(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073998
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】粘土組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 33/00 20060101AFI20170123BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20170123BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20170123BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20170123BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20170123BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20170123BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20170123BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20170123BHJP
A61P 1/12 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
A61K33/00
A61K9/06
A61K9/10
A61K47/38
A61K47/36
A61K47/12
A61K47/22
A61K47/26
A61P1/12
【請求項の数】28
【外国語出願】
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-177850(P2015-177850)
(22)【出願日】2015年9月9日
(62)【分割の表示】特願2013-506774(P2013-506774)の分割
【原出願日】2011年4月29日
(65)【公開番号】特開2016-20373(P2016-20373A)
(43)【公開日】2016年2月4日
【審査請求日】2015年9月9日
(31)【優先権主張番号】10290225.1
(32)【優先日】2010年4月29日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】509120469
【氏名又は名称】イプセン ファルマ ソシエテ パール アクシオン サンプリフィエ
【氏名又は名称原語表記】IPSEN PHARMA S.A.S.
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ベアトリス・アッシェ
(72)【発明者】
【氏名】ディディエ・クビアック
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミア・アーネット
(72)【発明者】
【氏名】ナタリー・モンドリー
【審査官】
高橋 樹理
(56)【参考文献】
【文献】
特許第5809244(JP,B2)
【文献】
国際公開第2005/041876(WO,A1)
【文献】
特表2002−523352(JP,A)
【文献】
特開昭61−260021(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/113905(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 33/00
A61K 9/00− 9/72
A61K 47/00−47/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性懸濁液又は半固体ペーストとしての医薬組成物であり、且つさらに調製せずに使用するための医薬組成物であり、
・唯一の有効成分としてのスメクタイトであって、含有量が15重量%(w/w)〜40重量%(w/w)の範囲である、スメクタイト、
・少なくとも1つの粘性剤、及び
・水
を含み、pHが2〜7.5の間の範囲であり、粘度が1100mPas〜3000mPasの間に含まれる、医薬組成物。
【請求項2】
・唯一の有効成分としてスメクタイト、
・少なくとも1つの粘性剤、
・水、
並びに防腐剤、香味剤、pH調整剤及び甘味料から選択される1つ以上の成分を含み、pHが2〜7.5の間の範囲であり、粘度が1100mPas〜3000mPasの間に含まれる、水性懸濁液又は半固体ペーストとしての、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記スメクタイトは2八面体スメクタイトである、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の医薬組成物であって、前記スメクタイトは、20%〜35%(w/w)の間の範囲内の2八面体スメクタイトである、該医薬組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の医薬組成物であって、前記スメクタイトは、25%〜35%(w/w)の間の範囲内の2八面体スメクタイトである、該医薬組成物。
【請求項6】
前記粘性剤が、ガム、セルロース誘導体又はそれらの混合物から選択される、請求項1〜5のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記粘性剤が、キサンタンガム、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)又はそれらの混合物から選択される、請求項1〜6のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記粘性剤が、0.1〜5%重量/重量(w/w)の間の濃度範囲で存在する、請求項1〜7のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記粘性剤が、0.1〜2%(w/w)の間の濃度範囲で存在する、請求項1〜7のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記粘性剤が、0.1〜1%(w/w)の間の濃度範囲で存在する、請求項1〜7のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記粘性剤が、キサンタンガムであり、0.1〜5%(w/w)の間の濃度範囲で存在する、請求項1〜7のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記粘性剤が、キサンタンガムであり、0.1〜2%(w/w)の間の濃度範囲で存在する、請求項1〜7のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項13】
防腐剤又はその混合物を含む、請求項1〜12のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項14】
請求項13の医薬組成物であって、クエン酸、ソルビン酸カリウム、アスコルビン酸、又はこれらの混合物から選択される防腐剤を含む、該医薬組成物。
【請求項15】
前記防腐剤が、0.01%〜5%重量/重量(w/w)の間の濃度範囲で前記組成物中に存在する、請求項13又は14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記防腐剤が、0.1%〜1%(w/w)の間の濃度範囲で前記組成物中に存在する、請求項13又は14に記載の医薬組成物。
【請求項17】
香味料又はその混合物を含む、請求項1〜16のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれかに記載の医薬組成物であって、バニラ、カラメル及び/又はチョコレートから選択される香味料を少なくとも1種含む、該医薬組成物。
【請求項19】
前記香味料を0.2%〜3%(w/w)の間の濃度範囲で含む、請求項17又は18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記香味料を0.5%〜2%(w/w)の間の濃度範囲で含む、請求項17又は18に記載の医薬組成物。
【請求項21】
甘味料又はその混合物を含む、請求項1〜20のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれかに記載の医薬組成物であって、サッカリンナトリウム、スクラロース、植物抽出物由来の天然甘味料又はそれらの混合物から選択される甘味料を含む、該医薬組成物。
【請求項23】
前記甘味料が、0.02%〜0.5%(w/w)の間の濃度範囲で前記組成物中に存在する、請求項21又は22に記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記甘味料が、0.03%〜0.3%(w/w)の間の濃度範囲で前記組成物中に存在する、請求項21又は22に記載の医薬組成物。
【請求項25】
pH調整剤を含む、請求項1〜24のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項26】
請求項1〜25のいずれかに記載の医薬組成物であって、クエン酸及びソルビン酸から選択されるpH調整剤を含む、該医薬組成物。
【請求項27】
pH範囲が、4〜6の間である、請求項1〜26のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項28】
20%〜35%(w/w)の間の範囲内で有効成分としてスメクタイト、0.1%〜2%(w/w)の濃度範囲で粘性剤、0.1%〜1%(w/w)の濃度範囲で防腐剤、4〜7のpH範囲用のpH調整剤、0.5〜1.5%(w/w)の濃度範囲で香味料、0.03%〜0.3%(w/w)の濃度範囲で甘味料を含有し、精製水で所望重量に最終完成される、請求項1に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体又は半固体医薬組成物、より具体的には、自然鉱物性粘土を有効成分として含有する水性医薬懸濁液又は半固体ペーストに関する。これらの組成物は、急性及び慢性下痢の処置に特に有用である。
【背景技術】
【0002】
自然鉱物性粘土は、アタパルジャイト・デ・モルモワロンなどのスメクタイト族粘土又はアタパルジャイト族粘土から選択され得る。このような粘土は、本発明による医薬組成物の有効成分として有用である。
【0003】
「ジオスメクタイト」として知られるスメクタイトに基づく治療組成物があり、商標Smecta(登録商標)で販売されている。販売製品は、粉末として小袋で服用される。乾燥形態の不利な点は、患者が、投与前に懸濁液を調製するのに液体を用意する必要があることである。均質化は必ずしも容易ではなく、有効成分がグラスに残ることが多くて、不便である。従って、すぐに使用できる組成物としての新規な医薬組成物であって、すべての賦形剤及び活性物質が長期間安定な半固体又は経口懸濁液を形成する医薬組成物を開発するという課題があった。
【0004】
粘土、特にスメクタイトを特定の粘性剤(例えば、セルロース誘導体など)と組み合わせて使用することによって、室温で非常に安定な水性懸濁液、半固体又はペーストを取得可能であることが見出された。この安定な組成物は、美味しくて、使用するのにより便利であるのに、すぐに使用できる組成物であり、従来技術の組成物と同じくらい効果的であるという利点を示す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、粘土を有効成分として含有し、使用前にさらに調製(例えば、化合物の希釈又は再懸濁)せずに医薬組成物を提供することを可能にする所定の粘度を有する安定な経口医薬組成物を提供する。
【0006】
従って、本発明の主題は、水性懸濁液又は半固体としての医薬組成物であって、自然粘土、好ましくはスメクタイトを有効成分として含有し、粘度が(60秒間に100s
-1のせん断速度において)約900mPa.s〜5500mPa.sの間に含まれる、医薬組成物である。このような組成物は、さらに調製せずにすぐに使用できる製剤としての医薬組成物を提供することを可能にする。
【0007】
さらに、本発明の目的は、
・有効成分として自然粘土、好ましくはスメクタイト、
・少なくとも1つの粘性剤、及び
・水
を含み、pHが2〜7.5の間の範囲であり、粘度が約900mPas〜5500mPasの間に含まれる、懸濁液又は半固体ペーストとしての摂取可能な医薬組成物を提供することである。
【0008】
さらに、本発明の目的は、
・有効成分として自然粘土、好ましくはスメクタイト、
・少なくとも1つの粘性剤、
・水、並びに
場合により、防腐剤、香味剤、pH調整剤及び甘味料から選択される1つ以上の成分を含み、pHが2〜7.5の間の範囲であり、粘度が約900mPas〜5500mPasの間に含まれる、懸濁液又は半固体ペーストとしての摂取可能な医薬組成物を提供することである。
なお、一側面において、本発明は以下の発明を包含する。
(発明1)
水性懸濁液又は半固体としての医薬組成物であって、自然粘土、好ましくはスメクタイトを有効成分として含有し、粘度が約900mPa.s〜5500mPa.sの間に含まれる、医薬組成物。
(発明2)
・有効成分として自然粘土、好ましくはスメクタイト、
・少なくとも1つの粘性剤、及び
・水
を含み、pHが2〜7.5の間の範囲であり、粘度が約900mPas〜5500mPasの間に含まれる、懸濁液又は半固体ペーストとしての、発明1に記載の医薬組成物。
(発明3)
・有効成分として自然粘土、好ましくはスメクタイト、
・少なくとも1つの粘性剤、
・水、
並びに場合により、防腐剤、香味剤、pH調整剤及び甘味料から選択される1つ以上の成分を含み、pHが2〜7.5の間の範囲であり、粘度が約900mPas〜5500mPasの間に含まれる、懸濁液又は半固体ペーストとしての、発明1又は2に記載の医薬組成物。
(発明4)
前記自然粘土が、スメクタイト、好ましくは2八面体スメクタイトである、発明1〜3のいずれかに記載の医薬組成物。
(発明5)
前記粘性剤が、ガム、セルロース誘導体又はそれらの混合物から選択される、発明1〜4のいずれかに記載の医薬組成物。
(発明6)
前記粘性剤が、キサンタンガム、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)又はそれらの混合物から選択される、発明1〜5のいずれかに記載の医薬組成物。
(発明7)
前記粘性剤が、約0.1〜5%重量/重量(w/w)の間、より好ましくは0.1〜1%(w/w)の間の濃度範囲で存在する、発明1〜6のいずれかに記載の医薬組成物。
(発明8)
防腐剤又はその混合物を含む、発明1〜7のいずれかに記載の医薬組成物。
(発明9)
前記防腐剤が、0.01%〜5%重量/重量(w/w)の間、より好ましくは0.1%〜1%(w/w)の間の濃度範囲で前記組成物中に存在する、発明7に記載の医薬組成物。
(発明10)
香味料又はその混合物を含む、発明1〜9のいずれかに記載の医薬組成物。
(発明11)
甘味料又はその混合物を含む、発明1〜10のいずれかに記載の医薬組成物。
(発明12)
前記甘味料が、0.02%〜0.5%(w/w)の間、好ましくは0.03%〜0.3%(w/w)の間の濃度範囲で前記組成物中に存在する、発明10に記載の医薬組成物。
(発明13)
pH調整剤を含む、発明1〜12のいずれかに記載の医薬組成物。
(発明14)
pH範囲が、2〜7.5の間、好ましくは4〜6の間である、発明1〜13のいずれかに記載の医薬組成物。
(発明15)
20%〜35%(w/w)の間の範囲内で有効成分として自然粘土、好ましくはスメクタイト、0.1%〜2%(w/w)の濃度範囲で粘性剤、0.1%〜1%(w/w)の濃度範囲で防腐剤、4〜7のpH範囲用のpH調整剤、0.5〜1.5%(w/w)の濃度範囲で香味料、0.03%〜0.3%(w/w)の濃度範囲で甘味料を含有し、精製水で所望重量に最終完成される、発明1に記載の医薬組成物。
【0009】
特に示さない限り、以下の定義は、本明細書において、本発明を説明するのに使用される様々な用語の意味及び範囲を説明並びに定義するために記載される。
【0010】
本出願において使用される「粘性化剤」又は「粘性剤」という用語は、食品及び医薬組成物において増粘剤として使用される賦形剤を指し、例えば、シュガーシロップ、キサンタンガム又はアラビアガム又は寒天ガムなどのガム、カーボポールポリマー、CMC(カルボキシメチルセルロース)、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)であるが、このリストに限定されない。
【0011】
本明細書において使用される「防腐剤」という用語は、微生物増殖又は好ましくない化学変化による分解を防ぐための薬学的に許容し得る物質(すなわち、殺菌特性及び/若しくは抗真菌特性又は抗酸化特性を有する)を意味する。
【0012】
本出願において使用される「香味料」又は「アロマ」という用語は、天然起源か又は合成起源かに関わらず、食品産業において通常使用される香味成分又は組成物を含む。それは、単一の化合物又は混合物を含む。このような化合物の具体例は、例えば、Fenaroli’s Handbook of Flavor Ingredients,1975,CRC Presなどの文献において又は市販品として見られ得る。
【0013】
本明細書において使用される「pH調整剤」という用語は、pHを所望の値に調整するのに使用される賦形剤(例えば、クエン酸又はアスコルビン酸)を指すが、これらの化合物に限定されない。
【0014】
「粘度」という用語は、液体の流動抵抗の程度である。粘度の単位として、P(ポアズ)、cP(センチポアズ)又はPa.s(パスカル秒)、mPa.s(ミリパスカル秒)−SI単位系−が使用される。「粘度が約x mPas〜y mPasの間に含まれる」という表現は、(x±3%)mPas〜(y±3%)mPasの間に含まれる粘度を意味する。
【0015】
本発明による粘度測定のために使用される方法は、当分野において知られているすべての方法、例えば回転式粘度計であり得る。回転式粘度計は、サンプル中に沈めた円筒回転部のランニングトルクを測定することによって、粘度を測定する。それは、サンプルに挿入され、一定速度で回転される電動円筒回転部である。回転式粘度計は、粘度が、定常回転運動を生み出すのに要するランニングトルクに直接的に比例することを想定する測定方法を使用する。
【0016】
「甘味料」という用語は、砂糖味の効果を再現するが、通常は食物エネルギーが少ない食品添加物を指す。砂糖の代用品のいくつかは天然であり、いくつかは合成である。
特に明記しない限り、本発明において言及されるすべてのパーセンテージは、重量パーセンテージ(w/w)である。
【0017】
スメクタイトは、モンモリロナイト及びバイデライトなどの2八面体種、並びに、ヘクトライト及びサポナイトなどの3八面体種が見られる粘土の特定のファミリーを表す。
【0018】
本発明によれば、組成物は、少なくとも1つの粘性剤又はその混合物をさらに含有する。適切な粘性剤は、例えば、カーボポールポリマー、シュガーシロップ(グルコース、マルチトール、キシリトール、ソルビトール液)、アルギン酸塩、ガム(例えば、キサンタンガム又はアラビアガム又は寒天ガム)又はセルロース誘導体、すなわち、当業者に一般的に知られている誘導体、不水溶性結晶セルロース若しくはセルロースエーテル(例えば、結晶セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロース)である。好ましくは、セルロース誘導体は、結晶セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)からなる群より選択される。特に、セルロースの誘導体は、ヒドロキシプロピルセルロース又は米国特許第2,978,446号明細書及び米国特許第3,141,875号明細書において記載されるもの(例えば、Avicel(登録商標)の名称で販売されているものの1つ)からなる群より選択される。
【0019】
本発明による組成物は、適切な香味料又はその混合物を含み得る。適切な香味料として、甘草、外来果実、赤色果実、柑橘類果実(例えば、ライム、レモン、オレンジ、グレープフルーツ)の抽出物、又は、マンダリン油、又は、コーヒー、茶、ハッカ、ココア、バニラ、カラメル、チョコレート、又は、精油などの伝統的な香味料が使用され得る。本発明による組成物は、カプセル化香味料も含み得る。
【0020】
カプセル化香味料は、例えば、炭水化物で作られたガラスマトリックス(カプセル化マトリックス)中の香味料からなり得る。押出技術によって加工されて、乾燥押出固体を形成し得るあらゆる砂糖又は砂糖誘導体が使用され得る。適切な成分の具体例は、以下の製品から選択され得るが、このリストに限定されない:スクロース、グルコース、ラクトース、レブロース、フルクトース、マルトース、リボース、デキストロース、イソマルト、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール、ペンタトール、アラビノース、ペントース、キシロース、ガラクトース、水素化デンプン加水分解物、マルトデキストリン。
【0021】
組成物は、甘味料又はその混合物を含有し得る。適切な甘味料としては、天然及び人工甘味料の両方を含む、当分野において周知のものが挙げられる。いくつかの適切な水溶性甘味料としては、キシロース、リボース、グルコース(デキストロース)、マンノース、ガラクトース、フルクトース(レブロース)、スクロース(砂糖)、マルトース、水素化マルトース(マルチトール)、転化糖(スクロース由来のフルクトースとグルコースとの混合物)、部分加水分解デンプン、コーンシロップ固体、ジヒドロカルコン類、モネリン、ステビオサイド類及びグリチルリチンなどの単糖類、二糖類並びに多糖類が挙げられる。適切な水溶性人工甘味料としては、可溶性サッカリン塩、すなわち、ナトリウム又はカルシウムサッカリン塩、シクラミン酸塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのナトリウム、アンモニウム又はカルシウム塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのカリウム塩(アセスルファームK(acesulfame−K))、サッカリンの遊離酸型などが挙げられる。水溶性甘味料は、例えば、スクラロースの製品名で知られている普通の砂糖(スクロース)の塩素化誘導体などの天然に存在する水溶性甘味料に由来してもよい。適切な甘味料としては、ステビア抽出物などの植物由来の天然甘味料も挙げられる。
【0022】
本発明による組成物は、1つの防腐剤又はその混合物を含有し得る。適切な防腐剤としては、クエン酸及びアスコルビン酸、ラウリルアルコール、ソルビン酸、メチルパラベンナトリウム、プロピルパラベンナトリウム、パラヒドロキシメチル安息香酸、パラヒドロキシプロピル安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸、ソルビン酸カリウム、プロピレングリコール、グルコン酸クロルヘキシジン、ブロノポール、塩化セチルピリジニウム、グリセリン(グリセロール)、αトコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)などの殺菌特性及び/若しくは抗真菌特性又は抗酸化特性を有する化合物が挙げられる。
【0023】
本発明による組成物は、pH調整剤又はその混合物を含有し得る。適切なpH調整剤としては、クエン酸、ソルビン酸、乳酸などの天然の弱酸、強酸、それらの塩及び緩衝液が挙げられる。
【0024】
本発明によれば、本発明による組成物において使用される自然粘土は、スメクタイトであり、より好ましくは、使用されるスメクタイトは、2八面体スメクタイトである。好ましくは、2八面体スメクタイトは、モンモリロナイト、又は、バイデライト、又は、2つの結晶化学構造物:モンモリロナイト及びバイデライトの間の結晶構造中間物である。この中間結晶構造物は、モンモリロナイト構造物であり得る;それは、バイデライト構造物でもあり、バイデライトに非常に近いものであり得る。好ましくは、本発明によるスメクタイトは、モンモリロナイト又はモンモリロナイトに近い、より好ましくはモンモリロナイトに非常に近い中間構造物である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
好ましい実施形態では、使用されるスメクタイトは、「ジオスメクタイト」として知られ、商標Smecta(登録商標)で販売されている活性物質として使用されるスメクタイトである。より好ましい実施形態では、本組成物において使用されるスメクタイトは、15%〜40%重量/重量(w/w)の間の範囲内、好ましくは20%〜35%(w/w)の間の範囲内の「ジオスメクタイト」として知られているスメクタイトである。より好ましい実施形態では、本組成物において使用されるスメクタイトは、25%〜35%重量/重量(w/w)の間の範囲内の「ジオスメクタイト」として知られているスメクタイトである。より好ましい実施形態では、粘土は、本発明による組成物における唯一の有効成分である。
【0026】
好ましい実施形態では、組成物は、半固体ペーストである。別の実施形態では、組成物は、懸濁液である。
【0027】
好ましい粘性剤は、(グルコース、マルチトールの)シュガーシロップ、ガム(例えば、キサンタンガム又はアラビアガム又は寒天ガム)、カーボポールポリマー、CMC(カルボキシメチルセルロース)、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)又はそれらの混合物から選択される。医薬組成物の粘性剤は、約1〜50%重量/重量(w/w)の間、より好ましくは5〜40%(w/w)の間の濃度範囲で存在する。
【0028】
好ましい実施形態では、粘性剤は、ガム、セルロース誘導体又はそれらの混合物から選択され、より具体的には、キサンタンガムなどのガム、CMC(カルボキシメチルセルロース)、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)などのセルロース誘導体又はそれらの混合物から選択される。
【0029】
より好ましい実施形態では、粘性剤は、キサンタンガム、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)又はそれらの混合物から選択される。
【0030】
好ましい実施形態では、医薬組成物粘性剤の粘性剤は、約0.1〜5%重量/重量(w/w)の間、より好ましくは0.1〜2%(w/w)の間の濃度範囲で存在する。
【0031】
好ましい実施形態では、医薬組成物の粘性剤は、キサンタンガム、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)又はそれらの混合物から選択され、約0.1〜5%重量/重量(w/w)の間、より好ましくは0.1〜2%(w/w)の間の濃度範囲で存在する。
【0032】
好ましい実施形態では、医薬組成物の粘性剤は、キサンタンガムから選択され、約0.1〜5%重量/重量(w/w)の間、より好ましくは0.1〜2%(w/w)の間の濃度範囲で存在する。
【0033】
好ましい実施形態では、医薬組成物の粘性剤は、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)又はそれらの混合物から選択され、約0.1〜5%重量/重量(w/w)の間、より好ましくは0.1〜2%(w/w)の間の濃度範囲で存在する。
【0034】
好ましくは、医薬組成物の粘度は、約1100mPa.s〜3000mPa.sの間、より好ましくは1100mPa.s〜2500mPa.sの間に含まれる。
【0035】
加えて、本発明による組成物は、防腐剤又はその混合物を含む。より好ましくは、本発明による組成物は、クエン酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、プロピレングリコール及びグルコン酸クロルヘキシジンから選択される防腐剤を含む。別の好ましい実施形態では、本発明による組成物は、クエン酸、ソルビン酸カリウム、アスコルビン酸、又はそれらの混合物から選択される防腐剤を含む。別の好ましい実施形態では、防腐剤は、クエン酸、ソルビン酸カリウム及びアスコルビン酸の混合物である。
【0036】
防腐剤は、好ましくは、0.01%〜5%重量/重量(w/w)の間の濃度範囲、より好ましくは0.1%〜1%(w/w)の間の濃度範囲で組成物中に存在する。
好ましくは、医薬組成物において使用される防腐剤がソルビン酸カリウムである場合、抗菌効果を生じさせるために、pHは、pH6よりも低くするべきである。
【0037】
好ましい実施形態として、本発明による組成物は、香味料又はその混合物を含む。好ましい実施形態として、本発明による組成物は、香味料、天然抽出物、精油又はそれらの混合物を含む。香味料は、好ましくは、甘草、外来果実、赤色果実、柑橘類果実の抽出物、バニラ、カラメル及びチョコレートなどの伝統的な香味料から選択される。
【0038】
好ましくは、本発明による組成物は、バニラ、チョコレート及び/又はカラメルから選択される少なくとも1つの香味料を含む。好ましくは、香味料は、0.2%〜3%重量/重量(w/w)の間、好ましくは0.5%〜2%(w/w)の間の濃度範囲である。
より好ましい香味料又はアロマは、0.2%〜3%重量/重量(w/w)の間、好ましくは0.5%〜1.5%(w/w)の間の濃度範囲のカラメル/カカオ香味料である。
【0039】
香味料は、溶媒、アジュバント、添加物及び/又は他の物質、例えば、香味料及び/又は食品産業において通常使用されるものと混合され得る。
【0040】
好ましくは、本発明による組成物は、甘味料又はその混合物を含む。より好ましくは、組成物は、人工甘味料を含有する。本発明によれば、好ましい甘味料は、可溶性サッカリン塩、すなわち、ナトリウム又はカルシウムサッカリン塩、シクラミン酸塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのナトリウム、アンモニウム又はカルシウム塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのカリウム塩(アセスルファームK)、サッカリンの遊離酸型などを含む水溶性人工甘味料である。例えば、スクラロースの製品名で知られている普通の砂糖(スクロース)の塩素化誘導体などの天然に存在する水溶性甘味料由来の水溶性甘味料。ステビア抽出物などの植物由来の天然甘味料も使用され得る。
【0041】
より好ましくは、甘味料は、ナトリウムサッカリンから選択される。
より好ましくは、甘味料は、ナトリウムサッカリン、スクラロース、植物抽出物由来の天然甘味料又はそれらの混合物から選択される。
【0042】
さらに好ましい実施形態では、甘味料は、0.02%〜0.5%重量/重量(w/w)の間、好ましくは0.03%〜0.3%(w/w)の間の濃度範囲で組成物中に存在する。
【0043】
好ましい実施形態として、本発明による組成物は、pH調整剤を包含する。好ましいpH調整剤は、クエン酸、ソルビン酸、乳酸などの天然の弱酸、強酸、それらの塩及び緩衝液から選択される。より好ましくは、pH調整剤は、天然の弱酸である。さらにより好ましくは、pH調整剤は、クエン酸及びソルビン酸から選択される。
より好ましくは、使用されるpH範囲は、2〜7.5の間、好ましくは4〜6の間である。
より好ましくは、使用されるpH範囲は、2〜7.5の間、好ましくは4.3〜7の間である。
【0044】
好ましい実施形態では、本発明による組成物は、20%〜35%(w/w)の間の範囲内で有効成分として自然粘土、好ましくはスメクタイト、5%〜40%(w/w)の濃度範囲で粘性剤、0.1%〜1%(w/w)の濃度範囲で防腐剤、4〜6のpH範囲用のpH調整剤、0.5〜1.5%(w/w)の濃度範囲で香味料、0.04%〜0.3%(w/w)の濃度範囲で甘味料を含有し、精製水で所望重量に最終完成される。
【0045】
好ましい実施形態では、本発明による組成物は、20%〜35%(w/w)の間の範囲内で有効成分として自然粘土、好ましくはスメクタイト、0.1%〜2%(w/w)の濃度範囲で粘性剤、0.1%〜1%(w/w)の濃度範囲で防腐剤、4.3〜7のpH範囲用のpH調整剤、0.5〜1.5%(w/w)の濃度範囲で香味料、0.03%〜0.3%(w/w)の濃度範囲で甘味料を含有し、精製水で所望重量に最終完成される。
【0046】
さらなる目的として、本発明は、
・成分の重量を量る工程
・化合物、ある場合はpH調整剤、ある場合は防腐剤を室温で撹拌しながら溶解する工程
・粘性剤、香味料及び甘味剤を撹拌しながら添加する工程
・スメクタイトなどの粘土を添加する工程
を含む、経口液体懸濁液又は半固体ペーストの調製のための方法も包含する。
【0047】
すべての成分の重量を量った。その後、pH調整剤を室温で水に溶解させた。防腐剤を室温で水に溶解させた。
その後、粘性剤、人工香味剤及び甘味剤を、残存量の水に撹拌しながら添加した。
好ましくは、アスコルビン酸/クエン酸溶液などのpH調整剤を、その後の溶液に撹拌しながら添加し、得られた溶液を、当業者に知られている適切な反応器に移した。適切な反応器は、例えば、ブレードパドルホモジナイザー反応器である。
【0048】
例えば、スメクタイトなどの自然粘土は、場合により、使用前にふるいにかけられ、反応器に一部ずつ添加される。撹拌し続けて、混合物を均質化する。スメクタイトが水に添加される場合、発熱反応が起こることが多い。
加えて、温度の上昇は粘度に影響を与えるので、発熱を調整するか、又はなくして最終懸濁液の粘度を調整するために、スメクタイトは一部ずつ添加される。
最後に、保存液を反応器に導入し、場合により、撹拌して均質化する。約15分間撹拌した後に、期待生成物組成物は、クリーム状の懸濁液として得られる。懸濁液の温度は、場合により、内部温度プローブの存在に従い、反応器温度は、場合により、当分野において常用される冷却温度調節装置によって調整される。
【0049】
温度は、15〜30℃の間の温度範囲、好ましくは25℃の温度に設定される。
さらに、反応器の撹拌速度は、好ましくは約700rpm〜1500rpmの間、好ましくは約1200rpmの速度である。撹拌時間は、約15分間である。撹拌機の種類は、例えば、ブレードパドルシステムである。
場合により、上記方法の実行前に、使用されるスメクタイトの微粉化の工程が実施され得る。微粉化は、例えば、従来の製粉機を使用して、実施され得る。
微粉化は、懸濁液の安定性に対するプラスの効果に加えて、懸濁液のざらざらした質感よって形成される好ましくない効果を減少させる利点も有する。
【0050】
本発明の別の実施形態及び上記製造工程によれば、賦形剤の中間液すべては、必要な場合(例えば、成分の溶解のため)は、温度を上昇させるか、又は調整することによって調製され得る。
【0051】
前述のように、スメクタイトの好ましくない味を除去するために、甘味剤を含む溶液をスメクタイトの懸濁液に添加することが可能である。甘味剤としては、スクロース、グルコース、水素化グルコース、マルチトール、ソルビトールが挙げられ得る。好ましくは、甘味料は、任意の割合で使用される。
【0052】
加えて、バニラ、イチゴ、ラズベリー、レモン、チョコレート、コーヒーのアロマなどを含む、一般的に使用される人工香味料を添加することも可能である。好ましくは、人工香味料は、人工バニラ香味料、人工オレンジ/バニラ香味料及び人工カラメル/カカオ香味料からなる群より選択される。
【0053】
1日投与量は、この製品に関する通常の推奨用量である。特定の場合では、「ジオスメクタイト」として知られているスメクタイトは、18g/日の最大1日用量で投与され得る。
好ましくは、本発明による組成物は、治療用量のスメクタイト3gの即時送達を提供する。
【0054】
本発明による組成物は、ある病状の予防及び/又は処置(例えば、大人及び子供における、急性及び慢性下痢に関連する痛み、食道胃十二指腸疾患、結腸疾患及びセリアック病に関連する痛みの対症療法)のために使用され得る。
【0055】
さらに、このような組成物によって示される有益な利点は、使いやすいこと、使用前の再構成工程及び調製を必要としないこと、並びに、活性物質の用量調節を必要としないことである。
好ましくは、本発明による組成物は、許容し得る味及び質感を有し、好ましくは、梱包に従来使用される様々な材料で作られた小袋、管状の小袋、瓶に梱包された、すぐに使用できる懸濁液の形態である。
【0056】
本発明において開示される半固体製剤/ペーストのために、放射滅菌又はオートクレーブ滅菌などの様々な技術が使用されて、無菌調製物が得られ得る。
特に示さない限り、本明細書において使用されるすべての技術的及び科学的用語は、本発明に関連する分野の通常の専門家によって一般的に理解されているのと同じ意味を有する。同様に、本明細書において記載されるすべての刊行物、特許出願、すべての特許及び他の参考文献は、参照により組み込まれる。
【0057】
以下の実施例は、上記手順を説明するために示されるものであり、本発明の範囲を限定すると見なされるべきではない。
【0058】
実験部分
粘度方法及びパラメーター
分析のために、サンプル懸濁液を調製した。分析前に、これらのサンプルを5℃で24時間リラックスさせた。メスシリンダーCC27を備える粘度計RheolabQCを使用して、25.0℃±0.1℃、100s
-1でサンプルの粘度を測定した。表1は、粘度の測定に使用した機器及び条件をまとめたものである。
【0060】
実施例1:
以下の実施例をキロスケールで調製した。
アスコルビン酸(2.00g)(pH調整)及びクエン酸(4.00g)(pH調整)を、室温で水に溶解させた(200ml)。防腐剤であるソルビン酸カリウムを、室温で水に溶解させた(200ml)。その後、粘性剤(500g、マルチトール液)、人工香味剤(10gのアロマカラメル/カカオ22P294)及び甘味剤(1.2gのサッカリンナトリウム)を、残存量の水に撹拌しながら添加した。アスコルビン酸/クエン酸溶液を、その後の溶液に撹拌しながら添加し、得られた溶液を、適切な反応器に移した。
【0061】
適切な量のジオスメクタイト(1mmのふるいを通して、使用前に予めふるいにかけた)を、ブレードパドルホモジナイザー反応器に一部ずつ添加した。撹拌し続けて、混合物を均質化した。
最後に、保存液(防腐剤溶液)を反応器に導入し、撹拌して、均質化した。15分間撹拌した後に、2キロの期待生成物を、薄クリーム色の懸濁液として得た。
【0062】
懸濁液の温度は、内部温度プローブの存在に従い、反応器温度を、冷却温度調節装置によって調整した。温度を25℃に設定した。反応器の撹拌速度は、1200tr/分であった。撹拌時間は、15分であった。撹拌機の種類は、ブレードパドルであった。
このようにして得られた組成物は、以下の通りである:
【0065】
実施例2:様々な粘性剤を有する組成物
2.1.マルチトールを粘性剤として有する組成物
2.1.1 組成物の調製
粘性剤(マルチトール液)を、室温で撹拌しながら水に溶解させ、得られた溶液を、適切な反応器(例えば、ブレードパドルホモジナイザー反応器)に移した。適切な量のスメクタイト(1mmのふるいを通して、使用前に予めふるいにかけた)を、ビーカー(実験用機械的撹拌棒を使用)に一部ずつ添加した。撹拌し続けて、均質化した。5分間撹拌した後に、700gの期待生成物を、薄クリーム色の懸濁液として得た。
【0067】
2.2.マルチトール及びヒドロキシルプロピルセルロース(HPC)を粘性剤として有する組成物
2.2.1 組成物の調製
HPC粘性剤を、室温で水100mlに溶解させた。粘性剤として210gのマルチトール液を、残存量の水に撹拌しながら添加した。適切な量のジオスメクタイト(1mmのふるいを通して、使用前に予めふるいにかけた)を、ビーカー(オーバーヘッド実験用機械的撹拌棒を使用)に一部ずつ添加した。撹拌し続けて、均質化した。
最後に、保存液をビーカー(オーバーヘッド実験用機械的撹拌棒を使用)に導入し、撹拌して、均質化した。
5分間撹拌した後に、700gの期待生成物を、薄クリーム色の懸濁液として得た。
【0069】
2.3.マルチトール及びCMCを粘性剤として有する組成物
2.3.1 組成物の調製
実施例2.2.1に記載される製造工程に従って、組成物を調製する。
【0071】
2.4.マルチトール及びカーボポール−974Pを粘性剤として有する組成物
2.4.1 組成物の調製
実施例2.2.1に記載される製造工程に従って、組成物を調製する。
【0073】
実施例3:様々な量のマルチトールを有する組成物
3.1.組成物の調製
以下の工程に従って、異なる量のマルチトールを用いて、異なる組成物を調製した。
粘性剤(マルチトール液)を、室温で撹拌しながら水に溶解させ、得られた溶液を、適切な反応器(例えば、ブレードパドルホモジナイザー反応器)に移した。甘味剤(1.5g)を、その後の溶液に撹拌しながら添加した。人工香味剤(7.5g)を、その後の溶液に撹拌しながら添加した。適切な量のジオスメクタイト(1mmのふるいを通して、使用前に予めふるいにかけた)を、反応器に一部ずつ添加した。撹拌し続けて、均質化した。15分間撹拌した後に、2.5キロの期待生成物を、薄クリーム色の懸濁液として得た。
【0076】
実施例4:抗菌剤(又は防腐剤)を有する組成物
4.1.組成物の調製
酸を室温で水に溶解させた(100ml)。防腐剤(ソルビン酸カリウム)を室温で水に溶解させた(100ml)。
粘性剤及びマルチトール液を、残存量の水に撹拌しながら添加した。甘味剤を、その後の溶液に撹拌しながら添加し、得られた溶液を、適切な反応器(例えば、ブレードパドルホモジナイザー反応器)に移した。酸性溶液を、その後の溶液に撹拌しながら添加し、得られた溶液を、適切な反応器に移した。人工香味剤を、その後の溶液に撹拌しながら添加し、得られた溶液を、適切な反応器に移した。適切な量のジオスメクタイト(1mmのふるいを通して、使用前に予めふるいにかけた)を、反応器に一部ずつ添加した。撹拌し続けて、均質化した。保存液を、懸濁液に撹拌しながら添加して、適切な反応器に移した。
15分間撹拌した後に、2.5キロの期待生成物を、薄クリーム色の懸濁液として得た。
【0079】
すべての組成物は、確認/適合である。T14日目〜T28日目の間に、微生物個体群の増加は、認められなかった。テストは、Pharmacopoeia§5.1.3に従って実施した。
【0080】
実施例5:
実施例2.2.1に記載される製造工程に従って、表8にまとめる組成物を調製する(すべての量は、%(w/w)で表される)。
【表12】
【0081】
実施例6:安定性試験
25℃/60%RHで3ヶ月保存した後に、薬剤品質特性の有意な変化は、報告されなかった。組成物(実施例1)は、依然として有効期間規格内にある。
【0082】
加速保存条件(40℃/75%RH)
40℃/75%RHで3ヶ月保存した後に、ソルビン酸カリウム含量がわずかに減少(−3.6%)したことを除いて、薬剤品質特性の有意な変化は、報告されなかった。組成物(実施例1−Batch P60146.01)は、依然として有効期間規格内にある。
安定性の結果を表9(安定性試験プロトコール保存条件及びサンプリング時間)及び10(安定性の結果の概要)にまとめる。
【0083】
【表13】
a−一般的特性、pH、吸着能、ジオスメクタイトアッセイ、ソルビン酸カリウムアッセイ
b−内容物の均一性、ソルビン酸カリウム同定
c−微生物学的質
d−抗菌保存の効果