特許第6073287号(P6073287)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィッシャー−ローズマウント システムズ,インコーポレイテッドの特許一覧

特許6073287デバイス記述ファイルをホストに送信する方法および装置
<>
  • 特許6073287-デバイス記述ファイルをホストに送信する方法および装置 図000002
  • 特許6073287-デバイス記述ファイルをホストに送信する方法および装置 図000003
  • 特許6073287-デバイス記述ファイルをホストに送信する方法および装置 図000004
  • 特許6073287-デバイス記述ファイルをホストに送信する方法および装置 図000005
  • 特許6073287-デバイス記述ファイルをホストに送信する方法および装置 図000006
  • 特許6073287-デバイス記述ファイルをホストに送信する方法および装置 図000007
  • 特許6073287-デバイス記述ファイルをホストに送信する方法および装置 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073287
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】デバイス記述ファイルをホストに送信する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/05 20060101AFI20170123BHJP
   G05B 19/042 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
   G05B19/05 Z
   G05B19/042
【請求項の数】18
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2014-502787(P2014-502787)
(86)(22)【出願日】2012年3月29日
(65)【公表番号】特表2014-512605(P2014-512605A)
(43)【公表日】2014年5月22日
(86)【国際出願番号】US2012031155
(87)【国際公開番号】WO2012135461
(87)【国際公開日】20121004
【審査請求日】2015年3月25日
(31)【優先権主張番号】13/075,966
(32)【優先日】2011年3月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512132022
【氏名又は名称】フィッシャー−ローズマウント システムズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一
(72)【発明者】
【氏名】ホームズ デビッド ファレル
【審査官】 川東 孝至
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−205243(JP,A)
【文献】 特開2010−026843(JP,A)
【文献】 特開2003−124937(JP,A)
【文献】 特開2010−061352(JP,A)
【文献】 廣岡 勲 Isao HIROOKA,新時代のフィールド機器管理ツールFieldMate FieldMate Field Device Management Tool for the New Era,横河技報 Vol.51 No.2 Yokogawa Giho,横河電機株式会社,2007年 5月30日,第51巻,45〜48頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/04−19/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイス記述ファイルをホストに送信する方法であって、
プロセス制御システム内でフィールドデバイスをプロビジョニングするために、前記フィールドデバイスを前記ホストと通信可能に接続することと、
記フィールドデバイスのバージョンに対応するデバイス記述ファイルのバージョンを前記ホストが含まないという表示を受信することに応じて、
前記ホストのデバイスタイプに基づいて、前記フィールドデバイスが、前記ホストに送信されるべき前記デバイス記述ファイルを決定し、
前記フィールドデバイスのメモリの送信されるべき前記デバイス記述ファイルにアクセスし、
送信されるべき前記デバイス記述ファイルを、前記フィールドデバイスから前記ホストに送信することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記ホストに、前記ホストが前記フィールドデバイスに関連付けられた前記デバイス記述ファイルを含むか否かを判定させるクエリを、前記フィールドデバイスから前記ホストに送信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記クエリは、前記ホストに、前記ホストが前記フィールドデバイスの前記バージョンに対応する前記デバイス記述ファイルの前記バージョンを含むか否かをさらに判定させる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記デバイス記述ファイルは、前記ホストから前記デバイス記述ファイルに対する要求を受信することに応じて、前記ホストへ送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記デバイス記述ファイルは、圧縮された形式で前記メモリ内に記憶される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ホストの前記デバイスタイプは、プロセス制御手持ち式デバイスの型番、無線デバイスのデバイスタイプ、プロセッサのデバイスタイプ、サーバタイプのデバイスタイプ、またはコントローラのデバイスタイプのうちの、少なくとも1つを含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記デバイス記述ファイルは、前記フィールドデバイスの作動化された機能に基づいて構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ホストは、前記フィールドデバイスから前記デバイス記述ファイルを受信した後、前記フィールドデバイスの製造業者から前記デバイス記述ファイルにアクセスすることを控える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記デバイス記述ファイルは、前記ホストが前記フィールドデバイスによって生成されたプロセスデータを表示できるようにする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
デバイス記述ファイルをホストへ送信するための装置であって、
デバイスタイプのリストと前記ホストのデバイスタイプとの比較に基づいて、プロセス制御システム内でフィールドデバイスに通信可能に接続された前記ホストの前記デバイスタイプを識別するためのデバイスタイプ識別部と、
記フィールドデバイスのバージョンに対応するデバイス記述ファイルを前記ホストが有さないという表示を受信するためのファイルプロセッサと、
前記フィールドデバイスのメモリの前記デバイス記述ファイルを、前記ホストの前記デバイスタイプに関連して構成するためのファイル検索部と、
前記フィールドデバイスから前記ホストに前記デバイス記述ファイルを送信するための送信部と、を備える、装置。
【請求項11】
前記フィールドデバイスは、前記デバイスタイプ識別部が前記ホストの前記デバイスタイプを識別する前に、前記プロセス制御システム内でプロビジョニングされる、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記ファイルプロセッサは、前記ホストが前記デバイス記述ファイルを含むか否かを判定するクエリを前記ホストに送信するためのものである、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記クエリは、前記ホストが前記フィールドデバイスの前記バージョンに対応する、前記デバイス記述ファイルのバージョンを含むか否かを判定するためのものである、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記送信部は、前記ファイルプロセッサが前記ホストから前記デバイス記述ファイルに対する要求を受信することに応じて、前記デバイス記述ファイルを前記ホストに送信する、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記ファイルプロセッサは、前記フィールドデバイスの作動化された機能に基づいて、前記デバイス記述ファイルを構成するためのものである、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
実行される時、機械に少なくとも、
プロセス制御システム内でフィールドデバイスをプロビジョニングし、
デバイスタイプのリストとホストのデバイスタイプとの比較に基づいて、前記フィールドデバイスに通信可能に接続された前記ホストの前記デバイスタイプを識別し、
記フィールドデバイスのバージョンに対応するデバイス記述ファイルを前記ホストが含まないという表示を受信し、
前記フィールドデバイスのメモリの前記デバイス記述ファイルを、前記ホストの前記デバイスタイプに関連して構成し、かつ
前記フィールドデバイスから前記ホストに前記デバイス記述ファイルを送信させる、機械が読み取り可能な命令を記憶する、有形の製品。
【請求項17】
前記機械が読み取り可能な命令は、実行される時、前記機械に、前記ホストが前記フィールドデバイスに関連付けられた前記デバイス記述ファイルを含むか否かを判定するクエリを、前記ホストに送信させる、請求項1に記載の有形の製品。
【請求項18】
前記機械が読み取り可能な命令は、実行される時、前記機械に、前記ホストが前記フィールドデバイスの前記バージョンに対応する前記デバイス記述ファイルのバージョンを含むか否かを判定するクエリを前記ホストに送信させる、請求項1に記載の有形の製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、プロセス制御システムに関し、より具体的には、デバイス記述ファイルをホストに送信する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
化学、石油、または他のプロセスにおいて使用されるようなプロセス制御システムは、典型的には、アナログ、デジタル、またはアナログ/デジタルバスの組み合わせを介して、少なくとも1つのホストまたはオペレータのワークステーション、ならびに1つ以上のフィールドデバイスと通信可能に接続される、1つ以上のプロセスコントローラおよび入力/出力(I/O)デバイスを含む。フィールドデバイスは、例えば、弁、弁ポジショナ、スイッチ、および伝送器(例えば、温度、圧力、および流速センサ)であってもよく、弁の開閉、およびプロセス制御パラメータの測定等、プロセス内でプロセス制御機能を実施する。コントローラは、フィールドデバイスによって行われたプロセス測定値を示す信号を受信し、制御ルーチンを実装するためにこの情報を処理し、プロセスの動作を制御するように、バスまたは他の通信回線上でフィールドデバイスに送信される、制御信号を生成する。このようにして、コントローラは、フィールドデバイスを通信可能に接続するバスおよび/または他の通信リンクを介して、フィールドデバイスを使用して、制御戦略またはルーチンを実行および調整する場合がある。
【0003】
フィールドデバイスおよびコントローラからの情報は、オペレータがプロセスに関する所望の機能を実施することを可能にするために、ランタイムデータとしてオペレータのワークステーション(例えば、プロセッサに基づくシステム)によって実行される1つ以上のアプリケーション(すなわち、ルーチン、プログラム等)にとって利用可能であってもよい。これらの機能の一部は、プロセスの現在の状態を閲覧する(例えば、図式ユーザインタフェースを介して)、プロセスを評価する、プロセスの動作を修正する(例えば、視覚オブジェクト図を介して)等を含んでもよい。また、多くのプロセス制御システムは、1つ以上のアプリケーションステーションも含む。一般に、これらのアプリケーションステーションは、ローカルエリアネットワーク(LAN)を介して、コントローラ、オペレータのワークステーション、およびプロセス制御システム内の他のシステムに通信可能に接続される、パーソナルコンピュータ、ワークステーション等を使用して実装される。各アプリケーションステーションは、1つ以上の戦略、ルーチン、またはプロセス制御システム内のキャンペーン管理機能、保守管理機能、仮想制御機能、診断機能、リアルタイム監視機能、安全関連機能、設定機能等を実施するアプリケーションを実行することができる。
【0004】
フィールドデバイスからの情報を閲覧するために、アプリケーションステーションは1つ以上のデバイス記述ファイルを利用する。フィールドデバイスの製造業者は、デバイス記述ファイルを使用して、通信プロトコル(例えばHart(登録商標)、Foundation Fieldbus(商標)、およびProfibus(登録商標))および/またはデバイスオペレーティングシステム(例えば、Windows(登録商標)、Android(登録商標)、Blackberry(登録商標) OS、iOS等)とは関係なく、プロセス制御情報にアクセスし、プロセス制御情報を表示する、アプリケーションステーションの標準化形態ならびに/または構造を提供する。現在、製造業者は、対応するフィールドデバイスから分離するデバイス記述ファイルを提供する。フィールドデバイスがプロセス制御システムにインストールされている際、プロセス制御人員は、フィールドデバイスに通信可能に接続されているアプリケーションステーション内のデバイス記述ファイルをインストールする。
【発明の概要】
【0005】
デバイス記述ファイルをホストに送信する例示的方法および装置を記述する。一実施例において、方法は、プロセス制御システム内でフィールドデバイスをプロビジョニングするために、フィールドデバイスをホストと通信可能に接続することと、ホストがフィールドデバイスのバージョンに対応するデバイス記述ファイルのバージョンを含まないという表示を受信することとを含む。例示的方法は、フィールドデバイスのメモリのデバイス記述ファイルにアクセスすることと、デバイス記述ファイルをフィールドデバイスからホストに送信することとをさらに含む。
【0006】
例示的装置は、プロセス制御システム内でフィールドデバイスに通信可能に接続されたホストを識別するデバイスタイプ識別部、およびホストがフィールドデバイスのバージョンに対応するデバイス記述ファイルを含まないという表示を受信するファイルプロセッサを備える。例示的装置はまた、フィールドデバイスのメモリのデバイス記述ファイルにアクセスするファイル検索部、およびフィールドデバイスからホストにデバイス記述ファイルを送信する送信部も備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本明細書で開示する例示的方法および装置を実行することに使用され得る例示的ファイル管理部を含む、例示的プロセス制御環境の図である。
図2図1の例示的ファイル管理部の機能ブロック図である。
図3図1および図2のフィールドデバイスからプロセスデータを表示する無線デバイスであるホストである。
図4図1および図2のフィールドデバイスからプロセスデータを表示するコンピュータであるホストである。
図5図1および/または図2のファイル管理部とホストとの間のデバイス記述ファイルの転送に使用される例示的メッセージの例示的メッセージフロー図である。
図6図1および/または図2のファイル管理部を実装するために使用することができる、例示的方法のフローチャートである。
図7】本明細書で開示する例示的方法および装置を実装するために使用することができる、例示的プロセッサシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下は、他のコンポーネントの中でも特に、ハードウェア上で実行されるソフトウェアおよび/またはファームウェアを含む、例示的方法ならびに装置を記述するが、これらの例は、解説にすぎず、制限として見なされるべきではないことに留意されたい。例えば、ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアコンポーネントのうちのいずれかまたはすべては、ハードウェアのみで、ソフトウェアのみで、またはハードウェアおよびソフトウェアの任意の組み合わせによって具現化することができることが意図される。したがって、以下が例示的方法および装置を記述する一方で、当業者は、提供される例が、そのような方法および装置を実装する唯一の方法ではないことを容易に理解するであろう。例えば、例示的方法および装置は、プロセス制御システム内でデバイス記述ファイルをホストに送信することに関連して記述される一方、例示的方法および装置は、より一般的に適用可能であり、任意の自動化システム、バッチ処理システム、製造システム、産業用制御システム、安全計装システム等の中のデバイス記述ファイルを送信するために実装することができる。
【0009】
プロセス制御システムは、一般に、制御システム内に位置するフィールドデバイスを管理する、ルーチン、制御戦略、および/またはアルゴリズムを実施する、コントローラを含む。フィールドデバイスは、例えば、弁、弁ポジショナ、スイッチ、および伝送器であってもよく、弁の開閉、およびプロセス制御パラメータの測定等のプロセス制御機能を実施する場合がある。フィールドデバイスを管理することに加えて、コントローラは、フィールドデバイスから受信された情報に基づき、プロセスデータ(例えば、プロセス制御情報)を生成する場合がある。プロセスデータは、プロセス統計、警報、監視情報、プロセストレンド情報、診断情報、フィールドデバイス状態情報、および/またはフィールドデバイスからのメッセージを含むことができる。
【0010】
コントローラは、オペレータがプロセス制御システムを管理できるように、ホスト上(例えば、ワークステーション、コンピュータ、タブレットコンピュータラップトップ、サーバ、手持ち式デバイス、携帯デバイス、無線デバイス、スマートフォン、および/または任意の他のコンピュータデバイス)で動作するアプリケーションにプロセスデータを送信する。一般に、アプリケーションは、少なくとも1つの図式データ表現として、プロセスデータをユーザインタフェース内に表示する。これらのデータ表現は、一般に、チャート、グラフ、データ表、リストボックス、図式記号、テキスト等の形態で、プロセスデータを図式的に表示するため、データ表現は、オペレータにとって有用である。ユーザインタフェース内のデータ表現および対応するテキストは、一般に、情報を閲覧するオペレータのロケールに関連するフォーマットおよび/または言語で表示される。
【0011】
多くの既知のシステムでは、ホストは、対応するデバイス記述ファイル(例えば、電子デバイス記述言語(EDDL)ファイル)を使用して、フィールドデバイスからのプロセスデータを表示する。現在は、多くの既知のプロセス制御用通信プロトコルは、デバイス記述ファイルの使用をサポートする。これらのプロセス制御用通信プロトコルとしては、例えば、Foundation Fieldbus(商標)、Hart(登録商標)Communication Foundation、およびProfibus(登録商標)が挙げられる。さらに、フィールド機器統合(FDI)標準は、プロセス制御人員によって使用される共通ツールセットを作成して、制御システム内の共に通信可能に接続されるフィールドデバイスを管理するために、デバイス記述ファイルの使用をサポートする場合がある。
【0012】
現在、デバイス記述ファイルは、フィールドデバイスの特性、パラメータ、および/または機能を記述するために使用されるテキストに基づく言語に準拠する。この機能性としては、例えば、メニューシステム記述、一般的なデバイス情報、診断、性能解析情報、動作統計、パラメータ化情報、範囲設定情報、シミュレーションパラメータ、オーバーライド情報、較正トリム情報、監視情報、デバイスセキュリティプロトコル、および/またはリセット情報が挙げられる。フィールドデバイスの製造業者は、デバイス記述ファイルを使用し、通信プロトコルおよび/またはデバイスオペレーティングシステム(例えば、Windows、Android、Blackberry OS、iOS等)とは関係なく、プロセスデータにアクセスし、プロセスデータを表示する、ホストの標準化形態ならびに/または構造を提供する。
【0013】
多くの場合、デバイス記述ファイルは、対応するフィールドデバイスと共に、プロセス制御環境に輸送される。例えば、圧力伝送器フィールドデバイスは、製造業者によって、有形の機械可読媒体(例えば、コンパクトディスク(CD))上で別個に記憶されるデバイス記述ファイルと共に、プロセス制御システムへ輸送されてもよい。他の実施例では、プロセス制御人員は、圧力伝送器フィールドデバイスの製造業者のデータベース(例えば、ウェブサイト)からホストへ、デバイス記述ファイルをダウンロードしてもよい。
【0014】
現在、プロセス制御人員は、フィールドデバイスによって生成されたプロセスデータを表示するプロセス制御システムを構成するために、フィールドデバイスをプロセス制御システムにインストールし(例えば、フィールドデバイスをプロビジョニングする)、フィールドデバイスをコントローラに通信可能に接続し、かつコントローラと通信可能に接続する1つ以上のホストに、フィールドデバイスに関連付けられたデバイス記述ファイルをインストールしなければならない。このようにして、デバイス記述ファイルを有するホストのユーザは、関連付けられたフィールドデバイスによって生成されたプロセスデータにアクセスし、および/またはプロセスデータを閲覧することができる。他の実施例では、プロセス制御人員は、プロセス制御システム内の複数のホストからアクセス可能である中央データベースに、デバイス記述ファイルを記憶してもよい。
【0015】
デバイス記述ファイルは1つ以上のホスト内に別個にインストールされるが、フィールドデバイスはプロセス制御システム内にインストールされるため、一般に、デバイス記述ファイルはフィールドデバイスから分離される。加えて、以前メモリは比較的高価であったため、現在作動しているフィールドデバイスの多くは、フィールドデバイスを動作するために必要なコード化された命令を記憶することに加えて、デバイス記述ファイルの記憶することに対応できない比較的小さいメモリを有する。しかし、メモリの価格低下に伴い、多くのフィールドデバイス製造業者が、フィールドデバイス内に比較的大きなメモリを備えている。
【0016】
一般に、デバイス記述ファイルがフィールドデバイスから分離されるもう1つの理由は、プロセス制御用通信プロトコルの限界容量である。一般に、例えば、Hart(登録商標)、Foundation Fieldbus(商標)、およびProfibus(登録商標)のような通信プロトコルは、第一に、フィールドデバイスからコントローラおよび/またはホストへのプロセスデータの転送をサポートする。多くのプロセス制御用通信プロトコルは、相対的に、フィールドデバイスから1つ以上のホストへのファイルの転送をほぼサポートしない。多くの場合、プロセス制御用通信プロトコルによって利用されるデータバスは、主に、比較的信頼性の高い方法で、比較的少量のプロセスデータを転送するために設計されているため、帯域が制限されている。その他の場合、プロセス制御用通信プロトコルは、デバイス記述ファイルを転送するためのメッセージ、および/または他の機能をサポートしなくてもよい。
【0017】
デバイス記述ファイルがフィールドデバイスから分離されるため、プロセス制御人員は、特定のフィールドデバイスに対してデバイス記述ファイルを構成する試みを経験し得る。例えば、フィールドデバイスから分離して輸送されたデバイス記述ファイルは、フィールドデバイスと適合しない可能性がある(例えば、ファイルは、フィールドデバイスの別の種類および/または別の型のものである)。その他の場合、デバイス記述ファイルは、フィールドデバイスの新しい、または古いバージョンのためのものであり得る。また他の場合には、プロセス制御人員は、特定の機能をサポートするためにフィールドデバイスを構成することができるが、デバイス記述ファイルを変更し、サポートされた機能を反映することはない。さらなる場合には、デバイス記述ファイルは、設置し損じる、または失われることがある。加えて、多くのホストは、プロセス制御システム内で分離し得るため、それにより、各ホスト上にデバイス記述ファイルをインストールすることは、プロセス制御人員にとって困難になる。
【0018】
本明細書で記述される例示的方法および装置は、デバイス記述ファイルがフィールドデバイスのメモリ内に記憶されることを可能にする。このようにして、本明細書で記述される方法および装置は、プロセス制御用通信プロトコルを介して1つ以上のホストにデバイス記述ファイルを送信し、それにより、ユーザは、フィールドデバイスによって生成されたプロセスデータを閲覧することができる。本明細書で記述される例示的方法および装置は、任意のプロセス制御用通信プロトコルに実装可能なファイル転送ルーチンを利用する。ファイル転送ルーチンは、フィールドデバイスに通信可能に接続されているホストを識別し、デバイス記述ファイルを有していないそれらの接続されたホストを識別し、デバイス記述ファイルを識別されたホストに送信する。
【0019】
ファイル転送ルーチンを実装するために、本明細書で記述される例示的方法および装置は、プロセス制御用通信プロトコルに準拠したファイル転送メッセージを利用し、デバイス記述ファイルがフィールドデバイスからホストに転送されることを可能にする。ファイル転送メッセージとしては、例えば、ホスト要求メッセージ、ホスト応答メッセージ、通信回線確立メッセージ、確認応答メッセージ、および/またはデバイス記述ファイル転送メッセージが挙げられる。例示的方法および装置は、フィールドデバイスからホストにデバイス記述ファイルを転送する一部の例示的メッセージを記述するが、他の種類のメッセージが用いられてもよい。
【0020】
一部の実施例では、本明細書で記述される例示的方法および装置は、ホストの識別子(例えば、ワークステーション)を使用し、ホストの種類と関連付けられたフィールドデバイス内に記憶されたデバイス記述ファイルを判定する。例えば、本明細書で記述される例示的方法および装置は、ホストが比較的小さな画面領域を有する手持ち式プロセス制御通信機(例えばFisher−Rosemount 375 Field Communicator)であると判定してもよい。ホスト種類の判定に応じて、本明細書で記述される例示的方法および装置は、比較的小さな画面上にプロセスデータを表示するように構成されるデバイス記述ファイルを選択する。
【0021】
デバイス記述ファイルをフィールドデバイスに記憶することにより、本明細書で記述される例示的方法および装置は、フィールドデバイスによって生成されたプロセスデータを表示する各ホストが、適切なデバイス記述ファイルを有することを確実にする。さらに、製造業者が事前にフィールドデバイスを構成する実施例では、製造業者はまた、デバイス記述ファイルを変更し、その構成で関連付けられたフィールドデバイスに記憶してもよい。加えて、プロセス制御システム内でフィールドデバイスをプロビジョニングすることに応じて、デバイス記述ファイルを1つ以上のホストに送信することにより、本明細書で記述される例示的方法および装置は、1つ以上のホスト内にデバイス記述ファイルを設定する時間を短縮する。
【0022】
これにより、本明細書で記述される例示的方法および装置は、デバイス記述ファイルの正しいバージョンがインストールされ、フィールドデバイスの特定のバージョンをサポートするという合理的な保証を、フィールドデバイスの製造業者に提供する。例えば、多くの製造業者は、デバイス記述ファイルの提供を遅らせてもよい。フィールドデバイスに対応するデバイス記述ファイルを記憶することにより、本明細書で記述される例示的方法および装置は、フィールドデバイスのプロビジョニングとデバイス記述ファイルのインストールとの間の遅延を短縮する。
【0023】
図1は、本明細書で開示する例示的方法および装置を実行することに使用され得る、例示的ファイル管理部102を含む、例示的プロセス制御環境100の図を示す。例示的ファイル管理部102は、プロセス制御システム104内に位置するフィールドデバイス103内に含まれる。この実施例では、フィールドデバイス104は、コントローラ108、およびI/Oカード110を介して、ホスト106(例えば、ワークステーション)に通信可能に接続される。通信パス112は、フィールドデバイス103をI/Oカード110に接続する。通信パス112は、例えば、Foundation Fieldbus(商標)、Hart(登録商標)、および/または、Profibus(登録商標)を含む、任意の有線および/または無線プロセス制御用通信プロトコルに準拠してもよい。
【0024】
例示的プロセス制御システム104は、任意の種類の製造施設、処理施設、自動化施設、安全計装施設、および/または任意の他の種類のプロセス制御構造もしくはシステムを含んでもよい。一部の実施例では、プロセス制御システム104は、プロセス制御環境100内の異なる場所に位置する複数の施設を含んでもよい。加えて、例示的プロセス制御環境100は、同じ施設内に含まれる、および/または別の施設に位置する、他のプロセス制御システム(図示せず)を含んでもよい。
【0025】
プロセス制御システム104はフィールドデバイス103を示すが、プロセス制御システム104は、コントローラ108および/または他のコントローラ(図示せず)に通信可能に接続される他のフィールドデバイス(図示せず)を含んでもよい。加えて、プロセス制御システム104はコントローラ108およびI/Oカード110を示すが、プロセス制御システム104は、1つ以上のフィールドデバイスをホスト106と通信可能に接続する、追加のコントローラ、I/Oカード、および/または任意の他のデバイスを含んでもよい。他の実施例では、ホスト106は、他のプロセス制御システム(図示せず)と通信可能に接続されてもよい。
【0026】
例示的コントローラ108は、制御ルーチンを使用して、例えば、監視アプリケーション、警報管理アプリケーション、プロセストレンディングおよび/または履歴アプリケーション、診断アプリケーション、バッチ処理および/またはキャンペーン管理アプリケーション、統計アプリケーション、ストリーミング動画アプリケーション、高度制御アプリケーション、安全計装アプリケーション、イベントアプリケーション等を含むアプリケーションに対する、フィールドデバイス103からの出力に基づいたプロセスデータを計算する。コントローラ108は、定期的に、および/またはプロセスデータの処理またはプロセスデータの生成に応じて、プロセスデータをホスト106および/または任意の他のプロセス制御データベースおよび/またはプロセッサ(図示せず)に転送する。コントローラ108によって送信されたプロセスデータは、プロセス制御値、データ値、警報情報、テキスト、ブロックモード要素状態情報、診断情報、エラーメッセージ、パラメータ、イベント、および/またはデバイス識別子を含んでもよい。
【0027】
I/Oカード110(例えば、1つ以上のI/Oカード)は、フィールドデバイス103からデータを受信し、データを例示的コントローラ108によって処理可能な通信に変換する。同様に、I/Oカード110は、コントローラ108からのデータまたは通信を、フィールドデバイス103によって処理可能なデータ形式に変換してもよい。
【0028】
図示される実施例では、コントローラ108は、ローカルエリアネットワーク(LAN)114を介してホスト106に接続される。LAN114は、任意の通信媒体およびプロトコルを用いて実装することができる。例えば、LAN114は、実配線の有線または無線によるイーサネット(登録商標)通信方式であってもよい。しかし、任意の他の適切な通信媒体やプロトコルが用いられてもよい。さらに、単一のLAN114が示されるが、2つ以上のLAN、およびホスト106内の適切な通信ハードウェアが使用され、ホスト106とそれぞれの類似ワークステーション(図示せず)との間に冗長通信パスを提供してもよい。
【0029】
図1の例示的ホスト106は、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、ラップトップ、サーバ、手持ち式デバイス、携帯デバイス、無線デバイス、スマートフォン等の任意のコンピューティングデバイスを含んでもよい。ホスト106は、任意の適切なコンピュータシステム、または処理システム(例えば、図7のプロセッサシステムP10)を用いて実装してもよい。例えば、ホスト106は、シングルプロセッサパーソナルコンピュータ、または、シングルもしくはマルチプロセッサワークステーション等を用いて実装することができる。
【0030】
例示的ホスト106は、ユーザインタフェース116を介してプロセス制御アプリケーションを表示する。ユーザインタフェース116は、デバイス記述ファイルを使用し、ホスト106のユーザが、フィールドデバイス103よって生成されたプロセスデータを図式(アプリケーションを介して)で閲覧可能となる画像形式でプロセスデータをレンダリングする。加えて、例示的ユーザインタフェース116は、ユーザが、ホスト106にコントローラ108に命令を送信させるように選択および/または操作することができる図式手段を提供することによって、プロセス制御システム104を管理することを可能にする。
【0031】
デバイス記述ファイルは、出力パラメータを含む、フィールドデバイス103に関連付けられる機能性を定義することによって、ホスト106がフィールドデバイス103によって生成されたプロセスデータを表示することを可能にする。デバイス記述ファイルは、それぞれの出力パラメータに対し、プロセスデータの種類、閾値、プロセスデータの指定範囲、および/または、出力パラメータ内に含まれるプロセスデータが、どのように表示されるのか(例えば、表、グラフ、テキストフィールド、状態表示、数字フィールド等を介して)を特定する。デバイス記述ファイルはまた、出力パラメータのプロセスデータの図形表現が表示される、ユーザインタフェース116内の位置も特定することができる。さらに、デバイス記述ファイルは、プロセスデータの形式に一致するパラメータおよび/または変数を特定してもよい。
【0032】
概して、フィールドデバイス103は、通信パス112を介してコントローラ108からの命令を受信し、指定された動作(例えば、流体の圧力を測定する)を実行し、フィールドデバイス103によって実装されたプロセスおよび/または制御されたプロセスを変化させる(例えば、流体の圧力を調整する)。フィールドデバイス103は、プロセスデータ、環境データ、および/または入力デバイスデータを測定し、測定されたデータをプロセスデータとして、通信パス112を介してコントローラ108に送信する。
【0033】
例示的フィールドデバイス103は、例えば、プロセス制御人員が、フィールドデバイス103を対象上、および/または測定される流体内にインストールし、フィールドデバイス103を通信パス112およびI/Oカード110を介してコントローラ108に通信可能に接続することによって、プロセス制御システム104内でプロビジョニングされる。フィールドデバイス103はまた、プロセス制御人員が、識別子をフィールドデバイス103に割り当て、フィールドデバイス103をプロセス制御システム内で通信可能に位置付けることを可能にすることによって、プロビジョニングされてもよい。
【0034】
図1に図示した実施例において、プロセス制御環境100は、圧力伝送器(例えば、Rosemount 3051S Series Pressure Transmitter)としての、例示的フィールドデバイス103を示す。圧力伝送器フィールドデバイス103は、例えば、管の中にある流体の圧力を測定する。圧力伝送器フィールドデバイス103は、測定した圧力を計算し、コントローラ108を介してホスト106に送信する。圧力伝送器フィールドデバイス103はまた、状態情報、診断、警報情報、イベント情報、および/またはその他の種類のプロセスデータを、ホスト106に送信してもよい。
【0035】
圧力伝送器フィールドデバイス103は図示することのみを目的として示されており、また他の実施例において、フィールドデバイス103は、入力を受信し、出力を生成し、かつ/またはプロセスを制御することができる、任意の種類のフィールドデバイス、またはプロセス制御コンポーネントを含んでもよい。例えば、他の種類のフィールドデバイスとしては、例えば、プロセスを制御するための弁、ポンプ、ファン、ヒーター、クーラー、および/またはミキサーが挙げられる。これらの他の実施例では、フィールドデバイス103は、測定または監視装置として、例えば、プロセスの一部を測定するための温度センサ、圧力センサ、濃度センサ、液面計、流量計、および/または蒸気センサ等の測定デバイスまたは監視デバイスを含んでもよい。
【0036】
図1の実施例において、ファイル管理部102は、圧力伝送器フィールドデバイス102内に含まれて示される。図示される実施例は、ファイル管理部102の機能描写を示す。他の実施例において、ファイル管理部102は、プロセッサ(例えば、マイクロコントローラ)内に、および/またはフィールドデバイス103の電子筐体内に含まれる回路基板上に位置してもよい。ファイル管理部102はフィールドデバイス103内に示されるが、他の実施例では、ファイル管理部102は、ホスト106および/またはホスト106に通信可能に接続されたプロセッサ内に含まれてもよい。これらの別の実施例では、ファイル管理部102は、フィールドデバイス103内に記憶されたデバイス記述を読み出す。
【0037】
例示的ファイル管理部102は、フィールドデバイス103がプロセス制御システム104内にプロビジョニングされた後、フィールドデバイス103に対応するデバイス記述ファイルをホスト106に送信する。ファイル管理部102は、ホスト106の種類を識別し、ホスト106の種類に適切なデバイス記述ファイルを選択することができる。ファイル管理部102はまた、プロセス制御システム104に拡散要求を送信し、任意の他のホスト(図示せず)を見付けてもよい。ファイル管理部102は、デバイス記述ファイルのための、フィールドデバイス103内部のメモリにアクセスしてもよい。その他の場合、ファイル管理部102は、デバイス記述ファイルのためのメモリを機能的に含んでもよい。ファイル管理部102は、図2と併せてさらなる詳細が記述される。
【0038】
図2は、図1の例示的ファイル管理部102の機能ブロック図を示す。この実施例では、ファイル管理部102は、フィールドデバイス103内に含まれて示される。ファイル管理部102は、直接、通信パス112に通信可能に接続されて示されるが、他の実施例では、ファイル管理部102は、フィールドデバイス103内の配線および/または他の電子機器を介して通信パス112に接続されてもよい。一部の実施例では、フィールドデバイス103は、通信可能に接続されたホストにデバイス記述ファイルの同時送信をすることをサポートするために、複数のファイル管理部102を含んでもよい。
【0039】
例えば、ホスト106からのメッセージを受信するため、図2のファイル管理部102は、受信部202を含む。例示的受信部202は、メッセージの種類に基づいてメッセージを送る。例えば、ホスト106の種類を識別するホスト106からのメッセージは、デバイスタイプ識別部204に送られる。他の実施例では、1つ以上のデバイス記述ファイル(複数可)の送信に関連するホスト106からのメッセージは、ファイルプロセッサ206に送られる。受信部202はまた、ホスト106においてデバイス記述ファイルが既にインストールされているかどうかを表示するメッセージをホスト106からファイルプロセッサ206に送ってもよい。例示的受信部202はまた、プロセス制御用通信プロトコルに関連するメッセージを、ファイル管理部102と互換性のある形式に変換してもよい。
【0040】
例示的デバイスタイプ識別部204は、例えば、ホスト106によって提供される情報を使用し、ホスト106の種類を判定する。例えば、ファイル管理部102は、ホスト106に、ホスト106の電子アドレスおよび/またはホスト106の識別子を含むメッセージを送信させる拡散メッセージをホスト106に送信してもよい。この実施例では、デバイスタイプ識別部204は、識別子を使用してホスト106の種類を判定する。電子アドレスとしては、例えば、インターネットプロトコル(IP)アドレス、LANアドレス、ホスト106のディレクトリ位置、および/またはプロセス制御システム104に関連するアドレスが挙げられる。
【0041】
デバイスタイプ識別部204は、デバイスタイプへの識別子リストを介した相互参照によってホスト106の種類を判定してもよい。識別子が媒体アクセス制御(MAC)アドレスである実施例では、デバイスタイプ識別部204は、MACアドレスをデバイスタイプに相互参照してもよい。他の実施例では、デバイスタイプ識別部204は、識別子が、比較的大きい表示モニタ、または比較的小さい表示モニタ(例えば、ユーザインタフェース116)を有するデバイス(例えば、ホスト106)に対応することを判定することができる。ホスト106の種類は、例えば、ホスト106の型番および/または、ホスト106内に含まれるプロセッサの種類によって、さらに識別され得る。
【0042】
ホスト106の種類を判定した後、デバイスタイプ識別部204は、ホスト106の種類および/またはホスト106の電子アドレスを含むメッセージをファイルプロセッサ206に送信する。例示的ファイルプロセッサ206は、ホストへのデバイス記述ファイルの転送を管理する。フィールドデバイス103がプロビジョニングおよび/または構成される際、ファイルプロセッサ206は、フィールドデバイス103が作動している、および/または機能的であるという表示を受信する。表示は、フィールドデバイス103のプロセッサからのメッセージ、および/またはフィールドデバイス103が動力を供給されているという表示(例えば、信号)を含み得る。
【0043】
表示に応じて、ファイルプロセッサ206は、概して、通信可能に接続されているホストからの識別子を伴う応答を要求する、プロセス制御システム104における任意のホストに向けた、拡散メッセージ(例えば、クエリ)を送信する。クエリはまた、フィールドデバイス103に関連付けられたデバイス記述ファイルがホスト内に含まれるか否かを判定するようにホストに要求してもよい。クエリはまた、デバイス記述ファイルを含むホストに対し、デバイス記述ファイルのバージョン、公開日、および/または改訂を要求してもよい。
【0044】
例示的ファイルプロセッサ206は、ホストからの応答に基づいて、フィールドデバイス103に通信可能に接続されたホストのリストを維持する。一部の実施例では、ファイルプロセッサ206は、定期的に(例えば、日毎、週毎等)拡散メッセージを送信し、任意の新たなホストがフィールドデバイス103に通信可能に接続されるか否かを判定してもよい。他の実施例では、コントローラ108および/またはサーバは、通信可能に接続されているホストのリストを維持することができる。これらの実施例では、ファイルプロセッサ206は、コントローラ108および/またはサーバからリストにアクセスする。さらに別の実施例では、ファイルプロセッサ206は、ホストがフィールドデバイス103に通信可能に接続することに応じて、デバイス記述ファイルの要求メッセージをホストから受信してもよい。
【0045】
ファイルプロセッサ206は、フィールドデバイス103に接続されるそれぞれのホストに対し、デバイスタイプ識別部204によって提供されたホストの種類を使用し、適切なデバイス記述ファイルにアクセスするようファイル検索部208に命令する。さらに、ファイルプロセッサ206は、ホストがデバイス記述ファイルの不適切な(例えば、新しい、または古い)バージョン、改訂、および/または公開データを含むという表示で応答する各ホストに対し、ファイルプロセッサ206が適切なデバイス記述ファイルをホストに提供できるように、記憶されたデバイス記述ファイルにアクセスするようにファイル検索部208に命令する。ファイルプロセッサ206はまた、フィールドデバイス103のバージョンを比較し、既にホスト内に含まれたデバイス記述ファイルがフィールドデバイス103と互換性があるか否かを判定してもよい。ホストがデバイス記述ファイルの正しい、および/または適切なバージョン、改訂、および/または公開日を伴って応答する実施例では、ファイルプロセッサ206は、記憶されたデバイス記述ファイルをホストに送信しない。
【0046】
デバイス記述ファイルをホスト(例えば、ホスト106)に送信するため、ファイルプロセッサ206は、ホスト(例えば、仮想回路)内に通信リンクを確立する。ファイルプロセッサ206は、一部のプロセス制御用通信プロトコルに対し、デバイス記述ファイルを含むメッセージをホストの電子アドレスを含むホストに送信することによって、通信リンクを確立する。このようにして、メッセージはコントローラ108に伝搬し、例えば、LAN114を介してホスト106に向けられる。この実施例では、ファイルプロセッサ206は、転送メッセージの比較的小さいデータパケット内でデバイス記述ファイルを送信する。
【0047】
他の実施例では、ファイルプロセッサ206は、デバイス記述ファイルがホストへ流れるように、I/Oカード110上のI/Oポート、コントローラ108上のインタフェース、および/または任意のルータ上の任意の切り替えインタフェースを特定することによって、プロセス制御システム104を介して、仮想回路を確立することができる。これらの実施例では、デバイス記述ファイルは、比較的大きなパケットおよび/またはメッセージで、適切なホストに転送されてもよい。
【0048】
さらに他の実施例では、ファイルプロセッサ206は、コントローラ108、ホスト106、および/またはサーバ上に一時記憶領域を作成し、デバイス記述ファイルをこの一時領域に転送してもよい。この一時領域から、ファイルプロセッサ206は、デバイス記述ファイルを他のホストに流す、および/または複製することができる。このようにして、ファイルプロセッサ206は、比較的制限された帯域のプロセス制御用通信プロトコルを一度超えて、デバイス記述ファイルを一時領域に転送するだけでよく、デバイス記述ファイルを他のホストにリモートで転送するために、比較的高い帯域接続(例えば、LAN114)を利用することができる。
【0049】
一部の実施例では、ファイルプロセッサ206はまた、フィールドデバイス103の、作動化および/または有効化された機能性に基づいて、デバイス記述ファイルを構成してもよい。例えば、フィールドデバイス103がプロビジョニングされたという表示を受信した後、ファイルプロセッサ206は、どの特性、機能、および/または要素が有効化され、認可され、構成され、および/または、別の様式で作動化されたのかを(例えば、ブロック構成を介して)判定するように、フィールドデバイス103のプロセッサと通信することができる。次に、ファイルプロセッサ206は、ファイルがフィールドデバイス103の有効化された特性、機能、および/または要素を反映するように、命令をファイル検索部208に送信し、デバイス記述ファイルを更新および/または変更することができる。
【0050】
デバイス記述ファイルを検索および/または管理するために、図2のファイル管理部102は、ファイル検索部208を含む。例示的ファイル検索部208は、デバイス記述子ファイルメモリ210に通信可能に接続する。例示的デバイス記述子ファイルメモリ210は、ファイル管理部102内に示されるが、他の実施例では、デバイス記述子ファイルメモリ210は、フィールドデバイス103内のファイル管理部102の外側であってもよい。デバイス記述子ファイルメモリ210は、電気的消去・プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)および/または任意の他の種類のメモリによって、実装することができる。
【0051】
デバイス記述ファイル(複数可)は、フィールドデバイス103の製造過程において、デバイス記述子ファイルメモリ210に記憶される。一部の場合において、製造業者は、フィールドデバイス103の製造物内に含まれる特性、機能性、および/または要素に基づいて、デバイス記述ファイルを構成してもよい。例えば、製造業者がフィールドデバイス103内に温度センサを含む場合、製造業者は、デバイス記述子ファイルメモリ210内にファイルを記憶する前に、温度センサに関する機能的記述、およびパラメータ表示情報をデバイス記述ファイルに追加してもよい。製造業者はまた、複数の異なる種類のホストに対して構成されたデバイス記述ファイルの複数のバージョンを記憶することもできる。
【0052】
加えて、一部の実施例では、デバイス記述ファイル(複数可)は、デバイス記述子ファイルメモリ210の利用を減少するため、および/またはホストへの送信時間を減少するために、圧縮された形式で記憶されることができる。デバイス記述ファイルは、ファイル圧縮またはトークン化方法の任意の種類を用いて圧縮することができる。これらの実施例では、ファイルプロセッサ206は、デバイス記述ファイルを解凍することができ、もしくは代替として、ホストがデバイス記述ファイルを解凍してもよい。
【0053】
図示される実施例の例示的ファイル検索部208は、ファイルプロセッサ206からデバイス記述ファイルにアクセスする命令を受信し、要求されたファイルのためにメモリ210にアクセスし、ファイル(または、ファイルの複製)をファイルプロセッサ206に送信する。一部の実施例では、ファイル検索部208は、ホストの種類を含む命令を受信することができる。これらの実施例では、ファイル検索部208は、ホストの種類によって表示されるように構成されたデバイス記述ファイルを見付ける。ファイル検索部208は、デバイス記述ファイル内でメタデータを用いて、ファイルと互換性があるホストの種類を識別してもよい。他の実施例では、ファイル検索部208は、デバイス記述子ファイルメモリ210内の、どのデバイス記述ファイルがどの種類のホストと関連付けられているのかを識別するリストにアクセスしてもよい。
【0054】
一部の実施例において、ファイル検索部208はまた、ファイルプロセッサ206に改訂、バージョン、および/または公開日を提供することができる。次に、ファイルプロセッサ206は、記憶されたデバイス記述ファイル(複数可)の改訂、バージョン、および/または公開日を、ホストで既にインストールされた任意のデバイス記述ファイルと確認することができる。さらに、ファイル検索部208は、ファイルプロセッサ206からの命令に基づいてデバイス記述ファイルを構成してもよい。代替として、ファイル検索部208は、構成するデバイス記述ファイルにファイルプロセッサ206を提供してもよい。
【0055】
メッセージおよび/またはデバイス記述ファイル(複数可)を1つ以上のホストに送信するために、図2の例示的ファイル管理部102は、送信部212を含む。例示的送信部212は、ファイルプロセッサ206からメッセージを受信し、それらのメッセージをプロセス制御用通信プロトコルと互換性のある形式に変換し、メッセージを通信パス112を介して適切なホストに送信する。他の実施例では、送信部212は、メッセージをフィールドデバイス103内の通信プロセッサに送信してもよい。
【0056】
例示的送信部212はまた、デバイス記述ファイル(複数可)を適切なホストに(例えば、ホスト106)送信する。デバイス記述ファイルを送信するために、送信部212は、デバイス記述ファイルを適切なプロセス制御用通信プロトコルに準拠するように初期化することによって、通信パス112に沿った送信用にファイルをパケット化、および/もしくは変換する。例示的送信部212はまた、デバイス記述ファイルを1つ以上のホスト(複数可)への送信のため、バッファリングしてもよい。これらの実施例では、送信部212はまた、複数のホストにデバイス記述ファイルを同時送信するように、複数のバッファを含んでもよい。
【0057】
デバイス記述ファイルをホストに送信することにより、ファイル管理部102は、ホストがフィールドデバイス103によって生成されたプロセスデータを表示することを可能にする。さらに、デバイス記述ファイルをホストに送信することにより、例示的ファイル管理部102は、ホストが最新および/または適切なファイルのバージョンを有することを確実にする。デバイス記述ファイルを送信することはまた、プロセス制御人員の、例えば、CDおよび/またはフィールドデバイス103の製造業者ウェブサイトにアクセスし、デバイス記述ファイルをインストールしなければならない時間を省く。
【0058】
例示的ファイル管理部102は図2に図示されているが、図2に図示されるサーバ、プラットフォーム、インタフェース、データ構造図、要素、プロセス、および/またはデバイスの1つ以上は、任意の方法で、結合、分割、再編成、省略、排除および/または実装されてもよい。さらに、例示的受信部202、例示的デバイスタイプ識別部204、例示的ファイルプロセッサ206、例示的ファイル検索部208、例示的デバイス記述ファイルメモリ210、例示的送信部212、および/または、より一般的に、例示的ファイル管理部102は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアならびに/またはハードウェア、ソフトウェアおよび/もしくはファームウェアの任意の組み合わせによって実装されてもよい。このように、例えば、例示的受信部202、例示的デバイスタイプ識別部204、例示的ファイルプロセッサ206、例示的ファイル検索部208、例示的デバイス記述ファイルメモリ210、例示的送信部212、および/または、より一般的に、例示的ファイル管理部102のうちのいずれかは、1つ以上の回路(複数可)、プログラム可能なプロセッサ(複数可)、特定用途向け集積回路(複数可)(ASIC(複数可))、プログラム可能論理回路(複数可)(PLD(複数可))、および/またはフィールドプログラマブル論理回路(複数可)(FPLD(複数可))等によって、実装されてもよい。
【0059】
本特許のいずれかの装置請求項が、純粋にソフトウェアおよび/またはファームウェア実装を網羅するものとして読まれる場合、例示的受信部202、例示的デバイスタイプ識別部204、例示的ファイルプロセッサ206、例示的ファイル検索部208、例示的デバイス記述ファイルメモリ210、および/または例示的送信部212のうちの少なくとも1つは、ここで、そのソフトウェアおよび/またはファームウェアを記憶するメモリ、DVD、CD等のコンピュータ可読媒体を含むことが、明示的に定義される。さらにまた、例示的ファイル管理部102は、図2に図示されたものに加えて、またはそれらの代わりに、1つ以上の要素、プロセス、および/もしくはデバイスを含んでもよく、かつ/または図示される要素、プロセス、およびデバイスのうちのいずれか2つ以上またはすべてを含んでもよい。
【0060】
図3は、図1および図2のフィールドデバイス103からプロセスデータを表示する無線デバイスである図1のホスト106を示す。ホスト106は、携帯表示画面(例えば、タッチスクリーン)としてのユーザインタフェース116を含む。この実施例では、ホスト106は、(無線)LAN114およびゲートウェイ受信部(図示せず)を介して、コントローラ108に通信可能に接続される。このユーザインタフェース116は、ゲージ図形302およびメニュー図形304を含む。図3はフィールドデバイス103からプロセスデータを表示する一実施例を示すが、他のデバイス記述ファイルは、プロセスデータを表示する他の方法を定義してもよい。
【0061】
ホスト106は、図1および図2のファイル管理部102によって送信されたデバイス記述ファイルを使用して図形302〜304を表示する。この実施例では、ファイル管理部102は、図3のホスト106が、フィールドデバイス103に通信可能に接続されることを検出し、ホスト106がデバイス記述ファイルの現在のバージョン含むか否かをホスト106に問い合わせるメッセージを送信する。応答して、ホスト106は、ホスト106の電子アドレス、ホスト106の識別子、およびホスト106がデバイス記述ファイルを含まないという表示を有するメッセージを送信する。他の実施例において、LAN114に通信可能に接続すること、および/またはフィールドデバイス103からプロセスデータを受信することに応じて、ホスト106は対応するデバイス記述ファイルの要求をファイル管理部103に送信することができる。
【0062】
図示される実施例では、ファイル管理部102は、ホスト106の識別子を使用して、ホスト106が比較的小さな表示画面(例えば、インタフェース116)を有することを判定し、比較的小さな表示画面上にフィールドデバイス103からプロセスデータを表示するように構成されるデバイス記述ファイルを選択する。デバイス記述ファイルを受信した後、ホスト106は、ユーザインタフェース116を介して、ユーザが選択する機能のリストを提供するメニュー図形304を表示する。デバイス記述ファイルは、メニュー図形のそれぞれのメニュー項目がどのように表示されるのかを特定し、メニュー項目に関連する機能性の定義を含む。この実施例では、ユーザは「概要」メニュー項目を選択し、ゲージ図形302を閲覧する。
【0063】
例示的ゲージ図形302は、フィールドデバイス103により報告された圧力値(例えば、プロセスデータ)を表示する。この実施例では、デバイス記述ファイルは、圧力値がゲージ図形302内にどのように表示され、どのようにゲージ図形302が表示されるのか(例えば、大きさ、色、ゲージ番号、および圧力の単位型等)を定義してもよい。加えて、ゲージ図形302は、圧力値(例えば、プロセスデータ)の品質を表示する状態表示(例えば「良好」)を含む。フィールドデバイス103は、圧力の品質を報告することができ、または、代替として、デバイス記述ファイルは1つ以上の閾値に対する圧力値の比較に基づいて、品質を定義することができる。
【0064】
図4は、例えば、ユーザインタフェース116を介して、図1および図2のフィールドデバイス103からプロセスデータを表示するコンピュータであるホスト106を示す。この実施例では、ユーザインタフェース116は、表示モニタのユーザに表示されるプロセス制御アプリケーション(例えばDVTユーザインタフェース)を含んでもよい。この実施例において、ファイル管理部102は、フィールドデバイス103からのプロセスデータがホスト106を介して表示されるという表示を受信する。ファイル管理部102は、ホスト106が比較的大きな表示画面に関連付けられていることを判定し、大きい表示画面を構成するデバイス記述ファイルをホスト106に送信する。
【0065】
図3のユーザインタフェース116と同様に、図4のユーザインタフェース116は、ゲージ図形302およびメニュー図形304を含む。ユーザインタフェース116がより多くの表示可能領域を有するため、デバイス記述ファイルは、ゲージ図形302に隣接する拡張形式でメニュー図形304を表示する定義を含む。加えて、より多くの表示可能領域に伴い、デバイス記述ファイルはまた、デバイス状態図形404、およびモード図形406と共に状態パネル402を表示する定義を含む。さらに、デバイス記述ファイルは、ショートカットパネル408を表示する定義を含む。このようにして、ファイル管理部102は、ホスト106の表示モニタ(例えば、ユーザインタフェース116)と互換性のあるデバイス記述ファイルを選択し、フィールドデバイス103からプロセスデータを表示する。
【0066】
図5は、図1および/または図2のファイル管理部102とホスト106との間のデバイス記述ファイルの転送に使用される、例示的メッセージの例示的メッセージフロー図500を示す。図5は、デバイス記述ファイルを転送する一部の例示的メッセージを示すが、他の実施例は、異なる種類および/または数のメッセージ(および/またはパケット)を使用し、デバイス記述ファイルをフィールドデバイス103からホストに106に転送してもよい。
【0067】
フィールドデバイス103は、例えば、プロセス制御システム104内にプロビジョニングされる(ブロック502)。フィールドデバイスがプロビジョニングされた後、ファイル管理部102は、ホスト拡散メッセージ504を送信する。ホスト拡散メッセージ504はまた、プロセス制御システム内の複数のホストに送信されてもよい。この実施例では、ホスト拡散メッセージ504は、フィールドデバイス103に通信可能に接続された任意のホストに、ホストの電子アドレス、ホストの識別子、およびホストがフィールドデバイス103に対応したデバイス記述ファイルを含むかどうかを含む応答メッセージを送信することを問い合わせる。
【0068】
ホスト拡散メッセージ504の受信に応じて、ホスト106は、識別子(例えば「AXY」)、ホスト106の電子アドレス(例えば「1.2.3」)、およびホスト106がデバイス記述ファイルを含むかどうか(例えば「NO」)を含むホスト応答メッセージ506を送信する。ホスト106がデバイス記述ファイルを含む実施例では、ホスト106はまた、デバイス記述ファイルの改訂、バージョン、および/または公開日を伴って応答する。他の実施例では、ホスト106は、ホスト106がフィールドデバイス103に通信可能に接続されると、自発的に(例えば、ホスト拡散メッセージ504を受信することなく)ホスト応答メッセージ506を送信することができる。
【0069】
ホスト応答メッセージ506を受信した後、ファイル管理部102は、メッセージ506内の情報に基づいて、ホスト106に送信するデバイス記述ファイルを判定する(ブロック508)。次いで、ファイル管理部102は、ホスト106への通信リンクおよび/または仮想回路を作成する通信確立メッセージ510を送信する。他の実施例では、ファイル管理部102は、通信確立メッセージ510を送信し、ホスト106の電子宛先(例えば、アドレス)を検証してもよい。通信確立メッセージ510に応答して、ホスト106は、ホスト106への通信リンクが確立されたことを示す通信確立確認メッセージ512をフィールドデバイス103に送信することによって、返答する。
【0070】
通信確立確認メッセージ512を受信した後、ファイル管理部102は、1つ以上のファイル転送メッセージ514を介してデバイス記述ファイルを送信する。デバイス記述ファイルの受信(ブロック516)に応じて、ホスト106は、デバイス記述ファイルがホスト106によって受信されたことをファイル管理部102に示すファイル受信確認メッセージ518を送る。一部の実施例では、ホスト106は、定期的な通信確立確認メッセージ512を、受信されたデバイス記述ファイルの一部として送信してもよい。このようにして、ファイル管理部102は、デバイス記述ファイルの送信に関してフィードバックを有する。例えば、ファイル管理部102が、デバイス記述ファイルの一部が適切に受信されなかったことを示すメッセージをホスト106から受信する場合、ファイル管理部102は、デバイス記述ファイルの受信されなかった部分を再送することができる。
【0071】
図示される実施例において、ファイル受信確認メッセージ518を受信した後、ファイル管理部102は、フィールドデバイス103がプロセスデータをホスト106(メッセージ520)に送信することを命令および/または可能にする。一部の実施例では、フィールドデバイス103は、デバイス記述ファイルを受信するホスト106とは関係なく、プロセスデータの送信を開始してもよい。これらの実施例において、ホスト106は、デバイス記述ファイルを受信した後は、プロセスデータを表示することしかできない。このようにして、例示的メッセージフロー図500は、フィールドデバイス103がプロビジョニングされた後、デバイス記述ファイルがホスト106において比較的早くインストール可能であることを示す。
【0072】
図1および図2の例示的ファイル管理部102を実装する例示的プロセス600のフローチャート表現は、図6に示される。この実施例では、プロセス600は、機械可読命令を使用して、図7に関連して以下で説明される例示的プロセッサシステムP10内に示される、プロセッサP12等のプロセッサによって実行するためのプログラムの形態で実装される場合がある。このプログラムは、プロセッサP12に関連付けられる、CD−ROM、フロッピーディスク、ハードドライブ、デジタル多用途ディスク(DVD)、またはメモリ等のコンピュータ可読媒体上に記憶されるソフトウェアで具現化されてもよいが、代替として、プログラム全体および/またはその一部が、プロセッサP12以外のデバイスによって実行されることも可能であり、ならびに/あるいはファームウェアもしくは専用ハードウェアで具現化されることも可能である。さらに、図6に示されるフローチャートを参照して例示的プログラムが記述されるが、例示的ファイル管理部102を実装する多くの他の方法が、代替として使用されてもよい。例えば、ブロックを実行する順序が変更されてもよく、および/または記載されるブロックのうちのいくつかが変更、排除、もしくは組み合わされてもよい。
【0073】
上述したように、図6の例示的プロセスは、例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、ROM、CD、デジタル多用途ディスク(DVD)、キャッシュ、RAM、および/または情報が任意の期間(例えば、延長された期間、永久的、短いインスタンス、一時的にバッファリングする間、および/または情報をキャッシングする間)記憶される任意の他の記憶媒体等の、有形のコンピュータ可読媒体上に記憶される符号化命令(例えば、コンピュータ可読命令)を使用して実装することができる。本明細書において、有形のコンピュータ可読媒体は、任意の型のコンピュータ可読記憶装置を含むこと、および伝搬信号を排除することが、明示的に定義される。加えて、または代替として、図6の例示的プロセスは、例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ、コンピュータディスク、デジタル多用途ディスク、キャッシュ、ランダムアクセスメモリ、および/または、情報が任意の期間(例えば、延長された期間、永久的、短いインスタンス、一時的にバッファリングする間、および/または情報をキャッシングする間)記憶される任意の他の記憶媒体等の、持続性コンピュータ可読媒体上に記憶される符号化命令(例えば、コンピュータ可読命令)を使用して実装することができる。本明細書において、持続性コンピュータ可読媒体は、任意の型のコンピュータ可読媒体を含むこと、および伝搬信号を排除することが、明示的に定義される。
【0074】
図6の例示的プロセス600は、デバイス記述ファイルをフィールドデバイスからホストに送信する。デバイス記述ファイルを複数のホストに転送するために、例示的プロセス600の複数のインスタンスは実装されることができ、または代替として、例示的プロセス600は、デバイス記述ファイルを並列または直列でホストに送信してもよい。図6の例示的プロセス600は、プロセス制御システム内でフィールドデバイスをプロビジョニングおよび/または構成することによって開始する(ブロック602)。この例示的プロセス600は、(例えば、図1および/または図2のファイル管理部102を介して)フィールドデバイスがプロビジョニングされると、検出することができる。次いで、例示的プロセス600は、(例えば、ファイルプロセッサ206を介して)通信可能に接続されたホストを識別する(ブロック604)。通信可能に接続されたホストを識別することは、例えば、ホスト拡散メッセージを送信すること、および/またはデバイス記述ファイルに対する要求をホストから受信することを含む。
【0075】
次に、例示的プロセス600は、通信可能に接続されたホスト(複数可)のうちのいずれかが、フィールドデバイスに関連付けられたデバイス記述ファイルを含むか否かを判定する(例えば、ファイルプロセッサ206を介して)(ブロック606)。デバイス記述ファイルを含むホストについて、例示的プロセス600は、ホスト内に含まれるデバイス記述ファイルが、フィールドデバイス内に記憶されたデバイス記述ファイルと比較して、以前のバージョン、改訂、および/もしくは公開日を有するか否か、ならびに/または別の様式でフィールドデバイスと互換性がないかどうかを判定する(例えば、ファイルプロセッサ206および/またはファイル検索部208を介して)(ブロック608)。ホスト内のデバイス記述ファイルが、フィールドデバイスに記憶されたデバイス記述ファイルと一致する(例えば、同様のバージョン、改訂、および/または公開データを有する)場合、例示的プロセス600は、ホストがフィールドデバイスによって生成されたプロセスデータを閲覧することを可能にする(例えば、ファイルプロセッサ206を介して)(ブロック610)。ホストがプロセスデータを閲覧することを可能にすることは、プロセスデータをホストに送信することを含んでもよい。ホストが既に適切なデバイス記述ファイルを有するため、例示的プロセス600は、次いで、600を終了してもよい。
【0076】
しかし、ホスト内のデバイス記述ファイルが、フィールドデバイスで記憶されたデバイス記述ファイルと一致しない場合(ブロック608)、および/またはホストのうちいずれかがデバイス記述ファイルを含まない場合(ブロック606)、図6の例示的プロセス600は、ホストのそれぞれのデバイスタイプを判定する(例えば、デバイスタイプ識別部204を介して)(ブロック612)。例示的プロセス600は、ホストによって提供される識別情報を用いて、ホストの種類(もしくは複数の種類)を判定してもよい。次いで、例示的プロセス600は、ホストの種類のそれぞれに対応および/または準拠するデバイス記述ファイルを選択する(例えば、ファイルプロセッサ206および/または、ファイル検索部208を介して)(ブロック614)。例示的プロセス600はまた、フィールドデバイスの作動化された機能性に基づいてデバイス記述ファイル(複数可)を構成してもよい。
【0077】
図示される実施例の例示的プロセス600は、ホストのそれぞれとの通信リンクを確立することによって継続する(例えば、ファイルプロセッサ206および/または送信部212を介して)(ブロック616)。通信リンクを確立することは、ホストの電子アドレスを検証すること、および/または、ホストに1つ以上の仮想回路を作成することを含んでもよい。通信リンクの確立後、例示的プロセス600は、デバイス記述ファイルをフィールドデバイスからホストのそれぞれに送信する(例えば、送信部212を介して)(ブロック618)。次いで、例示的プロセス600は、ホストのそれぞれがフィールドデバイスによって生成されたプロセスデータをデバイス記述ファイルを介して閲覧することを可能にする(ブロック610)。ホストがデバイス記述ファイル(複数可)を介してフィールドデバイスからプロセスデータを閲覧することを可能にすることに応じで、例示的プロセス600は終了する。他の実施例では、例示的プロセス600は、デバイス記述ファイルに対する要求が新しく通信可能に接続されたホストから受信されるまで待機してもよい。
【0078】
図7は、本明細書に記述の例示的方法および装置を実装するために使用されてもよい例示的プロセッサシステムP10のブロック図を示す。例えば、例示的プロセッサシステムP10に類似または同一のプロセッサシステムは、例示的受信部202、例示的デバイスタイプ識別部204、例示的ファイルプロセッサ206、例示的ファイル検索部208、例示的デバイス記述ファイルメモリ210、例示的送信部212、および/または、より一般的に、図1および/または図2の例示的ファイル管理部102を実装するために使用されてもよい。例示的プロセッサシステムP10は、複数の周辺機器、インタフェース、チップ、メモリ等を含むように以下に説明されるが、これらの要素のうちの1つ以上が、例示的受信部202、例示的デバイスタイプ識別部204、例示的ファイルプロセッサ206、例示的ファイル検索部208、例示的デバイス記述ファイルメモリ210、例示的送信部212、および/または、より一般的に、例示的ファイル管理部102のうちの1つ以上を実装するために使用される他の例示的プロセッサシステムから削除されてもよい。
【0079】
図7に示されるように、プロセッサシステムP10は、相互接続バスP14に接続されるプロセッサP12を含む。プロセッサP12は、図7では完全にオンチップであるように描写されるが、代替として、完全に、または部分的にオフチップであり、専用電気接続を介して、および/または相互接続バスP14を介して、プロセッサP12に直接接続される場合がある、レジスタセットまたはレジスタ空間P16を含む。プロセッサP12は、任意の好適なプロセッサ、処理ユニット、またはマイクロプロセッサであってもよい。図7には図示されていないが、システムP10は、マルチプロセッサシステムであってもよく、したがって、プロセッサP12と同一である、または類似し、相互接続バスP14に通信可能に接続される、1つ以上の追加プロセッサを含んでもよい。
【0080】
図7のプロセッサP12は、メモリコントローラP20と、周辺機器入力/出力(I/O)コントローラP22とを含む、チップセットP18に接続される。周知であるように、チップセットは、一般に、アクセス可能である、もしくはチップセットP18に接続される1つ以上のプロセッサによって使用される、I/Oおよびメモリ管理機能、ならびに複数の汎用および/または専用レジスタ、タイマ等を提供する。メモリコントローラP20は、プロセッサP12(または、複数のプロセッサが存在する場合、プロセッサ(複数))がシステムメモリP24および大容量記憶メモリP25にアクセスすることを可能にする、機能を実施する。
【0081】
システムメモリP24は、例えば、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)等の任意の所望の種類の揮発性および/または不揮発性メモリを含んでもよい。大容量記憶メモリP25は、任意の所望の種類の大容量記憶デバイスを含むことができる。例えば、例示的プロセッサシステムP10が、デバイス記述ファイルメモリ210(図2)を実装するために使用される場合、大容量記憶メモリP25は、ハードディスクドライブ、光学式ドライブ、テープ記憶デバイス等を含んでもよい。代替として、例示的プロセッサシステムP10が、デバイス記述ファイルメモリ210を実装するために使用される場合、大容量記憶メモリP25は、固体メモリ(例えば、フラッシュメモリ、RAMメモリ等)、磁気メモリ(例えば、ハードドライブ)、またはデバイス記述ファイルメモリ210内の大容量記憶に好適な任意の他のメモリを含んでもよい。
【0082】
周辺機器I/OコントローラP22は、プロセッサP12が、周辺機器I/OバスP32を介して、周辺機器入力/出力(I/O)デバイスP26およびP28、ならびにネットワークインタフェースP30と通信することを可能にする、機能を実施する。I/OデバイスP26およびP28は、例えば、キーボード、ディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、ブラウン管(CRT)ディスプレイ等)、ナビゲーションデバイス(例えば、マウス、トラックボール、静電容量式タッチパッド、ジョイスティック等)等の任意の所望の種類のI/Oデバイスであってもよい。ネットワークインタフェースP30は、プロセッサシステムP10が別のプロセッサシステムと通信することを可能にする、例えば、イーサネットデバイス、非同期転送モード(ATM)デバイス、802.11デバイス、DSLモデム、ケーブルモデム、携帯電話モデム等であってもよい。
【0083】
メモリコントローラP20およびI/OコントローラP22は、チップセットP18内の別個の機能ブロックとして図7に描写されるが、これらのブロックによって実施される機能は、単一の半導体回路内に集積されてもよく、または、2つ以上の別個の集積回路を使用して実装されてもよい。
【0084】
上述の例示的方法および/または装置のうちの少なくともいくつかは、コンピュータプロセッサ上で動く、1つ以上のソフトウェアおよび/またはファームウェアプログラムによって実装される。しかしながら、本明細書に記述される例示的方法および/または装置のうちのいくつか、またはすべてを、全体的に、または部分的に実装するために、特定用途向け集積回路、プログラマブル論理アレイ、および他のハードウェアデバイスを含むが、これらに限定されない、専用ハードウェア実装を、同様に構築することができる。さらに、また、分散処理もしくはコンポーネント/オブジェクト分散処理、並列処理、または仮想機械処理を含むが、これらに限定されない、代替のソフトウェア実装も、本明細書に記述される例示的方法および/またはシステムを実装するために構築することができる。
【0085】
また、本明細書に記述される例示的ソフトウェアおよび/またはファームウェア実装は、磁気媒体(例えば、磁気ディスクまたはテープ)、光ディスク等の光磁気媒体もしくは光媒体、あるいはメモリカード、または1つ以上の読み取り専用(不揮発性)メモリ、ランダムアクセスメモリ、もしくは他の書き換え可能(揮発性)メモリを収容する他のパッケージ等の固体媒体等の有形記憶媒体上に記憶されることにも留意されたい。したがって、本明細書に記述される例示的ソフトウェアおよび/またはファームウェアは、上述されるもの、またはとって代わる記憶媒体等の有形記憶媒体上に記憶することができる。上記の明細書が、特定の標準およびプロトコルを参照して、例示的コンポーネントおよび機能を説明する範囲について、本特許の範囲は、そのような標準およびプロトコルに限定されないことが理解される。
【0086】
加えて、本特許は、ハードウェア上で実行されるソフトウェアまたはファームウェアを含む、例示的方法および装置を開示するが、そのようなシステムは、例示にすぎず、制限として解釈されるべきではないことに留意されたい。例えば、これらのハードウェアおよびソフトウェアコンポーネントのうちのいずれか、またはすべてを、ハードウェアのみで、ソフトウェアのみで、ファームウェアのみで、またはハードウェア、ファームウェア、および/もしくはソフトウェアの何らかの組み合わせで具現化できる可能性があることが意図される。したがって、上記の明細書は、例示的方法、システム、および機械がアクセス可能な媒体を説明したが、実施例は、そのようなシステム、方法、および機械がアクセス可能な媒体を実装するための唯一の方法ではない。したがって、特定の例示的方法、システム、および機械がアクセス可能な媒体が本明細書に記述されてきたが、本特許の対象範囲は、これらに限定されない。それどころか、本特許は、文言上、または均等論の下で適正に添付の特許請求の範囲内である、すべての方法、システム、および機械がアクセス可能な媒体を対象とする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7