特許第6073243号(P6073243)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073243
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】電線
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/00 20060101AFI20170123BHJP
   H01B 11/02 20060101ALI20170123BHJP
   H01B 11/18 20060101ALI20170123BHJP
   H01B 13/016 20060101ALI20170123BHJP
   H01B 13/02 20060101ALI20170123BHJP
   H01P 3/06 20060101ALI20170123BHJP
   H01P 5/02 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
   H01B7/00
   H01B11/02
   H01B11/18 Z
   H01B13/016
   H01B13/02 Z
   H01P3/06
   H01P5/02 605A
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-546648(P2013-546648)
(86)(22)【出願日】2011年12月8日
(65)【公表番号】特表2014-505973(P2014-505973A)
(43)【公表日】2014年3月6日
(86)【国際出願番号】EP2011072154
(87)【国際公開番号】WO2012089481
(87)【国際公開日】20120705
【審査請求日】2013年6月28日
【審判番号】不服2015-9056(P2015-9056/J1)
【審判請求日】2015年5月15日
(31)【優先権主張番号】102010064361.0
(32)【優先日】2010年12月30日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ズィーモン クラーマー
(72)【発明者】
【氏名】イェンス フラウエンシュレーガー
(72)【発明者】
【氏名】ヤムシィット ショクロラヒ
(72)【発明者】
【氏名】ゲアハート コットシュラーク
【合議体】
【審判長】 飯田 清司
【審判官】 鈴木 匡明
【審判官】 小田 浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−164944(JP,A)
【文献】 特開2004−311334(JP,A)
【文献】 特開平10−092233(JP,A)
【文献】 特開2002−109971(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 7/00
H01B 11/02〜18
H01B 13/016
H01B 13/02〜04
H01P 3/02〜3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のインピーダンス(Z1)及び所定の第1の長さ(L1)を有する第1の区間(125)と、前記第1の区間(125)と接している、第2のインピーダンス(Z2)及び所定の第2の長さ(L2)を有する第2の区間(130)と、を備えている、二つの電気的な機器を接続するための電線(110,400)において、
前記電線(110,400)に沿って延在する二つの導体(403,405)が設けられており、
相互に接している区間(125,130)のインピーダンスは異なっており、
該相互に接している区間(125,130)の領域においてはインピーダンス移行部(135)が存在し、
前記第1の区間(125)には、前記導体(403,405)の周囲に、空気である第1の誘電体が設けられており、
前記第2の区間(130)には、前記導体(403,405)の周囲に、第2の誘電体が設けられており、前記第2の誘電体は、前記第1の誘電体とは異なる誘電率を有しており、
前記インピーダンス移行部(135)は、前記第1の区間(125)が前記第2の区間(130)に接している前記電線(110,400)の個所に形成され、
前記導体(403,405)は、相互に撚られている、
電線(110,400)。
【請求項2】
所定の長さを備えた一つ又は複数の別の区間が設けられており、相互に接している区間(125,130)は一つ置きに異なるインピーダンス(Z1,Z2)を有している、
請求項1に記載の電線(110,400)。
【請求項3】
前記電線(110,400)に沿って、対になって相互に接している複数の区間(125,130)は、交互に異なるインピーダンス(Z1,Z2)を有する、
請求項2に記載の電線(110,400)。
【請求項4】
前記第2の誘電体(460)は、誘電率の高い粒子(470)を含んでいる、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電線(110,400)。
【請求項5】
電線(110,400)に沿って延在する二つの導体(403,405)を準備するステップ(505)と、
誘電率の異なる第1および第2の誘電体を準備するステップ(510)と、
所定の長さ(L1,L2)の相互に接している区間(125,130)が異なるインピーダンスを有するように、前記電線(110,400)に沿った所定の区間(125,130)において、前記第1および第2の誘電体を前記導体(403,405)の周囲にそれぞれ設けるステップ(515)と、
を備えており、
前記第1の誘電体は、空気であり、
前記相互に接している区間(125,130)の領域においてはインピーダンス移行部(135)が存在し、
前記インピーダンス移行部(135)は、前記第1の区間(125)が前記第2の区間(130)に接している前記電線(110,400)の個所に形成され
二つの導体(403,405)を相互に撚り、
前記第2の誘電体を前記導体(403,405)が撚られた後に初めて設ける、
電線(110,400)を製造するための方法(500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の特徴部分に記載の構成を備えている電線に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車技術、建築技術、システムエンジニアリングにおける電気的な機器の複雑な配線では、複数の電線が狭い空間に敷設されることが多い。配線が変更され、即ち、既存の機器が電線を介して異なるやり方で相互に接続され、新たな機器が追加されるか、又は、既存の機器が取り外される場合には、適切な接続を確立するためには、電線の個別の識別が必要とされることが多い。
【0003】
識別は例えば、電線の被覆部に設けられているマーキングに基づき行なうことができる。このマーキングに関しては、ラベル及びカラーコーディングが一般的である。電流回路を電線によって形成することによって、電線を電気的に識別することも可能である。一つの実施の形態では、電線の一方の端部において信号発生器が電線の二つの導体と接続されており、電線の他方の端部において信号受信器が電線と接続されている。信号発生器によって形成された信号は直流電圧又は低周波数、有利には可聴領域にある低周波数を有することができる。信号が信号受信器に到達すると、電線がその二つの端部間において識別される。電線の種々の端部の接続は、大規模の配線又はアクセスが容易ではない配線の場合、著しい手間を意味していると考えられる。更に識別の間は、通常の場合、その配線における機器に対して電線を使用することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って本発明の課題は、識別を改善することができる電線を提供することである。本発明の別の課題は、電線の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、それらの課題は、請求項1の特徴部分に記載されている構成を備えている電線及び請求項9に記載の方法ステップを備えている方法によって解決される。
【0006】
従属請求項には有利な実施の形態が記載されている。
【発明の効果】
【0007】
二つの電気的な機器を接続するための電線は、第1のインピーダンス及び第1の長さを有している第1の区間と、第2のインピーダンス及び第2の長さを有している第2の区間とを含んでいる。第1の区間は第2の区間と接しており、且つ、相互に接している区間のインピーダンスは異なっているので、相互に接している区間の領域においてはインピーダンスが変化する。
【0008】
インピーダンス変化の位置を、例えば時間領域反射を用いて測定技術的に検出することができる。それにより、線路の全長及び二つの区間の長さを特定することができる。特定された長さが探すべき線路の所定の長さと一致すると、線路が発見されている。
【0009】
有利には、電線は幾つかの実施の形態において、前述の識別中に二つの電気的な機器を接続するために動作状態に維持される。更に、識別を迅速に実施することができ、また、通常の場合は、電線の端部の内の一方へのアクセスしか必要とされない。線路がインピーダンス変化の位置を用いて個別にコーディングされており、且つ、所定の周辺環境に十分に固く接続されている場合には、その接続部に接続されている機器が所定の周辺環境内に存在するか否かについて機器を検査することができる。従って、機器の機能もしくは利用を、電気的な接続部の前述の構成によって周辺環境に関連付けることができる。
【0010】
電線は更に、所定の長さを備えた一つ又は複数の別の区間を有することができ、その際に、相互に接している区間は一つ置きに異なるインピーダンスを有している。これによって、接続部の識別の信頼性を向上させることができる。更に、分岐路を有している電線を識別することも可能である。電線の識別を任意の端部において実施することができる。
【0011】
二つより多くの区間が設けられている場合には、対になって相互に接している区間は線路に沿って交互に異なるインピーダンスを有することができる。確かに、時間領域反射を用いて、パルス強度を比較することによって、インピーダンス変化の程度を特定することができるが、しかしながら、電線の識別を複数の種々のインピーダンス変化に基づいて実施する必要はない。むしろ、電線に沿った交番的な二つの異なるインピーダンスを使用できれば十分であり、このことは線路の製造の簡略化を実現し、またそれによる製造コストの削減にも有用であると考えられる。
【0012】
電線は、その線路に沿って延在する二つの導体を含むことができ、その場合に、それらの導体の間には誘電体が配置されており、また線路の相互に接している区間の誘電体は異なる誘電率を有している。これによって、導体自体を変更する必要無く、異なるインピーダンスを電線の隣接する区間に生じさせることが可能である。これによって、既知の電線を基礎とする電線の製造を簡略化することができる。
【0013】
誘電体の内の一つは誘電率の高い粒子を含むことができる。この誘電性の粒子によって、誘電体の誘電定数を変更することができ、それによって誘電体の領域における線路のインピーダンスを粒子の混合によって所期のように制御することができる。
【0014】
二つの区間に沿って、異なる誘電率の二つの媒体を異なる比率で相互に混合することができるので、混合比を介して、それらの区間に沿った誘電定数に影響を及ぼすことができる。
【0015】
一つの実施の形態においては、導体が相互に同軸に延在している。これによってそれらの導体間の誘電体に容易に影響を及ぼすことができるが、しかしながら、誘電体を電線の製造後に変更することはほぼ不可能である。これによって、相応の同軸の線路を内在的にコピー又は不正操作から保護することができる。
【0016】
第2の実施の形態においては、導体が相互に撚られている。撚られた電気的な導体を廉価に製造することができ、またその種の導体は多くの用途にとって十分な信号伝送特性を有している。電線の製造中又は製造後に、導体の領域に誘電体を設けることができる。従って、電線の識別の可能性を、電線の敷設前、敷設中又は敷設後に適合ないし変更することができる。
【0017】
有利には、相互に接している区間の領域は電線の直径よりも短い。これによって、一義的な測定を実現するために、相互に接している区間の間のインピーダンス変化部において反射されたパルスの側縁が十分に急峻であることを保証できる。これによって電線の識別可能性を向上させることができる。
【0018】
電線を製造するための方法は、線路に沿って延在する二つの導体を準備するステップと、誘電率の異なる複数の誘電体を準備するステップと、所定の長さの相互に接している区間が異なるインピーダンスを有するように、線路に沿った所定の区間において誘電体を導体間にそれぞれ設けるステップとを備えている。
【0019】
このようにして、上述の電線を廉価に製造することができる。ここで、本方法は、製造された電線の多数のバリエーションを製造するには十分にフレキシブルなものであるので、製造された電線の個別の識別を保証することができる。一つの実施の形態においては、二つの異なる誘電体しか使用されず、それら二つの誘電体の内の一方は、いずれにせよ存在する周辺物質、例えば空気である。これによって製造を簡略化することができ、また製造コストを削減することができる。
【0020】
一つの実施の形態においては、二つの導体が相互に同軸に延在しており、且つ、導体の内の一方が他方の導体によって包囲される前又は包囲される間に、誘電体が導体間に収容される。上記において既に示唆したように、このようにして、偽造及び不正操作に対して内在的に保護されている、識別可能な同軸の電線を製造することができる。
【0021】
別の実施の形態においては、二つの導体が相互に撚られており、また誘電体の内の少なくとも一つは導体が撚られた後に初めて設けられる。従って、撚られた導体を備えている線路の製造装置を、前述の電線を製造できるようにするために、コストを掛けて適合させる必要はない。
【0022】
以下では、添付の図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】複数の機器の配線を示す。
図2図1に示した配線のための同軸ケーブルの断面図を示す。
図3図2に示した同軸ケーブルの側面図を示す。
図4図1に示した配線のためのツイストペアケーブルの側面図を示す。
図5図3又は図4に示したケーブルを製造するための方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1には、自動車105に搭載されており、また、電線110を用いて相互に接続されている複数の機器の配線100が示されている。この図1は原理図であって、下記において詳細に説明する電線110は自動車105内の使用に限定されるものではない。むしろ、電線110を基本的には任意の電気的な配線において使用することができる。
【0025】
一つの実施の形態において、電線110の目的は、その電線を電気的に識別できることを線路の周辺環境に拡張させることである。これに関して、電線は有利には、電線の交換ないし細工が非常に煩雑であるように周辺環境と機械的に接続されている。例えば、電線110を自動車105におけるワイヤハーネス内に配置することができる。別の一つの実施の形態においては、電線110をビルトインケーブルとして建物の内部に敷設することができるか、又は、三和土内に敷設することができる。
【0026】
図1に示されている二つの機器115,120は任意の電気的な機器であって良い。図示されている実施の形態においては、電線110の識別が第1の機器115側において実施されることを前提とする。そのため、第2の電気機器120を省略することも可能である。択一的な実施の形態においては、識別を第2の電気的な機器120又は、電線110と接続されている別の機器によっても実施することができる。別の機器としては例えば、機器115,120の内の一つに付加的に、又はその機器と交換されて線路110と電気的に接続されているサービス機器又は診断機器が考えられる。
【0027】
電線110は第1の区間125及び第2の区間130を有している。第1の区間125は長さL1及びインピーダンスZ1を有しており、また、第1の機器115から第2の区間130まで案内されている。第2の区間130は長さL2及びインピーダンスZ2を有しており、また、第1の区間125から第2の電気的な機器120まで案内されている。インピーダンス移行部135は、線路110において第1の区間125が第2の区間130と接している個所に形成されている。
【0028】
電線110の識別のために、第1の機器115は信号発生器140及びサンプリング装置14を有しており、それらはいずれも第1の区間125における電線110の同一の端部に接続されている。線路110の識別のために、特に、第1の区間125の長さ、第2の区間130の長さが第1の機器115によって特定される。代替的な実施の形態においては、第1の電気的な機器115が電気的な線路110の別の個所とも接続されており、この接続は有利にはインピーダンス移行部135からの所定の間隔を空けて行なわれる。
【0029】
電気的な接続部110の識別は以下のように行なわれる:
信号発生器140を用いて第1の電気的なパルスが形成され、電線100の端部に供給される。サンプリング装置145はこの第1のパルスを検出することができる。第1のパルスは第1の区間125を通って右側に向って伝播し、インピーダンス移行部135において部分的に反射される。第1のパルスの反射された部分は第2のパルスを形成し、この第2のパルスは逆方向の左側に向って第1の区間125を通って伝播し、サンプリング装置145によって時点及び振幅を特定することができる。パルス移行部135において反射されなかった第1のパルスの部分は第3のパルスを形成し、この第3のパルスは右側に向って第2の区間130に沿って伝播する。第2の区間130の端部においては、パルスが第2の機器120において同様に部分的に反射され、第4のパルスを形成する。第2の区間130の端部と第2の機器120との間の反射を改善するために、この領域において別のインピーダンス移行部を確立することは有利であると考えられる。例えば、電気的な機器120を電線110から隔てることが考えられるか、又は、電線110の複数の導体を第2の電気機器120において相互に接続することが考えられる。第4のパルスは第2の区間130を通って左側に向ってインピーダンス移行部135まで伝播し、そのインピーダンス移行部135において再度部分的に反射される。第4のパルスの反射されない部分は第5のパルスを形成し、この第5のパルスは第1の区間125を通って左側に向って第1の機器115まで伝播し、そこにおいてサンプリング装置145によって時点及び振幅を検出することができる。
【0030】
第1のパルスと、サンプリング装置145においてサンプリングされた他のパルスとの時間間隔から、電線110に沿った信号伝播速度の知識の下で、第1の区間125の長さ及び電線110の長さが特定される。減算によってそれらの長さから第2の区間130の長さを特定することができる。
【0031】
電線110は、区間125の長さL1及び区間130の長さL2がその線路110にとって特徴的であるように構成されている。それぞれが所定の長さを有している、区間125の長さL1と区間130の長さL2とが一致する場合、電線110は識別されている。電線110が分離不可能に自動車105と接続されているか、もしくは別の周辺環境と接続されている場合には、このようにして機器115によって、機器115が所定の自動車105に搭載されているか否かを特定することができる。この特定から、電気的な機器115の動作方式もしくは動作状態を導出することができる。例えば、所定のものではない自動車105に搭載されている機器115の動作を拒否することができる。
【0032】
電線110の区間125及び130の長さの上記のような特定を、接続部110の相互に接している区間125,130の任意の数及び配置構成に一般化することができる。その場合、個々の区間の間の分岐、それどころかループは既述の識別の障害にはならない。勿論、電線110のどの個所に第1の機器115が接続されているかに応じて、電気的な接続部110の区間125,130の特定される長さは異なっているか、又は、それらの区間は異なる配置構成にある。
【0033】
図2には、図1に示した電線110に対応する同軸ケーブル200の断面図を示す。同軸ケーブル200は内側導体205を含み、この内側導体205は内側絶縁素子210によって半径方向において包囲されている。内側絶縁素子210からは外側絶縁素子220まで半径方向に複数のウェブ215が延びている。ウェブ215と絶縁素子210,220との間には空所が形成されている。外側絶縁素子220は半径方向において外側導体230によって包囲されており、この外側導体230自体は保護ジャケット235によって包囲されている。
【0034】
空所225は公知の同軸ケーブル(例えばAirCom Plus)では空気又は他の気体が充填されている。空所225に収容される媒体は、線路205と線路230との間に配置されており、且つ、その誘電率を介して同軸ケーブル200のインピーダンスに影響を及ぼす誘電体として作用する。同軸ケーブルの軸方向の区間において、空気もしくは他の気体とは異なる誘電率を有している材料が空所225に充填されると、同軸ケーブル200はその区間では変更されたインピーダンスを有している。従って、同軸ケーブル200の隣接する軸方向の区間へのインピーダンス移行部が生じる。択一的に、例えばケーブルの誘電体を形成する断熱発泡体における発泡剤濃度を変化させることによって、複数の区間において異なる媒体の百分率を種々の高さにすることができる。
【0035】
図3には、図2に示した同軸ケーブル200の側面図が示されている。軸方向において同軸ケーブル200が複数の区間310−370に分割されている。ここで、それぞれが対になって区間310−340の間に位置している区間350−370においては、誘電体が空所225に充填されており、その誘電体の誘電率は区間310−340の空所225における誘電体の誘電率とは異なっている。従って、同軸ケーブル200の軸方向の延長部に沿って、インピーダンス移行部がそれぞれ相互に接している二つの区間310−370の間に生じる。
【0036】
同軸ケーブル200を製造の範囲において、規則的又は不規則な間隔を置いて空所225に種々の誘電体を充填することができる。第1の誘電体には空気又は絶縁発泡体を含ませ、その一方で第2の誘電体には、例えばセラミックから成る誘電率の高い粒子が混合されている物質を含ませることができる。
【0037】
図4には、図1に示した電線110に対応するツイストペアケーブル400の側面図が示されている。図2に応じて、ツイストペアケーブル400は機器115と別の機器120との間に接続されている。ツイストペアケーブル400は相互に撚られた二つの導体403,405を含んでおり、また、複数の区間410−450に分割されている。区間440及び450はそれぞれ対になって区間410−430の間に設けられている。
【0038】
区間440及び450においては、ツイストペアケーブル400が、誘電率の高い粒子470が混合されている物質460によって包囲されている。有利には、物質460はプラスチック又は接着剤、例えば熱接着剤もしくは、例えばポリエステルベース、アクリルベース又はエポキシベースの2成分接着剤である。
【0039】
択一的な実施の形態においては、物質460も例えば固定クランプによって形成することができ、それらの固定クランプによってツイストペアケーブル400自体をクランプすることができる、及び/又は、ツイストペアケーブル400をその周辺環境に固定することができる。
【0040】
区間440及び450においては、誘電体のような粒子470を有する物質460が作用するので、ツイストペアケーブル400のインピーダンスはそれらの区間において他の区間410−430とは異なっている。隣接する区間410−450の間の移行部にはインピーダンス移行部が存在し、それらの移行部においてはツイストペアケーブル400を伝播するパルスが部分的に反射される。
【0041】
図5には、図3又は図4に示したケーブル300又は400に対応する電線110を製造するための方法500のフローチャートが示されている。
【0042】
第1のステップ505においては、後に線路110,200又は400に沿って延在すべき導体が準備される。同軸ケーブル200の場合には、導体は内側導体205及び外側導体230を含んでいる。ツイストペアケーブル400の場合には、導体403及び405を含んでいる。電線110は二つより多くの導体205,230,403,405を含むこともでき、それらの導体はステップ505において準備され、続いて電線110,200,400において組み立てられる。
【0043】
後続のステップ510においては、誘電率の異なる複数の誘電体が準備される。一つの実施の形態においては、異なる誘電体が二つだけ使用され、それらの誘電体の内の一方が、準備された導体205,230,403,405の領域にいずれにせよ存在している媒体を含んでいる。特に、その媒体は空気、絶縁発泡体、プラスチック又はプラスチックと空気の所定の配置構成を含むことができる。別の一つの実施の形態においては、同一の物質460に誘電率の高い粒子470を異なる割合で混合することによって、種々の複数の誘電体が準備される。異なる粒子470を使用することもできる。
【0044】
後続のステップ515においては、誘電体が線路110に沿った所定の区間125,130,310−370,410−450において、所定の長さL1,L2の相互に接している区間125,130,310−370,410−450が異なるインピーダンスZ1,Z2を有するように、導体205,230,403,405の間にそれぞれ設けられる。一つの実施の形態においては、区間125,130,310−370,410−450の長さL1,L2をランダム制御することができる。
【0045】
以上で方法550は終了する。工業的な基準での電線110,200,400の製造時に、通常の場合は、非常に長い、又はそれどころかもはや制限されていない長さの電線110が生産され、その線路110が方法500の後続のステップにおいて適切な長さに切断され、必要に応じて端部に電気的なコンタクトが設けられる。
図1
図2
図3
図4
図5