特許第6073313号(P6073313)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6073313複合材料を形成する方法及びヒートシンク
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073313
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】複合材料を形成する方法及びヒートシンク
(51)【国際特許分類】
   B22F 3/105 20060101AFI20170123BHJP
   B22F 3/16 20060101ALI20170123BHJP
   H01L 23/36 20060101ALI20170123BHJP
   C22C 1/00 20060101ALI20170123BHJP
   C22C 1/05 20060101ALI20170123BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALN20170123BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALN20170123BHJP
【FI】
   B22F3/105
   B22F3/16
   H01L23/36 Z
   C22C1/00 R
   C22C1/05 P
   !B33Y10/00
   !B33Y80/00
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-520608(P2014-520608)
(86)(22)【出願日】2012年7月11日
(65)【公表番号】特表2014-527121(P2014-527121A)
(43)【公表日】2014年10月9日
(86)【国際出願番号】EP2012063560
(87)【国際公開番号】WO2013010870
(87)【国際公開日】20130124
【審査請求日】2015年6月8日
(31)【優先権主張番号】102011079471.9
(32)【優先日】2011年7月20日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】504035571
【氏名又は名称】トルンプフ レーザー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】TRUMPF Laser GmbH
(73)【特許権者】
【識別番号】506065105
【氏名又は名称】トルンプフ レーザー− ウント ジュステームテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】TRUMPF Laser− und Systemtechnik GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】クラウス ヴァルメロート
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン シュミッツ
【審査官】 静野 朋季
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−312362(JP,A)
【文献】 特開2006−001232(JP,A)
【文献】 特開2008−095171(JP,A)
【文献】 特表2011−503872(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0175853(US,A1)
【文献】 特開2002−097532(JP,A)
【文献】 特開2011−126737(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102007051570(DE,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0211657(US,A1)
【文献】 特開平02−170452(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0149313(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0149304(US,A1)
【文献】 米国特許第05273790(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 1/00−8/00
C22C 1/04、1/05
C22C 1/08−1/10
C22C 26/00、29/00−29/18
C22C 47/00−49/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートシンク(13)用の炭素−金属複合材料(8)からなる成形体(10)を形成する方法であって、
ダイヤモンド、黒鉛及び炭化物を含む群から選択されている炭素粒子(5)を有する1つの層(5a)及び金属粒子(6)を有する1つの層(6a)を相互に重なり合って適用し
該層(5a、6a)にレーザ放射(7)を照射することにより、該層(5a、6a)を一緒に融解させて、該炭素−金属複合材料(8)を形成し、並びに
層(5a、6a)の該適用及び該融解を交互に繰り返して、該炭素−金属複合材料(8)からなる成形体(10)を形成する
ことを含
該成形体(10)が、該炭素−金属複合材料の少なくとも2つの層(8a)を、炭素粒子(5)と、金属粒子(6)から形成された金属マトリックス(9)との異なる体積比で有し、
及び/又は
少なくとも一方の層(5a)に含まれる炭素粒子の粒度と、少なくとも他方の層(5a)に含まれる炭素粒子の粒度とが異なり、
及び/又は
厚さ方向で変化する数密度を有する、炭素粒子(5)を有する少なくとも1つの層を適用する、
炭素−金属複合材料(8)からなる成形体(10)を形成する方法。
【請求項2】
該成形体(10)終端層の形成のために、金属粒子を有する層(8b)を適用し、かつレーザ放射(7)照射により溶着させる、請求項記載の方法。
【請求項3】
該金属粒子(6)が、銅、銀、金、アルミニウム、スズ及びチタンを含む群から選択されている、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
まず最初に金属粒子(6)からなる1つの層(6a)を基板(3)上へ適用し、該層(6a)を該基板(3)と一緒にレーザ照射により融解してから、炭素粒子(5)を有する層(5a)及び金属粒子(6)を有する更なる層(6a)を適用し、かつ一緒に融解する
ことを更に含む、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
部材(15)用のヒートシンク(13)であって、
多数の層(8a、8b)を含む成形体(10)を含み、該層が、それぞれ、ダイヤモンド、黒鉛及び炭化物を含む群から選択されている炭素粒子(5)を金属−マトリックス(9)中に含有
該成形体(10)が、該炭素−金属複合材料の少なくとも2つの層(8a)を、炭素粒子(5)と、金属粒子(6)から形成された金属マトリックス(9)との異なる体積比で有し、
及び/又は
少なくとも一方の層(5a)に含まれる炭素粒子の粒度と、少なくとも他方の層(5a)に含まれる炭素粒子の粒度とが異なり、
及び/又は
該成形体(10)が、厚さ方向で変化する数密度を有する、炭素粒子(5)を有する少なくとも1つの層を有する、
ヒートシンク(13)。
【請求項6】
更に、該成形体(10)の上面(14)に取り付けられてる部材を含む、請求項記載のヒートシンク。
【請求項7】
該部材が直接、面(14)に取り付けられている、請求項記載のヒートシンク。
【請求項8】
更に、該成形体(10)を取り付けるための基体(12)を含む、請求項からまでのいずれか1項記載のヒートシンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートシンク用の炭素−金属複合材料を形成する方法、並びに少なくとも1個の成形体を有するヒートシンクに関する。
【0002】
国際公開(WO)第2010/057236号には、ヒートシンク並びに該ヒートシンクの製造方法が記載されている。該ヒートシンクは、単層体を有する基体を有し、該単層体は、炭素−金属複合材料からなり、かつ冷却すべき部材、例えばレーザダイオードの位置決め用の位置決め面から離間している。炭素−金属複合材料として、特に銀−ダイヤモンド、銅−ダイヤモンド及びアルミニウム−ダイヤモンドが記載される。
【0003】
該単層体の製造は、炭素相及び金属相での収容部の充填により行ってよく、その際に該金属相は、(溶融)液状態で該収容部中へ浸透して、該炭素相を溶浸する。溶浸のためには、常圧プロセス並びに圧力支持を伴うプロセス、例えばGPIプロセス(Gas Pressure Infiltration Process)を使用することができる。これとは独立して、選択的に、該単層体のホットプレスが、更なる製造方法として記載される。
【0004】
前記の方法で製造される単層体の低い表面品質に基づき、かつ該単層体の、例えばポリシングによる、後加工が、高められた費用を伴ってのみ可能であるという事実に基づき、該単層体を、該基体中へのその収容により、該部材を取り付けるための該位置決め面から離間して取り付けること及び例えばはんだ層で覆うことが提案される。
【0005】
米国特許(US)第5,273,790号明細書からは、とりわけ、電子部品の冷却に使用可能である、合成ダイヤモンドもしくはダイヤモンド複合材料の圧縮方法が知られていた。このためには、ダイヤモンド又は他の原料製の粒子が、CVD法により、高い熱伝導率を有するダイヤモンド材料で溶浸される。該圧縮されたダイヤモンド材料もしくはダイヤモンド複合材料からのかさ上げ(Aufbau eines Volumens)は、ダイヤモンド又は他の原料からなるそれぞれの層もしくはプリフォームが、該CVD法を用いて、ダイヤモンド材料で溶浸されることによって、層状に行うことができる。
【0006】
米国特許出願公開(US)第2007/0071907号明細書には、鉄含有基板と、複合材料からなる耐摩耗性層とを有する、物品もしくは物体が記載されている。該複合材料は、金属マトリックス中にダイヤモンド粒子を有する。該複合材料の形成のために、ダイヤモンド粒子及び金属粒子からなる粒子混合物は、該鉄含有基板上に適用され、かつ該混合物は、非反応性雰囲気中でレーザビームで加熱されて、該金属粒子を溶着するので、これらの金属粒子は、該基板と、該ダイヤモンド粒子とに結合して該耐摩耗性層になる。該レーザ放射による該ダイヤモンド粒子の損傷を回避するのために、金属マトリックス原料として、400〜900℃の範囲内の融点を有する材料、特に銀又は銅が、推奨される。
【0007】
発明の課題
本発明の課題は、改善された性質を有する複合材料を製造することができるか、もしくは該複合材料の形成の際の費用を低下させることができる、ヒートシンク用の炭素−金属複合材料の形成方法並びにヒートシンクを記載することである。
【0008】
発明の対象
この課題は、本発明によれば、炭素粒子を有する少なくとも1つの層と、金属粒子を有する少なくとも1つの層とが、相互に重なり合って適用され、その際に、該炭素−金属複合材料の(層の)形成のための該層が、レーザ放射の照射により一緒に融解される、ヒートシンク用の炭素−金属複合材料を形成する方法により解決される。該金属粒子及び該炭素粒子はこの際に、典型的には粉末の形態で適用される。
【0009】
該レーザ放射により、該(1つ又は複数の)層が、該金属粒子と溶着される溶融帯域が形成されるので、溶融液状の形態の該金属粒子は、炭素粒子からなる該(1つ又は複数の)層中へ浸透するもしくはこれらを溶浸することができ、かつ該炭素粒子を金属マトリックス中に閉じ込めることができる。該層の融解は、典型的には、非反応性環境中、例えば不活性ガス環境中又は真空下で行われる。
【0010】
一変型の場合に、該炭素−金属複合材料からの成形体の形成のために、層の該適用及び融解は、何度も繰り返される。本発明による方法により、成形体は、層状に構成することができ、その際に該幾何学的形状、特に該炭素−金属複合材料からなる該層の長さ及び幅は、該成形体に所望の幾何学的形状を与えるかもしくは該成形体の幾何学的形状を所望の最終外形(Endkontur)に適合するように、変えることができる。該複合材料からこのようにして形成される成形体は、層構造を有し、その際に相互に重なり合った複数の層の該適用により、該複合材料の性質、例えば炭素と金属との比は、それぞれの層中でフレキシブルに調節することができる。
【0011】
更なる変型の場合に、該成形体の終端層(Abschlussschicht)は、後加工される。該終端層、すなわち層状に構成される成形体の最後の層は、部材、例えばレーザダイオード等を取り付けるのに利用されうる。所望の精度を有するこの部材を位置決めできるように並びに高い熱伝導を保証するために、該終端層の表面で高い精密さを有する後加工もしくは最終加工を行い、低い表面粗さを達成することが好都合である。
【0012】
該成形体の本発明による層状の製造は、容易に後加工もしくはポリシングされることができる、定義された終端層を得ることを可能にする。特に、該1つの最後の層/該複数の最後の層のために、該後加工を容易にするために、1つ/複数の金属粒子のみが設けられていてよい。この変型において、該成形体用の終端層の形成のために、金属粒子を有する層が適用され、かつレーザ放射での照射により溶着されるので、金属層が生じ、該金属層はその下にある、該炭素−金属複合材料の層と結合される。該金属粒子の材料は通例、該炭素−金属複合材料の形成にも使用される金属材料と一致しているので、該終端層と、該炭素−金属複合材料からなる該層とが、1つの及び同じ製造プロセスにおいて製造することができる。該終端層は、この場合に(ほぼ)炭素粒子を有さず、ゆえに単純な方法で後加工することができる。該終端層は、複数の個々の層からも形成されていてよい。
【0013】
また、(選択的に)終端層として、該炭素−金属複合材料からなる層を利用することができ、その製造のために、金属粒子を有する比較的厚い層が使用されるので、炭素粒子からなる該層と一緒の該融解後に、該終端層の上部領域中にできるだけ、炭素粒子が存在していないかもしくは極めて少ない数の炭素粒子のみが存在している。
【0014】
金属粒子もしくは炭素粒子からなる該層の適用は、レーザ放射の導入の前に行ってよい。特に該金属粒子の適用に関して、しかし、レーザ放射の導入中に行うべき粒子供給、例えばレーザビームに対して同軸の粒子供給を、行うこともできる。
【0015】
一変型の場合に、該層のうち少なくとも2つは、異なる粒度(平均粒径)を有する炭素粒子を有する。小さい粒度は、場合により、該終端層の近くに存在する層の場合に好都合でありうる。より粗大な粒度は、例えば、該終端層から遠く離れている層の場合に好都合でありうる。
【0016】
一変型において、炭素粒子と、該金属粒子から形成される金属マトリックスとの異なる体積比を有する該炭素−金属複合材料の少なくとも2つの層が製造される。該炭素粒子及び該金属粒子の別個の適用により、該成形体の材料組成は、層毎に変えてよい。所望の比は例えば、金属粒子からなる該層の厚さと、炭素粒子からなる該層の厚さとの比を適切に調節することによって、得ることができる。それぞれ融解する際に形成され、該炭素−金属複合材料からなる層の厚さも、該粒子層の厚さの選択により、ある限度内で変えることができることが理解される。
【0017】
使用される粒径及び粒子体積による該層組成の変更に加え、該成形体の性質は、異なる層からなる該成形体の定義された構成を通じても、影響を与えることができる。こうして、まず最初に該基板上に適用された、該成形体の層が、金属粒子からなる層であってよく、かつ金属−炭素複合体を初めて、その後の層中に導入することができる。言い換えれば、該個々の層の組成並びにこれらの層からなる該成形体の構成は、自由に選択可能である。
【0018】
更なる展開において、該金属粒子は、次のものを含む群から選択されている:銅、銀、金、アルミニウム、スズ及びチタン。特にダイヤモンドとの複合体での銀及び銅は、複合材料として、極めて高い熱伝導に基づき、好都合であることが判明している。そのような複合材料が、(例えば高性能レーザダイオードの)ヒ化ガリウムからなる部材用のヒートシンクとして利用される場合には、該ヒートシンクの熱膨張もしくは熱膨張係数は、該部材の熱膨張に適合されている。該部材及び該複合材料の熱膨張係数の差は、そのような適合の場合に、典型的には2×10-6 1/K未満である。
【0019】
更なる変型において、該炭素粒子は、次のものを含む群から選択されている:ダイヤモンド、黒鉛及び炭化物。特にダイヤモンドは、その高い熱伝導率に基づき、複合材料の該製造に特に好都合であることが判明している。本明細書の意味で、炭素粒子は、含炭素化合物、特に炭化物であるとも理解される。
【0020】
一変型は、基板上への金属粒子からなる少なくとも1つの層の適用、並びにレーザ照射による該基板と一緒の該層の融解を含む。この変型の場合に、まず最初に1つ(又は複数の)金属層が、基板上へ適用され、かつこれと一緒に融解されてから、交互に、金属粒子を有する層及び炭素粒子を有する層が一緒に融解される。このようにして、該基板上での該複合材料の付着を高めることができるか、もしくは該複合材料の適用のための滑らかな表面を生み出すことができる。
【0021】
更なる変型の場合に、厚さ方向で変化する密度を有し、炭素粒子を有する少なくとも1つの層が適用される。典型的には、該層の適用は、該粒子が、厚さ方向で、(できるだけ)一定の密度を有するように行われる。勾配層を製造するためには、しかし、該炭素粒子の密度もしくは数が厚さ方向で変化する場合が好都合でありうる、その際に、これはかつ典型的には、該層の厚さが増加するにつれて、増加又は低下する。
【0022】
本発明の更なる態様は、多数の層を含む炭素−金属複合材料からなる成形体を含む部材用のヒートシンク中で実現されており、該層は、それぞれ炭素粒子を、該炭素粒子を取り囲む金属マトリックス中に含有する。該炭素−金属複合材料はこの際に、特に、前記の方法で製造することができる。該ヒートシンクは、場合により、単に(基板上へ適用された)該成形体からなっていてよく、該成形体は場合により、所望の(1つ又は複数の)最終外形の製造のために後加工される。選択的に、該成形体を、ヒートシンクの基体の収容部の内部に形成すること又は該成形体を、例えばはんだ付けにより、該ヒートシンクの基体と結合させることも可能である。
【0023】
一実施態様の場合に、該ヒートシンクは、冷却すべき部材、例えば(高性能)レーザダイオード又はレーザ用ディスク(Laserscheibe)を有し、該部材は、該成形体上で形成される位置決め面(Positionierflaeche)上へ配置されている。特に銅−ダイヤモンドから又は銀−ダイヤモンドからなる炭素−金属複合材料は、レーザダイオードもしくはレーザ用ディスクの冷却に特に好都合であることが判明している。該レーザ用ディスクは、レーザ活性材料を含有するかもしくはこれからなる板状の固体媒質である。該レーザ活性媒質は、典型的には、活性材料(Yb3、Nd3+、Ho、Tm3、…)でドープされているホスト結晶(YAG、YVO4、…)を有する。該レーザ活性媒質は、例えば、Yb:YAG、Nd:YAG又はNd:YVO4であってよい。該板状のレーザ用ディスクは通例、円形の幾何学的形状を有するが、しかしこれは必ずしも必要ではない、すなわち該レーザ用ディスクは、例えば正方形又は長方形の幾何学的形状を有してもよい。
【0024】
該冷却すべき部材は、多様な方法で、例えば接合手段を使用して、例えばはんだ結合による(少なくとも1つのはんだ層を使用して)又は接着結合による(少なくとも1つの接着剤層を用いて)、位置決め面上で取り付けられるか、もしくは該成形体と結合されてよい。該結合の種類の選択から独立して、部材と成形体との間での良好な熱結合が保証されるべきであることが理解される。このために使用される接着剤層は、例えば欧州特許出願公開(EP-A2)第1 178 579号明細書のように形成されていてよく、該明細書は参照により本明細書の内容に含まれる。
【0025】
更なる実施態様において、該冷却すべき部材は直接、該位置決め面に配置されている、すなわち、例えばはんだ層又は接着剤層の形態の、付加的な中間層は使用されない。典型的には、該成形体はこの場合に、低い表面粗さを有する位置決め面を有する。この低い表面粗さは、例えば、該位置決め面の後加工により、達成することができる。該位置決め面はこの際に、該成形体の該炭素−金属複合材料からなる終端層上で形成されていてよいので、該ヒートシンクを用いて冷却すべき部材が直接、該炭素−金属複合材料の位置決め面上に適用されてよい。選択的に、終端層として、金属粒子から形成される層が、該炭素−金属複合材料の層上へ適用されてよく、その際に該終端層の金属粒子の材料は典型的には、該複合材料の金属粒子の材料と一致している。該低い表面粗さを有する位置決め面は、中間層、例えば接着剤層又ははんだ層の使用の際にも、好都合であることが判明している。
【0026】
更なる実施態様の場合に、該ヒートシンクは、該成形体を取り付けるための基体を含む。該成形体は、例えばはんだ付けにより、該基体と結合することができるか、又は該成形体を収容するための収容部が設けられていてよい。後者の場合に、該層は直接、該収容部中に適用されてよく、そこでレーザ放射の作用下に一緒に融解してよい。該成形体の終端層もしくは該上層はこの際に、該基体の上端と本質的に同一平面で終わっていてよく、かつ相応する後加工後に、該冷却すべき部材のための位置決め面として利用することができる。
【0027】
本発明の更なる利点は、明細書及び図面から明らかになる。同じように、前記で挙げた及び更になお記載される特徴はそれぞれ、それ自体で又は複数が任意の組合せで使用することができる。示された及び記載された実施態様は、確定的な列挙として理解すべきではなく、むしろ、発明の描写のための例示的な特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】ダイヤモンド−金属複合材料の層を形成するための方法経過の概略図(a〜d)。
図2】冷却すべき部材を有しないもしくは有するダイヤモンド−金属複合材料からなる成形体を有するヒートシンクの詳細の断面図(a、b)。
図3図2bのヒートシンクの遠近法による概略図。
【0029】
図1a〜dは、当該例においてダイヤモンド−銅複合材料の形態の、炭素−金属複合材料の層を形成するためのチャンバ1を示す。チャンバ1中で非反応性環境を生み出すために、チャンバ1は、不活性ガス、例えば窒素を供給するための接続部2を有する。チャンバ1は、しかし、非反応性環境をチャンバ1の内部に生み出すために、真空ポンプと結合されていてもよい。
【0030】
チャンバ1中に、例えば銅製の、基板3が、配置されている。粒子の分配のための装置4は、該基板3の上方に配置されており、かつ中央の供給部を介して、2個の(示されていない)粒子リザーバと結合されている。装置4は、規則的な間隔で配置された多数の(図で示されていない)開口部を有し、矢印により示されているように、該開口部から粒子が出てくることができる。
【0031】
図1aに示された例の場合に、装置4から(粉末状の)ダイヤモンド粒子5が出てきて、該ダイヤモンド粒子は、重力作用下に基板3上へ沈降し、かつそこでダイヤモンド粒子5の図1bに示された層5aを形成する。層5a中のダイヤモンド粒子5のできるだけ均質な分布を得るために、例えば振動ふるいの種類の、装置4は、該適用中に、基板3に平行に(すなわちそのXY平面で)移動してよい。
【0032】
ダイヤモンド粒子5を有する層5a上へ、図1bに示された以下の工程において、銅粒子6が適用される。このためには、装置4の中央の供給部と、ダイヤモンド粒子の該リザーバとの間の結合が、分離され、かつ該供給部は、銅粒子6のリザーバと結合されるので、ダイヤモンド層5a上に銅粒子6からなる層6aが形成される、図1c参照。
【0033】
以下の工程において、例えば、(示されていない)レーザにより発生されるレーザビーム7は、相互に重なり合って配置される層5a、6a上へ射し込み、その際にレーザビーム7が生じる領域内で、溶融帯域が形成される。レーザビーム7はこの際に、層5a、6aの表面全体を走査して処理され、それによりこれらの層は一緒に融解して、基板3とも結合されるダイヤモンド−銅複合材料8になる、図1d参照。ダイヤモンド−銅複合材料8はこの際に、ダイヤモンド粒子5が包埋されている銅−マトリックス9を有する。レーザビーム7での走査型加工を可能にするために、該開口部の下方の(示されていない)加工ヘッドがそのXY平面で移動される。該レーザビームの波長はこの際に、選択される原料に適合されてよく、その際に通例、約0.3μm〜2μmの波長が使用される。銅又はアルミニウム製の金属粒子のためには、例えば、可視の波長領域内の波長(約380nm〜780nm)、特に緑の波長領域内の波長(約490nm〜575nm)が選択されてよいのに対し、例えば銀のためには、UV領域内の波長(380nm未満)が選択されてよい。該レーザ出力は、レーザ焼結もしくは選択的レーザ溶融を可能にするために、約1W〜1000Wの範囲内であってよい。
【0034】
ダイヤモンド−銅複合材料8のダイヤモンド粒子5と、銅マトリックス9との体積比は、層5a、6aの厚さd1、d2の比d1/d2が適切に選択されることによって、調節することができる。ダイヤモンド−銅複合材料8の層の製造のために、できるだけ滑らかな表面から出発するためには、これが図1a〜dに示されている以外に、まず最初に、金属粒子6の1つ以上の層6aが基板3上へ適用され、かつこの基板と一緒に、レーザ放射7の使用下に融解されてよい。
【0035】
ダイヤモンド−銅複合材料8からなる成形体を得るために、図1a〜dと関連して記載された過程が、該成形体の所望の体積に達するまで、何度も繰り返すことができ、図1dに示されているように、その際に、以下の工程において、更なるダイヤモンド粒子6がダイヤモンド−銅複合材料8上へ適用される。場合により、粒子5、6の分配のための装置4上での該開口部の意図的で制御された閉鎖により、構造化もしくは所望の幾何学的形状への該層の幾何学的形状の適合もしくはXY方向での拡大(Ausdehnung)を行うことができる。
【0036】
本質的に直方体形の幾何学的形状を有するダイヤモンド−銅複合材料8からなる成形体10は、図2aに示されている。成形体10は、ヒートシンク13の一部である銅からなる基体12の収容部11中に導入されている。成形体10は、(場合により該基板を伴って)予め製造された物体として、収容部11中へ導入されてよい。選択的に、成形体10をその場で収容部11中に形成することも可能であり、該収容部は、層5、6が相互に重なり合って適用される形態として利用される。
【0037】
図2aで同様にわかるように、直方体形の成形体10は、ダイヤモンド−銅複合材料8からなる多数の層8a、8bを有する。この際に、終端層8bは、後加工領域中の成形体10の上面14上でダイヤモンド粒子5を有しない、すなわち金属粒子と、ダイヤモンド粒子との体積比の適した選択により、該溶融物は、該溶浸後になお、該ダイヤモンド粒子に関して十分に大きな層厚を形成し、該溶融物中に事実上ダイヤモンド粒子はもはや存在していない。このようにして、直接、位置決め面として利用する、成形体10の上面14上に取り付けられた、高性能レーザダイオード15の形態(図2b参照)の部材との接触は、効果的な熱伝達を保証するために、全面的に生じさせることを保証することができる。該部材と成形体10との直接結合は、例えばボンディングにより行うことができる。選択的に、該部材を、接合手段の使用下での接合法により、例えばはんだ付け又は接着により、成形体10上に固定することも可能である。
【0038】
図2bに示された例の場合に、成形体10は、直方体形の基体12の上面12a上へろう付けされている。該炭素−金属複合材料からなる層8a上へ、この際に、金属粒子からなる層が、終端層8bとして適用されている。終端層8bは該製造の際に、該金属粒子を溶着するため、かつその下にある、該炭素−金属複合材料の層8aと結合させるために、レーザで照射された。終端層8bは、ゆえにこの例において事実上炭素粒子不含であり、かつできるだけ少ない表面粗さの達成のための後加工に特に好適である。
【0039】
ダイヤモンド−銅複合材料8の層8a、8bの厚さが、図2a、bに示された以外に、厚さ方向(Z)で多様に選択できることが理解される。また、場合により、使用される金属粒子及び/又は該炭素粒子は、層毎に変えることができる。例えば、ダイヤモンド−銀複合材料からなる層は、ダイヤモンド−銅複合材料からなる層上に続いてよく、又はその逆であってよい。
【0040】
図3でわかるように、成形体10もしくはレーザダイオード15は、図2bのヒートシンク13の基体12の辺縁で形成されており、かつヒートシンク13から離れる方に向いている方向でのレーザ放射の放出に利用される。ダイヤモンド−銅複合材料8からなる成形体10上への、本質的にGaAsからなるレーザダイオード15の適用は、ゆえにとりわけ特に好都合でもある、それというのも、双方が、匹敵しうる熱膨張係数を有するからである。レーザダイオードの代わりに、他の部材も、ヒートシンク13を用いて冷却することができることが理解される、例えば固体レーザにおいて使用されるような、例えばレーザ用ディスク。この場合に該レーザ放射は典型的には、該板状のレーザ用ディスクの平坦側に垂直の方向で放射されるので、該レーザ用ディスクは通例、該ヒートシンクの辺縁ではなくて、むしろ中央で該ヒートシンク上に配置されている。
【0041】
同様に、図1a〜dに示された方法、特に層5a、6aの融解が、場合により大気圧に対して高められた圧力pによりもしくは室温に比べて高められた温度Tにより、促進できることが理解される。ここで記載された方法は、成形体10の層状の構成に基づき、幾何学的形状、表面品質、材料挙動等に関してその性質のフレキシブルな調節を可能にする。該炭素−金属複合材料の製造に使用される設備は、複雑でなく、ゆえにその調達に費用がかからない。
【符号の説明】
【0042】
1 チャンバ、 2 接続部、 3 基板、 4 装置、 5 ダイヤモンド粒子、 5a 層、 6 銅粒子、 6a 層、 7 レーザビーム、 8 ダイヤモンド−銅複合材料、 8a,8b 層、 9 銅マトリックス、 10 成形体、 11 収容部、 12 基体、 12a 上面、 13 ヒートシンク、 14 上面、 15 レーザダイオード
図1a
図1b
図1c
図1d
図2a
図2b
図3