(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073282
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】コンプライアントなボンディング構造を有する装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20170123BHJP
【FI】
H01L33/62
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-238388(P2014-238388)
(22)【出願日】2014年11月26日
(62)【分割の表示】特願2011-552542(P2011-552542)の分割
【原出願日】2010年2月19日
(65)【公開番号】特開2015-53521(P2015-53521A)
(43)【公開日】2015年3月19日
【審査請求日】2014年12月12日
(31)【優先権主張番号】12/397,367
(32)【優先日】2009年3月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100087789
【弁理士】
【氏名又は名称】津軽 進
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ネフ ジェイムズ ジー
(72)【発明者】
【氏名】エプラー ジョン イー
(72)【発明者】
【氏名】スキアフィーノ ステファノ
【審査官】
工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−136399(JP,A)
【文献】
特開平11−220167(JP,A)
【文献】
特開2006−74007(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/152610(WO,A2)
【文献】
特開2003−7904(JP,A)
【文献】
特開2007−81417(JP,A)
【文献】
特表2010−530082(JP,A)
【文献】
特開2010−226086(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0054290(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L33/00−33/64
H01L21/60−21/607
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置とマウントとの間に柔軟なボンディング構造を有する装置であって、
前記半導体装置は、前記マウントにボンディングされ、
前記ボンディングは、前記柔軟なボンディング構造が、前記半導体装置を前記マウントに電気的且つ機械的に接続するように、前記柔軟なボンディング構造を潰し、前記柔軟なボンディング構造は、ボンディングの間、固相のままであり、
前記半導体装置は、
n型領域とp型領域との間に配されている発光領域を有する半導体構造と、
前記n型領域の一部に配されているn型金属構造と、
前記p型領域の一部に配されているp型金属構造と、
を有し、
前記柔軟なボンディング構造が複数の金属バンプを含んでおり、
前記n型金属構造は、少なくとも10ミクロンの厚さにおいて金の層を有しており、
前記複数の金属バンプの一部は、前記n型金属構造上に形成され、
前記p型金属構造は、少なくとも10ミクロンの厚さにおいて金の層を有しており、
前記複数の金属バンプの一部は、前記p型金属構造の上に形成されている、装置。
【請求項2】
半導体装置とマウントとの間に柔軟なボンディング構造を有する装置であって、
前記半導体装置は、前記マウントにボンディングされ、
前記ボンディングは、前記柔軟なボンディング構造が、前記半導体装置を前記マウントに電気的且つ機械的に接続するように、前記柔軟なボンディング構造を潰し、前記柔軟なボンディング構造は、ボンディングの間、固相のままであり、
前記半導体装置は、
n型領域とp型領域との間に配されている発光領域を有する半導体構造と、
前記n型領域の一部に配されているn型金属構造と、
前記p型領域の一部に配されているp型金属構造と、
を有し、
前記柔軟なボンディング構造が、前記n型領域の一部に形成された第1の複数の金属バンプと、前記p型領域の一部に形成された第2の複数の金属バンプとを含んでおり、
前記半導体構造の第1の領域において、最隣接のバンプが、前記半導体構造の第2の領域における最隣接のバンプよりも密に離間されている、装置。
【請求項3】
半導体装置とマウントとの間に柔軟なボンディング構造を有する装置であって、
前記半導体装置は、前記マウントにボンディングされ、
前記ボンディングは、前記柔軟なボンディング構造が、前記半導体装置を前記マウントに電気的且つ機械的に接続するように、前記柔軟なボンディング構造を潰し、前記柔軟なボンディング構造は、ボンディングの間、固相のままであり、
前記半導体装置は、
n型領域とp型領域との間に配されている発光領域を有する半導体構造と、
前記n型領域の一部に配されているn型金属構造と、
前記p型領域の一部に配されているp型金属構造と、
を有し、
前記柔軟なボンディング構造が、少なくとも1つの多孔性金属層を有している、装置。
【請求項4】
半導体装置とマウントとの間に柔軟なボンディング構造を有する装置であって、
前記半導体装置は、前記マウントにボンディングされ、
前記ボンディングは、前記柔軟なボンディング構造が、前記半導体装置を前記マウントに電気的且つ機械的に接続するように、前記柔軟なボンディング構造を潰し、前記柔軟なボンディング構造は、ボンディングの間、固相のままであり、
前記半導体装置は、
n型領域とp型領域との間に配されている発光領域を有する半導体構造と、
前記n型領域の一部に配されているn型金属構造と、
前記p型領域の一部に配されているp型金属構造と、
を有し、
前記半導体装置が、除去可能な成長基板を更に有している、装置。
【請求項5】
半導体装置とマウントとの間に柔軟なボンディング構造を有する装置であって、
前記半導体装置は、前記マウントにボンディングされ、
前記ボンディングは、前記柔軟なボンディング構造が、前記半導体装置を前記マウントに電気的且つ機械的に接続するように、前記柔軟なボンディング構造を潰し、前記柔軟なボンディング構造は、ボンディングの間、固相のままであり、
前記半導体装置は、
n型領域とp型領域との間に配されている発光領域を有する半導体構造と、
前記n型領域の一部に配されているn型金属構造と、
前記p型領域の一部に配されているp型金属構造と、
を有し、
前記柔軟なボンディング構造の前記半導体装置の縁に近接する部分は、ボンディングの間、前記柔軟なボンディング構造の前記部分が前記半導体装置と前記マウントとの間の封止を形成するように潰されるように、構成されている、装置。
【請求項6】
前記柔軟なボンディング構造の前記半導体装置の縁に近接する部分は、連続的な、線形の金属バンプを有する、請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記柔軟なボンディング構造の前記半導体装置の縁に近接する部分は、連続的な、湾曲された金属バンプを有する、請求項5記載の装置。
【請求項8】
前記柔軟なボンディング構造の前記半導体装置の縁に近接する部分は、金属バンプの少なくとも2つの線を有しており、前記少なくとも2つの線は、ボンディングの間、前記金属バンプの少なくとも2つの線が連続的な封止を形成するように潰されるようにオフセットされている、請求項5記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の他の構造へのボンディングの分野に関し、より詳細には、半導体発光装置を他の構造上に取り付けるためのコンプライアントなボンディング構造(compliant bonding structure)に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)、共振キャビティ発光ダイオード(RCLED)、垂直キャビティレーザダイオード(VCSEL)及びエッジ発光レーザーを含む半導体発光素子は、現在利用可能な最も効率的な光源の一つである。可視スペクトルにわたる動作が可能である高輝度発光装置の製造において現在興味持たれている材料系は、III−V族半導体、特に、ガリウム、アルミニウム、インジウム及び窒素の二元、三元及び四元合金(III族窒化物材料とも称される)を含む。典型的には、III族窒化物発光装置は、異なる組成物及びドーパント濃度の半導体層のスタックを、金属有機化学蒸着(MOCVD)、分子線エピタキシー(MBE)又は他のエピタキシャル技術によって、サファイア、シリコンカーバイド、III族窒化物、複合物又は他の適切な基板上でエピタキシャル成長させることによって作製される。前記スタックは、しばしば、前記基板上に形成されたドーピングされた1つ以上のn型層(例えば、Si)と、(複数の)n型層上に形成された活性領域内の1つ以上の発光層と、前記活性領域上に形成されたドーピングされた1つ以上のp型層(例えば、Mg)とを含んでいる。電気的接触は、n型及びp型領域上に形成される。
【0003】
米国特許出願第2007―0096130号は、LEDダイがサブマウントにボンディングされた後、成長基板(例えば、サファイア)を取り除くためのレーザーリフトオフ工程を使用しているLED構造を形成するための工程を記載している。当該ダイを支持するように前記サブマウントと前記LEDダイとの間にアンダーフィルを使用する必要性を取り除くために、前記LEDダイの下側には、実質的に同じ平面に陽極及び陰極が形成されており、これらの電極が、前記LED構造の後方の表面の少なくとも85%を覆っている。前記サブマウントは、実質的に同じ平面内の陽極及び陰極の対応するレイアウトを有している。
【0004】
実質的に前記LEDダイの表面全体が電極及びサブマウントによって支持されるように、前記LEDダイの電極及びサブマウントの電極は一緒に相互接続されている。如何なるアンダーフィルも、使用されていない。超音波又は熱音波(thermosonic)の金属から金属へ拡散(金―金、銅―銅、他の延性金属又は上述のものの組み合わせ)、又は異なる合金組成(例えば、金−スズ、金―ゲルマニウム、スズ―シルバー、スズ―鉛又は他の類似の合金システム)によるハンダ付けのような、LEDのサブマウントへの相互接続のための異なる方法が、使用されることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記成長基板は、前記LED構造の上部を形成し、次いで、レーザーリフトオフ工程を使用して前記LED層から除去され、前記成長基板と前記LEDの層との界面における材料を取り除く。前記レーザーリフトオフ工程の間に作られる極高圧力は、前記電極及びサブマウントによる前記LEDの層の広い面積の支持のために前記LEDの層に損傷を与えない。他の基板の除去工程も、使用されることができる。
【0006】
本発明の目的は、半導体装置と、前記半導体装置が取り付けられている構造との間の電気的、機械的、力学的及び熱的接続を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例によれば、コンプライアントなボンディング構造は、半導体装置とマウントとの間に配置される。前記半導体装置が前記マウントに取り付けられる場合、前記コンプライアントなボンディング構造は、前記半導体装置と前記マウントとの間の空間を部分的に埋めるように固相において崩壊する。幾つかの実施例において、前記コンプライアントなボンディング構造は、ボンディングの間に塑性変形を経る複数の金属バンプである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】基板上で成長されたIII族窒化物装置の断面である。
【
図2】フォトレジスト層の堆積及びパターニングの後の
図1の装置の断面である。
【
図3】前記フォトレジスト層の開口への金属の堆積の後の
図2の装置の断面である。
【
図4】前記フォトレジスト層をストリップした後の
図3の装置の断面である。
【
図5】マウントに接続されている
図4の構造の断面である。
【
図6】マウントに接続されているIII族窒化物装置の断面である。
【
図7】マイクロバンプ及びエッジ封止を備えるLED装置の平面図である。
【
図9】ボンディングの間の塑性変形を経た後の、
図8のエッジ封止を示している。
【
図10】連続的な非線形のエッジが封止を示している。
【
図11】ボンディングの間の塑性変形を経た後の
図10のエッジ封止を示している。
【
図13】ボンディングの間の塑性変形を経た後の
図12の前記エッジ封止を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
広領域金属コンタクトを備える装置において、米国特許出願第2007―0096130号において上述したように、大きいボンディング圧及び超音波出力が、前記LEDダイの電極及び前記サブマウント電極のトポグラフィにおける僅かな変化を克服するために、ボンディングにおいて必要であり得る。積極的なボンディング条件は、ボンディングの間、前記LED内の半導体材料に損傷を与え得る。積極的なボンディング条件は、前記電極の広い領域のために、ボンディングの間、前記電極のコンプライアンス(即ち変形及び崩壊)の不足によって必要とされ得る。
【0010】
本発明の幾つかの実施例において、コンプライアントなボンディング構造が、LEDダイとマウントとの間に配置される。前記コンプライアントなボンディング構造が、前記LEDダイ上、前記マウント上、又は前記LEDダイ及び前記マウントの両方の上に、配されることができる。ボンディングの間、前記コンプライアントな構造は、崩壊して還流し、この結果、積極的なボンディング条件を必要としないかもしれないと共に前記LEDダイ及び前記マウントのトポグラフィにおける僅かな変化を補償することができる堅牢な電気的、熱的及び力学的な接続をもたらす。
【0011】
図1―4は、本発明の実施例によるコンプライアントなボンディング構造を形成する方法を示している。
【0012】
図1は、基板10上で成長されたIII族窒化物装置を示している。基板10は、如何なる適切な成長基板であっても良く、例えば、サファイア、SiC、GaN、又は絶縁体に取り付けられたSiC若しくは絶縁体に取り付けられたIII族窒化物材料のような設計された基板を含む。III族窒化物装置の成長に適した設計された基板は、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願公報第2007―0072324号において更に詳細に記載されている。
【0013】
n型領域12は、最初に、基板10上で成長される。n型領域12は、例えば、バッファ層又は核生成層のような、準備層を含んでいる異なる組成物及びドーパント濃度の複数の層を含み得て、n型であり得るか又は意図的にドープされていないリリース層であって、前記成長基板の後のリリース又は基板除去の後の半導体構造の薄層化を容易にするように設計されている層であり得て、効率的に光を発する発光領域に望ましい特定の光学的又は電気的特性のために設計されたn型又はp型装置層でさえあり得る。
【0014】
発光又は活性領域14は、n型領域12上で成長される。適切な発光領域の例は、単一の厚い又は薄い発光層、又は障壁層によって分離されている複数の薄い又は厚い量子井戸発光層を含んでいる複数の量子井戸発光領域を含む。例えば、複数の量子井戸発光領域は、各々100Å以下の厚さを有する障壁によって分離されている各々25Å以下の厚さを有する複数の発光層を含み得る。幾つかの実施例において、前記装置内の発光領域の各々の厚さは、50Åよりも薄い。
【0015】
p型領域16は、発光領域14上で成長される。前記n型領域のように、前記p型領域は、異なる組成物、厚さ及びドーパント濃度の複数の層を含むことができ、意図的にドーピングされていない層又はn型層を含む。
【0016】
幾つかの実施例において、基板10は約90のミクロン厚であり、装置層12、14及び16は、5ミクロン未満の組み合わせられた厚さを有する。
【0017】
半導体領域12、14及び16の成長の後、p型領域16及び発光領域14の1つ以上の部分は、n型領域12の部分を現すように、エッチング除去される。n型コンタクト26は、n型領域12の露出部上に形成される。
【0018】
多層p型コンタクトは、p型領域16上に形成される。
図1に示されている例において、オーミックコンタクト層18は、p型領域16と直接的に接触して形成され、次いで、ガード層20(金属であることができるか又は誘電性でありえる)は、オーミックコンタクト層18上に形成される。
図1に示されているように、ガード層20は、オーミックコンタクト層18の側部にわたって延在することができる。例えば、オーミックコンタクト層18は銀を含み得て、短絡又は信頼性の問題を生じ得るエレクトロマイグレーションの影響下にある。オーミックコンタクト層18上に形成されるガード層20は、オーミックコンタクト層18のエレクトロマイグレーションを防止する又は低減することができる。幾つかの実施例において、多くのp型コンタクト層が使用されることができる、又はガード層20が省略されることができる。
【0019】
誘電層22は、n型コンタクト26をp型コンタクト18、20から分離することができる。
【0020】
p型ボンディングパッド24は、前記p型コンタクト上に形成され前記p型コンタクトに電気的に接続されている。n型ボンディングパッド28は、前記n型コンタクト上に形成され前記n型コンタクトに電気的に接続されている。ボンディングパッド24及び28は、成長基板10の除去の間、装置層12、14及び16を支持して、前記装置層から熱を外に伝導する。ボンディングパッド24及び28は、例えば、金、銅又はアルミニウムのような、高い熱伝導率を有する如何なる金属からも形成されることができる。ボンディングパッドは、例えば、幾つかの実施例においては6ミクロンと30ミクロンとの間の厚さまで、幾つかの実施例においては15ミクロンと25ミクロンとの間に厚さまで電気メッキを施されることができる。
図1に示されているように、空隙30は、n型及びp型ボンディングパッド28及び24を電気的に隔離することができる。この空隙は、好ましくは、50未満のミクロン幅である。上述の通り、ボンディングパッド24及び28は、熱輸送を提供すると共に、成長基板10の除去の間に前記半導体層を支持する。ボンディングパッド24及び28により提供される熱輸送を必要としないと共に前記半導体層の支持を必要としない装置(即ち前記成長基板が前記装置から除去されない装置)において、ボンディングパッド24及び28は省略されることができ、マイクロバンプ32は、p型及びn型コンタクト上に直接的に形成されることができる。
【0021】
n型及びp型ボンディングパッド28及び24は、幾つかの実施例において前記LEDの領域の少なくとも60%(即ち前記LED上の半導体材料の領域)を覆っており、幾つかの実施例において前記LEDの領域の少なくとも85%を覆っている。
【0022】
III族n型LEDの形成の慣例的な又は従来技術においてよく知られているものであり得るステップの詳細は、記載される必要がなく、添付図面に示されているのと同じ構造を形成する多くの仕方が存在する。慣例的な又はよく知られているものであり得るこのような詳細は、清浄、堆積技術(例えば、スパッタリング、CVD、電子プレーティング等)、リソグラフィー技術、マスキング技術、エッチング技術、金属リフトオフ技術、フォトレジストストリッピング技術及びウェハからのダイの分離を含む。
【0023】
図2において、フォトレジスト層34が、p型ボンディングパッド24及びn型ボンディングパッド28上に形成され、次いで、一連の小さい開口を形成するためにパターン化される。
【0024】
図3において、コンプライアントな金属32は、フォトレジスト層34の開口内に電気メッキを施される。例えば、150GPa未満のヤング率を有する如何なる適切な金属も、使用されることができる。適切な金属の例は、約78GPaのヤング率を有する金、約110GPaと128GPaと間のヤング率を有する銅、及び約70GPaのヤング率を有するアルミニウムを含む。
【0025】
図4において、フォトレジスト層34はストリップされ、コンプライアントな金属マイクロバンプ32を残す。マイクロバンプ32は、例えば、側方限界において6ミクロンと25ミクロンとの間であることができる。これらは、円形断面を有するが、フォトレジスト層34においてパターニングされることができる如何なる断面も使用されることができる。マイクロバンプは、6〜25ミクロンの高さであることができ、6〜25ミクロン離間されている。マイクロバンプは、およそ同じ高さ及び幅を有することができる。幾つかの実施例において、マイクロバンプ32の大きさ、高さ及び間隔は、フォトレジスト層34の厚さによって決定される。内部でマイクロバンプ32がメッキされているフォトレジスト層34の空間は、前記フォトレジスト層が厚い限り、およそ広くかつ離間されて作られることができる。例えば、10ミクロン厚のフォトレジスト層が使用される場合、パターニングされる最小のマイクロバンプは、約10ミクロン幅であり得て、約10ミクロン離間されていても良い。幾つかの実施例において、マイクロバンプ32の大きさ、高さ及び間隔は、フォトレジスト層34の厚さとは無関係である。前記マイクロバンプは、フォトレジスト層34より厚くされることができるが、マッシュルーム状の頭部が前記フォトレジスト層の上方に形成される。前記LEDダイがマウントに取り付けられる場合、前記LEDダイと前記マウントとの間の殆どの又は全ての領域がマイクロバンプ材料によって充填されて前記LEDダイと前記マウントとの間には非常に小さい間隙が残る又は間隙は残らないよう前記マイクロバンプが変形するように、マイクロバンプ32の大きさ及び間隔が、選択される。例えば、前記LEDダイをマウントに取り付けた後、前記マイクロバンプが形成されている領域(例えば、幾つかの実施例におけるn型及びp型ボンディングパッドの領域)、前記LEDダイと前記マウントとの間の空間は、幾つかの実施例においては変形されたマイクロバンプによって少なくとも50%充填される、幾つかの実施例においては変形されたマイクロバンプによって少なくとも75%充填される、幾つかの実施例においては変形されたマイクロバンプによって少なくとも85%充填される。ボンディングの後、隣接するマイクロバンプ間の間隙は、幾つかの実施例においては2ミクロン未満であり得て、幾つかの実施例においては1ミクロン未満であり得る。ボンディング後のマイクロバンプの高さは、幾つかの実施例においては元の高さの50%未満であり得て、幾つかの実施例においては元の高さの20%未満であり得て、幾つかの実施例においては元の高さの10%未満であり得る。
【0026】
図4に示されている処理の後、装置のウェハは、ダイシングされることができる。
【0027】
図5において、
図4に示される装置は、反転されてマウント40に取り付けられる。マイクロバンプ42は、LEDダイ5上に形成されるマイクロバンプ32と位置合わせするようにマウント40上に形成されることができる。マイクロバンプは、LEDダイ5及びマウント40の一方のみ又は両方の上に形成されることがでる、LEDダイ5は、LEDダイ5とマウント40との間に圧力を加えることによってマウント40に取り付けられることができる。圧力は、超音波エネルギ、熱又は両方ともを伴っても良い。超音波エネルギ及び熱の一方又は両方の付加は、ボンディングを形成するのに必要な圧力を減少することができる。前記マウント上に形成されるマイクロバンプ42及び/又は前記LEDダイ上に形成されるマイクロバンプ32は、ボンディングの間、塑性変形(即ち、これらは、これらの最初の形状に戻らない)を経て、LEDダイとマウント40との間の連続的な又は殆ど連続的な金属支持を形成する。例えば、幾つかの実施例において、ボンディングの後、マイクロバンプは、n型及びp型ボンディングパッド28及び24の領域に対応する前記LEDダイとマウント40との間のほとんど全ての空間を充填する。
【0028】
超音波ボンディングの間、LEDダイ5は、マウント40上に位置決めされる。ボンディングの頭部は、LEDダイ5の上面に位置決めされ、しばしば、サファイア上で成長されたIII族窒化物装置の場合にはサファイア成長基板10上に位置決めされる。このボンディングの頭部は、超音波トランスデューサに接続されている。前記超音波トランスデューサは、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)層のスタックであっても良い。電圧が、当該システムを調和して共振させる周波数(しばしば、十又は数百kHzのオーダの周波数)において前記トランスデューサに印加される場合、前記トランスデューサは、振動し始め、前記ボンディングの頭部及びLEDダイ5を、しばしば、マイクロメートルのオーダにおける振幅において振動させる。この振動は、マイクロバンプ32及び42の金属格子における原子を相互拡散させ、冶金学上連続的な接合を得る。熱及び/又は圧力は、ボンディングの間に、加えられることができる。超音波ボンディングの間、マイクロバンプ32及び42のような、コンプライアントなボンディング構造は、崩壊し、還流する。
【0029】
幾つかの実施例において、当該装置の異なる部分に位置されているマイクロバンプの特性又は配置は、異なる特性を有することができる。例えば、マイクロバンプは、基板除去の間、更なる支持を必要とする当該装置の領域において一緒により密に離間されても良く及び/又はより大きくても良い。例えば、前記メサがn型領域を露出させるようにエッチングされる所の近くの領域において、前記メサのエッチングにより、残存しているp型材料は、前記メサのエッチングにより、僅かに薄くされ得る。これらの領域において、マイクロバンプは、当該薄い半導体材料への更なる支持を提供するために、更に密に離間されていても良く及び/又は大きくても良い。
【0030】
マイクロバンプ32は、他の技術によって(例えば、フォトレジストマスク及び金属リフトオフの方法を使用して)、又は堆積された又はメッキされた広い領域(厚いボンディングパッド)を機械的にパターニングすることによって形成されることができる。機械的なパターニング技術は、例えば、スタンピング、レーザー機械加工、化学若しくはドライエッチング、又は力学的な粗化を含んでいる。幾つかの実施例において、互いからオフセットされている複数の、積層のマイクロバンプが、使用されることができる。マイクロバンプの複数の層は、結果として、横及び縦の両方向におけるボンディングコンプライアンスをもたらすことができる。
【0031】
幾つかの実施例において、マイクロバンプ32及び42は、異なるコンプライアントな、電気的及び熱的な伝導構造と交換される。
図6は、代替的な実施例の一例を示している。マイクロバンプの代わりに、多孔性金属構造46が、LEDダイ5とマウント40との間に配される。多孔質金属構造46は、LEDダイ5のボンディングパッド24及び28上に、マウント40のボンディングパッド上44に、又は前記LEDのボンディングパッド及び前記マウントのボンディングパッドの両方の上に形成されることができる。多孔質金属構造46は、例えば、工程の下の柔軟な金属は、性質において前記メッキされた表面の多孔性、粗さ、又は樹枝状を作った工程条件の下での軟質金属のメッキによって、又は融着された多孔質構造を作る金属の小さい粒子の焼結によって、形成されることができる。次いで、LEDダイ5及びマウント40が、上述のようにボンディングされることができる。多孔性金属構造46は、ボンディングの間、塑性変形を経る。ハンダ(ボンディングの間に液体になる)と異なって、本願明細書に記載される前記マイクロバンプ及び多孔性金属構造のような、コンプライアントなボンディング構造は、一般に、固相において崩壊する。前記コンプライアントなボンディング構造をより柔軟になる又は溶融し始めさせることができる熱が、ボンディングの間に加えられることができるが、幾つかの実施例において、コンプライアントなボンディング構造は、完全に液相になるのに十分には熱くはならない。
【0032】
マイクロバンプ又は多孔性金属構造のようなコンプライアントな構造は、ボンディングの間の高圧又は温度を必要とせずに、前記LEDダイ上の前記ボンディングパッドと、前記LEDダイが上部に取り付けられている前記マウントの表面との間の僅かな表面非平面性を補償することができる。マイクロバンプの変形する能力は、堅牢な熱的、機械的及び電気的接続によってボンディングを形成するために必要な圧力及び/又は温度を低減することができ、前記マウントへのボンディングの間のクラッククラッキング又は他の損傷の発生を低減することができる。
【0033】
マウント40へのLEDダイ5のボンディングの後、成長基板10は、例えば、レーザーリフトオフ、エッチング、又は特定の成長基板に適切な他の何らかの技術によって除去されることができる。前記成長基板を除去した後、前記半導体構造は、例えば、光電気化学エッチングによって薄くされることができる、及び/又は、前記表面は、例えば、フォトニック結晶構造によって粗くされる又はパターニングされることができる。従来技術において知られているレンズ、波長変換材料又は他の構造は、基板除去の後、LED5上に配されることができる。
【0034】
幾つかの実施例において、LEDダイ5のエッジに沿った前記マイクロバンプは、ボンディングの間に封止を形成するように構成される。
図4に示されている装置において、前記装置の縁におけるマイクロバンプ50は、封止を形成するように構成される。前記封止は、当該装置のエッジに追加の力学的な支持を提供することができ、例えば、湿度又はシリコーンカプセルの材料のような、異質な材料が、LEDダイ5とマウント40との間の何らかの空間に入るのを防止することができる。
【0035】
図7は、エッジ封止の第1の例による装置の平面図である。
図7に示されている装置において、連続的な、線形のバンプ封止50は、マイクロバンプ32を包囲している。例えば、エッジ封止は、ダイ5の縁におけるp型ボンディングパッド領域24内のマイクロバンプを囲んでおり、p型ボンディングパッドとn型ボンディングパッドとの間の間隙30を囲んでいる。他の封止は、前記n型ボンディングパッド領域28上に形成された前記マイクロバンプを囲んでいる。
図8は、
図7に示されているような線形の周囲のバンプ封止50aを有する装置の部分を示している。線形のバンプ封止50aの部分のみが示されており、マイクロバンプ32は、明確さのために省略されている。圧力52がバンプ封止50aに印加される場合、例えば、マウント(
図8において図示略)への装置5のボンディングの間、バンプ封止50aは、矢印54によって示されているように、一方向のみにおいて変形することができる。
図9は、ボンディングの間の塑性変形を経た後の、
図8のエッジ封止を示している。エッジ封止50bは、
図8に示されている方向54において広がっている。
【0036】
図7及び8において示されている連続的な線形のエッジ封止50aは、一方向において変形することができるのみであるので、マイクロバンプ32よりもコンプライアンスではなく、2つ以上の方向において変形することができる。結果として、ボンディングの間、マイクロバンプ32の下にある前記LED装置の部分に及ぼされる力よりも大きい力が、エッジ封止50aの下にある前記LED装置の部分に及ぼされることができる。
【0037】
幾つかの実施例において、エッジ封止50は、ボンディングの間、2つ以上の方向において変形するように構成されている。幾つかの実施例において、エッジ封止50の形状は、エッジ封止50のコンプライアンスがマイクロバンプ32のコンプライアンスに整合するように、選択される。
【0038】
図10は、2つ以上の方向において変形することができるエッジ封止50cを備えている装置の部分を示している。エッジ封止50cは、マイクロバンプ32を囲んでいる、連続的で、非線形のバンプ封止である。封止の部分50cのみが示されており、マイクロバンプ32は、明確さのために省略されている。エッジ封止50cは、波形の形状を有する。デバイス5のマウント(
図10の図示略)へのボンディングの間のように、圧力52がバンプ封止50cに印加される場合、バンプ封止50cは、矢印55及び56によって指示されているように、2つ以上の方向において変形することができる。
図11は、ボンディングの間、塑性変形を経た後の、
図10のエッジ封止を示している。エッジ封止50dは、
図10に示されている方向55及び56に広がっている。
【0039】
図12は、2つ以上の方向において変形することができるエッジ封止50eの他の例による装置の部分を示している。エッジ封止50eは、マイクロバンプ32を囲むオフセットマイクロバンプの2つの線50f及び50gである。エッジ封止50eの一部のみが示されており、マイクロバンプ32は、明確さのために両略されている。線50f及び50gにおけるマイクロバンプは、互いと接触している必要はないが、互いと接触していても良い。マウント(
図12において図示略)への装置5のボンディングの間のように、圧力52がバンプ封止50eに印加される場合、バンプ封止50eは、矢印55及び56によって示されているように2つ以上の方向において変形することができる。
図13は、ボンディングの間、塑性変形を経た後の
図12のエッジ封止を示している。エッジ封止50eにおけるマイクロバンプの2つの線50f及びの50gは、連続的な封止50hを形成するために、
図12に示されている方向55及び56に広がっている。
【0040】
上述した、超音波ボンディングの間、前記トランスデューサは、一般に、単一の方向において振動する。例えば、前記トランスデューサは、(
図10及び12において示されている)軸56に沿って振動することができ、軸55に沿ってほとんど運動を生じない又は運動しない。コンプライアントなボンディング構造は、この振動軸に沿って優先的に崩壊する傾向がある。従って、幾つかの実施例において、エッジ封止50は、前記振動軸に対して垂直な軸に沿って広く、前記振動軸に平行な軸に沿って狭い。
【0041】
上述の例及び実施例は、フリップクリップIII族窒化物発光装置を参照しているが、本願明細書において記載されているコンプライアントなボンディング構造及びエッジ封止は、如何なる適切な装置によっても使用されることができ、フリップチップ、III族窒化物装置、LED又は発光装置である必要もない。
【0042】
本発明を詳細に記載したが、当業者は、本開示を与えられ、本発明に対する変形が、願明細書において記載されている発明の概念の精神を逸脱することなく、なされることができることを理解するであろう。従って、本発明の範囲は、示されている及び記載されている特定の実施例に限定されるものではない。