特許第6074063号(P6074063)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6074063ユーザ・プレーンからの制御プレーンのキャリア・アグリゲーション・ベースの分離の方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6074063
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】ユーザ・プレーンからの制御プレーンのキャリア・アグリゲーション・ベースの分離の方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20170123BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20170123BHJP
   H04W 72/10 20090101ALI20170123BHJP
【FI】
   H04W72/04 136
   H04W16/32
   H04W72/10
   H04W72/04 111
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-553177(P2015-553177)
(86)(22)【出願日】2013年12月23日
(65)【公表番号】特表2016-507985(P2016-507985A)
(43)【公表日】2016年3月10日
(86)【国際出願番号】IB2013003014
(87)【国際公開番号】WO2014111748
(87)【国際公開日】20140724
【審査請求日】2015年9月1日
(31)【優先権主張番号】201310020470.X
(32)【優先日】2013年1月18日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120363
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 智樹
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,タオ
(72)【発明者】
【氏名】イム,セアウ シアン
【審査官】 ▲高▼橋 真之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−524713(JP,A)
【文献】 特開2011−142638(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/060067(WO,A1)
【文献】 Hiroyuki Ishii, Yoshihisa Kishiyama, Hideaki Takahashi,A novel architecture for LTE-B :C-plane/U-plane split and Phantom Cell concept ,2012 IEEE Globecom Workshops,IEEE,2012年12月 7日,624 - 630
【文献】 Samsung,Preliminary discussion on inter-ENB Carrier Aggregation,3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #81 R2-130099,3GPP,2013年 1月18日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_81/Docs/R2-130099.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信ネットワークの基地局におけるユーザ・プレーンからの制御プレーンのキャリア・アグリゲーション・ベースの分離の方法であって、前記基地局は、ユーザ機器との通信接続をそれぞれセットアップするように構成されたマクロ基地局とピコ基地局とを含む方法において、
a.一次サービス・セルと、二次サービス・セルとして、それぞれ、前記マクロ基地局と、前記ピコ基地局とを構成するステップと、
b.前記マクロ基地局の上のスケジューリング許可を通じて送信されるべき第1のMAC CE信号よりも制御信号を優先するステップと、
c.ステップbにおいて、前記制御信号が送信された後の前記マクロ基地局の上の残りのスケジューリング許可が、前記第1のMAC CE信号にとって使用可能である場合、前記マクロ基地局が、前記第1のMAC CE信号を送信するステップと、そうでない場合に、前記マクロ基地局が、前記ピコ基地局に対して前記第1のMAC CE信号を送信するステップと、
d.前記ピコ基地局の上のスケジューリング許可を通じて送信されるべきデータ部分よりも前記第1のMAC CE信号を優先するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記ステップcにおいて、前記制御信号と、前記第1のMAC CE信号とが送信された後の前記マクロ基地局の上の残りのスケジューリング許可が使用可能である場合、前記残りのスケジューリング許可において前記データ部分が送信され、かつ/または冗長部分が満たされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のMAC CE信号は、二次サービス・セルのアクティブ化/非アクティブ化信号、TAC信号、またはDRX信号を含んでいる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ワイヤレス通信ネットワークのユーザ機器におけるユーザ・プレーンからの制御プレーンのキャリア・アグリゲーション・ベースの分離の方法であって、基地局は、前記ユーザ機器との通信接続をそれぞれセットアップするように構成されたマクロ基地局と、ピコ基地局とを含む方法において、
o.前記ワイヤレス通信ネットワークから第1の表示を受信するステップと、
p.前記第1の表示の受信のすぐ後に、前記ユーザ機器が、
p1.前記マクロ基地局のアップリンク許可を通じて送信されるべき第2のMAC CE信号よりも制御信号を優先するステップ、および前記マクロ基地局の前記残りのアップリンク許可が、前記第2のMAC CE信号にとって使用可能であるときに、第1のRLC PDUを形成し、前記第1のRLC PDUをMACレイヤに対して送信するための前記第2のMAC CE信号の前記許可の対応する部分を予約するステップであって、前記第1のRLC PDUが、前記制御信号を含み、または前記制御信号を含み、前記第2のMAC CEのための前記許可の前記対応する部分を予約する、ステップ、そうでなければ、
p2.前記ピコ基地局のアップリンク許可を通じて送信されるべきデータ部分よりも前記第2のMAC CE信号を優先するステップ、および前記第2のMAC CE信号が、前記ピコ基地局の前記アップリンク許可を通じて送信される必要がある場合、前記第2のMAC CE信号のための前記許可の対応する部分を予約し、第2のRLC PDUを形成し、前記第2のRLC PDUを前記MACレイヤに対して送信するステップと、
を含む、RLC PDUを生成するプロセスを開始するステップと、
q.前記第1のRLC PDUおよび前記第2のRLC PDUと、前記第2のMAC CE信号とからそれぞれ前記MACレイヤにおける第1のMAC PDUおよび第2のMAC PDUを形成するステップ、および前記第1のMAC PDUおよび前記第2のMAC PDUを、それぞれ、前記マクロ基地局および前記ピコ基地局に対して送信するステップと
を含む方法。
【請求項5】
前記マクロ基地局の前記残りのアップリンク許可が、前記制御信号の後に使用可能であり、また前記第2のMAC CE信号が送信される場合、前記ステップp1は、
前記データ部分が前記マクロ基地局の前記アップリンク許可を使用することが許されるかどうかに応じて論理チャネルの優先順位に従って前記データ部分を前記マクロ基地局の前記アップリンク許可へとそれぞれ入れるステップ、および前記第1のRLC PDUを生成するステップと
をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記マクロ基地局と、前記ピコ基地局とは、X2インターフェースのX2信号を経由して互いに通信する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のMAC CE信号は、BSR信号であり、また前記ステップqにおいて、前記第1のMAC PDUおよび/または前記第2のMAC PDUは、それぞれ制御チャネルおよび/またはデータ・チャネルのBSR情報を含んでいる、請求項4または5に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のMAC PDUと、前記第2のMAC PDUとは、X2インターフェースを経由して前記マクロ基地局または前記ピコ基地局に対して、それぞれ、前記データ・チャネルの前記BSR情報を転送するように前記マクロ基地局に指示し、あるいは前記制御チャネルの前記BSR情報を転送するように前記ピコ基地局に指示する第1の転送表示情報をさらに含んでいる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の転送表示は、論理チャネル・グループIDまたは論理チャネルIDである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のMAC CE信号は、PHR信号/拡張PHR信号であり、前記ステップqにおいて、前記第1のMAC PDUと、前記第2のMAC PDUとは、それぞれ、前記マクロ基地局および前記ピコ基地局のPHR情報を含んでいる、請求項4または5に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のMAC CE信号は、PHR信号/拡張PHR信号であり、前記ステップqにおいて、前記第1のMAC PDUまたは前記第2のMAC PDUは、前記マクロ基地局および前記ピコ基地局のPHR情報と、X2インターフェースを経由して、前記ピコ基地局または前記マクロ基地局に対してそれぞれ、前記ピコ基地局の前記PHR情報を転送するように前記マクロ基地局に指示し、または前記マクロ基地局の前記PHR情報を転送するように前記ピコ基地局に指示する第2の転送表示情報とを含んでいる、請求項4または5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤレス通信の分野に関し、詳細には、ワイヤレス通信ネットワークの基地局とユーザ機器とにおけるユーザ・プレーンからの制御プレーンのキャリア・アグリゲーション・ベースの分離の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、典型的に、より大きなカバレッジ・エリアを有するマクロ基地局と、比較的より小さなカバレッジ・エリアを有するピコ基地局とが、今日、異機種ワイヤレス通信ネットワークにおいて存在している。図1は、先行技術におけるネットワーク・アーキテクチャの概略図100を示すものであり、また明らかであり得るように、そのようなネットワーク環境においては、マクロ基地局110は、基礎となるネットワーク・カバレッジを提供しており(図の中で点で描かれた背景によって示されるように)、またその一方では、例えば、小電力におけるピコ基地局121、122、123および124(すなわち、小さなネットワーク・カバレッジ・エリア(図の中で斜線によって示されるエリア)を有する)は、より高速で可能なネットワーク・アクセスを提供する。このとき、マクロ基地局と、ピコ基地局とに共通のカバレッジ・エリアの中に存在するユーザ機器は、それらの両方に対する通信接続を同時にセットアップすることができるようになり、このことは、ユーザ機器と2つのタイプの基地局とを最大限にまた最適に使用するためには、マクロ基地局およびピコ基地局の使用を最適化して、どのように通信すべきかという問題をもたらし得る。
【0003】
一般に、マクロ基地局は、典型的に、便利なモビリティ管理の観点から一次サービス・セルとしての機能を果たし、このとき、ピコ基地局は、それに応じて、二次サービス・セルとしての機能を果たす。このときに、RRC信号は、マクロ基地局のスケジューリング許可を通じて送信されることになり、またデータ部分は、ピコ基地局のスケジューリング許可を通じて送信されることになる。したがって、一方では、マクロ基地局の上のスケジューリング許可は、RRC信号のために十分に使用されないこともあり、すなわち、マクロ基地局の上の残りのスケジューリング許可は、他の信号にとって使用可能であり得るが、従来では、マクロ基地局の上でRRC信号だけを送信させており、その結果、残りのスケジューリング許可は浪費されることになり、また他方では、あるタイプの重要な「制御信号」、すなわちMAC CE信号はまた、場合によってはマクロ基地局のスケジューリング許可を通じて送信されることが望ましく、ピコ基地局のスケジューリング許可を通じたその送信は、X2インターフェースを経由した送信において遅延を受ける可能性があり、これは、ワイヤレス・ネットワークの上の通信と、最適化された後続のスケジューリングとの両方に対して不都合であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
先行技術と、上記のように特定されたその技術的問題とを考慮して、本発明の第1の態様は、ワイヤレス通信ネットワークの基地局におけるユーザ・プレーンからの制御プレーンのキャリア・アグリゲーション・ベースの分離の方法を提案しており、そこでは、基地局は、ユーザ機器との通信接続をそれぞれセットアップするように構成されたマクロ基地局とピコ基地局とを含んでおり、また本方法は、
a.一次サービス・セルと、二次サービス・セルとして、それぞれ、マクロ基地局と、ピコ基地局とを構成するステップと、
b.マクロ基地局の上のスケジューリング許可を通じて送信されるべき第1のMAC CE信号よりも制御信号を優先するステップと、
c.ステップbにおいて、制御信号が送信された後のマクロ基地局の上の残りのスケジューリング許可が、第1のMAC CE信号にとって使用可能である場合、マクロ基地局が、第1のMAC CE信号を送信するステップと、そうでない場合に、マクロ基地局が、ピコ基地局に対して第1のMAC CE信号を送信するステップと、
d.ピコ基地局の上のスケジューリング許可を通じて送信されるべきデータ部分よりも第1のMAC CE制御信号を優先するステップと
を含む。
【0005】
本発明の方法は、基地局側においてマクロ基地局の上のスケジューリング許可の完全な、また妥当な使用を行うことができる。
【0006】
本発明の一実施形態においては、ステップcにおいて、制御信号と、第1のMAC CE信号とが送信された後のマクロ基地局の上の残りのスケジューリング許可が使用可能である場合、残りのスケジューリング許可においてデータ部分が送信され、かつ/または冗長部分(redundancy)が満たされる(fill)ことがさらに好ましい。
【0007】
このようにして、マクロ基地局の上のスケジューリング許可の妥当なユーザは、ユーザ・プレーンのデータ部分がマクロ基地局のスケジューリング許可を通じて送信されることを可能にしながら、上記で説明されたように最大化され得る。
【0008】
本発明の一実施形態においては、第1のMAC CE信号は、二次サービス・セルのアクティブ化/非アクティブ化信号、TAC信号、またはDRX信号を含んでいる。当業者なら、第1のMAC CE信号が、これらの3つのタイプの信号に加えて、他の適切なMAC CE信号とすることもできることを理解すべきである。
【0009】
本発明の第2の態様は、ワイヤレス通信ネットワークのユーザ機器におけるユーザ・プレーンからの制御プレーンのキャリア・アグリゲーション・ベースの分離の方法であって、基地局は、ユーザ機器との通信接続をそれぞれセットアップするように構成されたマクロ基地局と、ピコ基地局とを含んでおり、また本方法は、
o.ワイヤレス通信ネットワークから第1の表示を受信するステップと、
p.第1の表示の受信のすぐ後に、ユーザ機器が、
p1.マクロ基地局のアップリンク許可を通じて送信されるべき第2のMAC CE信号よりも制御信号を優先するステップ、およびマクロ基地局の残りのアップリンク許可が、第2のMAC CE信号にとって使用可能であるときに、第1のRLC PDUを形成し、第1のRLC PDUをMACレイヤに対して送信するための前記第2のMAC CE信号の許可の対応する部分を予約するステップであって、第1のRLC PDUが、制御信号を含み、または制御信号を含み、第2のMAC CEのための許可の対応する部分を予約する、ステップ、そうでなければ、
p2.ピコ基地局のアップリンク許可を通じて送信されるべきデータ部分よりも第2のMAC CE信号を優先するステップ、および第2のMAC CE信号が、ピコ基地局のアップリンク許可を通じて送信される必要がある場合、第2のMAC CE信号のための許可の対応する部分を予約し、第2のRLC PDUを形成し、第2のRLC PDUをMACレイヤに対して送信するステップと、
を含む、RLC PDUを生成するプロセスを開始するステップと、
q.第1のRLC PDUおよび第2のRLC PDUと、第2のMAC CE信号とからそれぞれMACレイヤにおける第1のMAC PDUおよび第2のMAC PDUを形成するステップ、および第1のMAC PDUおよび第2のMAC PDUを、それぞれ、マクロ基地局およびピコ基地局に対して送信するステップと
を含む方法を提供している。
【0010】
本発明の一実施形態においては、マクロ基地局の残りのアップリンク許可が、制御信号の後に使用可能であり、また第2のMAC CE信号が送信される場合、ステップp1は、
データ部分が、マクロ基地局のアップリンク許可を使用することが許されるかどうかに応じて論理チャネルの優先順位に従って、データ部分をマクロ基地局のアップリンク許可へとそれぞれ入れるステップ、および第1のRLC PDUを生成するステップと
をさらに含む。
【0011】
本発明の一実施形態においては、マクロ基地局と、ピコ基地局とは、X2インターフェースのX2信号を経由して互いに通信する。
【0012】
本発明の一実施形態においては、第2のMAC CE信号は、BSR信号であり、またステップqにおいて、第1のMAC PDUおよび/または第2のMAC PDUは、制御チャネルおよび/またはデータ・チャネルのBSR情報を含んでいる。
【0013】
本発明の一実施形態においては、第1のMAC PDUと、第2のMAC PDUとは、X2インターフェースを経由してマクロ基地局またはピコ基地局に対して、それぞれ、データ・チャネルのBSR情報を転送するようにマクロ基地局に指示し、あるいは制御チャネルのBSR情報を転送するようにピコ基地局に指示する第1の転送表示情報をさらに含んでいる。
【0014】
本発明の一実施形態においては、第1の転送表示は、論理チャネル・グループIDまたは論理チャネルIDである。
【0015】
本発明の一実施形態においては、第2のMAC CE信号は、PHR信号/拡張PHR信号であり、またステップqにおいて、第1のMAC PDUと、第2のMAC PDUとは、それぞれ、マクロ基地局およびピコ基地局とのPHR情報を含んでいる。
【0016】
本発明の一実施形態においては、第2のMAC CE信号は、PHR信号/拡張PHR信号であり、またステップqにおいて、第1のMAC PDUまたは第2のMAC PDUは、マクロ基地局およびピコ基地局のPHR情報と、X2インターフェースを経由して、ピコ基地局またはマクロ基地局に対して、それぞれ、ピコ基地局のPHR情報を転送するようにマクロ基地局に指示し、またはマクロ基地局のPHR情報を転送するようにピコ基地局に指示する第2の転送表示情報とを含んでいる。
【0017】
要約すれば、本発明による、基地局側とユーザ機器側とにおけるユーザ・プレーンからの制御プレーンのキャリア・アグリゲーション・ベースの分離の方法は、ネットワーク全体を通して妥当に構成される許可を有し、またマクロ基地局の上のスケジューリング許可、ならびにユーザ機器の上のマクロ基地局のアップリンク許可の使用の効率を改善することができ、またさらに、制御信号(例えば、RRC信号)は、マクロ基地局の上のスケジューリング許可を通じてのみ送信され、またマクロ基地局の大きなカバレッジ・エリアと、低い周波数とは、マクロ基地局を非常に信頼できるものにしており、またさらに、データはまた、ピコ基地局の高い周波数スペクトル・リソースの上で送信されて、それによってまたデータの送信レートを改善し、また他方では、ユーザ機器が、ピコ基地局の小さなカバレッジ・エリアに頻繁に入り、また離れるときに、ハンド・オーバ・プロシージャ(Hand Over procedure)は、開始される必要はなく、その結果、モビリティ管理は、影響を受けないことになる。さらに、制御すべき非常に重要なMAC CE信号はまた、マクロ基地局の上のスケジューリング許可を通じて送信されるように優先されて、それによってMAC CE信号の送信における遅延を低下させ、またその結果として全体のネットワークの動作効率を改善させる。
【0018】
本発明の他の特徴、目的および利点は、図面を参照して考慮される非限定的な実施形態についての以下の詳細な説明の検討をするとすぐにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】先行技術におけるネットワーク・アーキテクチャの概略図100である。
図2】本発明による、ワイヤレス通信ネットワークの基地局におけるユーザ・プレーンからの制御プレーンのキャリア・アグリゲーション・ベースの分離の方法200を示す図である。
図3】本発明による、ワイヤレス通信ネットワークのユーザ機器におけるユーザ・プレーンからの制御プレーンのキャリア・アグリゲーション・ベースの分離の方法300を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
同一の、または類似したデバイス(モジュール)またはステップは、図面全体を通して同一の、または類似した参照番号によって示されるであろう。
【0021】
好ましい実施形態の以下の特定の説明は、本発明の一部分を構成する図面を参照して与えられるであろう。それらの図面は、特定の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態において、本発明は、実践される可能性がある。例示の実施形態は、本発明のすべての実施形態を徹底的に検討し尽くすことを意図してはいない。理解され得るように、他の実施形態が、可能なこともあり、あるいは構造的な修正形態、または論理的な修正形態が、本発明の範囲を逸脱することなく行われる可能性がある。それゆえに、以下の詳細な説明は、限定的であることを意図してはおらず、また本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲におけるように規定されるであろう。
【0022】
図1は、先行技術におけるネットワーク・アーキテクチャの概略図100を示すものであり、またこの図は、節「本発明の背景」において説明されており、そのため、その反復された説明は、ここでは省略される。
【0023】
上記で特定されるように、先行技術と、その技術的問題とを考慮して、モビリティ管理を保証する前提条件の上で、マクロ基地局のスケジューリング許可をフルに使用するために、またマクロ基地局と、ピコ基地局と、ユーザ機器との間の信号をよりスムーズに、また便利に送信するために、本発明の第1の実施形態200は、ワイヤレス通信ネットワークの基地局におけるユーザ・プレーンからの制御プレーンのキャリア・アグリゲーション・ベースの分離の方法を提案しており、ここで基地局は、ユーザ機器130との通信接続をそれぞれセットアップするように構成されたマクロ基地局110と、ピコ基地局121、122、123および124とを含んでおり、また本方法は、
最初に、ステップ210において、マクロ基地局と、ピコ基地局とは、それぞれ、一次サービス・セル(Pセル(Pcell))と、二次サービス・セル(Sセル(Scell))としてそれぞれ構成されており、
次いで、ステップ220において、制御信号は、マクロ基地局の上のスケジューリング許可を通じて送信されるべき第1のMAC CE信号よりも優先されており、
次に、ステップ230において、制御信号がステップ220において送信された後のマクロ基地局の上の残りのスケジューリング許可が、第1のMAC CE信号にとって使用可能であるかどうかが、決定され、またそうである場合、マクロ基地局は、第1のMAC CE信号を送信し、そうでない場合には、マクロ基地局は、第1のMAC信号をピコ基地局に対して送信し、またピコ基地局は、第1のMAC信号を送信し、また
最後に、ステップ240において、第1のMAC CE制御信号は、ピコ基地局の上のスケジューリング許可を通じて送信されるべきデータ部分よりも優先される。第1のMAC CE信号が、マクロ基地局から送信される場合、第1のMAC CE信号は、伝送のためのスケジューリング許可のMAC PDUへと入れられるように優先され、また次いで、正規のデータ部分は、伝送のためのスケジューリング許可のMAC PDUへと入れられるが、第1のMAC CEが、マクロ基地局のスケジューリング許可を通じて伝送されている場合、データ部分だけが、ピコ基地局のスケジューリング許可を通じて送信されることになる。
【0024】
この実施形態においては、制御信号は、マクロ基地局のスケジューリング許可を通じて送信され、またデータ部分は、ピコ基地局のスケジューリング許可を通じて送信される。しかしながら、実際のアプリケーションにおいては、マクロ基地局の上の残りのスケジューリング許可は、制御信号(例えば、従来のRRC信号)の後にアイドル状態であることもあり、また第1のMAC CE信号は、スケジューリング許可の中に入れられ、またこのときに、残りの許可は、完全に、また妥当に使用されないことになり、このようにしてマクロ基地局の上のスケジューリング許可を浪費している。この状況が発生するのを回避するために、本発明の一実施形態においては、ステップ230において、マクロ基地局の上の残りのスケジューリング許可が、制御信号(例えば、従来のRRC信号)の後に留まり、また第1のMAC CE信号が送信される場合、データ部分が送信され、かつ/または冗長部分が残りの許可に満たされる。
【0025】
このようにして、マクロ基地局の上のスケジューリング許可の妥当な使用は、当業者にとって望ましいように最大にされる可能性がある。さらに、第1のMAC CE信号は、マクロ基地局の上の許可が、または十分な許可が、マクロ基地局の上の第1のMAC CE信号の送信にとって使用可能でない場合だけに、先ずピコ基地局に対して転送され、また次いで、ピコ基地局の上のスケジューリング許可を通じて送信されることになり、またこれは、第1のMAC CE信号のできる限りタイムリーな送信を保証して、それによってワイヤレス通信ネットワーク全体を通して構成の効率を改善することができる。
【0026】
本発明の一実施形態においては、第1のMAC CE信号は、二次サービス・セルのアクティブ化/非アクティブ化信号、TAC信号、またはDRX信号を含んでいる。当業者なら、ここで述べられる第1のMAC CE信号が、これらの3つのタイプの信号に加えて、他の適切な任意のMAC CE信号とすることもできることを理解すべきである。
【0027】
基地局側における上記の最適化に加えて、最適化はまた、ユーザ機器側において必要であることもあり、そのため、図3に示されるような本発明の別の実施形態が、ワイヤレス通信ネットワークのユーザ機器におけるユーザ・プレーンからの制御プレーンのキャリア・アグリゲーション・ベースの分離についての本発明300による方法を提案しており、ここで、基地局はまた、ユーザ機器との通信接続をそれぞれセットアップするように構成されたマクロ基地局と、ピコ基地局とを含んでおり、また図3に示されるように、本方法は、以下のステップを含んでおり、すなわち、
最初にステップ310において、第1の表示は、ワイヤレス通信ネットワークから受信され、ここで、ここの第1の表示は、ユーザ・プレーンからの制御プレーンの分離についてユーザ機器を可能にする表示情報とすることができ、例えば、ユーザ機器が、ピコ基地局と、マクロ基地局とのカバレッジ・エリアのオーバーラップするエリアに入るときに、基地局側は、ユーザ・プレーンからの制御プレーンの分離のための条件が満たされることをユーザ機器に通知し、またユーザ・プレーンから制御プレーンを分離するようにユーザ機器に指示する表示情報を送信し、
次いでステップ320において、ユーザ機器は、第1の表示の受信のすぐ後に、RLC PDUを生成するプロセスを開始し、ここでこのステップは、以下のサブステップを、すなわち、
サブステップ1:制御信号が、マクロ基地局のアップリンク許可を通じて送信されるべき第2のMAC CE信号よりも優先され、また、マクロ基地局の残りのアップリンク許可が、第2のMAC CE信号にとって使用可能であるときに、許可の対応する部分は、第2のMAC CE信号が、第1のRLC PDUを形成し、また第1のRLC PDUをMACレイヤに対して送信するために予約され、第1のRLC PDUは、制御信号を含んでおり、あるいは制御信号を含み、また第2のMAC CEについての許可の対応する部分を予約しており、そうでない場合には、
サブステップ2:また第2のMAC CE信号は、ピコ基地局のアップリンク許可を通じて送信されるべきデータ部分よりも優先され、また第2のMAC CE信号が、ピコ基地局のアップリンク許可を通じて送信される必要がある場合、許可の対応する部分は、第2のMAC CE信号のために予約され、また第2のRLC PDUは、形成され、またMACレイヤに対して送信される
を含むことができ、
最後に、ステップ330において、第1のMAC PDUと、第2のMAC PDUとは、第1のRLC PDUおよび第2のRLC PDUと、第2のMAC CE信号とからそれぞれMACレイヤにおいて形成され、またそれぞれマクロ基地局と、ピコ基地局とに対して送信される。
【0028】
同様に、この実施形態においては、制御信号は、マクロ基地局のアップリンク許可を通じて送信され、またデータ部分は、ピコ基地局のアップリンク許可を通じて送信される。しかしながら、実際のアプリケーションにおいては、マクロ基地局の上の残りのアップリンク許可は、制御信号(例えば、従来のRRC信号)の後に、アイドル状態である可能性があり、また第2のMAC CE信号は、アップリンク許可に入れられ、またこのときに、残りの許可は、完全に、また妥当に使用されないことになり、このようにしてマクロ基地局の上のアップリンク許可を浪費している。この状況が起こるのを回避するために、本発明の一実施形態においては、ステップ320において、マクロ基地局の上の残りのアップリンク許可が、制御信号(例えば、従来のRRC信号)の後に使用可能であり、また第2のMAC CE信号が、送信される場合、データ部分が送信され、かつ/または冗長部分が残りの許可に満たされる。
【0029】
このようにして、マクロ基地局の上のアップリンク許可の妥当な使用は、当業者にとって望ましいように最大にされる可能性がある。さらに、第2のMAC CE信号は、マクロ基地局の上の許可が、または十分な許可が、マクロ基地局の上の第2のMAC CE信号の送信にとって使用可能でない場合だけに、先ず、ピコ基地局に対して転送され、また次いで、ピコ基地局の上のスケジューリング許可を通じて送信されることになり、またこれは、第2のMAC CE信号のできる限りタイムリーな送信を保証して、それによってワイヤレス通信ネットワーク全体を通して構成の効率を改善することができる。
【0030】
本発明の一実施形態においては、マクロ基地局の残りのアップリンク許可が、制御信号の後に使用可能であり、また第2のMAC CE信号が、送信される場合、ステップ320のサブステップ1は下記を含む。
データ部分が、マクロ基地局のアップリンク許可の使用を許されるかどうかに応じて、論理チャネルの優先順位に従ってマクロ基地局のアップリンク許可へとそれぞれ入れられ、また第1のRLC PDUが生成される。
【0031】
本発明の一実施形態においては、マクロ基地局と、ピコ基地局とは、X2インターフェースのX2信号を経由して互いに通信する。
【0032】
さらに、本発明の一実施形態においては、第2のMAC CE信号は、BSR信号とすることができ、またステップ330において、第1のMAC PDUおよび/または第2のMAC PDUは、制御チャネルおよび/またはデータ・チャネルのBSR情報を含んでいる。ここで、組合せにおけるスキームの4つの可能性のある組合せが、存在しており、また第1のMAC PDUが、制御信号だけのBSR信号を含んでおり、また第2のMAC PDUが、データ・チャネルだけのBSR信号を含んでいる場合のスキームの組合せのうちの1つにおいて、それらは、それぞれマクロ基地局と、ピコ基地局とに対して送信される。
【0033】
上記の実施形態においては、第1のMAC PDUまたは第2のMAC PDUが、制御チャネルと、データ・チャネルとのBSR情報を含む場合、これは、すべてのBSR情報(すなわち、制御チャネルと、データ・チャネルとについての)が、マクロ基地局またはピコ基地局によって受信されることになることを意味しており、またこのときに、そのような一実施形態においては、第1のMAC PDUと、第2のMAC PDUとは、X2インターフェースを経由してマクロ基地局またはピコ基地局に対してそれぞれ、データ・チャネルのBSR情報を転送するようにマクロ基地局に指示し、または制御チャネルのBSR情報を転送するようにピコ基地局に指示する第1の転送表示情報をさらに含んでいる。具体的には、本発明の一実施形態においては、第1の転送表示は、論理チャネル・グループID、または論理チャネルIDである。
【0034】
本発明の一実施形態においては、第2のMAC CE信号は、PHR信号/拡張PHR信号であり、またステップ330において、第1のMAC PDUと、第2のMAC PDUとは、それぞれマクロ基地局と、ピコ基地局とのPHR情報を含んでおり、またこのときに、マクロ基地局と、ピコ基地局とのPHR情報は、それぞれ対応するマクロ基地局と、ピコ基地局とに対して送信されるであろう。このようにして、マクロ基地局と、ピコ基地局との電力情報は、マクロ基地局が、ピコ基地局の電力情報をピコ基地局に対して転送し、またはピコ基地局が、マクロ基地局の受信された電力情報を対応する基地局に対して転送する後続の転送プロセスなしにそれぞれ送信されるであろう。
【0035】
本発明の一実施形態においては、第2のMAC CE信号は、PHR信号/拡張PHR信号とすることができ、またステップ330において、第1のMAC PDUまたは第2のMAC PDUは、マクロ基地局と、ピコ基地局とのPHR情報を含んでおり、またこのときに、上記のBSR情報のように、ピコ基地局またはマクロ基地局によって受信されるべきPHR情報は、そのピコ基地局、またはマクロ基地局によって受信されることになり、またこのときに、第2の転送表示情報は、X2インターフェースを経由してピコ基地局またはマクロ基地局に対して、それぞれ、ピコ基地局のPHR情報を転送するようにマクロ基地局に指示し、またはマクロ基地局のPHR情報を転送するようにピコ基地局に指示するために含まれるであろう。
【0036】
要約すれば、基地局側と、ユーザ機器側とにおけるユーザ・プレーンからの制御プレーンのキャリア・アグリゲーション・ベースの分離についての本発明の方法は、ネットワーク全体にわたって妥当に構成される許可を有し、またマクロ基地局の上のスケジューリング許可、ならびにユーザ機器の上のマクロ基地局のアップリンク許可についての使用の効率を改善することができ、またさらに、制御信号(例えば、RRC信号)は、マクロ基地局の上のスケジューリング許可を通じてだけ送信され、またマクロ基地局の大きなカバレッジ・エリアと、低い周波数とは、マクロ基地局を非常に信頼できるものにしており、またさらに、データはまた、ピコ基地局の高周波数スペクトル・リソースを通じて送信されて、それによってデータの送信レートを改善させてもおり、また他方では、ユーザ機器が、ピコ基地局の小さなカバレッジ・エリアに頻繁に入り、また離れるときに、HOプロシージャは、開始される必要はなく、その結果、モビリティ管理は、影響を受けないことになる。さらに、制御することが非常に重要なMAC CE信号はまた、マクロ基地局の上のスケジューリング許可を通じて送信されるように優先付けられて、それによってMAC CE信号の送信における遅延を低下させ、またその結果として、全体のネットワークの動作の効率を改善させる。
【0037】
当業者なら、本発明は、明らかに、上記の例示の実施形態だけに限定されないことになり、また本発明の趣旨または本質を逸脱することなく、他の特定の形態で具現化され得ることを理解すべきである。それに応じて、それらの実施形態は、いずれにしても例示的であり、また非限定的なものであるように解釈されるべきである。さらに、明らかに、用語「備えている/含んでいる(comprising)」は、別の要素(単数または複数)あるいはステップ(単数または複数)を除外することにはならず、また用語「1つの(a)」または「1つの(an)」は、複数形を除外することにはならない。装置請求項において述べられる複数の要素は、代わりに、単一の要素として具現化されることもある。用語「第1の(first)」、「第2の(second)」などは、名前を指定することを意図しているが、特定のどのような順序を示唆することも意図してはいない。
図1
図2
図3