【実施例】
【0075】
化合物の調製
実施例1:一般化手順
方法A:
【化8】
不活性雰囲気下、−10℃で激しく攪拌しつつ、塩化スルフリル(1当量)を、対応するイソチオシアネート(1当量)を無水ジクロロメタンまたはn−ヘプタン(30体積)に溶かした溶液に加えた。この反応を、終了するまで、N−アルキル−S−クロロイソチオカルバモイルクロリド中間体の生成をNMRでモニタリングすることができた。−10℃で攪拌して2時間後、同じ条件で、対応するイソシアネート(1当量)を初期の混合物に加えた。最終的な反応混合物を18時間攪拌し、徐々に室温に戻した。最終的に、この混合物に水(15体積)を加えて加水分解し、2層を分離させた。有機層を水および塩水で洗浄し,分離し、無水Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、乾燥するまで蒸発させた。残基をフラッシュクロマトグラフィーまたは析出によって精製した。
【0076】
方法B:
【化9】
不活性雰囲気下、−10℃で、塩化スルフリル(1当量)を、対応するイソチオシアネート(1当量)にゆっくり加えた。この反応を、終了するまで、N−アルキル−S−クロロイソチオカルバモイルクロリド中間体をNMRでモニタリングすることができた(−10℃で2時間)。次いで、減圧下、30℃で混合物からSO
2を除去し、残渣をn−ヘプタン(10体積)に溶解し、−10℃まで冷却した。対応するイソシアネート(1当量)を加え、混合物を18時間攪拌し、徐々に室温に戻した。生成した固体を濾過し、n−ヘプタン(10体積)と水(20体積)の混合物中で激しく攪拌し、再び濾過し、n−ヘプタン(10体積)で洗浄し、乾燥し、純粋な生成物を得た。
【0077】
方法C:
【化10】
不活性雰囲気下、−10℃で、塩化スルフリル(1当量)を、対応するイソチオシアネート(1当量)にゆっくり加えた(5分)。この反応を、終了するまで、N−アルキル−S−クロロイソチオカルバモイルクロリド中間体の生成をNMRでモニタリングすることができた。−10℃で攪拌して2時間後、対応するイソシアネート(1当量)を−10℃で加え、混合物を18時間攪拌し、徐々に室温に戻した。生成した固体を濾過し、n−ヘプタン(10体積)と水(20体積)の混合物中で激しく攪拌し、再び濾過し、n−ヘプタン(10体積)で洗浄し、乾燥し、純粋な生成物を得た。
【0078】
上の一般化手順に従い、本発明の以下の化合物を調製した。
【表1】
【0079】
以下に、上の化合物を得るのに必要な特定の試薬、反応中に生成したいくつかの誘導体の特性決定、およびこれらの実験スペクトルデータを示す。
【0080】
実施例2:2−ベンジル−4−エチル−[1,2,4]チアジアゾリジン−3,5−ジオン(化合物1)の調製
【化11】
方法A:塩化メチレン中で行われる反応。中間体の生成をNMRで追跡した。n−ヘプタン中で沈殿させることによって、最終生成物を単離した。白色固体。収率70%。
1H NMR(400MHz,CDCl
3,δ ppm):7.37(m,3H),7.31(m,2H),4.78(s,2H),3.77(q,J=7.18Hz,2H),1.29 (t,J=7.17Hz,3H)。
13C NMR(100MHz,CDCl
3,δ ppm):165.83,153.07,134.56,129.01,128.77,128.43,48.60,37.84,13.17。
MS (ES
+):m/z=237(M+H)
+。
【0081】
実施例3:2−ベンジル−4−(テトラヒドロ−フラン−2−イルメチル)−[1,2,4]チアジアゾリジン−3,5−ジオン(化合物2)の調製
【化12】
方法A:n−ヘプタン中で行われる反応。中間体の生成をNMRで追跡した。SiO
2で濾過し、酢酸エチルとn−ヘプタンの混合物(1:2)で溶出させ、最終生成物を無色油状物として単離した。得られた油状物は、0℃でゆっくりと析出し、最終生成物を白色固体として得た。収率74%。
【0082】
方法A:塩化メチレン中で行われる反応。中間体の生成をNMRで追跡した。SiO
2で濾過し、酢酸エチルとn−ヘプタンの混合物(1:2)で溶出させ、最終生成物を無色油状物として単離した。得られた油状物は、0℃でゆっくりと析出し、最終生成物を白色固体として得た。収率73%。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6,δ ppm):7.36(m,5H),4.80(AB System,S
AB=15.6Hz,2H),4.12(m,1H),3.67(m,3H),3.54(dd,J=13.79,4.90Hz,1H),1.85(m,3H),1.60(m,1H)。
13C NMR(100MHz,DMSO−d
6,δ ppm):165.65,152.77,135.42,128.69,128.12,127.96,74.43,66.88,47.34,45.50,28.42,24.68。
MS (ES
+):m/z=293(M+H)
+。
【0083】
イソチオシアネートと塩化スルフリルの反応から得られるN−アルキル−S−クロロイソチオカルバモイルクロリド誘導体を単離し、NMRによって特性決定した。
【化13】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3,δ ppm):4.16(m,1H),3.85(m,1H),3.71(m,1H),3.65(d,J=4.9Hz,2H),1.85(m,3H),1.65(m,1H)。
【0084】
2−ベンジル−4−(2−ヒドロキシ−エチル)−[1,2,4]チアジアゾリジン−3,5−ジオン(化合物3)の調製
【化14】
【0085】
実施例4:2−イソシアナト−3−フェニル−プロピオン酸エチルエステル(中間体)の合成
【化15】
L−フェニルアラニンエチルエステル塩酸塩(25.0g、109mmol)の氷冷した塩化メチレン(800mL)懸濁物に、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(800mL)を加え、混合物を0℃で30分間、激しく攪拌した。攪拌を止め、2層に分離させ、ホスゲンのトルエン溶液(20%、100mL、190mmol)を有機層に直接加えた。混合物を0℃に1時間、室温さらに1時間保持しつつ、攪拌を再開した。有機層を分離し、水、塩化ナトリウム飽和溶液で連続して洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させ、徐々に固化する無色油状物を得た(22.7g、収率95%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6,δ ppm):7.31(m,3H),7.22(m,2H),4.62(dd,J=7.0,5.0Hz,1H),4.20(q,J=7.07Hz,2H),3.05(ABX system,J
AB=13.8Hz,2H),1.23(t,J=7.12Hz,3H)。
13C NMR(100MHz,DMSO−d
6,δppm):170.30,135.72,129.26,128.25,126.94,126.32,62.06,57.75,38.45,13.84。
【0086】
実施例5:2−ベンジル−4−(2−ヒドロキシ−エチル)−[1,2,4]チアジアゾリジン−3,5−ジオン(化合物3)の合成
【化16】
方法A:n−ヘプタン中で行われる反応。中間体の生成をNMRで追跡し、20時間で終了した。最終生成物を反応混合物中で析出させることによって単離し、n−ヘプタンと水の混合物で処理し、濾過し、n−ヘプタンで洗浄した。白色固体。収率72%。
【0087】
方法A:塩化メチレン中で行われる反応。中間体の生成をNMRで追跡し、2時間で終了した。上述のように最終生成物を単離した。白色固体。収率72%。
【0088】
方法C:中間体の生成をNMRで追跡し、3時間で終了した。上述のように最終生成物を単離した。白色固体。収率84%。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6,d ppm):7.27(m,5H),5.26(dd,J=10.3,5.3Hz,1H),4.34(AB System,S
AB=17.2Hz,2H),4.14(m,4H),3.32(dd,J=14.5,5.3Hz,1H),3.10(dd,J=14.5,10.3Hz,1H),1.18(t,J=7.1Hz,3H),1.18(t,J=7.1Hz,3H)。
13C NMR(100MHz,DMSO−d
6,d ppm):168.53,166.38,165.59,152.13,135.60,128.89,128.39,126.93,61.63,61.40,57.68,42.34,35.38,13.81,13.77。
MS (ES
+):m/z=381(M+H)
+。
【0089】
イソチオシアネートと塩化スルフリルの反応から作られるN−アルキル−S−クロロイソチオカルバモイルクロリド誘導体をNMRで特性決定した。
【化17】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3,d ppm):4.43(s,2H),4.24(q,J=7.2Hz,2H),1.30(t,J=7.1Hz,3H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3,d ppm):163.63,139.28,61.57,54.52,14.11。
【0090】
2−ベンジル−4−(2−ヒドロキシ−エチル)−[1,2,4]チアジアゾリジン−3,5−ジオン(化合物4)の調製
【化18】
【0091】
実施例6:安息香酸2−イソチオシアナト−エチルエステル(中間体)の合成
【化19】
安息香酸2−アミノ−エチルエステル塩酸塩(50.0g、248mmol)の氷冷した塩化メチレン(600mL)懸濁物に、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(600mL)を加え、混合物を0℃で15分間、激しく攪拌した。攪拌を止め、2層に分離させ、チオホスゲン(38.0mL、498mmol)を有機層に直接加えた。攪拌を再開し、混合物を室温にした。3時間後、有機層を分離し、塩化ナトリウム飽和溶液で連続して洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させ、望ましい純粋なイソチオシアネートを淡黄色油状物として得た(49.5g、収率96%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6,d ppm):8.01(m,2H),7.69(tt,J=7.4,1.2Hz,1H),7.56(t,J=7.4Hz,2H),4.50(t,J=4.8Hz,2H),4.06(t,J=4.8Hz,2H)。
13C NMR(100MHz,DMSO−d
6,d ppm):165.22,133.53,129.14,129.10,128.72,62.62,44.42。
【0092】
実施例7:安息香酸 2−(2−ベンジル−3,5−ジオキソ−[1,2,4]チアジアゾリジン−4−イル)−エチルエステル(中間体)の合成
【化20】
方法A:塩化メチレン中で行われる反応。最終生成物を、SiO
2フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン 酢酸エチル0%から30%)によって単離した。収率73%。
方法B:最終生成物を白色固体として得た。収率85%。
方法C:最終生成物を白色固体として得た。収率92%。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6,d ppm):7.93(m,2H),7.66(tt,J=7.6,1.2Hz,1H),7.51(m,2H),7.32(m,3H),7.26(m,2H),4.79(s,2H),4.50(t,J=5.2Hz,2H),4.02(t,J=5.2Hz,2H)。
13C NMR(100MHz,DMSO−d
6,d ppm):165.75,165.48,152.55,135.40,133.32,129.25,129.11,128.59,128.03,127.78,61.25,47.20,41.20。
【0093】
方法Bを使用するイソチオシアネートと塩化スルフリルの反応から作られるN−アルキル−S−クロロイソチオカルバモイルクロリド誘導体を単離し、NMRで特性決定した。
【化21】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3,d ppm):8.04(dd,J=1.5,8.2Hz,2H),7.57(m,1H),7.44(m,2H),4.59(t,J=5.6Hz,2H),4.03(t,J=5.6Hz,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3,d ppm):166.61,136.27,133.34,130.12,129.91,128.63,63.36,52.67。
【0094】
実施例8:2−ベンジル−4−(2−ヒドロキシ−エチル)−[1,2,4]チアジアゾリジン−3,5−ジオン(化合物4)の合成
【化22】
安息香酸 2−(2−ベンジル−3,5−ジオキソ−[1,2,4]チアジアゾリジン−4−イル)エチルエステル(74.0g、207.6mmol)のメタノール(740mL)懸濁物に、12N HCl(740mL)を室温で加えた。この混合物を50℃で18時間加熱し、次いで、さらなる12N HCl(250mL)を加え、加水分解が終了するまで、混合物を40℃で84時間攪拌した。混合物を減圧状態で濃縮してメタノールを除去し、得られた混合物を塩化メチレンで抽出した(500mL×3回)。合わせた有機層を乾燥し(Na
2SO
4)、濾過し、蒸発させ、油状物を得て、これを熱い酢酸エチル(200mL)で処理し、n−ヘプタン(200mL)を加えることによって析出させ、純粋な望ましい生成物を白色固体(42.5g、81%)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6,d ppm):7.41−7.31(m,5H),4.91(t,J=5.85Hz,1H),4.80(s,2H),3.66(m,2H),3.58(m,2H).
13C NMR(100MHz,DMSO−d
6,d ppm):165.77,152.87,135.47,128.67,128.09,127.96,57.08,47.33,44.58。
MS (ES
+):m/z=253(M+H)
+。
【0095】
生物学的データ
実施例9:GSK−3アッセイ
Life Technologies(カールスバッド、CA、USA)から入手可能なZ’−LYTE(登録商標)技術に基づく市販のシステムを用い、Millipore(ビレリカ、MA、USA)製のヒト組み換えGSK3β(H350L変異を有する、N末端6Hisがタグ化された組み換え酵素)を酵素源として用い、GSK3βの酵素活性を決定した。この技術は、フルオレセインとクマリンの蛍光共鳴エネルギー移動(「FRET」)過程を利用している。このアッセイの原理は、リン酸化ペプチドと非リン酸化ペプチドの蛋白質分解開裂に対する感受性の差に基づき、開裂部位の両側に接続する2個のフルオロフォア間のエネルギー移動過程が起こらないようにする。したがって、GSK3βのリン酸化によってホスホペプチドを得て、このホスホペプチドは、適切なプロテアーゼによって加水分解することができず、2個のフルオロフォア間のエネルギー移動が起こるだろう。逆に、リン酸化が不足すると、ペプチドの加水分解が起こるため、エネルギー移動がなくなる。このアッセイは、384ウェルブラックプレート中、最終的な容積10μlで行われ、50mM Hepes(pH7.5)中の酵素濃度2nM、50mM MgCl
2、5mM EGTAおよび0.05% Brij−35を含み、12.5μM ATPおよび2μM基質ペプチドを含む。後者は合成ペプチドであり、Invitrogenによって商品名「Ser/Thr 9ペプチド」で与えられ、Ser−641を含むGSK3β基材タンパク質(グリコーゲンシンターゼI)の配列に由来する。このペプチドは、末端がフルオレセインおよびクマリンで標識されている。異なる濃度の試験化合物存在下、最終DMSO濃度1%(v/v)でアッセイを行う。室温で60分間インキュベーションした後、5μlの市販のプロテアーゼ溶液(アッセイキットと同じ業者によって販売)を加え、その後、室温で1時間のインキュベーションを行った後、適切なキットと同じ業者によって提供される「停止溶液」5μlを加えた。その後に、蛍光強度を記録し、400nmで励起させたときに、445nmおよび520nmで発光をモニタリングした。445nmでの発光を520nmでの発光で割った商を用い、発光比を最終的に計算する。
【0096】
このアッセイプレートで、完全な酵素活性のためのコントロールとしていくつかのウェルが含まれており、これらのウェルは、阻害剤および試験物質を含まない。同様に、酵素活性がないコントロールとしていくつかのウェルが含まれており、したがって、これらのウェルは、阻害剤も酵素も含まない。それぞれの試験サンプルの発光比を、コントロールウェルの発光比に対して正規化し、その結果、それぞれの化合物濃度について、阻害率%を以下の式を用いて計算する。
【数1】
式中、「S」は、試験サンプルを含むウェルからの発光であり、「E」は、完全な酵素活性を有するコントロールウェルからの平均発光であり、「B」は、完全に酵素が阻害されたウェルからの平均発光である。それぞれの化合物濃度から得られた阻害値を最終的に用い、試験化合物のpEC50を計算し、このパラメータは、化合物濃度(M単位)での負の対数値であり、最大効果の50%が生じる(すなわち、pEC50値が大きいほど、化合物の効能が大きい)。この目的のために、GraphPad
TMPrism 5.0(GraphPad Software Inc.)の非線形回帰機能を用い、以下の式にデータをフィッティングした。
【数2】
式中、「L」は、理論的なシグモイド関数の小さい方の漸近線であり、「H」は、大きい方の漸近線であり、「C」は、M単位での化合物濃度であり、「N」は、ヒル係数である。
【0097】
表2では、いくつかの式(I)の化合物について得られたpEC50値を示す。
【表2】
【0098】
物理化学特性
実施例10:TDZDの熱力学的溶解度
pH7.4の0.01Mリン酸緩衝化食塩水溶液(PBS)中、化合物濃度2mg/mLで、混合時間が24時間の各サンプル2つずつの熱力学的溶解度を決定した。分析および定量をLC−UVによって行った。それぞれの化合物について、アセトニトリル中、濃度1.0、0.1、0.01および0.001mg/mLで検量線を調製した。
【0099】
表3に、いくつかの式(I)の化合物について得られた結果を示す。
【表3】
【0100】
これらの結果は、本発明の化合物が、明確に、以前のTDTD化合物と比較した場合、改良された熱力学的溶解度を示すことを示す(例えば、化合物5)。
【0101】
薬物動態の評価
実施例11:脳および血漿の曝露およびバイオアベイラビリティ
いくつかの式(I)の化合物と、比較化合物として以前のTDTD(化合物5)について、マウスでの薬物動態挙動を評価した。オスC57BL6Jマウス(20〜25g、8週齢、Harlan)を使用し、薬物動態試験を行った。強制経口投与(投薬量200mg/kg)によって、それぞれの薬物を、25%のPEG 400、15%のcremophorおよび適量の蒸留水の混合物に懸濁させた。血液および脳のサンプル(各サンプル点について、n=2マウス)を、特定の時間点である投薬後0.25、0.5、1、2、4、6、8および24時間で集めた。静脈投与(投薬量1mg/kg)も行い、経口投与のバイオアベイラビリティを決定した(時間点0.03、0.08、0.16、0.5、1、2および4時間;投薬量1mg/kg、1mL/kg)。
【0102】
ACN(0.1%ギ酸)でタンパク質を沈殿させた後、血漿サンプル分析を、ESI
+を用いるLC/MS/MSによって行った。脳サンプルを均質化し、ACN/酢酸エチル(50:50)を用いた液−液抽出によって抽出し、乾燥するまで蒸発させ、85/15 ACN/H
2O(0.1%ギ酸)で再構築した。抽出した後、sunfire 3.5μm、2.1×100mmカラムを用い、40℃で20μlをLC/MS/MS系に注入した。溶出のために使用した移動相は、7〜15分まで、0.5mL/分の適切な勾配を用い、ACN(0.1%ギ酸)および水(0.1%ギ酸)を含んでいた。それぞれの化合物について、以下の変化をモニタリングした。化合物1、237.13>90.89(3.5kV、12V);化合物2、293.12>90.97(3kV、25V);化合物3、381.7>307.2(3KV、15V);および化合物4、253.32>90.99(3.5kV、10V)。非コンパートメントモデルを用い、WinNonlin(登録商標)薬物動態ソフトウェアパッケージ(バージョン5.2、Pharsight Corporation、Moutain View、California)で薬物動態モデリングおよびパラメータ計算を行った。
【0103】
比較化合物5と比較したとき、式(I)の化合物について得られた結果は、脳および血漿の曝露およびバイオアベイラビリティについて、かなりの向上を示した。経口投与後の血漿の曝露(AUC;曲線下面積)は、化合物5よりも4.5まで大きく、最高血中濃度(C
max)は、ほとんどの望ましい場合には、ほぼ倍である。脳の曝露は、18%まで拡張性が増加した(脳/血漿)。良好な溶解度とともに、この化合物群ではバイオアベイラビリティも高かった。血漿および脳の曝露の増加は、効能に達するための投薬量の低下をもたらし、したがって、GSK−3に関連する病状の治療において、これらの化合物は、薬物として使用する良好な候補物質となる。
【0104】
医薬組成物
以下の例では、いくつかの医薬組成物の詳細な調製を記載する。
実施例12:注射可能な懸濁物のための粉末
組成:
【表4】
【0105】
製造方法
懸濁物のための粉末
−バイアルへの活性成分の充填
希釈剤
−メチルパラベン、プロピルパラベン、メタ重亜硫酸ナトリウム、塩化ナトリウムをプロピレングリコールに溶解する。適切な時間混合する。
−注射用蒸留水を加え、適切な時間混合する。
−濾過によって滅菌し、バイアルに充填する。
【0106】
投与前の最終的な再構築のために、活性成分のバイアルに希釈剤溶液を入れ、振り混ぜて均質化する。
注射用懸濁物に適した賦形剤のリストは、上に詳細に記載した。
【0107】
実施例13:フィルムコーティングされた錠剤
組成:
【表5】
【0108】
製造方法
−ポビドンK−25を水に溶解した顆粒化溶液を調製する。
−活性成分、トウモロコシデンプン、アルファ化したトウモロコシデンプンおよび微結晶性セルロースを混合する。
−顆粒化溶液を用いて顆粒化する。
−乾燥。
−乾燥した顆粒を、適切なメッシュ径でふるい分けする。
−ラクトース、クロスカルメロースナトリウムおよびタルクを加える。
−適切な時間混合する。
−ステアリン酸マグネシウムを加える。
−適切な時間混合する。
−最終的なブレンドが終わったら、錠剤化する準備が完了する。
−錠剤の圧縮
−膜コーティング
コーティングされた錠剤に適切な賦形剤のリストは、上に詳細に記載している。
【0109】
実施例14:小袋に入った経口溶液(POS)のための粉末
組成:
【表6】
【0110】
製造方法
−すべての成分を適切なメッシュ径に通す。
−成分を適切なミキサーで混合する。
−最終的なブレンドを容器に取り出す。
−ブレンドを投薬量ごとに小袋に分ける。
経口溶液のための粉末に適切な賦形剤のリストは、上に詳細に記載している。
【0111】
実施例15:シロップ
組成:
【表7】
【0112】
製造方法
−プロピレングリコールおよびエタノールを適切な容器に入れる。
−安息香酸ナトリウムを完全に溶解するまで加える。
−クエン酸およびクエン酸ナトリウムを加え、完全に溶解するまで混合する。
−活性成分を加え、均一になるまで混合する。
−ソルビトールを加え、均一になるまで混合する。
−精製水を加え、均一になるまで混合する。
−バニラフレーバーおよびタートラジンを加え、均一になるまで混合する。
−シロップの塊が完成したら、ガラスまたはプラスチックの瓶に入れる準備が完了。
シロップに適切な賦形剤のリストは、上に詳細に記載している。
【0113】
実施例16:カプセル
組成:
【表8】
【0114】
製造方法
−すべての成分を適切なメッシュ径に通す。
−活性成分、微結晶性セルロース、リン酸カルシウムおよびタルクを適切なミキサーに入れる。
−適切な時間混合する。
−ステアリン酸マグネシウムを加える。
−適切な時間混合する。
−最終的なブレンドが完成したら、ゼラチンカプセル(適切な大きさ)に、投薬量に分ける準備が完成。
カプセルに適切な賦形剤のリストは、上に詳細に記載している。
【0115】
実施例17:腸溶性カプセル
組成:
【表9】
【0116】
製造方法
−エリスロシン、フタル酸ジブチルおよびコポリマーメタクリル酸を、アセトン+イソプロピルアルコールに溶解する。
−活性成分およびポロキサマーを加え、上の溶液に溶解する。
−微結晶性セルロース球を流体床乾燥器に入れる。
−セルロース球にコーティング溶液を噴霧する。
−コーティング溶液を完全に噴霧したら、顆粒を乾燥する。
−乾燥したら、適切な容器に取り出す。
−コーティングされた球を含むゼラチンカプセルを充填する。
腸溶性カプセルに適切な賦形剤のリストは、上に詳細に記載している。