置にあっても、エーロゾル形成チャンバの入口は開放状態のままとすることができる。
【0024】
閉鎖部材は、任意の適切な大きさ及び形状とすることができる。閉鎖部材は、ユーザにより手動で操作可能である。もしくは、閉鎖部材は、ユーザの指示により又は自動的に、電気的に動作可能である。
【0025】
閉鎖部材は、毛細管材料を含むことができる。毛細管材料は、閉鎖部材の上流側表面の一部又は全部に設けることができる。毛細管材料は、閉鎖部材上に集まる何らかの液体を保持する。これは、凝縮液体がエーロゾル生成システムから漏れる可能性を低減させる。毛細管材料は、集めた液体を保持できる任意な適切な材料又は材料の組み合わせから成ることができる。特に好ましい1つの材料又は複数の材料は、液体エーロゾル形成基体の物理的特性に依存する。適切な材料の例は、スポンジ材料又は発泡材料、繊維又は焼結粉体の形態とされたセラミックベース又はグラファイトベースの材料、発泡金属又はプラスチック材料、ファイバ材料であり、ファイバ材料は、例えばセルロースアセテート、ポリエステル、又はボンドポリオレフィン、ポリエチレン、テルリン又はポリプロピレンファイバ、ナイロンファイバ又はセラミックのような、紡績又は押出しファイバである。
【0026】
エーロゾル生成システムが、液体貯蔵部又は毛細管芯、又は液体貯蔵部及び毛細管芯の両方を含む場合、閉鎖部材上の毛細管材料は、液滴を液体貯蔵部又は毛細管芯へ戻す。エーロゾル生成システムを使用しない場合に、閉鎖部材上の毛細管材料は、毛細管芯と接触することができる。閉鎖部材上の毛細管材料と毛細管芯とは、同じ材料又は異なる材料から成ることができる。
【0027】
エーロゾル生成システムは、液体エーロゾル形成基体を貯蔵する液体貯蔵部をさらに備えることができる。
【0028】
液体貯蔵部を設ける利点は、液体貯蔵部内の液体が外気から保護され(空気はほぼ液体貯蔵部へ流入できないので)、いくつかの実施形態では、結果的に液体の劣化のリスクが大幅に低減する。さらに、高いレベルの衛生状態を維持できる。液体貯蔵部は、補充可能でなくてもよい。従って、液体貯蔵部内の液体が使い尽くされた場合、エーロゾル生成システムは交換される。もしくは、液体貯蔵部は、補充可能とすることができる。その場合、エーロゾル生成システムは、液体貯蔵部の所定回数再充填した後に交換される。好ましくは、液体貯蔵部は、所定回数の吸煙のための液体を保持するよう構成される。
【0029】
エーロゾル生成システムは、液体エーロゾル形成基体を毛細管作用で運ぶ毛細管芯をさらに備える。
【0030】
好ましくは、毛細管芯は、液体貯蔵部内の液体と接触するように構成される。好ましくは、毛細管芯は、液体貯蔵部内へ延びる。その場合、使用時に、液体は、毛細管芯の毛細管作用により液体貯蔵部から移動する。1つの実施形態では、毛細管芯の一端の液体は、蒸発して過飽和した蒸気を形成する。過飽和蒸気は、空気流と混合して運ばれる。流れる間に、蒸気は凝縮してエーロゾルを形成し、エーロゾルは、ユーザの口腔に向けて運ばれる。液体エーロゾル形成基体は、液体が毛細管芯を通って毛細管作用により移送されることを可能にする表面張力及び粘度を含む物理的特性を有する。
【0031】
毛細管芯は、ファイバ構造又はスポンジ構造を有することができる。毛細管芯は、好ましくは、毛細管の束を備える。例えば、毛細管芯は、複数の繊維又は線条又は他の微細チューブを備えることができる。繊維又は線条は、エーロゾル生成システムの略長手方向に整列することができる。もしくは、毛細管芯は、ロッド形状に形成されたスポンジ状又は発泡状材料を備えることができる。ロッド形状は、エーロゾル生成システムの長手方向に沿って延びることができる。芯の構造体は、複数の小さなボア又はチューブを形成し、ここを通って液体を毛細管現象によりヒータへ送ることができる。毛細管芯は、任意の適切な材料又は材料の組み合わせから成ることができる。適切な材料の例は、スポンジ材料又は発泡体材料、繊維又は焼結粉体の形態のセラミックベース又はグラファイトベースの材料、発泡金属又はプラスチック材料、ファイバ材料であり、ファイバ材料は、例えばセルロースアセテート、ポリエステル、又はボンドポリオレフィン、ポリエチレン、テルリン又はポリプロピレンファイバ、ナイロンファイバ又はセラミックのような、紡績又は押出しファイバである。毛細管芯は、異なる液体物理特性で使用されるように、任意の適切な毛細管及び気孔率を有することができる。液体は、粘度、表面張力、密度、熱伝導率、沸点、及び蒸気圧のような物理的特性を有し、これにより、液体は毛細管デバイスを介して毛細管作用により移送することができる。
【0032】
エーロゾル生成システムは、電気作動式とすることができる。電気作動式エーロゾル生成システムは、液体エーロゾル形成基体を加熱する電気ヒータをさらに備えることができる。
【0033】
電気ヒータは、単一の加熱素子を備えることができる。もしくは、電気ヒータは、1つより多い加熱素子、例えば、2つ、又は3つ、又は4つ、又は5つ、又は6つ又はそれより多い加熱素子を備えることができる。1つの加熱素子又は複数の加熱素子は、液体エーロゾル形成基体を最も効果的に加熱するように適切に配置することができる。
【0034】
少なくとも1つの加熱素子は、好ましくは、適切な電気抵抗性材料を備える。適切な電気抵抗性材料は、ドープされたセラミックスのような半導体、電気的に「導電性」のセラミックス(例えば、珪化モリブデン等)、カーボン、グラファイト、金属、金属合金、並びにセラミックス材料及び金属材料から成る複合材料を含むことができるが、これらに限定されるものではない。このような複合材料は、ドープされた又はドープされていないセラミックスを備えることができる。ドープされたセラミックスの適切な例は、ドープされたシリコンカーバイトを含む。金属の適切な例は、チタニウム、ジルコニウム、タンタル、及び白金族金属を備えることができる。金属合金の適切な例は、ステンレス鋼、コンスタンタン、ニッケル−、コバルト−、クロム−、アルミニウム−、チタニウム−、ジルコニウム−、ハフニウム−、ニオビウム−、モリブデン−、タンタル−、タングステン−、スズ−、ガリウム−、マンガン−、及び鉄−含有合金、及びニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼、Timetal(登録商標)ベースの超合金、鉄−アルミニウムベース合金、及び鉄−マンガン−アルミニウムベース合金を備えることができる。Timetal(登録商標)は、1999 ブロードウェイ スイーツ 4300、デンバー、コロラド州、米国に所在のTitanium Metals Corporationの登録商標である。複合材料では、任意的に、電気抵抗性材料は、エネルギ伝達の動力学及び所望の外部物理化学特性に応じて、絶縁材料に埋め込まれ、カプセル化され、若しくは被覆され、又はその逆とすることができる。加熱素子は、不活性材料の2つの層の間に隔離された金属エッチングされたホイルを備えることができる。この場合、不活性材料は、Kapton(登録商標)、オールポリイミド、又はマイカホイルを含むことができる。Kapton(登録商標)は、1007 マーケットストリート、ウィルミントン、デラウェア州 19898、米国に所在のE.I. du Pont de Nemours and Companyの登録商標である。
【0035】
もしくは、少なくとも1つの加熱素子は、赤外線加熱素子、光子源又は誘電加熱素子を備えることができる。
【0036】
少なくとも1つの加熱素子は、任意の適切な形態とすることができる。例えば、少なくとも1つの加熱素子は、加熱ブレードの形態とすることができる。もしくは、少なくとも1つの加熱素子は、異なる導電部を有するケーシング又は基板、又は電気抵抗性金属チューブの形態とすることができる。液体貯蔵部は、使い捨ての加熱素子を組み込むことができる。もしくは、液体エーロゾル形成基体を貫通する1つ又はそれ以上のニードル又はロッドも適切である。もしくは、少なくとも1つの加熱素子は、ディスク(エンド)ヒータ、又はディスクヒータと加熱ニードル又はロッドとの組み合わせとすることができる。もしくは、少なくとも1つの加熱素子は、可撓性シート材料を備えることができる。他の代替物は、加熱ワイヤ又はフィラメント、例えば、Ni−Cr、白金、タングステン又は合金ワイヤ、又は加熱プレートを含む。任意的に、加熱素子は、剛性担持材料の中に又はその上に堆積することができる。
【0037】
少なくとも1つの加熱素子は、ヒートシンク、又は熱を吸熱及び蓄熱して、経時的に放熱してエーロゾル形成基体を加熱することができる材料を含むヒートリザーバを含むことができる。ヒートシンクは、適切な金属又はセラミック材料等の任意の適切な材料から形成することもできる。好ましくは、材料は、高い熱容量をもつこと(顕熱蓄熱材料)、又は吸熱後に高温相変化のような可逆プロセスで放熱できる材料である。顕熱蓄熱材料は、シルカゲル、酸化アルミニウム、炭素、グラスマット、グラスファイバ、無機物、アルミニウム、銀、若しくは鉛等の金属又は合金、及び紙のようなセルロース材料を含む。可逆相変化により放熱する他の適切な材料は、パラフィン、酢酸ナトリウム、ナフタレン、ワックス、ポリエチレンオキシド、金属、金属塩、共晶塩の混合物、又は合金を含む。
【0038】
ヒートシンク又はヒートリザーバは、液体エーロゾル形成基体に直接接触して、貯えられた熱を直接基体へ運ぶように配置することができる。もしくは、ヒートシンク又はヒートリザーバに貯えられた熱は、金属チューブのような熱伝導体を介してエーロゾル形成基体へ運ぶことができる。
【0039】
少なくとも1つの加熱素子は、液体エーロゾル形成基体を熱伝導により加熱することができる。加熱素子は、基体と少なくとも部分的に接触することができる。もしくは、加熱素子からの熱は、熱伝導要素により基体へ伝導することができる。
【0040】
もしくは、少なくとも1つの加熱素子は、エーロゾル生成システムの使用中に引き込まれて入ってくる外気へ熱を伝達することができ、これは次に対流によりエーロゾル形成基体を加熱する。外気は、エーロゾル形成基体を通過する前に加熱することができる。もしくは、外気は、最初に液体基体を通って引き込み、次に加熱することもできる。
【0041】
1つの好適な実施形態では、エーロゾル生成システムは、電気ヒータ、毛細管芯、及び液体貯蔵部を備える。本実施形態では、好ましくは、毛細管芯は、液体貯蔵部内の液体と接触するように配置される。使用時に、液体は、液体貯蔵部から電気ヒータへ毛細管芯の毛細管作用により移動する。1つの実施形態では、毛細管芯は、第1の端部及び第2の端部を有し、第1の端部は、液体貯蔵部へ延びて内部の液体と接触し、電気ヒータは、第2の端部の液体を加熱するように構成される。ヒータが駆動される場合、毛細管芯の第2の端部の液体は、ヒータにより蒸発され、過飽和蒸気を形成する。過飽和蒸気は、空気流と混合されて運ばれる。流れる間に、蒸気は、凝縮してエーロゾルを形成し、エーロゾルは、ユーザの口腔に向かって運ばれる。
【0042】
前述したように、毛細管芯は、任意の適切な材料を含むことができる。液体の特性と相まって芯の毛細管特性は、芯が加熱領域内で常に湿った状態であることを保証する。芯が乾燥するとオーバヒートして液体の熱的劣化につながる場合がある。
【0043】
毛細管芯及びヒータ、並びに任意的に液体貯蔵部は、単一の構成要素としてエーロゾル生成システムから取り外し可能とすることができる。
【0044】
エーロゾル生成システムは、少なくとも1つの空気入口を備えることができる。エーロゾル生成システムは、少なくとも1つの空気出口を備えることができる。エーロゾル形成チャンバは、空気入口と空気出口との間に配置され、エーロゾル形成チャンバを通る空気入口から空気出口への空気流経路を形成し、エーロゾルを空気出口からユーザの口腔へ運ぶようになっている。
【0045】
エーロゾル生成システムは、電気作動式とすること、更に電源を備えることができる。エーロゾル生成システムは、電気回路を更に備えることができる。1つの実施形態では、電気回路は、ユーザが吸煙していることを表わす空気流を検知するセンサを備えることができる。その場合、好ましくは、ユーザの吸煙をセンサが感知した場合、電気回路は、電流パルスを電気ヒータに供給するように構成される。好ましくは、電流パルスの持続期間は、蒸発することが望まれる液体の量に応じて事前にセットされる。電気回路は、好ましくは、この目的のためにプログラム可能である。もしくは、電気回路は、ユーザが吸煙を開始するために手動操作スイッチを備えることができる。電流パルスの持続期間は、好ましくは、蒸発することが望まれる液体の量に応じて事前にセットされる。電気回路は、好ましくは、この目的のためにプログラム可能である。
【0046】
好ましくは、エーロゾル生成システムはハウジングを備える。好ましくは、ハウジングは細長い。エーロゾル生成が毛細管芯を含む場合、毛細管芯の長手方向軸とハウジングの長手方向軸とは実質的に平行とすることができる。ハウジングは、シェル及びマウスピースを備えることができる。この場合、全ての構成要素は、シェル又はマウスピースの何れかに収容できる。1つの実施形態において、ハウジングは、液体貯蔵部、毛細管芯、及びヒータを備える取り外し可能な挿入体を含む。この実施形態において、エーロゾル生成システムの各部品は、単一の構成要素としてハウジングから取り外すことができる。これは、例えば、液体貯蔵部の補充又は交換に有用である。
【0047】
ハウジングは、任意の適切な材料又は材料の組み合わせから成ることができる。材料の適切な例は、金属、合金、プラスチック、又は1つ又はそれ以上のこれらの材料を含む複合材料、又は例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)及びポリエチレンのような、食品又は薬剤用途に適切な熱可塑性物質を含むことができる。好ましくは、材料は軽量かつ非脆弱である。
【0048】
好ましくは、エーロゾル生成システムは携帯型である。エーロゾル生成システムは、喫煙システムとすることができ、従来のシガー又はシガレットに匹敵する大きさを有することができる。喫煙システムの全体長さは、約30mmと約150mmとの間にある。喫煙システムの外径は、約5mmと約30mmとの間にある。
【0049】
好ましくは、エーロゾル生成システムは、電気作動式の喫煙システムである。
【0050】
本発明の1つの態様に関して述べた特徴部は、本発明の別の態様にも適用可能である。
本発明は、以下に添付図面を参照して単に例示的に説明される。