特許第6073417号(P6073417)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6073417自然殺害細胞増殖方法、及び自然殺害細胞増殖用の組成物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073417
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】自然殺害細胞増殖方法、及び自然殺害細胞増殖用の組成物
(51)【国際特許分類】
   C12N 5/078 20100101AFI20170123BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20170123BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20170123BHJP
【FI】
   C12N5/078
   A61P35/00
   A61K35/17 A
【請求項の数】15
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-128928(P2015-128928)
(22)【出願日】2015年6月26日
(65)【公開番号】特開2017-12010(P2017-12010A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2015年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】515176553
【氏名又は名称】チャ バイオテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100118773
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 節
(74)【代理人】
【識別番号】100122389
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 栄一
(74)【代理人】
【識別番号】100111741
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 夏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100169971
【弁理士】
【氏名又は名称】菊田 尚子
(74)【代理人】
【識別番号】100196966
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 渉
(72)【発明者】
【氏名】バク,ヨン ソク
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,ミキョン
(72)【発明者】
【氏名】カン,ユ ラ
【審査官】 藤澤 雅樹
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−514024(JP,A)
【文献】 特開2010−220479(JP,A)
【文献】 特表2014−510517(JP,A)
【文献】 特表2015−502756(JP,A)
【文献】 特開2011−045375(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/112491(WO,A1)
【文献】 特表2015−526088(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/030851(WO,A1)
【文献】 「ナチュラルキラー細胞を高純度に作製できる新技術を開発」、ニュースリリース、タカラバイオ株式会社、2010年12月9日、[2016年5月19日検索]、インターネット<URL: http://www.takara-bio.co.jp/release/?p=205>,URL,http://www.takara-bio.co.jp/release/?p=205
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 5/00
CAplus/BIOSIS/MEDLINE/WPIDS/WPIX(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自然殺害細胞を、
第1インターロイキンとしてIL−2と、
第2インターロイキンとして、IL−12、IL−15及びIL−18からなる群から選択される1種以上と、
抗NKp46抗体含む培養液で培養する段階を含み、
培養は、ガンマグロブリン及びフィブロネクチンの存在下で培養するものである、自然殺害細胞の増殖方法。
【請求項2】
前記自然殺害細胞増殖は、末梢血液単核細胞を培養することを特徴とする請求項1に記載の自然殺害細胞の増殖方法。
【請求項3】
前記末梢血液単核細胞は、凍結保存された後で解凍された状態であることを特徴とする請求項2に記載の自然殺害細胞の増殖方法。
【請求項4】
前記凍結は、4ないし−42℃の範囲の第1凍結段階、−42ないし−15℃範囲の第2凍結段階、及び−15ないし−120℃範囲の第3凍結段階からなる凍結方法によって行われることを特徴とする請求項3に記載の自然殺害細胞の増殖方法。
【請求項5】
前記自然殺害細胞増殖方法は、
ガンマグロブリン及びフィブロネクチンがコーティングされた培養容器に、末梢血液単核細胞と培養液とを入れて培養する第1培養段階と、
前記第1培養段階において、培養された培養物に培養液をさらに添加して培養する第2培養段階と、を含む自然殺害細胞の増殖方法であり、
前記培養液は、第1インターロイキンとしてIL−2と、第2インターロイキンとして、IL−12、IL−15及びIL−18からなる群から選択される1種以上と、抗NKp46抗体と、血漿と、を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の自然殺害細胞の増殖方法。
【請求項6】
前記血漿は、末梢血液単核細胞が由来した末梢血液から分離したものであることを特徴とする請求項に記載の自然殺害細胞の増殖方法。
【請求項7】
第1培養段階及び第2培養段階の培養液内で、IL−2濃度は、500ないし5,000IU/mlであることを特徴とする請求項5又は6に記載の自然殺害細胞の増殖方法。
【請求項8】
前記第2培養段階後、培養物中におけるIL−2濃度を、4/5ないし1/10以下に低めて培養する第3培養段階をさらに含むことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の自然殺害細胞増殖方法。
【請求項9】
第3培養段階の培養液内で、IL−2濃度は、100ないし1,500IU/mlであることを特徴とする請求項に記載の自然殺害細胞増殖方法。
【請求項10】
増殖された自然殺害細胞が、増殖前の自然殺害細胞に比べ、CD56、CD16、NKG2D、パーフォリン及びグランザイムBからなる群から選択される1以上を高く発現することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の自然殺害細胞の増殖方法。
【請求項11】
請求項1ないし10のうちいずれか1項に記載の方法によって自然殺害細胞を増殖させる段階、及び増殖された自然殺害細胞をデキストラン及びアルブミンを含む溶液に懸濁して保管する段階を含む自然殺害細胞製造方法。
【請求項12】
第1インターロイキンとして、IL−2と、
第2インターロイキンとして、IL−12、IL−15及びIL−18からなる群から選択される1種以上と、
抗NKp46抗体と、
ガンマグロブリン及びフィブロネクチンと
を含む自然殺害細胞増殖用の組成物。
【請求項13】
前記組成物は、末梢血液単核細胞から自然殺害細胞を増殖させるためのものであることを特徴とする請求項12に記載の自然殺害細胞増殖用の組成物。
【請求項14】
前記末梢血液単核細胞は、凍結保存された後で解凍された状態であることを特徴とする請求項13に記載の自然殺害細胞増殖用の組成物。
【請求項15】
前記組成物は、末梢血液単核細胞が由来した末梢血液から分離した血漿を追加して含むことを特徴とする請求項13に記載の自然殺害細胞増殖用の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自然殺害細胞増殖方法、及びその増殖用組成物、並びに増殖された自然殺害細胞の抗癌効果増大に関する。
【背景技術】
【0002】
免疫細胞治療法に利用されている自然殺害細胞(natural killer cell、「NK細胞」ともする)は、形態学的に、細胞質に大きい顆粒を有する細胞であり、血液内リンパ球の約5〜15%を占める。現在まで明らかにされたNK細胞の主要機能としては、腫瘍細胞を殺害することができる能力、ウイルス感染細胞に対する細胞毒性、及び細菌及び真菌を殺害する能力などがある。従って、NK細胞は、抗腫瘍、免疫、及び微生物に対する保護免疫に係わり、重要な役割を行うものであると期待される。
【0003】
NK細胞は、T細胞受容体、CD4または免疫グロブリンのような細胞表面受容体を有しておらず、既存のT細胞及びB細胞とは異なる独特の免疫細胞と分類される。特に、NK細胞は、非特異的に癌を殺傷することができる能力がある細胞として知られている。このようなNK細胞の殺害能力は、リンホカイン活性殺生細胞(LAK:lymphokine activated killer cell)及び腫瘍浸潤リンパ球(TIL:tumor infiltration lymphocytes)と共に、固形癌治療に活用されたり、あるいは供与者リンパ球注入(donor lymphocyte infusion)を介した免疫治療法(非特許文献1)を遂行することにより、骨髄移植時や臓器移植時に発生する拒絶反応を防止するための新たな細胞治療法に応用される。また、NK細胞の分化及び活性における欠陥は、乳癌(非特許文献2)、黒色腫癌(非特許文献3)、肺癌(非特許文献4)など多様な癌疾患と関連していると報告されている。そのような意味において、かような疾患の治療分野において、NK細胞治療法が注目されている。
【0004】
NK細胞を、抗癌など免疫細胞治療に効果的に利用するためには、多数のNK細胞確保が要求される。しかし、前述のように、NK細胞は、健常者の場合にも、血液内リンパ球の5〜15%に過ぎず、癌患者においては、NK細胞の数、分化及び機能が頻繁に低下しており、事実上、疾病治療のために十分な細胞数の確保が困難な実情である。また、既存に開発されたNK細胞の増殖方法によって得られたNK細胞は、増殖率及び細胞毒性(cytotoxicity)活性能において、多様な偏差が存在する。従って、十分な癌細胞殺傷能を維持するNK細胞の多量確保のための新たなNK細胞の増殖方法または分化方法が切実に要求されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Tilden. A. B. et al., J. Immunol., 136
【非特許文献2】KonjevicG, et al., Breast Cancer Res. Treat., 66: 255-263, 2001
【非特許文献3】Ryuke Y, et al., Melanoma Res., 13: 349-356, 2003
【非特許文献4】Villegas FR, et al., Lung Cancer, 35: 23-28, 2002
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、抗癌効果が向上された自然殺害(NK)細胞の増殖方法を提供することである。
【0007】
本発明が解決しようとする課題はまた、自然殺害細胞増殖用組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために本発明は、自然殺害(NK)細胞を、第1インターロイキン、第2インターロイキン及び抗NKp46抗体を含む培養液で培養する段階を含む自然殺害細胞増殖方法を提供している。
【0009】
前記課題を解決するために本発明はまた、 第1インターロイキン、第2インターロイキン及び抗NKp46抗体を含む自然殺害細胞増殖用の組成物を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明による自然殺害(NK)細胞増殖方法、または自然殺害細胞増殖用の組成物は、自然殺害細胞増殖及び分化を促進させることができ、細胞毒性活性が増大した自然殺害細胞を安定して提供することができる。また、これによって製造された自然殺害細胞は、抗癌治療など疾病治療に有用に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】本発明の一具体例による増殖方法によって得られた総細胞数の結果である。
図1B】本発明の一具体例による増殖方法によって得られたNK細胞数(B)の増殖倍数の結果である。
図2A】多様な具体例による増殖方法によって得られた総細胞数の結果である。
図2B】多様な具体例による増殖方法によって得られたNK細胞の比率結果である。
図3】IL−2濃度によるNK細胞増殖効果を示す結果である。
図4A】IL−12濃度によるNK活性を示す結果である。
図4B】IL−18濃度によるNK活性を示す結果である。
図5】本発明の一具体例による増殖方法によって得られたNK細胞の流細胞分析結果である。
図6】一具体例によって得られたNK細胞の活性化受容体を、流細胞分析器を利用して示す結果である。
図7】一具体例によって得られたNK細胞において、抗癌物質の発現を確認するための流細胞分析結果を示すグラフである。
図8】多様な具体例によって得られたNK細胞の白血病細胞株であるK562細胞に対する癌細胞殺傷度(cell lysis)%を、流細胞分析方法で評価した結果を示すグラフである。
図9】一具体例によって得られたNK細胞の癌細胞殺傷度(cell lysis)%を、流細胞分析方法で評価した結果を示し、K562(慢性白血病)、OVCAR3(卵巣癌)、Hep3B(肝臓癌)、HepG2(肝臓癌)、A704(腎臓癌)、DU145(前立腺癌)に対する癌細胞殺傷度に係るものである。
図10A】Donor 1における培養前PBMC特性のうち、NK細胞(Q9,CD3−CD56+)の比率を示す図面である。
図10B】Donor 1における培養前PBMC特性のうち、CD16が発現するNK細胞(Q2,CD16+CD56+)を示す。
図10C】Donor 1における培養前PBMC特性のうち、B細胞(Q5,CD3−CD19+)を示す図面である。
図10D】Donor 1における培養前PBMC特性のうち、K562細胞において、cytotoxicity(7AAD+,E:T=10:1)を示す図面である。
図11A】Donor 1の凍結及び解凍の過程を経たPBMCにおいて、14日培養した細胞の特性のうち、NK細胞(Q5,CD3−CD56+)の比率を示す図面である。
図11B】Donor 1の凍結及び解凍の過程を経たPBMCにおいて、14日培養した細胞の特性のうち、CD16が発現するNK細胞(Q10,CD16+CD56+)を示す図面である。
図11C】Donor 1の凍結及び解凍の過程を経たPBMCにおいて、14日培養した細胞の特性のうち、B細胞(Q1,CD3−CD19+)を示す図面である。
図11D】Donor 1の凍結及び解凍の過程を経たPBMCにおいて、14日培養した細胞の特性のうち、K562細胞におけるcytotoxicity(7AAD+,E:T=10:1)を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一様態は、NK(natural killer)細胞を、第1インターロイキン(IL)、第2インターロイキン及び抗NKp46抗体を含む培養液で培養する段階を含むNK細胞増殖方法を提供する。
【0013】
前記第1インターロイキンは、IL−2でもある。
【0014】
前記第2インターロイキンは、インターロイキン−12(IL−12)、インターロイキン−15(IL−15)、インターロイキン−18(IL−18)からなる群から選択される1種以上のインターロイキンでもある。また望ましくは、前記第2インターロイキンは、IL−12、IL−18、IL−12/IL−18、またはIL−12/IL−15/IL−18でもあり、さらに望ましくは、IL−18である。
【0015】
前記NK細胞の培養は、ガンマグロブリン(IgG)及びフィブロネクチンの存在の下に前記の第1インターロイキン、第2インターロイキン、及び抗NKp46抗体を含む培養液で培養することでもある。本発明の方法は、NK細胞をガンマグロブリン(IgG)及びフィブロネクチンの存在下で培養することにより、NK細胞の抗癌効果がさらに向上する。
【0016】
本明細書において、用語「細胞増殖」は、細胞が一連の細胞分裂段階を経て、培養物で細胞の数が増加したり、あるいは細胞が分化したりすることを意味する。用語「自然殺害細胞増殖」は、一連の細胞分裂段階を経て、培養物でNK細胞の数が増加したり、あるいは未成熟血液細胞において、NK細胞への分化によって、NK細胞数が増加したりすることを意味する。従って、前記「自然殺害細胞増殖」は、前記NK細胞数の増加、または未分化のリンパ球細胞が、NK細胞の形質を獲得し、NK細胞で分化またはNK細胞が未成熟状態で成熟NK細胞になる状態を含むことができる。
【0017】
前記増殖の原料になるNK細胞は、商業的に購入するか、あるいはヒトまたは動物から採取することができ、望ましくは、NK細胞による治療を必要とするヒトから供給されてもよい。また、前記NK細胞は、生体内任意の組織供給源から供給されてもよい。例えば、前記自然殺害細胞は、生体から採取された血液中にも含まれる。前記血液は、NK細胞を含む血液であるならば、本発明のNK細胞増殖方法に適用するためのNK細胞供給源として利用可能であり、例えば、全血、臍帯血、骨髄または末梢血液でもある。
【0018】
前記自然殺害細胞増殖は、例えば、末梢血液単核細胞の培養を含んでもよい。用語「末梢血液単核細胞(PBMC:peripheral blood mononuclear cells)」は、哺乳動物、望ましくは、ヒト末梢血液から分離された単核の細胞であり、主に、B細胞、T細胞、自然殺害細胞のような免疫細胞、及び好塩球(basophil)、好酸球(eosinophil)、好中球(neutrophil)のような顆粒球を含む。前記PBMCは、生体から採取した末梢血液から、一般的な製造方法によって設けることができる。望ましくは、前記PBMCは、フィコール(Ficoll)を利用した比重遠心分離法を利用して、末梢血液から分離することができる。
【0019】
また、前記末梢血液単核細胞は、治療を必要とする個体から得られるもの、すなわち、自家(autologous)末梢血液単核細胞でもある。前記末梢血液単核細胞が、自家末梢血液単核細胞である場合、増殖されたNK細胞集団において、一部T細胞が存在しても、全ての細胞が患者本人由来であるために、T細胞を除去する必要がないという長所がある。
【0020】
また、本発明のNK細胞増殖方法に利用される末梢血液単核細胞は、凍結されて保存されたものでもある。一具体例において、前記末梢血液単核細胞は、血液で分離された後、凍結させた後、それをさらに解凍させ、NK細胞増殖に利用することができる。前記凍結は、従来公知の方法を利用することができ、望ましくは、4ないし−42℃範囲の第1凍結段階、−42ないし−15℃範囲の第2凍結段階、及び−15ないし−120℃範囲の第3凍結段階からなる凍結方法によって凍結される。その場合、各凍結段階は、温度範囲内のさまざまな不連続的温度で、順次に一定時間試料を維持させることにより、各凍結段階の温度範囲の上限線または下限線まで温度を昇降させる。一具体例において、第1凍結段階は、0℃で10〜15分、−12℃で5〜10分、及び−42℃で0.5〜1分間の条件で凍結させ、前記第2凍結段階は、第1凍結段階後−25℃で1〜3分、及び−15℃で1〜3分の条件で凍結させ、前記第3凍結段階は、第2凍結段階後、−42℃で20〜40分、及び−120℃で20〜50分の条件で凍結させる過程からなってもよい。他の具体例において、前記第1凍結段階は、4〜−40℃範囲で、0.5〜5℃/mで凍結させ、前記第2凍結段階は、第1凍結段階後、−40〜−90℃範囲で、1〜10℃/mの条件で凍結させ、前記第3凍結段階は、第2凍結段階後、−90〜−120℃範囲で、1〜10℃/mの条件で凍結させる過程からなる。凍結方法の各凍結段階は、CRF(controlled rate freezer)によって遂行される。本発明の末梢血液単核細胞を凍結させる場合、分離した細胞をcryostor CS10、またはALyS505NK−EXとAlbumin+DMSOとの混合液で細胞を浮遊させ、適正な細胞数になるように調節した後で凍結することが望ましい。前記凍結保存された末梢血液単核細胞は、解凍後、本発明によるNK細胞の培養及び増殖に提供され、凍結過程を経ることにより、患者から血液を採取した後、所望する時期に、培養過程及び増殖過程を介して使用することができるという長所を有する。ほとんどの免疫細胞治療剤は、臨床で効果的な細胞数を生産するために、培養期間を2週間設定することにより、培養期間を考慮し、患者が2週ごとに採血をしなければならないという負担があり、患者のコンディションによって、細胞培養に影響を及ぼしてしまう。しかし、本発明は、高い生存率を維持し、活性化されたNK細胞の培養方法に効果的に適用することができる末梢血液単核細胞の凍結方法及び解凍方法を提供する。それによって、患者のコンディションの良好時に、多量の血液を確保し、分離した後で凍結させて保管しておくことができ、患者のコンディションに係わりなく、規則的にNK細胞の生産及び投与が可能になる。
【0021】
一様態によるNK細胞の増殖方法は、ガンマグロブリン(IgG)及びフィブロネクチンの存在下で、NK細胞を培養する。前記ガンマグロブリン及びフィブロネクチンの存在下での培養は、例えば、培養液中に、ガンマグロブリン及びフィブロネクチンが含まれているか、または培養面(細胞と接触する培養容器の面)に、ガンマグロブリン及びフィブロネクチンがコーティングされた培養容器で細胞を培養するものでもある。望ましくは、ガンマグロブリン及びフィブロネクチンがコーティングされた培養容器中で、NK細胞を培養するものである。前記ガンマグロブリン及びフィブロネクチンがコーティングされた培養容器は、ガンマグロブリン及びフィブロネクチンを含む溶液を加えてコーティングすることによって製作される。また、前記フィブロネクチンの代わりに、公知の接着タンパク質を使用することができ、例えば、コラーゲンなどを使用することができる。一実施例において、培養容器(例えば、T75フラスコ)に、ガンマグロブリン及びフィブロネクチンが含有された溶液を加えた後、低温(例えば、2〜4℃)でインキュベーションすることにより、ガンマグロブリン及びフィブロネクチンで培養容器のコーティングを行うことができる。
【0022】
前記ガンマグロブリンの濃度は、0.1〜1ng/ml、1〜10ng/ml、10〜100ng/mlまたは1〜100ng/mlである。ガンマグロブリンは、NK細胞のFcγRIIIを刺激し、NK細胞を活性化させることができる。
【0023】
前記フィブロネクチンの濃度は、0.1〜50μg/ml、1〜50μg/ml、5〜50μg/ml、10〜50μg/mlである。フィブロネクチンは、NK細胞の移動を促進し、細胞間の相互作用を円滑に行わせることができる。
【0024】
また、一様態によるNK細胞増殖方法は、NK細胞を、第1インターロイキン(インターロイキン−2(IL−2))、第2インターロイキン(インターロイキン−12(IL−12)、インターロイキン−15(IL−15)、インターロイキン−18(IL−18)からなる群から選択される1種以上のインターロイキン)、抗NKp46抗体を含む培養液で培養する。前記培養液は、通常の免疫細胞培養用培地に、抗NKp46抗体、第2インターロイキン及びIL−2を含むものである。例えば、免疫細胞培養用培地としては、ALyS505NK−EX(Cell Science & Technology Inst.Inc.,日本)、RPMI1640(Life technologies,米国)、x−vivo10(Lonza,米国)、CellGroSCGM(CellGenix,ドイツ)、KBM(Kohjin bio,日本)などの培養液を使用することができる。前述の免疫細胞培養用培地に、前記NK細胞の抗NKp46抗体、第2インターロイキン及びIL−2を加え、本発明の一様態で使用するための培養液を準備することができる。また、IL−2を含んで市販される免疫細胞培養用培地に、抗NKp46抗体及び第2インターロイキンを加えて準備することもできる。また前記培養液は、第2インターロイキン、抗NKp46抗体及びIL−2を含む免疫細胞培養用培地であるならば、制限なしに使用される。
【0025】
前記培養液に含まれるIL−2の濃度は、500〜5,000IU/ml、600〜4,000IU/ml、700〜3,000IU/ml、800〜2,000IU/ml、900〜1,500IU/ml、900〜1,200IU/mlまたは1,000〜1,200IU/mlである。前記IL−2は、NK細胞の成長を促進させることができる。
【0026】
前記培養液に含まれる抗NKp46抗体の濃度は、0.1〜10μg/ml、0.5〜10μg/ml、1〜10μg/mlまたは5〜10μg/mlである。NKp46は、NK細胞の活性化受容体であり、それにより、本発明の抗NKp46抗体は、NKp46を刺激してNK細胞を活性化させることができる。
【0027】
前記培養液に含まれる第2インターロイキンの濃度は、0.1〜100ng/ml、1〜100ng/ml、10〜100ng/ml、20〜100ng/ml、30〜〜100ng/ml、50〜100ng/mlまたは70〜100ng/mlである。本発明の第2インターロイキンは、NK細胞の増殖効率を高めるだけではなく、NK細胞の活性化(activation)を大きく増大させることができる成分である。従って、本発明は、IL−2及び抗NKp46抗体以外に、第2インターロイキンを利用することにより、IL−2及び抗NKp46抗体が有するNK細胞の増殖及び活性化を補強させてシナジー効果を有するようになり、既存のNK細胞増殖方法と比較し、さらに優秀なNK細胞の増殖効果を有することができる。
【0028】
結局、本発明のNK細胞増殖のための組成物に含まれる成分であるIL−2、第2インターロイキン及び抗NKp46抗体の組み合わせは、NK細胞の増殖及び培養効率を極大化させることができ、最適化された最小の組成により、コスト面でも非常に節減効果にすぐれるといえる。
【0029】
前記培養液は、血漿または血清をさらに含んでもよい。また、前記培養液に含まれる血漿または血清は、NK細胞培養のために利用されるPMBCを分離させた末梢血液から得ることができる。前記血漿の濃度は、全体培養液に対して、1〜20v/v%、1〜15v/v%、2〜15v/v%、5〜15v/v%または5〜10v/v%でもある。
【0030】
一具体例において、NK細胞が投与される患者の末梢血液から、PBMC及び血漿(または、血清)をそれぞれ分離し、得られたPBMCは、前記IL−2、第2インターロイキン、抗NKp46抗体、及び前記末梢血液から分離された血漿(または、血清)を含む培地中で培養される。また、前記培養は、ガンマグロブリン及びフィブロネクチンがコーティングされた培養容器内で培養されることが望ましい。
【0031】
前記末梢血液単核細胞の培養は、一般的な細胞培養条件、すなわち、約37℃、COインキュベータで行われ、培養液を2日あるいは3日に1回ずつ添加しながら継続的に培養することができる。また、培地に加えられるPBMCの濃度は、4X10〜5X10cells/mlの範囲でもあるが、それに制限されるものではない。培養期間は、例えば、7〜20日間、8〜18日間、10〜16日間、10〜15日または10〜14日間遂行されることができるが、それらに制限されるものではなく、所望するNK細胞数の収得のために、前記培養日数の範囲内または範囲外で、適切に設定することができる。培養容器は、商業的に入手可能なディッシュ、フラスコ、プレート、マルチウェルプレート、培養バッグを含んでもよい。
【0032】
一方、NK細胞を最大限増殖させるために、培養は、各段階別に培養される。その場合、各培養段階は、培養液成分、培養容器及び培養期間が同一であってもよく、異なってもよく、各段階別最適の培養期間を求めることにより、最終的に、NK細胞の増殖が行われる。また、本発明は、培養期間の間、フラスコ内に、2〜3日間隔で、培養組成物(または、培養液)を追加して培養することを特徴とし、それにより、NK細胞の培養が効果的になされるように一助となる役割を行う。
【0033】
本発明のNK細胞増殖方法は、一具体例において、ガンマグロブリン及びフィブロネクチンがコーティングされた培養容器に、末梢血液単核細胞、並びに第1インターロイキン、第2インターロイキン、抗NKp46抗体、及び血漿を含む培養液を入れて培養する第1培養段階と、前記第1培養段階から得た培養物に、第1インターロイキン、第2インターロイキン、抗NKp46抗体、及び血漿を含む培養液をさらに添加して培養する第2培養段階と、を含んでもよい。前記増殖方法において、前記第1インターロイキンは、インターロイキン−2(IL−2)でもある。また、前記第2インターロイキンは、インターロイキン−12(IL−12)、インターロイキン−15(IL−15)、インターロイキン−18(IL−18)からなる群から選択される1種以上のインターロイキンでもある。また、前記第1インターロイキン及び前記第2インターロイキンは、前述の通りである。
【0034】
前記血漿は、末梢血液単核細胞が由来する末梢血液から収得されるものでもある。前記血漿の代わりに、血清を使用することができる。
【0035】
前記第1培養段階において、培養液に含まれるIL−2の濃度は、500〜5,000IU/ml、600〜4,000IU/ml、700〜3,000IU/ml、800〜2,000IU/ml、900〜1,500IU/ml、900〜1,200IU/mlまたは1,000〜1,200IU/mlである。
【0036】
前記第1培養段階は、第1インターロイキン(IL−2)、第2インターロイキン(IL−12、IL−15及びIL−18からなる群から選択される1種以上のインターロイキン)、抗NKp46抗体、及び血漿を含む培養液内で、末梢血液単核細胞を、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日または10日間培養することができ、例えば3日、4日、5日、6日、望ましくは、5日間培養することができる。
【0037】
本発明によるNK細胞増殖方法は、前記第1培養段階において、培養物に、IL−2、及び血漿を含む培養液を追加して添加する段階を含んでもよい。例えば、前記追加して添加されるIL−2、及び血漿を含む培養液は、第1培養段階の培養3日目、及び/または培養4日目に添加することができる。前記追加して添加される培養液に含まれるIL−2の濃度は、第1培養段階の培養液のIL−2の濃度と同一であるが、それに制限されるものではない。また、添加される培養液の体積は、培養物の体積と同一である。
【0038】
本発明のNK細胞細胞増殖方法は、一具体例において、第1培養段階から得た培養物に、第1インターロイキン(IL−2)、第2インターロイキン(IL−12、IL−15及びIL−18からなる群から選択される1種以上のインターロイキン)、抗NKp46抗体、及び血漿を含む培養液をさらに添加して培養する第2培養段階を含む。
【0039】
前記第2培養段階は、第1培養段階の培養物を新たな容器に移して遂行される。前記新たな容器は、ガンマグロブリン及びフィブロネクチンを含まない。前記第2培養段階培養液のIL−2の濃度は、第1培養段階の培養液のIL−2の濃度と同一であるが、それに制限されるものではない。また、前記第2培養段階において、培養液に含まれるIL−2の濃度は、500〜5,000IU/ml、600〜4,000IU/ml、700〜3,000IU/ml、800〜2,000IU/ml、900〜1,500IU/ml、900〜1,200IU/mlまたは1,000〜1,200IU/mlである。前記第2培養段階において、培養物に添加される第1インターロイキン(IL−2)、第2インターロイキン(IL−12、IL−15、IL−18からなる群から選択される1種以上のインターロイキン)、抗NKp46抗体、及び血漿を含む培養液は、培養物と同一の体積でもある。
【0040】
前記第2培養段階は、培養液内で、細胞を1日、2日、3日、4日、5日または6日間培養することができ、望ましくは、1日、2日または3日間培養する。
【0041】
本発明のNK細胞増殖方法は、培養物のIL−2濃度を、培養物添加以前、濃度対比で、4/5ないし1/10以下に低めた後で培養する第3培養段階を追加して含んでもよい。前記培養液内で、IL−2濃度を低めるのは、培養物に、IL−2を含まない培養液を添加することによって遂行される。前記第3培養段階において、添加される培養液は、血漿を含んでもよい。
【0042】
前記第3培養段階において、培養物のIL−2濃度は、1,500〜1,300IU/ml、1,300〜1,000IU/ml、1,000〜600IU/ml、600〜500IU/ml、500〜400IU/ml、400〜300IU/ml、300〜200IU/ml、200〜100IU/mlである。
【0043】
また、各培養段階の培養液には、NK細胞を増幅させる効果を阻害しないことを条件に、適切なタンパク質、サイトカイン、抗体、化合物、その他成分が含まれてもよい。
【0044】
一実施例において、本発明のNK細胞増殖方法によって増殖されたNK細胞は、PBMCと比較し、高程度の抗癌物質を発現し、優秀な抗癌活性を示した(図7ないし図9を参照)。
【0045】
本発明の他の様態は、前記NK細胞増殖方法によって増殖されたNK細胞を含む癌治療または予防用薬学的組成物を提供する。
【0046】
前記薬学的組成物に含まれるNK細胞の増殖方法は、前述の通りである。
【0047】
前記癌は、白血病、乳癌、卵巣癌、脳癌、黒色腫岩、胃癌、肝臓癌、大腸癌または肺癌でもあるが、それらに限定されるものではない。
【0048】
前記薬学的組成物は、前記のNK細胞増殖方法によって培養されたNK細胞を含む細胞集団を含んでもよい。また、前記組成物は、前記の方法によって培養された細胞集団以外に、培養に利用された培養液または培養物を含んでもよい。また、前記組成物は、培養物から分離された細胞集団やサイトカインのような追加成分を含まない新たな培養液や生理食塩水を含んでもよい。前記新たな培養液は、NK細胞の培養に利用された培地のような組成を有する培地、または他の組成の培地が使用される。前記薬学的組成物において、NK細胞の投与量は、癌患者の状態及び体重、疾病の程度、投与形態、投与経路及び期間によって異なるが、例えば、1日1X10ないし1X10cells/kgの用量、望ましくは、1X10ないし1X10cells/kgの用量で投与される。前記投与は、一日に1回、または数回に分けて投与される。また、液剤、懸濁液、エマルジョンなどの液相単位製剤に製剤化される場合、やはり前記細胞濃度で患者に投与される。
【0049】
本発明による薬学的組成物は、前述のように、本発明の方法によって増殖されたNK細胞を含み、薬学的に許容可能な担体をさらに含んでもよい。また、前記薬学的組成物は、通常の方法によって、液剤、懸濁液、エマルジョン、凍結乾燥剤などの非経口用剤形に製剤化される。前記薬学的に許容可能な担体は、リン酸緩衝食塩水、精製水、滅菌水などの水性希釈剤あるいは溶剤を含んでもよい。その他通常の保存剤などを含んでもよい。また、前記薬学的組成物は、前記NK細胞、またはNK細胞を含む細胞集団以外に、多様な抗腫瘍剤やその他治療剤を含んでもよい。
【0050】
本発明のさらに他の様態は、第1インターロイキン(IL−2)、第2インターロイキン(インターロイキン−12(IL−12)、インターロイキン−15(IL−15)、インターロイキン−18(IL−18)からなる群から選択される1種以上のインターロイキン)及び抗NKp46抗体を含むNK細胞増殖用組成物を提供する。また、前記NK細胞増殖用組成物は、ガンマグロブリン、フィブロネクチンをさらに含んでもよい。前記組成物において、第1インターロイキン及び第2インターロイキンは、前述の通りである。
【0051】
前記増殖用組成物において、IL−2濃度は、500〜5,000IU/ml、600〜4,000IU/ml、700〜3,000IU/ml、800〜2,000IU/ml、900〜1,500IU/ml、900〜1,200IU/mlまたは1,000〜1,200IU/mlである。
【0052】
前記増殖用組成物において、第2インターロイキンの濃度は、0.1〜100ng/ml、1〜100ng/ml、10〜100ng/ml、20〜100ng/ml、30〜〜100ng/ml、50〜100ng/mlまたは70〜100ng/mlである。
【0053】
前記増殖用組成物において、抗NKp46抗体の濃度は、0.1〜10μg/ml、0.5〜10μg/ml、1〜10μg/mlまたは5〜10μg/mlである。
【0054】
前記NK細胞増殖用組成物は、末梢血液単核細胞においてNK細胞を、増殖または分化させるためのものである。
【0055】
前記NK細胞増殖用組成物は、血漿または血清をさらに含んでもよい。また、組成物に追加される血漿または血清は、NK細胞が分離された血液から得たことでもある。一具体例において、前記増殖用組成物に含まれる血漿は、末梢血液単核細胞が分離された末梢血液から得られるものである。
【0056】
前記増殖用組成物は、ガンマグロブリン、フィブロネクチン、第1インターロイキン(IL−2)、第2インターロイキン(IL−12、IL−15、IL−18からなる群から選択される1種以上のインターロイキン)及び抗NKp46抗体成分以外に、PBMC培養、及びNK細胞増殖のための必須成分またはその他担体、または補助剤を含んでもよい。
【0057】
以下、本発明を実施例によって、さらに詳細に説明する。しかし、それら実施例は、本発明を例示的に説明するためのものであり、本発明の範囲は、それら実施例によって制限されるものではない。
【実施例】
【0058】
実施例1.末梢血液単核細胞の準備
1.1.血液からの末梢血液単核細胞(PMBC)及び自家血漿の分離
血液は、健常者の静脈から採血して準備した。そのとき、採血容器は、ヘパリンが含まれた採血チューブを使用した。患者から採取した血液を、フィコール(Ficoll)(#17−1440〜02,GE Healthcare、または同等以上)が込められたチューブ(#352070,BD、または同等以上)2個に、それぞれ30mlずつ用心深く移して入れた。血液が込められたチューブを2,500rpmで10分間、break off状態で遠心分離した後、上層の血漿部分を新たなチューブに移し入れた。
【0059】
移し入れた血漿を、ヒートブロック(heat block)で30分間不活性化させた後、4,000rpmで5分間遠心分離した。遠心分離されたチューブにおける上澄み液を、新たなチューブに移し、血漿と表記した後、2〜8℃で保管した。
【0060】
前記血液とフィコールとを入れて遠心分離したチューブから血漿を採取し、残った下層にある薄黄色層を、新たなチューブに、赤血球層と混入しないように、注意して移し入れた後、Ca/Mg遊離(free)DPBS(Dulbecco’s Phosphate-Buffered Saline)(#14190,Gibco)を入れた。その後、1,500rpmで5分間遠心分離した後、上澄み液を除去した。上澄み液を除去して残った沈澱細胞を、RBC溶解バッファ(red blood cell lysis buffer)(#158904,Qiagen)5mlに浮遊させた。その後、細胞懸濁液を、1,500rpmで5分間遠心分離し、上澄み液を除去し、上澄み液が除去されたチューブに、Ca/Mg遊離DPBSを入れ、さらに1,500rpmで5分間遠心分離した。上澄み液を除去されて残った沈澱細胞を、Alys505NK−EX(#01410P10,CSTI)培地1mlに浮遊させた。
【0061】
前記Alys505NK−EXに浮遊させた細胞懸濁液から少量を取り、Ca/Mg遊離DPBSで、前記量の100倍に希釈した後、希釈液少量を取り、同一ボリュームのトリパンブルーと混ぜた後、血球計算板(hemocytometer)に載せ、細胞数及び生存率を測定した。
【0062】
1.2.PBMCの凍結
前記実施例1.1.で得られる全ての細胞懸濁液を、1,500rpm、5分間遠心分離した後、上澄み液を除去した。2ないし8℃で保管しておいたCryostor CS10またはALyS505NK−EX+Albumin+DMSO混合液に細胞を浮遊させ、細胞数が1〜100×10cells/mlになるようにした。浮遊した細胞を2ml凍結バイアル(cryogenic vial)に1mlずつ分注した後、CRF(controlled rate freezers)を使用し、0℃で10〜15分間の条件、−12℃で5〜10分間の条件、及び−42℃で0.5〜1分間の条件で、第1段階凍結させ、第1凍結段階後、−25℃で1〜3分の条件、及び−15℃で1〜3分の条件で凍結させ、第2凍結段階後、−42℃で20〜40分の条件、及び−120℃で20〜50分の条件で凍結させるか、あるいは4〜−40℃範囲で3℃/mで、第1段階凍結し、第1凍結段階後、−40〜−90℃範囲で5℃/mの条件で、第2段階凍結させ、第2凍結段階後、−90〜−120℃範囲で5℃/mの条件で凍結させた。凍結した細胞をLNタンクに移して保管した(−130℃以下)。
【0063】
1.3.凍結されたPBMCの解凍
ヒートブロックを37℃になるようにセッティングした後、Tフラスコに、10%血漿(plasma)が添加された培養液を入れた。細胞濃度によって、培養液ボリュームは、例えば、4ml、6ml、8ml、10mlなどに多様に調節する。前記実施例1.2.で凍結しておいた凍結バイアルをヒートブロックに入れ、凍結されたPBMCを解かした。凍結されたPBMCが半分ほど解けたとき、培養液が込められたTフラスコに移した。次に、37℃、5% COインキュベータに入れ、一日の間培養した。培養されたPBMCをチューブに集めた後、Ca/Mgfree DPBSを添加し、1,500rpm、5分間遠心分離した後、上澄み液を除去した。遠心分離によって分離された細胞を、少量の培養液に浮遊させた後、細胞数を測定した。凍結保管された細胞の解凍後、生存率は、表1に記載する。表1から分かるように、本発明によって凍結保管された後で解凍したPMBCは、93%以上が生存しており、高い生存率が維持されるということを確認することができた。
【表1】
【0064】
実施例2.NK細胞の培養
2.1.フィブロネクチン及びガンマグロブリンでコーティングされた培養フラスコの準備
2.1.1.フィブロネクチン培養フラスコ及びガンマグロブリンコーティング培養フラスコ(1)
15mlチューブに、0.1mlフィブロネクチン(#FC−010,Millipore)及び0.121mlガンマグロブリン(#020A1004,緑十字)を入れた後、Ca/Mg遊離DPBS 9.779mlを添加した。製造されたコーティング液を、ピペットを利用して、T75フラスコ(#156499,Nunc)に入れ、16時間以上2〜8℃で反応させた。細胞培養前、残余コーティング液をCa/Mg遊離DPBSで洗浄した後で除去した。
【0065】
2.1.2.フィブロネクチン培養フラスコ及びガンマグロブリンコーティング培養フラスコ(2)
実施例2.1.1において、フィブロネクチンの量10μl、ガンマグロブリンの量1.21mlのみを異ならせ、実施例2.1.1と同一に、フィブロネクチン及びガンマグロブリンでコーティングされた培養フラスコを準備した。
【0066】
2.1.3.フィブロネクチン・コーティング培養フラスコ
15mlチューブに、0.2mlフィブロネクチン(#FC−010,Millipore)を入れ、Ca/Mg遊離DPBSに10mlになるまで加えた。その後、実施例2.1.1.と同一の過程によって、フィブロネクチンだけでコーティングされた培養フラスコを準備した。
【0067】
2.2.NK細胞の一次培養
2.2.1.NK細胞の一次培養(1)
実施例1で用意した細胞懸濁液を取り、前記実施例2.1.で製造されたコーティングフラスコに入れ、自家血漿1.5ml、抗NKp46(#MAB1850,R&D)溶液0.03ml、IL−18(#B003−2,R&D)0.075ml、Alys505NK−EX(#01410P10,CSTI)13.4625mlを添加し、COインキュベータで2〜3日間培養した。その後、フラスコに、自家血漿1.5ml及びAlys505NK−EX13.5mlを添加し、COインキュベータで1〜2日間培養した。
【0068】
2.2.2.NK細胞の一次培養(2)
実施例2.2.と全ての手続きは同一であるが、抗NKp46(同上)溶液を3μl、IL−18(同上)を37.5μl、Alys505NK−EXを2回添加し、総35.95mlを使用したことだけ異にして実施した。
【0069】
2.2.3.NK細胞の一次培養(3)
実施例2.2.と全ての手続きは同一であるが、抗NKp46(同上)溶液を15μl、IL−12(#554613,BD)を7.5μl、Alys505NK−EXを2回添加し、総26.98mlを使用したことだけ異にして実施した。
【0070】
2.2.4.NK細胞の一次培養(4)
実施例2.2.と全ての手続きは同一であるが、抗NKp46(同上)溶液を15μl、IL−12(同上)を7.5μl、IL−18(同上)を37.5μl、Alys505NK−EXを2回添加し、総26.94mlを使用したことだけ異にして実施した。
【0071】
2.2.5.NK細胞の一次培養(5)
実施例2.2.と全ての手続きは同一であるが、抗NKp46(同上)溶液を0.03ml、IL−12(同上)を7.5ml、IL−15(#247−IL−0025,R&D)を12.5μl、IL−18を37.5μl、Alys505NK−EXを2回添加し、総26.913mlを使用したことだけ異にして実施した。
【0072】
2.3.NK細胞の二次培養
2.3.1.NK細胞の二次培養(1)
実施例2.2.1の一次培養後、培養基で細胞が培養されているT75フラスコを取り出して細胞を集めた後、T175フラスコ(#159910,Nunc)に移した。自家血漿3ml及びAlys505NK−EX(#01410P10、CSTI)27mlをT175フラスコに添加し、COインキュベータで1〜2日間培養した。その後、自家血漿6ml、抗NKp46溶液0.12ml、IL−18 0.03ml、Alys505NK−EX(#01410P10,CSTI)53.85mlを添加した後、さらにCOインキュベータで1〜2日間培養した。
【0073】
2.3.2.NK細胞の二次培養(2)
実施例2.3.1と全ての手続きは同一であるが、抗NKp46(#MAB1850,R&D)溶液0.06ml、IL−18(#B003−2,R&D)0.06ml、Alys505NK−EX 53.88mlを使用したことだけ異にし、実施例2.2.2の培養物の二次培養を実施した。
【0074】
2.3.3.NK細胞の二次培養(3)
実施例2.3.1と全ての手続きは同一であるが、抗NKp46(#MAB1850,R&D)溶液0.12ml、IL−12(#554613,BD)0.03ml、Alys505NK−EX 53.85mlを使用したことだけ異にし、実施例2.2.3の培養物の二次培養を実施した。
【0075】
2.3.4.NK細胞の二次培養(4)
実施例2.3.1と全ての手続きは同一であるが、抗NKp46(#MAB1850,R&D)溶液0.06ml、IL−12(同上)0.03ml、IL−18(同上)0.02ml、Alys505NK−EX 44.89mlを使用したことだけ異にし、実施例2.2.4の培養物の二次培養を実施した。
【0076】
2.3.5.NK細胞の二次培養(5)
実施例2.3.1と全ての手続きは同一であるが、抗NKp46(#MAB1850,R&D)溶液0.06ml、IL−12(同上)0.03ml、IL−15(同上)0.06ml、IL−18(同上)0.02ml、Alys505NK−EX 62.83mlを使用したことだけ異にし、実施例2.2.5の培養物の二次培養を実施した。
【0077】
2.4.NK細胞の三次培養
前記実施例2.3.で培養されたT175フラスコの細胞、及び自家血漿を300IU/mlIL−2を含む培養液に入れ、COインキュベータで培養した。2〜3日後、新たな同一ボリュームの培養液(300IU/mlのIL−2を含む培養液)を、細胞が培養されている細胞懸濁液と混ぜた後、COインキュベータで培養した。
前記培養(一次培養、二次培養及び三次培養のいずれも)で、IL−2が添加された培養液の代わりに、IL−2が添加されていない免疫細胞培養液に、IL−2を所定量でそれぞれ添加して使用することもできる。
【0078】
実施例3.培養されたNK細胞の増殖及び活性化の確認
3.1.培養された細胞の総細胞数とNK細胞増殖倍数との確認
前記実施例2.4.で培養された細胞をいずれも収去した後、1,500rpmで5分間遠心分離し、上澄み液を除去した後、リン酸緩衝食塩水に浮遊させた。細胞浮遊液から10μlを取り、リン酸緩衝食塩水で希釈した後、希釈液10μlを取り、トリパンブルー10μlと混ぜた後、血球計算板(hemocytometer)に載せ、細胞数及び生存率を測定した。細胞数は、(生細胞数+死滅細胞数)×1/4×2×希釈倍数×全体積×10の数式で求め、細胞生存率は、生細胞数÷(生細胞数+死滅細胞数)×100の数式で求めた。
【0079】
本発明に使用された細胞培養液で増殖させたNK細胞数の結果は、図2Aの通りである。
【0080】
また、本発明に使用された細胞培養液で増殖させたNK細胞の比率の結果は、図2Bの通りである。使用した実験条件及び結果を要約すれば、下記表2の通りである。
【表2】
【0081】
総合すれば、IL−2とIL−18との組み合わせが、細胞数及びNK比の上昇に効果的であるということが分かった。IL−12、IL−15、またはIL−12及びIL−15の混合物、またはIL−18がNK比を高めるのに効果的であるということが分かった。
【0082】
3.2.第1インターロイキンの濃度によるNK細胞増殖効果の確認
実施例1で用意した細胞懸濁液を取り、前記実施例2.1.で製造されたコーティングフラスコに入れ、自家血漿1.5ml、抗NKp46(#MAB1850,R&D)溶液0.03ml、IL−18(#B003−2,R&D)0.075ml、IL−2が添加されていないAlys505NK−EX(#01400P10,CSTI)13.4625mlを添加し、IL−2は、0ないし10,000IU/ml濃度で添加し(図3参照)、COインキュベータで全14日間培養した。14日間培養した細胞を、1,500rpmで5分間遠心分離して上澄み液を除去した後、リン酸緩衝食塩水に浮遊させた。浮遊した細胞から、10μlの検体を採取し、リン酸緩衝食塩水で希釈した後、希釈液10μlを取り、トリパンブルー10μlと混ぜた後、血球計算板(hemocytometer)に載せ、細胞数を測定した。細胞数測定方法は、実施例3.1.と同一である。NK細胞の数は、流細胞分析を介して得られたNK細胞の比率を介して計算した。100IU/mlのIL−2濃度を1にし、残りのIL−2濃度処理によるNK細胞の増殖倍数を計算した。
【0083】
その結果、図3から確認することができるように、IL−2濃度が500ないし5,000IU/ml範囲であるとき、100IU/mlのIL−2濃度より6倍以上のNK細胞の増殖効果を示した。
【0084】
3.3.第2インターロイキンの濃度によるNK細胞活性確認
1.7mlチューブに、1μlフィブロネクチン(#FC−010,Millipore)及び1.21μlガンマグロブリン(#020A1004,緑十字)を入れた後、Ca/Mg遊離DPBS 97.79μlを添加した。製造されたコーティング液を、ピペットを利用して、96ウェルプレート(#167008,unc)に入れ、16時間以上、2ないし8℃で反応させた。細胞培養前、残余コーティング液をCa/Mg遊離DPBSで洗浄した後で除去した。実施例1で用意した細胞懸濁液を取り、製造され96ウェルプレートに入れ、自家血漿10μl、抗NKp46(#MAB1850,R&D)溶液0.2μl、IL−2 1,000IU/mlが添加されたAlys505NK−EX(#01410P10,CSTI)89.8μlを添加し、IL−12は、0ないし10ng/ml濃度で添加し(図4A参照)、IL−18は、0ないし300ng/ml濃度で添加し(図4B参照)、COインキュベータで総48時間培養した。48時間後、上澄み液を新たなチューブに移し、1,500rpmで5分間遠心分離し、上澄み液だけ新たなチューブに移した。NK細胞の活性は、IFN−gamma ELISAキット(#DIF50,R&D)を利用して、IFN−gamma分泌量で確認した。
【0085】
その結果、IL−12は、0.1ないし10ng/ml濃度範囲で、高いIFN−gammaが分泌され、IL−18は、1ないし100ng/ml濃度範囲で、高いIFN−gammaの分泌量が測定された。
【0086】
3.4.培養されたNK細胞の活性受容体発現確認
流細胞分析器(flowcytometry)を利用して、実施例2で培養されて収去されたNK細胞の表面抗原を分析した。具体的には、収去された細胞を、Ca/Mg遊離DPBSに浮遊させ、1,500rpmで5分間遠心分離した後、上澄み液を除去して細胞ペレットを得た。得られた細胞ペレットに、蛍光物質を含む抗体(CD3−FITC,CD56−APC)をそれぞれ加えた後、4℃で20分間インキュベーションした。FACS緩衝液を加え、8,000rpmで1分間1回遠心分離し、流細胞分析器(FACSCalibur,BD)で分析した。
【0087】
また、NK細胞の活性受容体の発現いかんを流細胞分析器を利用して確認した。具体的には、収去された細胞を、Ca/Mg遊離DPBSに浮遊させ、1,500rpmで5分間遠心分離した後、上澄み液を除去して細胞ペレットを得た。得られた細胞ペレットに、蛍光物質を含む抗体(KIRDL1−PE,NKG2A−PE,NKG2D−PE,NKp30−PE,NKp44−PE,NKp46−PE)をそれぞれ加えた後、4℃で20分間インキュベーションした。FACS緩衝液を加え、8,000rpmで1分間1回遠心分離し、流細胞分析器(Guava8HT,merk)で分析した。
【0088】
3.5.培養されたNK細胞の抗癌能分析
1)抗癌物質発現程度の分析
実施例2で製造されたNK細胞の抗癌物質発現程度を確認するために、流細胞分析器(flowcytometry)を利用して分析した。具体的には、収去された細胞を、Ca/Mg遊離DPBSに浮遊させ、1,500rpmで5分間遠心分離した後、上澄み液を除去して細胞ペレットを得た。得られた細胞ペレットを、Fixation/Permeabilization solution(#51−2090KZ,BD)で処理した後、蛍光物質を含む抗体(Perforin−PE,GranzymeB−PE,TRAIL−PE)をそれぞれ加えた後、4℃で30分間インキュベーションした。Perm/Wash buffer(#51−2091KZ,BD)を加え、8,000rpmで1分間2回遠心分離し、流細胞分析器(FACSCalibur,BD)で分析した。
【0089】
2)癌細胞殺傷能の確認
対象癌細胞として、白血病(chronic myelogenous leukemia)細胞株であるK562、及び多様な固形癌細胞株(Hep3B,OVCAR3,HepG2,A704,DU145)を収去し、1,500rpmで5分間遠心分離し、上澄み液を除去した後、Ca/Mg遊離DPBSで洗浄した。洗浄された細胞ペレットに培養液を添加し、5×10cells/ml濃度で細胞を準備した。用意された細胞を、CFSE(#c34554,Life technologies)で処理し、COインキュベータで10分間インキュベーションした。Ca/Mg遊離DPBSで2回洗浄した後、製造されたNK細胞と共に処理し、COインキュベータで4時間インキュベーションした。インキュベーションが終わり、10分間全7AADを処理し、インキュベーションが終わった後、細胞をエッペンドルフ試験管に収去し、流細胞分析器(FACSCalibur,BD)で癌細胞殺傷能を分析した。癌細胞殺傷能の数値は、下記公式で計算した。
Cytotoxicity(%)=(sample処理群−自然遊離)/(100−自然遊離)x100
【0090】
K562 lysisの結果は図8及び表2の通りであり、多様な固形細胞株に係わるlysis結果は、図9の通りである。
【0091】
結果として、フィブロネクチン、ガンマグロブリンでコーティングされたフラスコに対するaNKp46組み合わせ使用が、高いK562除去効能を示し、OVCAR3(卵巣癌)、Hep3B(肝臓癌)、HepG2(肝臓癌)、A704(腎臓癌)、DU145(前立腺癌)などの多様な固形癌でも、E:T比(Effector cell数:Target cell数)により、除去効能が上昇している。前記Effector cellは、NK細胞を意味し、前記Target cellは、癌細胞を意味する。
【0092】
3.6.凍結PBMCを利用したNK細胞の培養結果
Donor 3人の血液から分離したPBMC及び凍結PBMCで、14日間、本発明の増殖方法で培養した細胞の特性について、流細胞分析器(flowcytometry)を利用して、CD3、CD16、CD19、CD56の発現有無を確認し、K562細胞に対する細胞毒性度(cytotoxicity)を確認した。その結果、Donor 1のNK細胞数は、968倍増加し、NK細胞(CD3−CD56+)の比率が10.5%から78.8%でに上昇した(表3、図10及び図11)。
【表3】
【0093】
また、Donor 2のNK細胞数は、823倍増加し(表3)、NK細胞(CD3−CD56+)の比率は、15.2%から77.2%に上昇した(表4)。
【表4】
【0094】
かような結果は、本発明のPBMC凍結方法及び解凍方法、並びにNK細胞培養方法によって、凍結PBMCがNK細胞に培養されるということを示すものである。
【0095】
以上、本発明の内容について詳細に記述したが、当業界の当業者において、かような具体的技術は、ただ望ましい実施例であるのみ、それにより、本発明の範囲が制限されるものではないという点が明白であろう。従って、本発明の実質的な範囲は、特許請求の範囲及びそれらの等価物によって定義されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明の自然殺害細胞増殖方法、及び自然殺害細胞増殖用の組成物は、例えば、免疫細胞治療関連の技術分野に効果的に適用可能である。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図11C
図11D