特許第6073360号(P6073360)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073360
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】エネルギーを節約するコーヒーマシン
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/54 20060101AFI20170123BHJP
   A47J 31/56 20060101ALI20170123BHJP
   A47J 31/36 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
   A47J31/54 115
   A47J31/56
   A47J31/36
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-545431(P2014-545431)
(86)(22)【出願日】2012年12月6日
(65)【公表番号】特表2015-500695(P2015-500695A)
(43)【公表日】2015年1月8日
(86)【国際出願番号】IB2012057018
(87)【国際公開番号】WO2013084180
(87)【国際公開日】20130613
【審査請求日】2014年11月25日
(31)【優先権主張番号】RE2011A000109
(32)【優先日】2011年12月7日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】516229254
【氏名又は名称】イリカフェ’ ソチエタ ペル アツィオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100196601
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 祐市
(72)【発明者】
【氏名】アンジェロ ボーニ
(72)【発明者】
【氏名】マルコ マッツァーリ
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 特表2000−515031(JP,A)
【文献】 特開昭60−012689(JP,A)
【文献】 実開昭60−073433(JP,U)
【文献】 特開2000−241022(JP,A)
【文献】 特表2003−521802(JP,A)
【文献】 実開昭55−141011(JP,U)
【文献】 特表2003−512878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/54
A47J 31/36
A47J 31/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を沸騰させるときのコーヒー又は他の浸出液用マシンであって、
注入口(33)及び注出口(34)の間で、連続又は不連続の水の流れの温度を増加させることを目的として加熱される管(30)を有するヒーター(3)と、
前記管(30)を加熱することを目的として加熱電流を利用する加熱手段(R)と、
実質的に前記管(30)と同一の温度で、自身の温度に基づいて抵抗値を変化させるように構成された第1の温度センサー(S)と、
前記加熱手段(R)に前記加熱電流の供給と、前記第1温度センサー(S)に測定電流の供給を命令する制御装置(9)と、
前記測定電流が前記第1の温度センサー(S)の端子を導通するときに、前記端子の電圧を測定し、前記の測定した電圧を既知の基準電圧(52)と比較し、エラー信号(51)を生成する処理ブロック(40)と、を備え、
前記加熱電流は、受信した前記エラー信号(51)に比例し、
前記加熱電流及び前記測定電流が前記管(30)の両端(31)の間を導通することを特徴とするマシン。
【請求項2】
前記管(30)は、金属素材である、請求項1に記載のマシン。
【請求項3】
前記管(30)は、変圧器(T)の二次巻線を形成するために配置され、前記変圧器(T)の一次巻線は、電源供給ネットワークに接続される、請求項1に記載のマシン。
【請求項4】
前記管(30)は、PTC素材からなる、請求項1に記載のマシン。
【請求項5】
前記第1温度センサー(S)により検出された温度、及び/又は、経時的な所定のパターンに基づいて前記管(30)に送る水の流量を調整する制御回路(9)に接続した第2の電流調整器(46)と結合されたポンプ(2)をさらに備える、請求項1に記載のマシン。
【請求項6】
前記管(30)を有する前記ヒーター(3)は、加熱される液体の熱質量よりも低い熱質量を有し、前記注入口(33)に低い温度で入り、正確に制御された温度で前記注出口(34)から出る、連続又は不連続な水の流れの温度を調整するように、前記管(30)の両端(31)の間に前記加熱電流を不連続に導通させ、
前記温度により変化する前記管(30)の電気抵抗は、前記加熱電流がゼロのときに測定され、
前記管(30)の前記電気抵抗は、前記加熱電流を調整する第1のスイッチ(45)を順に作動させる第1の電流調整器(47)を制御する前記制御装置(9)を用いて所定の温度に出る水の温度を維持するように、前記処理ブロック(40)を用いて常に監視される、請求項1に記載のマシン。
【請求項7】
前記注出口(34)の熱湯の温度の測定は、前記注出口(34)に近い前記管(30)の一部の近くに熱接触して配置された第2の温度センサー(S)を用いて取得される、請求項1に記載のマシン。
【請求項8】
水温の測定のために、前記管(30)の前記電気抵抗を利用し、前記測定は、前記管(30)に印加される電圧と前記管(30)に流れる前記加熱電流(41)との比率を直接算定することによって実行される、請求項6に記載のマシン。
【請求項9】
前記の加熱される水の流量は、所定のパターンに従って経時的に変化する、請求項1に記載のマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
家、オフィス、フィットネスセンター、学校、及び工場(industries)に設置された、エスプレッソコーヒーを自動的に生産するマシンは、無数にある。これらのコーヒーマシンのエネルギー消費は、最適化されてなく、コーヒーを作るための実際に利用されるエネルギーは、全体として使い尽くした電力(total absorbed power)のごく少量(very small fraction)である。一方、人は、非常に多数のコーヒーマシンが世界中に存在することを考慮すると、注目されるエネルギーの無駄に直面(witness)し、他方、人は、使用できる電力が限られた場所でコーヒーを取得できない(例えば、自動車の中や屋外)。本発明の目的は、電気器具の内蔵のバッテリー又は設置された輸送手段で利用可能なバッテリー(自動車のバッテリー等)に代わりに接続することにより、電源供給ネットワークが使用できない状況でさえ、コーヒーを作ることができ、高エネルギー効率のコーヒーマシンを実現することである。
【背景技術】
【0002】
図1に示すように、家、オフィスにあるエスプレッソコーヒー生産用マシンは、少なくとも水タンク(water tank)(1),ヒーター(3)及び容器(4)に保管したブレンドコーヒー(blend of coffee)に水を供給するためのポンプ(2)で構成される。容器(4)は、注ぎ口(11)を介して、カップ(5)にコーヒーを運ぶ。
【0003】
水は、ブレンドの香り(aroma)及びエッセンス(essence)の最大限引き出すような方法で、ブレンドコーヒー(coffee blend)と接触する前に、約90℃に加熱されなければならない。温度センサー(12)は、ヒーターの温度を必要な温度に一定に維持するために用いられる。コーヒーマシンは、コーヒーストッカー(coffee dispenser)(13)に接続したコーヒー挽き機(coffee mill)(6)をさらに含んでもよい。別の方法として、挽くこと(grinding)は、コーヒーマシンの外でも行え、ブレンドコーヒーと市場で入手可能な多様な物とで満たされた容器(pod)又はカプセル(capsule)でさえ使用できる。制御装置(control unit)(9)及びキーボードディスプレイ(10)は、作るべきコーヒーの量及び種類を含む、コーヒーマシンの稼働機能を管理することを可能にし、稼働機能をチェックすること(水の存在、コーヒーの存在、コーヒーを分配する準備が整ったコーヒーマシン、及びその他)を可能にする。さらに、水レベルセンサー(water level sensor)(7)及び過剰温度調整器(over temperature thermostat)(8)等の補助装置及び安全装置のセットは、含まれる。
【0004】
現在、利用可能なコーヒーマシンで極めて重要な構成要素は、水を加熱するためのヒーター(3)である。なぜなら、ヒーター(3)は、多量のエネルギーを使用する構成要素だからである。図2は、典型的な実施形態のヒーターのより詳細な図である。水(21)を運ぶ管(tube)は、電気抵抗発熱体(electrical heating resistor)(22)とともに、金属ブロック(metal block)(20)を採用し、概してアルミニウムからなる。冷たい水(33)は、管(21)の一端から入り、反対側の端(34)から加熱された水が出る。電流は、ヒーターを加熱するために電気抵抗(22)に印加される。二つのサーモスタット(thermostat)があり、一つは、85℃〜90℃の設定温度に調整(12)し、水を設定温度に保つ間、電気抵抗発熱体(22)に定期的に電力を供給する。より高い温度に設定された第2の安全サーモスタット(8)は、誤動作した抵抗発熱体(22)、サーモスタット(12)、又は制御システムの動作を停止するために介入できる。
【0005】
ヒーターの工程を以下に説明する。抵抗発熱体(22)は、全体のブロック(抵抗、水管(water tube)、及びサーモスタット)が約90℃に到達するまで、給電(feed)される。この時点で、発熱抵抗体(22)は、制御システムによって接続を断ち、温度が例えば85℃に落ちるまで再接続しない。発熱素子(heating element)の電力は、1200ワット及び2200ワット(1500Wが最も一般的な値)の間で変化する。一方、供給電圧は、国(country of operation)に依存して、110V及び230Vの間で変化する。熱時定数(thermal time constant)は、長く、(冷たいコーヒーマシンの)発熱時間は、2分及び5分の間で変化する。一方、稼働状態(operating condition)下の抵抗発熱体(22)のオン又はオフ周期(on/off cycle)は、約数秒である。
【0006】
カップ一杯のコーヒーを作るために用いられるエネルギー:
カップ一杯のエスプレッソコーヒーは、一般的に25ccの量を有する。水は、約85℃のコーヒーを入れるために、20℃の室温から約90℃に加熱される。1ccの水の温度を1℃上昇させるために、4.18Jに対応する1カロリーが必要である。利用されたエネルギーはジュールで表すと、水の量(25cc)を温度差70℃(20℃から90℃)で掛け、水の比熱(specific heat)で掛けた値である。したがって、25×70×4.18=7,315Jがカップ一杯のコーヒーを作るために必要である。補助制御回路(auxiliary control circuit)及びポンプで使用されるエネルギーも考慮すると、実際の量は、約8,000ジュールと計算できる。
【0007】
コーヒーマシンによって使い尽くされた電力:
コーヒーマシンの二つの異なる稼働モード(operating mode)を特定できる。第1の稼働モードは、コーヒーマシンがカップ一杯のコーヒーを準備するために、毎回、オンにされる一般的な家庭で使用される。第2の稼働モードは、コーヒーマシンが約10時間、継続的にオンにされ、例えば、30杯のコーヒーを分配する(dispense)一般的なオフィスで使用される。2分の加熱時間、1500Wの加熱電気を想定した場合、コーヒーマシンがオンになることで50Wを消費し(抵抗発熱体のオン時間(on time)は、全時間の1/30)、結果は以下のようになる。
【0008】
第1の稼働モードにおいて、使い尽くす電気は、2分で1500W、J(1ジュール=1W×1秒)換算で、1500W×120秒=180,000Jである。カップ一杯のコーヒーの準備のために必要とされるエネルギーを考慮すると、コーヒーマシンが全体的に消費するエネルギーについては、(8,000/180,000)×100=4.44%で、利用されたエネルギーのうちの4.44%しかコーヒーを作るために使用されていない。
【0009】
第2の稼働モードにおいて、コーヒーマシンは、平均50Wで10時間、稼働し、500W、1,800,000Jに対応し、起動のための180,000J(前者の場合)をさらに加えるべきである。したがって、10時間の稼働において、コーヒーマシンは、約1,980,000Jを消費する。カップ30杯のコーヒーで1,980,000Jを割ると、カップ一杯66,000Jに対応する。この第2の稼働モードにおいて、カップ一杯のコーヒーの準備のために必要となるエネルギーと、カップ一杯のコーヒーのためにコーヒーマシンで消費される全エネルギーとの比率は、8,000/66,000×100=12.12%であることが判明する。したがって、コーヒーマシンのエネルギー収率(energy yield)は、極端に低いことが明らかである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、コーヒーマシンの高い消費レベル(high consumption level)のために、過去に具体化可能性が考慮されなかった道を開き、コーヒーマシンのエネルギー収率を90%以上にすることである。
【0011】
本発明の特徴及び利点は、添付した図面に非限定的例として図示した、以下の発明の実施形態の詳細な説明から、より明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】既知で、市場で入手可能なコーヒーマシンの概略図を示す。
図2】既知の種類のヒーターの概略図を示す。
図3a】本発明に係るコーヒーマシン用ヒーターの異なる実施形態を示す。
図3b】本発明に係るコーヒーマシン用ヒーターの異なる実施形態を示す。
図3c】本発明に係るコーヒーマシン用ヒーターの異なる実施形態を示す。
図3d】本発明に係るコーヒーマシン用ヒーターの異なる実施形態を示す。
図4】本発明に係るコーヒーマシンの第1の実施形態の全体的な回路図を示す。
図4a】本発明に係るコーヒーマシンの第2の実施形態の全体的な回路図を示す。
図5a図4のコーヒーマシンの完全な電気回路図を示す。
図5b図4のコーヒーマシンの完全な電気回路図を示す。
図5c図4のコーヒーマシンの完全な電気回路図を示す。
図5d図4のコーヒーマシンの完全な電気回路図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
非常に高いエネルギー収率を達成するために、水を加熱するためのヒーターのコンセプトを完全に変更する必要がある。上記のように、コーヒーマシン用のヒーターは、0.5kgと1kgの範囲の重さの金属塊(metal mass)によって構成され、水管及び抵抗が組み込まれる。部品の多数の熱質量(strong thermal mass)が温度を一定に維持する要因となり、数秒周期で稼働するオン/オフサーモスタットによって簡単に制御できるから、この構成的類型(construction typology)は、水温の調整を簡単にする。
【0014】
本発明において、ヒーター(図3)は、実質的に熱慣性(thermal inertia)がなく、管を通過する水の流れに基づいて、極めて迅速に温度に比例して調整する最新の電気システムによって温度を調整されなければならない、数グラムの重さの管(30)に帰着する。
【0015】
本発明の利点は、質量が極端に減少し、ヒーターが即座に熱くなり、ヒーターの温度を継続的に維持する必要がないことによって、即座に明らかになる。この方法において、ヒーターは、コーヒーが準備されなければならないと直ちにオンになって、準備の最後にオフになる。コーヒーマシンが待機するエネルギー消費は、ゼロである一方で、先程の例のコーヒーマシンが待機するエネルギー消費は、約50Wである。ヒーターの質量がたった数グラムしかないことを考慮すると、管(30)を加熱するためのエネルギー消費も非常に低い。一例として、20℃から90℃にする5グラムの質量を有するヒーターを検討する。
【0016】
5(グラムでのヒーターの質量)×70(温度間隔(temperature interval))×0.4(金属の平均比熱)=140J。約8,000Jがカップ一杯のコーヒーを作成するために必要である。結果として、カップ一杯のコーヒーを取得するために利用されたエネルギーは、利用された全てのエネルギーのうちの98.25%であることが判明する。このように、補助回路及び損失によっても必要なエネルギーを考慮すると、収率90%を超えるコーヒーマシンを具体的に考慮できる。
【0017】
本発明に係るコーヒーマシンは、注入口(inlet)(33)及び注出口(outlet)(34)の間の水の流れの温度を増加させる目的で加熱されやすくした(predisposed)管(30)を含むヒーター(3)を含む。ヒーター(3)の異なる実施形態は、様々な典型的で、排他的ではない構造の種類を図3a,図3b,図3c,及び図3dに示す。ヒーター(3)を直線のように示すものの、ヒーター(3)は、完全なコーヒーマシン(complete machine)の構造要件に従う、曲線のある形状、螺旋状の(spiral,helicoid)形状、又は他の複雑な形状であってもよい。
【0018】
コーヒーマシンは、熱を生成し、管(30)を加熱するための電流を利用する加熱手段(heating means)(R)をさらに含む。加熱手段(R)は、ジュール効果(Joule effect)による熱を生成する抵抗の種類であることが好ましい。コーヒーマシンは、実質的に管(30)と同一の温度で、自身の温度に基づいた抵抗値で変化するように構成された少なくとも一つの温度センサー(S)をさらに含む。管(3)の極端に限られた質量で、様々な温度への温度センサーの応答は、水温の効率的な制御ができるように、極端に迅速かつ正確でなければならない。
【0019】
コーヒーマシンの第1の実施形態(図3a)において、加熱手段(R)は、熱くなることと同様に水の流れを加熱するように、導電性の金属素材からなり、管の二つの両端(31)の間に電流を導通させるように配置した管(30)を含む。温度センサー(S)も金属管(30)を含む。水は、管(30)の全長対直径比が高いため、管(30)と非常に効率的な熱交換を用いて熱くなり、注入口部分(33)から管(30)の内側に入り、注出口部分(34)から出る。管(30)の様々な電気抵抗値は、温度に基づいているため、抵抗値を監視することによって、管及び水の正確な温度を取得することが可能である。管(30)の電気抵抗が低いため(通常、わずかのオーム)、バッテリー又は低電圧化(low voltage application)に特に適している。
【0020】
電力供給ネットワーク(electric power supply network)と接続して稼働することに適した更なる実施形態において、管(30)は、変圧器(transformer)(T)の二次巻線(secondary winding)を形成するように(図3d及び図4a)、配置される。変圧器(T)の一次巻線(primary winding)は、電力供給ネットワーク又は電力供給ネットワークと接続した高周波発生器(インバーター(inverter))と代わりに接続しやすい。この第2の場合(this second case)において、変圧器(T)は、より小さく、重さにおいてより軽い。変圧器(T)の利用は、管(30)の両端(31)のより低い電圧を所望の値にでき、電力供給ネットワークに利用可能である供給電圧を維持する。
【0021】
メインの電圧の稼働に適した別の実施形態を図3bに図示した。この実施形態において、管(30)は、電気的に絶縁するセラミック素材等からなる熱伝導の薄壁、又は、電気的に絶縁する素材の薄層で覆われた金属素材からなる薄壁である。管(30)を加熱するための加熱手段(R)は、管の回りに巻かれ、又は管の回りに蒸着処理(process of deposition)することによって成形した導電体(32)を含む。導電体(32)の両端(31)の間に電流を導通させることによって、導電体(32)は、加熱され、管(30)及び水は、導電体(32)内にある。この場合も同様に、導電体(32)の抵抗は、温度により変化してもよい。したがって、導電体(32)は、管(30)の場合、水温の測定に使用できる。代わりに、水温を測定するために、図3aに図示する実施形態の例のように、管(30)は使用できる。導電体(32)も、巻かれる、又は、蒸着できるという事実により、より高い抵抗を実現され、電力供給ネットワーク(110−230V)との接続に適している。導電体(32)は、セリグラフ堆積法(serigraphic deposition method)(厚膜)を使用する管(30)に蒸着できる。蒸着は、スパッタリング(陰極スパッタリング(cathode sputtering))、電気分解、及び化学蒸着若しくは電気化学蒸着等の稼働機能の観点から同等である周知技術を使用することによって、行える。
【0022】
更なる実施形態は、加熱手段(R)が導電体(32)を含むことを提供する一方で、温度センサー(S)は、管(30)を含む。
【0023】
上記に説明したように、本明細書の上述の全ての実施形態において、温度センサー(S)は、実質的に比例温度測定装置(proportional temperature measurement device)である。比例温度測定装置の例は、例えば、サーミスタ(thermistor)、集積回路温度センサー、ダイオード、トランジスタ、熱抵抗(thermoresistor)、及び熱電対(thermocouple)、又は、他の同等の装置からなる。温度センサー(S)も、最高安全温度を超えたときに、電源供給との接続を切るために、全てのコーヒーマシンに存在する最高温度センサーで構成できる。それは、水温制御用のより低い設定及びコーヒーマシンの安全用のより高い設定という二つの温度設定の回路に接続される。
【0024】
図4に図示した実施形態において、コーヒーマシンは、バッテリー(50)によって、電力を供給される。コーヒーマシンは、制御ブロック又は制御装置(9)を含む。制御装置(9)は、第1の電流調整器(47)を制御しやすい。第1の電流調整器(47)は、制御された電流を加熱手段(R)に正確に供給しやすい。電流調整器(47)の好ましい例は、PWM(パルス幅変調(pulse width modulation))技術を用いて電流に比例して調整することを実現する。加熱手段(R)への電流の正確な制御は、一定の水温を維持するために重要である。図4に図示した実施形態において、加熱手段は、第1の電流調整器(47)によって生成される電流が供給される管(30)によって構成される。
【0025】
制御装置(9)も発電器(current generator)(43)を制御しやすくする。発電器(43)は、温度センサー(S)への測定電流(measuring current)を供給しやすくする。図4に図示した実施形態において、温度センサーは、第2の発電器(43)によって生成された電流が供給される管(30)によって、構成される。上記のように、管(30)の抵抗は、管及び管を通過する水の温度関数である。発電器(43)は、抵抗値の変化を温度に比例した電圧に変換する。
【0026】
処理ブロック(40)は、発電器(43)によって生成された測定電流のみが管(30)を導通するときに、温度センサー(S)、この場合、管(30)の端子又は末端に存在する電圧を測定しやすい。処理ブロック(40)は、管(30)の温度に比例する測定された電圧を増幅し、フィルターにかけ、それを既知の基準電圧(52)と比較することをさらに実現する。処理ブロック(40)は、制御装置(9)に送信するエラー信号(51)を生成する。エラー信号(51)は、図4の管(30)である温度センサー(S)での瞬間温度誤差(instantaneous temperature error)に関する情報を含む。受信したエラー信号(51)に基づいて、制御装置(9)は、管(30)である温度センサー(S)によって測定された温度を所望の値にするため、一定の電流を加熱手段(R) に送るように、第1の電流調整器(47)を命令する。第1の電流調整器(47)は、制御装置(9)から受信した命令をバッテリー(50)と管(30)である加熱手段(R)との間に配置(interposed)された第1のスイッチ(45)のオン/オフ比に換算(translate)する。これにより、水温は、コーヒーの分配からヒーター(3)の水の欠如(absence of water)までのコーヒーマシンの全ての稼働条件下で温度の安定を維持するために、多数回(many times)毎秒比例的に(proportional manner)調整される。
【0027】
サンプリングブロック(42)は、第1のスイッチ(45)が開く時点である、発電器(43)の測定電流のみを温度センサー(S)に送るときに、管(30)である温度センサー(S)の抵抗の測定を同期しやすいようにする。
【0028】
第2の電流調整器(46)は、全ての環境下でコーヒーを作るための水の最適な流量を確保することを目的として、水供給ポンプ(2)に印加される電力を調整しやすくする。容器(4)に収納されるブレンドコーヒーは、適切な温度で水を吹き掛けられる(spray with)。コーヒーは、注ぎ口(11)を通過し、カップ(5)に分配できる。体積(dimension)を極端に減らしたヒーター(3)の利用は、コーヒーマシンにリアルタイムで水温制御を実行できる、管(30)の体積を実質的に制限する。これは、既知の種類のコーヒーマシンにおいて、水の流れを一定に維持する義務はないものの、水の流れが経時的に変化し、コーヒーを分配する処理中に特に変化することを意味する。したがって、例えば、ブレンドコーヒーの注入状態を維持するように、熱湯の第1の噴出をブレンドコーヒーに送り、数秒間流れを遮断することが可能である。それから、流れは、コーヒーを分配するように再開する。基本的に、本発明に係るコーヒーマシンにおいて、加熱された水の流量は、所望の所定のパターンに従って経時的に変化する。
【0029】
上述したように、図4に示した実施形態において、コーヒーマシンは、バッテリー(50)によって電力を供給されている。コーヒーの分配のスタート及びストップは、スタート/ストップ押ボタン(48)を用いてユーザによって規定される(established)。全ての回路は待機し、バッテリーによって使い尽くされた電流は、ゼロであるコーヒーマシンの初期停止条件からスタートし、スタート/ストップ押ボタン(48)を押すことは、第1のスイッチ(45)を閉じ、第1の電流調整器(47)によって管(30)に送られる電流を用いて、水の加熱を判定する。ポンプ(2)は、水を管(30)に供給し、タンク(1)から水をくみ出す。稼働は、加熱手段が図3bに示した抵抗(32)を含む場合、変更しない。
【0030】
管(30)又は抵抗(32)に送られる電流は、一定の水温を維持するように、第1の電流調整器(47)によって、PWM(パルス幅変調)技術を用いて比例的に調整される。発電器(43)は、所定値の電流を管(30)へ提供する。その中の抵抗は、管(30)の温度関数であり、水は、管(30)を通って流れる。処理ブロック(40)は、加熱電流が両端(31)を導通していないとき(スイッチ45が開くとき)で、発電器(43)によって送られた測定電流が両端(31)を導通するときに、管(30)又は抵抗(32)の両端(31)に供給される電圧を測定する。処理ブロック(40)は、温度に比例した信号を増幅してフィルターにかけ、既知の基準電圧とそれを比較し、エラー信号(51)を生成することを実現する。瞬間温度誤差に関する情報を含むエラー信号(51)は、エラー信号(51)を第1のスイッチ(45)のオン/オフ比に換算する制御装置(9)及び第1の電流調整器(47)に送られる。したがって、水温は、コーヒーの分配からヒーターの水の欠如までのコーヒーマシンの全ての条件下で温度を安定に維持するために必要とされる、多数回毎秒比例的に調整される。サンプリングブロック(42)は、第1のスイッチ(45)が開くときに管(30)又は抵抗(32)の抵抗値の測定を同期させる。第2の電流調整器(46)は、全ての環境下でコーヒーを作るための水の最適な流量を確保するように、ポンプ(2)に印加される電力を代わりに調整する。スタート押ボタン(48)を押すことによって、ユーザは、所望のレベルでコーヒーの分配をストップし、全てのコーヒーマシンの回路のスイッチを切り、使用(absorption)を再度、ゼロにする。
【0031】
LED表示灯(49)は、例えば、継続的に点灯することにより、コーヒーの適切な分配をユーザに通知するために利用できる。異常(水不足、低バッテリー等)の場合、当該LED表示灯は、コーヒーが分配されていないことを知らせるために点滅する。
【0032】
当業者に既知である全ての補助回路及び安全回路は、明確な説明を実現する目的で省略していることを留意すべきである。
【0033】
加熱手段として管(30)の代わりに抵抗(32)を考慮し、管(30)の代わりに、抵抗(32)又は他の比例温度測定装置(8)を考慮すると、コーヒーマシンの稼働は、図示した実施形態の全てに同一であることを留意すべきである。
【0034】
図3cは、管(30)がPTC(正の温度係数(positive temperature coefficient))セラミック素材からできている発明の実施形態を示す。PTC素材はキュリー温度(Curie temperature)に到達することに従う、著しく非線形の抵抗応答/温度応答(resistance/temperature response)を有する。PTC素材は、20℃〜30℃の温度間隔で10倍と同じ程度、抵抗値を増加させる。これは、稼働温度の一定の調整を可能にする。一般的にこの調整は、90℃で数℃の許容差(allowance of a few degrees)とともに水温を維持するために、十分に正確ではない。しかしながら、万一、制御装置(9)の異常の場合、事前調整(pre−regulation)及び/又は安全対策は、有益である。第2の電流調整器(46)を用いてポンプ(2)の流量を変更することによって、数℃の必要な精度内にそれを収め、PTCの典型的な温度制御が向上できる。このように、PTC抵抗値は、第2の電流調整器(46)を介してポンプ(2)の流量を調整するために利用される。この場合、PWM電流発電器(43)は、最大デューティサイクル(maximum duty−cycle)で維持される。
【0035】
本明細書において説明及び図示した全ての実施形態において、制御装置(9)に接続した一つ以上の最高温度センサーは、提供される。当業者の理解の及ぶ範囲の所与の最高温度センサーは、図示していない。最高温度センサー又はセンサーによって検出された温度が所定の閾値を超えている場合、制御装置(9)は、加熱手段(R) の動作を停止する。
【0036】
図5a,図5b,図5c,及び図5dにおいて、本発明の対象であるコーヒーマシンの完全で機能的な具現化は、ヒーター(3)の具現化のために、電力及び制御措置の一部に示す。ブレンドコーヒー(4)用の水タンク(1)、ポンプ(2)、容器の具現化は、市場において入手可能な標準構成要素(standard component)であるため、詳細には図示していない。代わりに、利用された構成要素のリストを図6に示す。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図4
図4a
図5a
図5b
図5c
図5d