特許第6073984号(P6073984)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6073984リニューアル方法、および、機械室内構造物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073984
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】リニューアル方法、および、機械室内構造物
(51)【国際特許分類】
   B66B 7/00 20060101AFI20170123BHJP
   B66B 11/04 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
   B66B7/00 K
   B66B11/04 B
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-136208(P2015-136208)
(22)【出願日】2015年7月7日
(65)【公開番号】特開2017-19577(P2017-19577A)
(43)【公開日】2017年1月26日
【審査請求日】2015年7月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】木村 太亮
【審査官】 今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭58−207277(JP,A)
【文献】 特開昭63−047287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 7/00 − 7/12
B66B 11/00 − 11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械室に巻上機が設置されているエレベータをリニューアルするリニューアル方法であって、
前記巻上機および既設マシンベースを除去する工程と、
既設マシンビーム以上の高さとなる新設マシンビームを設置する工程と、
前記新設マシンビームの上に新設マシンベースを固定する工程と、
前記新設マシンベース上に新設巻上機を固定する工程と、
を備え、
前記新設マシンビームを設置する工程では、
前記新設マシンビームを支える架台として、架台を構成する土台にアンカーボルト挿通用の孔を予め形成しておくとともに、前記孔の上方では架台の構成部分を非存在とすることでアンカーボルトを上方から前記孔へ打ち込み可能とした架台を配置するためのシンダーコンクリート除去領域を形成し、
前記シンダーコンクリート除去領域に前記架台を設置するとともに、前記シンダーコンクリート除去領域に当接するジャッキボルトを前記架台に備えさせ、
前記架台上に前記新設マシンベースを固定することを特徴とするリニューアル方法。
【請求項2】
機械室に巻上機が設置されているエレベータをリニューアルするリニューアル方法であって、
前記巻上機および既設マシンベースを除去する工程と、
既設マシンビーム以上の高さとなる新設マシンビームを設置する工程と、
前記新設マシンビームの上に新設マシンベースを固定する工程と、
前記新設マシンベース上に新設巻上機を固定する工程と、
を備え、
前記新設マシンビームを設置する工程では、
前記新設マシンビームを支える架台を配置するためのシンダーコンクリート除去領域を形成し、
前記シンダーコンクリート除去領域に前記架台を設置するとともに、前記シンダーコンクリート除去領域に当接するジャッキボルトを前記架台に備えさせ、
前記架台上に前記新設マシンベースを固定し、
かつ、前記既設マシンベースを除去する工程後、前記新設マシンベースを固定する工程前に、前記既設マシンビーム間にプレート部材を掛け渡すことを特徴とするリニューアル方法。
【請求項3】
前記既設マシンビームと前記プレート部材とをレールクリップを用いて結合することを特徴とする請求項2に記載のリニューアル方法。
【請求項4】
前記既設マシンビームの側部側に形成されている凹部に配線ケーブルを通して蓋をすることを特徴とする請求項2または3に記載のリニューアル方法。
【請求項5】
請求項1または2に記載のリニューアル方法によって前記機械室内に形成された機械室内構造物であって、
前記新設マシンビームと、前記新設マシンビーム上に固定された前記新設マシンベースと、前記新設マシンベース上に固定された前記新設巻上機と、
を備えることを特徴とする機械室内構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、機械室に巻上機が設置されたエレベータをリニューアルするリニューアル方法、および、機械室内構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベータのリニューアル工事では、巻上機を載せて固定するマシンベースを交換する場合、既設のマシンベース(以下、既設マシンベースという)および既設のマシンビーム(以下、既設マシンビームという)を撤去し、新たなマシンビーム(以下、新設マシンビームという)を設置し、この新設マシンビーム上に新たなマシンベース(以下、新設マシンベースという)を固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭58-207277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、既設マシンビームの下部は躯体上のシンダーコンクリートで埋められている。このため、既設マシンビームを撤去する際には、既設マシンビームの周囲のシンダーコンクリート部分を砕いて除去する破砕・除去作業が必要であり、この破砕・除去作業に多大な作業時間を要していた。また、マシンビームは一般に重くて長いため、既設マシンビームの搬出作業が容易ではなく、搬出作業が重労働で時間がかかるという難点もあった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、エレベータのリニューアルを短時間で容易に行うことができるリニューアル方法、および、機械室内構造物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係るリニューアル方法は、機械室に巻上機が設置されているエレベータをリニューアルするリニューアル方法であり、巻上機および既設マシンベースを除去する工程と、既設マシンビーム以上の高さとなる新設マシンビームを設置する工程と、新設マシンビームの上に新設マシンベースを固定する工程と、新設マシンベース上に新設巻上機を固定する工程と、を備える。新設マシンビームを設置する工程では、新設マシンビームを支える架台を配置するためのシンダーコンクリート除去領域を形成し、シンダーコンクリート除去領域に架台を設置するとともに、シンダーコンクリート除去領域に当接するジャッキボルトを架台に備えさせ、架台上に前記新設マシンベースを固定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係るリニューアル方法および機械室内構造物を説明する部分正面断面図。
図2】第1実施形態でリニューアル手順を説明するフローチャート図。
図3】(a)は、第2実施形態に係るリニューアル方法を説明する部分正面断面図、(b)は、第2実施形態に係るリニューアル方法を説明する部分斜視断面図。
図4】(a)は、第3実施形態に係るリニューアル方法を説明する部分側面拡大断面図、(b)は、第3実施形態に係るリニューアル方法を説明する部分正面拡大断面図。
図5】(a)は、第4実施形態に係るリニューアル方法で用いる架台の正面図、(b)は、第4実施形態に係るリニューアル方法で用いる架台を説明する平面斜視図。
図6】第5実施形態に係るリニューアル方法を説明する部分斜視断面図。
図7】第6実施形態に係るリニューアル方法を説明する部分正面拡大断面図。
図8】第7実施形態に係るリニューアル方法を説明する部分正面拡大断面図。
図9】第8実施形態に係るリニューアル方法を説明する部分正面拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、実施形態に係るリニューアル方法および機械室内構造物について説明する。なお、第2実施形態以下では、第1実施形態で説明した構成要素と同様の構成要素には同じ符号を付してその説明を適宜省略する。
【0009】
[第1実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るリニューアル方法および機械室内構造物を説明する部分正面断面図である。図2は本実施形態でリニューアル手順を説明するフローチャート図である。
【0010】
本実施形態に係る機械室内構造物10は、新設マシンビーム12と、新設マシンビーム12上に固定された新設マシンベース14(新設のマシンベッド)と、新設マシンベース14上に固定された新設巻上機16と、を備える。
【0011】
本実施形態でエレベータをリニューアルするには、以下の工程を行う。まず、機械室20に設置されている既設の巻上機を除去し(ステップS1)、更に、既設マシンベースを除去する(ステップS2)。
【0012】
次に、新設マシンビーム12の配置位置となるシンダーコンクリート部分84pを除去し(ステップS3)、この除去部位に露出した躯体86に新設マシンビーム12を固定する(ステップS4)ことで、既設マシンビーム82以上の高さとなる新設マシンビーム12を設置する。本実施形態では、この結果、既設マシンビーム82が新設マシンベース14の下側に位置しており、既設マシンビーム82が新設マシンベース14に干渉することが回避されている。
【0013】
更に、新設マシンビーム12の上に新設マシンベース14を固定する(ステップS5)。そして、新設マシンベース14上に新設巻上機16を固定する(ステップS6)。この結果、上述の機械室内構造物10が形成される。
【0014】
本実施形態により、既設マシンビーム82を残存させつつ、新設マシンビーム12、新設マシンベース14、新設巻上機16を固定することができる。従って、既設マシンビームを除去する工程、および、除去した既設マシンビームを搬出する工程を行わなくてもよいので、リニューアルする際、作業者の労働を軽減するとともに工事時間を大きく短縮することができる。なお、リニューアル前とリニューアル後とでシステムが異なりマシンベースの配置も異なる場合であっても、このような顕著な効果が得られる。
【0015】
また、本実施形態では、リニューアル後、新設マシンベース14の下側に既設マシンビーム82が存在している。従って、既設マシンビーム82を残存させても悪影響(他の部品の取付けへの支障など)が生じることが回避されている。
【0016】
なお、既設マシンビーム82の上側に、上端で新設マシンベース14の下面側に当接する支持部材(例えばジャッキボルトB)を配置してもよい。これにより、既設マシンビーム82を有効利用して新設マシンベース14を支えることができる。その際、支持部材(例えばジャッキボルトB)と既設マシンビーム82との間に滑り止め部材Fを介在させてもよい。
【0017】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。図3で、(a)は本実施形態に係るリニューアル方法を説明する部分正面断面図、(b)は、本実施形態に係るリニューアル方法を説明する部分斜視断面図である。
【0018】
本実施形態では、第1実施形態に比べ、新設マシンビーム12を設置する際、まず、新設マシンビーム12を支える架台30を配置するためのシンダーコンクリート除去領域Aを形成する。その際、シンダーコンクリート84の一部の領域をハツることで形成する。
【0019】
そして、シンダーコンクリート除去領域Aに露出した躯体86に架台30を固定し、更に、架台30上に新設マシンベース14を固定する。
【0020】
本実施形態により、第1実施形態で奏される効果に加え、シンダーコンクリート84を除去する領域(シンダーコンクリート除去領域A)を架台30の設置領域のみとすることができ、第1実施形態のように長尺状の新設マシンビーム12の設置領域全てであるシンダーコンクリート部分84pを除去しなくても済む。従って、リニューアルにかかる作業時間を大幅に低減させることができるという効果も奏される。
【0021】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態を説明する。図4で、(a)は本実施形態に係るリニューアル方法を説明する部分側面拡大断面図、(b)は本実施形態に係るリニューアル方法を説明する部分正面拡大断面図である。
【0022】
本実施形態では、第2実施形態に比べ、シンダーコンクリート除去領域で露出した躯体86に当接するジャッキボルト34を架台30に備えさせる。ジャッキボルト34は架台30の土台31を貫通しており、ジャッキボルト34にねじ係合するナット36によって土台31を支える高さ位置が調整可能となっている。
【0023】
本実施形態により、第2実施形態で奏される効果に加え、シンダーコンクリート下側の躯体86上面に凹凸が生じていても(例えば凸部86kが生じていても)、土台31からのジャッキボルト34の突出長さを調整することで架台30の上面を水平に維持することができるという効果も奏される。
【0024】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態を説明する。図5で、(a)は本実施形態に係るリニューアル方法で用いる架台の正面図、(b)は本実施形態に係るリニューアル方法で用いる架台を説明する平面斜視図である。
【0025】
本実施形態では、第2実施形態、第3実施形態に比べ、架台として、架台を構成する土台41にアンカーボルト挿通用の孔41hを予め形成しておくとともに、孔41hの上方では架台の構成部分を非存在とすることでアンカーボルトを上方から孔41hへ打ち込み可能とした架台40を用いる。本実施形態では、土台41の四隅部にこの孔41hを形成している。そして、新設マシンベース14が当接する上板部42の寸法を土台41よりも小さくすることで、孔41hの上方では架台40の構成部分を非存在としている。
【0026】
本実施形態により、第2実施形態、第3実施形態で奏される効果に加え、アンカーボルトで架台40を躯体86に直接に固定する際に、アンカーボルトを躯体86へ打ち込み易くすることができるという効果も奏される。
【0027】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態を説明する。図6は、本実施形態に係るリニューアル方法を説明する部分斜視断面図である。
【0028】
本実施形態では、第1〜第4実施形態に比べ、既設マシンベースを除去した後、新設マシンベース14を固定する前に、既設マシンビーム82間、すなわち、既設マシンビーム82a、82b間にプレート部材50を掛け渡して作業台としての機能をプレート部材50に持たせる。
【0029】
本実施形態により、第1実施形態〜第4実施形態で奏される効果に加え、既設マシンビーム82を有効活用してプレート部材50の上面を作業スペースとして利用できるので、作業スペースが拡大し、作業者が作業途中で点検を行う際の足元の安全を更に確保できるという効果も奏される。
【0030】
[第6実施形態]
次に、第6実施形態を説明する。図7は、本実施形態に係るリニューアル方法を説明する部分正面拡大断面図である。
【0031】
本実施形態では、第5実施形態に比べ、既設マシンビーム82a、82bとプレート部材60とをレールクリップ62を用いて結合する。プレート部材60としては、ボルト64とレールクリップ62とで既設マシンビーム82a、82bに結合可能な構成のものを用いる。
【0032】
本実施形態により、第5実施形態で奏される効果に加え、機械室20内で溶接作業や追加加工を行うことなく、既設マシンビーム82a、82bにプレート部材60を容易に短時間で取り付けることができるという効果も奏される。
【0033】
なお、図8に示すように、既設マシンビーム82a、82bとプレート部材60とによって形成される空間Zに配線ケーブルKを通してもよい。これにより、配線ダクトを新たに設けなくても済む。
【0034】
[第7実施形態]
次に、第7実施形態を説明する。図9は、本実施形態に係るリニューアル方法を説明する部分正面拡大断面図である。
【0035】
本実施形態では、第6実施形態に比べ、既設マシンビーム82(例えば上述した既設マシンビーム82a)の側部側に形成されている凹部Dに配線ケーブルKを通し、蓋Cでカバーする。本実施形態では、プレート部材60に代えて、下方に直角に折り曲げられた折曲げ部71を両サイド側に付加したプレート部材70を用いることで、この折曲げ部71に蓋Cの役割を果たさせている。折曲げ部71の折り曲げ位置は、ボルト64およびレールクリップ62よりもプレート部材側部側とする。
【0036】
本実施形態により、第6実施形態で奏される効果に加え、配線ダクトを新たに設けなくても済み、しかも新たにボルトやナットで折曲げ部71と既設マシンビーム82(例えば既設マシンビーム82a)とを連結しなくても済むので、作業時間を増大させることなく効率的にしかも低コストで配線ダクトとして利用することができるという効果も奏される。
【0037】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲はそれらに限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0038】
10…機械室内構造物、12…新設マシンビーム、14…新設マシンベース、16…新設巻上機、20…機械室、30…架台、31…土台、34…ジャッキボルト、36…ナット、40…架台、41…土台、41h…孔、42…上板部、50…プレート部材、60…プレート部材、62…レールクリップ、64…ボルト、70…プレート部材、71…折曲げ部、82…既設マシンビーム、82a…既設マシンビーム、82b…既設マシンビーム、84…シンダーコンクリート、84p…シンダーコンクリート部分、86…躯体、86k…凸部、A…シンダーコンクリート除去領域、B…ジャッキボルト、C…蓋、D…凹部、K…配線ケーブル、Z…空間
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