(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
輸入化石燃料からの発電を低減させる要求が環境的および政治的関心により増大し続け
るので、風力は、発電において増加する役割を担う。「2030年までに20%の風力エ
ネルギー:米国電力供給への増加する風力エネルギーの寄与(20% Wind Ene
rgy by 2030: Increasing Wind Energy’s Co
ntribution to U.S.Electricity Supply)」と題
された2008年の報告は、2030年までの国家の電力需要の20%を生成する風力エ
ネルギーの使用の技術的実現性を検討する米国エネルギー省(「DOE」)により発行さ
れた。世界中で、多くの国が、著しい量の電気を風から既に生成する。「Global
Wind 2008 Report」(Global Wind Energy Cou
ncil(「GWEC」)により発行)によれば、現在、スペインは電力需要の11%、
ドイツは約7.5%を風力から満たす。欧州連合は、2020年までに、電力の約35%
を供給する再生可能資源の目標を有し、その約3分の1が風力エネルギーである。
【0003】
風力電力容量についての需要が大きくなるにつれて、発電機、すなわち、風力タービン
の寸法も大きくなる。より大きい翼(場合により90メートル以上の長さまで)は、製造
することがより困難となり、より重くなる。また、タービンを収納し、翼を保持するのに
必要な塔も、より大きくなり、その結果、直立することがより困難となるはずである。こ
れらの要素は、組み合わさって、実現可能な再生可能資源としての風力の最大限の使用を
制限し得る。多くの当業者が、様々な成功の度合いで、より大きい翼に関する問題に対処
しようとしてきた。
【0004】
例えば、Lin等は、米国特許出願公開第2006/225278号において、ルート
およびスパーキャップのような1次部品を1次施設にて製作し、表皮のような2次翼部品
を風力発電地帯の近くにある2次施設にて製作し、次いで1次および2次部品を風力発電
所に近い組立場所において組み立てる、2施設法を開示する。Llorente Gon
zales等の名義の米国特許出願公開第2008/0145231号は、内部縦補強構
造の末端にてフランジにより結合した風車翼モジュールを示す。軸方向に突き出た突起は
互いに向き合って隣接し、地面においてモジュールの想定される容易な取付のための取付
ねじ、通しボルトまたはリベットを受けるために穴が配列される。
【0005】
Areltに発行された米国特許第7334989号は、連続翼セグメントへ適用され
る、対応するくさび形連結領域を有する上部および底部のバンドの使用を教示する。翼セ
グメントと接続バンドの間に残存する空洞は接着剤で満たされ、1次荷重経路に沿って多
重スカーフ/テーパー継ぎ手により形成される接合継ぎ手が得られる。また、Arelt
は、連続翼セグメントへ製作されるくさび形連結領域を開示するが、これは、続いて、対
応するくさび形連結領域を有する上部および底部バンドへおよびこれらにより接続され、
バンドと翼接続領域との間の中空領域が接着剤で満たされると、1次荷重経路に沿って接
続テーパー継ぎ手を形成する。
【0006】
Morozは、米国特許第7381029号において、一端にピッチベアリングを有す
るハブエクステンダー、貫通する穴を有しおよびハブエクステンダー上に位置するために
配置されたスカートまたはフェアリング、およびピッチベアリングに結合するように形状
が決められているアウトボードセクションを含む風力タービンのためのマルチセクション
翼を提供する。
【0007】
従って、当技術分野において、風力タービン翼および他の大きな物体のための改良され
た製造方法が必要である。該方法は、現行技術による方法において見られる翼の建造によ
る輸送問題を最小化または排除する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を例示の目的であって、限定の目的でなく記載する。実施例中または特記する場
合を除き、本明細書中での量、パーセンテージなどで表示される全ての数字は用語「約」
によって、全ての場合において修飾されるものとして理解される。
【0015】
本発明は、風力タービン翼のための金型を、風力発電所においてまたはその近くで形成
する工程、イソシアネートおよびイソシアネート反応性成分を、自動化反応射出成形(「
RIM」)機により金型中へ射出する工程、金型を閉じ、プレスしおよび加熱して得られ
るポリウレタンを硬化する工程およびポリウレタン翼を風力タービン中に取り付ける工程
を含むポリウレタン風力タービン翼の製造方法を提供する。好ましくは、ポリウレタン材
料は、放射線、例えば紫外線等を用いて硬化し得る。
【0016】
さらに、本発明は、風力タービン翼金型を、風力発電所においてまたはその近くで形成
する工程、イソシアネート、イソシアネート反応性成分および長繊維を自動化長繊維射出
(「LFI」)機で射出する工程、金型を閉じ、プレスしおよび加熱して得られるポリウ
レタンを硬化する工程およびポリウレタン翼を風力タービン中に取り付ける工程を含むポ
リウレタン風力タービン翼の製造方法を提供する。好ましくは、ポリウレタンは、放射線
を用いて硬化する。
【0017】
風力タービン翼は、大規模高速試作により、付加的な自動化製作により、または風力タ
ービン翼の正の像を大規模高速試作により生じさせ、負の像を形成し、および高強度複合
材料を注型または成形することにより、発電所にてまたはその近くにて形成し得る。高強
度の複合材料は、金属、セメントおよびポリマーの少なくとも1つを含み得る。
【0018】
本発明の方法は、風力タービン翼を、自動化反応射出成形(「RIM」)法により、ま
たは自動化長繊維(「LFI」)法により製造し得る。
【0019】
RIM技術によるポリウレタン成形品の製造は、良く知られており、例えば米国特許第
4218543号に記載されている(参照により、その内容全体を組み込む)。RIM法
は、高反応性液体出発成分を、いわゆる「正に制御された混合ヘッド」中で混合した後、
金型中へ極めて短い時間内に高出力高圧注入装置により射出する金型を充填する技術を含
む。RIM法では、2つの別個の流れをよく混合し、次いで、適当な金型中へ射出するが
、2以上の流れを用いることが可能である。第1流は、ポリイソシアネート成分を含有す
るが、第2流は、イソシアネート反応性成分および含ませるべき任意の他の添加剤を含有
する。また、RIM法は、米国特許第5750583号、同第5973099号、同第5
668239号、同第5470523号に説明される(参照により、これらの内容全体を
組み込む)。
【0020】
LFI法では、開放金型は、繊維ガラスストランドをロービングから切断し、ポリウレ
タン反応混合物を混合する混合ヘッドから充填する。ガラス繊維の体積および長さは、混
合ヘッドにおいて調節することができる。該方法は、マットまたはプレフォームより低コ
ストの繊維ガラスロービングを用いる。ガラスロービングは、好ましくは、ガラス細断機
を備えた混合ヘッドへ供給する。混合ヘッドは、混合ヘッドが金型上に位置し、混合ヘッ
ドの内容物を開放金型中へ供給する際に、ポリウレタン反応混合物を供給すると同時にガ
ラスロービングを細断する。混合ヘッドの内容物を金型中へ供給した際に、金型を閉じ、
反応混合物を硬化させ、複合材料物品を金型から取り出す。金型は、好ましくは、約12
0〜190°Fの温度にて維持する。混合ヘッドの内容物を金型中へ供給するのに必要な
時間は、通常、10および60秒の間である。金型は、好ましくは、約1.5〜約6分間
、閉じたままにしてガラス繊維強化層を硬化させる。
【0021】
米国特許出願公開第2005/0170189号、同第2007/0098997号、
同第2004/0135280号、同第2007/0160793号、同第2008/0
058468号に記載される(参照により、その内容全体を本明細書に組み込む)。
【0022】
物品を製造し得る熱硬化性プラスチック材料および/または熱可塑性プラスチック材料
は、必要に応じて、連続ガラスストランド、連続ガラスマット、カーボンファイバー、カ
ーボンマット、ホウ素繊維、カーボンナノチューブ、金属フレーク、ポリアミド繊維(例
えばKEVLARポリアミド繊維)およびこれらの混合物から選択される材料で強化し得
る。強化材料、特にガラス繊維は、当業者に知られている通り、組み込まれるプラスチッ
クへの混和性および/または接着性を向上させるためにその表面上にサイズ剤を有し得る
。ガラス繊維は、本発明において好ましい強化材料である。用いる場合には、強化材料、
例えばガラス繊維は、好ましくは、物品の熱硬化性プラスチック材料および/または熱可
塑性プラスチック材料中に、強化量、例えば物品の全重量を基準として5重量%〜75重
量%の量で存在させる。本発明に有用な長繊維は、長さが、好ましくは3mmを越え、よ
り好ましくは10mmを越え、さらに好ましくは12mm〜75mmである。
【0023】
長繊維は、好ましくは、長繊維強化ポリウレタンの5〜75重量%、より好ましくは1
0〜60重量%、さらに好ましくは20〜50重量%を構成する。長繊維は、本発明の長
繊維強化ポリウレタン中に、上記値の任意の組み合わせの間の範囲(記載の値を含む)の
量で存在させ得る。
【0024】
当業者に知られている通り、ポリウレタンは、ポリイソシアネートとイソシアネート反
応性化合物との、任意に発泡剤、補助剤および添加剤の存在下での反応生成物である。
【0025】
本発明の長繊維強化ポリウレタンのためのイソシアネートとして適当なものは、未変性
イソシアネート、変性ポリイソシアネートおよびイソシアネートプレポリマーが挙げられ
る。このような有機ポリイソシアネートとしては、例えばW.SiefkenによりJu
stus Liebigs Annalen der Chemie、第562巻、第7
5〜136頁に記載の種類の脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族およびヘテロ環式ポリ
イソシアネートが挙げられる。
【0026】
このようなイソシアネートの例としては、式:
Q(NCO)
n
〔式中、nは2〜5、好ましくは2〜3の数であり、Qは、2〜18個、好ましくは6〜
10個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素基、4〜15個、好ましくは5〜10個の炭
素原子を含有する脂環式炭化水素基、8〜15個、好ましくは8〜13個の炭素原子を含
有する芳香脂肪族炭化水素基、6〜15個、好ましくは6〜13個の炭素原子を含有する
芳香族炭化水素基である〕
により示されるイソシアネートが挙げられる。
【0027】
適当なイソシアネートの例としては、エチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチ
レンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカン
ジイソシアネート、シクロブタン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3
−および−1,4−ジイソシアネートおよびこれらの異性体の混合物、1−イソシアナト
−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソ
シアネート、例えば独国特許第1202785号および米国特許第3401190号)、
2,4−および2,6−ヘキサヒドロトルエンジイソシアネートおよびこれらの異性体の
混合物、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水素化MDIまたはH
MDI)、1,3−および1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および2,6
−トルエンジイソシアネートおよびこれらの異性体(TDI)の混合物、ジフェニルメタ
ン−2,4’−および/または−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、ナフチレン−
1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネー
ト、例えば英国特許第878430号および同第848671号に記載の、アニリンとホ
ルムアルデヒドとを縮合し、次いでホスゲン化により得られる種類のポリフェニル−ポリ
メチレン−ポリイソシアネート(粗製MDI)、米国特許第3492330号に記載のよ
うなノルボルナンジイソシアネート、米国特許第3454606号に記載の種類のm−お
よびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、米国特許第3277138号
に記載の種類のパークロロ化アリールポリイソシアネート、米国特許第3152162号
に記載の種類のカルボジイミド基を含有する変性ポリイソシアネート、例えば米国特許第
3394164号および同第3644457号に記載の種類のウレタン基を含有する変性
ポリイソシアネート、例えば英国特許第994890号、ベルギー国特許第761626
号およびオランダ国特許第7102524号に記載のアロファネート基を含有する変性ポ
リイソシアネート、米国特許第3002973号、独国特許第1022789号、同第1
222067号および同第1027394号、および独国特許出願公開第1919034
号および同第2004048号に記載の種類のイソシアヌレート基を含有する変性ポリイ
ソシアネート、独国特許第1230778号に記載の種類のウレア基を含有する変性ポリ
イソシアネート、例えば独国特許第1101394号、米国特許第3124605号およ
び同3201372号およびさらに英国特許第889050号に記載の種類のビウレット
基を含有するポリイソシアネート、例えば米国特許第3654106号に記載の種類の短
鎖重合反応により得られるポリイソシアネート、英国特許第965474号および同第1
072956号、米国特許第3567763号、および独国特許第1231688号に記
載の種類のエステル基を含有するポリイソシアネート、独国特許第1072385号に記
載の上記イソシアネートとアセタールとの反応生成物、および米国特許第3455883
号に記載の種類のポリマー脂肪酸基を含有するポリイソシアネートが挙げられる。また、
商業規模でのイソシアネートの製造において蓄積するイソシアネート含有蒸留残留物を、
任意に上記ポリイソシアネートの1以上における溶液中で用いることも可能である。さら
に、当業者は、上記ポリイソシアネートの混合物を用いることも可能であることを認識す
る。
【0028】
イソシアネート末端プレポリマーを、本発明による複合材料のポリウレタンの製造に用
い得る。プレポリマーは、過剰の有機ポリイソシアネートまたはこれらの混合物と、Ko
hlerによりJournal of the American Chemical
Society、第49巻、第3181頁(1927年)に記載の周知のツェレビチノフ
試験により決定の少量の活性水素含有化合物と反応させることにより調製し得る。これら
の化合物およびその製造方法は、当業者によく知られる。任意の1つの特定の活性水素化
合物の使用は、重要ではないが、任意のこのような化合物を、本発明の実施に用いること
ができる。
【0029】
任意のイソシアネート反応性化合物を、ポリウレタンを製造するのに用い得るが、ポリ
エーテルポリオールは、イソシアネート反応性成分として好ましい。ポリエーテルポリオ
ールを製造するための適当な方法は既知であり、例えば欧州特許出願公開第283148
号、米国特許第3278457号、同第3427256号、同第3829505号、同第
4472560号、同第3278458号、同第3427334号、同第3941849
号、同第4721818号、同第3278459号、同第3427335号および同第4
355188号に記載される。
【0030】
適当なポリエーテルポリオール、例えば多価アルコールおよびアルキレンオキシドの重
合から得られるポリーテルポリオール等を用い得る。このようなアルコールの例としては
、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブタ
ンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオ
ール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,7−ヘプタンジオール、グリセロール、1,1,1−トリメチロールプロパン、
1,1,1−トリメチロールエタン、または1,2,6−ヘキサントリオールが挙げられ
る。任意の適当なアルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、
ブチレンオキシド、アミレンオキシドおよびこれらオキシドの混合物等を用い得る。ポリ
オキシアルキレンポリエーテルポリオールは、他の出発物質、例えばテトラヒドロフラン
およびアルキレンオキシド−テトラヒドロフラン混合物等、エピハロヒドリン、例えばエ
ピクロロヒドリン等、並びにアルキレンオキシド、例えばスチレンオキシド等から製造し
得る。ポリオキシアルキレンポリエーテルポリオールは、第1級または第2級ヒドロキシ
ル基を有し得る。ポリエーテルポリオールとして挙げられるのは、ポリオキシエチレング
リコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブチレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール、ブロックコポリマー、例えばポリオキシプロピレンおよびポリオ
キシエチレングリコールの組み合わせ、ポリ−1,2−オキシブチレンおよびポリオキシ
エチレングリコールおよび1以上のアルキレンオキシドのブレンドまたは逐次添加から製
造されるコポリマーグリコールである。ポリオキシアルキレンポリエーテルポリオールは
、任意の既知の方法により製造し得る。
【0031】
含ませることができる発泡剤は、発泡生成物を製造するのに既知である化学的または物
理的作用での化合物である。水は、化学発泡剤の特に好ましい例である。物理的発泡剤の
例としては、ポリウレタン形成の条件下で蒸発する4〜8個の炭素原子を有する不活性(
シクロ)脂肪族炭化水素が挙げられる。用いる発泡剤の量は、フォームの目標密度により
導かれる。
【0032】
ポリウレタン形成のための触媒として、イソシアネートとイソシアネート反応性成分の
反応を促進する化合物を用いることが可能である。本発明に用いるための適当な触媒とし
ては、第3級アミンおよび/または有機金属化合物が挙げられる。化合物の例としては、
以下のものが挙げられる:トリエチレンジアミン、アミノアルキル−および/またはアミ
ノフェニル−イミダゾール、例えば4−クロロ−2,5−ジメチル−1−(N−メチルア
ミノエチル)イミダゾール、2−アミノプロピル−4,5−ジメトキシ−1−メチルイミ
ダゾール、1−アミノプロピル−2,4,5−トリブチルイミダゾール、1−アミノエチ
ル−4−ヘキシルイミダゾール、1−アミノブチル−2,5−ジメチルイミダゾール、1
−(3−アミノプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(3−アミノプ
ロピル)イミダゾールおよび/または1−(3−アミノプロピル)−2−メチルイミダゾ
ール、有機カルボン酸の錫(II)塩(その例は、錫(II)ジアセテート、錫(II)
ジオクトエート、錫(II)ジエチルヘキサノエートおよび錫(II)ジラウレートであ
る)および有機カルボン酸のジアルキル錫(IV)塩(その例は、ジブチル錫ジアセテー
ト、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエートおよびジオクチル錫ジアセテートで
ある)。
【0033】
ポリウレタン形成性反応は、所望であれば、補助剤および/または添加剤、例えば気泡
調整剤、離型剤、顔料、表面活性化合物および/または酸化、熱または微生物による分解
または老化に対する安定剤等の存在下で行い得る。
【0034】
ジイソシアネートおよびポリオール混合物は、必要に応じてUV硬化性であり得、一価
、二価または多価エチレン性不飽和基または多官能性エポキシド基を含有するUV硬化性
成分から構成され得る。UV硬化性成分は、液体または固体形態であり得る。エチレン性
不飽和化合物の例としては、スチレン誘導体、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリル
エーテル、アリルエステル、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルカプロラクトン、ア
クリレートまたはメタクリレートモノマーが挙げられる。また、上記化合物の例としては
、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、不飽和ポリエステル、ポリエステルア
クリレート、ポリエーテルアクリレート、ビニルアクリレートおよびポリエン/チオール
系のオリゴマーが挙げられる。通常用いるUV硬化性成分は、アクリレート不飽和基を含
有する。アクリレート化合物の骨格構造としては、脂肪族、脂環式、芳香族、アルコキシ
ル化ポリオール、ポリエステル、ポリエーテル、シリコーンおよびポリウレタンが挙げら
れる。UV硬化性エチレン性不飽和成分は、光開始剤により開始された遊離ラジカル重合
により、放射線源、例えば紫外線への暴露によって重合し得る。エチレン性不飽和基は、
重合工程中に消費され、不飽和基変換度は、硬化度の大きさである。多官能性エポキシド
化合物は、光生成活性種により開始されたカチオン重合により、放射線源、例えば紫外線
への暴露によって重合することができる。しかしながら、カチオンUV硬化は、エポキシ
ドに制限されない。放射線硬化性成分は、好ましくは100〜10000の範囲、より好
ましくは400〜4000の範囲の重量平均分子量を有する。不飽和基またはエポキシ基
の程度は、2〜30重量%の範囲である。特定の用途および最終硬化像特性に応じて、U
V硬化性成分と非反応性ポリマーバインダーの重量比は、好ましくは0.1〜100%の
範囲であり得る。
【0035】
本発明の1つの実施態様としては、放射線硬化用途のために通常用いられる光開始剤お
よび/または共開始剤から選択されるものが含まれる。本発明に有用であり得る適切な光
開始剤は、アセトフェノンおよびその誘導体を含む直接開裂(Norrish型Iまたは
II)光開始剤、ベンゾインおよびその誘導体、ベンジルケタールおよびその誘導体、ベ
ンゾフェノンおよびそのアルキル化またはハロゲン化誘導体を含む水素引き抜き光開始剤
、アントラキノンおよびその誘導体、チオキサントンおよびその誘導体およびミヒラーズ
ケトンである。適当な光開始剤の例は、ベンキソフェノン、クロロベンゾフェノン、4−
ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、アクリル化ベンゾフェノン、4−フェ
ニルベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4
−ジメチルジオキサントン、2,4−ジクロロジオキサントン、3,3’−ジメチル−4
−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,2−ジエトキシアセ
トフェノン、α,α−ジクロロアセト,p−フェノキシフェノン、1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルアセトフェノン、α,α−ジメチル,α−ヒドロキシアセトフェノン、ベンゾイ
ン、ベンゾインエーテル、ベンジルケタール、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン
、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2(O−エトキシカルボニル)オキシム、ア
シルホスフィンオキシド,9,10−フェナントレンキニン等である。光増感剤を、ラジ
カル生成開始剤と組み合わせて用いることは好都合であり得るが、該増感剤は、光エネル
ギーを吸収し、これを開始剤へ伝える。光増感剤の例としては、チオキサントン誘導体お
よび第3級アミン、例えばトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、エチル4
−ジメチルアミノベンゾエート、2(n−ブトキシ)エチル4−ジメチルアミノベンゾエ
ート、2−エチルヘキシルp−ジメチル−アミノベンゾエート、アミルp−ジメチル−ア
ミノベンゾエートおよびトリ−イソプロパノールアミンが挙げられる。光開始カチオン性
重合は、複合有機分子の塩を用いて、カチオン性鎖重合を、エポキシドを含有するオリゴ
マーまたはモノマー中で開始する。カチオン性光開始剤としては、非求核複合金属ハロゲ
ン化物アニオンを有するジアリールヨードニウムおよびトリアリールスルホニウム塩が挙
げられるが、これらに限定されない。カチオン性光開始剤の例は、一般式Ar−−N
2+
X−(式中、Arは芳香環、例えばブチルベンゼン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン
などであり、XはBF
4、PF
6、AsF
6、SbF
6、CF
3SO
3などである)で示
されるアリールジアゾニウム塩;一般式Ar
2I
+X−(式中、Arは芳香環、例えばメ
トキシベンゼン、ブチルベンゼン、ブトキシベンゼン、オクチルベンゼンまたはジデシル
ベンゼン等であり、Xは、低求核度のイオン、例えばBF
4、PF
6、AsF
6、SbF
6、CF
3SO
3等である)で示されるジアリールヨードニウム塩;一般式Ar
3S
+X
−(Arは芳香環、例えばヒドロキシベンゼン、メトキシベンゼン、ブチルベンゼン、ブ
トキシベンゼン、オクチルベンゼン、ドデシルベンゼン等であり、Xは、低求核度のイオ
ン、例えばBF
4、PF
6、AsF
6、SbF
6、CF
3SO
3などである)で示される
トリアリールスルホニウム塩である。これらの組成物は、0.1〜20重量%、好ましく
は1〜10重量%の光開始剤を含有し得る。ラジカル重合およびカチオン性重合によるU
V硬化技術はよく知られている。UV硬化材料および方法は、例えばR.Mehnert
、P.Pincus、I.Janorsky、R.StoweおよびA.Berejka
による「UV & EB Curing Technology & Equipmen
t Volume I」(この内容を参照により組み込む)に概説されている。
【0036】
任意に、ポリマー中に、水中に不溶性の顔料を分散させることができ、これらの顔料は
、強い永久的な色を生じさせる。このような顔料の例は、有機顔料、例えばフタロシアニ
ン、リトールなど、および無機顔料、例えばTiO
2、カーボンブラックなどである。フ
タロシアニン顔料の例は、銅フタロシアニン、モノ−クロロ銅フタロシアニン、およびヘ
キサデカクロロ銅フタロシアニンである。本明細書中に使用するのに適した他の有機顔料
としては、アントラキノンバット顔料、例えばバットイエロー6GLCL1127、キノ
ンイエロー18−1、インダントロンCL1106、ピラントロンCL1096、臭素化
ピラントロン、例えばジブロモピラントロン、バットブリリアントオレンジRK、アント
ラミドブラウンCL1151、ジベンゾアントロングリーンCL1101、フラバントロ
ンイエローCL1118;アゾ顔料、例えばトルイジンレッドC169、およびハンザイ
エロー;および金属化顔料、例えばアゾイエローおよびパーマネントレッドが挙げられる
。カーボンブラックは任意の既知の型、例えばチャネルブラック、ファーネスブラック、
アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックおよびアニリンブラックであり
得る。顔料は、物品の重量を基準として1重量%〜40重量%の、より好ましくは約4重
量%〜20重量%の範囲内の顔料の含有量を与えるのに十分な量で用いられる。
【0037】
吹込成形硬質中空物品を製造するための熱可塑性材料は、独立に選択し得る。本発明の
実施態様では、吹込成形硬質中空物品の熱可塑性材料は、熱可塑性ポリオレフイン(例え
ば、熱可塑性ポリ塩化ビニル)、熱可塑性ポリビニル塩素、熱可塑性ポリウレタン、熱可
塑性ポリウレア、熱可塑性ポリアミド、熱可塑性ポリエステルおよび熱可塑性ポリカーボ
ネートの少なくとも1つから選択される。吹込成形硬質中空物品を製作し得る熱可塑性ポ
リオレフインとしては、例えば熱可塑性ポリエチレン、熱可塑性ポリプロピレン、エチレ
ン及びプロピレンの熱可塑性コポリマー、および熱可塑性ポリブチレンが挙げられる。本
発明の1実施態様では、吹込成形硬質中空物品は、LANXESSから市販の熱可塑性ポ
リアミド(例えば、DURETHAN熱可塑性ポリアミド)から作られる。
【0038】
本発明では、用語「熱硬化性プラスチック材料」は、化学的反応性基、例えば活性水素
基および遊離イソシアネート基の間の共有結合の形成から得られる3次元架橋ネットワー
クを有するプラスチック材料を意味する。支持体を製作し得る熱硬化性プラスチック材料
としては、当業者に知られた熱硬化性プラスチック材料、例えば架橋ポリウレタン、架橋
ポリエポキシドおよび架橋ポリエステルが挙げられる。該熱硬化性プラスチック材料のう
ち、架橋ポリウレタンが好ましい。物品は、反応射出成形の当該技術で公知の方法による
架橋ポリウレタンから製作し得る。反応射出成形は、当業者に知られている通り、典型的
に、(i)活性水素官能性成分(例えばポリオールおよび/またはポリアミン);および
(ii)イソシアネート官能性成分(例えばトルエンジイソシアナートのようなジイソシ
アナート、および/またはトルエンジイソシアナートのようなジイソシアナートのダイマ
ーおよびトリマー)を、別々に、好ましくは同時に、金型中へ射出する工程を含む。充填
した金型は、射出された成分の完全な反応を確保および/または早めるために任意に加熱
し得る。射出された成分が完全に反応すると、金型を開き、成形品を取り出す。
【0039】
当業者に知られている通り、充填材、例えばポリマーフォーム、液体および液体ゲル等
を、成形工程の間または成形工程の後に中空物品中へ導入して、付加的な支持体を部材へ
注入し得る。
【0040】
本発明の実施態様では、翼または他の大きな部品は、表面、次いで空気力学を変化させ
ることにより翼効率における優位性を付与するために外側表面の少なくとも一部に一体テ
クスチャーを有し得る。テクスチャード加工フィルム、テクスチャード加工金型および/
または被覆物を含む一体テクスチャーは、幾つかの技術を用いて付与することができる。
【0041】
一体テクスチャード加工フィルムは、インモールド法により外側表面上に形成される。
一体フィルムは、典型的には、プラスチックフィルム、例えば熱可塑性プラスチックまた
は熱硬化性プラスチックフィルムであり、透明、薄い色または不透明であってよく、テク
スチャード加工し得る。さらに、一体フィルムは、その上に、印、パターンおよび/また
は印刷を有し得る。好ましくは、一体フィルムは、熱可塑性プラスチックフィルム、例え
ば熱可塑性プラスチックポリウレタンまたはポリカーボネートフィルムである。一体フィ
ルムは、好ましくは、成形法、すなわち、インモールド法の間に外側表面へ組み込む。そ
の例として、熱可塑性ポリウレタンフィルム挿入物を、好ましくは、金型の内部表面の少
なくとも一部と接触させて設置する。成形工程の間に、溶融成形材料は、物品を形成しな
がらフィルム挿入物と接触および融合し始める。金型から取り出すことにより、部品は、
外側表面の少なくとも一部に付着した一体成形フィルムを有する。
【0042】
あるいは、物品の外部表面は、モールド成形されたテクスチャーを有し得る。モールド
成形されたテクスチャーは、翼空気力学を変化させることにより翼効率における優位性を
提供する働きをすることができる。モールド成形されたテクスチャーは、好ましくは、翼
が形成される金型の内部表面上におよび/または内部表面において、複数の隆起した部分
および/または窪みにより形成され得る。必要に応じて、被覆物を、モールド成形された
テクスチャーを強化し、および/または金型から物品の取り出しを補助する手段として金
型表面へ加え得る。
【0043】
種々の方法が、三次元物体を基材上で材料の層の堆積により形成するために提案されて
きた。この積層製造工程は、固体自由形状製作(SFF)または高速試作(RP)として
既知である。プラスチック、ワックス、金属、セラミック、セメント等のような材料を含
む種々の材料および材料の組み合わせは、この方法に従って加工することができる。一般
に、RP技法は、形成すべき物体の連続断面を表すデータを用いて構成媒体から、層毎に
、3次元物体を構築する。コンピューター支援設計およびコンピューター支援製造システ
ムは、CAD/CAMシステムと称されることが多く、典型的には、物体表現をRPシス
テムに提供する。高速試作および製造(RP&M)の3つの主な形態としては、光造形法
(stereolithography)、レーザー焼結法および固体像のインクジェッ
ト印刷が挙げられる。
【0044】
レーザー焼結法は、十分なエネルギーを付与して層を固めるセラミック、ポリマーおよ
びポリマー被覆金属を含む熱可溶性粉末の薄層から固体像を構築する。インクジェット印
刷法は、バインダーと組み合わせる場合に固化する粉末から固体像を構築する。本発明が
主に取り組む光造形法は、通常、樹脂と称される重合性液体から薄層を構築する。
【0045】
更なる自動化製作技術は、Khoshevisにより、米国特許第5529471号、
同第5656230号、同第6589471号、同第7153454号および同第745
2196号および米国特許出願公開第2005/0196482号、同第2007/01
38678号、同第2007/0181519号に記載される(その内容を参照により本
明細書に組み込む)。
【0046】
本発明を、本明細書に風力タービン翼の製造について記載するが、本発明者は、該方法
が、風力タービン塔、自動車構造パネル、農業収穫機械(すなわち、コンバイン)、旅客
機用の複合材料構造、建物および建築物に用いるパネル(例えば小個室)および大きなゴ
ミ箱を含む、幅広い種類の他の大きな物体の製造に用いることができることを考慮する。
【実施例】
【0047】
本発明を、以下の実施例によって更に説明するが、制限するためではない。
【0048】
図1は、例えば風力タービン翼のような非常に大きい部品を製造するためのコンクリー
ト製金型を製造する自動化システムの使用を説明する。上記実質的金型は、これらの巨大
部品を首尾良く複製するために重要な欠くことのできない安定性および硬質構造を提供す
る。さらに、これらの金型は、比較的安価に風力タービン製造所においてまたはその近く
で都合良く製造することができる。
【0049】
図1の参照により分かる通り、金型形成法は、金型を層毎に製造するために、制御され
た方法によりコンクリートを供給する押出機ダイ12へ装着した材料供給管10の使用を
含む。押出機管およびダイ組み合わせをコンピューターにより誘導する。必要なコンピュ
ーターモデルを開発するために、金型は、CAD(コンピューター支援設計)ソフトウェ
アを用いて設計する。次いで、設計データを転送し、およびこれを用いてCAM(コンピ
ューター支援製造)コンピューターをプログラムする。層16、18、20および22を
設置する際に、供給管10と一体化された、同様にコンピューターにより制御されるこて
14により、押し出されたコンクリートの上部および側面を平滑化する。加熱要素を金型
建造工程中に挿入し、完成金型はきっちりと閉まる蓋を備えるが、これも加熱される。
【0050】
図2は、
図1を用いて説明される自動化システムを用いて建造中の風力タービン塔底部
を示す。補強ロッドを、必要に応じて、更なる構造強度を与える建造相中に挿入し得る。
【0051】
図3を参照すれば、開放金型30を、混合ヘッド32(例えばKrauss−Maff
eiから)から装填する。混合ヘッド32では、繊維ガラスストランドを、ガラスロービ
ング34から適切な長さへ切断し、同時に、貯蔵タンクイソシアネート36およびポリオ
ール38から送り出した個々のポリウレタン成分を組み合わせる。同時に、混合ヘッド3
2は、ポリウレタン反応混合物を供給し、混合ヘッド32が開放金型30上を連続して通
過する場合、ガラスロービングを細かく刻む。金型30表面上でのポリウレタン反応混合
物およびガラス繊維の分布を、コンピューター制御ガントリー42へ結合したロボット4
0により制御する。示される通り、ロボット40を自由に動かす行路上にガントリー42
を設置し、その結果、金型キャビティ44を完全にカバーする。キャビティ44を充填し
、次いで金型蓋46を閉じる。金型30を、約1.5〜約6分の間閉じたままにして、ガ
ラス繊維層を約120〜190°Fの温度にて硬化させる。混合ヘッド32の内容物を金
型30へ供給するのに必要な時間は、約60秒である。
【0052】
本発明の上記の実施例を、本発明を制限する目的ではなく、例示の目的で提供する。本
明細書に記載の実施態様を、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の方法
で変形または修正し得ることは当業者には明らかである。本発明の範囲は、添付の特許請
求の範囲によって判定すべきである。