特許第6074083号(P6074083)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6074083NK−1レセプター関連疾患の治療のための置換4−フェニル−ピリジン
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  • 特許6074083-NK−1レセプター関連疾患の治療のための置換4−フェニル−ピリジン 図000036
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6074083
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】NK−1レセプター関連疾患の治療のための置換4−フェニル−ピリジン
(51)【国際特許分類】
   C07F 9/09 20060101AFI20170123BHJP
   C07D 213/75 20060101ALN20170123BHJP
   A61K 31/496 20060101ALN20170123BHJP
   C07D 213/89 20060101ALN20170123BHJP
   A61K 31/573 20060101ALN20170123BHJP
   A61K 31/4178 20060101ALN20170123BHJP
   A61K 31/473 20060101ALN20170123BHJP
   A61K 31/439 20060101ALN20170123BHJP
   A61K 31/46 20060101ALN20170123BHJP
   A61K 45/00 20060101ALN20170123BHJP
   A61P 1/08 20060101ALN20170123BHJP
   A61P 13/10 20060101ALN20170123BHJP
   A61P 25/24 20060101ALN20170123BHJP
   A61P 25/22 20060101ALN20170123BHJP
   A61P 43/00 20060101ALN20170123BHJP
   A61K 31/675 20060101ALN20170123BHJP
   C07F 9/6509 20060101ALN20170123BHJP
【FI】
   C07F9/09 J
   !C07D213/75CSP
   !A61K31/496
   !C07D213/89
   !A61K31/573
   !A61K31/4178
   !A61K31/473
   !A61K31/439
   !A61K31/46
   !A61K45/00
   !A61P1/08
   !A61P13/10
   !A61P25/24
   !A61P25/22
   !A61P43/00 111
   !A61P43/00 121
   !A61K31/675
   !C07F9/6509 Z
【請求項の数】4
【全頁数】51
(21)【出願番号】特願2016-34427(P2016-34427)
(22)【出願日】2016年2月25日
(62)【分割の表示】特願2014-210716(P2014-210716)の分割
【原出願日】2012年11月28日
(65)【公開番号】特開2016-147868(P2016-147868A)
(43)【公開日】2016年8月18日
【審査請求日】2016年3月3日
(31)【優先権主張番号】13/478,361
(32)【優先日】2012年5月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/564,537
(32)【優先日】2011年11月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505180070
【氏名又は名称】ヘルシン ヘルスケア ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087871
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 積
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100134784
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和美
(72)【発明者】
【氏名】ルカ ファディーニ
(72)【発明者】
【氏名】ペーター マニーニ
(72)【発明者】
【氏名】クラウディオ ピエトラ
(72)【発明者】
【氏名】クラウディオ ジュリアーノ
(72)【発明者】
【氏名】エマヌエラ ロバーティ
(72)【発明者】
【氏名】ロベルタ カンネッラ
(72)【発明者】
【氏名】アレッシオ ベントゥリーニ
(72)【発明者】
【氏名】バレンチーノ ジェイ.ステラ
【審査官】 吉森 晃
(56)【参考文献】
【文献】 特表2001−527083(JP,A)
【文献】 特表2003−520235(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/002999(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/032263(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)室温よりも低い温度で第一の低級アルキルアルコール溶媒溶液中にてジアルキルホスフェート塩と酸を接触させ、対応するリン酸のエステルを得ること、ここで、前記酸の濃度及び量は本質的にすべての前記塩を転化させて、対応するリン酸のジアルキルエステルとするのに十分なものである、
b)室温よりも低い温度で第二の低級アルキルアルコール溶媒溶液中にて前記リン酸のジアルキルエステルを第四級アンモニウムヒドロキシド塩基と接触させること、ここで、前記塩基の濃度及び量は前記リン酸のジアルキルエステルを転化して同酸の一塩基塩とするのに十分なものである、及び、
c)低級アルキルケトン又はアルデヒド溶媒中で前記一塩基塩をクロロヨードメタンと接触させ、対応するクロロメチルジアルキルホスフェートを生成すること
を含む、クロロメチルジアルキルホスフェートの製造方法。
【請求項2】
前記ジアルキルホスフェート塩はジ−(tert-ブチル)ホスフェート塩であり、前記酸は塩化水素酸であり、そして各場合に、前記室温よりも低い温度は0℃である、請求項記載の方法。
【請求項3】
両方の前記低級アルキルアルコール溶媒溶液はメタノール溶液であり、前記低級アルキルケトン又はアルデヒドはアセトンである、請求項又は記載の方法。
【請求項4】
反応の次に、
a)溶媒及びすべての残留クロロヨードメタンを留去し、
b)蒸留残留物をtert-ブチルメチルエーテル(TMBE)中で懸濁させ、その後、ろ過し、
c)ろ液を水性塩基で洗浄し、そして
d)洗浄したろ液を減圧下に置き、溶媒をアセトンで置換する、請求項のいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、新規の4−フェニル−ピリジン化合物及びその医学的使用に関し、特に、ニューロキニン(NK)レセプターにより修飾される医学的状態の予防及び/又は治療における、該化合物及びその医学的使用に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は2011年11月29日に出願された米国仮出願第61/564,537号の優先権を主張し、そして2012年5月23日に出願された米国本出願(non-provisional)第13/478,361号の一部継続出願である。
【0003】
発明の背景
関連技術の説明
物質Pは、その局在性及び機能のために、ぜんそく、炎症、疼痛、乾癬、片頭痛、ジスキネジア、膀胱炎、統合失調症、嘔吐症及び不安症を含む種々の病理学的状態に関与しているものと現在報告されている11−アミノ酸ニューロペプチドである。物質PはNK1レセプターのアゴニストであり、そしてNK1レセプターとの相互作用により、細胞間シグナル伝達を生じさせる。
【0004】
NKレセプターは種々の障害及び疾患において関連があるものと報告されており、種々のNKアンタゴニストはこのような障害及び疾患を治療し又は予防することを目的として開発されてきた。例えば、Kramerら(Science 281 (5383), 1640-1645, 1988)は不安症、うつ病、乾癬、統合失調症及び嘔吐症の治療におけるNKレセプターアンタゴニストの臨床試験を報告している。Gesztesiら(Anesthesiology 93(4), 931-937, 2000)も嘔吐症の治療におけるNKレセプターアンタゴニストの使用を報告している。
【0005】
Hoffmann-La Rocheの米国特許第6,297,375号明細書はうつ病、不安症又は嘔吐症などのCNS障害を治療するのに有用であるNKアンタゴニストである4−フェニル−ピリジン化合物群を記載している。ネチュピタント(Netupitant)はこれらの4−フェニル−ピリジン化合物の中で、選択的NKレセプターアンタゴニストであり、そして現在、Helsinm Healthcareにより化学療法誘発悪心及び嘔吐症(CINV)の予防のために、パロノセトロン(5−HTレセプターアンタゴニスト)との組み合わせで臨床開発中である。
【0006】
4−フェニル−ピリジン化合物のモノ−N−オキシド誘導体はHoffmann-La Rocheの米国特許第6,747,026号明細書に記載されている。これらのN−オキシド誘導体は、報告によると、溶解性又は薬物動態学的制約のために臨床有用性が制約されていたであろう親化合物に対する制約を克服することを意図している。しかしながら、モノ−N−オキシド誘導体の物理化学的又は生物学的データは'026号特許には報告されていない。
【0007】
University of Kansasの米国特許第5,985,856号明細書は第二級アミン及び第三級アミンの可溶性N−ホスホリルオキシメチル誘導体、及び、かかる誘導体のロキサピン及びシンナリジンの溶解度プロファイルを改良するための使用を記載している。'856号特許は、プロドラッグ構造、プロドラッグ安定性、合成コスト及びホスホリルオキシメチル化プロトコールの選択性などの医薬製品の他の重要な属性に対してN−ホスホリルオキシメチル部分がどのように影響を及ぼすかを開示していない。
【発明の概要】
【0008】
上記の点を考慮して、有効なNKレセプターアンタゴニストでありかつ向上した物理化学的特性及び/又は生物学的特性を有する4−フェニル−ピリジン化合物の新規の誘導体及び4−フェニル−ピリジン化合物の製造方法を発見する必要性が存在する。
【0009】
要旨
上記の点を考慮して、本発明の発明者はNKレセプターを拮抗するのに特に好適でありそして下記の一般式(I)
【0010】
【化1】
【0011】
を有する新規の4−フェニル−ピリジン誘導体の群及びその医薬上許容される塩又は付加物を開発した。
【0012】
4−フェニル−ピリジン誘導体としても知られる式(I)の化合物は対象のNKレセプターに病態生理学的に関連する疾患を予防し及び/又は治療するために特に有用である。したがって、別の実施形態において、本発明は、治療有効量の式(I)の化合物又はその医薬上許容される塩もしくは付加物を対象に投与することを含む、NKレセプターにより媒介される疾患の治療方法を提供する。
【0013】
治療有効量の式(I)の化合物又はその医薬上許容される塩もしくは付加物及び1種以上の医薬上許容される賦形剤を含む、対象のNKレセプターに病態生理学的に関連する疾患を予防及び/又は治療するための医薬組成物も開示される。
【0014】
1つの実施形態において、本発明は式(I)
【化2】
【0015】
(上式中、Rは水素、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノ、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ハロゲン、アルコキシアルキル、−OR101、−NR101102、−NR101C(O)R102、−C(O)R101、−C(O)OR101、−C(O)NR101102、−アルキルNR101102、−S(O)102、−SR101、−S(O)NR101102、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルからなる群より選ばれ、各々は場合により、独立に、1個以上の独立のR103置換基により置換されていてよく、
及びRは独立に、水素、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノ、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ハロゲン、アルコキシアルキル、−OR101、−NR101102、−NR101C(O)R102、−C(O)R101、−C(O)OR101、−C(O)NR101102、−アルキルNR101102、−S(O)102、−SR101、−S(O)NR101102、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルからなる群より選ばれ、各々は場合により、独立に、1個以上の独立のR103置換基により置換されていてよく、又は、Rは同一のフェニル環上の原子及び/又は他の置換基と一緒になって、縮合もしくは非縮合単環、二環もしくは三環式複素環もしくは炭素環を形成し、その環は、場合により、独立に、1個以上のR103置換基により置換されていてよく、又は、Rは同一のフェニル環上の原子及び/又は他の置換基と一緒になって、縮合もしくは非縮合単環、二環もしくは三環式複素環もしくは炭素環を形成し、その環は、場合により、独立に、1個以上のR103置換基により置換されていてよく、
及びRは独立に、水素、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノ、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ハロゲン、アルコキシアルキル、−OR101、−NR101102、−NR101C(O)R102、−C(O)R101、−C(O)OR101、−C(O)NR101102、−アルキルNR101102、−S(O)102、−SR101、−S(O)NR101102、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルからなる群より選ばれ、各々は場合により、独立に、1個以上の独立のR103置換基により置換されていてよく、又は、R及びRはそれらを結合している原子と一緒になって、縮合もしくは非縮合単環、二環もしくは三環式複素環もしくは炭素環を形成し、その環は場合により、独立に、1個以上のR103置換基により置換されていてよく、
及びRは、独立に、水素、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノ、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ハロゲン、アルコキシアルキル、−OR101、−NR101102、−NR101C(O)R102、−C(O)R101、−C(O)OR101、−C(O)NR101102、−アルキルNR101102、−S(O)102、−SR101、−S(O)NR101102、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルからなる群より選ばれ、各々は場合により、独立に、1個以上の独立のR103置換基により置換されていてよく、
Xは−C(O)NR101102、−アルキルO、−アルキルNR101102、−NR101C(O)及び−NR101アルキルからなる群より選ばれ、各々は場合により、独立に、1個以上の独立のR103置換基により置換されていてよく、
Yは−NR101102、−NR101アルキルOH、−NR101S(O)アルキル、−NR101S(O)フェニル、−N=CH−NR101102、ヘテロシクロアルキル及びヘテロシクロアルキルアルキルからなる群より選ばれ、各々は場合により、独立に、1個以上の独立のR103置換基により置換されていてよく、
Zは
【0016】
【化3】
【0017】
からなる群より選ばれる構造式であり、ここで、式(Ia)はオキシドを指し、
100、R100"、R101、R102及びR103は各々独立に、水素、シアノ、−NO、−OR104、オキシド、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ハロゲン、アルコキシ、アルコキシアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−C(O)R104、−C(O)OR104、−C(O)NR104105、−NR104105、−NR104S(O)105、−NR104C(O)R105、−S(O)104、−SR104及び−S(O)NR104105からなる群より選ばれ、各々は場合により、独立に、1個以上の独立のR103置換基により置換されていてよく、又は、R101、R102はそれらを結合している原子と一緒になって、縮合もしくは非縮合単環、二環もしくは三環式複素環もしくは炭素環を形成し、その環は、場合により、独立に、1個以上のR103置換基により置換されていてよく、又は、R100、R100"はそれらを結合している原子と一緒になって、縮合もしくは非縮合単環、二環もしくは三環式複素環もしくは炭素環を形成し、その環は、場合により、独立に、1個以上のR103置換基により置換されていてよく、
104及びR105は各々独立に、水素、シアノ、−NO、ヒドロキシ、オキシド、ヒドロキシアルキル、アミノ、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ハロゲン、アルコキシ、アルコキシアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルからなる群より選ばれ、
mは0、1、2、3又は4であり、
nは0、1、2、3、4又は5であり、
pは0又は1であり、
ただし、もし非ピリジンN−オキシド(N→O)が式(I)の化合物上に存在するならば、式(I)の化合物上のN−オキシドの合計数は1よりも大きい)の化合物又は医薬上許容される塩もしくは付加物である。
【0018】
別の実施形態において、本発明は、嘔吐症、膀胱機能障害、うつ病又は不安症の治療を必要とする患者の治療を行うことができる医薬の製造における、治療有効量の上記のとおりの式(I)の化合物又はその医薬上許容される塩もしくは付加物の使用である。
【0019】
別の実施形態において、本発明は治療有効量の上記のとおりの式(I)の化合物を患者に投与することを含む、嘔吐症、膀胱機能障害、うつ病又は不安症の治療を必要とする患者の治療方法である。
【0020】
なおも別の実施形態において、本発明は下記の群から選ばれる化合物又はその医薬上許容される塩もしくは付加物である。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
さらなる実施形態において、本発明は式GA1の化合物又はその医薬上許容される塩もしくは付加物である。
【0024】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は4-(5-(2-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-N,2-ジメチルプロパンアミド)-4-(o-トリル)ピリジン-2-イル)-1-メチル-1-((ホスホノオキシ)メチル)-ピペラジン-1-イウムの種々の塩についての安定性データを再現している。
【発明を実施するための形態】
【0026】
詳細な説明
本化合物、組成物、製品、デバイス及び/又は方法を開示しそして説明する前に、それらは、特に断らない限り、特定の合成方法又は特定の治療方法、又は、特に断らない限り、特定の試薬に限定されず、それゆえ、もちろん、変更可能であることは理解されるべきである。本明細書中に使用される用語は特定の実施形態を説明することを目的とするのみであり、限定を意図しないことも理解されるべきである。
【0027】
材料
A.化合物
式(I)により表される化合物又はその医薬上許容される塩もしくは付加物を開示する。
【0028】
【化4】
【0029】
(上式中、Rは水素、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノ、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ハロゲン、アルコキシ、アルコキシアルキル、−OR101、−NR101102、−NR101C(O)R102、−C(O)R101、−C(O)OR101、−C(O)NR101102、−アルキルNR101102、−S(O)102、−SR101、−S(O)NR101102、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルからなる群より選ばれ、各々は場合により、独立に、1個以上の独立のR103置換基により置換されていてよく、
及びRは独立に、水素、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノ、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ハロゲン、アルコキシ、アルコキシアルキル、−OR101、−NR101102、−NR101C(O)R102、−C(O)R101、−C(O)OR101、−C(O)NR101102、−アルキルNR101102、−S(O)102、−SR101、−S(O)NR101102、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルからなる群より選ばれ、各々は場合により、独立に、1個以上の独立のR103置換基により置換されていてよく、又は、Rは同一のフェニル環上の原子及び/又は他の置換基と一緒になって、縮合もしくは非縮合単環、二環もしくは三環式複素環もしくは炭素環を形成し、その環は、場合により、独立に、1個以上のR103置換基により置換されていてよく、又は、Rは同一のフェニル環上の原子及び/又は他の置換基と一緒になって、縮合もしくは非縮合単環、二環もしくは三環式複素環もしくは炭素環を形成し、その環は、場合により、独立に、1個以上のR103置換基により置換されていてよく、
及びRは独立に、水素、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノ、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ハロゲン、アルコキシ、アルコキシアルキル、−OR101、−NR101102、−NR101C(O)R102、−C(O)R101、−C(O)OR101、−C(O)NR101102、−アルキルNR101102、−S(O)102、−SR101、−S(O)NR101102、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルからなる群より選ばれ、各々は場合により、独立に、1個以上の独立のR103置換基により置換されていてよく、又は、R及びRはそれらを結合している原子と一緒になって、縮合もしくは非縮合単環、二環もしくは三環式複素環もしくは炭素環を形成し、その環は場合により、独立に、1個以上のR103置換基により置換されていてよく、
及びRは、独立に、水素、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノ、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ハロゲン、アルコキシ、アルコキシアルキル、−OR101、−NR101102、−NR101C(O)R102、−C(O)R101、−C(O)OR101、−C(O)NR101102、−アルキルNR101102、−S(O)102、−SR101、−S(O)NR101102、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルからなる群より選ばれ、各々は場合により、独立に、1個以上の独立のR103置換基により置換されていてよく、
Xは−C(O)NR101102、−アルキルO、−アルキルNR101102、−NR101C(O)及び−NR101アルキルからなる群より選ばれ、各々は場合により、独立に、1個以上の独立のR103置換基により置換されていてよく、
Yは−NR101102、−NR101アルキルOH、−NR101S(O)アルキル、−NR101S(O)フェニル、−N=CH−NR101102、ヘテロシクロアルキル及びヘテロシクロアルキルアルキルからなる群より選ばれ、各々は場合により、独立に、1個以上の独立のR103置換基により置換されていてよく、
Zは
【0030】
【化5】
【0031】
からなる群より選ばれる構造式であり、ここで、式(Ia)はオキシドを指し、
100、R100"、R101、R102及びR103は各々独立に、水素、シアノ、−NO、−OR104、オキシド、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ハロゲン、アルコキシ、アルコキシアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−C(O)R104、−C(O)OR104、−C(O)NR104105、−NR104105、−NR104S(O)105、−NR104C(O)R105、−S(O)104、−SR104及び−S(O)NR104105からなる群より選ばれ、各々は場合により、独立に、1個以上の独立のR103置換基により置換されていてよく、又は、R101、R102はそれらを結合している原子と一緒になって、縮合もしくは非縮合単環、二環もしくは三環式複素環もしくは炭素環を形成し、その環は、場合により、独立に、1個以上のR103置換基により置換されていてよく、又は、R100、R100"はそれらを結合している原子と一緒になって、縮合もしくは非縮合単環、二環もしくは三環式複素環もしくは炭素環を形成し、その環は、場合により、独立に、1個以上のR103置換基により置換されていてよく、
104及びR105は各々独立に、水素、シアノ、−NO、ヒドロキシ、オキシド、ヒドロキシアルキル、アミノ、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ハロゲン、アルコキシ、アルコキシアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルからなる群より選ばれ、
mは0〜4であり、nは0〜5であり、pは0〜1であり、ただし、もし非ピリジンN−オキシド(N→O)が式(I)の化合物上に存在するならば、式(I)の化合物上のN−オキシドの合計数は1よりも大きい)。別の実施形態において、本発明はすべてN−オキシドの形態を除外する。
【0032】
ある別の形態において、ここに開示される化合物は式(I)(式中、R、R、R、R、R、R及びRは各々独立に、水素、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、−OR101及びCFからなる群より選ばれる)の化合物又はその医薬上許容される塩もしくは付加物である。
【0033】
ある別の形態において、ここに開示される化合物は式(I)(式中、Xは−NR101C(O)である)の化合物又はその医薬上許容される塩もしくは付加物である。ある別の形態において、ここに開示される化合物は式(I)(式中、Yはヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルキルアルキルである)の化合物又はその医薬上許容される塩もしくは付加物である。なおも別のある形態において、ここに開示される化合物は式(I)の化合物又はその医薬上許容される塩もしくは付加物であり、ここで、式(I)の化合物は式(II)
【0034】
【化6】
【0035】
(上式中、Q及びR'は各々独立に、C、O、S及びNからなる群より選ばれ、各々は、場合により、独立に、1個以上の独立のR103置換基により置換されていてよく、Rは水素、アルコキシ、アルコキシアルキル、−OR101、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノ、アルキル、アルケニル、シクロアルキル及びハロゲンからなる群より選ばれ、各々は、場合により、独立に、1個以上の独立のR103置換基により置換されていてよく、sは0〜4であり、そしてすべて他の変数は式(I)について規定される)の構造を有する。
【0036】
ある形態において、ここに開示される化合物は式(I)の化合物又はその医薬上許容される塩もしくは付加物であり、ここで、式(I)の化合物は式(III)
【0037】
【化7】
【0038】
(上式中、Rは水素、アルキル、アルケニル及びシクロアルキルからなる群より選ばれ、各々は、場合により、独立に、1個以上の独立のR103置換基により置換されていてよく、Rはアルキル又はシクロアルキルであり、各々は、場合により、独立に、1個以上の独立のR103置換基により置換されていてよく、そしてすべての他の基は式(I)及び式(II)に規定される)の構造を有する。
【0039】
ある別の形態において、ここに開示される化合物は式(I)の化合物又はその医薬上許容される塩もしくは付加物であり、ここで、式(I)の化合物は式(IV)
【0040】
【化8】
【0041】
(上式中、pは独立に0又は1であり、すべての他の基は式(I)、式(II)及び式(III)について規定される)の構造を有する。
【0042】
ある形態において、ここに開示される化合物は式(I)の化合物又はその医薬上許容される塩もしくは付加物であり、ここで、式(I)の化合物は式(V)
【0043】
【化9】
【0044】
(上式中、pは独立に0又は1であり、すべての他の基は式(I)、式(II)、式(III)及び式(IV)について規定される)の構造を有する。
【0045】
ある別の形態において、ここに開示される化合物は式(I)の化合物又はその医薬上許容される塩もしくは付加物であり、ここで、式(I)の化合物は式(VI)
【0046】
【化10】
【0047】
(上式中、R200及びR300は各々独立に、水素、アルキル及びシクロアルキルからなる群より選ばれ、各々は、場合により、独立に、1個以上の独立のR103置換基により置換されていてよく、又は、R200及びR300は各々独立に、有機もしくは無機カチオンであり、pは独立に0又は1であり、すべての他の基は式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)及び式(V)に規定される)の構造を有する。
【0048】
ある形態において、ある形態において、ここに開示される化合物は式(I)の化合物又はその医薬上許容される塩もしくは付加物であり、ここで、式(I)の化合物は下記からなる群より選ばれる。
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】
特に好ましい化合物は以下の化学構造を有するGA1のクロリドヒドロクロリドHCl塩であり、それはオキソホスホノメチルの脱カップリング及びその活性状態のその親状態への逆行に対して極端に耐性であることが判った。
【0052】
【化11】
【0053】
塩及び付加物
開示の組成物及び化合物は無機酸もしくは有機酸から得られる塩の形態で使用されうる。特定の化合物によっては、化合物の塩は、1種以上の塩の物性、例えば、異なる温度及び湿度での向上された貯蔵安定性、又は、望ましい水中もしくはオイル中での溶解性のために有利であることがある。ある例では、化合物の塩は、また、化合物の分離、精製及び/又は分割において助剤として使用されうる。
【0054】
塩を患者に投与することが意図される場合に(例えば、インビトロの関係で使用されるのと対照的に)、塩は好ましくは医薬上許容されるものである。用語「医薬上許容される塩」は開示の化合物などの化合物を、ヒトの消費に適すると一般的に考えられているアニオンの酸又はカチオンの塩基と化合することにより調製される塩を指す。医薬上許容される塩は親化合物と比較して水溶性が大きいことにより、開示の方法の生成物として特に有用である。医学での使用のために、開示の化合物の塩は無毒性の「医薬上許容される塩」である。用語「医薬上許容される塩」に含まれる塩は開示の化合物の無毒性の塩であって、遊離塩基を適切な有機酸もしくは無機酸と反応させることにより一般的に調製される塩を指す。
【0055】
開示の化合物の適切な医薬上許容される酸付加塩としては、可能なときには、例えば、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、ホウ酸、フルオロホウ酸、リン酸、メタリン酸、硝酸、炭酸、スルホン酸及び硫酸などの無機酸、及び、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グリコール酸、イソチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、コハク酸、トルエンスルホン酸、酒石酸及びトリフルオロ酢酸などの有機酸から得られるものが挙げられる。適切な有機酸としては、一般に、例えば、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族(araliphatic)、複素環式のカルボン酸及びスルホン酸クラスの有機酸が挙げられる。
【0056】
適切な有機酸の具体例としては、酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、ジグルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、ステアリン酸、サリチル酸、p-ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、アルギン酸、β-ヒドロキシ酪酸、ガラクタル酸、ガラクツロン酸、アジピン酸、アルギン酸塩、酪酸、ショウノウ酸、カンファースルホン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ドデシル硫酸、グリコヘプタン酸、グリセロリン酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ニコチン酸、2−ナフタレンスルホン酸、シュウ酸、パルモ酸(palmoate)、ペクチニン酸、3−フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピバリン酸、チオシアン酸、トシル酸及びウンデカン酸が挙げられる。
【0057】
さらに、開示の化合物が酸性部分を有する場合には、適切な医薬上許容される塩としては、ナトリウム又はカリウム塩などのアルカリ金属塩、銅、カルシウム又はマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、及び、第四級アンモニウム塩などの適切な有機リガンドとともに形成される塩が挙げられる。ある形態において、塩基塩は無毒性塩を形成する塩基から形成され、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リジン、メグルミン、オラミン、トロメタミン及び亜鉛塩が挙げられる。
【0058】
有機塩は、トロメタミン、ジエチルアミン、Ν、Ν'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)及びプロカインなどの第二級、第三級又は第四級アミン塩から製造することができる。塩基性窒素含有基は低級アルキル(C〜C)ハロゲン化物(例えば、メチル、エチル、プロピル及びブチル塩化物、臭化物及びヨウ化物)、硫酸ジアルキル(例えば、ジメチル、ジエチル、ジブチル及びジアミル硫酸塩)、長鎖ハロゲン化物(例えば、デシル、ラウリル、ミリスチル及びステアリル塩化物、臭化物及びヨウ化物)、アリールアルキルハロゲン化物(例えば、ベンジル及びフェネチル臭化物)などの薬剤で第四級化されうる。ある形態において、酸及び塩基のヘミ塩、例えば、ヘミ硫酸塩及びヘミカルシウム塩を形成することができる。開示の化合物は、非溶媒和物及び溶媒和物の両方の形態で存在することができる。本明細書で使用される「溶媒和物」は、溶媒と溶質、又は、分散手段と分散相との間に非共有結合、又は、容易に分散可能な組み合わせが存在している非水溶液又は分散液である。
【0059】
開示の組成物及び化合物は、ルイス対を形成することによって誘導される付加物、共有結合付加物、例えば、N原子とカルボニル含有反応体、水和物及びアルコラートの間の付加物、医薬化合物に結合していない又は結合している分子種を含むホスト−ゲスト付加物、及び、他の包接化合物の形態として使用することができる。
【0060】
特定の化合物に応じて、化合物の付加物は、異なる温度及び湿度での高められた医薬安定性、あるいは、水又はオイル中での望ましい溶解性などの1種以上の付加物物性のために有利であることができる。ある場合には、化合物の付加物は、また、化合物の分離、精製及び/又は分割において補助剤として使用することができる。
【0061】
付加物を患者に投与することが意図される場合に(例えば、インビトロの関係で使用されるのと対照的に)、付加物は好ましくは医薬上許容されるものである。用語「医薬上許容される付加物」は開示の化合物などの化合物を、ヒトの消費に適すると一般的に考えられている化合物、例えば、ガス、水、溶媒、ルイス塩基、カルボニル含有分子又はゲスト分子と化合することにより調製される付加物を指す。医薬上許容される付加物種は親化合物と比較して水溶性が大きいことにより、開示の方法の生成物として特に有用である。医学での使用のために、開示の化合物の付加物は無毒性の「医薬上許容される付加物」である。用語「医薬上許容される塩」に含まれる付加物は開示の化合物の無毒性付加物であって、本発明の化合物を適切な有機酸もしくは無機付加物種と反応させることにより一般的に調製される付加物を指す。
【0062】
開示の化合物の適切な医薬上許容される付加物は、可能な場合には、例えば、ホウ酸、水酸化アルミニウム、有機スルホキシド、有機スルホン、有機スルホニウム塩、HPO、シロキサン及びその他のルイス塩基などのルイス塩基から得られるものが挙げられる。
【0063】
開示の化合物の適切な医薬上許容される付加物は、可能な場合には、さらに化合物の酸素、窒素又は硫黄原子と、二酸化炭素、低アルキルアルデヒドもしくはケトン、バニリン、アミノ酸又は核酸との間の共有結合から得られるものが挙げられる。
【0064】
開示の化合物の適切な医薬上許容される付加物は、可能な場合には、化合物の結晶相もしくはアモルファス相内部に含まれるが、結合していない、二酸素、二窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素、エチルエーテル又はその他のガスなどの非結合ガスを含ませることにより得られるものが挙げられる。
【0065】
開示の化合物の適切な医薬上許容される付加物は、また、可能な場合には、該化合物の分子と、水、医薬上許容される低級アルキルアルコール又はその他の医薬上許容される溶媒分子との結合により得られるものであって、該化合物と分子比で結合されているものが挙げられる。
【0066】
1つの実施形態では、付加物は、場合により、包接化合物である。
【0067】
一般合成スキーム
式(I)の化合物(及び他の開示の化合物)又はその医薬上許容される塩もしくは付加物は、有機化学の技術において知られる合成方法又は当業者に知られる修飾及び誘導化とともに、実施例のセクションで記載される例により例示される方法により調製できる。本明細書中に使用される出発材料は市販されており、又は、当該技術分野で知られている日常的な方法(例えば、Compendium of Organic Synthesis Methods, Vol. I-VI (Wiiey-Interscienceより出版)などの標準参考書に開示される方法)により調製されうる。好ましい方法としては、限定するわけではないが、下記の方法が挙げられる。下記の合成シーケンスのいずれかの間に、関係する任意の化合物上の感受性基又は反応性基を保護することが必要及び/又は望ましいことがある。このことは従来の保護基により行うことができ、例えば、T. W. Greene, Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley & Sons, 1981; T. W. Greene及びP. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley & Sons, 1991, T. W. Greene及びP. G, M. Wuts, Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley & Sons, 1999ならびにP. G. M, Wuts及びT.W.Greene, Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley & Sons, 2006に記載されているとおりである。生成物の分離及び精製は化学の当業者に知られている標準的な手順により達成される。
【0068】
本発明は4−フェニルピリジン誘導体の適切なプロドラッグを製造するための方法をさらに提供する。1つの実施形態において、本発明は、ホスファターゼ酵素の基質である(ホスホオキシ)メチルプロドラッグを製造するためにクロロメチルジアルキルリン酸エステルとの反応により第三級アミンを官能化するための一工程酸付含合成法を提供する。これとは対照的に、従来技術は初期反応の間にプロトン掃去剤の使用を必要とし、別の工程でリン酸基を脱保護するために強酸を必要とすることを含む、複数の工程を同等の反応のために要求していた。別の実施形態では、商業的供給源からのリン酸エステル組成物の品質が低すぎて本発明に係る反応で許容できる収率を提供することができないので、適切な純度及び経済性を有するクロロメチルジアルキルリン酸エステルを製造するための方法を提供する。さらなる実施形態において、本発明は2当量の塩化水素酸と組み合わせることにより本発明に係る(ホスホオキシ)メチルプロドラッグを安定化させる方法を提供する。というのは、従来技術がプロドラッグにおける第四級アンモニウム塩のために、(ホスホオキシ)メチル置換基の二塩基塩の使用を好むのに対して、本発明では、そのような塩は不安定であり、貯蔵中に基礎となるドラッグを改質すること発見したからである。
【0069】
用語の定義
用語「アルキル」は1〜20個の炭素原子、1つの実施形態では1〜12個の炭素原子、別の実施形態では1〜10個の炭素原子、別の実施形態では1〜6個の炭素原子、そして別の実施形態では1〜4個の炭素原子を含む直鎖又は枝分かれ鎖の飽和ヒドロカルビル置換基(すなわち、水素を除去することによって炭化水素から得られる置換基)を指す。そのような置換基の例としては、メチル、エチル、プロピル(n-プロピル及びイソプロピルを含む)、ブチル(n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル及びtert-ブチルを含む)、ペンチル、イソアミル、ヘキシルなどが挙げられる。
【0070】
用語「アルケニル」は1個以上の二重結合及び2〜20個の炭素原子、別の実施形態では、2〜12個の炭素原子、別の実施形態では、2〜6個の炭素原子、別の実施形態では、2〜4個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖ヒドロカルビル置換基を指す。アルケニルの例としては、エテニル(ビニルとしても知られている)、アリル、プロペニル(1−プロペニル及び2−プロペニルを含む)及びブテニル(1−ブテニル、2−ブテニル及び3−ブテニルを含む)が挙げられる。用語「アルケニル」は「シス」及び「トランス」配置、又は、別法では「E」及び「Z」配置を有する置換基を包含する。
【0071】
用語「ベンジル」はフェニルで置換されたメチル基を指す。
【0072】
用語「炭素環」は3〜14個の炭素環原子(「環原子」は環を形成するために一緒に結合している原子である)を含む飽和環、部分飽和環又は芳香環を指す。炭素環は、通常、3〜10個の炭素環原子を含む。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニルシクロヘキサジエニル及びフェニルが挙げられる。代わりに、「炭素環系」は縮合した二環又は三環であることができ、例えば、ナフタレニル、テトラヒドロナフタレニル(又は、「テトラリニル」として知られている)、インデニル、イソインデニル、インダニル、ビシクロデカニル、アントラセニル、フェナントレン、ベンゾナフテニル(又は、「フェナレニル」として知られている)、フルオレニル及びデカリニルが挙げられる。
【0073】
用語「複素環」は3〜14の環原子(「環原子」は環を形成するために一緒に結合している原子である)を含み、ここで、環原子のうちの少なくとも1つが酸素、窒素又は硫黄であるヘテロ原子であり、残りの環原子が独立に、炭素、酸素、窒素及び硫黄からなる群より選ばれる、飽和環、部分飽和環又は芳香族環を指す。
【0074】
用語「シクロアルキル」は3〜14個の炭素原子を有する飽和炭素環式置換基を指す。1つの実施形態では、シクロアルキル置換基は、3〜10個の炭素原子を有する。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが挙げられる。
【0075】
用語「シクロアルキル」は、また、C〜C10芳香環又は5〜10員複素芳香環に縮合した置換基をも包含し、そのような縮合シクロアルキル基を置換基として有する基はシクロアルキル基の炭素原子に結合している。このような縮合シクロアルキル基が1個以上の置換基により置換されている場合には、該1個以上の置換基は、特に断りのない限り、シクロアルキル基の炭素原子に各々結合している。縮合C〜C10芳香族環又は5〜10員複素芳香環は、場合により、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜C10シクロアルキル又は=Oにより置換されていてよい。
【0076】
用語「シクロアルケニル」は、3〜14個の炭素原子、典型的には、3〜10個の炭素原子を有する部分不飽和炭素環式置換基を指す。シクロアルケニルの例としては、シクロブテニル、シクロペンテニル及びシクロヘキセニルが挙げられる。
【0077】
シクロアルキル基又はシクロアルケニル基は単環式であってもよく、典型的には3〜6個の環原子を含む。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル及びフェニルが挙げられる。あるいは、2つ又は3つの環は縮合してもよく、例えば、ビシクロデカニル及びデカリニルである。
【0078】
用語「アリール」は1つの環、又は、2つ又は3つの縮合した環を含む芳香族置換基を指す。アリール置換基は、6〜18個の炭素原子を有することができる。一例として、アリール置換基は、6〜14個の炭素原子を有することができる。用語「アリール」は、フェニル、ナフチル及びアントラセニルなどの置換基を指すことができる、用語「アリール」は、また、CもしくはC炭素環などのC〜C10炭素環又は4〜10員複素環に縮合しており、このような縮合アリール基を置換基として有する基はアリール基の芳香族炭素に結合しているフェニル、ナフチル及びアントラセニルなどの置換基をも包含する。このような縮合アリール基が1個以上の置換基により置換されている場合には、該1個以上の置換基は、特に断りのない限り、縮合アリール基の芳香族炭素に各々結合している。縮合C〜C10炭素環又は4〜10員複素環は、場合により、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜C10シクロアルキル又は=Oにより置換されていてよい。アリール基の例としては、したがって、フェニル、ナフタレニル、テトラヒドロナフタレニル(「テトラリニル」としても知られている)、インデニル、イソインデニル、インダニル、アントラセニル、フェナントレニル、ベンゾナフテニル(「フェナレニル」としても知られている)及びフルオレニルが挙げられる。
【0079】
ある例では、ヒドロカルビル置換基(例えば、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリールなど)の炭素原子数は接頭辞「Cx〜Cy」(式中、xは置換基中の最小、yは最大の炭素原子数である)で示されている。このため、例えば、「C〜Cアルキル」は1〜6個の炭素原子を含むアルキル置換基を指す。さらに例示すると、C〜Cシクロアルキルは3〜6個の炭素環原子を含む飽和シクロアルキルを指す。
【0080】
ある場合には、1個以上のヘテロ原子を含む環式置換基(例えば、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキル)中の原子の数は接頭辞「X〜Y−員」(式中、xは置換基の環式部分を形成している原子の最小、yは最大数である)により示される。このため、例えば、5〜8員ヘテロシクロアルキルはヘテロシクロアルキルの環式部分の中に5〜8個の原子(1個以上のヘテロ原子を含む)を含むヘテロシクロアルキルを指す。
【0081】
用語「水素」は水素置換基を指し、−Hとして記載されうる。
【0082】
用語「ヒドロキシ」は−OHを指す。別の用語との組み合わせで使用されるときには、接頭辞「ヒドロキシ」は、該接頭辞が付けられている置換基が1個以上のヒドロキシ置換基で置換されていることを示す。1個以上のヒドロキシ置換基を有する炭素を含む化合物としては、例えば、アルコール、エノール及びフェノールが挙げられる。
【0083】
用語「ヒドロキシアルキル」は、少なくとも1つのヒドロキシ置換基で置換されたアルキルを指す。ヒドロキシアルキルの例としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル及びヒドロキシブチルが挙げられる。
【0084】
用語「ニトロ」とは−NOを意味する。
用語「シアノ」(「ニトリル」とも呼ばれる)とは−CNを意味する。
用語「カルボニル」とは−C(O)−を意味する。
用語「アミノ」は−NHを意味する。
【0085】
用語「アルキルアミノ」は少なくとも1つのアルキル鎖が水素原子の代わりにアミノ窒素に結合しているアミノ基を指す。アルキルアミノ置換基の例としては、メチルアミノなどのモノアルキルアミノ(式−NH(CH)により表される)及びジメチルアミノなどのジアルキルアミノが挙げられる。
【0086】
用語「アミノカルボニル」は−C(O)−NHを意味する。
【0087】
用語「ハロゲン」はフッ素(−Fとして示されることがある)、塩素(−Clとして示されることがある)、臭素(−Brとして示されることがある)又はヨウ素(−Iとして示されることがある)を指す。1つの実施形態において、ハロゲンは塩素である。別の実施形態において、ハロゲンはフッ素である。
【0088】
接頭辞「ハロ」は該接頭辞が付けられている置換基が1個以上の独立して選ばれるハロゲン置換基で置換されていることを示す。例えば、ハロアルキルは少なくとも1個のハロゲン置換基で置換されたアルキルを指す。用語「オキソ」は=Oを指す。
【0089】
用語「オキシ」はエーテル置換基を指し、−O−と記載されることがある。
【0090】
用語「アルコキシ」は酸素に結合したアルキルを指し、それは−O−R(式中、Rはアルキル基を表す)とも表すことができる。アルコキシとしては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ及びブトキシが挙げられる。
【0091】
用語「アルキルチオ」とは−S−アルキルを意味する。例えば、「メチルチオ」は−S−CHである。アルキルチオの他の例としてはエチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ及びヘキシルチオが挙げられる。
【0092】
用語「アルキルカルボニル」は−C(O)−アルキルを意味する。アルキルカルボニルの例としては、メチルカルボニル、プロピルカルボニル、ブチルカルボニル、ペンチルカルボニル及びヘキシルカルボニルが挙げられる。
【0093】
用語「アミノアルキルカルボニル」は−C(O)−アルキル−NHを意味する。
用語「アルコキシカルボニル」は−C(O)−O−アルキルを意味する。アルコキシカルボニルの例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル及びヘキシルオキシカルボニルが挙げられる。別の実施形態において、カルボニルの炭素原子が第二級アルキルの炭素原子に結合している場合には、得られる官能基はエステルである。
【0094】
用語「チオ」及び「チア」は二価の硫黄原子を意味し、そしてそのような置換基は−S−として記載されうる。例えば、チオエーテルは「アルキル−チオ−アルキル」又は、別法で「アルキル−S−アルキル」として示される。
【0095】
用語「チオール」はスルフヒドリル基を指し、−SHとして記載されうる。
用語「チオン」は=Sを指す。
用語「スルホニル」は−S(O)−を指す。このため、例えば、「アルキル−スルホニル−アルキル」は「アルキル−S(O)−アルキル」を指す。アルキルスルホニルの例としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル及びプロピルスルホニルが挙げられる。
用語「アミノスルホにル」は−S(O)−NHを意味する。
【0096】
用語「スルフィニル」又は「スルホキシド」は−S(O)−を意味する。このため、例えば、「アルキルスルフィニルアルキル」又は「アルキルスルホキシドアルキル」はアルキル−S(O)−アルキルを指す。例示のアルキルスルフィニル基としては、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、ブチルスルフィニル及びヘキシルスルフィニルが挙げられる。
【0097】
用語「ヘテロシクロアルキル」は合計で3〜14個の環原子を含む飽和もしくは部分飽和環構造を指す。環原子の少なくとも一つはヘテロ原子(すなわち、酸素、窒素又は硫黄)であり、残りの環原子は独立に、炭素、酸素、窒素及び硫黄からなる群より選ばれる。ヘテロシクロアルキルは、又は、2つ又は3つの環が縮合されていてもよく、ここで、少なくとも一つのこのような環は環原子としてヘテロ原子(例えば、窒素、酸素又は硫黄)を含む。ヘテロシクロアルキル置換基を有する基において、該基に結合しているヘテロシクロアルキル置換基の環原子は少なくとも一つのヘテロ原子であることができ、又は、環炭素原子であることができ、該環炭素原子は少なくとも1つのヘテロ原子と同一の環にあってよく、又は、該環炭素原子は少なくとも1つのヘテロ原子とは異なる環にあってもよい。同様に、もしヘテロシクロアルキル置換基が、さらに、基又は置換基で置換されているならば、該基又は置換基は少なくとも1つのヘテロ原子に結合してもよいし、又は、環炭素原子に結合していてもよく、該環炭素原子は少なくとも1つのヘテロ原子と同一の環にあっても、又は、該環炭素原子は少なくとも1つのヘテロ原子とは異なる環にあってもよい。
【0098】
ヘテロシクロアルキルの例としては、限定するわけではないが、アザシクロブタン、1,3−ジアザチジン、ピロリジン、2−ピロリン、3−ピロリン、2−イミダゾリン、イミダゾリジン、2−ピラゾリン、ピラゾリジン、ピペリジン、1,2−ジアザシクロヘキサン、1,3−ジアザシクロヘキサン、1,4−ジアザシクロヘキサン、オクタヒドロアゾシン、オキサシクロブタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジオキサシクロヘキサン、1,3−ジオキサシクロヘキサン、1,4−ジオキサシクロヘキサン、1,3−ジオキソラン、チアシクロブタン、チオシクロペンタン、1,3−ジチオラン、チアシクロヘキサン1,4−ジチアン、1,3−オキサチアラン、モルホリン、1,4−チアキサン、1,3,5−トリチアン及びチオモルホリンが挙げられる。
【0099】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、また、C〜C10芳香環又は5〜10員複素芳香環に縮合した置換基をも包含し、そのような縮合ヘテロシクロアルキル基を置換基として有する基はヘテロシクロアルキル基のヘテロ原子又はヘテロシクロアルキル基の炭素原子に結合している。このような縮合ヘテロシクロアルキル基が1個以上の置換基により置換されている場合には、該1個以上の置換基は、特に断りのない限り、ヘテロシクロアルキル基のヘテロ原子又はヘテロシクロアルキル基の炭素原子に各々結合している。縮合C〜C10芳香族環又は5〜10員複素芳香環は、場合により、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜C10シクロアルキル又は=Oにより置換されていてよい。
【0100】
用語「ヘテロアリール」は、5〜14個の環原子を含み、該環原子の少なくとも1つはヘテロ原子(すなわち、酸素、窒素又は硫黄)であり、残りの環原子は独立に、炭素、酸素、窒素及び硫黄からなる群より選ばれる芳香環構造を指す。ヘテロアリールは単環であるか、又は、2つ又は3つの縮合環であることができる。ヘテロアリール置換基の例としては、ピリジル、ピラジル、ピリミジニル及びピリダジニルなどの6員環、トリアゾリル、イミダゾリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、1,2,3−、1,2,4−、1,2,5−もしくは1,3,4−オキサジアゾリル及びイソチアゾリルなどの5員環置換基、ベンゾチオフラニル、イソベンゾチオフラニル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、プリニル及びアントラニリルなどの6/5−員縮合環置換基、ならびに、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル及び1,4−ベンゾオキサジニルなどの6/6−員縮合環置換基が挙げられる。用語「ヘテロアリール」は、また、ピリジルN−オキシド、及び、ピリジンN−オキシド環を含む基を包含する。
【0101】
単環ヘテロアリールの例としては、フラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、チオフェニル(「チオフラニル」としても知られている)、ジヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオフェニル、ピロリル、イソピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリル、イソイミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、ジチオリル、オキサチオリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアゾリニル、イソチアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、チアジアゾリル、オキサチアゾリル、オキサジアゾリル(オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル(「アゾキシミル」としても知られている)、1,2,5−オキサジアゾリル(「フラザニル」としても知られている)又は1,3,4−オキサジアゾリルを含む)、オキサトリアゾリル(1,2,3,4−オキサトリアゾリル又は1,2,3,5−オキサトリアゾリルを含む)、ジオキサゾリル(1,2,3−ジオキサゾリル、1,2,4−ジオキサゾリル、1,3,2−ジオキサゾリル又は1,3,4−ジオキサゾリルを含む)、オキサチアゾリル、オキサチオリル、オキサチオラニル、ピラニル(1,2−ピラニル又は1,4−ピラニルを含む)、ジヒドロピラニル、ピリジニル(「アジニル」としても知られている)、ピペリジニル、ジアジニル(ピリダジニル(「1,2−ジアジニル」としても知られている)、ピリミジニル(「1,3−ジアジニル」又は「ピリミジル」としても知られている)又はピラジニル(「1,4−ジアジニル」としても知られている)を含む)、ピペラジニル、トリアジニル(s-トリアジニル(「1,3,5−トリアジニル」としても知られている)、as-トリアジニル(「1,2,4−トリアジニル」としても知られている)及びv-トリアジニル(「1,2,3−トリアジニル」として知られている)を含む)、オキサジニル(1,2,3−オキサジニル、1,3,2−オキサジニル、1,3,6−オキサジニル(「ペントオキサゾリル」としても知られている)、1,2,6−オキサジニル又は1,4−オキサジニルを含む)、イソオキサジニル(o-オキサジニル又はp-オキサジニルを含む)、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサチアジニル(1,2,5−オキサチアジニル又は1,2,6−オキサチアジニルを含む)、オキサジアジニル(1,4,2−オキサジアジニル又は1,3,5,2−オキサジアジニルを含む)、モルホリニル、アゼピニル、オキセピニル、チエピニル及びジアゼピニルが挙げられる。
【0102】
2−縮合環ヘテロアリールの例としては、インドリジニル、ピリンジニル、ピラノピロリル、4H−キノリジニル、プリニル、ナフチリジニル、ピリドピリジニル(ピリド[3,4-b]-ピリジニル、ピリド[3,2-b]-ピリジニル又はピリド[4,3-b]ピリジニルを含む)、及び、プテリジニル、インドリル、イソインドリル、インドレニニル、イソインダゾリル、ベンズアジニル、フタラジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ベンゾジアジニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾオキサゾリル、インドオキサジニル、アントラニリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキサニル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチエニル、イソベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサジニル、ベンズイソオキサジニル及びテトラヒドロイソキノリニルが挙げられる。
【0103】
3−融合環ヘテロアリールもしくはヘテロシクロアルキルの例としては、5,6−ジヒドロ−4H−イミダゾ[4,5,1−ij]キノリン、4,5−ジヒドロイミダゾ[4,5,1−hi]インドール、4,5,6,7−テトラヒドロイミダゾ[4,5,1−jk][1]ベンズアゼピン及びジベンゾフラニルが挙げられる。
【0104】
用語「ヘテロアリール」は、CもしくはC炭素環などのC〜C10炭素環又は4〜10員複素環に縮合しており、このような縮合アリール基を置換基として有する基はヘテロアリール基の芳香族炭素又はヘテロアリール基のヘテロ原子に結合しているピリジル及びキノリニルなどの置換基をも包含する。このような縮合ヘテロアリール基が1個以上の置換基により置換されている場合には、該1個以上の置換基は、特に断りのない限り、縮合ヘテロアリール基の芳香族炭素又はヘテロアリール基のヘテロ原子に各々結合している。縮合C〜C10炭素環又は4〜10員複素環は、場合により、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜C10シクロアルキル又は=Oにより置換されていてよい。
【0105】
用語「エチレン」は基−CH−CH−を指す。用語「エチネレン」は基−CH=CH−を指す。用語「プロピレン」は基−CH−CH−CH−を指す。用語「ブチレン」は基−CH−CH−CH−CH−を指す。用語「メチレンオキシ」基は基−CH−O−を指す。用語「メチレンチオキシ」は基−CH−S−を指す。用語「メチレンアミノ」は基−CH−N(H)−を指す。用語「エチレンオキシ」は基−CH−CH−O−を指す。用語「エチレンチオキシ」は基−CH−CH−S−を指す。用語「エチレンアミノ」は−CH−CH−N(H)−基を指す。
【0106】
置換基は、もしそれが1個以上の水素原子に結合している少なくとも1つの炭素、硫黄、酸素又は窒素原子を含むならば、「置換可能」である。このため、例えば、水素、ハロゲン及びシアノはこの定義に該当しない。もし置換基が「置換」されているものとして記載されているならば、非水素置換基は置換基の炭素、酸素、硫黄又は窒素上で水素置換基を置換している。このため、例えば、置換されたアルキル置換基はアルキル置換基上の水素置換基を少なくとも1つの非水素置換基が置換しているアルキル置換基である。
【0107】
もし置換基が「場合により置換されていてよい」ものとして記載されているならば、置換基は(1)置換されていないか、又は、(2)置換されているかのいずれかであることができる。もし置換基が複数の部分を含む場合には、特段の断りのない限り、最後の部分が分子の残部への結合点であるものとして機能することが意図される。例えば、置換基A−B−Cでは、部分Cが分子の残部に結合する。もし置換基が群から「独立に選ばれる」ものとして記載されている場合には、各置換基は他のものとは独立に選ばれる。各置換基は、それゆえ、他の置換基と同一であっても又は異なるものであってもよい。
【0108】
医薬組成物
治療有効量の式(I)の化合物又はその医薬上許容される塩もしくは付加物、及び、1種以上の医薬上許容される賦形剤を含む、対象の予防及び/又は治療のための医薬組成物はさらに提供される。
【0109】
「医薬上許容される」賦形剤は生物学的に又は他の様式で望ましくないものでなく、すなわち、その材料はいかなる望ましくない生物学的効果をも生ぜず、又は、医薬組成物中に含まれる医薬組成物の他のいかなる成分とも有害に相互作用することなく、対象に投与されうる。このキャリアは、活性成分の分解を最少に抑え、かつ、当業者によく知られているような、対象における有害な副作用を最小限に抑えるように選択されうる。キャリアは、固体、液体又はその両方とすることができる。
【0110】
開示の化合物は任意の経路で投与でき、好ましくは、そのような経路に適合した医薬組成物の形態で、意図した治療又は予防のために有効な用量で投与することができる。活性化合物及び組成物は、例えば、経口、直腸内、非経口、眼、吸入又は局所投与されうる。特に、投与法は、皮膚上、吸入、浣腸、結膜、点眼、点耳、肺、経鼻、鼻腔内、膣、膣内、経膣、眼、眼内、経眼、経腸、経口、口腔内、経口(transoral)、腸管内、直腸、直腸内、経直腸、注射、輸液、静脈内、動脈内、筋肉内、大脳内、心室内、脳室内、心臓内、皮下、骨内、皮内、髄腔内、腹腔内、膀胱内、陰茎海綿体内、髄内、眼内、頭蓋内、経皮、経粘膜、経鼻、吸入、大槽内、硬膜外(epidural)、硬膜外(peridural)、内硝子などであることができる。
【0111】
適切なキャリア及びその製剤はRemington: The Science and Practice of Pharmacy (第19版) A.R. Gennaro, Mack Publishing Company, Easton, PA, 1995に記載されている。固体剤形の経口投与は、例えば、硬質又は軟質カプセル剤、丸剤、カシェ剤、ロゼンジ又は錠剤などの個別の単位で提供され、その各々は所定量の少なくとも1つの開示の化合物又は組成物を含む。ある形態において、経口投与は粉末又は顆粒の形態で行うことができる。ある形態において、経口投薬形態は、ロゼンジなどの舌下形態であることができる。このような固体投薬形態において、式Iの化合物は、通常、1種以上のアジュバントと組み合わされる。このようなカプセル剤又は錠剤は徐放性製剤を含むことができる。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、投薬形態は、また、緩衝剤を含むことができ、又は、腸溶性コーティングを用いて調製することができる。
【0112】
ある形態において、経口投与は液体投与形態とすることができる。経口投与用の液体投薬形態は、例えば、医薬上許容されるエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシル剤であって、一般に当該技術分野に用いられる不活性希釈剤(例えば、水)を含有するものが挙げられる。そのような組成物は、アジュバント、例えば、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、香味料(例えば、甘味料)及び/又は香料を含むことができる。
【0113】
ある形態において、開示の組成物は非経口投薬形態を含むことができる。「非経口投薬」は、例えば、皮下注射、静脈内注射、腹腔内、筋肉内注射、胸骨下注射及び輸液が挙げられる。注射剤(例えば、滅菌注射用水性又は油性懸濁液)は、適切な分散剤、湿潤剤及び/又は懸濁剤を用いて公知の技術に従って製剤されうる。典型的には、適切な量の医薬上許容されるキャリアを製剤中に使用して、製剤を等張性にする。医薬上許容されるキャリアの例としては、限定するわけではないが、塩類溶液、リンゲル液及びブドウ糖溶液が挙げられる。他の許容される賦形剤としては、限定するわけではないが、増粘剤、希釈剤、緩衝剤、防腐剤、界面活性剤などが挙げられる。
【0114】
医薬技術分野で公知の他のキャリア材料及び投与様式を用いることもできる。開示の医薬組成物は任意の医薬のよく知られた技術、例えば、有効な製剤及び管理手順により調製されうる。有効な製剤及び管理手順に関する上記の考慮点は当該技術分野でよく知られており、標準的教本に記載されている。医薬の製剤は、例えば、Hoover, John E., Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvania, 1975; Libermanら編,Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Decker, New York, N.Y., 1980; 及びKibbeら編, Handbook of Pharmaceutical Excipients (第3版), American Pharmaceutical Association, Washington, 1999に記載されている。
【0115】
開示の化合物は、種々の条件又は疾患状態の治療又は予防において、単独で、又は、他の治療剤と組み合わせて使用することができる。「組み合わせて」2種以上の化合物を投与するとは、2種の化合物が、一方の存在により他方の生物学的効果を変更するのに十分な時間内で近接して投与されることを意味する。2種以上の化合物を同時に、並行して又は順次に投与することができる。
【0116】
有効量の本発明の化合物又はその医薬上許容される塩、溶媒和物、包接化合物もしくはプロドラッグ、及び、医薬上許容されるキャリアもしくはビヒクルを含む医薬組成物は開示される。これらの組成物は、追加の薬剤をさらに含んでよい。これらの組成物はニューロキニン(NK)レセプターの活性を調節するのに有用であり、このため、悪心及び嘔吐症、膀胱機能障害、うつ病又は不安症などのNKレセプター関連疾患の予防及び治療を改良する。
【0117】
ある形態では、治療有効量の一般式(I)による化合物及び1種以上の医薬上薬学的に許容される賦形剤を含む、対象の予防及び/又は治療のための医薬組成物が開示される。ある別の形態において、1種以上の治療剤又はその医薬上許容される塩をさらに含む医薬組成物が開示される。ある形態では、上記治療剤は5−HTアンタゴニスト、NKアンタゴニスト又はデキサメタゾンである。ある別の形態では、上記5−HTアンタゴニストはオンダンセトロン、パロノセトロン、グラニセトロン又はトロピセトロン又はその医薬上許容される塩である。
【0118】
方法
本発明の全ての方法は、本発明の化合物単独で、又は、他の薬剤と組み合わせて実施することができる。
治療
上述の化合物及び組成物はニューロキニン(NK)レセプターにより病態生理学的に修飾される疾患の阻害、低減、予防及び/又は治療に有用である。したがって、ある形態において、上記のとおりに開示された式(I)の化合物又はその医薬上許容される塩もしくは付加物の治療有効量を対象に投与することを含む、NKレセプターにより病態生理学的に修飾される疾患を予防及び/又は治療する方法が開示される。
【0119】
適切な対象としては哺乳動物対象が挙げられる。哺乳動物としては、限定するわけではないが、イヌ、ネコ、ウシ、ヤギ、ウマ、ヒツジ、ブタ、げっ歯類、ウサギ目、霊長類などが挙げられ、子宮内の哺乳動物を包含する。ある形態では、ヒトが対象である。対象としてのヒトはどちらの性別であってもよく、又は、発育のどの段階であってもよい。
【0120】
ある別の形態では、NKレセプターにより病態生理学的に修飾される疾患の予防及び/又は治療方法であって、該疾患が悪心及び嘔吐症、膀胱機能障害、うつ病又は不安症である、方法が開示される。
【0121】
ある別の形態では、NKレセプターにより病態生理学的に修飾される疾患の予防及び/又は治療方法であって、悪心及び嘔吐症が化学療法誘発悪心・嘔吐症(CINV)、放射線療法誘発悪心・嘔吐症(RINV)又は術後悪心・嘔吐(PONV)である、方法が開示される。
【0122】
ある別の形態では、NKレセプターにより病態生理学的に修飾される疾患の予防及び/又は治療方法であって、悪心及び嘔吐症が中度又は高度催吐性化学療法によって誘発される、方法が開示される。ある別の形態では、NKレセプターにより病態生理学的に修飾される疾患の予防及び/又は治療方法であって、悪心及び嘔吐症がCINNの急性及び/又は遅発段階である、方法が開示される。
【0123】
急性嘔吐症は嘔吐誘発イベントの後の最初の24時間の期間を指す。遅発性嘔吐症は嘔吐誘発イベントの後の第二、第三、第四及び第五の24時間の期間を指す。治療が遅発段階の間の有効である言われる場合には、治療効果は、治療が遅発段階のどの特定の24時間の期間に有効であるかどうかにかかわらず、全遅発段階の間に統計的に有意であることを意味すると理解されるであろう。また、方法は遅発段階の任意の24時間の期間のその有効性に基づいて定義することができることが理解されるであろう。このため、特に断りのない限り、本明細書に記載されるとおりの遅発段階の間の悪心及び/又は嘔吐症を治療するためのいずれの方法も、嘔吐誘発イベント後の第二、第三、第四もしくは第五の24時間又はそれらの組み合わせの間に悪心及び/又は嘔吐症を治療するために実施することができる。
【0124】
ある別の形態では、NKレセプターにより病態生理学的に修飾される疾患の予防及び/又は治療方法であって、上記CINVの急性及び/又は遅発段階は中度又は高度催吐性化学療法によって誘発される、方法が開示される。「高度催吐性化学療法」は催吐可能性の高い化学療法を指し、カルムスチン、シスプラチン、シクロホスファミド≧1500mg/m、ダカルバジン、ダクチノマイシン、メクロレタミン及びストレプトゾトシンに基づく化学療法が挙げられる。「中度催吐性化学療法」は催吐可能性が中度である化学療法を指し、カルボプラチン、シクロホスファミド<1500mg/m、シタラビン>1mg/m、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、イホスファミド、イリノテカン及びオキサリプラチンに基づく化学療法が挙げられる。
【0125】
好ましい実施形態では、本発明の方法は、化学療法の前に、場合により他の活性成分との組み合わせで投与されるネチュピタント(netupitant)誘導体の単回投与から、中度及び高度催吐性化学療法に起因する急性及び遅発性嘔吐症を治療するのに有効である。
【0126】
嘔吐症、特に、化学療法により誘発される嘔吐症を治療するための特に好ましい療法は、本発明のネチュピタント(netupitant)誘導体、パロノセトロンなどの5−HT3アンタゴニスト又はその医薬上許容される塩、及び、デキサメタゾンなどのコルチコステロイドが関与する。急性及び遅発CINVを治療するのに適した一定の投与計画は、1日目(好ましくは、化学療法の前)にネチュピタント(Netupitant)誘導体の単回投与、1日目(好ましくは、化学療法の前)に5−HT3アンタゴニストの単回投与を含む。コルチコステロイドは、場合により、1日目に組み合わせ物に添加されてよく、高度催吐性化学療法を行う場合には、2日目、3日目及び4日目にも投与されてよい。パロノセトロンHClの好ましい静脈内用量は遊離塩基の質量に基づいて0.25mgである。好ましいデキサメタゾン用量は高度催吐性化学療法では、1日目に経口で12mgであり、次いで、2日目、3日目及び4日目に経口で8mgである。
【0127】
ある別の形態では、NKレセプターにより病態生理学的に修飾される疾患の予防及び/又は治療方法であって、前記膀胱機能障害が尿意切迫、尿意頻数、頻尿症、夜間多尿症、低猶予時間、最適未満容量しきい値及び神経因性膀胱又はそれらの組み合わせからなる群より選ばれる、方法が開示される。
【0128】
ある別の形態では、NKレセプターにより病態生理学的に修飾される疾患の予防及び/又は治療方法であって、前記化合物又はその医薬上に許容される塩もしくは付加物は直腸、頬側、舌下、静脈内、皮下、皮内、経皮、腹腔内、経口、点眼、非経口及び局所投与からなる群より選ばれる1つ以上の経路により投与される、方法が開示される。
【0129】
ある別の形態では、NKレセプターにより病態生理学的に修飾される疾患の予防及び/又は治療方法であって、上記投与が液体形態の化合物又はその医薬上許容される塩もしくは付加物を静脈内投与することによって行われる方法が開示される。
【0130】
ある別の形態では、NKレセプターにより病態生理学的に修飾される疾患の予防及び/又は治療方法で、特にネチュピタント(netupitant)の誘導体による方法であって、上記投与が上記化合物又はその医薬上許容される塩もしくは付加物を経口投与することによって行われる方法が開示される。
【0131】
ある別の形態では、NKレセプターにより病態生理学的に修飾される疾患の予防及び/又は治療方法であって、上記ネチュピタント(netupitant)誘導体が分子のネチュピタント成分の質量に基づいて約50mg〜約500mg、約100mg〜約400mg、約150〜約350mg又は約300mgの用量で経口的に投与される、方法が開示される。
【0132】
ある別の形態では、NKレセプターにより病態生理学的に修飾される疾患の予防及び/又は治療方法で、特にネチュピタント(netupitant)の誘導体による方法であって、上記化合物又はその医薬上許容される塩もしくは付加物が分子のネチュピタント成分の質量に基づいて約10mg〜約200mg、約50mg〜約150mg、約75〜約125mg又は約100mgの用量で静脈内投与される、方法が開示される。
【0133】
ある別の形態では、NKレセプターにより病態生理学的に修飾される疾患の予防及び/又は治療方法で、特にネチュピタント(netupitant)の誘導体による方法であって、上記化合物又はその医薬上許容される塩もしくは付加物が分子のネチュピタント成分の質量に基づいて約1〜約20mg/ml、約5〜約15mg/ml、約7〜約2mg/ml又は約10mg/mlの濃度を有するように製剤される、方法が開示される。
【0134】
ある別の形態では、NKレセプターにより病態生理学的に修飾される疾患の予防及び/又は治療方法であって、上記化合物又はその医薬上許容される塩もしくは付加物が一日あたり単回投薬で、複数日の治療コースの間に単回投薬で(例えば、遅発嘔吐症のための5日間治療計画)、又は、一日あたり複数回投薬で投与される、方法が開示される。ある別の形態では、NKレセプターにより病態生理学的に修飾される疾患の予防及び/又は治療方法であって、上記複数回投薬が1日あたり2〜4回投薬である、方法が開示される。
【0135】
ある別の形態では、NKレセプターにより病態生理学的に修飾される疾患の予防及び/又は治療方法であって、1種以上の治療剤又はその医薬上許容される塩を投与することをさらに含む、方法が開示される。ある別の形態では、上記治療剤は5−NTアンタゴニスト、NK1アンタゴニスト又はデキサメタゾンである。ある別の形態では、上記5−HTアンタゴニストはオンダンセトロン、パロノセトロン、グラニセトロンもしくはトロピセトロン又はその医薬上許容される塩である。あるさらに別の形態において、上記5−HTアンタゴニストはパロノセトロン又はその医薬上許容される塩である。ある別の形態では、パロノセトロン又はその医薬上許容される塩の経口投与量は、約0.1mg〜約2.0mg、約0.25mg〜約1.0mg、約0.5mg〜約0.75mg又は約0.5mgである。あるその他の形態では、パロノセトロン又はその医薬上許容される塩の静脈内投与量は約0.05mg〜約2.0mg、約0.075mg〜約1.5mg、約0.1mg〜約1.0mg、約0.25mg〜約0.75mg又は約0.25mgである。ある別の形態では、パロノセトロン又はその医薬上許容される塩は約0.25mg/5mLの濃度を有するように製剤される。
【0136】
ある別の形態では、NKレセプターにより病態生理学的に修飾される疾患の予防及び/又は治療方法であって、1種以上の治療剤又はその医薬上許容される塩を投与することをさらに含み、上記治療剤は2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチル−N−(6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−(o-トリル)ピリジン−3−イル)プロパンアミド(ネチュピタント)(netupitant)であるNKアンタゴニストである、方法が開示される。1つの実施形態において、ネチュピタントはGA8との組み合わせで投与され、GA8/ネチュピタントの比は1:200又は1:100を超える。
【0137】
ある別の形態では、NKレセプターにより病態生理学的に修飾される疾患の予防及び/又は治療方法であって、対象がヒトである、方法が開示される。ある別の形態では、NKレセプターにより病態生理学的に修飾される疾患の予防及び/又は治療方法であって、対象が疾患の治療の必要があること又は投与の必要があることが確認されている、方法が開示される。
【0138】
かかる疾患を治療する技術分野における当業者は、過度の実験をすることなく、また、個人の知識と本出願の開示によって、所与の疾患のための式Iの化合物の治療有効量を確認することができるであろう。ある別の形態では、1種以上の治療剤をさらに含む、対象の予防及び/又は治療方法が開示される。
【0139】
用語のさらなる定義
1.A, an, the
明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるときに、単数形の"a"、 "an"及び"the"は文脈から明らかでない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「医薬キャリア」(a pharmaceutical carrier)と述べたら、単一のキャリアだけでなく、2種以上のかかるキャリアの混合物なども含まれる。
【0140】
2.略語
当業者によく知られている略語は使用されうる(例えば、時間(単数又は複数)には"h"又は"hr"、グラム(単数又は複数)には"g"又は"gm"、ミリリットルには"mL"、そして 室温には"rt"、ナノメートルには"nm"、モル濃度には"M"などの略語)。
【0141】
3.約
用語「約」は、本開示中の実施形態を説明する際に用いられる組成物中の成分の量、濃度、体積、処理温度、処理時間、収量、流速、圧力ならびにその値及び範囲を修飾するのに使用されるときに、化合物、組成物、濃縮物又は使用製剤を製造するために使用される典型的な測定及び処理手順により、これらの手順における意図せぬ誤差により、方法を実施するために使用する出発材料又は成分の製造、供給源又は純度による差異などの考慮事項により発生しうるような数量の変動を指す。用語「約」は、また、組成物又は製剤のエージングによる特定の初期濃度又は混合物と異なる量、組成物又は製剤の混合又は処理による特定の初期濃度又は混合物と異なる量を包含する。用語「約」により修飾されていようがいまいが、添付の特許請求の範囲はこれらの量と同等の量を含む。
【0142】
4.含む
本出願の明細書及び特許請求の範囲をとおして、用語「含む(comprise)」、及び、「含む(comprising)」及び「含む(comprises)」などのその用語の変形は限定することなく含むこと(including)を意味し、そして、例えば、他の添加剤、成分、インテジャ(integers)又は工程を排除することを意図しない。
【0143】
5.刊行物
本出願を通して種々の刊行物を参照する。本発明が属する技術分野の技術水準をより完全に記載するために、これらの刊行物の開示は、その刊行物中に含まれる、参照が依拠している文で議論されている資料を個別に、詳細にそして全体的に引用しているものと考えられるべきである。
【0144】
6.主題
全体を通して使用されるときに、「対象」は個体を意味する。したがって、「対象」としては、例えば、ネコ、イヌなど飼い慣らされた動物、家畜(例えば、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギなど)、実験動物(例えば、マウス、ウサギ、ラット、モルモットなど)、哺乳動物、ヒト以外の哺乳動物、霊長類、ヒト以外の霊長類、げっ歯類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類及び任意の他の動物を挙げることができる。対象は霊長類又はヒトなどの哺乳動物であることができる。対象は、また、ヒトでなくてもよい。
【実施例】
【0145】

以下の実施例は、ここに請求される化合物、組成物、物品、装置及び/又は方法をいかにして製造しそして評価するかの完全な開示及び記述を当業者に提供するように示され、純粋に例示であることが意図され、そして開示を限定することは意図されない。数値(例えば、量、温度など)に関して正確さを確保するための努力がなされているが、多少の誤差及び偏差は考慮されるべきである。特に断りのない限り、部は質量部であり、温度は℃単位であるか、又は、周囲温度であり、圧力は大気圧又はその近傍である。
【0146】
例1
式(I)の化合物の調製
以下は式(I)の化合物の調製の例である。本例は純粋に例示であることが意図され、そして開示を限定することが意図されない。
【0147】
【化12】
【0148】
スキーム1の中間体1に類似の化合物の調製の他の一般手順は米国特許第6,303,790号、同第6,531,597号、同第6,297,375号及び同第6,479,483号明細書にも開示されており、それらの中に含まれる、中間体Iの調製に関連のある資料を個別に、詳細にそして全体的に引用する。
【0149】
メチル−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−4−o−トリル−ピリジン−3−イル]−アミンの合成
【0150】
【化13】
【0151】
工程1:
65mlのTHF中の13.0g(82.5 mMol)の6−クロロ−ニコチン酸を0℃に冷却し、そして206.3ml(206.3 mMol)のo-トリルマグネシウムクロリド溶液 (THF中1M)を45分間にわたって添加した。得られた溶液をさらに、0℃で3時間、そして室温で一晩攪拌した。それを−60℃に冷却し、そして103.8ml (1.8 Mol)の酢酸を添加し、次いで、35mlのTHF及び44.24g(165 mMol)の酢酸マンガン(III)二水和物を添加した。−60℃で30分、そして室温で1時間後に、反応混合物をろ過し、そして減圧下にTHFを除去した。残留物を水とジクロロメタンとの間で分割しそして抽出した。粗生成物をシリカゲル(溶離剤:酢酸エチル/トルエン/ギ酸20:75:5)上でろ過し、その後、200mlの半飽和炭酸ナトリウム水溶液及び100mlのジクロロメタンとの間で分割した。有機相を50mlの半飽和炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。合わせた水性相を25mlの25%水性HClで酸性化し、そしてジクロロメタンで抽出した。有機抽出物を乾燥し(NaSO)、そして減圧下に濃縮し、10.4g(51%)の6−クロロ−4−o−トリル−ニコチン酸を黄色フォームとして提供した。MS (ISN): 246 (M-H, 100), 202 (M-CO2H, 85), 166 (36)。
【0152】
工程2:
48.0mlのTHF中の8.0g(32.3mMol)の6−クロロ−4−o−トリル−ニコチン酸の溶液に、3.1ml(42.0 mMol)のチオニルクロリド及び143.mu.l(1.8mMol)のDMFを添加した。50℃で2時間後に、反応混合物を室温に冷却し、そして0℃に冷却した72.5mlの25%水性水酸化アンモニウム及び96mlの水の溶液に添加した。0℃で30分後に、THFを減圧下に除去し、そして水性層を酢酸エチルで抽出した。溶媒の除去により、7.8g(98%)の6−クロロ−4−o-トリルニコチンアミドをベージュの結晶フォームとして生じた。MS (ISP): 247 (M+H, 100)。
【0153】
工程3:
1.0g(4.05mMol)の6−クロロ−4−o-トリル−ニコチンアミドを9.0mlの1−メチル−ピペラジン中で100℃に2時間加熱した。過剰のN−メチル−ピペラジンを高真空下に除去し、そして残留物をシリカゲル(溶離剤:ジクロロメタン)上でろ過し、1.2g(95%)の6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−4−o-トリル−ニコチンアミドを淡黄色結晶フォームとして生じた。
MS (ISP): 311 (M+H+, 100), 254 (62)。
【0154】
工程4:
0.2g(0.6mMol)の6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−o−トリル−ニコチンアミドの1.0mlのメタノール中の溶液を、103mg(2.6 mMol)の水酸化ナトリウムの1.47ml (3.2 mMol)のNaOCl(13%)中の溶液に添加し、そして70℃で2時間加熱した。メタノールの除去後に、水性層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(NaSO)、減圧下に濃縮し、そして残留物をシリカゲル(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール 4:1)上でろ過し、100mg(70%)の6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−o−トリル−ピリジン−3−イルアミンを褐色樹脂として生じた。MS (ISP): 283 (M+H+, 100), 226 (42)。
【0155】
工程5:
メタノール中の2.15ml(11.6 mMol)のナトリウムメトキシドを、30分間にわたって、−5℃に冷却された、0.85g(4.6 mMol)のN−ブロモスクシンイミドの5.0mlのジクロロメタン中の懸濁液に添加した。反応混合物を−5℃で16時間攪拌した。なおもこの温度で、1.0g(3.1 mMol)の6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−4−o−トリル−ニコチンアミドの5.0mlのメタノール中の溶液を20分間にわたって添加し、そして5時間攪拌した。7.1ml(7.1 mMol)の水性HCl 1N及び20mlジクロロメタンを添加した。相を分離し、そして有機相を脱イオン水で洗浄した。水性相をジクロロメタンで抽出し、水性NaOH 1NでpH8とし、そしてジクロロメタンでさらに抽出した。その有機抽出物を合わせ、乾燥し(NaSO)、そして濃縮して、1.08g (定量的)の[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−4−o−トリル−ピリジン−3−イル]−カルバミン酸メチルエステルをグレイのフォームとして生じた。
MS (ISP): 341 (M+H+, 100), 284 (35)。
【0156】
工程6:
0.5g(1.4mMol)の[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−4−o−トリル−ピリジン−3−イル]-カルバミン酸メチルエステルの3.0mlのジクロロメタン中の溶液を10分間にわたって、1.98ml(6.9mMol)のRed-ALRTM (トルエン中70%)及び2.5mlのトルエンの溶液に添加した(発熱性、水浴で冷却して>50℃に上昇するのを回避)。反応混合物を50℃で2時間CHCl中で攪拌し、酢酸エチルで抽出し、そして0℃に冷却した。4mlの水性NaOH 1Nを注意深く(発熱性)15分間にわたって添加し、次いで、20mlの酢酸エチルを添加した。相を分離させ、そして水性相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を脱イオン水及びブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして減圧下に濃縮し、0.37g(89%)のメチル[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−4−o−トリル−ピリジン−3−イル]−アミンをオレンジ色樹脂として生じた。MS (ISP): 297 (M-H+, 100)。
【0157】
2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−2−メチル−プロピオニルクロリドの合成
【0158】
【化14】
【0159】
15.0g(50mmol)の2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−2−メチル−プロピオン酸を127.5mlのジクロロメタン中に、0.75mlのDMFの存在下に溶解した。8.76ml(2当量)の塩化オキサリルを添加し、そして4.5時間後に、溶液をロータリーエバポレータで乾燥まで蒸発し、9mlのトルエンを添加し、そして得られた溶液を再びロータリーエバポレータで蒸発した。その後、高真空下に乾燥し、16.25g(定量的)の2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−2−メチル−プロピオニルクロリドをHPLC分析により86%純度の黄色オイルとして生じた。NMR (250 MHz, CDCl3): 7.86 (br s, 1H); 7.77, (br s, 2H, 3 Harom); 1.77 (s, 6H, 2 CH3)。
【0160】
2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N,2−ジメチル−N−(6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−(o-トリル)ピリジン−3−イル)プロパンアミド(ネチュピタント)(Netupitant)の合成
【0161】
【化15】
【0162】
20g(67.5 mMol)のメチル−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−4−o−トリル−ピリジン−3−イル]−アミン及び17.5ml(101 mmol)のN−エチルジイソプロピルアミンの200mlのジクロロメタン中の溶液をアイスバス中で冷却し、そして24g (75 mmol)の2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−2−メチル−プロピオニルクロリドの50mlのジクロロメタン中の溶液を滴下して加えた。反応混合物を35〜40℃に3時間温め、再び室温に冷却し、そして250mlの飽和重炭酸ナトリウム溶液とともに攪拌した。有機層を分離し、そして水性相をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を乾燥し(硫酸マグネシウム)、そして蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、31.6g(81%)の2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチル−N−(6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−(o-トリル)ピリジン−3−イル)プロパンアミドを白色結晶として生じた。
M.P. 155-157℃; MS m/e (%): 579 (M+H+, 100)。
【0163】
5−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチルプロパンアミド)−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−(o-トリル)ピリジン1−オキシドの合成
【0164】
【化16】
【0165】
工程1:
6−クロロピリジン3−アミン(115g、0.898 mol)及び(Boc)O(215.4g、0.988 mol)の900mLのジオキサン中の溶液を一晩還流した。得られた溶液を1500mLの水中に注いだ。得られた固形分を回収し、水で洗浄しそしてEtOAcから再結晶化し、160gのtert-ブチル(6−クロロピリジン−3−イル)カルバメートを白色固形分として提供した(収率:78.2%)。
【0166】
工程2:
tert-ブチル(6−クロロピリジン−3−イル)カルバメート(160g、0.7 mol) の1Lの無水THF中の溶液に、n-BuLi(600mL、1.5 mol)を78℃でN雰囲気下に添加した。添加が完了した後に、溶液を−78℃で30分間攪拌し、そしてI (177.68g、0.7 mol)の800mLの無水THF中の溶液を添加した。その後、溶液を−78℃で4時間攪拌した。TLCは反応が完了したことを示した。水をクエンチのために添加し、そしてEtOAcを添加して2回抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そしてフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、80gのtert-ブチル(6−クロロ−4−ヨードピリジン−3−イル)カルバメートを黄色固形分として提供した(32.3%)。
【0167】
工程3:
tert-ブチル(6−クロロ-4−ヨードピリジン−3−イル)カルバメート(61g、0.172 mol)の300mLの無水THF中の溶液に60%NaH(7.6g、0.189 mol)を0℃にてN雰囲気下に添加した。添加が完了した後に、溶液を30分間攪拌し、その後、MeI(26.92g、0.189 mol)の100mLの乾燥THF中の溶液を添加した。その後、溶液を0℃で3時間攪拌した。TLCは反応が終了したことを示した。水をクエンチのために添加し、そしてEtOAcを添加して2回抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過しそして濃縮して、63gの粗tert-ブチル(6−クロロ−4−ヨードピリジン−3−イル)(メチル)カルバメートを提供し、さらなる精製なしに次の脱保護で用いた。
【0168】
工程4:
tert-ブチル(6−クロロ−4−ヨードピリジン−3−イル)(メチル)カルバメート (62.5g、0.172 mol)の500mLの無水DCM中の溶液に180mLのTFAを添加した。その後、溶液を室温にて4時間攪拌した。濃縮して溶媒を除去し、フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、45.1gの6−クロロ−4−ヨード−N−メチルピリジン−3−アミンを黄色固形分として提供した (収率:97.3%)。
【0169】
工程5:
6−クロロ−4−ヨード−N−メチルピリジン−3−アミン(40.3g、0.15mol)及び2−メチルベンゼンホウ酸(24.5g、0.18 mol)の600mLの無水トルエン中の溶液に、400mLの2N水性NaCO溶液、Pd(OAc)(3.36g、15 mmol)及びPPh(7.87g、0.03 mmol)を添加した。溶液を100℃で2時間攪拌した。室温に冷却し、水で希釈した。EtOAcを添加して2回抽出した。合わせた有機相を水及びブラインで順次に洗浄し、NaSO上で乾燥し、濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、19gの6−クロロ−N−メチル−4− (o-トリル)ピリジン−3−アミンを白色固形分として提供した(収率:54.6%)。
【0170】
工程6:
6−クロロ−N−メチル−4−(o-トリル)ピリジン−3−アミン(18.87g、81.3mmol)及びDMAP(29.8g、243.9 mmol)の200mLの無水トルエン中に溶液に、2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−2−メチル−プロピオニルクロリド(28.5g、89.4 mmol)のトルエン中の溶液をN雰囲気下に添加した。溶液を120℃で23時間加熱した。室温に冷却し、1Lの5%NaHCO水溶液を注ぎ、そしてEtOAcで2回抽出した。合わせた有機相を水及びブラインで順次に洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過しそしてフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、35gの2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(6−クロロ−4−(o-トリル)ピリジン−3−イル)−N,2−ジメチルプロパンアミドを白色固形分として提供した(収率:83.9%)。
【0171】
工程7:
2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(6−クロロ−4−(o-トリル)ピリジン−3−イル)−N,2−ジメチルプロパンアミド(5.14g、10 mmol)の60mLのDCM中の溶液に、m−CPBA(6.92g、40 mmol)を0℃でN雰囲気下に添加した。その後、溶液を室温にて一晩攪拌した。1NのNaOH水溶液を添加して2回洗浄して過剰のm−CPBA及び副生成物を除去した。有機相をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮して、5.11gの粗5−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチルプロパンアミド−2−クロロ−4−(o-トリル)ピリジン1−オキシドを白色固形分として提供した(収率:96.4%)。
【0172】
工程8:
粗5−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチルプロパンアミド−2−クロロ−4−(o-トリル)ピリジン1−オキシド(5.1g、9.62 mmol)の80mLのn-BuOH中の溶液にN−メチルピペラジン(7.41g、74.1 mmol)をN雰囲気下に添加した。その後、溶液を80℃で一晩攪拌した。濃縮しそしてフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、4.98gの5−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチルプロパンアミド−2−(4−メチルピペラジン−1-イル)−4−(o-トリル)ピリジン1−オキシドを白色固形分として提供した(収率:87.2%)。HNMR (CDC13, 400MHz)δ 8.15(s, 1H), 7.93(s, 1H), 7.78(s, 2H), 7.38(m, 1H), 7.28(m, 1H), 7.17 (m, 1H), 7.07 (s, 1H), 5.50 (s, 3H), 2.72 (d, J=4.4Hz, 4H), 2.57(m, 3H), 2.40(s, 3H), 2.23(s, 3H), 1.45-1.20 (m, 6H)。
【0173】
4−(5−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチルプロパンアミド−1−オキシド−4−(o-トリル)ピリジン−2-イル)−1−メチルピペラジン1−オキシドの合成
【0174】
【化17】
【0175】
5−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチルプロパンアミド−2−(4−メチルピペラジン−1-イル)−4−(o-トリル)ピリジン1−オキシド(3g、5.05 mmol)及びNaHCO(0.354g、12.66 mmol)の60mLのMeOH及び15mLのHO中の溶液に、カリウムモノペルスルフェートトリプル塩(1.62g、26.25 mmol)を室温にて15分間で添加した。室温にてN雰囲気下に4時間攪拌した後に、反応混合物を真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:MeOH)により精製した。生成物をDCM中に溶解し、生成した固形分をろ過して除去し、溶液を減圧下に濃縮して、1.77gの4−(5−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチルプロパンアミド−1−オキシド−4−(o-トリル)ピリジン−2-イル)−1−メチルピペラジン1−オキシドを白色固形分として提供した(収率:57.4%)。HNMR (CDC13, 400MHz) δ 8.06 (s, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.60 (s, 2H), 7.37-7.20 (m, 4H), 6.81 (s, 1H), 3.89 (s, 2H), 3.74 (m, 4H), 3.31 (m, 5H), 2.48 (s, 3H), 2.18 (s, 3H), 1.36 (s, 6H)。
【0176】
1−(5−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチルプロパンアミド)−4−(o-トリル)ピリジン−2-イル)−4−メチルピペラジン1,4−ジオキシドの合成
【0177】
【化18】
【0178】
2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチル-N−(6−(4−メチルピペラジン-1-イル)−4−(o-トリル)ピリジン−3-イル)プロパンアミド(11.1g、19.2 mmol)の75mlのメタノール中の溶液に、20mlの水中に溶解した重炭酸ナトリウム(3.38g、40.3 mmol)を添加した。その後、オキソン (14.75g、48.0mmol)を攪拌されている溶液に室温にて3〜4回分で添加した。懸濁液を50℃で4時間加熱した。塩(メタノール3回×8mlのメタノールで洗浄)のろ過の後に、溶媒を減圧下に蒸発させ、そしてDCM(30ml)で置換した。有機相を水で洗浄し(5x30 ml)、NaSO上で乾燥し、ろ過し、濃縮し、そしてトルエン中の沈殿により精製し、9.3gの1−(5−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチルプロパンアミド)−4−(o-トリル)ピリジン−2-イル)−4−メチルピペラジン1,4−ジオキシドを白色固形分として提供した(収率:80%)。H-MMR (CDCl3, 400MHz, 333K) δ 8.27(s, 2H), 7.75(s, 1H), 7.63(s, 2H), 7.26-7.19 (m, 2H), 7.14 (t, 1H, J=7.4 Hz), 7.09(d, 1H, J=7.4 Hz), 4,93 (t, 2H, J=11.6 Hz), 4,70 (t, 2H, J=11.6 Hz), 4.12 (d, 2H, J=10.7 Hz), 3.84 (s, 3H), 3.50(d, 2H, J=10.3 Hz), 2,47(s, 3H), 2.12(s, 3H), 1.40(s, 6H)。
【0179】
ジ-tert-ブチル(クロロメチル)ホスフェートの合成(A)
【0180】
【化19】
【0181】
ジ-tert-ブチルホスフィット(40.36 mmole)を重炭酸カリウム(24.22 mmole)と35mlの水中で組み合わせた。溶液をアイスバス中で攪拌し、そして過マンガン酸カリウム(28.25 mmole)を1時間にわたって3等分に分けて添加した。その後、反応を室温にてさらに0.5時間継続させた。その後、脱色性炭素(600mg)を、反応物を60℃に15分間加熱したときに取り込ませた。その後、反応物を真空ろ過し、固形分の二酸化マンガンを除去した。固形分を水で数回洗浄した。ろ液を、その後、1グラムの脱色性炭素と合わせ、そして60℃でさらに20分間加熱した。溶液を再びろ過し、無色の溶液を生じ、その溶液を、その後、真空下に蒸発させ、粗ジ-tert-ブチホスフェートカリウム塩を提供した。ジ-tert-ブチルホスフェートカリウム塩(5g、20.14 mmole) をメタノール(15g)中で溶解し、この溶液に0℃にて、若干過剰の濃縮HClをゆっくりと加え、その間、0℃で効率的な攪拌を行った。酸の添加により、塩化カリウムの沈殿が生じる。その後、固形分をろ過し、そしてメタノールで洗浄する。その後、反応物を効率的に攪拌して塩/氷浴により冷却しながら、等モル量のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(3.65g、20.14mmole)を添加することにより、母液中の化合物をアンモニウム形態に転化させる。得られた透明な溶液を減圧下に置き、粗生成物を提供する。還流用ジメトキシエタン中に溶解したテトラメチルアンモニウムジ-tert-ブチル-ホスフェートに、その後、4.3グラムのクロロヨードメタン(24.16 mmole)を添加し、そして1〜2時間攪拌する。その後、反応物をろ過し、そしてろ液を減圧下に置き、溶液をDME中で濃縮する。DME中のクロロメチルジ-tert-ブチルホスフェート12〜16%を4−(5−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチルプロパンアミド−4−(o-トリル)ピリジン−2-イル)−1−メチル−1−((ホスホノオキシ)メチル)ピペラジン−1−イウムの合成に、さらなる精製を行わずに用いる(60%収率): HNMR (CD3OD, 300 MHz) δ 1.51 (s, 12H), 5.63 (d, 2H, J=14.8)。31P-NMR (CD3OD,300 MHz) δ -11.3 (s, 1P)。
【0182】
ジ-tert-ブチル(クロロメチル)ホスフェートの合成(B)
【0183】
【化20】
【0184】
ジ-tert-ブチルホスフェートカリウム塩(5g、20.14 mmole)をメタノール(15g)中に溶解し、この溶液に0℃で、若干過剰の濃HClをゆっくりと添加し、0℃にて効率的な攪拌を行う。酸の添加により、塩化カリウムの沈殿を生じる。その後、固形分をろ過し、そしてメタノールで洗浄する。メタノール中等モル量のテトラブチルアンモニウムヒドロキシド1M(20.14 mmole)を添加することにより、母液中の化合物をアンモニウム形態に転化し、その間、反応物を0℃に冷却し、効率的な攪拌を行う。得られた透明な溶液を減圧下に置き、中間体生成物を提供する。その後、53.3グラムのクロロヨードメタン(302.1 mmole)に、アセトン中に溶解したテトラブチルアンモニウムジ-tert-ブチルホスフェートを滴下して加え、そして40℃で1〜2時間攪拌する。溶媒及び過剰のクロロヨードメタンを留去し、反応塊をTBME中に懸濁させ、その後、ろ過する。重炭酸ナトリウムの飽和溶液及び水でろ液を洗浄し、その後、減圧下に置き、溶媒をアセトンで置換し、すなわち、溶媒を除去し、その後、それをアセトンで置換する。アセトン中のクロロメチルジ-tert-ブチルホスフェート7〜20%を次の工程でさらなる精製なしに用いる(70〜80%の収率): H-NMR (CD3OD, 300 MHz) δ 1.51(s, 12H), 5.63(d, 2H, J=14.8)。31P-NMR (CD3OD, 300 MHz) δ -11.3 (s, 1P)。
【0185】
4−(5−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチルプロパンアミド)−4−(o-トリル)ピリジン−2−イル)−1−メチル−1−((ホスホノオキシ)メチル)ピペラジン−1−イウム塩の安定性研究
4−(5−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチルプロパンアミド)−4−(o-トリル)ピリジン−2−イル)−1−メチル−1−((ホスホノオキシ)メチル)ピペラジン−1−イウム塩の安定性及び溶解度をさらに上げるために、種々のその誘導体塩を合成しそして試験した。それらの合成はa)乾燥した二酸ホスフェート種及びその対応する塩基塩の中和又はb)乾燥したジ(tert-ブチル)保護ホスフェート種から出発した直接酸脱保護のいずれかを用いた。中和はL−ヒスチジン、マグネシウム塩、N−メチル−D−グルカミン(ジメグルカミン)及びL−リジンを用いて行った。両方の手順をクエン酸誘導体の合成で試みたが、他の酸では直接脱保護を用いた。下記の図示は最も適切な構造を示す。
【0186】
【化21】
【0187】
【表6】
【0188】
親酸種が乾燥状態で貯蔵されていなかったときに、第一週で8%を超える分解を経験し、最初の6ヶ月で65%を超える分解を経験することが判った。乾燥した親酸種を空気中で30℃に維持したときに、最初の7日間で0.05%の分解を経験し、6ヶ月で合計7.03%の分解を経験した。乾燥した親酸種を室温でアルゴン下に維持したときに、最初の7日間で0.13%までの分解を経験したが、その後、6ヶ月間は本質的に安定であった。種々の誘導体塩の結果を下記の表1に示す。
【0189】
【表7】
【0190】
安定性の結果のより総括的な提示を図1に示し、ここで、水平軸は試験の日数を示し、垂直軸は分解の質量%を示す。アルファベットの文字を用いてグラフ上のデータポイントを表し、該データポイントはすぐ上に記載されそして下記の表2に記載されるのと同一の親化合物のそれぞれの塩についての時間経過に対する分解百分率値に対応する。描かれた線は基準塩(二ナトリウム塩)の日数期間にわたる一般的傾向に対応し、幾つかの塩では二ナトリウム塩よりも望ましい結果であることを明らかにしている。
【0191】
【表8】
【0192】
4−(5−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチルプロパンアミド)−4−(o-トリル)ピリジン−2−イル)−1−メチル−1−((ホスホノオキシ)メチル)ピペラジン−1−イウムクロリドヒドロクロリドの合成(A)
【0193】
【化22】
【0194】
クロロメチルジ-tert-ブチルホスフェートのDME中の溶液(10%溶液から250g、96.64 mmole)を、淡黄色オイルが生成するまで減圧下に蒸発させ、50℃で318mlのアセトニトリルで溶解した。17.2g(80.54 mmole)の1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン及び46.6g(80.54 mmole)の2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチル−N−(6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−(o-トリル)ピリジン−3−イル)プロパンアミドを添加し、そして溶液を90℃で少なくとも12時間加熱した。75gのイソプロピルエーテルの添加後に、沈殿した粗生成物を室温に冷却し、ろ過し、そしてアセトニトリル、イソプロピルエーテル/アセトン3:1及びイソプロピルエーテルで洗浄し、減圧下に乾燥して、20〜33gの4−(5−{2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−N,2−ジメチルプロパンアミド}−4−(o-トリル)ピリジン−2−イル)−1−メチル−1−{[(tert-ブトキシ)ホスホリル]オキシメチル}ピペラジン−1−イウムを白色固形分として提供した(収率:30〜50%)。H-NMR (CD3OD, 400 MHz) δ 7.98(s, 1H), 7.86(s, 1H), 7.76(s, 2H), 7.33-7.10(m, 4H), 6.80(s, 1H), 5.03(d, 2H, JPH=8.5 Hz), 4.52(s, 2H), 4.13(m, 2H), 3.83(m, 2H), 3.69(m, 2H), 3.52(m. 2H), 3.23(s, 3H), 2.53(s, 3H), 2.18(s, 3H), 1.46 (s, 18H), 1.39(s, 6H)。31P-NMR (CD3OD, 161 MHz) δ -5.01 (s, 1P)。
【0195】
180gのメタノール及び400gのジクロロメタン中に溶解した20g(23.89 mmole)の4−(5−{2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−N,2−ジメチルプロパンアミド}−4−(o-トリル)ピリジン−2−イル)−1−メチル−1−{[(tert-ブトキシ)ホスホリル]オキシメチル}ピペラジン−1−イウムに、ジオキサン中のHCl 4M(18.8g、71.66 mmole)を添加し、そして溶液を還流下に3時間加熱した。200gのジオキサンの添加後に、生成物の沈殿までDCM及びメタノールを減圧下に蒸留し、生成物をろ過しそしてイソプロピルエーテル(100g)、アセトン(30g)及びペンタン(2x60g)で洗浄した。生成物を最終的に減圧下に55℃で乾燥し、15〜17gの4−(5−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチルプロパンアミド)−4−(o-トリル)ピリジン−2−イル)−1−メチル−1−((ホスホノオキシ)メチル)ピペラジン−1−イウムクロリドヒドロクロリドを白色固形分として提供した(収率:88〜93%)。H-NMR (CD3OD, 400 MHz) δ 7.02(s, 1H), 7.87(s, 1H), 7.74(s, 2H), 7.33-7.40(m, 2H), 7.27(m, 1H), 7.21(s, 1H), 7.16(d, 1H, J=8.2 Hz), 5.27 (d, 2H, JPH=7.9 Hz), 4.29(m, 2H), 4.05(m, 2H), 3.85(m, 2H), 3.74(m, 2H), 3.35(s, 3H), 2.62(s, 3H), 2.23(s, 3H), 1.38(s, 6H)。31P-NMR (CD3OD, 161 MHz) δ -2.81 (t,1P, JPH=7.9 Hz)。
【0196】
4−(5−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチルプロパンアミド)−4−(o-トリル)ピリジン−2−イル)−1−メチル−1−((ホスホノオキシ)メチル)ピペラジン−1−イウムクロリドヒドロクロリドの合成(B)
【0197】
【化23】
【0198】
クロロメチルジ-tert-ブチルホスフェートのアセトン中の溶液(10%溶液から22.1g、85.58 mmole)に、15.5g(103.24 mmole)のヨウ化ナトリウム及び33.0g(57.00 mmole)のネチュピタントを添加し、そして溶液を50℃で6〜16時間加熱した。沈殿した塩をろ過し、減圧下でアセトンを蒸留し、そして粗生成物を43.0gのメタノール及び43.0gの1,4−ジオキサン中に溶解させた。12.6gのHCl 4M(ジオキサン中)(113.85 mmole)を添加し、その後、メタノールを40℃で減圧下に蒸留した。溶液を5℃で冷却し、そして5℃で少なくとも2時間攪拌した。生成物をろ過により分離し、アセトン中の追加のスラリー(238g)により精製し、そしてろ過しそしてアセトン(47g)及びペンタン(2x72g)で洗浄した。
【0199】
生成物を最終的に60℃で減圧下に乾燥し、22〜30gの黄白色固形分を提供した(収率:50〜70%)。
H-NMR (CD3OD, 400 MHz) δ 7.02(s, 1H), 7.87(s, 1H), 7.74(s, 2H), 7.33-7.40(m, 2H), 7.27(m, 1H), 7.21(s, 1H), 7.16(d, 1H, J=8.2 Hz), 5.27(d, 2H, JPH=7.9 Hz), 4.29(m, 2H), 4.05(m, 2H), 3.85(m, 2H), 3.74(m, 2H), 3.35(s, 3H), 2.62(s, 3H), 2.23(s, 3H), 1.38(s, 6H)。31P-NMR (CD3OD, 161 MHz) δ -2.81 (t, 1P, JPH=7.9 Hz)。
【0200】
スキーム6Aに示す生成物は例示であり、酸性プロトンが平衡状態で種々の原子に結合している幾つかの変化形の1つにすぎないと理解されるべきである。例えば、他の変化形の表現では、プロトンが1個以上のN原子に結合し、一方、P原子に結合している1個以上のO原子がアニオン電荷を有するであろう。本発明はその平衡にある分子種すべてを含み、そして図示した生成物は一般形態のすべての分子を代表していることが意図される。
【0201】
7.式(I)の代表的な化合物の評価
i.化学安定性及び溶解性
幾つかの参考化合物と比較した、式(I)の幾つかの代表的な化合物の化学安定性及び水溶性を下記の表3に再現する。安定性は加速条件下(40℃)でICHガイドラインにしたがって試験した。
【0202】
【表9】
【0203】
【表10】
【0204】
ii. 局所耐性
ネチュピタント(上記の表の化合物番号9)と対比して、ラットでの3つの化合物(例えば、上記の表1の化合物番号1〜3)の7日間局所耐性試験を行った。すべて3つの化合物は良好な局所耐性を示し、そのことは以下の発見から示される。
−注射部位の炎症の症状が最小限であり、そして浮腫がほとんどなかった。
−試験したどの動物にも後期血栓が見られなかった。
−炎症の重症度は化合物で処理した動物及びビヒクルで処理した動物で同様であった。
−組織壊死はどの尾にも観測されなかった。及び、
−炎症及び灰白色血栓は血管を通した針での注射により生じた。
【0205】
iii. 薬物動態試験
参考化合物−ネチュピタント(経口投与)と比較して、3つの化合物(例えば、上記の表3の化合物番号1〜3)の薬物動態(PK)試験をラット及びイヌに対して行った。
【0206】
ラットPK試験:
研究で試験したラットはウィスターラット、オス、体重220〜240g、1グループあたり5匹のラットであった。尾の血管に静脈内(IV)スローボーラス注射により1ml/分の速度で10mg/kgの用量を投与した。各動物に対して、用量体積5ml/kg(予備製剤は5%グルコース溶液である)で用量を投与した。対照動物はビヒクル単独を受け入れた。最も新しく記録した体重に基づいて各動物に用量を投与し、そして投与した体積を各動物について記録した。投与前に、ラットを12時間絶食させ、適宜、水を与えた。240分の時間の後に、血液を回収し、ラットに摂食させた。投与前ならびに静脈内投与の0.05、0.25、0.5、1、2、4、6、8、24及び48時間後に、抗凝血剤及び安定剤としてEDTA/NaFを含むチューブ中に0.2〜0.3mlの血液を回収した。遠心分離の後に、血漿を取り出し、そして分析まで約−20℃で冷凍貯蔵した。2、10、40、100、200、1000及び2000ng/ml(1%ギ酸を含むメタノールであるメタノールストックから希釈)で定量化標準曲線を調製した。50ulの標準溶液を分取し、そして標準曲線又はQCサンプルのために50ulのブランクラット血漿サンプル中にスパイクし、次いで、100ulのアセトニトリル(含IS)(with IS)を添加した。50ulのメタノール置換化合物標準メタノール溶液を用いて、50ulのラット血漿サンプルをスパイクし、そして100ulのアセトニトリル(含IS)(with IS)をラット血漿サンプルの測定のために添加した。静脈内投与後の3、15及び30分の時点の血漿サンプルをそれぞれブランクラット血漿で10倍又は5倍に希釈した。タンパク沈殿物(PPP)を用いてアセトニトリルで血漿を予備調製した。HPLCに連結したAPI4000MSを用いてラット血漿サンプルを分析した。レパグリニドを内部標準として用いた。上記の表1の化合物1又はネチュピタント定量化のための内部検量を用いて、標準曲線のLLOQ及び線形範囲はそれぞれ2ng/ml及び2〜2000ng/mlであった。
【0207】
イヌPK試験:
研究で試験したイヌはビーグル犬、体重8〜10kg、1グループあたり3匹のオスのイヌであった。12匹の未処置のイヌで4つのPK試験を行った。ローテーションで用いて左右頭部又は左右伏在静脈中に静脈内(IV)スローボーラス注射により3mg/kgの用量を投与した。容量体積は輸液ポンプ(KDS 220, K.D Scientific)を用いて一定注入速度4ml/分でグルコース5%v/v溶液中2ml/kgであった。最も新しく記録した体重に基づいて各動物に用量を投与し、そして投与した体積を各動物について記録した。溶解度によって、ネチュピタント3mg/kg用量をビヒクル(DMSO:エタノール:Tween80溶液=5:4:1:90, v/v)中で2ml/kgで試験した。各単回PK試験の前に投薬量を新鮮に調製した。投与前に、イヌを12時間絶食させ、適宜、水を与えた。480分の時間の後に、血液を回収し、イヌに摂食させた。投与前ならびに静脈内投与の2、5、15、30分、1、2、4、6、8、12、24、36、48及び72時間後に、ヘパリン処理したチューブ中に0.5mlの血液を回収した。分析まで血漿サンプルを−20℃に維持した。2週間のウオッシュアウトの後に、同一のグループ(ネチュピタントでIV)に、経管投与によりネチュピタントを3mg/kgで投与した。用量体積はビヒクル (蒸留水中ハイプロメロース0.5%、Tween-80 0.1%、塩化ナトリウム0.9%)中で4ml/kgであった。2、10、40、100、200、1000及び2000ng/ml(1%ギ酸を含むメタノールであるメタノールストックから希釈)で定量化標準曲線を調製した。50ulの標準溶液を分取し、そして標準曲線又はQCサンプルのために50ulのブランクイヌ血漿サンプル中にスパイクし、次いで、100ulのアセトニトリル(含IS)(with IS)を添加した。50ulのメタノール置換化合物標準メタノール溶液を用いて、50ulのイヌ血漿サンプルをスパイクし、そして100ulのアセトニトリル(含IS)(with IS)をイヌ血漿サンプルの測定のために添加した。静脈内投与後の2、5、15及び30分の時点の血漿サンプルをそれぞれブランクイヌ血漿で5倍又は2倍に希釈した。タンパク沈殿物(PPP)を用いてアセトニトリルで血漿を予備調製した。HPLCに連結したAPI4000MSを用いてイヌ血漿サンプルを分析した。MRM(+)を用いて、それぞれ、ネチュピタント及び上記表3の化合物番号1〜3をスキャンした。レパグリニドを内部標準として用いた。
【0208】
すべての3つの化合物は3mg/kgの用量で静脈内投与したときに、ラット及びイヌにおいて効率的にネチュピタントに転化されたことが判った。また、化合物番号1はイヌにおいて同一の用量で経口ネチュピタントと生物学的同等性であることも判った。比較の生物学的同等性のデータを下記の表4に示す。
【0209】
【表11】
【0210】
本出願を通して種々の刊行物を参照している。これらの刊行物の開示の全体はその刊行物中に含まれる、参照が依拠している文で議論されている資料を個別にそして詳細に引用する。種々の変更及び変形は本発明の範囲及び精神から逸脱することなく本発明においてなされうることが当業者に明らかであろう。本発明の他の実施形態は本明細書の考察及び本明細書中に開示された発明の実施から当業者に明らかであろう。本明細書及び実施例は例示のみであり、本発明の真の範囲及び精神は次の特許請求の範囲により示される。
図1