(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0013】
本発明の目的は、PI3Kおよび/またはmTOR阻害剤を提供することである。具体的には本発明は以下に関する:
(I)式(I)の化合物、またはその製薬上許容され得る塩、立体異性体もしくは溶媒和物:
【0015】
XおよびYはそれぞれ独立してOまたはS;
AおよびBはそれぞれ独立してCR
6であり、R
6は水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシル、−(CH
2)
nNR
8aR
8b、−(CH
2)
nC(O)R
9、−(CH
2)
nS(O)
mR
9、−(CH
2)
nS(O)
mNR
8aR
8b、−(CH
2)
nN(R
8a)S(O)
mR
9、−(CH
2)
nC(O)NR
8aR
8b、−(CH
2)
nOC(O)R
9、−(CH
2)
nC(O)(CH
2)
nOR
9、−(CH
2)
nN(R
8a)C(O)R
9、C
1−6アルキルもしくはC
1−6アルコキシ(式中、C
1−6アルキルおよびC
1−6アルコキシはハロゲン、ヒドロキシおよびカルボキシルから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい);
R
1は水素、C
1−6アルキル、C
2−8アルケニル、C
2−8アルキニル、C
3−8シクロアルキル、6〜14員アリール、5〜14員ヘテロアリール、3〜14員ヘテロ環式基、7〜12員スピロ環式基もしくは7〜12員橋かけ基であり、水素以外はすべて1〜5個のR
7aで置換されてもよい;
R
2は水素、C
1−6アルキル、C
2−8アルケニル、C
2−8アルキニル、C
3−8シクロアルキル、6〜14員アリール、5〜14員ヘテロアリール、3〜14員ヘテロ環式基、7〜12員スピロ環式基、もしくは7〜12員橋かけ基であり、水素以外のすべては1〜5個のR
7bで置換されてもよい;
R
3は水素、カルボキシルまたはC
1−6アルキル(式中、C
1−6アルキルはハロゲン、ヒドロキシおよびカルボキシルから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい);
【0016】
R
4は水素、C
3−8シクロアルキル、C
1−6アルキル(式中、C
1−6アルキルはハロゲン、ヒドロキシおよびカルボキシルから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい);
R
7aおよびR
7bはそれぞれ独立して
(1)ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、−(CH
2)
nNR
8aR
8b、−(CH
2)
nC(O)R
9、−(CH
2)
nS(O)
mR
9、−(CH
2)
nS(O)
mNR
8aR
8b、−(CH
2)
nN(R
8a)S(O)
mR
9、−(CH
2)
nC(O)NR
8aR
8b、−(CH
2)
nOC(O)R
9、−(CH
2)
nC(O)(CH
2)
nOR
9もしくは−(CH
2)
nN(R
8a)C(O)R
9、
(2)C
1−6アルキル、C
2−8アルケニル、C
2−8アルキニルもしくはC
1−6アルコキシであり、すべてハロゲン、ヒドロキシ、およびシアノから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい;または
(3)C
3−8シクロアルキル、6〜14員アリール、5〜14員ヘテロアリールもしくは3〜14員ヘテロ環式基であり、すべてハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル、C
1−6アルキル、C
2−8アルケニル、C
2−8アルキニル、C
1−6アルコキシ、−(CH
2)
nNR
8aR
8b、−(CH
2)
nC(O)R
9、−(CH
2)
nC(O)NR
8aR
8b、−(CH
2)
nS(O)
mR
9、−(CH
2)
nS(O)
mNR
8aR
8b、−(CH
2)
nN(R
8a)S(O)
mR
9、−(CH
2)
nOC(O)R
9および−(CH
2)
nN(R
8a)C(O)R
9から選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい;
【0017】
R
8aおよびR
8bはそれぞれ独立して水素、C
1−6アルキル、C
3−8シクロアルキル、6〜14員アリール、5〜14員ヘテロアリールもしくは3〜14員ヘテロ環式基であり、水素以外はすべてヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、カルボキシル、−(CH
2)
nNR
8aR
8b、スルファモイル、カルバモイルおよびスルファミノから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい;
R
9は水素、C
1−6アルキルまたはC
1−6アルコキシであり、水素以外はすべてハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシル、−(CH
2)
nNR
8aR
8b、スルファモイルおよびカルバモイルから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい;
mが0、1または2;および
nが0−4。
【0018】
(II)上記(I)の化合物、またはその製薬上許容され得る塩、立体異性体もしくは溶媒和物、(式中、
AおよびBはそれぞれ独立してCR
6(式中、R
6が水素、−(CH
2)
nS(O)
mNR
8aR
8b、−(CH
2)
nN(R
8a)S(O)
mR
9、−(CH
2)
nC(O)NR
8aR
8b、C
1−6アルキルもしくはC
1−6アルコキシ(式中、C
1−6アルキルおよびC
1−6アルコキシはハロゲン、ヒドロキシおよびカルボキシルから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい));
R
1はC
3−8シクロアルキル、6〜10員アリール、5〜10員ヘテロアリールもしくは5〜10員ヘテロ環式基であり、すべて1〜3個のR
7aで置換されてもよい;
R
2はC
3−8シクロアルキル、6〜10員アリール、5〜10員ヘテロアリールもしくは5〜10員ヘテロ環式基であり、すべて1〜3個のR
7bで置換されてもよい;
R
3およびR
4はそれぞれ独立して水素またはC
1−6アルキル(式中、C
1−6アルキルはハロゲン、ヒドロキシおよびカルボキシルから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい);
【0019】
R
7aおよびR
7bはそれぞれ独立して
(1)ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、−(CH
2)
nNR
8aR
8b、−(CH
2)
nC(O)R
9、−(CH
2)
nS(O)
mR
9、−(CH
2)
nS(O)
mNR
8aR
8b、−(CH
2)
nN(R
8a)S(O)
mR
9、−(CH
2)
nC(O)NR
8aR
8b、−(CH
2)
nOC(O)R
9、−(CH
2)
nC(O)(CH
2)
nOR
9、もしくは−(CH
2)
nN(R
8a)C(O)R
9、
(2)C
1−6アルキルもしくはC
1−6アルコキシであり、両方はハロゲン、ヒドロキシ、およびシアノから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい、または
(3)C
3−8シクロアルキル、6〜10員アリール、5〜10員ヘテロアリールもしくは5〜10員ヘテロ環式基であり、すべてハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、−(CH
2)
nNR
8aR
8b、−(CH
2)
nC(O)R
9、−(CH
2)
nC(O)NR
8aR
8b、−(CH
2)
nS(O)
mR
9、−(CH
2)
nS(O)
mNR
8aR
8b、−(CH
2)
nN(R
8a)S(O)
mR
9、−(CH
2)
nOC(O)R
9および−(CH
2)
nN(R
8a)C(O)R
9から選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい;
【0020】
R
8aおよびR
8bはそれぞれ独立して、水素またはC
1−6アルキル(式中、C
1−6アルキルはヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、カルボキシル、スルファモイル、カルバモイル、およびスルファミノから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい;
R
9は、水素またはC
1−6アルキル(式中、C
1−6アルキルはハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシル、−NR
8aR
8b、スルファモイルおよびカルバモイルから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい;
mは0、1または2;および
nが0−4)。
【0021】
(III)上記(II)の化合物、またはその製薬上許容され得る塩、立体異性体もしくは溶媒和物(式中、
XおよびYはそれぞれO;
AおよびBはそれぞれCH;
R
1が6〜10員アリール、5〜6員単環式ヘテロアリール、9〜10員縮合ヘテロアリール、5〜6員単環式ヘテロ環式基または9〜10員縮合ヘテロ環式基であり、すべて1〜3個のR
7aで置換されてもよい;
R
2は6〜10員アリール、5〜6員単環式ヘテロアリール、9〜10員縮合ヘテロアリール、5〜6員単環式ヘテロ環式基または9〜10員縮合ヘテロ環式基であり、すべて1〜3個のR
7bで置換されてもよい;
R
3は水素;
R
4は水素またはC
1−6アルキル(式中、C
1−6アルキルはハロゲン、ヒドロキシおよびカルボキシルから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい);
R
7aおよびR
7bはそれぞれ独立して
(1)ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、−(CH
2)
nNR
8aR
8b、−(CH
2)
nC(O)R
9、−(CH
2)
nS(O)
mR
9、−(CH
2)
nS(O)
mNR
8aR
8b、−(CH
2)
nN(R
8a)S(O)
mR
9、−(CH
2)
nC(O)NR
8aR
8b、−(CH
2)
nOC(O)R
9、−(CH
2)
nC(O)(CH
2)
nOR
9、−(CH
2)
nN(R
8a)C(O)R
9、
(2)C
1−6アルキルもしくはC
1−6アルコキシであり、両方はハロゲン、ヒドロキシ、およびシアノから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい、または
(3)5〜10員ヘテロアリールもしくは5〜10員ヘテロ環式基であり、両方はハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、−(CH
2)
nNR
8aR
8b、−(CH
2)
nC(O)R
9、−(CH
2)
nC(O)NR
8aR
8b、−(CH
2)
nS(O)
mR
9、−(CH
2)
nS(O)
mNR
8aR
8b、−(CH
2)
nN(R
8a)S(O)
mR
9、−(CH
2)
nOC(O)R
9および−(CH
2)
nN(R
8a)C(O)R
9から選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい;
R
8aおよびR
8bはそれぞれ独立して水素またはC
1−6アルキル;
R
9は水素またはC
1−6アルキル(式中、C
1−6アルキルはハロゲン、シアノ、ヒドロキシおよび−NR
8aR
8bから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい);
mが0、1または2;および
nは0〜3)。
【0022】
本発明の式(I)の化合物のさらに好ましい実施形態において:
XおよびYはそれぞれO;
AおよびBはそれぞれCH;
R
1は6〜10員アリールまたは5〜6員単環式ヘテロアリールであり、両方は1〜3個のR
7aで置換されてもよい;
R
2は6〜10員アリール、5〜6員単環式ヘテロアリールまたは9〜10員縮合ヘテロアリールであり、すべて1〜3個のR
7bで置換されてもよい;
R
3は水素;
R
4は水素またはC
1−6アルキル(式中、C
1−6アルキルはヒドロキシで置換されてもよい);
R
7aおよびR
7bはそれぞれ独立して
(1)ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、−(CH
2)
nNR
8aR
8b、−(CH
2)
nC(O)R
9、−(CH
2)
nS(O)
mR
9、−(CH
2)
nC(O)NR
8aR
8b、−C(O)(CH
2)
nOR
9もしくは−(CH
2)
nN(R
8a)C(O)R
9、
(2)C
1−6アルキルもしくはC
1−6アルコキシであり、両方はハロゲン、ヒドロキシ、およびシアノから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい、または
(3)5〜6員単環式ヘテロアリールもしくは5〜6員単環式ヘテロ環式基であり、両方はハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、−(CH
2)
nNR
8aR
8b、−(CH
2)
nC(O)R
9、−(CH
2)
nC(O)NR
8aR
8b、−(CH
2)
nOC(O)R
9および−(CH
2)
nN(R
8a)C(O)R
9から選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい;
R
8aおよびR
8bはそれぞれ独立して水素またはC
1−6アルキル;
R
9は水素またはC
1−6アルキル(式中、C
1−6アルキルはハロゲン、シアノ、ヒドロキシおよび−NR
8aR
8bから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい);
mが0、1または2;および
nは0〜3。
【0023】
さらに本発明の式(I)の化合物の好ましい実施形態において:
XおよびYはそれぞれO;
AおよびBはそれぞれCH;
R
1がフェニル、ピリジルまたはピリミジルであり、すべては1〜3個のR
7aで置換されてもよい;
R
1はフェニル、ピリジル、ピリミジル、チエニル、ピラゾリル、インダゾリル、インドリル、ピリドピロリル、ピラゾロピリジルもしくはキノリルであり、すべては1〜3個のR
7bで置換されてもよい;
R
3が水素;
R
4が水素、メチル、エチルまたはヒドロキシメチル;
R
7aおよびR
7bはそれぞれ独立して
(1)シアノ、ヒドロキシ、−NR
8aR
8b、−C(O)R
9、−S(O)
mR
9、−C(O)NR
8aR
8b、−C(O)(CH
2)
nOR
9もしくは−N(R
8a)C(O)R
9、
(2)C
1−6アルキルC
1−6アルコキシであり、両方がハロゲン、ヒドロキシ、およびシアノから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい、または
(3)ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピペリジル、ピペラジニルもしくはモルホリニルであり、すべてがハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、−NR
8aR
8b、−C(O)R
9、−C(O)NR
8aR
8b、−OC(O)R
9および−N(R
8a)C(O)R
9から選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい;
R
8aおよびR
8bはそれぞれ独立して水素またはC
1−6アルキル;
R
9が水素またはC
1−6アルキル(式中、C
1−6アルキルはハロゲン、シアノおよびヒドロキシから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい);
mが0、1または2。
【0024】
(IV)上記(III)の化合物、またはその製薬上許容され得る塩、立体異性体もしくは溶媒和物(式中、
XおよびYはそれぞれO;
AおよびBはそれぞれCH;
R
1は5〜6員単環式ヘテロ環式基であり、1〜3個のR
7aで置換されてもよい;
R
2は6〜10員アリール、5〜6員単環式ヘテロアリールもしくは9〜10員縮合ヘテロアリールであり、すべては1〜3個のR
7bで置換されてもよい;
R
3は水素;
R
4は水素、メチルまたはヒドロキシメチル;
R
7aおよびR
7bはそれぞれ独立して
(1)シアノ、ヒドロキシ、−(CH
2)
nNR
8aR
8b、−(CH
2)
nC(O)R
9、−(CH
2)
nS(O)
mR
9、−(CH
2)
nC(O)NR
8aR
8b、−C(O)(CH
2)
nOR
9もしくは−(CH
2)
nN(R
8a)C(O)R
9、
(2)C
1−6アルキルもしくはC
1−6アルコキシであり、両方はハロゲン、ヒドロキシ、およびシアノから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい、または
(3)5〜6員単環式ヘテロアリールもしくは5〜6員単環式ヘテロ環式基であり、両方はハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、−(CH
2)
nNR
8aR
8b、−(CH
2)
nC(O)R
9、−(CH
2)
nC(O)NR
8aR
8b、−(CH
2)
nOC(O)R
9および−(CH
2)
nN(R
8a)C(O)R
9から選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい;
R
8aおよびR
8bはそれぞれ独立して水素またはC
1−6アルキル;
R
9は水素またはC
1−6アルキル(式中、C
1−6アルキルはハロゲン、シアノ、ヒドロキシおよび−NR
8aR
8bから選択される1〜3個の置換基で置換されてもよい);
mが0、1または2;および
nは0〜3)。
【0025】
(V)上記(I)−(IV)のいずれかの化合物、またはその製薬上許容され得る塩、立体異性体もしくは溶媒和物、および1以上の製薬上許容し得る担体、および任意でさらに1以上の抗腫瘍薬および免疫抑制剤を含有する医薬組成物(ここで、抗腫瘍薬および免疫抑制薬は:
(1)カペシタビン、ゲムシタビンおよびペメトレキセド二ナトリウムから選択される代謝拮抗剤;
(2)パゾパニブ、イマチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、ゲフィチニブおよびバンデタニブから選択される成長因子阻害剤;
(3)ハーセプチンおよびアバスチンから選択される抗体;
(4)パクリタキセル、ビノレルビン、ドセタクセルおよびドキソルビシンから選択される有糸分裂阻害剤;
(5)レトロゾール、タモキシフェン、フルベストラント、フルタミドおよびトリプトレリンから選択される抗腫瘍ホルモン類;
(6)サイクロフォスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシルおよびカルムスチンから選択されるアルキル化剤;
(7)カルボプラチン、シスプラチンおよびオキサリプラチンから選択されるプラチナ金属;
(8)カンプトセシン、トポテカンおよびイリノテカンから選択されるトポイソメラーゼ阻害剤;
(9)エベロリムス、シロリムスおよびテムシロリムスから選択される免疫抑制剤;
(10)6−メルカプトプリン、6−チオグアニンおよびアザチオプリンから選択されるプリン類似体;
(11)ストレプトゾトシンD、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ミトキサントロン、ブレオマイシンおよびプリカマイシンから選択される抗生物質;または
(12)副腎皮質阻害剤であるアミノグルテチイミド
である)。
【0026】
(VI)がんおよび非がん性疾患などの増殖性疾患を治療および/または予防するための薬剤の合成のための上記(I)−(IV)いずれかの化合物、またはその製薬上許容され得る塩、立体異性体もしくは溶媒和物の使用(ここで、がん疾患は脳腫瘍、肺がん、非小細胞肺がん、扁平上皮細胞がん、膀胱がん、胃がん、卵巣がん、腹膜がん、膵臓がん、乳がん、頭頚部がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、結腸直腸がん、肝臓がん、腎臓がん、食道腺がん、食道扁平上皮細胞がん、固形がん、非ホジキン性リンパ腫、神経膠腫、多形性膠芽腫、神経膠肉腫、前立腺がん、甲状腺がん、生殖管がん、上皮内がん、リンパ腫、組織球性リンパ腫、神経線維腫症、骨肉腫、皮膚がん、脳がん、結腸がん、精巣がん、肺小細胞がん、消化管間質腫瘍、前立腺腫瘍、肥満細胞腫瘍、多発性骨髄腫、メラノーマ、神経膠腫膠芽腫、星状細胞腫、神経芽細胞腫、肉腫から選択される;また非がん性疾患は皮膚または前立腺の良性増殖から選択される)。
【0027】
(VII)上記(I)−(IV)いずれかの化合物、またはその製薬上許容され得る塩、立体異性体もしくは溶媒和物の治療有効量を患者に投与する工程を含む増殖性疾患を治療および/または予防方法。
【0028】
下記化合物、またはその製薬上許容され得る塩、立体異性体もしくは溶媒和物が好ましい:
【0061】
本明細書で使用される用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を含む。
【0062】
用語「C
1−6アルキル」は直鎖状または分枝状でありえ、例えば、「C
1−4アルキル」、「C
1−3アルキル」および「C
1−2アルキル」を含む。具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2−メチルプロピル、1−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、n−ペンチル、3−メチルブチル、2−メチルブチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、1,2−ジメチルプロピルを含むがそれらに限定されない。
【0063】
本明細書で使用される用語「C
3−8シクロアルキル」としては、例えば、「C
3−7シクロアルキル」、「C
3−6シクロアルキル」、「C
4−6シクロアルキル」および「C
5−6シクロアルキル」が挙げられる。具体例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等を含むがそれらに限定されない。
【0064】
本明細書で使用される用語「C
2−8アルケニル」は直鎖状または分枝状または環状でありえ、例えば、「C
2−5アルケニル」、「C
2−4アルケニル」、「C
2−3アルケニル」および「C
3−6シクロアルケニル」を含む。具体例としては、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、2−メチル−1−ブテニル、3−メチル−1−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、1,1−ジメチル−2−プロペニル、1−エチル−2−プロペニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、2−メチル−1−ペンテニル、3−メチル−1−ペンテニル、1−メチル−2−ペンテニル、3−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−3−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、3−メチル−4−ペンテニル、1,1−ジメチル−3−ブテニル、1,2−ジメチル−3−ブテニル、1,3−ジメチル−2−ブテニル、2,2−ジメチル−3−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、2−エチル−3−ブテニル、2−ヘプテニル、3−ヘプテニル、4−ヘプテニル、1−オクテニル、3−オクテニル、4−オクテニル、1,3−ブタジエニル、2,4−ペンタジエニル、1,4−ヘキサジエニル、2,4−ヘキサジエニル、1,5−ヘプタジエニル、2,5−ヘプタジエニル、2,6−オクタジエニル、シクロペンテニル、1,3−シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、1,4−シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、1,4−シクロヘプタジエニル、シクロオクテニル等を含むがそれらに限定されない。
【0065】
本明細書で使用される用語「C
2−8アルキニル」は、直鎖状または分枝状でありえ、例えば、「C
2−5アルキニル」、「C
2−4アルキニル」および「C
2−3アルキニル」を含む。具体例としては、エチニル、1−プロピニル、2−ブチニル、1−メチル−2−プロピニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、1−メチル−2−ブチニル、2−メチル−3−ブチニル、1,1−ジメチル−2−プロピニル、1−エチル−2−プロピニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、1−メチル−2−ペンチニル、1−メチル−3−ペンチニル、2−メチル−3−ペンチニル、1,1−ジメチル−3−ブチニル、2−エチル−3−ブチニル、2−ヘプチニル、3−ヘプチニル、4−メチル−2−ヘキシニル、5−メチル−2−ヘキシニル、2−メチル−3−ヘキシニル、5−メチル−3−ヘキシニル、2−メチル−4−ヘキシニル、4−メチル−5−ヘキシニル、2−オクチニル、3−オクチニル、4−オクチニル、4−メチル−2−ヘプチニル、5−メチル−3−ヘプチニル、6−メチル−3−ヘプチニル、2−メチル−4−ヘプチニル、2−メチル−5−ヘプチニル、3−メチル−6−ヘプチニル等を含むがそれらに限定されない。
【0066】
本明細書で使用される用語「C
1−6アルコキシ」は、「C
1−6アルキル−O−」(「C
1−6アルキル)」は上記に定義される)を示す。
【0067】
本明細書で使用される用語「C
1−6アルキルカルボニル」は、「C
1−6アルキル−C(O)−」(「C
1−6アルキル」は上記に定義される)を示す。
【0068】
本明細書で使用される用語「6〜14員アリール」としては、6〜8員単環式アリールおよび8〜14員縮合アリールが挙げられる。6〜8員単環式アリールとしては、例えば、フェニルシクロオクタテトラエニル等が挙げられる。8〜14員縮合アリールとしては、例えば、ナフチル、フェナントリル、2,3−ジヒドロ−1H−インデニル、1H−インデニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、1,4−ジヒドロナフチル等が挙げられる。
【0069】
本明細書で使用される用語「5〜14員ヘテロアリール」としては、5〜8員の単環式ヘテロアリールおよび6〜14員縮合ヘテロアリール(ここでヘテロ原子は窒素、酸素、硫黄等である)が挙げられる。前記用語は炭素原子、窒素原子または硫黄原子はオキソで置換されている場合が挙げられる。
【0070】
5ないし8員の単環式ヘテロアリールの例としては、フリル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、ピリジル、2−ピリドン、4−ピリドン、ピリミジニル、1,4−ジオキシニル、2H−1,2−オキサジニル、4H−1,2−オキサジニル、6H−1,2−オキサジニル、4H−1,3−オキサジニル、6H−1,3−オキサジニル、4H−1,4−オキサジニル、ピリダジニル、ピラジニル、1,2,3−トリアジニル、1,3,5−トリアジニル、1,2,4,5−テトラジニル、アゼピニル、1,3−ジアゼピニル、アザシクロオクタテトラエニル等が挙げられるが、それらに限定されない。5〜6員単環式ヘテロアリールが好ましい。
【0071】
6〜14員縮合ヘテロアリールの例としては、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾール、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリル、2−キノリノン、4−キノリノン、1−イソキノリノン、イソキノリル、アクリジニル、フェナントリジニル、ベンゾピリダジニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フェナジニル、プテリジニル、プリニル、ナフチリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル等が挙げられるがそれらに限定されない。9〜10員縮合ヘテロアリールが好ましい。
【0072】
本明細書で使用される用語「3〜14員ヘテロ環式基」としては、3〜8員単環式ヘテロ環式基および6〜14員縮合ヘテロ環式基(ヘテロ原子は窒素、酸素、硫黄等)が挙げられる。前記用語は炭素原子、窒素原子または硫黄原子はオキソで置換されている場合が挙げられる。
【0073】
3〜8員単環式ヘテロ環式基の例としては、アジリジニル、2H−アジリジニル、ジアジリジニル、3H−ジアジリジニル、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、1,4−ジオキシニル、テトラヒドロフリル、ジヒドロピロリル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、4,5−ジヒドロイミダゾリル、ピラゾリジニル、4,5−ジヒドロピラゾリル、2,5−ジヒドロチエニル、テトラヒドロチエニル、4,5−ジヒドロチアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、4,5−ジヒドロオキサゾリル、4,5−ジヒドロイソキサゾリル、2,3−ジヒドロイソキサゾリル、2H−1,2−オキサジニル、6H−1,3−オキサジニル、4H−1,3−チアジニル、6H−1,3−チアジニル、2H−ピラニル、2H−ピラン−2−ケト、3,4−ジヒドロ−2H−ピラニル等が挙げられるがそれらに限定されない。5〜6員単環式ヘテロ環式基が好ましい。
【0074】
6〜14員縮合ヘテロ環式基の例としては、テトラヒドロイミダゾ[4,5−c]ピリジル、3,4−ジヒドロキナゾリニル、1,2−ジヒドロキノキサリニル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル、1,3−ジヒドロイソベンゾフリル、2H−クロメニル、2H−クロメン−2−ケト、4H−クロメニル、4H−クロメン−4−ケト、クロマニル、4H−1,3−ベンゾオキサジニル、4,6−ジヒドロ−1H−フロ[3,4−d]イミダゾリル、3a,4,6,6a−テトラヒドロ−1H−フロ[3,4−d]イミダゾリル、4,6−ジヒドロ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾリル、4,6−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−d]イミダゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾリル等が挙げられるがそれらに限定されない。9〜10員縮合ヘテロ環式基が好ましい。
【0075】
本明細書で使用される用語「7〜12員橋かけ基」は、いずれの2個の環も2個の隣接しない原子を共有し、すべての環原子は、炭素原子である7〜12員橋かけ基、または窒素、酸素および硫黄などの少なくとも1個のヘテロ原子を含む7〜12員橋かけヘテロ環式基を示す。7〜12員橋かけ基および7〜12員橋かけヘテロ環式基は、飽和または部分的に飽和でありえる。
【0076】
飽和橋かけ基は、すべての環が飽和である橋かけ基を示し、好ましくは7〜8員飽和橋かけ基である。具体例は、
【0079】
部分的飽和橋かけ基は、橋かけ基中の少なくとも1個の環が不飽和環式基であることを意味し、好ましくは7〜8員の部分的飽和橋かけ基である。具体例は、
【0082】
本明細書で使用される用語「7〜12員スピロ環式基」は、少なくとも2個の環が1個の原子を共有し、すべての環原子が炭素原子である7〜12員スピロ環式基、または窒素、酸素および硫黄などの少なくとも1個のヘテロ原子を含む7〜12員スピロ環式基を示す。7〜12員スピロ環式基および7〜12員スピロ−ヘテロ環式基は、飽和または部分的に飽和でありえる。
【0083】
飽和スピロ環式基は、スピロ環式基中のすべての環が飽和環式基であることを意味する。具体例は、
【0086】
部分的飽和スピロ環式基は、スピロ環式基中の少なくとも1個の環が不飽和環式基であることを意味する。具体例は、
【0089】
本発明の化合物は、下記方法および/または当業者に公知の他の合成技術に従い合成しうるが、合成方法はこれらの例示された方法に限定されないことは理解されるべきである。
【0091】
反応工程:
(1)中間体2の合成
中間体1(実験室で作成)をR
1−NH
2(1.5当量)および適切な量の塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重曹、酢酸カリウム等)のアルコール性溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール等)溶液に加える。混合液を加熱下で反応させる。反応をTLCにより検出する。反応終了後、反応液を室温で冷却し、ロータリーエバポレイトさせ、アルコール性溶媒を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィまたは再結晶で分離し中間体2を生成する。
【0092】
(2)中間体3の合成
中間体2を水混和性溶媒(例えばメタノール、エタノール、テトラヒドロフランまたはその混合液)に溶解する。得られた混合液に、塩基(例えば水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等)(3当量)の水溶液を滴下し加える。滴下添加終了後、得られた混合液を室温で2−6時間反応させ、ロータリーエバポレイトさせて有機溶媒を除去する。適切な量の水を添加後、得られた混合液を生成物が完全に分離するまで適切なpHに塩酸で調整する。得られた生成物を吸引ろ過し、シリカゲルカラムクロマトグラフィまたは再結晶で分離し中間体3を生成する。
【0093】
(3)中間体の合成4
中間体3を適切な量の有機溶媒(例えば、スルフィニルクロライド、トルエン、クロロホルム、四塩化炭素等)に懸濁し、数時間反応させる。得られた混合液を濃縮し、揮発性物質を除去し、次に適切な量の極性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ピリジン、アセトン、トリエチルアミン等)に分散させる。温度を約0℃に調整する。得られた混合液に適切な量の塩基溶媒(例えば、メチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン等)およびアミン含有保護基(PG−NH
2)の混合液に添加する。反応液を室温で撹拌し、TLCにより検出する。反応終了後、反応液をロータリーエバポレイトさせて溶媒を除去し、再結晶またはシリカゲルカラムクロマトグラフィで分離し中間体4を生成する。
【0094】
(4)中間体5の合成
中間体4を適切な量のエステル溶媒(例えば、クロロギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル等)に分散する。得られた混合液を還流しながら撹拌する。反応をTLCにより検出する。反応終了後、反応液をロータリーエバポレイトさせて揮発性物質を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィまたは再結晶で分離し中間体5を生成する。
【0095】
(5)中間体の合成6
アミノ保護基を保護基(PG)に従い選択した反応条件下で除去し、中間体6を生成する。
【0096】
(6)中間体の合成7
中間体6、R
4−Hal(1.5当量)および適切な量の塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重曹、酢酸カリウム等)を溶媒に溶解する。混合液を撹拌する。反応をTLCにより検出する。反応終了後、反応液をロータリーエバポレイトさせ溶媒を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィまたは再結晶で分離し中間体7を生成する。
【0099】
適切な量の塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重曹、酢酸カリウム等)およびパラジウム剤および/または対応ホスフィンリガンド(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等)を有機溶媒(例えば、トルエン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、エチレングリコールジメチルエーテル等)および水の混合溶媒中にいれる。得られた混合液を窒素保護下加熱下で反応させる。反応はTLCにより検出する。反応終了後、反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィにかけて本願化合物を生成する。
【0100】
反応方程式においては、R
1、R
2、R
3、R
4、Y、AおよびBは上記に定義し、Halは、F、Cl、BrおよびIから選択されるハロゲンを示す。
【0101】
上記反応のために、酸または塩基の条件は、特定の保護剤に従い選択された適当な酸または塩基で作ることができる。塩基としては有機塩基および無機塩基が挙げられ、酸としては有機酸および無機酸が挙げられる。
【0102】
無機塩基としては、例えば水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、重曹等から選択されるが、それらに限定されない。
【0103】
有機塩基としては、例えば、アミン化合物(例えば、メチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等);塩基性アミノ酸(例えば、リジン、ヒスチジン等);第四級アンモニウム塩基(例えば、ベタニン、コリン等);アルカロイド(例えば、プロカイン、カフェイン、エフェドリン等);アルカリ金属アルコキシド(例えば、ナトリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等);リチウム化合物(例えば、ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、リチウムビス(トリメチルシリル)アマイド(LiHMDS)等から選択されるが、それらに限定されない。
【0104】
無機酸は、例えば、臭化水素酸、塩酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、リン酸等から選択されるが、それらに限定されない。
【0105】
有機塩基は、例えば、メタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、シュウ酸、2,2−ジクロロ酢酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、L−アスパラギン酸、マレイン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等から選択されるが、それらに限定されない。
【0106】
用語「製薬上許容し得る塩」は、式(I)の化合物が酸性基(例えば、−COOH、−OH、SO
3H等)を含む場合には適切な無機または有機カチオン(塩基)で合成される塩を示し、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属で形成された塩、アンモニウム塩および窒素含有有機塩基で形成された塩などが挙げられる;ならびに式(I)の化合物が塩基性官能基(例えば、−NH
2等)を含む場合には、適切な無機または有機アニオン(酸)で合成される塩を示し、無機酸で形成された塩、有機カルボン酸で形成された塩等が挙げられる。
【0107】
本発明の式(I)の化合物の立体異性体は、1以上の不斉炭素原子が本発明の式(I)の化合物中に存在する場合には既存のエナンチオマーを示し;化合物が炭素−炭素二重結合またはサイクリック構造を有する場合には既存のシス/トランス異性体を示し;ケトンまたはオキシム等を含む場合には既存の互変異性体を示す。光学異性体、ジアステレオマー、ラセミ異性体、シス−トランス異性体、互変異性体、幾何異性体、エピメライドおよびそれらの混合物のすべてが、本発明の範囲に包含される。
【0108】
本発明の式(I)の化合物の、用語「溶媒和物」は、溶媒と結びつくことにより形成される物質を示す。溶媒は、有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトニトリル等)、水等でありえる。例えば、本発明の式(I)の化合物は、エタノールと一緒にエタノレートを形成または水と一緒に水和物を形成しうる。
【0109】
本発明の式(I)の化合物、またはその製薬上許容され得る塩、溶媒和物もしくは立体異性体は、がんおよび非がん性疾患などの増殖性疾患の治療および/または予防に有用である(がん疾患は、脳腫瘍、肺がん、非小細胞肺がん、扁平上皮細胞がん、膀胱がん、胃がん、卵巣がん、腹膜がん、膵臓がん、乳がん、頭頚部がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、結腸直腸がん、肝臓がん、腎臓がん、食道腺がん、食道扁平上皮細胞がん、固形がん、非ホジキン性リンパ腫、神経膠腫、多形性膠芽腫、神経膠肉腫、前立腺がん、甲状腺がん、生殖管がん、上皮内がん、リンパ腫、組織球性リンパ腫、神経線維腫症、骨肉腫、皮膚がん、脳がん、結腸がん、精巣がん、肺小細胞がん、消化管間質腫瘍、前立腺腫瘍、肥満細胞腫瘍、多発性骨髄腫、メラノーマ、神経膠腫、グリア芽腫、星状細胞腫、神経芽細胞腫、肉腫から選択され;また非がん性疾患は、皮膚または前立腺の良性増殖から選択される。
【0110】
本発明の式(I)の化合物、またはその製薬上許容され得る塩、溶媒和物もしくは立体異性体は、1以上の製薬上許容し得る担体と一緒になって医薬製剤になしうる。該医薬製剤は、臨床用途においては従来の製剤を示し、そのような治療を必要とする患者に経口的または非経口的に適用しうる。経口投与の場合、錠剤、カプセル、ピル、顆粒等の従来の固形製剤、ならびに経口溶液、経口懸濁剤、シロップ等経口液体製剤になしうる。非経口投与の場合は、注射剤溶液、注射用無菌性散剤、注射用の濃縮液および注射用懸濁剤などの注射液になしうる。直腸投与の場合には、座薬等になしうる。経肺動脈投与の場合には、吸入剤またはエアロゾル等になしうる。局所または経皮投与の場合には、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、散剤、溶液または経皮シール等になしうる。これらの製剤は常法によって調製しうる、賦形剤、結合剤、保湿剤、崩壊剤、増粘剤等などの製薬上許容し得る担体を添加して従来の方法によって調製しうる。
【0111】
本発明の化合物の投与量および投与頻度は、例えば、患者の年齢、体重、症状の重症度によって臨床医または薬剤師によって調節しうる。本発明の化合物の1日の投与量は、単一の用量もしくは分割された用量で投与する場合には、通常20−500mgであり、好ましく50−300mgでありえる。
【0112】
本発明の式(I)の化合物、またはその製薬上許容され得る塩、溶媒和物もしくは立体異性体を1以上の抗がん剤および免疫抑制剤と組み合わせて使用することができる。抗腫瘍剤および免疫抑制剤は、カペシタビン、ゲムシタビンおよびペメトレキセド二ナトリウムなどの代謝拮抗剤;パゾパニブ、イマチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、ゲフィチニブおよびバンデタニブなどの成長因子阻害剤;ハーセプチンおよびアバスチンなどの抗体;パクリタキセル、ビノレルビン、ドセタクセルおよびドキソルビシンなどの有糸分裂阻害剤;レトロゾール、タモキシフェン、フルベストラント、フルタミドおよびトリプトレリンなどの抗腫瘍ホルモン類;サイクロフォスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシルおよびカルムスチンなどのアルキル化剤;カルボプラチン、シスプラチンおよびオキサリプラチンなどのプラチナ金属;カンプトセシン、トポテカンおよびイリノテカンなどのトポイソメラーゼ阻害剤;エベロリムス、シロリムスおよびテムシロリムスなどの免疫抑制類;6−メルカプトプリン、6−チオグアニンおよびアザチオプリンなどのプリン類似体;ストレプトゾトシンD、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ミトキサントロン、ブレオマイシンおよびプリカマイシンなどの抗生物質;アミノグルテチイミドなどの副腎皮質阻害剤から選択されるがこれらに限定されない。
【0113】
本発明の化合物の有利な効果を、以下にさらに詳細に述べる。本発明の他の化合物は、実験において記載されている化合物と同じ有利な効果を有するが、本発明の化合物のみが下記の効果を有するとは理解すべきでない。
【0114】
下記実験における略語は下記の意味を有する:
HEPES:ヒドロキシエチルピペラジン−エタンスルホン酸;
Brij−35:ポリエチレングリコールモノドデシルエーテル;
EDTA:エチレンジアミンテトラ酢酸;
EGTA:エチレングリコール−ビス−(2−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−テトラ酢酸;
CHAPS:3−((3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニウム)−1−プロパンスルホネート
DTT:ジチオスレイトール;
PIP2:ホスファチジルイノシトール−4,5−ビスホスフェート;
ATP:アデノシントリホスフェート;
DMSO:ジメチルスルホキシド;
DMF:ジメチルホルムアミド;
Tween−20:ツイーン20;
PEG:ポリエチレングリコール.
【0115】
アッセイ1−1:本発明の化合物のキナーゼ選択性
目的:このアッセイでは、表3に記載のキナーゼにおける試験物質の阻害活性を測定し、それによって本発明の化合物の選択性を決定した。
試験物質:実験室で作った本発明の化合物5。その化学名および構造式を実施例1に示した。
【0116】
方法
表3におけるBRAF V600Eキナーゼを除いて、移動度シフトアッセイ(Mobility Shift Assay)を他のキナーゼに使用した。
1.薬剤の合成:
1.1 MnCl
2無添加1倍キナーゼ緩衝液:50mM HEPES、pH7.5、0.0015%Brij−35、10mM MgCl
2、2mM DTT。
1.2 MnCl
2無添加1倍キナーゼ緩衝液:50mM HEPES、pH7.5、0.0015%Brij−35、10mM MgCl
2、10mM MnCl
2、2mM DTT。
1.3 停止液:100mM HEPES、pH7.5、0.0015%Brij−35、0.2%コーティング試薬#3、50mM EDTA。
1.4 2.5倍キナーゼ液:1倍キナーゼ緩衝液にキナーゼを加え2.5倍キナーゼ液を作る。
1.5 2.5倍基質溶液:1倍キナーゼ緩衝液にFAM蛍光−標識ポリペプチドおよびATPを加え2.5倍基質溶液を作る。
【0117】
2.5倍化合物の合成
化合物の試験最終濃度は最大10μMであった。最初に、50倍の濃度(すなわち500μM)を100%DMSOで調製した。化合物を100%DMSOで5倍ずつ5つの濃度に希釈した(連続して500μM、100μM、20μM、4μMおよび0.8μM)。1倍キナーゼ緩衝液で10倍ずつ希釈後、5μlのサンプルを384−ウェル反応プレートに移した。2個の陰性コントロールウェルと2個の陽性コントロールウェルをそれぞれ各ラインにおいた。複製は、5倍の化合物の5つの濃度において96−ウエルプレート中でなされた。10%DMSOを陽性コントロールウエルに加え、また5μlのEDTA(250mM)を陰性コントロールウエルに加えた。
【0118】
3.手順
3.1 384ウェル反応プレートに10%DMSOに溶解した5倍化合物を加えた(5μl/ウェル)。
3.2 384ウェル反応プレートに2.5倍キナーゼ液を加えた(10μl/ウェル)。プレートを室温で10分間インキュベーションした。
3.3 384ウェル反応プレートに2.5倍基質液を加えた(10μl/ウェル)。プレートを28℃で一定時間インキュベーションした。
3.4 25μl停止液を加え反応を停止させた。変換をキャリパー(Caliper)で読んだ。
【0119】
4.阻害率計算
阻害率(%)=(最大−検体値)/(最大−最小)×100
式中:
最大は、DMSOコントロールウエルにおける変換を示す。
最小は、キナーゼ無添加コントロールウエルにおける変換を示す。
【0120】
BRAF V600Eキナーゼのためのランサスクリーン(Lanthascreen)分析方法
1.薬剤の合成:
1.1 2倍キナーゼ液:1倍キナーゼ緩衝液を使用して、最終濃度0.35nMのBRAFV600Eを含む2倍キナーゼ液を調製;
1.2 4倍基質溶液:1倍キナーゼ緩衝液を使用して最終基質溶液濃度0.2μMのFluorescein−MAP2K1および1.5μMのATPを含む4倍基質溶液を調製。
【0121】
2.4倍化合物の合成
化合物の最終試験濃度は、最大10μMであった。最初は、100倍濃度(すなわち1000μM)を100%DMSOで調製した。化合物を100%DMSOで5倍ずつ5つの濃度に希釈した。化合物シリーズは、移動度シフトアッセイにおける値と一致した。1倍キナーゼ緩衝液を用いて25倍ずつに希釈後、得られたサンプルをプレートシェイカー上で10分間振とうし均一に混合した。
【0122】
3.手順
3.1 384ウェル反応プレートに10%DMSOに溶解した4倍化合物を加えた(2.5μl/ウェル)。
3.2 384ウェル反応プレートに2倍キナーゼ液を加え(5μl/ウェル)、陰性コントロールウェルに1倍キナーゼ緩衝液を加えた。検体を振とうし均一に混合し室温で放置した。
3.3 384ウェル反応プレートに4倍基質液を加えた(2.5μl/ウェル)。プレートを反応させ、振とうし、均一に混合し、室温で1時間インキュベーションした。
3.4 反応結果検出:最終濃度2nMの抗体および10mM EDTAを含む2倍検出液を調製した。10μlの検出溶液を384−ウエルプレートに移し反応を停止させた。プレートをプレート−シェイカー上で30分間静かに振とうさせた。
【0123】
4.阻害率計算
検体の蛍光値は、Victorから読んだ(340nmの励起光(excition)および520nmの吸光)。
阻害率(%)=(最大−検体値)/(最大−最小)×100
式中:
最大は、キナーゼ無添加コントロールウエルにおける測定値を示す。
最小は、DMSOコントロールウエルにおける測定値を示す。
データをMSエクセルに入力し、Graphpad5.0を用いて曲線の当てはめを行った。
【0126】
要約
本発明の化合物5は、リストに掲載のキナーゼに対しては劣るIC
50を有し、それらの大部分が>10000nMであったことは表3から認めうる。このことは、本発明の化合物5がそれらのキナーゼに対して阻害活性を有さなかったことを示している。下記のアッセイにおいて、本発明の化合物5が、PI3kキナーゼおよびmTORキナーゼに対して良好な阻害活性を有したことを実証しうる。このことは、本発明の化合物5がPI3kキナーゼおよびmTORキナーゼに対して良好な選択性および高い阻害活性を有したことを示している。
【0127】
アッセイ1−2:本発明の化合物のインビトロ酵素阻害活性
試験物質:本発明の化合物は実験室で作成した。それらの化学名および構造式を実施例に示した。
【0128】
mTOR酵素アッセイ
1.薬剤の合成:
1.1 1倍キナーゼ緩衝液:50mM HEPES、pH7.5、10mM MgCl
2、1mM EGTA、3mM MnCl
2、0.01%Tween−20、2mM DTT;
1.2 4倍キナーゼ液:1倍キナーゼ緩衝液にmTORキナーゼを加え最終濃度2.5nMの4倍キナーゼ液を作る;
1.3 2倍基質溶液およびATP溶液:1倍キナーゼ緩衝液に基質4EBP1およびATPを加え最終濃度50nM 4EBP1および10.8μMのATPの2倍基質溶液を作る;
1.4 4倍試験物質溶液:100%DMSOを用いて異なるグラジエント濃度で100倍試験物質溶液を作成し、1倍キナーゼ緩衝液で25倍ずつに希釈し異なるグラジエント濃度で4倍試験物質溶液を作成した。
1.5 検出溶液の調製:最終濃度EDTAおよび4EBP1リン酸化抗体の2倍を含む検出溶液を作成する(EDTAの最終濃度は8mMおよび4EBPリン酸化抗体最終濃度は2nMであった)。
【0129】
2.手順
2.1 384ウエルプレートの各ウェルに2.5μLの4倍試験物質溶液をグラジエント濃度で加えた。複製を作成した。
2.2 各ウェルに2.5μLの4倍倍キナーゼ液を加え、次にプレートを10分間インキュベーションした。
2.3 次に各ウェルに5μLの2倍基質液およびATP溶液を加え、次にプレートを室温で1時間インキュベーションした。
2.4 最終的に、10μLの検出溶液を加え反応を停止させた。60分後、データランスシグナル(Lance signal)(665nM)をエンビジョン(Envision)から読んだ。
【0130】
3 データ処理
阻害率(%)=(検体値−最小)/(最大−最小)×100
(式中:
最大は、DMSOコントロールウエルにおける測定値を示す。
最小は、キナーゼ無添加コントロールウエルにおける測定値を示す。
データをグラフパッドプリズム(GraphPad Prism)5.0に入力し、プロットして曲線およびIC
50値を得た。
【0131】
PI3Kα酵素アッセイ
1.薬剤の合成:
1.1 1倍キナーゼ緩衝液:50mM HEPES、pH7.5、3mM MgCl
2、1mM EGTA、100mM NaCl、0.03%CHAPS、2mM DTT);
1.2 4倍キナーゼ液:1倍キナーゼ緩衝液にPI3Kαキナーゼを加え、最終濃度1.65nMの4倍キナーゼ液を作った;
1.3 2倍基質およびATP溶液:1倍キナーゼ緩衝液に基質PIP2およびATPを加え、最終濃度がPIP2 50μMおよびATP25μMの2倍基質溶液を作った;
1.4 4倍試験物質溶液:異なるグラジエント濃度で100倍試験物質溶液を100%DMSOで作成し、1倍キナーゼ緩衝液を用いて25倍ごとに希釈して、異なるグラジエント濃度で4倍試験物質溶液を作った。
1.5 キナーゼGlo試薬キットは室温に温めておいた。
【0132】
2.手順
2.1 384ウエルプレートの各ウェルに2.5μLの4倍試験物質溶液をグラジエント濃度で加えた;
2.2 各ウェルに2.5μLの4倍キナーゼ液を加え、次にプレートを10分間インキュベーションした;
2.3 次に各ウェルに5μLの2倍基質液およびATP溶液を加え、次にプレートを室温で1時間インキュベーションした。
2.4 最終的に、10μLの検出溶液を加え反応を停止させた。15分後、データランスシグナル(Lance signal)(665nM)をエンビジョン(Envision)で読んだ。
【0133】
3.データ処理
阻害率(%)=100−(検体値−最小)/(最大−最小)×100
(式中:
最大は、キナーゼ無添加コントロールウエルにおける測定値を示す。
最小は、DMSOコントロールウエルにおける測定値を示す。
データをグラフパッドプリズム(GraphPad Prism)5.0に入力し、プロットして曲線およびIC
50値を得た。
【0136】
要約
本発明の化合物がPI3KαおよびmTORキナーゼの両方に良好な阻害活性を有したことは表4から認めうる。
【0137】
アッセイ1−3:本発明の化合物の薬剤標的放射性リガンド競合結合アッセイ
目的:試験物質が濃度10μMの場合、表5に列挙された非キナーゼ薬剤標的放射性リガンドにおける試験物質の競合結合能力を測定するために調査された(Broad ligand profiling completedLead Profiling Screen)。これらの標的に対する試験物質の阻害率が50%を超える場合は、試験物質が該標的に阻害活性を有すると考えられ;これらの標的に対する試験物質の阻害率が50%未満の場合には、試験物質が該標的に阻害活性を有さず、試験物質がこれらの標的に選択性を有さず潜在的な副作用が存在しないことを示していると考えられた。
【0138】
試験物質:本発明の化合物5は実験室で作成した。それらの化学名および構造式を実施例1に示した。
【0139】
方法
放射性リガンド結合アッセイ(Radioligand Binding Assay)
具体的な方法および条件は、薬品テスト溶液を提供する国際的仲介業者であるEurofins Panlabsオフィシャルウェブサイトを参照。
【0140】
試験物質濃度は10μMであり、複製を作った。放射標識リガンドと一緒に、表5に記載した標的リガンドに対する試験物質の阻害率を検出した。
【0145】
要約
記載した非キナーゼ薬剤標的リガンドに対する本発明の化合物5の阻害率は50%未満であり阻害作用を示さなかったことは、表5から認められうる。
【0146】
アッセイ2:本発明の化合物のインビトロ細胞学的阻害活性
試験物質:本発明の化合物は実験室で作成した。それらの化学名および構造式を実施例に示した。
下記細胞株をアッセイで使用した:
A549:ヒト肺がん細胞株;
U87MG:ヒト脳アストロサイトブラスト細胞株;
PC−3:ヒト前立腺上皮性悪性腫瘍細胞株;
SKOV−3:ヒト卵巣がん細胞株;
Lovo:ヒト結腸上皮性悪性腫瘍細胞株;
HCT116:ヒト結腸上皮性悪性腫瘍細胞株;
BT474:ヒト乳腺腫瘍細胞株;
786−O:ヒト副腎上皮腫細胞株;
MCF−7:ヒト乳房上皮性悪性腫瘍細胞株;
A498:ヒト腎上皮性悪性腫瘍細胞株。
【0147】
方法
1.薬剤および化合物の調製:
1.1 リン酸緩衝溶液(PBS)の調製:8gNaCl、0.2gKCl、1.44gNa
2HPO
4および0.24gKH
2PO
4を秤量し、800mLの超高純度水に添加した。混合液をpH=7.4に調整し、超高純度水を加え体積1Lにした。次に20分間オートクレーブを行った。
1.2 XTT検出希釈標準溶液の調製:100mg(2,3−ビス−(2−メトキシ−4−ニトロ−5−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム−5−カルボキシアニリド);2,3−ビス(2−メトキシ−4−ニトロ−5−スルホフェニル)−5−[(フェニルアミノ)カルボニル]−2H−テトラゾリウム水酸化物(XTT)散剤を秤量し、遮光下で、50℃に温めたフェノールレッドおよび血清無添加RPMI1640培地(300mL)に溶解した。得られた混合液をろ過し、パックし、直ちにもしくは1週間以内に使用した。全工程は遮光下で行った。
1.3 試験化合物の調製
試験化合物の原液の合成:試験化合物の粉末をDMSOに溶解し濃度10mMとした。
試験化合物をグラジエントに希釈した溶液の調製:10mMの試験化合物の原液をDMSOで連続的およびグラジエントに、4倍ごとに10の濃度に希釈した。次にDMSO希釈化合物(2μL)をそれぞれ10%ウシ胎仔血清(FBS)を含有する培地(998μL)に添加した。試験物質の最大濃度は、20MおよびDMSO濃度は0.2%であった。合計で10のグラジェント濃度が存在した。
【0148】
2.細胞培養:
2.1 細胞蘇生:
細胞凍結チューブを液体窒素から取出し、37℃から39℃のウォーターバスに入れて細胞を素早く溶かす。凍結原液を無菌性15mL遠心分離管に移し、凍結原液より10倍より多い体積の培養液を添加した。その混合液を1000rpm、4℃で5分間遠心分離した。遠心分離チューブ中の培養液を捨て、10%FBS含有培養液を加え細胞を再懸濁し、得られた混合液を培養フラスコに移し、培養液を翌日に入れ換えた。
2.2 細胞継代
対数増殖期の細胞を取り出して、培養液を除去した。適切な用量のPBSを加え細胞を1度洗浄した。次に0.25%パンクレオザイミンおよび0.02%EDTAを含有する適切な用量の消化溶液を添加した。培養液を37℃で2−5分間おいた。消化溶液を捨て、細胞をPBSで一度洗浄した。適切な用量の10%FBSを含有する培養液を加え消化を停止させた。消化された細胞を静かにピペットで吹き継代およびアッセイのための細胞懸濁液を調製した。
2.3 細胞凍結保存
対数増殖期の細胞を取り出し、0.25%パンクレオザイムおよび0.02%EDTAを含有する消化溶液で消化させた。消化された細胞を細胞懸濁液に調製した。細胞懸濁液を1000rpm、4℃で5分間遠心分離した。培養液を捨て、10%DMSOおよび90%FBSを含有する凍結原液を加え、細胞を再懸濁した。細胞を1チューブあたり2×10
6細胞ずつ凍結チューブに小分けした。凍結チューブをプログラムされた細胞凍結ボックスに入れた。−80℃24時間置いたのち、凍結チューブを凍結保存のため液体窒素に移した。
【0149】
3. 細胞プレイティング
3.1 細胞懸濁液の調製:培養液を培養フラスコから除去し、細胞をPBSで二度洗浄した。パンクレオザイムを加え細胞を消化させた。細胞を遠心分離で回収、10%FBS(牛胎児)を含有する培養液で再懸濁した。細胞をカウントし、適切な濃度に調整した(細胞の生存は90%より多くあるべき);および細胞濃度は、5×10
4/mLであった;
3.2 96ウエルプレートに細胞懸濁液を加えた(ウェルあたり100μl)。プレートを37℃細胞培養器(5%CO
2)中に一晩おいた。
【0150】
4.処理
希釈試験化合物(ウエルあたり100μl)を細胞培養プレートに加えた(3複製)。最終体積は200μlだった。初めの濃度は、4倍希釈を伴う10μMであった。合計で10のグラジェント濃度が存在する。プレートをCO
2細胞培養器中に72時間おいた。
【0151】
5.XTTでの細胞生存検出
培養液を除去し、XTT検出希釈標準溶液を加えた(ウェルあたり150μL)。プレートを37℃CO
2細胞培養器中2時間おいた。プレートを450nmで吸光用マイクロプレートリーダーにいれた。
【0152】
6.データ処理
1)阻害率(%)=(溶媒コントロールのウェルの測定値−試験物質のウェルの測定値)/(溶媒コントロールのウェルの測定値−ブランクコントロールのウェルの測定値)×100
2)データをグラフパッドプリズム(GraphPad Prism)5.0に入力し、プロットして曲線およびIC
50値を得た。
【0158】
要約
本発明の化合物は細胞U87MG、A549等の増殖を効果的に阻害できることは表6−9から認められる。
【0159】
アッセイ3:本発明の化合物のインビボ薬物動態アッセイ(ラット)
試験動物:SD系雄性ラット、体重190−260g。静脈内ボーラス注射(I.V.)および強制経口(P.O.)投与を3匹のラットにそれぞれ適用した。
【0160】
試験物質:本発明の化合物は実験室で作成した。それらの化学名および構造式を実施例に示した
【0161】
I.VおよびP.O投与用の化合物5を30%DMF+50%PEG400+20%(0.9%塩化ナトリウム注射剤)の溶液で可溶化した(pHは適切な量の塩酸水溶液(2mol/L)で調整)。
I.VおよびP.O投与用の化合物6を、30%DMF+30%PEG400+5%0.1mol/l塩酸+45%生理食塩水の溶液で可溶化した。
I.V投与用の化合物30を30%DMF+50%PEG400+20%生理食塩水の溶液で可溶化した;P.O投与用の化合物30を5%DMSO+30%ポリオキシエチレンヒマシ油+65%生理食塩水の溶液で可溶化した。
I.V投与用の化合物30の塩酸塩を30%DMF+50%PEG400+20%注射用無菌水の溶液で可溶化した。
【0162】
方法
1.投与:試験物質の投与方法および投与量を表10−1および10−2に示した。
【0165】
2.血液採取:
I.V血液採取時点:投与後、0.083h、0.25h、0.5h、1h、2h、4h、6h、8hおよび24h、
P.O血液採取時点:投与後0.17h、0.5h、1h、2h、4h、6h、8hおよび24h。
約100μlの全血液を各時点でとり、ヘパリンナトリウムで抗凝固処理し、高速遠心分離機において8,000rpmで6分間遠心分離し血漿を分離し、得られた血漿を−80℃の冷蔵庫で凍結させた。
【0166】
3.血漿検体分析:
血漿検体を液−液抽出で処理した。20μLの血漿をとり、BEZ−235(ノバルティス、フェーズII)のtertブチルメチルエーテル溶液(600μL、10ng/mL)を内部基準として加えた。混合液を1500rpmで10分間垂直に回転させ、次に12000rpmで5分間遠心分離にかけた。400μLの上清をとり窒素下で乾燥させた。乾燥した物質をLC−MS/MS分析のため200μLのメタノール:水(7:3、V/V)で再溶解した。
【0167】
結果
以下の表11、12−1、12−2を参照。
計算
絶対的バイオアベイラビリティF%=[AUC]
last(P.O)*Dose(I.V)/[AUC]
last(I.V)*Dose
(P.O)
【0171】
AUC
lastは血漿濃度−時間曲線0→t下の面積を表す。
AUC
infは血漿濃度−時間曲線0→∞下の面積を表す。
CLはクリアランスを表す。
Vssは分布の見かけの体積を表す。
T
1/2は半減期を表す。
T
maxは血漿中の薬物の最大濃度に到達するまでの時間を表す。
C
maxは血漿中の最大薬物濃度を表す。
F%は絶対的バイオアベイラビリティを表す。
【0172】
要約
本発明の化合物がP.OおよびI.V投与の両方において良好な薬物動態を有したことが表11、12−1および12−2から認められる。
【0173】
実施例
本発明の上記内容を下記実施例によりさらに詳細に記載するが、このことから本発明が下記実施例に限定されると解釈するべきではない。
【0174】
下記実施例の略語は以下のように定義される:
EtOAc:酢酸エチル;
EA:酢酸エチル;
PE:石油エーテル;
HATU:2−(7−アザベンゾトリアゾール)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート;
DCM:ジクロロメタン;
DMF:ジメチルホルムアミド.
【0175】
5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−アミンを実験室で作成した。合成方法は以下の通りである:
2−アミノ−5−ブロモピリジン(5.1g、30mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(10.7g、45mmol)、炭酸カリウム(8.3g、60mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(693mg、0.6mmol)を150mLジオキサンおよび2mLの水に加えた。得られた混合液を還流させながら窒素保護中4時間反応させ、室温まで冷却し、ろ過し濃縮した。粗生成物を300mLジクロロメタンに溶かし、水で洗浄、無水硫酸ナトリウム下で乾燥させ濃縮した。ほんの少し溶媒が残っている場合は、石油エーテルをそれに加えた。黄色の固体を分離ろ過し生成物を得た(1.8g)。
5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−アミン、PharmaBlock(Nanjing)R&D Co. Ltd.から購入;
(2−メトキシピリミジン−5−イル)ホウ酸、J&K Scientific Ltd.から購入;
(6−メトキシピリジン−3−イル)ホウ酸、J&K Scientific Ltd.から購入;
5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、PharmaBlock(Nanjing)R&D Co. Ltd.から購入。
【0176】
実施例1:9−(6−アミノピリジン−3−イル)−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミド[5,4−c][1,5]ナフチリジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物5)の合成
1)エチル6−クロロ−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)−1,5−ナフチリジン−3−カルボキシレートの合成
【0178】
4,6−ジクロロ−1,5−ナフチリジン−3−カルボキシレートエチル(5.4g、20mmol)(WO2013/2071698、38頁に従って合成)、メタ−トリフルオロメチルアニリン(4.5g、28mmol)および炭酸カリウム(5.5g、40mmol)を150mLのtert−ブタノールに加えた。得られた混合液を90℃に加熱し、18時間反応させた。反応液を室温まで冷却し、ロータリーエバポレイトして乾燥させた。得られた固体に300mLの水を加え、ろ過し、酢酸エチルおよび石油エーテル(1/20、50mL)で洗浄し、6−クロロ−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)−1,5−ナフチリジン−3−カルボキシレートエチル(6.0g)の黄色の固体を得た。
【0179】
2)6−クロロ−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)−1,5−ナフチリジン−3−カルボン酸
【0181】
エチル6−クロロ−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)−1,5−ナフチリジン−3−カルボキシレート(3.95g、10mmol)を50mLメタノールおよび50mLテトラヒドロフランに溶かした。得られた混合液に水(50mL)に溶かした水酸化リチウム(1.26g、30mmol)溶液を滴下して添加した。滴下終了後、得られた混合液を室温で4時間反応させる。反応物を濃縮し200mLの水を加えた。得られた混合液を塩酸でpH=3に調整した。固体を分離し、真空乾燥し、黄色の固形(3.6g)を得た。
【0182】
3)N−(4−メトキシベンジル)−6−クロロ−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)−1,5−ナフチリジン−3−カルボキサミド
【0184】
6−クロロ−4−(3−(トリフルオロメチル)フェニルアミノ)−1,5−ナフチリジン−3−カルボン酸(3.6g、9.8mmol)を50mLスルフィニルクロライド中に懸濁した。得られた混合液を75℃まで撹拌しながら加熱し、同じ温度を保ちながら4時間反応させた。反応物を室温まで自然に冷却し、濃縮して黄色の個体を得た。得られた固体を100mLテトラヒドロフラン中に分散させた。得られた混合液に、トリエチルアミン(3.03g、30mmol)およびパラ−メトキシベンジルアミン(1.6g、13mmol)の混合液を0℃にて滴下して添加した。反応液を室温で4時間撹拌し、ロータリーエバポレイトして溶媒を除去した。残渣に300mLの水を加えた。得られた混合液を吸引ろ過した。ろ過ケークを酢酸エチルおよび石油エーテル(体積比1/10、100mL)で洗浄し、乾燥させて淡黄色の固体、N−(4−メトキシベンジル)−6−クロロ−4−(3−(トリフルオロメチル)フェニルアミノ)−1,5−ナフチリジン−3−カルボキサミド(4.5g)を得た。
【0185】
4)9−クロロ−3−(4−メトキシベンジル)−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミド[5,4−c][1,5]ナフチリジン−2,4(1H,3H)−ジオンの合成
【0187】
N−(4−メトキシベンジル)−6−クロロ−4−(3−(トリフルオロメチル)フェニルアミノ)−1,5−ナフチリジン−3−カルボキサミド(4.5g、9.2mmol)をクロロギ酸エチル(50mL)に懸濁した。得られた混合液を90℃まで加熱し、120時間撹拌し、ロータリーエバポレイトし揮発性物質を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc/PE=0−1/4)で分離し、黄色のオイル、9−クロロ−3−(4−メトキシベンジル)−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミド[5,4−c][1,5]ナフチリジン−2,4(1H,3H)−ジオン(700mg)を得た。
【0188】
5)9−クロロ−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジノ[5,4−c][1,5]ナフチリジン−2,4(1H,3H)−ジオンの合成
【0190】
9−クロロ−3−(4−メトキシベンジル)−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジノ[5,4−c][1,5]ナフチリジン−2,4(1H,3H)−ジオン(700mg、1.36mmol)をアセトニトリル(40mL)および水(10mL)に溶かした。アンモニウムセリウムニトレート(2.9g、5.65mmol)を室温でバッチに加えた。反応液を室温で18時間撹拌し、次にロータリーエバポレイトして溶媒を除去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc/PE=0−1/4)で分離し黄色の個体(400mg)を得た。
【0191】
6)9−(6−アミノピリジン−3−イル)−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジノ[5,4−c][1,5]ナフチリジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0193】
9−クロロ−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジノ[5,4−c][1,5]ナフチリジン−2,4(1H,3H)−ジオン(400mg、1mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−アミン(440mg、2.0mmol)、炭酸カリウム(414mg、3.0mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(58mg、0.05mmol)をジオキサン(40mL)および水(2mL)に加えた。得られた混合液を18時間窒素保護下で還流させながら反応させ、室温に冷却し、セライトでろ過し、濃縮しシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc/PE=0−10/1)で分離し粗生成物を得、粗生成物をメタノールで洗浄し、黄色の固体、9−(6−アミノピリジン−3−イル)−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジノ[5,4−c][1,5]ナフチリジン−2,4(1H,3H)−ジオン(56mg)を得た。
式:C
22H
13F
3N
6O
2 LC−MS(m/e):451.1(M+H)
1H−NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ:12.28(br. s.,1H)、9.26(s,1H)、8.33(m,1H)、8.21 − 8.26(m,1H)、8.16(m,1H)、7.93(s,1H)、7.81(br. s.,1H)、7.70(m,2H)、6.76(m,1H)、6.46(s,2H)、6.24(m,1H)。
【0194】
実施例2 9−(6−メトキシピリジン−3−イル)−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミド[5,4−c][1,5]ナフチリジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物2)の合成
【0196】
9−クロロ−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジノ[5,4−c][1,5]ナフチリジン−2,4(1H,3H)−ジオン(300mg、0.77mmol)、(6−メトキシピリジン−3−イル)ホウ酸(118mg、0.77mmol)、炭酸カリウム(317mg、2.3mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(58mg、0.05mmol)をジオキサン(40mL)および水(2mL)に加えた。得られた混合液を18時間窒素保護下で還流させながら反応させ、室温に冷却し、セライトでろ過した。得られたろ液に食塩を加え、固体を分離し、吸引ろ過し粗生成物を得、粗生成物を水、酢酸エチルおよびメタノールで順次洗浄し、9−(6−メトキシピリジン−3−イル)−1−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリミジノ[5,4−c][1,5]ナフチリジン−2,4(1H,3H)−ジオン(150mg)を生成した。
式:C
23H
14F
3N
5O
3 LC−MS(m/e):466.1(M+H)
1H−NMR(400Mz、DMSO−d
6)δ:12.32(br. s.,1H)、9.33(s,1H)、8.45(d、J = 9.2,1H)、8.35(m,2H)、7.89(m,2H)、7.74(m,2H)、7.05(m,1H)、6.65(m,1H)、3.89(s,3H)。
【0197】
実施例3 9−(2−メトキシピリミジン−5−イル)−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミド[5,4−c][1,5]ナフチリジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物17)の合成
【0199】
9−クロロ−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジノ[5,4−c][1,5]ナフチリジン−2,4(1H,3H)−ジオン(300mg、0.77mmol)、(2−メトキシピリミジン−5−イル)ホウ酸(119mg、0.77mmol)、炭酸カリウム(317mg、2.3mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(45mg、0.04mmol)をジオキサン(40mL)および水(2mL)に加えた。得られた混合液を18時間窒素保護下で還流させながら反応させ、室温に冷却し、セライトでろ過し濃縮した。40mLの水を加えた。得られた混合液をろ過し粗生成物を得、粗生成物を酢酸エチル(30mL)およびメタノール(10mL)で連続的に洗浄し、9−(2−メトキシピリミジン−5−イル)−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジノ[5,4−c][1,5]ナフチリジン−2,4(1H,3H)−ジオン(150mg)を生成した。
式:C
22H
13F
3N
6O
3 LC−MS(m/e):467.1(M+H)
1H−NMR(400 MHz、DMSO−d
6)δ:12.35(br. s.,1H)、9.35(s,1H)、8.51(d、J = 8.8 1H)、8.37(d、J = 8.8,1H)、8.31(s,2H)、7.90(s,1H)、7.70−7.83(m,3H)、3.96(s,3H)。
【0200】
実施例4 9−(2−アミノピリミジン−5−イル)−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミド[5,4−c][1,5]ナフチリジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物20)の合成
【0202】
9−クロロ−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジノ[5,4−c][1,5]ナフチリジン−2,4(1H,3H)−ジオン(300mg、0.77mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−アミン(170mg、0.77mmol)、炭酸カリウム(317mg、2.3mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(45mg、0.04mmol)をジオキサン(40mL)および水(2mL)に加えた。得られた混合液を18時間窒素保護下で還流させながら反応させ、室温に冷却し、濃縮した。400mLの水を加えた。得られた混合液をろ過し粗生成物を得、粗生成物を6M濃塩酸(20mL)に溶解し、ジクロロメタン(4×50mL)で洗浄した。水相に炭酸ナトリウム水溶液を滴下して加え、ろ過し、水で洗浄した。得られた粗生成物をメタノールで洗浄し9−(2−アミノピリミジン−5−イル)−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジノ[5,4−c][1,5]ナフチリジン−2,4(1H,3H)−ジオン(160mg)を生成した。
式:C
21H
12F
3N
7O
2 LC−MS(m/e):452.1(M+H)
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6)δ:12.25(br. s.,1H)、9.29(s,1H)、8.38(d,1H)、8.24(d、J = 9.2,1H)、8.00(s,2H)、7.70−7.84(m,4H)、7.14(s,2H)。
【0203】
実施例5 9−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミド[5,4−c][1,5]ナフチリジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物30)の合成
【0205】
9−クロロ−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジノ[5,4−c][1,5]ナフチリジン−2,4(1H,3H)−ジオン(300mg、0.77mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(188mg、0.77mmol)、炭酸カリウム(317mg、2.3mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(45mg、0.04mmol)をジオキサン(40mL)および水(2mL)に加えた。得られた混合液を18時間窒素保護下で還流させながら反応させ、室温に冷却し、濃縮した。40mLの水を加えた。得られた混合液をろ過し粗生成物を得、粗生成物を6N塩酸(10mL)に溶解し、DCM(4×50mL)で洗浄した。水相に炭酸ナトリウム水溶液を滴下して加え、ろ過し、水で洗浄した。得られた粗生成物をメタノールで洗浄し9−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジノ[5,4−c][1,5]ナフチリジン−2,4(1H,3H)−ジオン(170mg)を生成した。
式:C
24H
13F
3N
6O
3 LC−MS(m/e):475.1(M+H)
1H−NMR(400 MHz、DMSO−d
6)δ:11.84(br. s.,1H)、9.31(s,1H)、8.42(s,2H)、8.24(m,1H)、7.89(s,2H)、7.75(s,2H)、7.52(s,3H)、6.50(s,1H)。
【0208】
化合物30(43mg、0.09mmol)をメタノール(10mL)に分散した。0.1mLの濃塩酸を加えた。得られた混合液を1時間撹拌し、真空下で濃縮し化合物30の塩酸塩を生成した。
【0209】
実施例6 2−(4−(9−(アミノピリジン−3−イル)−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジノ[5,4−c][1,5]ナフチリジン−1(2H)−イル)フェニル)−2−メチルプロパンニトリル(化合物41)の合成
1)2−メチル−2−(4−ニトロフェニル)プロピオニトリル
【0211】
2−(4−ニトロフェニル)アセトニトリル(4.86g、30mmol)を50mLのジクロロメタンに溶解した。得られた混合液に30mLの水酸化ナトリウム水溶液(3.6g、90mmol)を滴下して加えた。次に得られた混合液にイオドメタン(10.65g、75mmol)を滴下して加えた。滴下終了後、得られた混合液を室温窒素保護下遮光下で16時間反応させた。50mLの水および100mLのジクロロメタンを加えた。分相した。水相を100mLジクロロメタンで抽出した。有機相を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc/PE=0−1/20)で分離し、淡黄色の固体、2−メチル−2−(4−ニトロフェニル)プロパンニトリル(4.5g)を得た。
【0212】
2)2−(4−アミノフェニル)−2−メチルプロパンニトリル
【0214】
2−メチル−2−(4−ニトロフェニル)プロパンニトリル(4.5g、23.6mmol)を反応槽に加え、Pd/C(450mg)および50mL酢酸エチルを連続して加えた。システムを吸引し水素を導入した。得られた混合液を室温で15時間反応させた。得られた反応物をセライトでろ過し酢酸エチルで洗浄した。得られたろ液を濃縮し、無色オイル、2−(4−アミノフェニル)−2−メチルプロパンニトリル(3.5g)を得た。
【0215】
3)エチル6−クロロ−4−((4−(2−シアノプロパン−2−イル)フェニル)アミノ)−1,5−ナフチリジン−3−カルボキシレート
【0217】
4,6−ジクロロ−1,5−ナフチリジン−3−カルボキシレートエチル(5.9g、21.9mmol)および2−(4−アミノフェニル)−2−メチルプロパンニトリル(3.5g、21.9mmol)をtert−ブタノール(100mL)に溶解した。得られた混合液に炭酸カリウム(6.0g、43.8mmol)を加えた。反応液を加熱し還流し15時間反応させた。反応物を室温に冷却し、次に減圧濃縮した。残査に100mLの水および100mLのDCMを加えた。分相した。水相を100mLのDCMで抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc/PE=0−1/2)により分離し、淡黄色の固体、6−クロロ−4−((4−(2−シアノプロパン−2−イル)フェニル)アミノ)−1,5−ナフチリジン−3−カルボキシレートエチル(6.9g)を生成した。
【0218】
4)6−クロロ−4−((4−(2−シアノプロパン−2−イル)フェニル)アミノ)−N−(4−メトキシベンジル)−1,5−ナフチリジン−3−カルボキサミドの合成
【0220】
エチル6−クロロ−4−((4−(2−シアノプロパン−2−イル)フェニル)アミノ)−1,5−ナフチリジン−3−カルボキシレート(6.9g、17.5mmol)を50mLメタノールおよび50mLテトラヒドロフランに溶かした。得られた混合液に50mLの水酸化リチウム水溶液(2.2g、52.4mmol)を室温で滴下して加えた。滴下終了後、得られた混合液を室温で4時間反応させた。反応物を濃縮した。200mLの水を加えた。得られた混合液を塩酸でpH=2−3に調整した。固体を分離し真空下で乾燥し黄色の固体を得、次に100mLのジクロロメタンに分散した。0.05mLのDMFを加えた。得られた混合液に氷浴でオキサリルクロライド(4.2g、33.3mmol)を滴下し加えた。滴下終了後、反応液を室温で加温し4時間反応させた。反応物を減圧留去し溶媒を除去し、続いて100mLのジクロロメタンに溶解した。得られた混合液にトリエチルアミン(5.0g、49.8mmol)およびpara−メトキシベンジルアミン(2.7g、19.9mmol)の混合液を氷浴下で滴下して加えた。滴下終了後、反応液を室温で15時間反応させた。50mLの水および100mLのDCMを加えた。分相した。水相を100mLのDCMで抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc/PE=1/10−3/2)により分離し淡黄色の固体(4.0g)を得た。
【0221】
5)2−(4−(9−クロロ−3−(4−メトキシベンジル)−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジノ[5,4−c][1,5]ナフチリジン−1(2H)−イル)フェニル)−2−メチルプロパンニトリル
【0223】
水素化ナトリウム(1.0g、25mmol)を25mLのDMFで懸濁した。得られた混合液に室温でゆっくりと6−クロロ−4−((4−(2−シアノプロパン−2−イル)フェニル)アミノ)−N−(4−メトキシベンジル)−1,5−ナフチリジン−3−カルボキサミド(2.43g、5mmol)をDMF(25mL)に溶かした溶液を滴下して加えた。滴下終了後、得られた混合液を60℃に加温し1時間反応させた。得られた混合液に氷浴でクロロギ酸エチル(1.36g、12.5mmol)をゆっくりと滴下し加えた。滴下終了後、反応液を60℃に加温し16時間反応させた。反応物を室温に冷却し、次に水にゆっくり注ぎ、酢酸エチル(3×150mL)で抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc/PE=0−1/5)により分離し淡黄色の固体(1.2g)を生成した。
【0224】
6)2−(4−(9−クロロ−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジノ[5,4−c][1,5]ナフチリジン−1(2H)−イル)フェニル)−2−メチルプロパンニトリル
【0226】
2−(4−(9−クロロ−3−(4−メトキシベンジル)−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジノ[5,4−c][1,5]ナフチリジン−1(2H)−イル)フェニル)−2−メチルプロパンニトリル(1.2g、2.3mmol)をアセトニトリル(80mL)および水(20mL)に溶かした。アンモニウムセリウムニトレート(5.1g、9.4mmol)を室温でバッチに加えた。反応液を室温で16時間反応後濃縮した。100mLの水を加えた。混合液をろ過した。得られた固体をEAおよびPE(1:1)で洗浄し真空乾燥して黄色固体(600mg)を得た。
【0227】
7)2−(4−(9−(6−アミノピリジン−3−イル)−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジノ[5,4−c][1,5]ナフチリジン−1(2H)−イル)フェニル)−2−メチルプロパンニトリル
【0229】
2−(4−(9−クロロ−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジノ[5,4−c][1,5]ナフチリジン−1(2H)−イル)フェニル)−2−メチルプロパンニトリル(392mg、1.0mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−アミン(440mg、1.0mmol、含有量50%)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(46mg、0.04mmol)を40mLのジオキサンに溶解した。得られた混合液に1mLの炭酸カリウム水溶液(276mg、2mmol)を加えた。反応液を窒素保護下15−18時間100℃で反応させ、室温に冷却し濃縮し、ろ過し、水で洗浄した。得られた粗生成物を酢酸エチルおよびメタノールで連続的に洗浄し、淡黄色の固体、2−(4−(9−(6−アミノピリジン−3−イル)−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジノ[5,4−c][1,5]ナフチリジン−1(2H)−イル)フェニル)−2−メチルプロパンニトリル(150mg)を生成した。
式:C
25H
19N
7O
2 LC−MS(m/e):450.1(M+H)
1H NMR(400Mz、DMSO−d
6)δ:12.19(br. s.,1H)、9.24(s,1H)、8.30(d、J = 8.8,1H)、8.17(d、J = 8.8,1H)、7.97(m,1H)、7.59(m,2H)、7.42(m,2H)、7.20(m,1H)、6.32−6.40(m,3H)、1.73(s,6H)。
【0230】
実施例7
9−(6−アミノピリジン−3−イル)−3−メチル−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリド[5,4−c][1,5]ナフチリジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物6)の合成
1)6−クロロ−N−メチル−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)−1,5−ナフチリジン−3−カルボキサミド
【0232】
6−クロロ−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)−1,5−ナフチリジン−3−カルボキシレートエチル(3.95g、10mmol)を50mLのメタノールおよび50mLのテトラヒドロフランに溶かした。得られた混合液に50mLの水酸化リチウム水溶液(1.26g、30mmol)を滴下し加えた。滴下終了後、混合液を室温4時間撹拌した。反応物を濃縮した。200mLの水を加えた。得られた混合液を塩酸でpH=2−3に調整し、吸引ろ過し乾燥した。
【0233】
得られた固体およびメチルアミン塩酸塩(924mg、13.7mmol)を40mLのDMFに入れた。混合液にトリエチルアミン(5.99g、58.8mmol)を加え、続いてHATU(5.6g、14.7mmol)を加えた。反応液を室温4時間撹拌した。300mLの水を加えた。得られた混合液を吸引ろ過した。ろ過ケークを水で洗浄し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル = 0−1/1)により分離し、淡黄色の固体、6−クロロ−N−メチル−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ−1,5−ナフチリジン−3−カルボキサミド(2.5g)を生成した。
【0234】
2)9−クロロ−3−メチル−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジノ[5,4−c][1,5]ナフチリジン)−2,4(1H,3H)−ジオン
【0236】
水素化ナトリウム(1.3g、33mmol)を40mLのDMFに懸濁した。0℃で、得られた混合液に、6−クロロ−N−メチル−4−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ−1,5−ナフチリジン−3−カルボキサミド(2.5g、6.6mmol)をDMF(60mL)に溶かした溶液をゆっくりと滴下し加えた。滴下終了後、その混合液を室温に加温し1時間攪拌した。氷浴下で、クロロギ酸エチル(1.8g、16.5mmol)をゆっくりと反応物に滴下し加えた。滴下終了後、反応液を60℃に加温し、16時間撹拌した。次に反応物を室温に冷却し水を加えた。反応を酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩液で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル = 0−1/5)により分離し黄色のオイル(1.2g)を得た。
【0237】
3)9−(6−アミノピリジン−3−イル)−3−メチル−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリド[5,4−c][1,5]ナフチリジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0239】
9−クロロ−3−メチル−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−ピリミジノ[5,4−c][1,5]ナフチリジン−2,4(1H,3H)−ジオン(609mg、1.5mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−アミン(660mg、1.5mmol、含有量50%)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(70mg、0.06mmol)を40mLのジオキサンに加えた。得られた混合液に20mLの炭酸カリウム水溶液(621mg、4.5mmol)を加えた。反応液を105℃18時間窒素保護下で反応後冷却し、セライトでろ過、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/石油エーテル = 0−10/1)により分離し粗生成物を生成し、これを6M塩酸(50mL)に溶かした。得られた混合液をジクロロメタンで洗浄した。水相を炭酸ナトリウム水溶液に滴下し加え、吸引ろ過し、水およびメタノールで連続的に洗浄し乾燥し、9−(6−アミノピリジン−3−イル)−3−メチル−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリド[5,4−c][1,5]ナフチリジン−2,4(1H,3H)−ジオン(500mg)を生成した。
1H NMR(400Mz、DMSO−d
6)δ:9.33(s,1H)、8.34(m,1H)、8.25(m,1H)、8.16(m,1H)、7.91(s,1H)、7.82(m,1H)、7.71(m,2H)、6.78(m,1H)、6.47(s,2H)、6.25(m,1H)、3.37(s,3H)。