(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記より低いシートコンダクタンス部分内の前記第2の金属ナノワイヤの埋込の範囲は、前記より高いシートコンダクタンス部分内の前記第1の金属ナノワイヤの埋込の範囲を上回る、請求項1に記載のパターン化された透明導体。
前記基板が、ポリカーボネート膜、アクリル系ポリマー膜、ポリスチレン膜、環状オレフィンポリマー膜、および環状オレフィンコポリマー膜から選ばれる、請求項1に記載のパターン化された透明導体。
前記第2の金属ナノワイヤが、前記第2の金属ナノワイヤの少なくともいくつかの間の接合を阻害または劣化するように処理されている、請求項1に記載のパターン化された透明導体。
前記第2の金属ナノワイヤが、前記第2の金属ナノワイヤの少なくともいくつかの間の接合部を、(a)化学的劣化および(b)物理的劣化の少なくとも1つで劣化するように処理されている、請求項1に記載のパターン化された透明導体 。
【発明を実施するための形態】
【0012】
定義
以下の定義は、本発明のいくつかの実施形態に関して説明される側面のうちのいくつかに該当する。これらの定義は、同様に、本明細書に応じて、展開されてもよい。
【0013】
本明細書で使用されるように、「a」、「an」、および「the」といった単数形の用語は、文脈が別様に明確に指示しない限り、複数の参照を含む。したがって、例えば、物体への参照は、文脈が別様に明確に指示しない限り、複数の物体を含むことができる。
【0014】
本明細書で使用されるように、「一式」という用語は、1つ以上の物体の集合を指す。したがって、例えば、一式の物体は、単一の物体または複数の物体を含むことができる。一式の物体はまた、一式のうちの部材と呼ぶこともできる。一式のうちの物体は、同じまたは異なり得る。場合によっては、一式のうちの物体は、1つ以上の共通特性を共有することができる。
【0015】
本明細書で使用されるように、「隣接する」という用語は、付近にある、または接していることを指す。隣接する物体は、相互から離間することができ、あるいは相互と実際にまたは直接接触することができる。場合によっては、隣接する物体は、相互に接続することができ、または相互と一体的に形成することができる。
【0016】
本明細書で使用されるように、「接続する」、「接続された」、および「接続」という用語は、動作的連結または連鎖を指す。接続された物体は、相互に直接連結することができ、または別の一式の物体を介する等して、相互に間接的に連結することができる。
【0017】
本明細書で使用されるように、「実質的に」および「実質的な」という用語は、相当の度合いまたは程度を指す。事象または状況と併せて使用される時、本用語は、事象または状況が正確に生じる場合、ならびに事象または状況が、本明細書で説明される製造方法の典型的な許容レベルの観点から等、ほぼ近似して生じる場合を指すことができる。
【0018】
本明細書で使用されるように、「随意的な」および「随意に」という用語は、後に説明される事象または状況が生じても生じなくてもよいことと、その説明が、事象または状況が生じる場合と、生じない場合を含むこととを意味する。
【0019】
本明細書で使用されるように、「内側」、「内部」、「外側」、「外部」、「上部」、「底部」、「正面」、「後方」、「背面」、「上側」、「上向きに」、「下側」、「下向きに」、「垂直」、「垂直に」、「横方向」、「横方向に」、「上方」、および「下方」等の相対的用語は、図面によるように、相互に対する一式の物体の配向を指すが、製造または使用中に、これらの物体の特定の配向を必要としない。
【0020】
本明細書で使用されるように、「ナノメートル範囲」または「nm範囲」という用語は、約1ナノメートル(「nm」)から約1マイクロメートル(「μm」)の寸法の範囲を指す。nm範囲は、約1nmから約10nmの寸法の範囲を指す「下限nm範囲」、約10nmから約100nmの寸法の範囲を指す「中間nm範囲」、および約100nmから約1μmの寸法の範囲を指す「上限nm範囲」を含む。
【0021】
本明細書で使用されるように、「マイクロメートル範囲」または「μm範囲」という用語は、約1μmから約1ミリメートル(mm)の寸法の範囲を指す。μm範囲は、約1μmから約10μmの寸法の範囲を指す「下限μm範囲」、約10μmから約100μmの寸法の範囲を指す「中間μm範囲」、および約100μmから約1mmの寸法の範囲を指す「上限μm範囲」を含む。
【0022】
本明細書で使用されるように、「アスペクト比」という用語は、物体の最大寸法または範囲および物体の残りの寸法または範囲の平均の比を指し、残りの寸法は、相互に対して、または最大寸法に対して直交する。場合によっては、物体の残りの寸法は、実質的に同じとなり得、残りの寸法の平均は、残りの寸法のうちのいずれか一方に実質的に対応することができる。例えば、円柱のアスペクト比は、円柱の長さおよび円柱の断面直径の比を指す。別の実施例として、回転楕円体のアスペクト比は、回転楕円体の主軸および回転楕円体の短軸の比を指す。
【0023】
本明細書で使用されるように、「ナノサイズの」物体という用語は、nm範囲内の少なくとも1つの寸法を有する、物体を指す。ナノサイズの物体は、種々の形状のいずれかを有することができ、種々の材料から形成させることができる。ナノサイズの物体の実施例は、ナノワイヤ、ナノチューブ、ナノプレートレット、ナノ粒子、および他のナノ構造を含む。
【0024】
本明細書で使用されるように、「ナノワイヤ」という用語は、実質的に中実である、細長いナノサイズの物体を指す。典型的には、ナノワイヤは、nm範囲内の横寸法(例えば、幅、直径、または直交方向にわたる平均を表す幅または直径の形態である断面寸法)、μm範囲内の縦寸法(例えば、長さ)、および約3以上であるアスペクト比を有する。
【0025】
本明細書で使用されるように、「ナノプレートレット」という用語は、実質的に中実である、平面状のナノサイズの物体を指す。
【0026】
本明細書で使用されるように、「ナノチューブ」という用語は、細長い中空でナノサイズの物体を指す。典型的には、ナノチューブは、nm範囲内の横寸法(例えば、幅、外径、または直交方向にわたる平均を表す幅または外径の形態である断面寸法)、μm範囲内の縦寸法(例えば、長さ)、および約3以上であるアスペクト比を有する。
【0027】
本明細書で使用されるように、「ナノ粒子」という用語は、回転楕円体で(例えば、略回転楕円体)、ナノサイズの物体を指す。典型的には、ナノ粒子の各寸法(例えば、幅、直径、または直交方向にわたる平均を表す幅または直径の形態である断面寸法)は、nm範囲内であり、ナノ粒子は、約1等の約3未満であるアスペクト比を有する。
【0028】
本明細書で使用されるように、「ミクロンサイズの」物体という用語は、μm範囲内の少なくとも1つの寸法を有する物体を指す。典型的には、ミクロンサイズの物体の各寸法は、μm範囲内であるか、またはμm範囲を超える。ミクロンサイズの物体は、多種多様の形状のうちのいずれかを有することができ、多種多様の材料で形成することができる。ミクロンサイズの物体の実施例は、マイクロワイヤ、マイクロチューブ、マイクロ粒子、および他のマイクロ構造を含む。
【0029】
本明細書で使用されるように、「マイクロワイヤ」という用語は、実質的に中実である細長いミクロンサイズの物体を指す。典型的には、マイクロワイヤは、μm範囲内の横寸法(例えば、幅、直径、または直交方向にわたる平均を表す幅または直径の形態である断面寸法)、および約3以上であるアスペクト比を有する。
【0030】
本明細書で使用されるように、「マイクロチューブ」という用語は、細長い中空でミクロンサイズの物体を指す。典型的には、マイクロチューブは、μm範囲内の横寸法(例えば、幅、外径、または直交方向にわたる平均を表す幅または外径の形態である断面寸法)、および約3以上であるアスペクト比を有する。
【0031】
本明細書で使用されるように、「マイクロ粒子」という用語は、回転楕円体でミクロンサイズの物体を指す。典型的には、マイクロ粒子の各寸法(例えば、幅、直径、または直交方向にわたる平均を表す幅または直径の形態である断面寸法)は、μm範囲内であり、マイクロ粒子は、約1等の約3未満であるアスペクト比を有する。
【0032】
透明導体
本発明の実施形態は、透明導体または他のタイプの伝導性構造として使用するために、母材内に混入される電気的に伝導性または半導体の添加物に関する。透明導体の実施形態は、向上した性能(例えば、より高い電気および熱伝導性およびより高い光透過率)、ならびにその構造、組成物、および製造プロセスから生じるコスト利点を呈する。いくつかの実施形態では、透明導体は、添加物が、母材内に物理的に埋め込まれ、母材の所望の特性(例えば、透明性)を保存しながら、付加的所望の特性(例えば、電気伝導性)を結果として生じる透明導体に付与する、表面埋込プロセスによって製造されることができる。いくつかの実施形態では、透明導体は、第1のシートコンダクタンスを有する、第1の一式の部分と、第1のシートコンダクタンスより低い第2のシートコンダクタンスを有する、第2の一式の部分とを含むようにパターン化されることができる。第1の一式の部分は、伝導性トレースまたはグリッドとして機能する、より高いシートコンダクタンス部分に対応することができる一方、第2の一式の部分は、伝導性トレースを電気的に絶縁するための間隙として機能する、より低いシートコンダクタンス部分に対応することができる。添加物は、一方または両方の部分内に表面埋込されることができる。
【0033】
図1Aおよび
図1Bは、本発明の実施形態に従って実装される、透明導体120および126の実施例を図示する。具体的には、
図1Aは、部分的に、露出され、かつ部分的に、基板に対応する、母材132の上部埋込表面134に埋入される、網状組織を形成する、表面埋込物体130の概略である。埋込表面134はまた、母材132の底部表面となることができ、または母材132の異なる側の複数の表面(例えば、上部および底部表面の両方)は、同一または異なる添加物が埋め込まれることができる。
図1Aに図示されるように、添加物網130は、埋込表面134に隣接し、母材132の埋込領域138内に局在化され、残りの母材132は、大部分が物体130を欠いている。例証される実施形態では、埋込領域138は、比較的薄く(例えば、母材132の全体的な厚さよりも小さい、またははるかに小さい厚さを有する、あるいは物体130の特性寸法に匹敵する厚さを有する)、したがって、「平面的」または「平面状」と呼ぶことができる。透明導体120は、
図1Aが、より高いシートコンダクタンス部分等のパターン化された透明導体120の特定の部分の図を表し得るように、パターン化されることができる。
図1Aはまた、より低いシートコンダクタンス部分の図を表し得、添加物網130は、低減された電気伝導性をもたらすように処理または別様に加工される。
【0034】
図1Bは、部分的に、露出され、部分的に、基板160の上部に配置される、コーティングまたは他の二次材料に対応する、母材158の上部埋込表面156内に埋め込まれる、網状組織を形成する、表面埋込物体154の概略である。
図1Bに図示されるように、添加物網154は、埋込表面156に隣接し、母材158の埋込領域162内に局在化されることができ、残りの母材158は、大部分が物体154を欠いている。また、物体154の特性寸法に匹敵する厚さを有する、比較的薄いコーティングの場合等において、物体154は、母材158内のより大きい体積分率の全体を通して分布することができることが検討される。例証される実施形態では、埋込領域162は、比較的薄く、したがって、「平面的」または「平面状」と呼ぶことができる。透明導体126は、
図1Bが、より高いシートコンダクタンス部分等のパターン化された透明導体126の特定の部分の図を表し得るように、パターン化されることができる。
図1Bはまた、より低いシートコンダクタンス部分の図を表し得、添加物網154は、低減された電気伝導性をもたらすように処理または別様に加工される。
【0035】
本明細書に説明されるある透明導体の一側面は、母材の少なくとも一部内への垂直添加物濃度勾配またはプロファイル、すなわち、母材の厚さの方向に沿った勾配またはプロファイルの提供である。基板またはコーティング内へのバルク混入は、基板またはコーティング全体を通して、比較的に均一垂直添加物濃度プロファイルを提供することを目的とする。対照的に、本明細書に説明されるある透明導体は、母材の少なくとも一部の埋込領域内への添加物の局在化に従って、可変制御可能垂直添加物濃度プロファイルを可能にする。ある実装の場合、埋込領域内の物体の局在化の程度は、添加物の少なくとも大部分(重量、体積、数密度あたり)が埋込領域内に含まれ、添加物の少なくとも約60%(重量、体積、数密度あたり)がそのように含まれ、添加物の少なくとも約70%(重量、体積、数密度あたり)がそのように含まれ、添加物の少なくとも約80%(重量、体積、数密度あたり)がそのように含まれ、または添加物の少なくとも約90%(重量、体積、数密度あたり)がそのように含まれ、または添加物の少なくとも約95%(重量、体積、数密度あたり)がそのように含まれるようなものである。例えば、添加物の実質的に全ては、残りの母材が添加物を実質的に欠いているように、埋込領域内に局在化することができる。パターン化された透明導体の場合、添加物の局在化は、母材内の水平添加物濃度勾配またはプロファイルに従って変動することができる、またはパターン化された透明導体内に含まれる複数の母材にわたって変動することができる。
【0036】
添加物は、ナノサイズの添加物、ミクロンサイズの添加物、またはそれらの組み合わせの形態であることができる。電気伝導性を付与するために、添加物は、電気伝導性材料、半導体、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0037】
電気伝導性材料の実施例は、金属(例えば、銀ナノワイヤ、銅ナノワイヤ、および金ナノワイヤの形態における銀、銅、および金)、金属合金、銀−ニッケル、銀酸化物、ポリマーキャッピング剤を伴う銀、銀−銅、銅−ニッケル、炭素系導体(例えば、炭素ナノチューブ、グラフェン、およびバッキーボールの形態)、伝導性セラミック(例えば、随意に、ドープされ、透明である、伝導性酸化物およびカルコゲン化物、例えば、随意に、ドープされ、透明である、金属酸化物およびカルコゲン化物)、電気伝導性ポリマー(例えば、ポリアニリン、ポリ(アセチレン)、ポリ(ピロール)、ポリ(チオフェン)、ポリ(p−フェニレンスルフィド)、ポリ(p−フェニレンビニレン)(または、PPV)、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリインドール、ポリピレン、ポリカルバゾール、ポリアズレン、ポリアゼピン、ポリ(フルオレン)、ポリナフタレン、メラニン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(または、PEDOT)、ポリ(スチレンスルホン酸塩)(または、PSS)、PEDOT−PSS、PEDOTポリメタクリル酸(または、PEDOT−PMA)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(または、P3HT)、ポリ(3−オクチルチオフェン)(または、P3OT)、ポリ(C−61−酪酸メチルエステル)(または、PCBM)、およびポリ[2−メトキシ−5−(2′ −エチル−ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](または、MEH−PPV))、および任意のそれらの組み合わせを含む。
【0038】
半導体材料の実施例は、半導体ポリマー、IVB族元素(例えば、炭素(または、C)、シリコン(または、Si)、およびゲルマニウム(または、Ge))、IVB−IVB族二元合金(例えば、炭化ケイ素(または、SiC)およびシリコンゲルマニウム(または、SiGe))、IIB−VIB族二元合金(例えば、セレン化カドミウム(または、CdSe)、硫化カドミウム(または、CdS)、テルル化カドミウム(または、CdTe)、酸化亜鉛(または、ZnO)、セレン化亜鉛(または、ZnSe)、テルル化亜鉛(または、ZnTe)、および硫化亜鉛(または、ZnS))、IIB−VIB族三元合金(例えば、テルル化カドミウム亜鉛(または、CdZnTe)、テルル化カドミウム水銀(または、HgCdTe)、テルル化水銀亜鉛(または、HgZnTe)、およびセレン化水銀亜鉛(または、HgZnSe))、IIIB−VB族二元合金(例えば、アンチモン化アルミニウム(または、AlSb)、ヒ化アルミニウム(または、AlAs)、窒化アルミニウム(または、AlN)、リン化アルミニウム(または、AlP)、窒化ホウ素(または、BN)、リン化ホウ素(または、BP)、ヒ化ホウ素(または、BAs)、アンチモン化ガリウム(または、GaSb)、ヒ化ガリウム(または、GaAs)、窒化ガリウム(または、GaN)、リン化ガリウム(または、GaP)、アンチモン化インジウム(または、InSb)、ヒ化インジウム(または、InAs)、窒化インジウム(または、InN)、リン化インジウム(または、InP))、IIIB−VB族三元合金(例えば、ヒ化アルミニウムガリウム(または、AlGaAsあるいはAl
xG
a1−xAs)、ヒ化インジウムガリウム(または、InGaAsあるいはIn
xGa
1−xAs)、リン化インジウムガリウム(または、InGaP)、ヒ化アルミニウムインジウム(または、AlInAs)、アンチモン化アルミニウムインジウム(または、AlInSb)、窒化ガリウムヒ素(または、GaAsN)、リン化ガリウムヒ素(または、GaAsP)、窒化アルミニウムガリウム(または、AlGaN)、リン化アルミニウムガリウム(または、AlGaP)、窒化インジウムガリウム(または、InGaN)、アンチモン化インジウムヒ素(または、InAsSb)、およびアンチモン化インジウムガリウム(または、InGaSb))、IIIB−VB族四元合金(例えば、リン化アルミニウムガリウムインジウム(または、AlGaInP)、リン化アルミニウムガリウムヒ素(または、AlGaAsP)、リン化インジウムガリウムヒ素(または、InGaAsP)、リン化アルミニウムインジウムヒ素(または、AlInAsP)、窒化アルミニウムガリウムヒ素(または、AlGaAsN)、窒化インジウムガリウムヒ素(または、InGaAsN)、窒化インジウムアルミニウムヒ素(または、InAlAsN)、および窒化ガリウムヒ素アンチモニド(または、GaAsSbN))、およびIIIB−VB族五元合金(例えば、アンチモン化ガリウムインジウム窒化物ヒ素(または、GaInNAsSb)およびリン化ガリウムインジウムヒ素アンチモニド(または、GaInAsSbP))、IB−VIIB族二元合金(例えば、塩化第一銅(または、CuCl))、IVB−VIB族二元合金(例えば、セレン化亜鉛(または、PbSe)、硫化鉛(または、PbS)、テルル化鉛(または、PbTe)、硫化スズ(または、SnS)、およびテルル化スズ(または、SnTe))、IVB−VIB族三元合金(例えば、テルル化鉛スズ(または、PbSnTe)、テルル化タリウムスズ(または、Tl
2SnTe
5)、テルル化タリウムゲルマニウム(または、Tl
2GeTe
5))、VB−VIB族二元合金(例えば、テルル化ビスマス(または、Bi
2Te
3))、IIB−VB族二元合金(例えば、リン化カドミウム(または、Cd
3P
2)、ヒ化カドミウム(または、Cd
3As
2)、アンチモン化カドミウム(または、Cd
3Sb
2)、リン化亜鉛(または、Zn
3P
2)、ヒ化亜鉛(または、Zn
3As
2)、およびアンチモン化亜鉛(または、Zn
3Sb
2))、およびIB族(または、11族)元素、IIB族(または、12族)元素、IIIB族(または、13族)元素、IVB族(または、14族)元素、VB族(または、15族)元素、VIB族(または、16族)元素、およびセレン化銅インジウムガリウム(または、CIGS)等のVIIB族(または、17族)元素の他の二元、三元、四元、または高次の合金、ならびにそれらの任意の組み合わせを含む。
【0039】
添加物は、例えば、金属または半導体ナノ粒子、ナノワイヤ(例えば、銀、銅、または亜鉛)、ナノプレート、ナノフレーク、ナノファイバ、ナノロッド、ナノチューブ(例えば、炭素ナノチューブ、多重壁のナノチューブ(「MWNT」)、単一壁のナノチューブ(「SWNT」)、二重壁のナノチューブ(「DWNT」)、黒鉛化または修正ナノチューブ)、フラーレン、バッキーボール、グラフェン、マイクロ粒子、マイクロワイヤ、マイクロチューブ、コアシェルナノ粒子またはマイクロ粒子、コアマルチシェルナノ粒子またはマイクロ粒子、コアシェルナノワイヤ、および実質的に管状、立方体、または錐体であり、非結晶質、結晶質、正方晶、六方晶、三方晶、斜方晶、単斜晶、または三斜晶、あるいはそれらの任意の組み合わせとして特徴付けられる形状を有する、他の添加物を含むことができる。
【0040】
コアシェルナノ粒子およびコアシェルナノワイヤの実施例は、金属、金属合金、金属酸化物、炭素、またはそれらの任意の組み合わせ(例えば、銀、銅、金、白金、グラフェン、伝導性酸化物またはカルコゲン化物、および本明細書で好適な添加物として記載される他の材料)で形成されるシェルとともに、強磁性コア(例えば、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、ならびにこれらの元素のうちの1つ以上で形成された酸化物および合金)を伴うものを含む。コアシェルナノワイヤの特定の実施例は、銀コアおよび銀コアの酸化を低減または防止するように銀コアを囲繞する金シェル(または、白金シェルあるいは別の種類のシェル)を伴うものである。コアシェルナノワイヤの別の実施例は、以下のうちの1つ以上から形成されるシェルまたは他のコーティングを伴う、銀コア(または、別の金属または他の電気的に伝導性材料から形成されるコア)を伴うものである:(a)伝導性ポリマー、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(または、PEDOT)およびポリアニリン(または、PANI);(b)伝導性酸化物、カルコゲン化物、およびセラミック(例えば、ゾルゲル、化学蒸着、物理蒸着、プラズマ強化化学蒸着、または化学浴蒸着によって堆積される );(c)ポリマー、SiO
2、BaTiO、および
TiO
2等の超薄層の形態における絶縁体;ならびに(d)金属、例えば、金、銅、ニッケル、クロム、モリブデン、およびタングステンの薄層。そのようなコーティングされたまたはコアシェル形態のナノワイヤは、電気伝導性を付与する一方、母材との負の相互作用、例えば、金属、例えば、銀の存在下の潜在的黄変または他の変色、酸化(例えば、銀/金コア/シェルナノワイヤは、金シェルのため、実質的に、より低い酸化を有し得る)、および硫化(例えば、銀/白金コア/シェルナノワイヤは、白金シェルのため、実質的に、より低い硫化を有し得る)を回避または低減するために望ましくあり得る。
【0041】
ある実装の場合、ナノワイヤ、ナノチューブ、およびそれらの組み合わせの形態等である、高アスペクト比添加物が望ましい。例えば、望ましい添加物は、炭素または他の材料で形成されたナノチューブ(例えば、MWNT、SWNT、黒鉛化MWNT、黒鉛化SWNT、修正MWNT、修正SWNT、およびポリマー含有ナノチューブ)、金属、金属酸化物、金属合金、または他の材料で形成されたナノワイヤ(例えば、銀ナノワイヤ、銅ナノワイヤ、酸化亜鉛ナノワイヤ(ドープされていない、または例えば、アルミニウム、ホウ素、フッ素、およびその他によってドープされた)、酸化スズナノワイヤ(ドープされていない、または例えば、フッ素によってドープされた)、酸化カドミウムスズナノワイヤ、スズドープ酸化インジウム(または、ITO)ナノワイヤ、ポリマー含有ナノワイヤ、および金ナノワイヤ)、ならびに電気伝導性または半導体であり、円筒形、球状、錐体、または他の形状であろうと、種々の形状を有する他の材料を含む。添加物の付加的な実施例は、活性炭、グラフェン、カーボンブラック、Ketjen black、および金属、金属酸化物、金属合金、または他の材料(例えば、銀ナノ粒子、銅ナノ粒子、酸化亜鉛ナノ粒子、ITOナノ粒子、および金ナノ粒子)で形成されたナノ粒子で形成されたものを含む。
【0042】
母材は、種々の形状およびサイズを有することができ、透明、半透明、または不透明となり得、可撓性、屈曲可能、折畳可能、伸縮可能、または剛性となり得、電磁的に不透明または電磁的に透明となり得、電気伝導性、半導体、または絶縁性となり得る。母材は、基板としての機能を果たす、層、膜、またはシートの形態となり得るか、または基板あるいは別の材料上に配置されたコーティングもしくは複数のコーティングの形態となり得る。母材は、パターン化されることができる、またはパターン化されないこともできる。例えば、母材は、下層基板のある面積を被覆する一方、残りの基板面積を露出させる、パターン化された層として形成されることができる。別の実施例として、第1の母材は、下層基板のある面積に重層する第1のパターン化された層として形成されることができ、第2の母材(ある様式において、第1の母材と異なり得る)は、残りの基板面積を被覆する、第2のパターン化された層として形成されることができる。そのような様式では、第1の母材は、第1のパターンを提供することができ、第2の母材は、第1のパターンの「逆」の第2のパターンを提供することができる。換言すると、第1の母材は、パターンの「正」部分を提供することができ、第2の母材は、パターンの「負」部分を提供することができる。
【0043】
好適な母材の実施例は、有機材料、無機材料、およびハイブリッド有機・無機材料を含む。例えば、母材は、ポリオレフィン、ポリエチレン(または、PE)、ポリプロピレン(または、PP)、エチレン酢酸ビニル(またはEVA)、イオイマー、 ポリビニルブチラール(またはPVB)、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリビニル、フッ素ポリマー、ポリカーボネート(または、PC)、ポリスルホン、ポリ乳酸、アリルジグリコールカーボネート系ポリマー、ニトリル系ポリマー、アクリロニトリルブタジエンスチレン(または、ABS)、環状オレフィンポリマー(または、COP)(例えば、ARTON(R)およびZeonorFil
m(R)という商標の下で入手可能である)、環状オレフィン樹脂、三酢酸セルロース(ま
たはTAC)、フェノキシ系ポリマー、フェニレンエーテル/オキシド、プラスチゾル、オルガノゾル、プラスターチ材料、ポリアセタール、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリルエーテル、ポリエーテルイミド、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリカーボネート、ポリケトン、ポリメチルペンテン、ポリフェニレン、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、スチレン無水マレイン酸系ポリマー、ポリアリルジグリコールカーボネートモノマー系ポリマー、ビスマレイミド系ポリマー、ポリフタル酸アリル、熱可塑性ポリウレタン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、コポリエステル(例えば、Tritan
TMという商標の下で入手可能である)、ポリ塩化ビニル(または、PVC)、アクリル系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートグリコール(または、PETG)、ポリエチレンテレフタレート(または、PET)、エポキシ、エポキシ含有樹脂、メラミン系ポリマー、シリコーンおよび他のシリコン含有ポリマー(例えば、ポリシランおよびポリシルセスキオキサン)、酢酸塩系ポリマー、ポリ(フマル酸プロピレン)、ポリ(フッ化ビニリデン−三フッ化エチレン)、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸ポリエステル、ポリアミド、ポリカプロラクトン、ポリグリコール酸(または、PGA)、ポリグリコリド、ポリ乳酸(または、PLA)、ポリ乳酸プラスチック、ポリフェニレンビニレン、電気伝導性ポリマー(例えば、ポリアニリン、ポリ(アセチレン)、ポリ(ピロール)、ポリ(チオフェン)、ポリ(p−フェニレンスルフィド)、ポリ(p−フェニレンビニレン)(または、PPV)、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリインドール、ポリピレン、ポリカルバゾール、ポリアズレン、ポリアゼピン、ポリ(フルオレン)、ポリナフタレン、メラニン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(または、PEDOT)、ポリ(スチレンスルホン酸塩)(または、PSS)、PEDOT−PSS、PEDOT−ポリメタクリル酸(または、PEDOT−PMA)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(または、P3HT)、ポリ(3−オクチルチオフェン)(または、P3OT)、ポリ(C−61−酪酸メチルエステル)(または、PCBM)、およびポリ[2−メトキシ−5−(2′ −エチル−ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](または、MEH−PPV))、ポリオレフィン、液晶ポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、コポリエステル、ポリメタクリル酸メチルコポリマー、テトラフルオロエチレン系ポリマー、スルホン化テトラフルオロエチレンコポリマー、アイオノマー、フッ素化アイオノマー、ポリマー電解質膜に対応する、または含まれるポリマー、エタンスルホニルフルオリド系ポリマー、2−[1−[ジフルオロ−[(トリフルオロエチル)オキシ]メチル]−1,2,2,2−トリフルオロエトキシ]−1,1,2,2,−テトラフルオロ−(テトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ−3,6−ジオキサ−4−メチル−7−オクタンスルホン酸コポリマーを伴う)系ポリマー、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブテン、ポリイソプレン、ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリグリコリド、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、フッ化ビニリデン系ポリマー、トリフルオロエチレン系ポリマー、ポリ(フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン)、ポリフェニレンビニレン、銅フタロシアニン系ポリマー、グラフェン、ポリ(フマル酸プロピレン)、セロファン、銅アンモニア系ポリマー、レーヨン、およびバイオポリマー(例えば、酢酸セルロース(または、CA)、酢酸酪酸セルロース(または、CAB)、酢酸プロピオン酸セルロース(または、CAP)、プロピオン酸セルロース(または、CP)、尿素、木、コラーゲン、ケラチン、エラスチン、ニトロセルロース、プラスターチ、セルロイド、竹、生物由来のポリエチレン、カルボジイミド、軟骨、硝酸セルロース、セルロース、キチン、キトサン、結合組織、銅フタロシアニン、綿セルロース、エラスチン、グリコサミノグリカン、リネン、ヒアルロン酸、ニトロセルロース、紙、羊皮紙、プラスターチ、澱粉、澱粉系プラスチック、フッ化ビニリデン、およびビスコース系ポリマー、環状オレフィン系ポリマー(例えば、環状オレフィンポリマーおよびコポリマー)または任意のモノマー、コポリマー、混合物、またはそれらの他の組み合わせから選択されるような、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、エラストマー、またはそれらのコポリマーあるいは他の組み合わせを含むことができる。好適な母材の付加的な実施例は、セラミック、例えば、誘導性または非導電性セラミック(例えば、SiO
2系ガラス、SiO
x系ガラス、TiO
x系ガラス、SiO
x系ガラスの他のチタン、セリウム、マンガン類似体、スピンオンガラス、ゾルゲル処理から形成されたガラス、シラン前駆体、シロキサン前駆体、ケイ酸前駆体、オルトケイ酸テトラエチル、シラン、シロキサン、リンケイ酸塩、スピンオンガラス、ケイ酸塩、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ガラス前駆体、セラミック前駆体、シルセスキオキサン、金属シルセスキオキサン、かご型シルセスキオキサン、ハロシラン、ゾルゲル、シリコン酸素水素化物、シリコーン、スタノキサン、シラチアン、シラザン、ポリシラザン、メタロセン、二塩化チタノセン、二塩化バナドセン、および他の種類のガラス)、伝導性セラミック(例えば、随意に、ドープされ、透明である、伝導性酸化物およびカルコゲン化物、例えば、随意に、ドープされ、透明である、金属酸化物およびカルコゲン化物)、および任意のそれらの組み合わせを含む。好適な母材の付加的実施例は、添加物に好適な材料として前述に列挙された電気的伝導性材料および半導体を含む。母材は、例えば、例えば、n型にドープする、p型にドープする、または非ドープすることができる。好適な母材のさらなる実施例は、ポリマー・セラミック複合材料、ポリマー・木複合材料、ポリマー・炭素複合材料(例えば、Ketjen black、活性炭、カーボンブラック、グラフェン、および他の形態の炭素で形成された)、ポリマー・金属複合材料、ポリマー・酸化物、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、母材の少なくとも一部内の「平面」または「平面状」埋込領域への添加物の閉じ込めは、添加物の位相的不規則の減少、および向上した電気伝導性のための添加物の間の接合部形成の発生の増加につながり得る。埋込領域は「平面的」と呼ばれることもあるが、添加物自体が典型的には3次元であるため、そのような埋込領域は、典型的には、厳密に2次元ではないことが理解されるであろう。むしろ、「平面的」は、相対的な意味で使用することができ、母材のある領域内に添加物の比較的薄いスラブ状の(または、層状の)局所集中を伴い、かつ残りの母材には、ほぼ添加物がない。添加物の局所集中は、非平坦であり得るという意味において、非平面であり得ることに留意されたい。例えば、添加物は、1つ以上の軸に対する曲率によって特徴付けられる、母材の薄領域内に集中され得、残りの母材には、ほぼ添加物がない。また、埋込領域が、添加物の特性寸法よりも大きい(例えば、数倍大きい)厚さを有することができるにもかかわらず、そのような埋込領域を「平面的」と呼ぶことができることが理解されるであろう。一般に、埋込領域は、母材の一方の側面に隣接して、母材の中央に隣接して、または母材の厚さの方向に沿った任意の恣意的な場所に隣接して位置することができ、複数の埋込領域は、相互に隣接して位置することができ、または母材内で相互から離間することができる。各埋込領域は、1つ以上の種類の添加物を含むことができ、埋込領域(同じ母材に位置する)は、異なる種類の添加物を含むことができる。パターン化された透明導体の場合、複数の埋込領域は、一式のより高いシートコンダクタンス部分、一式のより低いシートコンダクタンス部分、または両方を画定するように、パターンに従って、母材にわたって位置することができる。いくつかの実施形態では、(母材の全体を通して無作為とは対照的に)電気伝導性添加物を母材の一式の「平面的」埋込領域に閉じ込めることによって、単位面積あたりの所与の量の添加物に対して、より高い電伝導性を達成することができる。埋込領域に閉じ込められない添加物は、省略することができる、過剰量の添加物を表す。
【0045】
いくつかの実施形態では、透明導体は、埋込表面内に体積あたり約10%(またはそれ以下、例えば、約0.1%)から埋込表面内に体積あたり最大約100%、母材の少なくとも一部内に埋め込まれた、または別様に混入された添加物を有することができ、可変表面積被覆率、例えば、約0.1%表面積被覆率(またはそれ以下、例えば、埋込領域が、全体的に表面の下方にあるとき、または添加物が、母材によって完全に封入されるときは、0%)から最大約99.9%(またはそれ以上)の表面積被覆率で露出された添加物を有することができる。例えば、添加物の全体積に対する、埋込表面より下方に埋め込まれた添加物の体積に関して、少なくとも1つの添加物は、10%から約50%、または約50%から約100%等の約10%から約100%の範囲内の埋込体積パーセントを有することができる(または、添加物の集合が平均埋込体積パーセントを有することができる)。
【0046】
いくつかの実施形態では、透明導体は、使用される添加物の特性寸法よりも大きい(例えば、ナノワイヤについては、個別ナノワイヤの直径またはナノワイヤにわたる平均直径よりも大きい)厚さを伴う埋込領域を有することができ、添加物は、大部分が母材の全体的な厚さ未満の厚さを伴う埋込領域に閉じ込められる。例えば、埋込領域の厚さは、全体的な厚さの約80%以下、約75%以下、約50%以下、約40%以下、約30%以下、約20%以下、約10%以下、または約5%等の、母材の全体的な厚さの約95%以下となり得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、添加物は、使用される添加物の特性寸法に対して(例えば、ナノワイヤについては、個別ナノワイヤの直径またはナノワイヤにわたる平均直径に対して)程度を変化させることによって、母材の少なくとも1つに埋め込むことができる、または別様に混入するこができる。例えば、埋込表面より下方の添加物上の最も遠い埋込点の距離に関して、少なくとも1つの添加物は、特性寸法の約100%を上回る程度まで埋め込むことができ、または特性寸法の少なくとも約5%または約10%、および最大約80%、最大約50%、または最大約25%等の、特性寸法の約100%を超えない程度まで埋め込むことができる。別の実施例として、添加物の集合を、平均して、特性寸法の約100%を上回る程度まで埋め込むことができ、または特性寸法の少なくとも約5%または約10%、および最大約80%、最大約50%、または最大約25%等の、特性寸法の約100%を超えない程度まで埋め込むことができる。理解されるように、添加物が母材に埋め込まれる程度は、埋込表面にわたる高さの変動の程度(例えば、平均高さに対する標準偏差)として測定されるとき等に、埋込表面の粗度に影響を及ぼし得る。いくつかの実施形態では、表面埋込構造の粗度は、部分的埋込添加物の特徴的寸法未満である。
【0048】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの添加物は、約1nmから約50nm、約50nmから100nm、または約100nmから約100ミクロン等の約0.1nmから約1cmで、母材の埋込表面から外へ延在することができる。他の実施形態では、添加物の集合は、平均して、約1nmから約50nm、約50nmから100nm、または約100nmから約100ミクロン等の約0.1nmから約1cm、母材の埋込表面から外へ延在することができる。他の実施形態では、母材の表面積(例えば、埋込表面の面積)の実質的に全体が添加物によって占有される。他の実施形態では、表面積の最大約50%、表面積の最大約25%、表面積の最大約10%、最大約5%、最大約3%、または表面積の最大約1%が添加物によって占有される等、表面積の最大約100%または最大約75%が添加物によって占有される。添加物は、母材の埋込表面から延在する必要はなく、および埋込表面下方に全体的に局在化することができる。表面埋込構造のための添加物の埋込の程度および表面被覆率は、特定の用途に従って、選択することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、ナノワイヤが添加物として使用される場合、埋込流体に影響を及ぼし得る特性および他の望ましい特性は、例えば、ナノワイヤ濃度、密度、または装填レベル;表面積被覆率;ナノワイヤ長;ナノワイヤ直径;ナノワイヤの均一性;材料タイプ;ナノワイヤ配合組成の安定性;ワイヤ−ワイヤ接合部抵抗;母材抵抗;ナノワイヤ伝導性;ナノワイヤの結晶性;および純度を含む。いくつかの実施形態では、低い接合部抵抗および低い体抵抗を伴うナノワイヤの選好があり得る。高い透明性を維持しながら、より高い電気伝導性を取得するために、より細い直径でより長い長さのナノワイヤを使用することができ(例えば、ナノワイヤ接合部形成を促進し、かつ約50から約1,000、または約100から約800等の約50から約2,000の範囲内の比較的大きいアスペクト比を伴って)、銀、銅、および金ナノワイヤ等の金属ナノワイヤを使用することができる。他の実施形態では、ナノワイヤが、薄い場合、そのバルク伝導性は、ワイヤの小断面積のため、低下し得る。したがって、いくつかの実施形態では、より厚い直径のワイヤが、選択され得る。銀ナノワイヤ網等のナノワイヤ網を形成するために、ナノワイヤを添加物として使用することは、いくつかの実施形態に望ましくなり得る。他の金属ナノワイヤ、ITO等の非金属ナノワイヤ、および他の酸化カルコゲニドナノワイヤも使用することができる。可視光学スペクトルエネルギーの外側(例えば、<1.8eVおよび>3.1eV)、またはこの範囲のほぼ付近にある、バンドギャップを伴う半導体から成る添加物は、可視光が、典型的には、バンドエネルギーによって、またはその中の界面トラップによって吸収されないという点で、高い光学透明性を伴う透明導体を作成するために使用することができる。種々のドーパントは、モス・バースタイン効果を介して偏移したフェルミレベルおよびバンドギャップエッジの観点から、これらの前述の半導体の伝導性を調整するために使用することができる。ナノワイヤは、約5%以内で同一(例えば、平均直径または長さに対する標準偏差)、約10%以内で同一、約15%以内で同一、または約20%以内で同一等の、寸法(例えば、直径および長さ)に関して大部分が均一または単分散となり得る。純度は、例えば、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.9%、または少なくとも約99.99%となり得る。ナノワイヤの表面積被覆率は、例えば、最大約100%、約100%未満、最大約75%、最大約50%、最大約25%、最大約10%、最大約5%、最大約3%、または最大約1%となり得る。酸化の結果として、ナノワイヤの表面上に形を成すことができる(または、形成することができる)酸化銀が電気伝導性であるため、銀ナノワイヤは、ある実施形態に特に望ましくなり得る。また、コアシェルナノワイヤ(例えば、金または白金シェルを伴う銀コア)もまた、接合部抵抗を減少させることができる。ナノワイヤは、いくつかのプロセス、例えば、液相合成(例えば、ポリオールプロセス)、気体−液体−固体(「VLS」)合成、電界紡糸プロセス(例えば、ポリビニル系ポリマーおよび硝酸銀を使用し、次いで、形成ガス中でアニールし、焼成する)、懸濁プロセス(例えば、化学エッチングまたはナノ−溶融収縮)等を介して、液相合成されることができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、ナノチューブが添加物として使用される場合に(炭素、金属、金属合金、金属酸化物、または別の材料で形成されるかどうかにかかわらず)、電気伝導性および他の所望の特性に影響を及ぼし得る特性は、例えば、ナノチューブ濃度、密度または装填レベル、表面積被覆率、ナノチューブ長、ナノチューブ内径、ナノチューブ外径、単一壁または多重壁のナノチューブが使用されるかどうか、ナノワイヤの均一性、材料の種類、および純度を含む。いくつかの実施形態では、低い接合部抵抗を伴うナノワイヤの選好があり得る。ディスプレイ等のある素子との関連で低減した散乱のために、カーボンナノチューブ等のナノチューブを、ナノチューブ網を形成するために使用することができる。代替として、または組み合わせて、ナノチューブの使用に対する散乱の同様の低減を達成するために、より小さい直径のナノワイヤを使用することができる。ナノチューブの特性もまた、太陽素子の後方反射体としての機能を果たす、素子層内に混入される時等、光散乱を提供するように選択または調整することができる。ナノチューブは、約5%以内で同一(例えば、平均外/内径または長さに対する標準偏差)、約10%以内で同一、約15%以内で同一、または約20%以内で同一等の、寸法(例えば、外径、内径、および長さ)に関して大部分が均一または単分散となり得る。純度は、例えば、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.9%、または少なくとも約99.99%となり得る。ナノチューブの表面積被覆率は、例えば、最大約100%、約100%未満、最大約75%、最大約50%、最大約25%、最大約10%、最大約5%、最大約3%、または最大約1%となり得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、異なるタイプの高アスペクト比電気的伝導性または半導体添加物(例えば、伝導性ナノワイヤ、ナノチューブ、または両方)の組み合わせは、母材の少なくとも一部内に埋め込まれ、透明であるが、伝導性の構造をもたらすことができる。具体的には、組み合わせは、第1の一式の形態学的特性(例えば、長さ(平均、中央値、または最頻値)、直径(平均、中央値、または最頻値)、アスペクト比(平均、中央値、または最頻値)、またはそれらの組み合わせ)を有する第1の添加物集合と、少なくとも、第1の一式の形態学的特性とある様式で異なる第2の一式の形態学的特性を有する、第2の添加物集合とを含むことができる。各添加物集合は、その個別の一式の形態学的特性の観点から、ほぼ均一または単分散であることができる、例えば、約5%以内で同一(例えば、平均直径、長さ、またはアスペクト比に対する標準偏差)、約10%以内で同一、約15%以内で同一、または約20%以内で同一である。結果として生じる添加物の組み合わせは、二相性または多相性であることができる。例えば、より長くかつより大きい直径のナノワイヤは、より低い浸透限界を助長し、それによって、より低い伝導性材料使用によって、より高い透明性を達成することができる。一方、より短くかつより小さい直径のナノワイヤは、浸透網を通して、光のより低いヘイズおよびより高い透過を助長することができる。しかしながら、より小さい直径のナノワイヤは、同一の材料のより大きい直径ナノワイヤと比較して、より高いオーム抵抗を有し得る。より長くかつより大きい直径ナノワイヤおよびより短くかつより小さい直径ナノワイヤの組み合わせの使用は、ナノワイヤのいずれかの集合の単独の使用と比較して、より高い透明性(例えば、より長いナノワイヤからのより低い浸透限界)、より低いヘイズ(例えば、より小さい直径ナノワイヤからのより低い散乱)、およびより高い伝導性(例えば、より大きい直径ナノワイヤからのより低い抵抗)を含む、種々の要因間の実践的トレードオフを提供する。限定ではなく、比喩として、より長くかつより大きい直径ナノワイヤは、より大きい電流動脈として作用することができる一方、より短くかつより小さい直径ナノワイヤは、より小さい電流毛細管として作用することができる。
【0052】
添加物の種類の数は、所与の素子構成または用途に対して変化させることができると理解されたい。例えば、高い光学透明性および高い電気伝導性をもたらすために、ITOナノ粒子とともに、銀ナノワイヤ、銅ナノワイヤ、および金ナノワイヤのいずれか一方または組み合わせを使用することができる。同様の組み合わせは、例えば、ITOナノワイヤ、ZnOナノワイヤ、ZnOナノ粒子、銀ナノ粒子、金ナノ粒子、SWNT、MWNT、フラーレン系材料(例えば、カーボンナノチューブおよびバッキーボール)、およびITOナノ粒子、および蛍光体のうちの1つ以上とともに、銀ナノワイヤ、銅ナノワイヤ、および金ナノワイヤのいずれか一方または組み合わせを含むことができる。ITOナノ粒子、ナノワイヤ、あるいは導電性酸化物またはセラミックの層(例えば、ITO、アルミニウムドープ酸化亜鉛、あるいは他のタイプのドープまたは非ドープ酸化亜鉛)の使用は、例えば、緩衝層としての機能を果たし、太陽素子、薄膜太陽素子、OLEDディスプレイタイプ素子、OLED発光タイプ素子、または類似素子内で使用するための透明導体の観点から、仕事関数を調節し、他の添加物によって提供される伝導性経路の代わりに、またはそれと組み合わせて、電流が流れるための伝導性経路を提供することによって、付加的機能性を提供することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、添加物は最初に、離散した添加物として提供される。母材に埋め込むと、または少なくとも母材の一部を混入すると、母材は、添加物が「平面的」または「平面状」埋込領域内で整列させられる、または別様に配列されるように、添加物を包む、または囲繞することができる。いくつかの実施形態では、ナノワイヤ、ナノチューブ、マイクロワイヤ、マイクロチューブ、または1よりも大きいアスペクト比を伴う他の添加物等の添加物の場合について、添加物は、それらの縦または長手方向軸が、水平面、または埋込表面の平面に対応する、あるいはそれと平行な別の平面に対して一連の角度内に大部分が閉じ込められるように、整列させられる。例えば、添加物は、それらの縦または長手方向軸が、平均して、約−35°から約+35°、約−25°から約+25°、約−15°から約+15°、約−5°から約+5°、約−1°から約+1°、約−0.1°から約+0.1°、または約−0.01°から約+0.01°等、水平面に対して約−45°から約+45°の範囲に閉じ込められるように、延在および整列させることができる。換言すると、添加物の長手方向軸は、θ<SIN
−1(t/L)となるように閉じ込められ得る(式中、L=添加物の長さ、t=母材の厚さ、およびθは、埋込表面に対応する水平面に対する角度。本実施例では、添加物の殆どが、または実質的にいずれも、水平面に対して約−45°から約+45°の範囲の外側に配向された、それらの縦または長手方向軸を有することができない。埋込領域内において、隣接する添加物が、いくつかの実施形態では、相互に接触することができる。そのような接触は、所望の透明性のために比較的低い表面積被覆率を維持しながら、より長いアスペクト比の添加物を使用して向上させることができる。いくつかの実施形態では、ナノワイヤ、ナノ粒子、マイクロワイヤ、およびマイクロ粒子等の添加物の間の接触は、約50℃、約125℃、約150℃、約175℃、または約200℃の、あるいは約50℃から約125℃、約100℃から約125℃、約125℃から約150℃、約150℃から約175℃、または約175℃から約200℃の範囲内の温度での低温焼結、フラッシュ焼結、添加物上の堆積物を成長させ、添加物をともに融合させるための酸化還元反応の使用を通した焼結、またはそれらの任意の組み合わせ等の、圧力(例えば、カレンダープレス製法)焼結または焼鈍を通して増加させることができる。例えば、銀または金添加物の場合、添加物を隣接する添加物と融合させるように、銀イオンまたは金イオンを添加物上に堆積させることができる。約200℃またはそれ以上の温度での高温焼結も検討される。また、電荷トンネリングまたはホッピングが、実際の接触がない場合に十分な電気伝導性を提供する、または母材あるいは母材の上部のコーティング自体が電気的伝導性または半導体であってもよい、ある用途および素子に、接触が殆どまたは全く必要とされないことも検討される。そのような用途および素子は、最大約10
6Ω/sq以上のシート抵抗で動作することができる。個々の添加物は、電子移動のために電気および量子障壁によって分離することができる。
【0054】
本明細書に説明される透明導体は、非常に耐久性があり得る。いくつかの実施形態では、そのような耐久性は、剛性および堅牢性と組み合わせ、他の実施形態では、そのような耐久性は、他の物理的作用の中でもとりわけ、撓曲、圧延、屈曲、および折畳される能力と組み合わせて、例えば、約50%を超えない、約40%を超えない、約30%を超えない、約20%を超えない、約15%を超えない、約10%を超えない、約5%を超えない、約3%を超えない、または実質的に、無透過率減少、および約50%を超えない、約40%を超えない、約30%を超えない、約20%を超えない、約15%を超えない、約10%を超えない、約5%を超えない、約3%を超えない、または実質的に、無抵抗(例えば、表面またはシート抵抗)増加を伴う。いくつかの実施形態では、透明導体は、コーティング産業において使用されるコーティングの接着性の標準的試験(例えば、Scotch Tape Test)に耐えることができ、実質的に、無減少、または約5%を超えない減少、約10%を超えない減少、約15%を超えない減少、約20%を超えない減少、約30%を超えない減少、約40%を超えない減少、または約50%を超えない観察された透過率の減少をもたらし、実質的に、無増加、または約5%を超えない増加、約10%を超えない増加、約15%を超えない増加、約20%を超えない増加、約30%を超えない増加、約40%を超えない増加、または約50%を超えない観察された抵抗(例えば、シート抵抗)の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、透明導体はまた、摩擦、擦過、屈曲、物理的摩耗、熱サイクリング、(例えば、最大(または、少なくとも)約600oC、最大(または、少なくとも)約550oC、最大(または、少なくとも)約500oC、最大(または、少なくとも)約450oC、または最大(または、少なくとも)約400oCの温度への暴露)、化学暴露、加速寿命試験(「ALT」)、および湿度サイク
リングに耐えることができ、実質的に、無減少、約50%を超えない減少、約40%を超えない減少、約30%を超えない減少、約20%を超えない減少、約15%を超えない減少、約10%を超えない減少、約5%を超えない減少、または約3%を超えない減少の観察された透過率、および実質的に、無増加、約50%を超えない増加、約40%を超えない増加、約30%を超えない増加、約20%を超えない増加、約15%を超えない増加、約10%を超えない増加、約5%を超えない増加、または約3%を超えない増加の観察された抵抗(例えば、シート抵抗)を伴う。この増進した耐久性は、添加物が母材の分子鎖または他の構成要素によって母材の内側で物理的または化学的に保持されるように、少なくとも母材の一部内の添加物の埋込または混入をもたらすことができる。場合によっては、伝導性を増加させるように屈曲または押圧を観察することができる。
【0055】
種々の標準的試験は、例えば、摩耗抵抗の観点から、耐久性を測定するために使用されることができる。とりわけ、そのような試験の1つは、ASTM−F735−06 Standard Test Method for Abrasion Resistance of Transparent Plastics and Coatings Using the Oscillating Sand Methodである。使用され得る別の試験は、ASTM D 1044−08 Standard Test Method for Resistance of Transparent Plastics to Surface Abrasionである。さらに別の可能性として考えられる標準的試験は、ASTM D4060−10 Standard Test Method for Abrasion Resistance of Organic Coatings by the Taber Abraserである。使用され得る付加的標準的試験は、例えば、ASTM D3363−05(2011)e1 Standard Test Method for Film Hardness by Pencil Test、 ASTM E384,ASTM E10,ASTM B277−95 Standard Test Method for Hardness of Electrical Contact Materials、およびASTM D2583−06 Standard Test Method for Indentation Hardness of Rigid Plastics by Means of
a Barcol Impressor等の硬質試験を含む。これらの試験のさらなる詳細は、ASTM International(WestConshohocken,
Pennsylvania)から利用可能である。他の標準化プロトコルは、ISO 15184、JIS K−5600、ECCA−T4−1、BS 3900−E19、SNV 37113、SIS 184187、NCN 5350、およびMIL C27227を含む。
【0056】
別の一式の試験は、ALT条件下で信頼性を測定および評価するために使用されることができる。いくつかの産業基準は、乾式加熱(例えば、85°C/乾燥)、湿式加熱(例えば、60°C/90%相対湿度、または85°C/85°相対湿度)、乾式冷却(例えば、−30°C/乾燥)、熱ショック(例えば、それぞれ30分間、80°C←→40°Cサイクル)を含む。これらのALT条件は、数時間、数日、数週間、または数ヶ月にわたって実施されることができ、試料は、それらの条件に、長時間または数サイクルの間、暴露される。本明細書に開示される透明導体のある実施形態では、シート抵抗、透明性、および/またはヘイズの変化は、+/−50%、他の場合には、+/−25%、他の場合には、+/−10%、および他の場合には、+/−5%以下内で制御される。
【0057】
透明導体のいくつかの実施形態の別の側面は、より少ない量の添加物を使用して、電気的浸透限界を取得できることである。換言すると、より少ない添加物材料を使用して、電気伝導性を取得することができ、それによって、添加物材料および関連費用を節約し、透明性を増加させる。理解されるように、1つの添加物から別の添加物への電荷の浸出を可能にするように十分な量の添加物が存在する時、電気的浸透限界に典型的に到達し、それによって、添加物網の少なくとも一部分を横断する伝導性経路を提供する。いくつかの実施形態では、電気的浸透限界は、添加物の装填レベルと対比した抵抗の対数プロットの傾斜の変化を介して観察することができる。いくつかの実施形態では、添加物の大部分が「平面的」または「平面状」埋込領域に閉じ込められるため、より少ない量の添加物材料を使用することができ、それによって、位相的不規則を大幅に低減し、添加物間(例えば、ナノワイヤ間またはナノチューブ間)接合部形成のより高い確率をもたらす。換言すると、母材の厚さを通して分散させられるのとは対照的に、添加物が少なくとも母材の一部の中の薄い埋込領域に閉じ込められるため、添加物が相互接続して接合点を形成する確率を大幅に増加させることができる。換言すると、母材の厚さを通して分散させられるのとは対照的に、添加物が母材の中の薄い埋込領域に閉じ込められるため、添加物が相互接続して接合点を形成する確率を大幅に増加させることができる。より少ない量の添加物材料もまた、母材自体が、電気的伝導性または半導体である実施形態で使用されることができる。いくつかの実施形態では、電気的浸透限界は、銀ナノワイヤ等のある添加物について、約0.01μg/cm
2から約100μg/cm
2、約10μg/cm
2から約100μg/cm
2、0.01μg/cm
2から約0.4μg/cm
2、約0.5μg/cm
2から約5μg/cm
2、または約0.8μg/cm
2から約3μg/cm
2等の、約0.001μg/cm
2から約100μg/cm
2(または、それ以上)の範囲内の添加物の装填レベルで取得することができる。これらの装填レベルは、添加物の寸法、材料の種類、空間分散、および他の特性に従って変化させることができる。
【0058】
加えて、疎らな2次元伝導網の効果的な材料特性を示すものから、3次元伝導バルク材料の効果的な特性を示すものへの薄い層の遷移を表す、パラメータである、網状組織からバルクへの遷移を達成するために、より少ない量の添加物を使用することができる(例えば、埋込領域の厚さによって証明されるように)。「平面的」または「平面状」埋込領域へ添加物を閉じ込めることによって、より低いシート抵抗が、具体的レベルの透過率で達成されることができる。さらに、いくつかの実施形態では、添加物が混合される別個のコーティングまたは他の二次材料と関連付けられる界面欠陥の低減または排除により、担体再結合を低減することができる。
【0059】
これらの利点をさらに詳しく説明するために、位相的不規則によって、または接触抵抗によって、添加物網を特徴付けることができる。位相的に、添加物の臨界密度を上回って、かつ添加物・添加物(例えば、ナノワイヤ・ナノワイヤ、ナノチューブ・ナノチューブ、またはナノチューブ・ナノワイヤ)接合点の臨界密度を上回って、電流は、ソースからドレインまで容易に流れることができる。「平面的」または「平面状」添加物網は、添加物の特性寸法(例えば、ナノワイヤについては、個別ナノワイヤの直径またはナノワイヤにわたる平均直径)に関して表される、低減した厚さを伴う網状組織からバルクへの遷移を達成することができる。例えば、埋込領域は、特性寸法の最大約10倍(またはそれ以上)、例えば、特性寸法の最大約9倍、最大約8倍、最大約7倍、最大約6倍、最大約5倍、最大約4倍、最大約3倍、または最大約2倍、および特性寸法の約0.05、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、または約0.5倍までの厚さを有することができ、素子がより薄くなる一方、光学透明性および電気伝導性を増加させることができる。したがって、本明細書で説明される透明導体は、いくつかの実施形態では、(nm単位)dという特性寸法を有する局在化添加物である、(nm単位)最大約n×dの厚さを伴う埋込領域を提供し、n=2、3、4、5、またはそれ以上である。
【0060】
透明導体のいくつかの実施形態の別の利点は、所与のレベルの電気伝導性について、透明導体が、より高い透明性をもたらすことができることである。これは、添加物の所与の加重レベルについて、添加物・添加物接合点の効率的な形成の観点から、電気的伝導性または半導体である母材自体の使用の観点から、または両方の観点から、そのレベルの電気伝導性を取得するために、より少ない添加物材料を使用することができるためである。理解されるように、(例えば、膜の形態である)薄い伝導性材料の透過率は、薄膜に対する以下の近似的関係によって求められるように、そのシート抵抗R
□および光波長の関数として表すことができる。
【化1】
式中、σ
Opおよびσ
DCは、それぞれ、材料の光学およびDC伝導性である。いくつかの実施形態では、可撓性透明基板に表面埋込または別様に混入された銀ナノワイヤ網は、約3.2Ω/sqまたは約0.2Ω/sqほども低い、またはそれよりもさらに低いシート抵抗を有することができる。他の実施形態では、透明導体は、ヒトの視覚または測光加重透過率T(例えば、約350nmから約700nm)に対して最大約85%(またはそれ以上)、および約20Ω/sqほども低いシート抵抗(またはそれ以下)に到達することができる。なおも他の実施形態では、≧85%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%、および最大約97%、約98%、またはそれ以上)のヒトの視覚透過率時、≦10Ω/sqのシート抵抗が、透明導体によって取得されることができる。透過率は、光波長の他の範囲、例えば、可視光範囲内、例えば、約550nmの所与の波長または波長の範囲における透過率、太陽束加重透過率、赤外線範囲内の所与の波長または波長の範囲における透過率、および紫外線範囲内の所与の波長または波長の範囲における透過率と比較しても測定されることができることを理解されるであろう。また、透過率は基板(存在する場合)(例えば、透過率値は、添加物を含む母材の下方の下層基板からの透過率損失を含まないであろう)と比較して測定されることもできる、または空気と比較して測定されることもできる(例えば、透過率値は、下層基板からの透過率損失を含むであろう)ことを理解されるであろう。本明細書で別様に規定されない限り、透過率値は、基板(存在する場合)に対して指定されるが、空気に対して測定されるとき、(いくぶん高い値を伴うが)類似透過率値も検討される。また、また、透過率または別の光学特性が、上塗り、例えば、光学的にクリアな接着剤(存在する場合)と比較して測定されることもできる(例えば、透過率値は、添加物を含む母材に重層する上塗りからの透過率損失を含まないであろう)、または空気と比較して測定されることもできる(例えば、透過率値は、重層する上塗りからの透過率損失を含むであろう)ことを理解されるであろう。本明細書で別様に規定されない限り、光学特性の値は、重層する上塗り(存在する場合)に対して指定されるが、空気に対して測定されるとき、類似値も検討される。いくつかの実施形態について、透明導体のDC対光学伝導性比は、少なくとも約100、少なくとも約115、少なくとも約300、少なくとも約400、または少なくとも約500、最大約600、最大約800、あるいはそれ以上となり得る。
【0061】
ある透明導体は、約1nmから約100nm、約10nmから約80nm、約20nmから約80nm、または約25nmから約45nmの範囲内の平均直径、および約50nmから約1,000μm、約50nmから約500μm、約100nmから約100μm、約500nmから50μm、約5μmから約50μm、約20μmから約150μm、約5μmから約35μm、約25μmから約80μm、約25μmから約50μm、または約25μmから約40μmの範囲内の平均長のナノワイヤ(例えば、銀ナノワイヤ)の添加物を含むことができる。埋込領域の上部は、埋込表面より約0.0001 nmから約100μm下方、埋込表面より約0.01nmから約100μm下方、埋込表面より約0.1nmまたは100μm下方、埋込表面より約0.1nmから約5μm下方、埋込表面より約0.1nmから約3μm下方、埋込表面より約0.1nmから約1μm下方、または埋込表面より約0.1nmから約500nm下方等の、母材の上部埋込表面より約0nmから約100μm下方に位置することができる。母材に埋め込まれたナノワイヤは、体積あたり約0%から最大約90%、最大約95%、または体積あたり最大約99%、埋込表面から突出することができる。例えば、ナノワイヤの全体積に対して埋込表面より上方に露出されたナノワイヤの体積に関して、少なくとも1本のナノワイヤは、最大約1%、最大約5%、最大約20%、最大約50%、または最大約75%あるいは約95%の露出体積パーセントを有することができる(または、ナノワイヤの集合が平均露出体積パーセントを有することができる)。約85%以上の透過率(例えば、ヒトの視覚透過率または光波長の別の範囲で測定される透過率)で、シート抵抗は、約500Ω/sq以下、約400Ω/sq以下、約350Ω/sq以下、約300Ω/sq以下、約200Ω/sq以下、約100Ω/sq以下、約75Ω/sq以下、約50Ω/sq以下、約25Ω/sq以下、約20Ω/sq以下、約15Ω/sq以下、約10Ω/sq以下、および約1Ω/sqまたは約0.1Ω/sqまで、あるいはそれ以下となり得る。約90%以上の透過率で、シート抵抗は、約500Ω/sq以下、約400Ω/sq以下、約350Ω/sq以下、約300Ω/sq以下、約200Ω/sq以下、約100Ω/sq以下、約75Ω/sq以下、約50Ω/sq以下、約25Ω/sq以下、約20Ω/sq以下、約15Ω/sq以下、約10Ω/sq以下、約1Ω/sqまで、またはそれ以下となり得る。
【0062】
ある透明導体は、約1nmから約100nm、約1nmから約10nm、約10nmから約50nm、約10nmから約80nm、約20nmから約80nm、または約40nmから約60nmの範囲内の平均外径、および約50nmから約100μm、約100nmから約100μm、約500nmから50μm、約5μmから約50μm、約5μmから約35μm、約25μmから約80μm、約25μmから約50μm、または約25μmから約40μmの範囲内の平均長のMWCNTおよびSWCNTのいずれか一方または両方のナノチューブの添加物を含むことができる。埋込領域の上部は、埋込表面より約0.01nmから100μm下方、埋込表面より約0.1nmから約100μm下方、埋込表面より約0.1nmから約5μm下方、埋込表面より約0.1nmから約3μm下方、埋込表面より約0.1nmから約1μm下方、または埋込表面より約0.1nmから約500nm下方等の、母材の上部埋込表面より約0nmから約100μm下方に位置することができる。母材に埋め込まれたナノチューブは、体積あたり約0%から最大約90%、最大約95%、または体積あたり最大約99%、埋込表面から突出することができる。例えば、(例えば、ナノチューブの外径に対して画定されるような)ナノチューブの全体積に対して埋込表面より上側に露出されたナノチューブの体積に関して、少なくとも1本のナノチューブは、最大約1%、最大約5%、最大約20%、最大約50%、または最大約75%あるいは約95%の露出体積パーセントを有することができる(または、ナノチューブの集合が平均露出体積パーセントを有することができる)。約85%以上の透過率(例えば、ヒトの視覚透過率または光波長の別の範囲で測定される透過率)で、シート抵抗は、約500Ω/sq以下、約400Ω/sq以下、約350Ω/sq以下、約300Ω/sq以下、約200Ω/sq以下、約100Ω/sq以下、約75Ω/sq以下、約50Ω/sq以下、約25Ω/sq以下、約20Ω/sq以下、約15Ω/sq以下、約10Ω/sq以下、および約1Ω/sqまで、またはそれ以下となり得る。約90%以上の透過率で、シート抵抗は、約500Ω/sq以下、約400Ω/sq以下、約350Ω/sq以下、約300Ω/sq以下、約200Ω/sq以下、約100Ω/sq以下、約75Ω/sq以下、約50Ω/sq以下、約25Ω/sq以下、約20Ω/sq以下、約15Ω/sq以下、約10Ω/sq以下、約1Ω/sqまたは約0.1Ω/sqまで、またはそれ以下となり得る。
【0063】
パターン化された透明導体の場合、複数の埋込領域が、パターンに従って、単一母材にわたって、または複数の母材にわたって位置することができる。表面埋込の性質および広がりに関する本明細書に記載される特性および範囲は、概して、複数の埋込領域にわたって適用することができるが、表面埋込の特定の性質および広がりは、埋込領域にわたって変動し、電気伝導性における空間的可変コントラストを生成することができる。
【0064】
表面埋込プロセス
本明細書に説明される透明導体は、添加物が、種々の母材内に耐久的に混入される、高度に拡張可能で、迅速、かつ低コストの方式で実施され得る製造方法に従って、形成されることができる。製造方法のいくつかの実施形態は、概して、以下の2つのカテゴリに分類することができる:(1)表面埋込添加物を伴う母材をもたらすために、乾燥組成物の中へ添加物を表面に埋め込むステップ、および(2)表面埋込添加物を伴う母材をもたらすために、湿潤組成物の中へ添加物を表面に埋め込むステップ。そのような分類は、提示を容易にするためであり、「乾燥」および「湿潤」は、相対的な用語(例えば、様々な程度の乾燥または湿潤を伴う)と見なすことができ、製造方法は、完全な「乾燥」または完全な「湿潤」の間に及ぶ連続体に適用できることが理解されるであろう。したがって、1つのカテゴリ(例えば、乾燥組成物)に関して説明される処理条件および材料はまた、別のカテゴリ(例えば、湿潤組成物)に関して適用することもでき、その逆も同様である。また、湿潤組成物が乾燥させられる、または別様に乾燥組成物に変換され、その後に、表面埋込添加物を伴う母材をもたらすための乾燥組成物の中への添加物の表面埋込が続く場合等に、2つのカテゴリのハイブリッドまたは組み合わせが検討されることも理解されるであろう。さらに、「乾燥」および「湿潤」は、時として、含水量のレベルまたは溶媒含有量のレベルを指してもよいが、「乾燥」および「湿潤」はまた、架橋結合または重合の程度等の、他の場合における組成の別の特性を指してもよいことが理解されるであろう。
【0065】
本発明の実施形態による、乾燥組成物に添加物を表面埋込するための製造方法例を例証する、
図2Aおよび
図2Bに、最初に注意を向ける。
【0066】
概観として、例証される実施形態は、添加物が、乾燥組成物に埋め込まれることを可能にするように、埋込流体の適用を伴う。一般に、埋込流体は、溶解、反応、軟化、溶媒和、膨張、またはそれらの任意の組み合わせ等によって、乾燥組成物の状態を可逆的に改変する機能を果たし、それによって、乾燥組成物の中への添加物の埋込を促進する。例えば、埋込流体は、ポリマー用の効果的な溶媒として作用するように特別に処方することができる一方で、おそらくまた、埋込流体の中で添加物を懸濁させるのに役立つように、安定剤(例えば、分散剤)で修飾される。埋込流体はまた、曇り、ひび割れ、および白化等の溶媒/ポリマー相互作用に関する問題を低減または排除するように特別に処方することができる。埋込流体は、低費用であり、揮発性有機化合物(「VOC」)を含まない、VOC免除または低VOCである、有害大気汚染物質(「HAP」)を含まない、非オゾン層破壊物質(「非ODS」)である、低または不揮発性である、および低有害性または無害であるように最適化される、溶媒または溶媒混合物を含むことができる。別の実施例として、乾燥組成物は、セラミック、あるいはゲルまたは半固体の形態であるセラミック前駆体を含むことができ、埋込流体の適用は、流体で孔を充填することによって、部分的に凝集していないオリゴマーまたはポリマー鎖の伸長によって、または両方によって、ゲルを膨張させることができる。さらなる実施例として、乾燥組成物は、セラミック、あるいはケイ酸ナトリウムまたは別のアルカリ金属ケイ酸塩等のイオン性ポリマーの形態であるセラミック前駆体を含むことができ、埋込流体の適用は、イオン性ポリマーの少なくとも一部分を溶解させて、添加物の埋込を可能にすることができる。次いで、添加物の埋込の後には、軟化または膨張した組成の状態での硬化または他の変化が続き、その中に埋め込まれた添加物を有する母材をもたらす。例えば、軟化または膨張した組成は、周囲条件への暴露によって、あるいは軟化または膨張した組成を冷却することによって硬化させることができる。他の実施形態では、軟化または膨張した組成は、埋込流体(あるいは存在する他の液体または液相)の少なくとも一部分を蒸発させる、または別様に除去すること、空気流を印加すること、真空を印加すること、またはそれらの任意の組み合わせによって硬化させられる。セラミック前駆体の場合、セラミック前駆体がガラスまたは他のセラミックに変換されるように、埋込の後に硬化を行うことができる。特定の用途に応じて、硬化を省略することができる。特定のセラミック前駆体(例えば、シラン)に応じて、種々の程度の硬化、あるいは完全に反応した、あるいは完全に形成されたガラスへの変換を達成するように、より多く、または少ない熱を伴うことができる。
【0067】
図2Aを参照すると、乾燥組成物200が、シート、膜、または他の好適な形態で提供されることができる。乾燥組成物200は、母材に対応することができ、具体的には、好適な母材として以前に記載された任意の材料を含むことができる。また、乾燥組成物200は、乾燥、硬化、架橋結合、重合、またはそれらの任意の組み合わせ等の好適な処理によって母材に変換することができる、母材前駆体に対応できることも検討される。いくつかの実施形態では、乾燥組成物200は、固相ならびに液相を伴う材料を含むことができ、または少なくとも部分的に固体である、あるいは半固体、ゲル、および同等物等の固体の特性に似た特性を有する材料を含むことができる。次に、
図2Aを参照すると、添加物202および埋込流体204が、乾燥組成物200に適用される。添加物202は、溶液中にあり得る、または埋込流体204の中で別様に分散させることができ、1ステップ埋込を介して乾燥組成物200に同時に適用することができる。代替として、添加物202は、埋込流体200が乾燥組成物204を処理する前、間、または後に、乾燥組成物200に別々に適用することができる。添加物202および埋込流体204の別個の適用を伴う埋込は、2ステップ埋込と称され得る。続いて、結果として生じる母材206は、母材206の表面に部分的または完全に埋め込まれた添加物202のうちの少なくともいくつかを有する。随意に、軟化または膨張した組成物200を母材206に変換するように、好適な処理を行うことができる。素子組立の間、埋込添加物202を伴う母材206は、隣接する素子層に積層または別様に接続することができる、あるいは基板としての機能を果たすことができ、その上に、隣接する素子層が、形成、積層、または別様に適用される。
【0068】
パターン化された透明導体の場合、
図2Aに従う表面埋込は、概して、乾燥組成物200にわたって、均一に実施された後、空間的に選択的または可変処理を行い、母材206にわたって、より高いコンダクタンスおよびより低いコンダクタンス部分をもたらすことができる。代替として、または併用して、
図2Aに従う表面埋込は、例えば、空間的に選択的または可変様式において、添加物202を適用することによって、空間的に選択的または可変様式において、埋込流体204を適用することによって、または両方によって、空間的に選択的または可変様式で実施されることができる。
【0069】
図2Bは、
図2Aと同様のプロセスの流れであるが、基板210上に配置されるコーティングまたは層の形態で提供された乾燥組成物208を伴う。乾燥組成物208は、母材に対応することができ、あるいは、乾燥、硬化、架橋結合、重合、またはそれらの任意の組み合わせ等の好適な処理によって母材に変換し得る、母材前駆体に対応することができる。乾燥組成物208の他の特性は、
図2Aを参照して上記で説明されるものと同様となり得、以下で繰り返されない。
図2Bを参照すると、基板210は、透明または不透明であることができ、可撓性または剛性であることができ、かつ、例えば、ポリマー、アイオノマー、被覆ポリマー(例えば、PMMAハードコートを伴うPET膜)、エチレン酢酸ビニル(または、EVA)、環状オレフィンポリマー(または、COP)、環状オレフィンコポリマー(または、COC)、ポリビニルブチラール(または、PVB)、熱可塑性オレフィン(または、TPO)、熱可塑性ポリウレタン(または、TPU)、ポリエチレン(または、PE)、テレフタル酸ポリエチレン(または、PET)、テレフタル酸ポリエチレングリコール(または、PETG)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(または、PVC)、ポリプロピレン(または、PP)、アクリル系ポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(または、ABS)、セラミック、ガラス、シリコン、金属(例えば、ステンレス鋼またはアルミニウム)、または任意のそれらの組み合わせ、ならびに好適な母材として前述に列挙された任意の他の材料から成ることができる。基板210は、一時的基板としての機能を果たすことができ、続いて、素子組立の間、除去される、あるいは素子の層または他の構成要素として、結果として生じる素子内に保定することができる。次に、添加物212および埋込流体214は、乾燥組成物208に適用することができる。添加物212は、溶液中にあり得る、または埋込流体214の中で別様に分散させることができ、1ステップ埋込を介して乾燥組成物208に同時に適用することができる。代替として、添加物212は、埋込流体214が乾燥組成物208を処理する前、間、または後に、乾燥組成物208に別々に適用することができる。前述のように、添加物212および埋込流体214の別個の適用を伴う埋込は、2ステップ埋込と称され得る。続いて、結果として生じる母材216(基板210の上部に配置される)は、部分的または完全に、母材216の表面内に埋め込まれた添加物212の少なくとも一部を有する。随意に、軟化または膨張した組成208を母材216に変換するように、好適な処理を行うことができる。素子組立の間、埋込添加物212を伴う母材216は、隣接する素子層に積層または別様に接続することができる、あるいは基板としての機能を果たすことができ、その上に、隣接する素子層が、形成、積層、または別様に適用される。
【0070】
パターン化された透明導体の場合、
図2Bに従う表面埋込は、概して、乾燥組成物208にわたって、均一に実施された後、空間的に選択的または可変処理を行い、母材216にわたって、より高いコンダクタンスおよびより低いコンダクタンス部分をもたらすことができる。代替として、または併用して、
図2Bに従う表面埋込は、例えば、空間的に選択的または可変様式において、基板210にわたって、乾燥組成物208を配置または形成することによって、空間的に選択的または可変様式において、乾燥組成物208および基板210の一方または両方にわたって、添加物212を適用することによって、空間的に選択的または可変様式において、乾燥組成物208および基板210の一方または両方にわたって、埋込流体214を適用することによって、あるいは任意のそれらの組み合わせによって、空間的に選択的または可変様式において実施されることができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、添加物は、埋込流体の中で分散させられ、または別個の担体流体の中で分散させられ、乾燥組成物に別々に適用される。分散は、混合すること、フライス加工、超音波で分解すること、震盪させること、(例えば、手首動作震盪、回転震盪)、渦を発生させること、振動させること、流動させること、添加物の表面を化学的に修飾すること、流体を化学的に修飾すること、流体の粘度を増加させること、分散または懸濁剤を流体に添加すること、安定剤を流体に添加すること、流体の極性を変化させること、流体の水素結合を変化させること、流体のpHを変化させること、または所望の分散を達成するように添加物を別様に処理することによって、達成することができる。分散は、均一または不均一となり得、安定または不安定となり得る。担体流体は、埋込流体(例えば、付加的な埋込流体)としての機能を果たすことができ、または埋込流体と同様の特性を有することができる。他の実施形態では、担体流体は、添加物を搬送または運搬する輸送媒体としての機能を果たすことができるが、そうでなければ、添加物および乾燥組成物に対して実質的に不活性である。
【0072】
流体(例えば、埋込流体および担体流体)は、液体、ガス、または超臨界流体を含むことができる。異なる種類の流体の組み合わせも好適である。流体は、1つ以上の溶媒を含むことができる。例えば、流体は、水、イオン性またはイオン含有溶液、イオン性液体、有機溶媒(例えば、極性有機溶媒、非極性有機溶媒、非プロトン性溶媒、プロトン性溶媒、極性非プロトン性溶媒、または極性プロトン性溶媒)、無機溶媒、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。油も好適な流体と見なすことができる。塩、界面活性剤、分散剤、安定剤、ポリマー、モノマー、オリゴマー、架橋剤、重合剤、酸、塩基、または結合剤も流体に含むことができる。
【0073】
好適な有機溶媒の実施例は、2−メチルテトラヒドロフラン、塩化炭化水素、フッ化炭化水素、ケトン、パラフィン、アセトアルデヒド、酢酸、無水酢酸、アセトン、アセトニトリル、アルキン、オレフィン、アニリン、ベンゼン、ベンゾニトリル、ベンゾニトリル、ベンジルアルコール、ベンジルエーテル、ブタノール、ブタノン、酢酸ブチル、ブチルエーテル、ギ酸ブチル、ブチルアルデヒド、酪酸、ブチロニトリル、二硫化炭素、四塩化炭素、クロロベンゼン、クロロブタン、クロロホルム、脂環式炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、シクロペンチルメチルエーテル、ジアセトンアルコール、ジクロロエタン、ジクロロメタン、炭酸ジエチル、ジエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジグリム、ジ−イソプロピルアミン、ジメトキシエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアミン、ジメチルブタン、ジメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、ドデカフルオロ−1−ヘプタノール、エタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、プロピオン酸エチル、二酸化エチレン、エチレングリコール、ホルムアミド、ギ酸、グリセリン、ヘプタン、ヘキサフルオロイソプロパノール(または、HFIP)、ヘキサメチルホスホルアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ヘキサン、ヘキサノン、過酸化水素、次亜塩素酸塩、i−酢酸ブチル、i−ブチルアルコール、i−ギ酸ブチル、i−ブチルアミン、i−オクタン、i−酢酸プロピル、i−プロピルエーテル、イソプロパノール、イソプロピルアミン、ケトンペルオキシド、メタノールおよび塩化カルシウム溶液、メタノール、メトキシエタノール、酢酸メチル、メチルエチルケトン(または、MEK)、ギ酸メチル、n−酪酸メチル、メチルn−プロピルケトン、メチルt−ブチルエーテル、塩化メチレン、メチレン、メチルヘキサン、メチルペンタン、鉱油、m−キシレン、n−ブタノール、n−デカン、n−ヘキサン、ニトロベンゼン、ニトロエタン、ニトロメタン、ニトロプロパン、2−N−メチル−2−ピロリジノン、n−プロパノール、オクタフルオロ−1−ペンタノール、オクタン、ペンタン、ペンタノン、石油エーテル、フェノール、プロパノール、プロピオンアルデヒド、プロピオン酸、プロピオニトリル、酢酸プロピル、プロピルエーテル、ギ酸プロピル、プロピルアミン、プロピレングリコール、p−キシレン、ピリジン、ピロリジン、t−ブタノール、t−ブチルアルコール、t−ブチルメチルエーテル、テトラクロロエタン、テトラフルオロプロパノール(または、TFP)、テトラヒドロフラン(または、THF)、テトラヒドロナフタレン、トルエン、トリエチルアミン、トリフルオロ酢酸、トリフルオロエタノール(または、TFE)、トリフルオロプロパノール、トリメチルブタン、トリメチルヘキサン、トリメチルペンタン、バレロニトリル、キシレン、キシレノール、またはそれらの任意の組み合わせを含む。1から10の炭素原子(すなわち、C
1−C
10アルコール、例えば、C
1−C
6アルコール)を含むアルコールは、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−プロパノール、 2−2−ジメチル−1−プロパノール、1−ヘキサノール、ならびに組み合わせ、官能化形態、およびそれらの他の流体(例えば、水)との混合物が好適であると見なされることができる。アルコールは、第1級アルコール(例えば、n−プロピルアルコール、イソブチルアルコール)、第2級アルコール(例えば、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール)、第3級アルコール(例えば、tert−アミルアルコール)、または任意のそれらの組み合わせを含む。好適なアルコールの他の実施例は、一価アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールアルコール、ブチルアルコール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサデカン−1−オール、アミルアルコール、セチルアルコール)、多価アルコール(例えば、エチレングリコール、グリセリン、ブタン−1,2,3,4−テトラール、エリトリトール、ペンタン−1,2,3,4,5−ペントール、キシリトール、ヘキサン−1,2,3,4,5,6−ヘキサオール、マンニトール、ソルビトール、ヘプタン−1,2,3,4,5,6,7−ヘプトル、ボレミトール)、不飽和脂肪族アルコール(例えば、プロパ−2−エン−1−オール、アリールアルコール、3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエン−1−オール、ゲラニオール、プロパ−2−イン−1−オール、プロパギルアルコール)、脂環式アルコール(例えば、シクロヘキサン−12,3,4,5,6−ヘキサオール、イノシトール、2−(2−プロピル)−5−メチル−シクロヘキサン−1−オール、メントール)、ならびに組み合わせ、官能化形態、およびそれらの他の流体(例えば、水)との混合物を含む。
【0074】
好適な無機溶媒は、例えば、水、アンモニア、水酸化ナトリウム、二酸化硫黄、塩化スルフリル、塩化フッ化スルフリル、塩化ホスホリル、三臭化リン、四酸化二窒素、三塩化アンチモン、五フッ化臭素、フッ化水素、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0075】
好適なイオン性溶液は、例えば、塩化コリン、尿素、マロン酸、フェノール、グリセロール、1−アルキル−3−メチルイミダゾリウム、1−アルキルピリジニウム、N−メチル−N−アルキルピロリジニウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム六フッ化リン酸塩、アンモニウム、コリン、イミダゾリウム、ホスホニウム、ピラゾリウム、ピリジニウム、ピリジニウム、スルホニウム、1−エチル−1−メチルピペリジニウム炭酸メチル、4−エチル−4−メチルモルホリニウム炭酸メチル、またはそれらの任意の組み合わせを含む。1−エチル−3−酢酸メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−テトラフルオロホウ酸メチルイミダゾリウム、1−n−ブチル−3−テトラフルオロホウ酸メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−ヘキサフルオロリン酸メチルイミダゾリウム、1−n−ブチル−3−ヘキサフルオロリン酸メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−ヘキサフルオロリン酸メチルイミダゾリウム、1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、および1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、またはそれらの任意の組み合わせを含む、他のメチルミダゾリウム溶液を好適と見なすことができる。
【0076】
他の好適な流体は、N−エチル−N,N−ビス(l−メチルエチル)−1−ヘプタンアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、エチルへプチル−ジ−(l−メチルエチル)アンモニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、エチルへプチル−ジ−(1−メチルエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、エチルへプチル−ジ−(1−メチルエチル)アンモニウムビス[トリフルオロメチル]スルホニル]アミド、またはそれらの任意の組み合わせ等の、ハロゲン化合物、イミド類、およびアミド類を含む。流体はまた、エチルヘプチル−ジ−(l−メチルエチル)アンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、N
5N
5N−トリブチル−1−オクタンアミニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリブチルオクチルアンモニウムトリフラート、トリブチルオクチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、N,N,N−トリブチル−1−ヘキサンアミニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、トリブチルヘキシルアンモニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、トリブチルヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリブチルヘキシルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、トリブチルヘキシルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、N,N,N−トリブチル−1−ヘプタンアミニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、トリブチルヘプチルアンモニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、トリブチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリブチルヘプチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、トリブチルヘプチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、N,N,N−トリブチル−1−オクタンアミニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、トリブチルオクチルアンモニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、トリブチルオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリブチルオクチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、トリブチルオクチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、1−ブチル−3−トリフルオロ酢酸メチルイミダゾリウム、1−メチル−1−プロピルピロリジニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、1−ブチル−1−メチルピロリジニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、1−ブチルピリジニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、1−ブチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ブチルピリジニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、1−ブチルピリジニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(ペルフルオロエチルスルホニル)イミド、ブチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、l−エチル−3−テトラフルオロホウ酸メチルイミダゾリウム、N
5N
5N−トリメチル−1−ヘキサンアミニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、ヘキシルトリメチルアンモニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、ヘキシルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ヘキシルトリメチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、ヘキシルトリメチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、N,N,N−トリメチル−l−ヘプタンアミニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、ヘプチルトリメチルアンモニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、ヘプチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ヘプチルトリチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、ヘプチルトリメチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、N,N,N−トリメチル−l−オクタンアミニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、トリメチルオクチルアンモニウム1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、トリメチルオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリメチルオクチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]アミド、トリメチルオクチルアンモニウムビス[(トリフルオロメチル)スルホニル]イミド、l−エチル−3−メチルイミダゾリウム硫酸エチル、またはそれらの任意の組み合わせを含むこともできる。
【0077】
添加物の表面埋込に対する制御は、膨張・拡散・蒸発・適用段階の適正な平衡を通して達成することができる。この平衡は、例えば、溶媒・母材相互作用パラメータ、添加物のサイズ、埋込流体の反応度および揮発度、衝突添加物の運動量または速度、温度、湿度、圧力、および他の要因によって制御することができる。より具体的には、表面埋込のための関連処理パラメータの例は、本発明のいくつかの実施形態について以下に記載される。
埋込流体の選択:
基板または他の母材に対する溶解度パラメータ(例えば、ヒルデブランドおよびハンセン溶解度パラメータ)
表面との埋込流体の適合性(例えば、誘電率、分布係数、pKa等の整合または比較)
共沸混合物、混和性
溶媒拡散/移動度
粘度
蒸発(引火点、蒸気圧、冷却等)
基板または他の母材への溶媒の暴露の持続時間
分散剤、界面活性剤、安定剤、レオロジー改質剤
溶媒(VOC、脱VOC、無VOC、水性)
基板または他の母材:
溶解度パラメータ(溶媒配合物に対して)
結晶性
架橋結合度
分子量
表面エネルギー
コポリマー/複合材
表面処理
添加物タイプ:
添加物の濃度
添加物の幾何学形状
添加物の表面修正(例えば、リガンド、界面活性剤)
溶媒配合物における添加物の安定性
プロセス動作および条件:
堆積タイプ/適用方法(例えば、噴霧、印刷、圧延コーティング、グラビアコーティング、スロットダイコーティング、キャピラリーコーティング、メニスカスコーティング、カップコーティング、ブレードコーティング、エアブラッシング、浸漬、浸漬コーティング等)
基板または他の母材への溶媒暴露の持続時間
湿潤、表面張力
溶媒の体積
表面(事前)処理
湿度
表面(事後)処理
表面上への添加物の衝突/運動量/速度(例えば、埋込の深度および程度に影響を及ぼしてもよい)
母材とアプリケータとの間において、溶媒に印加される剪断力
後処理条件(例えば、加熱、蒸発、流体除去、空気乾燥等)
他の要因:
湿潤/表面張力
毛管力、吸い上げ
表面に適用される溶媒の量
溶媒の表面への暴露の持続時間
表面(事前)処理
配合物の安定性
表面内への埋込流体の拡散:熱力学および動力学的配慮
望ましくない効果の軽減:
不可逆的な破壊
長時間膨張/溶解時間
白化、曇り
亀裂、ひび割れ
環境条件(例えば、湿度)
恒久的軟化
湿潤性/不均等な湿潤
溶液安定性
表面粗度
【0078】
前述のパラメータのうちのいくつか、または全ては、所与の母材への添加物の埋込の深度または範囲を調整するように改変または選択することができる。例えば、母材と相互作用する埋込流体の溶解力を増加させること、埋込流体・基板のハンセン溶解度パラメータに密接に整合させること、母材と接触している埋込流体の露出持続時間を延長すること、母材と接触している埋込流体の量を増加させること、システムの温度を上昇させること、母材上に衝突する添加物の運動量を増加させること、母材の中への埋込流体および添加物のいずれか一方または両方の拡散を増加させること、またはそれらの任意の組み合わせによって、母材の表面の深くへ、より高い程度の埋込を達成することができる。
【0079】
流体(例えば、埋込流体および担体流体)はまた、塩、表面活性剤、安定剤、および流体に特定の一式の特性を与えるのに有用な他の作用物質を含むこともできる。添加物間凝集を少なくとも部分的に阻害する能力に基づいて、安定剤を含むことができる。添加物の機能性を保つ能力に基づいて、他の安定剤を選択することができる。ブチルヒドロキシトルエン(BHT)は、例えば、良好な安定剤および酸化防止剤として作用することができる。レオロジー特性、蒸発速度、および他の特性を調整するために、他の作用物質を使用することができる。
【0080】
乾燥組成物の表面に対して大部分が定常であるように、流体および添加物を適用することができる。他の実施形態では、表面上に流体を噴霧することによって、一面に落下する流体を通して乾燥組成物を運搬することによって、または流体プールまたは槽を通して乾燥組成物を運搬することによって等、相対運動で適用が行われる。流体および添加物の適用は、エアブラッシング、霧化、霧状化、噴霧、静電噴霧、注入、圧延、幕化、ワイピング、回転成形、滴下、浸漬、塗装、流動、ブラッシング、含漬、パターン化(例えば、スタンピング、インクジェット印刷、制御された噴霧、制御された超音波噴霧、および同等物)、流動コーティング方法(例えば、スロットダイ、毛管コーティング、メニスカスコーティング、マイヤーロッド、ブレードコーティング、カップコーティング、引き下げ、および同等物)、印刷、グラビア印刷、リソグラフィ、スクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、ロールコーティング、インクジェット印刷、凹版印刷、またはそれらの任意の組み合わせによって達成することができる。いくつかの実施形態では、添加物は、噴霧器によって等、表面上に推進され、それによって、表面との接触によって埋込を促進する。他の実施形態では、勾配が、流体、添加物、または両方に適用される。好適な勾配は、磁界または電解を含む。勾配は、表面上に流体、添加物、または両方を適用、分散、または推進するために使用することができる。いくつかの実施形態では、勾配は、埋込の程度を制御するよう、添加物を操作するために使用される。適用された勾配は、一定または可変となり得る。勾配は、乾燥組成物が軟化または膨張される前、乾燥組成物が軟化または膨張したままである間、または乾燥組成物が軟化または膨張された後に適用することができる。軟化を達成するように乾燥組成物を加熱できることと、埋込を推進するように流体および添加物のいずれか一方または両方を加熱できることとが検討される。いくつかの実施形態では、添加物の埋込は、勾配または外部圧力の印加を要求せずに、主にまたは専ら、埋込流体の適用を通して達成されることができる。いくつかの実施形態では、添加物の埋込は、埋込流体の代わりに、または併用して、圧力の印加(例えば、圧力ローラ)を通して達成されることができる。
【0081】
パターンをもたらすように、流体および添加物の適用、ならびに添加物の埋込を空間的に制御することができる。いくつかの実施形態では、適用された添加物のセグメントが表面に接触することを阻止するようにアプリケータと表面との間に配置することができる、物理的なマスクを用いて、空間制御を達成することができ、それによって、添加物の埋込の制御されたパターン化をもたらす。他の実施形態では、フォトマスクを用いて空間制御を達成することができる。光源とフォトレジストに対応することができる表面との間に、ポジ型またはネガ型フォトマスクを配置することができる。フォトマスクの非不透明部分を透過した光は、フォトレジストの露出部分の溶解度に選択的に影響を及ぼすことができ、フォトレジストの結果として生じる空間制御された可溶性領域は、添加物の制御された埋込を可能にすることができる。他の実施形態では、電気勾配、磁気勾配、電磁場、温度勾配、圧力または機械的勾配、表面エネルギー勾配(例えば、液体・固体・気体界面、付着・凝集力、および毛管効果)、印刷、またはそれらの任意の組み合わせの使用を通して、空間制御を達成することができる。空間制御はまた、母材と異なる材料を印刷することによって達成することができ、埋込は、生じない(または、別様に抑制される)。パターン化に関するさらなる詳細は、以下に説明される。
【0082】
前述のように、添加物を埋込流体の中で分散させ、1ステップ埋込を介して埋込流体とともに乾燥組成物に適用することができる。添加物はまた、2ステップ埋込を介して、埋込流体とは別に乾燥組成物に適用することもできる。後者のシナリオでは、担体流体の中で分散させることによって、または同じ埋込流体あるいは異なる埋込流体の中で分散させることによって等、湿潤形態で添加物を適用することができる。依然として後者のシナリオでは、エアロゾル化された粉末の形態等の乾燥形態で、添加物を適用することができる。また、メタノール、別の低沸点アルコール、または乾燥組成物との衝突前に実質的に蒸発する別の低沸点有機溶媒等の、揮発性である担体流体の中で添加物を分散させることによって等、準乾燥形態で添加物を適用できることも検討される。
【0083】
一例として、一実施形態は、ナノワイヤの溶液、または乾燥組成物上に適切な担体流体中で分散された他の添加物を噴霧すること、エアブラシで吹き付けること、または別様に霧化することを伴う。
【0084】
別の実施例として、一実施形態は、埋込流体を噴霧するか、または乾燥組成物と別様に接触させ、次いで、時間t
1の経過後、一時的に軟化した乾燥組成物および衝突ナノワイヤの速度の組み合わせが、ナノワイヤの高速かつ耐久性のある表面埋込を可能にするような速度で、ナノワイヤまたは他の添加物を噴霧するか、またはエアブラシで吹き付けることによって、乾燥組成物を前処理することを伴う。t
1は、例えば、約1ナノ秒から約24時間、約1ナノ秒から約1時間、または約1秒から約1時間等の、約0ナノ秒から約24時間の範囲内となり得る。2つの噴霧ノズルを同時または連続的に起動することができ、一方のノズルが埋込流体を分注し、他方のノズルが、速度を伴って、乾燥組成物に向かって担体流体中に分散された霧化ナノワイヤを分注する。随意に、空気硬化または高温焼鈍を含むことができる。
【0085】
別の実施例として、一実施形態は、ナノワイヤの溶液、または乾燥組成物上に担体流体中で分散された他の添加物を噴霧すること、エアブラシで吹き付けること、または別様に霧化することを伴う。t
2の経過後、ナノワイヤの効率的な表面埋込を可能にするよう、埋込流体を適用するために、第2の噴霧、エアブラッシング、または霧化動作が使用される。t
2は、例えば、約1ナノ秒から約24時間、約1ナノ秒から約1時間、または約1秒から約1時間等の、約0ナノ秒から約24時間の範囲内となり得る。2つの噴霧ノズルを同時または連続的に起動することができ、一方のノズルが埋込流体を分注し、他方のノズルが、速度を伴って、乾燥組成物に向かって担体流体中に分散された霧化ナノワイヤを分注する。随意に、空気硬化または高温焼鈍を含むことができる。
【0086】
埋込流体と乾燥組成物との暴露または別様に接触させる時間周期は、例えば、望ましくない効果、例えば、曇り、ひび割れ、白化等を緩和させながら、所望の埋込の範囲に従って、選択されることができる。いくつかの実施形態では、暴露時間は、例えば、約0.1秒から約24時間、例えば、約0.5秒から約12時間、約1秒から約6時間、約1秒から約3時間、約1秒から約2時間、約1秒から約1時間、約1分から約50分、約1分から約40分、約1分から約30分、または約1分から約20分の範囲内であることができる。
【0087】
次に、本発明の実施形態による、湿潤組成物218に添加物222を表面埋込するための製造方法を例証する、
図2Cに注意を向ける。
図2Cを参照すると、湿潤組成物218は、基板220の上部に配置されるコーティングまたは層の形態で、基板220に適用される。湿潤組成物218は、母材の溶解形態に対応することができ、具体的には、好適な母材として以前に記載された任意の材料の溶解形態、コロイド形態、ナノ粒子形態、ゾル形態を含むことができる。また、湿潤組成物218は、乾燥、硬化、架橋結合、重合、焼結、焼成またはそれらの任意の組み合わせ等の好適な処理によって母材に変換することができる、母材前駆体に対応できることも検討される。例えば、湿潤コーティング組成218は、完全には硬化または固化されないコーティングまたは層、好適な重合開始剤または架橋結合剤を使用して、後に硬化または架橋結合することができる、完全には架橋結合されない架橋結合可能なコーティングまたは層、あるいは、好適な重合開始剤または架橋結合剤を使用して、後に重合することができる、モノマーおよびオリゴマーのコーティングまたは層、あるいはモノマーおよびオリゴマーの組み合わせとなり得る。湿潤組成物218はまた、例えば、スクリーン、反転オフセットグラビア、フレキソ、またはインクジェット印刷等の印刷方法、あるいは別の方法を用いてパターン化されることができる。いくつかの実施形態では、湿潤組成物218は、液相ならびに固相を伴う材料を含むことができ、または少なくとも部分的に液体である、あるいはゾル、半固体、ゲルおよび同等物等の液体の特性に似た特性を有する材料を含むことができる。基板520は、透明または不透明となり得、可撓性または剛性となり得、例えば、ポリマー、アイオノマー、EVA、PVB、TPO、TPU、PE、PET、PETG、ポリカーボネート、PVC、PP、アクリル系ポリマー、ABS、セラミック、ガラス、シリコン、金属(例えば、ステンレス鋼またはアルミニウム)またはそれらの任意の組み合わせ、ならびに好適な母材として以前に記載された任意の材料から成ることができる。基板220は、一時的基板としての機能を果たすことができ、続いて、素子組立の間、除去される、あるいは素子の層または他の構成要素として、結果として生じる素子内に保定することができる。
【0088】
次に、
図2Cの左側のオプションによれば、乾燥する前に、または湿潤組成物218内の添加物222の埋込を可能にする状態にとどまっている間に、添加物222が湿潤組成物218に適用される。いくつかの実施形態では、添加物222の適用は、流動コーティング方法(例えば、スロットダイ、毛管コーティング、マイヤーロッド、カップコーティング、引き下げ、および同等物)を介する。左側に例証されていないが、埋込流体は、添加物222の埋込を促進するように、同時、または別々に湿潤組成物218に適用できることが検討される。いくつかの実施形態では、添加物222の埋込は、埋込流体の代わりに、または併用して、圧力の印加(例えば、圧力ローラ)を通して、達成されることができる。続いて、結果として生じる母材224は、母材224の表面に部分的または完全に埋め込まれた添加物222のうちの少なくともいくつかを有する。湿潤組成物218を母材224に変換するように、好適な処理を行うことができる。素子組立の間、埋込添加物222を伴う母材224は、隣接する素子層に積層または別様に接続することができる、あるいは基板としての機能を果たすことができ、その上に、隣接する素子層が、形成、積層、または別様に適用される。
【0089】
図2Cの左側の添加物222の適用および添加物222の埋込に関するある側面は、
図2Aおよび
図2Bについて上記で説明されるのと同様の処理条件および材料を使用して行うことができ、これらの側面は、以下で繰り返される必要がない。
【0090】
図2Cの左右の選択肢を参照すると、湿潤組成物218は、最初に、少なくとも部分的に乾燥させること、硬化、架橋結合、重合、またはそれらの任意の組み合わせによって等、好適な処理によって、乾燥組成物226に変換されることができる。次に、添加物222および埋込流体228が、乾燥組成物226に適用されることができる。添加物222は、溶液中にあり得る、または埋込流体228の中で別様に分散させることができ、1ステップ埋込を介して乾燥組成物226に同時に適用することができる。代替として、添加物222は、埋込流体228が乾燥組成物226を処理する前、間、または後に、乾燥組成物226に別々に適用することができる。前述のように、添加物222の別個の適用を伴う埋込は、2ステップ埋込と呼ぶことができる。後に、結果として生じる母材224は、母材224の表面に部分的または完全に埋め込まれた添加物222のうちの少なくともいくらかを有する。随意に、付加的な乾燥、硬化、架橋結合、重合、またはそれらの任意の組み合わせによって等、乾燥組成物226を母材224に変換するように好適な処理を行うことができる。
図2Cに例証される製造段階のうちのいずれかまたは全ては、添加物222の埋込を促進するように、湿潤組成物218の乾燥を減速するように、または両方のために、好適な流体(例えば、埋込流体または他の好適な流体)の蒸気環境の存在下で行うことができる。
【0091】
図2Cの右側の添加物222および埋込流体228の適用、ならびに添加物222の埋込に関するある側面は、
図2Aおよび
図2Bについて上記で説明されるのと同様の処理条件および材料を使用して行うことができ、これらの側面は、以下で繰り返される必要がない。具体的には、少なくともある側面では、添加物222を
図2Cの右側の乾燥組成物226に埋め込むための処理条件は、添加物212を
図2Bの乾燥組成物208に埋め込む時に使用されるものと大部分が同等と見なすことができる。
【0092】
パターン化された透明導体の場合、
図2Cに従う表面埋込は、概して、湿潤組成物218または乾燥組成物226にわたって均一に実施された後、空間的に選択的または可変処理を行い、母材224にわたってより高いコンダクタンスおよびより低いコンダクタンス部分をもたらすことができる。代替として、または併用して、
図2Cに従う表面埋込は、例えば、空間的に選択的または可変様式において、基板220にわたって、湿潤組成物218を配置または形成することによって、空間的に選択的または可変様式において、湿潤組成物218および基板220の一方または両方にわたって、添加物222を適用することによって、空間的に選択的または可変様式において、乾燥組成物226および基板220の一方または両方にわたって、添加物222を適用することによって、空間的に選択的または可変様式において、乾燥組成物226および基板220の一方または両方にわたって、埋込流体228を適用することによって、あるいは任意のそれらの組み合わせによって、空間的に選択的または可変様式において実施されることができる。
【0093】
透明導体のパターン化
パターン化された透明導体は、例えば、タッチセンサ、液晶ディスプレイ(または、LCD)画素電極、および他の電子素子において使用されることができる。伝導性トレース間の適正な電気絶縁は、タッチ感知または画素切替における空間分解能を達成するための電気信号を絶縁するために望ましい。透明導体の適正な透明性は、より高いディスプレイ輝度、コントラスト比、画質、および電力消費効率を達成するために望ましい一方、適正な埋込流体は、高信号対雑音比、切替速度、リフレッシュ速度、応答時間、および均一性を維持するために望ましい。電気パターン化が、望ましいが、光学的に(例えば、ヒトの眼に可視である)観察可能パターン化が、望ましくない用途の場合、適正なパターン非可視性または低パターン可視性が、望ましい。ヒトの眼によって、ほぼまたは実質的に、区別できない、電気的に絶縁されたパターンが、特に、望ましい。
【0094】
いくつかの実施形態によると、添加物の電気的伝導性パターンは、基板またはパターン化されていないコーティングの選択された部分または複数の部分内に埋め込まれた表面であることができる。例えば、基板またはコーティング上の印刷は、表面埋込によって、透明導体のパターン化を達成することができる。添加物および埋込流体の一方または両方の他の空間的に選択的または可変様式の適用も、使用されることができる。直接、基板またはコーティングをパターン化するために有用な技法の実施例は、印刷方法、例えば、スクリーン、インクジェット、エアロゾルジェット、超音波スプレー、連続堆積、グラビア、凹版、パッド、ロール、オフセット、謄写版、およびインプリント、ならびに、例えば、マスクを使用した他の方法を含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、添加物と、母材を膨張または軟化させる、埋込流体とを含む、埋込分散系が、直接、母材上にパターンとして印刷されることができる。いくつかの実施形態では、埋込分散系は、i)実質的に、結合剤または充填剤がなく、ii)揮発性(例えば、アルコール)溶媒を含む。電気および光学特性に負の影響を及ぼす、結合剤および充填剤は、省略されることができるが、結合剤および充填剤の欠如は、ある印刷技法の使用を阻害し得る。充填剤は、沈殿を低減させ、粘度を増加させることによって、印刷をより容易にするために含まれ得る。ある充填剤は、伝導性を様々な程度に低減させ得、これは、有利であり得る(例えば、より高いコンダクタンス部分に光学的に類似するべきより低いコンダクタンス部分を形成するために)、または伝導性が望ましい場合、省略され得る。ポリメチル・メタクリレート(または、PMMA、約1MのMW)は、充填剤として使用されるときは、有意に性能を損なうことなく、粘度を増加させ、沈殿を減速させることができる(例えば、5倍遅い沈殿速度)。
【0096】
図3Aは、本発明の実施形態による、パターン化された透明導体300の製造方法を図示する。
図3に示されるように、活性基板302が、提供されることができる。「活性」とは、結果として生じる表面埋込添加物が、電気的伝導性である、網状組織を形成するかどうかにかかわらず、基板302が、埋込流体の存在下、添加物の表面埋込を可能にするために、埋込流体によって十分に影響を受ける、または別様にそれに対して十分に感受性があることであることを理解されるであろう。「活性」は、表面埋込が生じない(または、別様に阻害される)、「不活性」と対比され得る。また、「活性」は、基板302(または、他の母材)が、ある埋込流体に対して活性であるが、別の埋込流体に対して不活性であり得るような特定の埋込流体とも対比され得ることを理解されるであろう。
【0097】
次に、添加物304および埋込流体(図示せず)は、例えば、印刷または別の技法によって、空間的に選択的または可変様式において、基板302に適用されることができる。添加物304は、例えば、アスペクト比約3以上を有する、ナノワイヤ、ナノチューブ、あるいは他のナノサイズまたはミクロンサイズの構造の形態における、電気的伝導性または半導体であることができる。添加物304は、溶液内にある、または別様に、埋込流体内に分散されることができ、同時に、1ステップ埋込を介して、基板302に適用されることができる。代替として、添加物304は、埋込流体が基板302を処理する前、その間、またはその後に、基板302に別個に適用されることができる。前述のように、添加物304および埋込流体の別個の適用は、2ステップ埋込と称され得る。2ステップ埋込の場合、添加物304は、空間的に選択的または可変様式において、適用されることができる一方、埋込流体は、均一または非均一に、基板302にわたって適用されることができる。続いて、結果として生じるパターン化された透明導体300は、部分的または完全に、基板302の表面内に埋め込まれ、より高いコンダクタンス部分306を形成するように、パターンに従って配列される、添加物304の少なくとも一部を有する。より高いコンダクタンス部分306間の間隙は、実質的に、添加物304が欠けており、より低いコンダクタンス部分308を形成する。「より低いコンダクタンス」または「より低いシートコンダクタンス」は、絶対的意味における絶縁性質を包含し得るが、必ずしも、そのような絶対的意味を指す必要はないことを理解されるであろう。むしろ、「より低いコンダクタンス」は、より一般的には、電気絶縁の目的のために十分に絶縁する部分を指すことができ、またはより高いシートコンダクタンスを有する別の部分と対比され得る。いくつかの実施形態では、部分306と308との間の電気的コントラストは、より低いコンダクタンス部分308の表面またはシート抵抗が、より高いコンダクタンス部分306のシート抵抗の少なくとも約2倍、例えば、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約500倍、少なくとも約1,000倍、または少なくとも約10,000倍、および最大約100,000倍、最大約1,000,000倍、またはそれ以上であり得るようなものであることができる。いくつかの実施形態では、より低いコンダクタンス部分308の表面またはシート抵抗は、少なくとも約100Ω/sq、例えば、少なくとも約200Ω/sq、少なくとも約500Ω/sq、少なくとも約1,000Ω/sq、少なくとも約10,000Ω/sq、または少なくとも約100,000Ω/sq、および最大約1,000,000Ω/sq、最大約10,000,000Ω/sq、またはそれ以上であることができる。
【0098】
図3Aに記載されるような類似動作シーケンスが、基板302の異なる側の表面上で実施され、それによって、多面的(例えば、両面)パターン化をもたらすことができる。
図3Bは、
図3Aのパターン化された透明導体300に類似するが、また、添加物316が、部分的または完全に、基板302の反対の底部表面内にも埋め込まれ、より高いコンダクタンス部分310およびより低いコンダクタンス部分312を形成するように、パターンに従って配列される、パターン化された透明導体314を図示する。添加物304および316は、同一または異なることができる。上部パターンは、実質的に、底部パターンに重層することができ、または
図3Bに示されるように、上部パターンは、より高いコンダクタンス部分306が、より低いコンダクタンス部分312に重層し得、より低いコンダクタンス部分308が、より高いコンダクタンス部分310に重層し得るように、底部パターンに対して、交互様式においてオフセットまたは配列されることができる。本オフセット配列は、上部および底部パターンの低可視性を達成することができる。例えば、交差様式における、上部および底部パターンの他の配列も、検討される。
【0099】
図4は、本発明の別の実施形態による、パターン化された透明導体400の製造方法を図示する。
図4に示されるように、基板402が、提供されることができ、基板402は、活性または不活性のいずれかであることができ、活性のパターン化されていないコーティング404が、基板402の上部に適用される。次に、添加物406および埋込流体(図示せず)が、例えば、印刷または別の技法によって、空間的に選択的または可変様式において、1ステップ埋込または2ステップ埋込を介して、コーティング404に適用されることができる。2ステップ埋込の場合、添加物406は、空間的に選択的または可変様式において、適用されることができる一方、埋込流体は、均一または非均一に、コーティング404にわたって適用されることができる。続いて、結果として生じるパターン化された透明導体400は、部分的または完全に、コーティングの表面404内に埋め込まれ、より高いコンダクタンス部分408を形成するように、パターンに従って配列される、添加物406の少なくとも一部を有する。より高いコンダクタンス部分408間の間隙は、実質的に、添加物406を欠いており、より低いコンダクタンス部分410を形成する。
図4に記載される動作の類似シーケンスは、パターン化された透明導体400の異なる側の表面上で実施され、それによって、多面的(例えば、両面)パターン化をもたらすことができる。
図4の方法のある側面およびパターン化された透明導体400は、
図3に関して前述されたものと同様に実施されることができ、それらの側面は、繰り返される。
【0100】
直接パターン化のための他の実施形態も、検討される。例えば、より高いコンダクタンスとより低いコンダクタンス部分との間の光学コントラストを低減させるために、ある材料が、より高いコンダクタンス部分内の表面埋込添加物の光学特性に十分に一致するように、より低いコンダクタンス部分内に配置または含まれることができる。そのような様式では、より高いおよびより低いコンダクタンス部分は、低可視性パターン化をもたらすことができる一方、電気コントラストは、より高いコンダクタンス部分とより低いコンダクタンス部分との間で維持される。より高いおよびより低いコンダクタンス部分の光学特性を十分に一致させることによって、これらの部分は、ヒトの眼に、実質的に、視覚的に区別できない、または検出不可能にされることができる。より高いおよびより低いコンダクタンス部分のパターン化が、視覚的に区別できない程度は、例えば、正常な視力があるヒト対象群(例えば、若年から中年世代)にわたって、明所視条件下で評価されることができる。いくつかの実施形態では、より高いおよびより低いコンダクタンス部分のパターン化は、パターン化が、ヒト対象の少なくとも約90%、例えば、少なくとも約93%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、またはそれ以上によって検出されない場合、実質的に、視覚的に区別できないと見なされることができる。
【0101】
例えば、より低いコンダクタンス部分は、浸透網を容易に形成しないが、パターン化された透明導体のより高いコンダクタンス部分内の浸透網の光学特性に厳密に一致する、光学特性(例えば、ヘイズ、透過率、吸光度、および反射率)を有する、添加物を含むことができる。より低いコンダクタンス部分のための添加物の実施例は、非伝導性またはより低い伝導性材料から形成される、ナノ粒子(または、アスペクト比約3未満を有する、他の回転楕円体構造)、またはナノワイヤ幾何学形状または表面処理のため、非浸透網を形成しない、ナノワイヤ(または、他の伸長構造)を含む。そうでなければ伝導性であるナノワイヤの電気的伝導性を低減または劣化させるための表面処理の実施例は、シラン系材料、例えば、ビニルトリエトキシシランおよびアミノプロピルトリメトキシシランを含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、より高いおよびより低いコンダクタンス部分の透過率値の差異(例えば、それぞれ、%として表される、透過率値間の絶対差異)は、約10%を超えない、例えば、約5%を超えない、約4%を超えない、約3%を超えない、約2%を超えない、1%を超えない、または0.5%を超えず、かつ約0.1%まで、約0.01%まで、約0.001%まで、またはそれ以下までであることができ、透過率値は、ヒトの視覚または測光加重透過率、可視光範囲、例えば、約550nm内の所与の波長または波長の範囲における透過率、太陽束加重透過率、赤外線範囲内の所与の波長または波長の範囲における透過率、または紫外線範囲内の所与の波長または波長の範囲における透過率の観点から表されることができる。いくつかの実施形態では、より高いおよびより低いコンダクタンス部分のヘイズ値の差異(例えば、それぞれ、%として表される、ヘイズ値間の絶対差異)は、約5%を超えない、例えば、約4%を超えない、約3%を超えない、約2%を超えない、約1%を超えない、0.5%を超えない、または0.1%を超えず、かつ約0.05%まで、約0.01%まで、約0.001%まで、またはそれ以下までであることができ、ヘイズ値は、ヒトの視覚または測光加重ヘイズ、可視光範囲内、例えば、約550nmの所与の波長または波長の範囲におけるヘイズ、太陽束加重ヘイズ、赤外線範囲内の所与の波長または波長の範囲におけるヘイズ、または紫外線範囲内の所与の波長または波長の範囲におけるヘイズとして表されることができる。いくつかの実施形態では、より高いおよびより低いコンダクタンス部分の吸光度値の差異(例えば、それぞれ、%として表される、吸光度値間の絶対差異)は、約10%を超えない、例えば、約5%を超えない、約4%を超えない、約3%を超えない、約2%を超えない、1%を超えない、または0.5%を超えず、かつ約0.1%まで、約0.01%まで、約0.001%まで、またはそれ以下までであることができ、吸光度値は、ヒトの視覚または測光加重吸光度、可視光範囲内、例えば、約550nmの所与の波長または波長の範囲における吸光度、太陽束加重吸光度、赤外線範囲内の所与の波長または波長の範囲における吸光度、または紫外線範囲内の所与の波長または波長の範囲における吸光度として表されることができる。いくつかの実施形態では、より高いおよびより低いコンダクタンス部分の反射率値の差異(例えば、それぞれ、%として表される、拡散反射率値間の絶対差異)は、約10%を超えない、例えば、約5%を超えない、約4%を超えない、約3%を超えない、約2%を超えない、1%を超えない、または0.5%を超えず、かつ約0.1%まで、約0.01%まで、約0.001%まで、またはそれ以下までであることができ、反射率値は、ヒトの視覚または測光加重反射率、可視光範囲内、例えば、約550nmの所与の波長または波長の範囲における反射率、太陽束加重反射率、赤外線範囲内の所与の波長または波長の範囲における反射率、または紫外線範囲内の所与の波長または波長の範囲における反射率として表されることができる。
【0103】
例えば、基板またはコーティングを標的とした表面埋込配合物を使用して、ナノワイヤ(または、別の伝導性または半伝導性添加物)が、伝導性が所望される場所に、印刷され、埋め込まれることができ、非伝導性充填剤が、伝導性が所望されない場所に、印刷され、埋め込まれることができる。本埋込の順序の反転もまた、検討される。本実施例では、充填剤は、非伝導性のまま、ナノワイヤの光学特性に一致させることによって、伝導性ナノワイヤパターンを実質的に非可視にすることができる。非伝導性充填剤の代わりに、または併用して、好適なコーティング材料内にバルク混入される、ナノワイヤ(または、別の伝導性または半伝導性添加物)が、伝導性が所望されない場所に印刷されることができる。バルク混入は、伝導性低減のために、ナノワイヤの接合部形成を阻害する一方、非伝導性バルク混入ナノワイヤの存在は、伝導性埋込ナノワイヤの光学特性に一致することができる。
【0104】
別の実施例として、基板またはコーティングを標的とした表面埋込配合物を使用して、ナノワイヤ(または、別の伝導性または半伝導性添加物)が、伝導性が所望される場所に印刷され、埋め込まれることができる。依然として、埋込を可能にするが、伝導性を阻害する別の配合物を使用して、ナノワイヤ(または、別の伝導性または半伝導性添加物)が、伝導性が所望されない場所に印刷され、埋め込まれることができる。例えば、後者の配合物は、ナノワイヤ間の接合部形成を妨害する、結合剤または充填剤を含むことができ、または表面の下方のナノワイヤの深部埋込を助長することによって、接合部形成を阻害することができる。本埋込の順序の反転もまた、検討される。本実施例では、より高いコンダクタンスおよびより低いコンダクタンス領域の両方内のナノワイヤの存在は、より低いコンダクタンスの埋込ナノワイヤが、非伝導性のまま、より高いコンダクタンスの埋込ナノワイヤの光学特性に一致するため、伝導性ナノワイヤパターンを実質的に非可視にすることができる。いくつかの実施形態では、より低いコンダクタンス部分内のナノワイヤの装填レベルは、より高いコンダクタンス部分のナノワイヤの装填レベルの少なくとも約1/20、例えば、少なくとも約1/10、少なくとも約1/5、少なくとも約1/2、少なくとも約6/10、少なくとも約7/10、少なくとも約8/10、または少なくとも約9/10、およびより高いコンダクタンス部分の装填レベルまで、またはそれを若干上回ることができる。
【0105】
別の実施例として、基板またはコーティングを標的とした表面埋込配合物を使用して、非伝導性充填剤が、実質的に均一に、コーティングされ、埋め込まれることができ、次いで、同一または異なる表面埋込配合物を使用して、ナノワイヤ(または、別の伝導性または半伝導性添加物)が、伝導性が所望される場所に印刷され、埋め込まれることができる。本埋込の順序の反転もまた、検討される。ここでは、結果として生じる伝導性ナノワイヤパターンは、ある程度、可視のままであり得るが、パターン間またその中に介在される間隙中の非伝導性充填剤の存在は、部分間の大きな段階的光学遷移を回避することによって、より高いコンダクタンス部分とより低いコンダクタンス部分との間の光学コントラストを低減させることができる。光学コントラストのさらなる改良は、例えば、水平または側方勾配プロファイルに従って、光学遷移を段階的遷移から平滑化することによって、達成されることができる。
【0106】
別の実施例として、基板またはコーティングを標的とした表面埋込配合物を使用して、ナノワイヤ(または、別の伝導性または半伝導性添加物)が、浸透限界を下回る装填レベルにおいて、実質的に均一に、コーティングされ、埋め込まれることができる。次いで、同一または異なる表面埋込配合物を使用して、付加的ナノワイヤ(または、別の伝導性または半伝導性添加物)が、部分伝導性が所望される場所に印刷され、埋め込まれ、それらの部分内に浸透限界を上回るナノワイヤの組み合わせられた装填レベルをもたらすことができる。本埋込の順序の反転もまた、検討される。ここでは、結果として生じる伝導性ナノワイヤパターンは、ある程度、可視のままであり得るが、パターン間またはその中に介在される間隙中のナノワイヤの存在は、部分間の大きな段階的光学遷移を回避することによって、より高いコンダクタンス部分とより低いコンダクタンス部分との間の光学コントラストを低減させることができる。光学コントラストのさらなる改良は、例えば、水平または側方勾配プロファイルに従って、光学遷移を段階的遷移から平滑化することによって、達成されることができる。
【0107】
別の実施例として、依然として、基板またはコーティング内への埋込を可能にするが、伝導性を阻害する配合物を使用して、ナノワイヤ(または、別の伝導性または半伝導性添加物)が、浸透限界を下回る装填レベルにおいて、実質的に均一に、コーティングされ、埋め込まれることができる。次いで、基板またはコーティングを標的とした表面埋込配合物を使用して、ナノワイヤ(または、別の伝導性または半伝導性添加物)が、伝導性が所望される場所に印刷され、埋め込まれ、それらの部分内に浸透限界を上回るナノワイヤの組み合わせられた装填レベルをもたらすことができる。本埋込の順序の反転もまた、検討される。ここでは、結果として生じる伝導性ナノワイヤパターンは、ある程度、可視のままであり得るが、パターン間またはその中に介在される間隙中のナノワイヤの存在は、部分間の大きな段階的光学遷移を回避することによって、より高いコンダクタンス部分とより低いコンダクタンス部分との間の光学コントラストを低減させることができる。光学コントラストのさらなる改良は、例えば、水平または側方勾配プロファイルに従って、光学遷移を段階的遷移から平滑化することによって、達成されることができる。
【0108】
さらなる実施例として、印刷の代わりに、物理的マスク、パターン化されたフォトレジスト層、または他のタイプのマスクが、基板またはコーティングの表面に隣接して載置されることができる。マスクは、表面の選択された部分または複数の部分を被覆する一方、他の部分を被覆せずに残す、パターンを有する。添加物と、表面を膨張または軟化させる、埋込溶媒とを含む、分散系が、被覆および非被覆部分上に適用される。添加物は、より高いコンダクタンス部分を形成するように、マスクされずに残される部分内に埋め込まれる一方、添加物は、マスクによって被覆される部分内には埋め込まれず(または埋め込まれないように阻止され)、それによって、これらの後者のより低いコンダクタンスの部分を残す。マスクは、例えば、接着剤によって、下層表面に結合され、埋込分散系が、マスクの真下に浸出しないように防止することができる。物理的マスクはまた、前述の目的のために、圧力下、表面上に適用されることができる。マスクは、平坦であることができ、またはローラの形態であることができる。
【0109】
いくつかの実施形態による、透明導体のパターン化は、添加物の印刷または母材への添加物の他の空間的に選択的適用に依拠せずに、実施されることができる。前述のように、ある印刷技法において使用される結合剤および充填剤は、例えば、浸透網の形成を阻害することによって、時として、結果として生じる埋込添加物の電気および光学特性に負の影響を及ぼし得る。有利には、いくつかの実施形態は、母材への添加物の実質的に均一の適用を通して、パターン化を達成し、それによって、添加物の適用とある印刷技法において使用される結合剤および充填剤を分断することができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、透明導体のパターン化は、空間的に選択的または可変処理を適用し、埋込流体が所望されない部分または複数の部分にわたる浸透を阻止することによって、実施されることができる。浸透の物理的阻害では、より低いコンダクタンス部分内に埋め込まれる添加物は、物理的または別様に、浸透網を形成するための相互との効果的接触を阻害するように処理される一方、より高いコンダクタンス部分内に埋め込まれる添加物は、相互に接触し、より高いコンダクタンス部分にわたって浸透網をもたらすことができる。浸透の物理的阻害は、添加物間の接合部を物理的に劣化させること、例えば、部分的または完全除去を通して、添加物自体を物理的に劣化させること、または両方を伴うことができ、減法プロセス、例えば、レーザ研磨、コロナアーク放電、フライス加工、または任意のそれらの組み合わせによって達成されることができる。浸透の化学的阻害では、より低いコンダクタンス部分内に埋め込まれた添加物は、化学剤に暴露される、または別様に、化学的に処理され、網状組織内の異なる添加物にわたる電子伝導を阻害または非活性化する。浸透の化学的阻害は、添加物間の接合部を化学的に劣化させること、例えば、添加物を溶解する、または添加物をより高い抵抗率を伴う構造に変換することによって、添加物自体を化学的に劣化させること、または両方を伴うことができ、減法プロセス、例えば、酸化または硫化によって、絶縁分子リガンドを添加物間に導入し、接合部にわたる電子伝導を阻害することによって、または任意のそれらの組み合わせによって達成されることができる。浸透の「物理的」および「化学的」阻害の分類は、提示の便宜上のためのものであって、ある処理は、埋込流体の物理的および化学的劣化の組み合わせを通して、浸透を阻害することができることを理解されるであろう。
【0111】
いくつかの実施形態では、埋込添加物は、選択的に、除去されることができる。例えば、レーザは、埋込添加物を伴う表面にわたってラスタ走査され、空間的に選択的または可変様式において、添加物を研磨し、より低いコンダクタンス部分または複数の部分を形成する。研磨は、部分的または完全であることができる。例えば、添加物および埋込溶媒を含む、分散系が、実質的に均一に、基板またはコーティングの表面にわたって適用され、それによって、表面を膨張または軟化させ、添加物を表面内に埋め込むことができる。パターン化されていない埋込添加物を伴う表面の選択された部分または複数の部分は、より高いおよびより低いコンダクタンス部分のパターンを形成するように研磨されることができる。パターンの低可視性または非可視性が所望される用途の場合、部分的レーザ研磨が、低減された光学コントラストを伴って、材料を電気的にパターン化するように行なわれることができる。有利には、添加物は、それらをより低いコンダクタンス部分内で電気的に絶縁された状態にするために十分に研磨され得るが、結果として生じるパターンは、ほぼまたは実質的に、区別できないまたは検出不可能である。
【0112】
いくつかの実施形態では、パターン化された透明導体は、エッチング液の空間的に選択的または可変適用を通して、例えば、マスクを通して、または印刷によって、形成されることができる。エッチングは、部分的または完全であることができる。例えば、パターン化されていない透明導体は、ナノワイヤを基板またはコーティングの表面内に埋め込むことによって形成されることができる。表面の選択された部分は、マスクされることができ、結果として生じるマスクされた表面は、選択的化学エッチングを受け、添加物をマスクされていない部分から除去し、より低いコンダクタンス部分を形成することができる。表面のマスクされた部分は、マスクによって、エッチングされないように保護され、伝導性のままである。パターンの低可視性または非可視性が所望される用途の場合、エッチング液は、エッチングされた部分内の添加物の電気伝導性を劣化または低減させる効果を有することができるが、エッチングされた部分は、ヒトの眼によって視認されるように、ほぼまたは実質的に、光学的に不変のまま残す。本効果は、例えば、部分的に、添加物を劣化させることによって、添加物間の接合を妨害することによって、または両方によって、達成されることができる。漱ぎ動作は、エッチング液を除去するために採用されることができるが、また、漱ぎの間、エッチングされずに残されることが意図される表面の部分を損傷しないように、エッチング液を中和するためにも使用されることができる。
【0113】
エッチング液は、酸性、塩基性、またはほぼ中性溶液(例えば、弱酸性および弱塩基性を包含する、約5.5から約8.5または約5.5から約7の範囲内のpH)であることができ、液体状態、ガス状状態、または両方であることができる。エッチング液の実施例は、酸化剤を含み、これは、酸化還元化学反応において、電子を別の反応物から除去する種々の材料を指し得る。銀ナノワイヤまたは他のタイプの伝導性あるいは半伝導性添加物の場合、銀(または、添加物を形成する別の材料)と反応する、種々の酸化剤が、使用されることができ、例えば、酸素、オゾン、過酸化水素、無機過酸化物、ポリエーテル酸化物、次亜塩素酸塩、次亜ハロゲン酸化合物等である。過酸化水素の場合、銀含有添加物の化学エッチングは、以下の反応式:2Ag+H
2O
2→Ag
2O+H
2Oに従って生じ得る。印刷の場合、印刷可能エッチング液(例えば、スクリーン印刷可能エッチング液)は、水系(すなわち、水性)であることができ、過酸化水素(または、別の酸化剤または酸化剤の組み合わせ)に基づいて、(1)印刷のための粘度促進剤または助剤、(2)界面活性剤または湿潤剤、および(3)発泡防止剤または気泡防止剤のうちの1つ以上とともに、配合されることができる。過酸化水素および水は両方とも、高表面張力液体であるため、配合物は、疎水性表面にわたって均一な印刷を可能にし、表面の選択された部分にわたって電気伝導性の均一な劣化を可能にするように設計されることができる。化学エッチングは、例えば、エッチング液の配合物(例えば、酸性または酸化剤のタイプ)を調節し、適用条件(例えば、エッチング液への暴露持続時間)を調節し、または両方を行なうことによって、部分的または完全であることができる。
【0114】
図5は、本発明の実施形態による、パターン化された透明導体500の製造方法を図示する。
図5に示されるように、活性基板502が、提供される。次に、添加物504および埋込流体(図示せず)が、実質的に、均一様式において、1ステップ埋込または2ステップ埋込を介して、基板502に適用され、部分的または完全に、基板502の表面内に埋め込まれる、添加物504をもたらすことができる。次いで、エッチング液506が、空間的に選択的または可変様式において、例えば、スクリーン印刷によって、またはマスクの使用を通して、表面埋込添加物504を伴う基板502に適用されることができる。本実施形態では、エッチング液506は、ほぼまたは実質的に、エッチング液506に暴露された部分にわたって、添加物504を除去し、より低いコンダクタンス部分510を形成するように適用される。エッチング液506に暴露されない部分は、伝導性のままであって、より高いコンダクタンス部分508を形成する。随意に、清浄または漱ぎ動作が、任意の残りのエッチング液506を除去するために実施されることができる。エッチングの代わりに、または併用して、別の減法プロセスが、使用されることができ、例えば、レーザ研磨、コロナアーク放電、スライス加工、またはそれらの組み合わせである。
図5の方法のある側面およびパターン化された透明導体500は、
図3から
図4に関して前述のものと同様に実装されることができ、それらの側面は、繰り返される。
【0115】
図6は、本発明の別の実施形態による、パターン化された透明導体600の製造方法を図示する。
図6に示されるように、基板602が、提供されることができ、基板602は、活性または不活性のいずれかであることができ、活性のパターン化されていないコーティング604が、基板602の上部に適用される。次に、添加物606および埋込流体(図示せず)が、実質的に、均一様式において、1ステップ埋込または2ステップ埋込を介して、コーティング604に適用され、部分的または完全に、コーティング604の表面内に埋め込まれた添加物606をもたらすことができる。次いで、エッチング液608が、空間的に選択的または可変様式において、例えば、スクリーン印刷によって、またはマスクの使用を通して、表面埋込添加物606を伴うコーティング604に適用されることができる。本実施形態では、エッチング液608は、ほぼまたは実質的に、エッチング液608に暴露された部分にわたって、添加物606を除去し、より低いコンダクタンス部分612を形成するように適用される。エッチング液608に暴露されない部分は、伝導性のままであって、より高いコンダクタンス部分610を形成する。エッチングの代わりに、または併用して、別の減法プロセスが、使用されることができ、例えば、レーザ研磨、コロナアーク放電、スライス加工、またはそれらの組み合わせである。
図6の方法のある側面およびパターン化された透明導体600は、
図3から
図5に関して前述のものと同様に実装されることができ、それらの側面は、繰り返される。
【0116】
図7は、本発明の実施形態による、パターン化された透明導体700の製造方法を図示する。
図7に示されるように、活性基板702が、提供される。次に、添加物704および埋込流体(図示せず)が、実質的に、均一様式において、1ステップ埋込または2ステップ埋込を介して、基板702に適用され、部分的または完全に、基板702の表面内に埋め込まれた添加物704をもたらすことができる。次いで、エッチング液706が、空間的に選択的または可変様式において、例えば、スクリーン印刷によって、またはマスクの使用を通して、表面埋込添加物704を伴う基板702に適用されることができる。低可視性パターン化を取得するために、エッチング液706は、エッチング液706に暴露された部分にわたって、部分的に、添加物704を除去または劣化させ、より低いコンダクタンス部分710を形成するように適用される。例えば、より低いコンダクタンス部分710内の添加物704は、添加物704をそれらの部分710から完全にエッチングせずに、より低いコンダクタンス部分710内でそれらを電気的に絶縁された状態にするために十分にエッチングされることができる。エッチング液706に暴露されない、基板702に沿った部分は、伝導性のままであって、より高いコンダクタンス部分708を形成する。エッチングの代わりに、または併用して、別の減法プロセスが、使用されることができ、例えば、レーザ研磨、コロナアーク放電、スライス加工、またはそれらの組み合わせである。
図7の方法のある側面およびパターン化された透明導体700は、
図3から
図6に関して前述のものと同様に実装されることができ、それらの側面は、繰り返される。
【0117】
図8は、本発明の別の実施形態による、パターン化された透明導体800の製造方法を図示する。
図8に示されるように、不活性基板802が、提供されることができるが、基板802はまた、別の実施形態では、活性であることができ、活性のパターン化されていないコーティング804が、基板802の上部に適用される。次に、添加物806および埋込流体(図示せず)が、実質的に、均一様式において、1ステップ埋込または2ステップ埋込を介して、コーティング804に適用され、部分的または完全に、コーティングの表面804内に埋め込まれた添加物806をもたらすことができる。次いで、エッチング液808が、空間的に選択的または可変様式において、例えば、スクリーン印刷によって、またはマスクの使用を通して、表面埋込添加物806を伴うコーティング804に適用されることができる。低可視性パターン化を取得するために、エッチング液808は、エッチング液808に暴露された部分にわたって、部分的に、添加物806を除去または劣化させ、より低いコンダクタンス部分812を形成するように適用される。例えば、より低いコンダクタンス部分812内の添加物806は、添加物806をそれらの部分812から完全にエッチングせずに、より低いコンダクタンス部分812内でそれらを電気的に絶縁された状態にするために十分にエッチングされることができる。エッチング液808に暴露されないコーティング804に沿った部分は、伝導性のままであって、より高いコンダクタンス部分810を形成する。エッチングの代わりに、または併用して、別の減法プロセスが、使用されることができ、例えば、レーザ研磨、コロナアーク放電、スライス加工、またはそれらの組み合わせである。
図8の方法のある側面およびパターン化された透明導体800は、
図3から
図7に関して前述のものと同様に実装されることができ、それらの側面は、繰り返される。
【0118】
いくつかの実施形態によると、透明導体のパターン化は、透明導体に沿った異なる部分が、可変範囲まで表面に埋め込まれる、伝導性または半伝導性添加物を含むように、透明導体に沿った水平または側方に延在する方向にわたって、埋込深度オフセットを実装することによって実施されることができる。典型的には、添加物が、非伝導性母材によって封入および被覆されるように、表面の真下に深く埋め込むことは、添加物網にわたる電気伝導性を阻害することができる一方、表面内に部分的に埋め込むことは、網状組織浸透および電気伝導性を向上させることができる。また、殆どまたは全く埋込がないことは、例えば、表面堆積添加物の場合、接合部形成を阻害し、電気伝導性の低減をもたらすことができる。空間的に可変または選択的様式において、透明導体にわたって、埋込深度を調節または調整することによって、より低いコンダクタンス部分は、表面内の深くに埋め込まれた、または表面上に残っている添加物とともに形成されることができ、より高いコンダクタンス部分は、添加物が、部分的に、表面内に埋め込まれることで形成されることができる。
【0119】
いくつかの実施形態では、基板またはコーティングは、空間的に可変または選択的様式において、ある部分を表面埋込に対してより受けやすく、またはより受けにくくするように変換されることができる。表面埋込に応じて、電気的伝導性または半伝導性添加物が、浸透し、ある部分には、電流を搬送し得るが、他の部分には搬送しないように、埋込深度オフセットが、基板またはコーティングにわたって取得される。一般に、変換プロセスは、電磁放射(例えば、UV、マイクロ波放射、またはレーザ放射)、電場、オゾン、火炎処理、化学ラジカル、ガス、プラズマ処理、プラズマスプレー、プラズマ酸化、化学還元(例えば、化学還元雰囲気)、化学酸化(例えば、化学酸化雰囲気)、蒸気、化学前駆体、酸、塩基、架橋結合剤、エッチング液、または任意のそれらの組み合わせの空間的に選択的適用を含むことができる。添加物は、実質的に、同一または類似装填レベルで(異なる埋込深度ではあるが)、より高いおよびより低いコンダクタンス部分の両方内に存在し得るため、より高いコンダクタンス部分は、ほぼまたは実質的に、より低いコンダクタンス部分と区別することができない。例えば、材料の埋込溶媒、コロナ処理、UVオゾン処理、または堆積が、基板またはコーティングのある部分上で実施され、それらの部分を埋込に対してより受けやすくし、それによって、それらの部分内の添加物が、浸透網状組織を形成しないように、より大きい埋込の範囲を助長することができる。
【0120】
添加物網のより高いおよびより低いコンダクタンス部分の空間パターン化は、物理的マスク、フォトマスク、ステンシル、または同等物の使用を伴うことができ、これは、変換源の正面に、基板またはコーティングの正面に、基板またはコーティングと接触して、または変換源と反対の基板またはコーティングの裏側に位置付けられ得る。
【0121】
いくつかの実施形態では、基板またはコーティングの変換は、添加物の堆積の前に生じることができる。そのような実施形態では、基板またはコーティングの選択された空間部分は、変換された部分が、電子伝導を可能にする一方、処理されていない部分が、電子伝導を可能にしない(または、伝導を低度に可能にする)ように、埋込度を制御する、または添加物網の形態を制御するように変換されることができる。代替として、基板またはコーティングの選択された部分は、変換された部分が、電子伝導を可能にしない(または、伝導を低度に可能にする)一方、処理されていない部分が、電子伝導を可能にするように、埋込度または添加物網の形態を空間的に制御するように変換されることができる。
【0122】
他の実施形態では、基板またはコーティングの変換は、添加物の堆積の後に生じることができる。そのような実施形態では、添加物は、実質的に、均一様式において、基板またはコーティングにわたって、表面堆積されることができる。次に、表面埋込は、伝導性が所望される部分にわたって、埋込流体を印刷することによって行なわれることができる。埋込流体は、添加物の埋込を助長し、添加物間の接触および浸透を可能にする。代替として、または併用して、表面埋込は、伝導性が所望されない部分にわたって、埋込流体を印刷することによって行なわれることができる。埋込流体は、例えば、表面の真下に添加物を重ねて埋め込むことによって、絶縁材料を伴う個々の添加物を重ねてコーティングすることによって、または両方によって、添加物の埋込を助長し、添加物間の接触および浸透を阻害する。別の選択肢は、実質的に均一に、基板またはコーティングにわたって、添加物を表面堆積し、次いで、伝導性が所望される選択された部分に変換することを伴う。変換自体が、伝導性を付与することができる、あるいは埋込流体処理(例えば、液体または蒸気)または熱処理を続けることができる。さらに別の選択肢は、実質的に均一に、基板またはコーティングにわたって、添加物を表面に堆積し、次いで、伝導性が所望されない選択された部分を変換させることを伴う。変換は、伝導性自体を劣化または低減させることができる、またはそのような目的のために、別の好適な処理を続けることができる。
【0123】
図9は、本発明の実施形態による、母材912の埋込表面S内の可変深度まで埋め込まれる、添加物902を含む、パターン化された透明導体900の断面を図示する。ある部分910内の添加物902は、表面伝導性であって、部分的に、埋込表面S内に埋め込まれ、部分的に、埋込表面Sに露出される。隣接する部分911内の添加物902は、表面Sの真下により深く埋め込まれ、非伝導性にされる。
図9に示されるように、より高いコンダクタンス部分910内の添加物902は、母材912の埋込領域920内に局在化され、埋込領域920は、比較的に薄く、埋込表面Sに隣接する。より低いコンダクタンス部分911内の添加物902は、母材912の埋込領域922内に局在化され、埋込領域922は、比較的に厚く、埋込表面Sの下方にあって、そこから離間される。埋込領域922の厚さは、埋込領域920の厚さの少なくとも約1.1倍、例えば、少なくとも約1.2倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、または少なくとも約3倍、および最大約5倍、最大約10倍、またはそれ以上であることができる。より高いコンダクタンス部分910内の添加物902の表面被覆率は、少なくとも約25%、例えば、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、または少なくとも約75%、および最大約90%、最大約95%、または最大約100%であることができる一方、より低いコンダクタンス部分911内の添加物902の表面被覆率は、25%を下回る、例えば、最大約20%、最大約15%、最大約10%、最大約5%、または最大約3%、および約2%まで、約1%まで、または最大約0%であることができる。
図9は、埋込深度オフセットを図示するが、また、より高いおよびより低いコンダクタンス部分910および911内の添加物902は、埋込表面Sに対して、同一または類似深度まで埋め込まれるが、前述のように、浸透の化学的または他の阻害を受けることも検討される。
【0124】
埋込深度オフセットを介して、透明導体を形成するための種々の技法が、使用されることができる。
図10は、本発明の実施形態による、コロナ処理を使用する、ロール・ツー・ロール技法を図示する。
図10では、ロール・ツー・ロールコロナ処理素子1000は、コロナ電極1001を含み、これは、高電圧発生器(図示せず)に接続されることができる。コロナ電極1001は、膜ウェブ1003を運搬するローラとして作用する、接地電極1004に対して、離間関係に搭載される。静電容量が、コロナ電極1001と接地電極1004との間に誘発される。ステンシルまたはマスク1002が、2つの電極1001と1004との間に載置され、電極1001と1004との間に誘発されたコロナまたはプラズマからの高電圧アーク放電を用いて、ウェブ1003の表面の選択的コロナ処理を可能にする。ステンシルパターンは、膜ウェブ1003の縦方向、横方向、または任意の他の幾何学形状に沿って、任意の恣意的パターンであることができる。ステンシル1002は、その間に空気または別の誘電材料を伴って、コロナ電極1001と膜ウェブ1003との間の種々の距離で位置することができる。ステンシル1002は、コロナ処理が所望されないある部分から効果的にマスクを取り除くことができる、任意の好適な材料から形成されることができる。オゾン、酸化剤、または他の化学剤もまた、表面処理を促進するように導入されることができる。ステンシル1002は、可動または定常であることができる。埋込深度オフセットの代わりに、または併用して、ロール・ツー・ロールコロナ処理素子1000が、使用され、浸透の物理的または化学的阻害を介して、パターン化を取得することができる。
【0125】
図11は、
図10に示されるものに類似するロール・ツー・ロール技法を図示し、ステンシルまたはマスク1105は、コロナ電極1001を格納する、ローラの形態である、またはコロナ電極1001と膜ウェブ1003の表面との間に別様に配置される。
図12に図示される別の実施形態では、ステンシルまたはマスク1206は、膜ウェブ1003の背後および膜ウェブ1003と接地電極1004との間に位置する。ステンシル1206は、本実施形態では、電気的伝導性材料から形成され、コロナアーク放電を誘引することができる。コロナアーク放電は、選択的に、下方のローラの上のパターン化された導体の直上の膜ウェブ1003の一部を処理することができる。
【0126】
図13は、本発明の実施形態による、パターン化された透明導体1300の製造方法を図示する。
図13に示されるように、活性基板1302が、提供されることができる。次に、過活性誘発剤1304が、空間的に選択的または可変様式において、例えば、スクリーン印刷によって、またはマスクの使用を通して、基板1302に適用されることができる。「過活性誘発」とは、例えば、基板1302の表面の真下に重ねて埋め込むことによって、接合部形成および電気浸透を阻害する埋込の範囲に対して、基板1302に影響を及ぼす、または影響を受けやすくする、薬剤1304であることを理解されるであろう。例えば、基板1302としてのポリカーボネート膜またはシートの場合、過活性誘発剤1304は、基板1302に対して高溶解力を有する、シクロヘキサノンまたは別の埋込流体を含むことができる。随意に、清浄または漱ぎ動作は、任意の残っている過活性誘発剤1304を除去するために実施されることができる。次いで、添加物1306および埋込流体(図示せず)が、実質的に、均一様式において、1ステップ埋込または2ステップ埋込を介して、基板1302に適用され、部分的に埋め込まれた添加物1306を伴う、より高いコンダクタンス部分1308と、重ねて埋め込まれた添加物1306を伴う、より低いコンダクタンス部分1310とをもたらすことができる。
図13の方法のある側面およびパターン化された透明導体1300は、
図3から
図12に関して前述のものと同様に実装されることができ、それらの側面は、繰り返される。別の実施形態は、
図13に示されものと同様に実装されることができ、処理動作は、活性または不活性のいずれかであることができる、基板の上部の活性コーティングにわたって実施される。
【0127】
図14は、本発明の実施形態による、パターン化された透明導体1400の製造方法を図示する。
図14に示されるように、活性基板1402が、提供されることができる。次に、基板1402は、空間的に選択的または可変様式において、例えば、プラズマ、コロナ、またはUVオゾン処理を使用して、処理され、基板のある部分を過活性にする。「過活性」とは、空間的に選択的処理が、例えば、基板1402の表面の真下に重ねて埋め込むことによって、接合部形成および電気浸透を阻害する埋込の範囲に対して、基板1402に影響を及ぼす、または影響を受けやすくすることであることを理解されるであろう。空間的に選択的処理は、マスク1404の使用を通して、実施されることができる。次いで、添加物1406および埋込流体(図示せず)が、実質的に、均一様式において、1ステップ埋込または2ステップ埋込を介して、基板1402に適用され、部分的に埋め込まれた添加物1406を伴う、より高いコンダクタンス部分1408と、重ねて埋め込まれた添加物1406を伴う、より低いコンダクタンス部分1410とをもたらすことができる。
図14の方法のある側面およびパターン化された透明導体1400は、
図3から
図13に関して前述のものと同様に実装されることができ、それらの側面は、繰り返される。別の実施形態は、
図14に示されるものと同様に実装されることができ、処理動作は、活性または不活性のいずれかであることができる、基板の上部の活性コーティングにわたって実施される。
【0128】
図15は、本発明の実施形態による、パターン化された透明導体1500の製造方法を図示する。
図15に示されるように、活性基板1502が、提供されることができる。次に、パターン化された過活性層1504は、空間的に選択的または可変様式において、例えば、印刷によって、またはマスクの使用を通して、基板1502上に形成されることができる。「過活性」とは、層1504は、例えば、基板1502の表面の真下に重ねて埋め込まれることによって、埋込流体によって十分に影響される、または別様に十分にその影響を受けやすくし、接合部形成および電気浸透を阻害する埋込の範囲をもたらすことであることを理解されるであろう。また、「過活性」は、層1504(または、他の母材)が、ある埋込流体に対して過活性であり得るが、別の埋込流体に対して活性または不活性であるような特定の埋込流体と対比され得ることであることを理解されるであろう。例えば、基板1502としてのポリカーボネート膜またはシートの場合、過活性層1504は、特定の埋込流体内でより優れた溶解度を有する、またはそれに対してより低い溶媒抵抗を有する、ポリメチル・メタクリレートの層であることができる。次いで、添加物1506および埋込流体(図示せず)が、実質的に、均一様式において、1ステップ埋込または2ステップ埋込を介して、基板1502および過活性層1504に適用され、基板1502内に部分的に埋め込まれた添加物1506を伴う、より高いコンダクタンス部分1508と、層1504内に重ねて埋め込まれた添加物1506を伴う、より低いコンダクタンス部分1510とをもたらすことができる。
図15の方法のある側面およびパターン化された透明導体1500は、
図3から
図14に関して前述のものと同様に実装されることができ、それらの側面は、繰り返される。別の実施形態は、
図15に示されるものと同様に実装されることができ、処理動作は、活性または不活性のいずれかであることができる、基板の上部の活性コーティングにわたって実施される。
【0129】
図16は、本発明の実施形態による、パターン化された透明導体1600の製造方法を図示する。
図16に示されるように、活性基板1602が、提供されることができる。次に、パターン化された不活性層1604は、空間的に選択的または可変様式において、例えば、印刷によって、またはマスクの使用を通して、基板1602上に形成されることができる。「不活性」とは、層1604が、表面埋込が層1604内で殆どまたは全く生じないように、埋込流体によって十分に影響を受けない、または別様にそれに対して耐性があることであることを理解されるであろう。また、「不活性」は、層1604(または、他の母材)が、ある埋込流体に対して不活性であるが、別の埋込流体に対して活性または過活性であるような特定の埋込流体と対比され得ることを理解されるであろう。低可視性パターン化を取得するために、層1604は、光学的に一致させるために、その中に分散されるナノ粒子、充填剤、または別の材料を含み、例えば、液晶材料、光発色性材料(例えば、ガラス基板の場合、ハロゲン化銀、またはポリマー基板の場合、有機光発色性分子、例えば、オキサジン、またはナフトピラン)である。次いで、添加物1606および埋込流体(図示せず)が、実質的に、均一様式において、1ステップ埋込または2ステップ埋込を介して、基板1602および不活性層1604に適用され、基板1602内に部分的に埋め込まれた添加物1606を伴う、より高いコンダクタンス部分1608と、層1604上に表面堆積される添加物1606を伴う、より低いコンダクタンス部分1610とをもたらすことができる。随意に、清浄または漱ぎ動作が、表面堆積添加物1606を除去するために実施されることができるが、少表面堆積添加物1606の少なくとも一部は、より高いおよびより低いコンダクタンス部分1608と1610との間の光学的一致の範囲を調整するために留保されることができる。
図16の方法のある側面およびパターン化された透明導体1600は、
図3から
図15に関して前述のものと同様に実装されることができ、それらの側面は、繰り返される。別の実施形態は、
図16に示されるものと同様に実装されることができ、処理動作は、活性または不活性のいずれかであることができる、基板の上部の活性コーティングにわたって実施される。
【0130】
図17は、本発明の実施形態による、パターン化された透明導体1700の製造方法を図示する。
図17に示されるように、活性基板1702が、提供されることができる。次に、非活性化剤1704が、空間的に選択的または可変様式において、例えば、スクリーン印刷によって、またはマスクの使用を通して、基板1702に適用されることができる。「非活性化」とは、薬剤1704に暴露される基板1702の部分にわたって、表面埋込が殆どまたは全く生じないように、薬剤1704が、基板1702に影響を及ぼす、または埋込流体に十分に耐性があるようにすることであることを理解されるであろう。例えば、非活性化剤1704は、UVまたは熱処理とともに適用され、基板1702のある部分を架橋結合し、表面埋込を阻害することができる、架橋結合剤を含むことができる。別の実施例として、非活性化剤1704は、埋込流体による湿潤を阻害する撥水剤を含むことができる。随意に、清浄または漱ぎ動作は、任意の残っている非活性化剤1704を除去するために実施されることができる。次いで、添加物1706および埋込流体(図示せず)が、実質的に、均一様式において、1ステップ埋込または2ステップ埋込を介して、基板1702に適用され、基板1702内に部分的に埋め込まれた添加物1706を伴う、より高いコンダクタンス部分1708と、基板1702上に表面堆積された添加物1706を伴う、より低いコンダクタンス部分1710とをもたらすことができる。随意に、清浄または漱ぎ動作が、表面堆積添加物1706を除去するために実施されることができるが、表面堆積添加物1706の少なくとも一部は、より高いおよびより低いコンダクタンス部分1708と1710との間の光学的一致のために留保されることができる。
図17の方法のある側面およびパターン化された透明導体1700は、
図3から
図16に関して前述のものと同様に実装されることができ、それらの側面は、繰り返される。別の実施形態は、
図17に示されるものと同様に実装されることができ、処理動作は、活性または不活性のいずれかであることができる、基板の上部の活性コーティングにわたって実施される。
【0131】
図18は、本発明の実施形態による、パターン化された透明導体1800の製造方法を図示する。
図18に示されるように、活性基板1802が、提供されることができる。次に、パターン化された不活性層1804は、空間的に選択的または可変様式において、例えば、印刷によって、またはマスクの使用を通して、基板1802上に形成されることができる。次いで、添加物1806および埋込流体(図示せず)が、実質的に、均一様式において、1ステップ埋込または2ステップ埋込を介して、基板1802および不活性層1804に適用され、基板1802内に部分的に埋め込まれた添加物1806を伴う、より高いコンダクタンス部分1808と、層1804上に表面堆積される添加物1806を伴う、より低いコンダクタンス部分1810とをもたらすことができる。随意に、清浄または漱ぎ動作が、表面堆積添加物1806を除去するために実施されることができるが、表面堆積添加物1806の少なくとも一部は、より高いおよびより低いコンダクタンス部分1808および1810との間の光学的一致のために留保されることができる。
図18の方法のある側面およびパターン化された透明導体1800は、
図3から
図17に関して前述のものと同様に実装されることができ、それらの側面は、繰り返される。別の実施形態は、
図18に示されるものと同様に実装されることができ、処理動作は、活性または不活性のいずれかであることができる、基板の上部の活性コーティングにわたって実施される。
【0132】
図19は、本発明の実施形態による、パターン化された透明導体1900の製造方法を図示する。
図19に示されるように、不活性基板1902が、提供されることができる。次に、パターン化された活性層1904は、空間的に選択的または可変様式において、例えば、印刷によって、またはマスクの使用を通して、基板1902上に形成されることができる。例えば、基板1902が、高度の結晶性または架橋結合を有するガラスまたはポリマー(例えば、テレフタル酸ポリエチレン)から形成される場合、活性層1904は、特定の埋込流体内でより優れた溶解度を有する、またはそれに対してより少ない溶媒抵抗を有する、ポリメチル・メタクリレートの層であることができる。次いで、添加物1906および埋込流体(図示せず)が、実質的に、均一様式において、1ステップ埋込または2ステップ埋込を介して、基板1902および活性層1904に適用され、層1904内に部分的に埋め込まれた添加物1906を伴う、より高いコンダクタンス部分1908と、基板1902上に表面堆積される添加物1906を伴う、より低いコンダクタンス部分1910とをもたらすことができる。随意に、清浄または漱ぎ動作が、表面堆積添加物1906を除去するために実施されることができるが、表面堆積添加物1906の少なくとも一部は、より高いおよびより低いコンダクタンス部分1908と1910との間の光学的一致のために留保されることができる。
図19の方法のある側面およびパターン化された透明導体1900は、
図3から
図18に関して前述のものと同様に実装されることができ、それらの側面は、繰り返される。別の実施形態は、
図19に示されるものと同様に実装されることができ、処理動作は、活性または不活性のいずれかであることができる、基板の上部の不活性コーティングにわたって実施される。
【0133】
図20は、本発明の実施形態による、パターン化された透明導体2000の製造方法を図示する。
図20に示されるように、不活性基板2002が、提供されることができる。次に、パターン化されていない活性コーティング2004が、基板2002上に形成されることができる。例えば、基板2002が、高度の結晶性または架橋結合を有するガラスまたはポリマーから形成される場合、活性コーティング2004は、特定の埋込流体内におけるより優れた溶解度を有する、またはそれに対してより少ない溶媒抵抗を有する、ポリメチル・メタクリレートのコーティングであることができる。次に、非活性化剤2006が、空間的に選択的または可変様式において、例えば、スクリーン印刷によって、またはマスクの使用を通して、コーティング2004に適用されることができる。例えば、非活性化剤2006は、UVまたは熱処理とともに適用され、コーティング2004のある部分を架橋結合し、表面埋込を阻害することができる、架橋結合剤を含むことができる。別の実施例として、非活性化剤2006は、埋込流体による湿潤を阻害する撥水剤を含むことができる。随意に、清浄または漱ぎ動作が、任意の残っている非活性化剤2006を除去するために実施されることができる。次いで、添加物2008および埋込流体(図示せず)が、実質的に、均一様式において、1ステップ埋込または2ステップ埋込を介して、コーティング2004に適用され、コーティング2004内に部分的に埋め込まれた添加物2008を伴う、より高いコンダクタンス部分2010と、コーティング2004上に表面堆積される添加物2008を伴う、より低いコンダクタンス部分2012とをもたらすことができる。随意に、清浄または漱ぎ動作が、表面堆積添加物2008を除去するために実施されることができるが、表面堆積添加物2008の少なくとも一部は、より高いおよびより低いコンダクタンス部分2010と2012との間の光学的一致のために留保されることができる。
図20の方法のある側面およびパターン化された透明導体2000は、
図3から
図19に関して前述のものと同様に実装されることができ、それらの側面は、繰り返される。別の実施形態は、
図20に示されるものと同様に実装されることができ、処理動作は、活性または不活性のいずれかであることができる、基板の上部の不活性コーティングにわたって実施される。
【0134】
図21は、本発明の実施形態による、パターン化された透明導体2100の製造方法を図示する。
図21に示されるように、不活性基板2102が、提供されることができる。次に、パターン化されていない活性コーティング2104が、基板2102上に形成されることができる。次に、非活性化剤2106が、空間的に選択的または可変様式において、例えば、印刷によって、またはマスクの使用を通して、コーティング2104内に表面埋込されることができる。例えば、非活性化剤2006は、光学的一致および低可視性パターン化のためのナノ粒子、充填剤、または別の材料とともに表面埋込され得る、架橋結合剤を含むことができる。次に、UVまたは熱処理が、コーティング2104のある部分を架橋結合し、表面埋込を阻止するために適用されることができる。次いで、添加物2108および埋込流体(図示せず)が、実質的に、均一様式において、1ステップ埋込または2ステップ埋込を介して、コーティング2104に適用され、コーティング2104内に部分的に埋め込まれた添加物2108を伴う、より高いコンダクタンス部分2110と、コーティング2104上に表面堆積される添加物2108を伴う、より低いコンダクタンス部分2112とをもたらすことができる。随意に、清浄または漱ぎ動作が、表面堆積添加物2108を除去するために実施されることができるが、表面堆積添加物2108の少なくとも一部は、より高いおよびより低いコンダクタンス部分2110と2112との間の光学的一致の範囲を調整するために留保されることができる。
図21の方法のある側面およびパターン化された透明導体2100は、
図3から
図20に関して前述のものと同様に実装されることができ、それらの側面は、繰り返される。別の実施形態は、
図21に示されるものと同様に実装されることができ、処理動作は、活性または不活性のいずれかであることができる、基板の上部の不活性コーティングにわたって実施される。
【0135】
パターン化された透明導体の一般化製造方法の種々の選択肢が、本発明の実施形態による、
図22A−
図22Cに図示される。方法のある段階は、随意であって、各段階は、いくつかの異なる方法で実装されることができることに留意されたい。したがって、方法の種々の可能性として考えられる順列が、
図22A−
図22Cに図示されるが、それらは全て、本明細書の実施形態の範囲内である。
【0136】
図22Aを参照すると、透明導体が、段階0に示されるように、基板から開始して形成される。基板は、活性または不活性であることができる。いくつかの実施形態(例えば、逆パターン化)の場合、活性および不活性基板タイプの両方が、使用されることができる。いくつかの実施形態では、処理は、基板タイプにかかわらず、実施されることができる。
【0137】
随意である、段階1では、基板は、実質的に、均一様式において、活性または不活性層(例えば、ポリマー層またはサブ層)、架橋結合剤、活性層およびエッチング液の組み合わせ、または「ワイルドカード」材料と称され得る材料、例えば、光学的一致のために含まれるものでコーティングされることができる。ワイルドカード材料は、銀ナノワイヤと実質的に同一または類似光学特性をもたらす、ナノ粒子およびナノワイヤ以外の材料を含むことができる。ワイルドカード材料の実施例は、液晶材料または光発色性材料(例えば、ガラス基板の場合、ハロゲン化銀、またはポリマー基板の場合、有機光発色性分子、例えば、オキサジンまたはナフトピラン)を含む。基板が、活性または不活性層でコーティングされる場合、基板および層の組み合わせは、時として、「ベース」と称される。
【0138】
段階2では、ベースは、随意の空間的に選択的化学的、物理的、または他の形態学的変換を受けることができる。そのような変換の実施例は、指向性プラズマ源へのベースの暴露、空間的に選択的様式における架橋結合薬剤の堆積後の硬化、またはマスキング後のプラズマ源または架橋結合剤への広範な暴露を含む。段階1および2の実装の順序は、いくつかの実施形態では、逆にされることができることに留意されたい。
【0139】
段階3では、パターン化された表面が、随意に、例えば、マスキングまたは印刷によって形成されることができる。表面は、活性または不活性ポリマーを印刷することによって、パターン化されることができる。ある場合には、印刷されるポリマーは、バルク混入ナノ粒子、ナノワイヤ、または他の添加物を含むことができる。他の場合には、印刷されるポリマーは、バルク混入ナノ粒子、ナノワイヤ、または他の添加物を含むことができ、硬化されることができる。硬化は、ポリマーの架橋結合(例えば、架橋結合剤の添加後、または元のポリマー樹脂の配合物に基づく)ならびに実質的に、恒久的構成をもたらす他の固化を含むことができる。他の場合には、基板または層は、基板または層の材料を軟化または膨張可能な溶媒を印刷することによって、パターン化されることができる。他の場合には、パターンは、溶媒からナノワイヤを印刷することによって形成されることができる。さらに他の場合には、表面は、エッチング液を印刷することによって、パターン化されることができる。エッチング液は、ナノワイヤ網の電気伝導性を不活性化する一方、ほぼまたは実質的に、ナノワイヤ網の光学特性を留保することができる。エッチング液は、例えば、湿潤化学性質または蒸気化学性質によって、化学的に実装されることができる。別の減法プロセス、例えば、レーザを用いたスクライビングまたはスライス加工、コロナ放電、および同等物もまた、化学エッチングの代わりに、または併用して、使用されることができる。
【0140】
次に、
図22Bを参照すると、方法は、随意の段階4に進むことができ、ポリマー、ナノワイヤ、またはナノ粒子が、空間的に選択的様式(例えば、印刷またはドクタ装置による充填)において適用され、反転パターンを形成することができる。ポリマーの反転印刷では、以前の段階で印刷されたものと反対のパイプのポリマーが、以前に印刷されたポリマーの部分の間の空間または間隙内に印刷されることできる。例えば、活性ポリマーパターンが、段階3で印刷される場合、不活性ポリマーパターンが、段階4において、活性ポリマーパターン間の空間内に印刷されることができる。代替として、不活性ポリマーパターンが、段階3で印刷される場合、活性ポリマーパターンが、段階4において、不活性ポリマーパターン間の空間内に印刷されることができる。同様に、ナノワイヤのパターンが、段階3で印刷される場合、ナノ粒子は、段階4において、ナノワイヤパターン間の空間内に反転して印刷されることができる。代替として、ナノ粒子のパターンが、段階3で印刷される場合、ナノワイヤは、段階4において、ナノ粒子パターン間の空間内に反転して印刷されることができる。
【0141】
随意の段階5では、任意の露出された活性材料は、それらを溶媒に暴露することによって事前に膨張されることができる。
【0142】
段階6では、基板または層は、実質的に、均一様式において、ナノワイヤで充填されることができる。ナノワイヤは、それらを溶媒中に分散させ、次いで、基板または層をナノワイヤ含有溶媒でコーティングすることによって、コーティングされることができる。基板または層は、溶媒に対して、不活性、活性、または過活性であることができる。いくつかの実施形態では、ナノワイヤのコーティングは、ドクタ装置で充填されることができる。いくつかの実施形態では、段階6は、段階5の前に、または段階4の前に、行なわれることができることに留意されたい。コーティング後、随意のマスクが、段階7において、コーティングされた基板またはコーティングされた層にわたって配置されることができる。
【0143】
付加的パターン化が、随意に、段階8において、例えば、表面全体にわたってエッチングすることによって、パターン化されたエッチング(例えば、エッチング液の印刷によって)によって、または架橋結合剤の印刷によって、行なわれることができる。前述のように、エッチング液は、例えば、湿潤化学性質または蒸気化学性質によって、化学的に実装されることができる。別の減法プロセスもまた、使用されることができ、例えば、レーザを用いたスクライビングまたはスライス加工、コロナ放電、および同等物である。
【0144】
随意の漱ぎまたは洗浄段階8.5が、本時点で実装され、任意の望ましくない、または埋め込まれていないナノ粒子またはナノワイヤを除去することができる。
【0145】
段階9では、付加的ナノワイヤまたはナノ粒子が、随意に、例えば、光学的一致の目的のために、表面の選択された部分(例えば、不活性部分)に適用されることができる。
【0146】
段階10では、ナノ粒子およびナノワイヤの一方または両方が、表面の活性部分内に表面埋込されることができる。ナノワイヤまたはナノ粒子が埋め込まれる、特定の部分は、以前のプロセス段階に依存する。一般に、ナノワイヤまたはナノ粒子は、活性部分内に埋め込まれることができるが、不活性部分には、殆どまたは全く埋め込まれない。段階10における埋込は、溶媒が以前に適用されていない場合、溶媒蒸気への表面全体の暴露または表面の溶媒でのコーティングを伴うことができる。埋込は、随意に、例えば、光、熱等の適用によって、ナノ粒子またはナノワイヤを含む、活性部分の硬化を伴うことができる。埋込はまた、随意に、パターン化されたインプリントローラ、均一ローラ、または両方タイプのローラの組み合わせを用いて、圧力圧延を伴うことができる。加えて、溶媒のパターンが、選択的に、表面にわたって印刷されることができ、表面は、溶媒に対して活性である。
【0147】
段階10後、次に、
図22Cを参照すると、随意の部分的エッチング段階11が、実装されることができる。段階11の代わりに、または併用して、随意の段階12は、例えば、ポリマーを使用して、露出されたナノワイヤを絶縁または保護するために、表面のオーバーコーティングまたはオーバー印刷を伴うことができる。
【0148】
図23A−
図23Fは、本発明の実施形態による、
図22A−
図22Cの方法に従って形成されたパターン化された透明導体2300、2302、2304、2306、2308、および2310の実施例を図示する。パターン化された透明導体2300、2302、2304、2306、2308、および2310は、一例として提供され、いくつかの他の構成も、
図22A−
図22Cに記載されるものを含め、前述の方法によって取得され得ることに留意されたい。
【0149】
図23Aに示されるように、パターン化された透明導体2300は、活性基板2314の一部内に表面埋込され、より高いコンダクタンス部分2316を形成する、第1の一式の添加物2312と、活性基板2314の別の部分内に表面埋込され、より低いコンダクタンス部分2320を形成する、第2の一式の添加物2318とを含む。例えば、添加物2312は、アスペクト比約3以上を有する、ナノワイヤ、ナノチューブ、または他の伸長構造を含むことができる一方、添加物2318は、アスペクト比約3未満を有する、ナノ粒子または他の回転楕円体構造を含むことができる。別の実施例として、添加物2312は、基板2314の表面内に部分的に埋め込まれることができる一方、添加物2318は、基板の表面2314の下方により深く埋め込まれることができる。さらなる実施例として、添加物2318は、部分的に、エッチングされる、または別様に、処理され、より低いコンダクタンス部分2320の電気的伝導性を劣化または低減させることができる。より高いコンダクタンス部分2316およびより低いコンダクタンス部分2320は、ほぼまたは実質的に、低可視性パターン化のために一致する、光学特性を有することができる。
【0150】
図23Bに示されるように、パターン化された透明導体2302は、基板2324の一部内に表面埋込され、より高いコンダクタンス部分2326を形成する、第1の一式の添加物2322と、基板2324の別の部分上に表面堆積され(埋込を殆どまたは全く伴わない)、より低いコンダクタンス部分2330を形成する、第2の一式の添加物2328とを含む。添加物2322および添加物2328は、同一または異なることができ、より高いコンダクタンス部分2326およびより低いコンダクタンス部分2330は、ほぼまたは実質的に、低可視性パターン化のために一致する、光学特性を有することができる。
【0151】
図23Cに示されるように、パターン化された透明導体2304は、活性または不活性のいずれかであることができる、基板2334の上部に配置される、活性層2332を含む。層2332は、例えば、ポリマーのコーティングとして形成されることができる。第1の一式の添加物2336は、層2332の一部内に表面埋込され、より高いコンダクタンス部分2338を形成し、第2の一式の添加物2340は、層2332の別の部分内に表面埋込され、より低いコンダクタンス部分2342を形成する。例えば、添加物2336は、アスペクト比約3以上を有する、ナノワイヤ、ナノチューブ、または他の伸長構造を含むことができる一方、添加物2340は、アスペクト比約3未満を有する、ナノ粒子または他の回転楕円体構造を含むことができる。別の実施例として、添加物2336は、層2332の表面内に部分的に埋め込まれることができる一方、添加物2340は、層2332の表面の下方により深く埋め込まれることができる。さらなる実施例として、添加物2340は、部分的に、エッチングされる、または別様に、処理され、より低いコンダクタンス部分2342の電気的伝導性を劣化または低減させることができる。より高いコンダクタンス部分2338およびより低いコンダクタンス部分2342は、ほぼまたは実質的に、低可視性パターン化のために一致する、光学特性を有することができる。
【0152】
図23Dに示されるように、パターン化された透明導体2306は、活性または不活性のいずれかであることができる、基板2344の上部に配置される、第1の活性層2342と、基板2344の上部に配置され、第1の活性層2342の側方に隣接する、第2の活性層2346とを含む。第1の層2342は、浸透網の形成を促進する様式において、表面埋込をもたらす、母材のパターン化された層であることができる一方、第2の層2346は、浸透網の形成を阻害する様式において、表面埋込をもたらす、異なる母材のパターン化された層であることができる。第1の層2342のための好適な材料の実施例は、アクリル(例えば、ポリメチル・メタクリレート)、ポリカーボネート、ポリイミド、および同等物を含み、第2の層2346のための好適な材料の実施例は、セラミック(例えば、シラン系材料)、ある形態のアクリル、および同等物を含む。第1の一式の添加物2348は、第1の層2342内に表面埋込され、より高いコンダクタンス部分2352を形成し、第2の一式の添加物2350は、第2の層2346内に表面埋込され、より低いコンダクタンス部分2354を形成する。添加物2348および添加物2350は、同一または異なることができ、より高いコンダクタンス部分2352およびより低いコンダクタンス部分2354は、ほぼまたは実質的に、低可視性パターン化のために一致する光学特性を有することができる。
【0153】
図23Eに示されるように、パターン化された透明導体2308は、基板2358の上部に配置される、活性層2356を含む。層2356は、空間的に選択的様式において、基板2358のある面積を被覆するように適用される、母材のパターン化された層であることができる一方、基板2358の残っている面積は、層2356によって被覆されないままである。第1の一式の添加物2360は、層2356内に表面埋込され、より高いコンダクタンス部分2362を形成し、第2の一式の添加物2364は、基板2358の非被覆または露出面積上に表面堆積され(埋込を殆どまたは全く伴わない)、より低いコンダクタンス部分2366を形成する。上塗り2368が、空間的に選択的様式において、表面堆積添加物2364にわたって適応され、添加物2364を留保し、パターン化された透明導体2308の表面を平面化することができる。上塗り2368はまた、
図23Fのパターン化された透明導体2310に関して示されるように、省略されることができ、表面堆積添加物2364の厚さまたは量は、表面を平面化するために調節される。添加物2360および添加物2364は、同一または異なることができ、高いコンダクタンス部分2362およびより低いコンダクタンス部分2366は、ほぼまたは実質的に、低可視性パターン化のために一致する光学特性を有することができる。
【0154】
透明導体を含む素子
本明細書に説明される透明導体は、種々の素子内の透明伝導性電極として使用されることができる。好適な素子の実施例は、太陽電池(例えば、薄膜太陽電池および結晶性シリコン太陽電池)、ディスプレイ素子(例えば、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(「LCD」)、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオード(「OLED」)ディスプレイ、電子ペーパー(「e−ペーパー」)、量子ドットディスプレイ(例えば、QLEDディスプレイ)、およびフレキシブルディスプレイ)、固体照明素子(例えば、OLED照明素子)、タッチセンサ素子(例えば、投影型容量タッチセンサ素子、タッチオンガラスセンサ素子、タッチオンレンズ投影型容量タッチセンサ素子、セル上またはセル内投影型容量タッチセンサ素子、自己容量タッチセンサ素子、表面型容量タッチセンサ素子、および抵抗タッチセンサ素子)、スマートウィンドウ(または、他のウィンドウ)、フロントガラス、航空宇宙用透明フィルム、電磁波シールド、電荷散逸シールド、および静電気防止シールド、ならびに他の電子、光学、光電子、量子、光電池、およびプラズモニック素子を含む。透明導体は、特定の用途、例えば、光電池素子の状況における仕事関数の一致または他の素子構成要素または層とオーム接触を形成するための透明導体調整に応じて、調整または最適化されることができる。
【0155】
いくつかの実施形態では、透明導体は、タッチスクリーン素子内の電極として使用されることができる。タッチスクリーン素子は、典型的には、ディスプレイと統合される、双方向入力素子として実装され、ユーザは、タッチスクリーンに接触することによって、入力を提供することができる。タッチスクリーンは、典型的には、光および画像が素子を通して透過することができるように、透明である。
【0156】
図24は、本発明の実施形態による、投影型容量タッチスクリーン素子2400の実施例を図示する。タッチスクリーン素子2400は、一対のパターン化された透明伝導性電極2402と2406との間に配置される、薄膜セパレータ2404と、透明伝導性電極2406の上部表面に隣接して配置される、剛性タッチスクリーン2408とを含む。静電容量の変化は、ユーザがタッチスクリーン2408に接触すると生じ、コントローラ(図示せず)が、変化を感知し、ユーザ接触の座標を求める。有利には、透明伝導性電極2402および2406の一方または両方は、本明細書に説明される透明導体を使用して実装されることができる。また、透明導体は、フレキシブルタッチスクリーンを含む、抵抗タッチスクリーン素子(例えば、4−ワイヤ、5−ワイヤ、および8−ワイヤ抵抗タッチスクリーン素子)内に含まれ、ユーザがフレキシブルタッチスクリーンを押下すると、一対の透明伝導性電極間の電気接触に基づいて動作することができることも検討される。
【実施例】
【0157】
以下の実施例は、当業者のための説明を例証および説明するように、本発明のいくつかの実施形態の具体的な側面を説明する。実施例は、本発明のいくつかの実施形態を理解および実践するのに有用である具体的な方法論を提供するにすぎないため、実施例は、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0158】
(実施例1)
ナノワイヤ分散系
一実装では、第1の集合のナノワイヤ(第1の一式の形態学的特性を有する)が、第2の集合のナノワイヤ(第2の一式の形態学的特性を有する)を伴う溶液中で組み合わせられ、次いで、1つの動作において、表面埋込される。例えば、第1の集合は、約20nmの直径(平均して)および約20μmの長さ(平均して)のナノワイヤを含むことができ、第2の集合は、約100nmの直径(平均して)および約100μmの長さ(平均して)のより大きなサイズのナノワイヤを含むことができる。第1の集合および第2の集合は、約40%(体積あたり)トリフルオロエタノールおよび約60%(体積あたり)イソプロパノール中で混合され、次いで、ガラス基板上のポリイミド層上にスロットダイコーティングされる。各ナノワイヤ集合は、濃度約2mg/mlで含まれ、結果として生じる表面埋込構造は、約92%の透過率および約100Ohms/sqのシート抵抗を呈する。
【0159】
別の実装では、第1の集合のナノワイヤ(第1の一式の形態学的特性を有する)は、最初に、母材内に表面埋込され、次いで、第2の集合のナノワイヤ(第2の一式の形態学的特性を有する)が、続いて、母材の同一の領域内に表面埋込される。母材は、コーティングである、基板である、または別様に、表面埋込されるナノワイヤのための基材としての機能を果たすことができる。例えば、ある集合のナノワイヤは、約40nmの直径(平均して)および約20μmの長さ(平均して)のナノワイヤを含むことができ、他の集合のナノワイヤは、約200nmの直径(平均して)および約200μmの長さ(平均して)のより大きなサイズのナノワイヤを含むことができる。各集合のナノワイヤは、濃度約2mg/mlにおける、約40%(体積あたり)トリフルオロエタノールおよび約60%(体積あたり)イソプロパノール中に分散され、次いで、連続して、ガラス基板上のポリイミド層上にスロットダイコーティングされる。結果として生じる表面埋込構造は、約92%の透過率および約100Ohms/sqのシート抵抗を呈する。
【0160】
(実施例2)
パターン化された透明導体の形成
ポリジメチルシロキサンスタンプが、レーザエッチングされ、パターン化されたスタンプを形成し、パターン化されたスタンプは、濃度約5mg/mlにおける、約50%(体積あたり)イソプロパノールおよび約50%(体積あたり)トリフルオロエタノールの溶液中において、銀ナノワイヤのリザーバ上にスタンプするために使用される。パターン化されたスタンプは、約1μmの厚さのポリイミド平面化層上にスタンプされる。パターン化される、またはパターン化されないことができる、ポリイミド層が、カラーフィルター上に配置される。スタンプの底部表面は、スタンプとポリイミド層との間の主要または唯一の接触点であることができる一方、スタンプの底部面から離れた他のパターン化された部分は、ポリイミド層と殆どまたは全く接触しないことができる。そのような様式では、スタンプの底部表面のパターンが、ポリイミド層上に効果的に転写されることができる。アルコール溶液は、転写されたパターンに従って、ポリイミド層内への銀ナノワイヤの耐久性があり、空間的に可変である表面埋込を促進する。スタンププロセスは、望ましくは、表面埋込の間、アルコール溶液の少なくとも一部が残っているような様式で実施される。スタンプは、例えば、銀ナノワイヤ分散系上への再浸漬または再スタンプによって、別のパターンを転写するために再使用されることができる。スタンプは、凹版印刷において使用される輪転グラビアと同様に、ローラの形状因子をとることができる。他の実装では、スタンプは、別のポリマー、エラストマー、金属、セラミック、または別の好適な材料から形成されることができる。
【0161】
(実施例3)
パターン化された透明導体の形成
類似スタンププロセスが、実施例2に記載のように実施されるが、スタンプの底部表面および上部表面(レーザエッチングによってパターン化底部表面から陥凹される)は両方とも、ナノワイヤ分散系によって湿潤される。スタンプの底部表面上に暴露されるナノワイヤは、拭き取られ、上部表面上にナノワイヤを残す。スタンプは、ポリイミド基板上に適用され、ナノワイヤは、スタンプの上部表面のパターンに従って、領域内に表面埋込される。
【0162】
(実施例4)
パターン化された透明導体の形成
レーザまたは別の光源が、環状オレフィンコポリマー基板上に堆積されるPMMAフォトレジスト、ポリマー、または別の母材のある部分を架橋結合または別様に不活性にするために使用される。例えば、レーザビームが、ポリマーにわたってラスタ走査され、反転パターンを形成することができる。次いで、イソプロパノール中で約10%以上(体積あたり)トリフルオロエタノールを採用する銀ナノワイヤ分散系が、ポリマーにわたってスロットダイコーティングされることができる。ポリマーの不活性部分にわたって堆積される銀ナノワイヤは、表面埋込に対して阻害される一方、非架橋結合部分にわたって堆積される銀ナノワイヤは、表面埋込される。次いで、洗浄動作が、随意に、使用され、選択的に、埋込溶液に対して不溶性にされた不活性部分から銀ナノワイヤを除去し、ポリマーの一時的に可溶化された部分内に表面埋込されるナノワイヤを残すことができる。代替として、表面は、不活性部分(表面上に残っているナノワイヤを伴う)が、低減された伝導性を有するが、より高い伝導性を有する近傍部分(表面埋込されるナノワイヤを伴う)と光学的に混成するように、洗浄されずに残されることができる。
【0163】
(実施例5)
パターン化された透明導体の形成
類似パターン化プロセスが、実施例4に記載されるように実施されるが、フォトリソグラフィマスクが、選択的に使用され、フォトレジストのある部分をUV光に暴露させる。フォトレジストが正または負であるかどうかにかかわらず、フォトリソグラフィマスキングプロセスは、フォトレジストの可溶化部分が発生され、エッチングされるように形成され、耐久的に表面埋込されるナノワイヤとともに、残っている部分を残す。
【0164】
(実施例6)
パターン化された透明導体の形成
化学剤が使用され、ガラス基板上に堆積されるフォトレジスト、ポリマー、または別の母材のある部分を架橋結合または別様に不活性にする。例えば、化学剤は、ポリマーにわたって印刷され、任意の印刷技法、例えば、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷等を使用して、反転パターンを形成することができる。次いで、イソプロパノール中約10%またはそれ以上(体積あたり)トリフルオロエタノールを採用する銀ナノワイヤ分散系が、ポリマーにわたって、スロットダイコーティングされることができる。次いで、漱ぎまたは洗浄動作が、随意に、使用され、選択的に、埋込溶液に対して不溶性にされた不溶性部分から銀ナノワイヤを除去し、ポリマーの一時的に可溶化された部分内に表面埋込されるナノワイヤを残すことができる。代替として、表面は、不活性部分(表面上に残っているナノワイヤを伴う)が、低減された伝導性を有するが、より高い伝導性を有する近傍部分(表面埋込されるナノワイヤを伴う)と光学的に混成するように、洗浄されずに残されることができる。
【0165】
(実施例7)
パターン化された透明導体の形成
ポリイミド平面化層で上塗りされたガラス基板上に、物理的マスクが、圧力によって、または接着剤を使用してのいずれかによって、緊密に適用される。次いで、埋込溶媒を含むナノワイヤ分散系が、スロットダイコーティングを介して、マスクされた層上に適用される。ポリイミド層が乾燥する前または後のいずれかにおいて、マスクは、除去され、層のマスクされていない部分内に耐久的に表面埋込されるナノワイヤを残す。マスクが、依然として、除去の間、湿潤している場合、マスクは、溶液中で漱がれる、またはその中に浸漬され、任意の残っているナノワイヤを浴中で収集し、後続使用のために、沈殿または遠心分離を介して、再凝縮されることができる。物理的マスクは、実質的に、埋込溶媒中で不溶性である、金属、ポリマー、セラミック、または別の材料から形成されることができる。ポリイミドの代わりに、または併用して、埋込溶媒によって影響され得る別のポリマー(例えば、ポリメチル・メタクリレート)または母材も、使用されることができる。
【0166】
(実施例8)
パターン化された透明導体の形成
ガラス基板上に、ポリイミドの層が、任意の好適な方法、例えば、グラビア印刷、凹版印刷、インクジェット印刷、リソグラフィ、インプリント、スクリーン印刷等によって、パターン化方式で適用される。次いで、ナノワイヤ埋込分散系が、任意のコーティング方法を使用して適用され、ナノワイヤが、選択的に、ポリイミドパターン内に表面埋込される。具体的には、ポリイミドパターンにわたって堆積されるナノワイヤは、表面埋込される一方、ポリイミドパターンを伴わずに、ガラス基板の一部にわたって堆積されるナノワイヤは、表面埋込に対して阻害される。ポリイミドの代わりに、または併用して、埋込溶媒によって影響され得る、別のポリマー(例えば、ポリメチル・メタクリレート)または母材も、使用されることができる。
【0167】
(実施例9)
パターン化された透明導体の形成
ガラス基板上に、ポリイミドの層は、任意の好適な方法、例えば、グラビア印刷、凹版印刷、インクジェット印刷、リソグラフィ、インプリント、スクリーン印刷等によって、パターン化方式で適用される。パターン化された層のいくつかの部分は、タイプAのポリイミドを含む一方、他の部分は、タイプBのポリイミドを含む。タイプAは、より高い伝導性を助長する一方、タイプBは、より低い伝導性を助長する。ナノワイヤは、タイプB部分の表面上に残留することができ、またはタイプB部分内に表面埋込されることができるが、低減された伝導性を呈する。次いで、ナノワイヤ埋込分散系が、任意のコーティング方法を使用して適用され、ナノワイヤが、選択的に、ポリイミドパターン内に表面埋込される。加えて、タイプAのポリイミドを含む、パターンの部分は、高伝導性を呈する一方、タイプBのポリイミドを含む、パターンのそれらの部分は、伝導性を殆どまたは全く呈さない。ポリイミドの代わりに、または併用して、埋込溶媒によって影響され得る、別のポリマー(例えば、ポリメチル・メタクリレート)または母材も、使用されることができる。
【0168】
(実施例10)
パターン化された透明導体の形成
ガラス基板上に、ポリイミドの層が、任意の好適な方法、例えば、グラビア印刷、凹版印刷、インクジェット印刷、リソグラフィ、インプリント、スクリーン印刷等によって、第1のパターンにおいて、適用される。次いで、ナノワイヤ埋込分散系が、任意のコーティング方法を使用して適用され、ナノワイヤは、選択的に、第1のパターン内に表面埋込される。第1のパターンの逆の第2のパターンが、次いで、実質的に、第1のパターンに光学的に一致するが、ナノワイヤを電気的に無効にする配合物を伴って印刷される。ポリイミドの代わりに、または併用して、埋込溶媒の影響を受けやすい、別のポリマー(例えば、ポリメチル・メタクリレート)または母材も、使用されることができる。
【0169】
(実施例11)
パターン化された透明導体の形成
ガラス基板上に、ポリイミドの層が、任意の好適な方法、例えば、グラビア印刷、凹版印刷、インクジェット印刷、リソグラフィ、インプリント、スクリーン印刷等によって、第1のパターンにおいて、適用される。第1のパターンの逆の第2のパターンが、次いで、表面を平面化するように印刷される。第2のパターンは、ナノワイヤ網の電気的伝導性を無効にする配合物を有する。次いで、ナノワイヤ埋込分散系が、任意のコーティング方法を使用して適用され、高伝導性を呈する表面埋込ナノワイヤを伴う、第1のパターンと、殆どまたは全く伝導性を呈さない表面埋込ナノワイヤを伴う、第2のパターンとをもたらす。ポリイミドの代わりに、または併用して、埋込溶媒によって影響され得る、別のポリマー(例えば、ポリメチル・メタクリレート)または母材も、使用されることができる。また、第2の反転パターンは、埋込溶媒を受けにくい材料を含むことができ、それによって、表面埋込をもたらさない、または表面埋込を低度にもたらす。漱ぎまたは洗浄動作が、随意に、使用され、選択的に、第2の非埋込パターン上に表面的に堆積されたナノワイヤを除去することができる。第2の非埋込パターンは、実質的に、第1のパターンの光学特性、例えば、表面埋込されたナノワイヤ網を伴う、第1のパターンの透過率、反射率、ヘイズ、透明度、または別の特性のうちの1つ以上に一致する配合物を有し、それによって、パターンをマスキングする、パターンを隠す、またはパターンを視覚的または光学的検出を難しくすることができる。
【0170】
(実施例12)
パターン化された透明導体の形成
反転パターンは、表面埋込された銀ナノワイヤ網のものと一致する、またはそれらに類似する、吸光度、透過率、反射率、ヘイズ、または別の光学特性のうちの1つ以上を有する、材料を含む。例えば、第1のポリイミドパターンの表面埋込された部分内の銀ナノワイヤ網が、透過率約90%、ヘイズ約4%、吸光度約1%、および反射率約9%を有する場合、第2の反転パターンは、約90%の透過率、約4%のヘイズ、約1%の吸光度、および約9%の反射率を呈するように操作されたポリイミドを含むことができる。ポリイミドの操作方法は、その重合化学性質およびポリイミド内への化合または埋込充填剤、例えば、散乱粒子、吸収粒子、および反射粒子のうちの1つ以上の修正を含むことができる。ポリイミドの代わりに、または併用して、埋込溶媒によって影響され得る、別のポリマー(例えば、ポリメチル・メタクリレート)または母材も、使用されることができる。
【0171】
(実施例13)
パターン化された透明導体の形成
謄写版を使用して、ポリイミド層で上塗りされたガラス基板に、エタノールおよびトリフルオロエタノール中のナノワイヤの分散系が表面埋込される。分散系は、基板が、機械を通して引張されると、回転ドラムが、ステンシルの開口部を通して、分散系を付勢するように、回転式機械のドラム内に載置される。ステンシルの設計は、ポリイミド層上に転写されるナノワイヤのパターンを指示する。ポリイミドの代わりに、または併用して、埋込溶媒によって影響され得る、別のポリマー(例えば、ポリメチル・メタクリレート)または母材も、使用されることができる。
【0172】
(実施例14)
パターン化された透明導体の形成
基板(伝導性トレースが形成されることになる)にわたる面積は、より高い伝導性を助長する母材で印刷され、基板にわたって残っている面積(伝導性トレース間の間隙に対応する)は、ナノワイヤ間の効果的接触を妨害し、それによって、より低い伝導性または絶縁部分を生成する、異なる母材で印刷される。例えば、シラン系材料、例えば、テトラエトキシシランが、伝導性トレース間の面積にわたって印刷されることができる。
【0173】
(実施例15)
パターン化された透明導体の形成
印刷ツールを用いて、パターンの正部分が、空間的に選択的様式において、伝導性(例えば、銀)ナノワイヤを基板内に表面埋込し、浸透網を形成するように、溶液中の伝導性ナノワイヤで印刷される。パターンの負部分が、次いで、実質的に、正のより高いコンダクタンス部分の光学特性に一致する表面密度または濃度を伴う銀含有分散系(例えば、銀ナノ粒子分散系)で印刷され、銀ナノ粒子が、同様に、基板表面内に表面埋込される。本方法は、より高いコンダクタンス部分およびより低いコンダクタンス部分をもたらすが、2つの部分にわたる透過、反射、散乱、および他の光学特性を望ましい程度に一致する。パターン化は、物理的マスキング、シャドーマスキング、ステンシル、謄写版、オフセットグラビア、または任意の他の印刷方法によって達成されることができる。基板は、プラスチック膜、プラスチックシート、ガラス基板、コーティングで上塗りされたガラス基板、または同等物であることができる。
【0174】
(実施例16)
パターン化された透明導体の形成
印刷ツールを用いて、パターンの正部分が、空間的に選択的様式において、表面埋込を受けやすいポリマーで基板の表面上に印刷される。パターンの負部分は、印刷されず、したがって、基板の被覆されない部分に対応する。次いで、ナノワイヤ埋込分散系が、任意のコーティング方法を使用して適用され、パターンの正部分内に表面埋込される伝導性ナノワイヤ網をもたらす。パターンの負部分は、基板の表面上に残留するナノワイヤを含むことができ、またはナノワイヤは、負部分内に表面埋込されるが、低減された伝導性を呈することができる。ナノワイヤは、パターンの正(より高いコンダクタンス)および負(より低いコンダクタンス)部分の両方内に存在するため、結果として生じるパターンは、ほぼ非可視である。パターンの正および負部分の機能性は、逆にされることができ、パターンの正部分が、より低いコンダクタンスであることができ、パターンの負部分が、より高いコンダクタンスであることができることを意味する。
【0175】
(実施例17)
パターン化された透明導体の形成
レーザ研磨ツールを用いて、基板または上塗りの表面に隣接する、実質的に均一に、表面埋込された銀ナノワイヤ網は、空間的に選択的様式において、研磨され、より低いコンダクタンス領域を形成する。研磨は、部分的または完全であって、基板にわたる電気コントラストを調整するために研磨された表面に隣接して、約1〜100%の銀ナノワイヤをもたらすことができる。例えば、部分的に、ナノワイヤの約50%をある部分から研磨することは、その部分を絶縁にすることができる一方、隣接する部分は、伝導性のままであって、それによって、電気絶縁を達成する。本部分的研磨はまた、部分間の低光学コントラストを達成する。レーザの電力、レーザ研磨の通過数、レーザの速度、レーザパルス幅、ナノワイヤの濃度、基板材料、および他のパラメータのうちの1つ以上の調節が、使用され、研磨の程度を制御することができる。
【0176】
(実施例18)
パターン化された透明導体の形成
ガラス基板上に、ポリイミドの層が、任意の好適な方法、例えば、グラビア印刷、凹版印刷、インクジェット印刷、リソグラフィ、インプリント、スクリーン印刷等によって、パターン化方式で適用される。パターン化された層のいくつかの部分は、タイプAのポリイミドを含む一方、他の部分は、タイプBのポリイミドを含む。タイプAは、より高い伝導性を助長する一方、タイプBは、より低い伝導性を助長する。コロナまたはUVオゾン処理が、次いで、フォトマスクの有無にかかわらず、タイプA部分およびタイプB部分の一方または両方に適用される。コロナまたはUVオゾン処理は、例えば、表面埋込へのその感受性を修正することによって、ナノワイヤ分散系と処理された部分の相互作用を修正する。次いで、ナノワイヤ埋込分散系が、任意のコーティング方法を使用して適用され、ナノワイヤが、選択的に、ポリイミドパターン内に表面埋込される。加えて、タイプAのポリイミドを含む、パターンの部分は、高伝導性を呈する一方、タイプBのポリイミドを含む、パターンのそれらの部分は、伝導性を殆どまたは全く呈さない。ポリイミドの代わりに、または併用して、埋込溶媒によって影響され得る、別のポリマー(例えば、ポリメチル・メタクリレート)または母材も、使用されることができる。
【0177】
(実施例19)
パターン化された透明導体の形成
類似パターン化プロセスが、実施例18に記載されるもののように実施されるが、ナノワイヤが、最初に、タイプA部分またはタイプB部分のいずれかと相互作用する、埋込溶媒を伴わずに適用される。次いで、後続動作において、埋込溶媒が、コーティングツールを使用して、または埋込溶媒蒸気への暴露を介して、基板およびポリイミドパターンにわたって適用される。
【0178】
(実施例20)
パターン化された透明導体の形成
ポリカーボネート膜(商標名lexan(R)として利用可能)が、伝導性ステンシルで
マスクされ、次いで、約0.8分間、UVオゾンチャンバ(UVOCS)内で処理される。膜は、次いで、約95%(体積あたり)イソプロパノールおよび約5%(体積あたり)シクロヘキサノン中約4mg/ml濃度の銀ナノワイヤ配合物の適用を受ける。本配合物は、約2インチ/秒の速度において、約0.75ミル間隙でロッドコースターのドローダウン適用を介して、ポリカーボネート膜上に堆積される。UVオゾン環境に暴露された部分(すなわち、マスクされていない部分)は、電気浸透を妨害する様式において、例えば、ポリカーボネートの表面の真下にナノワイヤを深く埋め込むことによって、銀ナノワイヤの表面埋込を可能にする。マスクされた部分は、電気浸透を助長する様式において、銀ナノワイヤの表面埋込を可能にする。結果として生じるより高いおよびより低いコンダクタンス部分は、殆どまたは全く、光学特性(例えば、透過率、ヘイズ、反射、および吸収)に差異を呈さず、それによって、実質的に、視覚的に検出不可能である、絶縁された伝導性トレースを形成する。本実施例は、2つの部分間の実質的に区別できない境界を伴って、約100Ohms/sqのより高いコンダクタンス部分と、約100,000Ohms/sqを上回るより低いコンダクタンス部分をもたらす。
【0179】
(実施例21)
パターン化された透明導体の形成
環状オレフィンコポリマー(「COC」)膜が、最初に、約2ミル間隙および約2インチ/秒の線形搬送速度でドローダウンロッドコースターを介して、トルエンで処理される。約30秒、トルエンを部分的に蒸発させた後、イソプロパノール中の銀ナノワイヤの適用が、同様に、約1ミル間隙および約2インチ/秒の線形搬送速度において、ロッドコースターで引き込まれる。これは、直接埋込アプローチを介して、上塗りを要求せずに、銀ナノワイヤをCOC膜内に耐久的に表面埋込させる。銀ナノワイヤが、COC膜内に均一に埋め込まれた後、COC膜は、伝導性ステンシルでマスクされ、コロナアーク放電処理を受けるある部分を露出させる。本処理は、露出またはマスクされていない部分上へ電気を放電し、ナノワイヤ網のそれらの部分内に電流を過負荷させ、抵抗が最高である接合部を劣化させる。そのような様式では、露出された部分が、より低いコンダクタンス部分となる一方、伝導性のままであるマスクされた部分に対して、実質的に一致する光学特性(例えば、透過率、ヘイズ、反射、および吸収)を保存する。
【0180】
(実施例22)
パターン化された透明導体の形成
パターン化プロセスが、表面埋込された銀ナノワイヤの部分的エッチングを介して、銀ナノワイヤ伝導性を劣化させるように設計された配合物を伴う、スクリーン印刷可能エッチング液を使用して実施される。約180μmの厚さのポリカーボネートシートが、銀ナノワイヤで表面埋込され、光学透過約90.6%、ヘイズ約1.32%、および表面抵抗率約147Ω/sqをもたらす。
【0181】
水性スクリーン印刷可能エッチング液は、(1)約5−20体積%の過酸化水素、(2)印刷された膜基材を形成するための粘度促進剤および助剤としての約10−30重量%のヒドロキシエチル・セルロースおよび約0.1−5重量%のポリエチレン酸化物、(3)約0.01−1重量%のシリコン界面活性剤(BYK−348として利用可能)および界面活性剤または湿潤剤としての約1−10%体積%のイソプロパノールまたはトリフルオロエタノール、ならびに(4)約0.01−2体積%の発泡防止または気泡防止剤(Rhodaline 646として利用可能)に基づいて配合される。過酸化水素および水は両方とも、高表面張力液体であるため、配合物は、疎水性表面にわたる均一印刷を可能にするように設計され、表面の選択された部分にわたる埋込流体の均一劣化を可能にする。スクリーン印刷可能エッチング液が、空間的に選択的様式において、表面埋込されたナノワイヤを伴うポリカーボネートシートにわたって適用され、次いで、約5−30分間、室温でまたは適度の熱で乾燥され、脱イオン水を使用して漱がれた。より低いコンダクタンス部分の表面抵抗率は、類似透過約92.1%および類似ヘイズ約1.26%を維持しながら、事実上、無限となった。
【0182】
図25Aおよび
図25Bは、本発明の実施形態による、水性スクリーン印刷可能エッチング液を使用して、パターン化された透明導体を図示する、顕微鏡画像を含む。
図25Aでは、部分的にエッチングされた部分は、左側、エッチングされていない部分は、右側である。
図25B(
図25Aより高い拡大率)では、エッチングされていない部分は、左側、部分的にエッチングされた部分は、右側である。部分的にエッチングされた部分およびエッチングされていない部分は、
図25Aおよび
図25Bに示される拡大率では判別できるが、ほぼまたは実質的に、ヒトの裸眼では視覚的に区別できない。
【0183】
(実施例23)
パターン化された透明導体の形成
約180μmの厚さを伴うポリカーボネートシート(lexan(R) HP92Sとし
て利用可能)が、基板として使用される。スクリーン印刷可能過活性層として、約5−30重量%のポリスチレン、ポリスチレン系コポリマー、ポリメチル・メタクリレート、ポリメチル・メタクリレート系コポリマー(例えば、ポリメチル・メタクリレート−n−ブチルメタクリレートコポリマーまたはポリメチル・メタクリレート−コ−ポリラウリルメタクリレートコポリマー)、ポリエチルメタクリレート、ポリ−n−ブチル−メタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、ポリ−n−ブチル−ポリイソブチルメタクリレートコポリマー、またはそれらの組み合わせが、ヘキサノール中に溶解される。溶液は、空間的に選択的様式において、基板面積にわたって、スクリーン印刷され、より低いコンダクタンス部分をもたらす。
【0184】
イソプロパノール中約0.1−10体積%のシクロヘキサノンの銀ナノワイヤの分散系が、調製される。ナノワイヤは、約40−80nmの直径(平均して)および約20−80μmの長さ(平均して)である。ナノワイヤの濃度は、溶媒混合物の約0.3−0.5重量/体積%である。ナノワイヤ分散系は、ナノワイヤが、基板の露出された部分内に表面埋込され、表面抵抗約10−500Ω/sqを達成するように、試料全体にわたってコーティングされ、ナノワイヤは、過活性層の表面の下方により深く埋め込まれ、絶縁表面をもたらす。表面埋込後、類似量の銀ナノワイヤが、より高いおよびより低いコンダクタンス部分内に埋め込まれ、その部分にわたって、類似透過およびヘイズ値をもたらす。
【0185】
(実施例24)
パターン化された透明導体の形成
約76μmの厚さを伴う、テレフタル酸ポリエチレン(Melinex ST580として利用可能)が、基板として使用される。スクリーン印刷可能活性層として、約5−30重量%のポリスチレン、ポリスチレン系コポリマー、ポリメチル・メタクリレート、ポリメチル・メタクリレート系コポリマー(例えば、ポリメチル・メタクリレート−n−ブチルメタクリレートコポリマーまたはポリメチル・メタクリレート−コ−ポリラウリルメタクリレートコポリマー)、またはそれらの組み合わせが、アニソール、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、またはメチルイソブチルケトン中に溶解される。溶液は、空間的に選択的様式において、基板面積にわたってスクリーン印刷され、より高いコンダクタンス部分をもたらす。
【0186】
イソプロパノール中約0.1−40体積%のトリフルオロエタノール、テトラフルオロエタノール、ジオキサン、メチルイソブチルケトン、またはシクロヘキサノンの銀ナノワイヤの分散系が、調製される。ナノワイヤは、約40−80nmの直径(平均して)および約20−80μmの長さ(平均して)である。ナノワイヤの濃度は、溶媒混合物の約0.3−0.5重量/体積%である。ナノワイヤ分散系は、ナノワイヤが、活性層内に表面埋込され、表面抵抗約10−500Ω/sqを達成するように、試料全体にわたってコーティングされ、ナノワイヤは、基板の露出された部分上に表面的に堆積されたままである(埋込を殆どまたは全く伴わない)。
【0187】
その具体的実施形態を参照して本発明を説明してきたが、添付の請求項によって定義されるような本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更を行ってもよく、同等物が置換されてもよいことが、当業者によって理解されるべきである。加えて、特定の状況、材料、組成、方法、またはプロセスを、本発明の目的、精神、および範囲に適合させるように、多くの修正が行われてもよい。全てのそのような修正は、本明細書に添付された請求項の範囲内であることを目的としている。具体的には、本明細書で開示される方法は、特定の順番で行われる特定の動作を参照して説明されているが、これらの動作は、本発明の教示から逸脱することなく、同等の方法を形成するように組み合わせられ、細分され、または順序付け直されてもよいことが理解されるであろう。したがって、本明細書で具体的に示されない限り、動作の順番およびグループ化は本発明の制限ではない。