(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073403
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】イメージデータ生成方法及びイメージデータ生成装置
(51)【国際特許分類】
H04N 9/07 20060101AFI20170123BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20170123BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
H04N9/07 A
H04N5/232 Z
G09G3/20 612U
G09G3/20 691G
G09G3/20 642J
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-85456(P2015-85456)
(22)【出願日】2015年4月17日
(65)【公開番号】特開2016-116207(P2016-116207A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2015年4月17日
(31)【優先権主張番号】103144104
(32)【優先日】2014年12月17日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】511248629
【氏名又は名称】由田新技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一
(72)【発明者】
【氏名】鄒嘉駿
(72)【発明者】
【氏名】林品▲傑▼
(72)【発明者】
【氏名】許佳微
【審査官】
鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−176788(JP,A)
【文献】
特開2010−147986(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 9/04 − 9/11
H04N 5/222− 5/257
G09G 3/00 − 3/08
G09G 3/12
G09G 3/16
G09G 3/19 − 3/26
G09G 3/30
G09G 3/34
G09G 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光センサーにより原画像を獲得し、前記感光センサーは複数の感光ユニットを具備し、各前記感光ユニットで検出された複数の輝度値により前記原画像における表示画素を形成し、各前記感光ユニットはN1×N2個の感光画素を含み、N1とN2は正の整数であるイメージデータ生成方法であって、
各前記感光ユニットの前記原画像における対応する最大輝度分布範囲を獲得し、
各前記感光ユニットの前記原画像における対応する前記最大輝度分布範囲を獲得するステップは、
各前記感光ユニットのN1個の感光画素列における前記複数の輝度値の最高のM個の前記感光画素列を読み取り、前記M個の感光画素列はM×N2個の前記感光画素を含み、N1が3の倍数の時、MはN1/3であると設定され、N1が3の倍数ではない時、Mは整数xまたはx+1であると設定され、xはN1/3で得られる商の値に1を加えた数に等しく、
前記M個の感光画素列が前記最大輝度分布範囲であると設定することを含み、
複数の色光がそれぞれ対応する前記最大輝度分布範囲内の前記輝度値を加算することにより、各前記感光ユニットの前記色光毎の加算後の輝度値を獲得し、
各前記感光ユニットの前記色光毎の前記加算後の輝度値を、調整後のイメージが対応する表示画素の画素データであると設定する、
ことを特徴とするイメージデータ生成方法。
【請求項2】
前記色光は赤色光、緑色光、及び青色光を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のイメージデータ生成方法。
【請求項3】
前記M個の感光画素列が前記最大輝度分布範囲であると設定するステップは、
各前記色光に対して、各前記感光ユニットにおいて各前記感光画素列の前記輝度値を加算し、
前記輝度値を加算後の値における最高の前記M個の感光画素列を前記最大輝度分布範囲であると設定することを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のイメージデータの生成方法。
【請求項4】
前記M個の感光画素列が前記最大輝度分布範囲であると設定するステップは、
各前記色光に対して、各前記感光ユニットにおいて各前記感光画素列の前記輝度値を加算した後平均し、
前記輝度値を加算後に平均した値における最高のM個の感光画素列を前記最大輝度分布範囲であると設定することを含む、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のイメージデータ生成方法。
【請求項5】
前記M個の感光画素列が前記最大輝度分布範囲であると設定するステップは、
各前記色光に対して、各前記感光ユニットで各前記感光画素列において半数を超えた前記輝度値が閾値より大きいか否かを判断し、
半数を超えた前記輝度値が閾値より大きい前記M個の感光画素列を前記最大輝度分布範囲であると設定する、
ことを特徴とする請求項1から4いずれか一項に記載のイメージデータ生成方法。
【請求項6】
イメージデータ生成装置において、
複数の感光ユニットを含み、各前記感光ユニットによって検出された複数の輝度値によって原画像における表示画素を形成し、各前記感光ユニットはN1×N2個の感光画素を含み、N1とN2は正の整数である感光センサーと、
複数のモジュールを含む記憶ユニットと、
前記感光センサー及び前記記憶ユニットに結合され、且つ前記感光センサーによって前記原画像を形成するためイメージデータを獲得した後、前記複数のモジュールにより調整後のイメージを生成する処理ユニットと、
前記複数のモジュールは、
各前記感光ユニットの前記原画像における対応する最大輝度分布範囲を獲得する輝度検出モジュールと、
複数の色光がそれぞれ対応する前記最大輝度分布範囲内の前記複数の輝度値を加算することにより、各前記感光ユニットの前記色光毎の加算後の輝度値を獲得する輝度加算モジュールと、
各前記感光ユニットの前記色光毎の前記加算後の輝度値を前記調整後のイメージが対応する表示画素の画素データであると設定するイメージ生成モジュールと、
を備え、
前記輝度検出モジュールは、各前記感光ユニットのN1個の感光画素列における前記複数の輝度値の最高のM個の前記感光画素列を読み取り、前記最大輝度分布範囲は前記M個の感光画素列であると設定し、前記M個の感光画素列はM×N2個の前記感光画素を含み、N1が3の倍数の時、MはN1/3であると設定され、N1が3の倍数ではない時、Mは整数xまたはx+1であると設定され、xはN1/3で得られる商の値に1を加えた数に等しいことを特徴とするイメージデータ生成装置。
【請求項7】
前記複数の色光は赤色光、緑色光、及び青色光を含むことを特徴とする請求項6に記載のイメージデータ生成装置。
【請求項8】
前記輝度検出モジュールは、各前記色光に対して、各前記感光ユニットにおいて各前記感光画素列の前記輝度値を加算し、
前記輝度値を加算後の値における最高の前記M個の感光画素列を前記最大輝度分布範囲であると設定する、
ことを特徴とする請求項6に記載のイメージデータ生成装置。
【請求項9】
前記輝度検出モジュールは、各前記色光に対して、各前記感光ユニットにおいて各前記感光画素列の前記輝度値を加算した後平均し、
前記輝度値を加算後に平均した値における最高のM個の感光画素列を前記最大輝度分布範囲であると設定する、
ことを特徴とする請求項6から8の何れか1項に記載のイメージデータ生成装置。
【請求項10】
前記輝度検出モジュールは、各前記色光に対して、各前記感光ユニットで各前記感光画素列において半数を超えた前記輝度値が閾値より大きいか否かを判断し、
半数を超えた前記複数の輝度値が閾値より大きい前記M個の感光画素列を前記最大輝度分布範囲であると設定する、
ことを特徴とする請求項6から9いずれか一項に記載のイメージデータ生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はイメージ処理のメカニズムに関し、特にイメージデータ生成方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展に伴い、現在の生活ではデジタルカメラが生活において不可欠な電気製品となっている。デジタルカメラは感光センサーを利用して光線を電荷信号に変換するものである。デジタルカメラの感光センサーは、光線がレンズを通過した後の画像に対してサンプリング動作を行うので、サンプリングしたいターゲットが密集しており且つ重複する図形或いは線を具備するパターンの時であって、感光センサーの空間解像度(Spatial Resolution)がちょうど足りない時、サンプリングのターゲットを有効に解析することができず、このため、生成されたイメージにおいて元々は肉眼では発見されない干渉縞等のイメージの歪み現象が見られる。
【0003】
デジタルカメラ製造メーカーはこの問題を解決するため、デジタルカメラの中にローパスフィルタ(Low-Pass Filter,LPF)を設け、ローパスフィルタによって空間周波数(spatial frequency)がとても高い光線が感光センサーに進入するのを遮断し、干渉縞の生成を低減させる。しかし、ローパスフィルタは画像の詳細を減損させるので、画像の鮮鋭さが低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−271058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はイメージデータ生成方法及び装置を提供し、原画像における影の現象を低減させる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上述の課題を解決するため以下の構成を備える。
感光センサーにより原画像を獲得し、前記感光センサーは複数の感光ユニットを具備し、各前記感光ユニットは複数の感光画素を具備し、各前記感光ユニットで検出された複数の輝度値により前記原画像における表示画素を形成するイメージデータ生成方法であって、
各前記感光ユニットの前記原画像における対応する最大輝度分布範囲を獲得し、
複数の色光がそれぞれ対応する前記最大輝度分布範囲内の前記輝度値を加算することにより、各前記感光ユニットの前記色光毎の加算後の輝度値を獲得し、
各前記感光ユニットの前記色光毎の前記加算後の輝度値を、調整後のイメージが対応する表示画素の画素データであると設定する。
【0007】
前記色光は赤色光、緑色光、及び青色光を含み、各前記感光ユニットはN1×N2個の前記感光画素を含み、N1とN2は正の整数であり、
各前記感光ユニットの前記原画像における対応する前記最大輝度分布範囲を獲得するステップは、
各前記感光ユニットのN1個の感光画素列における前記複数の輝度値の最高のM個の感光画素列を読み取り、前記最大輝度分布範囲は前記M個の感光画素列であると設定し、前記M個の感光画素列はM×N2個の前記感光画素を含み、N1が3の倍数の時、MはN1/3であると設定され、N1が3の倍数ではない時、MはN1/3の最小整数xより小さくなく或いはMはx+1の整数に設定されることを含む。
【0008】
前記最大輝度分布範囲は前記M個の感光画素列であると設定するステップは、
各前記色光に対して、各前記感光ユニットにおいて各前記感光画素列の前記輝度値を加算し、
前記輝度値を加算後の値における最高の前記M個の感光画素列を前記最大輝度分布範囲であると設定することを含む。
【0009】
前記最大輝度分布範囲は前記M個の感光画素列であると設定するステップは、
各前記色光に対して、各前記感光ユニットにおいて各前記感光画素列の前記輝度値を加算した後平均し、
前記輝度値を加算後に平均した値における最高のM個の感光画素列を前記最大輝度分布範囲であると設定することを含む。
【0010】
前記最大輝度分布範囲は前記M個の感光画素列であると設定するステップは、
各前記色光に対して、各前記感光ユニットで各前記感光画素列において半数を超えた前記輝度値が閾値より大きいか否かを判断し、
半数を超えた前記輝度値が閾値より大きい前記M個の感光画素列を前記最大輝度分布範囲であると設定する。
【0011】
イメージデータ生成装置において、
複数の感光ユニットを含み、各前記感光ユニットは複数の感光画素を含み、各前記感光ユニットによって検出された複数の輝度値によって原画像における表示画素を形成する感光センサーと、
複数のモジュールを含む記憶ユニットと、
前記感光センサー及び前記記憶ユニットに結合され、且つ前記感光センサーによって前記原画像を形成するためイメージデータを獲得した後、前記複数のモジュールにより調整後のイメージを生成する処理ユニットと、
前記複数のモジュールは、
各前記感光ユニットが前記原画像における対応する最大輝度分布範囲を獲得する輝度検出モジュールと、
複数の色光がそれぞれ対応する前記最大輝度分布範囲内の前記複数の輝度値を加算することにより、各前記感光ユニットの前記色光毎の加算後の輝度値を獲得する輝度加算モジュールと、
各前記感光ユニットの前記色光毎の前記加算後の輝度値を前記調整後のイメージが対応する表示画素の画素データであると設定するイメージ生成モジュールと、
を備える。
【発明の効果】
【0012】
上述のように、本発明の調整後のイメージは、原画像において具備する干渉縞等の影の現象を大幅に低減することができ、調整後のイメージのシャープネスを向上させ、後続する各イメージ処理、イメージ分析を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施例に基づいたイメージデータ生成装置のブロック図である。
【
図2】本発明の一実施例に基づいた感光ユニットの模式図である。
【
図3】本発明の一実施例に基づいた記憶ユニットのブロック図である。
【
図4】本発明の一実施例に基づいたイメージデータの生成方法のフローチャートである。
【
図5A】本発明の一実施例に基づいた単一の感光ユニットに対する最大輝度分布範囲の模式図である。
【
図5B】本発明の一実施例に基づいた単一の感光ユニットに対する最大輝度分布範囲の模式図である。
【
図5C】本発明の一実施例に基づいた単一の感光ユニットに対する最大輝度分布範囲の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は上述の特徴と利点をより分かり易くするため、以下実施例を挙げて、図面と共に詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施例に基づいたイメージデータ生成装置のブロック図である。
図1を参照すると、イメージデータ生成装置100は例えばデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、スマートフォン等の画像取得機能を有する電気装置である。ここで、イメージデータ生成装置100は感光センサー110、処理ユニット120、及び記憶ユニット130を含む。処理ユニット120は、感光センサー110及び記憶ユニット130に結合される。感光センサー110を利用してレンズ(図示せず)を介した光線をキャプチャして光線を電荷信号に変換する。その後、処理ユニット120は電荷信号を受信して、電荷信号に対してサンプリングおよびデジタル化を行なって、デジタル化されたイメージデーターを獲得し、その後、イメージデータを記憶ユニット130に記憶する。
【0016】
感光センサー110は、例えば電荷結合デバイス(Charge coupled device,CCD)或いは相補型金属酸化物トランジスタ(Complementary metal oxide semiconductor transistors,CMOS)である。処理ユニット120は、例えば中央処理ユニット(Central Processing Unit,CPU)、マイクロプロセッサー(microprocessor)、デジタルシグナルプロセッサー(digital signal processor,DSP)等である。記憶ユニット130は、不揮発性メモリ(Non-volatile memory)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)或いはハードディスクドライブ等である。
【0017】
具体的には、
図2は本発明の一実施例に基づいた感光ユニットの模式図である。ここで、感光センサー110は複数の感光ユニットU(すなわち、
図2において太い黒い線で示した範囲)を含む。それぞれの感光ユニットUはN1×N2個の感光画素SPを含み、
図2において破線で描かれた円形枠内に拡大図が示される。上述したN1とN2は正の整数であり、N1はN2と等しくても良く、或いはN1はN2と異なっても良い。説明を容易にするため、本実施例では感光センサー110は5×6セットの感光ユニットUを含むように設定し、且つ1つの感光ユニットUは5×5個の感光画像SPを含むものとする。
【0018】
本実施例において、1つの感光画素SPは赤色、緑色、青色の3色光の波長強度を検出することができる。つまり、本実施例における原画像のそれぞれの表示画素は、5×5個の感光画素SPが検出した5×5セットのRGB輝度値により構成されるものである。
【0019】
本実施例はプログラムコードによって実現されるものである。例えば、記憶ユニット130は複数のコードスニペットを記憶し、上述したコードスニペットは実装された後、処理ユニット120によって実施される。例えば、記憶ユニット130においては複数のモジュールを含み、これらのモジュールによってそれぞれ複数の機能が実行され、各モジュールは1つ或いは複数のコードスニペットによって構成されるものである。
【0020】
図3は発明の一実施例に基づいた記憶ユニットのブロック図である。
図3を参照すると、記憶ユニット130は輝度検出モジュール301、輝度加算モジュール303、及びイメージ生成モジュール305を含む。輝度検出モジュール301は、感光ユニットU毎の各色光に含まれる複数の輝度値に基づいて、感光ユニットU毎の各色光が対応する最大輝度分布範囲を獲得する。輝度加算モジュール303は、各感光ユニットUの各色光が対応する最大輝度分布範囲内の複数の輝度値を加算して、各感光ユニットUの各色光の加算後の輝度値を獲得する。イメージ生成モジュール305は、感光ユニットU毎の各色光の加算後の輝度値を、調整後のイメージが対応する表示画素の画素データであると設定する。
【0021】
図4は本発明の一実施例に基づいたイメージデータの生成方法のフローチャートである。
図1〜
図4を参照し、本実施例において、処理ユニット120は感光センサー110により原画像を形成するためイメージデータを獲得する。感光センサー110が検出したイメージデータにおいては複数の色光の輝度値が含まれている。上述色光は赤色光、緑色光、及び青色光が含まれる。
【0022】
ステップS410では、処理ユニット120が輝度検出モジュール301により各感光ユニットUの原画像における対応する最大輝度分布範囲を獲得する。すなわち、輝度検出モジュール301は原画像の各表示画素において、各色光が含む複数の輝度値に基づいて、各感光ユニットUの各色光が対応する最大輝度分布範囲を獲得する。
【0023】
具体的には、輝度検出モジュール301は感光ユニットU毎のN1個の感光画素列において、輝度値が最高のM個の感光画素列を読み出し、最大輝度分布範囲はM個の感光画素列であると設定し、すなわち、M×N2個の感光画素SPと設定する。N1が3の倍数のとき、MはN1/3であると設定され、N1が3の倍数ではないとき、MはN1/3の最小整数xより小さくないと設定され、或いはMはx+1と設定される。
【0024】
例えば、N1が3の倍数であるとき、6×6個の感光画素SPにとっては、Mは2であると設定される。すなわち、最大輝度分布範囲は2×6個の感光画素SPに設定される。また、N1が3の倍数ではない時、5×5個の感光画素SPにとっては、Mは5/3の最小整数xより小さくないと設定され、即ち2、或いはMは3であると設定される。すなわち、最大輝度分布範囲は2×5個の感光画素SPに設定され、或いは3×5個の感光画素SPであると設定される。
【0025】
輝度検出モジュール301は、各色光に対して、各感光ユニットの最大輝度分布範囲を検出する。例えば、赤色光を例にとると、輝度検出モジュール301は、その中の1つの感光ユニットUが検出した赤色光のN1×N2個の輝度値を先ず取得し、その後、これらの輝度値に基づいて最大輝度のM列の感光画素列を探し出す。緑色光と青色光もこれと同様の方法で行なう。
【0026】
最大輝度のM列の感光画素列を探し出すには以下の様に幾つかの方法がある。輝度検出モジュール301は、各色光に対して、感光ユニットU毎に、各感光画素列の輝度値を加算し、且つこれらの輝度値の加算後の値における最高のM個の感光画素列を最大輝度分布範囲であると設定する。或いは、輝度検出モジュール301は各色光に対して、感光ユニットU毎において、各感光画素列の最大輝度値を加算した後平均し、且つ加算後に平均した値における最高のM個の感光画素列を最大輝度分布範囲であると設定する。また、輝度検出モジュール301も各色光に対して、感光ユニットU毎に、各感光画素列において半数を超えた輝度値が閾値より大きいか否かを判断し、且つ半数を超えた輝度値が閾値より大きいM個の感光画素列を最大輝度分布範囲であると設定する。しかし、上述した内容は例にすぎず、本発明はこれに限られるものではない。
【0027】
以下例を挙げて単一の感光ユニットの最大輝度分布範囲を説明する。
【0028】
図5A〜
図5Cは本発明の一実施例に基づいた単一の感光ユニットに対する最大輝度分布範囲の模式図である。本実施例において、原画像における表示画素が対応する感光ユニットU1を例として、感光ユニットU1は、5×5個の感光画素を含む。ただし、これは例を挙げたにすぎず、本発明はこれに限られるものではない。
【0029】
ここで、感光ユニットU1におけるその中の一種の色光の最大輝度分布範囲は、例えば2×5個の感光画素SPであり、例えば
図5A〜
図5Cに示された最大輝度分布範囲501〜503の中の一種のようになる。ただし、これは例を挙げたにすぎず、実際の分布状況に応じて変化する。その他の実施例において、最大輝度分布は3×5個の感光画素SPでも差し支えない。最大輝度分布の含む感光画素列は連接されて一体となる。
【0030】
感光ユニット毎における各色光の最大輝度分布範囲を獲得した後、ステップS415において、処理ユニット120は輝度加算モジュール303により感光ユニット毎における各色光が対応する最大輝度分布範囲内の輝度値を加算することにより、感光ユニット毎における各色光の加算後の輝度値を獲得する。
【0031】
ステップS420において、処理ユニット120はイメージ生成モジュール305により、感光ユニット毎の各色光の加算後の輝度値を、調整後のイメージが対応する表示画素の画素データであると設定する。
【0032】
図5A〜
図5Cの感光ユニットを例として、
図5Aで示したのが、赤色光の最大輝度分布範囲501であるとしたならば、
図5Bで示したのが緑色光の最大輝度分布範囲502であり、
図5Cで示したのが青色光の最大輝度分布範囲503である。ただし、これらは説明を容易にするためのものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。輝度加算モジュール303は、最大輝度分布範囲501が含む輝度値を加算することによって加算後の輝度値R−Sumを獲得し、最大輝度分布範囲502が含む輝度値を加算することによって加算後の輝度値G−Sumを獲得し、最大輝度分布範囲503が含む輝度値を加算することによって、加算後の輝度値B−Sumを獲得する。このため、輝度加算モジュール303は、感光ユニットU1に対応する1セットの新たな画素データ(R-Sum, G-Sum, B-Sum)を獲得することができる。
【0033】
その後、イメージ生成モジュール305は原画像の画素の寸法に基づいて調整後のイメージを生成し、且つ輝度加算モジュール303が獲得した新たな画素データ(R-Sum, G-Sum, B-Sum)を調整後のイメージにおける感光ユニットU1に対応する表示画素の画素データであると設定する。これに類推する方法で、上述した方法により調整後のイメージにおける各表示画素のイメージデータを逐一設定しても良い。
【0034】
原画像における各RGBデータは24ビット(bit)を使用して表示する(即ち、1色光は8ビットを使用する)とした場合、原画像における1つの表示画素はN1×N2個の24ビットのメモリ空間を使用する。調整後のイメージにおけるRGBデータ毎に例えば48ビットを使用して表示する(即ち、1色光は16ビットを使用する)とした場合、調整後のイメージにおける1つの表示画素は48ビットのメモリ空間を使用するのみである。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上の様に、エネルギーの角度から分析すると、感光ユニットの大きさと配置方式の相違は、感光ユニットが出力するイメージデータが影の現象を生成することになるけれども、サンプリングしたいターゲット全体により、感光ユニットに投射されるエネルギーは、イメージのエネルギーと輝度を実際に反映したものとすることができる。各色光の最大輝度分布を探し出すことにより、感光ユニットにおける散乱によって検出された輝度値をフィルタリングすることができ、これにより、イメージとサンプリングしたいターゲットの間の輝度の類似度を復元することができ、更に干渉縞の生成を低減させることができ、イメージの詳細な表限度を更に向上させることができる。
【0036】
本発明は実施例の如く説明したが、この実施例は本発明の範囲を限定するものではなく、以下なり技術における通常の知識を具備する者が、本発明の精神と範囲を逸脱しない範囲で、変更・附加が許されるものであり、本発明の保護範囲は均等の範囲にも及ぶものとする。
【符号の説明】
【0037】
100 イメージデータ生成装置
110 感光センサー
120 処理ユニット
130 記憶ユニット
301 輝度検出モジュール
303 輝度加算モジュール
305 イメージ生成モジュール
501〜503 最大輝度分布範囲
SP 感光画素
U、U1 感光ユニット
S410〜S420 イメージデータ生成方法の各ステップ