特許第6073996号(P6073996)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6073996光アドレス式グレースケール電荷蓄積型空間光変調器を備えた画像システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073996
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】光アドレス式グレースケール電荷蓄積型空間光変調器を備えた画像システム
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20170123BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20170123BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20170123BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20170123BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
   G09G3/36
   G09G3/20 680H
   G09G3/20 680C
   G09G3/34 J
   G09G3/20 641A
   G09G3/20 641C
   G09G3/20 624B
   G09G3/20 621A
   G09G3/20 622D
   G02F1/13 505
   G02F1/133 535
   G02F1/133 575
【請求項の数】6
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-157055(P2015-157055)
(22)【出願日】2015年8月7日
(62)【分割の表示】特願2013-207957(P2013-207957)の分割
【原出願日】2007年6月1日
(65)【公開番号】特開2016-1330(P2016-1330A)
(43)【公開日】2016年1月7日
【審査請求日】2015年8月7日
(31)【優先権主張番号】60/803,747
(32)【優先日】2006年6月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512169958
【氏名又は名称】コンパウンド フォトニクス リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】ゲッツ ホワード ヴィー.
(72)【発明者】
【氏名】スタンフォード ジェイムス エル.
(72)【発明者】
【氏名】サクス ジョナサン エー.
【審査官】 西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−104310(JP,A)
【文献】 特開平06−138437(JP,A)
【文献】 特開平09−043573(JP,A)
【文献】 特開平11−030787(JP,A)
【文献】 米国特許第05140448(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 − 3/38
G02F 1/13
G02F 1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気光学層の複数の画素位置を画定するバックプレートを含む光書き込み型ライトバルブと、
前記光書き込み型ライトバルブと光学的に接続された光源と、
メモリ、前記光書き込み型ライトバルブ及び前記光源と組み合わされる制御器であって、前記光書き込み型ライトバルブの画素位置に複数の選択された書き込みセル電圧を印加し、その後前記画素位置に発光する前記光源を変調することにより、フレーム期間に亘り複数の書き込み光パルスを供給するように構成された制御器と、
前記フレーム期間中に実質的に単調関数が前記複数の書き込み光パルスの強度と期間の結合に基づくように、空間光学変調で光学的にアドレスされる電荷集積グレースケールの一部分を変調するために前記複数の書き込み光パルスを受信する前記光書き込み型ライトバルブと光学的に接続した、前記空間光学変調で光学的にアドレスされた電荷積分グレースケール変調器と、を含む、画像システム。
【請求項2】
前記光源を変調することは、パルス幅、パルスの振幅又はデューティサイクルの1つを含む、請求項1に記載の画像システム。
【請求項3】
前記光書き込み型ライトバルブは第1及び第2のデータラッチを有するバックプレートを含み、
前記制御器は、On又はOffの書き込みセル画素電圧を前記第1のデータラッチにおいて印加し、その後の選択された時間において、前記”On”又は”Off”書き込みセル画素電圧を、前記画素位置を画定する電極に出力が接続される前記第2データラッチに転送することによって前記選択された書き込みセル電圧のそれぞれを印加するように構成された、請求項1に記載の画像システム。
【請求項4】
前記光書き込み型ライトバルブは、シリコンデバイス上に液晶を備え、
前記光源は、前記光書き込み型ライトバルブにおいて単色として見なされる波長を発光する発光ダイオード又はレーザダイオードを備える、請求項3に記載の画像システム。
【請求項5】
前記複数の選択された書き込みセル電圧は前記フレーム期間と同等の期間印加される、請求項1に記載の画像システム。
【請求項6】
前記複数の選択された書き込みセル電圧は前記フレーム期間の前半部分に制限されるように印加される、請求項1に記載の画像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、空間光変調器による光の変調に関し、具体的には、実質的に単調性なグレースケール応答を達成するために、光アドレス式光生成電荷蓄積型空間光変調器によって光を変調するための技法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ビームの空間変調は、光波の強度または偏光等の光ビーム特性の変化を伴う。空間光変調器(Spatial Light Modulator; SLM)のよく知られている例として、画像投影システムにおいて動作するアクティブマトリクス液晶ディスプレイ(Active Matrix Liquid Crystal Display; AMLCD)が挙げられ、これは、電子媒体の画像データをディスプレイにおいて可視画像に変換するものである。AMLCDにおいて、ディスプレイに内蔵される電子回路は、液晶材料層において2次元配列の電圧をフレーム毎に印加して、光学特性における2次元配列の変化を誘起することによって、液晶を通過する光または液晶を後方反射する光を空間的に変調する。このようなディスプレイのグレースケール制御は、典型的にはアナログ変調またはバイナリデジタル変調によって個々の画素電圧を変調することを伴う。
【0003】
アナログ変調方法は、初期の液晶マイクロディスプレイで一般的に使用されていたが、超高度情報含有ディスプレイに対する適合が良くなかった。これは、画素サイズが小さいこと、また、その結果、正確なアナログ電圧の保存が難しくなることから、デバイス歩留りの悪化およびディスプレイの画素不均一がもたらされるためである。ゆえに、マイクロディスプレイ産業は、ますますデジタル変調方法を使用するようになっている。
【0004】
デジタル変調方法は、通常、パルス幅変調(Pulse Width Modulation; PWM)またはデューティ比変調(Duty Factor Modulation; DFM)の形式をとる。PWMスキームでは、振幅が固定で時間幅(持続時間,duration)が可変の電圧パルスを液晶マイクロディスプレイに印加する。幅が変化する範囲は、典型的には、ゼロからフレーム全体をカバーする持続時間の範囲であり、ゼロからフルスケールのグレーレベルに対応する。理想的には、DFMは、PWMと正味の積算持続時間が同じであるが、持続時間のスケールが固定された1つ以上のパルスを使用してこれを達成する。例えば、各々が2進重み付けされる最大有効ビットから最小有効ビットを、フレーム期間の開始からフレーム期間の終了まで次々に順々に提示することが可能である。101010パターンを有する6ビットデータでは、異なる持続時間の3つの分離パルスが存在しうる。当業者により既知であるように、液晶ダイレクタは、液晶の応答時間において平均化された印加電圧の二乗平均平方根(Root Mean Squared; RMS)値に応答する。PWMスキームは、優れたグレースケール結果をもたらすことが可能であり、本質的に単調性(monotonic)であるが、これは、あらゆる場合において、グレースケール値が大きくなるほど長い持続時間値の単一パルスに直接マッピングされ、常により大きいRMS値の印加電圧がもたらされるからである。また、PWMスキームは、LCにおける立ち上がり時間および立ち下がり時間の影響を最小限に抑える。しかしながら、これは、フレーム期間における最下位ビットのタイミング位置によっては、実際のディスプレイにおいて実装するには非常に複雑である。例えば、10ビットデータでは、LSBビットは、フレーム期間内の512の異なる時間位置に配置可能である。ディスプレイシステムは、このようなタイミング分解能に対応可能でなければならない。PWMを達成する代替方法は、極めて高いデータレートの必要性を犠牲にして画素回路複雑度を低減することが可能である。しかしながら、実際、PWMスキームは、液晶マイクロディスプレイにおいて使用するには難し過ぎるまたはコストがかかり過ぎるため、あまり見られない。
【0005】
DFMスキームは、最もよく使用される液晶マイクロディスプレイのデジタル変調形式である。DFMにおいて、PWMのように、固定振幅電圧パルスがマイクロディスプレイに印加される。しかしながら、DFMにおいて、表示される特定のグレーレベルに応じて、データパケットにおける「1」毎に存在する電圧パルスは1つである。DFMにおいて、フレーム全体時間によって分割されるパルスの全追加持続時間によって、電圧のデューティ比およびそれに相当するrms値が決定する。光アドレス式液晶空間光変調器の場合のこのスキームに関する問題は、液晶材料の有限な立ち上がり時間および立ち下がり時間を考慮しないことにある(具体的には、これらが多くの場合互いに異なるという事実を有する)。また、書き込みバルブからのフレーム毎のビットプレーン内の異なるビットの光パルスが、読み出しバルブの光生成デバイスに到達する時間が異なることを考慮しない(異なる時間期間の読み出しに影響を及ぼさないように)。従って、書き込みバルブの相対的な2進重み付けパルス配置により、読み出しバルブの光応答は非単調性(non-monotonic)となる(100の光応答は、011の光応答よりも小さくなりうる)。言い換えれば、実際の光応答は、電圧パルスのみから計算される理論的なデューティ比とは異なる場合がある。この誤差は、立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジの組の数およびパルスの数に依存し、従って所望のグレースケールレベルの関数として大幅に変化する。結果として、DFMスキームは、一般的に、多くのグレーレベルにおいて、非単調性な結果をもたらすことになる。これは、市場において重大な問題である。多くのスキームは、非単調性性を補正するように開発されてきたが、そのいずれもが十分に満足できるものではなく、そのほとんどがコストの大幅な増加、複雑性、またはデータレートの低下を必要とする。
【0006】
OASLMは、透過モードまたは反射モードで動作可能である。図1は、現在入手可能な反射型OASLM10の図である。このOASLM10は、電気光学材料(例えば、液晶)層12と、半導体材料から通常作製される光受容層14とを備える。本例における半導体材料は、可視波長範囲(400nm〜700nm)の光を吸収する多種多様の材料から選択されており、例えば、非晶質ケイ素、非晶質炭化ケイ素、単結晶Bi12SiO20、ケイ素、GaAs、ZnS、およびCdSが挙げられる。液晶層12および光受容層14は、それぞれの基板20および22上に支持される光透過性電極16および18間に配置される。可視出力光(読み出し光)は、誘電体反射鏡24に反射する。透過モードにおいて、書き込み光と読み出し光の両方は基板20を通過し、誘電体反射鏡24は存在せず、光受容層14は、書き込み光を吸収して読み出し光を通過させなければならない。
【0007】
投影スキームでは、OASLM構造は、光信号または画像でアドレスされる。図2は、現在入手可能な投影システム30の図である。このシステムにおいて、例えば、陰極線管(Cathode-Ray Tube; CRT)32の画面上の陰極発光パターンとして入力画像が形成され、次に、光ファイバープレート、光学レンズ、またはその両方を備える光学構成要素によって、OASLM10の光受容層上に転送される。より具体的には、CRT32は、入力画像を生成する入力画像源として動作し、この入力画像は、OASLM10の光受容層にレンズ34を通って転送される。OASLM10において実行される光受容ステップにより、OASLM10の電気光学材料(例えば、液晶)層における反射光(または透過モードの動作における透過光)の空間的変化がもたらされる。アークランプ38が発光する読み出し光のS偏光成分は、集光レンズ40を通って伝播し、OASLM10への入射のために偏光ビーム分割器36によって反射される。ここで、これは空間的にリアルタイムで変調され、偏光ビーム分割器36を通って後方反射され、最終的には投影レンズ42の画面に投影される(読み出し光のP偏光成分は、集光レンズ40を通って伝播し、偏光ビーム分割器36を通過して消滅する)。この場合、CRT32からOASLM10へ伝播する光信号は、本質的にアナログ特性を有する。CRT画素領域がアドレスされる際、CRTビーム電流は、画素輝度を制御するように調整される。画素蛍光体は、CRTビーム電流に対応する電子ビーム強度によって刺激されて光を生成する。画素毎の滞留時間後の蛍光体の持続性は、画素光の持続時間を制御する。対応的に、CRT画像または書き込み光は、OASLM10上に入射して、光反射(または透過)変化の形式でOASLM10の出力を変更するようにする。CRT画像を形成するラスター走査性質により、透過性電極16および18に印加される電圧信号は、毎秒何千回も極性を変更する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
CRTによる画像の形成には、振幅及び形状の高い非線形性や、大容量および大設置面積の占有、高電圧動作を含む多くの不利点がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一例示的実施形態によると、読み出しライトバルブに光学的に書き込む方法が提供される。本方法において、次の動作が1つのフレーム中に行なわれる。選択された書き込みセル電圧が、光書き込み型ライトバルブの特定の画素位置に印加される。前記画素位置から書き込み光パルスを放射させるべく、前記画素位置が光学的に安定状態になった後に、前記画素位置が変調光源パルスで照射される。前記書き込み光パルスが、光読み出しライトバルブの電気光学層の局所部分に誘導される。さらに、前記フレーム内において、印加すること、照射すること、および誘導することの上記要素は、複数の選択された書き込みセル電圧および変調光源パルスについて順々に繰り返される。
【0010】
別の例示的実施形態によると、電気光学層と、前記電気光学層の画素位置を画定するバックプレートと、前記電気光学層と光学的に接続される光源と、メモリが組み合わされる制御器を備える光書き込み型ライトバルブが提供される。前記制御器は、フレーム中に、光書き込み型ライトバルブの特定の画素位置において、複数の選択された書き込みセル電圧を順々に且つ非連続的に印加し、前記印加された書き込みセル電圧毎に、前記画素位置が光学的な安定状態に達した後に、前記選択された書き込みセル電圧が印加された時間に応じて、前記光源を変調するように構成される。
【0011】
別の例示的実施形態によると、メモリに具現化されるコンピュータプログラムが提供される。前記コンピュータプログラムは、光学書き込み光を発光させるための動作を実行するためのコンピュータ可読命令を含む。この動作は、個々のフレームにおいて、光書き込み型ライトバルブの特定の画素位置において、選択された書き込みセル電圧を印加することと、前記画素位置から書き込み光パルスを放射させるべく、前記画素位置が光学的な安定状態を達成した後に、変調光源パルスで前記画素位置を照射することと、光読み出しライトバルブの電気光学層の局所部分に、前記書き込み光パルスを誘導することと、前記印加すること、照射すること、および誘導することを、複数の選択された書き込みセル電圧および変調光源パルスについて順々に繰り返すことと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】電気光学材料層および感光性半導体材料層を備える従来技術の光アドレス式空間光変調器に関する図である。
図2】光アドレス式空間光変調器に光学的に関連付けられる陰極線管を含む従来技術の投影システムに関する図である。
図3】電荷蓄積モードで作動し、かつ異なる振幅および異なるパルス幅の光パルスでアドレスされる空間光変調器の変調特徴を示すタイミング図のセットであり、各光パルスは読み出しバルブ空間光変調器の異なる位置を照射する。
図4図3に類似しているが、2つのアドレスパルスが、空間光変調器の同一の位置において共に積算される。
図5】光アドレス式空間光変調器システムに関する簡略化ブロック図であり、本システムにおいて、実質的に単調性なグレースケール応答により特徴付けられる光出力を達成するためにデジタル変調が実行される。
図6】LCOSデバイスから伝播する書き込みパルス(10000)、(00001)、および(10001)のパターンの光パルスに応答する、局所的液晶電圧積分の結果を示す1組のグラフである。
図7】LCOSマイクロディスプレイデバイスの帯域幅の必要性を低減するために、データビットがフレーム時間において均等に拡散される例を示す。
図8】異なるパルス幅を有する離間光パルスで照射される、LCOSマイクロディスプレイのグレースケール変調に関連する1組のタイミング図である。
図9】書き込みデータラッチおよび読み出しデータラッチを備えるデジタルバックプレート画素回路に関する論理回路図である。
図10】グレースケールデータパケットが(1111111111)である場合の、LCOS2進重み付け照射パルス幅により生成される局所的光受容体電圧を示すグラフである。
図11】LCOSデバイスの1つの画素と、関連の空間光変調器上のその対応する画素位置に関する変調波形を示すタイミングの概要図である。
図12】測定されたグレースケール伝達関数またはEO曲線に関するグラフであり、MSBビットとMSB-1ビットとの間の非単調性な急増が示されている。
図13】所望の応答形状にデータを適合するように、図12のEO曲線を修正したものである。
図14】本発明の例示的実施形態に従う方法ステップを概説するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のこれらの側面およびその他の側面について、以下に詳細に述べる。
【0014】
実施形態は、読み出しバルブOASLMフレームの生成、読み出しバルブOASLM画像毎のグレースケールビットの数、および書き込みバルブ空間光変調器によりアドレスされた読み出しバルブOASLMの数の積に対応する頻度で、書き込みバルブSLMにおいて電気光学要素をデジタル変調する。また、交流極性電圧方形波信号が、読み出しバルブOASLMの光受容層と液晶層とに挟まれた部位に、毎秒約100回の頻度の読み出し出力で印加される。光受容体と液晶の単位面積当たりの静電容量の比率により、読み出しバルブの各層で生成される電圧信号の比率が決定する。液晶における初期電圧は、オフ状態(通常、黒色におけるOASLM動作状態)のために十分に低く設定される。読み出しバルブにおける電圧信号極性の変化は、それぞれ、新しいOASLMフレーム期間に対応する。使用する特定の材料に応じて、光受容体は光により誘起された電荷分離または光により誘起されたオーム伝導性(例えば、硫化カドミウムCdS)によって動作してもよい。
【0015】
本発明の実施形態は、光アドレス式空間光変調器(Optically Addressed Spatial Light Modulator; OASLM)またはライトバルブに関する従来の空間光変調に対して、優れた代替手法を有する。OASLMに関し、出力デバイス(つまり、読み出しバルブ)の液晶材料の光学特性における局所的変化は、書き込みバルブからの入力光信号によって誘起される。LED配列、液晶配列(反射型液晶(Liquid-Crystal-On-Silicon; LCOS)を含む)、ポリシリコン、およびその他の薄膜トランジスタデバイス等の現代の画像源デバイスは、CRT書き込み源(図2)について上述した不利点の大部分を有さない。これらは低電圧で動作し、小さな空間しか占有せず、高い幾何学的線形性を呈する。しかしながら、これらは、図2と類似する構成において、アナログ画像源としての使用を阻止する特徴を依然として有する。例えば、LED配列は、輝度、配列サイズ、分解能が制限され、また可動部品を必要とする。LCoSは、恐らく、パルス幅変調モードで動作してグレースケール応答を生成することが可能な小型デジタルデバイスとして最適である。しかしながら、以下に詳述されるLCoSによる実装は、本発明の例示的実施形態であり、それに限定されないことに留意されたい。
【0016】
1つのOASLMフレームの間に、光受容層上の適切な波長の局所的な入射光により、液晶において電圧を局所的に増加させる電荷分離がもたらされる。光受容体における局所的な電荷分離の、光受容体と液晶における電圧に対する作用により、グレースケールデータプレーン毎の書き込み光の2次元配列は、OASLMフレーム期間毎に蓄積する液晶電圧の増分の2次元配列に変換される。OASLM電圧信号の極性が変更される際に、液晶電圧が初期化され、新しい光積分期間が開始される。極性変更間で液晶電圧を初期化する方法の1つとして、OASLM電圧信号をゼロボルトに設定して光受容体電圧および液晶電圧を放電するために書き込み光で光受容体を照射することが挙げられる。
【0017】
本明細書において使用されるデジタル変調スキームは、書き込みバルブから伝播する一連のパルス光画像で光受容体を照射することを伴う。この場合、パルス光画像の持続時間または強度ならびにフレーム期間におけるその配置を組み合せて、液晶において単調性の電圧を生成する(ただし本明細書に説明されるように適切な調整が必要である)。書き込み光は、発光ダイオード(Light Emitting Diode; LED)またはその他の振幅制御型光源やスイッチング型光源から生じる。書き込み光源をオンおよびオフにスイッチングる場合、関連の書き込みバルブが光学的に安定状態である場合のみに発光するように、書き込み光パルスのタイミングを制御する。書き込み光源が振幅制御型であってオフにならないタイプものである場合、本質的に同等の結果をもたらすように書き込み光振幅を制御する。いずれの方法によっても一連のパルス光画像がもたらされ、それぞれのパルス光画像はフレームにおける各グレースケールに対応する。本スキームは、低コストであり、かつデータ帯域幅に関して効果的である。ゆえに、空間光変調器での使用に好適である。
【0018】
グレースケールアドレススキームは、フレーム毎の電荷蓄積体制におけるOASLMの動作を伴い、一連のグレースケールビット画像に電圧パルスが印加され、フレーム毎の持続時間の合計が光受容体の最大蓄積時間を大幅に超えないようにするが、これは、構造のパラメータに依存する。各グレースケールビットプレーンを順々に書き込まなければならない1つの書き込みバルブで適切なグレースケール変調を達成するためには、光源からの書き込み光のパルスを受光する前に、書き込みバルブ液晶がその安定状態(電圧がそれに書き込まれることを前提とする)に到達するのに十分な時間間隔をこのような書き込みステップの間に空ける必要がある。
【0019】
ある実施形態において、これは、各グレースケールデータパケットにおける最大有効ビット(Most Significant Bit)から最小有効ビット(Least Significant Bit)までの各ビットに同等の期間を割り当てることによって実行される。例えば、10ビットのグレースケールに関し、各グレースケールビットフレームの持続時間は、10msフレーム期間で1msであり得る。次に、入力パルス光画像が読み出しバルブOASLM 印加電圧信号の開始端に対してシフトされる。多数の入力パルス光画像がそれぞれ互いに時間に関してシフトされる。書き込み光の各パルスは、グレースケールビットプレーンの1ms期間内における持続時間が異なるように調整可能であり、または強度が異なるように調整可能であり、あるいは持続時間および強度の両方が調整されて、本明細書に教示されるように適切なグレースケール効果を提供可能にする。
【0020】
OASLMを使用する実施形態のシステムは、それぞれが3色(赤、緑、青)の読み出し光のうちの1つである3つの読み出しバルブを備える。各読み出しバルブにおける光受容体によって、読み出しバルブの液晶材料における多数の画素において生成されるOASLM読み出しバルブの全電圧信号の分割の2次元配列を決定する。液晶において生成されるこの配列の電圧レベルは、照射の各グレースケールビットプレーンに応答して生成された光電流の時間積分に起因する。ある実施形態において、その照射は、例えば、紫外線UV LEDまたはUVバンド以外のその他の適切な波長源から一連のグレースケールパルスによって照射される反射型液晶(Liquid Crystal on Silicon; LCOS)マイクロディスプレイによって決定される。
【0021】
書き込み光パルスの強度および持続時間が本明細書の教示のように調整される場合に、読み出しバルブにおける入射光の量を制御する一連のパルス光画像によって、読み出しバルブの所望の変調領域(つまり、グレースケール)能力が達成される。OASLMシステムの場合、パルス光画像または書き込み光は、LCOSマイクロディスプレイ(つまり、書き込みバルブ)から伝播し、このLCOSマイクロディスプレイは、UV LEDまたは適切な波長のその他の光源からの出力を変調する。
【0022】
従って、OASLM読み出しバルブの透過性を制御する問題は、書き込みバルブからの光出力を変調する問題に軽減される。アナログ、デジタルPWM、またはデジタルDFM変調方法の適用性に関して上に説明した同じ考慮事項もOASLMに当てはまる。しかしながら、書き込みバルブの出力を変調する問題は、別の複雑性を有する。具体的には、UV照明源も制御する必要があり、また、OASLMの積算性も変調スキームの設計時に考慮する必要がある。本実施形態は、大幅なコストまたは複雑性をシステムに加えることなくこの目標を達成し、さらに、いくつかのOASLM固有の特徴を利用する。
【0023】
光生成電荷の蓄積モードで作動するOASLM構造を使用するグレースケール変調スキームの動作に関する原理について図3および図4に示す。図3は、異なる持続時間および異なる振幅/強度の光パルス50および52によって、液晶材料における異なる位置に段階的な電圧増加54および56がそれぞれもたらされることを示す。開始時間t1およびt2ならびに液晶の立ち上がり時間および立ち下がり時間が異なるため、光パルス50および52の入射によりそれぞれもたらされる液晶光応答58および60が異なる。比較的高速の液晶応答が視覚化目的で示される。この実施形態の実装に、高速の読み出しバルブ液晶応答は必要ない。電荷蓄積領域で作動する読み出しバルブOASLMに印加される電圧信号68は、段階的な電圧増加70および液晶光応答72をもたらす。
【0024】
図3において、グレースケールの異なるビットの1に対応する2つの入力光パルスの、異なる画素aおよびbに対応する読み出しバルブは、OASLMの異なる位置、すなわち印加電圧信号68の開始端74に対してシフトした時点に到達する。図示される光パルス50および52は異なる持続時間および異なる強度を有する。実際、あるパルスに対する別のパルスの持続時間または強度あるいは持続時間および強度の両方は、適切なビット重みもたらすように調整されてもよい。
【0025】
図4は、同一画素についてグレースケールデータパケットの異なるビットにおける1に対応する異なる時点に到達する光パルス50および52の組み合わせを示す。光パルス50および52の組み合わせにより、OASLMにおける異なる電荷蓄積の結果であるグレースケール応答82がもたらされる。この蓄積は、これらのパルスの異なる時点の到達と、各読み出しバルブ画素領域に到達する各グレースケールパルスにおける書き込み光子の総数との両方の影響を受ける。特にグレースケール応答82全体への第2の光パルス52に関連する寄与84は、グレースケール応答82全体への第1のパルス50に関連する寄与86に類似している。後のパルス52の振幅は先のパルス50よりも低いが、パルス52の幅はパルス50よりも広く、LC電圧54およびLC応答82に対する正味の効果が実質的に異ならないようにしている。これは、振幅、パルス幅を変更することによって、あるいは図4に示されるようにパルスの両パラメータの組み合わせを変更することによって変調が実行されうることを示している。
【0026】
異なる時間に到達する光パルスの結果生じる応答における違いを使用してグレースケール応答を直接生成することが可能であるが、異なる時間に到達する光パルスは、異なるエネルギ値も有することが可能である(異なる強度値、幅、またはその両方に起因する)。従って、異なるエネルギ値を有し、かつ蓄積期間中に異なる時間に到達する光パルスは、同等の対応するグレースケール応答を有することが可能である。さらに、第2の(後の)高エネルギ光パルスについて、第1の(先の)低エネルギ光パルスよりも大きいグレースケール応答が達成可能である。光生成電荷を蓄積するOASLMの特性によって、パルス光画像の振幅領域または持続時間をより小さくすることが可能である。例えば、あるフレーム期間において均一の時間間隔で提示され、かつ各光画像パルスがデータのビットプレーンを表す10ビット画素データについて、画像の振幅または持続時間は、MSBビットからLSBビットの重み範囲が512:1である場合に、約40:1の範囲において変動してもよい。
【0027】
最新のデジタル変調スキームにおいては、MSBビットとLSBビットとの時間領域差によって、システムのデータ帯域幅の必要性が間接的に決定される。10ビットの分解能を有する従来のシステムでは、MSB対LSBの時間期間差は512:1である。この領域差に関連するデータ帯域幅の管理は困難でありうる。パルス光画像の使用を伴う光生成電荷の蓄積または積算によって、データ帯域幅を大幅に減少させることが可能である。これは、パルス光画像を生成する能力が、ビットプレーンを書き込む時間から、グレースケールパルス画像毎の電圧を変化するのに必要な時間を効果的に減少させるからである。書き込みバルブ画像がパルスされる場合、電荷が生成され、OASLM液晶における電圧が、パルスの照射レベルまたは幅に比例する新しい値に変化する(または積分される)。一方、いかなる局所的パルス光も存在しない場合、光受容体における電圧は一定のままである。
【0028】
図5は、OASLMシステム100の簡略化ブロック図である。本システムにおいて、デジタル変調を実行し、実質的に単調性のグレースケール応答によって特徴付けられる光出力を達成する。図5は、透過モードOASLMを使用する実施形態を具体的に示し、書き込み光源および光受容体が、読み出し光からの干渉を回避するべくUV波長において動作する。後に詳述される図5と同一の原理を用いて、適切な波長帯で反射型OASLMを利用することとしてもよい。OASLMシステム100は、書き込み光路102および読み出し光路104を画定する。書き込み光路102は、画像画定ビームがそれに沿って伝播する部分を含む。UV LED105は、パルスUV書き込み光ビーム源を提供する。UV LED105から発光されるパルスUVビームは、トンネル積分器(tunnel integrator)106、中継レンズ群108、および偏向ビーム分割器110を通って伝播し、LCOSマイクロディスプレイデバイス112の画像縦横比に一致する均一で長方形の照射を提供する。照射のp偏光は、偏光ビーム分割器110を通過する。照射のs偏光は、偏光ビーム分割器110によってLCOSデバイス112上に反射する。光制御信号は、制御器114によってUV LED 105に提供される。
【0029】
制御器114によってLCOSデバイス112に配信される画像データに応答して、LCOSデバイス112は、原色(RGB)の選択色成分にUV書き込み光パターンを提供する。LCOSデバイス112から後方反射された変調照射は、偏光ビーム分割器に後方伝播する。反射された変調照射のp偏光は、偏光ビーム分割器を通過し、撮像レンズ140によって撮像され、OASLM144における入射のための傾斜型ダイクロイックミラー142に反射する。OASLM144は、国際出願第PCT/US2005/018305号の図1〜3、4A、および4Bに記載の型であることが好ましい。OASLM144の光受容層における変調入射光により、その液晶層において電圧を生成する。この電圧により、関連するUV書き込み入射光ビームの集積強度に対応するダイレクタフィールド配向(director field orientation)が引き起こされる。制御器114は、電圧信号をOASLM144に提供し、UV書き込み光の入射との適切なタイミング関係で液晶電圧を生成可能にする。
【0030】
読み出し光路104は、ランダムに偏光された白色光を発光するアークランプ146を含む。白色光は、フライズアイ小型レンズ配列150および152のアセンブリと一体的に形成される偏光変換器(polarization converter )148を通って伝播し、その後、集束レンズ154およびリニアに偏光子(linear polarizer )156を通って、読み出しバルブOASLM144の画像縦横比と一致する均一で長方形の照射形態で、リニアに偏光された光を提供する。傾斜型ダイクロイックミラー142は、白色光を選択された原色光源成分に分離し、フィールドレンズ(図示せず)を通って読み出しバルブOASLM144にこれらを誘導する。UV書き込み光ビームに画定される画像に応じて、色光成分は、読み出しバルブOASLM144に近接する分析器158を透過するか、または分析器158によって吸収され、結果として、対応する色画像内容の強度変調がもたらされる。読み出しバルブOASLM144を通って伝播する変調光ビームは、投影レンズ160を通って誘導され、ディスプレイ画面(図示せず)に投影するために色画像を生成する。
【0031】
制御器114は、像面データ、UV LED105からのパルス発光のタイミング、および読み出しバルブOASLM144のアナログ変調制御に応じて、LCOSデバイス112のデジタル変調を調整して、実質的に単調性なグレースケール応答を有する可視アナログ変調出力照射を生成する。語句の「実質的に単調性な」は、単調性なグレーレベル応答が存在すること、またはほぼ存在することを意味するように使われている。デジタル駆動方式により、8ビット画素データをテーブルルックアップで使用して、10ビットのデータを生成する。追加の2ビットのデータを使用して、液晶の非線形電気光学特性等の種々の非線形性を説明する。例えば、10ビットのデータ伝達関数が、8個の最大有効ビットについて単調性であることが視覚的に許容可能であってもよい。
【0032】
OASLMにおいて、光受容体/液晶アセンブリに印加される電圧は、各フレームの終了時に極性が反転する。電圧極性の反転が生じると、液晶に蓄積する積算電荷が中和されることによって、液晶層における前の光誘起電圧が除去される。したがって、液晶電圧積分は、各フレームの初めに再びゼロから開始する。ゆえに、光受容体における電荷の積算により生成された電圧は、生成時からフレームの終了時まで液晶層に影響を与える。フレームの始めに生成された電圧は、フレームの終了付近に生成されたものよりも実質的に大きな重みづけがされる。
【0033】
図6は、LCOS光パルスに応答する光生成電荷および液晶電圧積分の結果を示す1組のグラフである。読み出しバルブフレーム期間の開始時にLCOSデバイス112から伝播する書き込みパルスまたは照射パルス200は、光生成電荷を生成する。この光生成電荷は、フレーム期間の大部分において持続する電圧レベル202をもたらす液晶電圧を修正する。書き込みパルス200と持続時間および強度が同一であるが、フレーム期間の終了時に出現する書き込みパルス204は、同一の液晶電圧レベル206を生成するが、その持続時間はほとんどない。書き込みパルス200および書き込みパルス204について示されるパルス幅に関し、平均増分液晶電圧差は16:1であることが可能である。従って、波形202、206、および208は、それぞれ(10000)、(00001)、および(10001)のグレースケールデータパケットに対応する。読み出しバルブの液晶電圧のより大きな差は、フレーム時間に対する書き込みパルス幅を減少させることによって得ることができる。
【0034】
書き込みパルス200および204の組み合わせを表す書き込みパルス210の液晶電圧レベル208によって示されるように、電圧波形は追加的(additive)である。このような電圧波形のrms値は、一般的に追加されない。液晶光応答はrms電圧に関連するため、結果として生じるrms電圧波形が追加的でない場合、非単調性な挙動が発生すると考えられ得る。例外として、直流DCおよび単一周波数波形、ならびに調和関係波形が挙げられる。
【0035】
しかしながら、実際、照射の大部分がフレーム期間開始付近の比較的短い期間に集中する状況に関し、rms電圧値の付加に起因する誤差は、非単調性なグレースケール応答をもたらすのにさえ十分な大きさではないと考えられる。このアプローチは、液晶における振幅変調型方形波電圧を近似する。フレーム開始付近の光パルスを集中する利点の1つとして、OASLMの積算特性により高液晶電圧が得られることが挙げられる。所定のRMS電圧を達成するのに必要な照射は少なく、また、光受容体特性を改善するために印加されるOASLM信号電圧は低くてもよい。
【0036】
読み出しバルブ画像を書き込むための照射データパルスの使用は、照射パルスが開始する前に、LCOS液晶材料が光学的安定状態(例えば、オンまたはオフ)に達していることを仮定する。これは、液晶材料のスイッチング速度の必要性に寄与する。具体的には、10個または20個の液晶ダイレクタのセッティング間隔のために十分な時間と、10個のLEDパルスまたは強度変更のための十分な時間とがそれぞれフレーム時間に(10ビットシステム)おいて存在しなくてはならない。この必要性が満たされる場合、任意の種類の液晶材料が適用可能であるはずである。例えば、摂氏50度で±1.65V駆動電圧を使用する200マイクロ秒のスイッチング時間を有する強誘電性の液晶材料が適切であり得る。また、色順次動作に十分高速なスイッチング時間を有する、ナローギャップで垂直配向型ネマチック液晶材料(vertically aligned nematic liquid crystal material)も利用可能である。
【0037】
光受容体集積のみを使用して正確な2進重み付けを達成することが可能であるが、極めて高い時間分解能がLSBグレーレベルの区別に必要になるため、LCOSデータ帯域幅を実現不可能な程高くする必要があり得る。後述する方法は、フレーム期間において可能な限り均一にデータの流れを拡散する。本方法は、所望のデジタル符号化グレースケール値のビット重みに比例して、照射パルス振幅、パルス幅、デューティ比、またはそれらの種々の組み合わせを変調することによって達成可能である。
【0038】
図7は、LCOS帯域幅の必要性を軽減するように、LCOSフレーム時間においてデータビットが均一に拡散される例を示す。フレーム期間は、20個の画素電圧データ期間220に分割され、この内10個の期間222は、画素LCOS液晶材料の停止のために用いられる。LCOS照射強度224は、LCOSマイクロディスプレイに提示されるデータビットに応じて変化する。図7には近似された相対レベルが示されている。フレーム時間におけるビット配置と照射レベルとの組み合わせにより、2進重み付け光受容体電圧レベルが提供される。図7に示される照射スキームは、各ビット間隔中で一定である。液晶材料応答226の立ち上がりおよび立ち下がりにオーバーラップさせて、液晶材料の立ち上がり時間および立ち下がり時間に各ビットが同じように影響を受けるようにし、その作用が補償されるようにする。画素データビット列1010101011IのためにLCOSによって生成されて結果として生じた照射パターンは、読み出しバルブの光アドレス式画素データ228として示される。図7における液晶応答の形状は台形であるように示されるが、実際は、立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジは、強誘電性の液晶材料ではS時型であり、あるいは、ネマチック液晶材料では指数関数的減衰を示す。しかしながら、これらは、適切な重み付けを達成するためにビット照射強度または持続時間の調整を変更しなければならないことを意味するに過ぎず、本方法において特に重要な事情ではない。
【0039】
LCOSは、色順次モードで動作するため、LCOSは、3つの読み出しバルブの各々を各フレーム中に順々にアドレスしなければならない。これは、読み出しバルブフレーム長が、LOCSのフレーム長の3倍であることを意味する。このようなシステムにおいて、3つの読み出しバルブのフレーム期間の各々は、先行する読み出しバルブのものから1/3フレームだけシフトされる。これにより、読み出しバルブ毎の光アドレス式画素データパルスが、そのバルブのフレーム期間の同一部分に位置することが可能になる。実際は、読み出しバルブ毎の光アドレス式画素データパルスが、読み出しバルブのフレーム期間の開始付近に位置することによって、所要の照射を最小化し、かつOASLM印加電圧を最小化するように、相対的タイミングを配置することが有利である。光アドレス式パルスがフレーム期間の始めに位置する状態において、重みビットパルスのOASLM集積によって正味の読み出しバルブ応答のrms値において誘起される誤差が小さくなるため、振幅は、近似的に2進重み付け可能である。
【0040】
図7に示される方法は、データ帯域幅を均等にするが、動作に必要な追加の"オフ"データ間隔が存在するため、帯域幅をフレーム時間における可能な最小値までには減少させない。さらに、各データパルスは、液晶材料の立ち上がり時間および立ち下がり時間応答により、実効照射を損失する。さらに、照射振幅領域を、512:1領域に変更する必要があり得る。照射振幅領域に関わらず、問題は、十分な制御が存在するか否かおよび照射レベルが即座にスイッチング可能であるか否かに依存する。LEDまたはレーザダイオードは、この種類の照射のために最も可能性の高い光源である。LEDは、フレームレートの約200倍で高周波変調可能である。電子的に照射をサンプリングする代わりに、LCOS光レベルは光学的にサンプリング可能である。
【0041】
図8は、遅延型LCOSパルス照射方法を示す。この方法においては、LCOS照射232のLED振幅は一定に維持されるが、LEDの個々のパルス幅が変化する。フレーム期間は、10個の画素電圧データ期間230に分割される。LCOS照射232のパルス幅は、LCOSマイクロディスプレイに提示されるデータに応じて変化する。近似の相対的なパルス幅について図8に示す。フレーム時間におけるビット配置と照射パルス幅との組み合わせにより、2進重み付け光受容体電圧レベルが提供される。図8に示される照射スキームは、液晶材料応答234が安定し、各ビットが液晶材料応答から独立した衝撃を有するようになった後にパルスされる。画素データビット列1010101011による画素液晶材料応答は234として示され、その画素データビット列に対してLCOSによって生成される結果として生じた照射パターンは、読み出しバルブの光アドレス式画素データ236として示される。
【0042】
図7の方法と同様に、図8における液晶材料応答234は、台形であるように示される。前述のように、実際は、立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジは、強誘電性の液晶材料ではS時型であり、あるいは、ネマチック液晶材料では指数関数的減衰を提示する。しかしながら、図8の方法は、LCOS応答が安定化するまでLEDをパルスしないことから、またLEDの立ち上がり時間および立ち下がり時間が本質的に瞬間的であることから、LCOSの立ち上がり時間および立ち下がり時間に起因するいかなる誤差も回避され、単調性のグレースケール応答挙動を期待することができる。また、図7の方法と同様に、実際は、3つの読み出しバルブのフレーム期間は、各読み出しフレームの開始付近でLCOS変調が行われることを可能にするために、各々が1/3フレーム時間でシフトされる。これにより、所要の照射レベルおよびOASLM電圧が最小化される。
【0043】
図7に示されるLCOS駆動方法に関する別の起こり得る限界は、LCOS立ち上がり時間のために、OASLM光受容体電圧を、LCOS応答時間の影響が回避される場合よりも高くせざるを得ないことがありうることにある。図8に示されるように、LCOS応答安定化のための読み出しバルブのフレーム期間の開始前、ならびに完全に重み付けされた照射の開始前に、LCOSのMSBデータを提示することが好ましい。
【0044】
図8に示される方法は、ビットプレーンデータをロードするのにかかる時間と、LCOSデバイス112の液晶材料がビットプレーンデータに応答するのに必要な時間との両方にLED105がオフにされるため、比較的低いデューティサイクルでLED105を動作する。OASLM100に関して記載される型の投影システムにおいて、これらの2つの時間を合計すると、400マイクロ秒を超えうる。10個のパルスで、これは4ミリ秒になる。セルをアドレスするのに利用可能な合計時間が5.56ミリ秒だけである場合(フレーム順次動作)、LED105をパルスするのに残された時間は1.5ミリ秒だけである。これにより、十分な光受容体電荷積算を達成するのにかなり高ピークなLEDパワーが必要とされうる。
【0045】
また、この方法は、程度は上下するがほぼ均一なレートでデータを画素に書き込み可能にする。より重要な照射パルスにさらなる時間を配分するために、あまり重要でないビット画素データの間の時間は、LED照射パルスに必要な時間が少なくなるにつれて短縮されてもよい。別の変形によって、最大有効ビットよりも有効ビットが低くなるにつれてLC安定化のための時間を短縮することが可能になってもよい。例えば、関連ビット露光についてLC安定化に割り当てられる誤差は、2進重み付けされうる。
【0046】
図9は、図8に示されるパルス照射方法に関する変形例を実装するデジタルバックプレート画素回路250に関する論理回路図である。画素回路250は、書き込みデータラッチ(Write Data Latch )252および読み出しデータラッチ(Read Data Latch)254を含む。行信号は、列ラインデータを書き込みデータラッチ252に書き込むようにHighに設定される。行信号がLowに設定されると、データは、書き込みデータラッチに残る。書き込みデータラッチ252の出力部におけるデータを読み出しデータラッチ254に回すように、ロード信号を読み出しデータラッチに印加する。ロード信号は、LCOS配列における全画素回路に連結され、それによって配列画素データが液晶へ同時に提示可能になる。ロード信号がLowに設定されると、データは、読み出しデータラッチに残る。各データラッチの構造は、パスゲート(1つまたは2つのトランジスタ)のように単純であってもよく、必要に応じてインバータ(2つのトランジスタ)のように単純であってもよい。
【0047】
画素回路250により、LCOSデバイス112の画素配列に画像プレーンのデータをほぼ順々に書き込むことが可能になる。例えば、データのMSBビットを画素配列における全画素に書き込む時間は、液晶応答時間およびLEDパルス幅期間と同じ長さの時間であることができる。これにより、LCOSデバイス112の帯域幅が減少する。あるいは、この方法を使用して、LED105のデューティサイクルを増加させることによって、所要のピークLEDパワーを低下させることが可能である。
【0048】
図7および8に関連する説明は、LCOSデバイス112のフレーム時間が10個(または、20個)の同等の書き込みデータ期間に分割されることを仮定する。実際は、10個のパルス変調スキーム全体がLCOSフレーム時間の前半で完了可能である場合に特に利点がある。これは、OASLM144の光受容体にLED105の全初期エネルギを与えることによって、時間重みの効果が増加し、また、OASLM液晶およびOASLM光受容体と液晶のサンドイッチ部におけるピーク対平均電圧比(peak-to-average voltage ratio)が低下するからである。ピーク対平均電圧比の低下により、光受容体が設計し易くなる。しかしながら、全照射パルスをフレームの前半に集中することによって、LED105の最長可能照射パルス幅が制限される。
【0049】
例えば、2.78msのフレーム時間が10個の同等のサブフレームに分割される場合、各サブフレームは、278マイクロ秒の長さになる。LCOSデバイス112の液晶材料のセッティング時間が200マイクロ秒である場合、ここに開示されるスキームを使用すると、LED105の最長可能照射パルスは78マイクロ秒になる。この時間で十分な照射をMSB、MSB-1、MSB-2ビット重みに与えることは困難でありうる。この問題を解決する鍵は、小さな重みビット程、実際に必要とするLED105の照射パルスがかなり短くなるため、78マイクロ秒を全て必要としないという事実にある。従って、小さな重みビットであれば、典型的には200マイクロ秒を少し上回る程度にまでタイムスロットを短くすることが可能である。節約された時間を使用して、より上位のビットのLED105の照射パルスを延長することが可能である。以下の表は、書き込みデータ期間を可変とする実装における10個のパルス変調スキームのビットおよび相対時間に関する例を示す。
【表1】
【0050】
図10は、SLM144の光受容体と液晶とのモデル型組み合わせに関し、上記表におけるLEDタイミング開始によって生成される理論的な読み出しバルブ液晶電圧波形を示すグラフである(初期値2Vは、光受容体と液晶層との組み合わせにおける駆動波形の容量分割器により生じる)。
【0051】
図11は、上述の技術的問題および性能問題を解決するように実装される実施形態のフレーム全体における1つの読み出しバルブOASLMの変調波形を示す概要タイミング図である。以下において、図5のOASLM100を参照して、10ビットグレースケール変調の動作について説明する。
【0052】
図5および11を参照すると、例示的グレースケール順列において10ビットが描かれている。各フレーム期間中に、画像ビットプレーンデータは、10回、つまりグレーレベル毎に1回書き込まれ、それによって10ビットのシーケンスの終わりに各画素が10個の重み値によるグレースケールの組み合わせを有し、もってその画素の固有のグレーレベルを提供する。以下の説明において、LCOSデバイス112の1つの画素の10ビットグレースケール変調およびSLM144のその対応する画素位置について確認する。
【0053】
時間t0において、制御器114により、バックプレート画素回路250(図9)の読み出しデータラッチ254へのロード信号の印加が引き起こされ、画素書き込みデータラッチ252(図9)から画像プレーン画素データB9(MSB)が同時にロードされる。データは、前のフレーム(図示せず)の終わりにラッチ252に書き込まれている。
【0054】
時間t0において、制御器114により、OASLM114の光受容体と液晶層における読み出しセル駆動電圧の印加が引き起こされ、それに反応して、16.7msのフレーム期間を開始するように、時間t1において負電圧から正電圧へ遷移する。
【0055】
LCOSデバイス112の画素位置における液晶ダイレクタは、画素データB9の論理状態に応答して、画素位置において、対応するオン/オフ書き込みセル画素電圧を生成する。画素の液晶ダイレクタは、図11において「応答時間」で示される書き込みセル画素電圧に対応する安定状態に到達するのに時間を必要とする。応答待機時間の後、制御器114により、LCOSデバイス112における入射のための特定幅の照射パルスを、UV LED105に発光させる。これは、図面において時間t1で示される。画素のUV光搬送MSB画像情報は、LCOSデバイス112から伝播し、ダイクロイックミラー142に反射して、OASLM144の入射のための書き込み経路102に沿ってUV光を誘導する。読み出しバルブOASLM144の光受容体と液晶層は、局所的入射UV光に応答し、局所的入射UV光によって、電荷が生成され、UV LED照射パルスの光パワーおよび画素データB9の書き込みセル画素電圧に対応する局所的LC電圧が生成される。読み込みセルLC電圧積分は、データB9に対応する照射パルスが終了する時間t2まで続く。上述のステップは、画素データB8〜B0のロード信号の出現と同時に続けられる。
【0056】
次のロード信号を分離するための時間間隔は各々異なり、UV LED照射パルスのパルス幅は、図8およびLEDパルス幅表に関連して説明した理由により、同期性において除々に減少する。全10ビットのビットプレーンデータに対応するUV光パルスは、時間t3、つまりフレーム期間の2.8msにおいて完了する。読み込みセルLC電圧は、時間t3において対応するグレースケール値で安定し、残りのフレーム期間においてそこに留まる。このステップは、LCOSデバイス112の各画素および読み出しバルブOASLM144におけるその対応する画素位置に当てはまる。
【0057】
時間t1から時間t4まで続くフレーム期間の全体において、読み取り経路104に沿って伝播する可視偏光およびOASLM144における入射光は、各画素位置において、読み込みセルLC電圧に対応する偏光回転を受ける。これにより、表示するための可視光のグレースケール画像応答が生成される。
【0058】
OASLMシステムにおける実質的に単調性なグレースケール応答を確実にするために、書き込み光照射特徴(立ち上がり時間/立ち下がり時間、ビットプレーン重み/順次動作におけるタイミングによる出力、および温度特徴)、書き込みバルブLC応答(立ち上がり時間/立ち下がり時間、光スループット、およびコントラスト)、および書き込みバルブ画像のタイミングおよび重みに対する読み出しバルブ変調応答(光スループット、光感度、書き込みおよび読み込み照射間の光分離、および応答時間)を特徴付けることが必要である。読み出しバルブ応答において大きな局所的変化がある場合、読み出しバルブ画素位置毎に読み出しバルブ変調応答を特徴付けることが必要であってもよい。フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gated Array; FPGA)または特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit; ASIC)を含む制御器114は、工場で決定された読み出しバルブ画素較正データを使用したり、制御シーケンスまたはテストパターンを生成して、LCOSデバイス画素データをスケーリングするための画素較正データを経時的に得たりすることによって、画素間で均一な画素読み出しバルブ応答を生成してもよい。
【0059】
最終的に、この実施形態を実装する段階において、上に説明されるようなOASLMのデジタルグレースケール変調を実装するためには、LEDパルスタイミング、持続時間、および電流の一連の選択を行なわなければならない。これらの選択を行なう論理的根拠を提供する多くの手法または方法については、本明細書や既存の文献のいずれにも記載されている。
【0060】
明らかに、実際は、これらの方法のいくつかが、円滑に変更する単調性グレースケール変調を達成するという観点において、その他の方法よりも良好な結果をもたらすことが分かるだろう。また、最適な結果をもたらすと予測されるどのような方法も使用されうるだろう。しかしながら、これらのアルゴリズムが、バックプレート投影型テレビジョン(Rear Projection Television; RPTV)において使用されるOASLM光エンジン等の実在する物理的システムに適用される場合、実測グレースケール伝達関数(EO曲線)は、予測結果とは大幅に異なることが一般的である。かかる相違には以下を含む多くの理由がありうる。
・ OASLMの積算特性における非線形性
・ OASLMの積算特性における非対称性
・ 書き込みバルブ液晶材料における応答時間変動
・ 書き込みバルブのコントラスト(オン対オフ比)における変動
・ 特に温度の関数としての、書き込みバルブの理想的でないスイッチング特性
・ 書き込みバルブ照射LEDにおけるタイミングまたは電流制御誤差
【0061】
そこで次に、このような変動性に対処する方策について述べる。この方策は、選択されたグレースケール変調方法の1つを使用して、対象システムのEO曲線を測定することにある。次に、所望のビット深度、形状、およびガンマの理想的な伝達関数を構築する。最終的に、理想的な伝達関数における各点毎に、その点における理想的な伝達関数に近接する実測EO曲線から値を選択する。これらの選択は、ルックアップテーブルに記録され、次に、システム電子機器において実装される。これを適切に作動するためには、元々のEO曲線のビット深度が、所望のシステムEO曲線よりも大幅に高く、所望のEO曲線における各点毎に多くの選択が可能であることが重要である。元々のグレースケール変調アルゴリズムの結果が理想からかけ離れたものであっても、この方策は、原理的に、ほぼ完璧なシステムEO曲線をもたらすことが可能である。
【0062】
しかしながら、測定されたEO曲線が大きな正極性のジャンプやギャップを含む場合、この戦略は機能しない。図12は、このような測定EO曲線306を示す。ここで、300はグラフであり、301は測定電気光学応答であり、302は入力グレーコードである。ここで、303、304、および305で印が付けられる点において3つの大幅なジャンプが見られる。この例において、304は、MSBパルス/パルス応答における誤差に関連し、点303および305は、MSB-1ビットに関連する応答における誤差に恐らく対応する。これは、予想される典型的な種類の誤差であり、この場合、下位ビットの有効な和は、次の上位ビットの重みに全く同等ではない。このEO曲線は、ギャップにおいて選択するデータ点が利用可能でないため、行われるルックアップ選択に関わらず、スムーズに変化するEO曲線に分類することはできない。これらのギャップが好ましくない視覚アーチファクトを生成するのに十分の大きさであるため、初期変調アルゴリズムの選択肢のいくつかは、使用可能な結果を提供しない場合がある。
【0063】
これらの非生産的な選択を回避するために、以下の方策が有用である。所望のEO曲線を提供すると予測されるパルスタイミング、幅、および電流の選択を行なう代わりに、一部又は全部の「ビットキャリー」において、非単調性なジャンプを含有する、非理想的なEO曲線を提供することが期待される選択を意図的に行なう(上述の10ビットシステムのビットキャリーは、511-512、255-256、127-128、63-64、31-32、15-16、7-8、3-4、および1-2における、小さなものからの遷移(transition)である)。システム変動により元々の予測応答から測定応答の大幅な逸脱がもたらされたとしても、意図的に非単調性のEO曲線を形成することによって、前述の分類戦略が常に機能することを確実にすることが可能である。
【0064】
かかる非理想的なEO曲線を意図的に得るようにパルスタイミング、幅、および電流を生成するための方法は次の通りである。これを実装することまたは任意のその他の類似方法を実装することは、効果的なシミュレーションツールの使用を必要とし、このツールは、種々のパルスタイミング、持続時間、およびパルス電流スキームの予測積算効果を計算することが可能であることに留意されたい。多数のプログラミング言語のいずれかを使用してこのようなツールを形成することは非常に単純であり、また、このようなツールの有用性は明白である。
・ 最初に、実際に所望するものよりも約50%高いフルスケール値をもたらすはずのパルスタイミング、幅、および電流の初期セットを、上に開示された方法のいずれかを使用して、選択する(この50%の値は、以下のステップに記載される調整の蓄積効果を訂正するためのものである。50%の数字は本明細書に記載の例にほぼ適切であるが、実際に行なわれる選択に応じてその他の値を使用してもよい)。
・ LSB+1から順々に、次のビットの有効ビット重みを、そのビットより下位の全てのビットのビット重みの和より約10%少ないものに設定する。
・ これを、順々に上位のビットへと繰り返し、MSBで終了する。従って、MSBに選択される有効重みは、全下位ビットの和の予測重みの90%である。あるいは、512値パルスに提供されるデジタル重みは、511値を形成するように組み合わされるパルスのデジタル重みの90%であると言える。
・ 実際は、当然ながら10%以外の調整も使用可能である。多くの場合、5%でも十分である。また、実際は、上述の違いに大幅に影響される可能性があるため、この調整も、いくつかの最大有効ビットだけに適用する必要があるだけの場合もある。
・ 必要に応じて、所望のフルスケール応答および所望の非単調性ビットキャリーが達成されるまで、異なる初期条件を使用して上記順序全体を繰り返すことが可能である。
【0065】
図13は、図12の元々のアルゴリズムの修正によりもたらされうるEO曲線(310)を示す。明確にするために、MSBおよびMSB-1に関連する遷移のみが示される。256(311)、512(312)、および768(313)の値における非単調性なジャンプに留意されたい。スムーズに変化する応答を生成するようにこのEO曲線を分類可能であることが明らかであり、また、任意の所望の実測応答について選択しうる1つか2つの値が常に存在することが明らかである。
【0066】
図14は、書き込み光をOASLM144に配するための例示的方法を示す。ブロック1402において、OASLM読み出しバルブの電気光学(液晶)層に駆動電圧を印加する。この駆動電圧は、フレームの持続時間中維持される。ブロック1404において、LCoS書き込みバルブの画素位置に選択書き込み電圧を印加する。この画素電圧は安定化してもよい。ブロック1406において、LCoSの電気光学層(前面)に、光源/UV LEDを照射および誘導する。LCoSの光源照射は、LCoSが光学的に安定状態に到達した後のみであることに留意されたい。これは、制御器が電圧を印加する時間と、制御器が同一のパルスのオンに光源を変調する時間との間に応答待機時間を設定することによって最も簡単に実現される。所要の時間遅延の実際の値は、書き込みバルブ液晶形成および液晶温度に依存する。強誘電性液晶では、この時間遅延は、100から200マイクロ秒の間であることが可能である。垂直配向型ネマチック結晶および薄いセルギャップでは、200から250マイクロ秒の値が示されている。平面配向型磁気液晶材料は、典型的には250から500マイクロ秒を必要とし、ツイストネマチック等のその他の種類の液晶形成は、全て実質的にさらに遅い。これらの時間遅延、特に、強誘電性材料および垂直配向型材料に関連する時間遅延は非常に短いと考えられるが、これらは、読み出しバルブにおける単調性挙動を確実にするには重要である。
【0067】
図14に戻って、LCoSにおける画素には、選択された書き込み電圧が印加されるため、ブロック1408において、光源からの光により書き込み光パルスがLCoSから発光され、OASLMの局所面積に誘導される。ブロック1410において、層上に積み上げられたされた書き込み光パルス入射および駆動電圧の振幅に比例して、OASLMのLC層において電圧が生成される。フレームにおける後の書き込み光パルスについて、追加の書き込み光パルスが、前の書き込み光パルスによるフレームにおける前の電圧からの追加の積算電圧を増加させる。
【0068】
フレーム全体において、重要性が異なるビットに個々の電圧を印加する間のギャップは、図7、8、および11のタイミング図に見られるように一定であり、または各例において既定値を少なくとも上回る。ブロック1412において、これがフレームにおける最終パルス(LSB)でない限り、ブロック1404、1406、1408、および1410が、MSBからLSBまでの連続するビット毎に繰り返され(ブロック1414)、ビットが重要になるほどフレームの始めに提示され、前述のように、ビット重みを重くするようにより長い期間積算されるようにする。追加の重みは、パルス幅(光源が照射される時間および選択された書き込みセル電圧が印加される時間)、パルス振幅(光源の光パワーおよび/または印加書き込みセル電圧のレベル)、デューティサイクル、または上述のようなそれらの組み合わせのいくつかの変調による。同一の制御器114がLCoSバックプレート/書き込みセル電圧印加および光源自体の両方を制御するため、これは可能である。
【0069】
フレームにおける最終パルスが書き込み光パルスとしてOASLMに放射されると、ブロック1412は、ブロック1416に進み、短いゼロ電圧期間によって、または駆動電圧の極性を反転すること等によって、OASLMの次のフレームが初期化される。OASLMフレームの初期化は、最終書き込み光パルスが書き込みおよび積算された直後でなくともよいことに留意されたい。上に詳述の通り、パルス幅が適切なビット重みを依然として適切に適用する限り、フレームの第1の部分または前半に書き込み光パルスの全てを拘束することが有利である。その例において、図11の時間t4で示されるように、さらなる書き込み光パルスがフレームの後半にされなくても、初期化は、フレームの終わりまで実行されない。また、単一の光書き込みバルブが、3つの異なる光読み出しバルブに書き込む場合、OASLMフレームは、書き込みバルブフレームの約3倍の長さであり、このような実施形態において、3つの書き込みフレームは書き込まれた後に初期化される。OASLM読み出しバルブにおける液晶層の応答時間は一般的に遅く、典型的には、(読み出しバルブ)フレーム時間に相当するか、それを上回る。従って、読み出し信号は、液晶上で光学的に誘起される電圧のRMS値を示す。OASLMは、離散的ではなく順々に「読み出し」され、結果としてもたらされる変調は、所望のグレースケールレベルに対する平均変調であると考えられ得る。
【0070】
本発明の実施形態は、図示される制御器114等のデータプロセッサにより実行可能なコンピュータソフトウェアまたはハードウェア回路、あるいはソフトウェアおよびハードウェア回路の組み合わせによって実装されてもよい。さらに、この点において、図14の論理フロー図の種々のブロックが、プログラムステップ、または相互接続論理回路、ブロックおよび機能、あるいはプログラムステップおよび論理回路、ブロック、および特定タスクを実行するためのブロック機能の組み合わせを表してもよいことに留意されたい。
【0071】
明らかに、この一般的な方法は、本概念における合理的な変形を含むように解釈されたい。この合理的な変形には、任意の部分集合または個々のビットの全てに対する調整を適用すること、各ビットに可変調整を適用すること、乗法的な調整の代わりに加法的な調整を使用すること等が含まれる。特定の実施形態の内容に記載されるが、これらの教示に対する多数の修正および種々の変更が発生してもよいことが当業者には明白であるだろう。例えば、上記の詳細例は、10ビットグレースケール分解能に関する内容において提示されているが、これらの教示は、8ビット、12ビット、14ビット等の異なる分解能に容易に拡張可能である。従って、本発明は、その1つ以上の実施形態に関して具体的に図示および説明されているが、上記の本発明の範囲および精神を逸脱することなく、または以下の請求項の範囲から、特定の修正および変化を加えてもよいことを、当業者は理解するだろう。
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