特許第6073710号(P6073710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6073710情報処理装置、起動障害からの自動復旧方法、及び起動障害からの自動復旧プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073710
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】情報処理装置、起動障害からの自動復旧方法、及び起動障害からの自動復旧プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/445 20060101AFI20170123BHJP
【FI】
   G06F9/06 610K
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-40860(P2013-40860)
(22)【出願日】2013年3月1日
(65)【公開番号】特開2014-170306(P2014-170306A)
(43)【公開日】2014年9月18日
【審査請求日】2016年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】岡村 記成
【審査官】 大塚 俊範
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0125752(US,A1)
【文献】 特開2003−316582(JP,A)
【文献】 特開2009−193453(JP,A)
【文献】 特開平8−16408(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 9/445
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置の起動に失敗したことを検出する起動監視タイマーを含むBMCを備え、
前記BMCが、
前記起動監視タイマーにより情報処理装置の起動失敗を検出した場合、プロセッサのROMフェッチ経路を前記BMCが接続される経路に切り替える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記BMCが、
情報処理装置の起動障害を検出した場合、ネットワーク経由でBIOS管理情報ならびにBIOSデータを取得して内蔵メモリに格納する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記BMCが、
取得したBIOS管理情報から、ROMフェッチさせるBIOSデータを選択し、情報処理装置の再起動を行い、
複数のBIOSバージョンが存在する場合、BMC内部のBIOS管理情報を元に、前記情報処理装置で起動可能な最も新しいバージョンのBIOSを選択する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記BMCが、
前記情報処理装置の再起動に失敗した場合、BIOS管理情報において、起動に失敗したBIOSのバージョンに起動失敗を示すフラグを書き込むことで、起動不可のBIOSバージョンを管理する
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置における起動障害からの自動復旧方法であって、
情報処理装置の起動に失敗したことを検出する起動監視タイマーを含むBMCが、前記起動監視タイマーにより情報処理装置の起動失敗を検出した場合、プロセッサのROMフェッチ経路を前記BMCが接続される経路に切り替える切り替えステップを有する
ことを特徴とする起動障害からの自動復旧方法。
【請求項6】
前記BMCが、情報処理装置の起動障害を検出した場合、ネットワーク経由でBIOS管理情報ならびにBIOSデータを取得して内蔵メモリに格納するBIOS情報取得ステップを有する
ことを特徴とする請求項5に記載の起動障害からの自動復旧方法。
【請求項7】
前記BMCが、取得したBIOS管理情報から、ROMフェッチさせるBIOSデータを選択し、情報処理装置の再起動を行う再起動実行ステップを有し、
前記再起動実行ステップで、
複数のBIOSバージョンが存在する場合、BMC内部のBIOS管理情報を元に、前記情報処理装置で起動可能な最も新しいバージョンのBIOSを選択する
ことを特徴とする請求項6に記載の起動障害からの自動復旧方法。
【請求項8】
前記BMCが、前記情報処理装置の再起動に失敗した場合、BIOS管理情報において、起動に失敗したBIOSのバージョンに起動失敗を示すフラグを書き込むことで、起動不可のBIOSバージョンを管理するBIOSバージョン管理ステップを有する
ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の起動障害からの自動復旧方法。
【請求項9】
情報処理装置を構成するコンピュータ上で動作する起動障害からの自動復旧プログラムであって、
情報処理装置の起動に失敗したことを検出する起動監視タイマーを含むBMCに、前記起動監視タイマーにより情報処理装置の起動失敗を検出した場合、プロセッサのROMフェッチ経路を前記BMCが接続される経路に切り替える切り替え処理を実行させる
ことを特徴とする起動障害からの自動復旧プログラム。
【請求項10】
前記BMCに、情報処理装置の起動障害を検出した場合、ネットワーク経由でBIOS管理情報ならびにBIOSデータを取得して内蔵メモリに格納するBIOS情報取得処理を実行させる
ことを特徴とする請求項9に記載の起動障害からの自動復旧プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、BIOSに関し、特に、BIOSに起因する起動障害からの復旧方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のIntelアーキテクチャを採用した情報処理装置は、多種多様なメーカーが提供する拡張カード(例えばPCI Expressカード)が搭載されるが、これら拡張カードは販売される時期によっては新しい標準規格に完全に対応できていない状態の製品も多い。また、拡張カードのファームウエアが最新化されていない等の理由により、新しい標準規格に対応できていない拡張カードが搭載されている情報処理装置も存在する。
【0003】
このような、新しい標準規格に対応できていない拡張カードが搭載されている情報処理装置に対して、新しい標準規格に対応されたシステムBIOSを適用すると、情報処理装置が正常に起動されない状態となる場合がある。
【0004】
このような事態から復旧するためには情報処理装置に組込まれている拡張カードの取外しを行い、一旦情報処理装置を起動させた状態から旧システムBIOSへバージョンダウンさせることで復旧させる必要があり、人手によるハードウェアの構成変更が必要となることから、復旧までに時間を要する問題があった。
【0005】
システムBIOSを二重化しているような情報処理装置に於いては、バックアップ側ROMから一旦起動させることも可能であるが、運用している情報処理装置に適用されているBIOSバージョン以降に複数のBIOSバージョンがリリースされているような場合、ユーザ運用されている情報処理装置のハードウェア構成で動作可能となる新しいBIOSバージョンを適用するには人手によるBIOSバージョンアップを繰返して実施する必要がありシステム管理者の拘束や、適用作業に時間が必要となる問題が存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−253408号公報
【特許文献2】特開2011−128795号公報
【特許文献3】特許第4873073号公報
【特許文献4】特開2000−207681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
システムBIOSの更新を実施した場合、サードパーティ社製の拡張カードを増設し運用している情報処理装置に、より新しい世代の仕様に対応したシステムBIOSを適用すると情報処理装置の起動不可となることがある。このようなケースでは、情報処理装置に組込まれているサードパーティ社製の拡張カードの取外し作業を行い、一旦システムを起動させた状態から旧BIOSバージョンへ更新させることで復旧させる必要がある。復旧にはシステム管理者によるハードウェア構成変更を必要とし且つ、復旧までに時間を要することが課題である。夜間にスケジューリングされた情報処理装置のBIOS更新作業を実施する場合には翌日のシステム管理者作業となり業務に影響を与えてしまう問題がある。
【0008】
同様にBIOS ROMが故障した場合や、BIOS ROM内に格納されているBIOSデータが不正な状態となった場合も、夜間のスケジュール運転による情報処理装置の再起動が行われる運用形態で起動障害が発生した場合には、翌日の保守作業者によるマザーボード交換が必要となり、復旧までに多大な時間を要することになる。
【0009】
また、システムBIOSを二重化しているハードウェアではバックアップ側Flash ROMからの起動により自動復旧させることも可能であるが、情報処理装置に適用されているBIOSバージョン以降に複数のシステムBIOSバージョンがリリースされているような場合に於いては最適なBIOSバージョンを適用するために、システム管理者によるBIOS更新作業が必要となり、作業完了までの作業者の拘束と運用再開までに時間を必要となる。
【0010】
(発明の目的)
本発明の目的は、上述の課題を解決し、BIOSに起因する起動障害からの自動復旧を可能とする を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の情報処理装置は、情報処理装置の起動に失敗したことを検出する起動監視タイマーを含むBMCを備え、BMCが、起動監視タイマーにより情報処理装置の起動失敗を検出した場合、プロセッサのROMフェッチ経路をBMCが接続される経路に切り替える。
【0012】
本発明の第1の起動障害からの自動復旧方法は、情報処理装置における起動障害からの自動復旧方法であって、情報処理装置の起動に失敗したことを検出する起動監視タイマーを含むBMCが、起動監視タイマーにより情報処理装置の起動失敗を検出した場合、プロセッサのROMフェッチ経路をBMCが接続される経路に切り替える切り替えステップを有する。
【0013】
本発明の第1の起動障害からの自動復旧プログラムは、情報処理装置を構成するコンピュータ上で動作する起動障害からの自動復旧プログラムであって、情報処理装置の起動に失敗したことを検出する起動監視タイマーを含むBMCに、起動監視タイマーにより情報処理装置の起動失敗を検出した場合、プロセッサのROMフェッチ経路をBMCが接続される経路に切り替える切り替え処理を実行させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、BIOSに起因する起動障害から自動復旧することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施の形態による情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施の形態による起動障害からの自動復旧の動作を示すフローチャートである。
図3】本発明の第1の実施の形態によるBIOS管理情報の構成例を示す図である。
図4】本発明の第1の実施の形態によるBIOS管理情報の構成例を示す図である。
図5】本発明の情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の上記及び他の目的、特徴及び利点を明確にすべく、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を以下に詳述する。なお、上述の本願発明の目的のほか、他の技術的課題、その技術的課題を解決する手段及びその作用効果についても、以下の実施形態による開示によって明らかとなるものである。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0017】
(第1の実施の形態)
【0018】
図1は、本実施の形態による情報処理装置100の構成を示すブロック図である。図1を参照すると、情報処理装置100は、BMC110によるハードウエアストラップ制御により、プロセッサ/チップセットのROMフェッチ経路を切り替える機能を備える(1)。
【0019】
また、BMC110はは、ネットワーク経由でリモートPC200からデータ(BIOSイメージ及びBIOS管理情報)をダウンロードする機能を備える(2)。
【0020】
BMC110は、(2)で取得したBIOSイメージとBIOS管理情報を、BMC110が管理する内部メモリ112に格納し管理する機能を備える(3)。
【0021】
リモートPC200には複数バージョンのBIOSを格納しておき、BIOS管理テーブルを保有する(4)。
【0022】
(2)の機能によりBMC110はリモートPC200からBIOS管理情報を取得し、リモートPC200から取得したBIOS管理情報を元に、各種バージョンのBIOSをダウンロードする。
【0023】
本発明は、情報処理装置100のBIOS更新を行ったことで情報処理装置100に組込まれているサードパーティ社製拡張カード等の影響により情報処理装置100が起動しない場合や、BIOS ROM故障や、BIOS ROMに格納されているBIOSデータ不正などにより情報処理装置100が起動不可であることをBaseboard Management Controller(以下BMC)が所有する起動監視タイマー111により検出した場合、BMC110がプロセッサのROMフェッチ経路をBMC110が接続される経路に切り替える。
【0024】
BMC110はネットワーク経由でシステムBIOSデータとBIOS管理情報をダウンロードすることが可能であり、ダウンロードされたデータはBMC110の内部メモリ112に格納される。
【0025】
BMC110は内部メモリ112に格納されたBIOS管理情報から、次にROMフェッチさせるBIOSデータを選択し、情報処理装置100の再起動を行う。
【0026】
再度BMC110の起動監視タイマー111により情報処理装置100が起動不可であることを検出した場合、BMC110は同様に次にROMフェッチさせるBIOSデータを選択し情報処理装置100の再起動を行う。
【0027】
情報処理装置100が起動不可の場合は同様に順次BIOSデータを切り替えていくことでユーザ運用している情報処理装置100に対して起動可能かつより新しいバージョンのBIOSを適用し障害から自動で復旧させることを実現する。
【0028】
すなわち、本発明は、以下の機能を有する。
(1)情報処理装置100の起動障害を検出した場合、プロセッサのROMフェッチ経路をBMC110に切り替える機能を有する。
(2)情報処理装置100の起動障害を検出した場合、ネットワーク経由でBIOS管理情報ならびにBIOSデータを取得する機能を有する。
[BIOS管理情報] : (図3: BIOS管理情報1)
(3)BMC110は情報処理装置100の起動に失敗した場合、BMC110の内部メモリ112に格納されているBIOS管理情報に起動失敗を示すフラグを書き込むことで、起動不可のBIOSバージョンを管理する機能を有する。
[BMC内BIOS管理情報] : (図4: BIOS管理情報2)
(4)情報処理装置100が接続されるネットワーク上に存在するリモートPC200に情報処理装置100用のBIOS管理情報(図3)ならびに複数BIOSデータを格納しておき、情報処理装置100へ引き渡すことが出来る機能を有する。
(5)BMC110は複数のBIOSバージョンが存在する場合、BMC内部のBIOS管理情報(図4)を元にユーザ運用の情報処理装置100で起動可能な最も新しいバージョンのBIOSを自動で適用する機能を有する。
【0029】
本発明は、上述の構成及び機能を有し、情報処理装置100のBIOS更新を行ったことで情報処理装置100に組込まれているサードパーティ社製拡張カード等の影響により情報処理装置100が起動不可となる障害や、BIOS ROM故障や、BIOS ROMに格納されているBIOSデータ破壊などが発生した場合に、オペレーターの介入なしに情報処理装置100が起動可能となる最も新しいバージョンのBIOSを自動で適用することで障害復旧を行うことを特徴とする。すなわち、本発明は、BIOS ROMから情報処理装置100が起動不可となる場合、プロセッサのROMフェッチパスをBMC110に切り替える。BMC110はネットワーク経由でリモートPC200からBIOS管理情報とBIOSデータをダウンロードしBMC内部に格納する。プロセッサ120はBMC内部に格納されているBIOSデータにフェッチしBMC110内部のBIOSデータから起動を試みる。起動不可の場合にはBMC110はBMC内部のBIOS管理情報を元に次のBIOSデータをネットワーク経由のリモートPC200から取得し、再度情報処理装置100の起動を試みる。このように情報処理装置100が起動可能なバージョンのBIOSまでBIOS切り替えと情報処理装置100の再起動を繰返すことでシステム管理者の介入なしに最適なBIOSを適用することで情報処理装置100の起動障害を復旧する。
【0030】
(第1の実施の形態の動作の説明)
次に、本実施の形態による情報処理装置100の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
BIOS更新が実施されると、マザーボード上のBIOS ROMに最新BIOS(N)が書き込まれ、次回起動時には、BIOS ROM内に書き込まれている該最新BIOS(N)で起動を行う。
【0032】
BIOS(N)で起動不可の場合、POST途中でハングアップし起動不可状態となる。
【0033】
図2で示すアルゴリズムによりBMC110は情報処理装置100の起動監視を行い、規定時間内に起動しない場合は情報処理装置100の再起動を行う。
【0034】
規定回数の再起動で起動しない場合、BMC110はBIOS(N)が原因と判断しROMフェッチ経路を切り替える。また、BMC110はネットワーク上のリモートPC200からBIOS管理情報を取得しBMC110内部に格納し、BIOS管理情報のBIOS(N)に起動不可を示すフラグを設定する。
【0035】
次にBMC110はネットワーク上のリモートPC200からBIOS管理情報と1つ古いバージョンのBIOS(N−1)をダウンロードし、情報処理装置100を再起動させる。情報処理装置100はBMC110が保有するBIOS(N−1)で起動を試みる。
【0036】
BMC110は起動監視を行い規定時間内に起動しない場合、かつ規定回数の再起動で起動しない場合は、起動不可を示すフラグが設定されていない1つ古いバージョンのBIOS(N−2)をダウンロードし、情報処理装置100を再起動させると同時にBIOS(N−1)に起動不可を示すフラグを設定する。情報処理装置100はBMCが保有するBIOS(N−2)で起動を試みる。
【0037】
以降順次BIOSのバージョンを下げていき情報処理装置100が起動できるまで情報処理装置100の起動を繰返していくことで情報処理装置100が起動可能な最も新しいBIOSを自動で適用する。
【0038】
(第1の実施の形態による効果)
本実施の形態によれば、BIOSに関連した障害により情報処理装置の起動が不可となった場合に人手介入なしに、起動が可能となる最も新しいBIOSを自動で適用することができる。
【0039】
次に、本発明の情報処理装置100のハードウェア構成例について、図5を参照して説明する。
【0040】
図5を参照すると、本発明の情報処理装置100は、一般的なコンピュータ装置と同様のハードウェア構成であり、CPU(Central Processing Unit)401、RAM(Random Access Memory)等のメモリからなる、データの作業領域やデータの一時退避領域に用いられる主記憶部402、ネットワークを介してデータの送受信を行う通信部403、入力装置405や出力装置406及び記憶装置407と接続してデータの送受信を行う入出力インタフェース部404、上記各構成要素を相互に接続するシステムバス408を備えている。記憶装置407は、例えば、ROM(Read Only Memory)、磁気ディスク、半導体メモリ等の不揮発性メモリから構成されるハードディスク装置等で実現される。
【0041】
本発明の情報処理装置100の各機能は、プログラムを組み込んだ、LSI(Large Scale Integration)等のハードウェア部品である回路部品を実装することにより、その動作をハードウェア的に実現することは勿論として、その機能を提供するプログラムを、記憶装置407に格納し、そのプログラムを主記憶部402にロードしてCPU401で実行することにより、ソフトウェア的に実現することも可能である。
【0042】
以上、好ましい実施の形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも、上記実施の形態に限定されるものでなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0043】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0044】
また、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【0045】
また、本発明の方法およびコンピュータプログラムには複数の手順を順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の手順を実行する順番を限定するものではない。このため、本発明の方法およびコンピュータプログラムを実施する時には、その複数の手順の順番は内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【0046】
また、本発明の方法およびコンピュータプログラムの複数の手順は個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある手順の実行中に他の手順が発生すること、ある手順の実行タイミングと他の手順の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等でもよい。
【0047】
さらに、上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、これに限定されない。
【0048】
(付記1)
情報処理装置の起動に失敗したことを検出する起動監視タイマーを含むBMCを備え、
前記BMCが、
前記起動監視タイマーにより情報処理装置の起動失敗を検出した場合、プロセッサのROMフェッチ経路を前記BMCが接続される経路に切り替える
ことを特徴とする情報処理装置。
【0049】
(付記2)
前記BMCが、
情報処理装置の起動障害を検出した場合、ネットワーク経由でBIOS管理情報ならびにBIOSデータを取得して内蔵メモリに格納する
ことを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
【0050】
(付記3)
前記BMCが、
取得したBIOS管理情報から、ROMフェッチさせるBIOSデータを選択し、情報処理装置の再起動を行い、
複数のBIOSバージョンが存在する場合、BMC内部のBIOS管理情報を元に、前記情報処理装置で起動可能な最も新しいバージョンのBIOSを選択する
ことを特徴とする付記2に記載の情報処理装置。
【0051】
(付記4)
前記BMCが、
前記情報処理装置の再起動に失敗した場合、BIOS管理情報において、起動に失敗したBIOSのバージョンに起動失敗を示すフラグを書き込むことで、起動不可のBIOSバージョンを管理する
ことを特徴とする付記2又は付記3に記載の情報処理装置。
【0052】
(付記5)
情報処理装置における起動障害からの自動復旧方法であって、
情報処理装置の起動に失敗したことを検出する起動監視タイマーを含むBMCが、前記起動監視タイマーにより情報処理装置の起動失敗を検出した場合、プロセッサのROMフェッチ経路を前記BMCが接続される経路に切り替える切り替えステップを有する
ことを特徴とする起動障害からの自動復旧方法。
【0053】
(付記6)
前記BMCが、情報処理装置の起動障害を検出した場合、ネットワーク経由でBIOS管理情報ならびにBIOSデータを取得して内蔵メモリに格納するBIOS情報取得ステップを有する
ことを特徴とする付記5に記載の起動障害からの自動復旧方法。
【0054】
(付記7)
前記BMCが、取得したBIOS管理情報から、ROMフェッチさせるBIOSデータを選択し、情報処理装置の再起動を行う再起動実行ステップを有し、
前記再起動実行ステップで、
複数のBIOSバージョンが存在する場合、BMC内部のBIOS管理情報を元に、前記情報処理装置で起動可能な最も新しいバージョンのBIOSを選択する
ことを特徴とする付記6に記載の起動障害からの自動復旧方法。
【0055】
(付記8)
前記BMCが、前記情報処理装置の再起動に失敗した場合、BIOS管理情報において、起動に失敗したBIOSのバージョンに起動失敗を示すフラグを書き込むことで、起動不可のBIOSバージョンを管理するBIOSバージョン管理ステップを有する
ことを特徴とする付記6又は付記7に記載の起動障害からの自動復旧方法。
【0056】
(付記9)
情報処理装置を構成するコンピュータ上で動作する起動障害からの自動復旧プログラムであって、
情報処理装置の起動に失敗したことを検出する起動監視タイマーを含むBMCに、前記起動監視タイマーにより情報処理装置の起動失敗を検出した場合、プロセッサのROMフェッチ経路を前記BMCが接続される経路に切り替える切り替え処理を実行させる
ことを特徴とする起動障害からの自動復旧プログラム。
【0057】
(付記10)
前記BMCに、情報処理装置の起動障害を検出した場合、ネットワーク経由でBIOS管理情報ならびにBIOSデータを取得して内蔵メモリに格納するBIOS情報取得処理を実行させる
ことを特徴とする付記9に記載の起動障害からの自動復旧プログラム。
【0058】
(付記11)
前記BMCに、取得したBIOS管理情報から、ROMフェッチさせるBIOSデータを選択し、情報処理装置の再起動を行う再起動実行処理を実行させ、
前記再起動実行処理で、
複数のBIOSバージョンが存在する場合、BMC内部のBIOS管理情報を元に、前記情報処理装置で起動可能な最も新しいバージョンのBIOSを選択する
ことを特徴とする付記10に記載の起動障害からの自動復旧プログラム。
【0059】
(付記12)
前記BMCに、前記情報処理装置の再起動に失敗した場合、BIOS管理情報において、起動に失敗したBIOSのバージョンに起動失敗を示すフラグを書き込むことで、起動不可のBIOSバージョンを管理するBIOSバージョン管理処理を実行させる
ことを特徴とする付記10又は付記11に記載の起動障害からの自動復旧プログラム。
【符号の説明】
【0060】
100:情報処理装置
110:BMC
111:起動監視タイマー
112:内部メモリ
120:プロセッサ
130:チップセット
140:BIOS ROM
200:リモートPC
401:CPU
402:主記憶部
403:通信部
404:入出力インタフェース部
405:入力装置
406:出力装置
407:記憶装置
408:システムバス
図1
図2
図3
図4
図5