特許第6074025号(P6074025)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6074025スキンケア組成物において使用するための超吸収性ポリマー及びシリコーンエラストマー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6074025
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】スキンケア組成物において使用するための超吸収性ポリマー及びシリコーンエラストマー
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/89 20060101AFI20170123BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20170123BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20170123BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20170123BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
   A61K8/89
   A61K8/73
   A61K8/81
   A61Q19/00
   A61Q17/04
【請求項の数】9
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2015-500680(P2015-500680)
(86)(22)【出願日】2013年3月19日
(65)【公表番号】特表2015-510897(P2015-510897A)
(43)【公表日】2015年4月13日
(86)【国際出願番号】US2013032922
(87)【国際公開番号】WO2013142472
(87)【国際公開日】20130926
【審査請求日】2014年9月12日
(31)【優先権主張番号】61/612,617
(32)【優先日】2012年3月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポール ロバート タナー
(72)【発明者】
【氏名】ムリドゥラー マノハール
【審査官】 福永 千尋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−238611(JP,A)
【文献】 特開2002−121109(JP,A)
【文献】 特開平06−157253(JP,A)
【文献】 特開昭63−208508(JP,A)
【文献】 特表2007−505116(JP,A)
【文献】 特表2002−534368(JP,A)
【文献】 特開2011−006413(JP,A)
【文献】 特開2008−163018(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/012857(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0322983(US,A1)
【文献】 特開2011−219383(JP,A)
【文献】 特表2010−512388(JP,A)
【文献】 特開昭61−102475(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
CAplus/KOSMET(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.ポリアクリル酸ナトリウムによってグラフトされているデンプンからなる、0.01重量%〜10重量%の超吸収性ポリマーであって、非膨潤状態において、100μm以下の数平均粒径を示し、前記超吸収性ポリマー1グラム当たり20gから2000gの水を吸収する水吸収能を有する超吸収性ポリマーと、
b.0.1重量%〜20重量%のシリコーンエラストマーと、
c.20%〜98%の水とを含む増粘水性組成物。
【請求項2】
前記水性組成物が、油相と混合されて水中油型又は水中油中水型エマルションを形成し、前記油相が、前記エマルションの1重量%〜60重量%である、請求項1に記載の増粘水性組成物。
【請求項3】
前記水性組成物が、0.01重量%〜10重量%の乳化剤を更に含む、請求項2に記載の増粘水性組成物。
【請求項4】
1重量%〜40重量%の、アボベンゾン、シノキセート、ジオキシベンゾン、ホモサラート、アントラニル酸メンチル、サリチル酸オクチル、オキシベンゾン、パジメートO、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、スルイソベンゾン、サリチル酸トロラミン、二酸化チタン、酸化亜鉛、メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン、トリオレイン酸ジガロイル、エチルジヒドロキシプロピルPABA、アミノ安息香酸グリセリル、ジヒドロキシアセトンを含むローソン、赤色ペトロラタム、エチルヘキシルトリアゾン、ジオクチルブタミドトリアゾン、ベンジリデンマロネートポリシロキサン、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、フェニルジベンズイミダゾール四スルホン酸二ナトリウム、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビスジエチルアミノヒドロキシベンゾイルベンゾエート、ビスベンズオキサゾイルフェニルエチルヘキシルイミノトリアジン、ドロメトリゾールトリシロキサン、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、及びビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、4−メチルベンジリデンカンファー、イソペンチル4−メトキシシンナメート、及びこれらの組合せからなる群より選択される紫外線活性物質を更に含む、請求項1に記載の増粘水性組成物。
【請求項5】
アジピン酸ジイソプロピル、ブチルフタルイミド、イソプロピルフタルイミド、安息香酸フェニルエチル、炭酸ジカプリリル、ラウロイルサルコシン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、オクチルサリチル酸ブチル、リンゴ酸ジオクチル、リンゴ酸ジカプリリル、イソステアリン酸イソプロピル、ジカプリン酸プロピレングリコール、C12〜C15アルコールベンゾエートのエステル、イソソルビドジエステル、及びこれらの誘導体並びにこれらの混合物からなる群より選択される溶媒を更に含む、請求項2に記載の増粘水性組成物。
【請求項6】
メトキシクリレン、ジエチルへキシル2,6−ナフタレート、ジエチルへキシルシリンジリデンマロネート、及びこれらの組合せからなる群より選択される光安定剤を更に含む、請求項5に記載の増粘水性組成物。
【請求項7】
糖アミン、ビタミン、オイルコントロール剤、保湿剤、皮膚軟化剤、植物ステロール、ヘキサミジン化合物、引き締め剤(tightening agents)、しわ防止活性物質、萎縮防止活性物質、フラボノイド、N−アシルアミノ酸化合物、レチノイド、ペプチド、微粒子物質、セルライト防止剤、落屑活性物質、抗ニキビ活性物質、酸化防止剤、ラジカルスカベンジャー、コンディショニング剤、抗炎症剤、日焼け活性物質、皮膚美白剤、植物抽出物、抗微生物活性物質、抗真菌活性物質、抗細菌活性物質、制汗剤活性物質、感覚剤、防腐剤、抗ふけ活性物質、持続性ポリマー、洗浄性界面活性剤、及びこれらの組合せからなる群より選択される活性物質又は剤を更に含む、請求項1に記載の増粘水性組成物。
【請求項8】
前記シリコーンエラストマーが、非乳化性エラストマーである、請求項1に記載の増粘水性組成物。
【請求項9】
前記シリコーンエラストマーが、乳化性エラストマーである、請求項1に記載の増粘水性組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキンケア製品の外観及び安定性の改善において使用するための超吸収性ポリマーとシリコーンエラストマーとの組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
スキンケア組成物、及びそれを乳化する方法は既知である。しかし、外観及び感触がより優れており、且つ経時的により安定である組成物が継続的に必要とされている。これは、スキンケア組成物が日焼け止め剤等の保護組成物である場合に特に重要である。これら製品の消費者は、より新しく且つより長持ちする組成物を求め続けている。
【0003】
スキンケア組成物用の乳化系は既知である。しかし、新規材料として、活性物質及び乳化剤が開発され、消費者を喜ばせるが既存の処方よりも優れた特性を有するように、これらを消費者製品にブレンドする最良の方法を決定するのは、概してスキンケア組成物の処方者次第である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、各新規活性成分又は組成物エンハンサーが開発されたとき、既存の処方よりも優れた品質を有する完全に新規なスキンケア組成物を開発するために、成分及び活性物質の最適なブレンドを見出すことが依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、約0.01重量%〜約10重量%の超吸収性ポリマーと、約0.1%〜約20%のシリコーンエラストマーと、約20%〜約98%の水とを含有する増粘水性組成物に関する。
【0006】
本発明は、従来の増粘剤系で増粘された水性系よりも優れた経時安定性を提供する。また、本発明の組成物は、光沢が弱く、ヒトの皮膚に塗布されたときに、皮膚の外観がより滑らかに見えるようにする傾向がある低反射コーティングを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
特に指定がない限り、本明細書において使用する全ての百分率及び比率は、組成物全体の重量によるものであるものとする。特に指示がない限り、全ての測定は周囲条件で実施されるものと理解され、「周囲条件」とは、約25℃、圧力約101kPa(1気圧)、及び相対湿度約50%における条件を意味する。全ての数範囲はより狭い範囲を包含し、表現された上方及び下方範囲の限界値は、明示されていない範囲を更に作り出すように組み合わせることができる。
【0008】
本発明の組成物は、本明細書に記載の必須構成成分並びに任意成分を含み、これらから本質的になり、又はこれらからなることができる。本明細書で使用するとき、「から本質的になる」とは、組成物又は構成成分は追加成分を包含してもよいが、これら追加成分が特許請求される組成物又は方法の基本的及び新規な特徴を実質的に変化させない場合に限ることを意味する。
【0009】
組成物に関連して使用される「塗布する」又は「塗布」は、本発明の組成物を表皮等のケラチン性組織上に塗布する又は広げることを意味する。
【0010】
「ケラチン性組織」は、哺乳類(例えば、ヒト、イヌ、ネコ等)の最外保護外皮として配置されるケラチン含有層を指し、皮膚、唇、毛髪、足の爪、指の爪、角皮、ひづめ等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0011】
「皮膚科学的に許容可能な」は、記載される組成物又は構成成分が、過度の毒性、不適応性、不安定性、アレルギー反応等がなく、ヒトの皮膚組織と接触して使用するのに好適であることを意味する。
【0012】
「安全かつ有効な量」は、有益な効果を有意に誘導するのに十分な化合物及び組成物の量を意味する。
【0013】
「非UV」は、日焼け止め剤処方の分野の当業者に、皮膚科学的に許容可能な紫外線活性物質吸収材料であると認識されない材料を意味する。
【0014】
「紫外線活性物質」は、日焼け止め剤処方の分野の当業者に、皮膚科学的に許容可能な紫外線活性物質吸収材料であると認識される材料を意味する。このような紫外線活性物質は、UV−A及び/又はUV−B活性剤であると記載する場合もある。ヒト使用を意図する処方に活性剤を含有させるには、一般的に、規制当局の承認が必要である。米国食品医薬局によって市販の日焼け止め薬製品において使用するのに許容可能であると承認されたことがあるか又は現在承認されている活性剤(21 C.F.R.352章に従って)としては、パラアミノ安息香酸、アボベンゾン、シノキセート、ジオキシベンゾン、ホモサラート、アントラニル酸メンチル、サリチル酸オクチル、オキシベンゾン、パジメートO、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、スルイソベンゾン、サリチル酸トロラミン、二酸化チタン、酸化亜鉛、メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン、トリオレイン酸ジガロイル、エチルジヒドロキシプロピルPABA、アミノ安息香酸グリセリル、ジヒドロキシアセトンを含むローソン、赤色ペトロラタムが挙げられるが、これらに限定されない無機物質及び有機物質が挙げられる。米国では未だ承認されていないが、欧州(欧州委員会の化粧品指令規則に従って)、日本、中国、オーストラリア、ニュージーランド、又はカナダ等の他の地域又は国で市販使用が承認されている更なる日焼け止め剤活性物質の例としては、エチルヘキシルトリアゾン、ジオクチルブタミドトリアゾン、ベンジリデンマロネートポリシロキサン、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、フェニルジベンズイミダゾール四スルホン酸二ナトリウム、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビスジエチルアミノヒドロキシベンゾイルベンゾエート、ビスベンズオキサゾイルフェニルエチルヘキシルイミノトリアジン、ドロメトリゾールトリシロキサン、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、及びビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、4−メチルベンジリデンカンファー、及びイソペンチル4−メトキシシンナメートが挙げられる。しかし、承認済材料のリストは現在増加しているので、当業者は、本発明が、現在ヒト使用が承認されている紫外線活性物質に限定されず、将来認められる可能性があるものにも容易に適用可能であることを認識するであろう。
【0015】
組成物に関して、「リーブオン」は、ケラチン組織上に塗布して着させたままにすることが意図される組成物を意味する。これらリーブオン組成物は、皮膚に塗布した後、続いて(数分以内に)洗浄、すすぎ、拭き取り等のいずれかにより除去される組成物とは区別される。リーブオン組成物では、シャンプー、洗顔料、手洗浄剤、ボディウォッシュ又は身体用洗浄剤等のような洗い流し型の適用は除外される。リーブオン組成物は、洗浄用界面活性剤又は合成界面活性剤を実質的に含まなくてよい。例えば、「リーブオン組成物」は、少なくとも15分間ケラチン組織上に付着させたままにしておくことができる。例えば、リーブオン組成物は、1%未満の洗浄性界面活性剤、0.5%未満の洗浄性界面活性剤、又は0%の洗浄性界面活性剤を含んでもよい。しかしながら、組成物には、皮膚に局所的に塗布した際に何らかの有意な洗浄効果をもたらすことを意図するものではない、乳化又は加工用界面活性剤も含有させることができる。
【0016】
「誘導体」は、関連化合物のエステル、エーテル、アミド、ヒドロキシ、及び/又は塩の構造アナログを意味する。
【0017】
「可溶性」は、25℃及び圧力101KPa(1atm)において少なくとも約0.1gの溶質が100mLの溶媒に溶解することを意味する。
【0018】
超吸収性ポリマー
用語「超吸収性ポリマー」は、乾燥状態において、水性流体、具体的には水、特に蒸留水の自重の少なくとも20倍を自発的に吸収することができるポリマーを意味すると理解される。このような超吸収性ポリマーは、著作「Absorbent Polymer Technology、Studies in Polymer Science 8」L.Brannon−Pappas及びR.Harland著、Elsevier発行、1990年に記載されている。
【0019】
これらポリマーは、水及び水性流体を吸収及び保持する高い能力を有する。水性流体の吸収後、このように水性流体を含浸したポリマーの粒子は、水性流体に不溶性のままであるので、別個の粒子状態を保持する。
【0020】
超吸収性ポリマーは、現在、一般的に、ポリアクリル酸ナトリウム塩(時に、ナトリウムポリアクリレートとも呼ばれる)を形成するために反応開始剤の存在下で水酸化ナトリウムとブレンドされるアクリル酸の重合から製造されている。このポリマーは、今日世界で製造されている最も一般的な種類の超吸収性ポリマーである。超吸収性ポリマーを作製するためには、2〜3例を挙げると、ポリアクリルアミドコポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、架橋カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールコポリマー、架橋ポリエチレンオキシド、及びポリアクリロニトリルのデンプングラフトコポリマー等の他の材料も用いられる。後者は、生み出された最も古い超吸収性ポリマー形態のうちの1つである。今日、超吸収性ポリマーは、3つの主な方法:ゲル重合、懸濁重合、又は溶液重合のうちの1つを用いて製造される。
【0021】
ゲル重合は、凍結アクリル酸、水、架橋剤、及びUV反応開始剤化学物質の混合物をブレンドし、移動ベルト上に置くか又は大きな槽に入れることを含む。次いで、液体混合物を、一連の強いUV光が照射される長いチャンバである「反応器」に移動させる。紫外線は、重合及び架橋反応を駆動する。得られる「素材(logs)」は、60〜70%の水を含有する粘着性のゲルである。この素材を細かく刻むか又は粉砕し、様々な乾燥機に入れる。更なる架橋剤を粒子の表面に噴霧してよく、この「表面架橋」は、圧力下で製品が膨潤する能力(負荷下吸収性(AUL)又は圧力に対する吸収性(AAP)として測定される特性)を増大させる。次いで、乾燥したポリマー粒子を適切な粒径分布に篩い、包装する。ゲル重合(GP)法は、幼児用おむつ及び他の使い捨て衛生物品で現在用いられているナトリウムポリアクリレート超吸収性ポリマーを製造するための現在最も一般的な方法である。
【0022】
溶液重合によって製造される溶液ポリマーは、溶液形態で供給される顆粒状ポリマーの吸収性を提供する。溶液は、塗布前に水で希釈してもよい。ほとんどの基材をコーティングしたり、飽和のために用たりすることができる。特定の時間、特定の温度で乾燥させた後、超吸収体機能を有するコーティングされた基材が得られる。例えば、この化学物質を直接ワイヤ及びケーブルに塗布してもよいが、ロール状物品又はシート状基材等のコンポーネントに用いるのが特に最適である。
【0023】
溶液系重合は、今日、コポリマーのSAP製造、特に毒性アクリルアミドモノマーを用いるものに一般的に用いられている。このプロセスは、効率的であり、一般的に、資本費用基準が低い。溶液プロセスは、水系モノマー溶液を用いて反応物質である重合ゲルの塊を作製する。重合自体の反応エネルギー(発熱)を用いてプロセスの多くを駆動するので、製造コストの削減に役立つ。次いで、反応物質であるポリマーゲルを刻み、乾燥させ、最終的な顆粒サイズに粉砕する。SAPの性能特性を強化するための任意の処理は、通常、最終的な顆粒サイズが得られた後で行う。
【0024】
また、超吸収性ポリマーは、懸濁重合によって作製することもできる。このプロセスは、炭化水素系溶媒中に水系反応物質を懸濁させる。懸濁重合は、反応後段階において機械的にではなく、反応器内で一次ポリマー粒子を作製することが最終結果である。また、性能強化は、反応段階中、又は直後に行ってよい。
【0025】
超吸収性ポリマーは、その自重の20〜2000倍(すなわち、吸収性ポリマー1グラム当たり20g〜2000gの水を吸収する)、好ましくは30〜1500倍、更には50〜1000倍、更により好ましくは400倍の水吸収能を有し得る。これら水吸収特性は、標準温度(25℃)及び圧力(100 000Pa、すなわち、760mm Hg)条件で、蒸留水について定義される。ポリマーの水吸収能の値は、0.5gのポリマーを150gの水溶液に分散させ、20分間待ち、吸収されていない溶液を150μmのフィルターを通して20分間かけて濾過し、吸収されていない水を計量することによって求めることができる。
【0026】
本発明の組成物で用いられる超吸収性ポリマーは、好ましくは粒子の形態で提供され、該粒子は水和すると膨潤して10μm〜1000μmの数平均直径を有するソフトビーズを形成する。
【0027】
本発明で用いられる超吸収性ポリマーは、好ましくは中和されかつ粒子状形態で提供される架橋アクリルホモ−又はコポリマーであることが好ましい。
【0028】
特に、以下から選択されるポリマーを挙げることができる:架橋ナトリウムポリアクリレート、例えば、AveciaによってOctacare X100、X110及びRM100という名称で販売されているもの、SNFによってFlocare GB300及びFlosorb 500という名称で販売されているもの、BASFによってLuquasorb 1003、Luquasorb 1010、Luquasorb 1280及びLuquasorb 1100という名称で販売されているもの、Grain ProcessingによってWater Lock G400及びG430(INCI名:アクリルアミド/アクリル酸ナトリウムコポリマー)という名称で販売されているもの、Sumitomo Seikaによって提供されるアクリル酸ナトリウムクロスポリマー−2であるAqua Keep 10 SH NF、Aqua Keep 10 SH NFC、アクリルポリマー(ホモポリマー又はコポリマー)、特にポリアクリル酸ナトリウムによってグラフトされているデンプン、例えば、Sanyo Chemical IndustriesによってSanfresh ST−100C、ST100MC及びIM−300MCという名称で販売されているもの(INCI名:ポリアクリル酸ナトリウムデンプン)、アクリルポリマー(ホモポリマー又はコポリマー)、特にアクリロアクリルアミド/アクリル酸ナトリウムコポリマーによってグラフトされている水和デンプン、例えば、Grain ProcessingによってWater Lock A−240、A−180、B−204、D−223、A−100、C−200及びD−223という名称で販売されているもの(INCI名:デンプン/アクリルアミド/アクリル酸ナトリウムコポリマー)。
【0029】
好ましくは、超吸収性ポリマーは、非膨潤状態において、100μm以下、好ましくは50μm以下、例えば、2μm〜100μmの数平均粒径を示すか(中央粒径は25である)、又は、好ましくは約2μm〜約40μmの範囲の数平均粒径を示す(中央粒径は12である)ポリアクリル酸ナトリウムデンプンである。1%水溶液の粘度は、好ましくは、pH 4で20〜30Pas、更により好ましくは22〜29Pasの範囲、pH 7で23〜28Pasの範囲である。好ましい超吸収性ポリマーとしては、Kobo Products Inc.によって供給されるMakimousse 12及びMakimouse 25が挙げられる。
【0030】
超吸収性ポリマーは、活性物質として、組成物の総重量に対して、例えば、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜6重量%、好ましくは0.1〜4重量%、優先的に0.1〜3重量%、実際更には0.1〜2重量%の範囲の含量で本発明の組成物中に存在し得る。
【0031】
シリコーンエラストマー
本発明の組成物は、塗布時に組成物のべたつき感を軽減しかつ心地よい感触を提供するのに有用なシリコーンエラストマーを含む。有用なシリコーンエラストマーの1つの非限定的な例は、米国特許出願公開第2003/0049212(A1)号に記載されているような、架橋オルガノポリシロキサン(又はシロキサン)エラストマーである。エラストマーは、乳化性及び非乳化性のシリコーンエラストマーを含んでよい。本明細書で使用するとき、「乳化性」は、少なくとも1つのポリオキシアルキレン(例えば、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレン)部分又はポリグリセリン部分を有する架橋オルガノポリシロキサンエラストマーを意味するのに対し、「非乳化性」は、ポリオキシアルキレン部分又はポリグリセリン部分を本質的に有しない架橋オルガノポリシロキサンエラストマーを意味する。
【0032】
本発明の組成物は、約0.1%〜約20%、あるいは約0.2%〜約10%の非乳化性架橋オルガノポリシロキサンエラストマーを含んでもよい。好適な非乳化性架橋オルガノポリシロキサンエラストマーの非限定的な例としては、Dow Corning(商標)によって供給されているジメチコンクロスポリマー、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、並びにこれらのコポリマー、誘導体、及び混合物(例えば、DC 9040、9041、9045、8509、9546、9506);General Electric(商標)によって供給されているC30〜45アルキルセテアリルジメチコンクロスポリマー、セテアリルジメチコンクロスポリマー、並びにこれらのコポリマー、誘導体、及び混合物(例えば、Velvesil(商標)125及びVelvesil(商標)DM);Shin Etsu(商標)によって供給されているジメチコン/フェニルビニルジメチコンクロスポリマー、ビニルジメチコン/ラウリルジメチコンクロスポリマー、トリフルオロプロピルジメチコン/トリフルオロプロピルジビニルジメチコンクロスポリマー、並びにこれらのコポリマー、誘導体、及び混合物(KSG−15、−15AP、−16、−17、−18、−41、−42、−43、−44、−51、−103)、並びにGRANSIL(商標)として入手可能なエラストマーのGrant Industriesラインが挙げられる。
【0033】
本発明の組成物は、米国特許第5,412,004号、同第5,837,793号、及び同第5,811,487号に記載の乳化性架橋オルガノポリシロキサンエラストマーを約0.1%〜約20%、あるいは約0.2%〜約10%含んでもよい。好適な乳化性エラストマーの非限定的な例としては、全てShin Etsu(商標)によって供給されているPEG−12ジメチコンクロスポリマー、ジメチコン/PEG−10/15クロスポリマー、ジメチコン/PEG−10クロスポリマー、PEG−15/ラウリルジメチコンクロスポリマー、トリフルオロプロピルジメチコン/PEG−10クロスポリマー、ジメチコン/ポリグリセリン−3クロスポリマー、ラウリルジメチコン/ポリグリセリン−3クロスポリマー(KSG−24、−21/210、−31/310、−32/320、−33/330、−34/340、−710、−810、−820、−830、及び−840);ジビニル化合物から形成されるポリオキシアルキレン修飾エラストマー、例えば、ポリシロキサン骨格においてSi−H結合を介して結合している少なくとも2つの遊離ビニル基を含むシロキサンポリマーが挙げられる。
【0034】
好適なシリコーンエラストマーとしては、多くの市販材料が挙げられる。例示的なポリオキシエチレンシリコーンエラストマーとしては、ジメチコン/PEG−10/15クロスポリマー(KSG−210、Shin−Etsu Chemical Co,Ltd.製)が挙げられる。
【0035】
アルキル含有ポリオキシエチレンシリコーンエラストマーの例としては、PEG−15ラウリルジメチコンクロスポリマー(KSG−310、KSG−320、KSG−330、及びKSG−340、Shin−Etsu Chemical Co.,Ltd.製)が挙げられる。
【0036】
ポリグリセリン修飾シリコーンエラストマーの例としては、ジメチコン/ポリグリセリン−3クロスポリマー(KSG−710、Shin−Etsu Chemical Co.,Ltd.製)が挙げられる。
【0037】
アルキル含有ポリグリセリン修飾シリコーンエラストマーの例としては、ラウリルジメチコン/ポリグリセリン−3クロスポリマー(KSG−810、KSG−820、KSG−830、及びKSG−840、Shin−Etsu Chemical Co.,Ltd.製)が挙げられる。
【0038】
ポリオキシプロピレンシリコーンエラストマーの例としては、ジメチコン/ビス−イソブチルPPG−20クロスポリマー(Dow Corning EL−8050、EL−8051、及びEL−8052、Dow Corning Corp.製)が挙げられる。
【0039】
選択実施形態では、シリコーンエラストマーは、アルキルジメチコン/ポリグリセリンクロスポリマー、ジメチコン/ポリグリセリンクロスポリマー、ジメチコン/ポリ(プロピレングリコール)クロスポリマー、ジメチコン/ポリ(エチレングリコール)クロスポリマー、アルキルジメチコン/ポリ(プロピレングリコール)クロスポリマー、アルキルジメチコン/ポリ(エチレングリコール)クロスポリマー、及びアルキルジメチコンクロスポリマーから選択される。
【0040】
追加増粘剤
本発明の組成物は、1以上の追加増粘剤を含んでもよい。本発明の組成物は、存在する場合、約0.1%〜約5%、あるいは約0.2%〜約2%の増粘剤を含んでよい。増粘剤の好適な部類としては、カルボン酸ポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、スルホン化ポリマー、これらのコポリマー、これらの疎水変性誘導体、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
本発明で使用するための1つの好ましい増粘剤は、アクリレート架橋シリコーンコポリマーネットワーク(時に「ポリアクリレートシロキサンコポリマーネットワーク」とも呼ばれる)であり、その作製方法は、米国特許出願公開第2008/0051497(A1)号(Luら、2008年2月28日公開)に十分に開示されている。これらコポリマーは、以下の反応生成物を含む:
a)MaHb-h-kPEhEkcHd-i-lPEiElTeTHf-j-mPEjEmgと、
b)化学量論的又は超化学量論的量のアクリレート(式中、
M=R123SiO1/2
H=R45H SiO1/2
PE=R45(−−CH2CH(R9)(R10nO(R11o(C24O)p(C36O)q(C48O)r12)SiO1/2
E=R45(−−R1718C−−CR16st15(COC)R1314)SiO1/2
D=R67SiO2/2
H=R8HSiO2/2
PE=R8(−−CH2CH(R9)(R10nO(R11o(C24O)p(C3H6O)q(C48O)r12)SiO2/2
E=R8(−−R1718C−−CR16st15(COC)−R1314)SiO2/2
H=HSiO3/2
PE=(−−CH2CH(R9)(R10nO(R11o(C24O)p(C36O)q(C48O)r12)SiO3/2
E=(−−R1718C−−CR16st15(COC)R1314)SiO3/2
Q=SiO4/2
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立して、1〜60個の炭素原子を有する一価炭化水素ラジカルの群から選択され;
9は、H又は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり;R10は、1〜6個の炭素を有する二価アルキルラジカルであり;
11は、−−C24O−−、−−C36O−−、及び−−C48O−−からなる二価ラジカルの群から選択され;R12は、H、1〜6個の炭素を有する一官能性炭化水素ラジカル又はアセチルであり;R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、それぞれ独立して、水素及び1〜60個の炭素原子を有する一価炭化水素ラジカルの群から選択される。
tは、1〜60個の炭素原子を有する二価又は三価炭化水素ラジカルであり、Qsは、1〜60個の炭素原子を有する二価炭化水素ラジカルであるが、ただし、Qtが三価である場合、R14は存在せず、Qsは、R13の有する炭素と結合を形成し、R16及びR18は、互いにシス又はトランスのいずれであってもよく;添字aは、0又は正の数であってよいが、ただし、添字aが0である場合、bは正の数でなければならず;添字bは、0又は正の数であってよいが、ただし、添字bが0である場合、添字aは正の数でなければならず;添字cは、正の数であり、約5〜約1,000の範囲の値を有し;添字dは、正の数であり、約3〜約400の範囲の値を有し;添字eは、0又は正の数であり、0〜約50の範囲の値を有し;添字fは、0又は正の数であり、0〜約30の範囲の値を有し;添字gは、0又は正の数であり、0〜約20の範囲の値を有し;添字hは、0又は正の数であり、0〜約2の範囲の値を有するが、ただし、添字h、i、及びjの合計は正の数であり;添字iは、0又は正の数であり、0〜約200の範囲の値を有するが、ただし、添字h、i、及びjの合計は正の数であり;添字jは、0又は正の数であり、0〜約30の範囲の値を有するが、ただし、添字h、i、及びjの合計は正の数であり;添字kは、0又は正の数であり、0〜約2の範囲の値を有するが、ただし、添字k、l、及びmの合計は正の数であり;添字lは、0又は正の数であり、0〜約200の範囲の値を有するが、ただし、添字k、l、及びmの合計は正の数であり;添字mは、0又は正の数であり、0〜約30の範囲の値を有するが、ただし、添字k、l、及びmの合計は正の数であり;添字nは、0又は1であり;添字oは、0又は1であり;添字pは、0又は正の数であり、0〜約100の範囲の値を有するが、ただし、(p+q+r)>0であり;添字qは、0又は正の数であり、0〜約100の範囲の値を有するが、ただし(p+q+r)>0であり;添字rは、0又は正の数であり、0〜約100の範囲の値を有するが、ただし(p+q+r)>0であり;添字sは、0又は1であり;添字tは、0又は1である)と、
c)フリーラジカル反応開始剤。
【0042】
本明細書で使用するとき、整数値の化学量論的添字は、分子種を指し、非整数値の化学量論的添字は、分子量平均、数平均、又はモル分率に基づく分子種の混合物を指す。語句準化学量論的及び超化学量論的は、反応物質間の関係を指す。準化学量論的とは、反応物質の量が、基質部分とその反応物質との完全な化学量論的反応に必要な反応物質の量よりも少ないことを指す。超化学量論的とは、反応物質の量が、基質部分とその反応物質との完全な化学量論的反応に必要な反応物質の量よりも多いことを指す。本明細書で使用するとき、「超化学量論的」は、いくつかの状況下では、化学量論的に過剰(すなわち、化学量論的量の整数倍である)、又は非化学量論的に過剰のいずれかの過剰と等価であり得る。
【0043】
本明細書で使用するとき、用語「アクリレート」は、以下の化学種の集合名詞である:アクリル酸及びメタクリル酸又はこれらのエステル誘導体(例えば、メチル、エチル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシル、ビニル、アリル、ヒドロキシエチル、ペルフルオロエチル、イソボルニル、フェノキシエチル、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ポリオキシアルキレン)、有機修飾ポリシロキサン(例えば、米国特許第6,207,782号でエマルション前駆体として使用されているアクリレート化親水性ポリシロキサン)、アニオン性アクリレート/メタクリレート(例えば、硫酸、スルホン酸、若しくはリン酸官能化アクリレート、又はこれらの混合物)、及びエポキシ又はオキシラン基との反応に必要な任意の触媒。単一のアクリレート又はアクリレート及びメタクリレートの様々な組み合わせを用いてよい。好ましいアクリレート架橋シリコーンコポリマーは、Momentive製のポリアクリレートクロスポリマーである。
【0044】
好適な増粘剤としては、カルボン酸ポリマー(例えば、カルボマー(例えば、CARBOPOL(登録商標)900等のCARBOPOL(登録商標)954シリーズ))が挙げられる。他の好適なカルボン酸高分子剤としては、C10〜30アルキルアクリレートと、アクリル酸、メタクリル酸、又はこれらの短鎖(すなわち、C1〜4アルコール)エステルのうちの1以上のモノマーとのコポリマーが挙げられ、この場合、架橋剤はスクロース又はペンタエリスリトールのアリルエーテルである。これらのコポリマーは、アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマーとして知られ、CARBOPOL(登録商標)1342、CARBOPOL(登録商標)1382、PEMULEN TR−1、及びPEMULEN TR−2(Noveon,Inc.製)として市販されている。
【0045】
他の好適な増粘剤としては、ポリアクリルアミドポリマー及びコポリマーが挙げられる。例示的なポリアクリルアミドポリマーは、CTFA表記「ポリアクリルアミド及びイソパラフィン及びラウレス−7」であり、Seppic Corporation(Fairfield,N.J.)から商品名SEPIGEL 305として入手可能である。本明細書で有用な他のポリアクリルアミドポリマーとしては、アクリルアミド及び置換アクリルアミドと、アクリル酸及び置換アクリル酸とのマルチブロックコポリマーが挙げられる。これらのマルチブロックコポリマーの市販例としては、Lipo Chemicals,Inc.(Patterson,N.J.)製のHYPAN SR150H、SS500V、SS500 W、SSSA100Hが挙げられる。
【0046】
本明細書で有用な他の好適な増粘剤は、スルホン化ポリマーであり、例えば、Seppic Corp.から商品名Simulgel 800として入手可能及びLamberti S.p.A.(Gallarate,Italy)から商品名Viscolam At 100 Pとして入手可能な、CTFA表記ナトリウムポリアクリロイルジメチルタウレートである。スルホン化ポリマーを含む別の市販材料は、Seppic Corp.から入手可能なSepiplus 400である。
【0047】
「ガム」は、当該技術分野において広く定義される用語である。ガムとしては、アカシア、寒天、アルギン、アルギン酸、アルギン酸アンモニウム、アミロペクチン、アルギン酸カルシウム、カラギーナンカルシウム(calcium carrageenan)、カルニチン、カラギーナン、デキストリン、ゼラチン、ジェランガム、グアーガム、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ヘクトライト、ヒアルロン酸(hyaluroinic acid)、水酸化ケイ素、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシプロピルグアー、カラヤゴム、ケルプ、ローカストビーンガム、納豆ガム、アルギン酸カリウム、カラギーナンカリウム(potassium carrageenan)、アルギン酸プロピレングリコール、スクレロチウムガム、カルボキシメチルデキストランナトリウム、カラギーナンナトリウム(sodium carrageenan)、トラガカントガム、キサンタンガム、これらの誘導体及びこれらの混合物が挙げられる。
【0048】
天然ガムは、低濃度でさえも溶液中で大きく粘度を上昇させることができる天然起源の多糖類である。天然ガムは、増粘剤、ゲル化剤、乳化剤、及び安定剤として使用することができる。ほとんどの場合、これらガムは、植物の木質要素又は種子粉衣にみられる。天然ガムは、その起源に従って分類することができる。また、天然ガムは、非荷電又はイオン性ポリマー(高分子電解質)として分類することもでき、その例としては、以下が挙げられる:海草から得られる天然ガム、例えば、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、及びカラギーナン。非海洋植物資源から得られる天然ガムとしては、アカシアの木の樹液から得られるアラビアガム、アノジェイサス属(Anogeissus)の木の樹液から得られるガティガム、ゲンゲ属(Astragalus)の低木の樹液から得られるトラガカントガム、ステルキュリア属(Sterculia)の木の樹液から得られるカラヤガムが挙げられる。非荷電ガムの例としては、グアー豆から得られるグアーガム、イナゴマメの木の種から得られるローカストビーンガム、オート麦又は大麦のふすまから得られるβ−グルカン、チクルの木から得られる、古くからあるチューインガム用基剤であるチクルガム、フタバガキ科(Dipterocarpaceae)の木の樹液から得られるダマーガム、コンニャク植物から得られるグルコマンナン、マスチック樹から得られる古代ギリシャからのチューインガムであるマスチックガム、オオバコ属(Plantago)の植物から得られるオオバコ種子殻、トウヒの木から得られるアメリカンインディアンのチューインガムであるトウヒガム、タラの木の種子から得られるタラガムが挙げられる。細菌発酵により生成される天然ガムとしては、ジェランガム及びキサンタンガムが挙げられる。
【0049】
粘土は、構造又は増粘を提供するのに有用であり得る。好適な粘土は、例えば、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルジャイト、セピオライト、ラポナイト、シリケート、及びこれらの混合物から選択することができる。好適な水分散性粘土としては、ベントナイト及びヘクトライト(例えば、Bentone EW,LT、Rheox製);ケイ酸アルミニウムマグネシウム(例えば、Veegum、Vanderbilt Co.製);アタパルジャイト(例えば、Attasorb又はPharamasorb、Engelhard,Inc.製);ラポナイト及びモンモリロナイト(例えば、Gelwhite、ECC America製);及びこれらの混合物が挙げられる。
【0050】
好適な増粘剤としては、セルロース及び修飾セルロース性組成物(例えば、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートカルボキシレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、微結晶セルロース、硫酸セルロースナトリウム)、及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書においてやはり有用なものは、アルキル置換セルロースである。これらポリマーでは、セルロースポリマーのヒドロキシ基の一部をヒドロキシアルキル化(好ましくは、ヒドロキシエチル化又はヒドロキシプロピル化)してヒドロキシアルキル化セルロースを形成し、次に、エーテル結合を介してC10〜C30直鎖又は分岐鎖アルキル基により更に修飾する。通常、これらポリマーは、C10〜C30直鎖又は分岐鎖アルコールとヒドロキシアルキルセルロースとのエーテルである。本明細書で有用なアルキル基の例としては、ステアリル、イソステアリル、ラウリル、ミリスチル、セチル、イソセチル、ココイル(すなわち、ココヤシ油のアルコール由来のアルキル基)、パルミチル、オレイル、リノレイル、リノレニル、リシノレイル、ベヘニル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される基が挙げられる。アルキルヒドロキシアルキルセルロースエーテルの中で好ましいのは、CTFA表記セチルヒドロキシエチルセルロースの物質であり、これはセチルアルコールとヒドロキシエチルセルロースとのエーテルである。この材料は商品名Natrosol(登録商標)CS PlusとしてAqualon Corporationから販売されている。
【0051】
油相
本発明の増粘された水相は、油相と組み合わせて又は油相で乳化して、水中油型エマルション又は水中油中水型エマルションを形成してよい。油は、水又は水溶性溶剤に好適ではない物質を可溶化、分散、又は担持するために使用してもよい。油は室温で流体であり得る。油は、揮発性又は不揮発性であってもよい。「不揮発性」とは、101KPa(1気圧)、25℃で約27Pa(0.2mm Hg)以下の蒸気圧を示す物質、及び/又は101KPa(1気圧)で少なくとも約300℃の沸点を有する物質を意味する。「揮発性」とは、物質が20℃において少なくとも約0.2水銀柱mmの蒸気圧を示すことを意味する。揮発性油は、重くてベトベトしたフィルムが望ましくない場合に、より軽い感触をもたらすために使用され得る。好適な油としては、炭化水素、エステル、アミド、エーテル、シリコーン及びこれらの混合物が挙げられる。
【0052】
好適な炭化水素油としては、直鎖、分枝鎖、又は環状のアルカン及びアルケンが挙げられる。鎖長は、揮発性等の所望の機能特性に基づき選択してよい。好適な揮発性炭化水素は、5〜20個の炭素原子、あるいは、8〜16個の炭素原子を有してもよい。
【0053】
他の好適な油としては、エステルが挙げられる。これらのエステルとしては、脂肪酸又はアルコールに由来するヒドロカルビル鎖とのエステル(例えば、モノエステル、多価アルコールエステル、並びにジ−及びトリ−カルボン酸エステル)が挙げられる。このエステルのヒドロカルビルラジカルは、アミド及びアルコキシ部分(例えば、エトキシ又はエーテル結合等)のような他の適合性のある官能基を含むか、又はこのヒドロカルビルラジカルをこうした官能基へ共有結合させてよい。例示的なエステルとしては、限定されないが、イソステアリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸デシル、イソステアリン酸イソプロピル、アジピン酸ジヘキシルデシル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オレイル、酢酸ラウリル、プロピオン酸セチル、安息香酸C12〜15アルキル、サリチル酸ブチルオクチル、安息香酸フェニルエチル、炭酸ジカプリリル、リンゴ酸ジオクチル、リンゴ酸ジカプリリル、イソノナン酸イソノニル、ジカプリン酸プロピレングリコール、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジブチル、及びアジピン酸オレイルが挙げられる。他の好適なエステルは、Personal Care Product Council’s International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook、第13版、2010年の「エステル」の機能カテゴリに更に記載されている。パーソナルケア組成物で用いるのに好適な他のエステルとしては、多価アルコールエステル及びグリセリドとして知られているものが挙げられる。
【0054】
他の好適な油としては、アミドが挙げられる。アミドとしては、25℃で液体であり、水に不溶性である、アミド官能基を有する化合物が挙げられる。好適なアミドとしては、限定されないが、N−アセチル−N−ブチルアミノプロピオネート、イソプロピルN−ラウロイルサルコシネート、ブチルフタルイミド、イソプロピルフタルイミド、及びN,N−ジエチルトルアミドが挙げられる。他の好適なアミドは、米国特許第6,872,401号に開示されている。
【0055】
他の好適な油としては、エーテルが挙げられる。好適なエーテルとしては、多価アルコールの飽和及び不飽和脂肪族エーテル、並びにこれらのアルコキシル化誘導体が挙げられる。例示的なエーテルとしては、限定されないが、プロピレングリコールのC4〜20アルキルエーテル及びジ−C8〜30アルキルエーテルが挙げられる。これら物質の好適な例としては、PPG−14ブチルエーテル、PPG−15ステアリルエーテル、PPG−11ステアリルエーテル、ジオクチルエーテル、ドデシルオクチルエーテル、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0056】
好適なシリコーン油としては、ポリシロキサンが挙げられる。ポリシロキサンは、25℃で約5E−7m2/s〜約1m2/s(0.5〜約1,000,000センチストーク)の粘度を有してもよい。このようなポリシロキサンは、一般化学式:
3SiO[R2SiO]xSiR3
により表すことができ、式中、Rは、独立して、水素又はC1〜30直鎖若しくは分岐鎖、飽和若しくは不飽和アルキル、フェニル若しくはアリール、トリアルキルシロキシから選択され、xは、所望の分子を得るために選択される0〜約10,000の整数である。特定の実施形態では、Rは水素、メチル、又はエチルである。市販のポリシロキサンとしては、ジメチコンとしても既知である、ポリジメチルシロキサンが挙げられ、その例としては、Shin−Etsu製のDM−Fluidシリーズ、Momentive Performance Materials Inc.から販売されているVicasil(登録商標)シリーズ、及びDow Corning Corporationから販売されているDow Corning(登録商標)200シリーズが挙げられる。好適なポリジメチルシロキサンの具体例としては、6.5E−7、1.5E−6、5E−5、0.0001、0.00035、0.01、0.0125、0.1及び0.3m2/s(0.65、1.5、50、100、350、10,000、12,500、100,000及び300,000センチストークス)の粘度を有するDow Corning(登録商標)200流体(Xiameter(登録商標)PMX−200シリコーン流体としても販売)が挙げられる。
【0057】
好適なジメチコンとしては、化学式:
3SiO[R2SiO]x[RR’SiO]ySiR3
により表されるものが挙げられ、式中、R及びR'は、それぞれ独立して、水素又はC1〜30直鎖若しくは分岐鎖飽和若しくは不飽和アルキル、アリール若しくはトリアルキルシロキシであり、x及びyは、それぞれ、所望の分子量を得るために選択される1〜1,000,000の整数である。好適なシリコーンとしては、フェニルジメチコン(Botanigenics,Inc.製のBotansil(商標)PD−151)、ジフェニルジメチコン(Shin−Etsu製のKF−53及びKF−54)、フェニルトリメチコン(Dow Corning製の556コスメチック・グレード流体)、又はトリメチルシロキシフェニルジメチコン(Wacker−Belsil製のPDM−20、PDM−200、又はPDM−1000)が挙げられる。他の例としては、少なくともR’が脂肪族アルキル(例えば、C12〜22)であるアルキルジメチコンが挙げられる。好適なアルキルジメチコンはセチルジメチコンであり、式中、R’は直鎖C16鎖であり、Rはメチルである。セチルジメチコンは、2502コスメチック流体としてDow Corningから、あるいはAbil Wax 9801又は9814としてEvonik Goldschmidt GmbHから入手可能である。
【0058】
環状シリコーンは組成物に使用され得るシリコーンオイルの一種である。このようなシリコーンは、一般式:
【0059】
【化1】
を有し、式中、Rは、独立して、水素又はC1〜30直鎖若しくは分岐鎖、飽和若しくは不飽和アルキル、フェニル若しくはアリール、トリアルキルシロキシから選択され、n=3〜8であり、これらの混合物である。一般的に、シクロメチコンの混合物が使用される(nは4、5及び/又は6である)。市販の好適なシクロメチコンとしては、Dow Corning UP−1001 Ultra Pure Fluid(すなわち、n=4)、Dow Corning XIAMETER(登録商標)PMX−0245(すなわち、n=5)、Dow Corning XIAMETER(登録商標)PMX−0245(すなわち、n=6)、Dow Corning 245流体(すなわち、n=4及び5)及びDow Corning 345流体(すなわち、n=4、5及び6)が挙げられる。
【0060】
紫外線活性物質
本発明の組成物は、紫外線活性物質を含んでよい。本明細書で使用するとき、「紫外線活性物質」とは、日焼け止め剤及び物理的日焼け防止剤の両方を含む。好適な紫外線活性物質は、有機又は無機であってよい。好適な紫外線活性物質は、Personal Care Product Council’s International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook、第13版、2010年の中の「日焼け止め剤」の機能カテゴリに列挙されている。組成物は、米国(例えば、21 CFR part 352、米国官報68 41386、米国官報70 72449又は米国官報71 42405)、欧州(欧州議会規則第1223/2009号;Annex VI)、日本、中国、オーストラリア、ニュージーランド又はカナダにおける規制当局により規定又は提案されている通りの量の紫外線活性物質を含んでもよい。特定の実施形態では、組成物は、組成物の約1重量%、2重量%、3重量%〜約40重量%、30重量%、又は20重量%の紫外線活性物質を含む。別の実施形態では、組成物は、少なくとも約15、30 45、又は50の太陽光線保護指数を得るのに十分な量の紫外線活性物質を含有してよい。SPF試験は、当該技術分野で一般的であり、かつ十分に理解されている。好適なSPF試験は、21 C.F.R.352,Subpart Dに規定されている。
【0061】
好適な紫外線活性物質としては、ジベンゾイルメタン誘導体、例えば、2−メチルジベンゾイルメタン、4−メチルジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−tert−ブチルジベンゾイルメタン、2,4−ジメチルジベンゾイルメタン、2,5−ジメチルジベンゾイルメタン、4,4’−ジイソプロピルジベンゾイルメタン、4,4’−ジメトキシジベンゾイルメタン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(すなわち、ブチルメトキシジベンゾイルメタン又はアボベンゾン)(PARSOL(登録商標)1789としてDSMから市販)、2−メチル−5−イソプロピル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−メチル−5−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2,4−ジメチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、及び2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン等が挙げられる。他の好適な紫外線活性物質としては、2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート(PARSOL(登録商標)MCXとしてDSMから市販)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾフェノン(benzonphenone)−3(すなわち、オキシベンゾン(oxybeznone))、オクチルジメチル−p−アミノ安息香酸、ジガロイルトリオレエート、2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、エチル−4−(ビス(ヒドロキシ−プロピル))アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシルサリチラート、ホモメチルサリチラート、グリセリル−p−アミノベンゾエート、3,3,5−トリ−メチルシクロヘキシルサリチラート、アントラニル酸メチル、p−ジメチル−アミノ安息香酸又はアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ジメチル−アミノ−ベンゾエート、2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸、2−(p−ジメチルアミノフェニル)−5−スルホンベンゾオキサゾイン酸、オクトクリレン、酸化亜鉛、二酸化チタン、及びこれら化合物の混合物が挙げられる。
【0062】
他の好適な紫外線活性物質としては、4−メチルベンジリデンカンファー(PARSOL(登録商標)5000としてDSMより又はEusolex 6300としてMerckより市販)、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(すなわち、ビスオクトリゾール、Tinosorb(登録商標)MとしてBASFより市販)、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェノールトリアジン(すなわち、ベモトリジノール、Tinosorb(登録商標)SとしてBASFより市販)、フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム(すなわち、ビスジスリゾール二ナトリウム、Neo Heliopan(登録商標)APとしてSymriseより市販)、エチルヘキシルトリアゾン(Uvinul(登録商標)T 150としてBASFより市販)、ドロメトリゾールトリシロキサン(Mexoryl XLとしてL’Orealより販売)、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム(すなわち、ベンゾフェノン−9、Uvinul(登録商標)DS 49としてBASFより市販)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート(Uvinul(登録商標)A PlusとしてBASF社より市販)、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン(すなわち、イスコトリジノール、Uvasorb(登録商標)HEBとして3V Sigmaより市販)、ポリシリコーン−15(すなわち、PARSOL(登録商標)SLXとしてDSMより市販)、イソアミルp−メトキシシンナメート(すなわち、アミロキサート、Neo Heliopan(登録商標)E 1000としてSymriseより市販)及びこれらの混合物が挙げられる。
【0063】
本発明の紫外線活性物質は、カプセル化されてもよい。市販のカプセル化日焼け止め剤活性物質の例としては、限定されないが、Eusolex UV−Pearls 2292(Merck/EMD Chemicals)(水、エチルヘキシルメトキシシンナメート、シリカ、フェノキシエタノール、PVP、クロルフェネシン、EDTA二ナトリウム、及びBHTを含む);Silasoma ME(Seiwa Kasei Co.,Ltd)(水、ポリシリコーン−14、及びエチルヘキシルメトキシシンナメートを含む);Silasoma MEA(Seiwa Kasei Co.,Ltd)(水、ポリシリコーン−14、エチルヘキシルメトキシシンナメート、及びブチルメトキシジベンゾイルメタンを含む);Silasoma MEP(S)(Seiwa Kasei Co.,Ltd)(水、エチルヘキシルメトキシシンナメート、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、及びポリシリコーン−14を含む);Suncaps 664(Particle Sciences,Inc.)(エチルヘキシルメトキシシンナメート、合成蜜蝋、PEG−20、copernicia cerifera(カルナウバ)ろう、ビス−PEG−12ジメチコン、蜜蝋、VP/エイコセンコポリマー、トリステアリン酸ソルビタン、ステアレス−100、及びPEG−100ステアレートを含む);Suncaps 903(Particle Sciences,Inc.)(エチルヘキシルメトキシシンナメート、ベンゾフェノン−3、合成蜜蝋、PEG−20、copernicia cerifera(カルナウバ)ろう、ビス−PEG−12ジメチコン、蜜蝋、VP/エイコセンコポリマー、トリステアリン酸ソルビタン、ステアレス−100、及びPEG−100ステアレートを含む);UV Pearls OMC(Sol Gel Technologies)(エチルヘキシルメトキシシンナメート、及びシリカを含む);OMC−BMDBM(Sol Gel Technologies)(エチルヘキシルメトキシシンナメート、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、及びシリカを含む);Tinosorb S Aqua(BASF)(ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、及びポリメチルメタクリレートを含む);Hybrid ABOS(Kobo)(ポリメチルメタクリレート、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、及びオクチルサリチレートを含む);並びにHybrid ABOMC(Kobo)(ポリメチルメタクリレート、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、及びエチルヘキシルメトキシシンナメートを含む)が挙げられる。
【0064】
光安定剤
紫外線活性物質を本発明の組成物で用いる場合、光安定剤を含んでよい。組成物は、組成物の約0.0001重量%、0.001重量%、0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%、又は1重量%〜約20重量%、10重量%、7重量%、又は5重量%の1以上の好適な光安定剤を含有してよい。
【0065】
好適な光安定剤は、米国特許第7,713,519号に開示されるα−シアノジフェニルアクリレートである。α−シアノジフェニルアクリレートは、一般式:
【0066】
【化2】
を有してもよく、式中、R1及びR2のいずれか又は両方は、独立して、直鎖又は分岐鎖C1〜30アルコキシラジカルであり、任意の非アルコキシR1又はR2ラジカルは水素であり、R3は直鎖又は分岐鎖C1〜30アルキルである。あるいは、R1及びR2のいずれか又は両方は、独立して、C1〜8アルコキシラジカルであり、任意の非アルコキシR1又はR2ラジカルは水素であり、R3は直鎖又は分岐鎖C2〜C20アルキルである。あるいは、R1及びR2のいずれか又は両方は、独立して、メトキシであり、任意の非メトキシR1又はR2は水素であり、R3は直鎖又は分岐鎖C2〜C20アルキルである。
【0067】
好適なα−シアノジフェニルアクリレートは、エチルヘキシルメトキシクリレン、又は2−エチルヘキシル2−シアノ−3−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロペノエートが挙げられ、式中、R1はメトキシであり、R2は水素であり、R3は2−エチルヘキシルである。この材料は、Hallstar Companyから商品名Solastay(登録商標)S1として入手可能である。
【0068】
他の好適な光安定剤としては、米国特許第5,993,789号、同第6,113,931号、同第6,126,925号及び同第6,284,916号に開示されているもの等のナフタレンジカルボン酸のジエステル又はポリエステルが挙げられる。ナフタレンジカルボン酸の好適なジエステル又はポリエステルは、次の式
【0069】
【化3】
を有してよく、式中、各R1は、独立して、1〜22個の炭素原子を有するアルキル基、若しくは式HO−R2−OHを有するジオール、又は式HO−R3−(−O−R2−)m−OHを有するポリグリコールであり、R2及びR3は同一であっても異なってもよく、それぞれ1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキレン基であり、m及びnはそれぞれ、1〜約100、1〜約10又は2〜約7である。ナフタレンジカルボン酸の好適なジエステルは、SymriseからCorapan(登録商標)TQとして入手可能なジエチルヘキシル2,6−ナフタレートである。
【0070】
他の好適な光安定剤は、4−ヒドロキシベンジリデンマロネート誘導体又は4−ヒドロキシシンナメート誘導体である。好適な材料は、次の式:
【0071】
【化4】
を有してよく、式中、Aは、紫外線放射を吸収する発色団基であり、1つの二価基又は少なくとも1つの基がカルボニル(C=O)官能基を有する2つの一価基を含み、R’は水素、直鎖若しくは分枝鎖C1〜C8アルキルラジカル、又は直鎖若しくは分枝鎖C1〜C8アルコキシラジカルであり、R”は直鎖又は分枝鎖C1〜C8アルキルラジカルである。代表的な化合物としては、エチル−α−シアノ−3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシシンナメート、エチル−α−アセチル−3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシシンナメート,イソ−プロピル−α−アセチル−3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシシンナメート,イソ−アミル−α−アセチル−3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシシンナメート、2−エチルヘキシル−α−アセチル−3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシシンナメート、ジエチル−3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシベンジリデンマロネート、ジ−(2−エチルヘキシル)−3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシベンジリデンマロネート、ジイイソアミル−3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシベンジリデンマロネート、ジドデシル−3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシベンジリデンマロネート、ジパルミトイル−3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシベンジリデンマロネート、及びジ−イソプロピル−3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシベンジリデンマロネートが挙げられる。特に好適な化合物は、EMD Chemicals,Inc.から商品名Oxynex(登録商標)STで入手可能なジエチルヘキシルシリンジリデンマロネート(INCI名)である。更なる好適な4−ヒドロキシベンジリデンマロネート誘導体又は4−ヒドロキシシンナメート誘導体は、米国特許第7,357,919号及び米国特許出願公開第2003/0108492(A1)号及び同第2003/0157035(A)号に開示されている。
【0072】
他の好適な光安定剤としては、米国特許出願公開第2010/0183529号に記載されている2−ピロリジノン−4−カルボキシエステル化合物;米国特許出願公開第2008/0145324号に記載されている2つのアミノベンゾエート又はアミノベンズアミド基で置換されたシリコン含有s−トリアジン;米国特許出願公開第2004/00579912号、同第2004/00579914号、同第200/00579916号及び同第2004/062726号に記載されているフルオレン誘導体;米国特許出願公開第2005/0220727号に記載されている、Cibaにより商品名Tinogard(登録商標)Qとして販売されているトリス(テトラメチルヒドロキシピペリジノール)シトレートを含むピペリジノール塩;並びに米国特許出願公開第2008/0019930号に記載されているアリールアルキルアミド及びエステルが挙げられる。
【0073】
他の好適な光安定剤は、Personal Care Product Council’s International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook、第13版、2010年の「光安定剤」の機能カテゴリに掲載されている。
【0074】
乳化剤
本発明の組成物は、乳化剤を含んでよい。乳化剤は、相がエマルションの形態であるとき、又は不混和性物質を合わせる場合、特に好適である。相は、約0.01%、0.05%、又は0.1%〜約10%、5%、又は2%の乳化剤を含んでよい。乳化剤は、非イオン性、アニオン性、又はカチオン性であってよい。乳化剤の非限定的な例は、米国特許第3,755,560号、同第4,421,769号、及びM.C.Publishing Co.から発行されたMcCutcheonのEmulsifiers and Detergents,2010 Annual Ed.に開示されている。他の好適な乳化剤は、Personal Care Product Council’s International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook、第13版、2006年の「界面活性剤−乳化剤」の機能カテゴリに更に記載されている。
【0075】
好適な乳化剤としては、以下の部類のエーテル及びエステルが挙げられる:ポリグリコールと脂肪族アルコールのエーテル、ポリグリコールと脂肪酸のエステル、ポリグリコールと脂肪族アルコールのグリコシル化エーテル、ポリグリコールと脂肪酸のグリコシル化エステル、C12〜30アルコールとグリセロール又はポリグリセロールのエーテル、C12〜30脂肪酸とグリセロール又はポリグリセロールのエステル、オキシアルキレン修飾C12〜30アルコールとグリセロール又はポリグリセロールのエーテル、含むC12〜30脂肪族アルコールとショ糖又はグルコースのエーテル、ショ糖とC12〜30脂肪酸のエステル、ペンタエリスリトールとC12〜30脂肪酸のエステル、ソルビトール及び/又はソルビタンとC12〜30脂肪酸のエステル、ソルビトール及び/又はソルビタンとアルコキシ化ソルビタンのエーテル、ポリグリコールとコレステロールのエーテル、C12〜30脂肪酸とソルビトール及び/又はソルビタンのアルコキシ化エーテルのエステル、並びにこれらの組み合わせ。
【0076】
シリコーン乳化剤を相で用いてよい。直鎖又は分枝鎖タイプのシリコーン乳化剤もまた、使用され得る。特に有用なシリコーン乳化剤としては、ポリエーテル修飾シリコーン(例えば、KF−6011、KF−6012、KF−6013、KF−6015、KF−6015、KF−6017、KF−6043、KF−6028、及びKF−6038)及びポリグリレロレート化直鎖又は分岐鎖シロキサン乳化剤(例えば、KF−6100、KF−6104、及びKF−6105)(全てShin Etsu製)が挙げられる。
【0077】
脂肪族アルコール
本発明の組成物は、1以上の脂肪族アルコールを含んでよい。脂肪族アルコールとしては、典型的に、8〜22個の炭素原子を有する一価アルコールが挙げられるが、30個を超える炭素を有するより長鎖のアルコールを用いてもよい。脂肪族アルコールは、飽和又は不飽和であってよい。脂肪族アルコールは、直鎖又は分岐鎖であってよい。特に、相は、末端ヒドロキシルを有する直鎖、飽和脂肪族アルコールを含んでよい。好適な脂肪族アルコールとしては、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セテアリルアルコール、イコシルアルコール、ベヘニルアルコールが挙げられる。相は、約0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、3%、5%〜約5%、7.5%、10%、15%、20%の脂肪族アルコールを含んでよい。
【0078】
スキンケア活性剤
本発明の組成物は、少なくとも1つの更なるスキンケア活性物質を含んでよい。多くのスキンケア活性物質は、1を超える効果を提供し得るか、又は1を超える作用機序を介して作用し得るので、本明細書における分類は、便宜上行うものであり、列挙する特定の用途に活性物質を限定することを意図するものではない。
【0079】
ビタミン
本発明の組成物は、約0.0001%〜約50%、あるいは約0.001%〜約10%、あるいは約0.01%〜約5%の1以上のビタミンを含んでよい。本明細書で、「ビタミン」とは、ビタミン、プロビタミン、並びにこれらの塩、異性体及び誘導体を意味する。好適なビタミンの非限定的な例としては、ビタミンB化合物(B1化合物、B2化合物、B3化合物、例えば、ナイアシンアミド、ナイアシンニコチン酸、ニコチン酸トコフェリル、C1〜C18ニコチン酸エステル、及びニコチニルアルコール;B5化合物、例えば、パンテノール又は「プロ−B5」、パントテン酸、パントテニル;B6化合物、例えば、ピロキシジン、ピリドキサル、ピリドキサミン;カルニチン、チアミン、リボフラビンを含む);ビタミンA化合物、並びにビタミンAの全ての天然及び/又は合成アナログ(レチノイド、レチノール、酢酸レチニル、パルミチン酸レチニル、レチノイン酸、レチンアルデヒド、プロピオン酸レチニル、カロテノイド(プロービタミンA)及びビタミンAの生物活性を有する他の化合物を含む);ビタミンD化合物;ビタミンK化合物;ビタミンE化合物、又はトコフェロール(ソルビン酸トコフェロール、酢酸トコフェロール、トコフェノール及びトコフェリル化合物の他のエステルを含む);ビタミンC化合物(アスコルビン酸、脂肪酸のアスコルビルエステル、及びアスコルビン酸誘導体、例えば、リン酸アスコルビル、例えば、アスコルビン酸リン酸マグネシウム及びリン酸アスコルビルナトリウム、アスコルビン酸グルコシド、及びソルビン酸アスコルビルを含む);並びにビタミンF化合物(例えば、飽和及び/又は不飽和脂肪酸)が挙げられる。1つの実施形態では、組成物は、ビタミンB化合物、ビタミンC化合物、ビタミンE化合物、及びこれらの混合物からなる群から選択されるビタミンを含む。あるいは、ビタミンは、ナイアシンアミド、トコフェリルニコチネート、ピロキシジン、パンテノール、ビタミンE、ビタミンEアセテート、リン酸アスコルビル、アスコルビルグルコシド、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0080】
ペプチド及びペプチド誘導体
本発明の組成物は、1種以上のペプチドを含み得る。本明細書で、「ペプチド」とは、10個以下のアミノ酸を含有するペプチド、その誘導体、異性体、及び金属イオン(例えば、銅、亜鉛、マンガン及びマグネシウム)のような他の種との錯体を指す。本明細書で使用するとき、ペプチドとは、天然起源ペプチド及び合成ペプチドの両方を指す。1つの実施形態では、ペプチドは、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−、及びヘキサ−ペプチド、これらの塩類、異性体、誘導体、並びにこれらの混合物である。有用なペプチド誘導体の例としては、大豆タンパク質由来のペプチド、カルノシン(β−アラニン−ヒスチジン)、パルミトイル−リジン−トレオニン(pal−KT)及びパルミトイル−リジン−トレオニン−トレオニン−リジン−セリン(pal−KTTKS、MATRIXYL(登録商標)として知られている組成物で入手可能)、パルミトイル−グリシン−グルタミン−プロリン−アルギニン(pal−GQPR、RIGIN(登録商標)として知られている組成物で入手可能)(これら3つはSederma(France)から入手可能)、アセチル−グルタメート−グルタメート−メチオニン−グルタミン−アルギニン−アルギニン(Ac−EEMQRR;Argireline(登録商標))、及びCu−ヒスチジン−グリシン−グリシン(Cu−HGG、IAMIN(登録商標)としても知られている)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
本組成物は、約1×10-7%〜約20%、あるいは約1×10-6%〜約10%、あるいは約1×10-5%〜約5%のペプチドを含んでもよい。
【0082】
糖アミン
本発明の組成物は、アミノ糖としても知られている糖アミン、並びにその塩類、異性体、互変異性体、及び誘導体を含んでもよい。糖アミンは、合成でも天然起源でもよく、純粋な化合物又は化合物の混合物(例えば、自然源からの抽出物、又は合成物質の混合物)として用いることができる。例えば、グルコサミンは、一般に多くの甲殻類の中に見出されており、真菌源由来であることもできる。本発明において有用な糖アミン化合物としては、例えば、N−アセチルーグルコサミン、また、国際公開第02/076423号及び米国特許第6,159,485号(Yuら)に記載されているものが挙げられる。1つの実施形態では、組成物は、約0.01%〜約15%、あるいは約0.1%〜約10%、あるいは約0.5%〜約5%の糖アミンを含む。
【0083】
本発明の組成物は、非ビタミン酸化防止剤及びラジカルスカベンジャー、育毛調節剤、フラボノイド、ミネラル、防腐剤、フィトステロール及び/又は植物ホルモン、プロテアーゼ阻害剤、チロシナーゼ阻害剤、抗炎症剤、並びにN−アシルアミノ酸化合物を更に含んでよい。
【0084】
好適な非ビタミン酸化防止剤及びラジカルスカベンジャーとしては、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、L−エルゴチオネイン(THIOTANE(商標)として入手可能)、テトラヒドロクルクミン、セチルピリジニウムクロリド、カルノシン、ジエチルヘキシルシリニリデンマロネート(OXYNEX(商標)として入手可能)、ヘキサデック−8−エン−1,16−ジカルボン酸(オクタデセン二酸;Uniqema製のARLATONE(商標)Dioic DCA)、ユビキノン(コエンザイムQ10)、緑茶抽出物を含む茶抽出物、酵母抽出物又は酵母培養液(例えば、Pitera(登録商標))、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0085】
好適な育毛調節剤としては、ヘキサミジン、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ヘキサンジオール、パンテノール及びパントテン酸誘導体、これらの異性体、塩及び誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0086】
好適なミネラルとしては、亜鉛、マンガン、マグネシウム、銅、鉄、セレン、及びその他のミネラル補助食品が挙げられる。「ミネラル」は、種々の酸化状態のミネラル、無機複合体、塩類、誘導体、及びこれらの組み合わせを含むと解釈される。
【0087】
植物ステロール(フィトステロール)及び/又は植物ホルモンの好適な例としては、シトステロール、スティグマステロール、カンペステロール、ブラシカステロール、キネチン、ゼアチン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0088】
好適なプロテアーゼ阻害剤としては、ヘキサミジン、バニリンアセテート、メンチルアントラニレート、大豆トリプシン阻害剤、ボーマン−バーク(Bowman-Birk)阻害剤、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0089】
好適なチロシナーゼ阻害剤としては、シナブランカ(カラシナ種子抽出物)、テトラヒドロクルクミン、塩化セチルピリジニウム、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
好適な抗炎症剤としては、グリシルリチン酸(グリシルリチン、グリシルリキシン酸(glycyrrhixinic acid)、及びグリシルレチン酸グルコシドとしても知られている)、グリシルレテン酸(glycyrrhetenic acid)、その他のカンゾウ抽出物、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0091】
好適なN−アシルアミノ酸化合物としては、N−アシルフェニルアラニン、N−アシルチロシン、これらのD及びL異性体を含むこれらの異性体、塩類、誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適なN−アシルアミノ酸の例は、商品名SEPIWHITE(登録商標)としてSeppic(France)から市販されているN−ウンデシレノイル−L−フェニルアラニンである。
【0092】
他の有用なスキンケア活性物質としては、グリセロール、ペトロラタム、カフェイン、及び尿素等の保湿及び/又はコンディショニング剤;酵母抽出物(例えば、Pitera(商標));デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、その類似体及び誘導体;α−及びβ−ヒドロキシ酸、α−ケト酸、グリコール酸及びオクタノイルサリチラートを含む剥離剤;抗菌剤;ピロクトンオラミン、3,4,4’−トリクロロカルバニリド(トリクロサン)、トリクロカルバン、及びジンクピリチオン等の抗ふけ剤;ジメチルアミノエタノール(DMAE);クレアチン;コウジ酸、クワ抽出物、ヒドロキノン、アルブチン、及びデオキシアルブチン等の美白剤;ジヒドロキシアセトン(DHA)等の(日光不要の(sunless))日焼け剤;上記のいずれかの異性体、塩類、及び誘導体;並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0093】
保湿剤
本発明の組成物は、1以上の保湿剤を含み得る。本発明の組成物は、存在する場合、約1%〜約30%、あるいは約2%〜約20%、あるいは約3%〜約15%の保湿剤を含んでよい。保湿剤の例示的な部類は、多価アルコールである。好適な多価アルコールとしては、ポリアルキレングリコール及びアルキレンポリオール並びにこれらの誘導体(プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びこれら誘導体を含む);ソルビトール;ヒドロキシプロピルソルビトール;エリスリトール;トレイトール;ペンタエリスリトール;キシリトール;グルシトール;マンニトール;ヘキシレングリコール;ブチレングリコール(例えば、1,3−ブチレングリコール);ペンチレングリコール;ヘキサントリオール(例えば、1,2,6−ヘキサントリオール);グリセリン;エトキシ化グリセリン;及びプロポキシ化グリセリンが挙げられる。
【0094】
他の好適な保湿剤としては、ナトリウム2−ピロリドン−5−カルボキシレート、グアニジン;グリコール酸及びグリコール酸塩(例えば、アンモニウム及び四級アルキルアンモニウム);乳酸及び乳酸塩(例えば、アンモニウム及び四級アルキルアンモニウム);その様々な形態のいずれかのアロエベラ(例えば、アロエベラゲル);ヒアルロン酸及びその誘導体(例えば、塩誘導体、例えば、ヒアルロン酸ナトリウム);ラクタミドモノエタノールアミン;アセトアミドモノエタノールアミン;尿素;パンテノール;ピログルタミン酸ナトリウム(NaPCA)、水溶性グリセリルポリ(メタ)アクリレート潤滑剤(例えば、Hispagel(登録商標))、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0095】
微粒子物質
本発明の組成物は、約0.001%〜約40%、あるいは約1%〜約30%、あるいは約2%〜約20%の1以上の微粒子物質及び/又は化粧用粉末を含んでよい。好適な粉末の非限定的な例としては、無機粉末(例えば、酸化鉄、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ)、有機粉末、複合粉末、光学的光沢剤粒子、及び前述のいずれかの混合物が挙げられる。これら微粒子は、例えば、小板形、球形、細長い形状若しくは針形、又は不規則形状、表面コーティング有り若しくは無し、有孔若しくは無孔、荷電若しくは非荷電であってよく、及び本組成物に粉末として又は予め分散させて添加することができる。1つの実施形態では、微粒子物質は、疎水性コーティングされている。
【0096】
好適な有機粉末微粒子物質としては、メチルシルセスキオキサン樹脂微小球、例えばTospearl(商標)145A(Toshiba Silicone)から選択されるポリマー粒子;ポリメチルメタクリレートの微小球、例えば、Micropearl(商標)M 100(Seppic);架橋ポリジメチルシロキサンの球状粒子、例えばTrefil(商標)E 506C又はTrefil(商標)E 505C(Dow Corning Toray Silicone);ポリアミドの球状粒子、例えば、ナイロン−12、及びOrgasol(商標)2002D Nat C05(Atochem);例えば、Dynospheres(商標)の名称でDyno Particlesから販売されているポリスチレン微小球及びFloBead(商標)EA209(Kobo)の名称で販売されているエチレンアクリレートコポリマー;デンプンオクテニルコハク酸アルミニウム、例えばDry Flo(商標)(Akzo Nobel);ポリメチルシルセスキオキサンでコーティングされたタピオカ粒子、例えばDry Flo TS(商標)(Akzo Nobel);ポリエチレンの微小球、例えばMicrothene(商標)FN510−00(Equistar)、シリコーン樹脂、ポリメチルシルセスキオキサンシリコーンポリマー、L−ラウロイルリジンから製造される小板形状粉末、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
本発明の組成物は、疎水変性干渉顔料を含む干渉顔料を更に含んでよい。本明細書において、「干渉顔料」とは、厚みが制御された2つ以上の層を有する薄い板状の層状粒子を意味する。層は、異なる屈折率を有し、これによって、板状粒子の異なる層からの典型的には2つの、ただし時折それ以上の光反射の干渉によって特有の反射色が生じる。干渉顔料の一例は、約50〜300nmのTiO2、Fe23、シリカ、酸化スズ、及び/又はCr23フィルムと共に層化された雲母であり、真珠光沢顔料を含む。干渉顔料は、多種多様な供給元、例えば、Rona(Timiron(商標)及びDichrona(商標))、Presperse(Flonac(商標))、Englehard(Duochrome(商標))、Kobo(SK−45−R及びSK−45−G)、BASF(Sicopearls(商標))、及びEckart(Prestige(商標))から市販されている。1つの実施形態では、干渉顔料の個々の粒子の最も長い側面の平均直径は、約75マイクロメートル未満、あるいは約50マイクロメートル未満である。
【0098】
着色剤
本発明の組成物は、約0.00001%〜約25%、あるいは約0.01%〜約10%の着色剤を含んでよい。好適な着色剤の非限定的な部類としては、限定されないが、有機及び/又は無機顔料、天然及び/又は合成染料、レーキ、例えば、FD&C及び/又はD&Cレーキ並びにブレンド、並びにこれらのいずれかの混合物が挙げられる。
【0099】
好適な着色剤の非限定例としては、酸化鉄、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、及び酸化クロム、フタロシアニンブルー、及び緑色顔料、カプセル化染料、無機白色顔料、例えば、TiO2、ZnO、又はZrO2、FD&C染料、D&C染料、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0100】
油調整剤
本発明の組成物は、皮膚の油、すなわち皮脂の生成を制御するのに有用であり、かつ油っぽい皮膚の外観を改善するのに有用である、1以上の化合物を含んでよい。好適な油調整剤の例としては、サリチル酸、デヒドロ酢酸、過酸化ベンゾイル、ビタミンB3化合物(例えば、ナイアシンアミド又はトコフェリルニコチネート)、これらの異性体、エステル、塩類、及び誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。本組成物は、約0.0001%〜約15%、あるいは約0.01%〜約10%、あるいは約0.1%〜約5%、あるいは約0.2%〜約2%の油調整剤を含んでもよい。
【実施例】
【0101】
以下は、まず水相成分を合わせ、均一になるまで混合することによって調製する水性組成物の例である。次に、増粘剤を添加し、組成物を再度均一になるまで混合する。最後にエラストマーを添加し、組成物を均一になるまで混合及び/又は粉砕(例えば、ローターステーターミルで)する。
【0102】
【表1】
1 パルミトイル−リジン−トレオニン−トレオニン−リシン−セリン(Sederma製)
2 カプリリルメチコン及びPEG−12ジメチコン/PPG−20クロスポリマー(Dow Corning製)
3 PEG−15/ラウリルジメチコンクロスポリマー及びイソドデカン(Shinetsu製)
4 キサンタンガム(CP Kelco製)
5 ケイ酸アルミニウムマグネシウム(RT Vanderbilt Inc.製)
6 ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Dow Chemical Co.製)
7 アクリル酸ナトリウム/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー、イソヘキサデカン、及びポリソルベート80(Seppic製)
8 ポリアクリルアミド、C13〜14イソパラフィン、及びラウレス−7(Seppic製)
9 ポリアクリル酸ナトリウムデンプン(Kobo Products Inc.製)
10 ポリアクリル酸ナトリウムデンプン(Kobo Products Inc.製)
11 ポリアクリル酸ナトリウム(Kobo Products Inc.製)
【0103】
エマルション組成物
以下は、超吸収性ポリマー及びシリコーンエラストマーの組み合わせを利用するエマルション組成物の例である。
【0104】
実施例8〜14の組成物は、以下の通り調製する。適切な容器内で、水相成分を合わせ、75℃に加熱する。別の適切な容器内で、油相成分を合わせ、75℃に加熱する。次に、油相を水相に添加し、得られたエマルションをすり混ぜる(例えば、ローターステーターミルにより)。次に、増粘剤をエマルションに加え、撹拌しながらエマルションを45℃に冷却する。45℃にて、残りの追加成分を加える。次に、撹拌しながら生成物を30℃になるまで冷却し、再度すり混ぜ、次に適切な容器に注ぎ入れる。
【0105】
【表2】
1 パルミトイル−リジン−トレオニン−トレオニン−リジン−セリン(Sederma製)
2 イソデシルネオペンタノエート及びジメチコン/ビスイソブチルPPG−20クロスポリマー(Dow Corning製)
3 シクロペンタシロキサン及びジメチコンクロスポリマー(Dow Corning製)
4 キサンタンガム(CP Kelco製)
5 ケイ酸アルミニウムマグネシウム(RT Vanderbilt Inc.製)
6 ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Dow Chemical Co.製)
7 アクリル酸ナトリウム/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー、イソヘキサデカン、及びポリソルベート80(Seppic製)
8 ポリアクリルアミド、C13〜14イソパラフィン、及びラウレス−7(Seppic製)
9 ポリアクリル酸ナトリウムデンプン(Kobo Products Inc.製)
10 ポリアクリル酸ナトリウムデンプン(Kobo Products Inc.製)
11 ポリアクリル酸ナトリウム(Kobo Products Inc.製)
12 カプリリルメチコン及びPEG−12ジメチコン/PPG−20クロスポリマー
13 タピオカ粉末(Akzo Nobel製)
14 タピオカ及びポリメチルシルセスキノキサン(Akzo Nobel製)
【0106】
実施例15〜21の組成物は、以下の通り調製する。好適な容器内で、水相成分を合わせ、均一になるまで撹拌し、必要に応じてわずかに加熱する。別の適切な容器内で、油相成分を合わせ、均一になるまで混合する。次に、油相を水相に添加し、得られたエマルションをすり混ぜる(例えば、ローターステーターミルにより)。次いで、増粘剤をエマルションに添加し、エマルションを均一になるまで撹拌する。次いで、残りの成分を添加し、バッチを均一になるまで撹拌し、バッチを再度すり混ぜ、次いで、バッチを好適な容器に注ぐ。
【0107】
【表3】
1 パルミトイル−リジン−トレオニン−トレオニン−リジン−セリン(Sederma(France)から入手可能)
2 シクロペンタシロキサン及びジメチコンクロスポリマー(Dow Corning製)
3 ジメチコン及びジメチコンクロスポリマー(Dow Corning製)
4 シクロペンタシロキサン及びジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー(Shin Etsu製)
5 シクロペンタシロキサン及びC30〜45アルキルセテアリルジメチコンクロスポリマー(Momentive製)
6 イソデシルネオペンタノエート及びジメチコン/ビスイソブチルPPG−20クロスポリマー(Dow Corning製)
7 ジメチコン及びジメチコノール(Dow Corning製)
8 キサンタンガム(CP Kelco製)
9 ケイ酸アルミニウムマグネシウム(RT Vanderbilt Inc.製)
10 ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Dow Chemical Co.製)
11 アクリル酸ナトリウム/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー、イソヘキサデカン、及びポリソルベート80(Seppic製)
12 ポリアクリルアミド、C13〜14イソパラフィン、及びラウレス−7(Seppic製)
13 ポリアクリル酸ナトリウムデンプン(Kobo Products Inc.製)
14 ポリアクリル酸ナトリウムデンプン(Kobo Products Inc.製)
15 ポリアクリル酸ナトリウム(Kobo Products Inc.製)
16 カプリリルメチコン及びPEG−12ジメチコン/PPG−20クロスポリマー
17 タピオカ粉末(Akzo Nobel製)
18 タピオカ及びポリメチルシルセスキノキサン(Akzo Nobel製)
【0108】
日焼け止め剤組成物
以下は、超吸収性ポリマーとシリコーンエラストマーとの組み合わせを利用する日焼け止め剤組成物の例である。実施例22〜27の組成物は、以下の通り調製する。適切な容器内で、水相成分を合わせ、75℃に加熱する。別の適切な容器内で、油相成分を合わせ、75℃に加熱する。次に、油相を水相に添加し、得られたエマルションをすり混ぜる(例えば、ローターステーターミルにより)。次に、増粘剤をエマルションに添加し、撹拌しながらエマルションを45℃に冷却する。45℃にて、残りの追加成分を加える。次に、撹拌しながら生成物を30℃に冷却し、再度すり混ぜ、次に適切な容器に注ぎ入れる。
【0109】
【表4】
1 イソデシルネオペンタノエート及びジメチコン/ビスイソブチルPPG−20クロスポリマー(Dow Corning製)
2 ベモトリジノール(BASF製)
3 エチルヘキシルメトキシクリレン(Hallstar製)
4 キサンタンガム(CP Kelco製)
5 ケイ酸アルミニウムマグネシウム(RT Vanderbilt Inc.製)
6 ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Dow Chemical Co.製)
7 アクリル酸ナトリウム/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー、イソヘキサデカン、及びポリソルベート80(Seppic製)
8 ポリアクリルアミド、C13〜14イソパラフィン、及びラウレス−7(Seppic製)
9 ポリアクリル酸ナトリウムデンプン(Kobo Products Inc.製)
10 ポリアクリル酸ナトリウムデンプン(Kobo Products Inc.製)
11 ポリアクリル酸ナトリウム(Kobo Products Inc.製)
12 カプリリルメチコン及びPEG−12ジメチコン/PPG−20クロスポリマー
13 タピオカ粉末(Akzo Nobel製)
14 タピオカ及びポリメチルシルセスキノキサン(Akzo Nobel製)
15ビスオクトリゾール、デシルグルコシド、キサンタンガム、プロピレングリコール、及び水(BASF製)
16 ジメチコン及びジメチコノール(Dow Corning製)
【0110】
超吸収性ポリマーとエラストマーとの組み合わせの効果を示す実施例
本発明の組み合わせの効果としては、皮膚の外観の改善及び製品の安定性の改善が挙げられる。両方の効果は、以下に提供するデータによって証明されるように、個々の成分を鑑みると予想外であり、驚くべきものであり、かつ相乗的である。
【0111】
製品の皮膚の外観の改善は、「光沢」を測定することによって証明される。具体的には、皮膚の光沢を低減すると、小じわ及びしわの外観が光学的に低減することが知られている。皮膚の光沢に対する製品の影響を予測するために、多くの場合インビトロ光沢試験が用いられる。このインビトロ光沢試験のために、ドローダウンバーアプリケータ(BYK Gardner)又は類似の装置を用いて製品の薄膜を基材上で流し込み成形し、製品フィルムを乾燥させ、次いで、得られる乾燥製品フィルムの光沢を、光沢計(BYK Gardner)と呼ばれる機器を用いて測定する。
【0112】
本発明の光沢の影響を試験するために、以下の4つの組成物を以下の通り作製した。適切な容器内で、水相成分を合わせ、75℃に加熱する。別の適切な容器内で、油相成分を合わせ、75℃に加熱する。次に、油相を水相に添加し、得られたエマルションをすり混ぜる(例えば、ローターステーターミルにより)。次に、増粘剤をエマルションに加え、撹拌しながらエマルションを冷却する。別個に、エラストマー相成分を合わせ、均一になるまで混合する。エマルションが55℃に冷却されたとき、エラストマー相及び残りの追加成分を添加する。次に、撹拌しながら生成物を30℃に冷却し、再度すり混ぜ、次に適切な容器に注ぎ入れる。
【0113】
【表5】
1 セテアリルグルコシド及びセテアリルアルコール(Cognis製)
2 イソドデカン及びジメチコン/ビスイソブチルPPG−20クロスポリマー(Dow Corning製)
3 キサンタンガム(CP Kelco製)
4 アクリル酸ナトリウム/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー、イソヘキサデカン、及びポリソルベート80(Seppic製)
5 ポリアクリル酸ナトリウムデンプン(Kobo Products Inc.製)
6 ポリエチレンホモポリマー(Equistar製)
7 ナイロン−12(Kobo Products Inc.製)
8 ジメチコン及びジメチコノール(Dow Corning製)
9 ヨードプロピニルブチルカルバメート(Lonza製)
【0114】
次に、これら4つの処方を上記の通りインビトロ光沢試験に供した。以下に提供するこの試験の結果から分かる通り、超吸収性ポリマー及びエラストマーの両方は、基本処方(実施例28)に添加したとき、個々に光沢を低減する。重要なことに、これら2つの材料の組み合わせは、いずれか単独で得られるよりも光沢を遥かに低いレベルにする。したがって、この材料の組み合わせは、著しい皮膚外観効果を提供すると予測される。
【0115】
【表6】
【0116】
更に、同様の処方のセットの貯蔵安定性試験は、超吸収性ポリマー及びエラストマーの組み合わせについて安定性効果を示す。一般的に、安定な処方は、エージングしたときに粘度が変化しないか又は上昇する(粘度上昇は、エージング中のゲルネットワーク構造の強化に特有である)。安定性試験のために、以下の製品を以下の通り作製した。適切な容器内で、水相成分を合わせ、75℃に加熱する。別の適切な容器内で、油相成分を合わせ、75℃に加熱する。次に、油相を水相に添加し、得られたエマルションをすり混ぜる(例えば、ローターステーターミルにより)。次に、増粘剤をエマルションに加え、撹拌しながらエマルションを冷却する。別に、エラストマー相成分を合わせ、均一になるまで混合する。エマルションが55℃に冷却されたとき、エラストマー相及び残りの追加成分を添加する。次に、撹拌しながら生成物を30℃に冷却し、再度すり混ぜ、次に適切な容器に注ぎ入れた。
【0117】
【表7】
1 セテアリルグルコシド及びセテアリルアルコール(Cognis製)
2 イソドデカン及びジメチコン/ビスイソブチルPPG−20クロスポリマー(Dow Corning製)
3 キサンタンガム(CP Kelco製)
4 アクリル酸ナトリウム/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー、イソヘキサデカン、及びポリソルベート80(Seppic製)
5 ポリアクリル酸ナトリウムデンプン(Kobo Products Inc.製)
6 ポリエチレンホモポリマー(Equistar製)
7 ナイロン−12(Kobo Products Inc.製)
8 ジメチコン及びジメチコノール(Dow Corning製)
9 ヨードプロピニルブチルカルバメート(Lonza製)
【0118】
以下に示す通り、従来の増粘剤(Simulgel INS−100)を含むベースエマルション、及び超吸収性ポリマー増粘剤を含むベースエマルションは、両方とも、室温条件下で5ヶ月間エージングした後許容可能な安定性を示し、従来の増粘剤(Simulgel INS−100)及びエラストマーを両方含有するエマルションは、エージングの際に著しい粘度低下を示した。対照的に、超吸収性ポリマー及びエラストマー系は、同様のエージング条件に供したとき、著しい粘度低下を全く示さなかった。
【0119】
【表8】
【0120】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らないかぎり、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40ミリメートル」として開示される寸法は、「約40ミリメートル」を意味するものである。
【0121】
任意の相互参照又は関連特許若しくは関連出願を包含する本明細書に引用される全ての文献は、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、その全てを本明細書中に参照により組み込まれる。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請求される全ての発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他の全ての参照文献とのあらゆる組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書において、用語の任意の意味又は定義の範囲が、参考として組み込まれた文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
【0122】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。