(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記クレイ小板が、ヘクトライト、ラポナイト、モンモリロナイト、サポナイト、バーミキュライト、カオリン、又はそれらの混合物から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
前記クレイ小板対前記表面改質化合物の重量比が1:1〜100:1の範囲内であり、前記重量が乾燥状態における前記クレイ小板及び前記表面改質化合物の重量に基づく、請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
a)i)均一に分散した、対向する基底小板表面及び小板エッジを有するクレイ小板と、ii)溶解又は均一に分散した、カルボン酸基及び/若しくはカルボキシレート基を含む重合性モノマー、並びに/又は1つ以上の前記モノマーの重合性オリゴマーと、を含む重合反応水溶液を得る工程であって、
前記水溶液が、6以下のpHを有し、かつ前記クレイ小板の前記基底表面が、表面改質化合物で改質される、工程と、
b)工程a)の前記液体中で前記モノマー及び/又はオリゴマーの重合を開始する工程と、を含む重合反応により得られる吸水性の表面改質されたクレイ結合ポリカルボン酸及び/又はポリカルボン酸塩ポリマーが提供される。
【0009】
吸水性の表面改質されたクレイ結合ポリカルボン酸ポリマー及び/又はポリカルボキシレートポリマーを製造するための方法も提供され、これには、
a)i)均一に分散した、対向する基底小板表面及び小板エッジを有するクレイ小板と、ii)溶解又は均一に分散した、カルボン酸基及び/若しくはカルボキシレート基を含む重合性モノマー、並びに/又は1つ以上の前記モノマーの重合性オリゴマーと、を含む重合反応水溶液を得る工程と、
前記水溶液が、6以下のpHを有し、かつ前記クレイ小板の前記基底表面が、表面改質化合物で改質される、工程と、
b)重合開始剤系を得る工程と、
c)前記a)の液体と前記b)の重合開始剤系とを組み合わせて、前記モノマー及び/又はオリゴマーを重合させる工程と、を含む。
【0010】
前記吸水性の表面改質されたクレイ結合ポリマーは、本明細書において、吸水性SMCポリマーと呼ばれる。このSMCポリマーは、i)中和されないSMCポリカルボン酸ポリマー、又はii)完全に中和されるSMCポリカルボキシレートポリマー、又はiii)(例えば、本明細書に記載されるモル%レベルのいずれかで)カルボキシレート基及びカルボン酸基を有するSMCポリマーであってよい。これらのEMCポリマーi)、ii)、若しくはii)のいずれか、又はそれらの混合物は、本明細書において、EMCポリカルボキシレート及び/若しくはポリカルボン酸ポリマーと呼ばれる。
【0011】
本明細書において以下に記載されるように、そのようなポリマー類を製造するための方法も提供される。
【0012】
クレイ小板表面を本明細書に記載されるように改質することにより、クレイ小板は、カルボン酸モノマー及び/若しくはカルボキシレートモノマー、又はそのオリゴマーを含む酸性重合液中に良好に分散され得、ポリカルボン酸/ポリカルボキシレートポリマーを形成する必要があることが明らかになった。基底表面改質化合物は、例えば、小板表面を(例えば、少なくとも)液体のpHにおいて、例えば、前記6以下のpH、又は所望によりpH 6以下のpHレベルの範囲、例えば、pHレベル3〜6の範囲、又はpHレベル3〜5.5若しくは3〜5の範囲で中性にし得る。酸性水中で小板の陰性基底表面に誘引される陽性のエッジを有し、前記クレイ小板の凝集をもたらす、非改質クレイ小板とは異なり、表面改質されたクレイ小板は、酸性水中で凝集体を形成する傾向が極めて低い。それにより、均一に分散された、エッジ改質されたクレイ小板を含む酸性水溶液を得ることができる。本明細書において好ましい実施形態では、前記得られる重合反応水溶液は、少なくとも重合反応の開始前に、顕微鏡的に均一な分散液である。
【0013】
前記ポリマーが、前記表面改質されたクレイ小板が実質的に均一に分散される方法/液体を用いて、前記改質されたクレイ小板により結合される、そのような吸水性SMCポリマーは、2つの結合点(例えば、2つのクレイ小板)の間にポリマー鎖セグメントの長さの狭い分散を有すると考えられる。したがって、吸水性SMCポリマーが、流体吸収に起因して膨張すると、それらは(実質的に)すべて移動し、同程度まで延伸すると考えられる。機構的に、同一の改質されたクレイ小板に結合されたポリマーは、共働して力(伸長又は圧力)を維持し、次いでこれは、架橋が有機架橋基によりのみ達成される、従来の架橋ポリマーネットワークと比較して、破断するまでの伸びを増加させると考えられる。このSMCポリマーは、せん断応力/歪みに対する耐性の増加を有し得る。これは、変形、したがってゲルブロッキングを減少させる。更に、クレイ小板の親水性性質に起因して、得られるSMCポリマーは、吸収速度において利点を有し得ると考えられる。
【0014】
前記表面改質化合物は、クレイ小板の基板に結合することができるカチオン性部分を有し得る。幾つかの実施形態では、前記表面改質化合物は、1つ以上のアルキル化された窒素部分及び/又はアルコキシル化された窒素部分を有する。表面改質クレイに更に親水性を与えるために、前記表面改質化合物はまた、アニオン性部分又は1つ以上のヒドロキシル基を有してもよい。本明細書に記載される幾つかの好ましい実施形態では、表面改質化合物は、モノマー、オリゴマー、又はそれから形成したポリマーにイオン結合又は共有結合することができる1つ以上の部分を有し、幾つかの実施形態では、前記表面改質化合物は、前記重合可能なモノマー又は重合可能なオリゴマー又は前記ポリマーに共有結合され得る不飽和部分(C=C基等)を含み、並びに/又は前記表面改質化合物が、前記モノマー、オリゴマー、又はポリマー(例えば、オリゴ−エチレンオキシド等のオリゴ−アルキレンオキシド等からのヒドロキシル基等)のカルボキシ部分に共有結合又はイオン結合され得る部分を含む。
【0015】
幾つかの実施形態では、前記表面改質化合物は、前記小板表面を立体的に障害する化合物であり、前記化合物が、例えば少なくとも10オングストローム(A)の長さを有し、好ましくは、前記化合物が、少なくとも6個の炭素原子の炭素鎖を含む少なくとも1つの部分を有する。
【0016】
広くは、吸水性高分子電解質ポリマーは、尿のような流体に必要な吸収及び保持を駆動するために必要な浸透圧を提供する。したがって、ここで幾つかの実施形態では、本明細書に記載の吸水性SMCポリマーの能力を更に高めるために、ポリマー又はその一部が、負に帯電しているモノマーから製造された、高分子電解質、例えば、アニオン性ポリマーであってよい。重合性モノマー又はオリゴマーは、部分的又は完全に中和されてよく、前記モノマー又はオリゴマーの全部又は一部は、したがって、カチオン性対イオンを有する少なくとも1つのカルボキシレート基(例えば、カルボキシレート塩モノマー)を含み、例えば、少なくとも20モル%(溶液若しくは分散液中、又はポリマー中の全オリゴマー若しくはモノマーに基づいて)のモノマー又はオリゴマーが中和され、例えば、少なくとも20モル%は、カチオン性対イオン(例えば、ナトリウム)を有する、カルボキシレート含有モノマー又はオリゴマー(例えば、アクリレート等のモノマー)を有する。したがって、得られるポリマーは、部分的又は完全に中和されてもよく、例えば、カルボキシレート基を持つ、少なくとも20モル%の重合されたモノマー又はオリゴマーを有する。幾つかの実施形態では、このモル百分率は、少なくとも40モル%、又は60モル%であってよい。
【0017】
本明細書における幾つかの実施形態では、重合反応液に添加される、及び/又はその前にモノマー若しくはオリゴマー溶液又は分散液に添加される、及び/又はクレイ分散若しくはエッジ改質されたクレイ分散液に添加される、分散補助剤の添加が有用であり得る。
これは、モノマー溶液又はオリゴマー溶液/分散液が、部分的に又は完全に中和されるとき、例えば、上記され、かつ以下に記載されるように、カルボン酸塩形態を含むために特に有用であり得る。有用な分散補助剤は、例えば、単糖類及びオリゴ糖又は多糖類を含み、これには、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)が含まれる。
【0018】
本明細書における幾つかの実施形態では、液体のpHは、3〜5.5又は3〜5であってよい。
【0019】
本明細書における幾つかの実施形態では、クレイエッジは、更に、本明細書に記載されるように、前記クレイ小板の均一な分散を更に改善するために、改質され得、かつ、本明細書に記載されるように、より均一に改質されたクレイ結合ポリマーに改質され得る。
【0020】
本発明の別の態様では、i)均一に分散した、対向する基底小板表面及び改質された小板エッジを有するクレイ小板と、ii)溶解又は均一に分散した、アクリル酸/アクリレートモノマー、並びに/又は前記モノマーの重合性オリゴマーと、を含む重合反応水溶液が提供され、前記水溶液は、6以下のpHを有し、かつ前記小板エッジは改質され、例えば、少なくとも20モル%の前記モノマー及び/又は重合性オリゴマーは、塩形態である。
【0021】
本明細書に記載の本発明の更なる実施形態は、本明細書に記載のSMCポリマーを含む、婦人衛生物品及びおむつ等の吸収性物品に関する。
【0022】
本明細書における幾つかの実施形態では、本明細書に記載の水性重合液又は方法は、いずれの有機架橋剤化合物も含まず、SMCポリマーは、ポリマーを内部で架橋する、有機架橋剤化合物を含まない。
【0023】
本明細書における幾つかの実施形態では、本明細書に記載の水性重合液又は方法は、有機架橋剤化合物を含み、SMCポリマーは、ポリマーを内部で架橋する、有機架橋剤化合物を含む。
【0024】
重合液中、及び/又はSMCポリマー中、(クレイ)対(モノマー及び/又はオリゴマー)の重量比は、例えば、最大1:10、例えば、1:1000若しくは1:500、若しくは1:200〜1:10、1:7、若しくは1:5であってよい。
【発明を実施するための形態】
【0025】
クレイ及びクレイ小板
本発明は、酸性水溶液中に小板として分散され得るクレイの使用を必要とする。クレイ小板は、本明細書では「表面」とも呼ばれる、対向する基底小板表面、及び本明細書では「エッジ」と呼ばれる小板エッジ表面(それらがほぼ二次元であるため)を有し、前記小板の基底表面は、本明細書に記載されるように、改質される本発明のためのものである。
重合液中の表面改質されたクレイは、好ましくは、均一に分散され、(例えば、重合の直前、例えば、重合の温度/圧力条件で)例えば、クレイ小板の著しい凝集/軟凝集が存在しないようにする。
【0026】
前記クレイ小板は、本明細書において以下に記載されるように、表面改質される。これは、クレイ小板が、酸性水溶液中の小板として分散可能であり、すなわち、カルボン酸及び/又はカルボキシレート基を有する重合性モノマー又はオリゴマーを含む。特に、クレイ小板が小さいとき、例えば、それらが300以下、若しくは例えば、200以下の低アスペクト比を有するとき、又は高いせん断混合が問題であるとき、酸性液中の凝集が問題となり得るため、本明細書に記載される表面改質は非常に有益である。
【0027】
本明細書に記載の重合液中、例えば、本明細書に記載の重合反応前及び重合中、並びに好ましくはSMCポリマー中の前記クレイ小板及び前記表面改質クレイ小板は、例えば、800nm未満、好ましくは500未満、好ましくは300nm未満、例えば、200nm未満、又は100nm未満の重量平均最大粒径(長さ)を有してよく、例えば、前記重量平均最大粒径(長さ)は、少なくとも5nm、少なくとも10nm、又は少なくとも20nmである。
【0028】
前記液体中、例えば、本明細書に記載の重合反応前及び重合中、並びに好ましくはSMCポリマー中の表面改質されたクレイ小板及びエッジ改質クレイ小板は、例えば、300以下、200以下、又は100以下のアスペクト比を有してよい。クレイのアスペクト比は、一般に、5を超える、又は10を超える。(基底表面は、常に、エッジ表面よりも大きい。)
最終SMCポリマーでは、典型的に、クレイ小板は、例えば、上述の寸法及びアスペクト比が、例えば、均一である(又はその少なくとも90重量%若しくは少なくとも95重量%)個別の改質された小板として提示され、前記SMCポリマーゲルのマイクロスライスの除去により(超ミクロトームにより)決定され得、これを当該技術分野において既知の低温TEM法に提出する。
【0029】
クレイは、当該技術分野において既知の(及び以下に参照される)方法により、表面改質する前に精製して、例えば、金属等を除去してもよい。
【0030】
本明細書に記載の幾つかの実施形態では、改質されるクレイは、ジ−八面体クレイ又はトリ−八面体クレイである。
【0031】
本明細書において改質される好適なクレイの例は、いわゆる膨潤性クレイ、すなわち、ヘクトライトを含む、スメクタイト型クレイであり、ラポナイト(すなわち、合成クレイ)、モンモリロナイト、サポナイト、バーミキュライト若しくはカオリン、又はそれらの混合物を含み、一実施形態では、ラポナイトを含む、モンモリロナイト及び/又はヘクトライトが好ましい。(これらのクレイは、水膨潤性と呼ばれる場合が多いが、本明細書に記載される実施形態では、クレイは、実質的に個別のクレイ小板として提示され、したがってそれらはもはや水膨潤性でないことに留意されたい。)
【0032】
表面改質及び改質化合物、並びに得られる表面改質されたクレイ
重合液中のクレイは、改質された基底表面又は以下に称されるような「表面」を有する。本明細書に記載の方法では、これは、モノマーの添加前、又はモノマーの添加と同時に行われてよい。幾つかの実施形態では、表面改質は、モノマーの添加前に行われる(例えば、酸性水溶液を製造する前)。表面改質されたクレイを得るため、クレイは、例えば、改質化合物を含む液体中に分散され、及び/又はクレイは、液体中に分散され、改質化合物は、次いで分散液に添加され、所望により溶液若しくは分散液としても添加され得る。
【0033】
クレイ対表面改質化合物の比は、(乾燥クレイ及び乾燥表面改質化合物の重量に基づく重量比)例えば、1:1〜100:1の範囲内であり得る。
【0034】
以下では、表面改質化合物は、それらがクレイに添加される前であるとして記載される。得られる表面改質されたクレイ及び得られるSMCポリマーは、したがって、前記クレイ表面を有する前記化合物の対応する反応生成物を含むことを理解されたい。
【0035】
表面改質化合物は、本明細書に指定されるpHで、クレイ小板の負に電荷された基底表面に結合し得る、部分を有する。
【0036】
表面改質化合物は、クレイ小板の負に電荷された基底表面に結合し得る、カチオン性部分(及び/又は本明細書に記載の液体及び本明細書に記載の反応のpHでカチオン性)を有する化合物であってよい。表面改質されたクレイは、中性の(液体のpHで)表面を有し得る。
【0037】
例えば、表面改質化合物は、例えば、線形、分枝、又は環化アミノ、アンモニウム化合物を含む、アルキル化窒素部分、又はアルコキシル化窒素部分を含んでよい。そのような部分は、反応液/反応のpHでカチオン性であり得る。
【0038】
表面改質化合物は、アミン若しくはイミンから選択される1つ以上の部分を有し得、これには、例えばジアミン若しくはジイミン等のその誘導体、及び/又はエチレン若しくはポリ−若しくはオリゴ−エチレンのその誘導体、ヘキサメチレンジアミン及びその誘導体、エチレンジアミン及びその誘導体、オリゴ−アルキレンイミン及びその誘導体、例えば直鎖又は分枝鎖ポリエチレンイミン、オリゴ−エーテルアミン及びその誘導体、直鎖又は分枝鎖アミド、又はそれらの混合物を含む。
【0039】
表面改質化合物は、アクリルアミド部分を有し得る。表面改質化合物は、ウレタン部分(負の基底表面に水素結合することにより結合された)を有し得る、又はより好ましくは、カチオン改質されたウレタン部分、若しくは更にその改質を有してよい。
【0040】
直鎖又は分枝鎖ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンジアミン、又はエチレンジアミン、又はこれらのいずれかの誘導体、又はそれらの混合物から選択される部分であることが、特に好ましい。
【0041】
表面改質化合物は、カチオン改質されたオリゴ糖類若しくは多糖類、又はその誘導体であってもよい。
【0042】
加えて、表面改質化合物は、1つ以上の更なる部分を有し得る、又は親水性である。これは、反応液中の表面改質されたクレイの分散を補助し、及び/又は吸水性SMCポリマーの親水性、したがって親水性流体(例えば、尿、血液、生理食塩水)の親和性を更に強化することができる。これは、例えば、アニオン部分又は−OHであってよい。幾つかの実施形態では、親水性を更に改善するように、表面改質化合物はアルコキシル化部分、カルボキシル化部分、若しくはスルホン酸化部分、又は硫酸化部分である、少なくとも1つの部分を有することが好ましい。
【0043】
表面改質化合物は、クレイ表面に化学的に結合されると、立体的に障害する部分を導入して、クレイ小板の凝集を障害し、したがって減少させる。したがって、表面改質化合物は、立体的に障害する部分を有し得る。本明細書に記載の幾つかの好ましい実施形態では、表面改質化合物は、少なくとも6個の炭素原子、及び/又は少なくとも10オングストローム、又は少なくとも15オングストロームの長さを有する、立体障害を提供し得る、1つ以上の部分を有する。これは、オリゴマー鎖部分であることが好ましい場合がある。
【0044】
表面改質化合物は、例えば、オリゴ−エチレンオキシド(EO)部分等のオリゴ−アルキレンオキシド(AE)部分を有してよく、例えば、少なくとも2個、好ましくは少なくとも5個若しくは少なくとも10個、及び例えば、最高100個又は最高60個若しくは最高40個の平均数のAO(例えば、EO)−繰り返し単位を有する。本明細書に記載の幾つかの実施形態では、表面改質化合物が、多数の2〜40個の繰り返し単位を有するオリゴ−エトキシレートである、少なくとも1つの部分を有することが好ましい場合がある。
【0045】
表面改質化合物、特に、上述されるカチオン基を有するものは、モノマー若しくはオリゴマーにイオン結合又は共有結合することができる、更なる部分、又はそれにより形成されるポリマーを有してよく、例えば、表面改質化合物は、1つ以上の不飽和部分(例えば、C=C基を有する)、及び/又はオリゴ−エーテル若しくはポリエーテル部分等のモノマー、オリゴマー、又はそのポリマーのカルボキシル基とのエステル若しくはアミド結合を形成し得る、1つ以上の部分を有し得る。次いで、表面改質化合物は、クレイ小板の表面と結合するだけでなく、化合物は、ポリマーにイオン結合又は共有結合することもできる。そのような実施形態では、クレイ小板は、均一な分散(及びしたがって重合後の最終ポリマーにおける均一な組み込み)を保証するように表面改質されるだけでなく、表面改質は、例えば、ポリマーを強力に共有/イオン結合するように更に機能する。本明細書において上述される、例えば、カチオン基を有する表面改質化合物は、例えば、アルキレン(例えば、エチレン)等の重合性部分を含み、及び/又は不飽和部分は、例えば、アクリル酸のエステル、及び/若しくはアクリル酸のアルキル化誘導体、例えば、メタクリル酸であってよい。
【0046】
上述のように、表面改質ステップ中及び/又は酸性重合液の調製中に(重合の開始前)、超音波処理ステップ及び/又は混合ステップを適用することが有用であり得、(例えば、高い)せん断混合の適用が好ましい。例えば、Y−Tronのミキサが使用され得る。
クレイの剥離はまた、高せん断ミキサ(例えば、CBレーディゲミキサ、Schugiミキサ、Littlefordミキサ、Draisミキサ)の使用により影響を受け得る。
任意のミキサの先端速度は、例えば、少なくとも20ms
−1、又は少なくとも30ms
−1〜例えば45、40、又は35ms
−1.であってよい。
【0047】
特に高アスペクト比を有する小板の場合、せん断力は、個別のクレイ小板の破壊をもたらさないように選択されてよい。例えば、より高いせん断力を可能にするために、以下に定義されるように、低アスペクト比のクレイ小板(例えば、300以下又は200以下のアスペクト比)を選択することが有益であり得る。
【0048】
クレイ小板の表面改質は、任意の液体中で行われ得る。例えば、それは水中で行われてよい。あるいは、表面改質は、水の非存在下で、例えば、好ましくは無水液中、例えば、40を超える誘電定数、好ましくは50を超える誘電定数を有する無水液、例えば、プロピレン炭酸塩、エチレン炭酸塩等の中で行われてもよい。
【0049】
クレイは、モノマー及び/又はオリゴマー、並びに同時に表面改質化合物と混合されてもよい。しかしながら、本明細書に記載の幾つかの実施形態では、本明細書に記載のモノマー及び/又はオリゴマーの酸性溶液と混合する前に、クレーが改質されることが好ましい。本明細書に記載の幾つかの実施形態では、モノマー又はオリゴマーを有する液体に添加する前に、クレイを表面改質することが好ましい。幾つかの実施形態では、モノマー又はオリゴマーを有する液体に添加する前に、クレイの表面を改質し、次に得られる改質されたクレイを洗浄する、並びに/あるいは改質されたクレイを濾過及び/又は透析に付することが好ましい。
【0050】
クレイの分散、クレイの改質、及び/又は重合液体の形成は、例えば、約15〜25℃の温度で、又は所望により、例えば、40℃を超える温度、45℃を超える温度、又は50℃を超える温度まで、例えば、最高90℃、最高70℃、又は最高60℃まで加熱しながら行われてよい。表面改質は、代替又は追加として、上述されるような、せん断及び/又は温度条件下で行われてよい。更に、これらのせん断及び/又は温度条件下はまた、重合前(開始剤系の添加前)又は随意に重合の一部中(ゲルが形成するまで)、表面改質されたクレイを含む重合液に適用されてもよい。
【0051】
水性液の液相は、少なくとも水を含み、所望によりその他、例えば、有機液を含み得、又は水で構成されてもよい。液相は、少なくとも80重量%の水、好ましくは少なくとも90重量%の水、又は更には100重量%の水を含むことが極めて好ましい場合がある。
【0052】
本発明の別の実施形態では、対向する基底小板表面及び改質された小板表面を有するクレイ小板と、アクリル酸及び/又はアクリレート塩モノマーを含む重合反応水溶液を製造するための方法が提供され、この方法は、
i.a)アクリル酸及び/若しくはアクリレート塩モノマーの水溶液又は分散液である、第1の水性混合物を得る工程と、
i.b)例えば水中で、クレイ、随意にクレイ分散液を得る工程と、
i.c)例えば水中で、表面改質化合物、随意にその分散液又は溶液を得る工程と、
i.d)まずi.a)とi.b)を組み合わせ、次いで、これをi.c)と組み合わせ、又はまずia)とi.b)を組み合わせ、同時にi.c)を組み合わせ、又はまずi.b)とi.c)を組み合わせ、次いで、この組み合わせをi.a)と組み合わせる工程と、
及び
i.e)i.d)の工程において、せん断力混合、例えば、超音波混合又は機械的混合を適用する工程と、を含み、
6以下のpHを有し、前記重合性モノマー、重合性オリゴマー、及び/又はそれらの混合物を含み、均一に分散された、改質された基底表面(本明細書では、「表面」とも呼ばれる)を持つクレイ小板を有する、前記重合反応水溶液を得る。
【0053】
次いで、重合開始剤系をこの液体に添加することができ、必要に応じて、開始剤を活性化して、モノマー及び/又はオリゴマーの重合(及び所望により表面改質化合物、例えば、そのC=C部分に対するその共役結合)を開始することができる。
【0054】
したがって、得られた重合液は、重合の開始前、及び所望により重合中に不活性ガスでパージされ得る。
【0055】
有機架橋剤(すなわち、クレイを含有しない)は、当該技術分野において既知の有機架橋剤等の重合液に添加されてもよい。例えば、典型的な架橋剤は、二官能性又は多官能性モノマーであり、したがって、重合され得る、2つ以上の基、例えば、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、又はトリアリルアミンを有する。
【0056】
重合液は、例えば、表面改質クレイ0.1〜10重量%、水5〜95重量%、モノマー/オリゴマー(好ましくはモノマー)5〜95重量%、有機架橋剤(所望により分散補助剤、例えば、CMC)0〜10重量%を含み、次いで、例えば、重合開始剤0.01〜5重量%をその液体に添加して、重合を開始する。
【0057】
随意のエッジ改質及びエッジ改質化合物
本明細書に記載の幾つかの実施形態では、クレイ小板は、更に、いわゆる、エッジ改質化合物によっても改質される小板エッジを有し得る。
【0058】
前記エッジ改質化合物は、典型的に、
i)リン酸化化合物であって、好ましくは、リン酸化塩、縮合リン酸塩、その誘導体及びその酸形態、ホスホン酸、その誘導体及びその塩、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される、リン酸化化合物、
ii)前記式SiR
IR
IIR
IIIR
IVのシラン化化合物であって、R
I、R
II、R
III、R
IV部分がそれぞれ、サブグループa)アルキル、アリール、O−アルキル(アルコキシ)、N−アルキル、アルケン、アルケニル、及びb)水素、ハロゲン化物、及びc)ヒドロキシ、カルボキシ含有部分、エポキシ含有部分、イソシアノ含有部分からなる群から選択され、但し、前記部分のうちの少なくとも1つかつ最大3つが、前記サブグループa)から選択され、前記部分のうちの少なくとも1つかつ最大3つが、前記サブグループc)から選択され、前記部分の最大1つが前記サブグループb)から選択されるものとする、シラン化化合物、
iii)フッ素化化合物であって、好ましくは、MF塩であり、Mが、一価カチオンである、フッ素化化合物、からなる群から選択される。
【0059】
そのようなエッジ改質化合物の混合物が使用されてよい。
【0060】
リン酸化化合物は、リン酸塩及び/又はその誘導体及び/若しくはその酸形態、縮合リン酸塩及び/又はその誘導体及び/若しくはその酸形態、ホスホン酸、その誘導体及びその塩、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。例えば、ピロリン酸ナトリウム十水和物が、好適に使用されてよい。オルガノ蛍光体誘導体は、本明細書において有用であり得る。
【0061】
シラン化化合物は、例えば、式:SiR
IR
IIR
IIIR
IVのオルガノシラン化合物であってよく、部分R
I、R
II、R
III、R
IVは、それぞれ、サブグループ:a)アルキル、アリール、アルコキシ、N−アルキル、アルケン、アルケニル、b)水素、ハロゲン化物、及びc)ヒドロキシ、カルボキシ含有部分、エポキシ含有部分、イソシアノ含有部分からなる群から選択され、但し、前記部分のうちの少なくとも1つかつ最大3つが、サブグループa)から選択され、前記部分のうちの少なくとも1つかつ最大3つが、サブグループc)から選択され、前記部分の最大1つが前記サブグループb)から選択されるものとする。
【0062】
前記部分R
I、R
II、R
III、R
IVのうちの少なくとも1つは、前記重合性モノマー又は重合性オリゴマーに結合するのに適した部分であることが有益であり得る。例えば、前記部分のうちの少なくとも1つは、ビニル等の不飽和部分である。例えば、シラン化化合物として使用することが有用であり得る。7−オクテンジメチルメトキシシラン。
【0063】
前記エッジ改質化合物は、1つ以上のフッ素化化合物を含み、又はそれで構成され得る。これは、好ましくはフッ化物塩、例えばMFを含んでよく、幾つかの実施形態では、前記カチオンMが、ナトリウム又はアンモニウム等の一価対イオンであることが好ましい場合がある。
【0064】
本明細書に記載の幾つかの実施形態では、前記エッジ改質化合物は、クレイのエッジの電荷を改質するだけでなく、前記小板エッジを立体的に障害して、酸性液体中のクレイ小板の凝集のリスクを更に減少させる化合物であり得る。それに加えて、前記エッジ改質化合物は、少なくとも10オングストローム(A)、少なくとも15オングストローム、又は少なくとも20オングストロームのうちの少なくとも1つの部分であり得る。
【0065】
重合性モノマー及びオリゴマー
重合水溶液は、重合性モノマー(以下モノマーと呼ばれる)、及び/又は前記モノマーの重合性オリゴマー(例えば、2〜典型的に5000重合されたモノマーを有する前記オリゴマー)を含む。重合性であるために、モノマー、及びしたがってそのオリゴマーは、重合性部分、例えば、C=C部分を含み、モノマーが、単一のC=C部分等の単一重合性部分を有することが好ましい場合がある。
【0066】
本明細書に記載の幾つかの好ましい実施形態では、前記重合液中でモノマーを使用する場合がある。
【0067】
更に、前記モノマー及びしたがって前記そのオリゴマーは、1つ以上のカルボン酸及び/又はカルボキシレート部分を有する。好適なモノマーは、例えば、アクリル酸及び/又はアクリレートモノマーであり得る。
【0068】
前記モノマー及び/又はオリゴマーは、水溶液を、pH 6以下、典型的にpH 6以下、又は更には5以下の酸性にする。
【0069】
モノマー又はオリゴマーは、前記液体中で中和され得る、又は部分的に中和されてよく、例えば、それらはカルボキシレート、例えば、アクリレート、カチオン対イオンを有する基を含んでよく、例えば、モノマー(又はそのオリゴマー)は、カルボキシレート(例えば、アクリレート)塩を含み得る、又はカルボキシレートであってよい。対イオンは、典型的にナトリウムである。
【0070】
本明細書に記載の幾つかの実施形態では、少なくとも20重量%(全モノマー又はオリゴマーに基づく)の前記モノマー及び/又は前記オリゴマーは中和され、例えば、塩対イオンを有する。幾つかの実施形態では、これは、少なくとも40モル%、少なくとも50モル%、又は少なくとも60モル%であってよく、100モル%又は80モル%もの高さであり得る。
【0071】
得られるSMCポリマーは、したがって、上述のモル%レベルのいずれかで、i)中和されないSMCポリカルボン酸ポリマー、ii)完全に中和されるSMCポリカルボキシレートポリマー、又はiii)カルボキシレート及びカルボン酸基を有するSMCポリマーであり得る。これらのSMCポリマーi)、ii)、又はii)のいずれか、又はそれらの組み合わせは、本明細書において、SMCポリカルボキシレート及び/若しくはポリカルボン酸ポリマーと呼ばれる。
【0072】
前記中和されたモノマー/オリゴマーが存在するときの縮合のリスクを更に減少させるために(カルボキシレート塩)、エッジ改質化合物は、本明細書に記載される、立体的に障害する部分を有してよく、及び/又はクレイ小板は、以下に記載されるように、基底表面改質を有することにより、更に改質されてよい。
【0073】
重合
重合液中で重合を開始するために、及び本明細書に記載の吸水性SMCポリマーを得るために、重合開始剤系が、液体に添加されてよい。
【0074】
この開始剤系は、固体又は液体形態で、例えば、液体、例えば、水溶液(例えば、水)中の溶液又は分散液として添加され得る。
【0075】
この開始剤系は、重合を開始するための複数の化合物を含み得る、又は単一の化合物を含んでよい。
【0076】
開始剤系は、活性剤化合物等の活性剤、又は例えば、光放射を含む熱又は放射を含み得るか、あるいは活性は必要とされない場合がある。
【0077】
開始剤系は、従来の(例えば、ラジカル)重合開始剤(及び光学触媒)から適切に選択され得る。良好な水分散性/溶解性を示す材料が好ましい。この系の開始剤化合物は、例えば、過酸化物、ヒドロペルオキシド、過酸化水素、過硫酸塩、アゾ化合物及び酸化還元開始剤を含む。有用な有機過酸は、例えば、アセチルアセトン過酸化物、メチルエチルケトン過酸化物、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、tert−アミルペルピバレート、tert−ブチルペルピバレート、tert−ブチルペルネオヘキサノエート、tert−ブチルペルイソブチレート、tert−ブチルペル−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルペルイソノナノエート、tert−ブチルペルマレエート、tert−ブチル過ベンゾエート、ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシ二炭酸塩、ジシクロヘキシルペルオキシ二炭酸塩、ジ(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシ二炭酸塩、ジミリスチルペルオキシ二炭酸塩、ジアセチルペルオキシ二炭酸塩、アリルパーエステル、クミルペルオキシネオデカン酸塩、tert−ブチルペル−3,5,5−トリ−メチルヘキサノエート、アセチルシクロヘキシルスルホニルペルオキシド、ジラウリルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、及びtert−アミルペルネオデカノエートである。好ましいアゾ化合物には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及び2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチル−バレロニトリル)、特に水溶性アゾ開始剤、例えば、2,2’−アゾビス−{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、及び2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリドが挙げられる。2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド及び2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリドに極めて特定の選好が付与される。
【0078】
本明細書に記載の幾つかの実施形態について、過硫酸塩(例えば、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、及びペルオキソ二硫酸アンモニウム)、ヒドロペルオキシド(例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド及びクメンヒドロペルオキシド)、並びにアゾ化合物(例えば、2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン塩酸塩、例えば、VA−044、V−50、及びV−501(すべてWako Pure Chemical Industries Ltd.により製造される)、及びFe
2+の混合物)、並びに過酸化水素、又は過酸化水素及びアスコルビン酸が有用であり得る。後者が、本明細書で使用するための好ましい開始剤系であり得る。一実施形態では、2つ以上の重合開始剤の混合物、例えば、上述のアゾ化合物の類の一つ、及びペルオキソ又はペルオキシド化合物の類の一つが使用される。これは、迅速な重合を保証すると考えられる。例えば、米国公開第US2008/242817号に記載されるように、アゾ化合物開始剤又は酸化還元開始剤の使用は、重合の速度を指示するために有益である。
【0079】
開始剤化合物又は系は、例えば、少なくとも0.1重量%の重合性モノマー若しくはオリゴマー、又は例えば、少なくとも0.3重量%若しくは少なくとも0.5重量%、又は少なくとも0.7重量%、典型的に、最大10重量%若しくは5重量%若しくは3重量%のレベルで重合反応液の上に導入されてよい。
【0080】
重合速度は、使用される開始剤系の識別及び量、並びに使用される温度を通じて制御され得る。
【0081】
例えば、TMEDA(N,N,N’,N’テトラメチルエチレンジアミン)等の重合触媒も存在し得る。
【0082】
重合性モノマー/オリゴマーの重合は、高度に発熱性であってよく、したがって、重合液は、重合中に冷却され得る。
【0083】
吸水性SMCポリマー及びそれを用いる吸収性物品
本発明はまた、例えば、本明細書に記載される重合水溶液を用いて得られる、又は本明細書において前記液体を使用する方法により得られる、吸水性表面改質されたクレイ結合ポリカルボン酸及び/又はポリカルボキシレートポリマーにも関し、本明細書において吸水性SMCポリマーと呼ばれる。
【0084】
本明細書で使用される「吸水性ポリマー」又は「吸水性SMCポリマー」は、本明細書に記載されるCRC方法により測定されるように、ポリマー1グラム当たり少なくとも10グラムの生理食塩水(脱ミネラル化水中0.9%の生理食塩溶液)を吸収及び保持し得るポリマーのことをいう。明らかにSMCポリマーは、尿、血液等の他の水溶液も同様に吸収する。前記CRCは、少なくとも20g/g、30g/g、又は少なくとも40g/gであることが好ましい場合がある。上限は、例えば、最大150g/g、又は最大100g/gであり得る。
【0085】
本明細書に記載の吸水性SMCポリマーは、典型的に、例えば、それらは前記生理食塩水を吸収することにより、脱ミネラル化水中0.9%の生理食塩溶液中で膨張するように、水膨潤性、すなわち、水ゲル化し、それによりゲルを形成し得る。明らかに、本明細書に記載のポリマーは、尿及び血液のような他の液体中でも膨張する。
【0086】
前記表面改質されたクレイ小板は、前記ポリマーの間に架橋点を形成し、それにより前記ポリマーを結合する。典型的に、実質的にすべての前記ポリマーは、前記重合反応中に少なくとも1つ、典型的に複数の表面改質されたクレイ小板に結合され、これは、以下に記載される方法により得られるSMCポリマーの抽出可能なレベルを決定することにより特徴付けられてもよい。SMCポリマーの抽出可能なレベルは、好ましくは15%未満(前記ポリマーの重量で)、好ましくは10%未満、及び最も好ましくは6%未満であり、更には3%未満の抽出可能物であり得る。
【0087】
幾つかの実施形態では、ポリマーが、表面改質化合物を用いて、共有結合及び/又はイオン結合を用いて、例えば、不飽和部分又はモノマー/オリゴマー/ポリマーのカルボキシ部分と反応し得る部分を有する、モノマー、オリゴマー、又はポリマーに結合することができる表面改質化合物の部分を用いて、前記クレイにも結合されることが極めて好ましい。
【0088】
SMCポリマーに存在する表面改質されたクレイの量は、例えば、変形に対して必要な耐性及び/又は必要な吸収度に応じて選択されてよい。例えば、(ポリマーの重量で)0.1重量%、0.5重量%、2重量%、又は5重量%〜40重量%、30重量%、20重量%、又は10重量%の表面改質されたクレイが使用されてよい。
【0089】
SMCポリマーは、ゲル、フィルム、若しくは発泡体の形態であり得、又は本明細書に記載の一実施形態では、本発明の目的で、薄片、繊維、凝集体、ブロック、顆粒、球体を含む粒子を含む、特定の形態であり得る。
【0090】
得られる吸水性SMCポリマーは、水を含んでよいしたがって、得られる吸水性SMCポリマーは、ゲルの形態であり得る。吸水性SMCポリマー、又はそのゲルは、例えば、10重量%未満又は5重量%未満の液体(例えば、水)を含む、乾燥吸水性SMCポリマー、例えば、その粒子を得るように更に処理、例えば、乾燥されてよい。代替又は追加として、吸水性SMCポリマーは、例えば、従来の粒子形成工程、例えば、湿式研削及び乾燥、又は研削及び任意に乾燥、並びに任意に所望の粒径画分/範囲を得るための後次のふるい分けにより、更に処理されて、粒子状吸水性SMCポリマーを得てもよい。
【0091】
粒子状の吸水性SMCポリマーは、例えば、EP−A−0691133に記載される方法により測定され得るように、最大1mm、更には10マイクロメートル〜1mmの間、又は好ましくは50μm〜800μmの間の質量メジアン粒径を有する粒子の形態であってよい。
【0092】
本発明の一実施形態では、粒子の少なくとも80重量%は、10μm〜1200μm又は更には50μm〜800μmの間の粒径、及び100若しくは200〜800μm若しくは600μmの間の質量メジアン粒径を有する。
【0093】
吸水性SMCポリマー又はその粒子は、表面架橋及び/又は有機及び/若しくは無機材料を用いたダスティング、及び/又は無機及び/若しくは有機材料を用いたコーティング等の表面処理により更に処理されてよい。
【0094】
重合反応は、重合中に有機架橋化合物も展開し得るが、本明細書に記載の幾つかの実施形態では、重合反応は、いずれの有機架橋化合物も存在しない。いずれの場合も、重合後に、例えば、ポリマー表面を表面架橋するために、有機架橋剤が添加されてよい。
【0095】
本明細書に記載される吸水性SMCポリマー、又は本明細書に記載されるその粒子は、吸収性物品において有用である。したがって、本発明の別の態様では、吸収性物品又は典型的に使い捨て吸収性物品が提供され、本明細書に記載される吸水性SMCポリマー、又は本明細書に記載されるその粒子を含む。
【0096】
本明細書に記載の使い捨て吸収性物品は、体液を吸収するように、ユーザの身体に対して配設される物品を含み、そのような物品には、これらに限定されないが、おむつ等のユーザの下部胴体の周囲に締結される物品(締結具付き幼児(例えば、乳児又はよちよち歩きの幼児)用おむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁おむつ及び成人用失禁パンツも含む)、成人用失禁パッド、おむつライナー、又はおむつインサート等の物品、並びに生理用ナプキン、パンティーライナー、及びタンポン等を含む婦人衛生物品も含む。
【0097】
本明細書に記載の吸収性物品は、例えば、本明細書に記載されるSMCポリマーを含む吸収性構造、例えば、吸収性コアを含み、又は好ましくは、パルプ、接着剤、不織布材料等の追加の成分を含んでよい。例えば、吸収性構造は、発泡体、フィルム、織布ウェブ、及び/又は不織布ウェブ等の1つ以上の支持材料又はラッピング材料を含んでもよい。好ましくは、特に吸収性構造が上記の吸収性物品の貯蔵層である場合、又は吸収性構造が貯蔵層として機能する層を含む場合、その構造又は層は、その構造の可能な他の成分と比較して、大量の本明細書に記載のSMCポリマーを含み、好ましくは、SMCポリマーは、構造の50重量%を超えるか、更には70重量%を超えるか、更には80重量%を超え、又は更には90重量%を超えるレベルで存在する。本明細書に記載の吸収性構造は、非吸収性繊維等の構造剤又はマトリックス剤、及び/又は熱可塑性接着剤等の熱可塑性成分、若しくは例えば、非吸収性繊維熱可塑性接着剤成分を含んでもよい。吸収性構造は、代替又は追加として、SMCポリマーの不動化のためのマトリックスを提供することができる、エアフェルト材料セルロース繊維等の吸収性繊維材料を含んでよい。
【0098】
しかしながら、吸収性構造が液体貯蔵層である場合、又は吸収性構造が1つ以上の液体貯蔵層を含む場合、前記液体構造又は前記液体貯蔵層は、大量の本明細書に記載のSMCポリマーを含み、ほんのわずかな吸収剤(セルロース)繊維を含み、又は含まず、例えば、好ましくは、構造の40重量%未満、又は前記吸収性繊維(セルロース)材料の(前述の構造の)20重量%未満、10重量%未満、若しくは5重量%未満、並びに/又は好ましくは本明細書に記載のSMCポリマーの(構造の)50重量%未満、70重量%超、80重量%超、若しくは90重量%超を含むことが好ましい場合がある。好ましくは、SMCポリマー対いずれか任意の吸収剤若しくは非吸収性繊維、又は他のマトリックス薬剤の重量比は、少なくとも1:1、好ましくは少なくとも3:2、少なくとも2:1、少なくとも3:1、又は少なくとも4:1である。
【0099】
好ましくは、吸収性構造は、少なくともSMCポリマー(SMCポリマーを含む部分)をラップするラッピング材料、いわゆるコアラップ材料を含む。好ましい一実施形態では、コアラップ材料は、ユーザの皮膚から上層と下層とを含み、後者は、ユーザの皮膚から最も遠くにあり、コアラップ材料は、上層及び/又は下層の全体として、例えば、スパンボンド、メルトブロウン、及び/又はカード不織材等の不織布材料から提供され得る。好ましい材料の一つは、スパンボンド層と、メルトブロウン層と、もう一つのスパンボンド層とを含む、いわゆるSMS材料である。
【0100】
本発明の好ましい実施形態では、吸収性構造は、ラッピング材料である本明細書に記載のSMCポリマーと、非吸収性繊維の形態であり得る、熱可塑性材料及び/又は接着剤及び/又は熱可塑性接着剤と、を含む。
【0101】
本明細書で好ましい使い捨て吸収性物品は、トップシートとバックシートとを有し、そのそれぞれが、前部と、後部と、それらの間に位置決めされる股部とを有する。本発明のSMCポリマーを有する吸収性構造は、典型的に、トップシートとバックシートとの間に位置決めされる。好ましいバックシートは、蒸気透過性であるが、液体不透過性である。
好ましいトップシート材料は、少なくとも部分的に親水性であり、また、いわゆる有孔トップシートも好ましい。
【0102】
これらの好ましい吸収性物品は、典型的に、液体不透過性(しかし、好ましくは空気又は水蒸気透過性)バックシート、バックシートに接合した、ないしは別の方法で関連付けられた流体透過性トップシートを含む。このような物品は、当該技術分野において周知であり、本明細書全体を通じて言及される様々な文献に詳細に開示されている。
【0103】
本明細書で好ましいおむつ及びトレーニングパンツは、当該技術分野において既知のように、1組以上の脚弾性部及び/又はバリアレッグカフを有する。
【0104】
本明細書で参照される試験方法
測定は、特に明記しない限り、周囲温度23±2℃、相対湿度50±10%で行われるべきである。
【0105】
含水率
含水量は、ポリマーを105℃で3時間乾燥し、乾燥後のポリマーの重量減少によって含水量を決定することを伴うEdana試験番号ERT 430.1−99(1999年2月)によって決定することができる。
【0106】
遠心保持容量(CRC)
本明細書で参照される遠心分離保持能は、EDANA(ヨーロッパ使い捨て及び不織布協会(European Disposables and Nonwovens Association))推奨試験方法No.441.2−02「遠心分離保持能」によって測定される。
【0107】
抽出可能物
吸水性ポリマー粒子の抽出可能な画分は、EDANA(ヨーロッパ使い捨て及び不織布協会)推奨試験方法No.470.2−02「抽出可能物」に従って決定される。
【0108】
EDANA試験方法は、例えば、ヨーロッパ使い捨て品及び不織布協会(Avenue
Eugene Plasky 157,B−1030 Brussels,Belgium)で入手可能である。
【0109】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図している。例えば、「40ミリメートル」として開示される寸法は、「約40ミリメートル」を意味するものである。
【0110】
相互参照される、又は関連するすべての特許又は特許出願を含む、本願に引用されるすべての文書を、特に除外すること又は限定することを明言しないかぎりにおいて、その全容にわたって本願に援用するものである。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請求されるすべての発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他のすべての参照文献とのあらゆる組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書において、用語の任意の意味又は定義の範囲が、参考として組み込まれた文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
【0111】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。