(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光ファイバは、前記カテーテルの遠位端領域で、カテーテル内に一つの位置でのみ固定的に取り付けられており、他の部分は前記カテーテル本体の長手方向に自由に動く、
請求項1記載のデバイス。
【背景技術】
【0005】
低侵襲性外科手術中の可視化は、外科手術のパフォーマンス及び成果を向上させると理解されてきた。しかしながら、成功している可視化、特に組織体積に対する可視化は不明確(elusive)であることがわかっている。一つの有望なカテーテルベースの可視化技術は、光コヒーレンストモグラフィー(OCT)である。OCTは、「超音波のような」光学的可視化方法としての展望を示しており、組織容量の厚さを画像化し、比較的高い分解能を有する内部構造を明らかにすることができる。
【0006】
OCTは、組織及び身体の内腔を移動することができるカテーテル、幾つかの実施形態では、イメージングと組み合わせて、或いはイメージングによって誘導されて、組織を修正又はサンプリングするように構成されたカテーテルと組み合わせることによって特に有用であろう。例えば、OCTイメージングカテーテルは、アテローム切除用カテーテルとして構成してもよい。科学的で臨床的な証拠である意義深い身体は、閉塞性冠動脈疾患の治療のためのステント挿入前に実行可能である、主要な、或いは補助的な療法としてのアテローム切除術を補助する。アテローム切除術は、代替の療法に対して単純な機械効率(mechanical advantage)を提供する。大部分のプラークを除去する(減量する)ことによって、それは、初期のより大きい管腔を作り出し、劇的に動脈壁のコンプライアンス(compliance)を向上させる。結果として、例えば、ステントの配置は、アテローム切除術を用いた次の場所の準備に続いて、大きく向上するであろう。動脈の治癒反応に関連する利点がある。血管に加わる最小の力を用いて疾患を除去し、ステント挿入前のプラークの負荷を減少させることによって、管腔の大きさにおいて大きな利益は、血管壁の損傷及び限られた弾性収縮力を用いて作り出すことができる。これがより優れた短期成績(acute result)及びより低い再狭窄率につながることが示されている。
【0007】
医師の診断は、血管内診断デバイスが一貫して大幅な偏心性病変を示している場合でも、同心性疾患(concentric disease)で構成されるとしてしばしばターゲットの病変を扱う。この円周治療(circumferential treatment)アプローチにより、元の動脈壁及び潜在的に健康な血管は、確実に、不必要に力を受け、伸ばされ、又は切断されることになる。
【0008】
現在利用可能なシステムは、リアルタイムの画像化、特にアテローム切除用カテーテルを含むカテーテルの使用への適合性に乏しい。例えば、多くが、FORJ(光ファイバロータリージョイント)(Fiber Optic Rotating Junction)技術、回転ミラー、回転プリズム、及びカテーテルの遠位端にあるモータについて知られている。しかしながら、かかる実施形態は、多くのスペースを取り、その結果、アテローム切除用デバイスのような治療的実施形態と組み合わせて使用するのに実用的でないだろう。
【0009】
一般に、カテーテルのクロッシングプロファイルを減少させて巻添え損傷(collateral damage)なしに末梢の中心にある遠位蛇行血管へのアクセスを可能にするのが望ましい。本明細書で説明する発明は、これらの目標を達成することができる。カテーテル遠位端には、大規模で高価で、壊れやすい回転接合部や回転機構は存在しない。ファイバは、複雑な中間反射を有しない、単一の、固有の、明確に定義された基準反射を形成する接着剤で終端している。ドライブシャフトは、小さいOD(0,012”が実証されている)を有することが可能であり、クロッシングプロファイルへの影響を最小化することができる。
【0010】
本明細書で説明しているデバイスは、イメージングカテーテルを使用して周縁図(circumferential view)を形成することができ、クロッシングプロファイルへの非常に小さい影響を有する完全な円周視野を可能にし、共通光路干渉を使用する能力を維持する。先行技術のデバイス(例えば、商標(Lightlab)ImageWire、MGH fiber optic rotating junctions, Cardiospectra (Milner))は、光ファイバのスピニングを用いてOCTコンソールとカテーテルチップとの間にファイバ回転ジャンクション(例えばhttp://www.princetel.com/product_forj.asp)を有することにより、ミラー又はプリズムを回転させるカテーテルの末端の機構を有することにより、又は1つ又は2つの軸又は平面内でファイバを揺動させることにより、体の内腔内の完全周縁図を生じる。
【0011】
FORJは、ファイバ内に必然的にブレイク(break)を導入する。この種のシステムにおいて、光は、ファイバのコアに閉じ込められた状態から、自由空間に伝播する状態へと変化し、ファイバに戻って再画像化される。例えば、米国特許(Bouma (US 7,382,949))を参照のこと。2つの問題が、この配置からすぐに追随する。第1に、ファイバ内のブレイク及び再画像化光学系は、通常のOCT基準反射と比較して、非常に大きい反射損失(逆反射)を有する可能性のある種々の面を作成する。これは、干渉計が最初の実体反射(substantial reflection)を除くことになるので、共通光路干渉計と一緒にデバイスを使用するのを困難にする。これらの面より明るい基準反射を簡単に作り出すことはできない。なぜなら、(a)これは、例えば20マイクロワットより大きい必要がある場合、検出器を飽和させることができる基準反射を作り出し、(b)近位光学経路に存在する強い反射の場合、これらの反射面は組織からの信号より何桁も明るい明るいので、未だOCT画像におけるアーチファクト(artifact)につながる可能性がある。
第2に、2つのファイバコアの配列を維持して非常に高い耐性を持たせる必要があり、典型的にデバイスが回転する際のウォブル(wobble)を0.5ミクロン未満にする必要がある。かかる高レベルの精度は、デバイスのコストを大幅に押し上げる。これは、一回のみ使用する使い捨てデバイスにおいて特に懸念されることである。
【0012】
FORJにおける内部反射の課題に対して試みられた一つの解決策は、固定されたファイバコアと回転するファイバコアとの間に屈折率適合性流体を取り込む回転ジャンクションを有することである。この解決策は、コスト及び複雑性の理由により、一回のみ使用する使い捨てカテーテルのコンポーネントとしては実際には適していない。FORJを主要な装置に組み込むことは、インターフェイスの設計を複雑にする。なぜなら、現在これは、液体及び汚染物質への耐性を有する滅菌可能な多用途ユニットである必要があるからである。これらの要求は、FORJを作成するのに使用する材料及び組立技術と適合しないことがある。
【0013】
さらに、遠位チップ上の回転気候は、デバイスのクロッシングプロファイル及び複雑性を増加させる。通常、それは、コストを最小化する必要がある、一回のみ使用する使い捨てデバイスと一緒に使用するには好適でない。直径が小さい体の内腔、冠動脈を想定したデバイスにおいて、遠位における直径の大きい機構の存在は、安全に取り扱うことができる最大の血管の大きさを規定することになる。また、機構はカテーテルの剛性を有する部分の長さを増加させ、同時に血管の蛇行部(tortuosity)を制限してカテーテルを安全に挿入できるようにする。これは、中間又は遠位の冠動脈での、或いは遠位の末梢血管、例えば足背動脈内でのデバイスの使用を妨げることがある。
【0014】
本明細書で説明する方法、デバイス及びシステムが連続(contiguous)ファイバ経路を有する内部管腔共通光路の低コヒーレンス干渉を可能にし、また、角度方向及び水平(longitudinal)方向のコード化を用いて、血管内の360°周縁図の作成及び更新を可能にする。共通光路干渉は、カテーテルにとって非常に望ましい。なぜなら、それは、分離した参照アームに対するニーズを除去し、カテーテル長において製造の変化に対する動作感度を下げるからである。本明細書で説明するデバイス、システム及び方法は、360°より大きい周縁図の作成を可能にし、ファイバの連続性におけるブレイクなしに、移動した組織の体積の3D再構築又は3D表示を可能にする。これらの方法、デバイス及びシステムは、方向性アテローム切除術又は方向性再侵入に特に好適である。なぜなら、切断の進行及び深度をリアルタイムで監視できるように、イメージングエレメントを興味ある領域に導き、そこに存在するのを可能にする。
【0015】
共通光路干渉の使用を可能にし、カテーテル検査室におけるクロッシングプロファイル及びワークフローへの最小の影響を有する方法で、管腔内に周縁画像を形成する方法に対するニーズが存在する。共通光路干渉は、マイケルソン干渉のためのカテーテルを製造するのを非常にコスト高にするダウンリード(down-lead)感度を削除する。これは、カテーテル長が、数ミクロンの範囲内まで、或いは参照アームの調節能力の範囲内までコンソール内の参照アームに一致する必要があるからである。また、共通光路干渉による、コンソールを患者及び蛍光透過装置から任意の距離隔てた位置に配置することができる。本明細書で説明する発明は、これらの目標を達成する。ファイバは、コンソールから遠位端まで連続的であり、大きい背景反射を引き起こして共通光路干渉を可能にするブレイクを有しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
さらに、OCT画像を形成するのに使用する光ファイバの軸外配置を可能にするデバイス及びそれらを使用する方法を提供するのに非常に有用であろう。ファイバの軸外配置は、カテーテルの中央(コア)を使用してガイドワイヤを通過するのを可能にし、追加のマニピュレータ、組織(切断組織を含む)、ドライブトレイン等に使用するのを可能にする。しかしながら、カテーテル内で軸外に位置する光ファイバは、360°画像の形成において操作するのは困難である。なぜなら、一般に行われているように、光ファイバだけでなく、カテーテル全体を回転させる必要があるからである。近位ハンドル又は制御部に対する、軸外光ファイバを含むカテーテル全体の回転は、近位での光ファイバがもつれ、又は結合を引き起こすことがある。これは、最終的に、画質の悪化及びカテーテル検査室環境におけるカテーテルのワークフローにおけるブレイクにつながる一方、光ファイバは外科手術中にもつれることなく管理される。
【0017】
該して、本明細書で説明するデバイス及びシステムは、前述のニーズ及び課題の多くに対処する、カテーテルベースの、軸外OCTシステムを説明する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
(発明の要旨)
ここでは、OCTイメージング用の軸外(off-axis)光ファイバを有するカテーテル、軸外光ファイバを有するOCTイメージングシステム、ならびにOCTイメージングカテーテルの使用方法及びシステムについて説明する。
【0019】
ここで説明したデバイス及びシステムは、カテーテル本体とは独立して回転可能である、ハンドル及びカテーテル本体を有するカテーテルと、カテーテル本体の長さに沿って延びるとともに、カテーテル本体の長手軸(中線)から半径方向(radially)に変位した(軸外)光ファイバとを含んでもよい。光ファイバは、チャネル内に存在してもよい。
【0020】
例えば、カテーテルの回転によって身体の内腔を可視化するための光コヒーレンストモグラフィー(OCT)カテーテルデバイス及び、カテーテル内部の軸外光ファイバについて説明している。該デバイスは、近位から遠位まで伸長した長手方向を有するカテーテル本体と、カテーテル本体の伸長した長手方向の軸外である経路に沿って、カテーテル本体の長手方向を延長する光ファイバと、カテーテル本体と回転結合した近位ハンドルと、軸外光ファイバが、カテーテル本体と一緒に、ハンドルに対して回転するのを可能にするように構成した、ハンドル内のファイバマネンジメント経路とを備える。
【0021】
カテーテル本体は、中央管腔及び/又は、軸外(例えば、中央管腔から軸方向に変位した)管腔を含む、適切な数の追加の管腔を含んでもよい。幾つかの変形例では、カテーテル本体は、光ファイバのためのチャネルを含む。チャネルは、カテーテル本体の伸長した長手方向から軸外しで配置してもよい。
【0022】
ここで説明するカテーテルデバイスは、カテーテル本体に結合し、操作の際、カテーテル本体を回転させるように構成された回転ノブを含んでもよい。ハンドルは、カテーテル本体の回転許容数を規定するように構成されたリミッタを含んでもよい。リミッタは、カテーテル本体の回転を任意のフルまたは部分的な回転数に規制するように構成してもよく、構築した実施形態での典型的な範囲は、約2〜6フル回転である。リミッタは、4フル回転を超えるカテーテル本体の回転を防止するように構成してもよい。これは、例えば、モノレールタイプ(迅速な交換)構成のカテーテルにおいて有用であろう。それは、ガイドワイヤがカテーテルトルク軸の周りに巻き取られ、可能性のある破壊的な孔ぐり(reaming)表面を形成するのを防止する。リミッタは、5フル回転を超えるカテーテル本体の回転を防止するように構成してもよい。
【0023】
幾つかの変形例において、回転ノブは、該回転ノブの回転の等倍より大きい割合でカテーテル本体を回転させるように構成される。回転ノブは、1:n(ノブの回転:カテーテル本体の回転)の割合でカテーテル本体を回転させるように構成してもよい。但し、nは任意の整数または分数である。回転ノブに対してカテーテル本体の逆回転が可能なようにノブを構成することが可能である(即ち、1:−n)。実際には、回転ノブは、カテーテル本体に対して1:3及び1:4の割合で構成している。例えば、回転ノブは、該回転ノブの回転の約1.5倍〜約5倍の割合でカテーテル本体を回転させるように構成してもよく、回転ノブは、該回転ノブの回転の約4倍の割合でカテーテル本体を回転させるように構成してもよい。
【0024】
幾つかの変形例において、該デバイスは、光ファイバの遠位端領域に光学的に結合した側面対向ポートを含む。光ファイバは、カテーテルの遠位端領域に固定的に取り付けてもよい。光ファイバは、カテーテル本体内でカテーテルの遠位端領域に固定的に取り付けられたものだけでもよく、それ以外では、カテーテル本体の伸長した長手方向に対して水平方向に自由に移動するものでもよい。
【0025】
幾つかの変形例において、該デバイスは、カテーテル本体の回転位置をコード化(encode)するように構成された回転エンコーダをさらに含む。幾つかの変形例において、該デバイスは、位置センサ・サブユニット/システムと協力して使用してもよく、これによりカテーテルは、デバイスの相対回転及び長手方向位置をコード化するように配置できる。位置センサは、種々の動作原理のものでもよい。例えば、光学的または静電容量的なものでもよく、あるいは、単一または複数の検知素子で構成してもよい。詳細には、例えば、位置センサは、光学マウスチップまたは静電容量式指紋センサでもよい。
【0026】
ファイバマネンジメント経路は、複数の巻き数を有する、螺旋配置されたチャネルを含んでもよい。螺旋配置チャネルは、スプール(spool)の一部として構成してもよい。スプールは、ハンドル内部位置決めまたは保持してもよく、カテーテル本体とともに回転してもよい。幾つかの変形例において、ファイバマネンジメント経路は、複数の巻き数を有する、螺旋配置されたチャネルを含み、チャネルは、上側半径高さ及び下側半径高さを有する壁を備える。例えば、ファイバマネンジメントは、ファイバが螺旋配置チャネルの上側半径高さまたは下側半径高さと接触しないように構成してもよい。
【0027】
幾つかの変形例において、ファイバマネンジメント経路は、光ファイバがその光漏洩屈曲半径未満の屈曲半径を超えないように構成される。例えば、ファイバマネンジメント経路は、約5mm未満の屈曲半径を超えないように構成してもよい。
【0028】
さらに、カテーテルの回転によって身体の内腔を可視化するための光コヒーレンストモグラフィー(OCT)カテーテルデバイス及び、カテーテル内部の軸外光ファイバについて説明しており、近位から遠位まで伸長した長手方向を有するカテーテル本体と、カテーテル本体の遠位端領域に固定され、カテーテル本体の伸長した長手方向の軸外である経路に沿って、カテーテル本体の長手方向を延長する光ファイバと、カテーテル本体と回転結合した近位ハンドルと、複数の巻き数を有し、上側半径高さ及び下側半径高さを有し、ハンドル内部に螺旋状チャネルを有するファイバマネンジメント経路と、カテーテル本体の回転数を制限するリミッタであって、カテーテル本体がハンドルに対して回転する際に、光ファイバが、螺旋状チャネルの上側半径高さ又は下側半径高さを超えるのを妨げるリミッタとを含む。
【0029】
さらに、光コヒーレンストモグラフィー(OCT)システムの軸外回転のための光ファイバを管理する方法について説明している。該方法は、カテーテルの遠位端領域に固定され、カテーテル本体内で該カテーテル内の軸外経路を通じて長手方向に沿って延びて、カテーテル本体が回転固定された近位ハンドルの内部にあるファイバマネンジメントチャネルに入る光ファイバを使用してOCT画像を撮影するステップと、カテーテル本体及び光ファイバが同時に回転するように、近位ハンドルに対してカテーテル本体を回転させるステップとを含む。
【0030】
該方法は、該光ファイバが、その光漏洩屈曲半径未満の屈曲半径を超えないように、カテーテル本体の回転を制限するステップをさらに含んでもよい。例えば、ファイバマネンジメント経路は、光ファイバが約5mm屈曲半径未満の屈曲半径を超えないように構成してもよい。
【0031】
該方法は、ハンドルに対するカテーテルの回転をコード化するステップをさらに含んでもよい。
【0032】
幾つかの変形例において、該方法は、ファイバが、カテーテルの長手方向に沿って軸外しで延びるチャネル内で水平方向に延びるのを許容するステップをさらに含む。
【0033】
該方法は、ハンドルに対するカテーテル本体の回転を、特定の回転数、例えば、約2〜約6フル回転の間に制限するステップをさらに含んでもよい。幾つかの変形例において、該方法は、ハンドルに対するカテーテル本体の回転を、約5フル回転に制限してもよい。
【0034】
回転ステップは、ハンドルに結合した回転ノブを回転させて、ハンドルに対してカテーテル本体を回転させることを含んでもよい。例えば、回転ノブは、1:n(ノブの回転:カテーテル本体の回転)の割合で、例えば、該回転ノブの回転の等倍より大きい割合でカテーテル本体を回転させるように構成してもよい。回転ノブは、1:4の割合で、カテーテル本体を回転させるように構成してもよい。ノブの約1フル時計回り回転は、カテーテルの約4フル時計回り回転を生じさせ、あるいは(幾つかの変形例では)回転ノブの回転の約1.5倍〜約5倍の間の割合で生じさせる。
【0035】
さらに、回転する光コヒーレンストモグラフィー(OCT)システムから軸外しで位置決めされる光ファイバを管理する方法について説明している。該方法は、カテーテルの遠位端領域に固定され、カテーテル本体内で該カテーテル内の軸外経路を通じて長手方向に沿って延びて、カテーテルが回転結合する近位ハンドル内のファイバマネンジメントチャネルに入る光ファイバを使用してOCT画像を撮影するステップを含み、該チャネルは、複数の巻き数並びに上側半径高さ及び下側半径高さを有するものであり、該方法は、近位ハンドルに対してカテーテル本体を回転させて、カテーテル本体が時計回り及び反時計回りに回転すると、光ファイバが、ファイバマネンジメントチャネルの螺旋巻き内で上側半径高さと下側半径高さの間にあるように、巻かれ/巻き戻され、拡大/縮小されるようにしたステップをさらに含む方法。
【0036】
該方法は、光ファイバが、ファイバマネンジメントチャネルの螺旋巻き内で上側半径高さより大きい高さ、または、下側半径高さより小さい高さに拡大/縮小(例えば、コイル巻き)するように、カテーテルの回転を制限するステップをさらに含んでもよい。
【0037】
さらに、カテーテルの遠位部分に固定的に取り付けたOCTセンサを有する伸長したOCTカテーテルを使用して、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)によって体の内腔を画像化する方法について説明している。これらの方法は、カテーテルの近位領域からカテーテルを回転させて、遠位部分にあるOCTセンサを回転させながら、該OCTセンサを使用してOCT画像を取得するステップと、遠位部分でのOCTセンサについての回転遅延(θ)を決定し、回転遅延について修正した1つ以上のOCT画像を提供するステップとを含んでもよい。
【0038】
さらに、ここで説明した方法の何れにおいて、カテーテルは、カテーテルの長手方向に沿って軸外しで延びている光ファイバを備えてもよい。
【0039】
さらに、カテーテルの近位領域からカテーテルを回転させるステップは、カテーテルを第1回転方向に少なくとも360°回転させることを含んでもよい。幾つかの変形例において、カテーテルの近位領域からカテーテルを回転させるステップは、カテーテルを第1回転方向に少なくとも360°回転させながら第1画像を取得し、カテーテルを第2回転方向に少なくとも360°回転させながら第2画像を取得することを含む。こうして、回転遅延(θ)を決定するステップは、第1回転方向に回転しながら取得したOCT画像と、第2回転方向に回転しながら取得したOCT画像とを比較してもよい。
【0040】
該方法は、追加のOCT画像の修正について決定した回転遅延(θ)を保存することを含んでもよい。
【0041】
カテーテルの近位領域からカテーテルを回転させるステップは、遠位領域の動きが観測されるまで近位領域から回転させることと、カテーテルの遠位領域の回転の度合いを記録することとを含む。幾つかの変形例において、カテーテルの近位領域からカテーテルを回転させるステップは、遠位領域の動きが第1方向及び第2回転方で観測されるまで、第1回転方向及び第2回転方向に近位領域から回転させることと、第1回転方向及び第2回転方向でのカテーテルの遠位領域の回転の度合いを記録することとを含む。例えば、回転遅延(θ)を決定するステップは、第1回転方向及び第2回転方向でのカテーテルの遠位領域の回転度合いの差を決定することを含んでもよい。
【0042】
さらに、中心軸を有する伸長OCTカテーテル及び、カテーテルの遠位部分の軸外に固定的に取り付けたOCTセンサを使用して、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)によって身体の内腔を画像化する方法について説明している。該方法は、遠位部分にあるOCTセンサを回転させながら、OCTセンサを使用してOCT画像を取得するステップと、OCT画像をトロイダルマップとして表示するステップとを含む。
【0043】
さらに、OCT画像を表示するステップは、カテーテルのカテーテル中心軸に対するOCTセンサの半径方向の位置をベースとして、トロイダルマップを決定することを含んでもよい。
【0044】
幾つかの変形例において、該方法は、OCT画像をスケーリングすることによって、画像内の半径方向歪みを修正することをさらに含む。例えば、該方法は、OCT画像の半径方向位置に修正因子を乗算することによって、画像内の半径方向歪みを修正することを含んでもよい。幾つかの変形例において、該方法は、修正オフセットをOCTの半径方向位置に加算することによって、画像内の半径方向歪みを修正することをさらに含む。幾つかの変形例において、該方法は、修正オフセットのマッピングテーブルをOCTの半径方向位置に適用することによって、画像内の半径方向歪みを修正することをさらに含む。
【0045】
さらに、中心軸を有する伸長OCTカテーテル及び、カテーテルの遠位部分で軸外しで固定的に取り付けられたOCTセンサを使用して、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)によって身体の内腔を画像化する方法について説明している。該方法は、OCTセンサを使用して、複数の第1OCT走査線を取得するステップと、複数の第1走査線においてデータを点別平均化するステップと、逆フーリエ変換によって、平均化した複数の第1走査線を変換するステップと、OCT画像をトロイダルマップとして表示するステップとを含む。
【0046】
幾つかの変形例において、該方法は、多重の複数OCT走査線に関して、取得ステップ、点別平均化ステップ、及び変換ステップを繰り返すことをさらに含む。幾つかの変形例において、多重の複数OCT走査線は、点別平均化して、OCT画像のポストFFT平均化を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】軸外光ファイバを有するOCTカテーテルを含むシステムの一バリエーションの概略図を示す。
【
図2A】カテーテル及び光ファイバのハンドル本体に対する回転を可能にするファイバマネジメント経路を含むOCTカテーテルのためのハンドルのバリエーションを示す。
【
図2B】カテーテル及び光ファイバのハンドル本体に対する回転を可能にするファイバマネジメント経路を含むOCTカテーテルのためのハンドルのバリエーションを示す。
【
図3A】軸外ファイバオプティックを含むカテーテル本体の一バリエーションを示す。
【
図3B】軸外ファイバオプティックを含むカテーテル本体の一バリエーションを示す。
【
図4A】光ファイバマネジメント機構を含むハンドルの別のバリエーションの断面図を示す。
【
図4B】光ファイバマネジメント機構を含むハンドルの別のバリエーションの前面図を示す。
【
図4C】光ファイバマネジメント機構を含むハンドルの別のバリエーションの斜視図を示す。
【
図4D】光ファイバマネジメント機構を含むハンドルの別のバリエーションの展開図を示す。
【
図5】ハンドル内の光ファイバマネジメントの一バリエーションを示す。
【
図6A】光ファイバマネジメント機構の一部として使用することができる光ファイバマネジメントスプールの一バリエーションの斜視図を示す。
【
図6B】光ファイバマネジメント機構の一部として使用することができる光ファイバマネジメントスプールの一バリエーションの側面図を示す。
【
図6C】光ファイバマネジメント機構の一部として使用することができる光ファイバマネジメントスプールの一バリエーションの前面図を示す。
【
図6D】光ファイバマネジメント機構の一部として使用することができる光ファイバマネジメントスプールの一バリエーションの断面図を示す。
【
図7A】光ファイバマネジメント機構の一部として使用することができる光ファイバマネジメントスプールの別のバリエーションの斜視図を示す。
【
図7B】光ファイバマネジメント機構の一部として使用することができる光ファイバマネジメントスプールの別のバリエーションの側面図を示す。
【
図7C】光ファイバマネジメント機構の一部として使用することができる光ファイバマネジメントスプールの別のバリエーションの前面図を示す。
【
図7D】光ファイバマネジメント機構の一部として使用することができる光ファイバマネジメントスプールの別のバリエーションの断面図を示す。
【
図8A】ファイバマネジメント経路のスプールの寸法を決定する方法を示す。
【
図8B】ファイバマネジメント経路のスプールの寸法を決定する方法を示す。
【
図9】ファイバマネジメント経路のスプールの寸法を決定する方法を示す。
【
図10】ファイバマネジメント経路のスプールの寸法を決定する方法を示す。
【
図11】ファイバマネジメント経路のスプールの寸法を決定する方法を示す。
【
図12A】本明細書で説明する任意のカテーテル及びシステムと一緒に使用することができる種々のエンコーダを示す。
【
図12B】本明細書で説明する任意のカテーテル及びシステムと一緒に使用することができる種々のエンコーダを示す。
【
図12C】本明細書で説明する任意のカテーテル及びシステムと一緒に使用することができる種々のエンコーダを示す。
【
図12D】本明細書で説明する任意のカテーテル及びシステムと一緒に使用することができる種々のエンコーダを示す。
【
図12E】本明細書で説明する任意のカテーテル及びシステムと一緒に使用することができる種々のエンコーダを示す。
【
図13】本明細書で説明するOCT画像のトロイダル(環状)表示の一例を示す。
【
図14A】カテーテル本体を回転させるためのモータを含むカテーテルハンドルの一実施例の透視図を示す。
【
図14B】モータ及びファイバマネジメントシステムを含むカテーテルハンドルの別の実施例を部分的に展開した図である。
【
図15】回転方向が変化する場合に操作画像の正しい方向を決定する方法。
【
図16A】位相遅延補償が発生する場合に表示するための種々の方法を示す。
【
図16B】位相遅延補償が発生する場合に表示するための種々の方法を示す。
【
図17】メモ及びセクタ画像上の重なった図を示す。
【
図19】監視する所望の組織深度に対応する画像に添付されるインジケータを示す。
【
図20B】積極的なコントラストストレッチ技術を適用して画像を向上させた後の同じ画像を示す。
【
図21】
図20Bのコントラストストレッチ画像を達成するのに使用するコントラストカーブを示す。
【
図23】タグ情報と一緒に添付されるウォーターフォール画像を示す。
【
図24】遅延修正角θを決定する一方法を概略的に示す。
【
図25】遅延修正角θを決定する別の方法を概略的に示す。
【
図27A】画像を修正してスケーリングを調節する種々の方法を示す。
【
図27B】画像を修正してスケーリングを調節する種々の方法を示す。
【
図27C】画像を修正してスケーリングを調節する種々の方法を示す。
【
図28】信号のFFT平均化によりノイズを減少させる方法を概略的に示す。
【
図29】FFT後の平均化方法の一バリエーションを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
OCTカテーテル、それらを使用するイメージングシステム、及び画像化するためにそれらを使用する方法について本明細書で説明する。一般に、本明細書で説明するOCTカテーテルは、カテーテルの長さを拡張するOCTイメージングのための光ファイバを含むフレキシブル(flexible)伸長(elongate)カテーテルである。光ファイバが通る経路は、カテーテルの長手方向(近位−遠位)の中心軸からずれているため、軸外(off-axis)と呼ばれることもある。通常、カテーテル本体及び光ファイバがハンドルに対して一緒に回転するように、カテーテル本体は、ハンドル部分とつながっている。
【0049】
(軸外光ファイバを有するOCTカテーテル)
図1は、本明細書で構成するOCTイメージングシステムの一部を形成可能な軸外光ファイバを有するOCTカテーテルの1つのバリエーションを示す。本実施例では、デバイスは、一次元OCTセンサ(通常、分離した参照アームを必要としない共通光路干渉デバイスとして構成する)を含む遠位端を有するカテーテル1101を含む。センサは、カテーテルの全長に渡って延びる光ファイバを含み、本実施例では、接着剤によってカテーテルの遠位端領域に取り付けられる。OCT光ファイバの「レンズ」は、遠位端領域1103の側から、軸方向に外側に向けて配置されている。点線で示す矢印1121は、センサからのイメージング経路(スケール通りでない)を指す。カテーテル1101は、伸長したフレキシブルなカテーテル本体1105を有してもよい。デバイスは、遠位端からの光ファイバイメージングが伸長した本体内に含まれるように構成することができる。前述のように、光ファイバの遠位端は、カテーテルのある領域(例えば遠位端領域)に接続され、或いは固定されるが、カテーテル本体内には固定されない。例えば、カテーテルは、その中でカテーテルの長手方向に沿って光ファイバが存在する軸外チャネル(off-axis channel)を含んでもよい。このチャネルを潤滑して、カテーテル本体が屈曲又はカーブする際に、光ファイバが軸方向(近位−遠位)にスライドさせることができる。しかしながら、通常光ファイバは、カテーテルの長手軸(長軸)の中央線から放射状にずれた経路を延びる。該経路は、カテーテル本体内のチャネル又は管腔内にあってもよく、それは、環状チャネル内にあってもよい。幾つかのバリエーションでは、光ファイバは、カテーテル本体の長手方向に沿った直線経路内で延びてもよい。一方、他のバリエーションでは、光ファイバは拡張して、螺旋状、又は任意に巻線経路内を延び、カテーテル本体の長手軸周りに巻きつけてもよい。
【0050】
カテーテルは、遠位端で、デバイスの近位端に位置するハンドル1107に接続する。ハンドル1107上の制御部1109を使用して、遠位端にある一次元スキャナを形成する光ファイバを含むカテーテル本体を回転させることができる。該制御部は、ホイールやノブのような、回転制御部でもよい。制御部は、制御部1109の回転がカテーテル本体を回転についての機械効率を有するように適合させることができる。システムは、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6等の機械/回転効率が存在するように適合させることができる。例えば、1:4の回転の効率は、ハンドル上の制御部1109のフル回転(例えば360°)毎に、センサが4回転する(例えば1440°)ことを意味する。制御部1109の部分的回転は、センサによる遠位端での増加した回転について増加する。実際、1:1と約1:6との間の機械効率についての比は有用であろう。例えば、比1:1は、画質の理由を所望するほどに低くてもよく、比6:1は、触覚フィードバックの損失を避ける上限が可能でもよい。例えば、カテーテルが狭い病変部に入る場合、充分な機械効率があれば、引裂が生じるだろう。
【0051】
カテーテルの遠位端は、アテローム切除用デバイスとして構成可能であり、1つ以上の組織除去エレメント及び制御部(不図示)を含んでもよい。例えば、デバイスは、血管から材料を除去するために、ジョー(jaw)、熱/電気/光アブレーションデバイス等を含んでもよい。かかるエレメントのための制御部は、ハンドル1107上に位置してもよい。センサの回転はまた、組織除去エレメントを回転させることができる。
【0052】
一次元センサ(回転制御部)の回転を制御する制御部1109は、ダイアル、ノブ、ボタン等を含む任意の好適な制御部でもよい。ハンドルは、握るハンドとして構成してもよく、1つのハンド又は2つのハンドによって動作するように構成してもよい。ハンドルは、周辺機器が保持する(hold)ように構成してもよい。幾つかのバリエーションにいおいて、制御部は、1つ以上のハンドルを保持するハンドのフィンガによって動作するように構成する。ハンドルはまた、以下で多くの詳細を説明するように、コントローラの回転位置を決定するためのエンコーダを含む追加のセンサを含んでもよい。
【0053】
システムはまた、電力を印加し、センサからの入力を受容することを含む、センサを制御するためのコントローラ1111への接続を含んでもよい。該コントローラは、OCT画像処理を実施し、最終的にOCT画像を表す1つ以上の画像を表示するように構成してもよい。また、コントローラは、エンコーダ又はハンドル上の他のセンサからの入力を受容することができる。また、OCT光源及び他のOCTエレメントは、コントローラ1111に含まれ、及び/又は該コントローラ1111に接続してもよい。
【0054】
また、幾つかのバリエーションにおいて、1つ以上の追加の入力デバイス(
図11には図示していない)を使用して、ユーザコマンド/コントローラ1111及び/又はカテーテル1101への入力部と通信することができる。入力デバイス(又はコントローラ入力デバイス)は、キーボード、キーパッド、ジョイスティック、マウス等でもよく、コマンドの入力又はシステムに対する(或いはシステムが提示する)オプションの選択を可能にしてもよい。例えば、入力デバイスは、ユーザが興味ある領域を輪郭付け(outline)/マーク付け(markup)するのを可能にし(例えばマウス、ペン、キーボード等を使用して)、記録/記憶のオン/オフを切り替えるのを可能にし、或いは、システムのパラメータ(較正パラメータを含む)を決定するのを可能にする。
【0055】
システムはまた、1つ以上のディスプレイ又はモニタ1113を含んでもよい。
【0056】
幾つかのバリエーションにおいて、システムはまた、1つ以上の流体アプリケーション及び/又は除去コンポーネントを含んでもよい。例えば、カテーテル1101は、手術中に流体灌流(perfusion)源1115(例えば生理食塩水等)に接続用に、1つ以上のポートを含んでもよい。従って、流体は、デバイスの遠位端からデバイスの近位端の外へ(例えば、遠位端にあるイメージングセンサを横切って)送ってもよい。幾つかのバリエーションにおいて、システムは、デバイスの遠位端から切断材料を除去するように適合させてもよい(例えば、吸引、吸入又は内部蓄積を通じて)。
【0057】
前述のように、通常、本明細書で説明するイメージングシステムは、カテーテルの遠位端にあるOCTセンサエレメントを形成する光ファイバと、スキャナから受容する画像情報を処理するためにカテーテルに結合している処理装置と、カテーテルとを含む。カテーテルは、切断デバイスを有するアテローム切除カテーテルが可能である。処理装置又はコントローラ1111は、画像処理ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア等を含むことができる。
【0058】
収集したOCT画像は、2つ以上のモダリティ(modality)を使用することを含む、任意の好適な方法で表示してもよい。例えば、一次元OCT画像は、以下に詳述するように、トロイド(例えば二次元「ドーナツ」形状)として表示することによって、回転軸上に表示してもよい。一次元OCT画像データはまた、ウォーターフォール型(water-fall type)ディスプレイとして時間軸に沿って表示してもよい。
【0059】
二次元アジマス(azimuthal)画像として一次元OCTイメージングデータ(それぞれの回転角とOCTデータ)を表示することは、カテーテルを回転させ、カテーテルの近位端からの角度情報を使用して位置次元スキャンを表示することによって行うことができる。通常、この回転画像は、トロイド又はドーナツ型の表示であり、異なるスキャンの間の相対的な回転関係を強調することができる。以下に詳述するように、この表示は、一次元スキャナを有するカテーテルを包囲する領域(例えば血管の内腔)を通る断面図を近似する。この画像は、スケールどおりでなく、さらに、画像の方位は、患者の絶対標定(absolute orientation)を必ずしも反映していない可能性がある。その代わりに、OCTイメージング通路の走査位置に関連する可能性がある。
【0060】
例示的なトロイダル画像又はアジマス画像を
図15〜
図20、
図22に示している。イメージング空間は、円の外側と内側との間のドーナツ型の領域である。内側の円は、外周で外側を向いた一次元スキャナを有するカテーテルとして考えることができる。内側の円から軸方向に外側に延びる線(カラーで示すことが多い)は、周囲の領域の内側(例えば血管の内腔)に向かって画像化する一次元スキャナの相対位置を示す。一次元スキャナ(OCTスキャナ)を有するカテーテルが、血管の内腔内に実質的に軸方向に固定的に保持されて回転する場合、得られる2D画像は、周囲の血管を通る(貫通して血管壁に入ることを含む)断面図のOCT画像を表示することができる。通常、カテーテルは、血管周りの軸方向に前後に手動で回転可能である。
【0061】
これらのカテーテルの手動回転の課題の1つは、与えられる回転(例えばユーザによって近位端で)と、一次元イメージングシステム(光ファイバ)のイメージング経路がカテーテルから延びるカテーテルの遠位端の実際の回転との間に実質的な遅延が存在してもよい。この課題は、以下でより詳細に扱う。
【0062】
簡単に述べたように、カテーテルからの画像はまた、ちょうど説明したトロイダル、アジマス画像が与える角回転軸から分離して、時間軸上で表示することができる。従って、時間及び組織深度に関連すう画像は、角度情報を用いないで作り出すことができる。これらの画像は、本明細書で「ウォーターフォール」(waterfall)画像と呼ぶこともある。これらはまた、(超音波用語で)Mモード画像(深度対時間)と呼ぶこともある。アジマス画像及びウォーターフォール画像の両方は、ビデオディスプレイ(visual display)又はディスプレイ上で同時に表示することができ、ユーザに一次元スキャナに関連する構造の相対位置及び相対深度についての情報を与える。従って、ディスプレイは、一次元スキャナのアジマス画像及びウォーターフォール画像の両方を含むことができる。ディスプレイの2つのモードの相対的な重要性は、リアルタイムで変更し、外科手術の性質を反映させることができる。例えば、ウォーターフォールディスプレイ又はMモードディスプレイは、切除(アテローム切除)手術中により重要であるのに対し、放射状ディスプレイは、手術前の検査及び計画、並びに治療後の結果の評価についてより有用である。切換えは、デバイスハンドル上の制御部を用いて自動で行ってもよいし、或いは、例えばアテローム切除用カッターの動作を感知することによって行ってもよい。それゆえ、幾つかのバリエーションにおいて、システムは、スキャナからの情報を提示するための処理装置、スキャナ及び/又はユーザからの情報を蓄えるためのメモリ、又は画像を表示するための1つ以上のコンピュータモニタ若しくはテレビスクリーン、画像との相互作用を可能にするグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)、及びイメージングシステムを動作させるための制御部若しくはコントローラを与えることができる。また、追加のエレメント(一部は以下で説明する)を含んでもよい。
【0063】
例えば、本明細書で説明する画像化のためのカテーテルは、近位端の近くにハンドピースを含むことができ、該ハンドピース上に、画像化中にカテーテルの回転を制御するためのサムホイール/フィンガーホイールとして構成するコントローラを含むことができる。
図2A及び
図2Bは、ハンドル又はハンドピースのバリエーションを示している。反時計回り方向のフィンガーホイール202の回転により、カテーテル本体(及びカテーテルの遠位端領域で固着したOCTイメージングエレメント)が反時計周りに回転し、フィンガーホイール202の時計回りの回転により、カテーテルの遠位端にあるスキャナは反時計回りに回転する。フィンガーホイールはまた、カテーテル体の逆回転を作り出すように構成可能である(即ち、時計周りのフィンガーホイール回転がカテーテル本体の反時計周りの回転を生じる)。簡単に説明したように、フィンガーホイール202は、さまざまなギア比、例えば1/2x(1/2:1)、2x(1:2)、3x(1:3)、4x(1:4)等でカテーテルを回転させるように構成可能である。例えば、フィンガーホイールが4xのギア比を備えた場合、フィンガーホイールの90°の回転が、カテーテルの遠位(イメージング)端の360°回転に変わる。
【0064】
通常、OCTカテーテルのカテーテル本体領域は、ハンドルから遠位方向に伸長した、フレキシブルな、薄い本体領域である。カテーテル本体は、ハンドルに回転結合している。
図3A及び
図3Bは、カテーテル本体の一バリエーションを表しており、カテーテル本体を通る断面図を示してOCT画像を形成する光ファイバが撮影する軸外経路を示している。例えば
図3Aにおいて、カテーテル本体301は、中央の中空管腔307、及び光ファイバ303が通過できる軸外の中央通路305を有する伸長したフレキシブルなチューブである。光ファイバ303は、そこからOCT画像を形成する光経路が延びる(破線)ウィンドウ(例えば側面対向(side-facing)ウィンドウ)で終端してもよい。
図3Aにおけるカテーテル本体の切除領域313は、光ファイバ303のための軸外経路305、及び中央管腔307の内部配置を示している。
【0065】
図3Bは、カテーテルを通る断面図を示し、また、光ファイバ303のための軸外経路305、及び中央管腔307の内部配置を示している。カテーテル本体は、追加の内部管腔(不図示)を含んでもよい。
【0066】
屈曲耐性ファイバ(例えば「屈曲可能」ファイバ又は「屈曲損失耐性」(bend-loss resistant)ファイバ)を含む任意の好適な光ファイバ(例えばファイバオプティック)を使用してもよい。例えば、位置バリエーションにおいて、光ファイバは、1240nm未満のファイバカットオフ、及び1270〜1380nmのシングルモードパフォーマンスを有する(そして、SMF−28規格に準拠して製造する)。例えば、光ファイバケーブルの外側のジャケットは、2又は3mm(OD)のポリウレタンでもよい。光ファイバコネクタは、最大挿入損失0.25dB及び最大リターンロス65dBを有するダイヤモンド(Diamond)社のE2108.6コネクタでもよい。通常、光ファイバは、それ未満でファイバコアからファイバ壁を通じた信号損失が発生する半径に一致する定義された最小屈曲半径を有する。例えば、高度な屈曲損失耐性ファイバは、最小屈曲半径約5mmの閾値を有することになる。ファイバが屈曲してこの最小屈曲半径未満の範囲系を有するカーブになる場合、ファイバ内の信号(光)は、光がファイバの壁を通じて失われるので、許容レベルを超えて減少することになる。
【0067】
前述のように、光ファイバの一端から回転可能なカテーテル本体まで抵抗する(resist)ことによって、光ファイバは、ハンドルに対してカテーテル本体と一緒に回転することになる。このカテーテルを用いた光ファイバの軸外回転により、光ファイバに引張り及び屈曲が生じる。前述のように、最大屈曲耐性(屈曲損失耐性)光ファイバにおいても、光ファイバが屈曲する際に、ファイバ上の信号が劣化することがある。さらに、ファイバオプティックは、もつれる可能性があり、カテーテルの使用を困難にし、過度に機械的な力が加わった場合は、ブレイクする場合がある。
【0068】
従って、本明細書で説明するカテーテルハンドルは、軸外回転を処理し、カテーテル内の光ファイバを屈曲させるのに適合させることができる。例えば、本明細書で説明するハンドルのいずれかは、それを通って光ファイバが回転するカテーテル本体から延びる光ファイバマネジメント経路を含んでもよい。該光ファイバマネジメント経路は、ファイバが光ファイバの最小屈曲半径(5mm〜25mmの範囲でもよい)より下に屈曲しないように構成してもよい。例えば、ハンドル内のファイバマネジメント経路全体は、約5mmより大きい、約7.5mmより大きい、約10mmより大きい屈曲半径を横断する(traverse)ことができる。
【0069】
ハンドル内で、光ファイバマネジメント経路は、スプール(spool)又はドラム(drum)周りで規定された経路を含んでもよい。例えば、経路は、螺旋形状に構成してもよい。非螺旋経路もまた可能であり、使用してもよい。スプールは、略円筒本体周りで曲がる螺旋チャネルを含んでもよい。チャネルは、上部(例えば上限半径)から下部(例えば下限半径)に及ぶエレメント(例えば壁、分離したリブ、フィン等)を規定することができる。光ファイバは、規定された経路内でこのチャネルに沿って通過してもよく、又はスプール周りに巻き付いてもよい。チャネル内で、ファイバの巻線は、互いに重なり合わず、相互作用しないが、チャネルを規定するエレメントによって分離状態を保つ。光ファイバが軸外で回転する場合、ファイバの巻線は、螺旋チャネル内で拡張又は収縮することがある(巻戻し(unwinding)及び巻取りそれぞれ同時に)。光ファイバの剛性により、ファイバの張力がスプール周りの螺旋巻線内で略一様に拡張及び巻戻しすることになる。これは、以下で、例えば
図5において説明している。上限半径及び下限半径によって規定される、スプールの大きさ及びチャネルの壁の高さを含む、ファイバマネジメントシステムのチャネルの寸法を計算して、カテーテル(従って、軸外光ファイバ)の所定数の回転を可能にすることができる。
【0070】
図4A〜
図4Dは、スプールを有するファイバマネジメント経路を含むハンドルの位置バリエーションを示す。
図4Aは、ハンドルを通る長手方向の断面図を示し、この実施例のコンポーネントパーツを示すハンドルの分解図を
図4Dに図示している。
図4B及び
図4Cは、それぞれ正面図及び側面図を示す。カテーテル本体(内部の光ファイバを含む)は、ハンドルの遠位端から延びる。
図4A〜
図4Dにおいて、カテーテル本体は、簡単のために図示していない。この実施例において、ノーズ(nose)領域は、カテーテル本体を包囲してもよく、該カテーテル本体はその内部を回転してもよい。ノーズは、カテーテル本体がハンドルを取り付ける際に張力緩和を与える支持拡張部403を含んでもよい。ノーズの近位で、回転子の組立品405は、回転してカテーテル制御部を回転させることができるノブ(例えばフィンガーノブ407)を含んでもよい。回転子の組立品は、1つ以上の回転伝送エレメントを含んでもよく、カテーテル本体を回転させる場合、例えば回転子ノブ(例えば407)の回転を、積算因子(通常1×より大きい、例えば1.5×、2×、3×、4×、5×)と掛け合わせるためのギア又はベルトを含んでもよい。カテーテル本体は、該カテーテル本体を接続するハイポチューブライナーに固定又は固着させ、出口(exit)(例えばウインドウ)を提供し、光ファイバは、該出口からカテーテル本体を出て、ファイバマネジメントスプール412に入ることができる。ファイバスプール(例えばスプールの螺旋巻きチャネル)を出た後、ファイバをスプールの近位に隣り合う位置(例えばハンドル内又はハンドルの外側)に固着(固定(anchor, fix, or pin))させることができる。例えば、ダウンストリーム(downstream)OCTシステム(光源、処理装置等)に接続するためのコネクタにファイバを取り付けることができる。幾つかのバリエーションにおいて、ファイバスプールはカテーテル本体と一緒に回転し、皮下注射針チューブの剛性長手方向に固定することができる(「ハイポチューブ」)。
【0071】
図4A及び
図4Dは、含むことができる追加のエレメント、例えばハンドルハウジング420(外部グリップ領域を含んでもよい)、移動又は回転リミッタ422、及び封止物又はオーリング428を示している。回転リミッタは、ファイバマネジメント経路の能力を超えてカテーテル本体の転倒又は回転を妨げることができる。即ち、ファイバが過度の回転によって圧力を受け、又は張力下に配置されるのを妨げることができる。幾つかのバリエーションにおいて、回転リミッタは、ファイバマネジメント経路の一部と考えることができ、カテーテル本体の回転を先に規定された数の回転(時計回り又は反時計回りの全回転)に制限することができる。例えば、先に規定された数の回転は、2〜10の間でもよい(例えば、約10,9,8,7,6,5,4,3等又はこれより小さく、これらの部分的な回転、例えば1/2、1/4及び1/10等を含む)。例えば、ハンドル(例えば、ファイバマネジメント及び/又は回転制御)は、約5回転(回転角度1800°)までカテーテルの全回転の数を制限するリミッタを有するように構成することができる。
【0072】
図4〜
図4Dに示すハンドルのバリエーションにおいて、カテーテルは、アテローム切除用カテーテル、又はデバイスが前進又は後退する際に切断又は移動するように操作される遠位端領域を含むガイドワイヤ配置カテーテルでもよい。従って、
図4A〜
図4Dにおいて、ステアリング及び/又は作動のための1つ以上のコントロールエレメントによって遠位端を操作することができる。ハンドルはまた、カテーテルを通じて材料(灌流液等を含む)の付加又は除去のための1つ以上のポートを含んでもよい。
図4Dにおいて、例示的なエレメントに標識を付けている(例えばシリンダ、回転子、流体封止チューブ、ルアー(luer)等)。
【0073】
また、以下でより詳細に説明するように、エンコーダ425を含んで、カテーテル本体及び/又はカテーテル本体の遠位端領域付近の光学ウィンドウ若しくは走査ウィンドウの回転位置をコード化することができ、それからOCT画像を再度作成する。任意の好適なエンコーダを使用することができる。
【0074】
ハンドルの長さは、ハンドルの幅や太さと同様に変化させることができる。一般に、ハンドルは、フィンガーノブ又はフィンガーホイールを含めて片手で容易に操作できるように構成する。幾つかのバリエーションにおいて、ハンドルは、両手用に構成してもよく、又は周辺機器で保持してもよい。
図2A、2B及び
図4A〜
図4Dに示すハンドルのバリエーションは、手動のハンドルであり、カテーテル本体を手動で回転させる。幾つかのバリエーションにおいて、カテーテル本体は、自動で回転する。例えば、カテーテル本体を回転させ、或いは電気的に操作させてもよい。従って、ハンドルは、ハンドルを回転させるためのモータやドライバも含んでよく、ハンドルは、回転を制御するための制御部(例えばボタン、シリンダ)を含んでもよい。
【0075】
図5は、スプール505を含むファイバマネジメント経路の一バリエーションの概略図を示している。この実施例において、カテーテル本体501は、軸外光ファイバ503を含む。カテーテル本体は、スプール505に結合し、2つは、ハンドル509の外側本体に対して一緒に回転する。前述のように、カテーテルは、トルクシャフト、中央管腔等を含んでもよい。ファイバのカテーテル本体からの「離脱」(take off)を制御することによって、確実に光損失をなくし、ブレイクにつながりうるファイバ上のストレスを防ぐことができる。例えば、前述のように、離脱領域をハイポチューブのライナで保護してもよい。次に、ファイバがカテーテルを出て、ファイバマネジメント経路のスプールに入ることができるように、カテーテル本体を所定のウィンドウの位置でスカイビング(skiving)してもよい。離脱領域は、急激な回転が存在せず(例えば、全屈曲半径がファイバの屈曲損失半径の閾値より大きい)、ファイバがスプールの半封入巻線周りに巻き付くのを可能にするように構成することができる。
図5において、スプールを概略的に示しており、上側半径512及び下側半径514を有する壁が備えた螺旋巻きチャネルを形成する。ファイバは、チャネル内でスプールの周りに巻き付いてもよい。カテーテル本体及び軸外光ファイバはハンドルに対して回転するので、スプール内で巻き付いた光ファイバは、カテーテル本体の時計回り回転又は反時計回り回転で拡張(点線で示す)及び収縮(実線で示す)してもよい。スプールに近い光ファイバの領域が、それが横方向に(ハンドルに対して)動かないように緩く又は堅く束縛され522、ファイバが、ファイバマネジメントスプール内で、巻く/巻き戻す及び拡張する/収縮するのを可能にする。従って、光ファイバは、カテーテルが屈曲、伸長及び/又は回転する際に、スプール内で光ファイバの巻線を拡張又は収縮させることによって、長手方向に拡張又は収縮することができる。
【0076】
ファイバマネジメント経路のスプールは、カテーテル本体の所定数の回転を可能にするように構成してもよく、また、ハンドルの長さ及び幅を含むハンドルの寸法を考慮してもよい。
図8A〜
図11は、ファイバマネジメント経路のスプールの寸法を決定する方法を説明している。
図8Aは、例示的な螺旋コイルを示している。任意の螺旋コイルについて、N回巻きであり、各巻きの高さはH、螺旋から中心軸までの距離はr(従って円周Cは2πrである)、一回転の長さはLとしてもよく、その結果N*Lは、螺旋の全長である。
図8Bに示すように、「展開型」(unrolled)螺旋で表示してもよく、これは展開型の螺旋が、平面状で繰返しの直線となることを示しており、これは、基線長Cを有する直角三角形の斜辺であり、巻線(2πr)の円周及び螺旋の1回転の高さに等しい。この関係から、螺旋の全長(N
*L)は、L
2=C
2+H
2として表示することができ、それゆえ、N
*Lは、下記の式で表される。
【0078】
この関係を種々のN及びCに適用することは、
図9に示すように、さまざまな数のループについての長さ対直径で表示し、グラフ化することができる。所望の範囲の回転(例えば4〜5回の全回転の間)を選択することによって、この関係を使用して、スプールの螺旋チャネルの内径及び外形を決定することができる。例えば、
図10において、4回転の場合(例えばスプール上のファイバの10〜14巻き)、スプールチャネル壁の可能性のある寸法は、示しているように、スプール上に位置する光ファイバの固定された長さについてのさまざまな値である。N=10での直線1からの外挿は、直径が約0.51”である。N=14の場合、同じ長さの光ファイバに対して直径は0.37”である。それゆえ、これにより、0.37”未満の内径(ID)及び0.51”より大きい外径(OD)を有するスプールを提案することになる。同様に、直線2の場合、0.46”未満のIDを有し、0.63”より大きいODを有するスプールが提案される。
【0079】
実際、ファイバが、使用する大きいN
xで堅く引かれた後、一部の弛み部(slack)をスプールの後側に付加する必要がある(ここで、Nは、スプール上で光ファイバが有する巻線の数であり、xはカテーテル本体の回転のターゲット数である。また、N
x=N+xである。)。
図11は、4回転をターゲットにする例を示しており、ゆえに最大のN(N
x)は23であり、最小のNは19である。このシナリオについての、計算したNL対直径を
図11に示している。上記の分析を適用すると、光ファイバマネジメントスプールに対して、提案されるODは、0.75”であり、提案されるIDは0.47”である。しかしながら、この実施例において、必要なNLに加えて、幾つかの光ファイバ「弛み部」を巻線の後側に付加することが望ましい。例えば約2.75”の弛み部を、ファイバが23巻きで堅く引かれた後、スプールに付加することができる。これは、36,47”のNLを生じる(0.47”でのNLは、33.99、プラス2.75”である。)。光ファイバの全長36.74で、23巻及び19巻について有する寸法は、OD(有効)は0.615”であり、ID(有効)は0.508”である。それゆえ、螺旋チャネル内の光ファイバについてのこれらの有効直径により、チャネルの外径又はスプールの内径に当たらないで、4巻までの回転中に光ファイバの拡張及び収縮を可能にするであろう。
【0080】
図6A〜
図7Dに戻ると、ハンドル内に位置することができるファイバマネジメント経路の2つのバリエーションを示している。
図6A〜
図6Dにおいて、そこでファイバがカテーテルを出て、スプールの螺旋チャネルに巻き付くファイバ離脱領域(例えば、カテーテル内のファイバ管腔軸外)を含むスプールを示している。スプールの中央領域は、中空であり、カテーテルの中央経路と連絡を取るように配置することができる(また、トルクシャフト、経路等を保持することができる)。
図6Aは、ファイバがカテーテル本体を出てスプールチャネルに入る遠位領域601と、光ファイバが内部へ巻き付いているスプールチャネルを有する中央領域603とを含むスプールの斜視図を示している。前述のように、チャネルは、スプール周りの螺旋巻線である。近位領域605は、回転リミッタ領域を含む。ピン又は他のリミッタ部分が、スプール上のリミッタ溝部と噛合する。
【0081】
図7A〜
図7Dは、狭い半径(tight radius)が屈曲するのを避けることにより、光損失をさらに減少させることができる拡張したコイル設計を有するスプールの別のバリエーション示す。例えば
図6A〜
図6Dと比較して、
図7A〜
図7Dに示す実施形態は、24(対15)のファイバコイルを含み、より大きい最大直径(0.476対0.400)及び増加したファイバトレンチ幅(0.030対0.020)を有し、ODは同じ値(
0.750±0.001)を維持する。数が増加した光ファイバは、弛み部の利用可能な量を増加させることができ、1以上のノブの回転(5対4)を可能にし、光ファイバがきつく巻かれた位置にある場合には、光ファイバが過度に屈曲するのを避け、光損失の量を減少させることができる。最終的に増加したファイバトレンチ幅は、スプールの製造を容易にすることができ、また、スプールの準封入したチャネル内で、拡張及び収縮する際に結合するのを避けるのに役立ちうる。上面が開いているので、該チャネルは、準封入(semi-enclosed)していると言われる。一部の実施形態では、上面は閉じている(例えば、チューブ又はスリーブ(sleeve)内で)
図7A〜
図7Dにおいて、回転中止領域703はまた、スプールの遠位端にシフトしている。
【0082】
前述のように、ハンドルはまた、エンコーダを含んでカテーテル本体及び/又はカテーテル本体からの画像形成ウィンドウについての回転情報をコード化することができる。エンコーダが、回転位置を基にした画像の表示又は計算のための処理装置(OCT画像処理装置を含む)にこの回転位置情報を与えることができる。カテーテル本体の近位端から回転する場合、遅延は、デバイスの遠位端の回転と近位端の回転との間に存在するので、処理装置は、論理回路(ハードウェア、ファームウェア及び/又はソフトウェアを含む)を含んで、遅延を修正することができる。
図12〜
図12Eは、使用することができるエンコーダのさまざまなバリエーションを示す。
【0083】
図12Aにおいて、ホール効果センサを使用して、デバイスハンドル中のカテーテルの回転を検出することができる。回転は、軸内又は軸外が可能である。このバリエーションにおいて、エンコーダギアは、カテーテル本体と一緒に回転するギアと噛合する(この実施例では、カテーテル本体に接続されたスプールが回転している。)回転エンコーダは、カテーテル本体の回転位置を示す出力情報を与える。
【0084】
図12は、軸内スルーホールエンコーダを有するバリエーションの概略図を示す。この実施例において、カテーテル本体の回転により、エンコーダの直接の回転が生じる。
図12Cは、非接触エンコーダの位置実施例を示しており、エンコーダセンサと、カテーテル本体が回転する際に回転する回転ギアに結合する磁石との間に空気ギャップが存在する。それゆえ、センサは、回転を検出することができる。同様に、
図12Dは、磁気リングが回転可能カテーテル本体/スプールに取り付けられる、別の例を示す。リングは、円周の周囲に交互に逆極性のバンドを有してもよく、バンドの数は、角度分解能に比例する。最後に、
図12Eは、別のバリエーションを示しており、回転可能なカテーテル本体又は連続エレメント(例えばスプール)に軸内で取り付けられるディスクを使用する光学的コード化が存在する。軸外光リードヘッドは、ディスクの回転を検出することができる。
【0085】
幾つかのバリエーションにおいて、デバイス又は該デバイスを使用するためのシステムは、コンピュータ光学マウスで使用するのと類似の「マウスチップ」位置センサを組み込んでおり、カテーテルを見て(look at)角度方向及び水平方向にコード化する。位置センシングの他の手段は、異なる動作原理のエレメント、例えば電気容量型指紋センサのようなエレメントを含んでもよい。
【0086】
マウスチップは、カテーテルの表面(または、外側の積層が透明若しくは半透明である場合にはブレード)を見て、隣接スナップショット間の特徴位置の差に基づいて、X及びY移動ベクトルを計算し、それから回転及び/又は水平移動を推測することができる。マウスイメージセンサが観測している特徴は、任意の形状にすることができ、パターンは規則的/周期的又はランダムにすることができる。好ましくは、特徴は少なくとも完全に周期的というわけではない。最も好ましくは、特徴はランダムである。連続する各フレームにおいて、マウスイメージセンサの視野の範囲内で少なくとも1つの識別できる特徴が存在する必要がある。アクセスポートへのチップの取り込みにより、デバイスからの光エンコーダの除去を可能にし、デバイスを簡素化することができる。代替として、それは、不完全なカテーテルトルク伝達に対する補償を可能にする。特に、カテーテルが長さに渡って分配した、例えばイントロデューサシース(sheath)、ガイドからの摩擦、及び/又は特に狭い病変部での組織摩擦を経験する場合、カテーテルの近位端を360°回転させることは、遠位端での360°の回転に必ずしもつながるわけではない。「巻取装置」(wind-up)の大きな摩擦、又はカテーテルの近位端の回転と遠位端の回転との間の「遅延」(lag)は、近位ハンドルと(Touhy−Borst型)止血弁との間で支持されていないカテーテルの長さから生じえる。バルブの「ウェット」側にマウスチップを配置することによって、カテーテルの回転及び水平移動を検出する一方、支持されていない長さの影響を除去し、それゆえ測定精度を向上させることができる。
【0087】
以下で説明するように、マウスチップの出力(Z,シータ)は、画像ディスプレイ上で表示可能であり、また、以下に示すように、蛍光ユニットディスプレイに組み入れることができる。特に水平方向のデータを医師が使用して、病変部の長さを測定し、切断のオン/オフ位置を誘導するであろう。
【0088】
予備的なデータは、動脈内の病変部が、明確な偏心率を示し、血管の1つ以上の腹部(quadrants)でのほとんど健康な組織が、アテローム、脂質に富んだ領域、カルシウム沈着等に変わることを指し示す。データは明らかに指向性治療に対するニーズを強調している。従って、本明細書で説明するカテーテルを心臓血管を通る経路に使用することができ、ミリメータ深度まで、光コヒーレンストモグラフィセンサ内の共通光道干渉計として構成する単一の光ファイバを使用して、組織の広い角度を画像化するように構成することができる。
【0089】
説明するカテーテルはいずれも、回転可能なカテーテル本体内の軸外光ファイバを含むOCTシステムの一部として使用することができる。システムはまた、OCTイメージングのために有用ないずれかのエレメント、例えばOCT光源、OCT検出器及び画像処理装置を含んでもよい。
【0090】
前述のように、幾つかのバリエーションにおいて、光ファイバは、カテーテル本体の長手軸の軸外に位置する、カテーテルの経路又は管腔内に含まれてもよい(例えば、カテーテルの中央線から放射状に配置された)。例えば、単一の光ファイバは、デバイスの全長に渡って延びるチューブ内に位置してもよい。カテーテルの遠位端で、ファイバは、固定された特定の屈折率(好ましくは先に参照により取り込まれた米国特許出願(U.S. patent Application Serial No. 12/790,70)で説明している価値のある光学特性を与える方法で光ファイバコアの屈折率と一致しない)を有する固定の透明材料で終端してもよい。カテーテル本体の回転は、光ファイバが終端する遠位端領域を回転させることになる。
近位端では、手動で(又は自動で)カテーテル本体を往復運動/振動させ、遠位端をアジマス角度(多重の全回転を含む)周りに回転させ、過度のファイバ応力又は屈曲損失を避け、ファイバがコンソールから遠位端まで連続するのを可能にする(ファイバオプティック回転ジャンクションは必要でない)。ファイバの軸外回転は、ファイバからの光ビームが明確に定義されたアジマス角度を通じて移動し、又は血管内部周りに全回転させる。近位端では、ノイズ及び画像アーティファクトは、コアが伝送するメインのOCT信号をクラッド(cladding)が伝送する背景ノイズから分離する、共焦点ピンホール光学配置を使用することによって削減することができる。
【0091】
従って、幾つかのバリエーションにおいて、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)のためのカテーテルデバイスは、近位端及び遠位端を有するカテーテル本体と、カテーテル本体内の長手方向に沿って配置された共通光路干渉計として構成されている少なくとも1つの軸外光ファイバと、コア、近位面、遠位面及びクラッドを有する少なくとも一つの光ファイバと、ファイバの近位端が固定され、遠位端領域の近くにある光学的に透明なウィンドウとを含み、前記コア及びクラッドは、コンソールでの接続部から遠位カテーテルチップまで連続的であり、チューブから放射線が現れ、実質的に垂直入射で画像化される組織に衝突する。また、これらの項目を含むシステムは、相反エレメント及び処理装置によってカテーテルの近位端に接続される光放射線源を含んでもよく、選択的にOCT背景修正ユニット及び検出器を含んでもよい。
【0092】
本明細書で説明するシステムはいずれも、血管内イメージングを可能にしてアジマス位置及び長手位置の両方で評価されるべき疾患の度合い(例えば冠動脈疾患)を決定するのを可能にし、また、疾患部の状態(カルシウム、脂質、アテローム、繊維状アテローム)の特定を可能にすることができる。これはまた、予定されている処置、及び既知の切断深度が疾患部の画像に添付されるのを可能にする。長手方向の回転(index)及びアジマス方向の回転により、医師は切断の長さをいかにすべきか、最初の切断後に第2の切断するべきか否か、切断部の実施形態が疾患部に面しているか否か、及びカテーテル(例えばカッター)がターゲット組織に付着するか若しくは物理的に接触して切断を容易にするか否かを正確に推定するのを可能にする。疾患/非疾患差動イメージングと結合した長手方向の近位回転の動きは、計画され実行される正確な長さの切断を可能にする。この情報を、オートメーション化したシステムの前進機構に結合させて、確実に近位の動きが血管内の遠位トラッキングに相関させることができ、また、切断が保証されない場所で、医師に切断させないようにするのを助けることができる。方向性イメージングは、カテーテル、特にカテーテル上のカッターを含むバリエーションが病変組織を正確に目標とし、病変組織に対置されるのを可能にすることができる。また、方向性イメージングは、蛍光透視誘導単独では作成することが困難な、明瞭な切断/非切断信号につながる。
【0093】
また、血管壁の形態の高解像度画像は、興奮した組織の組織学的分析に相関する。この相関は、病変部のリアルタイムの組織学的なレビューを可能にし、血管系内でデバイスを操作するのを可能にし、また、特定の疾患状態をターゲットにするのを可能にする。本明細書で説明しているOCTイメージングカテーテルのバリエーションの多くで、デバイスは、起こりうる有害事象、例えばパーフォレーションを警告するに値する、少なくとも1つカッター深度を可能にする少なくとも2mmの画像範囲を解像する能力を有する。イメージングはまた、最適な減少仮説(debulking hypothesis)の試験を可能にし、血管の内部管空から除去される病変組織の体積と血管の長期開通性との間の相関を提示している。画像は、組織がどれだけ除去されるか、どれだけ残されるか、及び治療後の内腔の直径を正確に支援すことになる、
【0094】
本明細書で説明するシステムはいずれも、回転コントロール、切断制御部、フラッシュ(flush)制御部及び角度/位置のインデックス(indexing)を有するカテーテルハンドルを含むOCT軸外イメージングカテーテルを含んでもよい。OCTカテーテルは、伸長したカテーテル本体(シャフト)状の遠位に固定される光ファイバを有することができ、該カテーテルシャフトは、明確に定義された巻数を有するが、近位ハンドルに対して回転することができる。光ファイバは、回転可能なカテーテル本体の長手方向の下の軸外経路を移動し、ハンドルの光ファイバマネジメント機構は、ファイバが、破損すること、屈曲損失閾値を越えて屈曲すること、又はもつれた状態になることを防ぐことができる。例えば、ハンドル内の単一の取込みスプールを使用して、物理的にストップがかかる前に規定の巻数を可能にすることができる。通常、ファイバマネジメント経路(
図5に一実施形態を示す)を含むカテーテルハンドルは、第2の取込みスプールの使用を要求しない。ファイバマネジメントシステムは、ファイバを単一の内部取込みスプール上に組み込む。それゆえ、近位ハンドルの大きさは、複雑性と同様に大幅に減少する。
【0095】
本明細書で説明するカテーテルはいずれも、近位機構で角度を検出するエンコーダを含んでもよく、この情報を、OCTデータ取得システムを制御する処理装置(例えばコンピュータ)に、連続的に中継することができる。
図13に示すように、角度の値をディスプレイアルゴリズムに組み込んで、内宮内部の360度の画像を示すことができる。
【0096】
図13の画像の例において、放射状の直線1301は、エンコーダの現在の位置を示す。カテーテルをどちらかの方向に回転させることによって、ディスプレイを連続的に更新することができる。また、ディスプレイ全体を、カテーテル検査室内で同時に取得される蛍光透視図に対して回転させ、向きを決定することができる。例えば、心膜が画像ディスプレイ内で「上側」又は「下側」であるように画像を回転させることができる。画像を回転させることによって、カッターの位置とディスプレイとの間の空間関係を知ることによって(及び、血管内の重要な生理学的構造を暗示することによって)、医師はデバイス上のカッターの位置を決定し、安全な方法で切断することができる。
図13に示す例示的な表示において、血管内で使用する場合に、画像に標識を付けてOCTカテーテルデバイス及びシステムによって区別することができる例示的な構造を示している。さらに、以下で詳細に説明するように、画像は、周囲組織に対するカテーテルの存在及び位置を示し、組織に対するカテーテルの位置及び向きを正確に反映することができる環状表示を生じる。
【0097】
上記の記載からわかるように、血管内に比較的大きいカテーテルを有すること、及びこのカテーテルの周縁上に載置したイメージングエレメントを有することは好都合である。なぜなら、それは、イメージングエレメントを画像化する組織に非常に近接した位置にもってくることができるからである。通常血液が存在する内腔内には、「無駄な」画像化距離は多くは存在しない。同様に、この特徴は、共通光干渉の画像化範囲を最大化し、移動し、或いは透光される血液の体積を減少させる。本実施形態のカテーテルは、数百ミクロンの血液を通じて、実証された「見る」(see)という能力を有し、これは既在の設計よりも優れている。それはまた、提示する内部動脈構造の代表的な「大きさ」の画像を可能にする。優れたトルク伝達特性を有する比較的大きいトルクシャフトの結果、NURD(非一様回転歪み)は少ししか、或いは全く存在しない。この態様は、正確なカッターの誘導(深度においてもアジマス範囲においても病変部に達する)に重要である。
【0098】
前述の軸外OCTカテーテルを使用した画像及び画像処理は、以下でより詳細に説明する。
【0099】
前述のカテーテルの代替のバリエーションは、カテーテル本体の回転、及び/又はカテーテルの長手方向の前進を駆動するモータを含んでもよい。例えば、モータを用いてコントローラを自動化して、カテーテルの回転を駆動化することができる。かかるコントローラは、ハンドル内にあってもよく、又はハンドルの外側にあってもよい。モータを備えた駆動機構は、イメージングエレメントの制御されたセクタ掃引を提供することができる。例えば、
図14A及び
図14Bは、モータを有するハンドルの一バリエーションを示す。
【0100】
(II:OCT信号処理)
デバイス及びシステムが収集するOCT画像を、任意の好適な方法で表示することができる。例えば、OCT画像を、
図13に示す画像と類似の「アジマス画像」して、又はカテーテルの遠位領域にある「一次元」OCTスキャナからの線形走査を示す「ウォーターフォール画像」として、或いは両方の方法で表示することができる。前述のバリエーションにおいては、OCTイメージングスキャナ(光ファイバの末端)は、カテーテルの近端(near end)として、若しくは遠位端にあるとして、カテーテルに垂直に面しているとして示しているが、OCTイメージングスキャナは、より近接配置される位置を含む、カテーテルの任意の好適な領域に位置してもよく、より前向き又は後向きに配向することができる(例えばカテーテルの壁に対して90°でない角度で)。
【0101】
カテーテルからの画像は、該画像が安定性を維持し、仮想イメージャの位置がカテーテルの周縁周りでスキャナがどちらの方向を指すかを示すように、ディスプレイ上で表示可能である。この画像のレンダリング方法は、直感的であることができ、画像の「上側」は、画像化される血管又は内腔の「上側」に対応するという意味を付与する。実際には、カテーテルの遠位端の配向は、患者に対するカテーテルの遠位端の実際の「上側」又は「下側」に相関しないこともあり、或いは相関することもある。
【0102】
アジマス画像を表示する代替の方法として、システムは、一平面(即ちスクリーンの「上側」(top))内の仮想イメージャ(virtual imager)の位置を維持し、画像全体が構築される際に、該画像全体を回転させることができる。一致(coincident)イメージャ及びカッターを有するデバイスにおいて、これは常に「上側」の位置にカッターを有するという利点を有することができる。この表示は、デバイスと一緒に移動し、血管内で見えるものを見る表示により似ている。幾つかのバリエーションにおいて、擬似画像又はマークした領域は、カッター若しくは他の領域の存在又はイメージング領域の近くでカテーテルと結びついたデバイスを示すことができる。
【0103】
また、本明細書で説明するシステムの幾つかの実施形態において、システムの更なる位置又は状態の情報を、OCTデータのアジマス及び/又はウォーターフォール表示に加えて(又は代替として)表示することができる。例えば、幾つかの実施形態において、システムは、カテーテルの遠位端の長手方向の位置又は動きの情報を提供することができる。デバイスが軸方向に動く際に、カテーテルの前方/後方の動きを、OCTデータ対軸方向の距離(例えば、前方/後方)の図で表示することができる。類似の軸方向の遅延(前記の回転の遅延の課題に類似する)もまた生じる可能性があり、類似の修正方法を適用することができる。
【0104】
遅延は、本明細書で説明するような回転カテーテルシステムの典型的な課題である。カテーテルは、理想的なトルク伝達物ではないので、カテーテルの近位端が回転している時に、カテーテルの遠位端が回転しないようなある位相遅延(θ)が存在することになる。この位相遅延は、回転方向が変化する場合に、画像の不正確な向き、画像内の汚れたセクタ、及びユーザのフラストレーションを生じる可能性がある。しかしながら、角度θを決定することができる場合、システムは現在の位置及び移動方向を追跡することができ、方向を変える際には位相遅延を考慮することができる。画像の正しい向きを可能にするためのθを決定する種々の方法を、本明細書で説明することになる。
【0105】
θを決定する一方法は、「オーバーレイ」(overlay)又は「サイドバイサイド」(side-by-side)モードと呼ぶことができる。この方法において、オペレータは画像化される血管又は内腔内、好ましくは目に見える解剖学的特徴又は基準マスクを有する領域内で、一つの前回転走査を行うことができる。次に、オペレータは物理的に同じ位置で反対の方向で前回転走査を行うことができる。次に、処理装置(例えば、ハードウェア、ソフトウェア又はファームウェア等の論理回路)2つの画像を重ね合わせ、又はディスプレイ上でそれらを隣接させて付与する。オペレータは、ユーザインターフェイスを使用して画像を回転させることによって、2つの画像を整列させることができ、それらは角度がθだけ異なる必要がある。画像が整列すると、ソフトウェアはθを保存し、連続するスキャンにおいて透過的にそれを使用し、画像を修正することができる。この方法は、
図15に示している。
図15において、アジマス表示は、センサの向きを指し示す、半径方向に延びる線(左上)を示す。2つの画像のオーバーレイ(互いにそれぞれ部分的に透明であってもよい)は、手動で又は自動で実施することができる。この方法の概略を
図24に示している。
【0106】
遅延を修正する別の方法は、蛍光透視装置、又はカテーテルの遠位端の、他のリアルタイムの表示を、トルクがシャフトに充分伝達されたときを決定するためのガイドとして使用する。この方法の概略を
図25に示している。カテーテル本体は、リアルタイムの表示で動きが見えるまで回転させることができる。次に、オペレータ(又は自動システム)は、θを決定する準備をすることができる。次に、リアルタイム表示で、動きが再度見られ、又は検出されるまで反対方向に回転させることができる。幾つかのバリエーションにおいて、次に、オペレータは決定が終了したことをシステムに通知する。代替として、システムはこれを自動的に決定することができる。近位端での、手順が開始した時間からオペレータが終了した時間までの角度の差はθである。
【0107】
しかし、遅延を決定する、及び/又は修正する方法は、スキャン毎に動きを検出することによって手順をオートメーション化する。例えば、カテーテルが、トルクのビルドアップに起因して回転しない場合、各単一直線走査は、小さい値で次と異なる必要がある。二乗法又は他の好適な画像比較アルゴリズムの差を用いて、システムは動いている状態と動いていない状態とを区別することができ、従って、遠位端が動いていない間は画像の回転再構築を更新しない。
【0108】
前記方法のすべてで、θに対する補償が生じるときを示すユーザインターフェイスエレメントが伴う。
図16Aに示すように、セクタ画像の外側に沿って円弧を表示することができる。
図16Bに示すように、残っているθの大きさを示す透明なウェッジ(wedge)を表示することができる。これらの方法は、減衰(fading)、ヒステリシス、及びユーザからの不必要な散乱を除去する他の手段を含んでも含まなくてもよく、巻取装置がアクティブイメージングの代わりに除去されていることを伝達する。
図26は、この方法の概略を示す。本明細書で説明する遅延修正方法は、カテーテル及び光ファイバ(OCT画像を作り出す)の両方が回転しているので、本明細書で説明する軸外OCTカテーテルに特に興味がある。
【0109】
前述のように、カテーテルからのリアルタイムのイメージング情報をオペレータのために表示可能である。幾つかの実施形態において、システムとの相互作用の実質的な調和は、技術者によって実施され、オペレータ(例えば医師)は、しばしばディスプレイ上のデータの消費者である。技術者は、医師のスクリーン画像に文章及び/または簡単なグラフィックを用いて、ディスプレイ上の画像から逸脱しない非破壊的な方法で注釈を付けることができる。
図17は、ディスプレイ上で重なり合うことができるメモ及び図の一例を示す。これにより、技術者は、興味ある領域、例えば骨格、疾患部等を、リアルタイムで強調することができ、医師と一緒に治療を検討することができ、後のレビューのための注釈の消去又は保存を可能にする。これは、手術する医師と一緒に、正確なグラフィック方法で相互作用するための無菌場外の他のエキスパートにとってもまた有用であろう。
【0110】
本明細書で説明するイメージングシステムは手動の走査デバイスであり、任意の角度位置及び掃引範囲を可能にするので、オペレータが先にアクセスした位置を超えて走査しない場合には、古いデータが時としてスクリーン上に現れる場合がある。混同を減少させ、新しいデータへの注目を高めるための一方法は、動き(より多くの走査をオペレータが行った場合には、より早く画像が消失する。)又は厳密な時間をベースとしたスクリーン上の古い画像データを次第に消失させる。最新のデータは、最大輝度及び不透明性で表されて強調されており、古いデータは残ってはいるが、容易に区別される。
【0111】
医師が実施する現在の活動(即ち、切断、回転等)に依存して、データ表示の種々の部分が異なる重要性を有する。例えば、切断する場合には、「ウォーターフォール」(時間対深度)表示に焦点を当てるのがよる好都合であろう。ターゲット化する場合には、セクタ(二次元アジマス)表示に焦点を当てるのがより有用であろう。さまざまなセンサを使用して、システムは、動作を推認して、シチュエーションについての好適な表示を強調又は拡大することができる。例えば、カッターの作動を検出する場合、ディスプレイのウォーターフォール部分を拡大し、セクタ表示を減少させることができる。これらの異なる表示は、ユーザが自然のエッジ検出能力を持つことを最適に可能にし、他の一次元情報から特徴を区別するのを可能にする。幾つかのバリエーションにおいて、追加の信号処理を適用して、これらのOCT画像から特徴を検出又は決定することができる。例えば、組織の境界は、ディスプレイの1つ以上で決定し、若しくは検出し、及び示すことができる。
【0112】
本明細書で説明しているシステムはまた、1種類以上の表示の間で自動的に若しくは手動で切り替わることができ、又は1種類以上の表示強調することができる。例えば、システムを使用して組織を修正する(例えばアテローム切除用エレメントを使用して組織を切断する)場合、ウォーターフォール表示(組織の境界の検出をより容易にすることができる)を、アジマス表示より大きく表示することによって、或いはウォーターフォール表示のみを示すことによって向上させることができる。ユーザがアテローム切除用エレメントを使用することになる(又は使用する)場合には、自動で行うことができ、又はユーザがそれを選択する前に、手動で行うことができる。
【0113】
OCTデータを表示する場合には、本明細書で説明するシステムは、種々のエラーの源を修正することができる。例えば、センサ(OCTイメージャ)が、回転するカテーテルの外側エッジに位置することを理由として、一つのエラー源が生じる。単純なレンダリングの実施により、中心から外側へセクタ画像を抽出することができる(例えば、アジマス表示がトロイドりも円を多く有するように)。しかしながら、この描写は、完全に人工的であり、挟持されている(pinched)ように見える中央に向かう特徴を生じる。この歪みは、特徴である深度の評価に影響を与えないが、アジマス方向における形態をベースとした任意の決定は、生じるそれらの大きさの過小評価によって影響を受ける可能性がある。本明細書で使用するカテーテルは、既知の直径及び画像位置を有するので、システムは極座標の原点を再度マッピングすることによってレンダリングする場合に、新しい半径及び画像全体のスケーリングを考慮に入れて、表示の範囲内に適合させることができる。これにより、組織形態は、修正されて表示される。
図18Aは、修正されていない画像を示し、
図18Bは、カテーテルの直径(又はカテーテルの中心軸に対するOCTセンサの半径方向の位置)に対する修正後の同じ画像を示す。他の実施形態において、正確なイメージャの位置を、構成をオートメーション化する、カテーテルと結びついた、RFID又は他の不揮発性メモリにコード化可能である。
【0114】
エラーの第2の源は、走査システムで発生する可能性がある。深度対サンプルの数のマップは線形でない可能性があり、画像において一部半径方向の歪みを生じる。製造時に各システムを特性評価することによって、サンプル数の深度に対するマップを構築して、レンダリング中に任意の非線形性に対して修正可能である。
図27A〜
図27Cは、前述のように、画像を修正してスケーリングに適合させるための種々の方法を示している。
【0115】
組織インターフェイスからの固定された深度での人工的なインジケータを重ね合わせることにより、切断前及び切断後の深度評価、通常の健康な組織形態の実際の画像の外観に対する比較、及び可能性のある他のアプリケーションが可能になる。
【0116】
前述のように、スキャンの第1の位置における鋭いピークについて各走査線を探査することによって、組織境界(特に血管の内膜境界)を検出するソフトウェアアプローチを実施することができる。各ピークの位置を一緒に平均化して、ノイズを減少させることができる。次に、それらの平均化した値を固定した設定可能なオフセットに付加し(カッターの深度、統計平均媒質深度等)、インジケータを新しい位置での画像に重ね合わせることができる。
図19は、監視される所望の組織深度に一致する画像に対して重ねあわされる。
図19から、深度のインジケータは、セクタ走査画像(
図19の上の図)及びウォーターフォール画像(
図19の下の図)の両方に重ね合わされることがわかる。
【0117】
内膜を可視化することは、画像誘導されたアテローム切除で成功する結果への重要な鍵である。幾つかの例において、ノイズと他の層とを区別するのは難しい可能性があるが、これは画質に依存する。画像処理技術を使用して、層構造の視認性を向上させ、内膜を抽出するのを容易にすることは可能である。
【0118】
画像を向上させるための一つの方法は、非線形のコントラストストレッチを使用して、異なる反射率を有する層を「分離」(pull apart)する。オペレータは、強度の小さい差を強調する方法で、入力グレーレベルの出力グレーレベルに対するマップを調節可能である。
図20Aは、通常の画像を示し、
図20Bは、積極的なコントラストストレッチを適用して画像を向上させた後の同じ画像を示す。
図21は、
図20Bのコントラストストレッチした画像を達成するのに使用するコントラストカーブを示す。
【0119】
画像を向上させるための別の方法は、層構造を直接検出し、画像上で、カラーの又は他の透明なインジケータを重ね合わせることによって、「輝度」(bright)層を重ね合わせ、又は強調することができる。ガウシアン近似の差を使用して、輝度層を見つけ出すことができる。画像を処理して層を見つけ出すと、それを新しい透明なカラーで原画像に重ね合わせることができる。
図22は、輝度層が強調されている画像を示す。
【0120】
幾つかの実施形態において、イベントが発生(例えばキャプチャ、カッターの活性化、遅延較正)した場合、システムは自動的にメタデータファイルに時間及びイベントの種類を記憶する。さらに、タグ情報をウォーターフォール(時間対深度)表示に重ね合わせることができる。これにより、リアルタイムの疾患構造のマーキング、切断の開始及び終了、並びに他のイベントが可能になる。
図23は、タグ情報に重ね合わされたウォーターフォール画像を示す。イベントがディスクに保存される際、それらは再生時にウォーターフォール上に現れることになり、表示の解釈がより容易になる。
【0121】
画質を改善するための他の方法を以下で検討することになる。イメージングシステムの一部として非常に位相が安定したレーザの場合、逆フーリエ変換の前に連続的な種々の直線走査を即時に平均化することが可能である。実験的な結果が示すことには、これは、信号レベルに影響を与えることなくノイズフロアを低下させる。レーザが位相安定性を有しない場合、又は直線が幾つかの他のソース(例えば、高速動作)と位相において異なる場合は、信号レベルに影響を与える可能性がある相殺的干渉が生じる場合がある。連続直線を相互相関させ、又は差動化させて類似性を評価することにより、この影響の緩和を実施可能である。平均化設定において、他と大きく異なる直線は、最終結果に影響を与えないように放棄することができる。この平均化手順の効果は、組織により大きいパワーを実際に伝えることなく、現実にレーザ出力を増加させることである。
図28は、信号のFFT平均化によりノイズを減少させる方法の一バリエーションを概略的に示している。
【0122】
前述の平均化手順に関連する代替の実施形態において、平均化した直線の結果の幾つかは、一緒に束にして、さらに変換の後に一緒に平均化することができる。これは、画像におけるスペックルノイズを減少させるという効果を有する。この手順は計算的に強く、有効走査速度を連続的直線走査単独よりも劇的に大きくすることができる。しかしながらFFT後の平均化は、強度領域で実施されるので、位相安定性に対する要求を有しない。高速動作はぶれを生じるが、相殺的干渉効果ではない。
図29は、本明細書で説明するFFT後の平均化方法の一バリエーションの概略を示す。
【0123】
材料及び製造技術を含む、本発明に属する追加の詳細を、関連する技術分野の当業者の範囲内で採用することができる。同じことが、共通して又は論理的に採用される追加の動作の観点で、本発明の、方法をベースとする態様に対しても当てはまる。また、本発明で説明するバリエーションの選択的な特徴はいずれも、独立して、或いは本明細書で説明する1つ以上の特徴と結びつけて説明し、請求することができることを意図している。同様に、1つの項目への参照は、複数の同じ項目が存在する可能性を含む。より明確には、本明細書で使用し、また添付の請求項にあるように、単数形、「一つの」(a)、「及び」(and)、「前記」(said)、及び「その」(the)は、文脈が明確に指示しない限り、複数の参照を含む。さらに注意すべきは、請求項を起草して任意の選択的要素を除外することができる。同様に、ここで述べたことは、請求項の要素の引用と結びついた、かかる除外に用いる用語「単に」(solely)、「のみ」(only)等としての使用、或いは「否定的な」(negative)制限に対する先の記載の基礎として役立つことを意図している。本明細書で規定していない場合は、本明細書で使用する、すべての技術的及び科学的用語が、当業者が一般に理解するのと同じ意味を有する。本発明の技術的範囲は、明細書によって制限されることはなく、請求項において採用した用語の通常の意味によってのみ制限される。