【実施例1】
【0014】
(画像形成装置の構成)
図3は、本発明の実施例1における高圧電源装置を用いた画像形成装置を示す構成図である。
【0015】
この画像形成装置1は、例えば,電子写真式のカラープリンタであり、ブラック現像器2K、イエロー現像器2Y、マゼンタ現像器2M、シアン現像器2Cが着脱可能に挿着されている。各現像器2(=2K,2Y,2M,2C)は、ブラック感光体ドラム9K、イエロー感光体ドラム9Y、マゼンタ感光体ドラム9M、シアン感光体ドラム9Cに、それぞれ接したブラック帯電ローラ5K、イエロー帯電ローラ5Y、マゼンタ帯電ローラ5M、シアン帯電ローラ5Cによってそれぞれ一様に帯電される。帯電された各色の感光体ドラム9(=9K,9Y,9M,9C)は、ブラックの発光素子(以下「LED」という。)ヘッド3K、イエローLEDヘッド3Y、マゼンタLEDヘッド3M、シアンLEDヘッド3Cの発光によってそれぞれ潜像を形成される。
【0016】
各現像器2内の各色の供給ローラ6(=6K,6Y,6M,6C)が、各現像ローラ7(=7K,7Y,7M,7C)にトナーを供給し、各色の現像ブレード8(=8K,8Y,8M,8C)により、各現像ローラ7の表面に一様にトナー層が形成され、各感光体ドラム9上にトナー像が現像される。各色の現像器2内の各クリーニングブレード10(=10K,10Y,10M,10C)は、転写後の残トナーをクリーニングする。
【0017】
ブラックトナーカートリッジ4K、イエロートナーカートリッジ4Y、マゼンタトナーカートリッジ4M、及びシアントナーカートリッジ4Cは、各現像器2に着脱可能に取り付けられ、内部のトナーを各現像器2に供給可能な構造になっている。ブラック転写ローラ11K、イエロー転写ローラ11Y、マゼンタ転写ローラ11M、及びシアン転写ローラ11Cは、転写ベルト14の裏面から転写ニップにバイアスが印加可能に配置されている。転写ベルト駆動ローラ13、及び転写ベルト従動ローラ12は、転写ベルト14を張架しローラの駆動によって用紙等の記録媒体17aを搬送可能な構造になっている。
【0018】
転写ベルトクリーニングブレード15は、転写ベルト14上のトナーを掻き落とせるようになっており、掻き落とされたトナーが転写ベルトクリーナ容器16に収容される。カセット17は、画像形成装置1の下部に着脱可能に取り付けられ、記録媒体17aが積載される。ホッピングローラ18は、記録媒体17aをカセット17から供給ガイド19に沿って搬送する。レジストローラ20及び21は、記録媒体17aを転写ベルト14に所定のタイミングで供給ガイド19に沿って搬送する。定着器23は、記録媒体17aのトナー像を加熱と加圧によって定着する。排出ガイド28は、記録媒体17aを排出トレー29にフェースダウンで排出する。画像形成装置1の例えば、中央部には、圧電トランスの近傍の温度を検出する温度検出手段としての温度検出センサ62aが設けられている。
【0019】
図3に示された各現像器2、各転写ローラ11等により、画像形成装置1の画像形成部が構成されている。この画像形成部は、図示しない高圧電源装置が出力する出力電圧を用いて帯電、現像及び転写を行うことにより、記録媒体17aに画像を形成するものである。
【0020】
図4は、
図3の画像形成装置における制御回路の構成を示すブロック図である。
この制御回路は、ホストインタフェース部40を有し、このホストインタフェース部40がコマンド/画像処理部41に対してデータを送受信する。コマンド画像処理部41は、LEDヘッドインタフェース部42に対して画像データを出力する。LEDヘッドインタフェース部42は、プリンタエンジン制御部43によってヘッド駆動パルス等が制御され、LEDヘッド3K,3Y,3M,3Cを発光させる。
【0021】
プリンタエンジン制御部43は、用紙検出センサ44からの検出信号等を受信し、高圧制御部50に対して帯電バイアス、現像バイアス、転写バイアス等の制御値を送る。高圧制御部50は、帯電バイアス生成部90aに信号を送る。帯電バイアス発生部90aは、ブラック現像器2K、イエロー現像器2Y、マゼンタ現像器2M、及びシアン現像器2Cの各帯電ローラ5K,5Y,5M,5C及び各現像ローラ7K,7Y,7M,7Cに対してバイアスを印加する。高圧制御部50及び転写バイアス発生部90cにより、本実施例1の高圧電源装置が構成されている。
【0022】
プリンタエンジン制御部43内のモータ制御部50は、給紙モータ51、搬送モータ52、転写ベルト駆動モータ53、定着器駆動モータ54、及び各色の感光体ドラム駆動モータ55K,45Y,45M,45Cを所定のタイミングで駆動する。定着器23は、サーミスタ23aと定着器ヒータ23bを有し、サーミスタ23a検出値に応じてプリンタエンジン制御部53によって定着器ヒータ23bが温度制御される。
【0023】
(高圧電源装置の構成)
図1は、本発明の実施例1における高圧電源装置の概略の構成を示すブロック図である。
【0024】
この高圧電源装置90は、
図4中の高圧制御部60及び転写バイアス生成部90cにより構成され、各色の転写ローラ11(=11K,11Y,11M,11C)毎に設けられている。各色の高圧電源装置90は、同一の回路構成であるので、以下、1回路のみ説明する。
【0025】
高圧電源装置90は、プリンタエンジン制御部43から出力されるリセット信号RESET、オン信号ON等の指示信号に従って、高電圧の直流(以下「DC」という。)出力電圧Voutを生成し、この出力電圧Voutを転写ローラ11である負荷ZLへ供給する装置である。
【0026】
高圧制御部60は、プリンタエンジン制御部43の大規模集積回路(LSI)内にあるが、高圧制御部60の機能だけを抽出したASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイクロプロセッサ等の中央処理装置(CPU)を内蔵した大規模集積回路(LSI)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を利用した構成でも実現可能である。
【0027】
発振器(以下「OSC」という。)100は、基準のクロックCLKを発生するものであり、発生したクロックCLKをプリンタエンジン制御部43及び高圧制御部60に出力している。
【0028】
プリンタエンジン制御部43内の高圧制御部60は、クロックCLKを分周してパルスS64を出力するものである。高圧制御部60は、高電圧の目標値を設定する目標値設定手段61と、圧電トランスの近傍の温度に応じた温度検出値を出力する温度検出手段62と、目標値及び温度検出値に対応した分周比を記憶する分周比記憶部63と、分周比記憶部63に記憶された分周比を初期値として、クロックCLKを分周してパルスS64を生成して転写バイアス生成部90cへ出力するパルス生成部64と、転写バイアス生成部90cから入力されるアナログ電圧をデジタル値に変換してパルス生成部64へ入力するアナログ/デジタルコンバータ(以下「ADC」という。)65と、を備えている。
【0029】
目標値設定手段61は、出力電圧Voutの目標値8ビット(以下「bit」という。)値を設定するものであり、例えば、出力電圧Voutのアナログの目標出力電圧値に対応する目標値8bit値を記憶した目標値設定テーブル61aを有し、この目標値設定テーブル61aにより、入力設定されたアナログの目標出力電圧値を目標値8bit値に変換して、分周比記憶部63へ出力する。目標値設定テーブル61aは、必須ではなく、アナログの目標出力電圧に対応する8bit値を直接、入力設定しても良い。目標値設定手段61は、目標値8bit値を分周比記憶部63及びパルス生成部64へ出力するものである。
【0030】
温度検出手段62は、圧電トランス93の近傍の温度を測定する温度センサ62aと、測定された温度に対応する温度検出値2bit値を記憶した温度テーブル62bと、を有し、温度センサ62aにより測定した温度に対応した温度検出値2bit値を分周比記憶部63へ出力するものである。
【0031】
分周比記憶部63は、目標値8bit値及び温度検出値2bit値に対応した分周比を記憶した分周比テーブル63aと、分周比テーブル63aにより決定された分周比を一時記憶しておく記憶領域としての初期分周比メモリ63bと、を有している。分周比記憶部63は、分周比テーブル63aを参照して、目標値設定手段61から入力された目標値8bit値と、温度検出手段62から入力された温度検出値2bit値と、に応じた分周比を決定し、決定した分周比を初期分周比メモリ63bに記憶すると共に、電圧立ち上げ時に、記憶している分周比をパルス生成部64へ出力するものである。
【0032】
パルス生成部64は、プリンタエンジン制御部43から入力されるリセット信号RESET及びオン信号ONにより制御され、初期分周比メモリ63bに記憶されている分周比を初期値とし、クロックを分周してパルスS64を生成し、転写バイアス生成部90cへ出力するものである。パルス生成部64は、比較器72、演算器73、分周比カウンタ78、及び二値化パルス生成部80等を有している。
【0033】
比較器72は、目標値8bit値とADC65から入力される出力電圧Voutのフィードバックとしての8bit値と、を比較し、比較結果に応じた出力値を演算器73へ出力するものである。演算器73は、比較器72から入力される出力値に応じて、固定又は増減した分周比を分周比カウンタ78へ出力するものである。分周比カウンタ78は、比較器72の出力値に応じて、分周比メモリ63b又は演算器73から入力される分周比を二値化パルス生成部80へ出力するものである。
【0034】
二値化パルス生成部80は、分周比カウンタ78から入力される分周比に基づき、クロックCLKを分周してパルスS64を生成し、転写バイアス生成部90cへ出力するものである。プリンタエンジン制御部43から入力されるオン信号ONにより、パルスS64を転写バイアス生成部90cへ出力するタイミングが制御される。
【0035】
転写バイアス生成部90cは、入力されたパルスS64に基づき、DC電源91から供給される電圧により、圧電トランス93の駆動信号S92を生成する駆動回路92と、駆動信号S92により駆動されて交流(以下「AC」という。)の高電圧の出力電圧を出力する圧電トランス93と、圧電トランス93が出力するACの高電圧の出力電圧をDCの高電圧の出力電圧Voutに変換する整流回路94と、整流回路94が出力するDCの出力電圧Voutを、0〜3.3VのDC電圧値に変換する出力電圧変換手段95と、を有している。
【0036】
出力電圧変換手段95が出力する出力電圧S95は、高圧制御部60内部のADC65へ入力され、ADC65により8bit値に変換され、この8bit値がパルス生成部64へ入力される。
【0037】
図2は、
図1中のアナログ回路部分の詳細な回路図である。
OSC100は、周波数25MHzのクロックCLKを発生し、このクロックCLKがプリンタエンジン制御部43及びその内部にある高圧制御部60へ入力される。OSC100本体は、電源電圧VDD端子、出力イネーブルOE端子、グランドGND端子、クロック出力CLKOUT端子を有している。OSC100本体の電源電圧VDD端子と出力イネーブルOE端子とは接続され、DC電源100aからDC+3.3Vの電圧がOSC100本体に供給されている。OSC100本体の電源電圧VDD端子とグランドGND端子との間及び、クロック出力CLKOUT端子とプリンタエンジン制御部43との間には、ノイズ対策用コンデンサ100b及び抵抗100cが接続されている。
【0038】
転写バイアス生成部90c内の駆動回路92は、抵抗92a,92b、NチャネルパワーMOSの電界効果トランジスタ(以下「FET」という。)92c、コンデンサ92d、オートトランス92eで構成されている。コンデンサ92dとオートトランス92e、及び圧電トランス93はLC共振回路を構成し、圧電トランス93の1次側の入力端子93aに駆動パルス周波数の正弦半波パルスを印加する。入力される正弦半波パルスのピーク値は100V程度になるように、回路定数が調整されている。
【0039】
圧電トランス93の2次側の出力端子93bには、FET92cのスイッチング周波数、即ち、パルス生成部64から入力されるパルスS64の駆動パルス周波数fに応じた出力電圧Voutが得られる。整流回路94は、ダイオード94a、94b、コンデンサ94cにより構成され、ACの高電圧を変換して、DCの高電圧の出力電圧Voutを出力するものである。
【0040】
出力変換手段95は、抵抗95a及び95bによって電圧出力Voutを分圧して0〜3.3VのDC電圧に変換した後、抵抗95c及びコンデンサ95dによって残留ノイズを除去するものである。残留ノイズが除去された出力変換手段95の出力電圧は、演算増幅器(以下「OPアンプ」という。)95eのボルテージフォロアを介して、高圧制御部60のADC65に入力される。
【0041】
本実施例1では、例えば、抵抗95a,95b,95cを、それぞれ100MΩ、33kΩ,10kΩとし、コンデンサ95dを0.1μFとしている。抵抗94d及び負荷ZLにより、転写手段11が構成されている。
【0042】
図5は、
図1中の出力電圧VoutとADC65の入力電圧の関係、及び出力電圧Voutと目標値設定手段61による目標値8bit値の関係を示す図である。
【0043】
出力電圧Voutの電圧値DC1000〜7000Vに対し、ADC65の入力電圧及び目標値設定手段61の目標値8bit値は、DC0.33〜2.31V及び19h〜B2hとなっている。
図1中の目標値設定テーブル61aは、
図5における出力電圧Voutを入力とし、この出力電圧Voutに対する目標値8bit値を出力するものである。又、
図1中のADC65は、
図5におけるADC65の入力電圧を入力とし、このADC65の入力電圧に対応する目標値8bit値を出力するものである。
【0044】
図6は、
図1中の温度テーブル62bの例を示す図である。
温度は、15℃未満、15℃以上25℃未満、25℃以上35℃未満、35℃以上の4領域に分けられ、温度センサ62aにおける温度領域に応じた温度検出値として、それぞれ、00b,01b,10b,11bの2bit値を出力する。
【0045】
図7は、
図1中の分周比テーブル63aの例を示す図である。
図1中の目標値設定手段61により設定された目標値8bit値と、この目標値8bit値と温度検出手段62から入力された温度検出値2bit値と、に対応する分周比が記憶された分周比テーブル63aの例が
図7に示されている。
【0046】
例えば、目標電圧4000Vにおける目標値8bit値は、65hであり、温度20℃における温度検出値2bit値は、01bであるので、このときの分周比は、
図7の分周比テーブル63aより、715EAhである。
【0047】
尚、この分周比テーブル63aは一例であって、圧電トランス93の基本特性、駆動回路92の回路定数等に応じて変更可能である。
図7の例では、目標電圧は1000V刻みになっているが、より細分化した目標電圧に対するテーブル領域を設けても良いし、間を線型補完、あるいは所定の関数等を用いて補間する方法としても良い。
【0048】
(パルス生成部の構成)
図8は、
図1中のパルス生成部64の詳細な構成を示すブロック図であり、
図1、2及び4と共通の要素には共通の符号が付されている。回路は論理記述言語等により記述される。
【0049】
パルス生成部64は、シリアルデータ処理部71を備えている。シリアルデータ処理部71は、K,Y,M,Cの4チャンネル分の目標設定手段61により設定される目標値8bit値をシリアルデータ処理し、比較器72へ出力するものである。
【0050】
比較器72は、目標設定値8bit値と、出力電圧Voutのフィードバック値であるADC65の出力値8bit値とを比較し、比較結果に応じた2bit値を演算器73へ出力するものである。演算器73は、比較器72の出力値2bit値に応じて、分周比カウンタ78の保持値を増減するものであり、近傍に、分周比カウンタ上限値74及び分周比カウンタ下限値75が設けられている。分周比カウンタ上限値74及び分周比カウンタ下限値75は、それぞれ分周比カウンタ19bit値の上限値及び下限値であり、圧電トランス94の特性に合わせて予め設定される。
【0051】
制御周期値76は、演算器73の演算周期、即ち、制御ステップ時間を記憶しており、制御周期値76の値がセットされたタイマカウンタ77が、クロックCLKの周期でカウントダウンされ、タイマカウンタ77のカウント値が0になると
演算器73が演算を行うようになっている。タイマカウンタ77は、通常、低レベル(以下「“L”」という。)を出力し、カウンタ値が0になったとき、高レベル(以下「“H”」という。)を出力するものである。
【0052】
分周比カウンタ78は、駆動パルス周波数fに対応する分周比として、整数部8bit、小数部11bitの計19bit値を格納するカウンタであり、分周比記憶部63に記憶された分周比を初期値とするものであり、分周比カウンタ78の出力する分周比カウンタ19bit値は、二値化パルス生成部80、
演算器73及び分周比記憶部63へ出力される。
【0053】
二値化パルス生成部80は、分周比カウンタ78から入力される分周比カウンタ値19bit値と、圧電トランス93の特性ばらつきを補正する符号付12bit値である圧電トランス補正値79とに基づいて、パルスS64を生成するものである。二値化パルス生成部80は、演算器81、誤差保持レジスタ82、加算器83、分周セレクタ84、分周器85、及び出力セレクタ86を有している。圧電トランス補正値79は、圧電トランス93の出力電圧/駆動パルス周波数特性の製造ばらつきを補正するための値であり、工場出荷時に設定される値である。
【0054】
演算器81は、圧電トランス補正値79の符号付き12bit値を分周比カウンタ78の19bit値に加算するものであり、この出力値の内のbit10〜0の下位11bit値が誤差保持レジスタ82に出力され、この出力値の上位8bit値が加算器83及び分周セレクタ84に出力される。加算器83は、演算器81の上位8bit値に1を加算するものである。分周器85は、分周セレクタ84から入力される分周比に基づきクロックCLKを分周してパルスS85を生成して出力セレクタ86へ出力するものである。
【0055】
出力セレクタ86は、プリンタエンジン制御部43から入力されるオン信号ONが“H”のときは駆動パルス信号として、分周器85で設定された周期で約30%デューティの矩形のパルスS64を出力し、オン信号ONが“L”のときは、グランドGND電位を選択して、接地電位を出力するものである。ここで、約30%デューティの矩形のパルスS64は、分周器85の出力の1/2+1/32+1/64、即ち、1bit右へシフトした値+5bit右へシフトした値+6bit右へシフトした値として生成される。
【0056】
(画像形成装置の動作)
図3及び
図4において、
図3の画像形成装置1は、
図4のホストインタフェース部40を介し、PDL(Page Descript on Language ベージ記述言語)等で記述された印刷データを入力する。入力された印刷データはコマンド/画像処理部41によってビットマップデータに変換される。画像形成装置1は、定着器23の熱定着ローラ24及び25を、サーミスタ23aの検出値に応じて定着器ヒータ23bを制御することにより所定温度にした後、印字動作を開始する。
【0057】
モータ制御部50が、給紙モータ51が始動すると、ホッピングローラ18が回転駆動され、カセット17にセットされた記録媒体17aを1枚ずつ供給ガイド19へ搬出する。供給ガイド19に沿って搬送される記録媒体17aが、停止状態のレジストローラ対20,21に突き当たるとことにより、スキュー補正される。スキュー補正されると、モータ制御部50は、画像形成動作に同期したタイミングで、搬送モータ52を駆動し、レジストローラ20及び21によって記録媒体17aは転写ベルト14上に搬送する。
【0058】
各現像器2K,2Y,2M,2Cは、電子写真プロセスにより現像器2内の各感光体ドラム9K,9Y,9M,9C上にトナー像を形成する。このとき、ビットマップデータに応じて各LEDヘッド3K,3Y,3M,3Cが点灯される。各現像器2K,2Y,2M,2Cによって現像されたトナー像は、各転写ローラ11K,11Y,11M,11Cに印加された転写バイアスによって、転写ベルト14上を搬送された記録媒体17aに転写される。
【0059】
プリンタエンジン制御部43は、用紙検出センサ44による記録媒体17aの検出を基準として、所定のタイミングで各転写バイアスK,Y,M,Cを順次オン、即ち、オン信号ONを順次“H”にする。各転写バイアスK,Y,M,Cのオフのタイミングは、用紙検出センサ44による記録媒体17aの検出を基準として、用紙17aが各転写ローラ11K,11Y,11M,11C上を通り抜けたタイミングとする。記録媒体17a上に4色のトナー像を転写した後、定着器23によって記録媒体17a上のトナー像を加圧定着し、排出ローラ26及び27によって排出ガイド28に沿って記録媒体17aを搬送し、排出トレー29に排出する。
【0060】
(高圧電源装置の動作)
先ず、
図1を用いて本発明の実施例1の高圧電源装置の動作について説明する。尚、カラー画像形成装置における高圧電源装置は、K,Y,M,Cの4チャネルそれぞれ独立に、転写バイアスに印加する出力電圧を制御するが、各チャンネルにおける制御の構成・動作は同一のものであるので、1チャンネルのみについて説明する。
【0061】
先ず、プリンタエンジン制御部43から高圧制御部60へ“L”レベルのリセット信号RESETを出力し、高圧制御部60内の諸々の設定を初期化する。
【0062】
次に、目標値設定手段61が目標値8bit値を出力し、温度検出手段62が温度検出値2bit値を出力すると、プリンタエンジン制御部43は、転写バイアスを印加するタイミングで出力オン信号ONを“L”から“H”とする。“H”の出力オン信号ONが入力されると、パルス生成部64は、分周比記憶部63内の初期分周比メモリ63bから読み出した分周比カウンタ値19bit値を分周比の初期値としてパルスS64を生成し、駆動回路92へ出力する。パルスS64は、パルス生成部64内の演算で求めた分周比によりクロックCLKを分周して生成するパルスであり、周波数25MHzのクロックCLKを分周して生成される。
【0063】
図9は、
図2中の圧電トランス93の温度領域毎の駆動パルス周波数fに対する出力電圧Voutを示す特性図である。
【0064】
図9において、横軸は駆動パルス周波数(kHz)であり、縦軸は出力電圧(V)である。
【0065】
圧電トランス93の出力電圧/駆動パルス周波数特性は、温度領域によって変化する。常温時の特性曲線QN、高温時の特性曲線QH、低温時の特性曲線QLにおける共振周波数は、frN,frH,frLである。常温の共振周波数frNに対して高温時の共振周波数frHは、同じ駆動パルス周波数でも出力電圧Voutが大きく、逆に低温時の共振周波数frLは出力電圧Voutが小さくなる。
【0066】
図9において、例えば、出力電圧Vout=6000Vと、各特性曲線QH,QN,QLとの交点の駆動パルス周波数fは、それぞれ109.9kHz,109.8kHz,109.7kHzであり、高温領域の方が低温領域よりも出力電圧Vout=6000Vを得るための駆動パルス周波数fが高い、即ち、分周比が小さいことが分かる。
【0067】
このように、高温領域の方が低温領域よりも、同じ電圧の出力電圧Voutを得るための分周比が小さいため、目標値設定手段61による目標値8bit値と、
図6に示された温度テーブル62bによる温度検出値2bit値と、に基づき、
図7に示された分周比テーブル63aを参照して、初期値として使用する最適な分周比を決定している。
【0068】
次に、
図2を用いてアナログ回路部の動作を説明する。
図10(a)は、
図2中のパルスS64の動作波形図であり、
図10(b)は駆動パルスS92の動作波形図である。
【0069】
図2において、高圧制御部60で生成されたパルスS64は、
図10(a)に示されたような動作波形であり、このパルスS64がFET92cのゲートに印加される。パルスS64を入力して、FET92cのゲートをオン/オフすることにより、圧電トランス93、コンデンサ92d及びオートトランス92eで構成されるLC共振回路が駆動され、圧電トランス93の1次側の入力端子93aに、
図10で示すようなピーク値約100Vの正弦半波電圧の駆動信号S92が印加される。
【0070】
圧電トランス93の2次側の出力端子93bからのAC出力電圧S93は、ダイオード94a,94b、コンデンサ94cにより正極性バイアスの出力電圧Voutに整流される。出力電圧Voutは、抵抗94dを介して転写負荷ZLに出力される。ここで、転写負荷ZLは、
図3中の各転写ローラ11K,11Y,11M,11Cに相当する。各転写ローラ11K,11Y,11M,11Cは、転写ベルト14及び転写ベルト駆動ローラ12、転写ベルト従動ローラ13と一体の構造となっているが、転写ベルト14がセットされていない状態では、抵抗94dの先で転写負荷ZLが開放状態となり、この状態では、画像形成装置1は画像形成を行えない。そのため、転写ベルト14がセットされていない状態では、画像形成装置1の図示しないオペレーションパネルにエラーを表示する。
【0071】
出力変換手段95は、100MΩの抵抗95aと33kΩの抵抗95bによって高電圧の出力電圧Voutを約3000分の1に分圧し、抵抗95c及びコンデンサ95dで構成されるノイズフィルタでノイズ除去した後、OPアンプ95eのボルテージフォロアを介して高庄制御部60内のADC65に0〜3.3VのDC電圧を入力する。出力電圧Voutと、ADC65の入力電圧である出力電圧変換手段95の出力電圧の関係及びADC65の入出力値の関係が
図5に示されている。
【0072】
(パルス生成部の動作)
図8に示されたパルス生成部64は、OSC100が出力する周波数25MHzのクロックCLKに同期して動作する。
【0073】
シリアルデータ処理部71は、4チャンネル分の目標値設定手段61により設定される目標値8bit値をシリアルデータ処理する。比較器72は、ADC65の出力値、即ち、出力電圧Voutのフィードバックの8bit値と目標設定手段61により設定される目標値の8bit値とが入力され、2つの値の比較結果に応じて、比較器72は、以下の2bit値を出力する。
ADC65の出力8bit値≦目標値8bit値×O.9のとき、
比較器72の出力する2bit値=00b
目標値8bit値×O.9<ADC65の出力8bit値<目標値8bit値のとき、
比較器72の出力する2bit値=01b
ADC65の出力8bit値=目標値8bit値のとき、
比較器72の出力する2bit値=10b
ADC65の出力8bit値>目標値8bit値のとき、
比較器72の出力する2bit値=11b
【0074】
ここで、「目標値設定値8bit値×0.9」は、目標設定値8bit値を1bit右
シフトした値、2bit右シフトした値、3bit右シフトした値、及び5bit右シフ
トした値を加算することで下記の演算により実現される。
1/2+1/2
2+1/
23+1/
25≒0.9
【0075】
又、本実施例1では、0.9という値にしたが、1に近い1未満の正数であれば良く、例えば、0.85や0.95といった値でも構わない。
【0076】
演算器73は、制御周期値76に設定された周期で演算を行う。タイマカウンタ77は、制御周期値76に設定された値をクロックCLKの周期でカワントダウンしていき、タイマカウンタ77のカウント値が0になったら制御周期値76にリセットする。例えば、制御周期値76=9C4hのとき、クロックCLKの周期が25MHzであるから制御周期は、(1/25M)×9C4h=100μsとなる。
【0077】
タイマカウンタ77の出力信号は、通常時“L”であり、タイマカウンタ77の出力値が0になったときのみ“H”を、演算器73に出力する。タイマカウンタ77から“H”の出力信号が入力されると、演算器73は、演算を実行し、同時に分周比カウンタ78と19bit値の入出力を行う。演算器73は、比較器72の出力2bit値に応じて以下のように出力値の演算を行い、この演算結果を分周比カウンタ78へ出力する。
比較器72の出力2bit値=00bのとき、
演算器73の出力値=演算器73の設定値
比較器72の出力2bit値=01bのとき、
演算器73の出力値=演算器73の設定値+X
比較器72の出力2bit値=10bのとき、
演算器73の出力値=演算器73の設定値
比較器72の出力2bit値=11bのとき、
演算器73の出力値=演算器73の設定値−X
【0078】
Xは、任意の整数値を示すが、ここでは一例として2とする。分周比カウンタ78は整数部8bit、小数部11bitの計19bitで構成される。例えば、分周比カウンタ78の19bit値が70000hであった場合、駆動パルス周波数は、
1/(1/(25M)×70000h/2
11)≒111.6kHz
となる。
【0085】
次に、二値化パルス生成部80の動作について説明する。
図8において、演算器81では、分周比カウンタ78が出力する19bit値と圧電トランス補正値79の符号付き12bit値とを加算する。演算器81は、分周比値の整数部を表す上位8bit値を加算器83に、小数部を表す下位11bitを誤差保持レジスタ82に入力する。誤差保持レジスタ82は、分周器85から出力されるパルスS85の周期で演算器81が出力する下位11bit値を加算し、更新する。誤差保持レジスタ82の11bit値がオーバーフローしたら、オーバーフローフラグ1bitを分周セレクタ84に出力する。尚、誤差保持レジスタ82の保持値は制御周期値76にて0クリアされる。加算器83では、演算器81の出力8bit値に対して+1加算を行い、加算結果の8bit値を分周セレクタ84に出力する。分周セレクタ84は、誤差保持レジス82のオーバーフローフラグが入力されたときは加算器83の出力8bit値を、それ以外のときは演算器81の出力8bit値を出力する。このようにして分周器85には演算器81の出力上位8bit値、例えば、これをNとすると、NとN+1とが入力される。
【0086】
従って、分周比出力パルスS85の2048個分の周期で、N分周をM回、N+1分周を(2048−M)回出力することになり、
{N×M+(N+1)×(2048−M)}/2048
=演算器81の上位8bit値+(下位11bit値/2048) ・・・(1)
となるように制御される。分周比カウンタ78の保持値が変化しなければ(1)式の通りであるが、変化する場合には、それに追随して2048個分のパルス周期未満にて値が変化していく。この場合にも、単位時間当たりの(1)式の左辺と右辺の平均値はほぼ等しくなる。オン信号ONが“H”のとき、出力セレクタ86からパルスS64が出力される。
【0087】
図11は、本発明の実施例1における高圧出力処理を示すフローチャートである。
ここでは、理解を容易にするために、フローチャートを用いているが、実際はハードウェアにより実現される。
【0088】
以下、
図1、
図5〜
図8を参照しつつ、
図11に基づき、パルス生成部64の動作について、(I)初期立ち上げ動作と、(II)定電圧制御の動作と、に分けて説明する。
図11において、ステップST1〜ST10の処理が、初期立ち上げの処理であり、ステップST11〜ST19の処理が定電圧制御の処理である。
【0089】
(I) 初期立ち上げ動作
ステップST1において処理が開始されると、ステップST2へ進む。ステップST2において、
図1中のプリンタエンジン制御部43は、高圧制御部60に対し、リセット信号RESET“H”を出力し、
図8に示されたパルス生成部64の諸々の設定を初期化して、ステップST3へ進む。
【0090】
ステップST3において、目標値設定手段61は、目標値8bit値を決定し、決定した目標値8bit値を分周比記憶部63へ出力し、ステップST4へ進む。ステップST4において、温度検出手段62は、圧電トランス93の周囲の温度を温度センサ62aにより検出し、検出した温度に基づき、温度テーブル62bを参照して、温度領域に応じた温度検出値2bit値を分周比記憶部63へ出力し、ステップST5へ進む。
【0091】
ステップST5において、分周比記憶部63は、ステップST3において決定された目標値8bit値及びステップST4において出力された温度検出値2bit値に基づき、分周比テーブル63aを参照して、初期分周比値19bit値を決定し、決定した初期分周比値19bit値を分周比記憶部63内の初期分周比メモリ63bに一時記憶し、ステップST6へ進む。
【0092】
ステップST6において、
図1中のプリンタエンジン制御部43は、高圧制御部60に出力しているオン信号ONの論理レベルを“L”から“H”へ変化させ、
図8中の出力セレクタ86に、分周器85の出力パルスS85を選択させ、ステップST7へ進む。出力セレクタ86が分周器85の出力パルスS85を選択すると、出力セレクタ86の出力端子からパルスS64が出力される。
【0093】
ステップST7において、
図8中の比較器72は、ADCの出力8bit値と、目標値8bit値×0.9を比較し、ADCの出力8bit値≦目標値8bit値×0.9であれば(Y)、ステップST8へ進み、そうでなければ(N)、ステップST11へ進む。
【0094】
ステップST8において、
図8中の比較器72は、出力2bit値として、“00b”を出力し、ステップST9へ進む。ステップST9において、分周比カウンタ78の分周比19bit値を、ST5で決定された初期分周比値19bit値に固定する。二値化パルス生成部80は、固定された初期分周比値19bit値と圧電トランス補正値79の符号付き12bit値とに基づいて、分周器85の分周比値を決定する。分周器85は、固定の分周比でクロックを分周して、パルスS64を駆動回路92へ出力し、ステップST10へ進む。
【0095】
ステップST10において、パルス生成部64は、高圧出力オン信号ONの論理レベルが“L”であるか否かを判定し、オン信号ON=“L”であれば(Y)、ステップST20へ進み、オン信号ON≠“L”であれば(N)、ステップST7へ戻り、オン信号ON=“L”となるまで、ステップST7〜ST10の処理を繰り返す。ステップST10において、オン信号ON=“L”となるのは、プリンタエンジン制御部43がオン信号ONを“H”から“L”へ変化させた場合であり、この場合は、ステップST20において、出力セレクタ86は、接地の入力を選択し、駆動回路92へのパルスS64の出力を断とし、処理を終了する。
【0096】
(II) 定電圧制御の動作
ステップST11〜ST19において、ADC65の出力8bit値が、目標値8bit値×0.9を越えた場合に、ADC65の出力8bit値が目標定電圧の出力電圧Voutに対応する目標値8bit値と等しくなるように、分周比カウンタ値を増減する処理が行われている。
【0097】
即ち、ステップST11において、ADC65の出力8bit値<目標値のとき(Y)、ステップST12及びST13で、分周比カウンタ値19bit値に所定値Xを加算して分周比を増加させた加算出力値を分周比として駆動パルス周波数を低くして出力電圧Voutを増加させる制御をする。
【0098】
ステップST11において、ADC65の出力8bit値>目標値8bit値(N)、且つステップST14において、ADC≠目標値のとき(N)、ステップST17及びST18で、分周比カウンタ値19bit値から所定値Xを減算して分周比を減少させた減算出力値を分周比として駆動パルス周波数を高くして出力電圧Voutを減少させる制御をする。
【0099】
ステップST11において、ADC65の出力8bit値>目標値8bit値(N)、且つステップST14において、ADC=目標値のとき(Y)、ステップST15及びST16で、分周比カウンタ値19bit値を固定することにより、出力電圧Voutを固定させる制御をしている。
【0100】
以下、各ステップSTを追って説明する。ステップST7において、ADCの出力8bit値≦目標値8bit値×0.9でない場合に、ステップST11へ進む。ステップST11において、
図8中の比較器72は、ADCの出力8bit値と目標値8bit値を比較し、ADCの出力8bit値<目標値8bit値であれば(Y)、ステップST12へ進み、そうでなければ(N)、ステップST14へ進む。ステップST12において、比較器72は、2bit値として01bを出力して、ステップST13へ進む。ステップST13において、演算器73は、分周比カウンタ78から受け取った分周比カウンタ値19biti値に正数(例えば、X=2)の所定値Xを加算した加算出力値の19bit値を分周比カウンタ78へ出力し、ステップST19へ進む。
【0101】
ステップST14において、
図8中の比較器72は、ADCの出力8bit値と目標値8bit値を比較し、ADCの出力8bit値=目標値8bit値であれば(Y)、ステップST15へ進み、そうでなければ(N)、ステップST17へ進む。ステップST15において、
図8の比較器72は、出力2bit値として10bを出力し、ステップST19へ進む。
【0102】
ステップST17において、
図8の比較器72は、出力2bit値として11bを出力し、ステップST18へ進む。ステップST18において、演算器73は、分周比カウンタ78から受け取った分周比カウンタ値19biti値から正数(例えば、X=2)の所定値Xを減算した減算出力値の19bit値を分周比カウンタ78へ出力し、ステップST19へ進む。
【0103】
ステップST19において、パルス生成部64は、オン信号ONの論理レベルが“L”であるか否かを判定し、オン信号ON=“L”であれば(Y)、ステップST20へ進み、オン信号ON≠“L”であれば(N)、ステップST11へ戻り、オン信号ON=“L”となるまで、ステップST11〜ST18の処理を繰り返す。ステップST19において、オン信号ON=“L”であれば(Y)、ステップST20において、出力セレクタ86は、グランドの電位を選択し、駆動回路92へのパルスS64の出力を断とし、処理を終了する。
【0104】
以下、一例として、検出温度20℃、目標設定電圧5000Vのときの動作を説明する。
先ず、ステップST2において、高圧設定をリセットし、ステップST3において、目標設定値8bit値を7Fhに決定する。検出温度が20℃のとき、
図6を参照して、温度検出値2bit値は、01bとなる。従って、ステップST5において、分周比カウンタ78の初期値は、
図7を参照して、71A3Fh、即ち、駆動パルス周波数は、110.683kHzに決定される。次に、ステップST6において、出力オン信号ONを“L”から“H”とする。ここで、分周比カウンタ78の初期値による駆動パルス周波数に対応する高圧出力が立上るまでに数msの時間がかかる。
【0105】
このとき、ADC65の出力8bit値≦目標設定手段61の目標値8bit値であるので、ステップST8において、比較器72は、2bit値として00bを出力し、ステップST9へ進み、ステップST9で、演算器73は、分周比カウンタ値を初期値に固定し、ステップST10へ進む。
【0106】
高圧立上げ中であっても用紙ジャム等が発生した場合は直ちに出力電圧Voutを停止する必要があるので、ステップST10において、出力立ち上げ中も、出力オン信号ONを監視し、出力オン信号ONが“L”となったら(Y)、ステップST20へ進み、ステップST20において、出力電圧Voutの出力を停止する。やがて出力電圧Voutが立ち上がり、ADC65の出力8bit値>目標値8bit値×0.9となると、今度は、ADC65の8bit値<目標値8bit値であるため(ステップST11)、ステップST12において、比較器72は、2bit値として01bを出力し、ステップST13で、分周比カウンタ78の分周比カウント値を繰り返し増加させていき、ステップST14において、ADC65の出力8bit値=目標値8bit値となったとき(Y)、ステップST15において、比較器72は2bit値として、10bを出力し、ステップST16で、分周比カウンタ78の出力する分周比カウンタ値19bit値を固定して目標電圧の出力電圧Voutを出力する。
【0107】
ステップST14において、仮に、高圧出力がオーバーシュートした場合は、ADC65の出力8bit値>目標値8bit値なので(N)、ステップST17へ進み、ステップST17において、比較器72は、出力2bit値として11bを出力し、分周比カウンタ78の分周比の値を減少させ、駆動パルス周波数を大きくすることで、出力電圧Voutを減少させる。ステップ19において、所定の高圧出力オフのタイミングになり、出力オン信号ONが“L”となったら、高圧の出力電圧Voutの出力を停止する。
【0108】
(実施例1の変形例)
図11に示された実施例1のフローチャートのステップST14において、最初に、ADC=目標値となり(Y)、ステップST15へ進み、ステップST15において、比較器72の出力2bit値が10bとなった時点の分周比カウンタ78の19bit値を分周比記憶部63に出力し、初期分周比メモリ63bに上書き保存する。
【0109】
この場合、次回の高圧立上げにおいては、
図11に示された実施例1のフローチャートのステップST5に換えて、初期分周比メモリ63bに上書きされた分周比を読み出して分周比カウンタ78の初期値に決定する。その後のステップST6〜ST20については、実施例1と同様の処理が行われる。実施例1の変形例の処理によれば、
図11の実施例1のフローチャートにおけるステップST2〜ST4の処理がスキップできるので、処理負荷を軽減することができる。
【0110】
(比較例と本発明の実施例1との比較)
図12は、比較例の駆動周波数fと出力電圧Voutの時間的変化を説明するための図であり、
図13は、実施例1の駆動周波数fと出力電圧Voutの時間的変化を説明するための図である。
【0111】
本発明の実施例1の動作の理解を容易にするために、
図12及び
図13に基づき、比較例及び本実施例1における制御開始から出力電圧Voutが目標電圧Vaになるまでの、駆動パルス周波数f及び出力電圧Voutの時間的変化を説明する。
【0112】
図12は、比較例の制御方法による場合であり、制御が開始されると、時刻t=0において、圧電トランス93の駆動パルス周波数fを初期周波数fsから駆動し、駆動パルス周波数を暫減して行く。その結果、駆動パルス周波数f及び出力電圧Voutは、圧電トランス93により決定される出力電圧Voutの特性曲線Q上を、A点からB点へ向かって変化し行く。この場合、出力電圧Voutの目標値Vaに対応する周波数f3に較べ、駆動を開始する初期周波数fsが高いので、A点からB点へ制御する時間が長くなる。又、A点からB点へ制御する時間を短縮するために、周波数変化幅を大きくすると、B点を超えて共振周波数f0を超えて低い周波数に制御されてしまうおそれがある。共振周波数f0より低い周波数では出力電圧Voutが不安定領域となるため、制御不能領域である。
【0113】
駆動パルス周波数fが共振周波数f0より低い周波数では出力電圧Voutが不安定領域となり、
図9に示されているように、目標の出力電圧Voutを出力する駆動パルス周波数fが温度領域により変化するため、制御の安定性を考慮して、比較例では、駆動パルス周波数fを目標の出力電圧Voutに対応する周波数より高い周波数fsから低い周波数の方へと徐々にシフトして、目標の出力電圧Voutに対応する周波数f3に近づける制御を行っていた。このような制御の場合、高い周波数から低い周波数の方へと移行していく時間がかかり、目標の高圧の出力電圧Voutが立ち上がるまでの時間が長くなってしまう。
【0114】
一方、
図13は、実施例1の制御方法の場合であり、制御が開始されると、時刻t=0において、駆動パルス周波数fは、目標値8bit値及び温度検出値2bit値に対応した初期周波数fs’のC点からスタートし、出力電圧Voutが所定値(目標値Vaの概ね90%)に達するD点まで、駆動パルス周波数fは初期周波数fs’で固定されたまま、出力電圧Voutが上昇し、D点に達すると、D点から目標値VaのE点までの区間では、目標値8bit値とADC65の出力8bit値が一致するように分周比が可変制御され、E点に達する。
【0115】
実施例1では、出力電圧Voutの立ち上げの初期段階におけるパルスS64を、目標値8bit値及び温度検出値2bit値に適合した分周比に固定して生成することで、立ち上げの当初から目標値付近の出力電圧Voutが得られ、高圧立上げ時間を短縮できる。
【0116】
図14(a),(b)は、本発明の実施例1における高圧立ち上げ波形と比較例における高圧立ち上げ波形とを示す模式図である。
【0117】
図14(a),(b)の横軸は時間(t)であり、縦軸は出力電圧Vout(V)である。
【0118】
図14(b)の比較例の高圧立ち上げ制御では、立ち上げ制御の開始から目標設定電圧と出力電圧Voutが等しくなるように駆動パルス周波数を高い周波数から低い周波数へ分周比を可変する制御である定電圧制御がされるため、立ち上がり時間が長い。これに対して、
図14(a)の実施例1では、立ち上げ制御の開始から出力電圧Voutが目標設定電圧の例えば、90%に達する(t1)までの間は、分周比を初期値に固定する周波数固定制御がされるので、立ち上がり時間が比較例に較べて短くなる。
【0119】
(実施例1の効果)
本実施例1によれば、次の(1)〜(3)のような効果がある。
【0120】
(1) 実施例1の高圧電源装置90によれば、目標値及び温度検出値に基づいた分周比を初期値として生成した駆動パルス周波数のパルスS64を圧電トランス93へ供給するようにしている。これにより、温度の変化により、圧電トランス93の出力電圧/駆動パルス周波数特性が変化しても、最適な分周比を初期値としてパルスS64を生成することができる。
【0121】
(2) 実施例1の高圧電源装置90によれば、出力電圧Voutが目標値8bit値の90%に達するまでは、分周比を初期値に固定してパルスS64を生成するようにしている。これにより、駆動パルス周波数fを高い周波数から低い周波数へと徐々に移行させていた比較例の較べ、出力電圧Voutが目標値に達するまでの時間を大幅に短縮でき、高速な高圧立上げが可能になる。
【0122】
(3) 実施例1の画像形成装置1によれば、高圧電源装置90の出力電圧Voutを用いて、帯電、現像及び転写を行うことにより、記録媒体17aに画像を形成するようにしている。これにより、画像形成装置1は、温度が変化しても、記録媒体17aの先端からかすれのない安定した転写性を確保することにより、安定した画像形成が可能になる。
【実施例2】
【0123】
(実施例2の構成)
図15は、本発明の実施例2における高圧電源装置を用いた画像形成装置1Aを示す構成図であり、実施例1を示す
図3と共通の要素については共通の符号が付されている。
【0124】
実施例2の画像形成装置1Aは、実施例1の画像形成装置1に、湿度検出手段としての湿度センサ66aが追加されている。その他の部分については、実施例1と同様である。
【0125】
湿度センサ66aは、湿度に応じて湿度検出値を出力するものであり、実施例1と同様の温度センサ62aと共に、高圧制御部60A内にある。
【0126】
図16は、
図15の画像形成装置1Aにおける制御回路の構成を示すブロック図であり、実施例1の画像形成装置における制御回路の構成を示す
図4と共通の要素については共通の符号が付されている。
【0127】
実施例2の画像形成装置1Aにおける制御回路は、実施例1の画像形成装置1における制御回路に、パラメータ設定手段として印刷媒体情報45が追加されている。その他の構成は実施例1と同様である。
【0128】
パラメータ設定手段45は、図示しないオペレーションパネル等から画像形成装置1Aのユーザーによって予め入力、設定されているものであっても、印刷動作中に印刷用紙の厚さ等を検知し、これを印刷媒体情報45とする構成であっても良い。印刷媒体情報45は、2bitのデジタル値とする。
【0129】
図17は、本発明の実施例2における高圧電源装置の概略の構成を示すブロック図であり、実施例1を示す
図1と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0130】
高圧電源装置90Aは、実施例1と同様の転写バイアス生成部90c及びDC電源91と、実施例1とは構成の異なる高圧制御部60Aとを有している。高圧制御部60Aは、実施例1と同様の目標値設定手段61、温度検出手段62、パルス生成部64及びADC65に、湿度検出手段66及び環境検出値出力部67が新たに追加され、実施例1の分周比記憶部63とは異なる分周比記憶部63Aを備えている。
【0131】
湿度検出手段66は、湿度センサ66aと、湿度テーブル66bとを有しており、湿度センサ66aは、転写負荷近傍の湿度値を検出し、検出した湿度値に基づき湿度テーブル66bを参照して湿度検出値2bit値を出力するものである。
【0132】
環境検出値出力部67は、温度検出手段62の出力する温度検出値2bit値及び湿度検出手段66の出力する湿度検出値2bit値に基づいて、環境検出値テーブル67aを参照して環境検出値を出力するものである。
【0133】
図18は、
図17中の湿度テーブル66bの例を示す図である。
湿度は、相対湿度10%(以下「10%RH」と記す。)以上30%RH未満、30%RH以上50%RH未満、50%RH以上70%RH未満、70%RH以上90%RH未満の4領域に分けられ、湿度センサ66aにおける湿度領域に応じた湿度検出値として、それぞれ、11b,10b,01b,00bの2bit値を出力する。
【0134】
図19は、
図17中の環境検出値テーブル67aの例を示す図である。
湿度が10〜30%RHのときの上位2bitは00b、湿度が30〜50%RHのときの上位2bitは01b、湿度が50〜70%RHのときの上位2bitは10b、湿度が70〜90%RHのときの上位2bitは11bである。又、温度が5〜15℃のときの下位2bitは00b、温度が15〜25℃のときの下位2bitは01b、温度25〜35℃のときの下位2bitは10b、温度35〜45℃のときの下位2bitは11bとなり、計16の環境領域で0h〜Fhまでの4bit値で表される。
【0135】
尚、図中の点線で示した領域は、画像形成装置1Aの動作環境範囲であり、この点線で示した囲外の温湿度が検出された場合、最も近い領域の環境領域と判断し、4bit値を出力する。例えば、温度0℃、湿度15%RHでは環境11と判断し、環境検出値として、0hを出力する。
【0136】
環境検出値出力部67が出力する環境検出値4bit値は、上位2bit値を湿度検出手段66の検出値、下位2bit値を温度検出手段62の検出値とする4bit値とする。分周比値記憶部63Aからパルス生成部64に出力される値は、目標値S61、環境検出値S67及び印刷媒体情報S45に基づいて決定される。ここで、環境検出値S67の上位2bit値の湿度検出値は、転写負荷の近傍の湿度に応じた値であり、湿度が高いと転写負荷に流れる電流が増加して負荷が大きくなり、出力電圧Voutの電圧値が低くなるのを考慮している。又、印刷媒体情報S45は、記録媒体の材質、厚さ、表面の粗さ等により、転写負荷ZLの値が変化することを考慮したものである。
【0137】
図20−1は、
図17中の記録媒体Aの場合の分周比テーブル63cの例を示す図であり、
図20−2は、
図17中の記録媒体Bの場合の分周比テーブル63cの例を示す図であり、
図20−3は、
図17中の記録媒体Cの場合の分周比テーブル63cの例を示す図である。
【0138】
3種類の記録媒体A,B,Cの各々に対し、目標値8bit値及び環境検出値4bit値に対応する分周比が、分周比テーブル63cに記憶格納されている。
【0139】
図20−1〜
図20−3には、環境検出値S67、印刷媒体情報S45、及び目標値S61に対する分周比記憶部63Aの記憶値の例が示されている。ここで、印刷媒体A、B及びCは、それぞれ出力負荷の大きさとして、A<B<Cの関係にあるものとする。
【0140】
例えば、記録媒体がAであり、目標電圧4000V、温度20℃、相対湿度45%RHであれば、
図6より温度検出値2bit値=01b、
図18より湿度検出値2bit値=01bとなる。このとき、
図19の環境検出値テーブル67aより、環境検出値4bit値=5hとなる。
図20−1に示された記録媒体Aの分周比テーブル63cの目標値8bit値=65h、環境検出値4bit値=5hの欄が参照され、分周比値=71586hが求まる。
【0141】
(実施例2の動作)
本発明の実施例2の画像形成装置1Aの動作は、実施例1の画像形成装置1の動作と同様であるので省略する。
【0142】
図17において、高圧出力時、記録媒体情報S45及び環境検出値S67によって分周比値が決定される。実施例2における分周比記憶部63Aからパルス生成部64に出力される分周比値は、環境検出値S67に加えて目標値S61及び記録媒体情報S45によって決定する。
【0143】
図21は、
図17中の圧電トランス93の負荷大・中・小における駆動パルス周波数fに対する出力電圧Voutを示す特性図である。
【0144】
ここで、負荷の大小とは、転写プロセス中に出力負荷に流れる電流の大小と同義であり、負荷大とは電流が大ということである。
図21では、常温時の特性のみを示し、負荷小のときの共振周波数をfrN、負荷大のときの共振周波数をfrNLで表す。出力負荷は、
図17に示した負荷ZL、即ち、温湿度、記録媒体の厚さや表面状態等によって変化するものであり、そのため同じ目標電圧を出力するときでも、これらが異なると圧電トランス93の駆動パルス周波数は違った値になる。本実施例2においては、目標電圧値に対応する日標値S61に加えて、温湿度、即ち、環境検出値S67及び記録媒体情報S45によって駆動パルス周波数の初期値を決定することにより、実施例1に示した高圧電源装置90に比べ、更に、出力負荷が大きい場合にも、高速で安定した高圧立上げが可能となる。
【0145】
図22は、本発明の実施例2における高圧出力処理を示すフローチャートであり、実施例1の高圧出力処理のフローチャートを示す
図11と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0146】
実施例2の高圧出力処理は、実施例1の高圧出力処理におけるステップST3〜ST5の処理に換えて、ステップST21〜ST24の処理を行う点が実施例1の処理と異なる。ステップST1及びST2、ST6〜ST20の処理については、実施例1と同様である。
【0147】
ステップST1において、高圧出力処理が開始されると、ステップST2へ進み、実施例1と同様に、プリンタエンジン制御部43Aがリセット信号RESETを出力し、高圧設定をリセットし、ステップST21へ進む。
【0148】
ステップST21において、環境検出値出力部67は、環境検出値テーブル67aを参照して、温度検出値2bit値及び湿度検出値2bit値に対応した環境検出値4bit値を求め、分周比記憶部63Aに出力し、ステップST22へ進む。ステップST22において、記録媒体情報S45を分周比記憶部63Aに出力し、ステップST23へ進む。ステップST23において、目標値設定手段61Aは、目標電圧に対応する目標値8bit値を決定し、ステップST24へ進む。
【0149】
ステップST24において、分周比記憶部63Aは、
図20−1〜20−3に示された分周比テーブル63cを参照して、目標値8bit値、環境検出値4bit値及び記録媒体情報2bit値に対応した分周比を決定し、決定した分周比カウンタ値をパルス生成部64へ出力して駆動パルス周波数fを決定し、ステップST6へ進む。
【0150】
その後、実施例1と同様のステップST5〜ST20の処理が行われ、ステップST20において、処理が終了する。
【0151】
以下、一例として、温度30℃、相対湿度60%RH、記録媒体A、目標電圧4000Vのときの動作を説明する。先ず、ステップST2において、高圧設定をリセットする。ステップST21において、環境検出値テーブル67aが示された
図19を参照すると、温度検出値2bit値及び湿度検出値2bit値は共に10bであるから、環境検出値の4bit値はAhとなる。次に、ステップST22において、印刷媒体情報S45としてAが入手される。ステップST23において、分周比記憶部63Aが示された
図20−1を参照すると、目標電圧4000Vに対応する目標設定値の8bit値として65hに決定される。ステップST24において、分周比カウンタ78の初期値は、分周比記憶部63Aが示された
図20−1の目標設定値8bit値65h且つ環境検出値4bit値Ahに対応する713A2h、即ち、駆動パルス周波数は110.398kHzとなる。次に、ステップST6において、出力オン信号ONを“L”から“H”にし、以下、実施例1と同様に目標電圧に定電圧制御される。
【0152】
(実施例2の変形例)
図17に示された実施例2のフローチャートのステップST11〜ST19において、最初に比較器72の出力2bit値が10bとなった時点(ステップST4のY)の分周比カウンタ78の19bit値を分周比記憶部63に出力し、初期分周比メモリ63bに上書き保存する。
【0153】
この場合、次回の高圧立上げにおいては、
図17に示された実施例2のフローチャートのステップST24に換えて、初期分周比メモリ63bに上書きされた分周比を読み出して分周比カウンタ78の初期値に決定する。その後のステップST6〜ST20については、実施例2と同様の処理が行われる。実施例2の変形例の処理によれば、
図17の実施例2のフローチャートにおけるステップST2及びST21〜ST23の処理がスキップできるので、処理負荷を軽減することができる。
【0154】
(実施例2の効果)
本発明の実施例2によれば、実施例1の構成に加え、更に、湿度検出値及び記録媒体情報を考慮して、駆動パルス周波数の初期値を決定とするようにしている。これにより、高圧電源装置90Aは、出力負荷ZLの大小によらず高速な高圧立上げが可能になる。
【0155】
又、画像形成装置1Aは、実施例2の高圧電源装置90Aを使用するようにしている。これにより、画像形成装置1Aは、用紙先端からかすれのない、より安定した転写性を確保することにより、安定した画像形成が可能になる。
【0156】
(変形例)
本発明は、上記実施例1、2に限定されず、種々の利用形態や変形例が可能である。この利用形態や変形例として、例えば、次の(1)〜(5)のようなものがある。
【0157】
(1) 実施例1、2では、圧電トランス93を使用した高圧電源装置90,90A、及び、これを使用した画像形成装置1,1Aについて、電子写真方式のカラープリンタについて説明したが、画像形成装置は、電子写真方式のカラープリンタに限定されない。例えば、カラープリンタやカラー複写機、ファクシミリ、又はこれらの機能を併せ持つカラー複合機等であっても良い。
【0158】
(2) 実施例1及び2の高圧電源装置90,90Aでは、圧電トランス93の出力電圧/周波数特性が
図9及び
図20であるとして説明したが、圧電トランス93の出力電圧/周波数特性は、
図9及び
図20に限定されない。出力電圧/駆動パルス周波数特性が、
図9及び
図20とは異なる圧電トランス93を用いたとしても、それに対応して周辺回路定数やパルス生成部64における各部のデジタル設定値を変更することによって同様の動作が実現可能である。
【0159】
(3) 実施例1及び2の説明では、画像形成装置1の通常動作時においても出力負荷は固定として説明しているが、感光体ドラムの状態による負荷変動、他の高圧バイアス源に適用した場合の負荷変動にも対応可能である。
【0160】
(4) 実施例1及び2の説明では、カラー4色構成の画像形成装置として説明したが、2色或いは3色、若しくは4色より多い構成としても良い。
【0161】
(5) 本実施例1及び2では、プリンタエンジン制御部43内に高圧制御部60を設けているとして説明したが、高圧制御部60はプリンタエンジン制御部43内に設けなくてもよい。例えば、プリンタエンジン制御部43と高圧制御部60とを別々にして、ケーブル等で接続し、各種信号のやり取りをする構成としても良い。