特許第6073887号(P6073887)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6073887エンコーダケイパビリティの動的シグナリングの仕組み
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073887
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】エンコーダケイパビリティの動的シグナリングの仕組み
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20170123BHJP
   H04W 80/10 20090101ALI20170123BHJP
【FI】
   H04M11/00 302
   H04W80/10
【請求項の数】28
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2014-525557(P2014-525557)
(86)(22)【出願日】2012年8月17日
(65)【公表番号】特表2014-529938(P2014-529938A)
(43)【公表日】2014年11月13日
(86)【国際出願番号】IB2012054202
(87)【国際公開番号】WO2013024464
(87)【国際公開日】20130221
【審査請求日】2015年7月3日
(31)【優先権主張番号】61/524,386
(32)【優先日】2011年8月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/531,796
(32)【優先日】2011年9月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100128587
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 一騎
(72)【発明者】
【氏名】ラビプール、ラフィ
(72)【発明者】
【氏名】チュ、チョンチュン
(72)【発明者】
【氏名】コーン、ダニエル
【審査官】 藤江 大望
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2003/0210659(US,A1)
【文献】 国際公開第2007/098783(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0219244(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0146019(US,A1)
【文献】 国際公開第2010/117326(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/063417(WO,A1)
【文献】 Zheng Fang,RTP payload format for Enhanced Variable Rate Narrowband-Wideband Codec(EVRC-NW),draft-zfang-avt-rtp-evrc-nw-02,2010年 2月10日
【文献】 Enhanced Variable Rate Codec, Speech Service Options 3, 68, 70, and 73 for Wideband Spread Spectrum Digital Systetms,3GPP2 C.S0014-D,2010年10月,version 3.0
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24−7/26
H04M3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
H04W4/00−8/24
8/26−16/32
24/00−28/00
28/02−72/02
72/04−74/02
74/04−74/06
74/08−84/10
84/12−88/06
88/08−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルラ通信システム内の制御ノードであって、
前記制御ノードを第1の通信ノード及びコアネットワークへ通信可能に結合するように構成される1つ以上の通信インタフェースであって、当該第1の通信ノードは、複数の予め定義されるエンコーダモードのうちの少なくとも1つのサブセットにおいて動作することが可能であるボイスエンコーダを含むボコーダを備える、当該1つ以上の通信インタフェースと、
前記1つ以上の通信インタフェースに関連付けられる処理サブシステムであって、前記第1の通信ノードと第2の通信ノードとの間の呼に関連して、前記第1の通信ノードの前記ボコーダの前記ボイスエンコーダについてのケイパビリティ情報を、前記第2の通信ノードについての第2の制御ノードへ前記コアネットワークを介して送信するように構成され、前記第1の通信ノードの前記ボコーダの前記ボイスエンコーダについての当該ケイパビリティ情報は、前記ボイスエンコーダが動作することが可能である前記複数の予め定義されたエンコーダモードのうちの前記少なくとも1つのサブセットを示す、前記処理サブシステムと、
を備え
前記処理サブシステムは、
前記第1の通信ノードの前記ボコーダの前記ボイスエンコーダによってエンコードされた、エンコード済みスピーチを受信し、
前記エンコード済みスピーチをRTPパケットにおいて前記第2の制御ノードへ前記コアネットワーク上で送信し、及び、
前記第1の通信ノードと前記第2の通信ノードとの間の前記呼の期間中、前記ボイスエンコーダについての前記ケイパビリティ情報を前記第2の通信ノードへ前記RTPパケットのペイロードヘッダの中の1つ以上のケイパビリティビットを介して動的に送信する、
ように構成される、制御ノード。
【請求項2】
前記制御ノードは、前記第1の通信ノードにサービスを提供する基地局コントローラである、請求項1に記載の制御ノード。
【請求項3】
前記制御ノードは、前記第1の通信ノードにサービスを提供する基地局についてのモバイルスイッチングセンタである、請求項1に記載の制御ノード。
【請求項4】
前記処理サブシステムは、前記ボイスエンコーダについての前記ケイパビリティ情報を、当該ボイスエンコーダからのエンコード済みスピーチの帯域内で前記第2の制御ノードへ送信するようにさらに構成される、請求項1に記載の制御ノード。
【請求項5】
前記複数の予め定義されるエンコーダモードは、1つ以上の広帯域エンコーダモード及び1つ以上の狭帯域エンコーダモードを含む、請求項1に記載の制御ノード。
【請求項6】
前記ボイスエンコーダについての前記ケイパビリティ情報は、当該ボイスエンコーダが前記1つ以上の広帯域エンコーダモードにおいて動作することが可能であるかを示す、請求項に記載の制御ノード。
【請求項7】
前記1つ以上のケイパビリティビットは、前記RTPパケットの前記ペイロードヘッダのビット0及びビット1のうちの少なくとも1つを含む、請求項に記載の制御ノード。
【請求項8】
前記ボコーダは、EVRC−NWボコーダである、請求項に記載の制御ノード。
【請求項9】
前記1つ以上のケイパビリティビットは、前記RTPパケットの前記ペイロードヘッダのビット1である、請求項に記載の制御ノード。
【請求項10】
前記1つ以上の広帯域エンコーダモードは、1つの広帯域エンコーダモードを含み、前記処理サブシステムは、前記ボイスエンコーダが当該広帯域エンコーダモードにおいて動作することが可能である場合、前記RTPパケットの前記ペイロードヘッダのビット1を0に設定することによって、前記ボイスエンコーダについての前記ケイパビリティ情報を送信するようにさらに構成される、請求項に記載の制御ノード。
【請求項11】
前記処理サブシステムは、前記ボイスエンコーダが前記1つ以上の狭帯域エンコーダモードのみにおいて動作することが可能である場合、前記RTPパケットの前記ペイロードヘッダのビット1を1に設定することによって、前記ボイスエンコーダについての前記ケイパビリティ情報を送信するようにさらに構成される、請求項10に記載の制御ノード。
【請求項12】
前記ボコーダは、EVRC−NWボコーダである、請求項10に記載の制御ノード。
【請求項13】
前記第1の通信ノードと前記第2の通信ノードとの間の前記呼の期間中、前記処理サブシステムは、
前記第1の通信ノードの前記ボコーダの前記ボイスエンコーダによってエンコードされた前記エンコード済みスピーチを、前記RTPパケットを含む複数のRTPパケットにおいて前記第2の制御ノードへ前記コアネットワークを介して送信し、及び、
前記ボイスエンコーダについての前記ケイパビリティ情報を前記第2の通信ノードへ前記複数のRTPパケットの各々のペイロードヘッダ中の1つ以上のケイパビリティビットを介して送信する、
ようにさらに構成される、請求項に記載の制御ノード。
【請求項14】
セルラ通信システム内の制御ノードの動作の方法であって、当該制御ノードは、複数の予め定義されるエンコーダモードのうちの少なくとも1つのサブセットにおいて動作することが可能であるボイスエンコーダを含むボコーダを備える第1の通信ノードに通信可能に結合され、
前記第1の通信ノードと第2の通信ノードとの間の呼に関連して、前記第1の通信ノードの前記ボコーダの前記ボイスエンコーダについてのケイパビリティ情報を前記第2の通信ノードについての第2の制御ノードへ送信することと、前記ボイスエンコーダについての前記ケイパビリティ情報は、当該ボイスエンコーダが動作することが可能である前記複数の予め定義されるエンコーダモードのうちの前記少なくとも1つのサブセットを示すことと、
前記複数の予め定義されるエンコーダモードのうちの前記少なくとも1つのサブセットからの好適なエンコーダモードを識別するエンコーダモード要求を前記第2の制御ノードから受信することと、
前記第1の通信ノードの前記ボコーダの前記ボイスエンコーダによってエンコードされたエンコード済みスピーチを受信することと、
前記エンコード済みスピーチをRTPパケットにおいて前記第2の制御ノードへ送信することと、
前記第1の通信ノードと前記第2の通信ノードとの間の前記呼の期間中、前記ボイスエンコーダについての前記ケイパビリティ情報を前記第2の通信ノードへ前記RTPパケットのペイロードヘッダの中の1つ以上のケイパビリティビットを介して動的に送信することと、
を含む、方法。
【請求項15】
制御ノードであって、
前記制御ノードを第1の通信ノード及びコアネットワークに通信可能に結合するように構成される1つ以上の通信インタフェースと、
前記1つ以上の通信インタフェースに関連付けられる処理サブシステムであって、
前記第1の通信ノードと第2の通信ノードとの間の呼に関連して、前記第2の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダが動作することが可能である複数の予め定義されたエンコーダモードのうちの少なくとも1つのサブセットを示す、前記第2の通信ノードの前記ボコーダの前記ボイスエンコーダについてのケイパビリティ情報を、前記第2の通信ノードについての第2の制御ノードから前記コアネットワークを介して受信し、
前記第2の通信ノードの前記ボコーダの前記ボイスエンコーダについての前記ケイパビリティ情報に基づいて、前記第2の通信ノードの前記ボコーダの前記ボイスエンコーダについての好適なエンコーダモードを選択し、及び、
前記第2の通信ノードの前記ボコーダの前記ボイスエンコーダについての前記好適なエンコーダモードを識別するエンコーダモード要求を前記第2の制御ノードへ送信する、
するように構成される、前記処理サブシステムと、
を備え
前記処理サブシステムは、
前記第2の通信ノードの前記ボコーダの前記ボイスエンコーダによってエンコードされたエンコード済みスピーチを、RTPパケットにおいて前記第2の制御ノードから前記コアネットワークを介して受信し、及び、
前記第1の通信ノードと前記第2の通信ノードとの間の前記呼の期間中、前記第2の通信ノードの前記ボコーダの前記ボイスエンコーダについての前記ケイパビリティ情報を、前記RTPパケットのペイロードヘッダの中の1つ以上のケイパビリティビットを介して動的に受信する、
ように構成される、制御ノード。
【請求項16】
前記制御ノードは、前記第1の通信ノードにサービスを提供する基地局コントローラである、請求項15に記載の制御ノード。
【請求項17】
前記制御ノードは、前記第1の通信ノードにサービスを提供する基地局についてのモバイルスイッチングセンタである、請求項15に記載の制御ノード。
【請求項18】
前記処理サブシステムは、前記第2の通信ノードの前記ボコーダの前記ボイスエンコーダについての前記ケイパビリティ情報を、前記第2の制御ノードからのエンコード済みスピーチの帯域内で受信するようにさらに構成される、請求項15に記載の制御ノード。
【請求項19】
前記複数の予め定義されるエンコーダモードは、1つ以上の広帯域エンコーダモード及び1つ以上の狭帯域エンコーダモードを含む、請求項15に記載の制御ノード。
【請求項20】
前記第2の通信ノードの前記ボコーダの前記ボイスエンコーダについての前記ケイパビリティ情報は、前記第2の通信ノードの前記ボコーダの前記ボイスエンコーダが前記1つ以上の広帯域エンコーダモードにおいて動作することが可能であるかを示す、請求項19に記載の制御ノード。
【請求項21】
前記1つ以上のケイパビリティビットは、前記RTPパケットの前記ペイロードヘッダのビット0及びビット1のうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載の制御ノード。
【請求項22】
前記ボコーダは、EVRC−NWボコーダである、請求項21に記載の制御ノード。
【請求項23】
前記1つ以上のケイパビリティビットは、前記RTPパケットの前記ペイロードヘッダのビット1である、請求項20に記載の制御ノード。
【請求項24】
前記1つ以上の広帯域エンコーダモードは、1つの広帯域エンコーダモードを含み、前記RTPパケットの前記ペイロードヘッダのビット1は、前記第2の通信ノードの前記ボコーダの前記ボイスエンコーダが当該広帯域エンコーダモードにおいて動作することが可能である場合、0に設定される、請求項23に記載の制御ノード。
【請求項25】
前記RTPパケットの前記ペイロードヘッダのビット1は、前記第2の通信ノードの前記ボイスエンコーダが前記1つ以上の狭帯域エンコーダモードのみにおいて動作することが可能である場合、1に設定される、請求項24に記載の制御ノード。
【請求項26】
前記ボコーダは、EVRC−NWボコーダである、請求項24に記載の制御ノード。
【請求項27】
前記第1の通信ノードと前記第2の通信ノードとの間の前記呼の期間中、前記処理サブシステムは、
前記第2の通信ノードの前記ボコーダの前記ボイスエンコーダによってエンコードされたエンコード済みスピーチを、前記RTPパケットを含む複数のRTPパケットにおいて前記第2の制御ノードから前記コアネットワークを介して受信し、及び、
前記第2の通信ノードの前記ボコーダの前記ボイスエンコーダについての前記ケイパビリティ情報を、前記複数のRTPパケットの各々のペイロードヘッダ中の1つ以上のケイパビリティビットを介して受信する、
ようにさらに構成される、請求項15に記載の制御ノード。
【請求項28】
セルラ通信システム内の第1の通信ノードについての制御ノードの動作の方法であって、
第2の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダについてのケイパビリティ情報を前記第2の通信ノードについての第2の制御ノードから受信することと、前記第2の通信ノードの前記ボコーダの前記ボイスエンコーダについての前記ケイパビリティ情報は、前記第2の通信ノードの前記ボコーダの前記ボイスエンコーダが動作することが可能である複数の予め定義されたエンコーダモードのうちの少なくとも1つのサブセットを示すことと、
前記第2の通信ノードの前記ボコーダの前記ボイスエンコーダについての前記ケイパビリティ情報に基づいて、前記第2の通信ノードの前記ボコーダの前記ボイスエンコーダについての好適なエンコーダモードを選択することと、
前記第2の通信ノードの前記ボコーダの前記ボイスエンコーダについての前記好適なエンコーダモードを識別するエンコーダモード要求を前記第2の制御ノードへ送信することと、
前記第2の通信ノードの前記ボコーダの前記ボイスエンコーダによってエンコードされたエンコード済みスピーチを、RTPパケットにおいて前記第2の制御ノードからコアネットワークを介して受信することと、
前記第1の通信ノードと前記第2の通信ノードとの間の呼の期間中、前記第2の通信ノードの前記ボコーダの前記ボイスエンコーダについての前記ケイパビリティ情報を、前記RTPパケットのペイロードヘッダの中の1つ以上のケイパビリティビットを介して動的に受信することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2011年8月17日に出願された仮特許出願第61/524,386号及び2011年9月9日に出願された仮特許出願第61/531,796号の利益を主張し、これらの開示内容は、その全体が参照によって本明細書に包含される。
【0002】
開示分野
本開示は、広帯域エンコーダに関し、特に、エンコーダケイパビリティの動的シグナリングに関する。
【背景技術】
【0003】
有線通信デバイス間又は無線通信デバイス間で通信される音声又はスピーチの品質及び明瞭度における大きな改善を可能にするために、広帯域スピーチエンコーダが過去数年にわたり導入されてきた。典型的に、広帯域スピーチエンコーダは、多くの異なるエンコーダモードで動作可能なボイスエンコーダを備え、所与の呼についてのエンコーダモードの選択は、特定の通信技術に関連する標準に部分的に依存するルールのセットの影響を受ける。一般に、所与の呼についてのエンコーダモードは、当該エンコーダモードが広帯域エンコーダモード又は狭帯域エンコーダモードとなるように選択され得る。ここで、当該選択は、上記呼がセットアップされるときに用いられるシグナリングプロトコルに基づき、又は、代替的に、ベアラの信号パケットを介して交換される帯域内シグナリングに基づく。一例として、第3世代パートナーシッププロジェクト2(3GPP2:Third Generation Partnership Project 2)のエンハンスト可変レートコーデック−狭帯域/広帯域(EVRC−NW:Enhanced Variable Rate Codec−Narrowband-Wideband)ボコーダは、1つの広帯域エンコーダモード及び複数の狭帯域エンコーダモードを備える。現在のところ、EVRC−NWボコーダのエンコーダモードは、好適なエンコーダモードについての要求の送信に基づいて判定される。
【0004】
より具体的には、EVRC−NWボコーダを備える2つのモバイル端末(モバイル端末A及びモバイル端末B)間で呼が確立される場合、コアネットワーク上でセルラ通信システム内の対応する制御ノード(例えば、基地局又はモバイルスイッチングセンタ)間にベアラパスが確立される。このベアラパスは、エンコード済みスピーチをモバイル端末の制御ノード間で搬送するために用いられる。符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)セルラ通信システム及びボコーダのEVRCファミリーについて、コアネットワーク上のベアラパスは、リアルタイムプロトコル(RTP)パケットを介して提供される。図1に示されるように、例えば、インターネットエンジニアリングタスクフォース(IETF)のRFC(Request for Comment)4788において仕様化されているように、エンコーダモード要求は、エンコード済みスピーチを搬送するためにコアネットワーク上で送信されるRTPパケットのペイロードヘッダ中のMMMフィールドと呼ばれる専用フィールドに含まれる。
【0005】
留意すべきことは、RTPパケットが、ヘッダ及びペイロードを有することである。RTPパケットヘッダは、タイムスタンプ、シーケンス番号等といった情報を搬送する。RTPパケットヘッダ情報は、包括的であり、及び、典型的に、ペイロードから独立している。RTPパケットのペイロードは、ビデオ、オーディオ、テキスト等といった任意のメディアペイロードとすることができる。ここで、RTPパケットのペイロードは、エンコード済みスピーチをコアネットワーク上で搬送するために用いられる。具体的には、ペイロードは、EVRC−NWのエンコード済みスピーチを搬送する。EVRC−NWペイロードには、それ自体のヘッダが定義されており、当該ヘッダは、RTPパケットヘッダとは異なる。EVRC−NWペイロードヘッダは、図1に示されるようなMMMフィールドを含む。
【0006】
EVRC−NWボコーダについての現行のエンコーダ選択スキームに関する1つの論点は、好適なエンコーダモードについての要求が遠端(far-end)のボコーダのボイスエンコーダの当該要求に適応するための現在のケイパビリティを認識せずに送信されることである。より具体的には、モバイル端末Aとモバイル端末Bとの間の呼の場合、モバイル端末Aについての制御ノードは、モバイル端末Bのボイスエンコーダの現在のケイパビリティ又は呼の構成に起因して課され得る制約を認識せずに、好適なエンコーダモードを、モバイル端末Bのボイスエンコーダについて選択し及び要求する。同様に、モバイル端末Bについての制御ノードは、モバイル端末Aのボイスエンコーダの現在のケイパビリティを認識せずに、好適なエンコーダモードを、モバイル端末Aのボイスエンコーダについて選択し及び要求する。このため、例えば、モバイル端末Aが広帯域スピーチを受信し及びデコードすることが可能である場合、モバイル端末Aの制御ノードは、モバイル端末Bのボイスエンコーダ又は呼の構成が広帯域エンコーダモードにおける動作をサポートすることができるかに関わらず、広帯域エンコーダモードを継続的に要求するであろう。(例えば、通信ノードが広帯域モードをサポートしないこと、広帯域動作をサポートしないセクタにおいて通信ノードが動作しているために当該通信ノードは広帯域エンコーダモードをサポートするが、広帯域エンコーディングを現在は行うことができないこと、広帯域エンコーディングが事業者のローカルなポリシーによって許可されないこと等が理由で)モバイル端末Bのボイスエンコーダが広帯域エンコーディングを行うことができない場合、モバイル端末Bのボイスエンコーダは、モバイル端末Aの好適な狭帯域エンコーダモードではないかもしれない、何らかのデフォルトの狭帯域エンコーダモードを用いるであろう。換言すれば、モバイル端末Aは、モバイル端末Bのボイスエンコーダが広帯域エンコーディングを行うことができないことを認識せずに、及び、その結果として、好適な狭帯域エンコーダについてのプリファレンスをシグナリングすることができずに、狭帯域エンコーダモードのうちの1つに従ってエンコード済みスピーチを受信するであろう。
【0007】
無線ネットワーク事業者のサービスポリシーが(例えば、特に、広帯域スピーチの導入フェーズ期間中に消費者の満足度を最大化するために)広帯域動作に最も高い優先度を与えることとなる場合、上記の問題は悪化する。この場合において、広帯域エンコーダモードを要求し続けること以外に選択肢は無い。なぜなら、モバイル端末Bのボイスエンコーダが広帯域スピーチの送信を開始することをすぐに可能にし得る、広帯域スピーチをサポートする領域(territory)へのハンドオーバなどのイベントを、狭帯域スピーチの受信は排除しないためである。上記の議論を踏まえると、広帯域ボコーダ、及び、特に、EVRC−NWボコーダについての改良されたエンコーダモード選択スキームが必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、対応する通信ノードのボコーダのエンコーダケイパビリティを動的にシグナリングするためのシステム及び方法を提供する。一実施形態において、第1の通信ノードと第2の通信ノードとの間の呼の期間中、第1の通信ノードについての制御ノード(例えば、基地局コントローラ又はモバイルスイッチングセンタ)は、第1の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダについてのケイパビリティ情報を第2の通信ノードについての制御ノードへ送信する。第1の通信ノードのボイスエンコーダは、複数の予め定義されるエンコーダモードのうちの少なくとも幾つかにおいて動作することが可能である。好適には、予め定義されるエンコーダモードは、1つ又は場合によっては複数の広帯域エンコーダモードと、1つ以上の狭帯域エンコーダモードと、を含む。第1の通信ノードの制御ノードが第1の通信ノードのボイスエンコーダのケイパビリティ情報を第2の通信ノードについての制御ノードへ送信することの結果として、第2の通信ノードは、第1の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダのケイパビリティに基づいて、第1の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダについての好適なエンコーダモードを選択し及び要求することが可能となる。好適には、この処理は、上記呼の期間中に動的に繰り返され、それによって、第1の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダのエンコーダケイパビリティが当該呼の期間中に変化した場合、第2の通信ノードの制御ノードは、第1の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダの新たなエンコーダケイパビリティに基づいて、第1の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダについての好適なエンコーダモードを選択することが可能となる。
【0009】
一実施形態において、第1の通信ノードについての制御ノードは、第1の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダについてのケイパビリティ情報を、エンコード済みスピーチの帯域内で第2の通信ノードについての制御ノードへ送信する。1つの特定の実施形態において、第1の通信ノードのボコーダ及び第2の通信ノードのボコーダは、EVRC−NWボコーダであり、第1の通信ノードについての制御ノードは、第1の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダによってエンコードされた、エンコード済みスピーチを、RTPパケットのペイロードとして第2の通信ノードへコアネットワーク上で送信し、及び、第1の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダについてのケイパビリティ情報を、当該RTPパケットのペイロードヘッダ中で送信する。
【0010】
別の実施形態において、第1の通信ノードについての制御ノードは、第1の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダについてのケイパビリティ情報を、エンコード済みスピーチの帯域外で第2の通信ノードについての制御ノードへ送信する。1つの特定の実施形態において、第1の通信ノードのボコーダ及び第2の通信ノードのボコーダは、EVRC−NWボコーダであり、第1の通信ノードについての制御ノードは、第1の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダによってエンコードされた、エンコード済みスピーチを、RTPパケットのペイロードとして第2の通信ノードについての制御ノードへコアネットワーク上で送信し、及び、第1の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダについてのケイパビリティ情報を当該RTPパケットの帯域外で第2の通信ノードについての制御ノードへ送信する。一実施形態において、第1の通信ノードについての制御ノードは、ケイパビリティ情報をセッション記述プロトコル(SDP:Session Description Protocol)メッセージの属性として第2の通信ノードについての制御ノードへ送信する。
【0011】
また別の実施形態において、第1の通信ノードについての制御ノードは、第1の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダについてのケイパビリティ情報を、第2の通信ノードについての制御ノードへ制御メッセージを介して送信する。1つの特定の実施形態において、第1の通信ノードのボコーダ及び第2の通信ノードのボコーダは、EVRC−NWボコーダであり、第1の通信ノードについての制御ノードは、第1の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダによってエンコードされた、エンコード済みスピーチを、第2の通信ノードについての制御ノードへコアネットワーク上でRTPパケットのペイロードとして送信し、及び、第1の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダについてのケイパビリティ情報を、第2の通信ノードの制御ノードへRTP制御メッセージを介して送信する。
【0012】
別の実施形態において、第1の通信ノードと第2の通信ノードとの間の呼の期間中、第1の通信ノードについての制御ノードは、第2の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダについてのケイパビリティ情報を、第2の通信ノードについての制御ノードから受信する。第2の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダは、複数の予め定義されたエンコーダモードのうちの少なくとも幾つかにおいて動作することが可能である。好適には、予め定義されたエンコーダモードは、1つ以上の広帯域エンコーダモードと、1つ以上又はより好適には複数の狭帯域エンコーダモードと、を含む。第1の通信ノードについての制御ノードは、第2の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダのケイパビリティに基づいて、第2の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダについての好適なエンコーダモードを選択し、及び、当該好適なエンコーダモードについての要求を第2の通信ノードについての制御ノードへ送信する。好適には、第1の通信ノードについての制御ノードは、上記呼の期間中、第2の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダについてのケイパビリティ情報についての動的な更新を受信し、並びに、これに応じて、第2の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダについて選択される好適なエンコーダモードを更新し、及び当該好適なエンコーダモードについての対応する要求を第2の通信ノードについての制御ノードへ送信する。
【0013】
一実施形態において、第1の通信ノードについての制御ノードは、第2の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダについてのケイパビリティ情報を、第2の通信ノードについての制御ノードからのエンコード済みスピーチの帯域内で受信する。1つの特定の実施形態において、第1の通信ノードのボコーダ及び第2の通信ノードのボコーダは、EVRC−NWボコーダであり、第1の通信ノードについての制御ノードは、エンコード済みスピーチを第2の通信ノードについての制御ノードからコアネットワーク上でRTPパケットのペイロードとして受信し、及び第2の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダについてのケイパビリティ情報を当該RTPパケットのペイロードヘッダ中で受信する。
【0014】
別の実施形態において、第1の通信ノードについての制御ノードは、第2の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダについてのケイパビリティ情報を、エンコード済みスピーチの帯域外で第2の通信ノードのボコーダについての制御ノードから受信する。1つの特定の実施形態において、第1の通信ノードのボコーダ及び第2の通信ノードのボコーダは、EVRC−NWボコーダであり、第1の通信ノードについての制御ノードは、エンコード済みスピーチを第2の通信ノードについての制御ノードからコアネットワーク上でRTPパケットのペイロードとして受信し、及び、第2の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダについてのケイパビリティ情報を当該RTPパケットの帯域外で受信する。一実施形態において、第1の通信ノードについての制御ノードは、ケイパビリティ情報をSDPメッセージの属性として受信する。
【0015】
また別の実施形態において、第1の通信ノードについての制御ノードは、第2の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダについてのケイパビリティ情報を、制御メッセージを介して受信する。1つの特定の実施形態において、第1の通信ノードのボコーダ及び第2の通信ノードのボコーダは、EVRC−NWボコーダであり、第1の通信ノードについての制御ノードは、エンコード済みスピーチを第2の通信ノードについての制御ノードからコアネットワーク上でRTPパケットのペイロードとして受信し、及び第2の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダについてのケイパビリティ情報をRTP制御メッセージを介して受信する。
【0016】
別の実施形態において、第1の通信ノードと第2の通信ノードとの間の呼の期間中、第1の通信ノードについての制御ノードは、広帯域エンコーダモード要求インジケータ及び好適狭帯域エンコーダモード要求を第2の通信ノードについての制御ノードから受信する。これに応じて、第2の通信ノードについての制御ノードが広帯域エンコーダモードを要求していることを広帯域エンコーダモード要求インジケータが示し、且つ、第1の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダが当該広帯域エンコーダモードにおいて動作することが可能である場合、第1の通信ノードについての制御ノードは、当該広帯域エンコーダモードを所望のエンコーダモードとして選択する。そうではなく、第2の通信ノードについての制御ノードが広帯域エンコーダモードを要求していないことを広帯域エンコーダモード要求インジケータが示す場合、又は、第1の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダが当該広帯域エンコーダモードにおいて動作することができない場合、第1の通信ノードについての制御ノードは、好適狭帯域エンコーダモード要求によって識別される狭帯域エンコーダモードを所望のエンコーダモードとして選択する。第1の通信ノードについての制御ノードは、所望のエンコーダモードを第1の通信ノードへ送信する。これに応じて、第1の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダは、所望のエンコーダモードに従ってスピーチをエンコードし、及びエンコード済みスピーチを第1の通信ノードについての制御ノードへ第2の通信ノードへの送信のために送信する。好適には、この処理は、上記呼の期間中に動的に繰り返される。
【0017】
一実施形態において、広帯域エンコーダモード要求インジケータ及び好適狭帯域エンコーダモード要求の双方は、第2の通信ノードについての制御ノードからエンコード済みスピーチの帯域内で受信される。1つの特定の実施形態において、第1の通信ノードのボコーダ及び第2の通信ノードのボコーダは、EVRC−NWボコーダであり、第1の通信ノードについての制御ノードは、エンコード済みスピーチを第2の通信ノードについての制御ノードからコアネットワーク上でRTPパケットのペイロードとして受信し、並びに、広帯域エンコーダモード要求インジケータ及び好適狭帯域エンコーダモード要求を当該RTPパケットのペイロードヘッダ中で受信する。
【0018】
別の実施形態において、広帯域エンコーダモード要求インジケータは、エンコード済みスピーチの帯域外で第2の通信ノードについての制御ノードから受信される。1つの特定の実施形態において、第1の通信ノードのボコーダ及び第2の通信ノードのボコーダは、EVRC−NWボコーダであり、第1の通信ノードについての制御ノードは、エンコード済みスピーチを第2の通信ノードについての制御ノードからコアネットワーク上でRTPパケットのペイロードとして受信する。また、第1の通信ノードについての制御ノードは、好適狭帯域エンコーダモード要求をRTPパケットのペイロードヘッダ中で受信し、及び広帯域エンコーダモード要求インジケータを当該RTPパケットの帯域外で受信する。
【0019】
また別の実施形態において、広帯域エンコーダモード要求インジケータは、第2の通信ノードについての制御ノードから制御メッセージを介して受信される。1つの特定の実施形態において、第1の通信ノードのボコーダ及び第2の通信ノードのボコーダは、EVRC−NWボコーダであり、第1の通信ノードについての制御ノードは、エンコード済みスピーチを第2の通信ノードについての制御ノードからコアネットワーク上でRTPパケットのペイロードとして受信する。また、第1の通信ノードについての制御ノードは、好適な狭帯域エンコーダモードを上記RTPパケットのペイロードヘッダ中で受信し、及び広帯域エンコーダモード要求インジケータをRTP制御メッセージを介して受信する。
【0020】
別の実施形態において、第1の通信ノードと第2の通信ノードとの間の呼の期間中、第1の通信ノードについての制御ノードは、広帯域エンコーダモード要求インジケータ及び好適狭帯域エンコーダモード要求を第2の通信ノードについての制御ノードへ送信する。これに応じて、第1の通信ノードについての制御ノードは、第2の通信ノードのボコーダによってエンコードされた、エンコード済みスピーチを、第2の通信ノードについての制御ノードから受信し、及びエンコード済みスピーチを第1の通信ノードへ送信する。第1の通信ノードにおいて、上記エンコード済みスピーチは、第1の通信ノードのボコーダによってデコードされる。好適には、第1の通信ノードが広帯域エンコーダモードを要求していることを広帯域エンコーダモード要求インジケータが示し、且つ、第2の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダが当該広帯域エンコーダモードにおいて動作することが可能である場合、エンコード済みスピーチは、広帯域エンコーダモードに従ってエンコードされる。そうではなく、第1の通信ノードについての制御ノードが広帯域エンコーダモードを要求していないことを広帯域エンコーダモード要求インジケータが示す場合、又は第2の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダが広帯域エンコーダモードにおいて動作することができない場合、エンコード済みスピーチは、好適狭帯域エンコーダモード要求によって識別される狭帯域エンコーダモードに従ってエンコードされる。好適には、このプロセスは、上記呼の期間中に動的に繰り返される。
【0021】
一実施形態において、広帯域エンコーダモード要求インジケータ及び好適狭帯域エンコーダモード要求の双方は、第1の通信ノードについての制御ノードから第2の通信ノードについての制御ノードへ、エンコード済みスピーチの帯域内で送信される。1つの特定の実施形態において、第1の通信ノードのボコーダ及び第2の通信ノードのボコーダは、EVRC−NWボコーダであり、第1の通信ノードのボコーダ及び第2の通信ノードのボコーダは、EVRC−NWボコーダであり、第1の通信ノードについての制御ノードは、エンコード済みスピーチを第1の通信ノードのボコーダから第2の通信ノードについての制御ノードへコアネットワーク上でRTPパケットのペイロードとして送信し、及び、広帯域エンコーダモード要求インジケータ及び好適狭帯域エンコーダモード要求を当該RTPパケットのペイロードヘッダ中で送信する。
【0022】
別の実施形態において、広帯域エンコーダモード要求インジケータは、第1の通信ノードについての制御ノードから第2の通信ノードについての制御ノードへ、エンコード済みスピーチの帯域外で送信される。1つの特定の実施形態において、第1の通信ノードのボコーダ及び第2の通信ノードのボコーダは、EVRC−NWボコーダであり、第1の通信ノードについての制御ノードは、エンコード済みスピーチを第1の通信ノードのボコーダから第2の通信ノードについての制御ノードへコアネットワーク上でRTPパケットのペイロードとして送信する。また、第1の通信ノードについての制御ノードは、好適狭帯域エンコーダモード要求をRTPパケットのペイロードヘッダ中で送信し、及び広帯域エンコーダモード要求インジケータを当該RTPパケットの帯域外で送信する。
【0023】
また別の実施形態において、広帯域エンコーダモード要求インジケータは、第1の通信ノードについての制御ノードから第2の通信ノードについての制御ノードへ制御メッセージを介して送信される。1つの特定の実施形態において、第1の通信ノードのボコーダ及び第2の通信ノードのボコーダは、EVRC−NWボコーダであり、第1の通信ノードについての制御ノードは、エンコード済みスピーチを第1の通信ノードのボコーダから第2の通信ノードについての制御ノードへコアネットワーク上でRTPパケットのペイロードとして送信する。また、第1の通信ノードについての制御ノードは、好適狭帯域エンコーダモード要求を上記RTPパケットのペイロードヘッダ中で送信し、及び広帯域エンコーダモード要求インジケータをRTP制御メッセージを介して送信する。
【0024】
別の実施形態において、第1の通信ノードと第2の通信ノードとの間の呼の期間中、第1の通信ノードについての制御ノードは、1つ以上の狭帯域エンコーダモード要求の後の広帯域エンコーダモード要求を第2の通信ノードについての制御ノードから受信する。これに応じて、第1の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダが広帯域エンコーダモードにおいて動作することが可能である場合、第1の通信ノードについての制御ノードは、当該広帯域エンコーダモードを所望のエンコーダモードとして選択する。そうではなく、第1の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダが広帯域エンコーダモードにおいて動作することができない場合、第1の通信ノードについての制御ノードは、1つ以上の狭帯域エンコーダモード要求によって識別される狭帯域エンコーダモードを所望のエンコーダモードとして選択する。第1の通信ノードについての制御ノードは、所望のエンコーダモードのインジケータを第1の通信デバイスへ送信する。これに応じて、第1の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダは、所望のエンコーダモードに従ってスピーチをエンコードし、及びエンコード済みスピーチを第1の通信ノードについての制御ノードへ送信する。第1の通信ノードについての制御ノードは、エンコード済みスピーチを第2の通信ノードの制御ノードへ送信する。好適には、この処理は、上記呼の期間中に動的に繰り返される。
【0025】
1つの特定の実施形態において、第1の通信ノードのボコーダ及び第2の通信ノードのボコーダは、EVRC−NWボコーダであり、第1の通信ノードについての制御ノードは、第2の通信ノードのボコーダによってエンコードされた、エンコード済みスピーチを、第2の通信ノードについての制御ノードからコアネットワーク上で複数のRTPパケットのペイロードとして受信する。また、第1の通信ノードについての制御ノードは、広帯域エンコーダモード要求及び1つ以上の狭帯域エンコーダモード要求を、対応する複数のRTPパケットのペイロードヘッダ中で受信する。
【0026】
別の実施形態において、第1の通信ノードと第2の通信ノードとの間の呼の期間中、第1の通信ノードについての制御ノードは、1つ以上の狭帯域エンコーダモード要求の後の広帯域エンコーダモード要求を第2の通信ノードについての制御ノードへ送信する。これに応じて、第1の通信ノードについての制御ノードは、エンコード済みスピーチを第2の通信ノードについての制御ノードから受信し、及びエンコード済みスピーチを第1の通信ノードへ送信する。第1の通信ノードにおいて、上記エンコード済みスピーチは、第1の通信ノードのボコーダによってデコードされる。好適には、第2の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダが広帯域エンコーダモードにおいて動作することが可能である場合、エンコード済みスピーチは、当該広帯域エンコーダモードに従ってエンコードされる。そうではなく、第2の通信ノードのボコーダのボイスエンコーダが広帯域エンコーダモードにおいて動作することができない場合、エンコード済みスピーチは、1つ以上の狭帯域エンコーダモード要求によって識別される狭帯域エンコーダモードに従ってエンコードされる。
【0027】
1つの特定の実施形態において、第1の通信ノードのボコーダ及び第2の通信ノードのボコーダは、EVRC−NWボコーダであり、第1の通信ノードについての制御ノードは、第1の通信ノードのボコーダによってエンコードされた、エンコード済みスピーチを、第2の通信ノードについての制御ノードへコアネットワーク上で複数のRTPパケットのペイロードとして送信する。また、第1の通信ノードについての制御ノードは、広帯域エンコーダモード要求及び1つ以上の狭帯域エンコーダモード要求を、対応する複数のRTPパケットのペイロードヘッダ中で送信する。
【0028】
当業者は、添付の図面に関連して以下の好適な実施形態の詳細な説明を読んだ後、本開示の範囲を認識し、及びそのさらなる態様を実現するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本明細書に包含され及び本明細書の一部を形成する添付の図面は、本開示の幾つかの態様を示し、及び下記説明と共に本開示の原理を説明するために役立つ。
【0030】
図1】第3世代パートナーシッププロジェクト2(3GPP2)のエンハンスト可変レートコーデック−狭帯域/広帯域(EVRC−NW)ボコーダを含む、3GPP2のエンハンスト可変レートコーデック(EVRC)ファミリーのボコーダについての、エンコード済みスピーチを伝送するために利用される従来のリアルタイムプロトコル(RTP)パケットを示す。
図2】本開示の1つの実施形態に係る、本明細書において開示される複数のエンコーダ選択スキームのうちの1つを実装するセルラ通信システムを示す。
図3】本開示の一実施形態に係る、エンコーダケイパビリティの動的シグナリングに基づくエンコーダモード選択を可能にするための、図2のセルラ通信システムの動作を示す。
図4A】本開示の一実施形態に係る、EVRC−NWボコーダについてのエンコーダケイパビリティの動的な帯域内シグナリングに基づくエンコーダモード選択を可能にするための、図2のセルラ通信システムの動作を示す。
図4B】本開示の一実施形態に係る、EVRC−NWボコーダについてのエンコーダケイパビリティの動的な帯域内シグナリングに基づくエンコーダモード選択を可能にするための、図2のセルラ通信システムの動作を示す。
図4C】本開示の一実施形態に係る、EVRC−NWボコーダについてのエンコーダケイパビリティの動的な帯域内シグナリングに基づくエンコーダモード選択を可能にするための、図2のセルラ通信システムの動作を示す。
図5】本開示の一実施形態に係る、EVRC−NWボコーダについてのエンコーダケイパビリティの動的な帯域内シグナリングを可能にするペイロードヘッダを含むRTPパケットの一実施形態を示す。
図6A】本開示の一実施形態に係る、EVRC−NWボコーダについてのエンコーダケイパビリティの動的な帯域外シグナリングに基づくエンコーダモード選択を可能にするための、図2のセルラ通信システムの動作を示す。
図6B】本開示の一実施形態に係る、EVRC−NWボコーダについてのエンコーダケイパビリティの動的な帯域外シグナリングに基づくエンコーダモード選択を可能にするための、図2のセルラ通信システムの動作を示す。
図7A】本開示の一実施形態に係る、狭帯域エンコーダモード専用ケイパビリティを示すエンコーダケイパビリティ情報を含むセッション記述プロトコル(SDP:Session Description Protocol)提案と、広帯域及び狭帯域エンコーダケイパビリティを示すエンコーダケイパビリティ情報を含むSDP提案と、の2つの例を示す。
図7B】本開示の一実施形態に係る、狭帯域エンコーダモード専用ケイパビリティを示すエンコーダケイパビリティ情報を含むセッション記述プロトコル(SDP:Session Description Protocol)提案と、広帯域及び狭帯域エンコーダケイパビリティを示すエンコーダケイパビリティ情報を含むSDP提案と、の2つの例を示す。
図8A】本開示の一実施形態に係る、EVRC−NWボコーダについてのエンコーダケイパビリティ情報を含む制御メッセージの動的な交換に基づくエンコーダモード選択を可能にするための、図2のセルラ通信システムの動作を示す。
図8B】本開示の一実施形態に係る、EVRC−NWボコーダについてのエンコーダケイパビリティ情報を含む制御メッセージの動的な交換に基づくエンコーダモード選択を可能にするための、図2のセルラ通信システムの動作を示す。
図9】本開示の一実施形態に係る、広帯域エンコーダモード要求インジケータ及び好適狭帯域エンコーダモード要求に基づくエンコーダモード選択を可能にするための、図2のセルラ通信システムの動作を示す。
図10A】本開示の一実施形態に係る、EVRC−NWボコーダについてのエンコード済みスピーチと共に帯域内で通信される広帯域エンコーダモード要求インジケータ及び好適狭帯域エンコーダモード要求に基づくエンコーダモード選択を可能にするための、図2のセルラ通信システムの動作を示す。
図10B】本開示の一実施形態に係る、EVRC−NWボコーダについてのエンコード済みスピーチと共に帯域内で通信される広帯域エンコーダモード要求インジケータ及び好適狭帯域エンコーダモード要求に基づくエンコーダモード選択を可能にするための、図2のセルラ通信システムの動作を示す。
図11】本開示の一実施形態に係る、EVRC−NWボコーダについての広帯域エンコーダモード要求及び好適狭帯域エンコーダモード要求の暗黙的なシグナリングに基づくエンコーダモード選択を可能にするための、図2のセルラ通信システムの動作を示す。
図12】本開示の一実施形態に係る、図11の処理に基づいてエンコーダモードを選択するための、制御ノードのうちの1つの動作を示すフローチャートである。
図13】本開示の一実施形態に係る、図2の通信ノードのうちの1つのブロック図である。
図14】本開示の一実施形態に係る、図2の制御ノードのうちの1つのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に述べられる実施形態は、当業者が当該実施形態を実施することを可能にするための必要な情報を表し、及び当該実施形態を実施するベストモードを示す。添付の図面に照らして下記の説明を読めば、当業者は本開示の概念を理解し及び本明細書において特に取り上げられていないそれらの概念の適用を認識するであろう。これらの概念及び適用は本開示及び添付の図面の範囲内に含まれることが理解されるべきである。
【0032】
本開示は、対応する通信ノードのボコーダについてのエンコーダケイパビリティを動的にシグナリングするためのシステム及び方法を提供する。この点に関して、図2は、対応するボコーダ14−1及び14−2を有する通信ノード12−1及び12−2を備えるセルラ通信システム10を示し、当該セルラ通信システム10は、本開示の一実施形態に係る、エンコーダモード選択についてのエンコーダケイパビリティの動的シグナリングを利用する。本明細書において説明される実施形態において、通信ノード12−1及び12−2は、携帯電話などの無線デバイスであるが、これに限定されない。ただし、本明細書において説明される概念は、例えば、メディアゲートウェイ、ボイスメッセージングサービス等といった他のタイプの通信ノードに同様に適用可能である。
【0033】
ボコーダ14−1は、ボイスエンコーダ16−1及びボイスデコーダ18−1を備える。同様に、ボコーダ14−2は、ボイスエンコーダ16−2及びボイスデコーダ18−2を備える。一般に、ボイスエンコーダ16−1及び16−2は、複数の予め定義されたエンコーダモードのうちの少なくとも幾つかにおいて動作することが可能である。予め定義されたエンコーダモードは、好適には、1つ以上の広帯域エンコーダモードと、1つ以上の(好適には複数の)狭帯域エンコーダモードと、を含む。以下で議論されるように、好適な実施形態において、ボコーダ14−1及び14−2は、7つの異なる狭帯域エンコーダモード及び随意的に1つの広帯域エンコーダモードをサポートする、第3世代パートナーシッププロジェクト2(3GPP2)のエンハンスト可変レートコーデック−狭帯域/広帯域(EVRC−NW)ボコーダである。ただし、ボコーダ14−1及び14−2はEVRC−NWに限定されないことに留意されたい。本明細書において説明される概念は、複数のエンコーダモードをサポートする他のタイプのボコーダに同様に適用可能である。
【0034】
第1の通信ノード12−1と第2の通信ノード12−2との間の呼の期間中、ボコーダ14−1によってエンコード済みスピーチは、第1の通信ノード12−1から第2の通信ノード12−2へ、第1の通信ノード12−1及び第2の通信ノード12−2それぞれについての制御ノード20−1及び制御ノード20−2とコアネットワーク22とを介して送信される。より具体的には、制御ノード20−1及び20−2は、通信ノード12−1及び12−2をコアネットワーク22に相互接続する、セルラ通信システム10内のノード(例えば、基地局コントローラ又はモバイルスイッチングセンタ(MSC))である。1つの特定の実施形態において、制御ノード20−1及び20−2は、通信ノード12−1及び12−2にサービスを提供する(即ち、通信ノード12−1及び12−2に無線サービスを提供する)基地局コントローラである。この実施形態において、通信ノード12−1は、ボイスエンコーダ16−1によって生成されるエンコード済みスピーチを、アップリンクを介して制御ノード20−1へ無線で送信する。制御ノード20−1は、上記エンコード済みスピーチを、コアネットワーク22上で制御ノード20−2へ直接又はセルラ通信システム10内の1つ以上の付加的なノード(例えば、メディアゲートウェイ)を介して送信する。制御ノード20−2は、エンコード済みスピーチを受信すると、当該エンコード済みスピーチを通信ノード12−2へダウンリンクを介して送信し、当該エンコード済みスピーチは、通信ノード12−2のボイスデコーダ18−2によってデコードされる。同じように、エンコード済みスピーチは、通信ノード12−2から通信ノード12−1へ送信される。
【0035】
別の特定の実施形態において、制御ノード20−1及び20−2は、通信ノード12−1及び12−2にサービスを提供する基地局をコアネットワーク22へ接続するMSCである。この実施形態において、通信ノード12−1は、ボイスエンコーダ16−1によって生成されるエンコード済みスピーチを、関連付けられる基地局へ無線で送信する。当該基地局は、エンコード済みスピーチをコアネットワーク22上で制御ノード20−2へ直接又はセルラ通信システム10内の1つ以上の付加的なノードを介して送信する。制御ノード20−2は、エンコード済みスピーチを受信すると、当該エンコード済みスピーチを通信ノード12−2に関連付けられる基地局へ送信する。当該基地局は、エンコード済みスピーチを、ダウンリンクを介して通信ノード12−2へ送信する。通信ノード12−2において、上記エンコード済みスピーチは、通信ノード12−2のボイスデコーダ18−2によってデコードされる。同様に、エンコード済みスピーチは、通信ノード12−2から通信ノード12−1へ送信される。
【0036】
先に進む前に、本明細書において説明される実施形態のうちの多くにおいて、トラフィック(即ち、エンコード済みスピーチ)は制御ノード20−1及び20−2を通過することが留意されるべきである。ただし、制御ノード20−1及び20−2は必ずしもトラフィックパス内に存在するわけではない。例えば、制御ノード20−1及び20−2は、本明細書において説明される手法で動的にシグナリングされるエンコーダケイパビリティに基づいて好適なエンコーダモードを選択するために、通信ノード12−1及び12−2に関連付けられる基地局コントローラ又はMSCとインタラクションする制御ノードであってもよい。
【0037】
図3は、本開示の一実施形態に係る、図2のセルラ通信システム10の動作を示す。通信ノード12−1と通信ノード12−2との間の呼に関連するある時点において(例えば、呼のセットアップの期間中又は呼の期間中に)、通信ノード12−1についての制御ノード20−1は、通信ノード12−1のボイスエンコーダ16−1についてのエンコーダケイパビリティ情報を、通信ノード12−2の制御ノード20−2へ送信する(ステップ100)。一般に、エンコーダケイパビリティ情報は、予め定義されるエンコーダモードのうちの1つ以上に関する、ボイスエンコーダ16−1の現在のケイパビリティを示す。上記で議論されたように、好適な実施形態において、ボコーダ14−1及び14−2は、EVRC−NWボコーダであり、エンコーダケイパビリティ情報は、ボイスエンコーダ16−1が広帯域エンコーダモードにおいて動作することが可能であるかを示す。本明細書において、「サポートする(support)」という用語と「可能である(capable)」という用語は、互いに区別されるべきものである。あるエンコーダモードをサポートするように設計されているハードウェア又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによってボイスエンコーダ16−1が実装される場合、ボイスエンコーダ16−1は、当該エンコーダモードを「サポートする」。対照的に、ボイスエンコーダ16−1があるエンコーダモードをサポートし及び当該エンコーダモードにおいて動作することが現在禁止されていないという理由で、ボイスエンコーダ16−1が当該エンコーダモードにおいて現在動作することができる場合、ボイスエンコーダ16−1は、当該エンコーダモードにおいて動作することが「可能である」。例えば、制御ノード20−1が、あるエンコーダモードをサポートせず又はそうではなく当該エンコーダモードを禁止する場合、ボイスエンコーダ16−1は、当該エンコーダモードにおいて動作することを禁止され得る。そのため、エンコーダケイパビリティ情報は、ボイスエンコーダ16−1が広帯域エンコーダモードをサポートし且つ広帯域エンコーダモードにおいて動作することを現在禁止されていない場合、ボイスエンコーダ16−1が広帯域エンコーダモードにおいて動作することが可能であることを示す。そうではない場合、エンコーダケイパビリティ情報は、ボイスエンコーダ16−1が広帯域エンコーダモードにおいて動作することができない(狭帯域モードにおいてのみ動作することが可能である)ことを示す。
【0038】
以下に議論されるように、通信ノード12−1についての制御ノード20−1は、通信ノード12−1のボイスエンコーダ16−1についてのエンコーダケイパビリティ情報を、通信ノード12−2についての制御ノード20−2へ任意の適切な通信技術を用いて送信する。幾つかの実施形態において、通信ノード12−1についての制御ノード20−1は、ボイスエンコーダ16−1についてのエンコーダケイパビリティ情報を、制御ノード20−1から制御ノード20−2へコアネットワーク22上で送信されるエンコード済みスピーチの帯域内(in-band)で、通信ノード12−2についての制御ノード20−2へ送信する。他の実施形態において、通信ノード12−1についての制御ノード20−1は、ボイスエンコーダ16−1についてのエンコーダケイパビリティ情報を、制御ノード20−1から制御ノード20−2へ送信されるエンコード済みスピーチの帯域外(out-of-band)で、通信ノード12−2についての制御ノード20−2へ送信する。さらに、他の実施形態において、通信ノード12−1についての制御ノード20−1は、ボイスエンコーダ16−1についてのエンコーダケイパビリティ情報を、制御ノード20−1から制御ノード20−2へエンコード済みスピーチを送信するために用いられるベアラ信号に関連付けられる制御メッセージ中で、通信ノード12−2についての制御ノード20−2へ送信する。
【0039】
通信ノード12−2についての制御ノード20−2は、通信ノード12−1のボイスエンコーダ16−1についてのエンコーダケイパビリティ情報を受信した後、ボイスエンコーダ16−1についての当該エンコーダケイパビリティ情報に基づいて、ボイスエンコーダ16−1についての好適なエンコーダモードを選択する(ステップ102)。従って、エンコーダのケイパビリティの如何なる知識も有さずに好適なエンコーダモードが選択される従来のエンコーダ選択スキームとは対照的に、制御ノード20−2は、ボイスエンコーダ16−1のケイパビリティの知識を有した状態で、ボイスエンコーダ16−1についての好適なエンコーダモードを選択する。例えば、ボイスエンコーダ16−1が広帯域モードにおいて動作することが現在はできないことをエンコーダケイパビリティ情報が示す場合、そうでなければ制御ノード20−2は広帯域エンコーダモードを選択するはずであったとしても、制御ノード20−2は、好適な狭帯域エンコーダモードを選択する(例えば、軽い無線周波数(RF:radio frequency)負荷を経験している場合はEVRC−NWモード1を、又は、重いRF負荷を経験している場合はEVRC−NWモード4を選択する)ことが可能になる。反対に、従来のエンコーダ選択スキームを用いる場合、ボイスエンコーダ16−1が広帯域エンコーダモードにおいて動作することが現在はできないとしても、制御ノード20−2は、広帯域エンコーダモードを選択していたであろう。
【0040】
次に、通信ノード12−2についての制御ノード20−2は、ボイスエンコーダ16−1についての好適なエンコーダモードについての要求を制御ノード20−1へ送信する(ステップ104)。本明細書において説明される実施形態において、好適なエンコーダモードについての要求は、エンコード済みスピーチの帯域内で送信される。ただし、本開示は、帯域内での送信に限定されない。帯域外の技法が代替的に用いられてもよい。上記要求に応じて、通信ノード12−1の制御ノード20−1は、当該要求によって識別される好適なエンコーダモードを、又は、より具体的には、当該好適なエンコーダモードを識別する情報を、通信ノード12−1へ送信する(ステップ106)。
【0041】
通信ノード12−1は、上記要求において識別される好適なエンコーダモードにおいて動作するようにボイスエンコーダ16−1を構成し、ボイスエンコーダ16−1は、当該好適なエンコーダモードに従ってスピーチをエンコードする(ステップ108)。ボイスエンコーダ16−1は、スピーチをエンコードした後、エンコード済みスピーチを制御ノード20−1へ送信する(ステップ110)。制御ノード20−1は、エンコード済みスピーチを、コアネットワーク22上でベアラ信号を介して通信ノード12−2についての制御ノード20−2へ送信する(ステップ112)。以下で議論されるように、一実施形態において、ボコーダ14−1及び14−2は、EVRC−NWボコーダであり、ベアラ信号は、エンコード済みスピーチをリアルタイムプロトコル(RTP)パケットのペイロードとして含むRTPパケットである。
【0042】
通信ノード12−2の制御ノード20−2は、エンコード済みスピーチを受信すると、当該エンコード済みスピーチを通信ノード12−2へ送信する(ステップ114)。通信ノード12−2において、通信ノード12−2のボコーダ14−2のボイスデコーダ18−2は、エンコード済みスピーチをデコードする(ステップ116)。通信ノード12−2のボコーダ14−2は、デコードされたスピーチを出力する(ステップ118)。例えば、ボコーダ14−2は、デコードされたスピーチを、通信ノード12−2のスピーカを介して出力し得る。
【0043】
先へ進む前に、図3の処理は通信ノード12−1と通信ノード12−2との間の呼の持続期間を通して継続することが好適であることに留意することが重要である。また、図示されていないが、通信ノード12−1についての制御ノード20−1は、ボイスエンコーダ16−1についてのエンコーダケイパビリティ情報を動的に更新することが好適である。そのため、ボイスエンコーダ16−1のケイパビリティが呼の期間中に変化する場合、新たなケイパビリティは、通信ノード12−2についての制御ノード20−2へシグナリングされ、制御ノード20−2は、ボイスエンコーダ16−1の当該新たなケイパビリティに基づいて、ボイスエンコーダ16−1についての新たな好適なエンコーダモードを選択する。このようにして、ボイスエンコーダ16−1は、呼のセットアップ時に選択される何らかのエンコーダモードにおいて動作することに限定されず、むしろ、ボイスエンコーダ16−1についての動的にシグナリングされるエンコーダケイパビリティ情報に基づいて制御ノード20−2によって発行される要求に応じて、エンコーダモードを動的に変化させ得る。明確さ及び議論の簡単のために、図3は通信ノード12−1のボイスエンコーダ16−1のエンコーダケイパビリティのシグナリングのみを示すが、ボイスエンコーダ16−2のケイパビリティが制御ノード20−2から制御ノード20−1へ同様にシグナリングされることが好適であることも留意されるべきである。
【0044】
図4Aから図4Cは、本開示の一実施形態に係る、エンコード済みスピーチの帯域内でエンコーダケイパビリティ情報が通信される、図2のセルラ通信システム10の動作を示す。この実施形態において、ボコーダ14−1及び14−2は、EVRC−NWボコーダであり、エンコード済みスピーチは、RTPパケットにおいてコアネットワーク22上で伝送される。まず、第1の通信ノード12−1と第2の通信ノード12−2との間の呼の期間中に、通信ノード12−1のボコーダ14−1のボイスエンコーダ16−1は、スピーチをエンコードする(ステップ200)。最初は、ボイスエンコーダ16−1は、デフォルトのエンコーダモードに従って動作し得る。通信ノード12−1は、エンコード済みスピーチを制御ノード20−1へ送信する(ステップ202)。制御ノード20−1は、エンコード済みスピーチを受信すると、ステップ202において受信されたエンコード済みスピーチをRTPパケットのペイロードとして用いて、及び通信ノード12−1のボイスエンコーダ16−1についてのエンコーダケイパビリティ情報を当該RTPパケットのペイロードヘッダに含めて、当該RTPパケットを生成する(ステップ204)。
【0045】
図5を一時的に参照すると、RTPパケットのペイロードヘッダは、図示されたフォーマットを有することが好適である。より具体的には、図5は、RTPパケットのヘッダ(即ち、RTPヘッダ)と、特に、リザーブドビット(R)、ケイパビリティビット(C)、及びMMMフィールドを含むペイロードヘッダと、この場合においてはEVRC−NWペイロードであるペイロードと、を含むRTPパケットを示す。従来、ペイロードヘッダのビット0及びビット1は、リザーブドビットであった(図1を参照)。しかしながら、図示される実施形態において、ペイロードヘッダのビット1は、エンコーダケイパビリティ情報を通信するために利用される。具体的には、ペイロードヘッダのビット1は、ボイスエンコーダ16−1が広帯域エンコーダモードにおいて動作することが可能である場合は0に設定され、そうではない場合は1に設定される。ここで、1という値は、ボイスエンコーダ16−1が狭帯域エンコーダモードにおいてのみ動作することが可能であることを示す。ただし、図5のRTPパケットについてのペイロードヘッダフォーマットは、一例に過ぎないことに留意されたい。別の実施形態において、ペイロードヘッダのビット1は、ボイスエンコーダ16−1が広帯域エンコーダモードにおいて動作することが可能である場合は1に設定され、そうではない場合は0に設定される。別の実施形態において、ペイロードヘッダのビット0及びビット1は、エンコーダケイパビリティ情報(例えば、狭帯域エンコーダモードのみについては00、並びに広帯域エンコーダモード及び狭帯域エンコーダモードのケイパビリティについては01)を通信するために利用されてもよい。特に、例えば、1つよりも多くの広帯域エンコーダモードが存在する場合、ビット0及びビット1は、有益となり得る(例えば、狭帯域エンコーダモードのみについては00、広帯域モード1のケイパビリティについては01、広帯域モード2のケイパビリティについては10、並びに、広帯域モード1及び広帯域モード2の双方のケイパビリティについては11)。
【0046】
図4Aから図4Cに戻ると、一旦RTPパケットが生成されると、通信ノード12−1についての制御ノード20−1は、RTPパケットを通信ノード12−2についての制御ノード20−2へコアネットワーク22上で送信する(ステップ206)。制御ノード20−2は、エンコード済みスピーチをRTPパケットのペイロードにおいて通信ノード12−2へ送信する(ステップ208)。また、制御ノード20−2は、RTPパケットのペイロードヘッダ中に含まれる、通信ノード12−1のボイスエンコーダ16−1についてのエンコーダケイパビリティ情報に基づいて、通信ノード12−1のボイスエンコーダ16−1についての好適なエンコーダモードを選択する(ステップ210)。
【0047】
通信ノード12−2において、当該通信ノード12−2のボコーダ14−2のボイスデコーダ18−2は、制御ノード20−2から受信されたエンコード済みスピーチをデコードし、及びデコードされたスピーチを出力する(ステップ212及び214)。また、通信ノード12−2のボコーダ14−2のボイスエンコーダ16−2は、当該通信ノード12−2におけるスピーチをエンコードする(ステップ216)。特に、ステップ206において制御ノード20−2によって受信されるRTPパケットは、ボイスエンコーダ16−2についての好適なエンコーダモードについての要求を、RTPパケットのペイロードヘッダのMMMフィールド中に含み(図5を参照)、ボイスエンコーダ16−2についての好適なエンコーダモードは、制御ノード20−2から通信ノード12−2へ通信される。ただし、最初は、ボイスエンコーダ16−2についての好適なエンコーダモードは、ボイスエンコーダ16−2のケイパビリティの知識無しに、制御ノード20−1によって選択され得る。そのため、ステップ216において、ボイスエンコーダ16−2は、ステップ206において制御ノード20−2によって受信されたRTPパケットにおいて要求される好適なエンコーダモードに従って、又は、ステップ206において制御ノード20−2によって受信されたRTPパケットにおいて要求された好適なエンコーダモードにおいて動作することができない場合、デフォルトのエンコーダモードに従って、動作し得る。
【0048】
一旦スピーチがエンコードされると、通信ノード12−2は、エンコード済みスピーチを制御ノード20−2へ送信する(ステップ218)。制御ノード20−2は、エンコード済みスピーチを受信すると、ステップ218において受信されたエンコード済みスピーチをRTPパケットのペイロードとして用いて、及び、ボイスエンコーダ16−2についてのエンコーダケイパビリティ情報と、ステップ210において選択された、ボイスエンコーダ16−1についての好適なエンコーダモードについての要求と、を当該RTPパケットのペイロードヘッダ中に含めて、当該RTPパケットを生成する(ステップ220)。好適なエンコーダモードについての要求は、RTPパケットのペイロードヘッダのMMMフィールド中に含まれる(図5を参照)。一旦RTPパケットが生成されると、通信ノード12−2についての制御ノード20−2は、当該RTPパケットを通信ノード12−1についての制御ノード20−1へコアネットワーク22上で送信する(ステップ222)。制御ノード20−1は、RTPパケットを受信すると、当該RTPパケットのペイロード中で受信されたエンコード済みスピーチと、当該RTPパケットのペイロードヘッダ中で要求される、ボイスエンコーダ16−1についての好適なエンコーダモードと、を通信ノード12−1へ送信する(ステップ224)。また、制御ノード20−1は、RTPパケットのペイロードヘッダ中に含まれる、ボイスエンコーダ16−2についてのエンコーダケイパビリティ情報に基づいて、通信ノード12−2のボイスエンコーダ16−2についての好適なエンコーダモードを選択する(ステップ226)。
【0049】
通信ノード12−1において、当該通信ノード12−1のボコーダ14−1のボイスデコーダ18−1は、エンコード済みスピーチをデコードし、及びデコードされたスピーチを出力する(ステップ228及び230)。また、通信ノード12−1のボコーダ14−1のボイスエンコーダ16−1は、ステップ222において制御ノード20−1によって受信されたRTPパケットのペイロードヘッダ中で要求される、ボイスエンコーダ16−1についての好適なエンコーダモードに従って、通信ノード12−1におけるスピーチをエンコードする(ステップ232)一旦スピーチがエンコードされると、通信ノード12−1は、エンコード済みスピーチを制御ノード20−1へ送信する(ステップ234)。制御ノード20−1は、ステップ232において生成されたエンコード済みスピーチをRTPパケットのペイロードとして用いて、及び、ボイスエンコーダ16−1についてのエンコーダケイパビリティ情報と、ステップ226において選択された、ボイスエンコーダ16−2についての好適なエンコーダモードについての要求と、を当該RTPパケットのペイロードヘッダ中に含めて、上述された手法で当該RTPパケットを生成する(ステップ236)。この場合も先と同様に、好適なエンコーダモードについての要求は、RTPパケットのペイロードヘッダのMMMフィールド(図5を参照)中に含まれる。特に、ボイスエンコーダ16−1についてのエンコーダケイパビリティ情報を各RTPパケットに含めることによって、ボイスエンコーダ16−1についてのエンコーダケイパビリティ情報は、動的にシグナリングされ、又は、通信ノード12−1についての制御ノード20−1から通信ノード12−2についての制御ノード20−2へ通信される。そのため、ボイスエンコーダ16−1のケイパビリティにおける如何なる変化も、ボイスエンコーダ16−1のケイパビリティにおける変化が発生次第(即ち、次のRTPパケットにおいて)、制御ノード20−2へシグナリングされることができる。
【0050】
一旦RTPパケットが生成されると、通信ノード12−1についての制御ノード20−1は、当該RTPパケットを通信ノード12−2についての制御ノード20−2へ送信する(ステップ238)。制御ノード20−2は、RTPパケットを受信すると、当該RTPパケットのペイロード中で受信されたエンコード済みスピーチと、RTPパケットのペイロードヘッダ中で要求される、ボイスエンコーダ16−2についての好適なエンコーダモードとを、通信ノード12−2へ送信する(ステップ240)。また、制御ノード20−2は、RTPパケットのペイロードヘッダ中に含まれる、ボイスエンコーダ16−1についてのエンコーダケイパビリティ情報に基づいて、通信ノード12−1のボイスエンコーダ16−1についての好適なエンコーダモードを選択する(ステップ242)。
【0051】
通信ノード12−2において、当該通信ノード12−2のボコーダ14−2のボイスデコーダ18−2は、エンコード済みスピーチをデコードし、及びデコードされたスピーチを出力する(ステップ244及び246)。また、通信ノード12−2のボコーダ14−2のボイスエンコーダ16−2は、ステップ238において制御ノード20−2によって受信されたRTPパケットのペイロードヘッダ中で要求された、ボイスエンコーダ16−2についての好適なエンコーダモードに従って、通信ノード12−2におけるスピーチをエンコードする(ステップ248)。一旦スピーチがエンコードされると、通信ノード12−2は、エンコード済みスピーチを制御ノード20−2へ送信する(ステップ250)。制御ノード20−2は、ステップ248において生成されたエンコード済みスピーチをRTPパケットのペイロードとして用いて、及び、ボイスエンコーダ16−2についてのエンコーダケイパビリティ情報と、ステップ242において選択された、ボイスエンコーダ16−1についての好適なエンコーダモードについての要求と、を当該RTPパケットのペイロードヘッダ中に含めて、上述された手法で当該RTPパケットを生成し、並びに当該RTPパケットを制御ノード20−1へ送信する(ステップ252及び254)。この場合も先と同様に、好適なエンコーダモードについての要求は、RTPパケットのペイロードヘッダのMMMフィールド(図5を参照)中に含まれる。特に、ボイスエンコーダ16−2についてのエンコーダケイパビリティ情報を各RTPパケットに含めることによって、ボイスエンコーダ16−2についてのエンコーダケイパビリティ情報は、動的にシグナリングされ、又は、通信ノード12−2についての制御ノード20−2から通信ノード12−1についての制御ノード20−1へ通信される。そのため、ボイスエンコーダ16−2のケイパビリティにおける如何なる変化も、ボイスエンコーダ16−2のケイパビリティにおける変化が発生次第(即ち、次のRTPパケットにおいて)、制御ノード20−1へシグナリングされることができる。
【0052】
図4Aから図4Cの処理は、通信ノード12−1と通信ノード12−2との間の呼が終了されるまで、上述された手法で継続する。このようにして、ボイスエンコーダ16−1及び16−2についてのエンコーダケイパビリティ情報は、制御ノード20−1と制御ノード20−2との間で動的にシグナリングされ、並びにボイスエンコーダ16−1及び16−2についての好適なエンコーダモードを選択し及び要求するために制御ノード20−1及び20−2によって用いられる。従って、ボイスエンコーダ16−1及び16−2のうちのいずれかのケイパビリティが上記呼の期間中に変化する場合、当該呼の期間中に新たな好適なエンコーダモードが選択され及び要求される。
【0053】
図6A及び図6Bは、本開示の一実施形態に係る、エンコード済みスピーチの帯域外でエンコーダケイパビリティ情報が通信される、図2のセルラ通信システム10の動作を示す。この実施形態において、ボコーダ14−1及び14−2は、EVRC−NWボコーダであり、エンコード済みスピーチは、RTPパケットにおいてコアネットワーク22上で伝送される。まず、第1の通信ノード12−1と第2の通信ノード12−2との間の呼についての呼セットアップの期間中、通信ノード12−1についての制御ノード20−1は、通信ノード12−1のボコーダ14−1のボイスエンコーダ16−1についてのエンコーダケイパビリティ情報を、エンコード済みスピーチの帯域外で通信ノード12−1についての制御ノード20−2へ送信する(ステップ300)。より具体的には、1つの特定の実施形態において、通信ノード12−1と通信ノード12−2との間の呼は、セッション開始プロトコル(SIP:Session Initiation Protocol)ベースの呼であり、制御ノード20−1は、ボイスエンコーダ16−1についてのエンコーダケイパビリティ情報を、当該SIPベースの呼についてのサービス記述プロトコル(SDP:Service Description Protocol)属性として、通信ノード12−2についての制御ノード20−2へ送信する。SDP属性は、例えば、帯域内交換について上述されたペイロードヘッダ中のケイパビリティビットと同様の単一ビットのフィールド又はより多くのビットのフィールドであり得る。図7A及び図7Bは、それぞれ狭帯域エンコーダモードのみのケイパビリティ(wb-capability=0)と広帯域及び狭帯域エンコーダのケイパビリティ(wb-capability=1)とを示すケイパビリティ情報を含むSDP提案の2つの例を示す。ただし、ケイパビリティ情報の帯域外シグナリングはSDP属性に限定されないことに留意されたい。図6A及び図6Bに戻ると、同様に、通信ノード12−2についての制御ノード20−2は、通信ノード12−2のボコーダ14−2のボイスエンコーダ16−2についてのエンコーダケイパビリティ情報を、エンコード済みスピーチの帯域外で通信ノード12−1についての制御ノード20−1へ送信する(ステップ302)。
【0054】
この実施形態において、エンコーダケイパビリティ情報は、通信ノード12−1と通信ノード12−2との間の呼についての呼セットアップの期間中にステップ300及び302において交換される。ただし、エンコーダケイパビリティ情報は、付加的に又は代替的に、通信ノード12−1と通信ノード12−2との間の呼の期間中にトポロジーの変化(例えば、別の基地局コントローラへのハンドオーバ若しくは別の通信ノードへの呼の転送)に応じて又はさもなければ要望に応じて交換されてもよい。
【0055】
図示されるように、この実施形態において、エンコーダケイパビリティ情報が交換された後、通信ノード12−1についての制御ノード20−1は、ステップ302において受信されたボイスエンコーダ16−2についてのエンコーダケイパビリティ情報に基づいて、通信ノード12−2のボコーダ14−2のボイスエンコーダ16−2についての好適なエンコーダモードを選択する(ステップ304)。同様に、通信ノード12−2についての制御ノード20−2は、ステップ300において受信されたボイスエンコーダ16−1についてのエンコーダケイパビリティ情報に基づいて、通信ノード12−1のボコーダ14−1のボイスエンコーダ16−1についての好適なエンコーダモードを選択する(ステップ306)。上記に議論されたように、従来のエンコーダ選択スキームとは対照的に、制御ノード20−1は、ボイスエンコーダ16−2についての好適なエンコーダモードを選択する際には、ボイスエンコーダ16−2の現在のケイパビリティを動的に認識している。同様に、制御ノード20−2は、ボイスエンコーダ16−1についての好適なエンコーダモードを選択する際には、ボイスエンコーダ16−1のケイパビリティを認識している。そのため、制御ノード20−1及び20−2は、ボイスエンコーダ16−1及び16−2のケイパビリティを考慮しつつ、好適なエンコーダモードを選択することができる。
【0056】
通信ノード12−2において、ボコーダ14−2のボイスエンコーダ16−2は、スピーチをエンコードする(ステップ308)。最初は、ボイスエンコーダ16−2は、デフォルトのエンコーダモードに従ってスピーチをエンコードし得る。一旦スピーチがエンコードされると、通信ノード12−2は、エンコード済みスピーチを制御ノード20−2へ送信する(ステップ310)。制御ノード20−2は、エンコード済みスピーチを受信すると、ステップ310において受信されたエンコード済みスピーチをRTPパケットのペイロードとして用いて、及び、ステップ306において選択された、通信ノード12−1のボイスエンコーダ16−1についての好適なエンコーダモードについての要求を当該RTPパケットのペイロードヘッダ中に含めて、当該RTPパケットを生成する(ステップ312)。好適なエンコーダモードについての要求は、RTPパケットのペイロードヘッダのMMMフィールド(図1を参照)中に含まれる。一旦RTPパケットが生成されると、通信ノード12−2についての制御ノード20−2は、RTPパケットをコアネットワーク22上で制御ノード20−1へ送信する(ステップ314)。
【0057】
RTPパケットを受信することに応じて、通信ノード12−1についての制御ノード20−1は、RTPパケットのペイロードとして受信されたエンコード済みスピーチと、RTPパケットのペイロードヘッダ中で要求される、ボイスエンコーダ16−1についての好適なエンコーダモードと、を通信ノード12−1へ送信する(ステップ316)。通信ノード12−1のボコーダ14−1のボイスデコーダ18−1は、エンコード済みスピーチをデコードし、及びデコードされたスピーチを出力する(ステップ318及び320)。また、通信ノード12−1のボコーダ14−1のボイスエンコーダ16−1は、ステップ314において制御ノード20−1によって受信されたRTPパケットのペイロードヘッダ中で要求された好適なエンコーダモードに従って、通信ノード12−1におけるスピーチをエンコードする(ステップ322)。一旦スピーチがエンコードされると、通信ノード12−1は、エンコード済みスピーチを制御ノード20−1へ送信する(ステップ324)。
【0058】
制御ノード20−1は、エンコード済みスピーチを受信すると、ステップ324において受信されたエンコード済みスピーチをRTPパケットのペイロードとして用いて、及び、ステップ304において選択された、ボイスエンコーダ16−2についての好適なエンコーダモードについての要求を当該RTPパケットのペイロードヘッダ中に含めて、上述された手法で当該RTPパケットを生成する(ステップ326)。この場合も先と同様に、好適なエンコーダモードについての要求は、RTPパケットのペイロードヘッダのMMMフィールド(図5を参照)中に含まれる。一旦RTPパケットが生成されると、通信ノード12−1についての制御ノード20−1は、RTPパケットを通信ノード12−2についての制御ノード20−2へ送信する(ステップ328)。制御ノード20−2は、RTPパケットのペイロード中のエンコード済みスピーチと、当該RTPパケットのペイロードヘッダ中の、ボイスエンコーダ16−2についての要求された好適なエンコーダモードと、を通信ノード12−2へ送信する(ステップ330)。通信ノード12−2のボコーダ14−2のボイスデコーダ18−2は、エンコード済みスピーチをデコードし、及びデコードされたスピーチを出力する(ステップ332及び334)。
【0059】
図6A及び図6Bの処理は、通信ノード12−1と通信ノード12−2との間の呼が終了されるまで、このようにして継続することが好適である。このようにして、ボイスエンコーダ16−1及び16−2についてのエンコーダケイパビリティ情報は、制御ノード20−1と制御ノード20−2との間で動的にシグナリングされ、並びに、ボイスエンコーダ16−1及び16−2についての好適なエンコーダモードを選択し及び要求するために制御ノード20−1及び20−2によって用いられる。従って、上記呼の期間中にボイスエンコーダ16−1及び16−2のうちのいずれかのケイパビリティが変化する場合、当該呼の期間中に新たな好適なエンコーダモードが選択され及び要求される。
【0060】
図8A及び図8Bは、本開示の一実施形態に係る、エンコード済みスピーチに関連付けられる制御メッセージを介してエンコーダケイパビリティ情報が通信される、図2のセルラ通信システム10の動作を示す。この実施形態において、ボコーダ14−1及び14−2は、EVRC−NWボコーダであり、エンコード済みスピーチは、RTPパケットにおいてコアネットワーク22上で伝送される。まず、第1の通信ノード12−1と第2の通信ノード12−2との間の呼の期間中に、通信ノード12−1のボコーダ14−1のボイスエンコーダ16−1は、スピーチをエンコードする(ステップ400)。最初は、ボイスエンコーダ16−1は、デフォルトのエンコーダモードに従って動作し得る。通信ノード12−1は、エンコード済みスピーチを制御ノード20−1へ送信する(ステップ402)。制御ノード20−1は、エンコード済みスピーチを受信すると、ステップ402において受信されたエンコード済みスピーチをRTPパケットのペイロードとして用いて、当該RTPパケットを生成する(ステップ404)。一旦RTPパケットが生成されると、通信ノード12−1についての制御ノード20−1は、当該RTPパケットを通信ノード12−2についての制御ノード20−2へコアネットワーク22上で送信する(ステップ406)。また、この実施形態において、制御ノード20−1は、通信ノード12−2のボコーダ14−2のボイスエンコーダ16−1についてのエンコーダケイパビリティ情報を含む制御メッセージを、制御ノード20−2へ送信する(ステップ408)。例えば、1つの特定の実施形態において、制御メッセージは、例えば、RTP制御プロトコル(RTCP:RTP Control Protocol)のソース記述RTCP(SDES:Source Description RTCP)パケット、又はRTCP SDES APPパケットといったRTP制御メッセージである。好適には、制御メッセージは、上述されたペイロードヘッダについてのエンコーダケイパビリティビットと同様の手法で、ボイスエンコーダ16−1についてのエンコーダケイパビリティ情報についての単一ビットのフィールド又は複数ビットのフィールドを含む。さらに、一実施形態において、制御メッセージは、通信ノード12−1のボイスエンコーダ16−1についてのエンコーダケイパビリティにおける変化に応じて発行される。
【0061】
RTPパケットを受信することに応じて、制御ノード20−2は、エンコード済みスピーチを通信ノード12−2へ送信する(ステップ410)。また、制御ノード20−2は、ステップ408において受信された制御メッセージ中に含まれる、ボイスエンコーダ16−1についてのエンコーダケイパビリティ情報に基づいて、通信ノード12−2のボコーダ14−1のボイスエンコーダ16−1についての好適なエンコーダモードを選択する(ステップ412)。通信ノード12−2において、通信ノード12−2のボコーダ14−2のボイスデコーダ18−2は、ステップ410において受信されたエンコード済みスピーチをデコードし、及びデコードされたスピーチを出力する(ステップ414及び416)。
【0062】
通信ノード12−2のボコーダ14−2のボイスエンコーダ16−2も、通信ノード12−2におけるスピーチのエンコードする(ステップ418)。特に、ステップ406において制御ノード20−2によって受信されたRTPパケットは、当該RTPパケットのペイロードヘッダのMMMフィールド(図5を参照)中にボイスエンコーダ16−2についての好適なエンコーダモードについての要求を含むことが好適である。好適なエンコーダモードは、通信ノード12−2へ通信され得る。ただし、最初は、ボイスエンコーダ16−2についての好適なエンコーダモードは、ボイスエンコーダ16−2のケイパビリティの知識無しに、制御ノード20−1によって選択され得る。そのため、ステップ418において、ボイスエンコーダ16−2は、ステップ406において制御ノード20−2によって受信されたRTPパケットにおいて要求される好適なエンコーダモードに従って、又は、当該RTPパケットにおいて要求される好適なエンコーダモードにおいて動作することができない場合はデフォルトのエンコーダモードに従って、動作し得る。一旦スピーチがエンコードされると、通信ノード12−2は、エンコード済みスピーチを制御ノード20−2へ送信する(ステップ420)。
【0063】
制御ノード20−2は、エンコード済みスピーチを受信すると、ステップ420において受信されたエンコード済みスピーチをRTPパケットのペイロードとして用いて、及び、ステップ412において選択された、ボイスエンコーダ16−1についての好適なエンコーダモードについての要求を当該RTPパケットのペイロードヘッダ中に含めて、当該RTPパケットを生成する(ステップ422)。好適なエンコーダモードについての要求は、RTPパケットのペイロードヘッダのMMMフィールド(図1を参照)中に含まれる。一旦RTPパケットが生成されると、通信ノード12−2についての制御ノード20−2は、RTPパケットを通信ノード12−1についての制御ノード20−1へ送信する(ステップ424)。また、この実施形態において、制御ノード20−2は、ボイスエンコーダ16−2についてのエンコーダケイパビリティ情報を含む制御メッセージを、通信ノード12−1についての制御ノード20−1へ送信する(ステップ426)。例えば、1つの特定の実施形態において、制御メッセージは、例えば、RTCP SDESパケット又はRTCP SDES APPパケットといったRTP制御メッセージである。好適には、制御メッセージは、上述されたペイロードヘッダについてのエンコーダケイパビリティビットと同様の手法で、ボイスエンコーダ16−2についてのエンコーダケイパビリティ情報のための単一ビットのフィールド又は複数ビットのフィールドを含む。
【0064】
RTPパケットを受信することに応じて、制御ノード20−1は、RTPパケットのペイロードとして受信されたエンコード済みスピーチと、当該RTPパケットのペイロードヘッダ中で要求される好適なエンコーダモードと、を通信ノード12−1へ送信する(ステップ428)。また、通信ノード12−1についての制御ノード20−1は、ステップ426において受信された制御メッセージ中に含まれる、ボイスエンコーダ16−2についてのエンコーダケイパビリティ情報に基づいて、通信ノード12−2のボコーダ14−2のボイスエンコーダ16−2についての好適なエンコーダモードを選択する(ステップ430)。通信ノード12−1において、当該通信ノード12−1のボコーダ14−1のボイスデコーダ18−1は、エンコード済みスピーチをデコードし、及びデコードされたスピーチを出力する(ステップ432及び434)。
【0065】
また、通信ノード12−1のボコーダ14−1のボイスエンコーダ16−1は、ステップ424において制御ノード20−1によって受信されたRTPパケットのペイロードヘッダ中で要求される好適なエンコーダモードに従って、通信ノード12−1におけるスピーチをエンコードする(ステップ436)。一旦スピーチがエンコードされると、通信ノード12−1は、エンコード済みスピーチを制御ノード20−1へ送信する(ステップ438)。これに応じて、通信ノード12−1についての制御ノード20−1は、エンコード済みスピーチをRTPパケットのペイロードとして用いて、及び、ステップ430において選択された、ボイスエンコーダ16−2についての好適なエンコーダモードについての要求を当該RTPパケットのペイロードヘッダ中に含めて、上述された手法で当該RTPパケットを生成する(ステップ440)。この場合も先と同様に、好適なエンコーダモードについての要求は、RTPパケットのペイロードヘッダのMMMフィールド(図1を参照)中に含まれる。
【0066】
一旦RTPパケットが生成されると、通信ノード12−1についての制御ノード20−1は、RTPパケットを通信ノード12−2についての制御ノード20−2へコアネットワーク22上で送信する(ステップ442)。なお、この実施形態において、エンコーダケイパビリティ情報を有する制御メッセージは、RTPパケットごとに送信されない。例えば、制御メッセージは、周期的に(例えば、1分ごとに又は5分ごとに)又はエンコーダケイパビリティの変化がある場合に送信され得る。通信ノード12−2についての制御ノード20−2は、RTPパケットを受信すると、当該RTPパケットのペイロードとして受信されたエンコード済みスピーチと、当該RTPパケットのペイロードヘッダ中で要求される、ボイスエンコーダ16−2についての好適なエンコーダモードと、を通信ノード12−2へ送信する(ステップ444)。通信ノード12−2のボコーダ14−2のボイスデコーダ18−2は、エンコード済みスピーチをデコードし、及びデコードされたスピーチを出力する(ステップ446及び448)。
【0067】
また、通信ノード12−2のボコーダ14−2のボイスエンコーダ16−2は、ステップ442において制御ノード20−2によって受信されたRTPパケットのペイロードヘッダ中で要求される好適なエンコーダモードに従って、通信ノード12−2におけるスピーチをエンコードする(ステップ450)。一旦スピーチがエンコードされると、通信ノード12−2は、エンコード済みスピーチを制御ノード20−2へ送信する(ステップ452)。制御ノード20−2は、エンコード済みスピーチをRTPパケットのペイロードとして用いて、及び、ステップ412において選択された、ボイスエンコーダ16−1についての好適なエンコーダモードについての要求を当該RTPパケットのペイロードヘッダ中に含めて、上述された手法で当該RTPパケットを生成する(ステップ454)。この場合も先と同様に、好適なエンコーダモードについての要求は、RTPパケットのペイロードヘッダのMMMフィールド(図1を参照)中に含まれる。一旦RTPパケットが生成されると、通信ノード12−2についての制御ノード20−2は、RTPパケットを通信ノード12−1についての制御ノード20−1へ送信する(ステップ456)。処理は、通信ノード12−1と通信ノード12−2との間の呼が終了されるまで、上述された手法で継続する。上記で議論されたように、ステップ408及び426における制御メッセージといった制御メッセージは周期的に又はさもなければ必要に応じて交換されて、ボイスエンコーダ16−1及び16−2のエンコーダケイパビリティが動的に交換されることに留意されたい。このようにして、エンコーダケイパビリティにおける変化は、通信ノード12−1と通信ノード12−2との間で動的にシグナリングされる。
【0068】
これまでに説明された実施形態において、エンコーダケイパビリティは、通信ノード12−1及び12−2についての制御ノード20−1及び20−2の間で動的にシグナリングされる。そのため、ボイスエンコーダ16−1のエンコーダケイパビリティに基づいて、制御ノード20−2は、ボイスエンコーダ16−1のケイパビリティ内であって、かつ、制御ノード20−1のニーズ又は要望を最も満たす、ボイスエンコーダ16−1についての好適なエンコーダモードを選択することが可能となる。ただし、他の実施形態において、制御ノード20−1及び20−2は、エンコーダケイパビリティ情報を動的にシグナリングすることなく、従来のエンコーダ選択スキームに関連付けられる前述された問題に対処する。
【0069】
この点に関して、図9は、エンコーダモード選択がエンコーダケイパビリティ情報の動的なシグナリングに依存しない、本開示の別の実施形態に係る、図2のセルラ通信システム10の動作を示す。図示されるように、第1の通信ノード12−1と第2の通信ノード12−2との間の呼の期間中に、通信ノード12−2についての制御ノード20−2は、広帯域エンコーダモード要求インジケータ及び好適な狭帯域エンコーダモードインジケータを、通信ノード12−1についての制御ノード20−1へ送信する(ステップ500)。広帯域エンコーダモード要求インジケータは、制御ノード20−2がボイスエンコーダ16−1について広帯域エンコーダモードを要求するかを示す。好適な狭帯域エンコーダモードインジケータは、通信ノード12−1のボコーダ14−1のボイスエンコーダ16−1について制御ノード20−2によって選択される、好適な狭帯域エンコーダモードのインジケータである。一般に、ボイスエンコーダ16−1が広帯域エンコーダモードを用いることを制御ノード20−2が選好する(prefers)場合、制御ノード20−2は、広帯域エンコーダモード要求インジケータを適当な値に設定し、それによって、制御ノード20−2が広帯域エンコーダモードを要求していることを示す。また、制御ノード20−2は、好適な狭帯域エンコーダモードを選択し、及び好適な狭帯域エンコーダモードインジケータを適当に設定して、当該好適な狭帯域エンコーダモードを示す。好適な狭帯域エンコーダモードは、ボイスエンコーダ16−1が広帯域エンコーダモードにおいて動作することができない場合にボイスエンコーダ16−1によって用いられるべき好適なエンコーダモードである。対照的に、制御ノード20−2が広帯域エンコーダモードを選好しない場合、制御ノード20−2は、広帯域エンコーダモード要求インジケータを適当な値に設定し、それによって、制御ノード20−2は広帯域エンコーダモードを要求していないことを示す。また、制御ノード20−2は、好適な狭帯域エンコーダモードを選択し、及び好適な狭帯域エンコーダモードインジケータを適当に設定して、当該好適な狭帯域エンコーダモードを示す。この場合において、好適な狭帯域エンコーダモードは、ボイスエンコーダ16−1によって用いられるべき好適なエンコーダモードである。なぜなら、制御ノード20−2は広帯域エンコーダモードを要求していないからである。
【0070】
一実施形態において、広帯域エンコーダモード要求インジケータ及び好適な狭帯域エンコーダモードインジケータは、エンコード済みスピーチの帯域内で送信される。より具体的には、1つの特定の実施形態において、ボコーダ14−1及び14−2は、EVRC−NWボコーダであり、広帯域エンコーダモード要求インジケータ及び好適な狭帯域エンコーダモードインジケータは、RTPパケットのペイロードヘッダにおいて、エンコード済みスピーチの帯域内で送信される。例えば、ペイロードヘッダのビット0及び/又はビット1は、広帯域エンコーダモード要求インジケータを送信するために利用され、及び、MMMフィールドは、好適な狭帯域エンコーダモードインジケータを(即ち、好適狭帯域エンコーダモード要求として)送信するために用いられ得る。
【0071】
別の実施形態において、広帯域エンコーダモード要求インジケータは、エンコード済みスピーチの帯域外で送信される。より具体的には、1つの特定の実施形態において、ボコーダ14−1及び14−2は、EVRC−NWボコーダであり、好適な狭帯域エンコーダモードインジケータは、ペイロードヘッダのMMMフィールド(図1を参照)中で送信され、広帯域エンコーダモード要求インジケータは、RTPパケットの帯域外で(例えば、SDPメッセージを介して)送信される。また別の実施形態として、広帯域エンコーダモード要求インジケータは、RTP制御メッセージなどの制御メッセージ中で送信され得る。
【0072】
次に、制御ノード20−1は、ステップ500において制御ノード20−2から受信された広帯域エンコーダモード要求インジケータ及び好適な狭帯域エンコーダモードインジケータに基づいて、ボイスエンコーダ16−1についてのエンコーダモードを選択する(ステップ502)。より具体的には、広帯域エンコーダモード要求インジケータが制御ノード20−2からの広帯域エンコーダモード要求を示し、且つ、ボイスエンコーダ16−1が広帯域エンコーダモードにおいて動作することが可能である場合、制御ノード20−1は、広帯域エンコーダモードを選択する。広帯域エンコーダモード要求インジケータが制御ノード20−2からの広帯域エンコーダモード要求を示し、且つ、ボイスエンコーダ16−1が広帯域エンコーダモードにおいて動作することができない場合、制御ノード20−1は、ステップ500において制御ノード20−2から受信された好適な狭帯域エンコーダモードインジケータによって識別される狭帯域エンコーダモードを選択する。逆に、制御ノード20−2が広帯域エンコーダモードを要求していないことを広帯域エンコーダモード要求インジケータが示す場合、制御ノード20−1は、ステップ500において制御ノード20−2から受信された好適な狭帯域エンコーダモードインジケータによって識別される狭帯域エンコーダモードを選択する。
【0073】
一旦制御ノード20−1がボイスエンコーダ16−1についてのエンコーダモードを選択すると、制御ノード20−1は、選択されたエンコーダモード、又はより具体的には、当該選択されたエンコーダモードを識別する情報を、通信ノード12−1へ送信する(ステップ504)。通信ノード12−1のボコーダ14−1のボイスエンコーダ16−1は、選択されたエンコーダモードに従って、スピーチをエンコードする(ステップ506)。通信ノード12−1は、エンコード済みスピーチを制御ノード20−1へ送信し(ステップ508)、制御ノード20−1は、エンコード済みスピーチを制御ノード20−2へコアネットワーク22上で送信する(ステップ510)。この場合も先と同様に、好適な実施形態において、ボコーダ14−1及び14−2は、EVRC−NWボコーダであり、制御ノード20−1は、エンコード済みスピーチをRTPパケットのペイロードとして制御ノード20−2へ送信する。制御ノード20−2は、エンコード済みスピーチを受信すると、当該エンコード済みスピーチを通信ノード12−2へ送信する(ステップ512)。通信ノード12−2のボコーダ14−2のボイスデコーダ18−2は、エンコード済みスピーチをデコードし、及びデコードされたスピーチを出力する(ステップ514及び516)。処理は、呼が終了されるまで継続する。このようにして、広帯域エンコーダモード要求インジケータ及び好適な狭帯域エンコーダモードインジケータは、呼の期間中に動的にシグナリングされ、及び、例えばエンコーダケイパビリティの変化に応じて変化する。
【0074】
特に、図9は、制御ノード20−2から制御ノード20−1への広帯域エンコーダモード要求インジケータ及び好適な狭帯域エンコーダモードインジケータの通信と、これに基づいた、ボイスエンコーダ16−1のエンコーダモードの選択と、を示す一方で、通信ノード12−2におけるボイスエンコーダ16−2のエンコーダモードの選択における使用のために、制御ノード20−1が広帯域エンコーダモード要求インジケータ及び好適な狭帯域エンコーダモードインジケータを制御ノード20−2へ通信することが好適であることが認識されるべきである。この点に関して、図10A及び図10Bは、本開示の1つの特定の実施形態に係る、図9の処理のより詳細な図である。この実施形態において、ボコーダ14−1及び14−2は、EVRC−NWボコーダであり、エンコード済みスピーチは、RTPパケットにおいてコアネットワーク22上で伝送される。まず、第1の通信ノード12−1と第2の通信ノード12−2との間の呼の期間中に、通信ノード12−1のボコーダ14−1のボイスエンコーダ16−1は、スピーチをエンコードする(ステップ600)。最初は、ボイスエンコーダ16−1は、デフォルトのエンコーダモードに従って動作し得る。通信ノード12−1は、エンコード済みスピーチを制御ノード20−1へ送信する(ステップ602)。これに応じて、制御ノード20−1は、エンコード済みスピーチをRTPパケットのペイロードとして用いて、並びに、広帯域エンコーダモード要求インジケータ及び好適な狭帯域エンコーダモードインジケータを当該RTPパケットのペイロードヘッダ中に含めて、当該RTPパケットを生成する(ステップ604)。
【0075】
広帯域エンコーダモード要求インジケータ及び好適な狭帯域エンコーダモードインジケータは、通信ノード12−2のボコーダ14−2のボイスエンコーダ16−2のエンコーダモードに関する、制御ノード20−1のプリファレンスに基づいて構成される。ボイスエンコーダ16−2が広帯域エンコーダモードにおいて動作することを制御ノード20−1が選好する場合、制御ノード20−1は、広帯域エンコーダモード要求インジケータが広帯域エンコーダモード要求を示すように構成し、及び、ボイスエンコーダ16−2が広帯域エンコーダモードにおいて動作することができない場合には好適な狭帯域エンコーダモードインジケータが好適な狭帯域モードを示すように構成する。ボイスエンコーダ16−2が広帯域エンコーダモードにおいて動作することを制御ノード20−1が選好しない場合、制御ノード20−1は、広帯域エンコーダモード要求が存在しないことを広帯域エンコーダモード要求インジケータが示すように構成し、及び、好適な狭帯域エンコーダモードインジケータが好適な狭帯域モードを示すように構成する。好適には、広帯域エンコーダモード要求インジケータは、ペイロードヘッダのビット0又はビット1のいずれかにおいて送信され、並びに、制御ノード20−1が広帯域エンコーダモードを要求しない場合にはあるビット値(例えば、0)に、及び制御ノード20−1が広帯域エンコーダモードを要求する場合には異なるビット値(例えば、1)に設定される。好適な狭帯域エンコーダモードインジケータは、ペイロードヘッダのMMMフィールド(図5を参照)中で送信されることが好適である。
【0076】
一旦RTPパケットが生成されると、通信ノード12−1について制御ノード20−1は、当該RTPパケットを通信ノード12−2についての制御ノード20−2へコアネットワーク22上で送信する(ステップ606)。制御ノード20−2は、RTPパケットを受信すると、当該RTPパケットのペイロード中で受信されたエンコード済みスピーチを通信ノード12−2へ送信する(ステップ608)。通信ノード12−2のボコーダ14−2のボイスデコーダ18−2は、エンコード済みスピーチをデコードし、及びデコードされたスピーチを出力する(ステップ610及び612)。また、通信ノード12−2についての制御ノード20−2は、ステップ606において受信されたRTPパケットのペイロードヘッダ中で受信された広帯域エンコーダモード要求インジケータ及び好適な狭帯域エンコーダモードインジケータに基づいて、通信ノード12−2のボコーダ14−2のボイスエンコーダ16−2についてのエンコーダモードを選択し(ステップ614)、及び、選択されたエンコーダモード、又はより好適には、当該選択されたエンコーダモードを識別する情報を通信ノード12−2へ送信する(ステップ616)。
【0077】
通信ノード12−2のボコーダ14−2のボイスエンコーダ16−2は、選択されたエンコーダモードに従って、通信ノード12−2におけるスピーチをエンコードし(ステップ618)、及びエンコード済みスピーチを制御ノード20−2へ送信する(ステップ620)。制御ノード20−2は、エンコード済みスピーチを受信すると、当該エンコード済みスピーチをRTPパケットのペイロードとして用いて、並びに、広帯域エンコーダモード要求インジケータ及び好適な狭帯域エンコーダモードインジケータを当該RTPパケットのペイロードヘッダ中に含めて、当該RTPパケットを生成する(ステップ622)。広帯域エンコーダモード要求インジケータは、制御ノード20−2が通信ノード12−1のボコーダ14−1のボイスエンコーダ16−1について広帯域エンコーダモードを要求するかを示す。好適な狭帯域エンコーダモードインジケータは、通信ノード12−2のボコーダ14−1のボイスエンコーダ16−1について制御ノード20−2によって選択される好適なエンコーダモードを示す。
【0078】
一旦RTPパケットが生成されると、通信ノード12−2についての制御ノード20−2は、当該RTPパケットを通信ノード12−1についての制御ノード20−1へコアネットワーク22上で送信する(ステップ624)。制御ノード20−1は、RTPパケットを受信すると、エンコード済みスピーチを通信ノード12−1へ送信する(ステップ626)。これに応じて、通信ノード12−1のボコーダ14−1のボイスデコーダ18−1は、エンコード済みスピーチをデコードし、及びデコードされたスピーチを出力する(ステップ628及び630)。また、通信ノード12−1についての制御ノード20−1は、ステップ624において受信されたRTPパケットのペイロードヘッダ中で受信された広帯域エンコーダモード要求インジケータ及び好適な狭帯域エンコーダモードインジケータに基づいて、通信ノード12−1のボコーダ14−1のボイスエンコーダ16−1についてのエンコーダモードを選択し(ステップ632)、並びに、選択されたエンコーダモード、又はより具体的には、当該選択されたエンコーダモードを識別する情報を通信ノード12−1へ送信する(ステップ634)。
【0079】
通信ノード12−1のボコーダ14−1のボイスエンコーダ16−1は、選択されたエンコーダモードに従って、通信ノード12−1におけるスピーチをエンコードし(ステップ636)、及びエンコード済みスピーチを制御ノード20−1へ送信する(ステップ638)。通信ノード12−1についての制御ノード20−1は、エンコード済みスピーチを受信すると、エンコード済みスピーチをRTPパケットのペイロードとして用いて、及び、ボコーダ14−2についての広帯域エンコーダモード要求インジケータ及び好適な狭帯域エンコーダモードインジケータを当該RTPパケットのペイロードヘッダ中に含めて、上述された手法で当該RTPパケットを生成する(ステップ640)。特に、広帯域エンコーダモード要求インジケータ及び好適な狭帯域エンコーダモードインジケータをベアラ信号(即ち、エンコード済みスピーチを搬送する信号)についての各RTP中に含めることによって、制御ノード20−1は、ボイスエンコーダ16−2についての要求されるエンコーダモードを動的に更新することが可能となる。一旦RTPパケットが生成されると、制御ノード20−1は、当該RTPパケットを通信ノード12−2についての制御ノード20−2へコアネットワーク22上で送信する(ステップ642)。処理は、通信ノード12−1と通信ノード12−2との間の呼が終了されるまで、上述された手法で継続する。この処理を用いることで、制御ノード20−1及び20−2の各々は、広帯域エンコーダモードについての当該ノードのプリファレンス及び当該ノードの好適な狭帯域エンコーダモードの双方を、制御ノード20−1及び20−2のうちの他方へ動的にシグナリングすることが可能となる。
【0080】
図11は、本開示の別の実施形態に係る、セルラ通信システム10の動作を示す。一般に、広帯域エンコーダモード及び好適な狭帯域エンコーダモードは、付加的な情報を帯域内シグナリング又は帯域外シグナリングを通じて明示的に通信することよりも、一連の広帯域エンコーダモード要求及び狭帯域エンコーダモード要求を通じて暗黙的に識別される。特に、ボコーダ14−2のボイスエンコーダ16−2が広帯域エンコーダモードを用いることを制御ノード20−1が選好する場合、制御ノード20−1は、一連の広帯域エンコーダモード要求及び好適狭帯域エンコーダモード要求を送信する。ボイスエンコーダ16−2が広帯域エンコーダモードにおいて動作することが可能である場合、ボイスエンコーダ16−2は、広帯域エンコーダモードにおいて動作するように構成され、制御ノード20−2は、好適狭帯域エンコーダモード要求を無視する。逆に、ボイスエンコーダ16−2が広帯域エンコーダモードにおいて動作することができない場合、ボイスエンコーダ16−2は、好適な狭帯域エンコーダモードにおいて動作するように構成され、制御ノード20−2は、広帯域エンコーダモード要求を無視する。
【0081】
より具体的には、この実施形態において、通信ノード12−1のボコーダ14−1のボイスエンコーダ16−1は、スピーチをエンコードし、及びエンコード済みスピーチを制御ノード20−1へ送信する(ステップ700及び702)。制御ノード20−1は、エンコード済みスピーチをRTPパケットのペイロードとして及び広帯域エンコーダモード要求を当該RTPパケットのペイロードヘッダ中に(即ち、ペイロードヘッダのMMMフィールド中に)含む当該RTPパケットを生成し、並びに、当該RTPパケットを制御ノード20−2へコアネットワーク22を介して送信する(ステップ704及び706)。図示されていないが、制御ノード20−2は、エンコード済みスピーチを通信ノード12−2へ送信し、通信ノード12−2において、当該エンコード済みスピーチは、ボコーダ14−2によってデコードされ及び出力される。次に、通信ノード12−1の1ボコーダ14−1のボイスエンコーダ16−1は、スピーチをエンコードし、及びエンコード済みスピーチを制御ノード20−1へ送信する(ステップ708及び710)。制御ノード20−1は、エンコード済みスピーチをRTPパケットのペイロードとして及び好適な狭帯域エンコーダモードについての狭帯域エンコーダモード要求を当該RTPパケットのペイロードヘッダ中に(即ち、ペイロードヘッダのMMMフィールド中に)含む当該RTPパケットを生成し、並びに、当該RTPパケットを制御ノード20−2へコアネットワーク22上で送信する(ステップ712及び714)。図示されていないが、制御ノード20−2は、エンコード済みスピーチを通信ノード12−2へ送信し、通信ノード12−2において、当該エンコード済みスピーチは、ボコーダ14−2によってデコードされ及び出力される。幾つかの実施形態において、通信ノード12−1及び制御ノード20−1は、ステップ708からステップ714を繰り返す。
【0082】
次に、通信ノード12−1のボコーダ14−1のボイスエンコーダ16−1は、スピーチをエンコードし、及びエンコード済みスピーチを制御ノード20−1へ送信する(ステップ716及び718)。制御ノード20−1は、エンコード済みスピーチをRTPパケットのペイロードとして及び広帯域エンコーダモード要求を当該RTPパケットのペイロードヘッダ中に(即ち、ペイロードヘッダのMMMフィールド中に)含む当該RTPパケットを生成し、並びに、当該RTPパケットを制御ノード20−2へコアネットワーク22上で送信する(ステップ702及び722)。従って、ステップ706、714、及び722において、制御ノード20−1は、周期的な広帯域エンコーダモード要求を制御ノード20−2へ送信し、及びこれら周期的な広帯域エンコーダモード要求の間に狭帯域エンコーダモード要求を送信する。このようにして、ボコーダ14−2のボイスエンコーダ16−2が広帯域エンコーダモードに従って、及び、ボイスエンコーダ16−2が広帯域エンコーダモードにおいて動作することができない場合には複数の狭帯域エンコーダモード要求又は少なくとも最新の狭帯域エンコーダモード要求によって識別される狭帯域エンコーダモードに従って、スピーチをエンコードすることを制御ノード20−1が選好することを、制御ノード20−1は、制御ノード20−2に黙示的に示す。
【0083】
通信ノード12−2についての制御ノード20−2において、制御ノード20−2は、制御ノード20−1からの広帯域エンコーダモード要求及び狭帯域エンコーダモード要求に基づいて、ボコーダ14−2のボイスエンコーダ16−2についてのエンコーダモードを選択する(ステップ724)。より具体的には、ボイスエンコーダ16−2が広帯域エンコーダモードにおいて動作することが可能である場合、広帯域エンコーダモードが選択される。ボイスエンコーダ16−2が広帯域エンコーダモードにおいて動作することができない場合、狭帯域エンコーダモード要求又は複数の狭帯域エンコーダモード要求のうちの少なくとも最新の1つによって識別される狭帯域エンコーダモードが選択される。制御ノード20−2は、選択されたエンコーダモード、又はより具体的には、選択されたエンコーダモードを識別する情報を、通信ノード12−2へ送信する(ステップ726)。ボイスエンコーダ16−2は、選択されたエンコーダモードに従ってスピーチをエンコードし、及びエンコード済みスピーチを制御ノード20−2へ送信する(ステップ728及び730)。制御ノード20−2は、エンコード済みスピーチをRTPパケットのペイロードとして用いてRTPパケットを生成し、及び当該RTPパケットを制御ノード20−1へコアネットワーク22上で送信する(ステップ732及び734)。
【0084】
図11の処理は、通信ノード12−1と通信ノード12−2との間の呼が終了されるまで継続する。このようにして、エンコーダモードのプリファレンスは、通信ノード12−1と通信ノード12−2との間の呼の期間中、動的にシグナリングされる。なお、広帯域エンコーダモード要求及び狭帯域エンコーダモード要求は制御ノード20−1から制御ノード20−2へ送信されるものとして図示され及び説明されているが、同様の広帯域エンコーダモード要求及び狭帯域エンコーダモード要求は、制御ノード20−2から制御ノード20−1へ送信され得る。
【0085】
図12は、本開示の一実施形態に係る、制御ノード20−1からのエンコーダモード要求に応じて、ボイスエンコーダ16−2についてのエンコーダモードを選択するための、図11の通信ノード12−2についての制御ノード20−2の動作を示すフローチャートである。図示されるように、制御ノード20−2は、制御ノード20−1からエンコーダモード要求を受信する(ステップ800)。これに応じて、制御ノード20−2は、通信ノード12−1と通信ノード12−2との間の呼の期間中に制御ノード20−1から周期的な広帯域エンコーダモード要求が受信されたかを判定する(ステップ802)。周期的な広帯域エンコーダモード要求が受信されなかった場合、制御ノード20−2は、エンコーダモード要求が広帯域エンコーダモード要求であるかを判定する(ステップ804)。エンコーダモード要求が広帯域エンコーダモード要求ではない場合、エンコーダモード要求は、狭帯域エンコーダモード要求であり、制御ノード20−2は、要求される狭帯域エンコーダモードをボイスエンコーダ16−2についてのエンコーダモードとして選択する(ステップ806)。そうではなく、エンコーダモード要求が広帯域エンコーダモード要求である場合、制御ノード20−2は、ボイスエンコーダ16−2が広帯域エンコーダモードにおいて動作することが可能であるかを判定する(ステップ808)。ボイスエンコーダ16−2が広帯域エンコーダモードにおいて動作することができない場合、制御ノード20−2は、デフォルトの狭帯域エンコーダモードをボイスエンコーダ16−2についてのエンコーダモードとして選択する(ステップ810)。そうではなく、ボイスエンコーダ16−2が広帯域エンコーダモードにおいて動作することが可能である場合、制御ノード20−2は、広帯域エンコーダモードをボイスエンコーダ16−2についてのエンコーダモードとして選択する(ステップ812)。
【0086】
ステップ802に戻ると、通信ノード12−1と通信ノード12−2との間の呼の期間中に、制御ノード20−2が周期的な広帯域エンコーダモード要求を制御ノード20−1から受信した場合、制御ノード20−2は、ボイスエンコーダ16−2が広帯域エンコーダモードにおいて動作することが可能であるかを判定する(ステップ814)。ボイスエンコーダ16−2が広帯域エンコーダモードにおいて動作することができない場合、制御ノード20−2は、制御ノード20−1からの狭帯域エンコーダモード要求、又は直近の制御ノード20−1からの狭帯域エンコーダモード要求のうちの少なくとも1つ、によって識別される好適な狭帯域エンコーダモードを、ボイスエンコーダ16−2についてのエンコーダモードとして選択する(ステップ816)。そうではなく、ボイスエンコーダ16−2が広帯域エンコーダモードにおいて動作することが可能である場合、制御ノード20−2は、広帯域エンコーダモードをボイスエンコーダ16−2についてのエンコーダモードとして選択する(ステップ818)。この処理を用いることで、制御ノード20−1のプリファレンス及びボイスエンコーダ16−2のケイパビリティに基づいて、ボイスエンコーダ16−2についての最良のエンコーダモードが選択される。ボイスエンコーダ16−2のケイパビリティが変化すると、エンコーダモードも制御ノード20−1のプリファレンスに依存して変化し得る。
【0087】
図13は、本開示の一実施形態に係る、通信ノード12と呼ばれる、通信ノード12−1及び12−2のうちの1つのブロック図である。通信ノード12は、処理サブシステム24と、送受信機サブシステム26と、を備える。送信機サブシステム26は、一般に、セルラ通信システム10内の基地局又は他の無線デバイスへメッセージを無線で送信し及び当該基地局又は当該他の無線デバイスからメッセージを無線で受信するためのアナログコンポーネント及び幾つかの実施形態においてはデジタルコンポーネントを備える。他の無線デバイスは、一実施形態において、制御ノード20−1を含む。特定の実施形態において、送受信機サブシステム26は、そのようなメッセージ及び/又は他の適切な情報を基地局又は他の無線デバイスへ無線で送信することが可能であるRF送受信機又は別個のRF送信機及びRF受信機を表し又は備え得る。
【0088】
処理サブシステム24は、ハードウェア又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにおいて実装される。一般に、処理サブシステム24は、通信ノード12のボコーダ14を含む。特定の実施形態において、処理サブシステム24は、例えば、本明細書において説明される通信ノード12の機能性のうちの幾つか又は全てを実行するように適切なソフトウェア及び/又はファームウェアによってプログラミングされた、1つ又は幾つかの汎用マイクロプロセッサ若しくは専用マイクロプロセッサ、又は他のマイクロコントローラを含み得る。付加的に又は代替的に、処理サブシステム24は、本明細書において説明される通信ノード12の機能性のうちの幾つか又は全てを実行するように構成される種々のデジタルハードウェアブロック(例えば、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuits))、1つ以上の既製のデジタルハードウェアコンポーネント及びアナログハードウェアコンポーネント、又はこれらの組み合わせ)を含んでもよい。また、特定の実施形態において、通信ノード12の上述された機能性は、全体的に又は部分的に、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、磁気記憶デバイス、光学記憶デバイス、又は任意の他の適切なタイプのデータ記憶コンポーネントといった非一時的な(non-transitory)コンピュータ読取可能な媒体上に記憶されるソフトウェア又は他の命令を実行する処理サブシステム24によって実装されてもよい。
【0089】
図14は、本開示の一実施形態に係る、制御ノード20と呼ばれる、制御ノード20−1及び20−2のうちの1つのブロック図である。制御ノード20は、処理サブシステム28と、送受信機サブシステム30と、ネットワーク通信サブシステム32と、を備える。なお、図14の制御ノード20は、送受信機サブシステム30及びネットワーク通信サブシステム32の双方を備えるが、制御ノード20がネットワーク通信サブシステム32のみを備える実施形態(例えば、制御ノード20は、1つ以上の基地局及びコアネットワーク22にネットワーク通信サブシステム32を介して接続されるMSCである実施形態)もあり得る。送受信機サブシステム30及びネットワーク通信サブシステム32は、一般に、本明細書において、通信インタフェースと呼ばれる。送受信機サブシステム30は、一般に、セルラ通信システム10内の関連付けられる通信ノード12へメッセージを無線で送信し及び当該通信ノード12からメッセージを無線で受信するためのアナログコンポーネント及び幾つかの実施形態においてはデジタルコンポーネントを備える。特定の実施形態において、送受信機サブシステム30は、そのようなメッセージ及び/又は他の適切な情報を関連付けられる通信ノード12へ無線で送信することが可能なRF送受信機又は別個のRF送信機及びRF受信機を表し又は備え得る。同様に、ネットワーク通信サブシステム32は、一般に、コアネットワーク22上で通信するアナログコンポーネント及び幾つかの実施形態においてはデジタルコンポーネントを備える。
【0090】
処理サブシステム28は、ハードウェア又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにおいて実装される。一般に、処理サブシステム28は、本明細書において説明される制御ノード20の機能性のうちの幾つか又は全てを実行する。特定の実施形態において、処理サブシステム28は、例えば、本明細書において説明される制御ノード20の機能性のうちの幾つか又は全てを実行するように適切なソフトウェア及び/又はファームウェアによってプログラミングされた、1つ又は幾つかの汎用マイクロプロセッサ若しくは専用マイクロプロセッサ、又は他のマイクロコントローラを含み得る。付加的に又は代替的に、処理サブシステム28は、本明細書において説明される制御ノード20の機能性のうちの幾つか又は全てを実行するように構成される種々のデジタルハードウェアブロック(例えば、1つ以上のASIC、1つ以上の既製のデジタルハードウェアコンポーネント及びアナログハードウェアコンポーネント、又はこれらの組み合わせ)を含み得る。また、特定の実施形態において、制御ノード20の上述された機能性は、全体的に又は部分的に、RAM、ROM、磁気記憶デバイス、光学記憶デバイス、又は任意の他の適切なタイプのデータ記憶コンポーネントといった非一時的なコンピュータ読取可能な媒体上に記憶されるソフトウェア又は他の命令を実行する処理サブシステム28によって実装されてもよい。
【0091】
下記は、本開示の全体にわたって用いられる頭字語である。
・3GPP2 Third Generation Partnership Project 2
・ASIC Application Specific Integrated Circuit
・CDMA Code Division Multiple Access
・EVRC Enhanced Variable Rate Codec
・EVRC-NW Enhanced Variable Rate Codec - Narrowband-Wideband
・MSC Mobile Switching Center
・RAM Random Access Memory
・RF Radio Frequency
・ROM Read Only Memory
・RTCP Real Time Protocol Control Protocol
・RTP Real Time Protocol
・SDES Source Description RTCP Packet
・SDP Session Description Protocol
・SIP Session Initiation Protocol
【0092】
当業者は、本開示の好適な実施形態の改良及び変形を認識するであろう。そのような改良及び変形の全ては、本明細書において開示される概念の範囲及び以下に続く特許請求の範囲内とみなされる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14