【実施例】
【0057】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
以下の実施例1〜38に記載の方法にしたがって、本発明にかかる排ガス浄化用触媒を製造した。また、本発明の排ガス浄化用触媒と比較するために、以下の比較例1〜4に記載の方法にしたがって排ガス浄化用触媒を製造した。
【0058】
〔実施例1〕
アルミニウム酸化物(以下、Al
2O
3という)87.48gを1000mlのイオン交換水中で分散させ、ポリビニルアルコール(以下、PVAという、重合度約2000、Pdに対しモル比で0.01倍添加)、Pd硝酸塩水溶液(Pdとして1.00g)を投入し酸化物表面にPdを吸着担持させ、吸引濾過で水溶液を除去した。濾液をICP発光分光で分析したところ、Pd担持効率は100%であった。Pd担持量は最終製品に対し、1wt%とした。
【0059】
上記担持粉末を1000mlのイオン交換水中で分散させ、ヘキサナトリウムベンゼンヘキサチオラート(BHT)3.78g(Pdと等モル)、粒度D50が20nmの酸化Ba(以下、BaOという)5.76gを投入し、濾過後の固形物を加熱水分除去した後、大気中500℃で1時間焼成し、Pdの近傍にBaOを担持させた。BaO担持量は最終製品に対し、5.76wt%とした。
【0060】
得られた粉末を1000mlのイオン交換水中で分散させ、BHT7.56g(Pdに対しモル比で2倍)、粒度D50が40nmのジルコニウム−イットリウム酸化物(ZrO
2:Y
2O
3=8:2(質量比)、以下、Z8Y2という)6.75gを投入し、濾過後の固形物を加熱水分除去した後、大気中500℃で1時間焼成し、Pdの近傍にZ8Y2を担持させた。Z8Y2担持量は最終製品に対し、6.75wt%とした。
【0061】
得られた粉末を圧粉成型、粉砕して粒度を0.5〜1.0mmのペレット状に整粒した触媒A10gを得た。
〔実施例2〕
実施例1に対して、Pd硝酸塩水溶液の代わりにジニトロジアンミンRh硝酸溶液を用いたこと、5.76gのBaOの代わりに5.96gのBaOを用いたこと、6.75gのZ8Y2の代わりに6.98gのZ8Y2を用いたこと以外は同様の手順で、触媒B10gを得た。Rh担持量は1wt%、BaO担持量は5.96wt%、Z8Y2担持量は6.98wt%とした。
【0062】
〔実施例3〕
実施例1に対して、Pd硝酸塩水溶液の代わりにジニトロジアンミンPt硝酸溶液を用いたこと、5.76gのBaOの代わりに3.14gのBaOを用いたこと、6.75gのZ8Y2の代わりに3.68gのZ8Y2を用いたこと以外は同様の手順で、触媒C10gを得た。Pt担持量は1wt%、BaO担持量は3.14wt%、Z8Y2担持量は3.68wt%とした。
【0063】
〔実施例4〕
実施例1に対して、5.76gのBaOの代わりに酸化Ca(以下、CaOという)2.11gを用いたこと以外は同様の手順で、触媒E10gを得た。Pd担持量は1wt%、CaO担持量は2.11wt%、Z8Y2担持量は6.75wt%とした。
【0064】
〔実施例5〕
実施例1に対して、5.76gのBaOの代わりに酸化Sr(以下、SrOという)3.89gを用いたこと以外は同様の手順で、触媒F10gを得た。Pd担持量は1wt%、SrO担持量は3.89wt%、Z8Y2担持量は6.75wt%とした。
【0065】
〔実施例6〕
実施例1に対して、粒度D50が20nmのBaOの代わりに、粒度D50が2nmのBaOを用いたこと以外は同様の手順で、触媒G10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は5.76wt%、Z8Y2担持量は6.75wt%とした。
【0066】
〔実施例7〕
実施例1に対して、粒度D50が20nmのBaOの代わりに、粒度D50が5nmのBaOを用いたこと以外は同様の手順で、触媒H10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は5.76wt%、Z8Y2担持量は6.75wt%とした。
【0067】
〔実施例8〕
実施例1に対して、粒度D50が20nmのBaOの代わりに、粒度D50が30nmのBaOを用いたこと以外は同様の手順で、触媒I10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は5.76wt%、Z8Y2担持量は6.75wt%とした。
【0068】
〔実施例9〕
実施例1に対して、粒度D50が20nmのBaOの代わりに、粒度D50が50nmのBaOを用いたこと以外は同様の手順で、触媒J10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は5.76wt%、Z8Y2担持量は6.75wt%とした。
【0069】
〔実施例10〕
実施例1に対して、粒度D50が20nmのBaOの代わりに、粒度D50が100nmのBaOを用いたこと以外は同様の手順で、触媒K10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は5.76wt%、Z8Y2担持量は6.75wt%とした。
【0070】
〔実施例11〕
実施例1に対して、Z8Y2 6.75gの代わりに、ジルコニウム酸化物(ZrO
2)(以下、Z10Y0という)5.79gを用いたこと以外は同様の手順で、触媒L10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は5.76wt%、Z10Y0担持量は5.79wt%とした。
【0071】
〔実施例12〕
実施例1に対して、Z8Y2 6.75gの代わりに、ジルコニウム−イットリウム酸化物(ZrO
2:Y
2O
3=9:1(質量比)、以下、Z9Y1という)6.27gを用いたこと以外は同様の手順で、触媒M10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は5.76wt%、Z9Y1担持量は6.27wt%とした。
【0072】
〔実施例13〕
実施例1に対して、Z8Y2 6.75gの代わりに、ジルコニウム−イットリウム酸化物(ZrO
2:Y
2O
3=7:3(質量比)、以下、Z7Y3という)7.24gを用いたこと以外は同様の手順で、触媒N10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は5.76wt%、Z7Y3担持量は7.24wt%とした。
【0073】
〔実施例14〕
実施例1に対して、Z8Y2 6.75gの代わりに、ジルコニウム−イットリウム酸化物(ZrO
2:Y
2O
3=6:4(質量比)、以下、Z6Y4という)7.72gを用いたこと以外は同様の手順で、触媒O10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は5.76wt%、Z6Y4担持量は7.72wt%とした。
【0074】
〔実施例15〕
実施例1に対して、Z8Y2 6.75gの代わりに、ジルコニウム−ランタン酸化物(ZrO
2:La
2O
3=8:2(質量比)、以下、Z8L2という)7.69gを用いたこと以外は同様の手順で、触媒P10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は5.76wt%、Z8L2担持量は7.69wt%とした。
【0075】
〔実施例16〕
実施例1に対して、Z8Y2 6.75gの代わりに、ジルコニウム−プラセオジム酸化物(ZrO
2:Pr
6O
11=8:2(質量比)、以下、Z8P2という)14.23gを用いたこと以外は同様の手順で、触媒Q10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は5.76wt%、Z8P2担持量は14.23wt%とした。
【0076】
〔実施例17〕
実施例1に対して、Z8Y2 6.75gの代わりに、ジルコニウム−ネオジム酸化物(ZrO
2:Nd
2O
3=8:2(質量比)、以下、Z8N2という)7.79gを用いたこと以外は同様の手順で、触媒R10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は5.76wt%、Z8N2担持量は7.79wt%とした。
【0077】
〔実施例18〕
実施例1に対して、粒度D50が40nmのZ8Y2の代わりに、粒度D50が10nmのZ8Y2を用いたこと以外は同様の手順で、触媒S10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は5.76wt%、Z8Y2担持量は6.75wt%とした。
【0078】
〔実施例19〕
実施例1に対して、粒度D50が40nmのZ8Y2の代わりに、粒度D50が30nmのZ8Y2を用いたこと以外は同様の手順で、触媒T10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は5.76wt%、Z8Y2担持量は6.75wt%とした。
【0079】
〔実施例20〕
実施例1に対して、粒度D50が40nmのZ8Y2の代わりに、粒度D50が50nmのZ8Y2を用いたこと以外は同様の手順で、触媒U10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は5.76wt%、Z8Y2担持量は6.75wt%とした。
【0080】
〔実施例21〕
実施例1に対して、粒度D50が40nmのZ8Y2の代わりに、粒度D50が100nmのZ8Y2を用いたこと以外は同様の手順で、触媒V10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は5.76wt%、Z8Y2担持量は6.75wt%%とした。
【0081】
〔実施例22〕
実施例1に対して、粒度D50が40nmのZ8Y2の代わりに、粒度D50が200nmのZ8Y2を用いたこと以外は同様の手順で、触媒W10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は5.76wt%、Z8Y2担持量は6.75wt%とした。
【0082】
〔実施例23〕
実施例1に対して、5.76gのBaOの代わりに、0.72gのBaOを用いたこと以外は同様の手順で、触媒X10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は0.72wt%、Z8Y2担持量は6.75wt%とした。
【0083】
〔実施例24〕
実施例1に対して、5.76gのBaOの代わりに、1.44gのBaOを用いたこと以外は同様の手順で、触媒Y10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は1.44wt%、Z8Y2担持量は6.75wt%とした。
【0084】
〔実施例25〕
実施例1に対して、5.76gのBaOの代わりに、2.88gのBaOを用いたこと以外は同様の手順で、触媒Z10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は2.88wt%、Z8Y2担持量は6.75wt%とした。
【0085】
〔実施例26〕
実施例1に対して、5.76gのBaOの代わりに、7.20gのBaOを用いたこと以外は同様の手順で、触媒AA10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は7.20wt%、Z8Y2担持量は6.75wt%とした。
【0086】
〔実施例27〕
実施例1に対して、5.76gのBaOの代わりに、14.41gのBaOを用いたこと以外は同様の手順で、触媒AB10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は14.41wt%、Z8Y2担持量は6.75wt%とした。
【0087】
〔実施例28〕
実施例1に対して、5.76gのBaOの代わりに、28.82gのBaOを用いたこと以外は同様の手順で、触媒AC10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は28.82wt%、Z8Y2担持量は6.75wt%とした。
【0088】
〔実施例29〕
実施例1に対して、6.75gのZ8Y2の代わりに、1.35gのZ8Y2を用いたこと以外は同様の手順で、触媒AD10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は5.76wt%、Z8Y2担持量は1.35wt%とした。
【0089】
〔実施例30〕
実施例1に対して、6.75のZ8Y2の代わりに、4.05gのZ8Y2を用いたこと以外は同様の手順で、触媒AE10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は5.76wt%、Z8Y2担持量は4.05wt%とした。
【0090】
〔実施例31〕
実施例1に対して、6.75gのZ8Y2の代わりに、13.51gのZ8Y2を用いたこと以外は同様の手順で、触媒AF10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は5.76wt%、Z8Y2担持量は13.51wt%とした。
【0091】
〔実施例32〕
実施例1に対して、6.75gのZ8Y2の代わりに、20.26gのZ8Y2を用いたこと以外は同様の手順で、触媒AG10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は5.76wt%、Z8Y2担持量は20.26wt%とした。
【0092】
〔実施例33〕
実施例1に対して、6.75gのZ8Y2の代わりに、40.52gのZ8Y2を用いたこと以外は同様の手順で、触媒AH10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は5.76wt%、Z8Y2担持量は40.52wt%とした。
【0093】
〔比較例1〕
実施例1に対して、BHTを添加しないこと以外は同様の手順で触媒AI10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は5.76wt%、Z8Y2担持量は6.75wt%とした。
【0094】
〔比較例2〕
Al
2O
3 87.48gを1000mlのイオン交換水中で分散させ、PVA(重合度約2000、Pdに対しモル比で0.01倍添加)、Pd硝酸塩水溶液(Pdとして1.00g)、BHT11.34g(Pdに対しモル比で3倍)、粒度D50が20nmのBaO5.76g、粒度D50が40nmのZ8Y2 6.75gを投入し、酸化物表面にPd、BaO、Z8Y2を吸着担持させ、吸引濾過で水溶液を除去した。濾液をICP発光分光で分析したところ、Pd担持効率は100%であった。
【0095】
濾過後の固形物を加熱水分除去した後、大気中500℃で1時間焼成した。Pd担持量、BaO担持量、Z8Y2担持量は最終製品に対し、それぞれ1wt%、5.76wt%、6.75wt%とした。
【0096】
得られた粉末を圧粉成型、粉砕して粒度を0.5〜1.0mmのペレット状に整粒した触媒AJ10gを得た。
〔実施例34〕
Al
2O
3 87.48gを1000mlのイオン交換水中で分散させ、PVA(重合度約2000、Pdに対しモル比で0.01倍添加)、Pd硝酸塩水溶液(Pdとして1.00g)を投入し、酸化物表面にPdを吸着担持させ、吸引濾過で水溶液を除去した。濾液をICP発光分光で分析したところ、Pd担持効率は100%であった。Pd担持量は最終製品に対し、1wt%とした。
【0097】
上記担持粉末を1000mlのイオン交換水中で分散させ、BHT3.78g(Pdと等モル)、粒度D50が40nmのZ8Y2 6.75gを投入し、濾過後の固形物を加熱水分除去した後、大気中500℃で1時間焼成し、Pdの近傍にZ8Y2を担持させた。Z8Y2担持量は最終製品に対し、6.75wt%とした。
【0098】
得られた粉末を1000mlのイオン交換水中で分散させ、BHT7.56g(Pdに対しモル比で2倍)、粒度D50が20nmのBaO5.76gを投入し、濾過後の固形物を加熱水分除去した後、大気中500℃で1時間焼成し、Pdの近傍にBaOを担持させた。BaO担持量は最終製品に対し、5.76wt%とした。
【0099】
得られた粉末を圧粉成型、粉砕して粒度を0.5〜1.0mmのペレット状に整粒した触媒AK10gを得た。
〔実施例35〕
Al
2O
3 87.48gを1000mlのイオン交換水中で分散させ、粒度D50が40nmのZ8Y2 6.75gを投入し、加熱水分除去した後、大気中500℃で1時間焼成して酸化物表面にZ8Y2を吸着担持させた。Z8Y2担持量は最終製品に対し、6.75wt%とした。
【0100】
上記担持粉末を1000mlのイオン交換水中で分散させ、PVA(重合度約2000、Pdに対しモル比で0.01倍添加)、Pd硝酸塩水溶液(Pdとして1.00g)、BHT3.78g(Pdと等モル)を投入し、酸化物表面にPdを吸着担持させ、吸引濾過で水溶液を除去した。濾液をICP発光分光で分析したところ、Pd担持効率は100%であった。Pd担持量は最終製品に対し、1wt%とした。
【0101】
得られた粉末を1000mlのイオン交換水中で分散させ、BHT7.56g(Pdに対しモル比で2倍)、粒度D50が20nmのBaO5.76gを投入し、濾過後の固形物を加熱水分除去した後、大気中500℃で1時間焼成し、BaOを担持させた。BaO担持量は最終製品に対し、5.76wt%とした。
【0102】
得られた粉末を圧粉成型、粉砕して粒度を0.5〜1.0mmのペレット状に整粒した触媒AL10gを得た。
〔比較例3〕
Al
2O
3 87.48gを1000mlのイオン交換水中で分散させ、粒度D50が40nmのZ8Y2 6.75gを投入し、加熱水分除去した後、大気中500℃で1時間焼成して酸化物表面にZ8Y2を担持させた。Z8Y2担持量は最終製品に対し、6.75wt%とした。
【0103】
上記担持粉末を1000mlのイオン交換水中で分散させ、BHT3.78g(Pdと等モル)、粒度D50が20nmのBaO5.76gを投入し、濾過後の固形物を加熱水分除去した後、大気中500℃で1時間焼成してBaOを担持させた。BaO担持量は最終製品に対し、5.76wt%とした。
【0104】
得られた粉末を1000mlのイオン交換水中で分散させ、PVA(重合度約2000、Pdに対しモル比で0.01倍添加)、Pd硝酸塩水溶液(Pdとして1.00g)、BHT7.56g(Pdに対しモル比で2倍)を投入し、Pdを吸着担持させ、濾過後の固形物を加熱水分除去した後、大気中500℃で1時間焼成してPdを担持させた。濾液をICP発光分光で分析したところ、Pd担持効率は100%であった。Pd担持量は最終製品に対し、1wt%とした。
【0105】
得られた粉末を圧粉成型、粉砕して粒度を0.5〜1.0mmのペレット状に整粒した触媒AM10gを得た。
〔実施例36〕
Al
2O
3 87.48gを1000mlのイオン交換水中で分散させ、粒度D50が20nmのBaO5.76gを投入し、加熱水分除去した後、大気中500℃で1時間焼成して酸化物表面にBaOを担持させた。BaO担持量は最終製品に対し、5.76wt%とした。
【0106】
上記担持粉末を1000mlのイオン交換水中で分散させ、PVA(重合度約2000、Pdに対しモル比で0.01倍添加)、Pd硝酸塩水溶液(Pdとして1.00g)、BHT3.78g(Pdと等モル)を投入し、酸化物表面にPdを吸着担持させ、吸引濾過で水溶液を除去した。濾液をICP発光分光で分析したところ、Pd担持効率は100%であった。Pd担持量は最終製品に対し、1wt%とした。
【0107】
得られた粉末を1000mlのイオン交換水中で分散させ、BHT7.56g(Pdに対しモル比で2倍)、粒度D50が40nmのZ8Y2 6.75gを投入し、濾過後の固形物を加熱水分除去した後、大気中500℃で1時間焼成し、Z8Y2を担持させた。Z8Y2担持量は最終製品に対し、6.75wt%とした。
【0108】
得られた粉末を圧粉成型、粉砕して粒度を0.5〜1.0mmのペレット状に整粒した触媒AN10gを得た。
〔比較例4〕
Al
2O
3 87.48gを1000mlのイオン交換水中で分散させ、粒度D50が20nmのBaO5.76gを投入し、加熱水分除去した後、大気中500℃で1時間焼成して酸化物表面にBaOを担持させた。BaO担持量は最終製品に対し、5.76wt%とした。
【0109】
上記担持粉末を1000mlのイオン交換水中で分散させ、BHT3.78g(Pdと等モル)、粒度D50が40nmのZ8Y2 6.75gを投入し、濾過後の固形物を加熱水分除去した後、大気中500℃で1時間焼成してZ8Y2を担持させた。Z8Y2担持量は最終製品に対し、6.75wt%とした。
【0110】
得られた粉末を1000mlのイオン交換水中で分散させ、PVA(重合度約2000、Pdに対しモル比で0.01倍添加)、Pd硝酸塩水溶液(Pdとして1.00g)、BHT7.56g(Pdに対しモル比で2倍)を投入し、Pdを吸着担持させ、濾過後の固形物を加熱水分除去した後、大気中500℃で1時間焼成してPdを担持させた。濾液をICP発光分光で分析したところ、Pd担持効率は100%であった。Pd担持量は最終製品に対し、1wt%とした。
【0111】
得られた粉末を圧粉成型、粉砕して粒度を0.5〜1.0mmのペレット状に整粒した触媒AO10gを得た。
〔実施例37〕
実施例1に対して、Z8Y2投入時にBHTを投入しないこと以外は同様の手順で、触媒AP10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は5.76wt%、Z8Y2担持量は6.75wt%とした。
【0112】
〔実施例38〕
実施例34に対し、BaO投入時にBHTを投入しないこと以外は同様の手順で、触媒AQ10gを得た。Pd担持量は1wt%、BaO担持量は5.76wt%、Z8Y2担持量は6.75wt%とした。
【0113】
以上の実施例1〜38、及び、比較例1〜4で得られた排ガス浄化用触媒を用いて、以下の実験を行った。
(耐久試験)
各実施例及び各比較例において得られたペレット状の排ガス浄化用触媒を、流通式の耐久試験装置に配置した。この装置に、窒素に酸素(O
2)を2%加えたリーンガスと、窒素に一酸化炭素(CO)を4%加えたリッチガスとを、触媒床温度950℃において500ml/minの流量で、5分周期で交互に20時間流通させる耐久試験を行った。
【0114】
(活性評価)
各実施例及び各比較例において得られた排ガス浄化用触媒を常圧固定床流通反応装置に配置し、ストイキ相当のモデルガスを流通させながら100℃から500℃まで12℃/分の速度で昇温し、その間のHC、CO、NOx浄化率を連続的に測定した。上記の耐久試験後の50%浄化温度を、表1,2に示す。
【0115】
(触媒中の第1酸化物粒子11、第2酸化物粒子12、及びアルカリ土類金属酸化物粒子14の粒子径D50評価)
各実施例及び各比較例において得られた排ガス浄化用触媒について、上述した「FE−SEM観察により得られる平均粒子径D50」の算出方法にしたがって、第1酸化物粒子11、第2酸化物粒子12、及びアルカリ土類金属酸化物粒子14の平均粒子径D50を求めた。その結果を表1,2に示す。
【0116】
(第2酸化物粒子と貴金属の接触度合い評価)
第2酸化物粒子と貴金属の接触度合いを評価するために、各実施例及び各比較例において得られた排ガス浄化用触媒について、上述した「第2酸化物粒子と貴金属との相関係数」の算出方法にしたがって、相関係数を求めた。その結果を表1,2に示す。
【0117】
(アルカリ土類金属酸化物と貴金属の接触度合い評価)
アルカリ土類金属酸化物と貴金属の接触度合いを評価するために、各実施例及び各比較例において得られた排ガス浄化用触媒について、上述した「アルカリ土類金属酸化物と貴金属との相関係数」の算出方法にしたがって、相関係数を求めた。その結果を表1,2に示す。
【0118】
【表1】
【0119】
【表2】
【0120】
なお、表1及び表2において、比率Aは、アルカリ土類金属酸化物粒子14と貴金属粒子13とのモル比(アルカリ土類金属酸化物粒子14/貴金属粒子13)を表し、比率Bは、第2酸化物粒子12と貴金属粒子13とのモル比(第2酸化物粒子12/貴金属粒子13)を表す。
【0121】
また、表1及び表2において、貴−アルカリは、アルカリ土類金属酸化物と貴金属との相関係数を表し、貴−Zr系は、第2酸化物粒子と貴金属との相関係数を表す。
図2には、表1に示す結果のうち、実施例1,34,35、及び、比較例1,2,3,4の排ガス浄化用触媒について、貴金属とアルカリ土類金属酸化物との相関係数に対する、NOxの50%浄化温度の測定結果をプロットしたグラフを示す。
【0122】
図2に示すように、貴金属とアルカリ土類金属酸化物との相関係数が0.70以上である実施例1,34,35の排ガス浄化用触媒は、該相関係数が0.70未満である比較例1,2,3,4の排ガス浄化用触媒と比較して、NOxの50%浄化温度を低くすることができた。さらに、相関係数が0.80以上である実施例1,34の排ガス浄化用触媒は、相関係数が0.76である実施例35の排ガス浄化用触媒と比較して、NOxの50%浄化温度を低くすることができた。この結果より、排ガス浄化用触媒の浄化性能をより高めるためには、相関係数は、0.70以上であることが好ましく、0.80以上であることがより好ましいことがわかった。
【0123】
以上より、貴金属とアルカリ土類金属酸化物との相関係数が0.70以上である本発明の排ガス浄化用触媒は、比較例の排ガス浄化用触媒と比較して、触媒の三元性能を向上させることができることがわかった。これは、貴金属とアルカリ土類金属酸化物との相関係数が高くなるほど、貴金属のHC被毒抑制が効率よく行われるためであると考えられる。
【0124】
また、
図3には、表1に示す結果のうち、実施例1,34,35、及び、比較例1,2,3,4の排ガス浄化用触媒について、貴金属とZr系酸化物との相関係数に対する、NOxの50%浄化温度の測定結果をプロットしたグラフを示す。
【0125】
図3に示すように、貴金属とZr系酸化物との相関係数が0.70以上である実施例1,34,35の排ガス浄化用触媒は、該相関係数が0.70未満である比較例1,2,3,4の排ガス浄化用触媒と比較して、NOxの50%浄化温度を低くすることができた。さらに、実施例1,34,35の各排ガス浄化用触媒間で比較すると、相関係数がより高くなるほどNOxの50%浄化温度を低くすることができることがわかった。この結果より、排ガス浄化用触媒の浄化性能をより高めるためには、相関係数は、0.70以上であることが好ましく、0.80以上であることがより好ましいことがわかった。
【0126】
以上の結果より、貴金属とZr系酸化物との相関係数が0.70以上である本発明の排ガス浄化用触媒は、比較例の排ガス浄化用触媒と比較して、触媒の三元性能を向上させることができることがわかった。これは、貴金属とアルカリ土類金属酸化物との相関係数が高くなるほど、水蒸気改質反応が効率よく行われるためであると考えられる。
【0127】
また、貴金属とアルカリ土類金属酸化物との相関係数、及び、貴金属とZr系酸化物との相関係数の両方が0.70以上である排ガス浄化用触媒は、上記の各相関係数の何れかが0.70未満である排ガス浄化用触媒と比べて、排ガス浄化性能を向上させることができると言える。