特許第6073242号(P6073242)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073242
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】自動車用エアダンパー
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/06 20060101AFI20170123BHJP
   F16F 9/02 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
   B60R7/06 G
   F16F9/02
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-546031(P2013-546031)
(86)(22)【出願日】2011年12月23日
(65)【公表番号】特表2014-502574(P2014-502574A)
(43)【公表日】2014年2月3日
(86)【国際出願番号】KR2011010029
(87)【国際公開番号】WO2012087061
(87)【国際公開日】20120628
【審査請求日】2014年10月1日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0134552
(32)【優先日】2010年12月24日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515258114
【氏名又は名称】株式会社ニフココリア
(74)【代理人】
【識別番号】100098202
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100077241
【弁理士】
【氏名又は名称】桑原 稔
(72)【発明者】
【氏名】リュ ジェギョン
【審査官】 加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】 実開平06−063947(JP,U)
【文献】 特開平09−255032(JP,A)
【文献】 特開2001−219920(JP,A)
【文献】 特開2007−064245(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 7/06
F16F 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(10)と、ハウジング(10)に挿入されたピストン(20)と、ピストンロッド(21)と、前記ハウジング(10)の開口部に嵌められてこれを遮蔽するキャップ(4)とを有し、ピストンロッド(21)がキャップ(4)を貫通するように組み立てられたエアダンパー(50)において;
前記ハウジング(10)の開口部の両側には、カバーキャップ(15)が備えられており、
各カバーキャップ(15)は、前記ハウジング(10)とヒンジ部(14)で連結された状態で本体と一体に射出成形により形成されており、
ハウジング(10)の開口部を遮蔽するように結合された各カバーキャップ(15)の中央部をピストンロッド(21)が貫通するようにしてなると共に、
前記カバーキャップ(15)は、ハウジング(10)の開口部を遮蔽した状態において、
前記ハウジング(10)の内径と面接触すると共に、
前記カバーキャップ(15)の両端部に形成された固定突起(16)を、前記ハウジング(10)に備えられた固定ホール(11)に嵌めて結束させるようになっている、自動車用エアダンパー。
【請求項2】
ハウジング(10)と、ハウジング(10)に挿入されたピストン(20)と、ピストンロッド(21)と、前記ハウジング(10)の開口部に嵌められてこれを遮蔽するキャップ(4)とを有し、ピストンロッド(21)がキャップ(4)を貫通するように組み立てられたエアダンパー(50)において;
前記ハウジング(10)の開口部の両側には、カバーキャップ(15)が備えられており、
各カバーキャップ(15)は、前記ハウジング(10)とヒンジ部(14)で連結された状態で本体と一体に射出成形により形成されており、
ハウジング(10)の開口部を遮蔽するように結合された各カバーキャップ(15)の中央部をピストンロッド(21)が貫通するようにしてなると共に、
前記カバーキャップ(15)は、ハウジング(10)の開口部を遮蔽した状態において、
開口部の前方に重ねられるように結合されると共に、
本体の前方に相互備えられた固定突起(16)と固定ホール(11)とを結合させるようになっている、自動車用エアダンパー。
【請求項3】
前記カバーキャップ(15)は、外周面に突出面(17)を備えており、
前記ハウジング(10)の開口部には、前記突出面(17)が嵌まる位置固定溝(12)を備えてなる、請求項2に記載の自動車用エアダンパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用エアダンパーに関し、より詳細には、ハウジングの開口部に両側に分割されたカバーキャップが一体に射出成形され、ピストンの組み立て後に前記カバーキャップを相互結合し、開口部を遮蔽しながらピストンロッドを支持することによって、部品の数を減少させながら組み立て及び作業時間を短縮させ得るようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、グローブボックスは、図1に示すように、パネル1と蓋体2に一方向性のエアダンパー50を連結し、蓋体2の開放時にはゆっくりなめらかに動作させ、閉鎖時には比較的迅速に動作させることによって開閉感を向上させるように装着される。
【0003】
前記エアダンパー50は、図2に示すように、ピストン20の一端がハウジング10に挿入され、他端がキャップ4によって閉塞されるようにし、ピストンロッド21がキャップ4を貫通してハウジング10の外部に突出している。
【0004】
このとき、ピストンにはO―リング30が設置され、このO―リング30がピストン20の外側周囲に嵌め合わされてハウジング10の内径面に接触することによって、ピストン20の移動時にハウジング10の両側に空気室が区画されるように構成することが一般的である。
【0005】
しかし、前記のように、従来のエアダンパーは、ハウジングにピストンを挿入した後、ピストンロッドが貫通するキャップがハウジングの端部に結束されるように構成されていた。
【0006】
したがって、エアダンパーを組み立てる工程及び時間が増加し、生産性が低下するという問題があった。
【0007】
また、ハウジングの一端部に固定ホールを形成し、これに対応する固定突起が形成されたキャップをハウジングに結合する過程で結束位置が食い違った状態で組み立てられるおそれがあり、不良率が増加するという弊端があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような従来のハウジングとキャップとの誤組立及び生産性の減少に対する問題を勘案してなされたもので、その目的は、ハウジングの開口部に、分割されたカバーキャップを本体と一体に射出成形し、ピストンの挿入後、カバーキャップを相互結束するように組み立てることによって生産性を向上させるようにした自動車用エアダンパーを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、ピストンロッドを取り囲みながら両側に分割されたカバーキャップを堅固に結束することによって、製品の性能を向上させた自動車用エアダンパーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記の目的を達成するために、ピストン20がハウジング10に挿入され、ピストンロッド21にキャップ4が貫通するように嵌められながら、ハウジング10の開口部が遮蔽されるように組み立てたエアダンパー50において;前記ハウジング10の開口部に本体と一体に射出成形されたカバーキャップ15が、ハウジング10とヒンジ部14で連結された状態で両側に分割形成され、挿入されたピストンロッド21を取り囲むように組み立てられることによって達成される。
【0011】
そして、前記カバーキャップ15は、ハウジング10の内径と面接触するように挿入され、カバーキャップ15の両端部に固定突起16を形成し、この固定突起16は、ハウジング10に備えられた固定ホール11に嵌められて結束される。
【0012】
また、前記カバーキャップ15は、両側に分割形成され、開口部の前方に重ねられるように組み立てられながら、本体の前方に相互備えられた固定突起16と固定ホール11とを結合して組み立て、カバーキャップ15の外周面に突出面17を形成し、ハウジング10の開口部に位置固定溝12を成形することによって、突出面17が位置固定溝12に嵌められて組み立てられるように構成される。
【発明の効果】
【0013】
このような構造からなる本発明によると、ハウジングにピストンを挿入し、ピストンロッドを支持するカバーキャップを迅速に結合することができ、組み立て工程及び時間を短縮させ、生産性を向上させることができる。
【0014】
また、円状のハウジングに嵌められるピストンロッドの位置を一定にして組み立てることによって誤組立を防止し、製品の構造を単純化しながら部品の数を節減することによって、製品競争力が増大し得る非常に有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】従来のエアダンパーの使用状態図である。
図2】従来のエアダンパーの分解斜視図である。
図3図3aは本発明が適用されたエアダンパーの斜視図であり、図3bは本発明が適用されたエアダンパーの斜視図である。
図4】本発明の構成であるハウジングの組立平面図である。
図5図5aは本発明の他の実施例を示した斜視図であり、図5bは本発明の他の実施例を示した斜視図である。
図6図6aは本発明の他の実施例の組立平面図であり、図6bは本発明の他の実施例の組立平面図であり、図6cは本発明の他の実施例の組立平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、添付の図面と関連して前記の目的を達成するための本発明の構成と作動例を説明する。
【0017】
本発明の自動車用エアダンパーは、ハウジングの開口部に両側に分割されたカバーキャップが一体に射出成形され、ピストンの組み立て後に前記カバーキャップを相互結合し、開口部を遮蔽しながらピストンロッドを支持することによって、部品の数を減少させながら組み立て及び作業時間を短縮させ得るようにしたものである。
【0018】
まず、本明細書で使用する大略的な方向を図3a及び図3bを基準にして説明すると、ハウジング10の内部にピストン20が挿入され、空気室が区画されるようにし、ハウジング10の開口部には、両端部にカバーキャップ15が分割成形され、このカバーキャップ15を用いてピストンロッド21を取り囲みながら開口部を閉鎖させるようになる。
【0019】
このとき、ピストン20にはO―リング30が設置され、このO―リング30がピストン20の外側周囲に嵌め合わされてハウジング10の内径面に接触移動することによって、ピストン20の移動時にハウジング10の両側に空気室が区画される。
【0020】
そして、前記ハウジング10と一体に射出成形されたカバーキャップ15は、開口部において両端にヒンジ部14で連結された状態で分割形成し、開放状態及び閉鎖状態で自由に回転できるようにする。
【0021】
また、分割されたカバーキャップ15を結合して開口部を閉鎖した状態では、中央部にピストンロッド21が貫通するようにし、カバーキャップ15は、ハウジング10の内径に本体が面接触しながら支持されるように一定の幅を有して成形される。
【0022】
また、前記カバーキャップ15の本体には、ハウジング10の一端に形成された固定ホール11に嵌められる固定突起16が形成され、ピストン20の挿入後に開口部の閉鎖状態を固定させるようにした。
【0023】
このように、前記ハウジング10の開口部に一体に形成されたカバーキャップ15は、図4に示すように、ハウジング10の内部にピストンが挿入され、ピストンロッド21が外部に突出した状態で両端の分割されたカバーキャップ15を中心部に回転させ、ピストンロッド21を取り囲みながら固定突起16が固定ホール11に嵌められて結束されるようにした。
【0024】
そして、本発明の他の実施例では、図5a及び図5bに示すように、分割形成されたカバーキャップ15の開口部の前方に重ねられるように組み立てられながら、本体の前方に相互備えられた固定突起16と固定ホール11とを結合して組み立てることもできる。
【0025】
すなわち、ハウジング10とカバーキャップ15がヒンジ部14で連結されて開放・閉鎖状態で容易に回動しながら、開口部の前方に分割されたカバーキャップ15が重ねられながら結束されるようにした。
【0026】
このような構成を有するカバーキャップ15は、中央にピストンロッド21の本体を取り囲みながら、その垂直線上の外側でカバーキャップ15が重ねられるように組み立てられ、前記の重ねられる面に固定突起16と固定ホール11とが互いに対応して形成されることによって達成される。
【0027】
また、カバーキャップ15の外周面に突出面17を形成し、ハウジング10の開口部に位置固定溝12を成形することによって、分割されたカバーキャップ15の突出面17が位置固定溝12にそれぞれ嵌められて組み立てられるように構成される。
【0028】
したがって、前記カバーキャップ15の組み立て順序は、図6aないし図6cに示すように、固定突起16が形成されたカバーキャップ15がヒンジ部14を中心に開口部の中央に回転し、このカバーキャップ15に形成された突出面17が位置固定溝12に嵌められる。
【0029】
そして、固定ホール11が形成された他のカバーキャップ15を中央部に回転させ、固定突起16が固定ホール11に重ねられながら嵌められるようになり、このカバーキャップ15の突出面17もハウジング10の位置固定溝12に嵌められて開口部を遮蔽させるようにした。
【0030】
以上説明した本発明は、上述した実施例及び図面によって限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で多様な置換、変形及び変更が可能であることは、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者にとって明白であろう。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5a
図5b
図6a
図6b
図6c