特許第6073824号(P6073824)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073824
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】入出金装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20170123BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20170123BHJP
   G07D 1/02 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
   G07D9/00 418Z
   G07G1/00 331A
   G07D1/02
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-25132(P2014-25132)
(22)【出願日】2014年2月13日
(65)【公開番号】特開2015-153061(P2015-153061A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2016年1月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000235
【氏名又は名称】特許業務法人 天城国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 英一
【審査官】 城臺 仁美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−222633(JP,A)
【文献】 特開平06−176247(JP,A)
【文献】 特開昭62−034295(JP,A)
【文献】 特開2007−179189(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D1/00−9/06
G07F1/04
G07F5/00−9/10
G07G1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬貨を投入する硬貨投入孔と、
投入された前記硬貨を金種ごとに格納する格納部と、
前記硬貨を搬送する第1の出金ベルトと、
前記第1の出金ベルトの上方に配置され、積み重なった硬貨を1枚に剥離する剥離ローラと、
前記剥離ローラの硬貨搬送方向下流に設置され、前記硬貨の出金を規制する出金規制部と、
前記出金規制部の硬貨搬送方向下流に設置され、前記硬貨の通過を検知する通過センサと、
前記剥離ローラの硬貨搬送方向上流に設けられ、前記硬貨を回転させる硬貨回転手段と、
前記通過センサの出力に基づいて前記硬貨が出金されないと判定した場合、前記第1の出金ベルトを所定距離だけ逆送させ、前記硬貨回転手段を駆動させて硬貨を回転させ、再度前記第1の出金ベルトを出金方向に駆動させる制御部と、
を備える入出金装置。
【請求項2】
前記硬貨回転手段は、
前記硬貨を出金のために搬送する硬貨出金路の幅方向一端部に設けられ、前記第1の出金ベルトの上の前記硬貨を回転させる摩擦ピンを有する摩擦ピン駆動部を備え、
前記制御部は、
前記通過センサの出力に基づいて前記硬貨が出金されないと判定した場合、前記第1の出金ベルトを所定距離だけ逆送させ、前記摩擦ピン駆動部に前記摩擦ピンを下ろさせ、再度前記第1の出金ベルトを前記出金方向に駆動させる請求項1記載の入出金装置。
【請求項3】
前記硬貨回転手段は、
前記第1の出金ベルトと並行に設置される第2の出金ベルトを備え、
前記制御部は、
前記通過センサの出力に基づいて前記硬貨が出金されないと判定した場合、前記第1の出金ベルト及び前記第2の出金ベルトを所定距離だけ逆送させ、前記第1の出金ベルトと前記第2の出金ベルトのいずれか一方を出金方向に回転させ、他方を前記出金方向とは逆方向に所定時間だけ回転させ、再度前記第1の出金ベルトと前記第2の出金ベルトを前記出金方向に駆動させる請求項1記載の入出金装置。
【請求項4】
前記硬貨回転手段は、
前記第1の出金ベルトと並行に設置される第2の出金ベルトを備え、
前記制御部は、
前記通過センサの出力に基づいて前記硬貨が出金されないと判定した場合、前記第1の出金ベルト及び前記第2の出金ベルトを所定距離だけ逆送させ、前記第1の出金ベルトと前記第2の出金ベルトのいずれか一方を通常の速度にて出金方向に回転させ、他方を通常の速度とは異なる速度にて前記出金方向に所定時間だけ回転させ、再度前記第1の出金ベルトと前記第2の出金ベルトを前記出金方向に駆動させる請求項1記載の入出金装置。
【請求項5】
前記硬貨回転手段は、
前記第1の出金ベルトと並行に設置される第2の出金ベルトと、
前記剥離ローラの硬貨搬送方向上流かつ前記第1の出金ベルト及び前記第2の出金ベルトの間に設置され、前記硬貨を裏返す回転リブと、
前記回転リブを回転させる回転ソレノイドと、を備え、
前記制御部は、
前記通過センサの出力に基づいて前記硬貨が出金されないと判定した場合、前記第1の出金ベルト及び前記第2の出金ベルトを所定距離だけ逆送させ、前記回転ソレノイドを駆動させることにより前記回転リブを回転させて前記硬貨を裏返し、再度前記第1の出金ベルトと前記第2の出金ベルトを前記出金方向に駆動させる請求項1記載の入出金装置。
【請求項6】
前記硬貨回転手段は、
前記第1の出金ベルトと並行に設置される第2の出金ベルトと、
前記剥離ローラの硬貨搬送方向上流かつ前記第1の出金ベルト及び前記第2の出金ベルトの間に設置され、前記硬貨を裏返す回転リブと、
前記回転リブを回転させる回転ソレノイドと、
を備え、
前記制御部は、
前記通過センサの出力に基づいて前記硬貨が出金されないと判定した場合、前記第1の出金ベルト及び前記第2の出金ベルトを所定距離だけ逆送させ、前記第1の出金ベルトと前記第2の出金ベルトのいずれか一方を出金方向に回転させ、他方を前記出金方向とは逆方向に所定時間だけ回転させ、再度前記第1の出金ベルトと前記第2の出金ベルトを前記出金方向に駆動させてもなお前記通過センサの出力に基づいて前記硬貨が出金されないと判定した場合、前記第1の出金ベルト及び前記第2の出金ベルトを所定距離だけ再度逆送させ、前記回転ソレノイドを駆動させることにより前記回転リブを回転させて前記硬貨を裏返し、さらに前記第1の出金ベルトと前記第2の出金ベルトを前記出金方向に駆動させる請求項1記載の入出金装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、入出金装置に関する。
【背景技術】
【0002】
POS(Point of sales)システムなどの商品販売データ登録処理装置は金銭を入出金する入出金装置がともにつかわれることが多い。
【0003】
この入出金装置は、投入された硬貨を金種ごとに振り分けて格納部に格納し、POS端末からの出金指示によって指定された金種を指定された枚数出金する。
【0004】
格納部は、硬貨を搬送する出金ベルトと、出金ベルト上の硬貨を1枚に剥離する剥離ローラと、硬貨の出金を規制する規制ソレノイドと、を備える。硬貨は出金ベルトによって剥離ローラまで搬送され、剥離ローラによって重なった硬貨が1枚に剥離される。規制ソレノイドが開くと硬貨は1枚ずつ出金される。
【0005】
ここで、折れ曲がった変形硬貨がある場合、この変形硬貨は規制ソレノイドの部分において引っかかって硬貨詰まりを発生させる。
【0006】
従来の入出金装置においては、オペレータが入出金装置のカバーを開けて、引っかかった硬貨を手によって取り除いていた。
【0007】
従って、会計作業中に硬貨詰まりが発生すると、変形硬貨の除去作業の分だけ会計に時間がかかっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−123247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、硬貨詰まりを低減することができる入出金装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の一実施形態は、硬貨を投入する硬貨投入孔と、投入された硬貨を金種ごとに格納する格納部と、硬貨を搬送する第1の出金ベルトと、第1の出金ベルトの上方に配置され、積み重なった硬貨を1枚に剥離する剥離ローラと、剥離ローラの硬貨搬送方向下流に設置され、硬貨の出金を規制する出金規制部と、出金規制部の硬貨搬送方向下流に設置され、硬貨の通過を検知する通過センサと、剥離ローラの硬貨搬送方向上流に設けられ、硬貨を回転させる硬貨回転手段と、通過センサの出力に基づいて硬貨が出金されないと判定した場合、第1の出金ベルトを所定距離だけ逆送させ、硬貨回転手段を駆動させて硬貨を回転させ、再度前記第1の出金ベルトを出金方向に駆動させる制御部と、を備える入出金装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】入出金装置を備えるPOS端末の外観斜視図である。
図2】入出金装置の構成を示す平面図である。
図3】格納部の分解斜視図である。
図4】格納部の規制ソレノイド付近の側面図である。
図5】格納部の規制ソレノイド付近の平面図である。
図6】第1の実施形態に係る入出金装置の規制ソレノイド付近の側面図である。
図7】第1の実施形態に係る入出金装置の規制ソレノイド付近の平面図である。
図8】第2の実施形態に係る入出金装置の規制ソレノイド付近の側面図である。
図9】第2の実施形態に係る入出金装置の規制ソレノイド付近の平面図である。
図10】第3の実施形態に係る入出金装置の規制ソレノイド付近の側面図である。
図11】第3の実施形態に係る入出金装置の規制ソレノイド付近の平面図である。
図12】回転リブが回転した場合の状態を示す図である。
図13】入出金装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、入出金装置の一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0013】
本実施形態の入出金装置は、硬貨を投入する硬貨投入孔と、投入された硬貨を金種ごとに格納する格納部と、硬貨を搬送する第1の出金ベルトと、第1の出金ベルトの上方に配置され、積み重なった硬貨を1枚に剥離する剥離ローラと、剥離ローラの硬貨搬送方向下流に設置され、硬貨の出金を規制する出金規制部と、出金規制部の硬貨搬送方向下流に設置され、硬貨の通過を検知する通過センサと、剥離ローラの硬貨搬送方向上流に設けられ、硬貨を回転させる硬貨回転手段と、通過センサの出力に基づいて硬貨が出金されないと判定した場合、第1の出金ベルトを所定距離だけ逆送させ、硬貨回転手段を駆動させて硬貨を回転させ、再度前記第1の出金ベルトを出金方向に駆動させる制御部と、を備える。
【0014】
図1は、入出金装置1を備えるPOS端末2の外観斜視図である。図1に示すように、入出金装置1は、POS(Point of sales)端末2及び紙幣入出金装置3と共に使用される。
【0015】
入出金装置1は硬貨を入金し、金種ごとに格納する。入出金装置1は、POS端末2からの指示に従って、支持された金種を指示された枚数だけ出金する。
【0016】
図2は、入出金装置1の構成を示す平面図である。図2に示すように、入出金装置1は、硬貨を投入する硬貨投入孔22と、不良硬貨を排出する排出口24と、出金された硬貨を受ける受皿21と、硬貨を金種ごとに格納する格納部48と、図13に示す制御部101と、を備える。
【0017】
また、入出金装置1は、硬貨Cを搬送する硬貨搬送路42と、硬貨搬送路42にそって設置されるガイド44と、硬貨Cの金種を識別する磁気センサ41と、不良硬貨を排出する排出口43A及びシャッタ43Bと、硬貨Cを金種ごとに選別する選別孔46と、を備える。
【0018】
入出金装置1は制御部101によって動作が制御される。
【0019】
投入された硬貨Cは、硬貨搬送路42の上方に設けられる無端状の搬送ベルトによって硬貨搬送路42をガイド44に沿って矢印X1に示す方向に搬送される。
【0020】
磁気センサ41は、磁束の変化によって硬貨Cの金属の種類を識別し、硬貨でない異物や不良硬貨を検知する。入出金装置1は、磁気センサの出力によって投入された物が降下でないと判定した場合、シャッタ43Bを開き、排出口43Aからその異物を排出口24に排出する。
【0021】
硬貨であると判定された硬貨Cは、搬送ベルトによって矢印X2に示すように選別孔46に搬送される。選別孔46は、金種ごとに異なった大きさの穴45が開いており、最も小さな硬貨から順に下方の格納部48に落下する。
【0022】
入出金装置1は、選別孔46の下部に金種ごとに落下する硬貨を検知する金種センサ47A乃至47F(以下、金種センサ47A乃至47Fを金種センサ47という。)を備える。
【0023】
入出金装置1は、金種センサ47の出力に基づいて金種ごとの格納枚数をカウントする。入出金装置1は、格納部48に格納された硬貨の金種ごとの枚数をPOS端末2に送信する。
【0024】
図3は、格納部48の分解斜視図である。図3に示すように、格納部48は、金種ごとに格納された硬貨を搬送する出金ベルト53と、出金ベルト53の上方に設置され、出金ベルト53の上の硬貨を1枚に剥離する剥離ローラ52と、剥離ローラ52の硬貨搬送方向下流に設けられ、硬貨の出金を規制する出金規制部である規制ソレノイド51と、を備える。
【0025】
図4は、格納部48の規制ソレノイド51付近の側面図である。また、図5は、格納部48の規制ソレノイド51付近の平面図である。
【0026】
図4及び図5に示すように、入出金装置1は、出金ベルト53を駆動させる駆動ローラ55と、出金した硬貨の金種を検知する金種磁気センサ54と、硬貨の通過を検知する通過センサ56と、をさらに備える。
【0027】
入出金装置1は、硬貨Cを出金ベルト53に載置し、駆動ローラ55を駆動させて矢印X4に示す排出方向に搬送する。
【0028】
入出金装置1は剥離ローラ52を矢印X5に示すように出金ベルト53とは逆方向に回転させて積み重なった硬貨Cを1枚に剥離する。規制ソレノイド51は硬貨Cの出金を規制する規制バー51Aを備える。
【0029】
入出金装置1は、POS端末2からの出金指示があった場合、出金動作として出金ベルト53を出金方向X4に回転させて硬貨Cを搬送し、剥離ローラ52を出金方向とは逆方向X5に回転させて硬貨Cを1枚に剥離し、規制ソレノイド51を制御して規制バー51Aを引き上げる。
【0030】
従って、硬貨Cは1枚ずつ出金される。入出金装置1は、通過センサ56によって硬貨Cが通過した枚数を、また金種磁気センサ54によって出金した硬貨の金種を検知する。
【0031】
入出金装置1は、POS端末2によって指定された金種ごとの枚数を出金した場合、規制ソレノイド51を制御して規制バー51Aを下ろし、駆動ローラ55及び剥離ローラ52の駆動を停止させる。
【0032】
(第1の実施形態)
図6は、本実施形態に係る入出金装置1の規制ソレノイド51付近の側面図である。また、図7は、本実施形態に係る入出金装置1の規制ソレノイド51付近の平面図である。
【0033】
図6及び図7に示すように、本実施形態の入出金装置1は、さらに硬貨Cを出金のために搬送する硬貨出金路の幅方向一端部に設けられ、出金ベルト53上の硬貨Cを回転させる摩擦ピン61Aを有する摩擦ピン駆動部である摩擦ソレノイド61を備える。
【0034】
摩擦ピン61Aは、摩擦力のある材質、例えばゴム、合成樹脂、金属などによって形成される。
【0035】
入出金装置1は、出金動作を開始して所定時間内に通過センサ56によって硬貨Cの通過が検知されないと判定した場合、次の第1の排出動作を行う。
【0036】
入出金装置1は出金ベルト53を所定距離だけ逆送させる。
【0037】
次に、入出金装置1は上がっていた摩擦ピン61Aを、摩擦ソレノイド61を制御して硬貨Cに接触する位置まで下ろす。
【0038】
次に、入出金装置1は再び出金ベルト53を図7の矢印X4の出金方向に駆動させる。この際、硬貨Cは摩擦ピン61Aに端部が引っ掛かり、矢印X6に示す方向に回転する。
【0039】
従って、入出金装置1は、硬貨Cが折れ曲がった変形硬貨であっても規制バー51A及び規制ソレノイド51に引っかからずに出金させることが可能となる。
【0040】
入出金装置1は、第1の排出動作を所定回数、例えば3回行っても硬貨Cを出金できないと判定した場合、硬貨詰まりエラーをPOS端末2に送信する。
【0041】
以上述べたように、本実施形態の入出金装置1は、硬貨Cを投入する硬貨投入孔22と、投入された硬貨Cを金種ごとに格納する格納部48と、硬貨Cを搬送する出金ベルト53と、出金ベルト53の上方に配置され、積み重なった硬貨を1枚に剥離する剥離ローラ52と、剥離ローラ52の硬貨搬送方向下流に設置され、硬貨Cの出金を規制する出金規制部と、出金規制部の硬貨搬送方向下流に設置され、硬貨Cの通過を検知する通過センサ56と、硬貨Cを出金のために搬送する硬貨出金路の幅方向一端部に設けられ、出金ベルト53上の硬貨Cを回転させる摩擦ピン61Aを有する摩擦ピン駆動部と、通過センサ56の出力に基づいて硬貨Cが出金されないと判定した場合、出金ベルト53を所定距離だけ逆送させ、摩擦ピン駆動部に摩擦ピン61Aを下ろさせ、再度出金ベルト53を出金方向に駆動させる制御部101と、を備える。
【0042】
従って、硬貨詰まりを低減することができるという効果がある。
【0043】
(第2の実施形態)
図8は、本実施形態に係る入出金装置1の規制ソレノイド51付近の側面図である。また、図9は、本実施形態に係る入出金装置1の規制ソレノイド51付近の平面図である。
【0044】
図8及び図9に示すように、本実施形態の入出金装置1は、第1の実施形態における出金ベルト53及び駆動ローラ55の代わりに、第1の出金ベルト53A及び第1の出金ベルト53Aを駆動させる第1の駆動ローラ55Aと、第1の出金ベルト53Aに平行に設置される第2の出金ベルト53B及び第2の出金ベルト53Bを駆動させる第2の駆動ローラ55Bと、を備える。
【0045】
入出金装置1は、通常は第1の出金ベルト53A及び第2の出金ベルト53Bを同じ速度により出金方向X4に回転させる。
【0046】
入出金装置1は、出金動作を開始して所定時間内に通過センサ56によって硬貨Cの通過が検知されないと判定した場合、次の動作を行う。
【0047】
(第2の排出動作)
入出金装置1は出金ベルト53を所定距離だけ逆送させる。
【0048】
次に、入出金装置1は第1の出金ベルト53Aと第2の出金ベルト53Bのいずれか一方を出金方向X4に回転させ、他方を出金方向とは逆方向X7に所定時間だけ回転させる。この際、硬貨Cは矢印X6の様に回転する。
【0049】
次に、入出金装置1は再び第1の出金ベルト53A及び第2の出金ベルト53Bを同じ速度により出金方向X4に回転させる。
【0050】
従って、入出金装置1は、硬貨Cが折れ曲がった変形硬貨であっても規制バー51A及び規制ソレノイド51に引っかからずに出金させることが可能となる。
【0051】
入出金装置1は、第1の排出動作を所定回数、例えば3回行っても硬貨Cを出金できないと判定した場合、硬貨詰まりエラーをPOS端末2に送信する。
【0052】
(第3の排出動作)
入出金装置1は出金ベルト53を所定距離だけ逆送させる。
【0053】
次に、入出金装置1は第1の出金ベルト53Aと第2の出金ベルト53Bのいずれか一方を通常の速度にて出金方向X4に回転させ、他方を通常の速度とは異なる速度にて出金方向X4に所定時間だけ回転させる。この際、硬貨Cは矢印X6の様に回転する。
【0054】
次に、入出金装置1は再び第1の出金ベルト53A及び第2の出金ベルト53Bを同じ速度により出金方向X4に回転させる。
【0055】
従って、入出金装置1は、硬貨Cが折れ曲がった変形硬貨であっても規制バー51A及び規制ソレノイド51に引っかからずに出金させることが可能となる。
【0056】
入出金装置1は、第1の排出動作を所定回数、例えば3回行っても硬貨Cを出金できないと判定した場合、硬貨詰まりエラーをPOS端末2に送信する。
【0057】
以上述べたように、本実施形態の入出金装置1は、硬貨Cを投入する硬貨投入孔22と、投入された硬貨Cを金種ごとに格納する格納部48と、硬貨Cを搬送する第1の出金ベルト53A及び第2の出金ベルト53Bと、第1の出金ベルト53A及び第2の出金ベルト53Bの上方に配置され、積み重なった硬貨を1枚に剥離する剥離ローラ52と、剥離ローラ52の硬貨搬送方向下流に設置され、硬貨Cの出金を規制する出金規制部と、出金規制部の硬貨搬送方向下流に設置され、硬貨Cの通過を検知する通過センサ56と、通過センサ56の出力に基づいて硬貨Cが出金されないと判定した場合、第1の出金ベルト53Aと第2の出金ベルト53Bのいずれか一方を出金方向X4に回転させ、他方を出金方向とは逆方向X7に所定時間だけ回転させ、再び第1の出金ベルト53A及び第2の出金ベルト53Bを同じ速度により出金方向X4に回転させる制御部101と、を備える。
【0058】
従って、より効率よく硬貨詰まりを低減することができるという効果がある。
【0059】
(第3の実施形態)
図10は、本実施形態に係る入出金装置1の規制ソレノイド51付近の側面図である。また、図11は、本実施形態に係る入出金装置1の規制ソレノイド51付近の平面図である。図12は、回転リブ81が回転した場合の状態を示す図である。
【0060】
図10乃至図12に示すように、本実施形態の入出金装置1は、第1の実施形態における出金ベルト53及び駆動ローラ55の代わりに、第1の出金ベルト53A及び第1の出金ベルト53Aを駆動させる第1の駆動ローラ55Aと、第1の出金ベルト53Aに平行に設置される第2の出金ベルト53B及び第2の出金ベルト53Bを駆動させる第2の駆動ローラ55Bと、剥離ローラ52の硬貨搬送方向上流かつ第1の出金ベルト53A及び第2の出金ベルト53Bの間に設置され、硬貨Cを裏返す回転リブ81と、回転リブ81を回転させる回転ソレノイド82と、を備える。
【0061】
回転リブ81は、アクチュエータ81Bを備え、アクチュエータ81Bが回転ソレノイド82によって押圧された場合、回転中心81Aを中心に回転し、硬貨Cを裏返す。
【0062】
入出金装置1は、第1の出金ベルト53A及び第2の出金ベルト53Bを同じ速度により出金方向X4に回転させる。
【0063】
入出金装置1は、出金動作を開始して所定時間内に通過センサ56によって硬貨Cの通過が検知されないと判定した場合、次の動作を行う。
【0064】
(第4の排出動作)
入出金装置1は出金ベルト53を所定距離だけ逆送させる。
【0065】
次に、入出金装置1は回転ソレノイド82を駆動させ、回転リブ81を回転させて硬貨Cを裏返す。
【0066】
次に、入出金装置1は、再び第1の出金ベルト53A及び第2の出金ベルト53Bを同じ速度により出金方向X4に回転させる。
【0067】
従って、入出金装置1は、硬貨Cが折れ曲がった変形硬貨であっても規制バー51A及び規制ソレノイド51に引っかからずに出金させることが可能となる。
【0068】
入出金装置1は、第1の排出動作を所定回数、例えば3回行っても硬貨Cを出金できないと判定した場合、硬貨詰まりエラーをPOS端末2に送信する。
【0069】
なお、第4の排出動作は、第2の排出動作又は第3の排出動作を行っても硬貨が出金できないと判定した場合に行うように構成することもできる。
【0070】
以上述べたように、本実施形態の入出金装置1は、硬貨Cを投入する硬貨投入孔22と、投入された硬貨Cを金種ごとに格納する格納部48と、硬貨Cを搬送する第1の出金ベルト53A及び第2の出金ベルト53Bと、第1の出金ベルト53A及び第2の出金ベルト53Bの上方に配置され、積み重なった硬貨を1枚に剥離する剥離ローラ52と、剥離ローラ52の硬貨搬送方向下流に設置され、硬貨Cの出金を規制する出金規制部と、出金規制部の硬貨搬送方向下流に設置され、硬貨Cの通過を検知する通過センサ56と、剥離ローラ52の硬貨搬送方向上流かつ第1の出金ベルト53A及び第2の出金ベルト53Bの間に設置され、硬貨Cを裏返す回転リブ81と、回転リブ81を回転させる回転ソレノイド82と、通過センサ56の出力に基づいて硬貨Cが出金されないと判定した場合、第1の出金ベルト53Aと第2の出金ベルト53Bを出金方向とは逆方向X7に所定時間だけ回転させ、回転ソレノイド82を駆動させることにより回転リブ81を回転させて硬貨Cを裏返し、再び第1の出金ベルト53A及び第2の出金ベルト53Bを同じ速度により出金方向X4に回転させる制御部101と、を備える。
【0071】
従って、より確実に硬貨詰まりを低減することができるという効果がある。
【0072】
(入出金装置の構成)
図13は、入出金装置1の構成を示すブロック図である。図13に示すように、入出金装置1は、演算装置であるCPU(central processing unit)を含む制御部101と、メモリ、ハードディスクドライブなどの記憶装置を含む記憶部102と、通信を行う通信部103と、剥離ローラ52を駆動させる剥離ローラ駆動部104と、出金ベルト53を駆動させる出金ベルト駆動部105と、通過センサ56と、磁気センサ54と、規制ソレノイド51を駆動させる規制ソレノイド駆動部106と、摩擦ソレノイド61を駆動させる摩擦ソレノイド駆動部107と、回転ソレノイド82を駆動させる回転ソレノイド駆動部108と、を備える。
【0073】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0074】
1:入出金装置
48:格納部
51:規制ソレノイド
52:剥離ローラ
53:出金ベルト
81:回転リブ
図1
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図13