特許第6073622号(P6073622)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073622
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】折り畳み箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/18 20060101AFI20170123BHJP
【FI】
   B65D6/18 D
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-214801(P2012-214801)
(22)【出願日】2012年9月27日
(65)【公開番号】特開2014-69807(P2014-69807A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2015年6月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002440
【氏名又は名称】積水化成品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100105463
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100099128
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 康
(72)【発明者】
【氏名】田中 幹彦
(72)【発明者】
【氏名】小関 裕二
(72)【発明者】
【氏名】太根 将博
【審査官】 家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−040128(JP,U)
【文献】 特開2006−188269(JP,A)
【文献】 特開2005−314109(JP,A)
【文献】 特開昭63−096031(JP,A)
【文献】 実開平06−010125(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 6/00−13/02
B65D19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天枠、底枠、前記天枠または底枠のいずれか一方に上辺または下辺をヒンジ連結した一対の第1の側壁、前記天枠に上辺を前記底枠に下辺をヒンジ連結した折曲および起立自在な一対の第2の側壁とを備えた折り畳み箱であって、
前記第2の側壁は、上下方向に並列する上区画部分と下区画部分と前記上区画部分と下区画部分とを接続する折曲部分とを少なくとも備え、前記折曲部分の厚みは前記上区画部分および下区画部分の厚みよりも薄くされており、さらに、前記第2の側壁は、その起立時に前記折曲部分の厚みが前記上区画部分および下区画部分の厚みよりも薄いことで前記折曲部分の側方に形成されるスペースを充填するためのスペーサを備え、前記スペーサは前記折曲部分の幅方向の全長にわたって備えられていることを特徴とする折り畳み箱。
【請求項2】
前記スペーサは前記上区画部分または下区画部分に対して着脱自在とされていることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み箱。
【請求項3】
前記第2の側壁の上区画部分と下区画部分と折曲部分とはブロー成形品であり、前記スペーサはインジェクション成形品であることを特徴とする請求項1または2に記載の折り畳み箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の物品を収容し、保管し、あるいは輸送するのに用いられる折り畳み箱に関する。
【背景技術】
【0002】
収容物のない状態で容積を小さくすることができ、非使用時での輸送コストや保管コストを低減できることから、折り畳み箱が広く用いられており、そのいくつかの例が、特許文献1、2などに記載されている。特許文献1に記載の折り畳み箱は、合成樹脂製の折り畳み箱であって、天枠の対向する2辺には高さを規制する一対の第1の側壁の上辺がヒンジ連結され、天枠の対向する他の2辺には中間部でヒンジ連結により折り畳み自在とされた一対の第2の側壁の上辺がヒンジ連結され、該第2の側壁の下辺は底枠の対向する2辺にそれぞれヒンジ連結された形態とされている。
【0003】
折り畳み箱において、前記第2の側壁のような、中間部でヒンジ連結により折り畳み自在とされた側壁を用いることは、中間ヒンジ部の構成が複雑であり、繰り返しの使用によって、中間ヒンジ部に破損が生じやすかった。また、保冷容器として用いるときに、第2の側壁の前記中間ヒンジ部に形成される隙間から冷気が漏れるのを避けることができず、温度管理に十分な注意を払う必要があった。
【0004】
特許文献2に記載される折り畳み容器は、前記第2の側壁に相当する部材が、上下方向に並列する上区画部分と下区画部分、および前記上区画部分と下区画部分とを接続する折曲部分とで構成されている。そして、前記折曲部分の厚みは前記上区画部分および下区画部分の厚みよりも薄くされている。この形態の第2の側壁は一体成形が可能であり、かつ材料を選択することで耐久性も向上させることができる。また、前記折曲部分には通気路として作用する隙間が形成されないことから、中間にヒンジ連結部を備えた側壁と比較して、断熱性能も向上する。さらに、前記上区画部分と下区画部分とは中空部を有しており、このことからも、断熱性能は向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−188333号公報
【特許文献2】特開2008−155983号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された形態の折り畳み箱での前記第2の側壁を、特許文献2に記載された形態の第2の側壁、すなわち、上下方向に並列する上区画部分と下区画部分および前記上区画部分と下区画部分とを接続する折曲部分とで構成されている側壁に置換することで、耐久性が向上しかつ断熱性も向上した折り畳み箱が得られる可能性がある。
【0007】
しかし、前記折曲部分は、厚みは前記上区画部分および下区画部分の厚みよりも薄くなっており、上区画部分および下区画部分と比較して、断熱性能は低い。また、第2の側壁を起立させて、折り畳み箱を使用状態としたときに、上から設計値を超えた荷重が作用したときに、前記折曲部分が構造的弱所となり、第2の側壁が変形する恐れがある。
【0008】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、一部の側壁に、上区画部分と下区画部分と前記上区画部分と下区画部分とを接続する折曲部分とを備え、前記折曲部分の厚みは前記上区画部分および下区画部分の厚みよりも薄くされた形態の側壁を用いた折り畳み箱において、上からの荷重に対して変形を生じ難くし、かつ高い断熱性能も確保できるようにした、より改良された折り畳み箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による折り畳み箱は、天枠、底枠、前記天枠または底枠のいずれか一方に上辺または下辺をヒンジ連結した一対の第1の側壁、前記天枠に上辺を前記底枠に下辺をヒンジ連結した折曲および起立自在な一対の第2の側壁とを備えた折り畳み箱であって、前記第2の側壁は、上下方向に並列する上区画部分と下区画部分と前記上区画部分と下区画部分とを接続する折曲部分とを少なくとも備え、前記折曲部分の厚みは前記上区画部分および下区画部分の厚みよりも薄くされており、さらに、前記第2の側壁は、その起立時に前記折曲部分の厚みが前記上区画部分および下区画部分の厚みよりも薄いことで前記折曲部分の側方に形成されるスペースを充填するためのスペーサを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明による折り畳み箱では、第2の側壁は折曲部分の側方に形成されるスペースを充填するスペーサを備えており、上からの荷重が第2の側壁に作用したときに、その荷重はスペーサによって受け止められる。それにより、前記折曲部分が不用意に変形するのを回避でき、第2の側壁が変形するのを防止できる。また、スペーサの存在によって前記折曲部分が外気と接触する面積を低減することができ、断熱性能も向上する。それにより、耐久性が向上しかつ高い耐熱性を備えた折り畳み箱が得られる。
【0011】
本発明による折り畳み箱において、前記スペーサは前記折曲部分の横幅方向の全長にわって備えられていてもよく、部分的に備えられていてもよい。当該折り畳み箱に求められる強度および断熱性能を考慮して、適宜選択すればよい。
【0012】
本発明による折り畳み箱において、前記スペーサは前記上区画部分または下区画部分に対して着脱自在とされていてもよく、そのいずれかに一体成形されていてもよい。スペーサを着脱自在とする場合には、第2の側壁の上区画部分と下区画部分と折曲部分とは断熱性向上と軽量化の観点からブロー成形による一体成形品とし、上区画部分と下区画部分には中空部を形成することが好ましい。また、スペーサはインジェクション成形品とすることが好ましい。
【0013】
限定されないが、本発明による折り畳み箱において、天枠と底枠は、所要の強度を確保する観点から、インジェクションによる成形品であることが望ましい。第1の側壁は中空部を有するブロー成形品であることが、断熱性向上や軽量化の観点から好ましい。また、第1の側壁および第2の側壁のヒンジ部は、インサート成形により側壁に一体に成形するのが、強度確保の観点から好ましい。
【0014】
本発明による折り畳み箱は、所要の強度を備えることを条件に任意の材料で作ることができる。取り扱い易くまた軽量であることから、合成樹脂材料で作ることは好ましい。合成樹脂材料としては、ポリオレフィン系樹脂等を例示することができる。非発泡樹脂製でもよく、発泡樹脂製でもよく、非発泡樹脂と発泡樹脂の組み合わせであってもよい。金属材料と合成樹脂材料との組み合わせであってもよい。この場合、金属材料は主にヒンジ部に用いられる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、上からの荷重に対して変形を生じ難くし、かつ高い断熱性能も確保できる、より改良された折り畳み箱が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明による折り畳み箱の一実施の形態の各側壁が起立した状態を示す斜視図。
図2図1のII−II線に沿う断面図。
図3図1のIII−III線に沿う断面図。
図4】(a)は図1に示す折り畳み箱の折り畳み途中を示す図、(b)は折り畳み後を示す図。
図5】(a)は図1に示す折り畳み箱の第2の側壁の起立した状態を示す正面図、(b)は側面図。
図6図5に示した第2の側壁における折曲部分およびスペーサを説明するための断面図であり、(a)はスペーサ取り付け途中の状態を示し、(b)はスペーサ取り付け後の状態を示す。
図7】スペーサ取り付け冶具を示す斜視図。
図8】スペーサ本体を示す斜視図。
図9図1に示す折り畳み箱の第1の側壁を示す斜視図。
図10】(a)は他の形態の第2の側壁の起立した状態を示す正面図、(b)はその側面図。
図11図10に示す第2の側壁における折曲部分およびスペーサを説明するための断面図であり、(a)はスペーサ取り付け途中の状態を示し、(b)はスペーサ取り付け後の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
図示の折り畳み箱Aは平面視矩形状であり、矩形状をなす天枠10と底枠20、一対の第1の側壁30、30、および一対の第2の側壁40、40とで構成される。
【0018】
天枠10は、対向する短手側枠11、11と対向する長手側枠12、12とで構成され、天面側は開放面13となっている。各短手側枠11の内側の上端近傍位置には適数組(図示のものでは2組)の第1のヒンジ用凸片14が一体成形されており、長手側枠12の内側の下端近傍位置にも適数組(図示のものでは3組)の第2のヒンジ用凸片15が一体成形されている。好ましくは、天枠10は、ポリオレフィン系樹脂等の樹脂を用い、インジェクション成形法によって一体成形される。
【0019】
底枠20は、天枠10と同寸法であり、やはり対向する短手側枠21、21と対向する長手側枠22、22とを有しており、その底面は底板23によって閉鎖されている。図示の例において、各短手側枠21の内側のほぼ中央部には凸部24が一体成形されている。また、長手側枠22にはほぼ全長にわたって内側への膨出部25が形成されており、該膨出部25における、前記した天枠10の長手側枠12の内側に形成した第2のヒンジ用凸片15に対向する箇所には、後記する第2の側壁40の下区画部分40Bの下端に形成したヒンジ用凸片43が入り込むための凹所26が形成されている。図示されるように、この例において、前記底板23は、短手側枠21および長手側枠22の下端より下位に位置しており、その段差部には、適宜のクッション材が充填される。好ましくは、底板20は、ポリオレフィン系樹脂等の樹脂を用い、インジェクション成形法によって一体成形される。
【0020】
第1の側壁30は、図9に示すように、側壁本体31と、その上端面にインサート成形により一体に成形された2組のヒンジ用凸片32とで構成される。側壁本体31の横幅W1は、天枠10の対向する長手側枠12、12間の内側間の距離(底板20の対向する長手側枠22、22間の内側間の距離)とほぼ等しい。高さH1は、天枠10の対向する短手側枠11、11間の内側間の距離(底板20の対向する短手側枠21、21間の内側間の距離)の1/2を超えない範囲において、得ようとする折り畳み箱Aが必要とする高さに応じて適宜設定される。厚みは任意であってよい。
【0021】
前記2組のヒンジ用凸片32、32は、天枠10の短手側枠11の内側に形成した第1のヒンジ用凸片14、14に対応する位置に形成され、各ヒンジ用凸片32は図示のように第1のヒンジ用凸片14の間に内嵌(または外嵌)するようにされている。側壁本体31の下端部には、底枠20の短手側枠21の内側に形成した凸部24に対向する位置に、凹陥部33が形成されている。第1の側壁30は、ポリスチレン系樹脂やポリオレフィン系樹脂等の樹脂の発泡樹脂板により形成してもよく、ポリオレフィン系樹脂等の樹脂を用いて、図示のもののように、ブロー成形法(あるいはインサートブロー成形法)によって内部に中空部34を持つように形成してもよい。ヒンジ用凸片32は、ポリオレフィン系樹脂等の樹脂の非発泡成形品であることが望ましい。
【0022】
第1の側壁30の上端面に形成したヒンジ用凸片32、32を、天枠10の短手側枠11の内側に形成した第1のヒンジ用凸片14、14に内勘合(または外嵌合)し、両者をピンPで結合することにより、第1の側壁30は天枠10の短手側枠11側にヒンジ連結された状態となり、図3の仮想線に示すように、該ヒンジ連結部を支点として90度の範囲で回動できるようになる。垂直となった姿勢では、その下端面を底枠20に当接し、かつ下端に形成した凹陥部33内に、底枠20の短手側枠21の内側に形成した凸部24が入り込んだ姿勢となる。それにより、第1の側壁30は、折り畳み箱Aの高さを規制するとともに、立ち姿勢の安定化が図られる。折り畳み時には、図4(b)に示すように、水平姿勢まで上方に回動することで、第1の側壁30は天枠10の側壁11、12の上部領域内に収納される。なお、天枠10の長手側壁12の内側に形成された第2のヒンジ用凸片15は、第1の側壁30を水平姿勢に天枠10内に収納した状態で、第1の側壁30よりも下位となる位置に形成される。
【0023】
次に、第2の側壁40について説明する。図5に示すように、第2の側壁40は、全体として側面視矩形状であり、上下方向に並列する上区画部分40Aと下区画部分40B、および、前記上区画部分40Aと下区画部分40Bとを接続する折曲部分40Cとで形成される。上区画部分40Aと下区画部分40Bは同じ寸法のものであり、ともに側面視で矩形状である。上区画部分40Aと下区画部分40Bはポリスチレン系樹脂やポリオレフィン系樹脂等の樹脂の発泡樹脂板であってもよいが、図示のものでは、ポリオレフィン系樹脂等の樹脂を用いてブロー成形法により内部に中空部41(図6等参照)を持つように形成している。成形に際し、前記折曲部分40Cは、上区画部分40Aと下区画部分40Bの厚み方向の一方側に偏位した位置に一体成形される。折曲部分40Cの厚みは、折曲が容易となるように、上区画部分40Aと下区画部分40Bの厚みと比較して薄くされている。
【0024】
上区画部分40Aの上端面にはインサート成形により3組のヒンジ用凸片42が一体成形されており、下区画部分40Bの下端面にもインサート成形により3組のヒンジ用凸片43が一体成形されている。ヒンジ用凸片42、43は、ポリオレフィン系樹脂等の樹脂の非発泡成形品であることが望ましい。
【0025】
第2の側壁40の横幅W2は、天枠10の対向する短手側枠11、11間の内側間の距離(底板20の対向する短手側枠21、21間の内側間の距離)とほぼ等しい。第2の側壁40の高さH2は、図3に示すように、前記第1の側壁30が立ち上がった姿勢にあるときに、前記上区画部分40Aの上端面に形成したヒンジ用凸片42が天枠10に形成した前記第2のヒンジ用凸片15の位置にあり、また、前記下区画部分40Bの下端面に形成したヒンジ用凸片43が底枠20に形成した前記凹所26内に入り込んだ姿勢をとることのできる高さとされている。そして、ヒンジ用凸片42と前記第2のヒンジ用凸片15とにピンPを差し込んでヒンジ連結し、また、ヒンジ用凸片43と前記凹所26の側壁との間にピンPを差し込んでヒンジ連結することで、第2の側壁40は、上端側を天枠10に、下端側を底枠20に、それぞれヒンジ連結された状態となり、天枠10と底枠20の間の距離に応じて、前記折曲部分40Cが内側に入り込んだ折れ曲がった姿勢となる。
【0026】
本発明による第2の側壁40では、前記折曲部分40Cの厚みが前記上区画部分40Aおよび下区画部分40Bの厚みよりも薄いことで、起立時に、前記折曲部分40Cの側方には所要奥行きのスペースS(図6参照)が形成される。そのスペースSを埋めるために、第2の側壁40には、図8などに示すスペーサ50が備えられる。スペーサ50の上下方向の厚みは、前記図3に示す第2の側壁40が起立姿勢となったときのスペースSの上下方向の高さにほぼ等しく、スペーサ50の横幅は、前記スペースSの横幅にほぼ等しい。なお、図示の例においては、スペーサ50は、横幅がスペースSの横幅の半分である2個の分割スペーサ50A、50Aとで構成している。単一のスペーサでスペースSの横幅全域を覆うようにしてもよく、2個以上の分割スペーサ50AでスペースSの横幅全域を覆うようにしてもよい。好ましくは、スペーサ50は、ポリオレフィン系樹脂等の樹脂の非発泡成形品であり、インジェクションによる一体成形品である。
【0027】
以下、前記した分割スペーサ50Aを例として、スペーサ50を説明する。図示の例において、分割スペーサ50Aは棒状の本体部分51と、該本体部分51の2箇所から立ち上がる係止部52とからなる。本体部分51の高さは、前記スペースSの高さにほぼ等しく、横幅はスペースSの横幅のほぼ1/2である。本体部分51の前後方向の幅は、スペースSの奥行き、すなわち、上区画部分40A(下区画部分40B)の前面から前記した折曲部分40Cまでの距離にほぼ等しい。また、上区画部分40Aの下端側の前面部には4個の凹陥部45が形成されており、該凹陥部45内に、分割スペーサ50Aの前記係止部52がそれぞれ入り込む。分割スペーサ50Aの係止部52の前後方向の厚みは、前記凹陥部45の深さとほぼ同じであり、その高さは凹陥部45の高さにほぼ等しい。
【0028】
前記係止部52は、天板53と前板54と下板55とを備え、前板54には開口56が形成されている。下板55には係止棒57が立設しており、該係止棒57の上端は前記開口56の上縁近傍にまで達している。また、係止棒57の上端部には切り込み58が形成されている。係止棒57の上端は先細となるテーパ面59となっており、テーパ面59の下端は係止棒57の本体部分よりもわずかに径大となっている。そして、径大となった部分の一部は、前記開口56内に入り込んでいる。
【0029】
分割スペーサ50Aを、起立した姿勢にある第2の側壁40における前記スペースS内に挿入したときに、前板54に形成した開口56に対向する前記凹陥部45の壁面には、内側への段差部を備えた取り付け孔60が形成されており、該取り付け孔60には、図7に示す取り付け冶具70が取り付けられる。取り付け冶具70は、側板71と、側板71の一方側に位置する係止体72と、側板71の他方側に位置する係止板73とで構成される。側板71と係止板73との間には溝74が形成されており、前記段差部に側板71が入り込み、前記溝74内に前記取り付け孔60の周囲の凹陥部45の壁面部が入り込むことで、取り付け冶具70は前記凹陥部45の壁面に固定される。
【0030】
前記係止体72の高さは、前記した係止棒57の基部から前記テーパ面59の下端までの距離にほぼ等しく、また、係止体72には係止棒57とほぼ同じ断面形状の貫通孔75が形成されている。そして、前記係止部52における前記天板53の裏面と係止棒57の先端の間の距離は、前記取り付け冶具70の係止体72の高さとほぼ等しくされている。
【0031】
分割スペーサ50Aを第2の側壁40に取り付ける手順を説明する。最初に、図6(a)に示すように、第2の側壁40をやや折り曲げた姿勢とし、上区画部分40Aの下端に形成された前記凹陥部45の壁面に形成した取り付け孔60を利用して、前記取り付け冶具70を取り付ける。次に、分割スペーサ50Aにおける前記係止部52の天板53と係止棒57の先端との間の空間に、取り付け冶具70の係止体72を挿入した姿勢とし、挿入後、係止棒57と貫通孔75の位置を一致させる。その状態が図6(a)に示される。次に、分割スペーサ50Aを上方に押し上げる。それにより、係止棒57は先細であるテーパ面59に案内されながら次第に貫通孔75内に挿入されていき、最後には、図6(b)に示すように、貫通孔75の上縁を前記テーパ面59の下端段差部が乗り越えた状態となり、分割スペーサ50Aは上区画部分40Aの下端位置にしっかりと固定される。
【0032】
分割スペーサ50Aを固定した状態で、下区画部分40Bは、上区画部分40Aに対して折曲部分40Cを利用して自由に180度の角度まで折り曲がることが可能であり、また、図6(b)に示すように、上区画部分40Aと下区画部分40Bが垂直に立ち上がった姿勢のときには、分割スペーサ50Aの本体部分51によって、上区画部分40Aと下区画部分40Bとの間の隙間、すなわち、折曲部分40Cの厚みが上区画部分40Aおよび下区画部分40Bの厚みよりも薄いことで折曲部分40Cの側方に形成されるスペースSは、ほぼ上下に隙間のない状態で埋められる。
【0033】
次に、本発明による折り畳み箱Aの使用時および折り畳み時の姿勢について説明する。図2図3は使用時の状態を示している。この状態では、一対の第1の側壁30、30は、天枠10の短手側枠11、11側のヒンジ連結部を支点として垂直に立ち上がっており、その下端は、底枠20の短手側枠21、21の底面に達している。また、一対の第2の側壁40、40は、上端側を天枠10の長手側枠12、12側のヒンジ連結部にヒンジ連結し、下端側を底枠20の長手側枠22、22側のヒンジ連結部にヒンジ連結した姿勢で、垂直に立ち上がっている。その状態での第2の側壁40の姿勢が図5に示される。使用者は、この姿勢にある折り畳み箱A内に適宜の物品を収容し、必要に応じて図示しない蓋体を天枠10の上に被せて、物品の保管あるいは輸送に供することとなる。
【0034】
使用後には、保管スペースを小さくするために折り畳む。図4(a)は折り畳み途中の状態を示しており、最初に、一対の第1の側壁30、30を天枠10の前記ヒンジ連結部を支点とし水平姿勢にまで跳ね上げる。そして、跳ね上げ操作と並行して、一対の第2の側壁40、40の中間部を内側に向けて押し込む。その状態が図4(a)に示される。第2の側壁40の折れ曲がりにつれて、天枠10と底枠20とは、その距離を次第に接近させていき、最後には、図4(b)に示す状態となる。この状態では、第2の側壁40の上区画部分40Aと下区画部分40Bは折り重なった状態となり、折り重なった上区画部分40Aの上に、第1の側壁30、30が乗った姿勢となっており、折り畳み箱Aの容積は、使用状態と比較して小さくなる。
【0035】
本発明による折り畳み箱Aにおいては、図2図3に示す立ち上がった姿勢にあるときに、第2の側壁40を構成する上区画部分40Aと下区画部分40Bとは、その折曲部分40Cによって、空気通路のない状態で連接している。さらに、折曲部分40Cによって形成される上区画部分40Aの下端と下区画部分40Bの上端との間のスペースSは、上区画部分40Aの下端に取り付けたスペーサ50によって、ほぼ全領域が埋められている。そのために、従来の中間部がヒンジ連結されている側壁と比較して、第2の側壁40の断熱性能を向上させることができる。さらに、上から大きな荷重が掛かったときに、その荷重をスペーサ50で受け止めることができるので、第2の側壁40が不要に変形するのも阻止することができる。
【0036】
図10図11は、第2の側壁40の第2の形態を示している。この形態では、スペーサ50における係止部52の構成が、図6で説明したものと相違している。また、それにより、上区画部分40Aの下端側の前面部に形成した凹陥部45の形状も異なっている。以下、その相違点を中心に説明する。
【0037】
このスペーサ50Aにおいて、係止部52Aは、天板81と前板82と下板83とで構成され、前板82における天板81に近接した部分は内側に入り込んでいる。また、下板83はスペーサ50Aの本体部分51からわずかに上方に位置している。一方、上区画部分40Aの下端側の前面部に形成した凹陥部45Aは、その上方部に、前記係止部52Aの前板82の上部における前記した内側に入り込んでいる部分を外側から支持する押さえ板46と、前記下板82とスペーサ50Aの本体部分51Aの間の隙間に入り込む突起47を有している。
【0038】
スペーサ50Aを取り付けるに当たっては、その係止部52Aを前記凹陥部45A内に斜め下方から上方に向けて差し込み、天板81が凹陥部45Aの天面に接した状態となったときにスペーサ50Aを第2の側壁40の前記折曲部分40Cに向けて押し付ける。それにより、図11(b)に示すように、スペーサ50Aの本体部分51は前記スペースS内に入り込み、また、下板83とスペーサの本体部分51の間の隙間に前記突起47が入り込んだ姿勢で、スペーサ50Aは第2の側壁40の上区画部分40Aの下端側に固定される。
【0039】
なお、上記の例では、スペーサ50(50A)を、第2の側壁40の上区画部分40Aの下端側に後付けするようにしたが、下区画部分40Bの上端側に後付けするようにしてもよく、その際には、前記凹陥部45(45A)は下区画部分40Bの上端側に形成される。また、スペーサ50は、第2の側壁40の横幅の全域を覆う長さのものとして説明したが、所要の強度あるいは断熱性を確保できる場合には、第2の側壁40の横幅の一部のみを部分的に覆うような形状のものとしてもよい。さらに、インサートブロー成形などの成形法により成形が可能で有れば、上区画部分40Aの下端側あるいは下区画部分40Bの上端側に、またはその双方に、スペーサ50を一体に成形するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0040】
A…折り畳み箱、
10…矩形状をなす天枠、
20…矩形状をなす底枠、
30…第1の側壁、
40…第2の側壁、
40A…第2の側壁の上区画部分、
40B…第2の側壁の下区画部分、
40C…上区画部分と下区画部分とを接続する折曲部分、
50…スペーサ、
S…折曲部分の厚みが上区画部分と下区画部分の厚みと比較して薄いことで形成される上区画部分と下区画部分の間のスペース。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11