特許第6073496号(P6073496)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ インテル コーポレイションの特許一覧

<>
  • 特許6073496-状況アウェアなセンサ電力管理 図000002
  • 特許6073496-状況アウェアなセンサ電力管理 図000003
  • 特許6073496-状況アウェアなセンサ電力管理 図000004
  • 特許6073496-状況アウェアなセンサ電力管理 図000005
  • 特許6073496-状況アウェアなセンサ電力管理 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073496
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】状況アウェアなセンサ電力管理
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/73 20060101AFI20170123BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
   H04M1/73
   H04M1/00 R
【請求項の数】23
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-544060(P2015-544060)
(86)(22)【出願日】2013年6月22日
(65)【公表番号】特表2016-503629(P2016-503629A)
(43)【公表日】2016年2月4日
(86)【国際出願番号】US2013047206
(87)【国際公開番号】WO2014105157
(87)【国際公開日】20140703
【審査請求日】2015年5月26日
(31)【優先権主張番号】13/728,314
(32)【優先日】2012年12月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ミン,アレキサンダー ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,レン
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ,ジュニア−シアン
(72)【発明者】
【氏名】タイ,ツン−ユエン シー.
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−504578(JP,A)
【文献】 特開2009−222486(JP,A)
【文献】 特表2002−524002(JP,A)
【文献】 特開2008−117424(JP,A)
【文献】 特開2012−80533(JP,A)
【文献】 米国特許第6141570(US,A)
【文献】 特開2003−204572(JP,A)
【文献】 特開2004−356684(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0242312(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0215903(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M1/73
H04M1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル・プラットフォームであって、
バッテリと、
1以上の位置センサと、
受信信号強度(RSS)情報を生成するネットワーク・インタフェース・コントローラと、
センサ管理モジュールであって、
当該モバイル・プラットフォームのステータスを決定する動き検出部であって、前記ステータスは、当該モバイル・プラットフォームが静止しているかどうかを示前記ステータスは、前記ネットワーク・インタフェース・コントローラからの前記RSS情報により示されるRSSの変動が、RSS変動閾値を下回った場合、当該モバイル・プラットフォームが静止しているとして、前記動き検出部により決定される、動き検出部と、
前記ステータスに少なくとも部分的に基づいて、前記1以上の位置センサのうちの少なくとも1つの位置センサの検出スケジュールを適応させるセンサ・スケジュール部と、
前記1以上の位置センサからの情報に少なくとも部分的に基づいて、1以上の位置アップデートを生成する位置推定部と、
を含むセンサ管理モジュールと、
を備えた、モバイル・プラットフォーム。
【請求項2】
前記センサ・スケジュール部は、位置リクエストを受信し、前記検出スケジュールは、前記位置リクエストに関連付けられたサービス品質(QoS)情報にさらに基づいて適応され、前記1以上の位置アップデートは、前記位置リクエストに応じて生成される、請求項1記載のモバイル・プラットフォーム。
【請求項3】
記ステータスは、前記ネットワーク・インタフェース・コントローラから取得された、当該モバイル・プラットフォームの無線到達範囲内にある無線アクセス・ポイントの数が変化していない場合にも、当該モバイル・プラットフォームが静止しているとして、前記動き検出部により決定される、請求項1又は2記載のモバイル・プラットフォーム。
【請求項4】
周囲光情報を生成する周囲光センサ
をさらに備え、
記ステータスは、前記周囲光センサからの前記周囲光情報により示される周囲光の変動が、光変動閾値を下回った場合にも、当該モバイル・プラットフォームが静止しているとして、前記動き検出部により決定される、請求項1乃至3いずれか一項記載のモバイル・プラットフォーム。
【請求項5】
前記センサ・スケジュール部は、前記検出スケジュールを適応させるために、前記1以上の位置センサのうちの少なくとも1つの位置センサの検出頻度、検出期間、及びアクティブ化ステータスのうちの1以上を変更する、請求項1乃至4いずれか一項記載のモバイル・プラットフォーム。
【請求項6】
前記1以上の位置センサは、加速度計及びコンパスのうちの1以上を含む、請求項1乃至いずれか一項記載のモバイル・プラットフォーム。
【請求項7】
複数の位置アップデートを集約し、前記検出スケジュールに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の位置アップデートを出力するセンサ・ハブ
をさらに備えた、請求項1乃至6いずれか一項記載のモバイル・プラットフォーム。
【請求項8】
モバイル・プラットフォームのステータスを決定する動き検出部であって、前記ステータスは、前記モバイル・プラットフォームが静止しているかどうかを示前記ステータスは、前記モバイル・プラットフォーム上の、受信信号強度(RSS)情報を生成するネットワーク・インタフェース・コントローラからの前記RSS情報により示されるRSSの変動が、RSS変動閾値を下回った場合、前記モバイル・プラットフォームが静止しているとして、前記動き検出部により決定される、動き検出部と、
前記ステータスに少なくとも部分的に基づいて、前記モバイル・プラットフォーム上の1以上の位置センサの検出スケジュールを適応させるセンサ・スケジュール部と、
前記1以上の位置センサからの情報に少なくとも部分的に基づいて、1以上の位置アップデートを生成する位置推定部と、
を備えた、装置。
【請求項9】
前記センサ・スケジュール部は、位置リクエストを受信し、前記検出スケジュールは、前記位置リクエストに関連付けられたサービス品質(QoS)情報にさらに基づいて適応され、前記1以上の位置アップデートは、前記位置リクエストに応じて生成される、請求項8記載の装置。
【請求項10】
記ステータスは、前記ネットワーク・インタフェース・コントローラから取得された、前記モバイル・プラットフォームの無線到達範囲内にある無線アクセス・ポイントの数が変化していない場合にも、前記モバイル・プラットフォームが静止しているとして、前記動き検出部により決定される、請求項8又は9記載の装置。
【請求項11】
記ステータスは、前記モバイル・プラットフォーム上の、周囲光情報を生成する周囲光センサからの前記周囲光情報により示される周囲光の変動が、光変動閾値を下回った場合にも、前記モバイル・プラットフォームが静止しているとして、前記動き検出部により決定される、請求項8乃至10いずれか一項記載の装置。
【請求項12】
前記センサ・スケジュール部は、前記検出スケジュールを適応させるために、前記1以上の位置センサのうちの少なくとも1つの位置センサの検出頻度、検出期間、及びアクティブ化ステータスのうちの1以上を変更する、請求項8乃至11いずれか一項記載の装置。
【請求項13】
前記1以上の位置センサは、加速度計及びコンパスのうちの1以上を含む、請求項8乃至12いずれか一項記載の装置。
【請求項14】
複数の位置アップデートを集約し、前記検出スケジュールに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の位置アップデートを出力するセンサ・ハブ
をさらに備えた、請求項8乃至13いずれか一項記載の装置。
【請求項15】
モバイル・プラットフォームのステータスを決定する決定ステップであって、前記ステータスは、前記モバイル・プラットフォームが静止しているかどうかを示前記ステータスは、前記モバイル・プラットフォーム上の、受信信号強度(RSS)情報を生成するネットワーク・インタフェース・コントローラからの前記RSS情報により示されるRSSの変動が、RSS変動閾値を下回った場合、前記モバイル・プラットフォームが静止しているとして決定される、決定ステップと、
前記ステータスに少なくとも部分的に基づいて、前記モバイル・プラットフォーム上の1以上の位置センサの検出スケジュールを適応させるステップと、
前記1以上の位置センサからの情報に少なくとも部分的に基づいて、1以上の位置アップデートを生成するステップと、
を含む、方法。
【請求項16】
位置リクエストを受信する受信ステップであって、前記検出スケジュールは、前記位置リクエストに関連付けられたサービス品質(QoS)情報にさらに基づいて適応され、前記1以上の位置アップデートは、前記位置リクエストに応じて生成される、受信ステップ
をさらに含む、請求項15記載の方法。
【請求項17】
記ステータスは、前記ネットワーク・インタフェース・コントローラから取得された、前記モバイル・プラットフォームの無線到達範囲内にある無線アクセス・ポイントの数が変化していない場合にも、前記モバイル・プラットフォームが静止しているとして決定される、請求項15又は16記載の方法。
【請求項18】
記ステータスは、前記モバイル・プラットフォーム上の、周囲光情報を生成する周囲光センサからの前記周囲光情報により示される周囲光の変動が、光変動閾値を下回った場合にも、前記モバイル・プラットフォームが静止している決定される、請求項15乃至17いずれか一項記載の方法。
【請求項19】
前記検出スケジュールを適応させるために、前記1以上の位置センサのうちの少なくとも1つの位置センサの検出頻度、検出期間、及びアクティブ化ステータスのうちの1以上を変更するステップ
をさらに含む、請求項15乃至18いずれか一項記載の方法。
【請求項20】
前記1以上の位置センサは、加速度計及びコンパスのうちの1以上を含む、請求項15乃至19いずれか一項記載の方法。
【請求項21】
複数の位置アップデートを集約し、前記検出スケジュールに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の位置アップデートを出力するステップ
をさらに含む、請求項15乃至20いずれか一項記載の方法。
【請求項22】
モバイル・プラットフォームに、請求項15乃至21いずれか一項記載の方法を実行させるコンピュータ・プログラム。
【請求項23】
請求項22記載のコンピュータ・プログラムを記憶しているコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、一般に、モバイル・プラットフォームにおける電力管理に関する。より詳細には、実施形態は、モバイル・プラットフォームにおける状況アウェアなセンサ電力管理(situation aware sensor power management)に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のモバイル・デバイスは、リッチなユーザ・エクスペリエンスを提供するために、加速度計、デジタル・コンパス、及び周囲光センサ等の様々なセンサを備えることができる。多くのモバイル・アプリケーション及びサービスは、そのような組み込みモバイル・センサから取得される情報に大きく依拠し得る。例えば、位置に基づくアプリケーションは、正確な結果をユーザに提供するために、位置センサからの頻繁な位置推定アップデート(location estimate update)を必要とし得る。しかしながら、電力の影響を意識しない頻繁な検出又は連続的な検出は、相当のエネルギ消費を招き、バッテリ寿命を短くさせることがあり、ロバストなセンサ情報の潜在的な利益を台無しにし得る。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本発明の実施形態の様々な利点が、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲を読み図面を参照することにより、当業者に明らかになるであろう。
図1】一実施形態に従ったセンサ管理モジュールの一例のブロック図。
図2】一実施形態に従った、センサ電力を管理する方法の一例のフローチャート。
図3】一実施形態に従ったセンサ電力管理ソリューションの一例のタイムライン。
図4】一実施形態に従った、センサ・ハブを有するモバイル・プラットフォームのためのセンサ電力管理ソリューションの一例のタイムライン。
図5】一実施形態に従ったモバイル・プラットフォームの一例のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0004】
図1は、1以上の位置センサ16からのセンサ情報14を使用して、位置アップデート(location update)18を求めるリクエスト22を発するアプリケーション20に位置アップデート18を提供するアーキテクチャ10を示している。アプリケーション20は、例えば、ナビゲーション・サービス、画像キャプチャ・サービス、電子商取引(eコマース)サービス、ゲーム・サービス等の位置情報サービス(LBS:location based service)に関連付けられ得る。位置アップデート18は、一般に、位置センサ16を含むモバイル・プラットフォーム(図示せず)の地理的位置及び/又は物理的位置を示し得る。センサ情報14を生成するために、位置センサ16が、バッテリ(図示せず)等のプラットフォーム電源から電力を取り得ることは、特に注目すべきことである。さらに、センサ情報14の生成に関連する割り込み(interrupt)は、プロセッサ、入力出力(IO)モジュール等の他のプラットフォーム・コンポーネントにより多くの電力を消費させる場合がある。
【0005】
以下でより詳細に説明するように、センサ管理モジュール12(例えば、ハードウェア回路、ソフトウェア・アプリケーション、ファームウェア・ルーチン、又はそれらの任意の組合せ)を使用して、位置センサ16のための動的に適応可能な検出スケジュールを確立及び管理することができる。検出スケジュールに対するリアルタイム調整により、より優れた電力効率化が可能となり得る。検出スケジュールは、例えば、検出頻度、検出期間、アクティブ化ステータス等のセンサ・パラメータを規定することができる。例えば、検出頻度は、特定のセンサがどのくらい頻繁にデータをキャプチャ及び/又は生成するかを示し得る。検出期間は、特定のセンサがアクティブであるときに特定のセンサがどのくらい長い間データをキャプチャ及び/又は生成するかを示し得る。アクティブ化ステータスは、データをキャプチャ及び/又は生成するために特定のセンサが電源を入れられるかどうかを示し得る。検出スケジュールにおいて、他のパラメータがまた使用されてもよい。
【0006】
図示した例において、センサ管理モジュール12は、状況検出部28からステータス情報26を取得し、プラットフォームの状況ステータス(situational status)を決定する動き検出部24を有する。状況ステータスは、モバイル・プラットフォームが静止しているかどうかを示す。動き検出部24は、したがって、プラットフォームが動いているとき及びプラットフォームが静止しているときを判定するよう構成されているハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア等を含み得る。この点に関して、モバイル・プラットフォームが静止しているとき、位置センサ16は、電力消費をなくすことができ得る、あるいは電力消費を低減させることができ得る。なぜならば、電力消費をなくしている間、又は低減された電力の時間期間の間、意味のある位置情報は失われないと推定され得るからである。一例において、状況検出部28は、ネットワーク・インタフェース・コントローラ(NIC)であり、ステータス情報26は、モバイル・プラットフォームが動くにつれて変化する受信信号強度(RSS)情報である。そのような場合、動き検出部24は、NICへのインタフェースを含み得る。ステータス情報26はまた、モバイル・プラットフォームの無線到達範囲内にある無線アクセス・ポイントの数を示すことができる。近くにある無線アクセス・ポイントの数の変化は、モバイル・プラットフォームが静止していないことを示し得る。さらに別の例において、状況検出部28は、周囲光センサであり得る。ステータス情報26は、異なる環境(例えば、室外、室内、ポケット内)間をモバイル・プラットフォームが動くにつれて変化する周囲光情報を含み、動き検出部24は、周囲光センサへのインタフェースを含む。他のタイプの状況検出部を使用して、モバイル・プラットフォームが静止しているかどうかを判定してもよい。
【0007】
センサ管理モジュール12はまた、モバイル・プラットフォームが静止しているかどうかに少なくとも部分的に基づいて、位置センサ16のうちの1以上の検出スケジュールを適応させるセンサ・スケジュール部30を含み得る。したがって、センサ・スケジュール部30は、動き検出部24から動き情報34を受信することができ、動き情報34に基づいて、位置センサ16にスケジューリング決定(scheduling decision)32を発することができる。センサ・スケジュール部30は、したがって、位置センサ16のオペレーションを管理するよう構成されているハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア等を含み得る。一例において、センサ・スケジュール部30は、センサ・スケジュール部30がプラットフォームのオペレーティング・システム(OS)レベルでアプリケーション20及び位置センサ16の両方と通信することを可能にする様々なレジスタ及び/又はメモリ位置へのアクセス権を有する。センサ・スケジュール部30によりなされるスケジューリング決定32は、リアルタイム且つ動的に適応可能に検出スケジュールを実施し得る。検出スケジュールは、位置センサ16のうちの1以上の検出頻度、検出期間、アクティブ化ステータス等の変更を提供し得る。
【0008】
例えば、モバイル・プラットフォームが静止しているとき、センサ・スケジュール部30は、検出頻度(例えば、パルス幅変調/PWM周波数)を低減させ得る、検出期間(例えば、PWMデューティ・サイクル)を低減させ得る、位置センサ16のうちの1以上を非アクティブ化し得る、等。一方、モバイル・プラットフォームが静止していない場合、センサ・スケジュール部30は、例えば、検出頻度を増大させ得る、検出期間を増大させ得る、且つ/あるいは位置センサ16のうちの1以上をアクティブ化し得る。検出スケジュールはまた、以下でより詳細に説明するように、アプリケーション20からの位置リクエスト(location request)に関連付けられたサービス品質(QoS)情報に基づいて、適応され得る。図示したセンサ管理モジュール12はまた、位置推定部36を含む。位置推定部36は、位置センサ16からのセンサ情報14に少なくとも部分的に基づいて、位置アップデート18を生成する。位置推定部36は、したがって、位置アップデート18がアプリケーション20により正確に受信、処理、及び理解され得るように、センサ情報14をアプリケーション20に適合するフォーマットに変換するよう構成されているハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア等を含み得る。したがって、位置アップデート18は、割り込み、アラート、メッセージ等として実装され得る。ここで、位置アップデート18は、アプリケーションに固有のもの、OSに固有のもの等、又はそれらの任意の組合せであり得る。
【0009】
次に図2に移ると、センサ電力を管理する方法40が示されている。方法40は、論理命令のセットとして実装され得る。論理命令のセットは、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、ファームウェア、フラッシュメモリ等のマシン読み取り可能記憶媒体若しくはコンピュータ読み取り可能記憶媒体、例えば、プログラマブル論理アレイ(PLA)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、コンプレックス・プログラマブル論理デバイス(CPLD)といった設定可能なロジック、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)、若しくはトランジスタ・トランジスタ・ロジック(TTL)技術等の回路技術を用いた固定機能論理ハードウェア、又はそれらの任意の組合せに記憶される。例えば、方法40に示すオペレーションを実行するコンピュータ・プログラム・コードは、1以上のプログラミング言語の任意の組合せで記述することができる。そのようなプログラミング言語は、Java(登録商標)、Smalltalk、C++等のオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語等の従来の手続型プログラミング言語を含む。
【0010】
図示した処理ブロック42は、モバイル・プラットフォームにおいて位置リクエストを受信することを提供する。ブロック44において、QoS情報が、リクエストから取得され得る。QoS情報は、一般に、位置推定精度、最大レイテンシ等の制約及び/又は要件を含み得る。ブロック46において、モバイル・プラットフォームの動き推定が取得され得る。動き推定は、モバイル・プラットフォームが静止しているかどうかを示し得る。ブロック46は、したがって、RSS情報をRSS変動閾値(RSS variation threshold)と比較すること、プラットフォームの範囲内にある無線アクセス・ポイントの数を判定すること、周囲光情報を光変動閾値(light variation threshold)と比較すること等を含み得る。したがって、RSSの変動がRSS変動閾値を下回った場合、プラットフォームの無線到達範囲内にある無線アクセス・ポイントの数が変化していない場合、周囲光の変動が光変動閾値を下回った場合等、モバイル・プラットフォームは、比較的静止していると判定され得る。
【0011】
ブロック48において、プラットフォームが静止していると判定された場合、図示したブロック50は、電力消費を低減させるために、プラットフォーム上の1以上の位置センサの検出スケジュールを適応させる。検出スケジュールの適応は、例えば、前述したように、プラットフォーム上の位置センサの検出頻度、検出期間、及び/又はアクティブ化ステータスを変更することを含み得る。ブロック50における適応はまた、関連するQoS制約を考慮に入れ得る。例えば、アプリケーションが、非常に正確な位置推定結果を要求する場合、又は観測される検出パラメータのセットを明確に要求する場合、この適応は、最小限であってもよいし、完全にバイパスされてもよい。ブロック48において、プラットフォームが静止していないと判定された場合、ブロック52は、デフォルトの検出スケジュールを使用し得る。図示したブロック54は、選択された検出スケジュールを実施することを提供する。ブロック56において、位置推定が、利用可能なセンサ情報に基づいて更新され得る。
【0012】
図3は、モバイル・プラットフォーム上の1以上の位置センサを状況状態(situational condition)に適応させるために、PWM信号が変動されているタイムライン60を示している。PWMは、一般に、センサをアクティブ化するために、高状態(例えば、論理1)を取り得、センサを非アクティブ化するために、低状態(例えば、論理0)を取り得る。図示した例において、動いている時間期間62の間、PWM信号は、位置センサにおける周期的検出をトリガする。この検出結果を使用して、位置アップデートを生成することができる。一方、静止している時間期間64の間、図示したPWM信号は、電力を節約しバッテリ寿命を延ばすために、位置センサにおける検出をトリガしない。代替的に、PWM信号は、静止している時間期間64の間、デューティ・サイクルを短くする、且つ/あるいはPWM信号の周波数を低減させることにより、電力節約を行ってもよい。電力節約は、位置センサを非アクティブ化するとともに、センサ情報の生成に関連する割り込みを処理する他のプラットフォーム・コンポーネント(例えば、プロセッサ、IOモジュール)を非アクティブ化することにより、達成され得る。別の動いている時間期間66が検出されると、PWM信号は、位置センサにおける周期的検出をトリガするのを再開し得る。
【0013】
図4は、センサ情報を集約し、位置センサとプラットフォーム上のアプリケーションとの間のミドルウェアとして機能するセンサ・ハブを有するモバイル・プラットフォームのタイムライン70を示している。図示した例において、動いている時間期間72の間、他のソース(例えば、IOデバイス、メモリ・デバイス)からの様々な他の割り込みとともに、センサ割り込みが、センサ・ハブにより、プラットフォームに出力される。静止している時間期間74の間、センサ割り込みは、センサ・ハブによりバッファされ得る。これは、より長いアイドル期間76を生成し得る。延長されたアイドル期間76は、電力をさらに節約しバッテリ寿命を延ばすために、プラットフォーム及び/又はそのコンポーネント(例えば、プロセッサ、IOモジュール、デバイス)がより長い時間期間の間より深いスリープ状態に入る機会を提供し得る。別の動いている時間期間78が検出されると、センサ・ハブは、センサ割り込みをプラットフォームに発するのを再開し得る。
【0014】
次に図5に移ると、プラットフォーム80が示されている。プラットフォーム80は、コンピューティング機能を有するモバイル・デバイス(例えば、携帯情報端末/PDA、ノートブック・コンピュータ、スマート・タブレット)、通信機能を有するモバイル・デバイス(例えば、無線スマートフォン)、イメージング機能を有するモバイル・デバイス、メディア再生機能を有するモバイル・デバイス(例えば、スマート・テレビジョン/TV)、又はそれらの任意の組合せ(例えば、モバイル・インターネット・デバイス/MID)の一部とすることができる。図示した例において、プラットフォーム80は、バッテリ82、プロセッサ84、集積メモリ・コントローラ(IMC)86、IOモジュール88、システム・メモリ90、ネットワーク・コントローラ(例えば、NIC)92、周囲光センサ96、及び複数の位置センサ94(94a、94b)を含む。プロセッサ84はまた、1以上のプロセッサ・コア98を有するコア領域を含む。プロセッサ84及びIOモジュール88は、別々のブロックとして図示されているが、プロセッサ84及びIOモジュール88は、システム・オン・チップ(SoC)として同一半導体ダイに組み込まれてもよい。
【0015】
しばしばサウスブリッジ又はチップセットのサウス・コンプレックスと呼ばれる図示したIOモジュール88は、ホスト・コントローラとして機能し、ネットワーク・コントローラ92と通信する。ネットワーク・コントローラ92は、多様な目的のために、オフ・プラットフォーム通信機能を提供することができる。そのような目的として、例えば、セルラ電話(例えば、W−CDMA(登録商標)(UMTS)、CDMA2000(IS−856/IS−2000)等)、WiFi(登録商標)(例えば、IEEE802.11−2007、無線LAN媒体アクセス制御(MAC)及びPHY仕様)、4G LTE(第4世代ロング・ターム・エボリューション)、Bluetooth(登録商標)(例えば、IEEE802.15.1−2005、無線パーソナル・エリア・ネットワーク)、WiMax(登録商標)(例えば、IEEE802.16−2004、LAN/MANブロードバンド無線LANS)、全地球測位システム(GPS)、スペクトル拡散(例えば、900MHz)、及び他の無線周波数(RF)テレフォニの目的がある。IOモジュール88はまた、そのような機能をサポートする1以上の無線ハードウェア回路ブロックを含み得る。
【0016】
図示した例において、プロセッサ・コア98は、センサ管理モジュール100(例えば、ソフトウェア、ハードウェア・ロジック等)を実行するよう構成されている。センサ管理モジュール100はまた、例えば、プロセッサ84とは別個のチップのハードウェア、ファームウェア等、プラットフォーム80のコンポーネントの別の場所に位置し得る。センサ管理モジュール12(図1)と同様のものであり得るセンサ管理モジュール100は、例えば、ネットワーク・コントローラ92からの情報を介して、RSSの変動を判定することにより、プラットフォーム80の状況ステータスを決定することができる。ここで、状況ステータスは、プラットフォーム80が静止しているかどうかを示し得る。状況ステータスはまた、ネットワーク・コントローラ92から無線アクセス・ポイントの数を取得することにより、あるいは、周囲光センサ96からの周囲光の変動の量を判定することにより、決定され得る。
【0017】
さらに、センサ管理モジュール100は、モバイル・プラットフォーム80が静止しているかどうかに少なくとも部分的に基づいて、位置センサ94のうちの1以上の検出スケジュールを適応させることができる。例えば、組み込み加速度計94a及び/又は組み込みコンパス94bの検出スケジュールが、それらのデバイスの電力消費を最小にするために、適応され得る。一例において、位置センサ94を非アクティブ化することにより、プロセッサ84及び/又はIOモジュール88は、より頻繁に且つより長い時間期間の間、より深いスリープ状態に入ることが可能となる。位置センサ94、プロセッサ84、及び/又はIOモジュール88の低減された電力消費は、バッテリ82の寿命を著しく延ばし得る。検出スケジュールの適応はまた、位置推定精度、最大レイテンシ等の様々なQoS制約を考慮に入れ得る。センサ管理モジュール100はまた、位置センサ94からの情報に少なくとも部分的に基づいて、1以上の位置アップデートを生成することができる。プラットフォーム80はまた、位置アップデートを集約し、適応された検出スケジュールに基づいて位置アップデートを出力するセンサ・ハブ(図示せず)を含み得る。
【0018】
したがって、本明細書で説明した技術は、「常時検出」機能を損なうことなく、頻繁なセンサ・オペレーションにより生じるプラットフォームの電力消費を著しく低減させることができ、これが、今度は、よりリッチなユーザ・エクスペレンスを提供し得る。さらに、本明細書で説明した技術は、多様なモビリティ環境(mobility environment)において適切なものであり得る。
【0019】
実施形態は、したがって、モバイル・プラットフォームのステータスが決定される方法を提供し得る。ここで、ステータスは、モバイル・プラットフォームが静止しているかどうかを示す。この方法はまた、モバイル・プラットフォームが静止しているかどうかに少なくとも部分的に基づいて、モバイル・プラットフォーム上の1以上の位置センサの検出スケジュールを適応させること、及び1以上の位置センサからの情報に少なくとも部分的に基づいて、1以上の位置アップデートを生成することを含み得る。
【0020】
実施形態はまた、命令のセットを含む非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体を含み得る。命令のセットがプロセッサにより実行された場合、命令のセットは、モバイル・プラットフォームに、モバイル・プラットフォームのステータスを決定させる。ここで、ステータスは、モバイル・プラットフォームが静止しているかどうかを示す。命令のセットはまた、実行された場合、モバイル・プラットフォームに、モバイル・プラットフォームが静止しているかどうかに少なくとも部分的に基づいて、モバイル・プラットフォーム上の1以上の位置センサの検出スケジュールを適応させ、1以上の位置センサからの情報に少なくとも部分的に基づいて、1以上の位置アップデートを生成させ得る。
【0021】
実施形態はまた、モバイル・プラットフォームのステータスを決定する動き検出部であって、ステータスは、モバイル・プラットフォームが静止しているかどうかを示す、動き検出部と、モバイル・プラットフォームが静止しているかどうかに少なくとも部分的に基づいて、モバイル・プラットフォーム上の1以上の位置センサの検出スケジュールを適応させるセンサ・スケジュール部と、を有する装置を含み得る。この装置はまた、1以上の位置センサからの情報に少なくとも部分的に基づいて、1以上の位置アップデートを生成する位置推定部を含み得る。
【0022】
実施形態はまた、バッテリと、1以上の位置センサと、センサ管理モジュールと、を有するモバイル・プラットフォームを含み得る。センサ管理モジュールは、モバイル・プラットフォームのステータスを決定する動き検出部を含み得る。ここで、ステータスは、モバイル・プラットフォームが静止しているかどうかを示す。さらに、センサ管理モジュールは、モバイル・プラットフォームが静止しているかどうかに少なくとも部分的に基づいて、1以上の位置センサのうちの少なくとも1つの位置センサの検出スケジュールを適応させるセンサ・スケジュール部と、1以上の位置センサからの情報に少なくとも部分的に基づいて、1以上の位置アップデートを生成する位置推定部と、を含み得る。
【0023】
本発明の実施形態は、全ての種類の半導体集積回路(「IC」)チップとともに使用するために適用可能である。これらのICチップの例は、プロセッサ、コントローラ、チップセット・コンポーネント、プログラマブル論理アレイ(PLA)、メモリ・チップ、ネットワーク・チップ、システム・オン・チップ(SoC)、SSD/NANDコントローラASIC等を含むが、これらに限定されるものではない。さらに、図面のうちのいくつかにおいて、信号導線が、線により表されている。いくつかは、より多くの構成信号路を示すために異なり得るものであり、いくつかは、複数の構成信号路を示すために番号ラベルを有し得るものであり、且つ/あるいは、いくつかは、主要な情報のフロー方向を示すために1以上の端部において矢印を有し得るものである。しかしながら、これは、限定的なものとして解釈すべきではない。そうではなく、そのようなさらなる詳細は、回路のより容易な理解を促すために、1以上の例示的な実施形態に関連して使用され得る。さらなる情報を有していようがいまいが、示された信号線のいずれも、実際には、複数の方向に伝搬し得る1以上の信号を含み得、差動ペア、光ファイバ回線、及び/又はシングル・エンド回線を用いて実装される任意の適切な種類の信号方式(例えば、デジタル回線又はアナログ回線)により実装され得る。
【0024】
サイズ/モデル/値/範囲の例が提供されたかもしれないが、本発明の実施形態は、そのような例に限定されるものではない。製造技術(例えば、フォトリソグラフィ)が時間とともに成熟するにつれ、より小さなサイズのデバイスを製造できると予想される。さらに、例示及び説明の単純さのために、且つ本発明の実施形態の所定の態様を曖昧にしないようにするために、ICチップ及び他のコンポーネントへの周知の電力/接地接続が、図面内に示されているかもしれないし、示されていないかもしれない。さらに、本発明の実施形態を曖昧にするのを避けるために、構成をブロック図の形態で示すことができ、そのようなブロック図の構成の実装に関する詳細が、実施形態が実装されるプラットフォームに大きく依存すること、すなわち、そのような詳細が、十分に当業者の視野内にあるべきであることも鑑みている。本発明の例示的な実施形態を説明するために、特定の詳細(例えば、回路)が記載される場合、本発明の実施形態は、そのような特定の詳細なしでも、あるいはそのような特定の詳細の変形を用いても実施できることが当業者には明らかなはずである。したがって、本説明は、限定ではなく例示としてみなされるべきである。
【0025】
本明細書において、「接続される」という語は、問題となっているコンポーネント間の直接的又は間接的な任意の種類の関係を指すために使用することができ、電気的接続、機械的接続、流体接続、光学的接続、電磁的接続、電気機械的接続、又は他の接続に適用することができる。さらに、本明細書において、「第1の」、「第2の」等の語は、説明を容易にするためだけに使用され、別途示されない限り、特定の時間的又は経時的な意味を有さない。
【0026】
当業者は、上記の説明から、本発明の実施形態の広義な技術が様々な形で実装され得ることを理解するであろう。したがって、本発明の実施形態が、その特定の例に関連して説明されているが、図面、明細書、及び特許請求の範囲を検討することで他の修正形態が当業者に明らかになることから、本発明の実施形態の真の範囲は、そのように限定されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5