(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、熱間仕上圧延機では、圧延コイル数の増加によって作業ロールは摩耗する。特に、板幅端部での局所摩耗、そして作業ロール部の熱膨張により生じるサーマルクラウンにより、板幅端部では板厚が肉厚となるエッジアップ現象が生じる。
【0006】
上述した特許文献1に記載の技術では、板クラウンを所定値とすることができる。また、これに伴って、ロール偏平に起因するエッジドロップを小さくすることが可能である。しかし、特許文献1に記載の技術では、板クラウンとエッジドロップの両方を所定値以下にすることができない、との問題点がある。これは、エッジアップの場合も同じである。特に、エッジアップは、所望の板プロフィルにできないだけでなく、通板性悪化要因となりうる為、できる限り抑制することが必要である。
【0007】
さらに、上述した特許文献1の熱間圧延での板プロフィルプリセット制御モデルは、所定位置で定義された板クラウンのみを所定値以下に制御するモデルであり、このモデルでは、板クラウンおよびエッジプロフィルの両方を所定値以下に制御することが非常に困難である、との問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、以上の従来技術における問題点を解決し、エッジプロフィルを所定値以下に制御することができ、且つ板形状を許容範囲内で板クラウンを所定値以下に制御することができる熱間仕上タンデム圧延機の板プロフィル制御方法および熱間仕上タンデム圧延機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、第1の発明は、複数のスタンドを有する熱間仕上タンデム圧延機の板プロフィル制御方法において、前記熱間仕上タンデム圧延機の最終スタンドに対して求めた、線荷重と
平坦度制御パラメータに対する前記最終スタンド出側での板クラウンと
エッジアップまたはエッジドロップとの関係に基づいて、前記
エッジアップまたはエッジドロップが許容範囲となるよう前記最終スタンドの線荷重を調整し、前記最終スタンド出側での
平坦度が許容範囲内となりかつ板クラウンが所定値以下となるように前記最終スタンドの
平坦度制御パラメータを調整し、上記の調整した最終スタンドの線荷重と
平坦度制御パラメータに基づいて前記
最終スタンドのパススケジュールを
調整することを特徴とするものである。
【0010】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記最終スタンドの
平坦度制御パラメータの調整だけで前記最終スタンド出側での
平坦度が許容範囲とならないか、前記最終スタンド出側での板クラウンが所定値以下とならなかった場合は、前記最終スタンドから上流側に向けて順次、前記最終スタンドでの
平坦度が許容範囲内となり板クラウンが所定値以下となるように上流側スタンドの
平坦度制御パラメータを調整することを特徴とするものである。
【0011】
また、第3の発明は、第1の発明において、前記最終スタンドでの線荷重を実現する前記最終スタンドの圧下量を求め、この圧下量に基づいて
平坦度が許容範囲内となるように圧下スケジュールを決定することを特徴とするものである。
【0012】
また、第4の発明は、第1の発明において、前記パススケジュールを用いて各スタンドでの圧延を行いながら、前記最終スタンドのワークロールを研磨することを特徴とするものである。
【0013】
また、第5の発明は、第1の発明において、前記熱間仕上タンデム圧延機の既存のパススケジュールに対して、前記最終スタンド出側での板クラウンと
エッジアップまたはエッジドロップの関係に基づいて前記最終スタンドの線荷重の調整を行い、前記既存のパススケジュールの線荷重を調整した中間のパススケジュールに対して前記最終スタンドの
平坦度制御パラメータの調整を行うことを特徴とするものである。
【0014】
また、第6の発明は、第1の発明において、前記最終スタンドの
平坦度制御パラメータはワークロールベンダのワークロールベンディング力、ロールクロス角度、ロールシフト量であることを特徴とするものである。
【0015】
また、上記目的を達成するために、第7の発明は、複数のスタンドを有する熱間仕上タンデム圧延機において、前記複数のスタンドのそれぞれに設けられた圧下装置および板形状制御アクチュエータと、所定のパススケジュールを決定する決定制御装置と、前記決定制御装置で決定された前記所定のパススケジュールに基づいて前記圧下装置と前記板形状制御アクチュエータを制御する圧延機制御装置とを備え、前記決定制御装置は、前記熱間仕上タンデム圧延機の最終スタンドに対して求めた、線荷重と
平坦度制御パラメータに対する前記最終スタンド出側での板クラウンと
エッジアップまたはエッジドロップの関係に基づいて、前記
エッジアップまたはエッジドロップが許容範囲となるよう前記最終スタンドの線荷重を調整し、前記最終スタンド出側での
平坦度が許容範囲内となりかつ板クラウンが所定値以下となるように前記最終スタンドの
平坦度制御パラメータを調整することで前記所定のパススケジュールを決定するものであり、前記圧延機制御装置は、前記調整した最終スタンドの線荷重が得られるよう前記圧下装置を制御し、前記調整した最終スタンドの
平坦度制御パラメータが得られるよう前記板形状制御アクチュエータを制御することを特徴とするものである。
【0016】
また、第8の発明は、第7の発明において、前記決定制御装置は、前記所定のパススケジュールを決定する際に、前記最終スタンドの
平坦度制御パラメータの調整だけで前記最終スタンド出側での
平坦度が許容範囲とならないか、前記最終スタンド出側での板クラウンが所定値以下とならなかった場合は、前記最終スタンドから上流側に向けて順次、前記最終スタンドでの
平坦度が許容範囲内となり板クラウンが所定値以下となるように上流側スタンドの
平坦度制御パラメータを調整することを特徴とするものである。
【0017】
また、第9の発明は、第7の発明において、前記決定制御装置は、前記所定のパススケジュールを決定する際に、前記最終スタンドでの線荷重を実現する前記最終スタンドの圧下量を求め、この圧下量に基づいて
平坦度が許容範囲内となるように圧下スケジュールを決定することを特徴とするものである。
【0018】
また、第10の発明は、第7の発明において、ロール研磨装置を更に備え、前記圧延機制御装置は、前記所定のパススケジュールに基づいて前記複数のスタンドのそれぞれで圧延を行いかつ前記ロール研磨装置によって前記最終スタンドのワークロールを研磨するよう前記圧下装置および前記板形状制御アクチュエータと前記ロール研磨装置を制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
第1および第7の発明によれば、最終スタンド出側でのエッジプロフィルを所定値以下に制御でき、且つ板形状を許容範囲内で、板クラウンを伴に所定値以下に制御でき、良好な板プロフィルを得ることができる。
【0020】
また、第2および第8の発明によれば、より確実にエッジプロフィルを所定値以下に制御できるだけでなく、板形状を許容範囲内で、板クラウンについても伴に所定値以下に制御することができる。
【0021】
また、第3および第9の発明によれば、各スタンド出側での板クラウン比率一定を実現できるため、板形状も良好となり、より良好な板プロフィルを提供することが可能となる。
【0022】
また、第4および第10の発明によれば、ワークロールの表面形状が改善されながら圧延が行われるため、より容易に最終スタンド出側でのエッジプロフィルを所定値に制御できる。従って、最終スタンドでの線荷重をはじめとした各パラメータの制御幅が広がり、操業がより容易になる。
【0023】
また、第5の発明によれば、安定かつ確実にエッジプロフィルを所定値以下に制御できるだけでなく、板形状を許容範囲内で、板クラウンについても伴に所定値以下に制御することができる。
【0024】
また、第6の発明によれば、圧延時にワークロールベンダ、ロールクロス角度、ロールシフト量を変えることになり、良好な板プロフィルをより容易に得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
はじめに、本発明における板プロフィルとは、板幅方向の板厚分布のことであり、板中央部と板エッジ部とに分類される。板中央と板中央・エッジ部分割位置での板厚差で定義される板クラウンと、板エッジ部における、板中央・エッジ部分割位置と板端近傍位置での板厚差で定義されるエッジアップあるいはエッジドロップから構成される。
【0027】
また、板形状とは、板の平坦度を意味するものであり、平坦度は端延びや中延びなどがある。また板の波高さを板の波のピッチで除した急峻度などがある。平坦度と板クラウンとは関係があり、スタンドの出側と入側での板クラウン比率の変化にワークロール径、板幅、板厚などによって決定される形状変化係数を乗じたものが平坦度となる。
以後説明される板形状とは平坦度のことである。
【0028】
次に、本発明の成された経緯について以下説明する。
【0029】
圧延材の板プロフィルは、
図1に示すように、板中央部領域と板端部領域とで特性が異なり、板端部では急激に板プロフィルが変化する。
【0030】
ここで、板中央部クラウン、すなわち板クラウンは、圧延中におけるロール撓みに影響される。板端領域でのエッジドロップ、またはエッジアップは、板幅端部近傍でのメタルフローおよびロール偏平に大きく影響される。
【0031】
そのため、圧延材の板クラウンを板幅方向全体に亘って所望のプロフィルに制御するには、エッジドロップ、またはエッジアップを所定値以下に制御し、且つ板形状を許容範囲内とし、板クラウンについても所定値以下となるように制御する必要がある。
【0032】
一般的に、熱間圧延でのエッジドロップ、またはエッジアップは、当該スタンドのみの操業条件に影響され、上流側スタンドの影響は小さい、とされている。つまり、エッジドロップ、またはエッジアップは遺伝性が小さいとされているが、定量的に評価されたものはない。
【0033】
また、圧延本数が増加すると、
図2に示すようにロール摩耗が増加する。特に板幅端部での局所摩耗と、そしてロール熱膨張によるサーマルクラウンとにより、板幅端部ではエッジアップを生じることになる。
【0034】
上述のようにエッジドロップ、またはエッジアップの遺伝性が小さいとされていることから、最終スタンドの操業条件を変更することで、エッジドロップ、またはエッジアップを抑制することができることになる。
【0035】
また、通常、最終スタンドでは、圧下率が小さい操業を行っている。線荷重が小さくなると板幅端部近傍でのロール偏平変形が小さくなる。そのため、この圧下率が小さい操業方法を用いると、板形状を許容範囲内で板クラウンは所定値にできるが、最終スタンドでのロールサーマル、摩耗により生じたエッジアップを抑制する効果は小さくなり、エッジプロフィルを所定値に制御できないことになる。
【0036】
そこで、本発明では、最終スタンド出側での板クラウンとエッジドロップ、またはエッジアップの関係に基づいて、好ましくは上述の関係を予め求めておき、圧下装置を制御して最終スタンドでの線荷重を調整し、熱間仕上タンデム圧延機の最終スタンドでの板形状
制御アクチュエータを操作して、板形状を許容範囲内とし、板クラウンを所定値以下となるように調整する制御とした。この方法により、板クラウン、およびエッジプロフィルを所定値以下となるように調整することができ、良好な板プロフィルを得ることができる。
【0037】
また、最終スタンドでの板形状
制御アクチュエータだけで板形状を許容範囲内、且つ板クラウンを所定値以下に制御することが容易でない場合は、仕上後段側から順番に板形状を優先しながら所定の板クラウンとなるように調整する方法とした。
【0038】
更に、ワークロール研磨装置を配置して最終スタンドのワークロールのロール表面を改善することによってより容易に板形状を許容範囲内とし、板クラウンを所定値以下となるように調整する制御とした。
【0039】
上述の検討に基づいた、本発明の熱間仕上タンデム圧延機の板プロフィル制御方法および熱間仕上タンデム圧延機の実施例を、以下図面を用いて説明する。
【0040】
<実施例1>
本発明の熱間仕上タンデム圧延機の板プロフィル制御方法および熱間仕上タンデム圧延機の実施例1を、
図3乃至
図22を用いて説明する。まず、熱間仕上タンデム圧延機1について
図3を用いて説明する。
図3は、熱間仕上タンデム圧延機の概略を示す図である。
【0041】
図3に示すように、熱間仕上タンデム圧延機1は、熱間圧延材110をストリップに熱間圧延する圧延機であって、F1スタンド10、F2スタンド20、F3スタンド30、F4スタンド40、F5スタンド100の5スタンドと、制御系50とを有している。なお、熱間仕上タンデム圧延機1は
図3に示すような5スタンドに限られず、最低2スタンド以上からなるものであればよい。
【0042】
F1スタンド10は、上下一対のワークロール12,12および上下一対のバックアップロール13,13、上下一対のワークロールベンダ14,14、圧下装置15を有する。F2スタンド20は、上下一対のワークロール22,22および上下一対のバックアップロール23,23、上下一対のワークロールベンダ24,24、圧下装置25を有する。F3スタンド30は、上下一対のワークロール32,32および上下一対のバックアップロール33,33、上下一対のワークロールベンダ34,34、圧下装置35を有する。F4スタンド40は、上下一対のワークロール42,42および上下一対のバックアップロール43,43、上下一対のワークロールベンダ44,44、圧下装置35を有する。最終スタンドとなるF5スタンド100は、上下一対のワークロール120,120および上下一対のバックアップロール130,130、上下一対のワークロールベンダ140,140、圧下装置150を有する。
【0043】
ワークロール12,22,32,42,120は熱間圧延材110を圧延する。バックアップロール13,23,33,43,130は、対応するワークロール12,22,32,42,120をそれぞれ支える。
【0044】
また、上側のワークロール12,22,32,42,120とバックアップロール13,23,33,43,130と、および下側の側のワークロール12,22,32,42,120とバックアップロール13,23,33,43,130とは、互いに水平面内でクロス可能なペアクロスロールである。
【0045】
ワークロールベンダ(板形状制御アクチュエータ)14,24,34,44,140は、ワークロール12,22,32,42,120に曲げ力を付与するための装置であり、そのベンディング力を変更することで熱間圧延材110の断面の形状、特に板クラウンや平坦度を修正することができる。
【0046】
圧下装置15,25,35,45,150は、対応するバックアップロール13,23,33,43,130に対し個別に圧下力を付与する装置である。
【0047】
制御系50は、所定のパススケジュールを決定する決定制御装置60と、決定制御装置60で決定された所定のパススケジュールに基づいて圧下装置15,25,35,45,150やワークロールベンダ14,24,34,44,140、図示しないクロス角変更アクチュエータを制御する圧延機制御装置70と、予め熱間仕上タンデム圧延機1の最終スタンド100に対して求めた、線荷重と
平坦度制御パラメータ(以下、板形状制御パラメータ
と記載)に対する最終スタンド100出側での板クラウンとエッジプロフィルとの関係を記憶する記憶部80を有している。
【0048】
ここで、本実施例では、最終スタンド100の形状制御アクチュエータをワークロールベンダ140とし、板形状制御パラメータをワークロールベンダ140のワークロールベンディング力とする。
【0049】
なお、最終スタンド100の形状制御アクチュエータをクロス角変更アクチュエータとし、板形状制御パラメータをロールクロス角度としてもよい。また、最終スタンド100の形状制御アクチュエータをロールシフトアクチュエータとし、板形状制御パラメータをロールシフト量としてもよい。更には、最終スタンド100の形状制御アクチュエータをワークロールベンダ140およびクロス角変更アクチュエータまたはロールシフトアクチュエータとし、板形状制御パラメータをワークロールベンディング力およびロールクロス角度またはロールシフト量とすることも可能である。
【0050】
決定制御装置60は、熱間仕上タンデム圧延機1の既存のパススケジュールに対して、記憶部80に記憶されている、線荷重とワークロールベンダ140のワークロールベンディング力に対する最終スタンド100出側での板クラウンとエッジプロフィルの関係に基づいて、エッジプロフィルが許容範囲となるよう最終スタンド100の線荷重を調整することで、中間のパススケジュールを決定する。また、中間のパススケジュールに対して、最終スタンド100出側での板形状が許容範囲内となり、かつ板クラウンが所定値以下となるようにワークロールベンダ140のワークロールベンディング力を調整する。そして、調整した最終スタンド100の線荷重とワークロールベンダ140のワークロールベンディング力に基づいて複数のスタンド(F1スタンド10〜F5スタンド100)のパススケジュール(所定のパススケジュール)を決定する。
【0051】
特に、決定制御装置60は、所定のパススケジュールを決定する際に、最終スタンド100のワークロールベンダ140のワークロールベンディング力の調整だけで最終スタンド100出側での板形状が許容範囲とならないか、板クラウンが所定値以下とならないと判断される場合は、最終スタンド100側から上流側に向けて順次、最終スタンド100での板形状が許容範囲内となり板クラウンが所定値以下となるように上流側スタンド(F1スタンド10〜F4スタンド40)のワークロールベンダ14,24,34,44のワークロールベンディング力を調整する。
【0052】
また、決定制御装置60は、所定のパススケジュールを決定する際に、最終スタンド100での線荷重を実現する最終スタンド100の圧下量を求め、この圧下量に基づいて板形状が許容範囲内となるように圧下スケジュールを決定する。
【0053】
圧延機制御装置70は、調整した最終スタンド100の線荷重が得られるよう各スタンドの圧下装置15,25,35,45,150を制御し、調整した最終スタンド100の板形状制御パラメータが得られるよう各スタンドのワークロールベンダ14,24,34,44,140を制御する。
【0054】
次に、決定制御装置60において、所定のパススケジュールを決定するために用いる、線荷重とワークロールベンダ140のワークロールベンディング力に対する最終スタンド100出側での板クラウンとエッジプロフィルの関係と、エッジプロフィルが許容範囲となるよう最終スタンド100の線荷重を調整する方法、最終スタンド100出側での板形状が許容範囲内となり、かつ板クラウンが所定値以下となるように最終スタンド100のワークロールベンダ140のワークロールベンディング力を調整する方法の一例について以下説明する。
【0055】
まず、エッジドロップ遺伝特性について本発明者らが検討した結果について説明する。
【0056】
最初に、熱間仕上タンデム圧延機での板プロフィルを有限要素法を用いて計算し、入側エッジドロップの量と出側エッジドロップの量との関係を整理した。表1に計算条件を、
図5にその結果を示す。
【0058】
表1に示すように、ワークロールを直径680mm、バックアップロールを直径1450mm、板幅を1577mm、仕上板厚を4.88mmの条件とした。また、計算では、サーマルクラウン−37.5μm/radと摩耗クラウン−25μm/radのワークロールプロフィルを考慮した。
【0059】
ここで、サーマルクラウンとは板との接触によってワークロールが熱膨張して大きくなる現象であり、板端から100mmまでに半径当り37.5μmほどワークロールの径が大きくなる条件とし、ここでは、板中央からの偏差として定義した。また、摩耗クラウンとは板との接触により板端部で局部摩耗する現象であり、板端部で半径当り25μmほどワークロールの径が小さくなる条件とし、ここでは板中央からの偏差として定義した。
【0060】
また、
図4に示すように、板クラウンの詳細な定義は、板端100mm位置での板厚と板中央部での板厚との差(Ch100)とした。エッジドロップ、またはエッジアップの詳細な定義は、板中央から板端100mmまでの板厚分布から多項式近似して板端25mm位置での板厚(板厚25mm,he’)を推定し、実際の板端25mmでの板厚(he)との差としてエッジドロップ、またはエッジアップを評価した。なお、板端100mm位置での板厚が板端25mm位置での板厚よりも厚い場合は、エッジアップとして許容できることとした。
【0061】
図5に示すように、最終スタンド100の入側エッジドロップと出側エッジドロップの関係を整理した結果、両者は線形の関係にあることが分かった。また、その勾配であるエッジドロップの遺伝性は0.17と小さいことも分かった。すなわち、入側のエッジドロップが変わってもその17%しか出側エッジドロップへは影響しないことになる。このことから、当該スタンドのみで、エッジアップ、またはエッジドロップ特性がほぼ決まることが定量的に分かった。
【0062】
なお、最終スタンド100の入側板クラウンと出側板クラウンとの関係も併せて整理した。その結果を
図6に示す。
図6に示すように、両者は線形の関係にあり、その勾配である板クラウンの遺伝性は、最終スタンド100の入側エッジドロップと出側エッジドロップとの関係とは異なり、0.56と大きいことが分かった。すなわち、入側の板クラウンはその56%が出側板クラウンへ影響することが分かった。
【0063】
次に、サーマルクラウン、摩耗クラウンのみを考慮した条件における熱間仕上タンデム圧延機1での圧延鋼板プロフィルの計算を行った。この計算の条件を表2に、結果を
図7に示す。表2は、最終スタンド100での線荷重を6.7kN/mmとした条件であり、これをタンデム圧延計算条件1(既存のパススケジュールに相当)と定義する。
【0065】
F1スタンド10〜F5スタンド100のワークロール12,22,32,42,120のサーマルクラウン、摩耗クラウン、イニシャルクラウンについては、
図8に示すように、サーマルクラウンは−37.5μm/rad(板端100mm)、摩耗クラウンは−25μm/rad(板端60mm)、イニシャルクラウンは−140μm/radのプロフィルを考慮した。
【0066】
図7に示すように、圧延鋼板プロフィルは、後段に近付くにつれ、サーマルクラウンおよび摩耗クラウンに応じた局所摩耗の影響を受け、板幅端部近傍ではエッジアップを生じる結果となることが分かった。
【0067】
また、
図9に、最終スタンドでのサーマルクラウン、摩耗クラウン、ワークロール偏平分布の計算結果を示す。ここで、ロール偏平分布とは、
図10の最下段に示すように、板からの荷重分布がワークロール120に作用した場合のロール表面偏平量の板幅方向分布であり、ここでは、板中央からの偏差として定義した。参考のため、サーマルクラウン、摩耗クラウンの概略についても
図10に示した。
【0068】
図9に示すように、サーマルクラウンと摩耗クラウンの合計は、板幅端部で急激に変化するものの、ロール偏平量はそれと比較すると変化が緩やかであり、結果として、エッジアップとなることが分かった。
【0069】
この結果を受けて、エッジアップ抑制のために、最終スタンド100の圧下率を上げて、線荷重を12.9kN/mmと大きくする場合の熱間仕上タンデム圧延機1での圧延鋼板プロフィルの計算を行った。この計算の条件を表3に、結果を
図11および
図12に示す。表3は、最終スタンド100での線荷重を12.9kN/mmとした条件であり、これをタンデム圧延計算条件2(中間のパススケジュール)と定義する。
【0071】
表3では、パススケジュールは、熱間仕上タンデム圧延機1全体での入側板厚と仕上板厚は表2に示すタンデム圧延計算条件1と同じとし、最終スタンド100での圧下率を線荷重12.9kN/mmとなるように調整し、また最終スタンド100を除く各スタンド出側板厚を、板形状が所定の範囲で圧下率30%近傍となるように調整した。
【0072】
図11に示すように、最終スタンド100の単位幅あたりの荷重を12.9kN/mmに大きくすると、サーマルクラウン、摩耗クラウンに対して、板幅端部近傍でのロール偏平量は急速に変わることがわかった。また、このため、
図12に示すように、最終スタンド100でのエッジアップを抑制でき、エッジドロップとなることが分かった。
【0073】
これらの結果をもとに、最終スタンド100での板端100mm位置での板クラウンと板端25mm位置でのエッジドロップ、またはエッジアップの関係を、最終スタンド100での線荷重は6.7kN/mm、12.9kN/mmの2条件とし、各線荷重の条件において、最終スタンド100での板形状
制御アクチュエータであるワークロールベンダ140の設定を変えて求め、
図13に示すように整理した。
【0074】
図13に示すように、最終スタンド100でのワークロールベンダ140によるベンディング力を高くすると板クラウンは小さくなり、ワークロールベンダ140によるベンディング力を弱くすると板クラウンは大きくなることが分かった。また、最終スタンド100での線荷重を大きくすると、エッジアップは小さい方向となり、また、ワークロールベンダ140によって付与するベンディング力を弱くして板クラウンを大きくするとエッジアップも小さくなることが分かった。
【0075】
最終スタンド100出側の板クラウン目標値を、
図13に示すように0.055mmとすると、最終スタンド100での線荷重6.7kN/mmでは、板クラウンを所定値以下とするためにワークロールベンダ140を変えてもエッジアップを許容範囲内に抑制することができる条件は存在しないことが分かる。
【0076】
そのため、エッジアップを許容範囲内とするには、最終スタンド100の線荷重を上げる必要があること、例えばエッジアップを0とするには最終スタンド100での線荷重を12.9kN/mmまで上げる必要があることが分かった。
【0077】
このように、予め、線荷重とワークロールベンダ140のワークロールベンディング力に対する最終スタンド100での板クラウンとエッジドロップ、またはエッジアップの関係を求めておき、所定の板クラウンから必要な最終スタンド100での線荷重を決定することによって、容易かつ確実にエッジプロフィルが許容範囲となり、かつ最終スタンド100出側での板形状が許容範囲内となり、かつ板クラウンが所定値以下にできることが分かった。
【0078】
最終スタンド100での線荷重を6.7kN/mmから12.9kN/mmまで上げた際の板端100mmでの板クラウンと板端25mmでのエッジプロフィルの関係を
図14に、最終スタンド100(F5)でのワークロール120でのベンディング力と最終スタンド100での板形状である急峻度(圧延材の圧延方向における、板端部の波高さHに対するピッチLとの比率で表される)との関係を
図15に、最終スタンド100のワークロールベンダ140と板端100mmでの板クラウンとの関係を
図16に示す。
【0079】
ベンディング力は902kN/chockで固定したまま最終スタンド100での線荷重を6.7kN/mmから12.9kN/mmまで上げる(
図14,15,16中の(1)に相当)と、
図14および
図16に示すように板クラウンは大きくなり、
図15に示すように急峻度は端伸び傾向となる。
【0080】
板クラウンの所定値を0.055mm以下、急峻度の制約を±0.5%以内とすると、いずれも所定値からずれる結果であり、板形状制御アクチュエータであるワークロールベンダ140による調整が必要となる。
【0081】
具体的には、板クラウンが所定値よりも大きいため、F5スタンド100におけるワークロールベンダ140によるワークロールベンディング力をインクリーズ側に変更する必要がある。そこで、F5スタンド100のワークロールベンディング力を902kN/chockから1176kN/chockに上げる(
図14,15,16中の(2)に相当)。この変更により、急峻度の制約を+0.5%程度に、板クラウンを0.055mm以下にすることができ、よって板形状を所定の範囲内で、所定の板クラウンに制御できるようになることが分かる。この時の計算条件を表4に示す。この表4は、線荷重アップ+ワークロールベンディング力調整後であり、タンデム圧延計算条件3(最終のパススケジュールに相当)と定義する。
【0083】
図17にタンデム圧延計算条件3における線荷重を6.7kN/mmから12.9kN/mmまで上げた際(
図14,15,16中の(1)に相当)の最終スタンド100出側での板プロフィル計算結果を、
図18にタンデム圧延計算条件3における最終スタンド100でのワークロールベンダ140をインクリーズ側に調整した際(
図14,15,16中の(2)に相当)の最終スタンド100出側での板プロフィル計算結果を示す。
【0084】
図17に示すように、線荷重を上げることで最終スタンド100出側プロフィルは板クラウンが大きくなることが分かった。また、
図18に示すように、ワークロールベンダ140をインクリーズ側に調整することで、板端100mm位置での板クラウンを同じ値に制御できることが分かった。このとき、エッジアップ量も小さい結果であることも分かった。
【0085】
次に、最終スタンド100でのワークロールベンダ140だけで、板形状が許容範囲内、および板クラウンを所定値にできない場合における、決定制御装置60での所定のパススケジュールを決定する方法の一例について以下説明する。
【0086】
圧延条件によっては、最終スタンド100の線荷重および最終スタンド100のワークロールベンダ140のワークロールベンディング力を調整するだけでは、エッジプロフィルが許容範囲となり、最終スタンド100出側での板形状が許容範囲内となり、かつ板クラウンが所定値以下とすることが難しい場合がある。このような場合、決定制御装置60では、後段側から順番にワークロールベンダ14,24,34,44についても調整し、入側板プロフィルを変更して所定のパススケジュールを作成する。
【0087】
上述したように、従来法では板クラウンは所定値に制御することは可能であった。しかし、板クラウンは中伸び方向への圧延で板クラウン比率(圧延前の圧延材の中央の厚さ(H)とクラウン(C
H)の比率(C
H/H)で定義される)を一定にすることができない。これに対し、本実施例では、最終スタンド100の線荷重調整によりずれた板形状、板クラウンについても、ワークロールベンダ140を調整することで目標板クラウンを満たすことができる。
【0088】
また、板クラウン比率一定条件を満たすために、最終スタンド100の線荷重を調整するのであれば、圧下スケジュールについても修正する必要がでてくる。
【0089】
具体的には、
図19に示すように、圧延機の入側板厚と最終出側目標板厚を固定し、予め設定した変形抵抗を用いて、最終スタンド100の必要線荷重となる圧下量を決定し、
図20に示すように板形状が許容範囲内で、所定の板クラウンとなるようにワークロールベンダ140を調整する。
【0090】
これで、
図21に示すように全スタンド出側で板クラウン比率一定を実現できればよいが、板クラウン比率一定を実現できない場合は、上流側スタンドの圧下量を修正するとともに、ワークロールベンダ140を調整させて上流側において板クラウン比率一定を実現させ、この作業を全てのスタンドにおいて板クラウン比率一定を満たす圧下スケジュールとなるまで、後段側から順に上流側スタンドへ向けて圧下装置15,25,35,45による圧下スケジュールとワークロールベンダ14,24,34,44によるワークロールベンディング力を修正する。
【0091】
図22に、決定制御装置60における所定のパススケジュールの決定するための制御フローを示す。
【0092】
まず、決定制御装置60は、既存のパススケジュールによる最終スタンド100出側でのエッジプロフィルがエッジアップであるか否かを判定する(ステップS110)。エッジアップであると判定されたときは処理をステップS120に進め、エッジアップでないと判定されなかったときは処理をステップS130に進める。
【0093】
ステップS110でエッジアップであると判定されたときは、決定制御装置60は、記憶部80に記憶されている、予め求めておいた板クラウンとエッジアップの関係から最終スタンド100での線荷重を調整し、処理をS110に戻して再度エッジアップであるか否かを判定し、エッジアップとならない条件を求める。
【0094】
ステップS110でエッジアップでないと判定された後は、決定制御装置60は、ステップS110で選択された線荷重とする場合に、板形状が許容範囲内で、最終スタンド100での板クラウンが所定値以下となっているか否かを判定する(ステップS130)。板形状が許容範囲内で、最終スタンド100での板クラウンが所定値以下となっていると判定されたときは、ワークロールベンダ140による特別な板プロフィル制御は行わないパススケジュールとして処理を終了し、なっていないと判定されたときは処理をステップS140に進める。
【0095】
次いで、決定制御装置60は、
図13に示すような予め記憶部80に記憶された板クラウンとエッジプロフィルの関係に基づいて、最終スタンド100でのワークロールベンダ140のワークロールベンディング力を調整する(ステップS140)
。
次いで、決定制御装置60は、再び、最終スタンド100出側での板形状が許容範囲内で、最終スタンド100での板クラウンが所定値以下となっているか否かを判定する(ステップS150)。板形状が許容範囲内で、最終スタンド100での板クラウンが所定値以下となっていると判定されたときは処理を終了し、なっていないと判定されたときは処理をステップS160に進める。
【0096】
ステップS150で板形状が許容範囲内で、最終スタンド100での板クラウンが所定値以下となっていないと判定されたときは、決定制御装置60は、仕上後段側(最初はF4スタンド40、ステップS160が2度目の時はF3スタンド30、3度目の時はF2スタンド20、…)から順番に、ワークロールベンダ44,34,24,14によるワークロールベンディング力を調整を調整する(ステップS160)。すなわち、最終前スタンドでも最終スタンド100出側での板形状が許容範囲とならないか、最終スタンド出側での板クラウンが所定値とならなかった場合は、更に上流側へと順次ワークロールベンダのベンディング力(板形状制御パラメータ)を調整する。その後処理をステップS130に戻して判定を行うことで板形状が許容範囲内および板クラウンが所定値となる解を探し、最終のパススケジュールを決定し、板プロフィル制御を行う。
【0097】
次に、本実施例の効果について説明する。
【0098】
上述した本発明の実施例1の熱間仕上タンデム圧延機1では、制御系50の決定制御装置60において、熱間仕上タンデム圧延機1の最終スタンド100に対して求めた、線荷重と板形状制御パラメータに対する最終スタンド100出側での板クラウンとエッジプロフィルの関係に基づいて、エッジプロフィルが許容範囲となるよう最終スタンド100の線荷重を調整し、最終スタンド100出側での板形状が許容範囲内となりかつ板クラウンが所定値以下となるように最終スタンド100の板形状制御パラメータを調整することで所定のパススケジュールを決定し、圧延機制御装置70において、調整した最終スタンド100の線荷重が得られるよう圧下装置15,25,35,45,150を制御し、調整した最終スタンド100の板形状制御パラメータが得られるようワークロールベンダ14,24,34,44,140を制御する。
【0099】
これによって、熱間仕上タンデム圧延において、エッジプロフィルについて所定値以下に制御できるだけでなく、板形状を許容範囲内で、板クラウンについても伴に所定値以下に制御でき、良好な板プロフィルを得ることができる。
【0100】
また、決定制御装置60は、所定のパススケジュールを決定する際に、最終スタンド100の板形状制御パラメータの調整だけで最終スタンド100出側での板形状が許容範囲とならないか、板クラウンが所定値以下とならなかった場合は、最終スタンド100から上流側に向けて順次、最終スタンド100での板形状が許容範囲内となり板クラウンが所定値以下となるように上流側スタンド(F1スタンド10〜F4スタンド40)の板形状制御パラメータを調整するため、より確実にエッジプロフィルを所定値以下に制御できるだけでなく、板形状を許容範囲内で、板クラウンについても伴に所定値以下に制御することができる。
【0101】
更に、熱間仕上タンデム圧延機1の既存のパススケジュールに対して、最終スタンド100出側での板クラウンとエッジプロフィルの関係に基づいて最終スタンド100の線荷重の調整を行い、既存のパススケジュールの線荷重を調整した中間のパススケジュールに対して最終スタンド100の板形状制御パラメータの調整を行うことで、安定かつ確実にエッジプロフィルを所定値以下に制御できるだけでなく、板形状を許容範囲内で、板クラウンについても伴に所定値以下に制御することができる。
【0102】
また、所定のパススケジュールを決定する際に、最終スタンド100での線荷重を実現する最終スタンド100の圧下量を求め、この圧下量に基づいて板形状が許容範囲内となるように圧下スケジュールを決定することにより、各スタンド出側での板クラウン比率一定を実現できるため、板形状も良好となり、より良好な板プロフィルを提供することが可能となる。
【0103】
また、最終スタンド100の板形状制御パラメータは、ワークロールベンダ140のワークロールベンディング力であることにより、圧延時に調整が容易なワークロールベンダ140を変えることになり、良好な板プロフィルをより容易に得ることができる。
【0104】
<実施例2>
本発明の実施例2の熱間仕上タンデム圧延機の板プロフィル制御方法および熱間仕上タンデム圧延機を
図23乃至
図25を用いて説明する。実施例1と同じ構成には同一の符号を示し、説明は省略する。
【0105】
図23に示すように、本実施例の熱間仕上タンデム圧延機1Aは、実施例1の熱間仕上タンデム圧延機1に加えてF5スタンド100Aのワークロール120Aの周囲にロール研磨装置160が更に配置されている。
【0106】
ロール研磨装置160は、摩耗したワークロール120Aの表面をオンラインまたはオフラインで研磨する装置である。
【0107】
また、制御系50Aの決定制御装置60Aでは、最終スタンド100Aに配置されたロール研磨装置160によってワークロール120Aが研磨されていることを加味してエッジプロフィルが許容範囲となるよう最終スタンド100の線荷重を調整することで、所定のパススケジュールを決定する。
【0108】
圧延機制御装置70Aは、決定制御装置60Aで決定された所定のパススケジュールに基づいて、F1スタンド10〜F5スタンド100Aのそれぞれで圧延を行い、かつロール研磨装置160によって最終スタンド100Aのワークロール120Aを研磨するよう、圧下装置15,25,35,45,150、ワークロールベンダ14,24,34,44,140およびロール研磨装置160を制御する。
【0109】
次に、熱間仕上タンデム圧延機1Aでの圧延鋼板プロフィルの計算結果の一例について説明する。
【0110】
最終スタンド100にロール研磨装置160を設置して摩耗クラウンを調整することでサーマルクラウンを補償した本実施例の計算条件を表5に、結果を
図25に示す。
【0111】
表5では、最終スタンド100での線荷重は6.7kN/mmとし、F1スタンド10〜F4スタンド40のワークロール12,22,32,42のサーマルクラウン、摩耗クラウン、イニシャルクラウンについては、
図24に示すように、サーマルクラウンは−37.5μm/rad(板端100mm)、摩耗クラウンは−25μm/rad(板端60mm)、イニシャルクラウンは−140μm/radのプロフィルを考慮した。
【0112】
また、F5スタンド100のワークロール120Aは、ロール研磨装置160によって表面が絶えず改善されているため、サーマルクラウンおよび摩耗クラウン、ロールクラウンは0とした。この表5の条件をタンデム圧延計算条件4と定義する。
【0114】
図25に示すように、最終スタンド100Aにロール研磨装置160を設置して、サーマルクラウンを補償することで、ワークロール径、バックアップロール径、板幅、入側板厚、出側板厚、圧下量、圧下率、圧延荷重、線荷重、ワークロールベンディング力、クロス角の諸条件がタンデム圧延計算条件1と同じであっても、エッジアップを抑制できることが分かり、線荷重の調整を大幅に低減できることが分かった。
【0115】
その他の構成・動作は前述した実施例1の熱間仕上タンデム圧延機の板プロフィル制御方法および熱間仕上タンデム圧延機1と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
【0116】
本発明の実施例2の熱間仕上タンデム圧延機の板プロフィル制御方法および熱間仕上タンデム圧延機においても、前述した実施例1の熱間仕上タンデム圧延機の板プロフィル制御方法および熱間仕上タンデム圧延機とほぼ同様な効果が得られる。
【0117】
また、熱間仕上タンデム圧延機1Aにロール研磨装置を配置し、パススケジュールを用いて各スタンド(F1スタンド10〜F5スタンド100A)での圧延を行いながら、ロール研磨装置160を用いて最終スタンド100Aのワークロール120Aを研磨してワークロール120Aの表面の摩耗クラウンを調整しながら圧延を行うようにすることにより、ワークロール120Aの表面形状が改善されながら圧延が行われるため、より容易に最終スタンド出側でのエッジプロフィルを所定値に制御できる。従って、最終スタンド100Aでの線荷重をはじめとした各パラメータの制御幅が広がり、操業がより容易になる、との効果が得られる。また、ワークロール120Aの表面が調整されるため、ワークロール120の改造に必要な多大な設備投資を低減できることになる、との効果も得られる。なお、最終スタンド100Aのみにロール研磨装置160を用いて、それより前のスタンドにはロール研磨装置を用いないことで、初期設備コスト、メンテナンスコストを抑えながら、良好な板プロフィルを保つことができ、特に有益である。
【0118】
<その他>
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【解決手段】制御系50の決定制御装置60において、熱間仕上タンデム圧延機1の最終スタンド100に対して求めた、線荷重と板形状制御パラメータに対する最終スタンド100出側での板クラウンとエッジプロフィルの関係に基づいて、エッジプロフィルが許容範囲となるよう最終スタンド100の線荷重を調整し、最終スタンド100出側での板形状が許容範囲内となりかつ板クラウンが所定値以下となるように最終スタンド100の板形状制御パラメータを調整することで所定のパススケジュールを決定する。