【実施例】
【0023】
図1、および
図3の右方に、本発明を採用した物品収受装置100の物品収受ボックス部(いわゆる宅配ボックス部)の構成を示してある。
【0024】
物品収受装置100は、いわゆる宅配物の授受に用いる宅配ボックス(宅配ロッカー)、あるいは郵便受けなどとして構成される。
図1、および
図3右側では、物品収受装置100は、マンションなどの集合住宅(以下、単に「集合住宅」と称する)の宅配業者や郵便配達員がアクセスできる公共側とは反対側、たとえばプライベート側、すなわちオートロックシステムなどにより制御される集合住宅のエントランス扉の内側の面を示してある。
【0025】
物品収受装置100は、複数の物品収受ボックス101、101…から構成される。物品収受ボックス101のいずれかが郵便受けとして構成される場合には、物品収受ボックス101の公共側の面に投函口(不図示)が設けられ、この投函口と反対側の面のみに郵便物を取り出すための電気錠(あるいは番号キーなど)により開閉される扉1011(
図1)が設けられる。
【0026】
また、物品収受ボックス101、101…が宅配ボックスとして構成される場合には、公共側の面は宅配業者が宅配物を収容するための扉(この扉は居住者が宅配物を取り出すための扉を兼ねていてもよい)として構成され、また、プライベート側の面には居住者が宅配物を取り出すための扉が設けられる。これらの扉の開閉は電気錠309(
図1)により制御される。
【0027】
物品収受ボックス101、101…の郵便物を取り出すための扉、あるいは宅配物を収容し、また取り出すための扉の開閉は、コンソール103での居住者(あるいは宅配業者)の操作に応じて制御部200により制御される。
【0028】
図1では物品収受ボックス101の1つを扉1011を開いた状態で示している。このボックス以外の他のボックスでは扉1011(参照符号省略)は閉じられている。扉1011はヒンジ308、308により回動支持されており、施錠フック307および電気錠309の協働により施錠・開錠することができる。
【0029】
図3の物品収受装置100は、左方にブロック図として示した制御系に関係した図示となっており、図示は概略的であり、物品収受ボックス101のサイズや配置などは必ずしも
図1の図示と一致していないが、たとえば物品収受ボックス101のサイズや配置に関しては当業者が任意に決定できる設計的な事項である。また、
図1では、コンソール103を含む物品収受ボックス101の縦1列分の他、もう1列のみを示しているが、物品収受ボックス101の数や物品収受ボックス101の列の数は集合住宅の規模によって任意である。
【0030】
コンソール103(
図1、
図3)は、ここでは便宜上、プライベート側に配置されたものを図示しているが、ほぼ同じ構造のものを公共側(図示した側と反対側)に設けることができる。
【0031】
コンソール103には、LCDパネルないしタッチパネルなどから構成されたディスプレイ104、ファンクションキーやテンキーから成るキーボード105、および認証手段としてのIDカード111(
図3中に図示)の情報を読み取るカードリーダ106が設けられる。
【0032】
IDカード111(
図3)は、集合住宅の居住者がそれぞれ保有するもので、前記集合住宅の特定の居住者に関連づけられた情報、たとえばその居室番号(あるいはそれに対応する情報を特定の手法でエンコードされた情報など)などがID情報として記録された非接触ICカードなどにより構成される。また、当該集合住宅以外のIDカード111を用いたりできないように、IDカード111には、当該集合住宅で用いることができる正規のカードであることを示す特定の鍵情報を格納したり、あるいは居室番号などのID情報を当該集合住宅のみで通用する鍵情報を用いて暗号化して記録したりすることができる。
【0033】
また、IDカード111は宅配物(あるいは郵便物や郵便小包)を収容するため物品収受ボックス101、101…の公共側の扉を開錠するために用いる特別なカードとして特定の宅配業者(あるいは郵便配達人)に配布することもできる。さらに、IDカード111は集合住宅のエントランスの扉(不図示。いわゆるオートロック制御される玄関扉)や、居住者個々の居室を開閉する鍵として機能するカードキーを兼ねていてもよい。
【0034】
また、IDカード111は、物品収受動作に係わる認証のみならず、たとえば電気自動車(自己の保有する車両、あるいはカーシェアリングにより貸与される車両)を充電するための充電サービスを受けるために必要な認証を行なう認証手段としても用いることができる。
【0035】
このように特定の居住者と1:1に対応づけられたIDカード111を用いることにより、宅配物や郵便物の収受に係わる情報をデータベース情報として蓄積し、管理することができる。
【0036】
なお、IDカードは、上記のように物品収受装置や集合住宅に配置される各種システムの認証手段を構成するものであるが、この認証手段としては上記のICカードなどの他、携帯電話やスマートフォン、タブレット端末(あるいはノートPC)のように非接触ICカードと同等のRFID(Radio Frequency IDentification)インターフェースを有する装置などを用いることもできる。
【0037】
物品収受装置100の制御部200(
図3)は、たとえば上記のコンソール103が設けられた筐体内部などに配置される。この制御部200は
図3の中央に取り出した形でブロック図として示してある。
【0038】
物品収受装置100の制御部200は、コンソール103でのIDカード111の提示やキー操作などに応じて、物品収受装置100の物品収受ボックス101、101…を施錠/開錠する電気錠の開閉制御を行なう。
【0039】
また、上述のように、IDカード111は、物品収受装置100の施錠/開錠操作のほか、集合住宅で提供されるサービス、たとえば居住者(が保有する、あるいは使用の権利のある)電気自動車に対する充電サービスなどに関する認証に用いることができ、その場合この認証は制御部200によって制御される。
【0040】
また、制御部200は、集合住宅共用部の照明機器の制御や、集合住宅共用部の電気負荷への給電に関するスマートグリッド制御、(IDカード111を用いた)エントランス扉のオートロック制御などを行なうよう構成することもできる。すなわち、制御部200は、物品収受装置100の制御のみならず、このような集合住宅で提供されるサービスを統合的に制御することができる。特にIDカード111が用られるサービス、たとえば特定の居住者の電気自動車の充電サービスなどの場合には、IDカード111を保持する居住者の当該サービスの利用行動に係わる情報や居住者が充電サービスを受ける電気自動車に係わる情報などをデータベース情報として蓄積し、該データベース情報を用いて当該サービスの提供形態を制御することができる。
【0041】
制御部200は、主制御部としてのCPU201、CPU201のプログラムを格納したROM202、ワークエリアとして用いられるRAM203、物品収受装置100の電気錠やコンソール103と通信するためのインターフェース209、後述の気体発生制御部301と通信するための所定通信方式によるインターフェース205(たとえば IEEE 802.3 ネットワークインターフェース、シリアルインターフェースなど)などから構成される。
【0042】
さらに、制御部200には、HDDや不揮発メモリカードから成る外部記憶装置207が接続されており、後述のプログラム(の全部あるいはその一部)、および充電行動データベース情報はこの外部記憶装置207に格納される。
【0043】
また、制御部200は、ネットワークインターフェース(たとえば IEEE 802.3 ネットワークインターフェースや所定方式の WAN インターフェースなど)204を有し、ネットワーク206(イントラネット、あるいはインターネット)を介して遠隔地のサーバと通信することができる。後述の制御の一部は、制御部200のみならず、ネットワーク206を介して接続されるサーバによって代行することができる。特にデータベース情報の蓄積や管理は、このようにネットワーク206を介して接続されるサーバによって実施するようにしてもよい。
【0044】
本実施例の物品収受装置100は、縦1列に配置された物品収受ボックス101、101…内に、所定の特性を持つ気体を流通させることができるよう構成されている。
【0045】
この気体は、気体発生装置(
図3の6001、6002…、後述の
図2の6001、6002…)により発生される。この気体発生装置6001、6002…は、たとえば空気浄化装置、オゾン、正ないし負イオン(正・負イオン発生技術や、プラズマクラスタ(商標名)技術により発生される)を発生させるイオン発生装置、物品収受ボックス内の冷却や保温のために温度調整された気体を発生する冷却装置や保温装置などから構成される。
【0046】
気体発生装置6001、6002…は
図3にも示されており、各気体発生装置の制御は気体発生制御部301(
図3)により行なわれる。気体発生制御部301はインターフェース205を介して制御部200と接続されており、制御部200の制御を受ける。詳細な制御例については、
図4、
図5を用いて後述する。
【0047】
図2は本実施例の物品収受装置100の物品収受ボックス部を、前述の扉1011、電気錠309などを取り外した状態で示している。
【0048】
図2の構成では、物品収受ボックス101、101…が配列された縦1列ごとに気体発生装置6001、6002…が設けられており(2列ぶんのみ図示)、気体発生装置6001、6002…は物品収受ボックス101、101…の各列の最上部の収容区画101a、101a…内部に配置される。
【0049】
以下、物品収受ボックス101、101…が縦に配列されたボックス列を「レーン」という。
図2では2つのレーン601、602を示してあり、それぞれ縦1列に物品収受ボックス101、101…が配列され(この例では1レーンに4つ)、レーンの数は任意であり、集合住宅の規模によって任意の数のレーンが設けられる。
【0050】
物品収受ボックス101、101…は、1、2ないし数レーン分を単位とした筐体内に配置される。その場合、筐体内が適宜隔壁により区画され、各ボックスが独立した物品収納区画を構成する。これらの筐体、隔壁の材料には、たとえばスチール材などの金属材料が用いられる。
【0051】
各レーンの物品収受ボックス101、101…の公共側およびプライベート側の扉を除く上下左右の4面は、好ましくはそれぞれ独立した隔壁材料から構成するが、天井面と床面は上下に互いに隣接する物品収受ボックス101、101…を区画する隔壁材料1枚で兼用されていてもよい。また、左右で互いに隣接する物品収受ボックス101、101…を区画する隔壁材料についても同様であるが、ただし下記のように側壁内の空間を介して、ボックス内を流通した気体を気体発生装置6001、6002…に環流させるなどの必要があり、各レーン601、602…ごとに少なくとも1つの側壁内空間を独立させる場合には物品収受ボックス101、101…の側壁ごとに適宜独立した材料を用いて各レーン601、602…ごとに側壁内空間の機密性を確保する。
【0052】
各レーン601、602…の最上部の収容区画101a、101a…の内部には気体発生装置6001、6002…が配置される。気体発生装置6001、6002…は、装置の仕様に応じて上記の任意の気体を発生する装置であり、各レーン601、602…について全て同じ装置を設けてもよいし、また、各レーン601、602…ごとに仕様の異なる気体発生装置を設けてもよい。
【0053】
なお、
図2の例では、気体発生装置6001、6002…は最上部の収容区画101a、101a…に配置しているが、気体発生装置6001、6002…はレーンの一端に配置されていればよく、たとえば保温などの目的で暖気などを発生する気体発生装置の場合は気体発生装置を収容する収容区画101a、101aはレーンの最下部に配置してもよい。
【0054】
本実施例では、物品収受ボックス101、101…を収容する1レーンに気体発生装置6001、6002…を格納した収容区画101aを1つづつ設け、1レーンの物品収受ボックス101、101…中を気体発生装置6001、6002…が発生する気体を流通させる。
【0055】
このために、1レーンに縦に隣接して配置される各物品収受ボックス101、101…の底面ないし天井面を構成し各物品収受ボックスの収容区画をそれぞれ画成する隔壁には、気体発生装置6001、6002…が発生した気体を流通させる開口部109をそれぞれ設ける。
【0056】
開口部109の形状は任意であり、たとえば差し渡し数cm程度の丸穴や角穴とし、この開口部109、109…により互いに隣接する物品収受ボックス101、101…が連通する。
【0057】
なお、便宜上、
図2では開口部109、109…は各物品収受ボックス101、101…で1つづつしか図示していないが、上下に互いに隣接する物品収受ボックス101、101…の天井面と床面が別の隔壁材料から構成されている場合などにおいては、開口部109、109…はこれら各隔壁材料にそれぞれ設けられ、あるいはさらに必要であれば上下に互いに隣接する物品収受ボックス101、101…の開口部109、109をダクトやパイプなどにより連結する構造を用いる。
【0058】
なお、
図1、
図3に示したようにコンソール103を含むレーンでは、コンソール103の収容区画を迂回するよう、コンソール103のそれぞれ上下の物品収受ボックス101、101開口部109、109どうしをダクトやパイプなどにより連結する構造を用いることができる。なお、物品収受ボックス101内を流通させる気体の特性によっては、コンソール103の収容区画内部も気体流通経路として利用できる可能性があるが、その場合にはコンソール103の収容区画にも他の物品収受ボックス101、101…と同じように開口部109、109を設ける構成を採用してよい。
【0059】
気体発生装置6001、6002…が、適当な空気圧で気体を発生する仕様であれば、気体発生装置6001、6002…の排気口を最上部の物品収受ボックス101、101…の隔壁の開口部109の上に配置(あるいは適当なダクト(不図示)で結合)するだけで良いが、気体発生装置6001、6002…の発生する空気圧によっては必要に応じて電動ファンなどの送風装置603を配置し、各物品収受ボックス101、101…内の気体の流通を補助するようにしてもよい。これにより、各物品収受ボックス101、101…内において、たとえば仕様上必要な気体の流量を確保することができる。
【0060】
図2では、送風装置603は破線で示すように気体発生装置6001、6002…と最上部の開口部109の間に配置したもの1つだけであるが、送風装置603の数は任意であり、各開口部109の位置などに適宜配置することができる。
【0061】
各レーン601、602…の送風装置603は、レーンごとに気体発生装置6001、6002…と同期して駆動するものとする。
【0062】
以上のような構造により、各レーン601、602…の気体発生装置6001、6002…および送風装置603(、603…)をレーン単位で駆動することにより、開口部109、109…を介して気体発生装置6001、6002…の発生した気体をそのレーン全体に流通させることができる。
【0063】
このような構造によれば、気体発生装置6001、6002…(および送風装置603(、603…))は1レーンに1つのみ設ければよく、従来のように物品収受ボックス101、101…ごとに気体発生装置を発生させる構造に比して簡単安価に構成でき、装置全体が大型化したり、あるいは各物品収受ボックス内部に気体発生装置を配置することにより物品収受ボックスの収容容積が犠牲になる、といった問題を回避することができる。
【0064】
1レーンの物品収受ボックス101、101…を流通した気体は、最下部の開口部109を介して各レーンの下部空間110内に到達する(なお、上で触れたように気体発生装置6001、6002…を収容する収容区画101a、101aが最下部に設けられる場合には、この下部空間110に相当する空間はレーンの最上部に配置されることになる)。
【0065】
各レーンのレーン下部空間110は、左右の隔壁(不図示)によりレーンごとに独立して画成されているのが好ましく、単に流通した気体を装置外部に排気してかまわない場合には、各レーンのレーン下部空間110を覆う筐体外壁に排気用のルーバー(排気口)108、108…(破線により図示)を配置しておく。これらルーバー108は、気体発生装置6001、6002…が配置される収容区画101a、101a…に対してレーンの反対側の他端に配置しておけばよい。
【0066】
また、各レーンの物品収受ボックスを流通した気体を気体発生装置6001、6002…に戻す必要がある場合には、適当な隔壁(不図示)を適宜配置することにより各レーンの右側または左側の側壁内の空間を各レーンごとに独立した気密空間とし(隣りのレーンとは空気が流通しないようにする)、このレーン側壁内空間を介してレーン下部空間110と気体発生装置6001、6002…の気体吸入部を連通させるよう結合することが考えられる。
【0067】
このためには、たとえば、レーン下部空間110にそのレーンの側壁内空間と連通する開口部を設け、また気体発生装置6001、6002…の気体吸入部を連通させるよう収容区画101aに開口部(あるいはさらに必要であればダクトなどを配置する)を設ける。
【0068】
また、各レーンの気体流通をそれぞれ独立させるためには、気体回収用のパイプやダクトをレーンの側壁内空間に配置するようにしてもよい。この場合、断熱などの必要があれば、各レーンごとに側壁内空間内に断熱材を配置したり、気体回収用のパイプやダクトに断熱材を巻装するような構造を用いてもよい。
【0069】
以上のようにして、レーン(ボックス列)の一方の側(右側または左側)の側壁内の空間を介して、各レーンの物品収受ボックスを流通した気体を気体発生装置6001、6002…に環流させることができる。
【0070】
なお、気体発生装置6001、6002…を格納する収容区画101aは開閉可能な扉により覆っておくのが好ましい。この扉は主にメンテナンスのために開閉されるものであるため、電気錠などではなく通常のタンブラーキーや専用工具を用いて開錠される錠前などにより施錠できれば足りる、と考えられるが、電気錠を用いて施錠・開錠されるよう構成し、管理人や管理会社の専用のIDカードを用いて開閉できるよう制御する構成をとってもよい。
【0071】
次に、
図4および
図5のフローチャートを参照し、上記構成における動作につき説明する。
図4および
図5は、上記構成における着荷制御(
図4)および宅配物を居住者が取り出す時に行なわれる物品収受ボックス101の開錠制御(
図5)を示している。図示の制御手順はCPU201のプログラムとしてROM202(あるいは外部記憶装置207)に格納しておく。
【0072】
図4において、ステップS1の着荷操作は、通常、宅配業者などによって行なわれる。この着荷操作では、たとえば宅配業者が公共側のコンソール103の指示にしたがい、宅配物を収容する物品収受ボックス101の1つを選択する。
【0073】
なお、このとき、たとえば特定の用途の気体発生装置が特定のレーンのみに設けられているような場合、たとえば、要冷蔵の宅配物のために冷気を発生する気体発生装置が特定のレーンのみに設けられている場合には、そのレーンの宅配ボックス101を選択するよう公共側のコンソール103から宅配業者に適宜、指示を行なう。
【0074】
通常、着荷待ち(空き状態)の物品収受ボックス101は開錠状態であり、業者が宅配物を物品収受ボックス101に収容し、その扉1011を閉成すると電気錠309が施錠状態となる。
【0075】
多くの場合、物品収受ボックス101は居住者により共有利用されるため、宅配業者は着荷宛先と、宅配物を収容した物品収受ボックス101とを関連づけるのに必要な情報(たとえば居室番号など)をコンソール103で入力する。また、コンソール103にプリンタなどが設けられている場合には、この段階で宅配業者のためにレシートの印刷が行なわれる。また、ネットワーク206、管理サーバなどを経由して着荷宛先の居住者に着荷を報知するメールなどが送信される他、着荷情報がデータベースに格納されるとともに、居住者がコンソール103を用いて着荷の有無を確認できるよう制御情報のセットアップが行なわれる。
【0076】
ステップS2では、宅配業者の着荷操作が成立したか否かを判定する。このためには、たとえば図示のように選択された物品収受ボックス101の電気錠309が施錠状態となったか否かを判定する。
【0077】
ステップS2で着荷が行なわれた物品収受ボックス101の施錠状態が確認されると、ステップS3において当該物品収受ボックス101が含まれているのと同じレーン601、602…の他の物品収受ボックス101が着荷状態となっているか否かを判定する。
【0078】
同レーンの他の物品収受ボックス101が1つも着荷状態となっていない(そのレーンで初めて着荷が生じた)場合には、ステップS4において気体発生制御部301を介して当該レーンの気体発生装置6001、6002…を起動し、また、送風装置603が設けられている場合には当該レーンの送風装置603を起動する。
【0079】
一方、同レーンの他の物品収受ボックス101が既に着荷状態となっている場合には、この
図4の制御により当該レーンの気体発生装置6001、6002…が駆動状態となっているため、そのまま処理を終了(ステップS5)する。
【0080】
以上のように、
図4の制御により、ある1つのレーンの物品収受ボックス101が着荷状態となると、そのレーンの気体発生装置6001、6002…、あるいはさらに送風装置603が駆動される。
【0081】
居住者が着荷した宅配物を取り出す場合には、
図5の開錠制御が行なわれる。
【0082】
図5のステップS11では、居住者がコンソール103を用いて開錠のための認証操作を行なう。当該居住者に対する着荷の有無の確認は居住者がIDカード111をコンソール103に提示することにより行なう他、前述のように着荷報知メールなどにより通知される。ステップS11では、居住者はコンソール103のカードリーダ106に自己の保有するIDカード111を提示し、IDカード111に記録された認証情報の照合などを介して認証処理が成功するとステップS14に進み、当該居住者への着荷が行なわれた物品収受ボックス101の電気錠309が開錠される。認証処理が失敗するとステップS13でコンソール103でエラーメッセージなどを出力し、処理をエラー終了する。
【0083】
ステップS15ではステップS14で開錠した物品収受ボックス101が含まれているのと同じレーン601、602…に着荷状態となっている他の物品収受ボックス101があるか否かを判定する。
【0084】
ここでステップS14において開錠した物品収受ボックス101と同じレーン601、602…に着荷状態の他の物品収受ボックス101が1つもなければ、ステップS16において、気体発生制御部301を介して当該レーンの気体発生装置6001、6002…、あるいはさらに送風装置603を停止させ、処理を終了(ステップS17)する。
【0085】
一方、ステップS14において開錠した物品収受ボックス101と同じレーン(601、602…)に着荷状態の他の物品収受ボックス101が1つでも存在する場合にはステップS16を実行することなく処理を終了(ステップS17)する。
【0086】
以上のようにして、着荷状態の物品収受ボックス101が1つでもレーン601、602…に残っている場合には、そのレーンの気体発生装置6001、6002…、あるいはさらに送風装置603を駆動し続け、一方、そのレーンから着荷状態の物品収受ボックス101がなくなると気体発生装置6001、6002…、あるいはさらに送風装置603の駆動を停止させることができる。すなわち、あるレーンで1つでも物品収受ボックスが用いられていれば気体発生装置6001、6002…の駆動を維持し、全ての物品収受ボックスが空になると気体発生装置を停止させるよう制御を行なうことにより、効率よく気体発生装置を駆動することができる。
【0087】
すなわち、上記実施例によれば、複数の物品収受ボックス101が配列されたボックス列(レーン601、602…)ごとに気体発生装置6001、6002…を設け、気体発生装置が発生した気体を当該ボックス列(レーン601、602…)を単位として各物品収受ボックスを流通させることができるため、たとえば従来のように各物品収受ボックスごとに気体発生装置を設ける必要がなく、物品収受装置の構成を簡単安価かつ小型軽量に体裁よく構成することができる。
【0088】
また、あるボックス列(レーン601、602…)で最初の物品収受ボックスのあるレーンで1つでも物品収受ボックス101が用いられていれば気体発生装置6001、6002…の駆動を維持し、全ての物品収受ボックスが空になると気体発生装置を停止させるよう制御を行なうことにより、効率よく気体発生装置を駆動することができる。
【0089】
また、ボックス列(レーン601、602…)の各物品収受ボックス101内における気体の流通を補助する送風装置603を設けることにより、各物品収受ボックス内において必要な気体の流量を確保することができる。
【0090】
また、気体発生装置6001、6002…がボックス列(レーン601、602)の一端に設けられた収容区画に配置される構成を採用しているので、気体発生装置を良好なスペース効率で物品収受装置内に収容することができる。
【0091】
また、気体発生装置6001、6002…が配置される一端とは反対側のボックス列の他端にボックス列(レーン601、602)の各物品収受ボックスを流通した気体を外部に排気する排気口(ルーバー108)を設けるようにしているので、効率よくボックス列内の各物品収受ボックスを流通した気体を外部に排気することができる。
【0092】
また、ボックス列の一方の側壁内の空間を介して、当該ボックス列の物品収受ボックスを流通した気体を気体発生装置に環流させるよう構成することにより、効率よくボックス列内の各物品収受ボックスを流通した気体を気体発生装置に環流させることができる。