特許第6074237号(P6074237)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6074237
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】段積み用セパレータ
(51)【国際特許分類】
   E04G 17/04 20060101AFI20170123BHJP
   E04G 17/06 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
   E04G17/04 B
   E04G17/06 C
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-252485(P2012-252485)
(22)【出願日】2012年11月16日
(65)【公開番号】特開2014-101633(P2014-101633A)
(43)【公開日】2014年6月5日
【審査請求日】2015年9月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】510334435
【氏名又は名称】秋田 享男
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】特許業務法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】秋田 享男
【審査官】 星野 聡志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−005363(JP,A)
【文献】 特開2005−344373(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G9/00−19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下段に位置し、型枠が互いに対向するように配置された下段型枠組と、上段に位置し、前記型枠が互いに対向するように配置された上段型枠組との間に設けられ、前記下段型枠組の間隔及び前記上段型枠組の間隔を保持する段積み用セパレータであって、
各前記型枠は、生コンクリートを堰き止める堰止面を形成する堰板部と、前記堰板部の一端に設けられ、前記堰止面と直交する方向に延びる被載置面を形成するフランジとを有し、
長手方向に延び、前記被載置面と当接される載置面を形成する本体片と、前記本体片の幅方向の一端で前記本体片から略直角に起立し、自己の内縁で前記上段型枠組の前記型枠における前記フランジの外縁を係止可能な上段用外側係止片と、前記一端で前記本体片から略直角に起立し、自己の外縁で前記上段型枠組の前記型枠における前記フランジの内縁を係止可能な上段用内側係止片と、前記本体片の前記幅方向の他端で前記本体片から略直角に垂下し、自己の内縁で前記下段型枠組の前記型枠における前記フランジの外縁を係止可能な下段用外側係止片と、前記他端で前記本体片から略直角に垂下し、自己の外縁で前記下段型枠組の前記型枠における前記フランジの内縁を係止可能な下段用内側係止片とを有する前記段積み用セパレータにおいて、
前記上段用外側係止片及び前記下段用外側係止片の少なくとも一方には、前記型枠の前記フランジによって弾性変形し、弾性復元力によって前記フランジの前記外縁を係止する弾性係止手段が設けられ
前記弾性係止手段は、前記幅方向に突出する突出片を有することを特徴とする段積み用セパレータ。
【請求項2】
前記弾性係止手段は、前記上段用外側係止片における前記上段用内側係止片側の先端域から前記他端に向かって略直角に突出する上段用突出片と、前記上段用突出片から前記上段用内側係止片に向かって突出しつつ前記本体片に近づくに従って前記上段用内側係止片に向かって延びる上段用傾斜片とからなり、
前記突出片は、前記上段用突出片であり、
前記本体片、前記上段用外側係止片、前記上段用内側係止片、前記下段用外側係止片、前記下段用内側係止片、前記上段用突出片及び前記上段用傾斜片は、鋼板を打ち抜きかつ屈曲することにより形成されている請求項1記載の段積み用セパレータ。
【請求項3】
前記弾性係止手段は、前記下段用外側係止片における前記下段用内側係止片側の先端域から前記一端に向かって略直角に突出する下段用突出片と、前記下段用突出片から前記下段用内側係止片に向かって突出しつつ前記本体片に近づくに従って前記下段用内側係止片に向かって延びる下段用傾斜片とからなり、
前記突出片は、前記下段用突出片であり、
前記本体片、前記上段用外側係止片、前記上段用内側係止片、前記下段用外側係止片、前記下段用内側係止片、前記下段用突出片及び前記下段用傾斜片は、鋼板を打ち抜きかつ屈曲することにより形成されている請求項1又は2記載の段積み用セパレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は段積み用セパレータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1〜3に従来の段積み用セパレータが開示されている。これらの段積み用セパレータは、下段型枠組と上段型枠組との間に設けられる。下段型枠組は、下段に位置し、型枠が互いに対向するように配置されたものである。上段型枠組は、上段に位置し、型枠が互いに対向するように配置されたものである。そして、これらの段積み用セパレータは、下段型枠組の間隔及び上段型枠組の間隔を保持する。
【0003】
型枠は、生コンクリートを堰き止める堰止面を形成する堰板部を有している。例えば、堰止面が矩形である鋼製の型枠は、その堰止面を上下に配置した場合、堰板部の下端、上端、右端及び左端にフランジを有している。堰板部の下端及び上端のフランジは、堰止面と直交する方向に延びる延出部と、延出部から堰止面と平行に延びるリブとからなることが一般的である。下端のフランジの延出部の底面及び上端のフランジの延出部の上面は被載置面とされる。
【0004】
各段積み用セパレータは、本体片と、一対の上段用外側係止片と、上段用内側係止片と、一対の下段用外側係止片と、下段用内側係止片とを有している。
【0005】
本体片は、長手方向に延び、被載置面と当接される載置面を表面及び裏面に形成している。
【0006】
各上段用外側係止片は、本体片の幅方向の一端で本体片から略直角に起立している。各上段用外側係止片の内端で上段型枠組の型枠におけるフランジの外縁を係止可能になっている。上段用内側係止片は、同じく本体片の幅方向の一端で本体片から略直角に起立し、自己の外縁で上段型枠組の型枠におけるフランジの内縁を係止可能になっている。上段用内側係止片が本体片の左右で二つに分割され、両上段用内側係止片間に鉄筋を通すための凹部が設けられることもある。
【0007】
各下段用外側係止片は、本体片の幅方向の他端で本体片から略直角に垂下している。各下段用外側係止片の内端で下段型枠組の型枠におけるフランジの外縁を係止可能になっている。下段用内側係止片は、同じく本体片の幅方向の他端で本体片から略直角に垂下し、自己の外縁で下段型枠組の型枠におけるフランジの内縁を係止可能になっている。下段用内側係止片が本体片の左右で二つに分割され、両下段用内側係止片間に鉄筋を通すための凹部が設けられることもある。
【0008】
特許文献1に開示された段積み用セパレータでは、各上段用外側係止片及び各下段用外側係止片の内端が本体片に向かって直角に延びている。特許文献2、3に開示された段積み用セパレータでは、各上段用外側係止片及び各下段用外側係止片の内端の先端面は、本体片から離れるに従って長く延びている。
【0009】
この段積み用セパレータは、住宅等のコンクリート基礎の施工時に用いられる。すなわち、まず、例えば砕石地盤上に複数の支持部材を載置し、型枠の下端を保持するためだけの複数のセパレータを各支持部材に支持させる。これにより、複数のセパレータが一定間隔をおいて砕石地盤の上方に配設される。この際、各セパレータの本体片は、施工しようとするコンクリート基礎の立ち上がり基礎の幅方向に沿うように設けられる。そして、各セパレータによって下段型枠組の型枠が連続的に保持される。
【0010】
そして、下段型枠組上に複数の段積み用セパレータが装着される。この際、段積み用セパレータの下段用外側係止片の内縁で下段型枠組の型枠におけるフランジの外縁を係止する。特許文献2、3に開示された段積み用セパレータでは、各下段用外側係止片の内端の先端面が本体片から離れるに従って長く延びているため、フランジの外縁が外れ難くされている。また、段積み用セパレータの下段用内側係止片の外縁で下段型枠組の型枠におけるフランジの内縁を係止する。
【0011】
次いで、各段積み用セパレータ上に上段型枠組が連続的に保持される。この際、段積み用セパレータの上段用外側係止片の内縁で上段型枠組の型枠におけるフランジの外縁を係止する。特許文献2、3に開示された段積み用セパレータでは、各上段用外側係止片の内端の先端面が本体片から離れるに従って長く延びているため、フランジの外縁が外れ難くされている。また、段積み用セパレータの上段用内側係止片の外縁で上段型枠組の型枠におけるフランジの内縁を係止する。
【0012】
こうして、下段型枠組及び上段型枠組において、互いに対向する複数の型枠が連続的に設けられ、型枠内に例えば2段の立ち上がり空間が形成される。立ち上がり空間内に生コンクリートが充填され、さらに、その生コンクリートが固化することによってコンクリート基礎とされる。コンクリート基礎上に住宅等が建設されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特許第2752805号公報
【特許文献2】実開昭61−62147号公報
【特許文献3】実開昭61−62148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、上記従来の段積み用セパレータは、いずれも型枠のフランジの外端を係止する際に手間を要する。特に、特許文献2、3に開示された段積み用セパレータは、各上段用外側係止片及び各下段用外側係止片の内端の先端面が本体片から離れるに従って長く延びているため、この傾向が顕著である。
【0015】
また、特許文献2、3に開示された段積み用セパレータはフランジの外縁が外れ難くされているものの、特許文献1に開示された段積み用セパレータは、生コンクリートを充填する際、気泡を排出するために行われるバイブレーションによってフランジの外縁が外れ易い。型枠のフランジの外端が外れてしまえば、充填する生コンクリートがその部分から漏れ、コンクリート基礎を精度よく施工することができない。
【0016】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、優れた作業性を実現しつつ、コンクリート基礎を高い精度で施工可能な段積み用セパレータを提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の段積み用セパレータは、下段に位置し、型枠が互いに対向するように配置された下段型枠組と、上段に位置し、前記型枠が互いに対向するように配置された上段型枠組との間に設けられ、前記下段型枠組の間隔及び前記上段型枠組の間隔を保持する段積み用セパレータであって、
各前記型枠は、生コンクリートを堰き止める堰止面を形成する堰板部と、前記堰板部の一端に設けられ、前記堰止面と直交する方向に延びる被載置面を形成するフランジとを有し、
長手方向に延び、前記被載置面と当接される載置面を形成する本体片と、前記本体片の幅方向の一端で前記本体片から略直角に起立し、自己の内縁で前記上段型枠組の前記型枠における前記フランジの外縁を係止可能な上段用外側係止片と、前記一端で前記本体片から略直角に起立し、自己の外縁で前記上段型枠組の前記型枠における前記フランジの内縁を係止可能な上段用内側係止片と、前記本体片の前記幅方向の他端で前記本体片から略直角に垂下し、自己の内縁で前記下段型枠組の前記型枠における前記フランジの外縁を係止可能な下段用外側係止片と、前記他端で前記本体片から略直角に垂下し、自己の外縁で前記下段型枠組の前記型枠における前記フランジの内縁を係止可能な下段用内側係止片とを有する前記段積み用セパレータにおいて、
前記上段用外側係止片及び前記下段用外側係止片の少なくとも一方には、前記型枠の前記フランジによって弾性変形し、弾性復元力によって前記フランジの前記外縁を係止する弾性係止手段が設けられ
前記弾性係止手段は、前記幅方向に突出する突出片を有することを特徴とする。
【0018】
本発明の段積み用セパレータでは、上段用外側係止片に弾性係止手段が設けられている場合、上段用外側係止片と上段用内側係止片との間に型枠のフランジを挿入すれば、弾性係止手段がフランジによって弾性変形し、フランジの挿入を妨げない。そして、フランジの被載置面が本体片の載置面と当接すれば、弾性係止手段はその弾性復元力によってフランジの外縁を係止する。
【0019】
また、この段積み用セパレータでは、下段用外側係止片に弾性係止手段が設けられている場合、下段用外側係止片と下段用内側係止片との間に型枠のフランジを挿入すれば、弾性係止手段がフランジによって弾性変形し、フランジの挿入を妨げない。そして、フランジの被載置面が本体片の載置面と当接すれば、弾性係止手段はその弾性復元力によってフランジの外縁を係止する。
【0020】
このため、この段積み用セパレータは、型枠のフランジの外端を容易に係止することができる。
【0021】
また、この段積み用セパレータでは、弾性係止手段がその弾性復元力によってフランジの外縁を係止するため、フランジの外縁が外れ難い。このため、充填する生コンクリートが漏れ難く、コンクリート基礎を精度よく施工することができる。
【0022】
したがって、本発明の段積み用セパレータによれば、優れた作業性を実現しつつ、コンクリート基礎を高い精度で施工可能である。
【0023】
型枠としては、鋼製のものであってもよく、木製や樹脂製のものであってもよい。
【0024】
弾性係止手段は、上段用外側係止片における上段用内側係止片側の先端域から他端に向かって略直角に突出する上段用突出片と、上段用突出片から上段用内側係止片に向かって突出しつつ本体片に近づくに従って上段用内側係止片に向かって延びる上段用傾斜片とからなり得る。そして、本体片、上段用外側係止片、上段用内側係止片、下段用外側係止片、下段用内側係止片、上段用突出片及び上段用傾斜片は、鋼板を打ち抜きかつ屈曲することにより形成されていることが好ましい。
【0025】
この場合、簡素な製造工程により、本発明の段積み用セパレータを容易に製造することができる。このため、製品コストの低廉化を実現できる。
【0026】
上段用傾斜片は、上段用突出片から略直角に突出し、先端面が傾斜面や湾曲面に形成され得る。また、上段用傾斜片は、上段用突出片から湾曲しながら突出し、湾曲した面が傾斜面や湾曲面に形成され得る。
【0027】
また、弾性係止手段は、下段用外側係止片における下段用内側係止片側の先端域から一端に向かって略直角に突出する下段用突出片と、下段用突出片から下段用内側係止片に向かって突出しつつ本体片に近づくに従って下段用内側係止片に向かって延びる下段用傾斜片とからなり得る。そして、本体片、上段用外側係止片、上段用内側係止片、下段用外側係止片、下段用内側係止片、下段用突出片及び下段用傾斜片は、鋼板を打ち抜きかつ屈曲することにより形成されていることが好ましい。
【0028】
この場合も、簡素な製造工程により、本発明の段積み用セパレータを容易に製造することができる。このため、製品コストの低廉化を実現できる。
【0029】
下段用傾斜片は、下段用突出片から略直角に突出し、先端面が傾斜面や湾曲面に形成され得る。また、下段用傾斜片は、下段用突出片から湾曲しながら突出し、湾曲した面が傾斜面や湾曲面に形成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】実施例1の段積み用セパレータの斜視図である。
図2】実施例1の段積み用セパレータの展開図である。
図3】実施例1の段積み用セパレータの使用状態を示す断面図である。
図4】実施例2の段積み用セパレータの斜視図である。
図5】実施例2の段積み用セパレータの平面図である。
図6】実施例2の段積み用セパレータの展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の段積み用セパレータを具体化した実施例1、2を図面に従って説明する。なお、以下の図は実際の段積み用セパレータの寸法及び比率を示してはいない。
【0032】
(実施例1)
図1に示す実施例1の段積み用セパレータ(以下、単に「セパレータ」という。)1は、図3に示すように、住宅等のコンクリート基礎としての布基礎の施工時に用いられる。より詳細には、このセパレータ1は、下段型枠組40と上段型枠組50との間に設けられ、下段型枠組40の間隔及び上段型枠組50の間隔を保持する。下段型枠組40は、下段に位置し、型枠30が互いに対向するように配置されている。上段型枠組50は、上段に位置し、型枠30が互いに対向するように配置されている。本実施例では、型枠30は鋼製のものである。
【0033】
型枠30は、生コンクリートを堰き止める堰止面31aを形成する堰板部31を有している。本実施例では、堰止面31aが矩形である。型枠30は、堰止面31aが上下方向に延在するように配置した場合、堰板部31の下端、上端、右端及び左端にフランジ33を有している。下端及び上端のフランジ33は、堰止面31aと直交する方向に延びる延出部35と、延出部35から堰止面31aと平行に延びるリブ37とからなる。下端のフランジ33の延出部35の底面は、堰止面31aと直交する方向に延びる被載置面33aを形成している。リブ37は、本発明の「フランジの外縁」の一例である。また、堰止部31の下端部31bは、本発明の「フランジの内縁」の一例である。
【0034】
一方、図1に示すように、実施例のセパレータ1は、本体片3と、一対の上段用外側係止片5と、上段用突出片7と、上段用傾斜片9と、上段用内側係止片11と、一対の下段用外側係止片13と、下段用突出片15と、下段用傾斜片17と、下段用内側係止片19とを有している。
【0035】
本体片3は、長手方向に細長く延びる平板形状とされている。本体片3の平坦な表面及び裏面は、型枠30の被載置面33a(図3参照)と当接される載置面3a、3bとされている。本体片3には、図示しないくさびを打ち込むためのくさび穴3c、3dが貫設されている。また、本体片3には、上段用内側係止片11及び下段用内側係止片19の外縁に整合する切取用凹部3g、3hが凹設されている。
【0036】
各上段用外側係止片5は、本体片3の幅方向の一端で本体片3から略直角に起立する平板形状とされている。上段用突出片7は、各上段用外側係止片5における上段用内側係止片11側の1/2の先端域から他端に向かって略直角に突出している。
【0037】
各上段用傾斜片9は、上段用突出片7から上段用内側係止片11に向かって略直角に突出する平板形状とされている。上段用傾斜片9は本体片3に近づくに従って上段用内側係止片11に向かって延びており、その先端面は本体片3に近づくに従って上段用突出片7から離れる平面状の傾斜面9aとされている。図3に示すように、各上段用傾斜片9の下端と、上段用外側係止片5の内端とにより、上段型枠組50の型枠30におけるフランジ33のリブ37を係止可能になっている。上段用突出片7及び上段用傾斜片9が上段型枠組50の型枠30用の弾性係止手段である。
【0038】
図1に示すように、上段用内側係止片11は、同じく本体片3の幅方向の一端で本体片3から略直角に起立する平板形状とされている。上段用内側係止片11は、図3に示すように、自己の外縁で上段型枠組50の型枠30における堰止部31の下端部31bを係止可能になっている。上段用内側係止片11が本体片3の左右で二つに分割され、両上段用内側係止片間に鉄筋を通すための凹部が設けられてもよい。
【0039】
各下段用外側係止片13は、本体片3の幅方向の他端で本体片3から略直角に垂下する平板形状とされている。下段用突出片15は、各下段用外側係止片13における下段用内側係止片19側の1/2の先端域から一端に向かって略直角に突出している。
【0040】
下段用傾斜片17は、下段用突出片15から下段用内側係止片19に向かって略直角に突出する平板形状とされている。下段用傾斜片17も本体片3に近づくに従って下段用内側係止片19に向かって延びており、その先端面は本体片3に近づくに従って下段用突出片15から離れる傾斜面17aとされている。図3に示すように、各下段用傾斜片17の上端と、下段用外側係止片13の内端とにより、下段型枠組40の型枠30におけるフランジ33のリブ37を係止可能になっている。下段用突出片15及び下段用傾斜片17が下段型枠組40の型枠30用の弾性係止手段である。
【0041】
図1に示すように、下段用内側係止片19は、同じく本体片3の幅方向の他端で本体片3から略直角に垂下する平板形状とされている。下段用内側係止片19は、図3に示すように、自己の外縁で下段型枠組40の型枠30における堰止部31の下端部31bを係止可能になっている。下段用内側係止片19が本体片3の左右で二つに分割され、両下段用内側係止片間に鉄筋を通すための凹部が設けられてもよい。
【0042】
このセパレータ1は、図2に示すように、鋼板を打ち抜いたワークWに対し、破線部分を屈曲することにより形成されている。こうして得られるセパレータ1は表裏が逆でも使用できるようになっている。
【0043】
このセパレータ1は、図3に示すように、住宅等のコンクリート基礎の施工時に用いられる。すなわち、まず、例えば砕石地盤上に図示しない複数の支持部材を載置し、下段型枠組40の型枠30の下端を保持するためだけの複数のセパレータ2を各支持部材に支持させる。これにより、複数のセパレータ2が一定間隔をおいて砕石地盤の上方に配設される。この際、各セパレータ2の本体片は、施工しようとするコンクリート基礎の立ち上がり基礎の幅方向に沿うように設けられる。そして、各セパレータ2によって下段型枠組40の型枠30が連続的に保持される。
【0044】
そして、下段型枠組40上に複数のセパレータ1が装着される。この際、セパレータ1を下段型枠組40の上方から下降させれば、各型枠30のフランジ33が下段用傾斜片17の傾斜面17aに案内されながら下段用突出片15を下段用内側係止片19から離れる方向に弾性変形し、フランジ33の挿入を妨げない。そして、フランジ33の被載置面33aが本体片3の裏面側の載置面3bと当接すれば、各下段用突出片15はその弾性復元力によって元の位置に戻り、各下段用傾斜片17の上端がフランジ33のリブ37を係止する。
【0045】
このため、このセパレータ1は、型枠30のフランジ33のリブ3を容易に係止することができる。また、セパレータ1の下段用内側係止片19の外縁で下段型枠組40の型枠30における堰止部31の下端部31bを係止する。
【0046】
次いで、各セパレータ1上に上段型枠組50が連続的に保持される。この際、型枠30をセパレータ1の上方から下降させれば、各型枠30のフランジ33が上段用傾斜片9の傾斜面9aに案内されながら上段用突出片7を上段用内側係止片11から離れる方向に弾性変形し、フランジ33の挿入を妨げない。そして、フランジ33の被載置面33aが本体片3の表面側の載置面3aと当接すれば、各上段用突出片7はその弾性復元力によって元の位置に戻り、各上段用傾斜片9の下端がフランジ33のリブ37を係止する。
【0047】
このため、このセパレータ1は、型枠30のフランジ33のリブ3を容易に係止することができる。また、セパレータ1の上段用内側係止片11の外縁で上段型枠組50の型枠30における堰止部31の下端部31bを係止する。
【0048】
そして、上段型枠組50の型枠30の上端を保持するためだけの複数のセパレータ2を型枠30に支持させる。
【0049】
こうして、下段型枠組40及び上段型枠組50において、互いに対向する複数の型枠30が連続的に設けられ、型枠30内に2段の立ち上がり空間Cが形成される。立ち上がり空間C内に生コンクリートが充填され、さらに、その生コンクリートが固化することによってコンクリート基礎とされる。
【0050】
この際、このセパレータ1では、各下段用突出片15及び各上段用突出片がその弾性復元力によってフランジ33のリブ37を係止するため、フランジ33のリブ37が外れ難い。このため、充填する生コンクリートが漏れ難く、コンクリート基礎を精度よく施工することができる。こうして、コンクリート基礎上に住宅等が建設されることとなる。
【0051】
したがって、このセパレータ1によれば、優れた作業性を実現しつつ、コンクリート基礎を高い精度で施工可能である。
【0052】
また、このセパレータ1は、鋼板を打ち抜いたワークWを屈曲することにより形成されているため、簡素な製造工程により、容易に製造可能である。このため、このセパレータ1は製品コストの低廉化を実現できる。
【0053】
(実施例2)
実施例2の段積み用セパレータ(以下、単に「セパレータ」という。)61は、図4に示すように、本体片63と、一対の上段用外側係止片65と、上段用突出片67と、上段用傾斜片69と、一対の上段用内側係止片71と、一対の下段用外側係止片73と、下段用突出片75と、下段用傾斜片77と、一対の下段用内側係止片79とを有している。
【0054】
各上段用外側係止片65は、本体片63の幅方向の一端で本体片63から略直角に起立する平板形状とされている。上段用突出片67は、各上段用外側係止片65における上段用内側係止片71側の1/2の先端域から他端に向かって略直角に突出している。
【0055】
各上段用傾斜片69は、上段用突出片67から上段用内側係止片71に向かってほぼ180°湾曲しながら突出する半円筒形状とされている。上段用傾斜片69の上段用内側係止片71側の半円筒面は、図5に示すように、本体片63に近づくに従って上段用内側係止片71に向かって延びる傾斜面69aとされている。このため、傾斜面69aが型枠30のフランジ33を案内しやすくなっているとともに、くさび穴3c、3dにくさびを打ち込みやすくなっている。上段用突出片67及び上段用傾斜片69が上段型枠組50の型枠30用の弾性係止手段である。
【0056】
各上段用内側係止片71は、同じく本体片63の幅方向の一端で本体片63から略直角に起立する平板形状とされている。上段用内側係止片71は本体片63の左右で二つ設けられている。両上段用内側係止片71間には鉄筋を通すための凹部71aが設けられている。
【0057】
各下段用外側係止片73は、本体片63の幅方向の他端で本体片63から略直角に垂下する平板形状とされている。下段用突出片75は、各下段用外側係止片73における下段用内側係止片79側の1/2の先端域から一端に向かって略直角に突出している。
【0058】
各下段用傾斜片77は、下段用突出片75から下段用内側係止片79に向かってほぼ180°湾曲しながら突出する半円筒形状とされている。下段用傾斜片77の下段用内側係止片79側の半円筒面は、図5に示す上段用傾斜片69と同様、本体片63に近づくに従って下段用内側係止片79に向かって延びる傾斜面77aとされている。このため、傾斜面77aも型枠30のフランジ33を案内しやすくなっているとともに、くさび穴3c、3dにくさびを打ち込みやすくなっている。下段用突出片75及び下段用傾斜片77が下段型枠組40の型枠30用の弾性係止手段である。
【0059】
各下段用内側係止片79は、同じく本体片63の幅方向の他端で本体片63から略直角に垂下する平板形状とされている。下段用内側係止片79は本体片63の左右で二つ設けられている。両下段用内側係止片79間には鉄筋を通すための凹部79aが設けられている。他の構成は実施例1と同様である。同様の構成については実施例1と同一の符号を付している。
【0060】
このセパレータ61も、図6に示すように、鋼板を打ち抜いたワークWに対し、破線部分を屈曲することにより形成されている。こうして得られるセパレータ61も表裏が逆でも使用できるようになっている。
【0061】
このセパレータ61も、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。特に、このセパレータ61では、傾斜面69a、77aが湾曲した上段用傾斜片69や下段用傾斜片77によって形成されているため、型枠30のフランジ33を強固に案内することができる。
【0062】
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0063】
例えば、弾性係止手段は上段用外側係止片及び下段用外側係止片の少なくとも一方に設けられればよい。また、弾性係止手段としては、本体片3と一体のものに限られず、種々のものを採用することができる。さらに、上段用突出片7、67、上段用傾斜片9、下段用突出片15、75又は下段用傾斜片17の屈曲は厳格な直角に限定されない。また、傾斜面9a、69a、17a、77aは直線状に傾斜しているものに限られず、湾曲していてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、例えば住宅等のコンクリート基礎に利用可能である。
【符号の説明】
【0065】
30…型枠
40…下段型枠組
50…上段型枠組
1、61…段積み用セパレータ
31a…堰止面
31…堰板部
33a…被載置面
33…フランジ
3a、3b…載置面
3、63…本体片
5、65…上段用外側係止片
11、71…上段用内側係止片
13、73…下段用外側係止片
19、79…下段用内側係止片
7、9、15、17、67、69、75、77…弾性係止手段
7、67…上段用突出片
9、69…上段用傾斜片
15、75…下段用突出片
17、77…下段用傾斜片
図1
図2
図3
図4
図5
図6