特許第6073251号(P6073251)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6073251グロブラリアの植物由来の抽出物の新規の使用及びインビトロの植物培養によって前記抽出物を得る方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073251
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】グロブラリアの植物由来の抽出物の新規の使用及びインビトロの植物培養によって前記抽出物を得る方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/97 20170101AFI20170123BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20170123BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20170123BHJP
   A61Q 7/00 20060101ALI20170123BHJP
   C12P 1/00 20060101ALI20170123BHJP
   C12N 5/10 20060101ALN20170123BHJP
【FI】
   A61K8/97
   A61Q19/00
   A61Q19/08
   A61Q7/00
   C12P1/00 Z
   !C12N5/10
【請求項の数】4
【全頁数】46
(21)【出願番号】特願2013-550999(P2013-550999)
(86)(22)【出願日】2012年1月30日
(65)【公表番号】特表2014-505070(P2014-505070A)
(43)【公表日】2014年2月27日
(86)【国際出願番号】IB2012050424
(87)【国際公開番号】WO2012104774
(87)【国際公開日】20120809
【審査請求日】2014年11月17日
(31)【優先権主張番号】1150739
(32)【優先日】2011年1月31日
(33)【優先権主張国】FR
(31)【優先権主張番号】61/495,020
(32)【優先日】2011年6月9日
(33)【優先権主張国】US
【微生物の受託番号】DSMZ  DSM25009
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503432445
【氏名又は名称】セダーマ
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(72)【発明者】
【氏名】フルニアル,アルノー
(72)【発明者】
【氏名】グリゾ,クレール−マリー
(72)【発明者】
【氏名】モンドン,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ル モワニュ,カロリーヌ
【審査官】 池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−202137(JP,A)
【文献】 特開2009−234976(JP,A)
【文献】 特開平11−106336(JP,A)
【文献】 特開2002−145731(JP,A)
【文献】 HASAN KIRMIZIBEKMEZ,PHENOLIC COMPOUNDS FROM GLOBULARIA CORDIFOLIA,TURK J CHEM [ONLINE],2004年,V28,P455-460,URL,http://journals.tubitak.gov.tr/chem/issues/kim-04-28-4/kim-28-4-7-0311-16.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
C12P 1/00− 1/06
C12N 5/00− 5/28
A61K 36/00−36/9068
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
未分化植物細胞株からグロブラリアコルディフォリア植物の抽出物を得る方法であって、前記抽出物はインビトロ培養された未分化細胞の抽出物であり、
前記方法は、
バイオマスを増加させる前培養工程、
誘発期が後に続く増殖期を含む、バイオリアクターにおける培養工程、および
前記抽出物の回収工程、を含み、
前記バイオリアクターの工程における前記誘発期は、ショ糖および多量養素の欠損培地上で達成され、前記抽出物の前記回収工程は、酸性pHの細胞溶解を含む。
【請求項2】
前記細胞株は植物の葉から得られる、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記細胞株は番号DSM25009として寄託されている、請求項またはに記載の方法。
【請求項4】
DSM25009として寄託されており、請求項のいずれか1項に記載の方法に用いる、グロブラリアコルディフォリアの細胞株。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、グロブラリア(Globularia)の植物由来の抽出物の新規使用であり、インビトロの植物培養によって前記抽出物を得る好ましい方法である。
【0002】
本発明は、動物またはヒトの哺乳動物の皮膚、頭皮、粘膜および付属器(appendages)(例えば、髪、まつ毛、眉毛、爪もしくは体毛)の不調の治療または予防用の植物由来の抽出物を製造し、および/または使用する、一般的な化粧品産業に関する。
【0003】
本発明では、「植物由来の抽出物」とは、植物から直接得ることができる抽出物または植物の細胞や組織の培養によって得ることができる抽出物を意味する。
【背景技術】
【0004】
化粧品では、皮膚、毛髪、爪の全般的な状態の改善用の方法が数多くある。これらの方法は、皮膚のトーン(tone)、水和、色素沈着もしくは色素脱着の改善または回復、例えばUV照射もしくは寒さのような外部からの攻撃に対する防御、過敏、発赤、にきびの鎮静、微小浮腫(micro−oedema)(例えば目の下のたるみ)の減少、目の下のくま、例えば皺、小じわ(fine lines)、色素沈着等の加齢の兆候の減少、柔軟さおよび弾力の回復、脱毛の治療、脂肪組織への作用、体積、密度の増加、肌理の回復等を含む。
【0005】
長年にわたり世界中で、植物界は、特に医薬品および化粧品分野において生物学的に活性な物質の、豊富でそして広く用いられている供給源である。
【0006】
グロブラリア属はオオバコ(Plantaginaceae)科、グロブラリア(Globularioideae)亜科に属し、数種類の種を含んでおり、以下の公知の植物を含む:グロブラリアアリピューム(Globularia alypum)、グロブラリアビスナガリア(Globularia bisnagarica)、グロブラリアコルディフォリア(Globularia cordifolia)、グロブラリアヌディカウリス(Globularia nudicaulis)、グロブラリアウルガリス(Globularia vulgaris)、グロブラリアグラキリス(Globularia gracilis)、グロブラリアレペンス(Globularia repens)、およびグロブラリアヴァレンティナ(Globularia valentina)。
【0007】
これらは小さな植物であり、単純な葉を有し、その代わりに花は丸い花冠を有しており、亜熱帯から温帯地方に生息する。これらは、主としてヨーロッパおよび北アフリカで観察される。
【0008】
EP0006059では、グロブラリアアリピュームおよびグロブラリアウルガリスの抽出方法を開示している。EP0006059によると、植物全体、茎、または葉を、極性の異なる2種類の抽出溶媒で処理している。この方法によって得られた抽出物は、人間および動物の治療、特にブルセラ症の治療に有用である。
【0009】
特殊なフラボン、フラボノイド、イリドイドおよびフェノール化合物が、グロブラリア属、特にグロブラリアコルディフォリア種で特定されている(「高等植物への系統発生マーカー(phyletic marker)としての6−ヒドロキシルテオリン(6―Hydroxyluteolin)およびスキュテラレイン(Scutellarein)」、journal Phytochemistry、vol.10、no.2、1971−02、p.367−378;「グロブラリフォリン(Globularifolin)、グロブラリアコルディフォリアから得られた新規アシルイリドイドグルコキシド」、Helvetica Chimica Acta、vol.63、no.1、1980−01−23、p.117-120;「グロブラリアコルディフォリアから得られたフェノール類化合物」、Turk J Chem、vol.28、2004、p.455−460;「グロブラリアコルディフォリアから得られたイリドイドおよびビスイリドイドグリコシド」、Journal of biosciences、vol、58C.、2003、p.337−341)。
【発明の概要】
【0010】
本発明の目的は、新規の活性成分を常に求める化粧品産業用の、植物由来の新規抽出物を提供することである。
【0011】
この目的のために、本発明は、皮膚および/または付属器の非治療的な美容処理のための、グロブラリア属の植物由来の抽出物の使用を提案する。
【0012】
皮膚は、UV、電磁波、オキシダント、汚染物質、生物学的因子等の多くの外部ストレスに晒される。これらのストレスは、他の有害作用に加えて、表皮細胞またはその周辺部内に、ほぼ慢性的なミクロ炎症性現象(micro-inflammatory phenomena)および有毒生成物の形成を引き起こす。
【0013】
これらの生成物の中には、外部刺激への過反応性に関連のある表皮神経終末の局所的な過密化(a local over-densification)を引き起こす前炎症性メディエーター(pre-inflammatory mediator)およびある種の成長因子が含まれる。その結果、これらの刺激に対する皮膚の許容限界が低くなる。皮膚は非常に敏感になり、不快感を生じ、さらに多くの場合には一過性の発赤を発生させる。
【0014】
さらに、皮膚は、様々な原因から生じた、タンパク質、炭水化物および変質脂質で構成されたデブリス(debris)を徐々に蓄積する。これらの成分(カルボニル化タンパク質、脂質パーオキサイドおよびリポフスチン等)もまた、生理機能および細胞のホメオスタシス(homeostasis)を破壊し、脆弱な代謝バランスを変化させる毒素として作用するだろう。
【0015】
時間とともに、これらの成分は、ミトコンドリア呼吸(mitochondrial respiration)、膜統合性(membrane integrity)、酵素の活性、および例えばプロテアソーム(proteasome)等の解毒機能を変化させる。これらの変化が原因となって、例えば幹細胞のような特定の細胞の挙動が変化する可能性がある。事実、幹細胞のような特定の細胞は、その変化により特質および前駆細胞の表現型(progenitor phenotype)の弱化(細胞サイズの増大、多能性(multipliers capacity)の減少等)を導くかもしれない特殊な環境下にあるので、ケラチノサイト再生においてそれらの役目を保たせることができなくなる。
【0016】
初期段階に受ける軽度のストレスは、劣化を遅らせることができ、それゆえ皮膚の老化を遅らせることができるので、その結果、身体がその後に強いストレス(外的要素)に対処するときに役立つことが、実験データによって示されている。この現象はホルミシス(hormesis)と呼ばれる。この現象は、軽度のストレスに応じた、またはホルミシス効果(a hormetic effect)を有していると言われる物質(ホルメチンと称される分子)に応じた、解毒機構の活性化および細胞の防御性に基づいている。ホルミシスは、後に続いて起こるストレスについて、細胞、ひいては身体のより優れた順応性に貢献するので、細胞が上記した有害作用に効果的に対応できるようになる。
【0017】
従って、美容の観点から、皮膚の生理機能を改善して、そして皮膚が未来のストレス、ひいては皮膚の老化と良好に戦えるようにするためにホルミシス効果を模倣するということは、非常に興味深い。
【0018】
このホルミシス効果をより理解するために、アンチエイジングワクチンを示すことができる。しかしながら、ホルミシス効果は、長期間で効果(抗老化)が現れるのだが、外部ストレスに対する感度を低下させることによって、および皮膚により透明性および明度(もしくは光輝性)を与えることによって、短期間でも皮膚の状態を急速に改善することができる。
【0019】
(以下に述べる)一連の試験を通してグロブラリアの抽出物が特に示すのは、これらの新規で予期しえない特徴である。
【0020】
従って、以下の詳細な説明において、この抽出物は、対象技術分野において全く予期できない新規なインビボ特徴を有しており、特に皮膚のホルミシス防御の刺激のおかげで、皮膚の透明性および皮膚の反応性を増加させることを含み、肌質に、輝き、透明性、色調の純粋性および均一性、滑らかさ等の視覚的な著しい効果を与える。
【0021】
さらに、本発明のグロブラリア抽出物は真皮幹細胞(dermal stem cells)に効力を及ぼす。
【0022】
真皮幹細胞は、毛包(hair follicle)の回復、形態形成および生育に関与している。真皮幹細胞は真皮の前駆体であり、数種類の細胞タイプに分化できる能力を有しているおかげで、細胞の蓄積を維持し形成しているため、他の特性は真皮幹細胞に関連する。
【0023】
真皮幹細胞の数が増加され維持されることは、真皮内に好調なより多くの線維芽細胞、ひいてはより多くの高分子および線維(コラーゲン、エラスチン等)があることを意味する。例えば、皺や小皺の処理および張り(firmness)の処理のような、真皮の膨張に関連するすべての美容用途(cosmetic applications)が想定される。毛包の形成は真皮細胞によって引き起こされことが知られているため、他の用途は毛髪の再生の促進および/または脱毛の防止である。
【0024】
本発明が、特に適用可能であることを示す、詳細なインビトロの検討例を以下に示す。
・ホルミシスタイプの反応を介する解毒反応および細胞再生を刺激することによる、皮膚の老化の予防および/または処理;および/または
・肌色の光輝性および/または透明性の改善;および/または
・敏感肌および/または反応性肌の予防および/または処理;および/または
・発赤の予防および/または処理:および/または
・タンパク質の糖化の予防;および/または
・真皮幹細胞の数の増加および/または維持;および/または
・真皮高分子、特にコラーゲンおよびエラスチンの増加および/または維持;ならびに/または
・真皮容積の増加(真皮の再膨張(replumping))用の;ならびに/または
・小皺および皺の予防および/または処理;および/または
・皮膚の引き締め;および/または
・脱毛の予防および/または毛髪の再生の刺激。
【0025】
美白、保湿、痩身、表皮の体積の増加、にきび(acne)、抗炎症等の他の用途も可能である。
【0026】
特に化粧品では、例えば、保湿剤(moisturizer)、洗顔剤(cleanser)、クレンジング、抗老化、抗酸化剤、保護剤、回復剤(手、足、唇)、輪郭形成剤(顔、目、首、唇)、まつ毛および唇用製品を含む皮膚の手入れ用メイクアップおよび付属器用製品、ソーラープロダクト(solar products)、組織修復(remodeling)、膨張(plumping)、再形成(reshaping)、脂肪除去(lipofiling)(例えば、手、胸部、乳房上)、毛髪用製品等に適用できる。
【0027】
好ましくは、本発明は、特に興味深い結果を示した、グロブラリアコルディフォリア種を対象とする。
【0028】
グロブラリアコルディフォリア(Globularia cordifolia)(またはハートリーフグローブデイジー(heart leaf globe daisy))は、高度2000m以下に生息する高山性の小さな岩生植物である。この植物は、−30℃の気温で生き延び、不毛な白亜質土壌で繁栄する。この植物は、ヨーロッパから中央アジアの山脈に生息する。
【0029】
他の面からみると、本発明の使用のための抽出物は、好ましくはインビトロの植物培養、より好ましくは様々な植物器官から得られた細胞株もしくは組織株からの植物細胞培養または組織培養によって得られる。
【0030】
本発明は、植物全体または植物の特定の部分、より好ましくは葉から得られる抽出物の使用も含む。
【0031】
インビトロで培養される植物由来の抽出物を得る方法は、農工業方法(露地で植物栽培しその後工場で抽出)と比べると、多くの利点を示す。得られる抽出物は有毒物質(除草剤、殺虫剤、化学肥料、重金属、および例えば植物の寄生物から生じる他の混入物)を含まない。さらにインビトロ培養状態を厳格に制御することによって、品種の特性の自然発生変異リスクが減少し、目的分子に関連する二次代謝物(secondary metabolites)の物性の再現性が保証される。これに対して、露地での栽培では天候や地形が原因となる変異の問題がある。さらに、この技術により、例えば植物の自然界の生物的循環および二次代謝物生成の季節による変動のような障害を克服でき、したがってより安全で迅速な供給が可能になる。
【0032】
さらに、耕地の消耗や土壌汚染を避けることにより、環境の影響が最小限になる。さらに、インビトロ培養を始めるために1種の植物または1種の種子だけ用いるため、生物多様性(biodiversity)が維持される。最終的に、この技術を用いると、目的分子形成用の細胞代謝(培養の誘発)を誘導でき、収率を最大化するための、制御され比較的素早い手順を達成できる。
【0033】
本発明おいて、インビトロでの植物培養分野における現存の技術の中で、次の技術を用いることができる。
【0034】
(未分化細胞の培養)
この方法は、まず寒天培地上での、増殖性の高い細胞株の形成を含む。その後、これらの株は、バイオマス(biomass)を実質的に増加させるために、液体培地上で増殖される。生育周期の終期に、(適正な誘発要因を検索して)決定および最適化された環境条件で、細胞バイオマスが目的分子を合成するだろう。その後、培養を、目的分子を最大限含んだ植物由来の抽出物を得るために、最適な時間で停止し抽出する。入手可能な既存の細胞株を最初に用いることも可能である。
【0035】
(組織または器官の培養)
このタイプの培養は、根茎部分(「根茎培養(root culture)」)または大気部分(「茎培養(shoot culture)」)に関する。このタイプの方法においては、培養物は、アグロバクテリウム−リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)(根茎)またはアグロバクテリウム−ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)(茎)のゲノミクスバクテリア(genomics bacteria)によって形質転換される。形質転換された根茎または大気中の部分の培養物は、成長が早く遺伝的に非常に安定している。誘発パラメータの最適化後、これらは目的分子の合成に用いられる。これらの分子は、その後公知の処方を用いて抽出される。
【0036】
(植物の増殖、特に体細胞の胚形成を経緯したインビトロミクロ増殖)
この方法の第一工程では、(対象代謝物の成長および生成の観点から)最適な特性を有する親植物を選択する。胚形成における、次の工程は、親植物の移植片(explant)からのカルス(callus)の誘導である。これらの未分化細胞は、連続的な培養周期を介して、増殖させ拡張させることが可能な、多数の体細胞胚を生成できる。最も増殖性があり生産力がある株から、目的代謝物を最適に生成するために、実生(seedling)が適切な培地上で再生され、適切な時間に抽出される。第二工程では、そのホルモン組成物により適切な培養培地上で、親植物の移植片から葉茎部を誘導する。茎葉の増幅期の後、根が出る発根期が続く。その後、最適な培地上で成長させ目的分子を抽出するために、大規模に胚を再生させることが可能となる。
【0037】
本発明は、優先的に、未分化細胞の植物培養の第1の技術に係る製造方法を提供する。
【0038】
より具体的には、前記製造方法は、未分化植物細胞の株から
・バイオマスを増加させる前培養(pre−culture)工程と、
・増殖期およびその後の誘発期を含むバイオリアクター(bioreactor)中での培養工程と、
・前記抽出物の回収工程と、
を含む方法である。
【0039】
他の特徴は以下のとおりである。
前培養工程は、体積を増加させる前培養(pre−cultures)の完了を含んでおり、より少量の各前培養(each pre−culture)は、大量の前培養を接種するために充 分な量の細胞バイオマスを発生させる。
(バイオリアクター中での次の培養工程)
バイオリアクター中での次の培養工程は、前培養工程において形成されたバイオマスを植え付けたバイオリアクター中で行われる。ベース培地上での細胞増殖の初期段階後、二次代謝物の誘発用の培地がバイオリアクターに添加される。二次代謝物が所定のレベルに達すると培養を停止させる。本発明においては、好ましくは、このレベルを達成するために、ショ糖および多量栄養素が欠損した誘発培地が使用される。
(回収工程(または収穫工程))
回収工程(または収穫工程)は、生理学的に許容可能なあらゆる溶媒またはこれらの溶媒のあらゆる混合物を用いて、このバイオマスを抽出する工程を含む。この抽出は様々な公知の方法を用いて実施することができ、組み合わせて実施することもできる。例えば加熱、解離(maceration)、浸出(decoction)、注入(infusion)、加圧、溶出(leaching)、超音波、マイクロウエーブといった化学的または物理的な適当な方法を用いて細胞を溶解して実施できる。層分離は濾過または遠心分離によって実施できる。これらの方法の代わりに、超臨界流体または亜臨界流体を用いてバイオマスを抽出することも可能である。さらに、これらの方法の代わりに、吸着樹脂、クロマトグラフィー法や液−液分離法を用いて精留することも可能である。
好ましい実施形態によれば、細胞含有物を水に転移させるために細胞が溶解される。本発明においてより好ましくは、この溶解はpHを酸性方向に低下させて実施される。複数回濾過後、殺菌した抽出物が得られる。その後pHは、抽出物の用途によって好適に調整される。例えば以下に述べるような美容用途(a cosmetic application)ではpH4に調整される。
【0040】
本発明によれば、細胞株は現存する株または必要に応じて別に行われる予備段階で形成された株であってもよい。
【0041】
本発明によれば、細胞株を形成する工程は、1)カルス(未分化細胞のクラスター)の誘導工程と、2)最適なカルス株の選択工程と、3)細胞懸濁液への移植と、生育パラメータの最適化と、目的分子の形成(例えば、誘発)の工程と、を含む。
【0042】
より具体的には
1)カルスの誘導は、葉、実、根、芽、種、茎、枝および分裂組織、特に形成細胞(cambium)を含む植物のすべての部分を用いて行える。本発明において好ましくは、未分化細胞の培養は植物の葉から実施される。
2)最適株の選択は、液体培地へ移植する前に、本発明において実施される。最適株は特に次の特徴、高増殖能力、柔軟で砕けやすい触感、均一な色、液体培地への分散性が良好でこれらのパラメータを長期間維持できることを含む。
3)第一段階ではバイオマスの早い生育を確実にし、第二段階で対数期の終点において細胞による二次代謝物の合成を最大効率で得ることができるように、最適培地を選択し、選択した株用の液体培地上で、二次代謝物の成長および生成物の特徴を最適化する。この第二段階は培養誘発に対応し、当業者は利用可能な方法の中の様々な方法を用いて達成できる。これらの方法は、菌断片、細胞を二次代謝に導くことが知られているストレス分子(stress molecules)を培養に添加すること、温度もしくはpHの変化、または、浸透圧ストレスを培養へ適用すること、目的化合物を誘発することに加えてそれらを捕捉できる吸着樹脂を培養に加えて環境貧窮化の使用、を含む。本発明による好ましい誘発方法は、培養培地の多量要素および糖質を少なくすることである。
【0043】
さらに本発明の別の目的は、グロブラリアの植物由来の抽出物を得る方法であり、特にインビトロの植物培養によって本発明による使用を実施するための方法であり、当該方法は、未分化植物細胞株から、
・バイオマスを増加させる前培養工程と、
・誘発期が後に続く増殖期を含む、バイオリアクターにおける培養工程と、
・前記抽出物の回収工程とを含む方法である。
ここで、バイオリアクター工程における誘発期は、ショ糖および多量養素の欠損培地上で実施され、前記抽出物の前記回収工程は、酸性pHの細胞溶解剤を含む。
【0044】
本発明を実施するための植物由来の抽出物を製造するための新規な細胞株が得られ、それは後述する試験で効果が示されるように、調査分野において新規かつ活性のあるものであり、好ましくはグロブラリアコルディフォリアの細胞株である。
【0045】
本発明の別の目的は、上述した本発明の製造方法によって得られる抽出物である。
【0046】
本発明のさらに別の目的は、グロブラリア抽出物、好ましくはグロブラリアコルディフォリア抽出物、より好ましくは本発明の上記で開示した未分化植物細胞のインビトロ培養によって得られたグロブラリアコルディフォリア抽出物を含む、局所用組成物である。この局所用組成物は生理学的に許容可能な媒体および添加の活性種(例えば後述する製薬(galenic)例)を含んでいてもよい。この局所用組成物は、美容用途(cosmetic applications)または皮膚用医薬用途(dermo−pharmaceutical applications)に用いることができる。
【0047】
本発明はさらに、植物全体または植物の特定の部分の溶媒抽出、超臨界流体、マイクロウエーブ、超音波のような公知の方法で得られた植物由来の抽出物であって、好ましくは公知の溶媒抽出法と比べ細胞株から得られた抽出物の優位性を示した好ましい結果を示す抽出物に及ぶ。これらの結果は以下の詳細な説明に記す。
【0048】
本発明を実行するためのグロブラリア抽出物は、純品で用いてもよく、医薬品添加剤(excipient)または基質(matrix)を形成する生理学的に許容可能な媒体で希釈して用いてもよい。
【0049】
本発明の他の利点によれば、グロブラリアの抽出物は幅広い範囲の特性を有する最終製品に好ましく提供するために、少なくとも1種類の付加的活性成分と混合することができる。付加的活性成分は、例えばホワイトニング剤、発赤抑制剤、UV用サンスクリーン、保湿剤、湿潤剤、角質剥離剤(exfoliating)、抗老化剤、皺防止剤、痩せ(thinning)、容積付与剤(volumizing)、弾力性改善剤、ニキビ防止剤、抗炎症剤、抗酸化剤、アンチラジカル剤、色素脱色剤(depigmenting)、着色促進剤(propigmenting)、脱毛剤(depilatories)、抗成長剤、または毛髪の成長の促進剤、ペプチド類、ビタミン剤等からなる群より選ばれる。これらの活性成分は、例えば植物の抽出物または植物培養もしくは発酵された生成物等の植物材料から得られる。
【0050】
より具体的には、化粧品組成物において、本発明による植物由来の抽出物は、例えばナイアシンアミドおよびトコフェロールのようなB3ビタミン化合物、例えばレチノール、ヘキサミジン、α−リポ酸、リスベラトロールまたはDHEAのようなレチノイド化合物、N−アセチル−Tyr−Arg−O−ヘキサデシル、Pal−VGVAPG(SEQ ID NO:1)、Pal−KTTKS(SEQ ID NO:2)、Pal−GHK、Pal−KMO2KおよびPal−GQPR(SEQ ID NO:3)を含むペプチド類の化合物より選ばれる少なくとも1種類の化合物と混合することができる。これらは、局所的な化粧品組成物または皮膚用医薬組成物に用いられる公知の活性成分である。
【0051】
本発明は、以下の詳細な説明によって、より理解できる。
【0052】
以下の実施例において本発明を説明するが、これらの適用に制限されるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0053】
(組成物の調製)
本発明において「生理学的に許容可能な媒体」とは、何ら制限されないが、水溶液または水性アルコール溶液、W/Oエマルジョン(water−in−oil emulsion)、O/Wエマルジョン(oil−in−water emulsion)、ミクロエマルジョン、水溶性ゲル、無水ゲル、セラム(serum)、小胞(vesicles)または粉末のディスパージョンを意味する。
【0054】
「生理学的に許容可能」とは、その組成物が、毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応等のリスクを有さずに、哺乳類、特にヒトの粘膜、爪、頭皮、毛、毛髪および皮膚と接触する局所的な使用に適していることを意味する。
【0055】
「生理学的に許容可能な媒体」は、一般的に賦形剤と称される組成物を形成する。
【0056】
本発明を実施するための、植物由来の抽出物の有効量、すなわち投与量は、例えば年齢、患者の状態、症状の重症度または状態、および投与形態等の様々な因子に依存する。有効量とは、所定の効果を達成するのに十分な、有毒でない量を意味する。
【0057】
本発明を実施するための化粧品組成物において、有効量のグロブラリア抽出物は、組成物の目的および主張する目的の効果に応じて、組成物の全重量に対して0.000001%〜15%の範囲の量にあり、より好ましくは0.0001%〜10%の間である。
【0058】
全ての割合および比率は全組成物の重量に対する値であり、全ての測定は別途明記していない限り25℃で実施する。
【0059】
組成物における添加剤の選択においては、グロブラリアからの抽出物の活性の制限(安定性、溶解性等)に依存し、必要に応じて組成物の投与形態にさらに依存する。
【0060】
本発明のグロブラリア抽出物は、水溶液によって組成物に混合されてもよく、または通常の生理学的に許容可能な溶剤に溶解させてもよい。溶剤は、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセリン、ブチレングリコール、もしくはプロピレングリコール、またはこれらのいかなる混合であってもよいが、これらの記載に限定はされない。抽出物を乳化剤に可溶化させてもよい。粉体媒体も用いることができる。
【0061】
本発明の組成物は、局所用および経口用組成物ならびに注入用組成物の作製に用いる、当業者にとって公知の方法を用いて、調製することができる。このような方法は、均一状態を得るために1つ以上の工程において、加熱および冷却等を行うまたは行わずに、成分の混合を含んでもよい。
【0062】
本発明のグロブラリア抽出物を含むことのできる様々な製薬形態は、例えばクリーム、ローション、乳液またはクリーム軟膏(creams ointments)、ゲル、エマルジョン、ディスパージョン、溶液、懸濁液、クレンジング、ファンデーション、無水型基礎化粧品(スティック類、特にリップクリーム、ボディーおよびバスオイル)、シャワーゲルおよびバスゲル、シャンプルーおよび毛髪手入れ用ローション、皮膚または毛髪の手入れ用ミルクまたはクリーム、ローションまたは乳液タイプのクレンジング、サンスクリーンローション、ミルクまたはクリーム、人工日焼け用ローション、ミルクまたはクリーム、髭剃り前、髭剃り時もしくは髭剃り後のクリーム、泡、ゲル、またはローション、メイクアップ、口紅、マスカラまたはマネキュア液、スキンエッセンス、セラム(serums)、接着(adhesive)または吸収剤(absorbent materials)、経皮性パッチ(transdermal patches)または皮膚軟化粉末、ローション、ミルクまたはクリーム、スプレー、ボディおよびバスオイル、基礎ファンデーション(foundation basis)、クリーム(ointment)、乳液、コロイド、コンパクト懸濁液(compact suspension)または固形、ペンシル、スプレーに適した形状、ブラシに適した形状(brushable)、頬紅(blush)、ルージュ(red)、アイライナー、リップライナー、リップグロス、フェイスまたはボディパウダー、スタイリングゲルまたはムース、ネイルコンディショナー、リップクリーム(lip balms)、スキンコンディショナー、モイスチャークリーム、ラッカー(lacquer)、石鹸、エクスフォリエント(exfoliant)、収斂剤(astringent)、脱毛剤、パーマ液(permanent waving solution)、ふけ防止剤、制汗剤(antiperspirant)またはスティックタイプを含む制汗剤組成物、「ロールオンタイプ(roll−on)」の防臭剤、空気清浄剤、鼻用スプレー等全ての形態である。
【0063】
これらの組成物は、唇の彩色用または唇の割れ防止用の口紅、眉目用化粧品、アイシャドウおよび顔用ファンデーションの形態でもよい。本発明の組成物は化粧品、パーソナルケア製品、および医薬用品を含むことができる。気圧調整された噴霧剤を含む泡状組成物またはエアロゾル状組成物も考えられる。
【0064】
本発明に係る抽出物は、単独でもしくはプレミックスまたは、例えば、マクロ−、ミクロ−、またはナノカプセル、マクロ−、ミクロ−、またはナノスフェア、リポソーム、オレオソーム、またはカイロミクロン、マクロ−、ミクロ−、またはナノ粒子またはマクロ−、ミクロ、またはナノスポンジ(nanosponge)、スポア(spore)またはエキシン(exine)、ミクロまたはナノエマルジョン等の媒体中に単独でもしくは媒体中でプレミックスして、溶液、分散液、エマルジョン、ペーストまたは粉体の形状であってもよい。または有機高分子粉末、タルク(talc)、ベントナイト(bentonite)またはその他の無機もしくは有機支持体上へ吸着されていてもよい。
【0065】
本発明に係るグロブラリア抽出物は、布地、天然もしくは合成繊維、羊毛、および衣類もしくは昼夜皮膚に接触する下着、ハンカチ、若しくは布地に用いられるあらゆる材料の処理に用いて、この皮膚/布地との接触を介してその化粧品としての効果を発揮し、連続的な局所送達を可能にするために、どのような形態でも、マクロ−、ミクロ−、およびナノ粒子、またはマクロ−、ミクロ−、およびナノカプセルに結合し、組み入れられ、吸収されまたは吸着された形態で用いることができる。
【0066】
(付加的成分)
CTFA国際化粧品成分事典(The CTFA International cosmetic ingredient dictionary & handbook)(第13版、2010年)(出版社米国化粧品工業会、ワシントンD.C.)は、従来からスキンケア産業に用いられており、本発明の組成物中で付加的な成分/化合物として用いることのできる多種類の化粧品および薬剤成分を特に制限なく開示している。これらの成分の種類の例としては、以下のものが含まれるが、これらに制限されるものではない。老化回復剤、皮膚の抗老化剤、皺防止剤、委縮防止剤(anti−atrophy agent)、皮膚の保湿剤、皮膚の平滑剤、抗菌剤(antibacterial agent)、駆虫剤、抗真菌剤、殺真菌剤、静真菌(fungi static)剤、殺菌剤、静菌剤、抗菌剤(antimicrobial agent)、抗炎症剤、かゆみ防止剤、麻酔剤、抗ウィルス剤、角質溶解剤、フリーラジカル捕捉剤、抗脂漏剤、ふけ防止剤、皮膚の分化、増殖もしくは色素沈着の調整剤、および浸透促進剤、剥離剤、メラニン合成の刺激剤もしくは抑制剤、美白、脱色もしくはライトニング(lightening)剤、着色促進剤(pro−pigmenting agent)、セルフタンニング剤(self−tanning agent)、NO−合成阻害剤、抗酸化剤、フリーラジカル捕捉剤、および/または抗大気汚染剤、反応性カルボニル種捕捉剤、抗糖化剤、引き締め剤、真皮のもしくは表皮のマクロモレキュルの合成促進剤および/またはこれらの分解の阻害剤もしくは予防剤、例えばコラーゲン合成促進剤、エラスチン合成促進剤、デコリン合成促進剤、ラミニン合成促進剤、デフェンシン合成促進剤、シャペロン合成促進剤、アクアポリン合成促進剤、ヒアルロン酸合成促進剤、フィブロネクチン合成促進剤、サーチュイン合成促進剤、脂質および角質層成分合成(セラミド、脂肪酸等)促進剤、コラーゲン分解抑制剤、エラスチン分解抑制剤、繊維芽細胞増殖促進剤、ケラチノサイト増殖促進剤、脂肪細胞増殖促進剤、メラノサイト増殖の促進剤、ケラチノサイト分化促進剤、脂肪細胞分化促進剤、アセチルコリンエステラーゼ抑制剤、グリコサミノグリカン合成促進剤、DNA修復剤、DNA保護剤、かゆみ防止剤、敏感肌の治療および/もしくは手入れ用薬、引き締め剤(firming agent)、抗伸展線剤(anti−stretch mark agent)、収斂剤、皮脂合成調整剤、皮膚弛緩(dermo−relaxing)剤、治癒補助剤、再表皮化(re−epithelialization)促進剤、再表皮化共補助(co−adjuvant)剤、サイトカイン成長因子、鎮静剤、抗炎症剤、毛細管循環および/もしくは微小管循環に作用する薬、血管形成促進剤、血管透過性阻害剤、細胞の代謝に作用する薬、真皮―表皮の結合改善薬、毛髪成長誘発剤、毛髪成長抑制もしくは遅延剤、筋肉弛緩剤、汚染防止および/もしくは抗フリーラジカル剤、脂質分解促進剤、減量剤、抗脂肪沈着剤、微小循環に作用する薬、細胞のエネルギー代謝に作用する薬、洗浄剤、毛髪調整剤、毛髪スタイリング剤、毛髪成長促進剤、サンスクリーン剤、トータルサンスクリーン剤、メイクアップ剤、洗剤、医薬品用製品、乳化剤、軟化剤、有機溶剤、消毒剤(antiseptic agent)、防臭活性剤、生理学的に許容可能な担体、界面活性剤、研磨剤、吸収剤、美容化合物(aesthetic component)、例えば香水、顔料、染料、着色剤、天然着色剤、エッセンシャルオイル、タッチエージェント(touch agent)、美容収斂剤、抗ニキビ剤、抗凝固剤、抗起泡剤、抗酸化剤、結合剤、生物学上添加剤、酵素、酵素阻害剤、酵素誘発剤、補酵素、キレート化剤、植物からの抽出剤、植物からの誘導体、エッセンシャルオイル、海産抽出物、バイオ発酵もしくはバイオテクノロジー工程により得られた薬、ミネラル塩、細胞抽出物、サンスクリーン剤(紫外線Aおよび/もしくはBに対する有機またはミネラル光防護剤)、セラミド、ペプチド類、緩衝剤、容積付与剤(volumizing agents)、キレート化剤、化学的な添加剤、着色剤、化粧品用殺生物剤(cosmetic biocides)、医薬用収斂剤、外用鎮痛剤、膜形成剤、例えば組成物の膜形成性や永続性(substantivity)補助用のポリマー、クォータナリー誘導体(quaternary derivative)、永続性(substantivity)増加剤、不透明化剤、pH調整剤および調節剤(例えばトリエタノールアミン)、噴霧剤、還元剤、捕捉剤(sequestrant)、脱色性および/もしくはライトニング剤、皮膚のコンディショニング剤(例えば、ミセル剤および閉塞剤(occlusive)を含む湿潤剤)、保湿維持剤、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、モイスチャークリーム、表皮の加水分解酵素、治療および/もしくは鎮静剤、皮膚の治療剤、皺防止剤、目の下のくまの減少もしくは治療薬、剥離剤、増粘剤、軟化剤、ゲル化ポリマー(gellifying polymer)、ビタミンおよびその誘導体、湿潤剤、ピーリング剤(peeling agent)、軟化剤、皮膚の治療薬、リグナン、防腐剤(すなわちフェノキシエタノールおよびパラベン)、抗UV、細胞障害性薬剤(cytotoxic agent)、抗腫瘍性、粘度調整剤、非揮発性溶剤、パール化剤(pearling agent)、発汗抑制剤、脱毛剤、ワクチン、香水、皮膚の再構築剤(言い換えれば、メナモニ(Siegesbeckia orientalis)抽出物)、賦形剤、充電剤(charge)、ミネラル、抗ミクロバクテリア剤、抗アレルギー剤、H1もしくはH2抗ヒスタミン剤、抗刺激物質、免疫系刺激剤、免疫系阻害剤、防虫剤、潤滑剤、顔料もしくは染料、色素脱失剤、防腐剤、光安定剤、およびこれらの組成物であって、組成物中の他の成分特に本発明の活性剤と物理的におよび化学的に矛盾しない成分。
【0067】
これらの付加的成分の性質は、本発明の活性成分の利点を容認できないほど変えるべきではない。これらの付加的成分は合成物もしくは例えば植物の抽出物のような天然物、またはバイオ発酵方法によって得られた物であってもよい。さらなる例はCTFA化粧品成分事典で見つけることができる。
【0068】
このような付加的活性成分/化合物は、糖アミン、グルコサミン、D−グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、N−アセチル−D−グルコサミン、マンノサミン、N−アセチルマンノサミン、ガラクトサミン、N−アセチルガラクトサミン、ビタミンB3およびその誘導体、ナイアシンアミド、デヒドロ酢酸ナトリウム、デヒドロ酢酸およびその塩、植物ステロール、サリチル酸化合物、ヘキサミジン、ジアルカノイルヒドロキシプロリン化合物、大豆抽出物および誘導体、エコール、イソフラボン、フラボノイド、フィタントリオール、ファルネソール、ゲラニオール、ビサボロール、ペプチド類およびこれらの誘導体、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−、およびヘキサペプチド類およびこれらの誘導体、KTTKS(SEQ ID NO:4)、PalKTTKS(SEQ ID NO:2)、カルノシン、N−アシルアミノ酸化合物、レチノイド、レチニルプロピオン酸、レチノール、レチニルパルミテート、レチニルアセテート、レチナール、レチノイン酸、水溶性ビタミン、アスコルビン酸、ビタミンC、アスコルビン酸グルコシド、アスコルビン酸パルミテート、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウム、ビタミンBおよびこれらの誘導体、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンKおよび誘導体、パントテン酸およびその誘導体、パントテニルエチルエーテル、パンテノールおよび誘導体、デクスパンテノール、ビオチン、アミノ酸ならびにこれらの塩および誘導体、水溶性アミノ酸、アスパラギン、アラニン、インドール、グルタミン酸、非水溶性ビタミン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンDおよびモノ−、ジ−、およびトリ−テルペノイド化合物、ベータ―イオノール、セロドール、およびこれらの誘導体、非水溶性アミノ酸、チロシン、トリプタミン、微粒子物、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、アラントイン、ニコチン酸トコフェロール、トコフェロール、トコフェロールエステル、pal-GHK、植物ステロール、ヒドロキシ酸、グリコール酸、乳酸、ラクトビオン酸、ケト酸、ピルビン酸、フィチン酸、リゾホスファチジン酸、スチルベン、桂皮酸(cinnamate)、リスベラトロール、カイネチン、ゼアチン、ジメチルアミノエタノール、天然ペプチド、大豆ペプチド、糖酸塩、グルコサミンマグネシウム、グルコサミン亜鉛、ピロクトンオラミン、3、4、4’−トリクロロカルバニリド、トリクロカーボン(triclocarban)、ピリチオン亜鉛、ハイドロキノン、コウジ酸、アスコルビン酸、リン酸アスコルビルマグネシウム、アスコルビルグルコシド、ピリドキシン、アロエベラ、テルペンアルコール、アラントイン、ビサボロール、二カリウムグリチルリチン酸、グリセロール酸、ソルビトール酸、ペンタエリスリトール酸、ピロリドン酸および塩、ジヒドロキシアセトン、エリトルロース、グリセルアルデヒド、テトラアルデヒド、チョウジ油、メントール、樟脳(camphor)、ユーカリ油、オイゲノール、乳酸メンチル、ウィッチヘーゼル(witch hazel)留出物、エイコセン−ビニルピロリドン共重合体、ヨウ化プロピルブチルカルバメート、多糖類、必須脂肪酸、サリチル酸、グリチルレチン酸、カロチノイド、セラミドおよび偽性セラミド、脂質複合体、一般的な天然物由来のオイル、例えばシアバター、杏子油、オナガー油(onagre oil)、プルーン油、パーム油、モノイ油(monoi oil)等、ヒドロキノン、HEPES、プロシステイン(procysteine)、O−オクタノイル−6−D−マルトース、メチルグリシンジアセチル酸二ナトリウム塩、ステロイド、例えばジオスゲニンおよびDHEA誘導体、DHEAまたはデヒドロエピアンドロステロン、および/またはこれらの前駆体または化学的もしくは生物的誘導体、N−エトキシカルボニル−4−パラ−アミノフェノール、ブルーベリー抽出物、植物ホルモン、イーストサッカロミセスセレビシエ(yeast Saccharomyces cerevisiae)の抽出物、海藻の抽出物、大豆、ルピナス、トウモロコシおよび/またはえんどう豆の抽出物、アルベリンおよびその塩、特にクエン酸アルベリン、ナギイカダ(butcher’s broom)の抽出物およびセイヨウトチノキ(horse chestnut)の抽出物、ならびにこれらの混合物、メタロプロテアーゼ阻害薬、からなる群より選ばれる少なくとも1種から選ぶことができる。
【0069】
さらに特に有用な皮膚の治療および毛髪の治療の活性成分は、Sederma社の商業用印刷物およびウェブサイトwww.sederma.fr.上に見出される。
【0070】
以下の市販の添加物、例えば、ベイタン(betain)、グリセロール、Actimoist Bio 2(商標)(Active organics社製)、AquaCacteen(商標)(Mibelle AG Cosmetics社製)、Aquaphyline(商標)(Silab社製)、AquaregulK(商標)(Solabia社製)、Carciline(商標)(Greentech社製)、Codiavelane(商標)(Biotech Marine社製)、Dermaflux(商標)(Arch Chemicals, Inc社製)、Hydra’Flow(商標)(Sochibo社製)、Hydromoist L(商標)(Symrise社製)、RenovHyal(商標)(Soliance社製)、Seamoss(商標)(Biotech Marine社製)、Essenskin(商標)(Sederma社製),Moist 24(商標)(Sederma社製)、Argireline(商標)(Lipotec社のアセチルヘキサペプチド−3の商標名)、Gatuline Expression(商標)の名前で知られているスピラントールまたはオランダセンニチ(Acmella oleracea)の抽出物、Boswellin(商標)の名前で知られているボスウェリアセラータ(Boswellia serrata)の抽出物、Deepaline PVB(商標)(Seppic社製)、Syn-AKE(商標)(Pentapharm社製)、Ameliox(商標)、Bioxilift(商標)(Silab社製)、Juvinity(商標)(Sederma社製)、Revidrat(商標)(Sederma社製)、またはこれらの混合物も列挙することができる。
【0071】
本発明の抽出物と混合可能な、他の植物の抽出物としては、特に、蔦(Ivy)、特にイングリッシュアイビー(English Ivy)(Hedera Helix)、マンシュウサイコ(Bupleurum chinensis)、ミシマサイコ(Bupleurum Falcatum)、アルニカ(Arnica Montana L)、ローズマリー(Rosmarinus officinalis N)、マリーゴールド(Calendula officinalis)、セージ(Salvia officinalis L)、チョウセンニンジン(Panax ginseng)、イチョウ、セントジョーンズワート(Hyperycum Perforatum)、ナギイカダ (Ruscus aculeatus L)、ヨーロピアンシモツケソウ(Filipendula ulmaria L)、ビッグフラワージャワティー(Orthosiphon Stamincus Benth)、藻類(Fucus Vesiculosus)、カバノキ(Betula alba)、緑茶、コーラナッツ(Cola nuts)(Cola Nipida)、セイヨウトチノキ、竹、ペガガ(Centella asiatica)、ヘザー(heather)、ヒバマタ(fucus)、ヤナギ、ヤナギタンポポ(mouse−ear)、エスシン(escine)、カンズー(cangzhu)、クリサンテルムインジクム(chrysanthellum indicum)、アルメニアセア属(Armeniacea genus)の植物、アトラクチロディスプラティコドン(Atractylodis Platicodon)、シノメニウム(Sinnomenum)、ファルビチジス(Pharbitidis)、フレミンギア(Flemingia)、コレウス、例えば、コレウス・フォルスコリ(C.Forskohlii)、コレウスブルメイ(C.blumei)、コレウスエスキロリ(C.esquirolii)、コレウススクテラロイド(C.scutellaroides)、コレウスキサントス(C.xanthantus)およびコレウスバルバトス(C,Barbatus)の抽出物、例えばコレウスバルバトスの根の抽出物、バロッテ(Ballote)、グイオア(Guioa)、ダバリア(Davallia)、ターミナリア(Terminalia)、バリングトニア(Barringtonia)、トレマ(Trema)、アンチロビア(antirobia)、セクロピア(cecropia)、アルガン(argania)、ディオスコレア属(dioscoreae)、例えばディスコレアオッポシタ(Dioscorea opposita)またはメキシカンの抽出物、アンミビスナガ(Ammi visnaga)、メナモミ(Siegesbeckia)、特にツクシメナモミ(Siegesbeckia orientalis)の抽出物、ツツジ(Ericaceae)科の植物抽出物、特にコケモモ(Vaccinium angustifollium)またはクマコケモモ(Arctostaphylos uva ursi)の抽出物、アロエベラ、ステロールを含む植物(すなわち植物ステロール)、マンジスタ(Manjistha)(アカネ(Rubia)属植物、特にルビアコーディフォリア(Rubia Cordifolia)の抽出物)、およびグッガル(Guggal)(コンミフォラ属植物、特にグッグル(Commiphora Mukul)の抽出物)、コーラの抽出物、カモミール、ムラサキツメクサの抽出物、カバ(Piper methysticum)の抽出物(Kava Kava(商標)、SEDERMA社製)、オトメアゼナ(Bacopa monieri)の抽出物(Bacocalmine(商標)、SEDERMA社製)およびムチヤギ(sea whip)の抽出物、スペインカンゾウ(Glycyrrhiza glabra)、クワ、コバノブラシノキ(ティーツリー)、ラレアディバリケータ(Larrea divaricata)、ラブドシア・ルベッセンス(Rabdosia rubescens)、ユーグレナグラシリス(Euglena gracilis)、フィブラウレアレシサヒルディネア(Fibraurea recisa Hirudinea)、シャラパルソルガム(Chaparral Sorghum)の抽出物、ヒマワリの抽出物、エナンチアクロランタ(Enantia chlorantha)、ミトラカーパススケーパー(Mitracarpe of Spermacocea genus)、ブチューバロマス(Buchu barosma)、ヘンナL(Lawsonia inermis L.)、ホウライシダL(Adiantium Capillus−Veneris L.)、クサノオウ(Chelidonium majus)、ヘチマ(Luffa cylindrica)、ジャパニーズマンダリン(Citrus reticulata Blanco var. unshiu)、チャノキ(Camelia sinensis)、チガヤ(Imperata cylindrica)、ツノゲシ(Glaucium Flavum)、サイプレス(Cupressus Sempervirens)、ソロモンズシール(Polygonatum multiflorum)、ラブリーヘムスレイア(loveyly hemsleya)、セイヨウニワトコ(Sambucus Nigra)、アオイマメ(Phaseolus lunatus)、シマセンブリ(Centaurium)、オオウキモ(Macrocystis Pyrifera)、トゥルネラ・ディフサ(Turnera Diffusa)、ハナスゲ(Anemarrhena asphodeloides)、ヒメマツバボタン(Portulaca pilosa)、ホップ(Humulus lupulus)、コーヒーノキ(Coffea Arabica)またはイェルバマテ(Ilex Paraguariensis)の抽出物がある。
【0072】
本発明の組成物はペプチド類を含んでもよく、特に限定されないが、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−、およびヘキサペプチドならびにこれらの誘導体を含んでもよい。特定の実施形態によれば、組成物中の追加ペプチドの濃度は1×10-7重量%から20重量%の範囲であり、1×10-6重量%から10重量%の範囲が好ましく、1×10-5重量%から5重量%の範囲が好ましい。
【0073】
本発明によれば、「ペプチド」という用語は、10種類以下のアミノ酸を含むペプチド、これらの誘導体、同位体および例えば金属イオン(銅、亜鉛、マンガン、マグネシウム等)等の他の種類との複合体を表す。「ペプチド類」という用語は、天然ペプチド類および合成ペプチド類の両方を示す。「ペプチド類」は、自然界において見出されるおよび/または商業上入手可能なペプチド類を含む組成物も示す。
【0074】
ここでの使用に適したジペプチドは、カルノシン(beta−AH)、YR、VW、NF、DF、KT、KC、CK、KP、KKまたはTTを含むが、これらに限定されない。ここでの使用に適したトリペプチドは、RKR、HGG、GHK、GKH、GGH、GHG、KFK、GKH、KPK、KMOK、KMO2KまたはKAvaKを含むが、これらに限定されない。ここでの使用に適したテトラペプチドは、RSRK(SEQ ID NO:5)、GQPR(SEQ ID NO:6)またはKTFK(SEQ ID NO:7)を含むが、これらに限定されない。適したペンタペプチドは、KTTKS(SEQ ID NO:4)を含むが、これらに限定されない。適したヘキサペプチドはGKTTKS(SEQ ID NO:8)、VGVAPG(SEQ ID NO:9)を含むが、これらに限定されない。
【0075】
ここでの使用に適した他のペプチド類は、ペプチド類の親油性誘導体、好ましくはパルミトイル誘導体、および前記の金属複合体(例えば、トリペプチドHGGの銅錯体)を含むが、これらに限定されない。好ましいジペプチド誘導体は、N−パルミトイル−ベータ−Ala−His、N−アセチル−Tyr−Arg−ヘキサデシルエステル(CALMOSENSINE(商標)、Sederma社製)を含む。好ましいトリペプチド誘導体は、N−パルミトイル−Gly−Lys−His(Pal−GKH、Sederma社製)、HGGの銅誘導体(Lamin(商標)Sigma社製)、リポスポンディン(Lipospondin)(N−エライドイルーKFK)およびその保存的置換をした類似体、N−アセチル−RKR−NH2(ペプチド CK+)、N−Biot−GHK(Sederma社製)、Pal−KMO2K(Sederma社製)およびこれらの誘導体を含む。適したテトラペプチド誘導体は、N−パルミトイル−GQPR(SEQ ID NO:3)(Sederma社製)を含むが、これらに限定されない。適したペンタペプチド誘導体は、N−パルミトイルーKTTKS(SEQ ID NO:2)(MATRIXYL(商標)として入手可能、Sederma社製)、N−パルミトイル−Tyr−Gly−Gly−Phe−X(SEQ ID NO:10)(XはMetまたはLeuまたはこれらの混合物である)を含むがこれらに限定されない。適したヘキサペプチド誘導体は、N−パルミトイル−VGVAPG(SEQ ID NO:1)およびこの誘導体を含むが、これらに限定されない。Pal−GHKおよびPal−GQPR(SEQ ID NO:3)(Matrixyl(商標)3000、Sederma社)の混合物も使用可能である。
【0076】
トリペプチドまたは誘導体を含む商業的に利用可能な好ましい組成物は、Sederma社のBiopeptide−CL(商標)、Maxilip(商標)、Biobustyl(商標)およびMATRIXYL(商標)synthe’6(商標)を含む。テトラペプチド源の好ましい商業的に利用可能な組成物は、50〜500ppmのパルミトイル−GQPR(SEQ ID NO:3)および担体を含みSederma社によって提供されるRIGIN(商標)、EYELISS(商標)、MATRIXYL(商標)RELOADEDおよびMATRIXYL 3000(商標)を含む。
【0077】
追加活性成分と同様に以下の市販されているペプチド類を使用できる。Vialox(商標)、Syn−ake(商標)またはSyn−Coll(商標)(Pentapharm社)、Hydroxyprolisilane CN(商標)(Exsymol社)、Argireline(商標)、Leuphasyl(商標)、Aldenine(商標)、Trylgen(商標)、Eyeseryl(商標)、Serilesine(商標)またはDecorinyl(商標)(Lipotec社)、Collaxyl(商標)またはQuintescine(商標)(Vincience社)、BONT−L−Peptide(商標)(lnfinitec Activos社)、Cytokinol(商標)LS(Laboratoires Serobiologiques/Cognis社)、Kollaren(商標)、IP2000(商標)またはMeliprene(商標)(lnstitut Europeen de Biologie Cellulaire社)、Neutrazen(商標)(Innovations社)、ECM−Protect(商標)(Atrium Innovations社)、Timp−Peptide(商標)またはECM Moduline(商標)(lnfinitec Activos社)。
【0078】
(美容処理方法)
本発明は、上述したグロブラリア抽出物の有効量を皮膚および/または付属器への局所投与を含む、皮膚の一般的な状態を改善するための美容処理方法にも関する。
【0079】
本発明のグロブラリア抽出物は、顔、唇、首、襟足、手、足または身体の局所部分に塗布されてもよい。本発明の主な利点の一つは、必要な時または所望の時にいつでも、局所的で非侵襲的な塗布方法で局所的に選択的できる「穏やかな」処理を利用できる能力にある。皺防止用の場合、本発明の抽出物は、例えば、きわめて局所的に注射器またはマイクロカニューレを用いて塗布されてもよい。
【0080】
一方で、本発明の抽出物を含む組成物を、皮下に注入することも可能である。
【0081】
他の特有の特徴に応じて、本発明に係る美容処理方法は、例えばルミノセラピー、ヒートまたはアロマセラピー処理のような皮膚用の1種類以上の他の手入れ方法と組み合わせることができる。
【0082】
本発明によれば、上記の方法を適用するために、いくつかの仕切られた部分またはキットを有する装置が提供される。この装置は、例えば、特に限定するものではないが、グロブラリア抽出物を含む組成物の入った1つ目の仕切られた部分、他の活性成分および/または賦形剤を含む組成物の入った2つ目の仕切られた部分を有していてもよく、この場合には前記1つ目および2つ目の仕切られた部分に入れられた組成物は、特に前記の処理方法の1つにおいて、同時の、別々の、または段階的な使用のための、1つの組合せ組成物であると考えられる。
【0083】
本発明の処理方法は、特に皮膚の輝きおよび/または透明度の改善用、敏感肌および/または反応性肌の予防および/または処理用、発赤の予防および/または処理、および/または、タンパク質の糖化の予防用として、ホルミシスタイプの反応を介する解毒反応および/または細胞再生を刺激することによる皮膚の老化防止および/または処理に特に適している。
【0084】
本発明の処理方法は、特に、
真皮幹細胞の数の増加および/または維持用、および/または、
真皮高分子、特にコラーゲンおよびエラスチンの増加および/または維持用、および/または、
真皮容積の増加(再膨張)用、および/または、
小皺および皺の予防および/または処理用、および/または、
皮膚の引き締め用、および/または、
脱毛の予防および/または毛髪の再生の刺激用、
にも適している。
【0085】
(A)グロブラリアコルディフォリアの未分化細胞の培養によって、本発明の植物由来の抽出物を得る例
(1)細胞株の形成
グロブラリアコルディフォリア植物を種子から得た。葉を集め、その後水を用いて洗浄しすすぎ、浄化してさらにすすいだ。
【0086】
(a)未分化細胞またはカルスの誘導工程
葉の一部を切断し、それを、吸収可能な炭素源、ミクロおよびマクロ要素の溶液、適したホルモンおよびビタミンの組み合わせを含む栄養寒天の表面に設置する。この栄養培地は、その成分によって、葉の治癒においてカルスと呼ばれる、未分化細胞クラスターの生成のきっかけとなりえる。
【0087】
(Gamborgによる)使用された固形栄養培地の組成:マクロ要素およびミクロ要素の溶液、サッカロース、アガロース植物、植物ホルモンおよびビタミン。
pHは5.5〜6の間に調整されている。
この培地を以下において「基本培地」という。誘導工程は1〜4か月続く。培養は25℃暗中で実施される。
【0088】
(b)寒天培地での培養の安定化および選択工程
3週間ごとに新しい培地上に継代移植(successive transplantation)した後、安定したカルスが得られる。表現型特性(色、脆弱性、増殖性)の安定した均一の培養物が得られる。
【0089】
選択工程では、液状培地へ移植するために、早期に生じた10個の中から最適の培養カルスを選択する。選択された株は速く成長し、柔らかく砕けやすい組織であり、均一の色を有し、液状培地に分散しやすく、二次培養の間にこれらのパラメータが安定しているという特性を有する。
【0090】
この工程は6か月〜1年続く。
【0091】
(c)液状培地への移植および二次代謝物の生成の最適化
選択された株は、初期段階での成長パラメータを最適化するために液状培地へ移植される。
【0092】
それぞれの期(潜在、対数、定常)における細胞の成長および評価については、培養細胞が占める容積割合または「ヘマトクリット値(packed cell volume、PCV)」を、通常の測定方法を用いて評価する。
【0093】
カルスから得られたそれぞれの懸濁液をオービタルシェーカーに載せて、25℃暗所において110rpmで撹拌した(100mlの培地および10gの均一組織、色および成長のカルスをそれぞれ含む三角フラスコ中)。培地およびホルモンの組み合わせを数種類テストし、成長曲線を最適化するために比較する。接種初期濃度の最適化も、誘導期、従って培養の全期間を短くするために調べる。
【0094】
さらに、選択された接種初期濃度は10%のPCVに一致する。
【0095】
次の工程は、培養の成長期の末期に、細胞代謝を二次代謝物の生成に向けて誘導するための最適な環境条件を決定することである。これらの二次代謝物および抽出培地の他の成分も同様に、最終的に得られた抽出物の活性に関係する。
【0096】
したがって、培地中において、糖、アミノ酸、一次代謝物、桂皮酸およびコーヒー誘導体、ならびにフェニルエタノイドグリコシドの混合物を含む、極性分子が高比率で確認された。フェニルエタノイドグリコシドは二次代謝物バイオマス生成物の指標として選ばれ、その全投薬量はArnow方法、亜硝酸ナトリウムおよびモリブデン酸ナトリウムを用いたアルカリ性培地中の全ポリフェノールの酸化に基づく分光光度法(510nm)によって容易に得られる。例えばフラボノイドまたはイリドイド等の他の種類の分子が培地中に存在すると推測されるが、確認できなかった。これらの分子のすべてが最終抽出物の活性に関与していることは明白である。
【0097】
本発明において二次代謝物の生成を引き起こすために選ばれた誘発は、ショ糖および多量養素の欠損培地、好ましくは同じ比率の培地に細胞を設置して実施する。
【0098】
この液状培地への移植期ならびに成長パラメータおよび生成物の最適化は、6月から1年の間続く。
【0099】
この工程の後、最適な結果を示した株を選択した。
【0100】
これは照会番号DSM25009でDSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkuturen GmbH)に寄託された。
【0101】
本発明は、番号DSM25009の下で記録されている細胞株から得られた、グロブラリアコルディフォリア種の抽出物を包括する。
【0102】
(2)抽出物の取得
(a)バイオリアクター中での前培養形成
1リットル、次いで5リットル、さらに25リットル、最終的には100リットルの、選択した細胞株の連続的な前培養を実施する。それぞれに10%PCVで接種した後、50%PVCまで成長させる。このように製造された細胞バイオマスは、より大きなサイズでの培養に接種するために使用される。この工程は、1〜3月続く。
【0103】
(b)誘発期を含むバイオリアクターへの移植
その後、シングルユースバッグのバイオリアクター(全体積600リットル、総培養容量300リットル)に、5〜20%PVCの範囲で接種する。このバイオリアクターは、特に以下を装備している:
・細胞の撹拌および酸素添加用、ならびに培養温度調整用の、好ましくは従来のバイオリアクターの剪断と比べると植物細胞の壊れやすさの観点で適しているために選択される、ロッキングシステム;
・別々のセンサー(酸素、pHおよび温度)を備えた、経過観察および培養工程調節用のコントロールタワー;
・別々のセンサー(pH、酸素)、ガス供給用のフィルター、および、無菌流体をサンプリングまたは接種するための交換システムを搭載した細胞培養用シングルユース滅菌バッグ。
【0104】
バイオリアクター中で10−15日培養後、培養のPCVが約30〜45%に達する。フェニルエタノイドグリコシドを含む欠損培地が、次いで二次代謝物の生成の誘発のために添加される。新しい培地の追加量は、最終培養容積の10〜50%である。3〜5日後、培養をPCV35〜50%で停止した。フェニルエタノイドグリコシドは、培養中リットル当たり約2グラムである。
【0105】
バイオリアクター中で行うこの全期間は、2〜3週間続く。
【0106】
(c)抽出物の回収
続く工程の目的は、水性の高純度抽出物を製造することである。
【0107】
細胞溶解は、液相への二次代謝産物の遊離を引き起こしながら、実施される。この溶解は、酸性条件で行われる。その後カスケード濾過を丁寧に実施し、続けて無菌濾過を実施し、本発明の水性抽出物を得る。この工程は抽出物の安定化を目的としている。
【0108】
植物細胞の培養を用いたこの方法で得られた抽出物は、明黄色の「典型的な」植物抽出物とは対照的に、透明で無色から淡黄色であり、このことは化粧品成分またはその他の成分に抽出物を直接処方する場合に有利である。
【0109】
この工程の他の形態が存在し、それは以下を含む:
(1)目的分子の抽出について:
・細胞溶解工程は、バイオマスの熱処理により、例えばバイオマス中に蒸気を注入することによって、実施できる。それは、マイクロビーズと共に細胞を粉砕することによっても実施できる。
・細胞溶解工程の後に、目的分子を濃縮するために、粗抽出物を精製することができる。この工程では、第一にバイオマスが濾過または遠心分離によって除去される。その後、得られた清澄化された液相と、目的分子との親和力によって選択された吸着樹脂とを接触させる。この樹脂をその後、グラスクロマトグラフィーカラムに入れる。この樹脂を適切な混合液を用いて溶出し、生成物の溶出液を濃縮する。
・本発明の抽出物の回収は、リポソームを用いて実施できる。
(2)目的分子の誘発方法について:
目的化合物の誘発は、培養物に微生物片を添加することによって、キトサン、ジャスモン酸メチル(methyljasmonate)、ジャスモン酸、サリチル酸等の生物由来の分子を添加することによって、パクロブトラゾール(paclobutrazol)等の非生物由来の分子を添加することによって、温度変動、pH変動、および/または例えばマンニトール等の非代謝性糖を用いて引き起こされる浸透圧ストレスを培養物に与えることによって、環境中のマクロ要素および糖をさらに欠損させることによって、目的化合物の誘発に加えて目的分子の捕捉が可能な吸着樹脂を培養物へ加えることによっても、実施できる。
(3)細胞株の形成工程の代わりに、すでに形成および保存されている本発明の細胞株を用いることもできる。この場合、細胞株の形成工程は、最初は寒天培地上そして液状培地上に存在する前記細胞株から未分化植物細胞を増幅させる公知の工程に変更される。
【0110】
本発明の方法はグロブラリアの他の種を用いても実施できる。
【0111】
(B)化粧品産業の原料である、本発明の実施に用いられる「活性成分」である組成物の製法例
活性成分は、皮膚科学的に許容可能な媒体または基質に溶解された、グロブラリアコルディフォリアの植物由来の抽出物を含む化粧品組成物である。この活性成分は、例えばクリーム、ゲル等の化粧品の調製のために化粧品産業で用いられる(以下に示す製薬例参照)。
【0112】
上記の例(A)で得られた水溶性抽出物は、ゲル、水溶性緩衝液、グリセリンまたはその他の生理学的に許容可能な短鎖ポリオール等の任意の親水性基質と、好ましくは20〜80%で混合できる。
【0113】
例えば、以下に記載する研究例と製薬例では、最大33%の抽出物が優先的に使用された。
【0114】
もちろん、賦形剤を用いずに、純粋な抽出物を活性成分として使用することができる。
【0115】
(C)インビトロおよびエックスビボ試験
出願人により、以下に示すグロブラリア抽出物の多くの顕著な美容効果(cosmetic effect)が明らかになった。
【0116】
上述した例(B)において最大33%で調製した水溶性抽出物を、インビトロで試験し、皮膚生理学のいくつかの分野において様々な美容活性(cosmetic activities)が示された。試験は、全てこのグロブラリアコルディフォリア抽出物2%で実施した。
【0117】
(比較試験)
まず、植物全体のヒドロアルコール(hydroalcoholic)抽出物に対して、細胞培養によって得られた抽出物の優位性が示された。これらの第一の試験は、上記の例(B)において最大33%で調製した水溶性抽出物を2%に希釈したものと、植物全体のヒドロアルコール抽出物とを、フェニルエタノイドグリコシド中、同じ濃度で比較することによって実施された。
【0118】
(1)BSAの非酵素的糖化
この簡単な試験では、通常の皮膚タンパク質がさらされるストレスである、非酵素的糖化現象による機能改変を、インビトロで再現する。
【0119】
使用される試験モデルは、ウシ血清アルブミン(bovine serum albumin、BSA)である。BSAは生理学的な還元糖であるフルクトースと接触し、自発的な遅い反応を2つの分子間で生じさせる。この反応は、温度によって加速可能である。この試験では、BSAとフルクトースとを、試験物の存在下または非存在下において、7日間50℃で保温する。糖化産物(glycation end products)は、蛍光光度計を用いて定量可能な自然蛍光を有する(λex=360nm、λem=460nm)。
【0120】
0.03%アミノグアニジン(Aminoguanidine)を糖化阻害のポジティブコントロールとして使用する。データを以下の表1に示す。
【0121】
【表1】
【0122】
ポジティブコントロールは、コントロールに対して−85%糖化阻害している。
【0123】
(2)DPPH抗ラジカルテスト
DPPH(1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル)は、フリーラジカル捕捉剤を検出するために広く使用されている安定フリーラジカルである。この分子は、ラジカル性を失うことによって、DPPH2(1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジン)に変換される。この変換は、517nmにおける分光測定によって経時的に測定することができる変色(紫色→黄色)を伴う。抗ラジカル活性を有しないコントロールは、一定のDO値を維持する。0003%のコーヒー酸が、抗ラジカル活性のポジティブコントロールとして用いられる。データを以下の表2に示す。
【0124】
【表2】
【0125】
ポジティブコントロールは、コントロールに対して−85%の抗ラジカル活性を有している。
【0126】
(3)抗一重項酸素試験
酸素分子(O2)は呼吸鎖末端電子の受容体として不可欠な役割を果たす。しかし、この代謝等により、例えばUV照射等の外因と同様に、たとえ健康体であっても、特に活性のある特定の誘導体(一重項酸素、ヒドロキシラジカル、スーパーオキシドアニオン)が発生する。この誘導体は、脂質、タンパク質および核酸に酸化ダメージを引き起こすことになる。一重項酸素は、これらの高エネルギー性および高反応性の酸素の形状の一つである。色素とUVA光子または可視光とを用いて、一重項酸素をインビトロで実験的に製造できる。以下に示す試験では、色素であるローズベンガルおよび可視光を用いる。この試験の目的は、可視光照射下でローズベンガルから形成された一重項酸素による尿酸の分解を調べることである。一重項酸素の生成は、292nmにおける尿酸の分解を追跡することによって可視化できる。一重項酸素の中和が可能な化合物の存在下では、この分解が緩やかになる。0002%のコーヒー酸が、抗一重項酸素活性のポジティブコントロールとして用いられる。データを以下の表3に示す。
【0127】
【表3】
【0128】
ポジティブコントロールは、コントロールに対し+73%の抗一重項酸素活性を有する。
【0129】
これらの3つの試験により、細胞培養によって得られたグロブラリア抽出物の美容の重要性(cosmetic interest)が示される。グロブラリア抽出物は、植物から得られたヒドロアルコール抽出物と比べてはるかに高い効果を有している。
【0130】
(グロブラリアコルディフォリアの培養細胞の抽出物に関する研究)
これらの研究は、上記の例(B)において最大で33%で調製した水溶性抽出物を、2%に希釈して、実施した。
【0131】
(本発明の抽出物による、機械的および酸化の二種類のストレスに直面した培養物中のケラチノサイトの保護)
ケラチノサイト群の層を、24時間本発明の抽出物2%と培地上で接触(試験)または非接触(コントロール)させた。これらの層はその後、皮膚が一般的に受ける二種類のストレスに耐える能力を評価するために、再現可能な方法で「傷をつけられ」て、そのあとすぐにUVBに曝された。細胞層の回復はその後、画像解析、細胞のフリーな表面の定量化によって評価された(結果を以下の表4に示す)。
【0132】
【表4】
【0133】
視覚化した観察により、コントロール層では、(多少の細胞死を伴って)完全性(integrity)に深刻な変質を受け、損傷した表面のコロニーの再形成は非常に困難であったことが分かった。これに対し、グロブラリアコルディフォリア植物細胞の抽出物と接触した層では、変質が少なく、密度が高く均一な層の再形成が速かった。
【0134】
この予備試験により、グロブラリア抽出物の存在下におけるホルミシス現象が充分に説明された。おそらく、この抽出物と前もって接触した細胞は、ストレスを受ける前に、抗酸化剤を含む防御用の株を設ける。その後その細胞がストレスの有害効果を中和し、正常な細胞層を再生するために用いられる。
【0135】
グロブラリアコルディフォリア抽出物のこのホルミシス効果を、別個の3つの軸(4−6)に従って研究することによって、インビトロで実証し、定量する。
【0136】
(4)−表皮性前駆細胞の保護
(原理)
表皮は、有効な皮膚バリアを形成するために連続的に再生する。この効果は年齢と共に衰える。この作用の開始時の細胞は、幹細胞または前駆細胞と呼ばれる。これらの細胞は、これらの細胞の分子が直接接する環境と当該分子とを結合する分子リンクの性質により、珍しいことながら、再生能力を有している。
【0137】
酸化物のような有害物の処理により、これらの細胞の環境が変化され、細胞が様々な表現型に進化するので、その後の細胞の継体増殖能力が変化する。インビトロではこれらの細胞は増殖能力を失い、肉眼では見えないほど小さなコロニーを形成する。これらのコロニーの娘細胞は比較的大きくなる。これに対して、前駆細胞は、皮膚を再生するためにおよび小さな細胞からなる大きなコロニーを形成するために広範に増殖できる。この再生能力および培養における前駆細胞密度は、クローン効力法(cloning efficacy method)によって測定できる。この方法は、低濃度で細胞を接種し一定期間培養した後、肉眼で観察できるコロニーの数を数えることを含む。得られた数は、初期細胞群の前駆体の成長力の測定に用いられる。
【0138】
ヒトの表皮ケラチノサイト前駆群は、グロブラリアコルディフォリア抽出物の存在下または非存在下において、(前駆体の表現型を喪失させるために)分化型ケラチノサイトへ変換させる最適培地と接触された。接触の後、2系統の細胞を1000個の細胞/25cm2(n=5)の濃度で分化用培地へ再接種した。
【0139】
(結果)
12日間培養後、コロニーの数および大きさを、固定染色後に測定する。この結果、コントロールでは5.4±1.5コロニー/1000接種細胞があり、これらのコロニーはサイズが小さいことが分かった。これに対し、グロブラリアコルディフォリア抽出物と接触すると、コントロールに対し2.3倍のコロニー(12.6コロニー±4.3コロニー/1000接種細胞;+133%;p<0.01)が生じ、これらのコロニーのサイズは大きくなった。
【0140】
このことより、グロブラリアコルディフォリア抽出物が、前駆細胞の分化段階への変換を防ぎ、それらの増殖能力を維持させることがわかる。グロブラリアコルディフォリア抽出物により表皮の再生能力が維持される。
【0141】
(5)−エネルギーポテンシャルの刺激
(a. サーチュイン 1(Sirtuin 1))
例えばカロリー制限等のホルミシス効果またはホルミシス分子との接触により、サーチュイン酵素および様々な有機体の寿命が増加する。サーチュインは、特にFOXOファクターの脱アセチル化に効果を及ぼし、アポトーシス性タンパク質の生成のきっかけとなることを妨げる。サーチュインは、さらに細胞の抗酸化防御および純化メカニズム(解毒)を刺激し、ミトコンドリア機能すなわちエネルギー生成を維持するのを助ける。このことにより生存性およびストレスへの抵抗力が増加する。
【0142】
ヒトケラチノサイトは、グロブラリアコルディフォリア抽出物の存在下または非存在下で6日間培養され、その後粉砕された。そして、サーチュイン1の細胞内部のレベルがELISA法によって測定された。結果を、全タンパク質(BCA)を同時測定することにより標準化した。結果を表5に示す。
【0143】
【表5】
【0144】
一方、腹部の皮膚の移植片(58歳、女性)に、本発明のグロブラリアコルディフォリア抽出物またはそのプラシーボを含むクリームを6日間毎日局所塗布した(すなわちビボ試験)。
【0145】
この処置後、移植片を調製し、サーチュイン−1の定量化のために蛍光抗体を用いて標識化した。この定量化には、撮影(50枚の写真/1ケース)後、画像解析システムが用いられる。この結果を以下の表6に示す。
【0146】
【表6】
【0147】
(b. クレアチンキナーゼ)
クレアチンキナーゼは、2種類のアイソフォームで皮膚中に存在する遍在酵素である。クレアチンキナーゼは、細胞内へのエネルギー貯蔵のために用いられ、組織が緊急のエネルギーの必要性に応えることを可能にする。この酵素は、ADPに変換されるATPを用いて、クレアチンをクレアチンリン酸に変換する。必要な時に、酵素は逆方向に働き、エネルギーが戻る。この酵素の活性度は、この酵素が活性酸素グループの好ましいターゲットの一つであるので、年齢と共に低下する。従ってこの酵素の活性を維持し増やすことが望ましい。
【0148】
ヒト皮膚線維芽細胞を、本発明のグロブラリアコルディフォリア抽出物と3日間接触させた。この細胞を、その後前記抽出物を除いて、酸化ストレス(ハイドロゲンパーオキサイド)に曝した。さらに3日間グロブラリアコルディフォリア抽出物と接触した後、細胞内クレアチンキナーゼ活性残余量の測定用に均質化する前に、細胞を再び同じ酸化ストレスに曝した。活性は、クレアチン酸とADPからのATP生成によって測定した。ATPは、NADPH形成を導く酵素反応によって測定され、340nmで観測される。結果を、全タンパク質(BCA)を測定することにより標準化した。結果を表7に示す。
【0149】
【表7】
【0150】
サーチュイン−1に既に用いられた移植片は、ミトコンドリア表皮クレアチンキナーゼ量の評価のために、蛍光抗体を用いて標識化された。定量化は、撮影後、画像解析システムを用いて実施した(50枚の写真/各ケース)。この結果を以下の表8に示す。
【0151】
【表8】
【0152】
(c. ミトコンドリア膜電位)
【0153】
ミトコンドリアは、呼吸鎖の能力を次第に妨害する活性酸素グループの形成に関与する、重大な部位である。このことにより、ミトコンドリア膜電位(ΔΨ)が減少するので、ATP生成の還元が引き起こされる。
【0154】
この膜電位の低下は、老化および細胞死の警告信号であり、したがってATPを生成するミトコンドリアの能力を維持し続けることが重要である。
【0155】
膜電位を、ミトコンドリアタンパク質のミクロ変動に反応する特定のラベルを用いて測定した。このラベルは、異なった発光スペクトルを有する単量体および重合体の、2つの形態で存在する。高膜電位は重合体の形成を促進する。単量体/重合体の比率(520nm/590nm)の増加はΔΨの低下につながる。
【0156】
高比率は、低比率の場合よりも細胞の生存に貢献しない。
【0157】
上記のクレアチンキナーゼに用いられたのと同じ線維芽細胞の培養物を用いた。結果を表9に示す。
【0158】
【表9】
【0159】
膜電位は、本発明のグロブラリアコルディフォリア抽出物を用いると顕著に改良された(+40%、p<0.01)。
【0160】
この研究は、抗老化用の本発明のグロブラリアコルディフォリア抽出物の能力を実証する2つの先行研究を補足する。これは自発的にサーチュイン1の量を促進する。これは、クレアチンキナーゼの活性を維持し、酸化ストレスに応じてATPの生成を保護する。
【0161】
(6)−有害物質の抑制
(a. 内因的なパーオキサイド)
従来から細胞群の活力を評価するのに使われてきた指標の1つは、酸化ストレスレベルである。
【0162】
この因子は、DCFH−DAと呼ばれるプローブを用いて測定される。このプローブの特徴は、いったん細胞内に入ると、パーオキサイドとの接触によって蛍光を発することである。
【0163】
(手順)
ヒトケラチノサイト群は、群に成長するまでグロブラリアコルディフォリア抽出物と24時間接触下または非接触下(ネガティブコントロール)静置した。細胞はその後、緩衝液中でDCFHラベルに露光され、代謝した。ラベルは、どちらの細胞内パーオキサイドとも反応できる。培地をその後、グロブラリアコルディフォリア抽出物と酸化剤モデルのハイドロゲンパーオキサイドとを含有または非含有の培地と取り換えた(培地とグロブラリアコルディフォリアの両方がH22とは直接反応しない)。蛍光を、ラベルと反応した細胞内パーオキサイドのレベルの評価のために読み取った。細胞の数は、細胞核ラベル方法(Hoechst 33258)を用いて定量化した。この結果を表10に示す。
【0164】
【表10】
【0165】
本発明のグロブラリアコルディフォリア抽出物は、ハイドロゲンパーオキサイドによって誘発されたパーオキサイドの増加から細胞内物を防ぐ。この結果は、グロブラリアコルディフォリア抽出物の存在下で、酸化ストレスを引き起こすフリーラジカルまたは活性酸素種によって生じる損傷が減少することに反映される。
【0166】
(b. SODおよびカタラーゼ)
我々の身体によって形成される、例えばカタラーゼまたはSODのような抗酸化酵素も、食事から得られる抗酸化剤、ビタミンEおよびC、カロチノイド等もまた、フリーラジカルや活性酸素種の有害作用を抑制するのを助ける。よって、これらの化合物の合成を刺激して数を増やすことは明らかに重要である。
【0167】
皮膚の抗酸化ポテンシャルの予備試験より、酸化ストレスのモデルであるハイドロゲンパーオキサイドで処理したヒトケラチノサイトが、グロブラリアコルディフォリア抽出物の存在下、ネガティブコントロールと比較してSOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)の細胞内活性を22%増加させたことが示される。
*ポジティブコントロールトロロクス0.012%:SOD21%;p<0.01
【0168】
さらに、腹部皮膚の移植片(女性、58歳)に、グロブラリアコルディフォリア抽出物またはそのプラシーボ含有クリームを、6日間毎日1回局所投与した。
【0169】
この処置後、移植片を調製し、一方は抗SOD蛍光抗体を用いて、他方は抗カタラーゼを用いて標識化した。定量化は、撮影後(50枚の写真/ケース)、画像解析装置を用いて行った。この結果を以下の表11および12に示す。
【0170】
【表11】
【0171】
【表12】
【0172】
グロブラリアコルディフォリアはSODおよびカタラーゼの生成を刺激し、いかなるストレスとも無関係である。これらの「自発的な」刺激作用は、ホルミシスで見かけられ、後々生じると思われるストレスに対し皮膚が適切な防御を準備できるようになる。
【0173】
(c. プロテアソームおよびグリケーション(糖化))
糖化、酸化(カルボニル化されたタンパク質)または脂質パーオキサイドとの結合によって損傷されるタンパク質は、老化に従い細胞中に堆積される傾向にある。細胞恒常性(cellular homeostasis)において、これらの有害作用を減少するプロテソアームにより、これらのタンパク質は日常的に除去される。プロテソアームの活性は、しかし、これらのタンパク質の蓄積、リポフスチンの蓄積、リポタンパク質の無駄な生成、または時間の経過によって低下し、その結果悪循環により損傷したタンパク質の量がさらに増加する。
【0174】
プロテアソームの活性を維持することは、細胞に抗老化の防御道具を追加するように、ホルミシスの有利な結果の一つである。細胞内に蓄積される不要物を減らすことを促進し、その結果として細胞を不透明にする(opacify)前炎症性化合物が生成される。
【0175】
ヒト皮膚線維芽細胞がグロブラリアコルディフォリア抽出物との接触下、群が生成されるまで静置または非静置(ネガティブコントロール)された。グロブラリアコルディフォリア抽出物はその後除去され、老化を促進させるために、細胞を酸化性物質のモデル、ハイドロゲンパーオキサイドに露出させた。この工程後、細胞を再びグロブラリアコルディフォリア抽出物と3日間接触させ、その後再接種し、初期ストレスの影響を増幅させるためにさらに酸化ストレスに晒した。
【0176】
細胞は均質化され、残存したプロテアソーム活性はモデルの蛍光性ペプチドの分割を観測することによって測定された。結果は、タンパク質を同時に測定することによって標準化した。この結果を次の表13に示す。
【0177】
【表13】
【0178】
グロブラリアコルディフォリア抽出物の抗糖化効果は、タンパク質モデルであるBSAと、非酵素的な方法によってタンパク質に糖化する、すなわち結合する、天然還元糖フルクトースとを用いて調べられた。この結合の生成物は蛍光性であり、記録装置を用いて観測される。結果を以下の表14に示す。
【0179】
【表14】
【0180】
(d. グルタチオン)
周知の抗酸化の役目に加えて、グルタチオンは身体において最も重要な解毒要素であり、身体の健康のための重要な作用物質である。グルタチオンは、例えば重金属、溶媒、殺虫剤等の毒素と結びつき、これらの毒素を、胆汁または尿中に含まれて容易に取り除かれる水溶性化合物に変換する。
【0181】
グルタチオン合成は、グロブラリアコルディフォリアの細胞培養抽出物下ケラチノサイト中で自発的に刺激される。抽出物を有しないネガティブコントロールと比較して+49%*(p<0.01)。
*ポジティブコントロールトロロクス0.012%:GSH:53%(p<0.01)
【0182】
本発明の抽出物のホルミシスタイプ効果(「ホルミシスに似た」)は、特に3通りの方法で示される:
・表面に出てこないストレス(サーチュイン、SOD、カラターゼ、グルタチオン)に対して細胞がさらに反応するように、分子および代謝経路を直接強化
−細胞のエネルギーポテンシャル、および酸化ストレス(クレアチンキナーゼ、ミトコンドリアポテンシャル、プロテアソーム、パーオキサイドまたは糖化タンパク質のレベル)に対する統合性(integrity)を直接的に保護、ならびに
・皮膚の修復能力を維持し、前駆体表現型およびこの機能の変化による細胞の増殖性を促進。
【0183】
(真皮幹細胞の研究)
これらの研究は、上述した例(B)において33%まで調整した水溶性抽出物を、1%、2%または3%に希釈して実施した。
【0184】
研究モデルとして、毛乳頭細胞から得られる真皮幹細胞が用いられた(HFDPC)。これらは「懸滴」タイプの培養を行うために、グロブラリアコルディフォリア抽出物の存在下または非存在下、滴下接種した(n=43滴/ボックス)。
【0185】
球形成特性(Sphere‐forming properties)と特異的マーカー、ネスチン(Nestin)およびSOX2とを介した、毛乳頭細胞の幹細胞の表現型維持が研究されてきている。
【0186】
(球形成特性)
細胞が3次元球体になる能力は、幹細胞表現型の特徴である。この表現型を失う事は、これらの細胞が分化し幹細胞の特徴と無関係になることを示す。培養により他よりも球形が増えると、皮膚幹細胞が多くなったことを意味する。
【0187】
細胞を、球形が形成されるまでの間抽出物と接触させる。球形が固着すると、その数を数える。結果を以下の表15に示す。
【0188】
【表15】
【0189】
非処理のコントロールと比べて、グロブラリアコルディフォリア抽出物の存在下では球形の数の顕著な増加が観察された。
【0190】
(特異的ラベル)
幹細胞の特異的マーカーであるSOX2およびネスチン発生の免疫認識を実施し評価した。結果を以下の表16および17に示す。
【0191】
【表16】
【0192】
【表17-1】
【0193】
上記の結果より、グロブラリアコルディフォリア抽出物で処理することによって、処理なしの細胞と比べて幹表現型が維持または保存されていることが分かる。
【0194】
(D)製薬(Galenic)
(本発明の活性成分):本発明のグロブラリアコルディフォリア抽出物を含む処方(上記の例Bで33%を開示した)
以下に、付加的な化粧品活性成分の存在または非存在下、様々な処方を記載する。以下の記載は、本発明の活性成分をサポートする適切な方法および/またはさらに活性度の添加である。これらの成分は、機能、適用場所(身体、顔、首、胸、手等)、所定の最終的な効果、および対象となる消費者のようないかなる分類にも適用できる。たとえば抗老化、皺防止、保湿、目の下のくまおよび/またはたるみ、引き締め、輝き、糖化防止、シミ防止、ダイエット、鎮静効果、筋肉弛緩剤、抗発赤、皮膚線条防止等に適用できる。
【0195】
(実施例1)顔面用ディクリーム形状
【0196】
【表17-2】
【0197】
(手順)相Aの重量を量り、30分間撹拌せずに膨張させる。相Aを、ウォーターバスを用いて75℃まで加熱する。相Bの重量を量り、混合する。相Cの重量を量り、ウォーターバスを用いて75℃まで加熱する。相Bを相Aに加える。充分に撹拌する。撹拌しながら相Cを相(A+B)の中へ加える。充分に均質化する。相Dを一気に(extemporaneously)加える。相Eを加え、充分に撹拌する。相Fを加え、充分に均質化する。
【0198】
(実施例2)顔面用ゲル形状
【0199】
【表17-3】
【0200】
(手順)相Aを撹拌しながら分散させる。Ultrez10を水中に散布し、30分間静置する。相Cを完全に溶解するまで加熱する。相Aと相Bを混合する。相Cを相(B+A)に加える。相Dを相(A+B+C)に加える。相Eを加える。相Fを用いて中和する。相Gを加え混合する。
【0201】
(添加成分の例)添加成分は、それらの濃度および求められる効果により、添加成分の疎水性物性または親水性物性次第で相の一つにまたは一度に(extemporaneously)ゲルタイプ形状に、特定%加えることができる。
RIGIN(商標):皮膚の弾性および引き締め(firmness)を改良し、皮膚の水和およびなめらかさを増やす、SEDERMA社によって販売されている活性剤(WO2000/433417)。この成分3重量%を、例えば相Gの調合に加えてもよい。
RENOVAGE(商標):SEDERMA社によって全世界で販売されている、抗老化活性成分(WO2006/020646)。この成分3重量%を、例えば、相Dの調合に加えてもよい。
LUMISKIN(商標):SEDERMA社によって販売されている活性成分(WO2004/024695)で、血色を明るくする。この成分3重量%を、例えば、相Dの調合に加えてもよい。
SUBLISKIN(商標):SEDERMA社によって販売されている活性成分(WO2009/055663)で、外部からの攻撃に皮膚が抵抗しつつ、皮膚を保湿し、および滑らかにする。この成分3重量%を、例えば、相Gの調合に加えてもよい。
MATRIXYL3000(商標):SEDERMA社によって販売されている皺防止のペプチドベース活性成分(WO2005/048968)で、老化により生じる皮膚のダメージの修復を助ける。この成分を3重量%、例えば、相Gの調合に加えてもよい。
【0202】
(実施例3)顔面用ナイトクリーム形状
【0203】
【表17-4】
【0204】
(手順)相Aの重量を量り、30分間膨張させる。その後相Aを、ウォーターバスを用いて75℃に加熱する。相Bを溶解するまで加熱する。相Bを相Aに加える。相Cを、ウォーターバスを用いて75℃に加熱する。撹拌しながら、相Cを相(A+B)に加える。相Dを加え、充分に均質化する。相Eを用いて55℃付近で中和する。相F、その後相Gを加え、充分に均質化する。
【0205】
(添加成分の例)添加成分は、それらの濃度および求められる効果によって特定%を、添加成分の疎水性物性または親水性物性次第で、相の一つにまたは一度に(extemporaneously)クリームタイプの形状に、加えることができる。
DERMAXYL(商標):SEDERMA社によって販売されている抗老化活性成分(WO2004/101609)で、皺を伸ばし、皮膚のバリアを修復する。この成分を3重量%、使用直前に、例えば相(A+B+C)に加えることができる。
ナイアシンアミド(ビタミンB3)、レチノール、リスベラトロール、DHEA:皺防止を含む、抗老化成分。レチノール、リスベラトロールまたはDHEA0.5重量%を相(A+B+C)に一度に(extemporaneously)、例えば、加えてもよい。水に加えたナイアシンアミド10%の10重量%(10 wt% of Niacinamide 10% in water)を、例えば、相Gに添加することができる。
ヘキサミジン:抗バクテリア活性剤であり、相Gの調合に0.5容積%まで加えることができる。
CHRONODYN(商標):SEDERMAによって販売されている活性成分(WO2006/075311)で、皮膚の色調を整え、引き締め、疲労の目立つ兆候を消す。この成分を3%例えば相Gに加えてもよい。
VENUCEANE(商標):SEDERMA社によって販売されている活性成分(WO2002/066668)。フォトエイジングの目立つ兆候(シミ、皺、乾燥等)を防ぎ、UVによって生じるダメージから細胞構造を保護し、皮膚の完全性を強固にする。この成分を3%例えば相Gに加えてもよい。
【0206】
(実施例4)ボディ用クリーム形状
【0207】
【表17-5】
【0208】
(手順)相Aの重量を量り、30分間膨張させる。相Aを、ウォーターバスを用いて75℃に加熱する。相Bを溶解するまで加熱する。相Bを相Aに加える。相Cを、ウォーターバスを用いて75℃に加熱する。撹拌しながら、相Cを相(A+B)に加える。相Dを加え、充分に均質化する。相Eを用いて55℃付近で中和する。相F、その後相Gを加え、充分に均質化する。
【0209】
(添加成分の例)添加成分は、それらの濃度および求められる効果によって特定%を、添加成分の疎水性物性または親水性物性次第で相の一つにまたは一度に(extemporaneously)クリームタイプ形状に、加えることができる。
JUVINITY(商標):SEDERMA社によって販売されている活性剤で、顔およびネックラインの老化の兆候を減らし、皺を伸ばし、真皮の密度を高くし再構築する。この成分を2%例えば相(A+B+C)に一度に(extemporaneously)加えてもよい。
トコフェロールまたはビタミンE:抗ラジカルおよび抗酸化物性の活性剤。
O.D.A. white(商標):SEDERMA社によって販売されている活性剤(WO1994/07837)で、メラニンの合成を減らすことによって皮膚を明るくする。この成分を1%例えば相(A+B+C)に一度(extemporaneously)に加えてもよい。
トコフェロール(ビタミンE)またはα−リポ酸(ALA):抗酸化および抗ラジカル物性を有する活性剤。0.5重量%を例えば相(A+B+C)に加えることができる。
Bio−Bustyl(商標):SEDERMA社によって販売されている、ペプチドおよび細菌濾過水(bacteria filtrate)をベースとする活性剤で、胸部の引き締めおよび色調に広く作用する。この成分を3%例えば相Gに加えることができる。
【0210】
(実施例5)セラム形状
【0211】
【表17-6】
【0212】
(手順)相A:カルボマーを水に振り掛け、15分間膨張させる。相Bを混合する。相Bを相Aに注ぎ均質化する。相Cの重量を量り、撹拌しながら相(A+B)に加えて混合する。1時間膨張させる。一度に(extemporaneously)相Dを前述の相に撹拌しながら加える。相Eを用いて中和する。撹拌を続ける。その後相Fを加える。少なくとも1時間撹拌しながら混合し、その後相Gを加える。よく撹拌する。
【0213】
(添加成分の例)添加成分は、それらの濃度および求められる効果によって特定%を、添加成分の疎水性物性または親水性物性次第で、相の一つにまたは一度に(extemporaneously)セラムタイプ形状に、加えることができる。
LUMISHERE(商標):SEDERMA社によって販売されている活性成分(WO04/024695)。これは、ポリメチルメタクリレートマイクロカプセル中に入れたジアセチルボルジン(DAB)とマンガンで修飾した二酸化チタン(TiO2Mn)との混合物である。TiO2Mnは皮膚に統一感を与え、つやを抑え、光沢を与え、DABは生理学的に輝く効果を与える。この成分4%を例えば相Fの調合に加えてもよい。
REVIDRAT(商標):SEDERMA社によって販売されている活性剤で、特に表皮の粘着と乾燥とを改良する。この成分2%を例えば相Cの調合に加えてもよい。
EVERMAT(商標):SEDERMA社によって販売されている活性剤(WO2007/029187)で、セラムの分泌を減らし、脂性肌の治療に関与する。この成分4%を例えば相Fの調合に加えてもよい。
HALOXYL(商標):SEDERMA社によって販売されている活性剤(WO2005/102266)で、くまを減らすことによって目の輪郭を改善する。この成分を3%例えば相Fの調合に加えてもよい。
【0214】
(実施例6)ローション形状
【0215】
【表17-7】
【0216】
(手順)相Aの重量を量る。相Bの重量を量り混合する。30分間撹拌しながら相Bを相Aに加える。相Cの重量を量り、均質化された混合物が得られるまで撹拌する。相Cを撹拌しながら相A+Bに加える。前記相に相Dを加える。撹拌しながら相Eを加え、充分に均質化する。相Fの重量を量り、前記相に混合し加え、完全に混合する。
【0217】
(添加成分の例)添加成分は、それらの濃度および求められる効果によって特定%を、添加成分の疎水性物性または親水性物性次第で、相の一つにまたは一度に(extemporaneously)ローションタイプ形状に、加えることができる。
EYELISS(商標):SEDERMA社によって販売されている活性剤(WO2003/068141)で、目の下のくまの出現を防ぎ、抑制する。この成分3%を例えば相Eの調合に加えてもよい。
Ac−Net(商標):SEDERMA社によって販売されている活性剤(WO2003/02828692)で、脂性およびニキビの発生しやすい皮膚を完全に治療する。この成分3%を例えば相Eの調合加えてもよい。
EVERMAT(商標):上記されている。この成分4%を例えば相Eの調合加えることができる。
HYDRERGY(商標):SEDERMA社によって販売されている活性剤(WO2003/02828692)で、長期間の保湿およびATP合成を刺激する。この成分3%を例えば相Eの調合に加えてもよい。
【0218】
(E)インビボ研究
この試験は上記の実施例1のクリームを用いて実施した。
【0219】
(原理)
本発明によるグロブラリア抽出物を含む化粧品クリームの効験は、顔面の血色の改善を評価するためにくすんだ皮膚を有する20人のボランティアパネルにおいて、反応性皮膚の改善を実証するために反応性皮膚を有する他の22人のボランティアパネルにおいて、ならびにSODおよびカルボニル化タンパク質の含有量を評価するために老化兆候(皺、シミ等)を有する別の14人のボランティアパネルにおいて実施した。
【0220】
この研究において、数種類の補完的な方法を併用した。
・顔色の透明性および発赤の分析は、標準化した写真を用いた。
・皮膚の透明度はTransluderm(商標)を用いて分析した。
・皮膚の輝きおよびつや消しはGonioluxT(商標)を用いて分析した。
・皮膚の還元過反応性(reduced over−reactivity)はNeurometer(商標)を用いて評価した。
・SODおよびカルボニル化タンパク質の含有量は、頬から得た粘着テープ片で評価した。
【0221】
(手順)
(それぞれの研究の基準の明確性)
皮膚がくすみ、疲労しむらのある肌色をしている女性が肌色の研究に含まれた。これらの女性の39%が喫煙者であり、この因子はしばしば肌色のくすみと関連している。
【0222】
反応性皮膚の研究においては、ボランティアは、スティンギングテスト(stinging test)において陽性反応をしたこと、およびアンケートにおいて充分な敏感性スコアを示したことを基準に選んだ。このボランティアには15日間の休薬期間(プラシーボを用いながら)を設けるように求めた。
【0223】
老化兆候の研究においては、45歳以上であること、皺、シミまたは発赤の老化の複数の兆候を有していることを基準として、14人のボランティアを選んだ。前記の研究と同様に、休薬期間を求めた。
【0224】
3つの試験において、試験前および試験中の3か月の間ホルモン変化を全く認めなかった(避妊薬、ホルモン補充または治療法に変化なし)。
【0225】
研究の間治験者は提供した化粧品のみを用いた。
【0226】
(試験のタイプおよび期間)
研究は、非浸蝕性測定を用いて一重盲検法(single blind)により実施した。
・皮膚のくすみを有する20人のボランティア(平均年齢34歳(20歳から48歳の範囲))を無作為抽出し、グロブラリアコルディフォリア抽出物を含むクリームを顔の半分に、プラシーボクリームを残りの半分に適用した。
・反応性皮膚を有する22人のボランティア(平均年齢44歳(25歳から64歳の範囲))は無作為抽出し、グロブラリアコルディフォリア抽出物を含むクリームを片方の前腕に、プラシーボをもう片方の前腕に適用した。治験者が反応性皮膚を有しているため、このパネル用のクリームは少し含有量が多かった(2%グリセリンを添加)
・老化の肉体的な兆候を有している14人のボランティア(平均年齢57.5歳(47歳から71歳の範囲))を無作為抽出し、グロブラリアコルディフォリア抽出物を含むクリームを頬の片方に、プラシーボクリームを頬の対照面に適用した。
【0227】
グロブラリアコルディフォリア抽出物またはプラシーボを含むクリームは、2か月間、1日に2回皮膚に揉みこんだ。
【0228】
この研究について以下のダイヤグラムに概要を示す。
【0229】
【表17-8】
【0230】
統計的な試験は、必要な時にスチューデントt検定またはノンパラメトリックウィルコクソン検定を用いて実施した。どちらの場合も、試験は片側(single−tailed)および一対比較法(paired measurement)を用いた。
【0231】
(1.1)顔の肌色研究
(標準化した写真を用いた透明性および発赤の評価)
写真装置、HeadScan(Cosm'O Laboratory)を、2つの場合において同様の写真を撮るために用いた。この装置では、フラッシュと艶無しイメージを撮るための交差偏光を得るフィルターとを備えた高機能デジタルカメラを用いる。
【0232】
顔のそれぞれ半分に5つの領域が、透明性(L*)と発赤(a*)を計算するためにFrameScan(商標)ソフトウェアを用いて自動的に抽出された。
【0233】
結果を以下の表18および19に示す。
【0234】
【表18】
【0235】
この結果より、パラメータL*で測定される肌色の透明性は、2か月経過後プラシーボサイドでは低下し、T0に比べて8.4%の差がある(p<0.01)。本発明のグロブラリアコルディフォリア抽出物を用いたサイドは、皮膚のパラメータが低下しても透明性は安定であった。プラシーボに対し、顔の透明性の改善の跡(+9.2%(p<0.01))が見られた。
【0236】
【表19】
【0237】
一方、これらのボランティアの赤味を帯びた肌色は、試験中、プラシーボを用いたサイドでは+17.1%(p<0.01)増加した。これは、2回の測定では気候が異なっていることが原因の可能性がある。グロブラリアコルディフォリア抽出物クリームを適用すると、しかし、発赤のこの増加傾向は抑制された。2つの側面のサイド間での相違は、グロブラリアコルディフォリア抽出物クリームを用いて手入れしたサイドの方が有利であった:−13.4%(p<0.01)。
【0238】
これらの2つのパラメーターによって得られた結果から、より均一で輝きのある顔の肌色を有し、欠陥や発赤がほとんど無いものは控除できる。
【0239】
(TRANSLUDERM(商標)を用いた皮膚の透明度の分析)
皮膚の透明度は、Orion Conceptによって開発された器具Transluderm(商標)を用いて評価した。この器具は、半径17mmのプレートからなり、中心部には皮膚を照らす白光ダイオードの連続的なスペクトルを有する。センサーは全四方1.5mmごとに配置され、皮膚が発した光の量を記録する。画像は高解像度カメラを用いて撮影し、画像解析は専用のソフトウェアを用いて行われた。皮膚を介して伝導された光の「最大伝播距離(maximum propagation distance)」パラメータをこのようにして得た。
【0240】
当然のことながら、透明な皮膚が光を多く伝導する。
【0241】
結果を以下の表20に示す。
【0242】
【表20】
【0243】
グロブラリアコルディフォリア抽出物クリームを適用後、光がより長距離を移動した(プラシーボに対して+52.7%)ことは、皮膚の透明度が大幅に改善されていることを示す。従前より観察されている効果が強化されている。
【0244】
(GONIOLUX(商標)を用いた皮膚の輝きの分析)
GONIOLUX(商標)(Orion Concept)を、輝きおよび艶消しのパラメータの評価に用いた。この機器は皮膚に照射された光(入射光)と皮膚に反射された光(反射光)と挙動の相互作用を定量化する。反射光は3次元空間の全方向における複数のセンサーを用いて測定される。反射光は、鏡面反射光(ミラー効果)、および拡散反射光(ハロー効果)として折れ曲がる。輝きが少なくより艶が少なく、光の反射が柔らかい場合に(ハロー)、皮膚はより若々しく、より美しく見える。
【0245】
結果を以下の表21に示す。
【0246】
【表21】
【0247】
2か月間のグロブラリアコルディフォリア抽出物クリームの適用により、輝きの減少(T0に対し−9.1%;p<0.02)により示される有利な艶消し効果が得られ、艶消し発生の増加傾向と組み合わせて(T0に対し+17.9%;p<0.01)、輝きパラメータの結果が改善した(プラシーボに対し+5.2%;p<0.07)。
【0248】
これら2つのパラメータの改善により、顔の外見が滑らかにかつ柔らかく見える。
【0249】
(1.2)皮膚の反応性の研究
ボランティアの皮膚の反応性の改善を調べるために、Neurometer(登録商標)と呼ばれる装置を用いた。この装置は過反応または反応低下の早期発見用に医学分野にて用いられている。
【0250】
Neurometer(登録商標)は、皮膚の敏感性の変化の定量的および定性的な特徴を定めるために用いることができる。
【0251】
この装置は、ボランティアが何かを感知するまで、皮膚に微弱電流を流すことによって神経線維を刺激する(この方法は全く痛みを伴わない)。この測定は、個人の電流感覚閾値(current perception threshold、またはCPT)に相当する。
【0252】
ある人が他の人よりも好感度で電流を感知すると、この人がストレス耐性の高い皮膚および反応性の低い皮膚を有していることを示す。反対に、電流の感知が低いと、反応性皮膚であることを示す。
【0253】
神経線維には数種類のタイプがあり(Aβ、AδおよびC線維)、これらの線維は異なった周波数の電流によって刺激される。この3種類の神経線維は様々な情報を伝える。包含試験(inclusion test)におけるボランティアの経験から、前腕のタイプAβ線維をこの研究のモデルとして用いた。これらの直径が大きな、伝導が素早い線維は、皮膚に感触、圧力、振動および膨張の情報を伝える。これらは、マイスナー小体、ルフィーニ小体、メルケル円盤およびパチニ小体の4つのタイプの機械受容器(mechano−receptor)と関連する。
【0254】
この研究において測定は、個人の主観や感覚に依存するこのタイプの測定法では特に重要である、信頼性のある結果を保証するように自動的に二重盲検で実施する。結果を以下の表22に示す。
【0255】
【表22】
【0256】
結果より、プラシーボを使用すると知覚閾値(perception threshold)においてわずかに小さな低下が示された。この低下の結果として、皮膚はT0と比べて反応しやすくなった。
【0257】
これに対し、グロブラリアコルディフォリア抽出物を含んだクリームを用いて処理すると、知覚閾値はプラシーボと比べて+23.6%(p<0.01)と非常に著しく上昇した。このことは、本発明のグロブラリアコルディフォリアクリームを用いると、皮膚の反応性が低下することを示す。
【0258】
(1.3)粘着テープ片上のSODおよびカルボニル化タンパク質の研究
試験は、グロブラリアコルディフォリア抽出物クリームを用いた、培養細胞および移植片で見られたSOD生成の刺激を確認するために、老化の明らかな兆候を有するボランティアで行った(N=14)。
【0259】
グロブラリアコルディフォリア抽出物を含むクリームを2か月間頬上に適用後、頬から得られた粘着テープ片から測定されたSODの活性は、比較のプラシーボ使用は13%低下したのに対し、グロブラリアコルディフォリア抽出物クリームでは+19%活性の顕著な改善が示された。この32%の違いは有意である(p<0.01)。
【0260】
さらに、同じ方法で粘着テープによって得られた角質層細胞上のカルボニル化タンパク質の量は、FUJITA等(2007)の方法を用いてすでに測定された。カルボニル化タンパク質は、FTZ蛍光ラベルを用いて粘着テープ片上で直接同定され、蛍光読み取り装置を用いて測定された。データは、全タンパク質を同時測定することによって標準化した。この結果を以下の表23に示す。
【0261】
【表23】
【0262】
これらの結果より、グロブラリアコルディフォリア抽出物クリームを用いて処理したサイドの粘着片上で集められたプロトン化タンパク質は少なく、この違いはプラシーボサイドと比べて明確であった(プラシーボサイドに対して−18%;(p<0.01))。
【0263】
したがって、目立った老化兆候へ2か月間の適用後、グロブラリアコルディフォリア抽出物クリームはSOD活性を改善でき、カルボニル化タンパク質の存在量を減少させた。張りのない皮膚への試験の結果と併せて、グロブラリアコルディフォリア抽出物クリームは皮膚の防御性を刺激し、透明度および輝きを修復できると結論づけることができる。クレンジング能力の改善によって、反応性が弱まり、免疫性を与えることによって皮膚のストレスに対する受容力が低下する。グロブラリアコルディフォリア抽出物クリームは、真性の抗老化ワクチンとして作用する。
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]