特許第6074268号(P6074268)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6074268
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】道路情報表示装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/095 20060101AFI20170123BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
   G08G1/095 L
   G08G1/09 A
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-3142(P2013-3142)
(22)【出願日】2013年1月11日
(65)【公開番号】特開2014-134993(P2014-134993A)
(43)【公開日】2014年7月24日
【審査請求日】2015年8月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000181572
【氏名又は名称】篠原電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148138
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡
(72)【発明者】
【氏名】篠原 基一郎
(72)【発明者】
【氏名】加藤 正明
【審査官】 田中 純一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−525763(JP,A)
【文献】 特開平11−232597(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/169407(WO,A1)
【文献】 特開2008−009716(JP,A)
【文献】 特開2003−296885(JP,A)
【文献】 実開平06−056895(JP,U)
【文献】 特表2000−503431(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
路側に立設固定される支柱(1)と、支柱(1)に固定される表示盤(2)と、表示盤(2)に設けられて速度規制情報、道路状況情報、および緊急時情報等を表示する発光表示部(3)を備えており、
発光表示部(3)は、通常時において専ら速度規制情報を表示する上エリア(4)および下エリア(6)と、これら上エリア(4)と下エリア(6)の間に配置されて、注意喚起時、或いは非常時において専ら文字情報を表示する中央エリア(5)とを備えており、
これら3つのエリア(4・5・6)は、隣り合うエリア(4・5・6)の境界に隙間の無いシームレス状に配置されており、
各エリア(4・5・6)の表示面には、一群のLED(18)が縦横に直線列を構成する状態で配置されており、
各エリア(4・5・6)を構成する一群のLED(18)のドットピッチは等間隔に設定されており、上エリア(4)と中央エリア(5)との境界におけるLED(18)の縦方向の直線列、および下エリア(6)と中央エリア(5)との境界における縦方向のLED(18)の直線列は連続しており、これにて各エリア(4・5・6)の表示面はシームレス状に連続するものとなっており、
通常時と、注意喚起時と、非常時とで、上エリア(4)と中央エリア(5)と下エリア(6)の表示内容を変更して、速度規制情報と道路状況情報と緊急時情報等を、各エリア(4〜6)で個別に表示し、あるいは隣接する2または3のエリア(4〜6)が協同して表示することができるように構成されており、
通常時においては、上エリア(4)および/または下エリア(6)で、速度規制情報を表示する交通標識と同じパターンで同じ色合いの速度規制情報を表示することができるように構成されており、
隣接する2または3のエリア(4〜6)が協同して道路状況情報や緊急時情報等の文字情報を表示する際には、各エリア(4・5・6)の境界を跨ぐ状態で文字表示を行うことができるようになっており、
LED(18)が、その内部に光の三原色となるR・G・Bの各LED素子を縦方向へ直線列を構成する状態で配置した3色LEDで構成されており、
LED(18)から照射された表示光を調整する目的で各LED(18)に対応して設けられたレンズ体(24)が、各LED(18)の発光角度を狭めて光軸上輝度を向上する集光レンズとして構成されていることを特徴とする道路情報表示装置。
【請求項2】
通常時における発光表示部(3)は、上エリア(4)で交通標識と同じパターンの速度規制情報を表示しており、
注意喚起時における発光表示部(3)は、上エリア(4)で速度規制情報を表示し、中央エリア(5)と下エリア(6)で注意喚起情報を表示する第1注意喚起モードと、上エリア(4)と下エリア(6)で速度規制情報を表示し、中央エリア(5)で注意喚起情報を表示する第2注意喚起モードのいずれかで、速度規制情報と注意喚起情報を表示しており、
非常時における発光表示部(3)は、上エリア(4)で速度規制情報を表示し、中央エリア(5)と下エリア(6)で緊急時情報を表示する第1非常時モードと、上エリア(4)と中央エリア(5)と下エリア(6)の全エリアで緊急時情報を表示する第2非常時モードのいずれかで、速度規制情報と緊急時情報を表示する請求項1に記載の道路情報表示装置。
【請求項3】
道路情報表示装置が、路側に沿って一定間隔おきに設置してある非常用電話機の電源を利用して発光表示部(3)を駆動することができるように構成されている請求項1または2記載の道路情報表示装置。
【請求項4】
上エリア(4)と中央エリア(5)と下エリア(6)のそれぞれが、文字および数字の一文字を表現する複数の表示ユニット(10)を縦横に配置して四角形状に構成されており、
前記表示ユニット(10)は、正方形のLED基板(17)上に8個のLED(18)を10mm間隔で縦横に8個ずつ配置してなる発光エレメント(16)を、表示ベース(15)上に縦横へ4個ずつ配置して構成されて、縦32ドット横32ドットで一文字を表示でき、
上エリア(4)および下エリア(6)のそれぞれが、前記表示ユニット(10)を縦横に2個ずつ配置して正方形状に形成されており、
中央エリア(5)が、前記表示ユニット(10)を縦に4個、横に3個配置して縦長の長方形状に形成されており、
通常時および注意喚起時には、道路状況情報および注意喚起情報を32ドット×32ドットの文字表示で表示し、
非常時には、道路状況情報および緊急時情報を16ドット×16ドットの文字表示で表示して、通常時および注意喚起時に比べて、より詳細な情報表示を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれかひとつに記載の道路情報表示装置。
【請求項5】
縦長長円状ないし縦長楕円状に形成した表示盤(2)の発光表示部(3)に、上エリア(4)と中央エリア(5)と下エリア(6)が縦長十文字状に配置されており、
上エリア(4)および下エリア(6)と発光表示部(3)の周縁との間の非表示スペースに、上エリア(4)や下エリア(6)と同じ見かけのレンズパターンからなるダミー表示部(20)が設けてある請求項4に記載の道路情報表示装置。
【請求項6】
発光エレメント(16)が、LED基板(17)と、同基板(17)上に配置した一群のLED(18)と、LED(18)の前面側に配置されて、各LED(18)から照射された表示光を調整するレンズユニット(19)とで構成されており、
レンズユニット(19)は、透明なレンズ基板(23)と、各LED(18)に対応してレンズ基板(23)上に設けられるレンズ体(24)と、隣接するレンズ体(24)の間の隙間に配置される遮光マスク(25)とで構成されている請求項4または5に記載の道路情報表示装置。
【請求項7】
発光エレメント(16)のLED基板(17)がガラスエポキシ基板で構成されており、
レンズユニット(19)のレンズ基板(23)が光硬化樹脂(26)を介してLED基板(17)に固定してある請求項6に記載の道路情報表示装置。
【請求項8】
レンズ基板(23)の内面に、遮光マスク(25)と一体の遮光壁(28)が突出してある請求項6または7に記載の道路情報表示装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路側に設置されて速度規制情報を表示し、事故や災害などの非常時には道路状況情報や緊急時情報などの文字情報を表示して、自動車の安全走行や道路運用の効率化に寄与する道路情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の道路情報表示装置は、例えば特許文献1に公知である。そこでは、基板上にLED素子を縦横に16個ずつ配列して表示ユニットを構成しており、一群の表示ユニットを縦横に配列して道路情報表示装置を構成している。1個の表示ユニットは16×16のドットで文字や数字の一文字を表示することができ、表示ユニットに表示された文字の組合わせで速度規制情報、緊急時情報、道路状況情報などの文字情報を表示することができる。この種の道路情報表示装置は特許文献2にも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−122614号公報(段落番号0019、図3
【特許文献2】特開平08−053815号公報(段落番号0015、図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、必要に応じて表示内容を自由に変更できる大型の道路情報表示装置は、設置コストが数千万円にも達するため、設置個所が高速道路の入り口や道路分岐部の手前などの限られた場所にしか設置されていない。そのため、道路情報表示装置に表示された事故情報や緊急時情報等を見逃してしまうと、次の道路情報表示装置が設置してある場所まで、ドライバーは適切な対応をとることができなくなる。例えば、移動経路先で大きな事故が発生して通行止めになっているような場合に、道路情報表示装置に表示された事故情報を見逃してしまうと、事故現場の近くまで行ってしまい、高速道路から抜出るための最寄の出口の把握や、事故処理が終わって通行が開始されるまでの時間の把握などに手間取ることになる。
【0005】
道路管理者は、先のような事故情報が現場から伝達されると、直ちに関係ある各地の道路情報表示装置に事故情報を表示して、事故が起こっている道路への自動車の乗入れを規制し、あるいは迂回路を案内して、緊急車両以外の自動車が事故現場の周辺に近付くのを防ぐ。しかし、既に事故が起きている道路を走行している自動車に対しては、散在する道路情報表示装置に頼るしかないため、ドライバーに対して事故情報の伝達を適切に行うことができない。また、地震、法面の崩壊、路面の浸水などの重大な災害が突発的に発生して、自動車の通行が危険になった状況では、その情報を速やかにドライバーに知らせて安全を確保しなければならないが、散在する道路情報表示装置のみでは情報を確実に伝達し徹底させることはできない。
【0006】
上記のような情報伝達の不備を解消するには、より多くの道路情報表示装置を道路に沿って設置すればよいが、従来の道路情報表示装置を設置するのであれば、設置に要するコストが膨大になるのを避けられない。また、大型の道路情報表示装置を設置する際には、交通を遮断したり、通行量を規制するなどの通行規制を行わねばならないことがあり、道路利用者と道路管理者の双方に不利益や不便を強いることになる。
【0007】
本発明は、上記のような道路における情報伝達の不備を解消するために提案されたものであって、以下の目的を達成する。
本発明の目的は、事故発生時や災害時などに、通行中のドライバーに対して道路状況情報や緊急時情報などを確実に伝達でき、しかも設置に要するコストを大幅に減少して道路管理者のコスト負担を軽減できる道路情報表示装置を提供することにある。
本発明の目的は、通常時と非常時とで文字サイズを変更して表示でき、非常時により多くの文字情報を表示して詳細な情報を的確に伝達でき、これによりドライバーが取るべき行動を支援して安全の確保に寄与できる道路情報表示装置を提供することにある。
本発明の目的は、道路に沿って一定間隔おきに設置してある非常電話の電源を利用して運用することができ、従って専用の電源を必要とせずに低コストで設置することができる道路情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る道路情報表示装置は、路側に立設固定される支柱1と、支柱1に固定される縦長の表示盤2と、表示盤2に設けられて速度規制情報、道路状況情報、および緊急時情報等を表示する発光表示部3を備えている。発光表示部3は、通常時において専ら速度規制情報を表示する上エリア4および下エリア6と、上エリア4および下エリア6の間に配置されて、注意喚起時、或いは非常時において専ら文字情報を表示する中央エリア5とを備えている。これら3つのエリア4・5・6は、隣り合うエリア4・5・6の境界に隙間の無いシームレス状に配置されている。各エリア4・5・6の表示面には、一群のLED18が縦横に直線列を構成する状態で配置されており、各エリア4・5・6を構成する一群のLED18のドットピッチは等間隔に設定されており、上エリア4と中央エリア5との境界におけるLED18の縦方向の直線列、および下エリア6と中央エリア5との境界における縦方向のLED18の直線列は連続しており、これにて各エリア4・5・6の表示面はシームレス状に連続するものとなっている。通常時と、注意喚起時と、非常時とで、上エリア4と中央エリア5と下エリア6の表示内容を変更して、速度規制情報と道路状況情報と緊急時情報等を、各エリア4〜6で個別に表示し、あるいは隣接する2または3のエリア4〜6が協同して表示することができるように構成されている。通常時においては、上エリア4および/または下エリア6で、速度規制情報を表示する交通標識と同じパターンで同じ色合いの速度規制情報を表示することができるように構成されており、隣接する2または3のエリア4〜6が協同して道路状況情報や緊急時情報等の文字情報を表示する際には、各エリア4・5・6の境界を跨ぐ状態で文字表示を行うことができるように構成されている。LED18は、その内部に光の三原色となるR・G・Bの各LED素子を縦方向へ直線列を構成する状態で配置した3色LEDで構成されている。LED18から照射された表示光を調整する目的で各LED18に対応して設けられたレンズ体24が、各LED18の発光角度を狭めて光軸上輝度を向上する集光レンズとして構成されている。なお、各エリア4・5・6がシームレス状に連続しているとは、各エリア4・5・6の境界部分におけるLED18のドットピッチが他の部分と同じに設定してあって、隣接する各エリア4・5・6の境界を跨ぐ状態で文字表示を行う場合でも、それぞれの文字などを切れめなく円滑に表示できることを意味している。
【0009】
通常時における発光表示部3は、上エリア4で交通標識と同じパターンの速度規制情報を表示する。注意喚起時における発光表示部3は、上エリア4で速度規制情報を表示し、中央エリア5と下エリア6で注意喚起情報を表示する第1注意喚起モードと、上エリア4と下エリア6で速度規制情報を表示し、中央エリア5で注意喚起情報を表示する第2注意喚起モードのいずれかで、速度規制情報と注意喚起情報を表示する。非常時における発光表示部3は、上エリア4で速度規制情報を表示し、中央エリア5と下エリア6で緊急時情報を表示する第1非常時モードと、上エリア4と中央エリア5と下エリア6の全エリアで緊急時情報を表示する第2非常時モードのいずれかで、速度規制情報と緊急時情報を表示する。
【0010】
道路情報表示装置が、路側に沿って一定間隔おきに設置してある非常用電話機の電源を利用して発光表示部3を駆動することができるように構成する
【0011】
上エリア4と中央エリア5と下エリア6のそれぞれは、文字および数字の一文字を表現する複数の表示ユニット10を縦横に配置して四角形状に構成する。表示ユニット10は、正方形のLED基板17上に8個のLED18を10mm間隔で縦横に8個ずつ配置してなる発光エレメント16を、表示ベース15上に縦横へ4個ずつ配置して構成されて、縦32ドット横32ドットで一文字を表示する。上エリア4および下エリア6のそれぞれは、表示ユニット10を縦横に2個ずつ配置して正方形状に形成する。中央エリア5は、表示ユニット10を縦に4個、横に3個配置して縦長の長方形状に形成する。通常時および注意喚起時には、道路状況情報および注意喚起情報を32ドット×32ドットの文字表示で表示する。非常時には、道路状況情報および緊急時情報を16ドット×16ドットの文字表示で表示して、通常時および注意喚起時に比べて、より詳細な情報表示を行う。
【0012】
縦長長円状ないし縦長楕円状に形成した表示盤2の発光表示部3に、上エリア4と中央エリア5と下エリア6のそれぞれを縦長十文字状に配置する。上エリア4および下エリア6と発光表示部3の周縁との間の非表示スペースに、上エリア4や下エリア6と同じ見かけのレンズパターンからなるダミー表示部20を設ける。
【0014】
発光エレメント16は、LED基板17と、同基板17上に配置した一群のLED18と、LED18の前面側に配置されて、各LED18から照射された表示光を調整するレンズユニット19とで構成する。レンズユニット19は、透明なレンズ基板23と、各LED18に対応してレンズ基板23上に設けられるレンズ体24と、隣接するレンズ体24の間の隙間に配置される遮光マスク25とで構成する。
【0017】
発光エレメント16のLED基板17はガラスエポキシ基板で構成する。レンズユニット19のレンズ基板23は光硬化樹脂26を介してLED基板17に固定する。
【0018】
レンズ基板23の内面に、遮光マスク25と一体の遮光壁28を突出する。なお、遮光壁28は縦横に連続するリング状や、格子状に形成することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明においては、路側に立設される支柱1と、支柱1に固定される表示盤2と、表示盤2に設けた発光表示部3などで、道路情報表示装置を交通標識なみの大きさに構成した。従って、従来のこの種の情報表示装置に比べると、全体装置を簡素化し、小形化とコンパクト化を同時に実現できる。さらに、全体装置を小形化できる分だけ導入コストや設置に要するコストを大幅に減少できるので、道路に沿って多数個の道路情報表示装置を設置したとしても道路管理者のコスト負担を軽減でき、ドライバーに対する情報の伝達機会を著しく増加することができる。
【0020】
また、本発明に係る道路情報表示装置においては、発光表示部3を、速度規制情報および文字情報を表示する上エリア4および下エリア6と、専ら文字情報を表示する中央エリア5とで構成した。さらに、各エリア4・5・6に一群のLED18を同じドットピッチで縦横に直線列を構成する状態で配置して、各エリア4・5・6をシームレス状に連続させるようにした。そのうえで、通常時と、注意喚起時と、非常時とで、上エリア4と中央エリア5と下エリア6の表示内容を変更して、各状況に適合する速度規制情報や、道路状況情報あるいは緊急時情報等を表示できるようにした。
【0021】
上記の道路情報表示装置によれば、上エリア4と中央エリア5と下エリア6の各エリアごとに、必要な情報を個別に表示することができるので、各エリアを使い分けることにより省エネルギーを実現しながら無駄のない状態で情報の表示を行うことができる。さらに、必要時には、隣接する2または3のエリア4〜6を使用して文字情報を表示することにより、注意喚起情報や緊急時情報などの重要な情報をドライバーに伝達できる。従って、設置個数が少ない情報表示装置に表示された事故情報等を見逃すことがあったとしても、道路に沿って設置された多数個の道路情報表示装置の表示で重要情報を知ることが可能となり、ドライバーの安全の確保や、緊急車両の円滑な通行の確保に寄与できる。
【0022】
通常時において、発光表示部3のうち上エリア4で交通標識と同じパターンの速度規制情報を表示するのは、中央エリア5および下エリア6を休止状態にして電力の無駄な消費を避けるためである。また、注意喚起時において、第1注意喚起モードと第2注意喚起モードのいずれかで、速度規制情報と注意喚起情報を表示するのは、道路状況や気象状況などに応じて発光表示部3による表示を好適化して、ドライバーに対する情報の伝達を効果的に行うためである。非常時において、第1非常時モードと第2非常時モードのいずれかで、速度規制情報と緊急時情報を表示するのも同様の趣旨に沿うものである。さらに、第2非常時モードにおいては、上エリア4と中央エリア5と下エリア6の全エリアで緊急時情報を表示するが、これは非常事態の状況に関して、より詳細な情報をドライバーに報知し、あるいは迂回路や退避経路の詳細を報知して、適切で安全な対応を促すためである。
【0023】
道路情報表示装置の発光表示部3を非常用電話機の電源を利用して駆動すると、道路に沿って多数個の道路情報表示装置を設置する場合に、専用の配電線を敷設する必要がない。また、非常用電話機の通信網を利用して各道路情報表示装置の表示状態を制御することが可能であるので、道路情報表示装置の全体システムの導入コストを削減でき、その点でも道路管理者の負担を削減できる。さらに、道路情報表示装置の全体を制御するシステムに、予め非常用電話機の位置情報を取込んでおくことにより、事故等の現場と各道路情報表示装置との相対位置を正確に特定できるので、事故等の現場からの距離に応じて発光表示部3の表示内容を異ならせて、注意喚起情報や、緊急時情報などをきめ細かに表示することができる。
【0024】
上エリア4、中央エリア5、下エリア6のそれぞれを、複数の表示ユニット10を縦横に配置して四角形状に構成し、各表示ユニット10において縦32ドット横32ドットで文字またはパターンを高精細に表示するのは、速度規制情報や注意喚起情報などを明確に表示して、表示内容を遠くからでも判読できるようにするためである。上エリア4および下エリア6のそれぞれを、4個の表示ユニット10で正方形状に形成するのは、両エリア4・6において、最高速度や最低速度を意味する交通標識と同じパターンを主な表示内容とするからである。また、中央エリア5を先の両エリア4・6より幅広で縦長の長方形状に形成するのは、専ら文字情報を表示する中央エリア5での表示可能な文字数を増やして、ドライバーに対してより詳細な情報を伝達できるようにするためである。
【0025】
また、非常時に、全エリア4〜6を使用して道路状況情報および緊急時情報を16ドット×16ドットの文字表示で表示すると、通常時および注意喚起時に比べて、より長い文章で詳細な情報表示を行うことができる。従って、事故や地震によって移動先が通行止めになっていることや、最寄の出口の案内、迂回路の案内などの緊急時情報を、ドライバーに対して詳細かつ的確に報知して、情報伝達の不備に伴う混乱や、2次災害の発生などを未然に防止して安全の確保に寄与できる。また、大事故が起こった場合などには、道路の使用を制限する表示を行うことにより、救急車両や消防車両などの緊急車両の円滑な通行を確保することができる。
【0026】
上エリア4と下エリア6の周囲の非表示スペースに、レンズパターンからなるダミー表示部20を設けると、ダミー表示部20の見え方を、非表示状態における上エリア4や下エリア6と同じ見かけにすることができる。したがって、上エリア4および下エリア6で文字や交通標識と同じパターンなどを表示するとき、ダミー表示部20の見かけを点灯表示部以外の背景部分と同じ状態にして、各エリア4・6における表示を明確化し視認性を向上できる。
【0027】
R・G・Bの各LED素子を縦方向へ直線列を構成する状態で配置した3色LEDでLED18を構成すると、各エリア4〜6に表示された交通標識のパターンや表示文字を遠くから見るときと、近くから見るときとで色ずれするのを防止することができる。従って、各エリア4〜6のパターンや表示文字を、道路情報表示装置までの距離の大小とは無関係に常に明確に表示して視認性をさらに向上できる。
【0028】
LED基板17上に設けた一群のLED18とレンズユニット19とで発光エレメント16を構成すると、レンズユニット19で表示光を収束し、あるいは特定の方向に指向させるなど情報表示の見え方を調整し、道路情報表示装置の設置場所に応じて好適化することができる。また、レンズ基板23上に設けられる一群のレンズ体24と、隣接するレンズ体24の間の隙間に配置される遮光マスク25とでレンズユニット19を構成すると、隣接するレンズ体24の間の隙間からLED18の照射光の一部が漏れて表示文字が滲むのを確実に防止できる。また、隣接するレンズ体24の間の隙間に臨むレンズ基板23の表面で外光が反射して表示文字の輪郭がぼやけるのを防止でき、全体として表示ユニット10の視認性を向上できる。さらに、遮光マスク25が黒色に着色してある場合には、表示ユニット10で表示された文字や図形のコントラストを向上して視認性をさらに向上できる。
【0029】
レンズ体24がLED18の発光角度を狭める集光レンズとして構成してあると、各LED18から照射された表示光をレンズ体24で集光して光軸上輝度を向上することができる。従って、レンズユニット19を使用しない場合に比べて、発光表示部3におけるパターン表示や文字表示を明確でくっきりとしたものとすることができる。
【0031】
レンズユニット19のレンズ基板23を、ガラスエポキシ基板からなるLED基板17に光硬化樹脂26を介して固定すると、レンズ基板23をLED基板17に対して相対移動不能に固定できる。従って、道路情報表示装置の周辺温度が変化するときの、LED基板17とレンズ基板23の線膨張係数の違いに基づく光軸のずれを防止して、レンズ効果を常に適正に発揮させることができる。
【0032】
レンズ基板23の内面に、遮光マスク25と一体の遮光壁28が突出させてあると、各LED18から漏れ出た照射光を遮光壁28で遮って、隣のレンズ体24の側へ漏出るのをさらに確実に防止できる。従って、表示文字の輪郭が滲んだり、ぼやけるのを解消して、表示ユニット10の視認性をさらに向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明に係る道路情報表示装置の正面図である。
図2】道路情報表示装置の縦断側面図である。
図3】発光表示部の詳細構造を示す要部の正面図である。
図4】発光エレメントの正面図である。
図5図4におけるA−A線断面図である。
図6】道路情報表示装置の表示例を示す正面図である。
図7】道路情報表示装置の別の表示例を示す正面図である。
図8】発光エレメントの別の実施例を示す図5と同等の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
(実施例) 図1ないし図7は本発明に係る道路情報表示装置の実施例を示している。図1において道路情報表示装置は、路側に立設固定される支柱1と、支柱1に固定される縦長長円状の表示盤2と、表示盤2の片面に設けられる発光表示部3などを備えている。表示盤2の上下長さは約2.8m、左右幅は約1mであって、交通標識なみの大きさに構成してある。高速道路などの自動車専用道路の路側には、1kmおき(一定間隔おき)に非常用電話機が設置してあるが、その電源を利用して先の発光表示部3を駆動するために、道路情報表示装置は非常用電話機の設置場所の近傍に設置してある。もちろん、非常用電話機の設置場所の近傍の複数個所に道路情報表示装置を設置してもよい。
【0035】
発光表示部3は、速度規制情報および文字情報を表示する上エリア4および下エリア6と、上エリア4および下エリア6の間に配置されて専ら文字情報を表示する中央エリア5とで縦長十文字状に構成してある。上エリア4および下エリア6は、それぞれ表示ユニット10を縦横に2個ずつ配置して正方形状に形成してあり、その縦横寸法は640mm×640mmである。中央エリア5は、表示ユニット10を縦に4個、横に3個配置して縦長の長方形状に形成してあり、その縦横寸法は1280mm×960mmである。各エリア4〜6は、それぞれ表示盤2の左右中央に配置されて、その前面が揺動開閉自在なドア11で覆ってある。ドア11は、表示盤2の周囲を囲む縦長長円状のドア枠12と、透明のカバー13とで構成してある。
【0036】
図3に示すように、表示ユニット10は、正方形の表示ベース15上に発光エレメント16を縦横に連続する状態で4個ずつ配置して構成する。また、発光エレメント16は、図4および図5に示すように、ガラスエポキシ基板からなる正方形のLED基板17上に、8個のLED18を10mm間隔で縦横に8個ずつ表面実装し、さらに、LED18の前面側にレンズユニット19を配置して構成してある。LED基板17の縦横寸法は80mm×80mmとした。
【0037】
1個の表示ユニット10には、縦横8ドットの発光エレメント16を縦横4個ずつ配置するので、縦32ドット横32ドット(合計1024個)のLED18で、漢字、カタカナ、ひらがな、英文字、数字などの文字の一文字を表示する。あるいは、図6に示すように交通標識と同じパターンの速度規制情報の4分の1のパターンを表示する。ただし、非常時には、図7(b)に示すように1個の表示ユニット10を4分割して、縦16ドット横16ドット(合計256個)のLED18で、文字や数字の一文字を表示する。これは、非常時により詳細な情報表示を行うためであるが、その内容の詳細は後述する。なお、縦横に連続する発光エレメント16の、隣接部分におけるLED18の隣接間隔も10mmになっている。従って、表示ユニット10を構成する4個の発光エレメント16およびレンズユニット19の境界が認識されることはない。
【0038】
上記のように、各エリア4・5・6の表示面には、一群のLED18が同じドットピッチで縦横に直線列を構成する状態で配置してある。さらに、発光エレメント16および表示ユニット10は、それぞれの境界が認識されない状態で連続しており、同様に隣接する各エリア4・5・6もそれぞれの境界が認識されない状態で連続して、各エリア4・5・6はシームレス状に連続している。従って、隣接する各表示ユニット10、あるいは隣接する各エリア4・5・6の境界を跨ぐ状態で文字表示を行う場合であっても、それぞれの文字を切れめなく円滑に表示することができる。また、文字表示を縦または横方向へスクロールしながら表示する場合であっても、移動する文字を明確に表示できる。
【0039】
LED18は表面実装型の3色LEDからなり、その内部に光の三原色となるR・G・Bの各LED素子が、縦方向へ直線列を構成する状態で配置してある。LED18におけるLED素子の配列パターンの違いには(R・G・B)、(R・B・G)、(G・R・B)、(G・B・R)、(B・R・G)、(B・G・R)の6種があり、これらの1種を同じドットピッチで縦横に直線列を構成するように配置することで、発光エレメント16を構成することができる。この実施例ではR(赤)のLED素子が直線列の上下中央に位置する(G・R・B)、または(B・R・G)の配列パターンの3色LEDを使用して発光エレメント16を構成するようにした。現状では、R(赤)のLED素子の輝度がG(緑)またはB(青)の輝度より低いからである。
【0040】
上記のように、表示盤2の上下中央に中央エリア5を設け、その上下に上エリア4と下エリア6をそれぞれ配置した状態においては、上エリア4の上隅と下エリア6の下隅のそれぞれがドア枠12の上下の円弧部に内接する。そのため、上エリア4の上部と、下エリア6の下部に弦月状の非表示スペースが形成され、両エリア4・6の左右のそれぞれに船形の非表示スペースが形成される。これらの非表示スペース、つまり上エリア4および下エリア6の周囲のスペースはダミー表示部20になっており、上エリア4や下エリア6と同じ見かけのレンズパターンが形成してある。レンズパターンは、例えばプラスチック製のシートや板材に印刷を施して形成してあり、表示ベース15の対応部分に接着固定し、あるいはビスで固定する。ダミー表示部20を設けることにより、上エリア4や下エリア6で、例えば交通標識と同じパターンの速度規制情報を表示するとき、ダミー表示部20の見え方が点灯表示部以外の背景部分と同じ状態になるので、先の速度規制情報を明確に表示して視認性を向上できる。
【0041】
レンズユニット19は、正方形のレンズ基板23と、各LED18に対応して縦横8個ずつ形成されるレンズ体24とを一体に備えたポリカーボネイト製の成形品からなる。レンズ体24の直径はLED18の発光部の直径より僅かに大きく設定してあり、両者のドットピッチは一致させてある。そのため、隣接するレンズ体24の間の隙間からLED18の照射光の一部が漏れて表示文字が滲んだり、あるいは、先の隙間に臨むレンズ基板23の表面で外光が反射して表示文字の輪郭がぼやけるなど、表示ユニット10の視認性が損なわれるおそれがある。
【0042】
上記のような光の漏れ、あるいは反射光に伴う不具合を解消するために、隣接するレンズ体24の間の隙間に臨むレンズ基板23の表面(外面)に、黒色の遮光マスク25を形成して、表示ユニット10で表示された文字や図形のコントラストを向上している。なお、遮光マスク25は、レンズ基板23およびレンズ体24を1次成形で形成したのち、2次成形を行って形成する。このように遮光マスク25を2色成形法で形成すると、レンズ体24を傷つけることもなく正確に遮光マスク25を形成できる。また、成形された樹脂層で遮光マスク25を形成すると、同マスク25の厚みを充分なものとして高度の遮光機能を発揮できるうえ、長期使用時の耐久性を向上できる。
【0043】
レンズ体24は、各LED18から照射された表示光を調整するために設けられており、LED18の発光角度を狭めて光軸上輝度を向上する集光レンズとして構成してある。このように、各LED18から照射された表示光をレンズ体24で集光すると、レンズユニット19を使用しない場合に比べて、発光表示部3におけるパターン表示や文字表示を明確でくっきりとしたものとすることができる
【0044】
ガラスエポキシ基板からなるLED基板17と、ポリカーボネイトで形成したレンズユニット19とは線膨張係数が異なる。そのため、道路情報表示装置の周辺温度が変化するとき、各LED18の中央の光軸と、レンズ体24の中央の光軸とがずれて、レンズ効果を充分に発揮できなくなるおそれがある。こうした、光軸のずれを防止して、LED18とレンズ体24の中央の光軸を常に一致させておくために、レンズ基板23を透明な光硬化性樹脂26でLED基板17に固定している(図5参照)。光硬化性樹脂26の換わりに、透明のシリコン系樹脂を使用してレンズユニット19をLED基板17に固定してもよい。
【0045】
以上のように構成した道路情報表示装置は、通常時と、注意喚起時と、非常時とで、上エリア4と中央エリア5と下エリア6の表示内容を変更して、速度規制情報と道路状況情報と緊急時情報等を、各エリア4・5・6で個別に表示し、あるいは隣接する2または3のエリア4・5・6が協同して表示する。なお、速度規制情報と道路状況情報と緊急時情報は、それぞれ任意の色で表示することができ、必要があれば、昼間と夜間、雨天時と晴天時などの状況の違いに応じて最適の色で表示することができる。
【0046】
通常時における発光表示部3は、図1に示すように上エリア4で交通標識と同じパターンの速度規制情報を表示し、中央エリア5および下エリア6は無表示とする。例えば、上エリア4における表示は、最高速度が80kmである場合の交通標識と同じパターンで同じ色合いの速度規制情報を表示する。上エリア4は4個の発光エレメント16で構成してあるので、交通標識のパターンは4分の1に分割された状態で各発光エレメント16によって表示される。必要があれば、移動先の都市の天気情報や温度情報を、中央エリア5および下エリア6で表示してもよい。
【0047】
注意喚起時には、移動先の渋滞情報、居眠り運転あるいは逆走運転の車両の存在を知らせる注意情報、積雪、豪雨、濃霧、路面の氷結等の天候関連情報などの注意情報を、第1注意喚起モードと第2注意喚起モードに従って発光表示部3で表示する。第1注意喚起モードでは、例えば図6(a)に示すように、上エリア4で最高速度が50kmである場合の交通標識と同じパターンで同じ色合いの速度規制情報を表示し、中央エリア5と下エリア6を使用して、例えば居眠り運転あるいは逆走運転の車両の存在を知らせる注意喚起のための文章を表示する。また、第2注意喚起モードでは、例えば図6(b)に示すように、上エリア4に最高速度が80kmであり、下エリア6に最低速度が50kmである場合の交通標識と同じパターンで同じ色合いの速度規制情報を表示する。さらに、中央エリア5に例えば5km先が渋滞中であることを知らせる文章を表示する。
【0048】
非常時には、車両事故、法面の崩壊、トンネル、橋梁などの道路施設の破損事故、地震、路面の浸水などの緊急情報を、第1非常時モードと第2非常時モードに従って発光表示部3で表示する。第1非常時モードでは、上エリア4で速度規制情報を表示し、中央エリア5と下エリア6で緊急時情報を表示する。例えば図7(a)に示すように、上エリア4に最高速度が50kmである場合の交通標識と同じパターンで同じ色合いの速度規制情報を表示し、中央エリア5と下エリア6に、例えば8km先で車両事故が発生していることを知らせる文章を表示する。車両事故の発生現場から遠く離れた場所にある道路情報表示装置では、事故情報とともに、通行止め、徐行運転、迂回路の案内などを表示する。
【0049】
上記のように、上エリア4と中央エリア5と下エリア6は、表示すべき情報に応じて柔軟に使い分けて、表示内容を自由に変更することができる。また、各エリア4〜6の表示は、点灯しているLED18の全体を明滅させて、ドライバーの注意を喚起することができる。各道路情報表示装置の表示は、注意情報や緊急時情報で指摘された現場からの距離の違いに応じて、速度規制情報の内容を変更し、あるいは注意情報や緊急時情報の文章の内容を異ならせることができる。その場合には、道路情報表示装置の電源として利用している非常用電話機の位置情報を知ることにより、事故等の現場との相対位置を正確に特定することができるので、よりきめ細かな注意喚起情報を表示することができる。このような、きめ細かな注意喚起情報を表示することにより、ドライバーに対して事故情報や、事故に伴う通行止め、速度規制などの情報を的確に伝達でき、さらに、緊急車両の円滑な通行を確保するための情報を周知させることができる。
【0050】
第2非常時モードでは、例えば地震が発生して道路施設が破損し、移動先が通行止めになっていること、最寄の出口の案内、迂回路の案内などの緊急時情報を、上エリア4と中央エリア5と下エリア6の全エリアで表示する。その場合には、通常時および注意喚起時に比べて、より長い文章で詳細な情報表示を行うために、図7(b)に示すように、道路状況情報および緊急時情報を16ドット×16ドットの文字表示で表示する。また、各エリア4〜6を使用しても文章全体を表示できない場合には、表示内容を上下あるいは左右方向へスクロールしながら表示する。なお、第2非常時モードにおいて発光表示部3で表示する情報は、高速走行している自動車に対するものではなく、むしろ道路情報表示装置の近傍に停車したドライバーに対して、非常事態の詳細や、対処法を報知して安全を確保するのが主なねらいとなる。従って、走行中のドライバーが表示内容を読取れるか否かよりも、より多くの情報を報知し伝達することが優先される。
【0051】
図8は発光エレメントの別の実施例を示す。そこでは、レンズ基板23の内面に遮光マスク25と一体の遮光壁28を突出させ、各LED18から漏れ出た照射光を遮光壁28で遮ることにより、表示文字の輪郭が滲んだり、ぼやけるのを解消して、表示ユニット10の視認性を向上できるようにしている。遮光壁28は縦横に連続するリング状に形成してあってもよく、格子状に形成してあってもよい。
【0052】
上記の実施例では、ダミー表示部20にレンズパターンを設けるようにしたがその必要はなく、黒無地または白無地に見えるようにすることができる。
【符号の説明】
【0053】
1 支柱
2 表示盤
3 発光表示部
4 上エリア
5 中央エリア
6 下エリア
10 表示ユニット
16 発光エレメント
18 LED
19 レンズユニット
24 レンズ体
25 遮光マスク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8