(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
表示画面(32)と共に使用するように構成された、画像内のセレクタ記号(54)を制御する表示システム(30)であって、前記表示画面(32)が、前記表示画面(32)の表面への操作者のタッチを検出するように構成され、さらに三次元画像(38)を表示するように構成され、前記表示システム(30)が、
前記表示画面(32)に動作可能に結合されるように構成されたプロセッサ(34)を備え、前記プロセッサ(34)が、前記三次元画像(38)内に三次元セレクタ記号(54)を表示することを前記表示画面(32)に命令するように、かつ前記三次元画像(38)内の前記セレクタ記号(54)を前記操作者の前記タッチおよび該操作者の指の向きに対応するように移動させることを前記表示画面(32)に命令するように構成され、
前記三次元セレクタ記号(54)は、前記三次元画像(38)内に現れる照明領域と、該照明領域から前記表示画面(32)の表面へと延びるビーム部とを備える、表示システム。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】[0011]本開示の教示により作製された、画像内のセレクタ記号を制御する表示システムの一実施形態を示す概略図である。
【
図2】[0012]例示的な一実施形態による
図1の表示システム上に描写された三次元画像を示す図である。
【
図3】[0013]例示的な一実施形態による、操作者が表示画面を使って三次元セレクタ記号の表示を開始するときの
図2の三次元画像を示す図である。
【
図4】[0014]例示的な一実施形態による、三次元セレクタ記号の表示を開始するための別の手順を示す図である。
【
図5】例示的な一実施形態による、三次元セレクタ記号の表示を開始するための別の手順を示す図である。
【
図6】例示的な一実施形態による、三次元セレクタ記号の表示を開始するための別の手順を示す図である。
【
図7】[0015]例示的な一実施形態による、三次元セレクタ記号の表示を開始するためのさらに別の手順を示す図である。
【
図8】例示的な一実施形態による、三次元セレクタ記号の表示を開始するためのさらに別の手順を示す図である。
【
図9】例示的な一実施形態による、三次元セレクタ記号の表示を開始するためのさらに別の手順を示す図である。
【
図10】[0016]例示的な一実施形態による、所望の標的からの三次元セレクタ記号の間隔を示す図である。
【
図11】[0017]例示的な一実施形態による、三次元セレクタ記号の方位角および傾斜角を制御する技法を示す図である。
【
図12】例示的な一実施形態による、三次元セレクタ記号の方位角および傾斜角を制御する技法を示す図である。
【
図13】[0018]例示的な一実施形態による、三次元セレクタ記号の方位角および傾斜角を制御する別の技法を示す図である。
【
図14】例示的な一実施形態による、三次元セレクタ記号の方位角および傾斜角を制御する別の技法を示す図である。
【
図15】[0019]例示的な一実施形態による、三次元セレクタ記号の方位角および傾斜角を制御する別の技法を示す図である。
【
図16】例示的な一実施形態による、三次元セレクタ記号の方位角および傾斜角を制御する別の技法を示す図である。
【
図17】[0020]例示的な一実施形態による、三次元セレクタ記号の方位角および傾斜角を制御するさらに別の技法を示す図である。
【
図18】例示的な一実施形態による、三次元セレクタ記号の方位角および傾斜角を制御するさらに別の技法を示す図である。
【
図19】例示的な一実施形態による、三次元セレクタ記号の方位角および傾斜角を制御するさらに別の技法を示す図である。
【
図20】[0021]例示的な一実施形態による、三次元セレクタ記号をその方位角もその傾斜角を変えずに移動させる技法を示す図である。
【
図21】[0022]例示的な一実施形態による、三次元セレクタ記号を使用して標的を選択および追跡する技法を示す図である。
【
図22】[0023]例示的な一実施形態による、三次元画像内に複数の三次元セレクタ記号を描写することを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0024]以下の詳細な説明は、例示的な性質のものにすぎず、本発明、または本発明の応用および用途を限定するものではない。さらに、前述の背景、または以下の詳細な説明で提示されるいかなる理論にも束縛されるものではない。
【0014】
[0025]本明細書では、画像内のセレクタ記号を制御するための改善された表示システムが開示される。この表示システムは、立体画像としても知られる三次元画像を描写するように構成された表示画面を含む。本明細書で使用される「三次元」という語は、立体技法または他の技法を用いて描写されたリアルに見える三次元画像を指し、これらの技法は、奥行きがリアルに描写され、かつ画像および/または領域内の様々な構成要素間の空間関係がリアルに見える画像および/または領域を生成する。三次元画像を表示できる表示装置は、米国特許第7,796,200号、第7,796,134号、第7,786,953号、および第7,777,950号に開示されており、これらの開示はここで、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。表示画面はさらに、表示画面の表面へのタッチを検出するように構成される。このようなタッチを用いて、表示画面によって制御される、あるいは表示画面と通信可能または操作可能に結合されたプロセッサによって制御される命令システムに入力することができる。タッチ画面表示装置は、当技術分野でよく知られている。表示画面の表面へのタッチを検出できるようにする多数の技術が存在する。タッチ画面表示装置の例は、米国特許第4,521,870号、第4,821,031号、第5,038,142号、第5,956,021号、第6,259,491号、第6,297,811号、および第6,492,979号に開示されており、これらの開示はここで、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で使用される「タッチ」という語は、タッチ画面表示装置によって検出可能で、かつタッチ画面表示装置によって対話および/または駆動事象として認識される、操作者が取る任意の行動を指す。タッチは、それだけには限らないが、タッチ画面表示装置との実際の物理的接触を含む。操作者は、指、スタイラス、光スティック、レーザ光、またはいくつか他のデバイスを使用して表示装置の表面に触れることができる。このような指または他のデバイスは、本明細書では一括して「タッチ用具」と呼ぶことにする。
【0015】
[0026]表示システムはさらにプロセッサを含み、このプロセッサは、表示画面と通信可能または操作可能に結合され、その表示画面に命令して三次元画像を表示するように、さらにその三次元画像内に三次元セレクタ記号を表示するように構成される。例えば、三次元画像が、その上を航空機が飛行している風景の画像であり、また滑走路および地上航行補助装置などの様々な構造物および航行補助装置を含む場合、三次元セレクタ記号は、表示画面の表面から風景の中へ、または地平線の上空へ延びるように見えるスポットライトとして表示されることができる。一実施形態では、このスポットライトは、風景の地面に描写される照明された領域と、表示画面の表面から照明された地面の領域まで延びるスポットライトビームの目に見える描写とを含むことができる。別の実施形態では、三次元セレクタ記号は、地面から表示画面まで延びる照明されたビーム部を伴わない、単に地面の照明された領域だけのこともある。さらに別の実施形態では、三次元セレクタ記号は、任意の適切かつ/または所望の形を取ることができ、本明細書によっていかなる特定の実施形態にも限定されない。
【0016】
[0027]プロセッサはさらに、表示画面の表面で検出されるタッチに基づいて、三次元セレクタ記号を三次元画像中でくまなく移動させるように構成される。例えば、三次元セレクタ記号の方位角および傾斜角は、表示画面の表面上の、または表面全体にわたるタッチ用具の動きに基づいて修正することができる。いくつかの実施形態では、追加の入力デバイスを表示システム中に含むことができる。この追加の入力デバイスは、プロセッサに操作可能に接続され、表示画面と共に操作者によって利用されて三次元セレクタ記号の動きを制御する。タッチ画面を介して、また任意の追加入力デバイスを介して表示システム中に入力することによって、操作者は、三次元画像の周囲および全体にわたって三次元セレクタ記号を旋回、回転、および平行移動させることができる。いくつかの実施形態では、照明された領域が選択可能なもの(例えば、滑走路または他の航空機)の上に位置付けられている場合、照明された領域はその形状を変えて、強調表示されたものが選択可能であることを示すことができる。このように操作者は三次元セレクタ記号を操作して、三次元画像中に表示された様々なもののうち1つまたは複数を選択することができる。
【0017】
[0028]いくつかの実施形態では、三次元セレクタ記号はタッチ用具から外に延びるように見えることがある。例えば、三次元セレクタ記号は、操作者の指と一直線上にそろえられ、その指から延びるスポットライトまたはレーザのように見えることがある。こうすると、三次元画像中の三次元セレクタ記号を伴った、操作者が選択したい対象を操作者が効果的に指し示し触れることができる。表示システムは、操作者が表示画面上で指を回したときに、三次元セレクタ記号がその方位角およびその傾斜角を変えて、操作者の指と一直線上にそろったままになり、こうして三次元画像の中に入る操作者の指の延長部として機能するように構成することができる。いくつかの実施形態では、表示システムは、操作者が指を表示画面の表面全体にわたってドラッグすることによって、または制御パネルを使用することによって、三次元画像内の三次元セレクタ記号全体を移動できるようにすることが可能である。
【0018】
[0029]三次元セレクタ記号を使用すると、二次元表示装置で操作者がカーソルを使用して対象またはテキストを選択できるのと同様に、三次元画像内に表示された対象を操作者が選択することができる。照明領域の形状は、それが選択可能対象の上を通過するときに変化することができる。例えば、照明領域は、色、サイズ、形、および/またはこれらの組み合わせを変えて、その対象が選択可能であることを操作者に示すことができる。いくつかの実施形態では、対象自体がサイズ、形、および/または色を、照明領域がその上を通過するときに変化させることができる。いくつかの実施形態では、表示システムは、パイロットの操作で、複数の選択可能対象を同時にパイロットが選択できるようにするために、三次元画像内に複数の三次元セレクタ記号を描写できることがある。
【0019】
[0030]画像内のセレクタ記号を制御する表示システムの実施形態についてのよりよい理解は、以下の詳細な説明の再検討と併せて、本出願に添付の図を再検討することによって得られるであろう。
【0020】
[0031]
図1は、三次元セレクタ記号を制御する表示システム30を示す概略図である。表示システム30は、表示画面32、プロセッサ34、およびいくつかの実施形態では、付加入力ユニット36を含む。他の実施形態では、付加入力ユニット36は、表示画面32のタッチを検出する能力、したがって操作者入力を検出する能力により必要とされない。表示画面32は、三次元画像を表示するように構成されている、さらに表示画面の表面へのタッチを検出し、検出されたタッチに対応する信号をプロセッサ34に送出するように構成されている、任意の適切な表示画面とすることができる。付加入力ユニット36は、一般にコンピュータシステムが結び付いた任意の従来の入力デバイスとすることができ、コンピュータシステムに入力するために操作者によって使用される。このような入力デバイスには、それだけには限らないが、キーボード、タッチパッド、トラックボール、マウス、ジョイスティック、マイクロフォン、カメラ、および動き検出器が含まれる。付加入力ユニット36は、操作者から入力を受け取り、この操作者入力に対応する電子信号を生成し、その信号をプロセッサ34に送出するように構成される。
【0021】
[0032]プロセッサ34は、計算する、かつ/またはアルゴリズムを実施する、かつ/またはソフトウェアアプリケーションを実行する、かつ/またはサブルーチンを実行する、かつ/または任意のタイプのコンピュータプログラムをロードし実行するように構成されている任意のタイプのコンピュータ、コンピュータシステム、マイクロプロセッサ、論理デバイスの集まったもの、状態機械、あるいは他のアナログまたはデジタル回路とすることができる。プロセッサ34は、単一のプロセッサ、または協働して動作する複数のプロセッサを含むことができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ34は、表示システム30に限って使用するための専用とされることがあるのに対し、他の実施形態では、プロセッサ34は、他のシステムと共用されることがある。さらに他の実施形態では、プロセッサ34は、表示システム30の他の構成要素のいずれかに組み込まれることがある、例えばいくつかの実施形態では、プロセッサ34は、表示画面32または付加入力ユニット36の構成要素とすることができる。
【0022】
[0033]プロセッサ34は、表示画面32および付加入力ユニット36と動作可能に結合される。このような動作可能な結合は、有線接続および無線接続の両方を含む、任意の適切な伝送手段を使用することによって行うことができる。例えば、各構成要素は同軸ケーブルを介して、または電子信号を搬送するのに有効な他の任意のタイプの有線接続を介して、プロセッサ34と物理的に接続することができる。他の実施形態では、各構成要素は、バスまたは他の類似の通信路を越えてプロセッサ34と結合することができる。適切な無線接続の例には、それだけには限らないが、ブルートゥース登録商標で知られている無線通信プロトコル、Wi−Fi接続、赤外線接続などが含まれる。
【0023】
[0034]一方のプロセッサ34と、他方の表示画面32および付加入力ユニット36との間の動作可能な結合により、プロセッサ34には各構成要素を行き来する信号、命令、指示、問い合わせの受取りおよび送出のための経路が形成される。表示画面32および付加入力ユニット36は両方とも、それぞれの構成要素によって検出された操作者入力に対応する入力信号をプロセッサ34へ送出するように構成される。例えば、表示画面32の表面でタッチが検出された場合、あるいは操作者がマウスをクリックし、またはジョイスティックを引き寄せた場合に、表示画面32および付加入力ユニット36は、検出された入力に対応する電子信号を生成し、その電子信号をプロセッサ34に送出するように構成される。プロセッサ34は、表示画面32および付加入力ユニット36で生成された電子信号を受け取るように構成され、また表示画面32に表示される三次元画像内の三次元セレクタ記号を制御するために、表示画面32および付加入力ユニット36と相互作用し協働するように構成される(すなわち、プロセッサ34は、適切なコンピュータコード、ソフトウェアおよび/またはアプリケーションをロードされるとともに、これらを実行することができる)。プロセッサ34が表示画面32および/または付加入力ユニット36によって供給される入力信号を受け取ると、プロセッサ34は、表示画面32に三次元セレクタ記号の表示を開始させること、および/または入力信号に対応するように三次元セレクタ記号を三次元画像中でくまなく移動させることを表示画面32に指示する命令を表示画面32に送る。三次元セレクタ記号の表示を初期化すること、三次元セレクタ記号の移動、および他の特徴については、以下でより詳細に論じる。
【0024】
[0035]
図2は、
図1の表示システム30の表示画面32で描写された三次元画像38を示す図である。図示のように、三次元画像38は、航空機の下および/または周囲に位置する地形および他の特徴を描写したものである(航空機は示されていない)。三次元画像38の上には、それだけには限らないが、コンパス40、ピッチラダー42、およびフライトパスマーカ44などの従来のアイコンおよび記号表示が重ねられている。これらのアイコンおよび記号表示は、航空機の位置および方位角に関する情報を操作者に提供する。
【0025】
[0036]三次元画像38にはまた、選択可能標的46も示されている。選択可能標的46を選択したい操作者はまず、三次元セレクタ記号の表示を開始する開始行動を取る。図示の実施形態では、開始行動は表示画面へのタッチである。呼びやすいように、これを本明細書では「開始タッチ」と呼ぶことにする。
図2は、開始タッチを行う直前の操作者48を示す。操作者48は、表示画面32上で指50を用いて位置51で開始タッチを行う。いくつかの実施形態では、開始タッチを行う前に、操作者はまず、表示システム30を三次元セレクタ記号が生成される適切なモードに切り替える必要がある。例えば、操作者はまず、スイッチ52に触れて表示システム30を、三次元セレクタ記号を生成するようにイネーブルされるモードに設定する必要がある。本実施形態では、スイッチ52は、表示画面上のアイコンとして示されている。三次元セレクタ記号を駆動するのに他の任意のデバイスを使用することができ、これには、スイッチ、ボタン、レバー、または三次元セレクタ記号の生成をイネーブルするために操縦室内に配置された他の任意のタイプのアクチュエータが含まれることを理解されたい。他の実施形態では、三次元セレクタシステムは、任意の適切な条件または状況に基づいて自動的に始動することができる。さらに別の実施形態では、三次元セレクタ記号は常に表示しておくこともできる。
【0026】
[0037]
図3は、操作者48が表示画面32を使って三次元セレクタ記号54の表示を開始するときの
図2の三次元画像を示す。
図1〜3を続けて参照すると、指50が位置51でタッチしたときに、表示画面32は、指50と位置51とのタッチを検出し、信号をプロセッサ34に送出する。プロセッサ34は、その信号を受け取り、そのプログラミングの結果として、三次元セレクタ記号54を表示せよという命令を表示画面32に送る。三次元画像38と同様に、三次元セレクタ記号54もまた、リアルな奥行き感を伝える立体描写技法を用いて、本当の三次元のように描写される。三次元セレクタ記号54は、照明領域56およびビーム部58を含む。図示の実施形態では、三次元セレクタ記号54はスポットライトに似ている。他の実施形態では、三次元セレクタ記号54は、他の任意の適切な形および/または構成を取ることができる。照明領域56は、三次元画像38内に描かれた地形に接して見えるように描写される。ビーム部58は、照明領域56から後方へ表示画面32に向かって延びるとともに、表示画面32と接するように見えるベース部が指50の真下にある。他の実施形態では、三次元セレクタ記号54は、三次元画像38内の何かの対象(例えば、地形、地形上の選択可能な対象、飛行物体など)の上に載っているように見える遠部(照明領域56など)と、表示画面32の上に載っているように見える近部と、近部から遠部へと三次元画像の中に延びる本体とを有する。三次元セレクタ記号54は、それが立体的に描写されてリアルに見えるようになる点で、従来のセレクタ記号と異なる。
【0027】
[0038]表示画面32へのタッチを開始することに応答して三次元セレクタ記号54の最初の向きを決定するのに、様々な手順をプロセッサ34で用いることができる。
図3に示された例では、プロセッサ34は、三次元セレクタ記号54が位置51から最も近い選択可能標的まで、この場合には選択可能標的46まで延びるように三次元セレクタ記号54を指向させる構成になっている。こうして、三次元セレクタ記号54は、指50の先端から選択可能標的46まで延びるように見える。すぐに論じるように、三次元セレクタ記号54の最初の描写では、他の手順もまた、プロセッサ34によって用いられることがある。
【0028】
[0039]
図4〜6は、三次元セレクタ記号の表示を開始するための別の手順を示す。
図4に示されるように、操作者48は、表示画面32に位置61で触れる。
図1〜6を続けて参照すると、このタッチが行われたこと、およびその位置が表示画面32によって検出され、次に表示画面32は、このタッチについての、表示画面32の表面のタッチ位置が含まれる情報を伝える信号をプロセッサ34に送出する。プロセッサ34は、照明領域を表示するように表示画面32に命令する信号を表示画面32に送出することで応答する。
【0029】
[0040]
図5に示されるように、プロセッサ34から命令を受け取った後、表示画面32は照明領域56を、三次元画像38内の、表示画面32の表面の位置61に対応する位置に表示する。この時点で、表示システム30は、三次元セレクタ記号の残りを描写できるようになる前に、操作者48からのさらなる入力を待つ。
【0030】
[0041]
図6に示されるように、操作者48はこのような追加の入力を、表示画面32を横切って右に、わずかに下向きで指50をドラッグすることによって行う。表示画面32の表面を横切るこの指50の動きは、表示画面32によって検出され、プロセッサ34に伝達される。それに応じて、プロセッサ34は表示画面32に、照明領域56から、指50の先端の下、表示画面32の場所直下の表示画面32の部分まで延びるビーム部58を描写する指示を与える。この技法を用いると、操作者は、任意の所望の長さを有する三次元セレクタ記号54を「描く」ことができる。
【0031】
[0042]
図7〜9は、三次元セレクタ記号の表示を開始するためのさらに別の手順を示す。
図7に示されるように、操作者48は、指50を用いて位置62で表示画面32に触れる。
図1〜9を続けて参照すると、表示画面32は、このタッチを検出し、このタッチに対応する、表示画面32の表面のタッチ位置を含む信号をプロセッサ34に送出する。それに応じて、プロセッサ34は、位置62または指50の先端から三次元画像38の中に表示画面32の表面の位置62の場所と一致するようにして延びる、三次元セレクタ記号を投射する指示を表示画面32に送出する。図示の実施形態では、位置62が表示画面32の右半分のどこかに来る場合には、三次元セレクタ記号は、位置62または指50の先端から三次元画像38の左側に向かって延びることになる。これは
図8に示されており、この場合三次元セレクタ記号54は、指50から上向きに左に延び、照明領域56は、三次元画像38の左側の範囲に来ている。
【0032】
[0043]
図9は、この開始手順の別の図を提示する。最初のタッチが表示画面32の左側で表示画面32の下半分に検出された場合、三次元セレクタ記号54Aは、上向きに三次元画像38の右側に向かって延びる。最初のタッチが表示画面32の右側で表示画面32の下半分に検出された場合、三次元セレクタ記号54Bは、上向きに三次元画像38の左側に向かって延びる。最初のタッチが表示画面32の左側で表示画面32の上半分に検出された場合、三次元セレクタ記号54Cは、下向きに三次元画像38の右側に向かって延びる。最初のタッチが表示画面32の右側で表示画面32の上半分に検出された場合、三次元セレクタ記号54Dは、下向きに三次元画像38の左側に向かって延びる。上記は開始手順を網羅的に列記したものではなく、他の開始手順も実現可能であることを理解されたい。いくつかの実施形態では、開始時に三次元セレクタ記号の向きを制御することに加えて、表示システム30はまた、操作者48が三次元セレクタ記号54の長さおよび/または他の特徴を指定および/または修正できるように構成することも可能である。
【0033】
[0044]
図10は、三次元セレクタ記号54の照明領域56と選択可能標的46の間の間隔を示す。三次元画像38が操作者の航空機の周辺地形の立体三次元図であるので、また三次元セレクタ記号54が三次元画像38の中への三次元投射図であるので、照明領域56と選択可能標的46の間の差は、方位角と仰角または傾斜角の成分に分解することができる。傾斜角デルタ64は、照明領域56と選択可能標的46の間の仰角の差を表す。方位デルタ66は、照明領域56と選択可能標的46の間の方位角の差を表す。したがって、照明領域56を選択可能標的46の上に位置付けるために、三次元セレクタ記号54の仰角が傾斜角デルタ64に等しい量だけ下げられ、三次元セレクタ記号54の方位角が方位角デルタ66に等しい量だけ反時計方向に(
図10の視点から見て)回される。三次元セレクタ記号54の傾斜角および方位角は、表示画面32を用いた表示システム30への適切なジェスチャ入力の使用によって制御でき、またいくつかの実施形態では、付加入力ユニット36の使用によって制御することができる。
【0034】
[0045]
図11〜12は、三次元セレクタ記号54の方位角および傾斜角を制御する技法を示す。三次元セレクタ記号54は、表示画面32の表面で指50の先端を回す操作者48の動作によって、
図10に示された位置から
図11に示された位置まで旋回されている。指先に関して使用される「回す」という語は、指先が表示画面32の表面を横切って滑るのではなく、一箇所にとどまって旋回することを意味する。したがって、指50が表示画面32の表面で回転するときには、指50の一部分が、指50の他の部分は表示画面32の表面とタッチしながら、表示画面32の表面から離れることになる。
図1〜11を続けて参照すると、タッチ画面32のタッチ検知能力は、指50の一部分と以前に触れられていない表示画面32の部分との間での、指50の他の部分と以前に触れられていた表示画面32の部分との間のタッチが中断したことと結び付いた接触の開始が、表示画面32で検出されるとともに、指50の回す動作としてプロセッサで解釈される信号に変換されるというものである。三次元セレクタ記号54の方位角および傾斜角の変化は、この回す動作に対応する。
【0035】
[0046]一実施形態では、操作者48が指50の先端を大まかに水平方向に一方の側からもう一方に、指先を大きく上または下に動かさずに回した場合に、三次元セレクタ記号54の方位角が指50の新しい位置に対応するように変化するのに対して、三次元セレクタ記号54の傾斜角は同じままである。逆に、操作者48が指50の先端を垂直に上または下の方向に、指先を大きく横方向に動かさずに回した場合には、三次元セレクタ記号54の傾斜角が指50の新しい位置に対応するように変化しながら、三次元セレクタ記号54の方位角はほぼ一定のままである。指50を、横方向成分と上下成分の両方を有するように回した場合には、三次元セレクタ記号54の方位角と傾斜角の両方が、指50の新しい位置に対応するように変化することになる。このようにして表示システム30は、三次元セレクタ記号54を、それが三次元画像38の中に入る指50の延長部に見えるように描写する。三次元セレクタ記号54の動きを、表示画面32の表面の検出された指50の動きに対応させる他の手順もまた、実現可能である。
【0036】
[0047]
図12は、第2の選択可能標的68の選択を示す。この例では、第2の選択可能標的68は、三次元画像38の地形上に位置するのではなく、飛行中の標的である。図示のように操作者48は、下向きに指50を回しており、その結果、三次元セレクタ記号54の傾斜角の変化が生じることになる。
図12に示された実施形態など、いくつかの実施形態では、表示システム30は、ビーム部58の長さが表示画面32の表面と三次元画像38の中に描かれた地形との間の間隔に応じて変化するように構成することができる。このような実施形態では、ビーム部58の長さは、暗い部屋の中で懐中電灯までの近さが異なる別々の対象に懐中電灯のビームが向けられたときに、懐中電灯のビームが長くなったり短くなったりして見えるのと同じように、描写された地形のどの部分の上に照明領域56が位置付けられるかに応じて短くなったり延びたりすることになる。他の実施形態では、ビーム部58は、三次元セレクタ記号が三次元画像38の全体にわたって旋回するときに、長さが一定のままである。
【0037】
[0048]
図13〜14は、三次元セレクタ記号の方位角および傾斜角を制御する別の技法を示す。
図1〜14を続けて参照すると、プロセッサ34は、三次元セレクタ記号54が表示されるときにはいつも制御パネル70を表示するように表示画面32に指示する構成とすることができる。制御パネル70は、三次元画像38の全体にわたる三次元セレクタ記号54の旋回を制御するために使用できる制御アイコンを含むことができる。例えば、制御パネル70は、三次元セレクタ記号54の方位角を調整するための第1の方位角調整アイコン72、および第2の方位角調整アイコン74を含むことができ、また三次元セレクタ記号54の傾斜角を調整するための第1の傾斜角調整アイコン76、および第2の傾斜角調整アイコン78を含むことができる。三次元セレクタ記号54の方位角または傾斜角を変えるのに、操作者は、これらの調整アイコンの1つに触れるだけでよい。表示画面32は、そのタッチを検出し、そのタッチを示す信号をプロセッサ34に送出する。次に、プロセッサ34は表示画面32に、三次元セレクタ記号54の方位角および/または傾斜角を、操作者48が触れた調整アイコンに対応するようにして変えることを命令する。
【0038】
[0049]制御パネル70はさらに、位置調整アイコン80を含むことができる。図示の実施形態では、位置調整アイコン80は、大まかに円形のアイコンである。いくつかの実施形態では、操作者48は、三次元画像38の周りのあちこちに三次元セレクタ記号54を動かすことが、その方位角またはその傾斜角を変えずに、操作者が三次元セレクタ記号54を動かしたいときに、三次元画像38内の方向に対応する位置調整アイコン80の周辺の点に触れることによって可能である。
【0039】
[0050]
図15〜16は、三次元セレクタ記号54の方位角および傾斜角を制御する別の技法を示す。図示のように、
図15および
図16は付加入力ユニット36を含む。図示の実施形態では、付加入力ユニット36は、上下の動き、横方向の動き、およびこれらの組み合わせを検出するように構成されたジョイスティックである。
図1〜16を続けて参照すると、他の実施形態では付加入力ユニット36は、操作者から入力を受け取り、これらの入力をプロセッサ34に送出する電子信号に変換するように構成された任意の入力ユニット(例えばマウス、タッチパッドなど)を含むことができることを理解されたい。
【0040】
[0051]操作者48は、上述の手順を含め、任意の適切な手順を用いて三次元セレクタ記号54の表示を開始することができる。三次元セレクタ記号54が三次元画像38内に表示されると、次に、
図16に示されるように操作者48は、付加入力ユニット36を使用して三次元セレクタ記号54の方位角および傾斜角を変えることができる。
【0041】
[0052]
図17〜19は、三次元セレクタ記号54の方位角および傾斜角を制御するさらに別の技法を示す。
図1〜19を続けて参照すると、プロセッサ34が表示画面32に三次元セレクタ記号54を表示する指示を送るとき、プロセッサ34はさらに、表示画面32に複数のタッチ箇所82も表示する指示を送る。
図17に示された実施形態など、いくつかの実施形態では、タッチ箇所82は、三次元セレクタ記号54の基部84の周辺に配置することができる。基部84は、タッチ画面32と接するように見える三次元セレクタ記号54の部分である。三次元セレクタ記号54の方位角および/または傾斜角を変えるのに、操作者48は、1つまたは複数のタッチ箇所82に触れるだけでよい。これは、
図18および
図19に示されている。
図18では、操作者48は、指50を動かして1つのタッチ箇所82に触れており、
図19では、三次元セレクタ記号54が、照明領域56を選択可能標的46のすぐ上に位置付けるように旋回している。いくつかの実施形態では、それぞれのタッチ箇所82の基部84に対する位置は、三次元セレクタ記号54の方位角または傾斜角(または両方)が調整されるかどうかを決定する。例えば、操作者48が、基部84のすぐ上に位置するタッチ箇所に触れたとすれば、三次元セレクタ記号54の方位角は引き上げられる。操作者48が、基部84のすぐ右側に位置するタッチ箇所に触れたとすれば、三次元セレクタ記号54の方位角は時計回りに調整される(
図18および
図19の視点から見て)。
【0042】
[0053]
図20は、三次元セレクタ記号54をその方位角もその傾斜角も変えずに移動させる技法を示す。操作者48は、指50を基部84の上に置き、次に、表示画面32の表面を横切って指50を任意の位置までドラッグすることができる。この動作により、三次元セレクタ記号54は、三次元セレクタ記号54の方位角または傾斜角の変化を全く引き起こさずに、操作者48によって示された位置まで移動することになる。
【0043】
[0054]
図21は、三次元セレクタ記号54を使用して選択可能標的46を選択および追跡する技法を示す。
図1〜21を続けて参照すると、上述の方法のいずれかを用いることにより操作者48は、三次元セレクタ記号54の表示を開始でき、また三次元セレクタ記号54を旋回させて照明領域56を選択可能標的46の上に位置付けることができる。いくつかの実施形態では、照明領域56が選択可能標的の上を通過したときに、プロセッサ34は、操作者48が選択可能標的46に対して様々な動作を開始できるようにする記号、アイコン、文字、および/または他の適切なグラフィックスを表示するように表示画面32に命令する構成とすることができる。例えば、プロセッサ34は、表示画面32に選択アイコン86および追跡アイコン88を表示させることができる。選択可能標的46を選択するには、操作者48は選択アイコン86に触れればよい。追跡アイコン88を選択するには、操作者48は追跡アイコン88に触れればよい。どちらのイベントでも、そのタッチは表示画面32で検出され、次に表示画面32は、タッチを示す信号をプロセッサ34に送る。次に、プロセッサ34は、操作者48によって行われた選択に対応する追加の文字、グラフィックス、またはこれらの任意の組合せを表示せよという命令を表示画面32に送る。
【0044】
[0055]
図21に示された例では、操作者48は追跡アイコン88を選択している。いくつかの実施形態では、追跡アイコン88を選択することにより、三次元セレクタ記号54を選択可能標的46の上にロックしたままにすることができる。したがって、航空機が飛行し続け、三次元画像38が変化し続けるときに、そのように地形と航空機の間の相対的移動が表示され、三次元セレクタ記号54は、照明領域56の位置を選択可能標的46の上に維持する。操作者48による追跡アイコン88の選択は、それだけには限らないが、追跡アイコン88に触れる、またはそれを軽くたたくなどの任意の適切な従来のやり方で実施することができる。追跡アイコン88の選択を本明細書ではロッキング動作と呼ぶ。他の実施形態では、ロッキング動作は、操作者48による、三次元セレクタ記号54を選択可能標的46の上にロックさせるための他の任意の動作または表示を含みうる。
【0045】
[0056]
図22は、三次元画像38内に複数の三次元セレクタ記号を描写することを示す。
図22に示されるように、三次元セレクタ記号54に加えて、三次元セレクタ記号90もまた表示される。
図1〜22を続けて参照すると、いくつかの実施形態では、表示システム30は、任意の望ましい数の三次元セレクタ記号を生成するように構成することができる。
図22に示されるように、三次元セレクタ記号54は選択可能標的46の上にロックされ、操作者48は、三次元セレクタ記号90の照明領域92を第2の選択可能標的94の上に位置付けている。このようにして、操作者48は、任意の望ましい数の選択可能標的を追跡することができる。
【0046】
[0057]
図1〜22を続けて参照すると、いくつかの実施形態では、プロセッサは、表示画面が三次元セレクタ記号をいくつかの位置で描写しないように構成することができる。三次元表示記号が、選択可能な画像または記号表示がない表示画面上の領域の方を指し示さないようにすることが望ましいことがありうる。例えば、航空機の近くの空中で検出される飛行中の物体がない場合、三次元セレクタ記号を、それが地面から離れることができないように制限することが望ましいことがある。別の例では、航空機の下または近くに地面と水面の両方がある場合、三次元セレクタ記号を、それが地上とだけ接して水面の上を通過しないように制限することが望ましいことがありうる。他の制限もまた望ましいことがある。
【0047】
[0058]上述の議論の内容では、航空機に表示システム30を使用することになっているが、表示システム30は、航空機で使用することに限定されないことを理解されたい。表示システム30には、航空機産業において広い範囲の用途があり、それだけには限らないが、管制塔管制官、航空管制官、および航空業務に関連する他の要員によって使用される表示システムを含む、航空産業の他の局面で使用することができる。さらに、表示システム30は、航空機産業だけに限定されるのではなく、表示システムを使用する他のどんな産業でも使用することができることを理解されたい。さらに、上記および本開示の全体にわたって説明されている三次元セレクタ記号は、三次元(立体)画像と共に使用することに限定されない。それどころか、上記の三次元セレクタ記号はまた、従来の表示技術を用いながら三次元画像をシミュレーションして見た目の眺望を生成する従来の二次元表示システムにおいて実施できることを理解されたい。例えば、本明細書で説明されている三次元セレクタ記号は、よく知られている透視技法を使用することによって疑似三次元で航空機の周辺および前方の地形を描写する、従来のSynthetic Vision Systemsと共に使用することができる。
【0048】
[0059]少なくとも1つの例示的実施形態が本発明の上記の詳細な説明で提示されたが、非常に多くの変形形態が存在することを理解されたい。1つまたは複数の例示的実施形態は例にすぎず、いかようにも本発明の範囲、応用性、または構成を限定するものでは決してないことも理解されたい。むしろ、上記の詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態を実施するための便利なロードマップを当業者に提供するものである。例示的な実施形態に示された機能、および諸要素の構成には、添付の特許請求の範囲に示された本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えることができることを理解されたい。