特許第6074030号(P6074030)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アリース エコ アーク(ケイマン) シーオー.エルティーディー.の特許一覧

特許6074030連結式電気バス用電池モジュール配置構造
<>
  • 特許6074030-連結式電気バス用電池モジュール配置構造 図000002
  • 特許6074030-連結式電気バス用電池モジュール配置構造 図000003
  • 特許6074030-連結式電気バス用電池モジュール配置構造 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6074030
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】連結式電気バス用電池モジュール配置構造
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20060101AFI20170123BHJP
   B60L 11/18 20060101ALI20170123BHJP
   B62D 31/02 20060101ALI20170123BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20170123BHJP
   H01M 10/613 20140101ALN20170123BHJP
   H01M 10/625 20140101ALN20170123BHJP
   H01M 10/6563 20140101ALN20170123BHJP
   H01M 10/663 20140101ALN20170123BHJP
【FI】
   B60K1/04 A
   B60L11/18 Z
   B62D31/02 Z
   H01M2/10 S
   !H01M10/613
   !H01M10/625
   !H01M10/6563
   !H01M10/663
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-514343(P2015-514343)
(86)(22)【出願日】2013年5月31日
(65)【公表番号】特表2015-525165(P2015-525165A)
(43)【公表日】2015年9月3日
(86)【国際出願番号】CN2013076557
(87)【国際公開番号】WO2013178089
(87)【国際公開日】20131205
【審査請求日】2015年2月5日
(31)【優先権主張番号】61/654,549
(32)【優先日】2012年6月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516280613
【氏名又は名称】アリース エコ アーク(ケイマン) シーオー.エルティーディー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】李訓生
(72)【発明者】
【氏名】余能翰
(72)【発明者】
【氏名】温崇維
(72)【発明者】
【氏名】徐慶安
【審査官】 川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許出願公開第102009045448(DE,A1)
【文献】 特開2002−274442(JP,A)
【文献】 特開平11−139167(JP,A)
【文献】 特開平11−115504(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 1/00 − 6/12
B60K 7/00 − 8/00
B62D 47/00 − 47/02
B62D 53/00 − 53/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結式電気バス用の電池モジュール配置構造であって、
第一の強固なコンパートメント、第二の強固なコンパートメント、及び連結部を備える車体と、
前記車体の底部に配置される複数の車輪軸と、
複数の電池モジュールと、
複数の電池収容ボックスをさらに備え、
前記第一の強固なコンパートメント及び前記第二の強固なコンパートメントは前記連結部により連結され、前記第一の強固なコンパートメント及び前記第二の強固なコンパートメントは乗客運搬用コンパートメントであり、
前記車輪軸は、第一車輪軸、第二車輪軸、及び第三車輪軸を備え、
前記第一車輪軸及び前記第二車輪軸は前記第一の強固なコンパートメントの底部に配置され、前記第三車輪軸は前記第二の強固なコンパートメントの底部に配置され、
前記車体は、前記第一車輪軸に揃う前輪軸領域、前記第二車輪軸に揃う中間車輪軸領域、及び、前記第三車輪軸に揃う後輪軸領域を備え、前記前輪軸領域及び前記中間車輪軸領域はそれぞれ2つの第一の高プラットフォーム部及び2つの第二の高プラットフォーム部を有し、前記後輪軸領域は2つの第三の高プラットフォーム部を有し、
前記複数の電池モジュールは、前記車体の内部に配置され、前記車輪軸の少なくとも一つの上部にそれぞれが対応するように設置され、
前記複数の電池収容ボックスは、前記電池モジュールを交換可能な状態で収容するために、前記車体内部に配置され、前記車輪軸の上部にそれぞれが対応するように設置され、前記電池収容ボックスは、前記2つの第一の高プラットフォーム部、前記2つの第二の高プラットフォーム部、前記2つの第三の高プラットフォーム部の上部に置かれる、
ことを特徴とする連結式電気バス用の電池モジュール配置構造。
【請求項2】
前記電池収容ボックスは、前記車体の両側近傍に配置され、
前記車体の両側に、前記電池収容ボックスに対応する複数のドアパネルを有していることを特徴とする
請求項1に記載の連結式電気バス用の電池モジュール配置構造。
【請求項3】
前記車体の内部には、通路を有していることを特徴とする
請求項1に記載の連結式電気バス用の電気モジュール配置構造。
【請求項4】
前記2つの第一の高プラットフォーム部は、前記車体の前記通路の両側に配置され、お互いに対向して配置され、
前記2つの第二の高プラットフォーム部は、前記車体の前記通路の両側に配置され、お互いに対向して配置され、
前記2つの第三の高プラットフォーム部は、前記車体の前記通路の両側に配置され、お互いに対向して配置されることを特徴とする
請求項に記載の連結式電気バス用の電池モジュール配置構造。
【請求項5】
前記連結式電気バスは低床の連結式電気バスであることを特徴とする
請求項1に記載の連結式電気バス用の電池モジュール配置構造。
【請求項6】
第一の強固なコンパートメントと、
第二の強固なコンパートメントと、
前記第一の強固なコンパートメントと前記第二の強固なコンパートメントを連結する連結部と、
前記第一の強固なコンパートメントの底部に配置される第一車輪軸と、
前記第一の強固なコンパートメントの底部に配置される第二車輪軸と、
前記第二の強固なコンパートメントの底部に配置される第三車輪軸と、
複数の電池モジュールを備え、
前記第一の強固なコンパートメントは、前記第一車輪軸に揃う前輪軸領域と、前記第二車輪軸に揃う中間車輪軸領域を備え、前記第二の強固なコンパートメントは、前記第三車輪軸に揃う後輪軸領域を備え、前記前輪軸領域及び前記中間車輪軸領域はそれぞれ2つの第一の高プラットフォーム部及び2つの第二の高プラットフォーム部を有し、前記後輪軸領域は2つの第三の高プラットフォーム部を有し、
前記複数の電池モジュールは、前記第一の強固なコンパートメント内部及び前記第二の強固なコンパートメント内部に配置され、前記第一車輪軸、前記第二車輪軸及び前記第三車輪軸の上部にそれぞれ対応するように設置され、
前記複数の電池収容ボックスは、前記電池モジュールを交換可能な状態で収容するために、前記前記第一の強固なコンパートメント及び前記第二の強固なコンパートメントの内部に配置され、前記第一車輪軸、前記第二車輪軸、及び前記第三車輪軸の上部にそれぞれが対応するように設置され、前記電池収容ボックスは、前記2つの第一の高プラットフォーム部、前記2つの第二の高プラットフォーム部、前記2つの第三の高プラットフォーム部の上部に置かれる、
ことを特徴とする
連結式電気バスの電池モジュール配置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車用の電池モジュールの配置構造に関するものであり、特に連結式電気バスの電池モジュールの配置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
グリーンエネルギー概念の普及により、電気自動車の関連する研究及び開発が盛んになっている。一般的に、電気自動車の動力源は、車両内部の電池モジュールである。電気自動車を駆動し、一定の駆動力を得るには、通常複数の電池モジュールが必要とされ、十分な電力を供給するように構成される。複数の電池モジュールを構成する場合、電気自動車のかなりの空間が占有されるため、連結式電気バス用の電池モジュール配置構造が開発されるべきテーマとなっている。
【0003】
一般に、種々の型または様式の電気自動車において、各国ごとの安全規制の下で、さまざまな機能、設備、および制限があることにより、電池モジュール配置構造及び方法は様々である。小型電動車両(例えば電気自動車)の複数の電池モジュールは、通常は車体のトランクに配置されている。しかし、公共輸送車両である大型電動車両(電動バスまたは電気バスなど)は、通常は大きく重い車体であるので、十分な駆動力と耐久性を提供するために、容量及びサイズが大きく重量が重い、数多くの電池モジュールが必要とされる。
過去には、電池、及び充電ステーション又は電池交換ステーションのような関連する設備機器の研究開発の制約及び不足により、電気バスの研究開発は希少であり、ゆっくりとしたものであった。近年では、電池技術の飛躍的進歩と関連する設備の強化により、電気バスの研究、開発、適用が徐々に実装されるに至っている。現在、電気バスの開発における一般的な電気バスは全長約12メートルであり、複数の電池モジュールは、通常、電気バスの車内に構成され、通路の両側に、前車輪軸と後車輪軸の間に配置される。一定の座席数を維持するために、複数の座席は電気バス内の複数の電池モジュール上に配置される(即ち、通路の両側に設置されている座席は、複数の電池モジュール上に配置されている)。それにより、電気バスの座席は、ある高さに持ち上げられることになり、乗客が座席に座っている間、快適さに影響を与えることがある。踏み台が、出口/入口に又はその座席近くに配置される必要があり、乗客は踏み台を使用しなければならなくなり、さらに、乗降時間が増加するため、電気バスの運行時間に影響を与え、車椅子利用には不便である。加えて、電気バスが、運行中、水をかき分け又は雨でしぶきがはねる時、電池モジュールの配置位置及び方法に起因して、容易に湿り、湿気が侵入することになり、電池モジュールの寿命と電気バスの安全性に影響を与える。さらに、電気バスが衝突したり事故が発生したりした場合、電池モジュールの配置位置及び方法により損傷の可能性が増し、車体の構造と安全性に影響を与える。特に、電気バス内の電池モジュールの配置位置及び方法のため、直接空調システムによって放熱効率を高めることができない。
【0004】
近年では、連結式バスは、大きな運搬能力を有しているために広く普及し、適用されている。それにより、MRT又はLRTのようなハイコストの設備建築物の費用を削減することができる。連結式バスは、互いに連結された二つの強固なコンパートメントからなり、連接バスの全長は約18メートルである。MRTがそうであるように、乗客は、二つの強固なコンパートメントを自由に移動できる。約120から200名の人々が、連接式バスによって同時に移動することが可能となる。連結式バスは、迅速・大量・近距離公共交通機関として、MRT又はLRTの代わりに、通常、繁華街又は空港アクセスに利用されている。この状況で、連結式バスは、一般的に低床の連結式バスである。いわゆる「低床」は、(第一の強固なコンパートメントにある運転席近くの)前方ドアから、第一の強固なコンパートメントの通路沿いに、第二の強固なコンパートメントの軸領域の前にある通路に向かって、階段/踏み台が配置されていないということを意味する。第一の強固なコンパートメント及び第二の強固なコンパートメントの床は平坦である。言い換えれば、踏み台なしで、迅速に乗り降りすることは乗客にとって便利であり、さらに車椅子利用を可能にする。しかしながら、連結式バスの研究開発は、依然として不完全である。一方、連結式バスの開発において、電池モジュールの配置構造及び方法は、公共交通機関の要求、車体の設備条件及び制限、国の一般仕様、電池電源の交換の迅速性と利便性、乗客の利便性及び安全性、空間利用、に応じて考慮されなければならない。これにより前述の問題を軽減し、回避する。上記の欠点を解消するために、連結式電気バス用であって、改良された電池モジュール配置構造を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、空間使用量の増加又は維持、及び運搬能力を高めるため、連結式電気バス用の電池モジュール配置構造を提供することである。
【0006】
本発明は、また、連結式電気バス用の電池モジュール配置構造を提供する。電池モジュールの寿命及び連結式電気バスの安全性への影響であって、湿ったり又は湿気の侵入により引き起こされる影響を回避できる。連結式電気バスが衝突したり事故が発生したりした場合、電池モジュールの損傷の可能性は低減される。車体または車両のシャーシの変形が回避され、連結式電気バスの空調システムは、放熱効率を高めるために利用される。
【0007】
本発明は、また、連結式電気バス用の電池モジュール配置構造を提供する。連結式電気バスは、低床の連結式電気バスであり、それによって乗客の乗降に便利となり、車椅子利用にも便利となっている。また、連結式電気バスの空間使用量は増加され又は維持され、運搬能力が高められる。
【0008】
本発明の一態様によれば、連結式電気バス用の電池モジュールの配置構造が提供される。連結式電気バスの電池モジュールの配置構造は、車体、複数の車輪軸及び複数の電池モジュールを備える。車輪軸は、車体の底部に配置されている。複数の電池モジュールは、車両本体の内部に配置され、車輪軸の少なくとも一つの上部領域にそれぞれが対応するように設置される。
【0009】
本発明の別の態様によれば、連結式電気バス用の電池モジュールの配置構造が提供される。連結式電気バス用の電池モジュールの配置構造は、第一の強固なコンパートメント、第二の強固なコンパートメント、連結部、第一車輪軸、第二車輪軸、第三車輪軸及び複数の電池モジュールを備える。連結部は、第一の強固なコンパートメント及び第二の強固なコンパートメントに連結されている。第一車輪軸は、第一の強固なコンパートメントの底部に配置されている。第二車輪軸は、第一の強固なコンパートメントの底部に配置されている。第三車輪軸は、第二の強固なコンパートメントの底部に配置されている。複数の電池モジュールは、第一の強固なコンパートメントの内部及び第二の強固なコンパートメントの内部に配置され、第一車輪軸、第二車輪軸及び第三車輪軸の上部領域にそれぞれが対応するように設置される。
【0010】
本発明の上記の内容は、以下の詳細な説明及び添付の図面を検討した後に、当業者により容易に明らかなるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の好ましい実施形態における、連結式電気バス用の電池モジュール配置構造の上面斜視図を概略的に示すものである。
【0012】
図2図2は、本発明の好ましい実施形態における、連結式電気バス用の電池モジュール配置構造の側面図を概略的に示すものである。
【0013】
図3図3は、本発明の好ましい実施形態における、連結式電気バス用の電池モジュール配置構造での電池モジュール交換を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を以下の実施形態を参照してより具体的に説明する。本発明の好ましい実施形態の以下の説明は、例示および説明のみを目的として本明細書に提示されていることに留意すべきである。開示された正確な形態が網羅的であることまたはその形態に限定されることを意図するものではない。
【0015】
図1及び図2を参照のこと。図1は、本発明の好ましい実施形態における、連結式電気バスの電池モジュールの配置構造の上面斜視図を概略的に示す。図2は、本発明の好ましい実施形態における、連結式電気バスの電池モジュールの配置構造の側面図を概略的に示す。本発明の連結式電気バス1は、車体10、複数の電池モジュール20、及び、電力変換及び駆動システム(図示せず)を備える。車体10は、第一の強固なコンパートメント11、第二の強固なコンパートメント12、及び連結部13を備える。第一の強固なコンパートメント11及び第二の強固なコンパートメント12は、連結部13を介して互いに連結され、第一の強固なコンパートメント11の内部及び第二の強固なコンパートメント12の内部に通路17を成し、それにより、乗客30は、第一の強固なコンパートメント11、第二の強固なコンパートメント12、及び連結部13から、自由に通路17を通り歩くことができる。連結式電気バス1のシステム(図示せず)を動作し、変換及び駆動用エネルギーは、電池モジュール20によって提供され、それにより、連結式電気バス1は駆動され、連結式電気バス1は特定の耐久性を有することができる。ある実施形態では、連結式電気バス1の車体10の全長は約18メートルであるが、これらに限定されるものではない。連結式電気バス1の運搬能力は約120から200人だが、それに限定されるものではない。
【0016】
連結式電気バス1は、車体10の底部に順次配置された、第一車輪軸14(または前輪軸と呼ばれる)、第二車輪軸15(または中間車輪軸と呼ばれる)及び第三車輪軸16(または後輪軸とも呼ばれる)をさらに備える。この実施形態では、第一車輪軸14及び第二車輪軸15は、第一の強固なコンパートメント11の底部に配置され、第三車輪軸16は、第二の強固なコンパートメント12の底部に配置されている。さらに、連結式電気バス1の車体10は、前方から後方へ順に、前方領域100、前輪軸領域101、第一車体領域102、中間車輪軸領域103、連結部領域104、第二車体領域105、後輪軸領域106及び後方領域107、に分けることができる。第一車輪軸14及び第二車輪軸15は、車体10(又は第一の強固なコンパートメント11)の前輪軸領域101と中間車輪軸領域103に対応してそれぞれ配置され、車体10の前輪軸領域101及び中間車輪軸領域103は、2つの第一の高プラットフォーム部108及び2つの第二の高プラットフォーム部109それぞれを有し、2つの第一の高プラットフォーム部分108は、車両10の通路17の両側に配置され、互いに対向して配置されている。2つの第二の高プラットフォーム部109は、車体10の通路17の両側に配置され、互いに対向して配置されている。第三車輪軸16は、車体10(または第二の強固なコンパートメント12)の後輪軸領域106に対応して配置され、それにより、後輪軸領域106は、2つの第三の高プラットフォーム部110を有し、2つの第三の高プラットフォーム部110は、車体10の通路17の両側に配置され、互いに対向して配置されている。この実施形態では、複数の電池収容ボックス201、202及び203は、車体10の前輪軸領域101中間車輪軸領域103及び後輪軸領域106における、2つの第一の高プラットフォーム部108、2つの第二の高プラットフォーム109及び2つの第三の高プラットフォーム110の上部領域にそれぞれが対応するように設置され、電池モジュール20は、収容ボックス201、202、及び203の空間にそれぞれ収容される。言い換えると、複数の電池収容ボックス201、202、及び203は車体10(又は、第一の強固なコンパートメント11及び第二の強固なコンパートメント12)の内部に配置され、電池モジュール20を交換可能な状態で収容するために、第一車輪軸14、第二車輪軸15及び第三車輪軸16の上部領域にそれぞれが対応するように設置される。電池収容ボックス201、202及び203は車体10の両側近傍に配置され、電池モジュール20は交換可能な状態で電池収容ボックス201、202及び203により収容される。
【0017】
図3は、本発明の好ましい実施形態における、連結式電気バス用の電池モジュール配置構造での電池モジュール交換を示す。ある実施形態では、電池収容ボックス201、202、及び203に対応して、車体10の両側に複数のドアパネル204、205及び206を有している。電池モジュール20が電池収容ボックス201、202及び203の空間にそれぞれ収容される時、ドアパネル204、205及び206は電池モジュール20を閉じ、施錠される。電池モジュール20の電力がある程度消費された場合、電池モジュールを交換することができ、連結式電気バス1の利用効率は、車両全体を充電する(すなわち、利用効率の低下を引き起こす)ことなく高められる。電池モジュール20の交換の必要が生じた場合、ドアパネル204、205及び206を開錠して、車両10の外側から開放し、電池モジュール20は、手動操作により又は自動操作により、車体10から電池交換ステーションへ移動し、インストールされる電池モジュール20が電池収容ボックス201,202,203の空間に置かれ、その後、ドアパネル204、205及び206は施錠される。その結果、電池モジュール20の交換は、簡易に、安全に、便利な方法で実装される。ある実施形態では、電池モジュール20の量は実際の需要に見合うように調整されるが、それに限定されるものではない。
【0018】
本実施形態では、連結式電気バス1は低床の連結式電気バスである。いわゆる”低床”は、車体10内にある床が平坦であり、通路17に階段がないことを意味し、通路17は、前方領域100、前輪軸領域101、第一車体領域102、中間車輪軸領域103、連結部領域104、第二車体領域105及び後輪軸領域106にまで続いているが、それに限定されるものではない。言い換えると、第一の強固なコンパートメント11の運転者席近傍にある前方ドアから、第二の強固なコンパートメント12の第三車輪軸16(つまり、後輪軸領域106)までの床は、第一の強固なコンパートメント11、第二の強固なコンパートメント12及び連結部13の通路17に沿って、車体10中では平坦であり、通路17沿いに階段は配置されていない。加えて、連結式電気バスでは、シャーシから車体10の床までの高さは約15cmであり、車体10の床から地面までは約35cmであるが、それに限定されない。それゆえ、乗客30が連結式電気バス1を使う場合、連結式電気バス1のシャーシは低床になり、乗客30にとって踏み台なしでの乗降に便利であり、車椅子利用にも便利となる。
【0019】
本発明の概念によれば、連結式電気バス用の電池モジュールの配置構造は、車体10、複数の車輪軸14、15及び16(すなわち、第一車輪軸14、第二車輪軸15及び第三車輪軸16)と電池モジュール20を備える。車輪軸14、15及び16は、車体10の底部に配置される。複数の電池モジュール20は、車体10の内部に配置され、車輪軸14、15及び16の少なくとも一つの上部領域にそれぞれが対応するように設置され、車輪軸14、15及び16上にある車体10の空間は、電池モジュール20に利用できる。連結式電気バスの空間使用量が増加され又は維持され、運搬能力が高められる。さらに、電池モジュール20は、車体10内部の、第一の高プラットフォーム部108、第二の高プラットフォーム部109及び第三の高プラットフォーム部110の上部領域に配置され、地面から離れているので、電池モジュール20が湿ったり又は湿気の侵入を回避でき、電池モジュール20の寿命及び連結式電気バス1の安全性に効果がある。連結式電気バス1が衝突したり事故が発生したりした場合、電池モジュール20の損傷の可能性は低減される。その上、電池モジュール20は、複数の車輪軸14、15及び16上に配置され、車輪軸14、15及び16と連動したタイヤによって衝撃が吸収されるため、電池モジュール20の重量による車体10及びシャーシの変形を回避するために、緩衝性及び衝撃吸収性が電池ジュール20に提供される。特に、電池モジュール20は電池収容ボックス201、202、及び203に収容され、第一の高プラットフォーム部108、第二の高プラットフォーム部109及び第三の高プラットフォーム部110の上部領域に配置され、電池収容ボックス201、202及び203は、連結式電気バス1の空調システムの排気口近くにあり、熱放散のため、空気の流れが、電池収容ボックス201、202及び203に分配及び誘導され、それにより、電池モジュール20の放熱効率を向上させる。
【0020】
以上の説明から、本発明は、空間使用量を増加/維持させ、運搬能力を高めるために、連結式電気バス用の電池モジュール配置構造を提供する。また湿ったり又は湿気の侵入により、電池モジュールの寿命及び連結式電気バスの安全性の影響を受けることを回避できる。連結式電気バスが衝突したり事故が発生したりした場合、電池モジュールの損傷の可能性が低減される。車体または車両のシャーシの変形が回避され、連結式電気バスの空調システムは、放熱効率を高めるために利用することができる。さらに、電池モジュールは、交換可能な電池モジュールとして構成されるので、電池モジュールは、電池交換ステーションで手動操作又は自動操作により交換される。一方、本発明は、また、連結式電気バスは、低床の連結式電気バスであり、それにより、乗客の乗降が便利で、車椅子利用にも便利な連結式電気バス用の電池モジュール配置構造を提供する。また、連結式電気バスの空間使用量が増加され又は維持され、運搬能力が高められる。
【0021】
本発明は、現在最も実用的で好ましい実施形態であると考えられるものに関して説明してきたが、本発明は、開示された実施形態に限定される必要はないことが理解されるべきである。それどころか、様々な修正およびすべてのそのような修正および類似の構造を包含するように最も広い解釈を与えられるべきであり、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれる類似の構成を包含することが意図される。
図1
図2
図3