特許第6073304号(P6073304)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6073304互いに噛み合わされた蛇行する検査接点を有する電子デバイス検査用のプローブモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073304
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】互いに噛み合わされた蛇行する検査接点を有する電子デバイス検査用のプローブモジュール
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/067 20060101AFI20170123BHJP
   G01R 31/26 20140101ALI20170123BHJP
   G01R 1/073 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
   G01R1/067 C
   G01R31/26 J
   G01R1/073 A
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-515850(P2014-515850)
(86)(22)【出願日】2012年5月31日
(65)【公表番号】特表2014-522960(P2014-522960A)
(43)【公表日】2014年9月8日
(86)【国際出願番号】US2012040058
(87)【国際公開番号】WO2012173777
(87)【国際公開日】20121220
【審査請求日】2015年5月11日
(31)【優先権主張番号】13/163,516
(32)【優先日】2011年6月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593141632
【氏名又は名称】エレクトロ サイエンティフィック インダストリーズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 勇毅
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア,ダグラス ジェー.
【審査官】 永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−324515(JP,A)
【文献】 特開2003−317845(JP,A)
【文献】 特開2007−225581(JP,A)
【文献】 特開2006−236950(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/067
G01R 1/073
G01R 31/26
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスを検査するためのプローブモジュールであって、
第1直線に沿う第1方向に伸長する第1端部、前記第1方向と反対の且つ第2直線に沿う第2方向に直線的に伸長する第2端部、および前記第1端部及び前記第2端部の間に延在する第3湾曲部を各々含み、前記プローブモジュールの層をそれぞれ形成する接点対として配置された少なくとも2つの接点を備え、
前記少なくとも2つの接点のうち一方の前記第3湾曲部は、前記少なくとも2つの接点のうち他方の前記第3湾曲部と互いに噛み合わされ交互配置された蛇行パターン状に配置されて、前記少なくとも2つの接点の各々の前記第3湾曲部は、前記第1直線及び前記第2直線によって定まる平面内で湾曲し、
前記第1直線は前記第2直線から離間するとともに前記第2直線と平行であり、
前記少なくとも2つの接点は、前記第1直線及び前記第2直線と直角の方向に互いに離間していることを特徴とするプローブモジュール。
【請求項2】
前記少なくとも2つの接点の各々は平板材料で作られ、
前記少なくとも2つの接点は、前記平板材料により画定される平面内で互いに噛み合わされて交互配置されており、
前記少なくとも2つの接点は、第1層で互いに噛み合わされる第1接点及び第2接点と、第2層で互いに噛み合わされる第3接点及び第4接点と、を備え、
前記プローブモジュールは、前記第1層及び前記第2層の間に、前記第1層の接点と前記第2層の接点との接触を防ぐ形状を有する絶縁シートを更に備えることを特徴とする請求項記載のプローブモジュール。
【請求項3】
前記第1接点と前記第2接点との前記第1端部間の間隔が、前記第3接点と前記第4接点との前記第1端部間の間隔と等しく、
前記第1接点と前記第2接点との前記第2端部間の間隔が、前記第3接点と前記第4接点との前記第2端部間の間隔と異なることを特徴とする請求項記載のプローブモジュール。
【請求項4】
前記少なくとも2つの接点は第1層で噛み合わされた第1接点と第2接点とを含み、
前記プローブモジュールは、
前記第1接点と前記第2接点の前記第3湾曲部を囲む凹部を含む接点ハウジングと、
前記凹部から前記接点ハウジングの外まで伸長する隣り合う溝と、
前記凹部から前記隣り合う溝と反対の方向に前記接点ハウジングの外まで伸長する互いに離間する開口と、を更に備え、
前記第1接点の前記第1端部は前記隣り合う溝のうちの第1溝に配置され、前記第2接点の前記第1端部は前記隣り合う溝のうちの第2溝に配置され、
前記第1接点の前記第2端部は前記互いに離間する開口のうちの第1開口に配置され、前記第2接点の前記第2端部は前記互いに離間する開口のうちの第2開口に配置されることを特徴とする請求項記載のプローブモジュール。
【請求項5】
前記凹部が、前記隣り合う溝から略直角に伸長する制限面を備え、
前記第1接点の前記第1端部及び前記第3湾曲部は、前記第1溝及び前記制限面に接触する第1直角部を形成し、
前記第2接点の前記第1端部及び前記第3湾曲部は、前記第1直角部と同じ向きに曲がる第2直角部を形成し、
前記第2接点は、前記第2接点の前記第1端部から伸長し前記前記第2直角部に隣接する突出部を備え、
前記突出部の上面が前記制限面に接触することを特徴とする請求項記載のプローブモジュール。
【請求項6】
前記接点ハウジングが、
取付面及び該取付面に取り付けられ且つ凹部を含む絶縁物の組み合わせと、
凹部を含む絶縁物及び該絶縁物と取り付けられるカバーの組み合わせと、
の少なくとも一方を更に備えることを特徴とする請求項記載のプローブモジュール。
【請求項7】
取付面及び該取付面と反対の面から該取付面に直角に伸長する取付フランジを含むモジュール台と、
前記取付面に連結される中央絶縁体であって、前記凹部は前記取付面に向いた前記中央絶縁体に配置され、前記中央絶縁体は前記取付面と反対側の面に第2凹部を備え、前記少なくとも2つの接点が第3接点と第4接点を含み、前記第3接点と前記第4接点の前記第3湾曲部が前記凹部に囲まれている中央絶縁体と、
前記隣り合う溝と同じ方向に前記第2凹部から前記中央絶縁体の外まで伸長する第2の隣り合う溝と、
前記互いに離間する開口と同じ方向に前記第2凹部から前記第2凹部の外まで伸長する第2の互いに離間する開口と、
前記取付面に固定され前記第2凹部側に向くカバーと、を備え、
前記第3接点の前記第1端部は前記第2の隣り合う溝のうちの第1溝に配置され、前記第4接点の前記第1端部は前記第2の隣り合う溝のうちの第2溝に配置され、
前記第3接点の前記第2端部は前記第2の互いに離間する開口のうちの第1開口に配置され、前記第4接点の前記第2端部は前記第2の互いに離間する開口のうちの第2開口に配置されることを特徴とする請求項記載のプローブモジュール。
【請求項8】
電子デバイスの検査用のプローブモジュールの製造方法であって、
第1直線に沿う第1方向に伸長する第1端部、前記第1方向と反対の且つ第2直線に沿う第2方向に直線的に伸長する第2端部、および前記第1端部及び前記第2端部の間に延在する第3湾曲部を各々含む少なくとも2つの接点を、前記第1直線及び前記第2直線と直角の方向に該少なくとも2つの接点が互いに離間するように配置することを含み、
前記第1直線は前記第2直線から離間するとともに前記第2直線と平行であり、
前記少なくとも2つの接点は互いに噛み合わされる第1接点及び第2接点を含み、各前記第3湾曲部は蛇行形状を有し、
前記配置することは、
前記第1接点と前記第2接点の各々を隣り合わせて絶縁物の絶縁面に連結して第1接点層を形成し、
前記第1接点層を形成した後に、前記絶縁物をモジュール台の取付面に連結することを含み、
前記第1接点及び前記第2接点の前記第3湾曲部が前記絶縁面と前記取付面に包囲され、前記第1接点及び前記第2接点の前記第1端部が前記モジュール台及び前記絶縁物の外へ伸長し、前記第1接点及び前記第2接点の前記第2端部が前記モジュール台及び前記絶縁物の外へ伸長するように、前記絶縁物が前記取付面に連結されることを特徴とする製造方法。
【請求項9】
前記少なくとも2つの接点は互いに噛み合わされる第3接点及び第4接点を含み、
前記配置することは、
前記第3接点と前記第4接点の各々を前記絶縁物の第2絶縁面に連結して第2接点層を形成し、
前記第2接点層を形成し前記絶縁物を前記取付面に連結した後に、前記絶縁物を介して前記取付面にカバーを取り付けることを含み、
前記第3接点及び前記第4接点の前記第3湾曲部が前記第2絶縁面と前記カバーに包囲され、前記第3接点及び前記第4接点の前記第1端部が前記カバー及び前記絶縁物の外へ伸長し、前記第3接点及び前記第4接点の前記第2端部が前記カバー及び前記絶縁物の外へ伸長するように、前記カバーが前記取付面に取り付けられることを特徴とする請求項記載の製造方法。
【請求項10】
前記少なくとも2つの接点は互いに噛み合わされる第3接点及び第4接点を含み、
前記配置することは、
前記絶縁物を前記取付面に連結する前に前記第1接点層に隣接する絶縁シートを配置し、
前記絶縁物を前記取付面に連結する前に前記第3接点と前記第4接点の各々を隣り合わせて前記絶縁シートに連結して第2接点層を形成することを含み、
前記絶縁シートは前記第1接点層の接点と前記第2接点層の接点との間の接触を防止する形状を有し、
前記第3接点及び前記第4接点の前記第3湾曲部が前記絶縁面と前記カバーに包囲され、前記第3接点及び前記第4接点の前記第1端部が前記第1接点及び前記第2接点の前記第1端部と同じ方向へ前記モジュール台及び前記絶縁物の外まで伸長し、前記第3接点及び前記第4接点の前記第2端部が前記第1接点及び前記第2接点の前記第2端部と同じ方向へ前記モジュール台及び前記絶縁物の外まで伸長するように、前記絶縁物が前記モジュール台の前記取付面に取り付けられることを特徴とする請求項記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子デバイスの検査の分野に関する。より詳しくは、小型電子デバイスを検査するためのプローブに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの電子デバイスは、自動化された検査システムによって、製造中に電気的特性および光学特性が検査される。典型的な自動化された検査システムは、高精度の電気的検査機器又は光学的検査機器を使用して、デバイスの電気的特性及び光学的特性に関連する値を測定し、測定された値によって、デバイスを受け入れまたは取り除き、あるいは出力区分へ分類分けする。実質的に同一の機械的特性(例えばサイズや形状といった、電気的特性や光学的特性と異なる特性)のデバイスが製造プロセスで大量に製造される小型デバイスに関しては、自動化された検査システムはしばしばバルクロード(bulk load)を取り扱うように設計されている。電気的特性及び光学的特性がある範囲にほぼ収まる大量のデバイスを製造し、検査によって、類似する特性を持つ商業的に有用なグループへデバイスを分類分けするのが一般的である。
【0003】
これらのデバイスが供給される検査システムは、デバイスの容器として、しばしばデバイスで満たされる。一般に、検査システムはデバイスのバルクロードから単一のデバイスを抜き出し、検査システムが所望の検査を実行できるようにデバイスおよび治具を配向しなければならない。検査では、しばしばプローブでデバイスを調べ、信号及び電力をデバイスに印加して入力に対する応答をモニタできるように電気的リード線をデバイスに接触させる。他の検査では、例えば発光ダイオード(LED: Light Emitting Diode)のような光デバイスにおいて、特定の入力に対する光出力が測定される。
【発明の概要】
【0004】
本願明細書において、小型電子デバイスの検査に広く使用されるプローブモジュールの実施例が教示される。望ましくは、これらのプローブは、互いに噛み合わされた(interleaved)蛇行した電気的接点を含む。この電気的接点は、近接した接触ピッチと、ある移動範囲に亘って均一な接触力と、ほぼ直線的な移動を可能にする。
【0005】
本願明細書において教示されるプローブモジュールの実施例によれば、少なくとも2つの接点が設けられる。各々の接点は、第1直線に沿う第1方向に伸長する第1端部、第1方向と反対の且つ第2直線に沿う第2方向に直線的に伸長する第2端部、および第1端部及び第2端部の間に延在する第3湾曲部を含む。第1直線は第2直線から離間するとともに第2直線と平行であり、これら少なくとも2つの接点は、第1直線及び第2直線と直角の方向に互いに離間している。
【0006】
プローブモジュールの製造方法も、本願明細書において教示される。典型的な方法によれば、少なくとも2つの接点が互いに離間して配置される。各々の接点は、第1直線に沿う第1方向に伸長する第1端部、第1方向と反対の且つ第2直線に沿う第2方向に直線的に伸長する第2端部、および第1端部及び第2端部の間に延在する第3湾曲部を含む。これらの接点は、第1直線及び第2直線と直角の方向にこれら接点が互いに離間するように配置される。第1直線は第2直線から離間するとともに第2直線と平行である。
【0007】
これらの実施例の詳細及び変形例等は、以下に記載する。
【0008】
本願明細書の説明は添付図面を参照しており、複数の図面を通して同様の参照番号は同様の部分を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】自動化された検査システムの実施例を上から見た図である。
図2図1の自動化された検査システムの搬送部の実施例の斜視図である。
図3図1の自動化された検査システムの検査ステーションに対する電子デバイスの位置合わせを示す概略図である。
図4図3の検査ステーションに搭載されるプローブモジュールの実施例の斜視図である。
図5図4によるプローブモジュールの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
電子部品または電子デバイス用の自動化された検査システムは知られているが、既存のシステムはLEDに関してはほとんど有用でない。LEDを検査および分類分けすることは特に困難である。なぜなら、製造許容度の違いが大きく、および光出力における小さい変化に対して人間の目が敏感であることから、LEDを検査して多数の出力グループに分類分けすることが必要とされるからである。LEDの検査及び分類分けに関する他の困難性は、LEDは、検査対象の光出力を出力する必要があるということである。LEDは、パッケージの一方の側に接点を有し、もう一方の側に発光面を有することができる。このため、検査機器は、一方の側にプローブを当て、もう一方の側から光出力を集めなければならない。LEDのような小型電子部品上の接点は、互いに近接して配置される傾向がある。このことは、これら接点を検査するためのプローブとの接続のためのスペースに関する課題を生じさせる。この課題は、特にLEDの場合に当てはまる。なぜなら、LEDの接点の配置はほとんど標準化されておらず、しばしば複数の能動要素が一緒に収納されるからである。他の困難性は、光出力検査機器がしばしば物理的に大きく、検査中にLEDに近接することを要することである。そして、それは検査機器の物理的な配置をさらに拘束する。
【0011】
図1に関して記載し始めるように、本願明細書で教示される小型電子部品又は小型電子デバイス11(図2)の検査および分類分けのための自動化された検査システム10の実施例は、検査装置への接続のためのスペースを提供しつつ、近接しあう接点へ容易に位置合わせできるプローブ装置を提供する。これは、特に接点の複数の組を含んだデバイス11、例えば発光ダイオード(LED)のようなデバイス11にとって望ましいが、1組の接点だけを必要とするデバイス11にも良好に使用可能である。
【0012】
検査システム10は、コンベア12と、一つ以上の装填ステーション(例えば第1デバイスローダ14および必須でない第2デバイスローダ16)を含む。第1デバイスローダ14及び第2デバイスローダ16は、移送ステーション18で搬送部40に電子デバイス11を装填する。以下に更に詳細に述べられるように、検査システム10は一つ以上の検査ステーション、例えば第1検査ステーション20および第2検査ステーション22を更に含む。搬送部40は、第1検査ステーション20および第2検査ステーション22に対して、検査のために位置合わせされる。検査の後、取り出しステーション25は、デバイス11を取り出す。コントローラ28は、有線または無線の電気通信によって、コンベア12、第1デバイスローダ14、第2デバイスローダ16、第1検査ステーション20、第2検査ステーション22および取り出しステーション25と通信し、各々の動作を検知及び制御する。
【0013】
コントローラ28は、プロセッサ、メモリ、記憶媒体、通信装置および入出力装置を含むことができる構造を備えている。例えば、コントローラ28は、標準的なマイクロコントローラであってよい。マイクロコントローラは、中央演算処理装置(CPU)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)および入出力ポートを含む。入出力ポートは、本願明細書において記載される特定の処理ステップを実行しシステムを制御するのに要する入力信号及び出力信号の受送信を行う。本願明細書において記載されている機能は、通常、メモリに保存されるプログラミング命令であって、CPUのロジックにより実行される。本願明細書において記載されている機能を実行するコントローラは、外部メモリを使用するマイクロプロセッサであってもよく、又は、他の集積論理回路とマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラとの組み合わせを備えてもよい。コントローラ28は、通常、表示装置およびキーボードのような入力装置を有するパーソナルコンピュータに組み込まれているか、またはこのようなパーソナルコンピュータと共に動作する。入力装置及び表示装置は処理制御のための命令の入力及び処理制御の監視に使用される。
【0014】
第1検査ステーション20および第2検査ステーション22の一方または両方で電子デバイス11を検査するために、搬送部40に電子デバイス11が装填される。その1つを図2および3の例により示す。各搬送部40は、本体部分または本体42を備える。本体部分又は本体42は、一体構造または多部分構造として作られていてよい。本体42は、第1側部44および第2側部46を含み、第1側部44及び第2側部46は、中央部48から、本体42の第1側縁部72および第2側縁部74へ向けて外側に伸びる。第1側部44と第2側部46は、中央チャネル50によって離間している。中央チャネル50は、中央部48の上方に位置してチャネル底面52を含む。チャネル底面52は、第1側部44の上面54および第2側部46の上面56よりも下方へ凹陥している。第1チャネル側部58および第2チャネル側部60は、チャネル底面52からそれぞれの上面54、56まで上方へ伸びる。
【0015】
本体42上には1つ以上の位置決め形状(locating feature)や位置決め構造が形成される。例えば、位置決め形状は、第1チャネル側部58および第2チャネル側部60に沿ってそれぞれ形成される第1デテント(detent)62および第2デテント64の対を含んでいてよい。第1デテント62および第2デテント64は、第1チャネル側部58および第2チャネル側部60に対して外側へ伸びる面により画定される。それによって、第1デテントおよび第2デテント64の各対の領域で中央チャネル50の断面幅を増加させる。例えば第1デタント62および第2デテント64のような位置決め構造は、検査システム10の特定の部分、例えば第1検査ステーション20および第2検査ステーション22に対する搬送部40の位置合わせを容易にするために設けられる。様々な位置決め構造、例えば、カンチレバークリップ(cantilever clip)や対向するデテント(opposing detent)等が、位置合わせを容易にするために用いることができる。
【0016】
搬送部40において、本体42の中央部48は、第1側部44の底面66および第2側部46の底面68よりも下方へ伸びる。中央部48は、中央チャネル50の直下に位置してよく、中央チャネル50の横方向幅と同様の横方向幅を有してよい。
【0017】
搬送部40はコンベア12に連結するように構成され、搬送部40はコンベア12の移動に応答して移動する。例えば、コンベア12と搬送部40との操作可能な係合のための係合部材を、搬送部40のボディ42に形成してよい。このような係合部材は、コンベア12と係合可能ないかなる適切な外形(例えば下方に伸びているタング、フランジ、突起、ロッド、柱又はフック)に形成されてよい。
【0018】
少なくとも一つのデバイス容器76は、本体42により画定される。例えば、一つ以上のデバイス容器76は、本体42の第1側縁部72および第2側縁部74に沿って配置されてよい。デバイス容器76は、第1側部44および第2側部46の上面54、56よりも凹陥している。ここに示した例では、各デバイス容器76は、実質的に平面のベース面78と、本体42の第1側部44および第2側部46によって、それぞれ画定される直立壁80の一つ以上と、により定義される。各ベース面78は、本体42の第1側縁部72または第2側縁部74のうちの1つまで伸びる。それによって、本体42のデバイス容器76ごとに横開口部82を画定する。電子デバイス11の検査を可能にするために、各デバイス容器76の領域に、本体42を貫通する一つ以上のプローブ開口またはプローブ穴84が形成される。特に、プローブ開口84は、デバイス容器76の位置に応じて、各デバイス容器76のベース面78から第1側部44または第2側部46のそれぞれの底面66、68のいずれかまで伸びてよい。図示の実施例では、4つのプローブ開口84は、デバイス容器76ごとに設けられている。しかしながら、プローブ開口84の数は、特定の適用例に合うために変更してよい。
【0019】
電子デバイス11を保持するために、搬送部40は、デバイス容器76に対応する複数のクランプ構造86を含んでいてよい。例えば、図2では、デバイス容器76の各々に単一のクランプ構造86が設けられている。各クランプ構造86の少なくとも一部分は、本体42に電子デバイス11を固定するのに適している方法で、電子デバイス11のそれぞれの一つを付勢して係合する。これは例えば、デバイス容器76を定める直立壁80のうちの1つとクランプ構造86との間に係合して電子デバイス11を捕獲することで実現できる。但し、他の構成を利用してもよい。
【0020】
コンベア12は、連続周回路内で搬送部40を支持して動かすように構成される。コンベア12は、いかなる適切な幾何学的配置に形成されてもよい。コンベア12は、例えば、第1レールおよび第2レールを含んでいてよい。第1レール及び第2レールは互いに離間して、それぞれ搬送部40と係合して搬送部40を支持するように構成された上面を有する。コンベア12は、搬送部40と係合して搬送部40を支持する追加構造、例えばローラを備えてよい。
【0021】
コンベア12の主要な可動構成要素として、典型的にベルトが設けられ、コンベア12により移動する物体は、ベルトの移動に対応して移動する。コンベア12は、モーター(図示せず)または他の適切な手段によりベルトの位置を間欠送りするインデックスコンベア(indexing conveyor)である。搬送部40は、例えば、ベルトと共に移動するために装着されている止め具に搬送部40の係合要素を取り付けることによって、ベルトに沿ったそれぞれの位置に固定して取り付けられる。後に詳細に述べるように、ベルトの動作は搬送部40を搬送し、これにより、搬送部40に支持される電子デバイス11が搬送されて第1ステーション20および第2検査ステーション22に対して位置合わせされる。コンベア12の主要な可動構成要素としてベルトについて説明してきたが、チェーンまたはケーブルのような他の適切な構造を設けてもよいことを理解されたい。
【0022】
図3に示すように、搬送部40は、コンベア12に沿って間欠送りされ、電子デバイス11が第1検査ステーション20の位置合わせ軸120に対して位置合わせされる。例えば、第1検査ステーション20で実行される検査は、光学器械122および電源/測定装置130を利用する。この検査ステーション20において、電源/測定装置130は、電子デバイス11を発光させるための試験電圧信号を検査用接点124、126に印加する。その一方で、光学器械122は、例えば光束およびスペクトル光出力のような光出力パラメータを測定する。光学器械122は、例えば、分光光度計および積分球であってよい。他の検査ステーション22において、光学器械122は省略される。あるいは、電子デバイス11がLEDでなく光出力の測定を要しない場合には光学器械122は省略される。電源/測定装置130は、例えば試験電圧または試験電流のような電気信号を電子デバイス11に印加して、電子デバイス11の出力信号、一般には電子デバイス11両端の電圧または電子デバイス11からの電流出力を読み込む。これらの機能を実行できる代表的な電源/測定装置130は、オレゴン州ポートランドのエレクトロ・サイエンティフィック・インダストリ社製のModel 616 Test and Measurement Sourceである。また、統合された電源/測定装置130の代わりに別々の電源装置および測定装置を用いてもよい。電源装置および測定装置は異なる検査ステーション20、22に位置していてもよい。その場合、例えば、電源装置は検査ステーション20でその試験信号を印加する。その一方で、測定装置は検査ステーション22で出力信号を読み込む。
【0023】
電源/測定装置130とデバイス11との間の電気的接続は、デバイス11の端子132及び134とプローブ接点又はプローブモジュール128との間の接触によって生じる。プローブモジュール128は、検査用接点124、126の4つの対を含む。図3にはそのうち2つのみが示される。検査用接点124、126は、プローブ・アクチュエータ129により移動し、搬送部40のプローブ開口84内外に出し入れされる。より詳しくは、プローブモジュール128はプローブ・アクチュエータ129によって、ほぼ直線的に動かされ、検査用接点124、126を動かしてプローブ開口84内外に出し入する。プローブ・アクチュエータ129は、プローブモジュール128を高速移動させる手段であってよく、例えばボイス・コイル・モータや圧電性アクチュエータであってよい。
【0024】
図4は、電子デバイス11、プローブモジュール128の一実施例、および電源/測定装置130の間の電気的接続をより詳細に示す。図4において、搬送部40は明確にするため省略される。プローブモジュール128は、電気配線(electrical trace)138を有する回路基板135に、固定して載置される。電気配線138は、従来技術によってリボン・ケーブル136の導体に電気的に結合される。次に、リボン・ケーブル136は電源/測定装置130に電気的に結合される。複数のバネ付勢ピン140は、電気配線138の電気的に絶縁されたそれぞれの配線に連結する。バネ付勢ピン140の数は、プローブモジュール128の検査用接点124、126の数に対応する。ここで、実施例には検査用接点124、126の4つの対が含まれるので、8本のバネ付勢ピン140が示されている。
【0025】
上述のごとく、プローブモジュール128は、回路基板135に固定して載置される。ここで示される構造では、プローブモジュール128は、プローブモジュール128のいずれかの側面で垂直に伸びる脚部144aを持つプラットフォーム144に連結する。垂直に伸びる脚部144aは、プラットフォーム144の略U字形部144bから伸び、貫通孔144cを通って伸びるボルト(図示せず)によって、回路基板135に固定される。プラットフォーム144を回路基板135に固定する他の手段、例えば溶接や接着などを用いてもよい。プローブモジュール128は、以下に説明するようにプラットフォーム144のU字形部144bに固定される。垂直に伸びる脚部144aは、プローブモジュール128の底面と回路基板135とが離間する高さまで、U字形部144bを突出させる。
【0026】
バネ付勢ピン140は、回路基板135を貫通し、固定して載置されて、プローブモジュール128の底面を通って伸びるそれぞれの検査用接点124または126にバネ付勢ピン140の接点ピン先端142が接触するように、回路基板135の上方に伸びる。
【0027】
プラットフォーム144はU字形状でなくともよい。その代わりに、プラットフォーム144は2本の別々の取付脚部を備えていてもよい。それぞれの取付脚部にはプローブモジュール128への別々の連結部があってよい。あるいは、回路基板135を伸ばして、プラットフォーム144がU字形状全体に亘って、比較的均一な垂直方向厚を有して回路基板135で支えられるようにしてもよい。しかしながら、ここで示される構造は、安定性を維持すると共に、プログラムされた範囲に亘ってアクチュエータ129によって移動するために要する重量を最小化するものである。
【0028】
図5でより詳細に示すように、プローブモジュール128は4組または4対の検査用接点124、126を含む。ここでは、各々の対を、第1接点対124a、126a又は第2接点対124b、126bと表記する。但し、対124a、126aまたは対124b、126b同士を区別する必要がなければ、接点124、126と表記する。本願明細書では4つの対が示されるが、プローブモジュール128はわずか一対の接点124、126を使用してもよい。検査接点124、126は、互いに電気的に絶縁されるように形成され、その一方の端部が電子デバイス11の密集した端子132及び134まで届く。反対側の端部では、ピン140同士が妨げ合わずに接点を形成するのに十分な間隔を置いて配置される。
【0029】
より詳しくは、接点対124、126の各々は、互いに噛み合わされた(interleaved)蛇行パターン状に配置される。すなわち、各接点124および126は第1端部又は接点先端200を含み、第1接点又は接点先端200は、直線202を中心として直線202に沿って直線状に伸びる。図5の実施例において、接点先端200が垂直に伸びるので、直線202は垂直線である。本願明細書において、接点先端200と反対の第2端部を接点基部204と表記する。接点基部204は、直線206を中心として直線206に沿って直線状に伸びる。直線202と同様に、接点基部204が垂直に伸びるので、直線206は垂直線である。接点先端200および接点基部204は、第3湾曲部または接点本体または接点ビーム(contact beam)208から反対方向に伸びる。また、接点先端200および接点基部204の水平方向位置は間隔aだけ隔てられ、直線202及び206は互いに平行である。図5に示すように、1対以上の接点124、126が単一のプローブモジュール128に組み込まれる場合、第1接点対124a、126aに対する直線202及び206間の間隔aと、第2接点対124b、126bに対する間隔aが異なるように、第1接点対124a、126aおよび第2接点対124b、126bを形成してもよい。この場合に、接点対124a、126a又は接点対124b、126bの接点の各々について間隔aは同じでもよく、必ずしも同じでなくてもよい。
【0030】
ここで、接点ビーム208は、直線202、206によって定まる平面に沿って湾曲して蛇行形状をなす。すなわち、接点本体208は、接点先端200から直角に伸長してから湾曲し、接点基部204に至る前に略S字形状をなす。本願明細書では、蛇行形状を示したが、必ずしも蛇行形状である必要はない。蛇行形状の使用は、多くの効果をもたらす。例えば、蛇行形状を使用することにより、接点124、126が長い撓む部位を持つことが可能になる。この部位は、接点124、126が比較的長く垂直移動することを可能にする。また、接点先端200は、例示の実施例のように蛇行パターンの水平方向の中央に配置してよい。すなわち、蛇行パターンの外縁は、接触先端200から等距離の位置まで伸びる。図5に示すように、接点ビーム208の蛇行パターンの両側の外縁において各直線210、212が直線202と平行に描かれ、直線202と直線210との間の間隔bは直線202と直線212との間の間隔bに等しい。この構成によれば、接点124、126が端子132、134に対して押圧されたとき、接点先端200は垂直方向をほぼ保ち、ほぼ一定の水平位置を維持する。
【0031】
上記のように接点先端200、基部204及びビーム208を含む接点124、126は、互いに噛み合わされる。各接点124、126の接触先端200は互いに近接して配置されており、これは小さい電子部品の多くに必要である。ここに示すように、接点ビーム208は、幅0.381ミリメートル(0.015インチ)および厚さ0.254ミリメートル(0.010インチ)であって、各対124a、126aおよび124b、126bにおいて、接点ビーム208間の間隔は、接点先端200間の間隔と同じである。本例の接触子ビーム208は小さな「摺洗」運動を生じる。この運動は、接点124または126が圧縮される際の接点先端の水平方向変位である。摺洗は、接点先端200及び端子132、134の清浄作用を与えるために使用され、例えば酸化などの表層汚染物質を除去するかまたは移動することによって、オーミック接触を改善する。ある適用例では摺洗が必要でないこともある。したがって、接点ビーム形状は、摺洗が減少又は増加するように容易に変更できる。ビーム幅を一定にするのに代えて、例えば、接点ビーム208は、接点先端200から離れるにつれ徐々に幅が小さくなるようにテーパーがついてもよい。これによって、接点ビーム208により均一な撓みが生じ、それによって、均一な垂直移動が生じる。また、蛇行する部分を増加してもよく、それは同じ効果を有する。すなわち、接点ビーム208は1個のS字形状を形成するように湾曲しているが、一つ以上の付加的な湾曲をこれに追加してもよい。
【0032】
接点ビーム208は、接点先端200より広くてもよく、細くてもよい。これによって、必要に応じて接触力を容易に細工できる。例えば、構成要素の材料および/または接点先端の材料に応じて、5グラム〜80グラムの接触力を達成できる。ここに示すように、接点124、126は単純な平板形状であり、光化学エッチング、打抜き加工またはレーザ加工によって、経済的に作ることができる。例えば、銅ベリリウム、リン青銅およびタングステンのような一般的な材料は、適切な厚さ(例えば(0.1016ミリメートル(0.004インチ)〜0.508ミリメートル(0.020インチ)の平板材料として利用可能である。タングステン銅またはベリリウム・ニッケルのような他の接点材料も、薄い平板のストック構造(stock configuration)の形態で利用できる。
【0033】
接点124、126は、接点基部204と接点ビーム208との間に一体に形成された貫通孔214によってプローブモジュール128内に支持される。さらに図5を参照してより詳しく説明すると、プローブモジュール128は、取付用支持部150を含む。取付用支持部150は、ほぼT字を伸ばした形状を有する。取付用支持部150の上部は取付面150aをなし、本例の取付面は略四角形である。水平伸長フランジ150bは、取付面150aから反対側に伸びており、垂直伸長貫通孔150cを含む。水平伸長フランジ150bは、プラットフォーム144のU字形部144bに、例えば貫通孔150cを通ってU字形部144bの表面まで伸びるボルト(図示せず)で固定される。取付用支持部150は軽量プラスチック材料で作られることが好ましいが、しかし、非導電性材料のいずれも適切である。
【0034】
取付面150aは、多くのネジ孔150dを有する。ここでは、例えば4つのネジ孔150dを有する。後に詳しく追記するように、プローブモジュール128の残りの構成要素を取付用支持部150に固定するために、ネジ孔150dは取付面150aまで伸びている。2本の金属ピン152が、取付面150aから外側に伸びており、プローブモジュール128の層の位置合わせに使用される。ピン152は金属である必要はない、しかし、金属で作ることにより取付用支持部150に更なる支持構造が提供される。ピン152に載置される層は、次の順序で、接点対絶縁体154、第1接点対124a、126a、接点対絶縁体154、第2接点対124b、126b、中央絶縁体156、第2接点対124b、126b、接点対絶縁体154、第1接点対124a、126a、接点対絶縁体154およびカバー158を含む。
【0035】
中央絶縁体156は、プラスチックまたはセラミック材料のような絶縁材料からなり、取付面150aの外縁と一致する外縁を有することが好ましい。中央絶縁体156は、取付面150aのネジ孔150dに位置合わせされる4つの貫通孔156aと、金属ピン152に位置合わせされる2つの貫通孔156bを含む。接点対124、126の方にそれぞれ向いた中央絶縁体156の表面(対向面と表記する)各々は、凹部156dを含む。凹部156dは、接触対124a、126aおよび124b、126bと、接触対絶縁体154が中央絶縁体156の対向面を超えずに凹部156d内に取り付けられるのに十分な深さを有する。ここでは、1つの凹部156dのみが示されているが、中央絶縁体156の反対側の面も同じ形の凹部156dを含む。
【0036】
凹部156は、接点ビーム208を囲むように成形される外輪郭を有する。一対の溝160が、凹部156dから中央絶縁体156の上縁156eを通って伸長する。上縁156eにおいて、溝160は、接触先端200が離間する距離と同じ距離だけ離間している。一対の開口162が、凹部156dから中央絶縁体156の底縁156fを通って伸びる。開口162は、底縁156fで離間し、接点124a、124bの各々からの接点基部204が一方の開口162を通って伸び、接点126a、126bの各々からの接点基部204が他方の他の開口162を通って伸びることができるのに十分なサイズを持つ。凹部156dの底の間の間隔と溝160の底の間の間隔は、隣接する、端子132、134の組の間の間隔に依存する。
【0037】
2本の水平離間絶縁位置決めピン(horizontally-spaced insulative locator pin)164は、凹部156dの表面から伸長する。位置決めピン164は、好ましくはセラミックであり、プローブモジュール128の組み立て時に用いられる。具体的には、プローブモジュール128を形成するために、まず第2接点対124b、126bの各接点は、各接点の貫通孔214と位置決めピン164のうちの1本との係合によって、中央絶縁体156に取り付けられる。図示してないが、好ましくは各接点対124、126は、打抜き加工により取扱タブ(handling tab)が付いた状態に一体形成される。取り扱いタブは、接点対124、126の接点基部204の間に架けられる小さな水平接続ビームである。タブは、2つの接点を同時に取り付けることによって、接点対124、126の処理、取扱いおよび取付けを単純化するために用いることができる。
【0038】
貫通孔214と位置決めピン164との係合により第2接点対124b及び126bを中央絶縁体156に取り付けられた後に、接点対絶縁体154の位置決め貫通孔154aを位置決めピン164に係合させて中央絶縁体156に絶縁体154を取り付ける。次に、好ましくは上述の取扱タブを用いて、貫通孔214と位置決めピン164との係合によって、第1接点対124a、126aを中央絶縁体156に取り付ける。第1接点対124a、126a上に他の接点対絶縁体154を任意に配置してもよい。その後、金属ピン152に位置合わせされた中央絶縁体156の貫通孔156bを金属ピン152に嵌めて押圧し、中央絶縁体156を取付用支持部150の取付面150aに接触させる。このように、凹部156dおよび取付面150aは、接点ハウジングを形成する。図示してないが、通常は、位置決めピン164と位置合わせされた凹部が取付面150aに形成される。中央絶縁体156への取り付けを簡単にするために、位置決めピン164が中央絶縁体156の表面を越えて伸長するのが好ましいからである。
【0039】
取付用支持部150への中央絶縁体156の載置が終わると、上述と同様の方法で、他の第2接点対124b、126b、接点対絶縁体154、第1接点対124a、126aおよび接点対絶縁体154が凹部156dに取り付けられる。その後で、カバー158の貫通孔158aに、金属ピン152を嵌める。好ましくは、カバー158の外縁は、中央絶縁体156の外縁および取付用支持部150の対向面150aの外縁に一致する。カバー158の内面の貫通孔158bは、位置決めピン164に位置合わせされる。上記のように、位置決めピン164は好ましくは中央絶縁体156の表面を越えて伸長するからである、ここで貫通孔158bが示されるが、これに代えてカバー158の内面から途中まで伸びるボアを使用してもよい。
【0040】
カバー158を通って伸びる貫通孔158cは、ネジ孔150dに位置合わせされる。4本のボルト166は、貫通孔158cを通って伸び、ネジ孔150dと係合することで、カバー158を取付用支持部150に固定する。このように、凹部156dおよびカバー158の内面は、接点ハウジングを形成する。カバー158の固定が終わると、接点対124、126に接続する全ての取扱タブを折り取って、接点124を接点126から電気的に切り離すことができる。このようにして、8個の接点部の代わりに扱われる4個だけの接点部ができる。カバー158は好ましくは非導電性材料、例えば樹脂またはプラスチック材料である。
【0041】
図5に示すように、各接点対絶縁体154は、薄い絶縁体材(例えばカプトンまたはPEEK)からなるシートである。例えば、第1接点対124a、126aと、第2接点対124b、126bは、厚さ0.127 ミリメートル(0.005インチ)の単一の接点対絶縁体154によって離間できる。この接点間隔は、単に絶縁体サイズを変えることによって、または、様々な厚みの絶縁体を積み重ねることによって変えることができる。
【0042】
ここまで、各接触子126の突出部216について言及していなかった。図4および5から分かるように、接触子126の接点先端200は直角に曲がって接点ビーム208を形成する。この直角部は凹部156dの内面に接触して、接触子126の上方への移動を制限する。しかしながら、接触子126の接点ビーム208は、接触子124の接点ビーム208よりも、凹部156dの内面に関して内側にある。従って、突出部216は、接触子126の上方への移動を制限するために各接触子126に設けられている。突出部216は、接点先端200と接点ビーム208との連結部分から接触子124の接点ビーム208の上面とほぼ並行に伸びる水平な上面を有する。こうして、突出部216の上面は、凹部156dのほぼ平坦な内面と接触し、上方への移動を制限する。また、突出部216は、接点対124、126を凹部156d内に取り付けるための弾発力を与えるのを助ける。
【0043】
運転中には、デバイスローダ14、16に電子デバイス11が入れられる。必要であれば、デバイスローダ14、16で電子デバイス11が単体化(singulated)される。単体化の後に、デバイスは、移送ステーション18で、デバイスローダ14、16からコンベア12へ移される。移送ステーション18は、機械的手段又は空気圧手段を使用して、デバイスローダ14、16から搬送部40へ電子デバイス11を個別に移動するように構成される。
【0044】
コンベア12は、間欠送りするか予め定められた量だけ移動して、順次電子デバイス11を第1検査ステーション20および第2検査ステーション22に近接させる。第1検査ステーション20および第2検査ステーション22は、電子デバイス11の種類に応じて、例えば充電時間、漏れ電流、順方向動作電圧、電流引き込み(electrical current draw)、抵抗値等のパラメータについて、電子デバイス11を測定するように構成されてよい。また、電子デバイス11がLEDである場合、第1検査ステーション20および第2検査ステーション22は、例えば光束およびスペクトル光出力のような光出力パラメータについても測定してもよい。プローブモジュール128を使用して、デバイス11の各端子132、134を、可撓性を有する2つの接点124または126と入出力信号とに電気的に係合(electrical engagement)させる。但し、これは必須ではない。
【0045】
検査の後に、電子デバイス11は、取り出しステーション25で取り出される。取り出しステーション25は、検査結果に基づき、容器アセンブリ(bin assembly)24及び取り出しアセンブリ26を使って電子デバイス11を分類分けするように構成されてよい。容器アセンブリ24は多くの容器を含んでおり、取り出しアセンブリ24は、例えば選択的に加えられる圧縮空気によって、個別に電子デバイス11を、容器アセンブリ24から選択された1つの容器へ取り出す。
【0046】
本願明細書に記載の発明の接点によって、各接点先端200が、接点ビーム208の撓み部材の中央の位置で略垂直方向に移動できると同時に、接触点を密集させることができる。これはカンチレバーで支持される接点に勝る利点であり、カンチレバーは、略垂直運動を生むために、概して大きくて複雑なオフセット4バー湾曲部(offset 4-bar flexure)を各接点に必要とする。その構造は比較的大きく、高速作動のために望ましくない。
【0047】
更に、接点124、126が平板材料から作られて後成形を要しない。このため、各先端について少なくとも3つの別個の構成要素を有するポゴピン(pogo pin)に比べて、接点のコストが低減され寿命が増加する。平板材料を使用することによって、様々な接点材料の使用を容易に実施できる。平板材料が使用される場合、接点124、126は平板材料により画定される平面内で互いに噛み合わされる。
【0048】
また、ビーム形状を単純に変えることによって、接点の摺洗を容易に変えることができる。本願明細書で示されるプローブモジュール128はコンパクト及び軽量であり、高速運動を可能にする。
【0049】
最後に、ビーム形状を単純に変えることによって接触力を容易に変えることができる。
【0050】
本発明は、ある実施形態に関連して説明されているが、本発明は、説明された実施形態に限られるものではなく、むしろそれとは反対に、添付の特許請求の範囲に含まれる様々な変形及び均等な構成を網羅することを意図することを理解するべきであり、その範囲は、法律により許される変更態様及び均等な構造の全てを含むべく、最も幅広い解釈を与えられるものである。
図1
図2
図3
図4
図5