特許第6073982号(P6073982)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073982
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20170123BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20170123BHJP
   G09F 9/00 20060101ALN20170123BHJP
【FI】
   G06F3/041 460
   G06F3/041 495
   G06F3/044 Z
   G06F3/041 640
   !G09F9/00 366A
   !G09F9/00 313
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-131084(P2015-131084)
(22)【出願日】2015年6月30日
(65)【公開番号】特開2016-15138(P2016-15138A)
(43)【公開日】2016年1月28日
【審査請求日】2015年6月30日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0080484
(32)【優先日】2014年6月30日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0152941
(32)【優先日】2014年11月5日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100161115
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 智史
(72)【発明者】
【氏名】リ、ギュ・ホ
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ウォン・ボン
(72)【発明者】
【氏名】キ、ナム
【審査官】 菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/160894(WO,A1)
【文献】 特開2010−256880(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/051497(WO,A1)
【文献】 特開2013−015811(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/043325(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0133074(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板及び第2基板を含む表示パネルと、
前記表示パネルの上に配置され、エチレンカーボネート化合物を含むカバー基板と
を含み、
前記エチレンカーボネート化合物が、前記カバー基板の5重量%〜30重量%で含まれることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記カバー基板の誘電率は、4.0〜8.0であることを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【請求項3】
前記カバー基板は、表面硬度が8H以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記カバー基板は、温度70℃、相対湿度90%の条件下で96時間放置した後に測定した膨張率が0.1%以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記カバー基板は、屈曲度が45mm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示パネルは、フレキシブル表示パネル、有機電界発光表示パネル又は液晶表示パネルであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、より具体的には、柔軟性及びタッチ感度を向上させた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、本格的な情報化時代の進展に伴い、電気的情報信号を視覚的に表現する表示装置(display)分野が急速に発展してきており、これに応じて薄型化、軽量化、低消費電力化に優れた性能を有した多様な平面表示装置(Flat Display Device)が開発され、既存のブラウン管(Cathode Ray Tube:CRT)を早く代替している。
【0003】
このような表示装置の具体的な例としては、液晶表示装置(Liquid Crystal Display device:LCD)、有機電界発光表示装置(Organic Light Emitting Display:OLED)、電気泳動表示装置(Electrophoretic Display:EPD、Electric Paper Display)、プラズマ表示装置(Plasma Display Panel device:PDP)、電界放出表示装置(Field Emission Display device:FED)、電気発光表示装置(Electro luminescence Display Device:ELD)及びエレクトロウェッティング表示装置(Electro-Wetting Display:EWD)等を挙げることができる。
【0004】
最近では、表示装置の開発が活発に行われていることから、既存のデザインとは差別化された多様性が要求されており、美的機能を強化でき、使用上の多機能を付与できる表示装置が議論中にある。プラスチックなどのような柔軟性を有する基板を用いたフレキシブル(flexible)表示装置が開発され、従来の平面表示装置と比較して多様なデザイン変形が可能となった。
【0005】
このような表示装置の画面上にはカバー基板が適用される。前記カバー基板は、表示装置を保護するために高硬度及び耐衝撃性を有するように形成される必要がある。また、フレキシブル表示装置に適用される場合、前記カバー基板には柔軟性が必要である。従来、このようなカバー基板としては、殆ど強化ガラスが用いられてきたが、強化ガラスの場合、成形性が悪いことから、フレキシブル表示装置に適用し難いという問題点がある。従って、最近では成形性が優れたプラスチック材質のカバー基板に対する研究が活発に試みられている。しかし、プラスチック材質の場合、ガラス材質に比べて表面硬度が低いので、耐スクラッチ性が悪く、高温高湿環境下で簡単に変形して製品の信頼性が低下するという問題点がある。
【0006】
また、最近では表示装置に表示された画像に、指またはスタイラスペンなどの入力装置を接触する方式で入力を行うタッチパネルが適用されている。タッチパネルは、代表的に抵抗膜方式のタッチパネルと静電容量方式のタッチパネルとに区分できる。
【0007】
抵抗膜方式のタッチパネルは、入力装置に圧力を加えたとき、電極間連結によって抵抗が変化することを感知して位置が検出される。静電容量方式のタッチパネルは、指が接触したとき、電極間の静電容量が変化することを感知して位置が検出される。製造方式の便宜性及びセンシング力などを考慮して、小型モデルにおいては最近、静電容量方式が注目されている。このように、タッチパネルが適用される表示装置において、タッチ機能が円滑に駆動されるためには、厚いカバー基板の誘電率が高いことが好ましい。しかし、プラスチック材質の場合は殆ど、強化ガラスに比べて低い誘電率を有するので、プラスチック材質でカバー基板を形成する場合、タッチ感度が落ちるという問題点がある。
【0008】
従って、表面硬度が優れ、高温高湿環境下での信頼性が優れ、タッチ感度を低下させることなく成形性が優れたカバー基板を開発する必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、柔軟性及び表面硬度が優れるだけでなく、高温高湿環境下においても優れた耐久性を有するカバー基板を含む表示装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、誘電率が向上したカバー基板を含み、タッチ感度が向上した表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記したような従来技術の課題を解決するための本発明の表示装置は、第1基板及び第2基板を含む表示パネルと、前記表示パネルの上に配置され、エチレンカーボネート化合物を含むカバー基板とを含み、前記エチレンカーボネート化合物が、前記カバー基板の5重量%〜30重量%で含まれることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、柔軟性及び表面硬度が優れるだけでなく、高温高湿環境下においても優れた耐久性を有するカバー基板を含む表示装置を提供することができる。また、本発明によれば、誘電率が向上したカバー基板を含み、タッチ感度が向上した表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態に係る表示装置を示した図面である。
図2】本発明の実施の形態に係る表示装置の表示パネルを説明するための図面である。
図3】本発明の実施の形態に係る表示装置の表示パネルを説明するための図面である。
図4】本発明の実施の形態に係る表示装置のタッチパネルを説明するための図面である。
図5】本発明の実施の形態に係る表示装置のタッチパネルを説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参考して詳しく説明する。なお、実施の形態は、当業者に本発明の思想が十分に伝わるようにするための例示であり、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、他の形態で具体化することもできる。そして図面において、装置の大きさ及び厚さなどは、便宜を図り誇張表現されることもある。なお、本明細書全体にわたり同じ符号は同じ構成要素を示す。
【0017】
図1図5を参照して本発明の実施の形態に係る表示装置を説明する。図1は本発明の実施の形態に係る表示装置を示した図面である。図2及び図3は本発明の実施の形態に係る表示装置の表示パネルを説明するための図面である。図4及び図5は本発明の実施の形態に係る表示装置のタッチパネルを説明するための図面である。
【0018】
図1を示すように、本発明の実施の形態に係る表示装置100は、表示パネル300及びカバー基板200を含むことができる。前記カバー基板200は、前記表示パネル300の上方に配置される。また、本発明の実施の形態に係る表示装置100は、タッチパネル400をさらに含むことができる。
【0019】
まず、カバー基板200について説明する。
前記カバー基板200は、表示装置100の最上層に配置され、表示装置100を保護する役割をすることができる。すなわち、前記カバー基板200は、前記カバー基板200の下部に配置された表示パネル300またはタッチパネル400を保護することができる。前記カバー基板200の厚さは700μm〜1000μmに形成される。
【0020】
前記カバー基板200は、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate、PMMA)及びカーボネート化合物を含むことができる。前記カーボネート化合物は、下記式で表わされる化合物を含むことができる。
【0021】
【化1】
【0022】
但し、上記式中、前記R〜Rは、それぞれ独立的に水素または炭素数1〜10のアルキルであり、点線は、単結合又は非結合を意味する。前記R〜Rは水素であることが好ましく、R〜Rは水素であることがさらに好ましい。
【0023】
一方、本発明において、前記カーボネート化合物は、前記カバー基板200の5重量%〜30重量%の含量で含まれることができる。前記カーボネート化合物が5重量%未満で含まれる場合、誘電率、硬度及び柔軟性が相対的に小さく形成される。また、前記カーボネート化合物が30重量%を超えて含まれる場合、前記カバー基板200の機械的物性が変わり、安定性が低下することがある。
【0024】
上記したような本発明のカバー基板200は、従来公知のプラスチック材質のカバー基板に比べて、優れた表面硬度を有する。例えば、前記カバー基板は、8H以上、好ましくは8H〜12H、さらに好ましくは9H〜12Hの鉛筆硬度を有することができる。従って、本発明のカバー基板200を適用した表示装置は、耐スクラッチ性及び耐摩耗性が優れる。
【0025】
また、前記カバー基板200は、高温高湿環境下で優れた耐久性を有する。例えば、前記カバー基板200は、温度70℃、相対湿度90%の条件下で96時間放置した後に測定した膨張率が、0.1%以下、好ましくは0.05%以下、さらに好ましくは0.02%以下である。
【0026】
また、前記カバー基板200は、柔軟性に優れ、折り曲げ(bending)、折畳み(folding)、ローリング(rolling)等のような多様なデザインに成形可能であるので、フレキシブル表示装置に好ましく適用することができる。例えば、前記カバー基板200は、屈曲度が45mm以下、好ましくは40mm以下、さらに好ましくは20mm〜40mmである。ここで、前記屈曲度は、多様な曲率半径を有する半円柱状のドラム上にカバー基板を付着した後、カバー基板が破損する直前のドラムの半径R値を測定することによって得られる。
【0027】
また、前記カバー基板200は、高誘電率を有する。前記カバー基板200は、4.0以上の誘電率を有することが好ましい。前記カバー基板200は、4.0〜8.0の誘電率を有することがさらに好ましい。
【0028】
前記タッチパネル400が静電容量方式に形成される場合、タッチ性能は材料の誘電率に影響を受ける。特に、最上層に形成されて指またはスタイラスペンなどの入力装置と隣接するように配置され、表示装置に含まれる多数の基板のうち最も厚い前記カバー基板200の誘電率が、重要な要因として作用する。従って、誘電率が向上した本発明のカバー基板200を用いる場合、タッチ感度(sensitivity)及びタッチ性能が向上した表示装置100を実現することができる。
【0029】
次に、表示パネル300について説明する。
前記表示パネル300は、液晶表示パネルまたは有機電界発光表示パネルからなることができる。以下、図2を参照して、前記表示パネル300が液晶表示パネルである場合を例に説明する。
【0030】
図2を示すように、前記表示パネル300は、液晶表示パネルである。前記液晶表示パネル300は、第1基板301と第2基板302との間に液晶層380を挟むことによって形成される。また、図示されないが、前記液晶表示パネル300の下部には、バックライトユニットが配置される。また、図示されないが、第1基板301及び第2基板302の外面には、特定偏光のみを選択的に透過させる偏光板がさらに付着される。
【0031】
前記液晶表示パネル300は、表示領域と非表示領域とに区分される。前記表示領域では、前記第1基板301の一面に、ゲート配線とデータ配線とがゲート絶縁膜352を間に挟んで相互垂直に交差して画素領域を定義する。前記画素領域には、薄膜トランジスター(Thin Film Transistor、TFT)が設けられる。前記薄膜トランジスターは、保護層356に形成されたコンタクトホールを介して、各画素領域に用意された画素電極357と接続される。すなわち、前記第1基板301は、薄膜トランジスター基板またはアレイ基板であることができる。
【0032】
前記薄膜トランジスター(TFT)は、ゲート電極351、ゲート絶縁膜352、半導体層353、ソース電極354及びドレーン電極355からなる。また、図面には、前記薄膜トランジスターのゲート電極351が半導体層353の下に配置されるボトムゲート(bottom gate)構造を図示したが、ゲート電極351が半導体層353の上に配置されるトップゲート(top gate)構造に形成することもできる。また、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で、薄膜トランジスターの構成などは、多様な変更及び修正が可能である。
【0033】
また、前記液晶表示パネル300の前記第2基板302の一面には、第1基板301の薄膜トランジスター(TFT)等の非表示領域を覆いながら画素領域を取囲む格子状のブラックマトリックス371が形成される。また、これらの格子内部で各画素領域に対応するように順次繰返し配列されるR(red)、G(green)及びB(blue)のカラーフィルタ層372と、これらを全て覆う透明な共通電極373とを含む。
【0034】
前記液晶層380と画素電極357との間及び前記液晶層380と共通電極373との間には、それぞれ第1配光膜358及び第2配光膜374が介在する。前記第1配光膜358及び第2配光膜374は、液晶分子の初期配列状態と配向方向を均一に整列させることができる。
【0035】
但し、図面は、本発明に係る液晶表示パネルを簡素化して示したものとして、これに限定されるものない。例えば、図面上には1つの薄膜トランジスターで示したが、動作の特性に応じて、前記薄膜トランジスターは1つ以上の薄膜トランジスターの組合から構成することができる。
【0036】
また、液晶分子の配列を調節する方式は、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モード、IPS(In Plane Switching)モード及びFFS(Fringe Field Switching)モードなど多様に適用することができる。これによって、図面上には、画素電極357が第1基板301に形成され、共通電極373は第2基板302に形成される構成を図示したが、画素電極357及び共通電極373の構成も変更及び修正が可能である。IPS(In Plane Switching)モードまたはFFS(Fringe Field Switching)モードの場合、前記画素電極357と共通電極373は、前記第1基板301に形成される。
【0037】
また、前記液晶表示パネル300は、薄膜トランジスター、カラーフィルタ層及びブラックマトリックスが第1基板301に形成され、第2基板302が液晶層を間に挟んで前記第1基板301と接着されるCOT(color filter on transistor)構造の液晶表示パネルからなることもできる。すなわち、前記第1基板301の上に薄膜トランジスターを形成し、前記薄膜トランジスターの上に保護膜を形成し、前記保護膜の上にカラーフィルタ層を形成することができる。また、前記第1基板301には、前記薄膜トランジスターと接触する画素電極を形成する。
【0038】
このとき、開口率を向上させ、マスク工程を単純化するために、ブラックマトリックスを省略し、共通電極がブラックマトリックスの役割を兼ねるように、前記第1基板301に形成することもできる。
【0039】
すなわち、液晶表示パネル300は、図示されたものに限定されず、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で、薄膜トランジスターの構成などは多様な変更及び修正が可能である。
【0040】
以下、図3を参照して、前記表示パネル300が有機電界発光表示パネルである場合を例に説明する。
【0041】
図3を示すように、前記表示パネル300は、有機電界発光表示パネルである。前記有機電界発光表示パネル300は、薄膜トランジスター(TFT)及び前記薄膜トランジスター(TFT)と電気的に連結された有機発光素子(OL)が形成された第1基板301と、前記有機発光素子(OL)を保護するための第2基板302とを含む。前記第1基板301と前記第2基板302との間には、シール層324が形成される。図面上には、前記シール層324を単一層として図示したが、前記シール層324は、保護層及び接着層など多数の層から構成することができる。
【0042】
前記有機電界発光表示パネル300は、表示領域と非表示領域とに区分できる。前記有機電界発光表示パネル300の表示領域において、第1基板301上の一面には薄膜トランジスター(TFT)が形成される。前記薄膜トランジスター(TFT)は、半導体層311、ゲート電極313、ソース電極315及びドレーン電極316を含んで形成される。
【0043】
詳しくは、前記第1基板301の上に、ソース領域311a、チャネル領域311b及びドレイン領域311cを含む半導体層311が形成される。前記半導体層311の上にゲート絶縁膜312が形成され、前記ゲート絶縁膜312の上にゲート配線と前記ゲート配線から分岐されたゲート電極313とが形成される。前記ゲート配線及びゲート電極313上に層間絶縁膜314が形成される。
【0044】
前記層間絶縁膜314を間に挟んでゲート配線と交差して画素領域を定義するデータ配線と、前記データ配線から分岐されたソース電極315及び前記ソース電極315から一定間隔離隔してドレーン電極316が形成される。このとき、前記ソース電極315及びドレーン電極316のそれぞれは、前記ゲート電極313上に形成された層間絶縁膜314とゲート絶縁膜312とを貫通して形成されたコンタクトホールを介して、前記半導体層311のソース領域311a及びドレイン領域311cとそれぞれ接触する。
【0045】
前記ソース電極315及びドレーン電極316上には保護膜317が形成され、前記保護膜317には前記ドレーン電極316を露出するコンタクトホールが形成される。前記露出されたドレーン電極316は、前記保護膜317上に形成された連結電極318と電気的に連結される。前記薄膜トランジスター(TFT)を含む第1基板301前面に平坦化膜319が形成され、前記平坦化膜319には、前記連結電極318が露出するコンタクトホールが形成される。
【0046】
前記平坦化膜319に形成されたコンタクトホールを介して薄膜トランジスター(TFT)と電気的に連結される有機発光素子(OL)が形成される。前記有機発光素子(OL)は、下部電極320、有機発光層322及び上部電極323からなる。
【0047】
より詳しくは、前記露出された連結電極318の上に、有機発光素子(OL)の下部電極320が形成される。図面上には、有機発光素子(OL)の下部電極320と薄膜トランジスター(TFT)のドレーン電極316が連結電極318を介して連結されるように図示されているが、連結電極318が省略され、有機発光素子(OL)の下部電極320と薄膜トランジスター(TFT)のドレーン電極116とが、コンタクトホールが形成された平坦化膜319を介して直接接触するように形成することもできる。その分、前記保護膜317も前記有機電界発光表示パネル300から除去することができる。
【0048】
前記下部電極320の上には、画素領域単位で前記下部電極320を露出するバンク(bank)パターン321が形成される。前記露出された下部電極320の上には有機発光層322が形成される。前記有機発光層322は、発光物質からなる単一層、または、発光効率を向上させるために正孔注入層(hole injection layer)、正孔輸送層(hole transporting layer)、発光層(emitting material layer)、電子輸送層(electron transporting layer)、及び電子注入層(electron injection layer)の多重層に構成することができる。
【0049】
前記有機発光層322の上に、上部電極323が形成される。前記下部電極320がアノード(anode)である場合、前記上部電極323はカソード(cathode)であり、前記下部電極320がカソード(cathode)である場合、前記上部電極はアノード(anode)である。
【0050】
前記薄膜トランジスター(TFT)及び前記有機発光素子(OL)が形成された第1基板301の上には、密封部が形成される。例えば、前記上部電極323の上には、表示素子を保護するシール層324が形成される。前記シール層324は、多数の層からなることもでき、または第2基板302と接着することができる。前記第2基板302は、カプセル化(encapsulation)のための封止基板からなることができる。但し、前記第1基板301の上に配置される密封部は、前記シール層324及び前記第2基板302に限定されず、酸素または水分などの流入を防ぐために、周知の多様な形態の密封部を適用することができる。
【0051】
また、本発明に係る有機電界発光表示装置の構成は、図示されたものに限定されず、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で、多様な変更及び修正が可能である。
【0052】
次に、タッチパネル400について説明する。
前記タッチパネル400は、外装型(Add-on Type)タッチパネル400からなることができる。また、前記タッチパネル400は、内蔵型(Integrated Type)タッチパネル400からなることができる。
【0053】
前記タッチパネル400が外装型タッチパネル400である場合、前記タッチパネル400は、前記表示パネル300と区分される別途の構成からなることができる。前記タッチパネル400と前記表示パネル300との間には、透明接着層(未図示)が形成される。
【0054】
ここで、前記タッチパネル400は、カバー基板200と区分される別途の構成で形成、または、前記カバー基板200と一体形成される。前記タッチパネル400が前記カバー基板200と区分される別途の構成で形成される場合、前記タッチパネル400と前記カバー基板200との間に透明接着層(未図示)が形成される。前記タッチパネル400が前記カバー基板200と一体で形成される場合、前記カバー基板200の背面に感知電極などが形成される。すなわち、前記タッチパネル400と前記カバー基板200との間に別途の接着層が不必要となる。
【0055】
前記タッチパネル400が内蔵型タッチパネル400である場合、前記タッチパネル400は、前記表示パネル300と一体で形成される。すなわち、前記タッチパネル400と前記表示パネル300との間には別途の接着層が不必要となる。前記タッチパネル400は、オンセル型(On-cell Type)またはインセル型(In-cell Type)に形成することができる。
【0056】
前記タッチパネル400がオンセル型(On-cell Type)である場合、前記表示パネル300の上面に感知電極などが形成される。詳しくは、前記表示パネル300の上部に配置された基板の上に、感知電極などが直接形成される。また、前記外装型タッチパネル400のように、前記タッチパネル400は、カバー基板200と区分される別途の構成で形成、または、前記カバー基板200と一体で形成される。
【0057】
前記タッチパネル400がインセル型(In-cell Type)である場合、前記表示パネル300の第1基板と第2基板との間に感知電極などが形成される。すなわち、前記表示パネル300に素子が形成されるときに感知電極などが一緒に形成される。この時、前記カバー基板200は、前記タッチパネル400と区分される別途の構成で形成される。また、前記カバー基板200と前記表示パネル300との間に透明接着層が形成される。
【0058】
以下、図4及び図5を参照して、前記タッチパネル400に対してより詳しく説明する。図4及び図5は、外装型タッチパネルのうち、カバー基板200と区分される別途の構成で形成される一例を図示したものとして、タッチパネル400の構成は、図示されたものに限定されない。前記タッチパネル400は、上記したように、外装型及び内蔵型タッチパネルを両方とも適用することができる。
【0059】
図4及び図5を示すように、前記タッチパネル400は、光が透過する表示領域(AA)及び光が透過しない非表示領域(IA)に区分できる。詳しくは、前記表示領域(AA)は、使用者のタッチ命令入力が可能な領域を意味し、前記非表示領域(IA)は、前記表示領域(AA)と反対となる概念として、使用者のタッチがなされた場合にも活性化しないので、タッチ命令入力が不可能な領域を意味する。
【0060】
図4を示すように、前記タッチパネル400は、タッチ基板401の一面に感知電極410及び配線420が配置される。前記タッチ基板401は、強化ガラス、半強化ガラス、ソーダライムガラス、強化プラスチックまたは軟性プラスチックを含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0061】
前記感知電極410は、前記表示領域(AA)の上に配置され、前記配線420は、前記非表示領域(IA)の上に配置される。図示されないが、前記タッチ基板401の非表示領域(IA)には、印刷層がさらに形成される。また、前記印刷層の上に配線420が形成される。
【0062】
前記感知電極410は、伝導性物質を含むことができる。例えば、前記感知電極410は、透明伝導性物質、金属、ナノワイヤー、感光性ナノワイヤーフィルム、カーボンナノチューブ(CNT)、グラフェン(graphene)、伝導性ポリマー、及びこれらの組合からなる群れから選択されるいずれか1つを含むことができる。
【0063】
前記感知電極410は、第1感知電極411及び第2感知電極412を含むことができる。前記第1感知電極411及び前記第2感知電極412は、相互に同じ物質または相互に異なる物質を含むことができる。また、前記第1感知電極411及び前記第2感知電極412は、第1タッチ基板401の同じ一面上に配置することができる。
【0064】
前記第1感知電極411及び前記第2感知電極412がタッチ基板401の同じ一面上に配置される場合、前記第1感知電極411及び前記第2感知電極412が相互に接しないように形成する必要がある。このために、絶縁層とブリッジ電極とがさらに配置される。
【0065】
詳しくは、前記第1感知電極411及び前記第2感知電極412のいずれか1つの感知電極は絶縁層の下部に配置され、他の1つは、前記絶縁層の上に形成された前記ブリッジ電極の両端に連結されて電気的に連結される。これによって、前記第1感知電極411と前記第2感知電極412とは、ブリッジ電極と絶縁層によって、ショートして短絡することなく、それぞれ電気的に連結される。
【0066】
前記第1感知電極411及び前記第2感知電極412は、前記表示領域(AA)の上に配置されてタッチを感知するセンサーの役割をすることができる。詳しくは、前記第1感知電極411は、前記表示領域(AA)の上で一方向に延長配置され、前記第2感知電極412は、前記一方向と異なる方向に延長配置される。
【0067】
前記配線420は、第1配線421及び第2配線422を含むことができる。詳しくは、前記配線420は、前記第1感知電極411と連結される前記第1配線421及び前記第2感知電極412と連結される前記第2配線422を含むことができる。
【0068】
前記第1配線421及び前記第2配線422は、印刷回路基板(未図示)と連結される。詳しくは、前記第1配線421及び前記第2配線422は、前記第1感知電極411及び前記第2感知電極412から感知されるタッチ信号を、駆動チップ(未図示)が実装された前記印刷回路基板(未図示)に伝達してタッチ動作を実行する。前記印刷回路基板(未図示)は、例えば、フレキシブル印刷回路基板(FPCB)からなることができる。
【0069】
前記第1配線421及び前記第2配線422は、伝導性物質を含むことができる。例えば、前記第1配線421及び前記第2配線422は、銀(Ag)または銅(Cu)等の金属物質を含むことができる。
【0070】
図示されないが、前記配線420の上には保護層(未図示)がさらに形成される。前記保護層(未図示)は、前記配線420を保護することができる。具体的に、前記保護層(未図示)は、前記配線420が酸素に露出されて酸化されたり、水分が浸透して信頼性が低下することを防止することができる。
【0071】
図5を示すように、前記タッチパネル400は、第1タッチ基板402と第2タッチ基板403とを含むことができる。前記第1タッチ基板402及び前記第2タッチ基板403は、強化ガラス、半強化ガラス、ソーダライムガラス、強化プラスチックまたは軟性プラスチックを含むことができるが、これに限定されるものではない。前記第1タッチ基板402及び前記第2タッチ基板403は、光学用透明接着剤(OCA)等の透明接着剤を用いて接着することができる。
【0072】
前記第1タッチ基板402の表示領域(AA)には、第1感知電極411が配置される。また、前記第1タッチ基板402の非表示領域(IA)には、前記第1感知電極411と連結される第1配線421が配置される。
【0073】
前記第2タッチ基板403の表示領域(AA)には、第2感知電極412が配置される。また、前記第2タッチ基板403の非表示領域(IA)には、前記第2感知電極412と連結される第2配線422が配置される。また、前記第1配線421及び前記第2配線422は、それぞれ印刷回路基板(未図示)と電気的に連結される。
【0074】
なお、タッチパネル400は図面及び上記説明に限定されず、指またはスタイラスペンなどを利用して表示装置の前面(front face)から接触する方式で入力できる入力装置であればよい。すなわち、前記タッチパネル400は、一般的に用いられるものであれば、制限されることなく適用することができる。
【実施例】
【0075】
以下、実施例によって本発明をより詳しく説明するが、以下の実施例は本発明を例示するものであり、本発明を制限するものではない。すなわち、本発明の実施例は、多様な形態に変形することができ、本発明の範囲が以下の実施例によって限定解釈されてはならない。
【0076】
[実施例1]
ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate、PMMA)90重量%及びエチレンカーボネート10重量%を混合して形成された樹脂組成物を利用して、厚さ0.8mmのカバー基板を製造した。
【0077】
[実施例2]
ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate、PMMA)85重量%及びエチレンカーボネート15重量%を混合して形成された樹脂組成物を利用して、厚さ0.8mmのカバー基板を製造した。
【0078】
[実施例3]
ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate、PMMA)80重量%及びエチレンカーボネート20重量%を混合して形成された樹脂組成物を利用して、厚さ0.8mmのカバー基板を製造した。
【0079】
[比較例1]
ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate、PMMA)樹脂を利用して、厚さ0.8mmのカバー基板を製造した。
【0080】
[比較例2]
ポリメチルメタクリレートとスチレンの共重合体樹脂(ポリメチルメタクリレート:スチレン=60重量%:40重量%)を利用して、厚さ0.8mmのカバー基板を製造した。
【0081】
[比較例3]
ポリメチルメタクリレート樹脂とポリカーボネート樹脂を共押出して、厚さ0.1mmのポリメチルメタクリレート層と、厚さ0.7mmのポリカーボネート層からなるカバー基板を製造した。
【0082】
[比較例4]
ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate、PMMA)90重量%及びゴム(製品名:cis−1220)10重量%を混合して形成された樹脂組成物を利用して、厚さ0.8mmのカバー基板を製造した。
【0083】
[比較例5]
ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate、PMMA)85重量%及びゴム(製品名:cis−1220)15重量%を混合して形成された樹脂組成物を利用して、厚さ0.8mmのカバー基板を製造した。
【0084】
[比較例6]
ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate、PMMA)90重量%及びジルコニア(Zirconia、ZrO2)10重量%を混合して形成された樹脂組成物を利用して、厚さ0.8mmのカバー基板を製造した。
【0085】
[比較例7]
比較例1によって製造されたポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate、PMMA)の含有量が100重量%である基板の上に、AZO(Aluminum-doped Zinc Oxide)を0.5μmの厚さでコーティングして、カバー基板を製造した。
【0086】
[実験例]
前記実施例1〜3及び比較例1〜7によって製造されたカバー基板の透過率、ヘイズ、誘電率、表面硬度、熱変形温度、高温高湿下での膨張率、柔軟性、及び耐久性を、以下のように測定した。測定結果は、以下の表1に示した。
【0087】
(1)透過率、ヘイズ
カバー基板試料を10mm×10mmの大きさに切り出し、デジタルヘーズメーター(モデル名:TC-HIIIDPK/III、Tokyo Denshoku製)を用いて全透過光、拡散光、平行光を測定した後、これによって透過率とヘイズを算出した。
【0088】
(2)誘電率
Precision impedance analyzer(モデル名:E4980A、日立製)を用いて、3V印加状態で周波数1KHz〜1MHzまでの誘電率を測定した。測定に使用された試料は、100mm〜900mmの大きさで上下面に厚さ20nm〜100nmのPtコーティング処理をした。測定方法としては、上下面のコーティング層に、それぞれのプローブ(probe)を接触させて電圧を印加し、電荷量を測定することで誘電率を算出する方法を用いた。
【0089】
(3)表面硬度
鉛筆先端をサンドペーパー400cWにて平坦化した後、鉛筆を試料表面に45度となるように調節して測定した。試料表面にスクラッチが発生していれば、測定に使用された鉛筆より一段階低い鉛筆硬度を表面硬度値とした。
【0090】
(4)熱変形温度
熱変形温度は、DMA(Dynamic Mechanical Analysis)を利用して、昇温条件5℃/分、10g荷重下で、三点曲げ(3-point bending)方式によって測定した。
【0091】
(5)高温高湿下での膨張率
カバー基板を、温度70℃、相対湿度90%の条件下で96時間放置後、膨張率を測定した。膨張率は、以下の式によって計算した。
膨張率(%)={(放置後のカバー基板の長さ−放置前のカバー基板の長さ)/(放置前のカバー基板の長さ)}×100
【0092】
(6)柔軟性
コボ基板を100mm×30mmの大きさに切り出し、多様な曲率半径を有するドラムの上にカバー基板を付着した後、カバー基板が破損する直前のドラムの半径Rを屈曲度として、柔軟性を評価した。
【0093】
(7)耐久性
22gのSUSボール(ball)を落下させ、破損現象が発生する高さを測定した。
【0094】
【表1】
【0095】
前記表1から、実施例1〜3及び比較例1〜5、7のカバー基板は、透過率が90%以上であり、ヘイズが1未満と低く、透明であることが分かる。これに比べて、比較例6の場合、透過率が90%以下であり、ヘイズが3.4と高く、表示装置には適していない。
【0096】
また、前記表1から、実施例1〜3のカバー基板は、誘電率が4.0以上と高く、比較例1〜4及び7のカバー基板に比べて、タッチ感度及びタッチ性能の具現に有利であることが分かる。
【0097】
また、前記表1から、実施例1〜3のカバー基板は、表面硬度が9Hと高硬度であることが分かる。これに比べて、比較例2〜5及び7の場合、表面硬度が低く、カバー基板には適していない。
【0098】
また、前記表1から、実施例1〜3のカバー基板は、熱変形温度が70℃を超えることを確認できた。一般的に、カバー基板は、印刷乾燥工程温度が70℃内外であるので、加工工程性を確保するためには、熱変形温度は70℃以上の温度で形成されなければならない。
【0099】
また、前記表1から、実施例1〜3のカバー基板は、高温高湿環境下でのサイズ変化率(膨張率)が0.01%として非常に低い反面、比較例1〜2、4〜7は実施例1〜3に比べて、サイズ変化率が高いことが分かる。
【0100】
また、前記表1から、実施例1〜3のカバー基板は、屈曲度が45mm以下であるため成形性が優れている反面、比較例6は屈曲度が低く、フレキシブル基板への適用は困難であることが分かる。従って、実施例によると、誘電率が高く且つ屈曲度に優れたフレキシブル基板を作製することができる。
【0101】
以上の実施例に例示された特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも1つの実施例に含まれ、必ず1つの実施例に限定されるものではない。また、各実施例で例示された特徴、構造、効果などは、実施例が属する分野で通常の知識を有する者によって、他の実施例に対して組合または変形して実施可能であり、このような組合と変形に係る内容は、本発明の範囲に含まれると解釈されるべきである。
【0102】
また、以上では実施例を中心に説明したが、これは単なる例示であり、本発明を限定するのではない。本発明が属する分野で通常の知識を有した者であれば、本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲内で、以上に例示されていない多様な変形と応用が可能であるは自明である。例えば、実施例に具体的に提示された各構成要素は、変形して実施することができる。そして、そのような変形と応用に係る差異点も、添付した請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれると解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5