【実施例】
【0073】
β−1,2−結合三価マンノオリゴ糖化合物の実験的合成
β−結合三価マンノシドの実験的合成を、
図2の参照番号を使用して、以下に記載した。
【0074】
フェニル2−O−アセチル−4,6−O−ベンジリデン−3−O−p−メトキシベンジル−1−チオ−α−D−マンノピラノシド(2):ピリジン(10mL)中の化合物1(1.85g、3.85mmol)の溶液に、無水酢酸(5mL)を加え、混合物を室温で4時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、トルエン(3×10mL)と同時蒸発させる。SiO
2(ヘキサン/EtOAc;5:1)上の粗反応混合物を精製して、無色の泡として純粋化合物2(1.9g、94%)を得た。ESI-HRMS, 計算値 C
29H
30O
7SNa [M+Na]
+: 545.1610; 実測値: 545.1622.
【0075】
2−アジドエチル2−O−アセチル−4,6−O−ベンジリデン−3−O−p−メトキシベンジル−α−D−マンノピラノシド(3):CH
2Cl
2(15mL)中の化合物2(1.5g、2.87mmol)及び2−アジドエタノール(300mg、3.44mmol)の溶液に、4Åモレキュラーシーブ(1.5g)を加え、アルゴン雰囲気下で、混合物を室温で30分間撹拌した。NIS(775mg、3.44mmol)を加え、反応混合物を−40℃まで冷却し、続いてTMSOTf(38mg、31μl、0.17mmol)を加えた。反応混合物を、同一温度で2時間撹拌して、Et
3N(100μl)を用いてクエンチした。反応混合物をceliteのパッドを通して濾過し、CH
2Cl
2(40mL)を用いて洗浄した。合わせた有機層を、水(30mL)、飽和水性NaHCO
3(2×30mL)及びブライン溶液(2×30mL)をそれぞれ用いて洗浄した。次いで、有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮し、SiO2(ヘキサン/EtOAc;7:2)を通して精製して、無色の泡として、純粋な3(890mg、62%)を得た。ESI-HRMS, 計算値 C
25H
29N
3O
8Na [M+Na]
+: 522.1852; 実測値: 522.1839.
【0076】
2−アジドエチル4,6−O−ベンジリデン−3−O−p−メトキシベンジル−α−D−マンノピラノシド(4):MeOH(20mL)中の化合物3(780mg、0.05mmol)の溶液に、ナトリウムメトキシド(MeOHに0.1M、600μL)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。Dowex(登録商標)50WX8−100(H
+)を加えて中和した。反応混合物を濾過し、メタノール(3×10mL)を用いて洗浄した。合わせた有機層を、減圧下で蒸発乾固させて、無色の油として化合物4(690mg、定量的)を得た。4に対する特性評価データは、文献(Alpeら、2003)に報告されているものに従っている。
【0077】
2−アジドエチル(4,6−O−ベンジリデン−2,3−ジ−O−p−メトキシベンジル−β−D−マンノピラノシル)−(1→2)−4,6−O−ベンジリデン−3−O−p−メトキシベンジル−α−D−マンノピラノシド(6):CH
2Cl
2(20mL)中のグリコシル供与体5(1.5g、2.49mmol)の溶液に、4Åモレキュラーシーブ(2g)を加え、アルゴン雰囲気下で、混合物を室温で30分間撹拌した。−60℃でBSP(630mg、2.99mmol)及びTTBP(930mg、3.74mmol)を加え、続いてTf
2O(920mg、550μl、3.24mmol)を加え、同一条件下で30分間撹拌した。CH
2Cl
2(10mL)中の化合物4(950mg、2.08mmol)を、−78℃で反応混合物に加え、Et
3N(1mL)を用いてクエンチする前に、この温度で2時間撹拌した。次いで、反応混合物をceliteのパッドを通して濾過し、続いてCH
2Cl
2(60mL)を用いて洗浄した。合わせた有機層を、水(2×30mL)、ブライン(20mL)を用いて洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮し、SiO
2(ヘキサン/EtOAc;5:2)を通して精製して、無色の泡としてβ−異性体6(1.27g、65%)を得た。ESI-HRMS, 計算値 C
52H
57N
3O
14Na [M+Na]
+: 970.3739; 実測値: 970.3717.
【0078】
2−アジドエチル(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−マンノピラノシル)−(1→2)−3,4,6−トリ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(7):CH
2Cl
2(10mL)中の化合物6(1.0g、1.05mmol)及び1,3−プロパンジチオール(915mg、850μL、8.44mmol)の、撹拌した溶液に、0℃でTFA−H
2O(5mL、4:1)を加え、撹拌を室温で2時間続けた。反応混合物を、水(15mL)を用いて希釈し、CH
2Cl
2(4×15mL)を用いて洗浄して、すべての非極性有機物質を除去した。水性相を蒸発させ、続いて減圧下でトルエン(4×20mL)と同時蒸発させた。次いで、粗生成物をピリジン(20mL)中で溶解し、続いて0℃でAc
2Oを加え、その後反応混合物を室温で20時間撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、続いてトルエン(3×20mL)と同時蒸発させた。次いで、粗生成物を、SiO
2(ヘキサン/EtOAc;1:1)を通して精製して、白色粉末としてアセチル化生成物7(675mg、91%)を得た。ESI-HRMS, 計算値 C
28H
39N
3O
18Na [M+Na]
+: 728.2127; 実測値: 728.2112.
【0079】
1,2,3−トリス[1−[(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−マンノピラノシル)−(1→2)−(3,4,6−トリ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシエチル)]−4−[メチル−1−オキシ]トリアゾリル]プロパン(9)、すなわち本発明の式(IV)による化合物:
tBuOH:H
2O:CH
2Cl
2(6mL、1:1:1、v/v/v)中の2−アジドエチルグリコシド7(300mg、0.43mmol)及び8(26.6mg、0.13mmol)の溶液に、硫酸銅(6.2mg、0.04mmol)及びアスコルビン酸ナトリウム(15.3mg、0.08mmol)をそれぞれ加え、55℃で12時間加熱した。飽和NH
4Cl及び水(20mL、1:1)を溶液に注ぎ、続いてCH
2Cl
2(3×20mL)を用いて抽出した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮し、SiO
2(CH
2Cl
2の4%MeOH)を通して精製して、無色の固体として純粋な標題の化合物9(260mg、87%)を得た。R
f:0.45(CH
2Cl
2に7%MeOH);[α]
D25−67.5°(c1、CHCl
3);
1H NMR(600.13MHz, CDCl
3) δ 7.80(s, 1H), 7.73(s, 1H), 7.72(s, 1H), 5.48-5.46(m, 3H), 5.25-5.21(m, 6H), 5.04-5.00(m, 3H), 4.91-4.87(m, 3H), 4.81-4.77(m, 5H), 4.70-4.69(m, 3H), 4.67-4.55(m, 10H), 4.34-4.30(m, 3H), 4.28-4.27(m, 3H), 4.20-4.16(m, 3H), 4.14-4.09(m, 3H), 4.02-3.99(m, 6H), 3.93-3.90(m, 3H), 3.82(五重線, J=5.2Hz, 1H), 3.69-3.54(m, 10H), 2.23(br s, 9H), 2.12(br s, 9H), 2.09(br s, 9H), 2.04(br s, 9H), 2.03(br s, 6H), 2.02(br s, 9H), 2.01(s, 3H), 2.00(brs, 9H);
13C NMR(150.9MHz, CDCl
3) δ 170.8(3 C), 170.6, 170.5(2 C), 170.3, 170.2(4 C), 170.1, 169.9, 169.8(2 C), 169.6(3 C), 169.2, 169.1(2 C), 145.5, 145.0, 144.9, 123.8, 123.7(2 C), 97.4(3 C), 96.2(3 C), 77.1, 72.1(2 C), 72.0, 71.9, 71.8(2 C), 70.6, 70.5(2 C), 70.0(4 C), 69.9, 68.9(2 C), 68.8, 68.4(3 C), 66.0(3 C), 65.9(3 C), 64.7(3 C), 64.4(2 C), 63.5, 62.3(3 C), 61.6, 61.5(2 C), 49.7(2 C), 49.6, 20.7(6 C), 20.6(6 C), 20.5(6 C), 20.4(3 C); MALDI-TOF-MS, 計算値 C
96H
131N
9O
57Na [M+Na]
+: 2344.752; 実測値: 2344.768.
【0080】
1,2,3−トリス[1−(β−D−マンノピラノシル)−(1→2)−(α−D−マンノピラノシルオキシエチル)]−4−[メチル−1−オキシ]トリアゾリル]プロパン(10):MeOH(3mL)中の化合物9(47mg、0.02mmol)の溶液に、ナトリウムメトキシド(MeOHに0.1M、100μL)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。Dowex(登録商標)50WX8−100(H
+)を加えて中和した。反応混合物を濾過し、メタノール(3×20mL)を用いて洗浄した。合わせた有機層を、減圧下で蒸発乾固させて、白色の泡として純粋な10(27mg、93%)を得た。[α]
D25−2.0°(c1、H
2O);
1H NMR(600.13MHz, D
2O) δ 8.09(br s, 2H), 8.08(s, 1H), 4.92-4.90(m, 3H), 4.74(br s, 2H), 4.70-4.64(m, 13H), 4.14-4.09(m, 3H), 4.08-4.06(m, 3H), 4.00(d, J=3.2Hz, 3H), 3.97-3.87(m, 8H), 3.74-3.61(m, 21H), 3.55(t, J=9.7Hz, 3H), 3.36-3.32(m, 3H), 3.02-2.98(m, 3H);
13C NMR(150.9MHz, D
2O) δ 144.0(3 C), 125.6(3 C), 98.5(3 C), 97.3(3 C), 77.0(3 C), 76.8, 76.3(3 C), 72.8(2 C), 72.7(3 C), 70.7(3 C), 69.8(3 C), 69.0(2 C), 66.6(4 C), 66.5(3 C), 65.5(3 C), 63.3(2 C), 62.1, 60.9(3 C), 60.2(3 C), 50.1(3 C); MALDI-TOF-MS, 計算値 C
54H
89N
9O
36Na [M+Na]
+: 1462.530; 実測値: 1462.548.
【0081】
本発明の式(IV)による同一の化合物、すなわち1,2,3−トリス[1−[(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−マンノピラノシル)−(1→2)−(3,4,6−トリ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシエチル)]−4−[メチル−1−オキシ]トリアゾリル]プロパン(9)を、別の実験において大規模に生成した。中間体又は最終生成物の合成又は特性評価のすべてはここで示さないが、前記合成により、化合物7及び8から、上に記載した類似方法で、純粋な化合物である1,2,3−トリス[1−[(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−マンノピラノシル)−(1→2)−(3,4,6−トリ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシエチル)]−4−[メチル−1−オキシ]トリアゾリル]プロパン(9)(230mg、74%)が無色の固体として得られた。
【0082】
長いリンカーを用いた本発明の式(IV)による免疫賦活化合物の類似体の合成
3−アジドプロピル2−O−アセチル−4,6−O−ベンジリデン−3−O−p−メトキシベンジル−α−D−マンノピラノシド(13):CH
2Cl
2(15mL)中の化合物2(2g、3.82mmol)及び3−アジド−1−プロパノール(464mg、4.59mmol)の溶液に、4Åモレキュラーシーブ(1.5g)を加え、アルゴン雰囲気下で、混合物を室温で30分間撹拌した。NIS(1.03g、4.59mmol)を加え、反応混合物を−40℃まで冷却し、続いてTMSOTf(45mg、36μl、0.20mmol)を加えた。反応混合物を、同一温度で2時間撹拌し、Et
3N(100μl)を用いてクエンチした。反応混合物をceliteのパッドを通して濾過し、CH
2Cl
2(40mL)を用いて洗浄した。合わせた有機層を、水(30mL)、飽和水性NaHCO
3(2×30mL)及びブライン溶液(2×30mL)をそれぞれ用いて洗浄した。次いで、有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮し、SiO
2を通して精製して、無色の泡として、純粋な13(1.09g、56%)を得た。C
26H
31N
3O
18Na[M+Na]
+に対する計算値:536.2127;実測値:536.1952
【0083】
3−アジドプロピル4,6−O−ベンジリデン−3−O−p−メトキシベンジル−α−D−マンノピラノシド(14):MeOH(20mL)中の化合物13(920mg、1.79mmol)の溶液にメトキシドナトリウム(MeOHに0.1M、600μL)を加え、混合物を室温で4時間撹拌した。Dowex(登録商標)50WX8−100(H
+)を加えて中和した。反応混合物を濾過し、メタノール(4×15mL)を用いて洗浄した。合わせた有機層を、減圧下で蒸発乾固させて、無色の油として化合物14(827mg、96%)を得た。
【0084】
3−アジドプロピル(4,6−O−ベンジリデン−2,3−ジ−O−p−メトキシベンジル−β−D−マンノピラノシル)−(1→2)−4,6−O−ベンジリデン−3−O−p−メトキシベンジル−α−D−マンノピラノシド(15):CH
2Cl
2(20mL)中のグリコシル供与体5(1.24g、2.03mmol)の溶液に、4Åモレキュラーシーブ(2g)を加え、アルゴン雰囲気下で、混合物を室温で30分間撹拌した。−60℃でBSP(511mg、2.44mmol)及びTTBP(727mg、2.92mmol)を加え、続いてTf
2O(690mg、412μl、2.44mmol)を加え、その後反応混合物を同一条件下で30分間撹拌した。CH
2Cl
2(10mL)中の化合物14(800mg、1.69mmol)を、−78℃で反応混合物に加え、Et
3N(1mL)を用いてクエンチする前に、この温度で2時間撹拌した。次いで、反応混合物をceliteのパッドを通して濾過し、続いてCH
2Cl
2(60mL)を用いて洗浄した。合わせた有機層を、水(2×30mL)、ブライン(20mL)を用いて洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮し、SiO
2を通して精製して、無色の泡としてβ−異性体15(930mg、57%)を得た。ESI-HRMS, 計算値 C
53H
59N
3O
14Na [M+Na]
+: 985.0500; 実測値: 984.3821.
【0085】
3−アジドプロピル(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−マンノピラノシル)−(1→2)−3,4,6−トリ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(16):CH
2Cl
2(10mL)中の化合物15(800mg、0.832mmol)及び1,3−プロパンジチオール(901mg、835μL、8.32mmol)の、撹拌した溶液に、0℃でTFA−H
2O(5mL、4:1)を加え、撹拌を室温で2時間続けた。反応混合物を、水(15mL)を用いて希釈し、CH
2Cl
2(4×15mL)を用いて洗浄して、すべての非極性有機物質を除去した。水性相を蒸発させ、続いて減圧下でトルエン(4×20mL)と同時蒸発させた。次いで、粗生成物をピリジン(15mL)中で溶解し、続いて0℃でAc
2O(10mL)を加え、その後反応混合物を室温で20時間撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、続いてトルエン(3×20mL)と同時蒸発させた。次いで、粗生成物を、SiO
2(ヘキサン/EtOAc;1:1)を通して精製して、白色粉末としてアセチル化生成物16(365mg、61%)を得た。ESI-HRMS, 計算値 C
29H
41N
3O
18Na [M+Na]
+: 742.6507; 実測値: 742.2282.
【0086】
1,2,3−トリス[1−[(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−マンノピラノシル)−(1→2)−(3,4,6−トリ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシプロピル)]−4−[メチル−1−オキシ]トリアゾリル]プロパン(17):
tBuOH:H
2O:CH
2Cl
2(6mL、1:1:1、v/v/v)中の8(26.6mg、0.13mmol)及び2−アジドプロピルグリコシド16(300mg、0.41mmol)の溶液に、硫酸銅(6.3mg、0.042mmol)及びアスコルビン酸ナトリウム(15.4mg、0.08mmol)をそれぞれ加え、混合物を55℃で12時間加熱した。飽和NH
4Cl及び水(20mL、1:1)を溶液に注ぎ、続いてCH
2Cl
2(3×20mL)を用いて抽出した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮し、SiO
2(CH
2Cl
2中の4%MeOH)を通して精製して、無色の固体として純粋な17(160mg、62%)を得た。
1H NMR(600.13MHz, CDCl
3) δ 7.69(s, 1H), 7.63(s, 2H), 5.48-5.47(m, 3H), 5.26-5.21(m, 6H), 5.05-5.03(m, 3H), 4.96-4.93(m, 3H), 4.77-4.73(m, 8H), 4.63(s, 4H), 4.49-4.45(m, 6H), 4.34-4.28(m, 6H), 4.34-4.22(m, 3H), 4.04-4.00(m, 6H), 3.87-3.85(m, 3H), 3.79-3.76(m, 1H), 3.76-3.73(m, 3H), 3.68-3.64(m, 7H), 3.48-3.37(m, 3H), 2.23(brs, 9H), 2.22-2.19(m, 6H), 2.09(br s, 9H), 2.08(br s, 9H), 2.04(br s, 9H), 2.02(br s, 9H), 2.01(br s, 9H), 1.99(br s, 9H);
13C NMR(150.9MHz, CDCl
3) δ 170.9(3 C), 170.6(3 C), 170.4(3 C), 170.3(3 C), 169.9(3 C), 169.6(3 C), 169.3(3 C), 145.6, 145.2(2 C), 122.9, 122.7(2 C), 97.8(3 C), 96.3(3 C), 77.3, 72.1(3 C), 72.0(3 C), 70.6(3 C), 70.3(3 C), 70.2(2 C), 68.7(3 C), 68.5(3 C), 66.1(3 C), 65.0(3 C), 64.8(3 C), 64.6(2 C), 63.8, 62.4(3 C), 61.8(3 C), 47.1(3C), 30.0(3 C), 20.8(6 C), 20.7(9 C), 20.6(6 C); ESI-HRMS, 計算値 C
99H
137N
9O
57H [M+H]
+: 2364.8100; 実測値: 2364.8168.
【0087】
本発明による合成β−1,2−結合マンノオリゴ糖化合物の生物学的試験
次に、本発明によるβ−1,2−結合マンノオリゴ糖化合物を、その免疫学的活性について試験した。免疫学の分野における専門家が試験を行うので、それに合うように試料すべての名前を変更し、文書化し、報告した。先の実験で合成されたβ−1,2−結合マンノオリゴ糖化合物は、以下の生物学的試験で言及されている。
【0088】
CM−C8−2010は、好ましい実施形態によるβ−1,2−結合マンノオリゴ糖化合物を指し、先に式IVの化合物として記載され、化合物9として
図2に示されている。
【0089】
RP−I−82 2010は、別の好ましい実施形態によるβ−1,2−結合マンノオリゴ糖化合物を指し、実施例4の生物学的活性について試験される。この化合物の合成スキームは、
図4及び最終生成物
17としてのその構造に記載されている。
【0090】
CM−C4−2010、CM−C7−2010及びCM−C4−2011は、
図7a、
図7b、
図7cでそれぞれ示された構造を指す。
【0091】
説明で論じられたサイトカインに加えて、腫瘍壊死因子であるTNFに対する効果について、実施例4において細胞培養物をさらに試験した。TNFは、肥満細胞に発現する多面的炎症性サイトカインであり、喘息患者の気管支肺胞液、特により重篤な喘息患者の気管支肺胞洗浄液(BAL)に高濃度で存在する。これは、難治性喘息において重要な役割を果たすであろうことを示唆している。
【0092】
ヒトPBMC
ヒトPBMCは、ヘパリン添加血液試料から、Ficoll(Ficoll−Paque、Amersham Pharmacia Biotech、Sweden)密度勾配遠心法を用いて単離した。PBMCを、ハンクス液(HBSS)を用いて2回洗浄し、5%自己血清、L−グルタミン(Fluka Biochemica、Germany)2mM及びゲンタマイシン(Biological Industries、Israel)100μg/mlを添加したRPMI媒体中で懸濁した。細胞懸濁液をRPMIベースの培養物を希釈して10
6細胞/mlとし、48ウェル培養プレート(Costar、Cambridge、MA、USA)に加えた。
【0093】
(実施例1)
合成β−1,2−結合マンノオリゴ糖化合物によるサイトカインの誘導
アトピーの対象3例の末梢血単核細胞(PBMC)試料における、サイトカインIL−4、IL−5、IL−10及びIFN−γの生成について、合成オリゴ糖を試験した。可溶化オリゴ糖を細胞培養物懸濁液に加えることによりPBMCを刺激した。この例で使用される合成多価β−1,2−結合オリゴ糖は、本発明の式(IV)の化合物(CM−C8−2010とコード化されている)、CM−C4−2010とコード化された三価単糖(R=H)及びCM−C7−2010とコード化された五価二糖(R=O)による分子である。CM−C4−2010及びCM−C7−2010の化学構造は、
図7a及び7bに示されている。PBMCに由来するサイトカイン反応を、Luminex
100(商標)という計測器を使用し、高感受性ヒトサイトカインLINCOplex(商標)キット(LINCO Research、St.Charles、MO、USA)を用いてサイトカイン分泌を測定することにより、刺激開始から72時間後に検出した。製造者のプロトコールに従って、Luminexの技術を利用してアッセイを行った。試験したオリゴ糖のうち、IFN−γ及びIL−10の高度な誘導因子は、CM−C8−2010とコード化された本発明の式(IV)の化合物による分子であり、中等度の誘導因子は、CM−C7−2010とコード化された分子であり、軽度の誘導因子はCM−C4−2010とコード化された分子であった(
図5)。IL−4及びIL−5の生成は、まったく見られなかった。
【0094】
(実施例2)
アレルゲン誘導免疫応答に対する合成β−1,2−結合マンノオリゴ糖化合物の効果
本発明が正当であることを示すために、アレルギー性炎症を促進する主なTh2型サイトカインの1つであるIL−5の産生に対する、CM−C8−2010とコード化されている本発明の式(IV)の化合物による合成分子の効果を、アレルギー性鼻炎を有するカバノキアレルギー患者4名(A、B、C、D)の、アレルゲン(カバノキ)で刺激したPBMC培養物において研究した。CM−C4−2011とコード化された三価アセチル化単糖を、陰性対照として使用した。CM−C4−2011の化学構造は
図7cに示されている。PBMCを、上で記載したように単離し、培養した。カバノキ全体のアレルゲン抽出物を50μg/mlの濃度で、及びCM−C8−2010を20μg/mlの濃度で使用した。培養物を72時間インキュベートした。続いて刺激を与え、Luminex
100(商標)という計測器を使用し、LINCOplex(商標)キットを用いてIL−5の生成を測定した。すべての鼻炎患者の培養物において、CM−C8−2010は、カバノキアレルギーを誘導するIL−5反応を効果的に抑制したが、CM−C4−2011では抑制が見られなかった(
図6)。
【0095】
(実施例3)
アレルゲン誘導免疫応答の抑制における合成β−1,2−結合マンノオリゴ糖化合物と先行技術のアジュバントとの比較
アレルギー性炎症を促進する主なTh2型サイトカインである、IL−4、IL−5及びIL−13産生に対する、CM−C8−2010とコード化された本発明の式(IV)の化合物による合成分子の効果を、アレルギー性鼻炎を有するカバノキアレルギー患者26名の、アレルゲン(カバノキ)で刺激したPBMC培養物において研究した。効果を、3−脱アシル化モノホスホリルリピドA(MPL)、サルモネラ・ミネソタのリポ多糖(LPS)の非毒性誘導体及び免疫賦活細菌DNA塩基配列(CpG−ODN−1)の効果と比較した。これらの分子を、アレルゲン免疫療法におけるアジュバントとして、臨床的に試験することに成功した。免疫賦活活性を伴わない、別の細菌DNA塩基配列(CpG−ODN−2)を陰性対照として使用した。カバノキ花粉が多い時期の間に収集したPBMCを、上で記載したように単離し、培養した。カバノキ全体のアレルゲン抽出物を50μg/mlの濃度で、及びCM−C8−2010を200及び20μg/mlの濃度で使用した。CpG−ODN−1及びCpG−ODN−2を5μg/mlの濃度で、及びMPLを、先に発表されている実験に基づき10μg/mlの濃度で使用した。培養物を24時間インキュベートした。刺激後に、Luminex
100(商標)という計測器を使用し、LINCOplex(商標)キットを用いてIL−4、IL−5及びIL−13の生成を測定した。分析に関しては、高度に誘導されるサイトカイン反応を有する培養物のみが含まれた。CM−C8−2010は、カバノキアレルギーを誘導するIL−4、IL−5及びIL−13反応をCpG−ODN−1又はMPLよりも効果的に抑制した(表1)。抑制効果は、CpG−ODN−1又はMPLを用いた対象よりも多くの対象で見られた。
【表1】
【0096】
結果により、本発明による化合物が、先行技術のアジュバントと比較して、より良好な抑制をもたらすことが示される。この実験において、結果から、本発明による化合物に対する患者間の変動は、先行技術の化合物に対する差異よりも少ないことをさらに示した。アレルギー反応は、いくつかの反応に依存し、調節因子の数によって影響を受ける。したがって、CpG−ODN−1が、IL−5及びIL−13にそれぞれ僅かな反応しかもたらさない場合、IL−4の反応は弱くなる。これに比較して、本発明の化合物で得られる結果は、きわめて有望であり、それ自体の特性により、多くの患者に対する治療及び適合性の見込みを改善することが予想される。
【0097】
(実施例4)
合成オリゴ糖によるサイトカインの誘導
対象3例の末梢血単核細胞(PBMC)試料において、サイトカインIL−4、IL−5、IL−10、IL−13、TNF及びIFN−γの産成について、RP−I−82とコード化された合成オリゴ糖を試験した。細胞培養物懸濁液内に可溶化オリゴ糖を加えることにより、PBMCを刺激した。この実施例で使用される合成オリゴ価β−1,2−結合オリゴ糖は、本発明の式(IV)の化合物(RP−I−82とコード化されている)による分子であった。RP−I−82の合成スキーム及び化学構造は
図2に示されている(化合物9)。陽性対照は、酸加水分解したカンジダ・アルビカンスのマンナン(CAM)であった。Luminex
100(商標)という計測器を使用し、高感受性ヒトサイトカインLINCOplex(商標)キット(LINCO Research、St.Charles、MO、USA)を用いてサイトカイン分泌を測定することによる刺激開始から24時間後に、PBMCに由来するサイトカイン反応を検出した。製造者のプロトコールに従って、Luminexの技術を利用してアッセイを行った。試験したオリゴ糖は、IL−10及びTNFの高度な誘導因子であり、IFN−γの中等度の誘導因子であった(表2)。IL−4、IL−5及びIL−13の生成はまったく見られなかった。
【表2】
【0098】
これらの結果から、本発明による化合物(RP−I−82)は、サイトカインの特異的誘導であるIL−10、IFN−γ及びTNF生成を細胞培養物懸濁液にもたらすと結論付けることができる。これは、IL−10及びTNFに対して、対照であるカンジダ・アルビカンスのマンナン(CAM)よりもかなり高かった。前記対照のCAMが、空試料(刺激なし)と比較して、すべてのサイトカインを誘導した一方、本発明による化合物(RP−I−82)が、アレルゲンに対するTh2型免疫応答の下方調節に重要な役割を果たす、選択的な誘導をもたらしたことも注目に値する。
【0099】
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