【発明の効果】
【0008】
本発明の方法は、雪崩、落石、倒れてくる木、泥滑動、土流からの保護のため、又は傾斜安定化のための安全網をシンプルに製造するのを可能にする。
【0009】
典型的には、このような安全網は道のない地勢に輸送し、そして難しい設置条件下でそこに設置しなければならない。本発明の方法は、個々の網要素を個々に製造し、貯蔵し、そして輸送できるので特に有利である。従って、広く重い、そして嵩高な網を輸送する必要はなく、個々の網要素を輸送すること、そして設置現場、又は少なくともその近くで安全網を完成させることが可能である。
【0010】
本発明の方法はもちろん、結合用網要素によって結合された2つの網要素だけから成る網の製造に限定されることはなく、本発明の意味において、2つの網要素間に配列されたそれぞれの結合用網要素によって、任意の数の網要素を結合することができる。本発明の方法はこうして、必要に応じて安全網のサイズをシンプルに適応させることを可能にする。すなわち、安全網の長さを一方では、個々に製造された網要素及び/又は結合用網要素の長さを介して変化させることができ、また他方では、結合用網要素によって互いに結合された所定数の網要素を介して変化させることができる。本発明の方法によって、既存のプレハブ式網を付加的な網要素で改造することができる。
【0011】
ここで述べておくべきことは、本発明によれば、個々の網要素及び/又は結合用網要素は同じ高さを必ずしも有していなくてよいことである。網要素又は結合用網要素の高さはここでは、安全網の長手方向に対して横方向の方向と見なされる。この点において、網要素及び/又は結合用網要素が安全網の長手方向において、同数の行の接合部を有することは重要ではない。これにより、網要素及び/又は結合用網要素の高さに関するものを含めて、局地的条件に特異的に適応し得る安全網を製造することが本発明によって可能になる。
【0012】
本発明の方法に従って製造された安全網の更なる利点は、個々の損傷した網要素全体を取り除き、そして新しい交換用網要素を既存の安全網に対して平行に、所定の間隔を置いて配置することによって、損傷した網要素を新しい網要素と交換し得るので、本発明の方法による交換網要素を既存の安全網に結合できるという事実にある。同様に、本発明の方法によって、既存の安全網を付加的な網要素で改造することもできる。さらに、保持・締め付け用ロープを、更なる結合手段なしに、網内に直接に手繰り込むことによって行うことができ、このことは材料及び重量の低減を可能にする。一般に、このような安全網は上縁及び下縁で支持用ロープに締め付けられる。
【0013】
特に本発明の安全網の網要素及び結合用網要素が関節状に連結する場合、網要素、及び安全網の実施態様によれば、場合によっては結合用網要素も、ジグザグ・パターンを成すように折り畳んで互いに上下に重ねることができ、支持用ロープを折り畳まれた網内に直接に導入することが可能になる。これにより、特に限定された空間条件下で地勢内に設置することがかなり容易になる。それというのも、締め付け用ロープを取り付けるために網を長さ方向で広げる必要がないからである。
【0014】
本発明の網製造は、ライン製造であることも可能であり、安全網の手動製造、及び部分自動又は全自動製造の両方を可能にする。
【0015】
本発明の好ましい実施態様によれば、少なくとも第1網要素及び第2網要素を、それぞれただ1つのロープから製造する。ロープ、又は結合用ロープの2つの端部の結合は好ましくは、2つの向き合わされたロープ端部がオーバーラップ領域内で、好ましくはプレス・クランピング、溶接、又はポッティングによって結合されるように実現される。2つのロープ端部が向き合って結合されるという事実は、これらが大きい引張り力を吸収することもでき、網要素が特に安定であることを意味する。
【0016】
本発明の好ましい実施態様の場合、ただ1つの結合用ロープを第1網要素と第2網要素との間に案内する。上記のように、第1網要素のそれぞれの第1ロープ縁部の少なくとも一部を、第2網要素の、第1ロープ縁部と向き合って位置する第2ロープ縁部の少なくとも一部に結合する。
【0017】
第1網要素及び第2網要素のそれぞれのロープ縁部と、結合用ロープとの結合は、結合されたロープ縁部のそれぞれのロープ接合部間にそれぞれ位置する結合点で実現される。具体的には第1網要素及び第2網要素のそれぞれのロープ部分と結合用ロープとの結合は好ましくは、ルーピング及び/又は溶接によって、且つ/又はガイド手段を用いて、且つ/又はクランピング手段を用いて実現される。クランピング手段とは異なり、ロープはガイド手段内ではクランプされず、単に案内されるだけである。すなわち、ガイド手段は2つのそれぞれの結合されたロープ部分に沿って変位可能である。これに関しては、ガイド手段がロープ部分に固定され、結合されるべき他方のロープ部分に沿ってのみ変位可能であるようにガイド手段を形成することももちろん可能である。ガイド手段としては、例えばスリーブ又はリングを使用することができる。クランピング手段に関しては、具体的にはクロス・クランプ、スターラップ・クランプ、又はフェルールを周知の形式で使用することができる。
【0018】
ルーピングによって、又はガイド手段によって第1網要素及び第2網要素のそれぞれのロープ縁部と、結合用ロープとを結合することが特に好ましい。それというのも、これは、結合点領域内で網要素と結合用網要素との関節状の結合を可能にするからである。このような関節状の結合は、安全網の長手方向に対して横方向に安全網をジグザグ様に折り合わせること及び/又は巻き上げることを可能にする。このことは安全ネットの貯蔵及び輸送をかなり容易にする。
【0019】
ループ縁部と結合用ロープとを溶接又はルーピングする場合、ここでもまた材料を節減することができる。それというのも付加的な結合手段が必要とならないからである。既に述べたように、特に山岳地域に使用される場合に安全網の重量低減は輸送及び設置の理由から有益であるため、このことは特に有利である。
【0020】
本発明の特に好ましい実施態様によれば、第1網要素の全ての第1ロープ縁部を、第2網要素の全ての第2ロープ縁部に、少なくとも1つの結合用ロープを用いて結合する。
【0021】
本発明の別の好ましい実施態様によれば、第1網要素の第1網縁部、及び/又は第2網要素の第2網縁部は、結合用網要素の結合用ロープに対して運動可能である。このことは、それぞれのロープ縁部が、2つのそれぞれのロープ接合部の間で結合用ロープに沿って変位可能であるか、或いは少なくとも関節状に結合されていることを意味する。
【0022】
結合用ロープに対する網縁部のこの可動性は、具体的には安全網内の重い動荷重の吸収に際して発生した応力が理想的に分布されるのを可能にする。衝突荷重の局部的な力作用はこれにより全ての方向に均一に分配することができる。このことは特に高いエネルギー又は力の吸収能力を保証する。網縁部の上記可動性はまた、安全網に特に高い可撓性をもたらす。このことは、安全網が荷重を吸収すると、重量の引張り方向において塑性変形することができ、ひいては荷重の衝突時に発生する高い運動エネルギーを散逸させ得ることである。さらに、結合用ロープに対する網縁部の可動性は、地勢の性質に対する網の適応性をより大きくすることができる。
【0023】
上記特徴に基づいて、ルーピングによってロープ縁部を結合用ロープに結合することは、一方では結合用ロープに対して網縁部を可動にするので、そして他方では重量を低減するので特に好ましい。上述のように、網要素はこれにより、ジグザグ・パターンを成すように折り畳んで互いに上下に重ねることができる。こうして折り畳まれた安全網がより容易に輸送可能になる利点を別にして、支持用又は締め付け用のロープを折り畳まれた網内に直接に導入することができる。このことはかなりのスペース節減をもたらす。それというのも、製造及び設置の両方において網を長さ方向で広げる必要がなく、ひいてはカバーしなければならない距離が大幅に小さくなるからである。
【0024】
本発明の好ましい実施態様によれば、第1網要素のロープの端部、及び第2網要素のロープ、及び結合用網要素の結合用ロープの端部はそれぞれ互いに向き合って配列されていて、永久結合手段によって自己完結されている。永久結合手段は、好ましくはスターラップ・クランプ又はフェルールによって実現される。或いは、結合手段は、ノッティング、溶接、ポッティングによって、又はフェルールによって周知の形式で実現することもできる。
【0025】
ロープ及び/又は結合用ロープの交差ロープ部分が接合部で安定化されることによって、安全網の安全性を高めることができる。好ましい実施態様では、従って、ロープ及び/又は結合用ロープの交差ロープ部分を接合部において、クランプ、フェルール、ガイド手段によって、且つ/又は溶接又はポッティングによって結合する。スターラップ・クランプ又はクロス・クランプによる結合がこれに関して特に好ましい。安全網の安定性を高めるためには、ロープ及び/又は結合用ロープの交差ロープ部分の一部だけを接合部において結合すれば十分である。例えば、それぞれのロープ部分の結合が1接合部おきにのみ実現されることが可能である。これに関しては、スイス国特許第698 305号明細書が参照される。この内容はこれにより本明細書中に組み込まれる。
【0026】
安定性及び耐候性を高めるために、網要素及び/又は結合用網要素の製造に際して鋼ワイヤロープを使用することが好ましい。利用分野に応じて、プラスチック・ロープを使用することも考えられる。ワイヤロープを使用する場合には、これらの可撓性、及びこれに伴う剛性、並びに耐食性を考慮すべきなので、具体的には好ましい太さ6〜12mmの亜鉛メッキ鋼ロープを使用するのが好ましい。複数のねじれロープストランドから成るワイヤロープ又は鋼ロープが一般には使用されるが、適当な太さの1つの個々の鋼ワイヤを使用することも考えられる。同様に、ワイヤロープは、保護のために、例えばプラスチックから成る保護ケーシングを備えることもできる。
【0027】
安全網の低重量が特に重要な場合には、合成繊維又は天然繊維から形成されたロープをアミノ製造のために使用することもできる。
【0028】
本発明の好ましい実施態様によれば、第1網要素と第2網要素とを、これらの高さ及び形状に関して同一構造で製造する。このことは、2つの網要素が安全網の長手方向において、等しい行数の接合部を有することを意味する。第1網要素と第2網要素との平行な配列、並びにこれらのそれぞれの縁部ロープ要素の、結合用ロープを用いた結合が、これにより容易になる。安全網の横方向において、第1網要素の接合部の列数は、この実施態様では第2網要素と同じである必要はない。2つの網要素は従って長さが異なっていてよい。このことは、既存の安全網を特定の長さだけ延長しなければならない場合に特に有利である。この事例では、例えば第2網要素は長さに関して、既存の安全網を丁度所望の延長分だけ拡張するように製造することができる。
【0029】
本発明の更なる好ましい実施態様によれば、第1網要素と第2網要素とを、サイズ及び形状に関して同一構造で製造する。網要素又は安全網のサイズは、安全網の長手方向におけるそれぞれの長さによって、そして安全網の長手方向に対して直角を成して延びる横方向におけるそれぞれの高さによって固定される。本発明の意味において、このことは、第1網要素及び第2網要素が、安全網の長手方向において同じ長さを有し、また安全網の横方向において同じ高さを有することを意味する。具体的には、第1網要素及び第2網要素は長手方向において等しい行数の接合部を有していて、また安全網の横方向において等しい列数の接合部を有している。これにより、第1網要素と第2網要素とを構造に関して互いに適合し、これらのそれぞれのロープ縁部を結合用ロープを用いて安定に結合し得ることが保証される。
【0030】
好ましくは、第1網要素及び第2網要素はまた、同じ材料から、そして同じ製造方法によって製造される。これにより製造過程を単純化することができ、必要な場合には半自動的又は全自動的に実現することもできる。
【0031】
本発明の特に好ましい実施態様によれば、第1網要素及び第2網要素を別にして、結合用網要素も形状に関して同一構造で製造する。このような安全網は規則的な形状を有しており、反復する、構造的に同一の網単位及び結合用網要素から成っている。
【0032】
網要素及び結合用網要素に関しては、方形から多角形までの種々様々なサイズ及び形状が考えられる。2つのそれぞれの接合部間のロープ部分の長さ、ひいては接合部間に形成された「メッシュ」の幅も自由に選ぶことができる。このように、安全網は必要に応じて、微細メッシュ型及び/又は広幅メッシュ型の網要素、又は結合用網要素から製造することができる。
【0033】
本発明の好ましい実施態様によれば、こうして製造された網要素のそれぞれが安全網の長手方向に複数行のロープ接合部を有し、そして安全網の長手方向に対して直角に延びる横方向に複数列のロープ接合部を有するように、第1網要素及び第2網要素のロープを案内し、そして安全網の横方向に配列されたただ1つの列の結合用ロープ接合部を有する自己完結型の結合用網要素が得られるように、第1網要素と第2網要素との間に少なくとも1つの結合用ロープを案内する。
【0034】
この実施態様では、プレハブ式網要素は所定の長手方向の広がりを有する。従って、短時間内でより長い網を製造することが可能である。網を既存のプレハブ式網として好ましい形式で輸送しようとする場合、特に網要素のロープ縁部が結合用ロープに(例えばルーピングによって)関節状に結合されているならば、網の長手方向に対して横方向にプレハブ式網を輸送用にジグザグ・パターン、例えば「コンサーティーナ」タイプのパターンを成すように、折り合わせることも可能である。このようにして、個々の網要素がほとんど応力なしに、互いに上下に、又は互いに当接した状態で支持し合うようなスタックを形成することができる。設置中、支持用ロープが、折り畳まれた網内に直接に導入される。これにより、特に限定された空間条件下で地勢内に設置することがかなり容易になる。それというのも、締め付け用ロープを取り付けるために網を長さ方向で広げる必要がないからである。
【0035】
設置現場へ輸送して初めて網を完成させる場合、上記の実施態様は、一方では個々の網要素の容易な輸送を可能にし、そして他方では迅速な現場製造を可能にする。それというのも、網要素が結合されたら、結合用網要素を快適に現場でのみ製造することができ、ひいてはプレハブ式のより広幅の網要素を用いて、より長い網を迅速に製造することができるからである。
【0036】
本発明の更なる好ましい実施態様によれば、こうして製造された網要素のそれぞれが安全網の長手方向に対して直角に延びる、安全網の横方向に配列されたただ1つの列のロープ接合部を有するように、第1網要素及び第2網要素のロープを案内し、そして安全網の横方向に配列されたただ1つの列の結合用ロープ接合部を有する自己完結型の結合用網要素が得られるように、第1網要素と第2網要素との間に少なくとも1つの結合用ロープを案内する。
【0037】
ここでもういちど述べておくが、本発明の方法は、結合用網要素によって結合された2つの網要素だけから成る網の製造に限定されることはなく、本発明の意味において、2つの網要素間に配列されたそれぞれの結合用網要素によって、任意の数の網要素を結合することができる。
【0038】
この実施態様では、個々の網要素がただ1つの列のロープ接合部を有しているので、これらのサイズ及び重量は、複数の行及び列のロープ接合部を有する網要素と比較して、著しく小さい。
【0039】
上記実施態様では、具体的には網要素のそれぞれのロープ縁部と結合用ロープとの関節状の結合(例えば結合用ロープを網要素のそれぞれのロープ縁部でルーピングすることによる結合)が特に好ましい。それというのも、これは工場で製作されるプレハブ式網が密に巻き上げられること、又は個々の網要素及び結合用網要素が輸送のためにジグザグ・パターンを成して折り合わされて、互いに上下に積み重ねられることを可能にするからである。
【0040】
網が設置現場でのみ完成される場合、上記実施態様の利点は、網要素及び結合用網要素を特に良好に積み重ね、貯蔵し、そして輸送し得ることである。さらに、網要素及び結合用網要素の長手方向の広がりが小さいので、網の長さを設置現場で正確に適応させることができる。
【0041】
こうして製造された網要素のそれぞれが安全網の長手方向に複数行のロープ接合部を有し、そして安全網の長手方向に対して直角に延びる横方向に複数列のロープ接合部を有するように、第1網要素及び第2網要素のロープを案内し、そして安全網の長手方向に配列された複数行を有する自己完結型の結合用網要素と、安全網の横方向に配列された複数列の結合用ロープ接合部とが得られるように、第1網要素と第2網要素との間に少なくとも1つの結合用ロープを案内する。
【0042】
この上記実施態様では、網要素及び結合用網要素の双方は所定の長さを有している。従って、完成が工場で行われるか、又は設置現場で行われるかにかかわらず、短時間内でより長い網を製造することが可能である。
【0043】
この実施態様でも、具体的には網要素のそれぞれのロープ縁部と結合用ロープとの関節状の結合(例えば結合用ロープを網要素のそれぞれのロープ縁部でルーピングすることによる結合)が特に好ましい。それというのも、個々の網要素及び結合用網要素が輸送のためにジグザグ・パターンを成して折り合わされて、互いに上下に積み重ねられることを可能にするからである。
【0044】
安全ネットが設置現場でのみ完成される場合、上記実施態様では、網要素及び結合用網要素の両方は好ましくは、既にプレハブ式に製作された状態で設置現場へ輸送される。網要素のそれぞれのロープ縁部と結合用ロープとの結合はこの場合、溶接によって、且つ/又はガイド手段を用いて、且つ/又はクランピング手段を用いて実現される。
【0045】
更なる態様において、本発明はまた、請求項1から13までのいずれか1項に記載の本発明の方法によって製造された安全網に関する。
【0046】
更なる態様において、本発明は、具体的には雪崩、落石、倒れてくる木からの保護のための安全網であって、
a) 少なくとも第1網要素と、
b) 少なくとも第2網要素と、
c) 少なくとも1つの結合用網要素と
から成る安全網に関する。
【0047】
本発明に基づく安全網は下記特徴によって特徴づけられる。
【0048】
第1網要素は、少なくとも1つのロープから自己完結状態で個々に製造されていて、そしてそれぞれ少なくとも2つのロープ部分が交差する複数のロープ接合部を有している。
【0049】
第2網要素も、少なくとも1つのロープから自己完結状態で個々に製造されていて、そして同様にそれぞれ少なくとも2つのロープ部分が交差する複数のロープ接合部を有している。第2網要素は、第1網要素の第1網縁部が第2網要素の第2網縁部に面するように、第1網要素に対して平行に、また安全網の長手方向で所定の間隔を置いて配列されている。
【0050】
さらに、第1網要素は、第1網縁部内に配列された複数の第1ロープ縁部を有しており、第1ロープ縁部はそれぞれ2つのロープ接合部の間で延びていて、第2網縁部に面している。
【0051】
加えて、第2網要素は、第2網縁部内に配列された複数の第2ロープ縁部を有しており、第2ロープ縁部はそれぞれ2つのロープ接合部の間で延びていて、第1網縁部に面している。
【0052】
結合用網要素は、少なくとも1つの結合用ロープから自己完結状態で製造されていて、そしてそれぞれ少なくとも2つの結合用ロープ部分が交差する複数の結合用ロープ接合部を有している。
【0053】
網要素、又は網要素及び結合用ロープは好ましくは、それぞれ実質的に平面状の網構造を形成している。
【0054】
少なくとも1つの結合用ロープを用いて、第1網要素の第1ロープ縁部の少なくとも一部が、第1網要素の第1ロープ縁部に面する、第2網要素の第2ロープ縁部の少なくとも一部に結合されている。
【0055】
少なくとも1つの結合用ロープを用いて、第1網要素の全ての第1ロープ縁部が、第2網要素の全ての第2ロープ縁部に結合されていることが好ましい。
【0056】
本発明の安全網は、これが個々に製造し、貯蔵し、そして輸送し得る個々の網要素から成っているので特に有利である。従って、安全網は必要に応じて、製造現場又は設置現場で完成させることができる。
【0057】
さらに、安全網のサイズは必要に応じて適応させることができる。すなわち、安全網の高さ及び長さを一方では、個々に製造された網要素及び/又は結合用網要素の高さ及び長さを介して変化させることができ、また他方では、結合用網要素によって互いに結合された所定数の網要素を介して変化させることができる。製造済みの状態では、網は付加的な網要素を用いて改造することができ、或いは損傷した網要素を交換することもできる。
【0058】
さらに、保持・締め付け用ロープを、更なる結合手段なしに、網内に直接に手繰り込むことによって行うことができ、このことは材料及び重量の低減を可能にする。
【0059】
本発明の方法の上記の好ましい実施態様によって得られる安全網の実施態様は、本発明の安全網のための好ましい実施態様と見なすこともできる。
【0060】
更なる態様において、本発明はまた、雪崩、落石、倒れてくる木、泥滑動、土流からの保護のため、又は傾斜安定化のための、本発明の安全網の使用に関する。
【0061】
本発明の安全網の使用は、その構成部分を容易に、迅速に、そして問題なしに製造し、貯蔵し、そして輸送することができるので特に有利であり、この安全網は道のない地勢にさえ設置することができる。本発明の安全網の構造はさらに、重度に摩耗した網要素を、これを目的として網全体を取り外す必要なしに交換するのを可能にする。
【0062】
本発明の安全網は、雪崩、落石、倒れてくる木、泥滑動、土流からの保護のため、又は傾斜安定化のための安全網として適している。それというのも、その可撓性により、落下する大きな荷重の巨大な力が動的に吸収されるからである。さらに、安全網のために使用される材料は、特定の環境の影響に適応させ得るので、安全網は特に耐候性且つ耐食性である。
【0063】
本発明を以下の例において説明する。但し、これらの例は制限的なものではない。