(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073302
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】UPnP基盤デバイス間のデータ交換装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G06F 13/00 20060101AFI20170123BHJP
【FI】
G06F13/00 357A
【請求項の数】14
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-515762(P2014-515762)
(86)(22)【出願日】2012年6月18日
(65)【公表番号】特表2014-517417(P2014-517417A)
(43)【公表日】2014年7月17日
(86)【国際出願番号】KR2012004789
(87)【国際公開番号】WO2012173444
(87)【国際公開日】20121220
【審査請求日】2015年2月18日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0058971
(32)【優先日】2011年6月17日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2012-0064078
(32)【優先日】2012年6月15日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ホ−ヨン・パク
【審査官】
小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−133881(JP,A)
【文献】
特表2010−511920(JP,A)
【文献】
特開2007−066076(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0036941(US,A1)
【文献】
茶間康,家電機器をネットワーク化するアーキテクチャ Universal Plug and Playの全貌 第2回,Interface,日本,CQ出版株式会社,2003年 7月 1日,第29巻,第7号,p.164-176
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニバーサルプラグアンドプレー(UPnP)基盤デバイス間のデータ交換装置であって、
特定のパラメータに対する要請を生成し被制御部に送信し、前記被制御部から前記要請に対する応答を受信する制御部と、
前記応答に含まれた情報に基づいてイベントデータ送信経路を確立し、イベントデータを受信するイベントデータバスモジュールとを有し、
前記特定のパラメータに対する要請は、パラメータ受信期間、および、パラメータ受信期間タイプを有することを特徴とするUPnP基盤デバイス間のデータ交換装置。
【請求項2】
ユニバーサルプラグアンドプレー(UPnP)基盤デバイス間のデータ交換装置であって、
特定のパラメータに対する要請を制御部から受信し、前記要請に対する応答を前記制御部に送信する被制御部と、
前記制御部の制御でイベントデータ送信経路を確立し、イベントデータを送信するイベントデータバスモジュールとを有し、
前記特定のパラメータに対する要請は、パラメータ受信期間、および、パラメータ受信期間タイプを有することを特徴とするUPnP基盤デバイス間のデータ交換装置。
【請求項3】
前記特定のパラメータに対する要請は、パラメータネーム、パラメータ受信周期タイプ、および、パラメータ受信周期、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のUPnP基盤デバイス間のデータ交換装置。
【請求項4】
前記要請に対する応答は、
前記特定のパラメータを識別するための識別子(ID)、パラメータ送信周期、パラメータ送信期間、及びパラメータ送信アドレスを有することを特徴とする請求項3に記載のUPnP基盤デバイス間のデータ交換装置。
【請求項5】
前記特定のパラメータに対する要請は、パラメータ受信アドレスをさらに有することを特徴とする請求項3に記載のUPnP基盤デバイス間のデータ交換装置。
【請求項6】
前記要請に対する応答は、
前記特定のパラメータを識別するための識別子(ID)、パラメータ送信周期、及びパラメータ送信期間を有することを特徴とする請求項5に記載のUPnP基盤デバイス間のデータ交換装置。
【請求項7】
前記イベントデータは、パラメータを識別するためのクエリ識別子(ID)と対応するパラメータ値に対応するデータ値とを有することを特徴とする請求項3に記載のUPnP基盤デバイス間のデータ交換装置。
【請求項8】
前記イベントデータは、インターネットプロトコル(IP)に基づく送信制御プロトコル(TCP)又はユーザデータグラムプロトコル(UDP)パケットのタイプを有し、TCP又はUDPパケット内の2進値及び拡張マークアップ言語(XML)値のうちのいずれか1つに含まれることを特徴とする請求項3に記載のUPnP基盤デバイス間のデータ交換装置。
【請求項9】
ユニバーサルプラグアンドプレー(UPnP)基盤デバイス間のデータ交換方法であって、
制御部が特定のパラメータに対する要請を生成するステップと、
前記要請を被制御部に送信するステップと、
前記要請に対する応答を前記被制御部から受信するステップと、
前記応答に含まれた情報を用いてイベントデータ送信経路を確立するステップと、
前記イベントデータ送信経路を通してイベントデータを受信するステップとを有し、
前記特定のパラメータに対する要請は、パラメータ受信期間、および、パラメータ受信期間タイプを有することを特徴とするUPnP基盤デバイス間のデータ交換方法。
【請求項10】
前記被制御部が前記特定のパラメータに対する要請を前記制御部から受信するステップと、
前記要請に対する応答を生成するステップと、
前記制御部に対する応答を送信するステップと、
前記制御部と前記イベントデータ送信経路を確立するステップと、
前記イベントデータ送信経路を通して前記イベントデータを前記制御部に送信するステップとをさらに有することを特徴とする請求項9に記載のUPnP基盤デバイス間のデータ交換方法。
【請求項11】
前記特定のパラメータに対する要請は、パラメータネーム、パラメータ受信周期タイプ、および、パラメータ受信周期、を含むことを特徴とする請求項9に記載のUPnP基盤デバイス間のデータ交換方法。
【請求項12】
前記要請に対する応答は、前記特定のパラメータを識別するための識別子(ID)、パラメータ送信周期、パラメータ送信期間、及びパラメータ送信アドレスを含むことを特徴とする請求項9に記載のUPnP基盤デバイス間のデータ交換方法。
【請求項13】
前記イベントデータは、パラメータを識別するためのクエリ識別子(ID)と対応するパラメータに対応するデータ値とを含むことを特徴とする請求項9に記載のUPnP基盤デバイス間のデータ交換方法。
【請求項14】
前記イベントデータは、インターネットプロトコル(IP)に基づく送信制御プロトコル(TCP)又はユーザデータグラムプロトコル(UDP)パケットのタイプを含み、TCP又はUDPパケット内の2進値及び拡張マークアップ言語(XML)値のうちのいずれか1つに含まれることを特徴とする請求項9に記載のUPnP基盤デバイス間のデータ交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ交換装置及び方法に関し、特に、ユニバーサルプラグアンドプレイ(universal plug and play:UPnP)基盤デバイス間のデータ交換装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
UPnP技術は、様々なデバイス間のデータ交換のために使用される。UPnP技術は、従来のコンピュータシステムで使用されるプラグアンドプレイ(Plug and Play:PnP)技術をネットワークに基づく動的サービスインターワーキング技術に拡張する技術である。
【0003】
UPnP技術をサポートするデバイスは、一般的に、制御の主体となることができるか否に基づいて、制御部(Control Point)及び被制御部(Controlled Device)に分類される。制御部は、他のデバイスを検索するか又は制御し、被制御部は、制御部の制御の下に、被制御部自身が提供するサービスを実行する。一般的に、制御部及び被制御部は、アドレッシング(Addressing)過程、ディスカバリー(Discovery)過程、ディスクリプション(Description)過程、制御過程、及びイベンティング(Eventing)過程を含むネットワーキングを実行する。
【0004】
図1は、従来のUPnPプロトコルスタックを示す図である。
【0005】
図1を参照すると、UPnPプロトコルスタックは、インターネットプロトコル(IP)12、送信制御プロトコル(TCP)14、ハイパーテキスト転送プロトコル(Hyper Text Transfer Protocol:HTTP)16、シンプルオブジェットアクセスプロトコル(Simple Object Access Protocol:SOAP)18、及び汎用イベント通知アーキテクチャ(General Event Notification Architecture:GENA)19を含み、制御部及び被制御部は、UPnPプロトコルスタック10に基づいてデータを交換する。
【0006】
まず、制御部は、IP12及びTCP14を通してネットワーク上の他のデバイスと通信し、IPアドレスを通してネットワーク上の他のデバイスの検索及び照会を行うアドレス過程及びディスカバリー過程を実行する。
【0007】
また、制御部は、被制御部で提供するサービスを認識するために被制御部のIPアドレスを通してデバイスの明細ファイル(サービスディスクリプションXMLファイル又はデバイスディスクリプション拡張マークアップ言語(XML)ファイル)を要請し、被制御部からデバイスの明細ファイルを受信する。制御部は、被制御部により提供されるデバイスの明細ファイルを分析することにより被制御部で提供するサービスを認識する。
【0008】
さらに、制御部は、被制御部を通してサービスを実行するために、被制御部で提供するサービスの実行を要請する制御命令(Action)メッセージを被制御部に送信し、対応する制御命令メッセージを受信した被制御部から制御応答メッセージを受信する。ここで、制御命令メッセージ及び制御応答メッセージは、SOAP18を通してXMLを用いて表現される。
【0009】
追加で、制御部は、制御命令メッセージを通して所定のサービスを提供する被制御部のイベントが発生するか否か、すなわち、被制御部の状態変化があるか否かを確認するイベンティング過程を実行する。このとき、制御部が被制御部の状態変化を確認するためにサブスクリプションを要請するSOAPメッセージを被制御部に送信し、被制御部は、被制御部の状態変化を通知するためにGENA18を用いてテキスト形態のイベントメッセージを制御部に送信する。
【0010】
上述したように、従来のUPnPプロトコルスタック10に基づいてデータを交換する際に、SOAP18を用いて制御命令メッセージ及び制御応答メッセージのような制御関連メッセージを制御部と被制御部との間で送受信し、被制御部は、GENA19を用いてイベントメッセージを制御部に送信する。ここで、GENA19は、デバイス間のイベントメッセージを交換するために使用され、SOAP18は、XMLを用いて制御命令をデバイスに送信するために使用されるプロトコルを意味する。
【0011】
上述したような従来のUPnPプロトコルスタック10に基づくデータを交換する方式によると、UPnPプロトコル10が制御ネットワークを主要対象にして開発されたプロトコルであるので、UPnPは、UPnP10のSOAP18のようなプロトコルを用いてネットワーク内に含まれるデバイス間でワンショット制御関連メッセージを交換するために便利に使用されるが、高速で双方向のデータを周期的に送受信するのには適合しないという問題がある。
【0012】
言い換えれば、SOAP18を用いて制御命令メッセージ及び制御応答メッセージを制御部と被制御部との間で送受信するのには便利であるが、SOAP18は、2進データを送受信する際にベース(base)64エンコーディングに基づく添付方式を使用するので、高速で2進データを周期的に送受信するのには適合しない。
【0013】
また、被制御部は、GENA19を用いてイベントメッセージを制御部に送信するが、GENA19は、マルチキャスト方式でUPnPネットワークに接続されたすべての制御部に送信されるもので単方向だけサポートされる。したがって、GENA19は、高速で双方向の2進データを制御部と被制御部との間で周期的に送受信するのには適合しない。結論的に、SOAP18及びGENA19を用いて制御部と被制御部との間で双方向データの交換を実行することは、非効率的であり速くないという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、少なくとも上述した問題点及び/又は不都合に取り組み、少なくとも以下の便宜を提供することにある。したがって、本発明の目的は、実時間で高速でUPnPを用いたUPnPデバイス間の双方向データの交換が可能であるようにする装置及び方法を提供することにある。
【0015】
また、本発明の他の目的は、実時間で高速でUPnPを用いた車両ヘッドユニットとモバイルデバイスとの間のデータの交換が可能であるようにする装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記のような目的を達成するために、本発明の一態様によれば、ユニバーサルプラグアンドプレー(UPnP)基盤デバイス間のデータ交換装置を提供する。上記装置は、特定のパラメータを要請するアクションを生成し被制御部に送信し、上記被制御部から上記特定のパラメータを要請するアクションに応じるリターンを受信する制御部と、上記リターンに含まれた情報に基づいてファストイベントデータ送信経路を確立し、ファストイベントデータを受信するファストイベントデータバスモジュールとを有することを特徴とする。
【0017】
本発明の他の態様によれば、ユニバーサルプラグアンドプレー(UPnP)基盤デバイス間のデータ交換装置を提供する。上記装置は、特定のパラメータを要請するアクションを制御部から受信する場合に、上記特定のパラメータを要請するアクションに応じるリターンを上記制御部に送信し、上記制御部とファストイベントデータ送信経路を確立するように制御する被制御部と、上記制御部の制御に従ってファストイベントデータ送信経路を確立し、上記ファストイベントデータを送信するファストイベントデータバスモジュールとを有することを特徴とする。
【0018】
本発明のさらに他の態様によれば、ユニバーサルプラグアンドプレー(UPnP)基盤デバイス間のデータ交換方法を提供する。上記方法は、制御部が特定のパラメータを要請するアクションを生成し、被制御部に送信するステップと、上記被制御部から上記特定のパラメータを要請するアクションに応じるリターンを受信するステップと、上記リターンに含まれた情報を用いてファストイベントデータ送信経路を確立するステップと、上記ファストイベントデータ送信経路を通してファストイベントデータを受信するステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施形態によるUPnPデバイス間のデータ交換装置及び方法に基づいて、実時間で高速でUPnPを用いてファストイベント送信経路を通してUPnPデバイスの間で双方向データを交換することができるようにすることにより、UPnPに基づく異なるデバイス間のインターワーキングを通して便利なITサービスを提供することができるという長所がある。
【0020】
また、本発明の実施形態によると、実時間で高速でUPnPプロトコルを用いてファストイベント送信経路を通して車両ヘッドユニット100とモバイルデバイス200との間でデータを交換することができるようにすることにより、効率的なインフォテインメントサービスを提供することができるという長所がある。
【0021】
本発明の他の目的、利点、及び顕著な特徴は、添付の図面及び本発明の実施形態からなされた以下の詳細な説明から、この分野の当業者に明確になるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】従来のUPnPプロトコルスタックを示す図である。
【
図2】本発明の実施形態によるUPnP基盤デバイス間のデータ交換装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態によるUPnP基盤デバイス間のデータ交換方法を示す信号フロー図である。
【
図4】本発明の実施形態によるUPnP基盤デバイス間のデータ交換方法を示す信号フロー図である。
【
図5】本発明の実施形態によるファストイベントデータを送信するためのスタックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の様々な実施形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。下記の説明は、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものの範囲内で定められるような本発明の実施形態の包括的な理解を助けるために提供するものであり、この理解を助けるために様々な特定の詳細を含むが、これは一つの実施形態にすぎない。従って、本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく、ここに説明する実施形態の様々な変更及び修正が可能であるということは、当該技術分野における通常の知識を有する者には明らかである。また、明瞭性と簡潔性の観点から、当業者に良く知られている機能や構成に関する具体的な説明は、省略する。
【0024】
本発明の実施形態によると、UPnP基盤デバイス間のデータ交換装置は、制御部及び被制御部を含むことができる。本発明のUPnP基盤デバイス間のデータ交換装置に含まれる制御部及び被制御部は、UPnPに基づいてデータを交換することができるいかなるデバイスも含むことができる。
【0025】
本明細書では、車両内で各種エンターテインメントを提供するために車両に設置された車両ヘッドユニット(Head Unit)及びスマートフォンのようなモバイルデバイスを制御部及び被制御部の例として説明する。本発明の実施形態によると、車両ヘッドユニットが制御部として動作することができ、モバイルデバイスが被制御部として動作することができ、あるいは、モバイルデバイスが制御部として動作することができ、車両ヘッドユニットが被制御部として動作することができる。
【0026】
図2は、本発明の実施形態によるUPnP基盤デバイス間のデータ交換装置の構成を示すブロック図である。
【0027】
図2を参照すると、車両ヘッドユニット100は、モバイルデバイス200とのインターワーキングを通してUPnPに基づいてデータを交換する。車両ヘッドユニット100は、車両管理部(vehicle Manageable Device)110、電話制御部(Telephony Control Point)120、及び第1のファストイベントバスモジュール(first Fast Event Bus Module)130を含む。
【0028】
車両管理部110は、車両内の各種機能を実行する。例えば、車両管理部110は、GPS信号を受信することによりナビゲーション機能を実行するか、ディジタルマルチメディアブロードキャスティング(DMB)無線信号又はDMB TV信号を出力するか、又は移動通信アンテナ(図示せず)を通して移動通信を実行する。また、車両管理部110は、カーオーディオ機能及びビデオ機能、及び車両で提供する他の機能を提供することができる。
【0029】
車両管理部110は、車両内の各種機能を実行するための車両データモデル112を含む。車両データモデル112は、ナビゲーション機能、DMB機能、移動通信機能、カーオーディオ機能及びビデオ機能を実行するのに必要なパラメータ値及びナビゲーション機能、DMB機能、移動通信機能、カーオーディオ機能及びビデオ機能を実行しつつ発生したイベントに対応するパラメータ値を記憶する。
【0030】
車両管理部110は、車両ヘッドユニット100が被制御部として動作する場合に被制御部となることができ、制御部として動作するモバイルデバイス200の車両管理制御部220から車両データモデル112に記憶されたパラメータ値の中で特定のパラメータを要請するアクションを受信する。
【0031】
車両管理部110は、モバイルデバイス200の車両管理制御部220から特定のパラメータに対する要請を受信する場合に、対応する要請内のパラメータを分析し、送信可能な値を計算し、送信可能な値に関する情報を示すリターン(Return)を送信する。
【0032】
車両管理部110がリターンを送信した後に、第1のファストイベントバスモジュール130及び第2のファストイベントバスモジュール230が相互に接続される場合に、車両管理部110は、第1のファストイベントバスモジュール130と第2のファストイベントバスモジュール230との間のファストイベントデータ送信経路を通して特定のパラメータの中で送信可能な値をモバイルデバイス200に送信する。
【0033】
また、車両管理部110が車両管理制御部220からパラメータ送信中断に対する要請を受信する場合に、車両管理部110は、パラメータ送信中断を通知する結果を車両管理制御部220に転送する。
【0034】
電話制御部120は、車両ヘッドユニット100が制御部として動作する場合に被制御部を制御し、被制御部であるモバイルデバイス200の電話部(telephony server)210から特定のパラメータを受信するのに必要な制御を実行する。
【0035】
具体的に、電話制御部120は、モバイルデバイス200の電話部210から受信しようとする特定のパラメータに対する要請を生成し、生成された要請をモバイルデバイス200の電話部210に送信する。電話制御部120は、モバイルデバイス200から特定のパラメータに対する要請に応じるリターンを受信する場合に、リターンに含まれた情報を用いて第1のファストイベントバスモジュール130と第2のファストイベントバスモジュール230との間のファストイベントデータ送信経路を通してファストイベントデータ、すなわち、この要請された特定のパラメータの中で提供される値を受信する。
【0036】
また、電話制御部120は、パラメータ送信中断が要請される場合に、パラメータ送信中断に対する要請を電話部210に送信し、パラメータ送信中断を通知する結果を電話部210から受信する。
【0037】
例えば、特定のパラメータに対する要請は、パラメータネーム、パラメータ受信周期タイプ、パラメータ受信周期、パラメータ受信期間タイプ、パラメータ受信期間、及びパラメータ受信アドレスに対応するユニフォームリソースロケータ(URL)値を含むスタートファストイベントクエリアクション(Start Fast Event Query Action)であり得る。また、この特定のパラメータに対する要請に応じるリターンは、パラメータを識別するための識別子(ID)、パラメータ送信周期、及びパラメータ送信期間を含むリターンスタートファストイベントクエリアクション(Return-Start Fast Event Query Action)であり得る。
【0038】
車両管理部110が特定のパラメータを要請するアクションに応答するリターンを車両管理制御部(vehicle management controller)220に送信すると、第1のファストイベントバスモジュール130は、ファストイベント送信経路呼出し信号を第2のファストイベントバスモジュール230から受信する場合に、呼出し信号に従って第2のファストイベントバスモジュール230に接続される。また、第1のファストイベントバスモジュール130は、第1のファストイベントバスモジュール130と第2のファストイベントバスモジュール230との間のファストイベントデータ送信経路を通して特定のパラメータの中で送信可能な値を受信し、この受信された値をモバイルデバイス200の車両管理制御部220に提供する。
【0039】
モバイルデバイス200は、車両(図示せず)に含まれるヘッドユニット100とのインターワーキングを通してUPnPに基づいてデータを交換する。
【0040】
モバイルデバイス200は、電話部210、車両管理制御部220、及び第2のファストイベントバスモジュール230を含む。電話部210は、モバイルデバイス200内の各種機能を実行する。例えば、電話部210は、移動通信を通した電話機能、インターネットブラウジング機能、1つ以上のアプリケーションサービスを提供する機能、又はオーディオ及びビデオを再生する機能を実行する。
【0041】
電話部210は、モバイルデバイス200内の各種機能を実行するための電話データモデル212を含む。電話データモデル212は、電話機能、短文メッセージサービス(SMS)を送受信する機能、インターネットブラウジング機能、及び各種アプリケーションを通して1つ以上のアプリケーションサービスを提供する機能、又はオーディオ及びビデオを再生する機能を実行するのに必要なパラメータ値と、電話機能、SMS送受信機能、インターネットブラウジング機能、各種アプリケーションサービス機能、及びオーディオ及びビデオ再生機能が実行される間に発生するイベントに対応するパラメータ値とを記憶する。
【0042】
モバイルデバイス200が被制御部として動作する場合に、電話部210は、制御部として動作する車両ヘッドユニット100の電話制御部120から電話データモデル212に記憶されたパラメータ値の中で特定のパラメータに対する要請を受信する被制御部であることができる。電話部210がこの要請を受信する場合に、電話部210は、対応する要請内のパラメータを分析することにより送信可能な値を求め、送信可能な値に関する情報を示すリターンを送信する。
【0043】
電話部210がリターンを送信した後に、第1のファストイベントバスモジュール130及び第2のファストイベントバスモジュール230が相互に接続される場合に、電話部210は、第1のファストイベントバスモジュール130と第2のファストイベントバスモジュール230との間のファストイベントデータ送信経路を通して特定のパラメータの中で送信可能な値を車両ヘッドユニット100に送信する。また、パラメータ送信中断が要請される場合に、車両管理制御部220は、パラメータ送信中断に対する要請を車両管理部110に送信し、パラメータ送信中断を通知する結果を車両管理部110から受信する。
【0044】
例えば、特定のパラメータに対する要請は、パラメータネーム、パラメータ受信周期タイプ、パラメータ受信周期、パラメータ受信期間タイプ、パラメータ受信期間、及びパラメータ受信アドレスに対応するURL値を含むスタートファストイベントクエリアクション(Start Fast Event Query Action)であり得る。また、このリターンは、パラメータを識別するためのID、パラメータ送信周期、及びパラメータ送信期間を含むリターンスタートファストイベントクエリアクションであり得る。
【0045】
電話部210が特定のパラメータに対する要請に応じるリターンを電話制御部120に送信すると、第2のファストイベントバスモジュール230は、ファストイベント送信経路呼出し信号を第1のファストイベントバスモジュール130から受信する場合に、呼出し信号に従って第1のファストイベントバスモジュール130に接続される。また、第2のファストイベントバスモジュール230は、第1のファストイベントバスモジュール130と第2のファストイベントバスモジュール230との間のファストイベントデータ送信経路を通してファストイベントデータ、すなわち、特定のパラメータ値を受信する。
【0046】
図3は、本発明の実施形態によるUPnP基盤デバイス間のデータ交換方法を示す信号フロー図である。特に、
図3において、車両ヘッドユニット100は、制御部として動作し、モバイルデバイス200は、被制御部として動作する。
【0047】
図3を参照すると、車両ヘッドユニット100は、電話制御部120を通してモバイルデバイス200の電話部210で電話機能、SMS送受信機能、インターネットブラウジング機能、各種アプリケーションサービス機能、及びオーディオ機能及びビデオ再生機能を実行するのに必要なパラメータ値又は上述したような機能が実行される間に発生したイベントに対応するパラメータ値を受信することによりインフォテインメントサービスを実行する。
【0048】
特に、電話制御部120は、ステップ302において、モバイルデバイス200の電話部210から受信しようとする特定のパラメータを要請するスタートファストイベントクエリアクションを生成し、スタートファストイベントクエリアクションをモバイルデバイス200の電話部210に送信する。
【0049】
例えば、スタートファストイベントクエリアクションは、下記の表1に示すようなパラメータネーム(ParameterName)、パラメータ受信周期タイプ(PeriodType)、パラメータ受信周期(Period)、パラメータ受信期間タイプ、パラメータ受信期間(Duration)、及びパラメータ受信アドレスに対応するURL値を含む。
【0051】
スタートファストイベントクエリアクションが受信される場合に、電話部210は、ステップ304において、要請されたパラメータ値に基づいて要請されたパラメータを分析し、送信可能なパラメータ値を計算し、送信パラメータに対するパラメータ送信周期及びパラメータ送信期間を選択し、要請されたパラメータ値を識別するためのクエリIDを生成する。
【0052】
電話部210は、ステップ306において、スタートファストイベントクエリアクションに応じて送信可能なパラメータに関する送信情報を示すリターン、すなわち、リターンスタートファストイベントクエリアクションを電話制御部120に送信する。
【0053】
例えば、リターンスタートファストイベントクエリアクションは、下記の表2に示すように、パラメータを識別するためのID(QueryID)、パラメータ送信周期(Period)、及びパラメータ送信期間(Duration)を含む。
【0055】
電話制御部120は、電話部210がこの受信されたリターンスタートファストイベントクエリアクションからパラメータを送信する送信周期及び送信期間を確認する。
【0056】
リターンスタートファストイベントクエリアクションを電話制御部120に送信した後に、ステップ308において、電話部210は、パラメータを送信するファストイベントデータ送信経路を確認する。例えば、電話部210は、車両ヘッドユニット100とモバイルデバイス200との間にすでに接続されたファストイベントデータ経路が存在するか否かを確認する。
【0057】
接続されたファストイベントデータ経路が存在しない場合に、電話部210は、ステップ310において、第2のファストイベントバスモジュール230を通してスタートファストイベントクエリアクションに含まれたファストイベントバスURLを呼び出し、第2のファストイベントバスモジュール230を第1のファストイベントバスモジュール130と接続することにより、ファストイベントデータ経路を確立する。
【0058】
電話部210は、ステップ312において、ファストイベントデータ経路を通してファストイベントデータ、すなわち、パラメータを識別するためのクエリID及び対応するパラメータ値に対応するデータ値(Data Value)を車両ヘッドユニット100に送信する。
【0059】
例えば、クエリID及び対応するデータ値は、下記の表3に示すような値を含む。
【0061】
上記したようなデータ送信の際に、関連したスタックは、TCP又はユーザデータグラムプロトコル(UDP)パケットがIPに基づいており、表3に示すように、送信データがクエリID及びデータ値の2進値又はXML値のようにストリング値を用いて表現されることができるように構成される。
【0062】
電話制御部120は、ファストイベントデータ経路を通してパラメータに対応するデータ値を受信する間に、ステップ314において、ファストイベントデータ通信の中断を希望する場合に、ストップファストイベントクエリアクションを電話部210に送信する。例えば、ストップファストイベントクエリアクションは、中断しようとするイベントに対するクエリID値を含む。
【0063】
電話部210は、ストップファストイベントクエリアクションを受信する場合に、データ送信を中断し、データ送信中断結果を電話制御部120に送信する。したがって、データ送信が終了する。
【0064】
図4は、本発明の実施形態によるUPnP基盤デバイス間のデータ交換方法を示す信号フロー図である。特に、
図4において、モバイルデバイス200は、制御部として動作し、車両ヘッドユニット100は、被制御部として動作する。
【0065】
図4を参照すると、モバイルデバイス200は、車両管理制御部220を通して車両ヘッドユニット100の車両管理部110でナビゲーション機能、DMB機能、移動通信機能、及びカーオーディオ機能及びビデオ機能を実行する間に発生したイベントに対応するパラメータ値の中で所望するパラメータを周期的にかつ迅速に受信することにより各種インフォテインメントサービスを実行することができる。
【0066】
したがって、車両管理制御部220は、ステップ402において、車両ヘッドユニット100の車両管理部110から受信しようとする特定のパラメータを要請するスタートファストイベントクエリアクションを生成し、スタートファストイベントクエリアクションを車両管理部110に送信する。
【0067】
例えば、スタートファストイベントクエリアクションは、パラメータネーム(ParameterName)、パラメータ受信周期タイプ(PeriodType)、パラメータ受信周期(Period)、パラメータ受信期間タイプ、及びパラメータ受信期間(Duration)を含む。パラメータ受信アドレスURL(Fast Event BUS URL)値は、リターンスタートファストイベントクエリアクションに含まれることができる。例えば、スタートファストイベントクエリアクションは、下記の表4に示すような値を含むことができる。
【0069】
車両管理部110は、このスタートファストイベントクエリアクションを受信する場合に、ステップ404において、要請されたパラメータ値に基づいて要請されたパラメータを分析し、送信可能なパラメータ値を求め、送信パラメータに対するパラメータ送信周期及びパラメータ送信期間を選択し、要請されたパラメータ値を識別するためのクエリIDを生成する。
【0070】
車両管理部110は、ステップ406において、このスタートファストイベントクエリアクションに応じて送信可能なパラメータに関する送信情報を示すリターン、すなわち、リターンスタートファストイベントクエリアクションを車両管理制御部220に送信する。
【0071】
例えば、下記の表5に示すように、リターンスタートファストイベントクエリアクションは、パラメータを識別するためのクエリID(QueryID)、パラメータ送信周期(Period)、パラメータ送信期間(Duration)、及びパラメータ送信アドレスURL(Fast Event BUS URL)を含む。
【0073】
車両管理制御部220は、車両管理部110がこの受信されたリターンスタートファストイベントクエリアクションからパラメータを送信する送信周期及び送信期間を確認する。特に、車両管理制御部220は、ファストイベントデータ経路を接続するためのURLアドレスを確認する。
【0074】
車両管理制御部220は、リターンスタートファストイベントクエリアクションを受信する場合に、ステップ408において、パラメータを送信するファストイベントデータ送信経路を確認する。例えば、車両管理制御部220は、ファストイベントデータ経路が車両ヘッドユニット100とモバイルデバイス200との間にすでに接続されているか否かを確認する。
【0075】
接続されたファストイベントデータ経路が存在しない場合に、車両管理制御部220は、ステップ410において、第2のファストイベントバスモジュール230を通してリターンスタートファストイベントクエリアクションに含まれたファストイベントバスURLを呼び出し、第2のファストイベントバスモジュール230を第1のファストイベントバスモジュール130と接続することによりファストイベントデータ経路を確立する。
【0076】
このように、ファストイベントデータ経路が確立される場合に、車両管理部110は、ステップ412において、ファストイベントデータ経路を通してファストイベントデータ、すなわち、パラメータを識別するためのクエリID及び対応するパラメータ値に対応するデータ値を車両ヘッドユニット100に送信する。
【0077】
例えば、クエリID及び対応するデータ値は、表6に示すような値を含む。
【0079】
図5は、本発明の実施形態によるファストイベントデータを送信するためのスタックを示す図である。
【0080】
図5を参照すると、TCP又はUDP520パケットは、IP530に基づいており、表6に示すように、送信データは、クエリID及びデータ値の2進値510又はXML値のようにストリング値を用いて表現される。
【0081】
上述したように、ファストイベントデータ経路を通してパラメータに対応するデータ値を受信する間に、車両管理制御部220は、ステップ414において、ファストイベントデータ通信を中断することを希望する場合に、ストップファストイベントクエリアクションを車両管理部110に送信する。
【0082】
このとき、ストップファストイベントクエリアクションは、中断しようとするイベントに対するクエリID値を含むことができる。
【0083】
ストップファストイベントクエリアクションが受信される場合に、車両管理部110は、データの送信を中断し、データ送信中断結果を車両管理制御部220に送信する。したがって、データ送信が終了する。
【0084】
上述した本発明の実施形態に従ってUPnPデバイス間のデータを交換する装置及び方法に基づいて、実時間で高速でUPnPプロトコルを用いてファストイベント送信経路を通してデバイス間で双方向データを交換することができるようにすることにより、UPnPに基づく相互に異なるデバイス間のインターワーキングを通してより便利なITサービスを提供することができるという長所がある。
【0085】
また、上述した本発明の実施形態に従って、実時間で高速でファストイベント送信経路を通して車両ヘッドユニット100とモバイルデバイス200との間でデータを交換することができるようにすることにより、効率的なインフォテインメントサービスを提供することができるという長所がある。
【0086】
以上、本発明を具体的な実施形態を参照して詳細に説明してきたが、本発明の範囲を逸脱することなく様々な変更が可能である。例えば、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるべきではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものの範囲内で定められるべきである。例えば、上述した本発明の実施形態は、デバイスの例として車両ヘッドユニット100及びモバイルデバイス200を挙げて説明したが、本発明は、UPnPをサポートするいかなるデバイスにも適用可能である。したがって、本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく様々な変更が可能であるということは、当業者には明らかであり、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるべきではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものの範囲内で定められるべきである。
【符号の説明】
【0087】
10 UPnPプロトコルスタック
12 インターネットプロトコル(IP)
14 送信制御プロトコル(TCP)
16 ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)
18 シンプルオブジェットアクセスプロトコル(SOAP)
19 汎用イベント通知アーキテクチャ(GENA)
100 車両ヘッドユニット
110 車両管理部
112 車両データモデル
120 電話制御部
130 第1のファストイベントバスモジュール
200 モバイルデバイス
210 電話部
212 電話データモデル
220 車両管理制御部
230 第2のファストイベントバスモジュール
510 クエリID及びデータ値の2進値
520 TCP又はUDP
530 IP