(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6074039
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】車両群に対する段階的アクセスレベル
(51)【国際特許分類】
B60W 50/10 20120101AFI20170123BHJP
【FI】
B60W50/10ZIT
【請求項の数】25
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-529811(P2015-529811)
(86)(22)【出願日】2013年6月28日
(65)【公表番号】特表2015-529599(P2015-529599A)
(43)【公表日】2015年10月8日
(86)【国際出願番号】US2013048407
(87)【国際公開番号】WO2014051807
(87)【国際公開日】20140403
【審査請求日】2015年2月25日
(31)【優先権主張番号】13/629,914
(32)【優先日】2012年9月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ヒーリー,ジェニファー
(72)【発明者】
【氏名】ザフィログル,アレクサンドラ
(72)【発明者】
【氏名】プロウマン,ティム
(72)【発明者】
【氏名】ファング,ヴィクトリア
(72)【発明者】
【氏名】コリヴォー,フィリップ
【審査官】
二之湯 正俊
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−177476(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0084887(US,A1)
【文献】
特開平06−219187(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00−50/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサを備えるアクセスシステムが、車両の少なくとも1人の乗員の識別情報を検出するステップと、
前記アクセスシステムが、検出された前記乗員の前記識別情報に少なくとも部分的に基づいて、アクセスレベル情報を判定するステップと、
前記アクセスシステムが、前記アクセスレベル情報に基づいて、前記検出された乗員に前記車両へのアクセスを提供するステップと、
を含み、
前記アクセスシステムが、前記検出された乗員による車両使用情報を記録するステップと、
前記アクセスシステムが、報告規則に基づいて、前記車両使用情報を少なくとも1人の人間に報告するステップ、
を更に含む、コンピューター実施方法。
【請求項2】
前記アクセスシステムが、前記アクセスレベル情報に基づいて、前記検出された乗員のアクセスを前記車両の所定の機能に限定するステップ、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記所定の機能は、前記車両を運転できることを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記所定の機能は、前記車両のエンターテイメントデバイスを操作できることを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記アクセスシステムが、前記車両使用情報に部分的に基づいて、前記検出された乗員に車両使用クレジットを付与するステップ、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記付与されたクレジットに部分的に基づいて、前記車両の更なる機能の使用を許可するステップ、
を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記アクセスシステムは、前記車両内に配置される、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
アクセスレベルを判定する前記少なくとも1つのプロセッサは、前記車両の外部にホストされる、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
車両の少なくとも1人の乗員の識別情報を検出する前記ステップは、
前記車両に関連付けられる1又は複数のセンサーにより取得される、前記少なくとも1人の乗員に関連する情報を、格納された情報と比較して、乗員の識別情報を判定するステップ、
を含む、
請求項1又は6に記載の方法。
【請求項10】
車両の乗員の識別情報を検出する1又は複数のセンサーと、
データとコンピューター実行可能な命令とを格納する少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリにアクセスするように構成される少なくとも1つのプロセッサと、
を備える車両であって、
前記少なくとも1つのプロセッサは更に、前記コンピューター実行可能な命令を実行して、
前記車両の少なくとも1人の乗員の識別情報を検出し、
検出された前記乗員の前記識別情報に少なくとも部分的に基づいて、アクセスレベル情報を判定し、
前記アクセスレベル情報に基づいて、前記検出された乗員に前記車両へのアクセスを提供するように構成され、
前記少なくとも1つプロセッサは、更に、
車両使用情報を記録し、
前記車両使用情報に部分的に基づいて、前記検出された乗員に車両使用クレジットを付与するように構成される、
車両。
【請求項11】
前記検出された乗員の前記車両へのアクセスは、前記アクセスレベル情報に基づいて限定される、
請求項10に記載の車両。
【請求項12】
前記少なくとも1つメモリにアクセスするように構成される前記少なくとも1つプロセッサは、更に、前記付与されたクレジットに部分的に基づいて、前記車両の更なる機能の使用を許可するように構成される、
請求項10に記載の車両。
【請求項13】
前記少なくとも1つメモリにアクセスするように構成される前記少なくとも1つプロセッサは、更に、報告規則に基づいて、前記車両使用情報を少なくとも1人の人間に報告するように構成される、
請求項10に記載の車両。
【請求項14】
車両の少なくとも1人の乗員の識別情報を検出する手段と、
検出された前記乗員の前記識別情報に少なくとも部分的に基づいて、アクセスレベル情報を判定する手段と、
前記アクセスレベル情報に基づいて、前記検出された乗員に前記車両へのアクセスを提供する手段と、
を備え、更に、
前記検出された乗員による車両使用情報を記録する手段と、
報告規則に基づいて、前記車両使用情報を少なくとも1人の人間に報告する手段と、
を備える装置。
【請求項15】
前記アクセスレベル情報に基づいて、前記検出された乗員のアクセスを前記車両の所定の機能に限定する手段、
を更に備える、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記所定の機能は、前記車両を運転できることを含む、
請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記所定の機能は、前記車両のエンターテイメントデバイスを操作できることを含む、
請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記車両使用情報に部分的に基づいて、前記検出された乗員に車両使用クレジットを付与する手段、
を更に備える、請求項14に記載の装置。
【請求項19】
前記付与されたクレジットに部分的に基づいて、前記車両の更なる機能の使用を許可する手段、
を更に備える、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記車両内に配置される、請求項14に記載の装置。
【請求項21】
アクセスレベルを判定する前記少なくとも1つのプロセッサは、前記車両の外部にホストされる、
請求項14に記載の装置。
【請求項22】
車両の少なくとも1人の乗員の識別情報を検出する前記手段は、
前記車両に関連付けられる1又は複数のセンサーにより取得される、前記少なくとも1人の乗員に関連する情報を、格納された情報と比較して、乗員の識別情報を判定する手段、
を含む、
請求項14に記載の装置。
【請求項23】
請求項10乃至13のいずれか一項に記載の車両を動作させるように構成されるシステム。
【請求項24】
コンピューターに請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法を実行させるように構成されるプログラム。
【請求項25】
請求項24に記載のプログラムを格納したコンピューター可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は一般に車両アクセスに関し、より詳細には、人間集団における車両群への段階的アクセスレベルに関する。
【背景技術】
【0002】
地域によっては、自動車の平均コストが平均的な年間世帯所得を上回る。結果として、1台の車が拡張家族に共同使用されることが多く、拡張家族には親しい友達のネットワークが含まれる場合もある。自動車の共同所有は、イスラエルのキブツ(kibbutz)でも一般的である。米国では、このような車両の共同使用は、フリート(fleet)車両に関して見られることが多い。ある状況においては、隣人とカープールが自動車を共同使用する場合がある。更に、車両の共同使用は、一部の民間相乗り業に見られる。
【0003】
自動車の共同所有は、プライベートな集団では特に、世帯内と世帯同士の気遣いと義務の関係に巻き込まれる。単一の世帯が2台以上の自動車を所有する場合もあれば、単一の自動車が複数の世帯に使用される場合もある。このような自動車は同じ人々によって使用されるので、自動車とそれを使う人々とは通信可能である必要があり、情報をセキュアかつ内密に、責任に基づいてカスタマイズされたアクセスレベルで共有することができる必要がある。例えば、自動車にフルアクセスできる人もいれば、アクセスが制限される人がいてもよい。必要な自動車整備についての情報は、アクセス許可とは異なる方法で共有されてよい。更に、他人の用足しや、他人の子どもや親戚の送り迎え、燃料補給等の、自動車を利用した義務の遂行を追跡する必要がある。
【0004】
現在、自動車へのアクセスは鍵という方法で解決されている。自動車に関する義務行為は、通常書面により追跡されるか、或いは、車両内部(例えば、オイル交換のステッカー)に張られるステッカーにより追跡される。誰が誰を車に乗せるのかは、一般に、人の記憶と口頭でのやりとりでわかる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
以下、添付の図面を参照する。図面は必ずしも原寸に比例しない。
【
図1】本発明の例示的実施形態に係るアクセスシステムを示すブロック図である。
【
図2】本開示の様々な実施形態において利用可能な例示的なアクセスシステムアーキテクチャを示すブロック図である。
【
図3】本発明の例示的実施形態に係る車両のアクセス制御システムを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の説明において、多数の具体的な詳細を記載する。しかし、当然ながら、本発明の実施形態はそのような具体的な詳細を伴わずに実施されてよい。他の例では、本説明の理解を曖昧にしないように、周知の方法、構造及び技術を詳述していない。「一実施形態」、「実施形態」、「例示的実施形態」、「様々な実施形態」等の表現は、そのように記載された本発明の実施形態は特定の特徴、構造又は特性を含み得るが、全ての実施形態が当該特定の特徴、構造又は特性を含むわけではないことを意味する。更に、「一実施形態において」という表現が繰り返し用いられるが、必ずしも同じ実施形態を指さない。
【0007】
本明細書において、「第1」、「第2」、「第3」等の序数的な形容詞を用いて共通の要素を説明する場合、別段の指定がない限り、同じ要素の異なる例を意味することを示すに過ぎず、そのように記載される当該要素が、時間的に、空間的に、順位的に、或いは他の方式において所与の順序でなければならないことを意味するものではない。
【0008】
本明細書で用いられる場合、車両という用語は、一般に自動車、トラック、乗用車、バス、オートバイ等を意味し得る。
【0009】
本発明の例示的実施形態によれば、複数人についてカスタマイズされた関連サークル(circle of kinship)は、様々なレベルでの車両へのアクセスを許可し、他の方法に代わって車両がどのように運転されたかを記録し、整備及び交通違反に関する情報を当該サークルの選択されたサブセットで共有する。
【0010】
関連サークル(circle of kinship)と呼ばれるソフトウェア構成は、鍵と車両にアクセス可能な人やアクセス可能な条件、目的について現在人間が保持している記録との代わりに、車両にアクセス可能な人、目的及び限定(州内、駐車場内、駐車係、フルアクセス)のアクティブな記録を保持するものである。また、このサークルは、車両の位置、現在の運転者、現在の同乗者、トリップログ、整備の観点からの現在の車両状態、燃料の残量及び潜在損傷を記録することができる。
【0011】
車両又は車両群について、当該車両にアクセス可能な人間が複数いる場合がある。このアクセスは、フルアクセスである場合もあり、制限された運転アクセスである場合もある。制限付きアクセスにより、運転者の車両特権を制限された範囲に狭めたり、同乗者の数を制限したり、時間を制限したりすることができる。特定の運転者(ティーンエイジャー、高齢者、駐車係等)を監視下に置くことができる。ベビーシッターが子どもを病院に送る必要がある場合等の緊急時には、追加的な運転者群にアクセスを許可することができる。或いは、隣人が違法駐車の車両を移動する必要がある場合には、非常に限られたアクセスを許可することができる。
【0012】
アクセス以外にも、アクセス制御システムは、運転者の活動の記録及び誰に活動が報告されたかの記録を保持してよい。主オーナーは、運転者の個人的活動について知ることができる人を限定することができ、なおかつ、他人の活動について知ることができる拡張された権利をもつことができる。このアクセスは監視目的で用いることができ、また、「義務」的な運転(用足し、送り迎え等)に寄与した人の記録に用いることができる。
【0013】
アクセス制御システムの別の態様は、複数の運転者により共同使用される車両に必要な整備に関する責任の分配である。洗車やオイル交換等の整備責任を果たす運転者には、クレジットが付与されてよい。クレジットにより、車両に関連する個人の権利が拡大されてよい。また、車両を損傷した人についての報告が記録されてもよい。
【0014】
段階的な暗号化許可構造は、車両又は電話に格納され、或いは、セキュアな無線通信ネットワークを用いて外部に格納される。アクセス制御システムは、解錠、運転、ガイド、整備及び車両についての情報に関するレポートに対して承認を提供する。車両は、もはや物理的な鍵によって排他的にアクセスされ制御されるのではなく、アクセス権と車両所有の本質を反映する報告構造とによってアクセスされ制御される。
【0015】
図1は、本発明の例示的実施形態に係るアクセスシステム100を示すブロック図である。本例示的実施形態では、複数のユーザー110が段階的レベルで車両102へアクセス可能である。アクセスシステム100は、様々なレベルで車両へのアクセスを許可するカスタマイズされた関連サークル(circle of kinship)を管理し、他の方法に代わって車両がどのように運転されるかを記録し、整備及び交通違反に関する情報を当該サークルの選択されたサブセットで共有する。
【0016】
図示の実施形態では、アクセス制御部103が、複数のユーザー110による車両102のアクセスを統制するソフトウェア構成を管理する。アクセス制御部103は、段階的な暗号化許可構造を管理するハードウェア及びソフトウェアを有し、当該段階的な暗号化許可構造は、解錠、運転、ガイド、整備及び車両102についての情報の報告に用いられる。アクセス制御部103は、ユーザーの特定、アクセス制御、情報の記録及び通知の生成に用いられるモジュールを有する。車両102は、もはや物理的な鍵によって排他的にアクセスされ制御されるのではなく、車両所有の本質を反映するアクセス制御部103によってアクセスされ制御される。アクセス制御部103又はそのコンポーネントは、車両102に格納されてもよいし、スマートデバイスに格納されてもよいし、リモートサーバーに格納されてもよい。無線通信ネットワーク120は、各ユーザー110に関連付けられる段階的な暗号化権限の通信に用いられてもよい。
【0017】
アクセスシステム100は、車両102の少なくとも1人のユーザー110(例えば運転者)を特定するように動作可能である。
図2に関して開示されるように、ユーザーの特定には幅広い適切な方法及び/又は技術が利用されてよい。ユーザーを特定すると、アクセスシステム100は車両102へのアクセスを許可又は拒否する。アクセスシステムが車両102へのアクセスを許可するとき、運転者の特定は必須ではない。例えば、アクセスシステムが子どもを認識した場合、その子どもがその子どもに関連する場所(病院等)に車で送られるように、システムはその子どもに対して車両102へのアクセスを許可してよい。
【0018】
アクセスシステム100は、特定のユーザー110に対して低い車両特権を与えてよい。例えば、ティーンエイジャー112には、車両102の全機能へのアクセスについて多くの制限が設けられてよい。例えば、低い特権には、ティーンエイジャー112の運転可能な制限範囲、制限された最大走行速度、制限された同乗者数又は制限された時間での運転が含まれてよい。運転機能以外にも、アクセスシステムは、ティーンエイジャー112が車両102に関連する他の機能にアクセスすることを制限してよい。例えば、ティーンエイジャー112がオーナー111に対してタスク又は義務を実行している場合を除いて、ティーンエイジャー112がラジオを聴いたり娯楽システムを操作したりすることを制限してよい。
【0019】
別の例では、ベビーシッター114に与えられる機能が制限されてよい。ベビーシッターに対して、車両を運転可能な時間及び地理的領域が制限されてよい。例えば、ベビーシッター114に対して、運動行事、学校行事、病院又は子どもの近所の友達の家へ車両を運転することが許可されてよい。ベビーシッター114に対して、最大走行速度が制限されてよい。許可された使用以外では、アクセス制御部103は、ユーザー110の車両102の使用特権を拒否してよい。
【0020】
更に別の例では、義父113が、限られた日に運転し罰金を科せられやすい傾向にあるとする。それに応じてアクセス制御部103は、義父113が運転しようとしている場合に、オーナー111に通知が送られることを要求するように構成されてよく、また、アクセスシステム100が車両102のオーナー111から承認を受け取らない限り、アクセスを拒否するように構成されてよい。或いは、アクセス制御部103は、義父113のアクセスを制限してよい。例えば、プレート番号に関連付けられた制限がある場合、車両102の運転がそのような制限の期間中に許可されないように構成されてよい。義父113が夜間にあまり目が見えない場合、アクセスシステム100は、緊急時を除いて夜間の運転を拒否してよい。緊急時では、緊急時であることを示す入力を義父113に要求してよく、緊急事態が未成年に関連する場合、アクセスシステム100はオーナー111又は親に対する通知を生成してよい。
【0021】
ベビーシッター114と同様に、隣人115に対して制限付きアクセスが許可されてよい。隣人に対して、車両102を運転可能な時間及び地理的領域が制限されてよい。例えば、隣人115は、車両102が違法に駐車されている場合にのみ、車両102の移動を許可されてよい。隣人が空いている合法な駐車スペースを見つけた場合、アクセスシステム100は、車両102を合法な駐車位置まで移動させるための限定的使用を許可してよい。許可された使用以外では、アクセス制御により、ユーザー110の車両102の使用特権は拒否されてよい。
【0022】
別の例では、ユーザー110により、係員付き駐車サービスを利用するという入力がアクセスシステム100に行われてよい。駐車係に対して、運転可能な範囲及び距離が制限されてよい。駐車係が駐車場から車で走り去ろうとした場合、アクセスシステム100は車両102を不能にしてよい。別の実施形態では、アクセス制御システム100は、現地機関及び/又はオーナー111に未承認の使用を通知してよい。
【0023】
別の例では、主オーナー111には車両102の使用の制限が設けられなくてよい。アクセス以外にも、アクセスシステム100は、運転者の活動の記録及び誰に活動が報告されたかの記録を保持してよい。主オーナー111は、運転者の活動について知ることができる人を限定することができ、なおかつ、他人の活動について知ることができる拡張された権利をもつことができる。このアクセスは監視目的で用いることができ、また、「義務」的な運転(用足し、送り迎え等)に寄与した人の記録に用いることができる。例えば、車両102の主オーナー111の場合、義務的な運転に対する「クレジット」を得る目的で運転活動が記録された場合を除いて、他の人は誰も主オーナーの運転活動にアクセスすることができない。しかしながら、車両が義父113に貸し出される場合に、オーナー111が義父113の活動の追跡を希望すると仮定する。例えば、義父113が、限定された日に運転し罰金を科せられやすい傾向にあるとする。それに応じてアクセス制御部103は、義父113が運転しているときに主オーナー111への通知の送付を要求し、また、プレート番号に関連付けられた制限が設けられた日に義父113のアクセスを制限するように構成されてよい。車両を損傷した人についての報告が記録されてもよい。
【0024】
アクセスシステム100の別の態様は、複数のユーザー110により共同使用される車両102の整備責任の分散である。車両102の洗車やオイル交換等の整備責任を果たすユーザー110には、クレジットが付与されてよい。また、クレジットは、運転義務(用足し、子どもの行事への送り迎え等)の遂行に関して付与されてもよい。クレジットにより、車両102に関連する個人の権利が拡大されてよい。例えば、標準ルールではティーンエイジャー112が夜間の運転を禁止される場合、ティーンエイジャー112が十分なクレジットを取得すれば、アクセスシステムは、ティーンエイジャー112が金曜日の夜に運転することを許可してよい。或いは、クレジットにより、ティーンエイジャー112が車両102の許可されていない機能(ラジオを聴く等)にアクセスすることが許可されてよい。
【0025】
アクセスシステム100の他の態様は、車両を損傷した人や出頭命令を受けた人の記録である。一部の実施形態では、出頭命令の受領は、高速道路で車両が停止すること、車両102の停止に関連するサイレンの音を検知すること、車載カメラが赤い光の点滅を検知すること等の手段により、判定することができる。
【0026】
図1を参照して上述されたアクセスシステム100は、例示に過ぎない。車両へのアクセス制御及び関連レポートの生成には、適宜、様々な他のシステム及び実施形態が利用されてよい。そのようなシステムには、
図1に示されるものとは異なる技術、ユーザー及び方法が含まれてよい。
【0027】
図2は、例示的な実施形態に係る、設定可能な車両アクセスシステム200のアーキテクチャを示す。アクセスシステム200はいくつかのコンポーネント201を含んでよく、コンポーネント201は、車両102に取り付けられるか、組み込まれるか、或いは他の方法で関連付けられてよい。アクセスシステム200は、適宜、処理用の適切なハードウェア及び/又はソフトウェアに関連付けられる適切なコンピューティングデバイスを任意の数含んでよい。いくつかの実施形態では、アクセスシステム200は、車両に搭載される独立したアクセスシステムとして実装又は実施されてよく、或いは、車両102に持ち込まれるシステムとして実装又は実施されてよい。他の実施形態では、アクセスシステム200は、車両102に関連付けられる車両102内の別のシステム又はデバイス(車載インフォテインメント(In-Vehicle Infotainment;IVI)システム等)のコンポーネントとして、実装又は実施されてよい。
【0028】
システムは、1又は複数のプロセッサ206、メモリデバイス204(一般にメモリ204という)、入出力(I/O)インターフェース208及び/又はネットワークインターフェース210(例えばデータバスインターフェース)を含んでよい。プロセッサ206は、コミュニケーションインターフェース210と適宜任意の数の適切な通信ネットワーク120とを介して、様々なアプリケーション及び/又はデバイスと通信を行ってよい。
【0029】
プロセッサ206は、任意の数の適切な処理デバイスを有してよく、例えば、中央演算処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、縮小命令セットコンピューター(reduced instruction set computer;RISC)、複合命令セットコンピューター(complex instruction set computer;CISC)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラー、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、それらの任意の組合わせ等を有してよい。適宜、プロセッサ206とアクセスシステム200の他のコンポーネントのうち1又は複数との通信を制御するために、チップセット(図示なし)が設けられてよい。また、プロセッサ206は、特定のデータ処理機能又はタスクを扱う1又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)又は特定用途用標準品(ASSP)の一部として、1又は複数のプロセッサを有してよい。
【0030】
メモリ204は、任意の数の適切なメモリデバイスを有してよく、例えば、キャッシュ、リードオンリーメモリデバイス、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、スタティックRAM(SRAM)、SDRAM(synchronous dynamic RAM)、DDR−SDRAM(double data rate SDRAM)、RAM−BUS DRAM(RDRAM)、フラッシュメモリデバイス、EEPROM(electrically erasable programmable read only memory)、不揮発性RAM(NVRAM)、USB(universal serial bus)リムーバブルメモリ、磁気的記憶デバイス、リムーバブル記憶デバイス(例えばメモリカード)、非リムーバブル記憶デバイス等を有してよい。適宜、メモリ204は、アクセスシステム200と通信する内部メモリデバイス及び/又は外部メモリデバイスを有してよい。メモリ204は、プロセッサ206により利用されるデータ、実行可能命令及び/又は様々なプログラムモジュールを格納してよい。メモリ204が格納可能なデータの例としては、データファイル214、プロセッサ206により実行可能な任意の数の適切なプログラムモジュール及び/又はアプリケーション(オペレーティングシステム(OS)212、1又は複数のアクセスモジュール218、1又は複数の検知モジュール216等)が挙げられる。
【0031】
例示的な実施形態によれば、アクセス制御部103はまた、ネットワークインターフェース210を有してよい。ネットワークインターフェースは、ユーザーデバイス220(携帯電話、ラップトップ、キーフォブ、RFID等)との通信に用いられてよい。例示的な実施形態によれば、ネットワークインターフェース210は、通信ネットワーク120を介してリモートサーバー240と無線で通信する際に利用されてよい。いくつかの実施形態では、任意の数の適切なネットワーク(Bluetooth(登録商標)対応ネットワーク、Wi−Fiネットワーク、セルラーネットワーク、無線ネットワーク等)を介して、任意の数のユーザーデバイス220(モバイルデバイス、タブレットコンピューター等)との通信が確立されてよい。いくつかの例示的な実施形態によれば、アクセス制御部103は、通信ネットワーク120を介して別の車両250と通信してよい。
【0032】
I/Oインターフェース208は、プロセッサ206と任意の数の適切な入力デバイス及び/又は出力デバイスとの通信を容易にすることができる。適切な入力デバイス及び/又は出力デバイスの例として、1又は複数の乗員の識別情報を判定するために車両102内の画像を撮影する車載カメラ232や、他のセンサー230が挙げられる。例えば、センサー230は、少なくとも部分的に重量に基づいて車両102の乗員を特定する重量測定デバイスを含んでよい。例示的な実施形態において、センサー230は、車両102の1又は複数の乗員からの音声応答等の可聴情報を受け取るマイクを含んでよい。I/Oインターフェース208は、速度、方向、走行距離等の車両パラメーター情報を受信してよい。センサー230の他の例としては、他のバイオメトリックリーダー、RFIDリーダー、バーコードリーダー、メモリスティックリーダー、全地球測位システム(GPS)センサー、Bluetooth(登録商標)リーダー、スマートキー、近距離無線通信(NFC)センサーが挙げられる。
【0033】
データファイル214は、アクセスシステム200の動作及び/又はアクセスシステム200の様々なコンポーネント間の通信を容易にする任意の適切なデータを含んでよい。例えば、データファイル214は、アクセスシステム200の他のコンポーネント及び/又は任意の数の外部デバイス若しくはシステムに関連する識別情報及び/又はネットワークアドレス情報、1又は複数のユーザーの特定に利用可能な情報(格納された画像データ、音声サンプル等)、車両位置情報、他の車両パラメーター、アクセス制御情報(ユーザープロファイル情報、ユーザーデバイス220等)に関連する情報を含んでよい。ユーザープロファイル情報は、1又は複数のユーザーに関連付けられる様々なユーザー識別情報及び/又はパラメーターを含んでよい。例えば、ユーザープロファイル情報は、ユーザー識別情報、ユーザーが車両102の操作を許可されている地理的領域、ユーザーが車両102の操作を許可されている時刻、ユーザーがアクセスを許可されている車両の機能(例えば、ラジオ等のエンターテイメントデバイス)、ユーザーが輸送を許可されている乗員数を含んでよい。
【0034】
OS212は、アクセス制御システムの一般動作と、他のプログラムモジュール(アクセスモジュール218、検知モジュール216等)の実行とを容易にする適切なモジュール又はアプリケーションであってよい。
【0035】
検知モジュール216は、1又は複数のプロセッサ206により利用可能であり、車両102内のセンサー230、車載カメラ232又は他のデータ収集デバイス230により取得される情報を解釈して、例えば、車両102の1又は複数の乗員の識別情報を判定する。例えば、ユーザーの音声サンプルを収集し、格納された音声サンプルと比較してよい。別の例として、ユーザーに関する画像データを収集し、1又は複数の適切な顔認識技術を用いて評価してよい。別の例として、他の生体認証入力情報(例えば指紋)を評価して、ユーザーを特定してよい。更に別の例として、ユーザーの特定は、車両とユーザーデバイス(例えばモバイルデバイス)又は個人用スマートキーとの決められたペアリングに基づいてよく、且つ/又は、ユーザーにより入力されるユーザー識別情報(例えば個人識別番号)の受信及び評価に基づいてよい。作動中、検知モジュール216は、適切な測位コンポーネント(GPSコンポーネント230等)から位置情報(GPS座標等)を受信するように構成されてよい。検知モジュール216は、車両のモニタリングに関連する任意の適切なアプリケーションを含んでよく、例えば、様々な車両パラメーター(速度、方向、走行距離等)をモニタリングするアプリケーションを含んでよい。
【0036】
アクセスモジュール218は、ユーザーの車両102の使用を制御する任意の数の適切なソフトウェアモジュール及び/又はアプリケーションを含んでよい。また、アクセスモジュール218は、出力情報を生成するように構成されてよく、例えば、車両が操作された場所、車両が操作された速度、乗員数、実施された車両整備、事故情報等の表示情報を生成するように構成されてよい。生成された出力情報は、ユーザーに提示するために、1又は複数の適切な表示部に伝送されてよい。
【0037】
適宜、アクセスモジュール218及び/又は検知モジュール216は、任意の数の適切なモジュールとして実装されてよい。或いは、当該モジュールに関して記載された機能の組合わせが、単一のモジュールにより実行されてよい。当該モジュールの動作について、いくつかの例を
図1及び
図3を参照して更に詳細に説明する。
【0038】
図2を参照して上述したアクセスシステム200又はアーキテクチャは、例示に過ぎない。自然言語入力情報の生成及び出力には、適宜、様々な他のシステム及び/又はアーキテクチャが利用されてよい。そのようなシステム及び/又はアーキテクチャには、
図1に示されるものとは異なるコンポーネント及び/又はコンポーネントの配置が含まれてよい。
【0039】
図3は、車両のアクセスを制御する例示的方300のフローチャートである。特定の実施形態において、方法300の工程は、アクセスシステム並びに/又は、
図2に示す検知モジュールやアクセスモジュール等の1又は複数の関連モジュール及び/若しくはアプリケーションによって実行されてよい。方法300は、ブロック305から開始されてよい。
【0040】
ブロック305において、アクセスシステム及び/又は1又は複数の関連アプリケーションが、車両に関連して起動されてよい。アクセスシステムの少なくとも1人のユーザー(車両の運転者等)が特定されてよい。ユーザーの特定には、様々な適切な方法及び/又は技術が利用されてよい。例えば、ユーザーの音声サンプルを収集し、保存された音声サンプルと比較してよい。別の例として、ユーザーに関する画像データを収集し、1又は複数の適切な顔認識技術を用いて評価してよい。別の例として、他の生体認証入力情報(例えば指紋)を評価して、ユーザーを特定しよい。更に別の例として、車両とユーザーデバイス(例えばモバイルデバイス)又は個人用スマートキーとの決定されたペアリングに基づいて、且つ/又は、ユーザーにより入力されるユーザー識別情報(例えば個人識別番号)の受信及び評価に基づいて、ユーザーを特定してよい。
【0041】
ブロック310において、車両内の乗員情報が取得される。乗員数及び乗員の識別情報の判定には、様々な適切な方法及び/又は技術が利用されてよい。他の乗員の特定では、ブロック305に関して示された方法が用いられてよい。乗員数を判定するために、カメラにより現在の画像データを収集し、その結果を不変の記録データ(standing rest data)と比較してよい。別の実施形態では、重量センサーにより、乗員が着席しているか否かを判定することができる。
【0042】
ブロック315において、少なくとも1人のユーザーに関連するアクセスレベルが判定される。各ユーザーは、当該ユーザーに関連する段階的アクセスレベルを有する。アクセスシステムは、各ユーザーのプロファイルを取得する。このプロファイルは、車載の制御部にアクセスすることによって取得されてよく、或いは、無線システムを介して取得されてよい。プロファイルには、各ユーザーに対する車両機能の各種制限についての情報が含まれる。また、プロファイル情報には、ビデオ情報、オーディオ情報、他の生体認証情報、スマートデバイス情報、関連アクセスコード等の、ユーザーの特定に利用可能な情報が含まれてよい。
【0043】
ブロック320において、システムは使用情報を取得する。車両の使用情報は、ユーザーにより入力されてよい。入力情報には、用足し、車両の燃料補給、車両整備、病院への輸送、駐車違反車両の移動等のタスクが含まれてよい。アクセスシステムは、車載ナビゲーションシステム、GPSシステム等の任意の測位システムから位置情報を取得してよい。位置情報は、例えば違法な駐車エリアから車両を移動する必要があるか否かを判定する際に、利用されてよい。更に、車両が州外にある等の地理情報に基づいて、車両アクセスが制限されてもよい。アクセスシステムは、時間を取得してもよい。多くのユーザーに対し、時間に基づく制限が設けられてよい。また、アクセスは、更なるアクセス権の獲得に関連する、ユーザーのクレジットを取得してよい。その他の入力情報が取得されてよい。
【0044】
ブロック325において、特定されたユーザー及び使用情報(入力された場合)に少なくとも部分的に基づいて、システムは車両へのアクセスを許可又は拒否する。また、アクセスシステムは、アクセスを許可又は拒否し、主ユーザーに通知してよい。或いは、アクセスシステムは、主ユーザーに使用情報の認証を要求してよい。システムは、プログラム化された制限(時刻、当該ユーザーに対して使用が承認されない、当該ユーザーに車両の使用に十分なクレジットがない等)に基づいて、アクセスを拒否してよい。アクセスシステムが車両へのアクセスを許可するためには、運転者の特定は必須ではない。例えば、アクセスシステムが子どもを認識した場合、その子どもがその子どもに関連する場所(病院等)に車で送られるように、システムはその子どもに対して車両へのアクセスを許可してよい。
【0045】
ブロック330において、アクセスシステムは、ユーザープロファイルに部分的に基づいて、車両の機能を限定してよい。例えば、ラジオ又は娯楽システムが許可されない場合、システムはこれらの機能を無効化する。システムは、調速機により、車両が走行可能な最高速度を制限してよい。また、特定の実施形態において、所望の経路(特定された目的地までの経路等)での運転が要求されてよい。ユーザーが許可されていない領域で運転しようとした場合、システムは運転者に対して通知を行ってよい。通知が無視された場合、システムは様々なアクションをとってよい。例えば、システムは最高速度を非常に低速まで大きく制限し、主オーナーにユーザーの行動を通知してよい。
【0046】
ブロック335において、システムは車両パラメーターデータの記録を開始する。例えばシステムは、位置、速度、ユーザー、用途、実施された整備、事故が発生したか否か、停止からの加速の速さ、停止への減速の速さ等のデータを記録してよい。
【0047】
ブロック340において、用足しや車両整備が完了した場合、アクセスシステムはユーザーに、今後の車両利用に向けてクレジットを付与してよい。例えば、10代の運転者の機能のひとつとして、兄弟姉妹を送り迎えするためのクレジットが、オーナーにより付与されてよい。クレジットは、政府車検の取得、燃料補給等、主ユーザーにより決定される任意のタスクに対して付与されてよい。
【0048】
ブロック345において、システムは、使用情報を主ユーザー又は他のユーザーに報告してよい。レポートは、使用中に生成されてよく、使用後に生成されてもよい。例えば、車両に関連する位置情報が記録されてよい。適宜、様々な他の車両情報が記録されてよく、例えば、速度、走行距離等の適切なパラメーターが記録されてよい。
【0049】
方法300は、ブロック340の後に終了し、次のアクセスリクエストを待機してよい。
【0050】
図3の方法300に示される工程は、本発明の様々な実施形態において、適宜任意の適切な順序で実行されてよい。また、いくつかの実施形態では、当該工程の少なくとも一部が並行して実行されてよい。更に、いくつかの実施形態では、実行される工程の数は
図3に示すより少なくても多くてもよい。
【0051】
以上、例示的な実施形態に係るシステム、方法、装置及び/又はコンピュータープログラムのブロック図及びフローチャートを参照して、本開示のいくつかの態様を説明した。当然ながら、ブロック図及びフローチャートの1又は複数のブロック、ブロック図及びフローチャートのブロックの組合わせは、それぞれコンピューター実行可能なプログラム命令により実施することができる。同様に、一部の実施形態によれば、ブロック図及びフローチャートの一部のブロックは、必ずしも提示された順序で実行されなくてよく、或いは、全く実行されなくてもよい。
【0052】
そのようなコンピューター実行可能なプログラム命令は、特定用途のコンピューター等の特定のマシン、プロセッサ、又は、特定のマシンを生じる他のプログラマブルデータ処理装置にロードされてよく、結果として、コンピューター、プロセッサ又は他のプログラマブルデータ処理装置上で実行される命令により、フローチャートの1又は複数のブロックで特定された1又は複数の機能を実施する手段が創出されてよい。また、そのようなコンピュータープログラム命令は、コンピューター又は他のプログラマブルデータ処理装置に特定の方式で機能するように指示することができるコンピューター可読メモリに格納されてもよく、結果として、コンピューター可読メモリに格納された命令により、フローチャートの1又は複数のブロックで特定された1又は複数の機能を実施する命令手段を有する製品が創出されてよい。例として、いくつかの実施形態は、コンピューター可読のプログラムコード又はプログラム命令を有するコンピューター利用可能媒体であって当該コード又は命令を実施する媒体を備えるコンピュータープログラムであって、コンピューター可読プログラムコードは実行されるとフローチャートの1又は複数のブロックで特定された1又は複数の機能を実施するように構成される、コンピュータープログラムを提供してよい。また、コンピュータープログラム命令は、コンピューター又は他のプログラマブルデータ処理装置にロードされて、一連の工程の要素又はステップを当該コンピューター又は他のプログラマブル装置上で実行させて、コンピューター実施プロセスを創出してよく、結果として、当該コンピューター又は他のプログラマブル装置上で実行される命令により、フローチャートの1又は複数のブロックで特定された機能を実施する要素又はステップが提供されてよい。
【0053】
それに応じて、ブロック図及びフローチャートのブロックは、特定の機能を実行する手段の組合わせと、特定の機能を実行する要素又はステップの組合わせと、特定の機能を実行するプログラム命令手段とをサポートする。当然ながら、ブロック図及びフローチャートの各ブロックと、ブロック図及びフローチャートのブロックの組合わせとは、特定の機能、要素若しくはステップ、又は特定用途のハードウェアとコンピューター命令との組合わせを実行する、特定用途のハードウェアベースコンピューターシステムにより実施することができる。
【0054】
条件語句(特に「〜できる」「〜してよい」等)は、別段の言及がない限り、或いは使用された文脈において別の意味に理解されることがない限り、一般に、特定の実施形態が(他の実施形態が含まない一方で)特定の特徴、要素及び/又は工程を含み得ることを表すものである。よって、そのような条件語句は、一般に、特徴、要素及び/又は工程が1又は複数の実施形態において何らかの形で必須であることを意味するものではない。また、1又は複数の実施形態が、ユーザーの入力又は指示の有無に関わらず、そのような特徴、要素及び/又は工程が任意の特定の実施形態に含まれるか否か、或いは当該実施形態で実行されるか否かを決定する論理を、必ず含むことを意味するものでもない。
【0055】
本明細書に記載の本開示の多くの変更及び他の実施形態が、上記説明で提示された教示及び関連する図面の利益を有することは明らかであろう。したがって、当然ながら、本開示は開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、また、添付の特許請求の範囲には、変更及び他の実施形態が包含されるものとする。本明細書では具体的な用語が用いられたが、包括的かつ説明的な意味で用いられたに過ぎず、限定を目的としていない。