特許第6074051号(P6074051)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6074051血管内神経変調システム及び医療用デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6074051
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】血管内神経変調システム及び医療用デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/16 20060101AFI20170123BHJP
【FI】
   A61B18/16
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-536900(P2015-536900)
(86)(22)【出願日】2013年10月10日
(65)【公表番号】特表2015-531304(P2015-531304A)
(43)【公表日】2015年11月2日
(86)【国際出願番号】US2013064370
(87)【国際公開番号】WO2014059165
(87)【国際公開日】20140417
【審査請求日】2015年4月23日
(31)【優先権主張番号】61/712,138
(32)【優先日】2012年10月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ズーターマイスター、デレク シー.
(72)【発明者】
【氏名】マンシンガー、ジョエル アール.
(72)【発明者】
【氏名】オストルート、ティモシー エイ.
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン、ジェームズ エム.
【審査官】 中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0051777(US,A1)
【文献】 特表2008−515544(JP,A)
【文献】 特開2009−034513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管内神経変調システムであって、
基端領域及び先端領域を有する長尺状シャフトと、
長尺状シャフトの先端領域に隣接して位置付けられた複数のアブレーション電極と、
少なくとも2個の接地パッドと、
複数のアブレーション電極に電気的に結合され、かつ、複数のアブレーション電極に電圧を供給するように構成されている制御ユニットと、
少なくとも2個の接地パッドに電気的に結合されたプロセッサと、
を含んでなり、
複数のアブレーション電極の各々と少なくとも2個の接地パッドの各々との間に個別の回路が形成され、
プロセッサは、個別の回路のインピーダンスをモニタリングするように構成されており、
プロセッサは、個別の回路が略同じインピーダンスを有するように、個別の回路の抵抗を変調するように構成されている、
血管内神経変調システム。
【請求項2】
少なくとも2個の接地パッドは第1の接地パッド及び第2の接地パッドを含み、第1の接地パッドは所望の治療場所の第1の側に隣接して位置付けられ、第2の接地パッドは所望の治療場所の第2の側に隣接して位置付けられる、請求項1に記載の血管内神経変調システム。
【請求項3】
所望の治療場所の第3の側に隣接して位置付けられる第3の接地パッドをさらに含んでなる、請求項に記載の血管内神経変調システム。
【請求項4】
医療用デバイスであって、
先端領域を有するカテーテルシャフトと、
カテーテルシャフトの先端領域に隣接して位置付けられた複数のアブレーション電極と、
患者の外側表面に沿って配置されるように設計された少なくとも2個の接地パッドと、
複数のアブレーション電極に電気的に結合された制御ユニットと、
少なくとも2個の接地パッドに電気的に結合されたプロセッサと、
を備え、
複数のアブレーション電極の各々と少なくとも2個の接地パッドの各々との間に個別の回路が形成されており、
プロセッサは個別の回路のインピーダンスをモニタリングするように構成されており、
少なくとも2個の接地パッドのうち少なくともいくつかは、個別の回路がプロセッサによってモニタリングされたときに異なるインピーダンスを有しており、
プロセッサは、個別の回路が略同じインピーダンスを有するように、個別の回路の抵抗を変調する、
医療用デバイス。
【請求項5】
制御ユニットは複数のアブレーション電極に電圧を印加する、請求項に記載の医療用デバイス。
【請求項6】
少なくとも2個の接地パッドは第1の接地パッド及び第2の接地パッドを含み、第1の接地パッドは所望の治療場所の第1の側に隣接して位置付けられ、第2の接地パッドは所望の治療場所の第2の側に隣接して位置付けられる、請求項4又は5に記載の医療用デバイス。
【請求項7】
所望の治療場所の第3の側に隣接して位置付けられる第3の接地パッドをさらに含んでなる、請求項に記載の医療用デバイス。
【請求項8】
医療用デバイスは腎動脈の周囲に位置する腎神経を変調するように構成されている、請求項のいずれか1項に記載の医療用デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療用デバイス並びに医療用デバイスを作製及び使用するための方法に関する。より具体的には、本開示は腎神経の変調を実施するための医療用デバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
ある種の治療は、選択した神経機能の一時的又は恒久的な中断又は改変を必要とする。一例の治療は腎神経のアブレーションであり、これは時にうっ血性心不全又は高血圧に関係する状態を治療するために使用される。腎臓は、うっ血性心不全に対して交感神経性の応答を生じ、これは数ある効果の中でも特に、水及びナトリウムのうち少なくともいずれかの望ましからぬ貯留を増大させる。腎臓へと走行する神経のうちの一部をアブレーションすることにより、この交感神経性の機能を低減又は排除することが可能であり、このことは付随する望ましからぬ症状の相応の低減をもたらす可能性がある。
【0003】
腎神経を含む多くの神経は、血管壁に沿って又は血管にごく近接して走行しており、よって血管を介してアクセスすることが可能である。いくつかの実例では、高周波エネルギーを使用して血管周囲の腎神経をアブレーションすることが望ましい場合がある。あらゆる回路において、回路の完成は最も抵抗の小さい経路を使用して行われる。身体に関わる高周波アブレーション回路では、最も抵抗の小さい経路は筋肉を通ることが多い。筋肉は結合組織よりもインピーダンスが低いため、結合組織、脂肪組織、及び筋肉組織がすべて存在している場合は、一貫性のない損傷を生成する傾向がより大きくなりうる。このような場合、生成される損傷は、組織の存在及び種類によって、より浅いもの又はより深いものとなりうる。さらに、腸又は腰筋の筋肉の熱傷が起きる場合もある。意図せぬ損傷を低減し、かつ、変動しうる生体構造内での損傷の一貫性を改善するための、代替のシステム及び方法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記した問題を解決することができる医療用デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
本開示は、医療用デバイスの構造体及び組立体のための、いくつかの代替の設計物、材料及び使用法選択肢に関する。一例の使用法には、血管内での腎神経変調を実施する方法が含まれる。該方法は、基端領域及び先端領域を有する長尺状シャフトと、該長尺状シャフトの先端領域に隣接して位置付けされた1以上のアブレーション電極と、を備えた神経変調システムを提供することを含む。該システムは、2以上の接地パッド、1以上のアブレーション電極に電気的に結合された制御ユニット、及び2以上の接地パッドに電気的に結合されたプロセッサをさらに備える。該変調システムは、管腔を通して前進せしめられて、先端領域が標的領域に隣接するようになされる。その後、1以上のアブレーション電極に電圧が印加されるが、エネルギーは1以上のアブレーション電極と2以上の接地パッドとの間を流れて個別の回路を形成する。接地パッドとアブレーション電極との間で形成される回路のうち少なくとも1つの抵抗を調整する。
【0006】
一例の医療用デバイスには血管内神経変調システムが含まれる。該神経変調システムは、基端領域及び先端領域を有する長尺状シャフトと、長尺状シャフトの先端領域に隣接して位置付けされたアブレーション電極と、を備える。該システムは、少なくとも2つの接地パッド、1以上のアブレーション電極に電気的に結合された制御ユニット、及び2以上の接地パッドに電気的に結合されたプロセッサをさらに備える。
【0007】
いくつかの実例の実施形態についての上記の概要は、開示された各実施形態又は本発明のあらゆる実装について説明するようには意図されていない。図面、及び以降の詳細な説明は、これらの実施形態をより具体的に例示している。
【0008】
本発明は、様々な実施形態についての以降の詳細な説明を添付の図面と関連付けて考慮すれば、より完全に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】in situにおける腎神経変調システムを例証する概略図。
図2】in situにおける腎神経変調システムを例証する別の概略図。
図3】in situにおける腎神経変調システムを例証する別の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明には様々な改変形態及び代替形態が可能であるが、その具体像は図中の実施例で示されており、詳細に説明される。しかし当然のことながら、意図されるのは本発明の態様を説明された特定の実施形態に限定することではない。それどころか、意図されているのは、本発明の趣旨及び範囲の内にある全ての改変形態、等価物、及び代替形態を対象とすることである。
【0011】
詳細な説明
以降の定義された用語については、異なる定義が特許請求の範囲又は本明細書中の他所に示されないかぎり、これらの定義が適用されるものとする。
【0012】
全ての数値は、本明細書中では、明示的に表示されるか否かにかかわらず用語「約」で修飾されるものと見なされる。用語「約」は一般に、当業者がその挙げられた値と等価である(すなわち、同じ機能又は結果を有している)と考えるであろう範囲の数を指す。多くの実例では、用語「約」は、四捨五入されて最も近い有効数字となる数を含むものとしての表示となりうる。
【0013】
端点による数値範囲の記述は、その範囲内の全ての数を含む(例えば、1〜5は1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)。
様々な構成要素、特徴及び仕様のうち少なくともいずれかに関するいくつかの適切な寸法、範囲及び値のうち少なくともいずれかが開示されるが、本開示により触発された当業者は、所望の寸法、範囲及び値のうち少なくともいずれかが明示的に開示されたものから逸脱する場合があることを理解するであろう。
【0014】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形態である「1つの(a,an)」及び「その(the)」は、内容がそうでないことを明白に定めていないかぎり、複数の指示物を含んでいる。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるように、用語「又は、若しくは(or)」は一般に、内容がそうでないことを明白に定めていないかぎり、「〜及び・・・のうち少なくともいずれか(and/or)」を含む意味で使用される。
【0015】
本開示の目的上、「基端(側)」とは使用時のデバイス操作者により近い端部を指し、かつ、「先端(側)」とは使用時のデバイス操作者からより遠い端部を指している。
以降の詳細な説明は図面を参照して読まれるべきであり、該図面において、異なる図面中の類似の要素には同じ番号が付されている。詳細な説明及び図面(必ずしも一定の縮尺ではない)は例証となる実施形態を示しており、本発明の範囲を限定するようには意図されていない。図示された例証の実施形態は、単なる実例として意図される。任意の例証の実施形態の選択された特徴は、そうでないことが明白に述べられないかぎり、追加の実施形態に組み込まれることができる。
【0016】
ある種の治療は、選択した神経機能の一時的又は恒久的な中断又は改変を必要とする。一例の治療は腎神経のアブレーションであり、これは時にうっ血性心不全又は高血圧に関係する状態を治療するために使用される。腎臓は、うっ血性心不全に対して交感神経性の応答を生じ、これは数ある効果の中でも特に、水及びナトリウムのうち少なくともいずれかの望ましからぬ貯留を増大させる。腎臓へと走行する神経のうちの一部をアブレーションすることにより、この交感神経性の機能を低減又は排除することが可能であり、このことは付随する望ましからぬ症状の相応の低減をもたらす可能性がある。
【0017】
本明細書中に記載されるデバイス及び方法を腎神経の変調に関して議論しているが、該デバイス及び方法は、他の治療場所及び適用のうち少なくともいずれかであって、神経変調及び他の組織変調のうち少なくともいずれか、例えば加熱、活性化、遮断、妨害、又はアブレーションが望まれる治療場所及び適用、例えば、限定するものではないが、血管、尿管(urinary vessel)、又はトロカール及びカニューレでのアクセスによる他の組織内において、使用することができる。例えば、本明細書中に記載されたデバイス及び方法は、増殖性組織アブレーション、腫瘍アブレーション、良性前立腺過形成治療法、神経の励起又は遮断若しくはアブレーション、筋肉活動の変調、温熱療法又はその他の組織の加温などに適用可能である。いくつかの実例では、高周波電極を使用して血管周囲の腎神経をアブレーションすることが望ましい場合がある。
【0018】
本明細書中に記載されるデバイス及び方法を血管壁を介した腎神経の変調に関して議論しているが、該デバイス及び方法は、神経の変調及びアブレーションのうち少なくともいずれかが望まれる他の適用において使用されてもよい。変調という用語は、患部神経の機能を変更しうるアブレーション及び他の技法を指している。
【0019】
あらゆる回路において、回路の完成は最も抵抗の小さい経路を使用して行われる。身体に関わる高周波アブレーション回路では、最も抵抗の小さい経路は筋肉を通ることが多い。筋肉は結合組織よりもインピーダンスが低いため、結合組織、脂肪組織、及び筋肉組織がすべて存在している場合は、一貫性のない損傷を生成する傾向がより大きくなる。このような場合、生成される損傷は組織の存在及び種類によって、より浅いもの又はより深いものとなる。さらに、腸又は腰筋の筋肉の熱傷が起きる場合もある。
【0020】
図1は、in situにおける例証となる腎神経変調システム10の概略図である。システム10は、中心の長尺状シャフト14の周り及び内側のうち少なくともいずれか、並びに任意選択でシース16の内側に配置された神経変調要素に動力を提供するための、要素12を備える。要素12の基端は制御及び動力の要素18に接続されて、該要素18は、要素12の先端又はその付近の1以上の変調要素又は電極を活性化するために必要な電気エネルギーを供給する。適切に活性化されたとき、該電極は組織をアブレーションすることが可能である。電極という用語は、隣接した組織をアブレーションすることが可能な要素と等価であると考えることができる。いくつかの実例において、1以上のリターン電極パッチ22a、22b、22c、22d(まとめて22a〜d)は、回路を完成するために脚部又は患者の身体上の別の従来どおりの場所に供給される。制御及び動力の要素18は、パラメータ、例えば動力、温度、電圧、パルスの大きさ及び形状のうち少なくともいずれか、並びに他の適切なパラメータを監視するためのモニタリング要素のほかに、所望の処置を実施するための適切な制御部を備える。いくつかの実例では、動力要素18は、高周波(RF)アブレーション電極及び1以上の感知電極のうち少なくともいずれかを制御する。2以上の動力要素18を設けてもよい。アブレーション電極は、およそ460kHzの周波数で作動するように構成される。RF範囲にある任意の所望の周波数、例えば100〜500kHzが使用される。しかしながら、RFスペクトル外の様々な種類のエネルギーが所望のとおりに使用されてもよく、例えば、限定するものではないが、アブレーションを実施するために超音波、マイクロ波、及びレーザーを使用してもよい。アブレーション電極という用語を本明細書中で使用するが、変調要素及び変調周波数は、アブレーションを実施するために使用されるエネルギーによって選択される。例えば、超音波エネルギーを使用する場合、変調要素及び変調周波数がMHz範囲となるように、超音波変換器が選択される。
【0021】
長尺状シャフト14は、基端24から、体腔内を所望の治療領域へと前進するように構成された先端に向かって先端方向へ延在する。長尺状シャフト14の基端24は、他の治療器具の接続又は他の治療を容易にするためのポートを提供するために、該シャフトに取り付けられたハブ(明確には示されていない)を備える。長尺状シャフト14の剛性は、様々な血管径及び血管樹内の様々な場所で使用される変調システム10を形成するために改変される。この目的のため、長尺状シャフト14の製造に使用される材料には、任意の適切な生体適合材料、例えば、限定するものではないが、組み合わせ又は単独のいずれかの、ポリマー、金属、合金が挙げられる。使用される材料は、様々な管腔径で使用されるための十分な剛性、並びに、蛇行性及び狭窄性のうち少なくともいずれかの管腔を通して操作するための十分な可撓性を有して、望ましからぬあらゆる組織傷害を回避することができる。
【0022】
長尺状シャフト14は、該シャフトを通って延びる1以上のルーメンをさらに備える。例えば、長尺状シャフト14は、ガイドワイヤルーメン及び1以上の補助ルーメンのうち少なくともいずれかを含む。ルーメンは当分野で既知の任意の方法で構成される。例えば、ガイドワイヤルーメンは、オーバー・ザ・ワイヤカテーテルにおけるように長尺状シャフト14の全長に延在してもよいし、シングル・オペレータ・エクスチェンジ(SOE)カテーテルにおけるように長尺状シャフト14の先端部分のみに沿って延在してもよい。これらの実施例は、限定を意図するものではなく、いくつかの可能な構成の例である。明確には示されていないが、変調システム10は、脈管構造内におけるシステム10の使用及び前進を容易にするために、温度センサ/ワイヤ、輸液ルーメン、放射線不透過性マーカーバンド、固定ガイドワイヤチップ、ガイドワイヤルーメン、外部シース、及び他の構成要素のうち少なくともいずれかをさらに備える。
【0023】
明確には示されていないが、変調システム10は、長尺状シャフト14の外側表面に先端領域に隣接して配置された1以上のアブレーション電極を備える。しかしながら、アブレーション電極は長尺状シャフト14に沿って所望の任意の長手方向の位置に設けられてよい。いくつかの実施形態では、変調システム10は、1以上の電極を正しい方向に置くのを支援するために長尺状シャフト14の先端に隣接して位置付けされた、膨張式バルーン又は拡張式バスケットのような1以上の位置決め要素を備えることも可能である。いくつかの実例では、アブレーション電極は1以上の位置決め要素の表面上に位置付けされてもよい。アブレーション電極は、膨張式バルーンの外側表面又は拡張式バスケットのフレーム枠上に位置付けされてもよい。他の実例では、アブレーション電極は、膨張式バルーンの内側、例えば該バルーンを通って延びる長尺状シャフト上、又は内側表面上に、位置付けされてもよい。
【0024】
変調システム10は、所望される任意の数のアブレーション電極、例えば、限定するものではないが、1、2、3、4個又はそれ以上を備えることも可能である。複数のアブレーション電極が提供される場合、アブレーション電極は長手方向、径方向、及び周方向のうち少なくともいずれかに、所望のとおりに間隔をおいて配置される。いくつかの実例では、アブレーション電極は、長尺状シャフト14の外周上に延在する円周電極であってもよい。円周電極は、円周状のアブレーションを可能にすると同時に、電極及び長尺状シャフト14のうち少なくともいずれかの周方向の再位置付けの必要性を低減及び/又は排除することができる。いくつかの実施形態では、アブレーション電極は、長尺状シャフト14の外周全体には延在しない場合もある。360°のアブレーションを実施するための長尺状シャフト14の周方向の再位置付けの必要性を低減及び/又は排除するために、複数のアブレーション電極が長尺状シャフト14の外周上で周方向に位置付けされる。
【0025】
アブレーション電極は、図1に示される要素12のような絶縁導線によって制御ユニット18に接続される。変調システム10が治療領域まで前進すると、アブレーション電極にエネルギーが供給される。アブレーション電極に送達されるエネルギーの量は、所望される治療及びシステム10から得られるフィードバックによって決定される。アブレーションの動力レベル及び持続時間は、組織のインピーダンスに基づいて適宜調整される。例えば、エネルギーがより大きければ、より大きく、より深い損傷がもたらされる。電圧がアブレーション電極に印加されるとともに、電流は、治療領域に近接した組織並びに治療領域と皮膚との間のさらなる体組織を通って、皮膚接触した接地パッド22a〜dへと通過する。接地パッド22a〜dは、身体の片側(後部又は前部のうち一方)に位置付けられて示されているが、所望通りに身体の一方の側又は両側に位置付けられる。システム10は4個の接地パッド22a〜dを備えているように示されているが、所望通りに4個未満又は4個を超える接地パッドがあってもよい。いくつかの実例では、システム10は8個以上の接地パッドを備える。例えば、いくつかの実施形態では、システム10は、身体の後部側に位置付けられた4個の接地パッドと、身体の前部側に位置付けられた4個の接地パッドと、を備える。接地パッドは、所望の治療領域に関して均等に分布する。いくつかの実例では、2個の接地パッドが前部側の胴体上部に設けられ、かつ、2個の接地パッドが前部側の胴体下部に設けられる場合もある。同様に、2個の接地パッドが後部側の胴体上部に設けられ、2個の接地パッドが後部側の胴体下部に設けられてもよい。しかしながら、この配置構成は単なる例示である。任意の数の接地パッドが所望の治療のために任意の適切な方式で配置構成される。
【0026】
身体組織は、筋血管壁に加えて外膜及び結合組織、神経、脂肪、体液などを含む。パッド22a、22b、22c、22dはそれぞれ、電気回路を完成するための所与のインピーダンスを有し、各パッドのインピーダンスは、治療領域と接地(パッド)位置との間に存在する組織の種類によって異なる。接地パッド22a、22b、22c、22dはそれぞれ、別個の導電体26a、26b、26c、26dによってプロセッサ又はプロセシングユニット20の個別チャネルに接続される。いくつかの実例では、プロセッサ20は、接地チャネルアウト(grounding channel out)28を介して、動力部18に電気的に接続されるか又は連通する。パッド22a、22b、22c、22dはそれぞれ、プロセッサ20のチャネルにおいて別個の接地に別々に接続されるため、電気接続26a、26b、26c、26dの抵抗は個別に調整される。例えば、各チャネルが各回路を個別に調整するための異なる可変抵抗器を備える。プロセッサ20と接地パッド22a〜dとの間の電気接続が個別に調整されるように、プロセッサ20は所望される任意の数のチャネルを備える。
【0027】
上述の通り、接地パッド22a、22b、22c、22dはそれぞれ、回路(例えば身体内側に配置されたアブレーション電極と身体の外側表面に設置された接地パッドとの間の経路)を完成するために、一定のインピーダンスを有する。電流は、抵抗が最小である経路を流れることから、回路を完成するために、アブレーション電極と最小量のインピーダンスを有する接地パッドとの間を優先的に流れることになる。そのため、一貫性のない、又は、意図されない損傷が生ずることがある。これは、治療場所の間の、また患者間の、損傷の大きさ及び深さの変動をもたらす。接続されると、プロセッサ20がすべての回路のインピーダンスを同一レベルに増大させることで、電流がアブレーション電極と接地パッド22a〜dとの間で均等に分布するようになる。例証の、ただし限定的ではない実施例が、以下の表1に挙げられている。各接地パッドについて与えられたインピーダンスは、単なる例示にすぎず、いかなるかたちに限定するようにも、治療領域とパッドの例証された配置状態との間の実際のインピーダンスを示すようにも意図されていない。
【0028】
【表1】
「インピーダンス(初期)」のカラムの値は、その値が自然に生じるときのインピーダンス値であり、「インピーダンス(プロセシング後)」のカラムの値は、プロセッサ20が個別の回路のインピーダンスを調整した後のインピーダンス値である。表に示すように、プロセシング前では、各接地パッド22a、22b、22c、22dとアブレーション電極との間のインピーダンスは、それぞれの接地パッド22a、22b、22c、22dごとに異なっている。調整しない場合、インピーダンスの最も低い経路(例えばこの実施例では接地パッド22aとアブレーション電極との間)がパッド22aの方向に電流を引き込む可能性がある。しかしながら、プロセッサ20は、パッド22a、22c、22dの回路インピーダンスをパッド22bに等価となるように増大させるために使用される。プロセッサ20は、接地パッドとプロセッサ20との間の抵抗を変化させることにより回路にインピーダンスを電子的に加えて、電流がアブレーション電極と接地パッド22a〜dとの間で均等に分布するようにする。例えば、エネルギーはアブレーション電極から球状に移動してもよい。いくつかの実例では、プロセッサ20は、インピーダンスを回路に加えるためにいくつかの可変抵抗器を使用することも可能である。回路インピーダンスが、接地パッド22a、22b、22c又は接地パッド22dの再位置付けによってさらに操作される。いくつかの実例では、接地パッド22a〜dは、電流の流れる方向を制御するために患者の身体上に戦略的に設置される。電流の経路は、回路のインピーダンス、接地パッド22a〜dの場所、又は接地パッド22a〜dのインピーダンス及び場所の組み合わせに基づいて操作可能であるため、損傷の大きさ及び形状はより容易に制御されて、その結果意図せぬ損傷の低減及び/又は排除がもたらされる。
【0029】
いくつかの実施形態では、プロセッサ20は、動力を加える前及び/又はアブレーション処置の間に、回路のインピーダンスについて自動的に平衡化及び調整のうち少なくともいずれかを行うことができる。いくつかの実例では、インピーダンスは、動力がアブレーション電極に加わってしまえば自動的に整うことはできないと考えられる。しかしながら、アブレーション電極と接地パッド22a〜dとの間のインピーダンスは、アブレーション処置の間にモニタリングされる。変調システム10は、アブレーション処置の変数、例えば、限定するものではないが動力及び温度について設定値の限度を備える。例えば、いくつかの実例では、動力部18によって供給される動力は予め決められた閾値以下であり、かつ/又は、動力部は標的領域の温度を予め決められた閾値温度までに維持するための制御アルゴリズムを備える。
【0030】
単一の動力源によって動力が供給される複数のアブレーション電極を利用する変調システム10は、それぞれのアブレーション電極又は活性電極のインピーダンスの変動を経験する。アブレーション電極のインピーダンスのそのような変動は、各電極からの損傷の大きさ及び深さのうち少なくともいずれかの変動をもたらす。各々が変調されたインピーダンスを備えた接地パッド22a〜dのような複数の接地場所を提供することによって、各アブレーション電極を通して電流/動力をより均等に引き込む。例えば、エネルギーはアブレーション電極から球状に移動する。電流経路の操作によって、損傷の大きさ及び深さの変動を低減して治療部位により一貫した損傷をもたらすことができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、複数の活性電極又はアブレーション電極が要素12の先端又は先端付近に提供される場合、システム10をバイポーラモードで作動してもよい。この実例では、治療場所に配置された2個(又はそれ以上)の電極は、一方の電極が接地電極として働くように位相が180°ずれていてもよい(例えば1個の陰極及び1個の陽極)。プロセッサ20は、上述と同様の方式で、動力を加える前に、回路のインピーダンスについて自動的に平衡化及び調整のうち少なくともいずれかを行うことができる。例えば、プロセッサ20は、接地電極として機能する活性電極とプロセッサ20との間の抵抗を変えることによって、必要に応じて回路に電子的にインピーダンスを加えて、電流がアブレーション電極と接地電極との間で均等に分布するようにできる。
【0032】
変調システム10は、当分野で既知の任意の方式で、脈管構造内を前進することができる。例えば、システム10は、先に設置されたガイドワイヤ上をシステム10が前進するのを可能にするために、ガイドワイヤルーメンを備える。いくつかの実施形態では、変調システム10は、シース16のようなガイドシース内を前進してもよいし、同シース内を部分的に前進してもよい。変調システム10のアブレーション電極が所望の治療域に隣接して設けられると、センタリングバスケットのような位置決め機構が、提供されている場合に展開配置される。
【0033】
変調システム10が治療領域まで前進すると、アブレーション電極にエネルギーが供給される。アブレーション電極に送達されるエネルギーの量は、所望の治療のほかにシステム10によって提供されるフィードバックによっても決定される。エネルギーが電極に供給されるとともに、プロセシングユニット20は、各接地パッド22a、22b、22c、22dによって形成される回路のインピーダンスを分析する。プロセシングユニット20は次に、1以上の回路にインピーダンスを加えて全ての回路が同じインピーダンスを有するようにする。所望の治療領域のアブレーションが進むにつれて、回路のインピーダンスは損傷の形成によって変化する。よって、プロセッサ20は、アブレーション処置の期間を通して、アブレーション電極と接地パッド22a、22b、22c、22dとの間で形成された回路それぞれの抵抗を連続的に調整するように構成される。いくつかの実例では、プロセッサ20は、あらかじめ規定された時間間隔で各々の回路の抵抗を調整するように構成される。
【0034】
いくつかの実例では、長尺状シャフト14を回転させて、追加のアブレーションを血管の周面上の複数の場所で実施することができる。いくつかの実例では、血管の周面にわたって稼働するように低速の自動「ロティサリー式」回転(rotation)が使用されてもよいし、全周面を同時にアブレーションするためにより速い高速回転(spinning)が使用されてもよい。高速回転は、マイクロモータを用いて、又は、駆動軸を高速回転することによって、行うことが可能である。長尺状シャフト14を所与の長手方向の位置で回転させる回数は、存在するアブレーション電極の数及び大きさによって決定される。特定の場所にアブレーションが施されると、長手方向の異なる場所でさらなるアブレーション処置を実施することが望ましい。長尺状シャフト14の長手方向における再位置付けがなされると、アブレーション電極に再度エネルギーが送達される。必要であれば、長手方向の各位置で血管の周面にわたってアブレーションを実施するために、長尺状シャフト14を回転させてもよい。このプロセスは、任意の数の所望の長手方向の位置において反復される。いくつかの実施形態では、システム10は、変調システム10の長さに沿って様々な位置にアブレーション電極を備えることで、長尺状シャフト14を長手方向に移動することなくより広い領域を治療することができる。
【0035】
図2は、in situにおける別の例証の腎神経変調システム100の概略図である。システム100は、形態及び機能において本明細書中で議論される他の変調システムと類似している。システム100は、中央の長尺状シャフト114の周り及び内側のうち少なくともいずれか、並びに任意選択でシース116の内側に配置された神経変調要素に、動力を提供するための要素112を備える。要素112の基端は、要素112の先端又はその付近で1以上の変調要素又は電極を活性化するために必要な電気エネルギーを供給する、制御及び動力の要素118に接続される。適切に活性化されたとき、電極は組織をアブレーションする。いくつかの実例では、1以上のリターン電極パッチ122a、122b(まとめて122a〜b)が、回路を完成するために患者の身体上に供給される。いくつかの実例では、第1のリターン電極122aは患者の身体の後部側102aに供給されて、第2のリターン電極122bは患者の身体の前部側102bに供給されてもよい。
【0036】
制御及び動力の要素118は、パラメータであって例えば動力、温度、電圧、パルスの大きさ及び形状のうち少なくともいずれか、並びにその他の適切なパラメータ、加えて所望の処置を実施するための適切な制御をモニタリングするために、モニタリング要素を備える。いくつかの実例では、動力要素118は、高周波(RF)アブレーション電極及び1以上の感知電極のうち少なくともいずれかを制御する。2以上の動力要素118が提供される。アブレーション電極はおよそ460kHzの周波数で作動するように構成される。RF範囲にある任意の所望の周波数、例えば100〜500kHzが使用される。しかしながら、RFスペクトルの外側の異なる種類のエネルギー、例えば、限定するものではないが超音波、マイクロ波、及びレーザーが、アブレーションを実施するために所望通りに使用される場合もある。アブレーション電極という用語が本明細書中で使用されているが、変調要素及び変調周波数はアブレーションを実施するために使用されるエネルギーによって選択される。例えば、超音波エネルギーが使用される場合、変調要素として超音波変換器が選択可能であり、かつ、変調周波数はMHz範囲となる。
【0037】
長尺状シャフト114は、基端124から、所望の治療領域まで体腔内を前進するように構成された先端に向かって先端方向へ延在する。長尺状シャフト114の基端124は、他の治療器具の接続又は他の治療を容易にするためのポートを提供するために、該シャフトに取り付けられたハブ(明確には示されていない)を備える。長尺状シャフト114の剛性は、様々な血管径及び血管樹内の様々な場所で使用される変調システム100を形成するために改変される。長尺状シャフト114は、該シャフトを通って延びる1以上のルーメンをさらに備える。例えば、長尺状シャフト114は、ガイドワイヤルーメン及び1以上の補助ルーメンのうち少なくともいずれかを備える。ルーメンは当分野で既知の任意の方法で構成される。明確には示されていないが、変調システム100は、脈管構造内におけるシステム100の使用及び前進を容易にするために、温度センサ/ワイヤ、輸液ルーメン、放射線不透過性マーカーバンド、固定ガイドワイヤチップ、ガイドワイヤルーメン、外部シース、及び他の構成要素のうち少なくともいずれかをさらに備える。
【0038】
明確には示されていないが、変調システム100は、先端領域に隣接して長尺状シャフト114の外側表面に配置された1以上のアブレーション電極を備える。しかしながら、アブレーション電極は、長尺状シャフト114に沿って所望の任意の長手方向の位置に設けられてよい。いくつかの実施形態では、変調システム100は、1以上の電極を正しい方向に置くのを支援するために、長尺状シャフト114の先端に隣接して位置付けられた、膨張式バルーン又は拡張式バスケットのような1以上の位置決め要素をさらに備える。いくつかの実例では、アブレーション電極は1以上の位置決め要素の表面上に位置付けられる。アブレーション電極が、膨張式バルーンの外側表面又は拡張式バスケットのフレーム枠上に位置付けされる。他の実例では、アブレーション電極は、膨張式バルーンの内側、例えば該バルーンを通って延びる長尺状シャフト上、又は内側表面上に、位置付けられる。
【0039】
変調システム100は、所望の任意の数のアブレーション電極、例えば、限定するものではないが、1、2、3、4個又はそれ以上を備えてもよい。複数のアブレーション電極が提供される場合、アブレーション電極は長手方向、径方向、及び周方向のうち少なくともいずれかに、所望のとおりに間隔をおいて配置される。いくつかの実例では、アブレーション電極は、長尺状シャフト114の外周上に延在する円周電極であってもよい。円周電極は、円周状のアブレーションを可能にすると同時に、電極及び長尺状シャフト114のうち少なくともいずれかの周方向の再位置付けの必要性を低減及び/又は排除することができる。いくつかの実施形態では、アブレーション電極は、長尺状シャフト114の外周全体には延在しない場合もある。360°のアブレーションを実施するための長尺状シャフト114の周方向の再位置付けの必要性を低減及び/又は排除するために、複数のアブレーション電極が長尺状シャフト114の外周上で周方向に位置付けされる。
【0040】
アブレーション電極は、図2に示される要素112のような絶縁導線によって制御ユニット118に接続される。変調システム100が治療領域に向かって進むと、アブレーション電極にエネルギーが供給される。アブレーション電極に送達されるエネルギーの量は、所望される治療及びシステム100から得られるフィードバックによって決定される。アブレーションの動力レベル及び持続時間は、組織のインピーダンスに基づいて適宜調整される。例えば、エネルギーがより大きければ、より大きく、より深い損傷がもたらされる。電圧がアブレーション電極に印加されるとともに、電流は、治療領域に近接した組織及び治療領域と皮膚との間のさらなる体組織を通って皮膚接触した接地パッド122a〜bへと通過する。
【0041】
接地パッド122a〜bは、身体の相対する側(例えば後部及び前部)に位置付けられているが、所望通りに身体の一方の側又は両側に位置付けることが可能である。システム100は2個の接地パッド122a〜bを備えているが、所望通りに2個未満又は2個を超える接地パッドがあってもよい。いくつかの実施形態では、システム100は、身体のそれぞれの側102a、102bに位置付けられた1、2、3、4個又はそれ以上の接地パッドを備える。いくつかの実例では、明確には示されていないが、接地パッド122a〜bは所望の治療領域に関して均等に分布する。しかしながら、任意の数の接地パッドが、所望の治療のために任意の適切な方式で配置構成されてもよい。
【0042】
身体組織は、筋血管壁に加えて外膜及び結合組織、神経、脂肪、体液などを含む。パッド122a、122bはそれぞれ電気回路を完成するための所与のインピーダンスを有し、各パッドのインピーダンスは治療領域と接地(パッド)場所との間に存在する組織の種類によって異なる。接地パッド122a、122bはそれぞれ、個別の回路を作り出すために別個の導電体126a、126bによって、プロセッサ又はプロセシングユニット120の個別のチャネルに接続される。いくつかの実例では、プロセッサ120は、接地チャネルアウト128を介して、動力部118に電気的に接続されるか又は他の方法で連通する。パッド122a、122bはそれぞれ、プロセッサ120のチャネルにおいて別個の接地に別々に接続されるため、電気接続126a、126bの抵抗は個別に調整される。例えば、各チャネルが各回路を個別に調整するための別個の可変抵抗器を備えてもよい。プロセッサ120が所望の任意の数のチャネルを備えて、プロセッサ120と接地パッド122a〜bとの間の電気接続が個別に調整されるようになっている。
【0043】
上述の通り、接地パッド122a、122bはそれぞれ、回路(例えば身体内側に配置されたアブレーション電極と身体の外側表面に設置された接地パッドとの間の経路)を完成するために一定のインピーダンスを有する。電流は抵抗が最小の経路を流れるため、電流は、回路を完成するために、アブレーション電極と最小量のインピーダンスを有する接地パッドとの間を優先的に流れることになる。そのため、一貫性のない、又は、意図されない損傷が生ずる。これは、治療場所の間の、また患者間の、損傷の大きさ及び深さの変動をもたらす。接続されると、プロセッサ120がすべての回路のインピーダンスを同一レベルに増大させて、電流がアブレーション電極と接地パッド122a〜bとの間で均等に分布するようになる。例えば、エネルギーはアブレーション電極から球状に移動してもよい。プロセッサ120は、接地パッド122a〜bとプロセッサ120との間の抵抗を変化させることによって、インピーダンスを回路に電子的に加えることができる。いくつかの実例では、プロセッサ120は、インピーダンスを回路に加えるためにいくつかの可変抵抗器を使用する。接地パッド122a、122bの再位置付けにより回路インピーダンスがさらに操作される。いくつかの実例では、接地パッド122a〜bは、電流の流れる方向を制御するために患者の身体上に戦略的に設置される。電流の経路は、回路のインピーダンス、接地パッド122a〜bの場所、又は接地パッド122a〜bのインピーダンス及び場所の組み合わせに基づいて操作可能であるため、損傷の大きさ及び形状はより容易に制御されて、その結果意図せぬ損傷の低減及び/又は排除がもたらされる。
【0044】
単一の動力源によって動力が供給される複数のアブレーション電極を利用する変調システム100は、それぞれのアブレーション電極又は活性電極のインピーダンスの変動を経験する。アブレーション電極のインピーダンスのそのような変動は、各電極からの損傷の大きさ及び深さのうち少なくともいずれかの変動をもたらす。各々が変調されたインピーダンスを備えた接地パッド122a〜bのような複数の接地場所を提供することによって、各アブレーション電極を通して電流/動力をより均等に引き込む。例えば、エネルギーはアブレーション電極から球状に移動する。電流経路の操作により、損傷の大きさ及び深さの変動を低減して治療部位により一貫した損傷をもたらすことができる。
【0045】
変調システム100は当分野で既知の任意の方式で脈管構造内を進むことができる。例えば、システム100は、先に設置されたガイドワイヤ上をシステム100が前進するのを可能にするために、ガイドワイヤルーメンを備える。いくつかの実施形態では、変調システム100は、シース116のようなガイドシース内を前進してもよいし、同シース内を部分的に前進してもよい。変調システム100のアブレーション電極が所望の治療域に隣接して設けられると、センタリングバスケットのような位置決め機構が、提供されている場合には展開配置される。
【0046】
変調システム100が治療領域まで前進すると、アブレーション電極にエネルギーが供給される。アブレーション電極に送達されるエネルギーの量は、所望の治療のほかにシステム100によって提供されるフィードバックによっても決定される。エネルギーが電極に供給されるとともに、プロセシングユニット120は各接地パッド122a、122bによって形成される回路のインピーダンスを分析することができる。プロセシングユニット120は次に、1以上の回路にインピーダンスを加えて全ての回路が同じインピーダンスを有するようにすることができる。所望の治療領域のアブレーションが進むにつれて、回路のインピーダンスは損傷の形成によって変化する。よって、プロセッサ120は、アブレーション処置の期間を通じてアブレーション電極と接地パッド122a、122bとの間で形成された回路それぞれの抵抗を連続的に調整するように構成される。いくつかの実例では、プロセッサ120はあらかじめ規定された時間間隔で各々の回路の抵抗を調整するように構成される。
【0047】
いくつかの実例では、長尺状シャフト114を回転させて、追加のアブレーションを血管の周面上の複数の場所で実施することが可能である。いくつかの実例では、血管の周面にわたって稼動するように低速の自動「ロティサリー式」回転を使用してもよいし、全周面を同時にアブレーションするためにより速い高速回転を使用してもよい。高速回転はマイクロモータを用いて、又は駆動軸を高速回転することによって、行うことが可能である。長尺状シャフト114を所与の長手方向の位置で回転させる回数は、存在するアブレーション電極の数及び大きさによって決定される。特定の場所にアブレーションが施されると、長手方向の異なる場所でさらなるアブレーション処置を実施することが望ましい場合がある。長尺状シャフト114の長手方向における再位置付けがなされると、アブレーション電極に再度エネルギーが送達される。必要であれば、長手方向の各位置で血管の周面にわたってアブレーションを実施するために長尺状シャフト114を回転させてもよい。このプロセスは任意の数の所望の長手方向の位置において反復される。いくつかの実施形態では、システム100は、変調システム100の長さに沿って様々な位置にアブレーション電極を備えて、長尺状シャフト114を長手方向に移動することなく、より広い領域が治療されるようになっている。
【0048】
図3は、in situにおける別の例証の腎神経変調システム200の概略図である。システム200は、形態及び機能において本明細書中で議論される他の変調システムと類似している。システム200は、中央の長尺状シャフト214の周り及び内側のうち少なくともいずれか、並びに任意選択でシース216の内側に配置された神経変調要素に対して、動力を提供するための要素212を備える。要素212の基端は、要素212の先端又はその付近で1以上の変調要素又は電極を活性化するために必要な電気エネルギーを供給する、制御及び動力の要素218に接続される。適切に活性化されたとき、電極は組織をアブレーションすることができる。いくつかの実例では、1以上のリターン電極パッチ222a、222b、222c、222d、222e(まとめて222a〜e)が、回路を完成するために患者の身体上に供給される。いくつかの実例では、第1及び第2のリターン電極222a、222bは患者の身体の後部側202aに供給されて、第3及び第4のリターン電極222d、222eは患者の身体の前部側202bに供給される。いくつかの実例では、第5の電極222cが患者の身体の側部に供給されて、該電極が後部側202aと前部側202bとの間に位置付けられるようになっていてもよい。明確には示されていないが、患者の身体の反対側の側部にも1以上の追加電極が供給される。
【0049】
制御及び動力の要素218は、パラメータであって例えば動力、温度、電圧、パルスの大きさ及び形状のうち少なくともいずれか、並びにその他の適切なパラメータ、加えて所望の処置を実施するための適切な制御をモニタリングするために、モニタリング要素を備えてもよい。いくつかの実例では、動力要素218は高周波(RF)アブレーション電極及び1以上の感知電極のうち少なくともいずれかを制御する。2以上の動力要素218が提供される。アブレーション電極はおよそ460kHzの周波数で作動するように構成される。RF範囲にある任意の所望の周波数、例えば100〜500kHzが使用される。しかしながら、RFスペクトルの外側の異なる種類のエネルギー、例えば、限定するものではないが超音波、マイクロ波、及びレーザーが、アブレーションを実施するために所望通りに使用される場合もある。アブレーション電極という用語が本明細書中で使用されているが、変調要素及び変調周波数はアブレーションを実施するために使用されるエネルギーによって選択される。例えば、超音波エネルギーが使用される場合、変調要素として超音波変換器が選択可能であり、かつ、変調周波数はMHz範囲となる。
【0050】
長尺状シャフト214は、基端224から、所望の治療領域まで体腔内を前進するように構成された先端に向かって先端方向へ延在する。長尺状シャフト214の基端224は、他の治療器具の接続又は他の治療を容易にするためのポートを提供するために、該シャフトに取り付けられたハブ(明確には示されていない)を備える。長尺状シャフト214の剛性は、様々な血管径及び血管樹内の様々な場所で使用される変調システム200を形成するために改変される。長尺状シャフト214は、該シャフトを通って延びる1以上のルーメンをさらに備える。例えば、長尺状シャフト214はガイドワイヤルーメン及び1以上の補助ルーメンのうち少なくともいずれかを備える。ルーメンは当分野で既知の任意の方法で構成される。明確には示されていないが、変調システム200は、脈管構造内におけるシステム200の使用及び前進を容易にするために、温度センサ/ワイヤ、輸液ルーメン、放射線不透過性マーカーバンド、固定ガイドワイヤチップ、ガイドワイヤルーメン、外部シース、及び他の構成要素のうち少なくともいずれかをさらに備える。
【0051】
明確には示されていないが、変調システム200は、先端領域に隣接して長尺状シャフト214の外側表面に配置された1以上のアブレーション電極を備える。しかしながら、アブレーション電極は長尺状シャフト214に沿って所望の任意の長手方向の位置に設けられてよい。いくつかの実施形態では、変調システム200は、1以上の電極を正しい方向に置くのを支援するために長尺状シャフト214の先端に隣接して位置付けされた、膨張式バルーン又は拡張式バスケットのような1以上の位置決め要素を備える。いくつかの実例では、アブレーション電極は1以上の位置決め要素の表面上に位置付けされる。アブレーション電極が膨張式バルーンの外側表面又は拡張式バスケットのフレーム枠上に位置付けされる。他の実例では、アブレーション電極は、膨張式バルーンの内側、例えば該バルーンを通って延びる長尺状シャフト上、又は内側表面上に、位置付けられてもよい。
【0052】
変調システム200は、所望の任意の数のアブレーション電極、例えば、限定するものではないが、1、2、3、4個又はそれ以上を備える。複数のアブレーション電極が提供される場合、アブレーション電極は長手方向、径方向、及び周方向のうち少なくともいずれかに、所望のとおりに間隔をおいて配置される。いくつかの実例では、アブレーション電極は、長尺状シャフト214の外周上に延在する円周電極であってもよい。円周電極は、円周状のアブレーションを可能にすると同時に、電極及び長尺状シャフト214のうち少なくともいずれかの周方向の再位置付けの必要性を低減及び/又は排除することができる。いくつかの実施形態では、アブレーション電極は、長尺状シャフト214の外周全体には延在しない場合もある。360°のアブレーションを実施するための長尺状シャフト214の周方向の再位置付けの必要について低減及び/又は排除するために、複数のアブレーション電極が長尺状シャフト214の外周上に周方向に位置付けされる。
【0053】
アブレーション電極は、図3に示される要素212のような絶縁導線によって制御ユニット218に接続される。変調システム200が治療領域まで前進すると、アブレーション電極にエネルギーが供給される。アブレーション電極に送達されるエネルギーの量は、所望される治療及びシステム200から得られるフィードバックによって決定される。アブレーションの動力レベル及び持続時間は、組織のインピーダンスに基づいて適宜調整される。例えば、エネルギーがより大きければ、より大きく、より深い損傷がもたらされる。電圧がアブレーション電極に印加されるとともに、電流は、治療領域に近接した組織及び治療領域と皮膚との間のさらなる体組織を通って皮膚接触した接地パッド222a〜eへと通過する。
【0054】
接地パッド222a〜eは身体の複数の側(後部側、前部側、及び側部)に位置付けられているが、接地パッド222a〜eは個別に各側(後部側、前部側、及び側部)に位置付けられてもよいし、又は、接地パッド222a〜eが、所望通りに、後部側、前部側、及び側部の任意の組み合わせにおいて位置付けられてもよい。システム200は5個の接地パッド222a〜eを備えるように示されているが、所望通りに5個未満又は5個を超える接地パッドがあってもよい。いくつかの実施形態では、システム200は、身体の各側(後部側、前部側、又は側部)に位置付けられた1、2、3、4個又はそれ以上の接地パッドを備える。明確に示されてはいないが、1以上の追加電極が患者の身体の反対側の側部にも供給される。身体の側部に追加の接地パッドを設けることによって、電流を追加の方向に引き込むことでより均等な電流分布が可能になる。いくつかの実例では、明確には示されていないが、接地パッド222a〜eは所望の治療領域に関して均等に分布する。しかしながら、任意の数の接地パッドが所望の治療のために任意の適切な方式で配置構成される。
【0055】
いくつかの実例では、接地パッド222a〜eの分布はゾーン制御の選択肢を可能にするために選択される場合もある。例えば、神経アブレーションが左右両方の腎動脈について望まれる場合、前部側及び後部側に加えて身体の両側部に接地パッドを位置付けることが望ましい場合もある。右の腎神経のアブレーションの際、身体の右側部の接地パッドは前部側及び後部側のうち少なくともいずれかの任意の接地パッドに加えて活性化される一方、身体の左側部の接地パッドは不活性のままである。同様に、左の腎神経のアブレーションの際、身体の左側部の接地パッドは前部側及び後部側のうち少なくともいずれかの任意の接地パッドに加えて活性化される一方、身体の右側部の接地パッドは不活性のままである。プロセッサ220は、複数の治療ゾーンの間の選択を可能にするためのフィードバックループを備える。しかしながら、接地パッドには所望の治療に基づいてゾーンが割り当てられ、システム200は、提示された例示のゾーンに限定されるようには意図されない。
【0056】
身体組織は、筋血管壁に加えて外膜及び結合組織、神経、脂肪、体液などを含む。パッド222a、222b、222c、222d、222eはそれぞれ電気回路を完成するための所与のインピーダンスを有し、各パッドのインピーダンスは治療領域と接地(パッド)位置との間に存在する組織の種類によって異なる。接地パッド222a、222b、222c、222d、222eはそれぞれ、個別の回路を作り出すために別個の導電体226a、226b、226c、226d、226eによって、プロセッサ又はプロセシングユニット220の個別チャネルに接続される。いくつかの実例では、プロセッサ220は、接地チャネルアウト228を介して、動力部218に電気的に接続されるか又は動力部218と連通する。パッド222a、222b、222c、222d、222eはそれぞれプロセッサ220のチャネルにおいて別個の接地に個別に接続されるため、電気接続226a、226b、226c、226d、226eの抵抗は個別に調整される。例えば、各チャネルが各回路を個別に調整するための別個の可変抵抗器を備える。プロセッサ220が所望の任意の数のチャネルを備えて、プロセッサ220と接地パッド222a〜eとの間の電気接続が個別に調整されるようになっている。さらに、プロセッサ220は、1以上の接地パッド222a〜eを回路から遮断するように構成されて、接地パッド222a〜eが、例えばゾーン制御を作り出すためなど、所望通りに活性化されるようになっていてもよい。
【0057】
上述の通り、接地パッド222a、222b、222c、222d、222eはそれぞれ、回路(例えば身体内側に配置されたアブレーション電極と身体の外側表面に設置された接地パッドとの間の経路)を完成するために一定のインピーダンスを有する。電流は抵抗が最小の経路を流れるため、電流は、回路を完成するために、アブレーション電極と最小量のインピーダンスを有する接地パッドとの間を優先的に流れることになる。そのため、一貫性のない、又は意図されない損傷が生じる。これは、治療場所の間の、また患者間の、損傷の大きさ及び深さの変動をもたらす。接続されると、プロセッサ220がすべての回路のインピーダンスを同一レベルに増大させて、電流がアブレーション電極と接地パッド222a〜eとの間で均等に分布するようになる。例えば、エネルギーはアブレーション電極から球状に移動してもよい。プロセッサ220は、接地パッド222a〜eとプロセッサ220との間の抵抗を変化させることにより、インピーダンスを回路に電子的に加えることができる。いくつかの実例では、プロセッサ220は、インピーダンスを回路に加えるためにいくつかの可変抵抗器を使用することができる。接地パッド222a、222b、222c、222d、222eの再位置付けによって、回路インピーダンスがさらに操作される。いくつかの実例では、接地パッド222a〜eは、電流の流れる方向を制御するために患者の身体上に戦略的に設置される。電流の経路は、回路のインピーダンス、接地パッド222a〜eの場所、又は接地パッド222a〜eのインピーダンス及び場所の組み合わせに基づいて操作可能であるため、損傷の大きさ及び形状はより容易に制御されて、その結果意図せぬ損傷の低減及び/又は排除がもたらされる。
【0058】
単一の動力源によって動力が供給される複数のアブレーション電極を利用する変調システム200は、それぞれのアブレーション電極又は活性電極のインピーダンスの変動を経験する。アブレーション電極のインピーダンスのそのような変動は、各電極からの損傷の大きさ及び深さのうち少なくともいずれかの変動をもたらす。各々が変調されたインピーダンスを備えた接地パッド222a〜eのような複数の接地場所を提供することによって、各アブレーション電極を通して電流/動力をより均等に引き込む。例えば、エネルギーはアブレーション電極から球状に移動する。電流経路の操作によって、損傷の大きさ及び深さの変動を低減して治療部位により一貫した損傷をもたらすことができる。
【0059】
変調システム200は当分野で既知の任意の方式で脈管構造内を進むことができる。例えば、システム200は、先に設置されたガイドワイヤ上をシステム200が前進できるように、ガイドワイヤルーメンを備える。いくつかの実施形態では、変調システム200は、シース216のようなガイドシース内を前進してもよいし、同シース内を部分的に前進してもよい。変調システム200のアブレーション電極が所望の治療域に隣接して設けられると、センタリングバスケットのような位置決め機構が提供されている場合は展開配置される。
【0060】
変調システム200が治療領域まで前進すると、アブレーション電極にエネルギーが供給される。アブレーション電極に送達されるエネルギーの量は、所望の治療のほかにシステム200によって提供されるフィードバックによっても決定される。エネルギーが電極に供給されるとともに、プロセシングユニット220は各接地パッド222a、222b、222c、222d、222eによって形成される回路のインピーダンスを分析することができる。プロセシングユニット220は次に、1以上の回路にインピーダンスを加えて、全ての回路が同じインピーダンスを有するようにする。所望の治療領域のアブレーションが進むにつれて、回路のインピーダンスは損傷の形成によって変化する。よって、プロセッサ220は、アブレーション処置の期間を通じてアブレーション電極と接地パッド222a、222b、222c、222d、222eとの間で形成された回路それぞれの抵抗を連続的に調整するように構成される。いくつかの実例では、プロセッサ220はあらかじめ規定された時間間隔で各々の回路の抵抗を調整するように構成される。
【0061】
いくつかの実例では、長尺状シャフト214を回転させ、追加のアブレーションを血管の周面上の複数の場所で実施することができる。いくつかの実例では、血管の周面にわたって稼動するように低速の自動「ロティサリー式」回転が使用されてもよいし、全周面を同時にアブレーションするためにより速い高速回転が使用されてもよい。高速回転はマイクロモータを用いて、又は駆動軸を高速回転することによって、行うことが可能である。長尺状シャフト214を所与の長手方向の位置で回転させる回数は、存在するアブレーション電極の数及び大きさによって決定される。特定の場所にアブレーションが施されると、長手方向の異なる場所でさらなるアブレーション処置を実施することが望ましい。長尺状シャフト214の長手方向における再位置付けがなされると、アブレーション電極に再度エネルギーが送達される。必要であれば、長手方向の各位置で血管の周面にわたってアブレーションを実施するために、長尺状シャフト214を回転させてもよい。このプロセスは任意の数の所望の長手方向の位置において反復される。いくつかの実施形態では、システム200は、変調システム200の長さに沿って様々な位置にアブレーション電極を備えて、長尺状シャフト214を長手方向に移動することなくより広い領域が治療されるようになっている。
【0062】
当業者は、本発明が本明細書中に記載及び企図された特定の実施形態以外の様々な形態で表わされることを認識するであろう。従って、形態及び細部における逸脱は、添付の特許請求の範囲に記載されるような本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく為される。
図1
図2
図3