【実施例】
【0089】
(実施例1:化合物の発現および精製)
化合物C、化合物D、化合物Eおよび化合物Fの抗体部分、scFv部分および抗体−リンカー−scFvのポリペプチド、およびこれらをコードするヌクレオチド配列を以下の「アミノ酸およびヌクレオチド配列」という表題の章に列挙する。それに加え、化合物C、化合物D、化合物Eおよび化合物Fの抗体部分、scFv部分および抗体−リンカー−scFvの配列番号を表1に示す。
【0090】
限定されないが、化合物C、化合物D、化合物Eおよび化合物Fを含む本発明の化合物を、本質的に以下に示すように製造し、精製することができる。適切な宿主細胞(例えば、HEK293またはCHO)は、あらかじめ定められた最適なHC−リンカー−scFv:LCベクター比(例えば、1:3または1:2)を用いた化合物を分泌するための発現系、またはHC−リンカー−scFvおよびLCの両方をコードする1つのベクター系を用いて一時的または安定にトランスフェクトされていてもよい。化合物が分泌した澄んだ培地は、任意の多くの一般的に使用される技術を用いて精製されてもよい。例えば、この培地を、簡便には、Fabフラグメントのために、適合するバッファー(例えば、リン酸緩衝生理食塩水(pH7.4))で平衡状態にしたMabSelectカラム(GE Healthcare)またはKappaSelectカラム(GE Healthcare)に適用してもよい。このカラムを洗浄し、非特異的な結合要素を除去してもよい。結合した化合物を、例えば、pH勾配(例えば、pH7の20mMのTrisバッファーから、pH3.0の10mMクエン酸ナトリウムまで、またはpH7.4のリン酸緩衝生理食塩水から、pH3.0の100mMのグリシンバッファーまで)によって溶出させてもよい。例えば、SDS−PAGEによって化合物のフラクションを検出し、その後、溜めておいてもよい。さらなる精製は、意図する用途に応じて任意である。一般的な技術を用い、化合物を濃縮し、および/または滅菌濾過してもよい。可溶性凝集物およびマルチマーを、サイズ排除、疎水性相互作用、イオン交換、マルチモーダルクロマトグラフィーまたはヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを含む一般的な技術によって効果的に除去してもよい。これらのクロマトグラフィー工程後の化合物の純度は、95%より大きい。生成物をすぐに−70℃で凍結させてもよく、または凍結乾燥してもよい。
【0091】
【表1】
(アッセイ)
(結合反応速度、アフィニティおよび選択性)
ヒトAng2およびヒトVEGFR2に対する本発明の化合物の結合反応速度、アフィニティおよび選択性を、当該技術分野で公知の方法に従って、表面プラズモン共鳴(SPR)バイオセンサー、例えば、Biacore(登録商標)2000、Biacore(登録商標)3000またはBiacore(登録商標)T100(GE HealthCare)を使用することによって決定してもよい。
【0092】
複数の種の可溶性Ang2(ヒト、カニクイザル、マウス、ウサギおよびイヌ)およびVEGFR2細胞外ドメイン(ECD)(ヒト、カニクイザル、ウサギおよびイヌ)の結合速度および平衡解離定数(K
D)を、本発明の化合物について、Biacore表面プラズモン共鳴方法を用い、25℃または37℃で決定してもよい。ヒトAng2およびVEGFR2−ECDは、それぞれR&D SystemsおよびSino Biologicalから購入されてもよい。抗体を捕捉するためのタンパク質Aの表面は、以下の方法を用いて調製されてもよい。CM4(Biacore 番号BR−1005−34)またはCM5(Biacore 番号BR−1000−99)に対する可溶性タンパク質A(Calbiochem、カタログ番号539202)の固定は、EDC/NHSアミンカップリング方法(Biacore 番号BR−1000−50)を用いて調製されてもよい。簡単にいうと、EDC/NHSの1:1混合物を10μL/分で7分間注入することによって、4つのフローセルすべての表面を活性化してもよい。この後、可溶性タンパク質Aを10mM酢酸バッファー(pH4.5)で50〜100μg/mLになるまで希釈し、フローセル(Fc)2、3または4に流速10μL/分で7分間かけて固定してもよい。チップ表面に残る未反応部位を、エタノールアミンを10μL/分で7分間注入することによってブロックしてもよい。ランニングバッファーは、HBS−EP+(Biacore 番号BR−1006−69)であってもよい。ランニングバッファーで希釈することによって、化合物サンプルを1μg/mLで調製してもよい。ランニングバッファーでの2倍の段階希釈を用い、50nM〜1.56nMの範囲の別個の濃度のAng2リガンドを調製してもよい。それぞれの分析サイクルは、一連の別個の5工程からなっていてもよい。(1)別個のフローセル(Fc2、Fc3およびFc4)での化合物を捕捉し、(2)すべてのFcの上に、50μL/分で、250μL(表面接触時間300秒)の個々の濃度のAng2またはVEGFR2−ECDを注入し(kinjectを用いる)、(3)20分間かけてバッファー流に戻し、解離段階をモニタリングし、(4)10mMのグリシン(pH1.5)10μL(接触時間30秒)の注入によってチップ表面を再生し、(5)15μL(接触時間45秒)のHBS−EP+ランニングバッファーの注入によってチップ表面を平衡状態にする。得られたデータを、Biacore 2000 Evaluationソフトウエアバージョン4.1を用い、標準的なダブルリファレンスを使用し、1:1の結合モデルへのフィッティングによって処理し、解離速度(k
on、単位M
−1s
−1)、解離速度(k
off、単位s
−1)を決定してもよい。平衡解離定数(K
D)の計算は、以下の関係K
D=k
off/k
onから計算されてもよく、モル濃度単位で表される。
【0093】
このアッセイに本質的に記載されるように行う実験において、化合物C、化合物D、化合物Eおよび化合物Fは、25℃でヒトAng2に結合し、K
Dは407pM〜673pMの範囲である(表2)。化合物C、化合物D、化合物Eおよび化合物Fは、25℃でヒトVEGFR2−ECDに結合し、K
Dは、528pM〜1110pMである(表3)。これらの本発明の化合物は、ヒトAng2およびヒトVEGFR2の両方に高いアフィニティを示す。
【0094】
このアッセイに本質的に記載されるように行う実験において、化合物Fは、ヒトAng2に対し、化合物FのscFvポリペプチド部分と同じHCDRおよびLCDRを有するAng2抗体と匹敵する結合反応速度およびアフィニティを示した(表4および表5)。このことは、化合物FのscFvポリペプチド部分と同じHCDRおよびLCDRを有するAng2抗体の強力な結合反応速度が、化合物Fで保持されることを示す。
このアッセイに本質的に記載されるように行う実験において、化合物Fは、匹敵する高いアフィニティでヒト、カニクイザル、マウスウサギおよびイヌのAng2に結合し、化合物Fは、匹敵する高いアフィニティでヒト、カニクイザル、ウサギおよびイヌのVEGFR2に結合する。
【0095】
【表2】
【0096】
【表3】
【0097】
【表4】
【0098】
【表5】
【0099】
【表6】
【0100】
(ヒトTie2に対するヒトAng2の相互作用の阻害)
本発明の化合物による、ヒトAng2の受容体ヒトTie2に対するヒトAng2の結合の遮断を、固相in vitro ELISAアッセイによって測定してもよい。上述のin vitro細胞ベースアッセイを使用し、この化合物のscFvポリペプチド部分と同じHCDR配列およびLCDR配列を有するAng2抗体に対し、本発明の化合物の匹敵する遮断活性を確立してもよい。
【0101】
このアッセイのために、高結合性96ウェルELISAプレート(Costar 番号2592)を4μg/ml(100μl中)の組み換えヒトTie2−Fc(R&D Systems 番号313−TI)を用いて室温で一晩コーティングしてもよい。このプレートをTBST(0.05%のTween 20を含有するトリス緩衝生理食塩水)で3回洗浄してもよく、次いで、300μl/ウェルの遮断バッファー(0.5% BSA/D−PBS)(BSA:Jackson ImmunoResearch 番号001−000−162;IgGを含まず、プロテアーゼを含まない)を用い、オービタルシェーカー上、室温で1〜2時間かけて遮断してもよい。遮断工程の間、別個のプロピレンマルチウェルプレート中、75μlの2倍試験抗体(遮断バッファーで1:3で段階希釈された)を、75μlの2倍のビオチン化ヒトAng2(R&D Systems 番号BT623)(これも遮断バッファーで希釈)とともに加えてもよい。次いで、抗体/ビオチン化Ang2混合物を37℃で1時間インキュベートしてもよい(最終的なビオチン化Ang2濃度は100ng/mlであった)。Tie2−FcでコーティングされたELISAプレートから遮断溶液を除去してもよく、その後、50μl/ウェルの抗体/ビオチン化Ang2混合物を加えてもよい(ウェル2個ずつ)。次いで、プレートを、プレートシーラーで覆い、オービタルシェーカーの上で、室温で2時間インキュベートしてもよい。次いで、プレートを3回洗浄し、その後、100μl/ウェルのストレプトアビジン−HRP(R&D Systems 番号DY998、遮断バッファーで1:200に希釈されていてもよい)を加えてもよい。次いで、プレートを、プレートシーラーで覆い、オービタルシェーカーの上で、室温で45分間インキュベートしてもよい。次いで、プレートを再び、3回洗浄してもよい。
【0102】
次いで、100μl/ウェルのOne Component TMB基質(室温まで加温しておいてもよい)(Surmodics/BioFX Labs 番号TMBW−1000−01)を加えることによって、プレートを現像してもよい。室温で10分かけて現像を進めてもよい(プレートをアルミニウム箔で覆ってもよい)。100μl/ウェルの酸停止溶液(TMB停止溶液、Surmodics/BioFX Labs 番号LSTP−1000−01)を用い、現像を止めてもよい。プレートをオービタルシェーカー上で混合してもよく、その後、ELISAリーダー(Molecular Devices SpectraMax 190)で、SOFTmax PRO 5.4.1ソフトウエア(Molecular Devices Corp.)を用いて450nmで読み取ってもよい。A450値は、Tie−2−Fcに結合したままのビオチン化Ang2の量を反映している。A450値の減少は、Tie−2−Fcに対するビオチン化Ang2の結合の遮断を反映していた。
【0103】
Tie−2−Fcに対するAng2の結合阻害のIC50値を、GraphPad Prism 6を用い、Log変換されたX値を用いて計算してもよい。log変換されたデータについて非線形回帰(曲線あてはめ)分析(S字形の用量応答、傾き可変)を行い、IC50値を得てもよい。1回より多い実験が行われる場合、実験間の幾何平均IC50値(および信頼区間95%)を計算してもよい。
【0104】
このアッセイに本質的に記載されるように行う実験において、化合物Fと、化合物FのscFvポリペプチド部分と同じHCDRおよびLCDRを有するAng2抗体は、それぞれ、幾何平均IC50値(n=2)が0.034nMおよび0.027nMである。化合物Fは、用量依存的に、化合物FのscFvポリペプチド部分と同じHCDRおよびLCDRを有するAng2抗体に匹敵する程度まで、ヒトTie−2−Fcに対するヒトAng2の結合を遮断する。このデータは、化合物のAng2 scFvポリペプチド部分が、このアッセイで、Ang2抗体の有効性に匹敵する有効性を維持していることを示す。
【0105】
(Ang2の効果をなくすと、Tie2のリン酸化を誘発するが、Ang1が介在するリン酸化を誘発しない)
本発明の化合物による、ヒトAng2のin vitroでの細胞における阻害を、Ang1およびAng2が用量依存的な溶液でヒトTie2に結合し、ヒトTieリン酸化を誘発する細胞ベースアッセイで測定してもよい。in vitro細胞ベースアッセイを使用し、本発明の化合物が、Ang2の効果を選択的になくすが、Ang1が介在するTie−2受容体のリン酸化は効果は選択的になくさない能力について評価してもよい。Ang2抗体、Ang1抗体およびコントロールヒトIgG4 PAAアイソタイプ抗体は、それぞれ、ポジティブコントロールおよびネガティブコントロールとして含まれていてもよい。
【0106】
全長ヒトTie2受容体(C末端の3つのFLAGタグを有する)の安定なトランスフェクションによって、CHO−Tie2細胞株を作成してもよい。CHO−Tie2細胞を、Hams F−12(CellGro/Mediatech 番号10−080−CV)、10%熱不活化したFBS(Life Technologies/Invitrogen 番号10082−147)、1X 抗生物質−抗真菌薬(Life Technologies/Invitrogen 番号15240−062)、1.25mg/ml G418(Corning Cellgro 番号30−234−CI)、10μg/ml ピューロマイシン(Calbiochem 番号540411)および0.078% 炭酸水素ナトリウム(Thermo Hyclone 番号SH30033.01)の完全培地中で維持してもよい。
【0107】
このアッセイのために、内部の60ウェルのポリリジンコーティングされた96ウェルプレート(BD Biocoat 番号356640)中、CHO−Tie2細胞を10,000細胞/ウェル(100ul成長培地中)になるまで再懸濁させてもよい。200μlのD−PBSを、蒸発を低減するために、縁部のウェルに入れてもよい。細胞を37℃、95%RH、5%CO
2で一晩インキュベートしてもよい。次の日に、細胞を1回洗浄し、培地を、0.1% BSAを含有する100μlの無血清成長培地(Sigma 番号A7979、低内毒素)と置き換えてもよい。次いで、細胞を無血清培地中、37℃、95%RH、5%CO
2で7.5〜24時間かけて飢えさせてもよい。飢餓期間の間、化合物(最終濃度の6倍)を、ポリプロピレンプレート中、0.1%BSAを含有する無血清成長培地で、1:2で段階希釈してもよい。ヒトAng2(R&D Systems 番号623−AN、D−PBS/0.1%BSAで再構築)およびヒトAng1(R&D Systems 番号923−AN、D−PBS/0.1%BSAで再構築)も、0.1%BSAを含有する無血清成長培地で最終濃度の6倍まで希釈してもよい。次いで、ポリプロピレンプレート中、化合物およびAng2またはAng1のリガンドを1:1の比率で混合してもよく、37℃で1時間インキュベートしてもよい。次いで、化合物/リガンド混合物を50μl/ウェルで細胞に加えてもよく(処置あたり3個ずつのウェルで)、37℃、95%RH、5%CO
2で、13分〜21時間インキュベートしてもよい。化合物の最終濃度範囲は、0.0625〜283nMであってもよく、ヒトAng2およびAng1の最終濃度は、それぞれ、0.3μg/ml(約6nM)および0.5μg/ml(約8.9nM)であってもよい。インキュベーション時間後、細胞から培地をすばやく完全に除去してもよく、冷たい1X Tris Lysisバッファー(Meso Scale Discovery 番号R60TX;150mM NaCl、20mM Tris(pH7.5)、1mM EDTA、1mM EGTA、1% Triton X−100)60μl/ウェルに細胞を溶解してもよく、このバッファーは、新しく加えたプロテアーゼ阻害剤およびホスファターゼ阻害剤(1X プロテアーゼ阻害剤カクテル、Sigma 番号P8340;1X ホスファターゼ阻害剤カクテル2、Sigma 番号P5726;1X ホスファターゼ阻害剤カクテル3、Sigma 番号P0044;1mM 最終的な活性化されたオルトバナジウム酸ナトリウム(EMD Chemicals 番号567540))を含んでいてもよい。次いで、プレートを氷上に10分間置いてもよく、その後、低速のオービタルシェーカーの上に、4℃で25分間置いてもよい。次いで、プレートを密閉し、−80℃で凍結させてもよい。
【0108】
ホスホ−Tie2(R&D Systems製のヒトホスホ−Tie2 DuoSet ELISAキット、番号DYC2720)の分析をする前日に、高結合性ELISAプレート(Greiner BioOne、番号655081)を、1X ELISAコーティングバッファー(Surmodics/BioFX Labs 番号COAT−1000−01)中、4μg/mlマウス抗−ヒトの全Tie2捕捉抗体を用い、4℃で一晩コーティングしてもよい。
【0109】
ホスホ−Tie2測定の日に、溶解物を含有するプレートを氷上で解凍してもよい。コーティングされたELISAプレートを洗浄バッファー(0.05% Tween 20を含有する1X TBST)で洗浄し、300μl/ウェルの遮断バッファー(1% BSA(Jackson ImmunoResearch 番号001−000−162;IgGを含まず、プロテアーゼも含まない)、0.01%ナトリウムアジド)を用い、オービタルシェーカー上、(プレートシーラーで覆いつつ)室温で最短で1時間かけて遮断してもよい。遮断中、ポリプロピレンプレート中、溶解物を、プロテアーゼ阻害剤およびホスファターゼ阻害剤を含む冷たい溶解バッファーで1:5または1:10に希釈してもよい。ELISAプレートを遮断し、4回洗浄してもよく、100μl/ウェルの希釈した溶解物(またはホスホ−Tie2 ELISA標準)を加え、シーラーで覆い、オービタルシェーカー上、室温で2時間インキュベートしてもよい。プレートを4回洗浄してもよく、100μl/ウェルのHRPがコンジュゲートしたマウス抗−ホスホチロシン(バイアル上で、TBST/0.1%BSAで推奨されるように希釈)を加えてもよい。次いで、プレートをシーラーで覆い、オービタルシェーカー上、室温で2時間インキュベートしてもよい。次いで、プレートを6回洗浄してもよく、ウェルから確実に液体を除去してもよい。次いで、100μl/ウェルのOne Component TMB基質(Surmodics/BioFX Labs 番号TMBW−1000−01)を加えることによって、プレートを現像してもよい。アルミニウム箔で覆い、プレートを室温で20分または30分かけて現像してもよい。100μl/ウェルの酸停止溶液(TMB停止溶液、Surmodics/BioFX Labs 番号LSTP−1000−01)を用い、現像を止めてもよい。次いで、プレートをオービタルシェーカー上で混合してもよい。ELISAリーダー(Molecular Devices SpectraMax 190)で、SOFTmax PRO 5.4.1ソフトウエア(Molecular Devices Corp.)を用いて450nmで読み取ってもよい。サンプルのホスホ−Tie2値は、標準曲線から得られてもよく(4パラメータロジスティックフィッティング)、5または10の希釈因子を掛け算してもよい。阻害率は、以下の式によって計算されてもよい。(処置のpTie2値−Ang2のみの処置の平均pTie2値)/(pTie2のみの平均中央値−Ang2のみの処置の平均pTie2値)*100。
【0110】
Ang2によって誘発されるホスホ−Tie2の阻害のIC50値を、Log変換されたX値を用い、GraphPad Prism 4を用いて決定してもよい。log変換されたデータについて非線形回帰(曲線あてはめ)分析(S字形の用量応答、傾き可変)を行い、IC
50値を得てもよい。1回より多い実験が行われる場合、実験間の幾何平均IC
50値(および信頼区間95%)を計算してもよい。
【0111】
このアッセイに本質的に記載されるように行う実験において、化合物Fは、CHO−Tie2細胞において、ヒトAng2によって誘発されるホスホ−Tie2の効果を用量依存的になくし、このIC50は0.587nM(n=3)であり、一方、化合物FのscFvポリペプチド部分と同じHCDRおよびLCDRを有するAng2抗体は、IC50が0.773nMである。この結果は、化合物Fが、CHO−Tie−2において、ポジティブコントロールAng1抗体と比較して、Ang2によって誘発されるホスホ−Tie2の効果をなくすが、ヒトAng1によって誘発されるホスホ−Tie2の効果をなくさないことを示す。さらに、このデータは、化合物FのAng2 scFvポリペプチド部分が、このアッセイにおいて、化合物FのscFvポリペプチド部分と同じHCDRおよびLCDRを有するAng2抗体に匹敵する有効性を維持していることを示す。
【0112】
(VEGF165の効果をなくすと、VEGFR2のリン酸化を誘発した)
ヒトVEGFR2のin vitroでの細胞における阻害を、VEGFR2を発現する細胞株について、用量依存的な様式で、VEGFR2に対するVEGF165の結合が、VEGFR2リン酸化を誘発する細胞ベースアッセイで測定してもよい。上述のアッセイを使用し、本発明の化合物が、用量依存的な様式で、VEGF165が介在するVEGFR2受容体のリン酸化の効果を選択的になくす能力を評価してもよい。VEGFR2抗体および無関係な抗体ヒトIgG4 PAAアイソタイプは、それぞれ、ポジティブコントロールおよびネガティブコントロールとして含まれていてもよい。
【0113】
このアッセイのために、VEGFR2を発現するヒトECFC(臍帯血の内皮前駆細胞から誘導される、内皮コロニーを生成する細胞)(Endgenitor Technologies、ロット100506−14−P4、10〜12継代)を、内部の60ウェルのコラーゲンIコーティングされた96ウェルプレート(BD Biocoat 番号35−4407)中の成長培地:EGM−2MV BulletKit(Lonza 番号CC−4147)に14,000細胞/ウェル(100μl清澄培地中)で接種してもよい。これに含まれるEGM−2MV Singlequot袋の要素を500mlのEBM−2基本培地に加え、最終FBS濃度が10%になるように調節してもよい(Life Technologies/Invitrogen 番号10082−147、熱不活化したもの)。250μlの成長培地を、蒸発を低減するために、縁部のウェルに入れてもよい。細胞を37℃、95%RH、5%CO
2で一晩インキュベートしてもよい。次の日に、培地を除去し、0.1% BSAを含有する100μlの無血清成長培地(Sigma 番号A7979、低内毒素)と置き換えてもよい。次いで、細胞を、37℃、95%RH、5%CO
2で6時間半かけて飢えさせてもよい。飢餓期間の間、化合物(最終濃度の6倍)を、ポリプロピレンプレート中、EBM−2/0.1% BSAで、1:2で段階希釈してもよい。ヒトVEGF165を、EBM−2/0.1%BSAで最終濃度の6倍まで希釈してもよい。化合物(またはEBM−2/0.1% BSA培地のみ)を25μlで細胞に3個ずつ加えてもよく、細胞を37℃、95%RH、5%CO
2で45分間インキュベートしてもよい。細胞を、37℃、95%RH、5%CO
2で、25μlの6X VEGF165を用いて5分間処理してもよい(化合物の最終濃度範囲は、0.018〜300nMであってもよく、ヒトVEGF165の最終濃度は、0.16nMであってもよい)。培地を細胞から除去してもよく、細胞を、60μl/ウェルで、新しく加えた1X プロテアーゼ阻害剤およびホスファターゼ阻害剤(ホスホ−VEGFR2アッセイキットに含まれる)を含む冷たい1X Tris Lysis Buffer(Meso Scale Discovery 番号R60TX;150mM NaCl、20mM Tris(pH7.5)、1mM EDTA、1mM EGTA、1% Triton X−100)に溶解してもよい。プレートを氷上に10分間置いてもよく、その後、低速のオービタルシェーカーの上で、4℃で20分間置いてもよい。次いで、プレートを密閉し、−80℃で凍結させてもよい。
【0114】
ホスホ−VEGFR2の測定の日に、溶解物を含有するプレートを氷上で解凍してもよい。ホスホ−VEGFR2のレベルを、ホスホ−VEGFR2(Tyr1054)全細胞溶解物キット(Meso Scale Discovery 番号K151DJD)を用いて測定してもよい。ホスホ−VEGFR2に対する抗体であらかじめコーティングしたMeso Scaleアッセイプレートを、150μl/ウェルの遮断バッファー(TBST中の3%ブロッカーA)を用い、オービタルシェーカー上、(プレートシーラーで覆いつつ)室温で最短で1時間かけて遮断してもよい。プレートを1X Meso Scale洗浄バッファーで3回洗浄してもよく、ウェルあたり50μlの溶解物を加えてもよい(シーラーで覆い、オービタルシェーカー上、室温で1時間インキュベートしてもよい)。プレートを3回洗浄し、25μl/ウェルの1X MSD SULFO−TAG
TMがコンジュゲートした抗−全VEGFR2(製造業者の推奨する抗体希釈剤で希釈)を加えてもよく、プレートをシーラーで覆い、オービタルシェーカー上、室温で1時間インキュベートしてもよい。プレートを3回洗浄し、ウェルから確実に液体を除去してもよい。150ul/ウェルの1X ReadバッファーTをこのプレートに加えてもよく、Meso Scale Discovery SECTOR Imager MA6000ですぐに読み取ってもよい。阻害率は、以下の式によって計算されてもよい。(処置のシグナル値−VEGF+huIgG処置の平均シグナル値)/(飢餓培地のみの平均シグナル値−VEGF+huIgG 処置の平均シグナル値)*100。
【0115】
VEGF165によって誘発されるホスホ−VEGFR2の阻害のIC50値を、Log変換されたX値を用い、GraphPad Prism 6を用いて決定してもよい。log変換されたデータについて非線形回帰(曲線あてはめ)分析(S字形の用量応答、傾き可変)を行い、IC50値を得てもよい。1回より多い実験が行われる場合、実験間の幾何平均IC50値(および信頼区間95%)を計算してもよい。
【0116】
このアッセイに本質的に記載されるように行う実験において、化合物Fは、ECFCにおいて、ヒトVEGF165によって誘発されるホスホ−VEGFR2の効果を用量依存的になくし、IC50平均が0.83nM(n=3)であり、一方、IMC−1121Bは、IC50平均が0.52nM(n=3)である。このことは、この化合物のVEGFR2抗体部分は、この細胞ベースアッセイにおいて、IMC−1121Bに匹敵する化合物Fにおける有効性を維持していたことを示している。
【0117】
(VEGF165の効果をなくすと、細胞増殖を誘発した)
本発明の化合物による、ヒトVEGFR2のin vitroでの細胞における阻害を、VEGF165が、用量依存的な様式でヒトVEGFR2の増殖を誘発する細胞ベースアッセイで測定してもよい。本発明の化合物が、VEGFR2を介するヒトVEGF165によって誘発される増殖の効果をなくす能力を、ヒトHMVEC−d(皮膚微小血管内皮細胞)で測定してもよい。VEGFR2、Ang2および無関係なヒトIgG4 PAA抗体は、それぞれ、ポジティブコントロールおよびネガティブコントロールとして含まれていてもよい。
【0118】
新生男児の包皮からヒト皮膚微小血管内皮細胞を単離してもよく、CD31、VEGFR2およびアセチル化LDLの発現について確認してもよい。HMVEC−dを、500ml培地について示されるような完全成長培地MCDB131(Mediatech 番号15−100−CV)、2mM L−グルタミン(Thermo Scientific 番号SH30034.01)、1X ペニシリン−ストレプトマイシン(Life Technologies/Invitrogen 番号15140)、MGVS補助物質(Life Technologies/Invitrogen 番号S−005−25)中で維持してもよく、これに、4.9% FBS、1μg/ml ヒドロコルチゾン、3ng/ml ヒトFGF、10μg/ml ヘパリン、1ng/ml ヒトEGFおよび0.08mM ジブチリル環状AMPを含むように追加してもよい。
このアッセイのために、5継代でのHMVEC−d細胞を、あらかじめ加温しておいた清澄培地で1回洗浄してもよく、内部の60ウェルの壁が白く、底部が透明の96ウェルプレート(BD 番号35−3377)中、2,000細胞/ウェル(100μlの成長培地中)になるように再懸濁させてもよい。蒸発を低減するために、縁部のウェルに250μlの補助物質を含まない培地を加えてもよい。4倍濃度での化合物およびヒトVEGF165(Lot ALY−BE01241−033)を、ポリプロピレンプレート中、補助物質を含まない培地で1:4に段階希釈してもよい。化合物(または補助物質を含まない培地のみ)を、50μl/ウェルで3個ずつ細胞に加えてもよく、その後、50μl/ウェルの4X VEGF165に加えてもよい。プレートを37℃、95%RH、5%CO
2で5日間インキュベートしてもよい。化合物の最終濃度範囲は、0.012〜800nMであってもよく、ヒトVEGF165の最終濃度は、0.5nMであってもよい。
【0119】
インキュベーション期間の後、プレートおよびCellTiter Glo基質(Promega 番号G7571)を室温で30分間かけて平衡状態にしてもよい。100μl/ウェルのCellTiter Glo試薬を加えてもよく、プレートをオービタルシェーカーに室温で2分間置いてもよい。プレートをさらに10分間インキュベートし、次いで、Perkin Elmer Wallac Victor 3 Model 1420リーダーで発光を記録してもよい(積分時間1秒間)
【0120】
VEGF165によって誘発される増殖の阻害のIC
50値を、Log変換されたX値を用い、GraphPad Prism 6を用いて決定してもよい。培地のみの値を、曲線の最も高い点として含めてもよく、培地のみのX値(濃度)を、最も高いX値よりも10倍高い値に設定してもよい。また、VEGFのみの値を、曲線の最も低い点として含めてもよく、VEGFのみの濃度を、最も低いX値より100分の1低い値に設定してもよい。log変換されたデータについて非線形回帰(曲線あてはめ)分析(S字形の用量応答、傾き可変)を行い、IC50値を得てもよい。
【0121】
このアッセイに本質的に記載されるように行う実験において、化合物Fは、IMC−1121Bと同様に、ヒトVEGF165によって誘発されるHMVEC−dの増殖の効果を用量依存的になくし、IC
50平均は、それぞれ19.24nMおよび31.36nMである(n=2)。このことは、化合物のVEGFR2抗体部分が、この細胞ベースアッセイにおいて、IMC−1121Bに匹敵する化合物Fにおける有効性を維持していることを示す。
【0122】
(VEGF165によって誘発されるコード生成の阻害)
VEGFによって誘発されるコード生成のin vitroでの阻害を、in vitro同時培養系で測定してもよい。上述のアッセイを使用し、本発明の化合物による、VEGFによって誘発されるコード生成の阻害を測定してもよい。VEGFR2抗体は、ポジティブコントロールとして含まれてもよい。
【0123】
このアッセイのために、脂肪から誘導される幹細胞(ADSC;Lonza 番号PT5006、ロット番号OF4505−01)を、Corning培養フラスコ(Corning 番号431082)において、EGM−2MV培地(Lonza 番号CC3202)内で培養してもよい。内皮コロニーを生成する細胞(ECFC;Lonza、ロット番号EGT−ECFC100506r)を、コラーゲンIでコーティングされたフラスコ(BD Biosciences番号356486)において、5%熱不活化したFBS(Gibco 番号10082−147)を追加したEGM−2MV培地中で培養してもよい。4〜6継代のADSCを培養フラスコから集めてもよく、これをDPBS(Hyclone 番号SH30028.03)で洗浄した後、TrypLE Express(Gibco 番号12605−010)で洗浄してもよい。ADSC細胞を、10μg/ml インスリン、1μM デキサメタゾン、30μg/ml アスコルビン酸、10μg/ml ヒトトランスフェリンおよび50μg/ml トブラマイシン)を追加した基本培地(MCDC−131(Gibco 番号10372−019))に懸濁してもよい。生存細胞数を決定してもよく、細胞を、黒色の底が透明の96ウェルプレート(BD Falcon 番号353219)に、100μlの基本培地中、4×10
4細胞/ウェルになるように接種してもよい。細胞を37℃、5%CO2で一晩インキュベートし、固定してもよい。次の日に、7〜10継代のECFCを上述のように基本培地中に集めてもよく、生存細胞数を4×10
4細胞/mlに調節してもよい。ADSC細胞から培地を除去してもよく、100μlのECFC細胞懸濁物をそれぞれのウェルに加えてもよい。プレートを37℃、5%CO
2で2〜3時間インキュベートし、ADSC単層の上部に細胞を固定してもよい。IMC−1121Bおよび本発明の化合物を80μg/mlになるまで基本培地で希釈してもよく、次いで、基本培地を用いて1:3に段階希釈し、一連の9点の用量応答を作成してもよい。化合物のそれぞれの希釈物50μlを同時培養物に加えてもよい。基本培地中で調製した80ng/mlのrhVEGF溶液(R&D 番号293−VE/CF、DPBS中、50μg/ml)50μlを、同時培養物と化合物の組み合わせに加えてもよい。化合物およびrhVEGFの最終濃度は、それぞれ20μg/mlおよび20ng/mlであってもよい。このアッセイのポジティブコントロールは、化合物が存在せず、20ng/mlのrhVEGFを含んでいてもよい。このアッセイのネガティブコントロールは、rhVEGFを含まない基本培地を含んでいてもよい。次いで、プレートを37℃、5%CO
2で3日間インキュベートし、コードを作成してもよい。
【0124】
インキュベーション期間終了時に、それぞれのウェルから培地を吸引してもよく、100ulの室温の80%エタノールを注意深く加えてもよい。プレートを室温で20分間インキュベートしてもよい。エタノール溶液を吸引してもよく、ウェルを150ul DPBSで2回洗浄してもよい。抗−huCD31(R&D 番号AF806アフィニティ精製されたヒツジIgG、200ug/ml)およびMAB Anti−Actin,α−Smooth Muscle−Cy3(Sigma 番号C6198)を、それぞれ、2.5% FBS/DPBSで1:250に希釈してもよい。100μlの抗体混合物をこのウェルに加えてもよく、37℃、5%CO
2でプレートを2時間インキュベートしてもよい。次いで、プレートを吸引してもよく、ウェルを150ul DPBSで2回洗浄してもよい。Alexa Fluor 488ロバ抗−ヒツジIgG(H+L)(Life Technologies 番号A11015)を1:400に希釈してもよく、Hoescht 33342(Life Technologies 番号H3570)を2.5% FBS/DPBSで1:1000に希釈してもよく、100μl/ウェルをプレートに加えてもよい。光から保護し、プレートを室温で30分間インキュベートしてもよい。次いで、ウェルを150μl DPBSで2回洗浄してもよい。150μl DPBSをそれぞれのウェルに加えてもよく、プレートを黒色の接着シール(PerkinElmer 番号6050173)で密閉してもよい。
【0125】
Tube Formation Bio−applicationを用い、ArrayScan VTI HCS Reader(Cellomics−Thermo Fisher)でプレートを読み取ってもよい。全管領域(Total Tube Area)のデータを、GraphPad Prism 6で、化合物濃度に対してnMでプロットしてもよい。化合物濃度を、logデータに変換してもよく、阻害のIC
50値を非線形回帰(S字形の用量応答、傾き可変)によって計算してもよい。それぞれの実験は、3回分の平均を表していてもよく、3回分の実験は、幾何平均として表されてもよく、95%信頼区間が計算されてもよい。
【0126】
このアッセイに本質的に記載されるように行う実験において、化合物Fは、ADSC/ECFC同時培養系において、ヒトVEGFによって誘発されるコード生成を用量依存的にIMC−1121Bに匹敵する程度まで阻害し、平均IC
50は、それぞれ6.04nMおよび5.6nMである(n=3)。このことは、化合物のVEGFR2抗体部分が、この細胞ベースアッセイにおいて、IMC−1121Bに匹敵する化合物Fにおける有効性を維持していることを示す。
【0127】
(Ang2によって誘発される血管成長の抑制)
Ang2抗体による生理学的血管新生のin vivoでの抑制を、マウスの網膜の血管成長モデルにおいて測定してもよい。上述のアッセイを使用し、本発明の化合物が、マウス網膜における生理学的な血管新生を抑制する能力を試験してもよい。
【0128】
このアッセイのために、妊娠した雌マウスによって子マウスが生まれる日をP0(出生後日数0)と表記してもよい。出産後、匹敵する分子のモル量を維持するために、2日目および4日目(P2およびP4)の子マウスに、ビヒクルコントロール(PBS)または10mg/kgのAng2抗体または13.5mg/kgの化合物を注射してもよい。P5に、マウスを殺してもよく、眼を取り出してもよく、これをホルマリンで5時間かけて固定してもよく、PBSで洗浄してもよい。
【0129】
次いで、網膜を切除してもよく、1:200に希釈した抗−CD31(BD Pharmingen;クローンMEC13.3;Catalog 553370)および1:200に希釈した抗−SMA−FTIC(Sigma;Clone1A4 Catalog F3777)で染色してもよい。抗−CD31で処理された網膜について、1:400に希釈した抗−Rat Alexa−647(Jackson Immuno Research;Catalog 712−606−153)を二次抗体として使用してもよい。網膜の獲得を、Nikon Tiを用いて行ってもよく、血管の成長、漏出する端細胞の数および網状構造の再構築の定量化を、FIJIソフトウエアを用いて行ってもよい。共焦点Nikon A1を用い、高倍率画像を獲得してもよい。
【0130】
このアッセイに本質的に記載されるように行う実験において、化合物Fと、化合物FのscFvポリペプチド部分と同じHCDRおよびLCDRを有するAng−2Abは、匹敵する程度に血管の成長を抑制し、内皮端細胞の数および血管密度の両方を減少させ、周細胞の被覆率を高める(表7)。このin vivoモデルからのこれらの結果は、化合物のAng2 scFvポリペプチド部分が、化合物FのscFvポリペプチド部分と同じHCDRおよびLCDRを有するAng2抗体に匹敵する機能および有効性を維持していることを示す。
【0131】
【表7】
【0132】
(物理安定性、化学安定性および生成物の品質)
凝集度、発現中の均質性、物理安定性および化学安定性を含め、生成物の品質を評価し、課題を特定し、適切さを確認する。
【0133】
(遊離軽鎖のミスペアリング)
化合物A(配列番号38の2つの第1のポリペプチドおよび配列番号39の2つの第2のポリペプチド)および化合物B(配列番号40の2つの第1のポリペプチドおよび配列番号39の2つの第2のポリペプチド)の精製および分析の間に、化合物の抗体部分からの非共有結合性軽鎖の存在を検出する。ミスフォールディングされた種を除去するための精製によって所望の生成物の最終的な収率が悪くなる。化合物の抗体部分のVHおよびVLと、scFvポリペプチドのドメインの折りたたみとの界面の不安定性は、両方とも、この問題に関与していることがわかっている。この軽鎖ミスペアリングの問題をなくすために、化合物の抗体部分のフレームワーク中の突然変異が使用されるが、この問題は、単に減るだけであり、解決はしていない。scFvポリペプチド中の多くの生殖細胞系フレームワークを試したが、発現プロフィールは向上しない。望ましい許容レベルの軽鎖ミスペアリング結果を得るために、化合物の抗体部分のCDRおよびフレームワークの操作と、scFvポリペプチドの操作を組み合わせることが必要である。
【0134】
質量分光分析から、非共有結合により会合しているか、または共有結合した種として、化合物Aと会合する遊離LCの存在を確認する。LC会合率をさらに定量するために、HIC−HPLC(TSKゲルブチル−NPR 4.6mm ID×10cm、2.5um;TOSOH カタログ番号42168)方法を使用する。この分析において、タンパク質サンプルをButyl−NPRカラムに注入し、その疎水性に従って溶出させる。弱い疎水性相互作用によって、モノマー、凝集物および会合した種々の状態のLC種を、溶出中に逐次分離する。50mM リン酸カリウム、1M 硫酸アンモニウム(pH6.7)の1mg/mlバッファー溶液および50μgのサンプルをTSKgelブチル−NPRカラムに流速1ml/分でAgilent LC 1260システムに注入するように方法を改良した。50mMリン酸カリウムバッファー(pH6.7)中、1M 硫酸アンモニウムからゼロまでの塩勾配を用い、3個のタンパク質ピークが分離され、フラクション化される。それぞれのフラクション化されたピークをLCMSによって分離し、モノマーMab−scFv、1つの余分のシステイン化LCを含むビ−システイン化Mab−scFv、2つの余分なシステイン化LCを含むビ−システイン化Mab−scFvであると同定される。LCMSによって確認されたピークの割り当てを用い、最終的なクロマトグラフ(A214検出)を積分し、合計LC会合率を計算する。
【0135】
上述のように行われた実験において、酸化を固定するための化合物BのM111L突然変異を有する化合物は、55%のLC会合度を示すことがわかった。VR2およびフレームワークの可変ドメインの操作によって、最終的な分子である化合物C、化合物D、化合物Eおよび化合物Fは、HIC−HPLC分析によって検出される場合、検出可能なLCの会合を示さなかったことがわかった(表8)。
【0136】
【表8】
【0137】
(Mab−ダイアボディの作成)
本発明の化合物におけるMab−ダイアボディ/Mab−scFv比率の測定を容易にするために、以下の処理を行う。典型的には、20μgの本発明の化合物を、Amicon Ultra−0.5mL遠心分離濾過デバイスを用い、150mMの塩化ナトリウムを含有する50mMのリン酸ナトリウム(pH6.6)とバッファーを交換する。サンプルを、約30μlになるまで濃縮し、次いで、1μlの新たに調製したFABricator酵素(Genovis、カタログ番号A0−FR1−020;2000Uを30μlのddH
2Oに溶解)を加え、37℃で一晩インキュベートする。消化したサンプル(1μl)について、Waters Xevo G2−S質量分析計を取り付けたWaters Acquity UPLCで、LC/UV/MS分析を行う。サンプルをPLRP−S 50×1.0mm、1000Å、5um逆相カラム(Proxeon、カタログ番号PL1312−1502)に流速0.3ml/分、カラム温度80℃で入れる。アセトニトリル中、TEAの勾配を用い、サンプルをカラムから溶出させる。溶出物を、この流れを用いて最初に214nmのUVによって分析し、次いで、高感度モード、正の極性を用い、獲得範囲400〜4000m/zでの分析のために質量分析計に向かわせる。
【0138】
このアッセイに本質的に記載されるように行う実験において、化合物Bは、1%未満のMab−ダイアボディを示す。酸化および軽鎖ミスペアリングの問題を減らすために化合物Bに対して行われたすべての改変を組み込んだ化合物C、化合物Dおよび化合物Eは、驚くべきことに、約5〜6%のMab−ダイアボディを有していた。化合物Fに組み込まれる配列の変化は、化合物Bに匹敵する1%未満のMab−ダイアボディを含むMab−ダイアボディ率であった。
【0139】
(酸化)
温度保持ストレスにさらし得るさまざまな配合状態を製造することによって、本発明の化合物の化学安定性を評価してもよい。化学安定性の変化を、確立されたLCMSペプチドマッピング技術によってモニタリングしてもよい。簡単にいうと、試験物を得て、10mM クエン酸塩、pH 5.0、10mM クエン酸塩、pH6.5、1X PBS、pH7.4および10mM Tris、pH8.0の配合バッファーで最終濃度1mg/mlまで希釈し、それぞれのバッファー中、4℃で排他的に透析し、確実に完全にバッファーを交換してもよい。次いで、バッファーを交換したサンプルを、4℃または40℃で4週間インキュベートしてもよく、その後、サンプルを以下のようにLCMSによって分析してもよい。ストレスを受けた材料を、8Mグアニジンにバッファー交換し、DTTを用いた還元前に変性させ、その後のヨードアセトアミドによるアルキル化を行ってもよい。次いで、還元し、アルキル化したタンパク質を、Tris(pH7.5)とバッファー交換し、20:1のモル比で、37℃で4時間、トリプシンで消化してもよい。1μLの氷酢酸を加え、消化を止めてもよい。消化したペプチドフラグメントの分離は、0.2%ギ酸水溶液であらかじめ平衡状態にしたZorbax 1.8μm C18 2.1mm×50mmに捕捉し、その後に、0.3ml/分で操作された0.2%ギ酸アセトニトリル溶液を用いて溶出させることによって達成されてもよい。溶出したペプチドを、1走査/秒で300m/z〜2000m/zの陽イオンモードで走査するように設定されたAgilent ESI−QTOFセットを用い、すぐに分析してもよい。ESI源を、4000Vに設定し、温度を350℃に設定して、ネブライザガスを40psiに、コーンガスを12psiに設定してもよい。Agilent Mass Hunter Bio−confirmソフトウエアを使用し、トリプチンペプチドマススペクトルをタンパク質配列にアラインメントしてもよい。
【0140】
このアッセイに本質的に記載されるように行う実験において、化合物Bは、pH8.0、40℃での温度ストレスにさらされたとき、化合物のVEGFR2抗体部分の重鎖について、位置M111での14.2%の酸化を示す。この位置での酸化に関連する問題を回避するために、化合物C、D、EおよびFにおいてメチオニン111をロイシンに変える1つの部分突然変異を行い、この位置での化学修飾の可能性をなくす。
【0141】
(雄カニクイザルに対する1回の静脈内投薬後の血漿薬物動態(PK)および薬力学(PD))
カニクイザルにおいて、1回の静脈内投薬の後に、本発明の化合物のPKおよびPDを測定してもよい。
【0142】
雄カニクイザル(n=2/群)を、本発明の化合物の1回の静脈内投薬量を投与してもよい。血液を投薬から2〜672時間後にサンプリングし、3つのELISA方法を用い、化合物の血漿中濃度を定量するために血漿を単離してもよい。
【0143】
全ヒトIgG方法は、ELISAフォーマットを利用し、本発明の化合物の濃度を測定してもよい(全ヒトIgG)。標準、コントロールおよび試験サンプルを、マイクロタイタープレートに固定されたヤギ抗−ヒトF(ab’)2とともにインキュベートしてもよい。インキュベーション後、マウス抗−ヒトIgG
4−HRP(西洋ワサビペルオキシダーゼ)をウェルに加えてもよい。結合していない酵素を洗い流したら、SureBlue(登録商標)TMB(テトラメチルベンジジン)基質溶液をウェルに加えてもよい。酸性溶液を加えることによって発色現像を止めてもよく、光学密度を、630nmに対して波長補正の設定を用い、450nmで測定してもよい。アッセイ範囲は、30〜700ng/mlであってもよい。
【0144】
VEGFR2抗原捕捉方法は、本発明の化合物の濃度を測定するためのELISAフォーマットを利用してもよい(VEGFR2抗原の捕捉)。標準、コントロールおよび試験サンプルを、ヒトVEGFR2でコーティングされたマイクロタイタープレートでインキュベートしてもよい。インキュベーション後、マウス抗−ヒトIgG
4−HRP(西洋ワサビペルオキシダーゼ)をウェルに加えてもよい。結合していない酵素を洗い流したら、SureBlue(登録商標)TMB(テトラメチルベンジジン)基質溶液をウェルに加えてもよい。酸性溶液を加えることによって発色現像を止めてもよく、光学密度を、630nmに対して波長補正の設定を用い、450nmで測定してもよい。アッセイ範囲は、80〜2000ng/mlであってもよい。
【0145】
Ang2抗原捕捉方法は、本発明の化合物の濃度を測定するためのELISAフォーマットを利用してもよい(Ang2抗原の捕捉)。標準、コントロールおよび試験サンプルを、Ang2でコーティングされたマイクロタイタープレートでインキュベートしてもよい。インキュベーション後、マウス抗−ヒトIgG
4−HRP(西洋ワサビペルオキシダーゼ)をウェルに加える。結合していない酵素を洗い流したら、SureBlue(登録商標)TMB(テトラメチルベンジジン)基質溶液をウェルに加えてもよい。酸性溶液を加えることによって発色現像を止めてもよく、光学密度を、630nmに対して波長補正の設定を用い、450nmで測定してもよい。アッセイ範囲は、30〜700ng/mlであってもよい。
【0146】
Phoenix WinNonlin 6.3を用い、ノンコンパートメント分析を行ってもよい。SigmaPlot v11を用いてプロットを作成してもよく、Microsoft Excel 2010を用いてデータ処理を行ってもよい。
【0147】
このアッセイに本質的に記載されるように行う実験において、化合物Eおよび化合物Fについて、1、10および25mg/kgを1回投薬した後、PKを測定した。化合物Eについて、3種類すべてのアッセイで測定される場合、最終的な半減期は、投薬群に依存して、8.96〜37.9時間の範囲内であり(表9)、一方、化合物Fの最終的な半減期は、投薬群に依存して、18.6〜79.5時間の範囲内であった(表10)。これらの結果は、3種類の異なる結合活性、化合物の異なる部分のそれぞれの測定から得られ、それぞれ、化合物Eと比較して、化合物Fの最終的な半減期が高いことが示される。
【0148】
【表9】
【0149】
【表10】
【0150】
[配列表]
アミノ酸およびヌクレオチド配列
配列番号1(抗体のHCVR−化合物C)
EVQLVQSGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYSMNWVRQAPGKGLEWVSAISSSSSYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVTEAFDIWGQGTLVTVSS
配列番号2(抗体のHCVR−化合物D)
EVQLVQSGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYSMLWVRQAPGKGLEWVSAISSSSSYTYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVTDAFDIWGQGTLVTVSS
配列番号3(抗体のHCVR−化合物E)
EVQLVQSGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYSMNWVRQAPGKGLEWVSAISSSSSYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVTDAFDIWGQGTLVTVSS
配列番号4(抗体のHCVR−化合物F)
EVQLVQSGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYSMLWVRQAPGKGLEWVSAISSSSSYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVTDAFDIWGQGTLVTVSS
配列番号5(抗体のHC−化合物C)
EVQLVQSGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYSMNWVRQAPGKGLEWVSAISSSSSYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVTEAFDIWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG
配列番号6(抗体のHC−化合物D)
EVQLVQSGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYSMLWVRQAPGKGLEWVSAISSSSSYTYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVTDAFDIWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG
配列番号7(抗体のHC−化合物E)
EVQLVQSGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYSMNWVRQAPGKGLEWVSAISSSSSYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVTDAFDIWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG
配列番号8(抗体のHC−化合物F)
EVQLVQSGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYSMLWVRQAPGKGLEWVSAISSSSSYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVTDAFDIWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG
配列番号9(抗体のHC/リンカー/scFvポリペプチド−化合物C)
EVQLVQSGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYSMNWVRQAPGKGLEWVSAISSSSSYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVTEAFDIWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGGGGSGGGGSGGGGSQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTDYNMVWVRQAPGQCLEWMGYIDPYNGGTGYNQKFEGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARTRDRYDVWYFDVWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSVSASVGDRVTITCKASQDVYIAVAWYQQKPGKAPKLLIYWASTRDTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYSSYPPTFGCGTKVEIK
配列番号10(抗体のHC/リンカー/scFvポリペプチド−化合物D)
EVQLVQSGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYSMLWVRQAPGKGLEWVSAISSSSSYTYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVTDAFDIWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGGGGSGGGGSGGGGSQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTDYNMVWVRQAPGQCLEWMGYIDPYNGGTGYNQKFEGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARTRDRYDVWYFDVWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSVSASVGDRVTITCKASQDVYIAVAWYQQKPGKAPKLLIYWASTRDTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYSSYPPTFGCGTKVEIK
配列番号11(抗体のHC/リンカー/scFvポリペプチド−化合物E)
EVQLVQSGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYSMNWVRQAPGKGLEWVSAISSSSSYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVTDAFDIWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGGGGSGGGGSGGGGSQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTDYNMVWVRQAPGQCLEWMGYIDPYNGGTGYNQKFEGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARTRDRYDVWYFDVWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSVSASVGDRVTITCKASQDVYIAVAWYQQKPGKAPKLLIYWASTRDTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYSSYPPTFGCGTKVEIK
配列番号12(抗体のHC/リンカー/scFvポリペプチド−化合物F)
EVQLVQSGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYSMLWVRQAPGKGLEWVSAISSSSSYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVTDAFDIWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGGGGSGGGGSGGGGSDIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKASQDVYIAVAWYQQKPGQPPKLLIYWASTRDTGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCHQYSSYPPTFGCGTKVEIKGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSQVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYSFTDYNMVWVRQAPGQCLEWMGYIDPYNGGTGYNQKFEGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARTRDRYDVWYFDVWGQGTLVTVSS
配列番号13(抗体のLCVR−化合物Cおよび化合物F)
DIQMTQSPSSVSASVGDRVTITCRASRGIDNWLTWYQQKPGKAPKLLIYEASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQAKAFPPTFGGGTKVDIK
配列番号14(抗体のLCVR−化合物D)
DIQMTQSPSSVSASVGDRVTITCRASQGIDNWLTWYQQKPGKAPKLLIVEASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQAKRFPPTFGGGTKVDIK
配列番号15(抗体のLCVR−化合物E)
DIQMTQSPSSVSASVGDRVTITCRASQGIDNWLTWYQQKPGKAPKLLIVEASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQAKAFPPTFGGGTKVDIK
配列番号16(抗体のLC−化合物Cおよび化合物F)
DIQMTQSPSSVSASVGDRVTITCRASRGIDNWLTWYQQKPGKAPKLLIYEASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQAKAFPPTFGGGTKVDIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号17(抗体のLC−化合物D)
DIQMTQSPSSVSASVGDRVTITCRASQGIDNWLTWYQQKPGKAPKLLIVEASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQAKRFPPTFGGGTKVDIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号18(抗体のLC−化合物E)
DIQMTQSPSSVSASVGDRVTITCRASQGIDNWLTWYQQKPGKAPKLLIVEASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQAKAFPPTFGGGTKVDIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号19(scFvポリペプチド−化合物C、化合物D、化合物E)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTDYNMVWVRQAPGQCLEWMGYIDPYNGGTGYNQKFEGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARTRDRYDVWYFDVWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSVSASVGDRVTITCKASQDVYIAVAWYQQKPGKAPKLLIYWASTRDTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYSSYPPTFGCGTKVEIK
配列番号20(scFvポリペプチド−化合物F)
DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKASQDVYIAVAWYQQKPGQPPKLLIYWASTRDTGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCHQYSSYPPTFGCGTKVEIKGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSQVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYSFTDYNMVWVRQAPGQCLEWMGYIDPYNGGTGYNQKFEGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARTRDRYDVWYFDVWGQGTLVTVSS
配列番号21(ScFvポリペプチドのHCVR−化合物C、化合物D、化合物E)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTDYNMVWVRQAPGQCLEWMGYIDPYNGGTGYNQKFEGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARTRDRYDVWYFDVWGQGTLVTVSS
配列番号22(ScFvポリペプチドのHCVR−化合物F)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYSFTDYNMVWVRQAPGQCLEWMGYIDPYNGGTGYNQKFEGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARTRDRYDVWYFDVWGQGTLVTVSS
配列番号23(ScFvポリペプチドのLCVR−化合物C、化合物D、化合物E)
DIQMTQSPSSVSASVGDRVTITCKASQDVYIAVAWYQQKPGKAPKLLIYWASTRDTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYSSYPPTFGCGTKVEIK
配列番号24(ScFvポリペプチドのLCVR−化合物F)
DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKASQDVYIAVAWYQQKPGQPPKLLIYWASTRDTGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCHQYSSYPPTFGCGTKVEIK
配列番号25(抗体のHC/リンカー/scFvポリペプチドのDNA−化合物C)
GAGGTCCAGCTGGTGCAGTCTGGGGGAGGCCTGGTCAAGCCTGGGGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTCAGTAGCTATAGCATGAACTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGGGGCTGGAGTGGGTCTCAGCCATTAGTAGTAGTAGTAGTTACATATACTACGCAGACTCAGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCACTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCTGTGTATTACTGTGCGAGAGTCACAGAGGCTTTTGATATCTGGGGCCAAGGGACACTGGTCACCGTCTCAAGCGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCGCTAGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGGCCGCCGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAAAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCTGGGTGGCGGAGGCTCCGGGGGAGGGGGTAGCGGAGGAGGGGGATCCCAGGTTCAGCTGGTGCAGTCTGGAGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGTTACTCATTCACTGACTACAACATGGTGTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAATGCCTTGAGTGGATGGGATATATTGATCCTTACAATGGTGGTACTGGCTACAACCAGAAGTTCGAGGGCAGAGTCACCATGACCACAGACACATCCACGAGCACAGCCTACATGGAGCTGAGGAGCCTGAGATCTGACGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGAACGAGGGATAGATACGACGTCTGGTACTTCGATGTCTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGGAGGCGGAGGTTCCGGGGGAGGGGGCAGCGGAGGAGGCGGATCGGGCGGAGGAGGAAGTGGAGGCGGAGGCAGCGACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCTTCCGTGTCTGCATCTGTTGGCGACAGAGTCACCATCACTTGTAAGGCCAGTCAGGATGTGTATATTGCTGTAGCCTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTATTGGGCATCCACCCGGGACACTGGGGTCCCATCAAGGTTCAGCGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTGCAGCCTGAAGATTTTGCAACTTACTATTGTCACCAATATAGCAGCTATCCTCCTACGTTCGGCTGCGGGACCAAGGTGGAGATCAAA
配列番号26(抗体のLCのDNA−化合物Cおよび化合物F)
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCTTCTGTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGTCGGGCGAGTCGTGGTATTGACAACTGGTTAACGTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATTTACGAAGCATCCAGTTTGCAATCAGGGGTCCCATCAAGGTTCAGCGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACTATCAGCAGCCTGCAGCCTGAAGATTTTGCAACTTACTATTGTCAACAAGCTAAGGCTTTTCCTCCCACTTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGACATCAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGC
配列番号27(抗体のHC/リンカー/scFvポリペプチドのDNA−化合物D)
GAGGTCCAGCTGGTGCAGTCTGGGGGAGGCCTGGTCAAGCCTGGGGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTCAGTAGCTATAGCATGCTTTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGGGGCTGGAGTGGGTCTCAGCCATTAGTAGTAGTAGTAGTTACACCTACTACGCAGACTCAGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCACTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCTGTGTATTACTGTGCGAGAGTCACAGATGCTTTTGATATCTGGGGCCAAGGGACACTGGTCACCGTCTCAAGCGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCGCTAGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGGCCGCCGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAAAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCTGGGTGGCGGAGGCTCCGGGGGAGGGGGTAGCGGAGGAGGGGGATCCCAGGTTCAGCTGGTGCAGTCTGGAGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGTTACTCATTCACTGACTACAACATGGTGTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAATGCCTTGAGTGGATGGGATATATTGATCCTTACAATGGTGGTACTGGCTACAACCAGAAGTTCGAGGGCAGAGTCACCATGACCACAGACACATCCACGAGCACAGCCTACATGGAGCTGAGGAGCCTGAGATCTGACGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGAACGAGGGATAGATACGACGTCTGGTACTTCGATGTCTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGGAGGCGGAGGTTCCGGGGGAGGGGGCAGCGGAGGAGGCGGATCGGGCGGAGGAGGAAGTGGAGGCGGAGGCAGCGACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCTTCCGTGTCTGCATCTGTTGGCGACAGAGTCACCATCACTTGTAAGGCCAGTCAGGATGTGTATATTGCTGTAGCCTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTATTGGGCATCCACCCGGGACACTGGGGTCCCATCAAGGTTCAGCGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTGCAGCCTGAAGATTTTGCAACTTACTATTGTCACCAATATAGCAGCTATCCTCCTACGTTCGGCTGCGGGACCAAGGTGGAGATCAAA
配列番号28(抗体のLCのDNA−化合物D)
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCTTCTGTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGTCGGGCGAGTCAGGGTATTGACAACTGGTTAACGTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCGTCGAGGCATCCAGTTTGCAATCAGGGGTCCCATCAAGGTTCAGCGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACTATCAGCAGCCTGCAGCCTGAAGATTTTGCAACTTACTATTGTCAACAGGCTAAGAGGTTTCCTCCCACTTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGACATCAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGC
配列番号29(抗体のHC/リンカー/scFvポリペプチドのDNA−化合物E)
GAGGTCCAGCTGGTGCAGTCTGGGGGAGGCCTGGTCAAGCCTGGGGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTCAGTAGCTATAGCATGAACTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGGGGCTGGAGTGGGTCTCAGCGATTAGTAGTAGTAGTAGTTACATATACTACGCAGACTCAGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCACTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCTGTGTATTACTGTGCGAGAGTCACAGATGCTTTTGATATCTGGGGCCAAGGGACACTGGTCACCGTCTCAAGCGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCGCTAGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGGCCGCCGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAAAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCTGGGTGGCGGAGGCTCCGGGGGAGGGGGTAGCGGAGGAGGGGGATCCCAGGTTCAGCTGGTGCAGTCTGGAGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGTTACTCATTCACTGACTACAACATGGTGTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAATGCCTTGAGTGGATGGGATATATTGATCCTTACAATGGTGGTACTGGCTACAACCAGAAGTTCGAGGGCAGAGTCACCATGACCACAGACACATCCACGAGCACAGCCTACATGGAGCTGAGGAGCCTGAGATCTGACGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGAACGAGGGATAGATACGACGTCTGGTACTTCGATGTCTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGGAGGCGGAGGTTCCGGGGGAGGGGGCAGCGGAGGAGGCGGATCGGGCGGAGGAGGAAGTGGAGGCGGAGGCAGCGACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCTTCCGTGTCTGCATCTGTTGGCGACAGAGTCACCATCACTTGTAAGGCCAGTCAGGATGTGTATATTGCTGTAGCCTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCTATTGGGCATCCACCCGGGACACTGGGGTCCCATCAAGGTTCAGCGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTGCAGCCTGAAGATTTTGCAACTTACTATTGTCACCAATATAGCAGCTATCCTCCTACGTTCGGCTGCGGGACCAAGGTGGAGATCAAA
配列番号30(抗体のLCのDNA−化合物E)
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCTTCTGTGTCTGCATCTGTAGGAGACAGAGTCACCATCACTTGTCGGGCGAGTCAGGGTATTGACAACTGGTTAACGTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCGTCGAGGCATCCAGTTTGCAATCAGGGGTCCCATCAAGGTTCAGCGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACTATCAGCAGCCTGCAGCCTGAAGATTTTGCAACTTACTATTGTCAACAGGCTAAGGCTTTTCCTCCCACTTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGACATCAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGC
配列番号31(抗体のHC/リンカー/scFvポリペプチドのDNA−化合物F)
GAGGTCCAGCTGGTGCAGTCTGGGGGAGGCCTGGTCAAGCCTGGGGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTCAGTAGCTATAGCATGCTTTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGGGGCTGGAGTGGGTCTCAGCCATTAGTAGTAGTAGTAGTTACATATACTACGCAGACTCAGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCACTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCTGTGTATTACTGTGCGAGAGTCACAGATGCTTTTGATATCTGGGGCCAAGGGACACTGGTCACCGTCTCAAGCGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCGCTAGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGGCCGCCGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAAAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCTGGGTGGCGGAGGCTCCGGGGGAGGGGGTAGCGGAGGAGGGGGATCCGACATCGTGATGACCCAGTCTCCAGACTCCCTGGCTGTGTCTCTGGGCGAGAGGGCCACCATCAACTGCAAGGCCAGTCAGGATGTGTATATTGCTGTAGCCTGGTACCAGCAGAAACCAGGACAGCCTCCTAAGCTGCTCATTTACTGGGCATCCACCCGGGACACTGGGGTCCCTGACCGATTCAGTGGCAGCGGGTCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTGCAGGCTGAAGATGTGGCAGTTTATTACTGTCACCAATATAGCAGCTATCCTCCTACGTTCGGCTGCGGGACCAAGGTGGAGATCAAAGGTGGCGGAGGATCTGGTGGAGGTGGCTCAGGAGGTGGCGGAAGCGGCGGAGGTGGAAGTCAGGTGCAGCTGGTGCAGTCTGGGGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGTCCTCGGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGTTACTCATTCACTGACTACAACATGGTGTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAATGCCTTGAGTGGATGGGATATATTGATCCTTACAATGGTGGTACTGGCTACAACCAGAAGTTCGAGGGCAGAGTCACGATTACCGCGGACGAATCCACGAGCACAGCCTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGAACGAGGGATAGGTACGACGTCTGGTACTTCGATGTCTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号32(ヒトVEGFR2 ECD)
ASVGLPSVSLDLPRLSIQKDILTIKANTTLQITCRGQRDLDWLWPNNQSGSEQRVEVTECSDGLFCKTLTIPKVIGNDTGAYKCFYRETDLASVIYVYVQDYRSPFIASVSDQHGVVYITENKNKTVVIPCLGSISNLNVSLCARYPEKRFVPDGNRISWDSKKGFTIPSYMISYAGMVFCEAKINDESYQSIMYIVVVVGYRIYDVVLSPSHGIELSVGEKLVLNCTARTELNVGIDFNWEYPSSKHQHKKLVNRDLKTQSGSEMKKFLSTLTIDGVTRSDQGLYTCAASSGLMTKKNSTFVRVHEKPFVAFGSGMESLVEATVGERVRIPAKYLGYPPPEIKWYKNGIPLESNHTIKAGHVLTIMEVSERDTGNYTVILTNPISKEKQSHVVSLVVYVPPQIGEKSLISPVDSYQYGTTQTLTCTVYAIPPPHHIHWYWQLEEECANEPSQAVSVTNPYPCEEWRSVEDFQGGNKIEVNKNQFALIEGKNKTVSTLVIQAANVSALYKCEAVNKVGRGERVISFHVTRGPEITLQPDMQPTEQESVSLWCTADRSTFENLTWYKLGPQPLPIHVGELPTPVCKNLDTLWKLNATMFSNSTNDILIMELKNASLQDQGDYVCLAQDRKTKKRHCVVRQLTVLERVAPTITGNLENQTTSIGESIEVSCTASGNPPPQIMWFKDNETLVEDSGIVLKDGNRNLTIRRVRKEDEGLYTCQACSVLGCAKVEAFFIIEGAQEKTNLE
配列番号33(ヒトAng2)
YNNFRKSMDSIGKKQYQVQHGSCSYTFLLPEMDNCRSSSSPYVSNAVQRDAPLEYDDSVQRLQVLENIMENNTQWLMKLENYIQDNMKKEMVEIQQNAVQNQTAVMIEIGTNLLNQTAEQTRKLTDVEAQVLNQTTRLELQLLEHSLSTNKLEKQILDQTSEINKLQDKNSFLEKKVLAMEDKHIIQLQSIKEEKDQLQVLVSKQNSIIEELEKKIVTATVNNSVLQKQQHDLMETVNNLLTMMSTSNSAKDPTVAKEEQISFRDCAEVFKSGHTTNGIYTLTFPNSTEEIKAYCDMEAGGGGWTIIQRREDGSVDFQRTWKEYKVGFGNPSGEYWLGNEFVSQLTNQQRYVLKIHLKDWEGNEAYSLYEHFYLSSEELNYRIHLKGLTGTAGKISSISQPGNDFSTKDGDNDKCICKCSQMLTGGWWFDACGPSNLNGMYYPQRQNTNKFNGIKWYYWKGSGYSLKATTMMIRPADF
配列番号34
GGGGSGGGGS
配列番号35
GGGGSGGGGSGGGGS
配列番号36
GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS
配列番号37
GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS
配列番号38(抗体のHC/リンカー/scFvポリペプチド−化合物A)
EVQLVQSGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYSMNWVRQAPGKGLEWVSSISSSSSYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVTDAFDIWGQGTMVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGGSGGGGSQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTDYNMVWVRQAPGQCLEWMGYIDPYNGGTGYNQKFEGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARTRDRYDVWYFDVWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSVSASVGDRVTITCKASQDVYIAVAWYQQKPGKAPKLLIYWASTRDTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYSSYPPTFGCGTKVEIK
配列番号39(抗体のLC−化合物Aおよび化合物B)
DIQMTQSPSSVSASIGDRVTITCRASQGIDNWLGWYQQKPGKAPKLLIYDASNLDTGVPSRFSGSGSGTYFTLTISSLQAEDFAVYFCQQAKAFPPTFGGGTKVDIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号40(抗体のHC/リンカー/scFvポリペプチド−化合物B)
EVQLVQSGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYSMNWVRQAPGKGLEWVSSISSSSSYIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVTDAFDIWGQGTMVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGGGGSGGGGSGGGGSQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTDYNMVWVRQAPGQCLEWMGYIDPYNGGTGYNQKFEGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARTRDRYDVWYFDVWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSVSASVGDRVTITCKASQDVYIAVAWYQQKPGKAPKLLIYWASTRDTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCHQYSSYPPTFGCGTKVEIK
【0151】
本発明は以下を提供する。
[1]
化合物であって、
2つの一本鎖フラグメント可変(scFv)ポリペプチドに2つのリンカーによって融合した抗体を含み、
(a)この抗体が、2つの同一の重鎖(HC)と2つの同一の軽鎖(LC)とを含み、それぞれのHCが、アミノ酸配列が配列番号1、配列番号2、配列番号3または配列番号4によって与えられる重鎖可変領域(HCVR)を含み、それぞれのLCが、アミノ酸配列が配列番号13、配列番号14または配列番号15によって与えられる軽鎖可変領域(LVCR)を含み、
(b)2つのscFvポリペプチドが同一であり、それぞれが、LCVRに作動可能に連結するHCVRを含み、それぞれのHCVRが、配列番号21または配列番号22に与えられるアミノ酸配列を有し、それぞれのLCVRが、配列番号23または配列番号24に与えられるアミノ酸配列を有し、
(c)2つのリンカーが、scFvポリペプチドの1つのアミノ末端に対し、抗体の1つのHCのカルボキシ末端にそれぞれ作動可能に連結する、同一のグリシンを豊富に含むリンカーである、化合物。
[2]
2つのscFvポリペプチドが、それぞれ、1つのscFvポリペプチドのHCVRのアミノ末端に作動可能に連結する1つのscFvポリペプチドのLCVRのカルボキシ末端を含む、請求項1に記載の化合物。
[3]
抗体のそれぞれのHCVRは、配列番号1に与えられるアミノ酸配列を有し、抗体のそれぞれのLCVRは、配列番号13に与えられるアミノ酸配列を有し、scFvポリペプチドのそれぞれのHCVRは、配列番号21に与えられるアミノ酸配列を有し、scFvポリペプチドのそれぞれのLCVRは、配列番号23に与えられるアミノ酸配列を有する、請求項1または2に記載の化合物。
[4]
抗体のそれぞれのHCVRは、配列番号2に与えられるアミノ酸配列を有し、抗体のそれぞれのLCVRは、配列番号14に与えられるアミノ酸配列を有し、scFvポリペプチドのそれぞれのHCVRは、配列番号21に与えられるアミノ酸配列を有し、scFvポリペプチドのそれぞれのLCVRは、配列番号23に与えられるアミノ酸配列を有する、請求項1または2に記載の化合物。
[5]
抗体のそれぞれのHCVRは、配列番号3に与えられるアミノ酸配列を有し、抗体のそれぞれのLCVRは、配列番号15に与えられるアミノ酸配列を有し、scFvポリペプチドのそれぞれのHCVRは、配列番号21に与えられるアミノ酸配列を有し、scFvポリペプチドのそれぞれのLCVRは、配列番号23に与えられるアミノ酸配列を有する、請求項1または2に記載の化合物。
[6]
抗体のそれぞれのHCVRは、配列番号4に与えられるアミノ酸配列を有し、抗体のそれぞれのLCVRは、配列番号13に与えられるアミノ酸配列を有し、scFvポリペプチドのそれぞれのHCVRは、配列番号22に与えられるアミノ酸配列を有し、scFvポリペプチドのそれぞれのLCVRは、配列番号24に与えられるアミノ酸配列を有する、請求項1または2に記載の化合物。
[7]
抗体は、2つの重鎖(HC)と2つの軽鎖(LC)とを含み、それぞれのHCが、配列番号5、配列番号6、配列番号7または配列番号8のいずれかに与えられるアミノ酸配列を有し、それぞれのLCが、配列番号16、配列番号17または配列番号18のいずれかに与えられるアミノ酸配列を有する、請求項1または2に記載の化合物。
[8]
抗体のそれぞれのHCは、配列番号5に与えられるアミノ酸配列を有し、抗体のそれぞれのLCは、配列番号16に与えられるアミノ酸配列を有する、請求項7に記載の化合物。
[9]
抗体のそれぞれのHCは、配列番号6に与えられるアミノ酸配列を有し、抗体のそれぞれのLCは、配列番号17に与えられるアミノ酸配列を有する、請求項7に記載の化合物。
[10]
抗体のそれぞれのHCは、配列番号7に与えられるアミノ酸配列を有し、抗体のそれぞれのLCは、配列番号18に与えられるアミノ酸配列を有する、請求項7に記載の化合物。
[11]
抗体のそれぞれのHCは、配列番号8に与えられるアミノ酸配列を有し、抗体のそれぞれのLCは、配列番号16に与えられるアミノ酸配列を有する、請求項7に記載の化合物。
[12]
それぞれのscFvポリペプチドは、配列番号19または配列番号20のいずれかに与えられる同一のアミノ酸配列を有する、請求項1または7に記載の化合物。
[13]
それぞれのscFvポリペプチドは、配列番号19に与えられるアミノ酸配列を有する、請求項12に記載の化合物。
[14]
それぞれのscFvポリペプチドは、配列番号20に与えられるアミノ酸配列を有する、請求項12に記載の化合物。
[15]
化合物であって、2つの第1のポリペプチドと2つの第2のポリペプチドとを含み、それぞれの第1のポリペプチドは、配列番号9、配列番号10、配列番号11または配列番号12のアミノ酸配列を有し、それぞれの第2のポリペプチドは、配列番号16、配列番号17または配列番号18のアミノ酸配列を有する、化合物。
[16]
それぞれの第1のポリペプチドは、配列番号9のアミノ酸配列を有し、それぞれの第2のポリペプチドは、配列番号16のアミノ酸配列を有する、請求項15に記載の化合物。
[17]
それぞれの第1のポリペプチドは、配列番号10のアミノ酸配列を有し、それぞれの第2のポリペプチドは、配列番号17のアミノ酸配列を有する、請求項15に記載の化合物。
[18]
それぞれの第1のポリペプチドは、配列番号11のアミノ酸配列を有し、それぞれの第2のポリペプチドは、配列番号18のアミノ酸配列を有する、請求項15に記載の化合物。
[19]
それぞれの第1のポリペプチドは、配列番号12のアミノ酸配列を有し、それぞれの第2のポリペプチドは、配列番号16のアミノ酸配列を有する、請求項15に記載の化合物。
[20]
それぞれの第1のポリペプチドは、それぞれの第2のポリペプチドとともに鎖間ジスルフィド結合を形成し、第1のポリペプチドは、他の第1のポリペプチドとともに鎖間ジスルフィド結合を形成し、それぞれの第1のポリペプチドは、鎖内ジスルフィド結合を形成する、請求項15〜19のいずれか一項に記載の化合物。
[21]
哺乳動物細胞であって、配列番号9、配列番号10、配列番号11および配列番号12からなるポリペプチドからなる群から選択されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列と、配列番号16、配列番号17および配列番号18からなるポリペプチドからなる群から選択されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列とを含むDNA分子を含み、この細胞は、配列番号9、配列番号10、配列番号11および配列番号12からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する第1のポリペプチドと、配列番号16、配列番号17および配列番号18からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する第2のポリペプチドとを含む化合物を発現する能力を有する、哺乳動物細胞。
[22]
配列番号9、配列番号10、配列番号11および配列番号12からなる群から選択される2つの第1のポリペプチドと、配列番号16、配列番号17および配列番号18からなる群から選択される2つの第2のポリペプチドとを含む化合物を製造するためのプロセスであって、化合物が発現する条件で請求項21に記載の哺乳動物細胞を培養することと、発現した化合物を回収することとを含む、プロセス。
[23]
請求項22に記載のプロセスによって得ることができる化合物。
[24]
請求項1〜20のいずれか一項に記載の化合物と、許容される担体、希釈剤または賦形剤とを含む、医薬組成物。
[25]
有効な量の請求項1〜20のいずれか一項に記載の化合物を、がんを処置することが必要な患者に投与することを含む、がんを処置する方法。
[26]
がんが、乳がん、卵巣がん、胃がん、直腸結腸がん、非小細胞肺がん、胆管がんまたは肝細胞癌である、請求項25に記載の方法。
[27]
がんが、乳がん、卵巣がん、胃がん、直腸結腸がんまたは肝細胞癌である、請求項25に記載の方法。
[28]
治療に使用するための請求項1〜20のいずれか一項に記載の化合物。
[29]
がんの処置に使用するための請求項1〜20のいずれか一項に記載の化合物。
[30]
がんが、乳がん、卵巣がん、胃がん、直腸結腸がん、非小細胞肺がん、胆管がんまたは肝細胞癌である、請求項29に記載の使用のための化合物。
[31]
がんが、乳がん、卵巣がん、胃がん、直腸結腸がんまたは肝細胞癌である、請求項29に記載の使用のための化合物。